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技術 チャージポンプを使用することによって気筒内イオン化検出回路用安定化電源を得るデバイス

出願人 ビステオングローバルテクノロジーズインコーポレイテッド
発明者 グオミンジーズマイケルティーネイションブルースワンケニスエルゴウルドガーランジェイヒュバーツケヴィンディーモーラン
出願日 2003年10月31日 (17年3ヶ月経過) 出願番号 2003-371493
公開日 2004年6月3日 (16年8ヶ月経過) 公開番号 2004-156611
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の点火装置
主要キーワード エッジ検出型 関連サブシステム ポストフレーム 電流ピン 休止タイミング 診断サブシステム 歯付き輪 ドライバエレクトロニクス
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

内燃機関イオン化検出回路電流を供給するために使用されるチャージポンプを提供することである。

解決手段

燃焼プロセス中に発生する気筒イオンを検出するためには、直流バイアス電圧印加する必要がある。本発明では、イオン化電流を測定するのに十分な直流バイアス電圧を供給するために、高電圧チャージポンプを使用する。好ましい実施例では、チャージポンプ回路内にモデル番号MIC4827 ELドライバを使用している。チャージポンプ回路は直流12Vを90乃至100Vのパルス列に変換してB+端子に出力する。チャージポンプ出力におけるパルス列のパルス繰り返し周波数は500kHzである。

概要

背景

従来技術は、内燃機関燃焼室内のイオン化電流を検出し、使用するためのいろいろな従来方法を含んでいる。しかしながら、これらのいろいろな従来の各システムは、極めてさまざまな欠陥を有している。例えば、従来技術のイオン化電流検出回路は、一般的に低速過ぎ、信号対雑音比が低い電流信号を発生する。

内燃機関のイオン化電流は、機関失火ノック点火タイミング及び持続時間等の診断に使用することができる。精緻な信号調整処理によって、個々の気筒(もしくは、シリンダ)の燃焼特性も得ることができる。従って、機関燃焼プロセスを閉ループで精密に監視し、制御することができる。燃焼プロセス中に発生する気筒内イオンを検出するためには、スパークプラグ空隙間に直流バイアス電圧印加する必要がある。直流バイアスを発生させるためには、普通の直流電源(大きいエレクトロニクス)の使用、及び一次または二次フライバック電圧によるキャパシタ高電圧キャパシタ)の充電という2つの方法がある。両アプローチは、直流電源のサイズ、及び高電圧キャパシタの信頼性のために欠陥を呈する。

概要

内燃機関のイオン化検出回路電流を供給するために使用されるチャージポンプを提供することである。燃焼プロセス中に発生する気筒内イオンを検出するためには、直流バイアス電圧を印加する必要がある。本発明では、イオン化電流を測定するのに十分な直流バイアス電圧を供給するために、高電圧チャージポンプを使用する。好ましい実施例では、チャージポンプ回路内にモデル番号MIC4827 ELドライバを使用している。チャージポンプ回路は直流12Vを90乃至100Vのパルス列に変換してB+端子に出力する。チャージポンプ出力におけるパルス列のパルス繰り返し周波数は500kHzである。

目的

本発明は、チャージポンプと、一次及び二次巻線を含む点火コイルと、二次巻線の第2の端と接地との間に作動的に接続されている点火プラグと、二次巻線の第1の端に作動的に接続されている第1の端子及びチャージポンプに作動的に接続されている第2の端子を有するカレントミラーと、命令入力、第1の端、及び第2の端を有し、一次巻線の第2の端と接地との間に作動的に接続されている第1のスイッチを含むイオン化検出回路を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

イオン化検出回路であって、チャージポンプと、第1及び第2の端を有する一次巻線、及び第1及び第2の端を有する二次巻線を含む点火コイルと、上記二次巻線の第1の端に作動的に接続されている第1の端子、上記チャージポンプに作動的に接続されている第2の端子、及び第3の端子を有するカレントミラーと、上記二次巻線の第2の端と接地との間に作動的に接続されている点火プラグと、命令入力、第1の端及び第2の端を有し、上記一次巻線の第2の端と接地との間に作動的に接続されている第1のスイッチと、上記第1のスイッチの第2の端と接地電位との間に作動的に接続されている第1の抵抗と、上記カレントミラーの第3の端子と接地電位との間に作動的に接続されている第2の抵抗と、上記カレントミラーの第1の端子と上記二次巻線の第1の端との間に作動的に接続され、イオン化電流を制限するようになっている第3の抵抗と、上記二次巻線の第1の端と接地電位との間に作動的に接続されているダイオードと、を備え、上記カレントミラーは1対の整合したトランジスタを含み、上記各トランジスタはベース端子コレクタ端子、及びエミッタ端子を有し、上記ベース端子は互いに作動的に接続され、上記エミッタ端子は互いに作動的に接続されていることを特徴とするイオン化検出回路。

請求項2

上記チャージポンプは、直流電圧に作動的に接続されている入力ピン、及び上記カレントミラーの第2の端子に作動的に接続されている出力ピンを有するドライバチップを含むことを特徴とする請求項1に記載のイオン化検出回路。

請求項3

上記カレントミラーの第3の端子に作動的に接続されている第1の入力及び上記第1のスイッチの第2の端に作動的に接続されている第2の入力を含む少なくとも2つの入力、及びイオン化信号チャージ電流フィードバック信号との間で多重化される出力を有する第2のスイッチを更に備えていることを特徴とする請求項2に記載のイオン化検出回路。

請求項4

上記第2スイッチの出力に作動的に接続されている入力、及び出力を有する第1の増幅器を更に備えていることを特徴とする請求項3に記載のイオン化検出回路。

技術分野

0001

本発明は、内燃(IC)機関点火診断ステムの分野に関する。より特定的には、本発明は、内燃機関燃焼室内のイオン化電流を検出し、検出したイオン化信号を使用して点火パラメータ監視し、機関の動作を診断する分野に関する。

背景技術

0002

従来技術は、内燃機関の燃焼室内のイオン化電流を検出し、使用するためのいろいろな従来方法を含んでいる。しかしながら、これらのいろいろな従来の各システムは、極めてさまざまな欠陥を有している。例えば、従来技術のイオン化電流検出回路は、一般的に低速過ぎ、信号対雑音比が低い電流信号を発生する。

0003

内燃機関のイオン化電流は、機関の失火ノック点火タイミング及び持続時間等の診断に使用することができる。精緻な信号調整処理によって、個々の気筒(もしくは、シリンダ)の燃焼特性も得ることができる。従って、機関燃焼プロセスを閉ループで精密に監視し、制御することができる。燃焼プロセス中に発生する気筒内イオンを検出するためには、スパークプラグ空隙間に直流バイアス電圧印加する必要がある。直流バイアスを発生させるためには、普通の直流電源(大きいエレクトロニクス)の使用、及び一次または二次フライバック電圧によるキャパシタ高電圧キャパシタ)の充電という2つの方法がある。両アプローチは、直流電源のサイズ、及び高電圧キャパシタの信頼性のために欠陥を呈する。

発明が解決しようとする課題

0004

以上に鑑みて、以下に説明する本発明の特色を概述すれば、内燃機関の燃焼室内のイオン化電流を検出及び/または使用するための1つまたはそれ以上の改良されたシステム、方法、及び/または装置の提供に関する。

課題を解決するための手段

0005

一実施例において本発明は、チャージポンプと、一次及び二次巻線を含む点火コイルと、二次巻線の第2の端と接地との間に作動的に接続されている点火プラグと、二次巻線の第1の端に作動的に接続されている第1の端子及びチャージポンプに作動的に接続されている第2の端子を有するカレントミラーと、命令入力、第1の端、及び第2の端を有し、一次巻線の第2の端と接地との間に作動的に接続されている第1のスイッチを含むイオン化検出回路を提供する。

0006

別の実施例においては、チャージポンプは、直流電圧に作動的に接続されている入力ピン、及びカレントミラーの第2の端子に作動的に接続されている出力ピンを有するドライバチップを備えている。

0007

本発明のさらなる利用可能性の範囲は、以下の添付図面に基づく詳細な説明から明白になるであろう。しかしながら、本発明の思想及び範囲から逸脱することなくさまざまな変化及び変更が可能であることから、この詳細な説明及び特定例は好ましい実施例を説明するものではあるが、単なる例示に過ぎないことを理解されたい。

発明を実施するための最良の形態

0008

本発明は、イオン化検出回路から機関燃焼室内のイオン化信号を検出する。以下に説明するシステム及び関連サブシステムは、幾つかの実施例に関して以下に説明する他の特色に加えて、検出したイオン化信号を使用して点火パラメータを監視し、機関動作を診断してそれを改善し、気筒(もしくは、シリンダ)IDを検出し、空気/燃料比を制御し、スパーク遅れイミングを制御し、最良トルクタイミングのための最小タイミングを制御し、そして排気ガス再循環を制御する。明瞭化のために、本明細書のセクションKにおいて、イオン化電流を測定するための直流バイアス電圧を得るのに高電圧チャージポンプを使用する本発明の方法及び装置に関して詳述する。

0009

この詳細な説明は、一般的にイオン化電流の検出及び/または使用に関係する多くの発明的特色を含む。これらの特色は、単独でも、または他の特色と組合わせても使用することができる。

0010

明瞭化のために、各特色は本明細書の別々のセクションにおいて記述する。セクションAは、一次チャージタイミング(もしくは時間)、一次チャージ持続時間、点火またはスパークタイミング、及び次世代“スマート点火システム制御のための点火またはスパーク持続時間のような点火パラメータを監視するために、イオン化検出回路からのイオン化信号の使用について説明する。

0011

セクションBにおいては、内燃機関の燃焼室内のイオン化電流を測定するための回路を説明する。この回路においては、点火電流及びイオン化電流は点火コイルの二次巻線を同じ方向に流れ、回路はスパークプラグギャップバイアス電圧を印加することによってイオン化信号を検出する。以下に好ましい回路に関して説明するが、本発明の多くの特色は、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、他のイオン化検出回路または方法によって実現することができる。

0012

セクションC及びDは、一般的に、スパーク検出のための気筒内イオン化を使用して気筒識別を検出する方法に関する。詳述すれば、セクションCにおいては、イオン化信号のスパーク相を使用して現機関クランクサイクル、即ち、スパークコイルが所定のレベルに対して部分的にしかチャージされていない(完全チャージではなく)「気筒識別」を決定する気筒識別検出方法を説明する。気筒内の空気が圧縮される(気筒が圧縮行程にある)と、スパークプラグ電極間の抵抗が増加する。着火に失敗した気筒は圧縮行程にある。何故ならば、ガス混合体密度が十分に高く、部分的にチャージされたコイルがスパークプラグギャップの抵抗を降伏させるのに必要な電圧を供給できないからである。更に、セクションDにおいては、どの気筒が圧縮中であるのかを決定することによって、気筒識別を検出する方法を説明する。最短スパーク持続時間を有する気筒が、圧縮中なのである。この持続時間を限時するために使用される2つの方法は、エッジ検出及び積分である。

0013

セクションEにおいては、オンプラグ点火コイル内に集積されたイオン化検出回路及びコイルドライバトランジスタを含む回路を説明する。回路をコイルのトップに、またはコイルの側に配置することによって、回路から二次巻線までの接続距離が最小になる。従って、回路は雑音を受け難くなる。別の長所は、この配置が組立て容易なことである。

0014

セクションFにおいては、集積されたドライバ及びイオン化回路を有する点火コイルが、ドライバ・オン・コイル設計と同数ピン数を有するように、イオン化信号及びドライバ電流フィードバック信号の両者を1つの信号に多重化する方法及び装置を説明する。点火ドライバ回路及びイオン化検出回路の両者を点火コイル上に集積する場合(セクションEにおいて説明)の1つの公知の問題は、集積されたドライバ及びイオン化検出回路の両者をカバーして(コス引下げのために)、集積パッケージに最少数のピン数を使用することである。点火コイルチャージ電流フィードバック信号と、点火信号とを多重化することによって、パッケージピン数が1ピンだけ減少する。

0015

セクションGにおいては、1段とは対照的に、付加的なエネルギ蓄積キャパシタを使用するイオン化検出回路をチャージするための2段方法及び装置を説明する。第2のキャパシタは、一次エネルギ蓄積デバイスとして第1のキャパシタと置換される。この2段チャージング方法は、第1のキャパシタに安定な100ボルト出力を発生する。更に、2つのキャパシタまたは段を使用することによって、より多くのエネルギをイオン化検出回路に供給することができる。

0016

セクションHにおいては、集積されたドライバ及びイオン化回路を有する点火コイル(セクションE参照)が3ピン程度の少ないピン数を有するように、点火一次チャージゲート信号と、イオン化及びドライバ電流フィードバック信号との多重化を説明する。

0017

セクションJにおいては、ASICか、またはIGBTとイオン化検出エレクトロニクスとを1つのシリコンデバイス内に、または1つの電子パッケージ内に集積するために単一の電子パッケージの何れかの使用をそれぞれ説明する。これらのデバイスは、同じような機能を1つのASIC内に、または電子モジュール内に組合わせてパッケージング制約を容易にすることによって、気筒内イオン化検出システムのコストを削減し、複雑さを減少させる。

0018

セクションKにおいては、イオン化電流を測定するための直流バイアス電圧を供給する高電圧チャージポンプの使用を説明する。

0019

セクションA:イオン化信号を使用する点火診断
この特色は、一次チャージタイミング(もしくは時間)、一次チャージ持続時間、炭化またはスパークタイミング、及び次世代“スマート”点火システム制御のための点火またはスパーク持続時間のような点火パラメータを監視するために、イオン化検出回路からのイオン化信号を使用する。更に、このイオン化信号を、スパークプラグの炭素汚れ絶縁物過熱早点火、並びに失敗したイオン化回路または点火コイルを検出するのにも使用する。

0020

機関の動作は、特に低負荷及び高EGR(排気ガス再循環)状態におけるその点火システムの動作に大きく依存する。いろいろな機関状態において点火システムがどのように挙動するかを理解することが、点火システムの“スマート”制御にとって極めて有益である。典型的に点火システムの一次コイルは、局部A/F(空気対燃料)比、圧力、温度、及びEGR濃度のような機関の動作状態関数として、所望のエネルギ量に近づくようにチャージされる。一次コイルの実際のチャージされたエネルギ、及び二次コイルディスチャージするエネルギは未知である。これは、頑ではない点火システムに、部品同士の振動、機関のエージング、機関の動作環境の変化等をもたらす。点火システムの頑丈さを改善するために、そのチャージされたエネルギを、ディスチャージされるエネルギに整合させるように変化させることができる“スマート”点火システムが望ましい。従って、二次ディスチャージ情報が極めて重要である。ディスチャージの瞬間における降伏電圧及びスパーク持続時間はサイクル毎に異なり得るから、これらのパラメータの若干を監視することが望ましい。

0021

本発明は、一次チャージ時間(もしくは、一次チャージタイミング146)及び一次チャージ持続時間、並びに二次ディスチャージ時間及び持続時間をも監視して、点火システム110の“スマート”制御のための基礎を築くためにスパークプラグイオン化信号を使用する。更に、本発明は、炭素の汚れまたは絶縁物の過熱197、早点火190、及びイオン化回路及び/または点火コイルの失敗ようなスパークプラグの誤作動を検出するために、イオン化信号の使用をも含む。

0022

本発明のこの特色は、一般的に、イオン化電流フィードバックを使用する点火診断のサブシステム、及びフィードバック制御システムに向けられている。この診断サブシステムと制御システムとの関係を図1の一番上のボックス内に示す。この“点火システム診断”ボックスは、点火持続時間170、チャージ持続時間150、警告信号197、一次チャージ時間146、点火タイミング160、及び予備チャージ140を含む点火パラメータからなる。スパークタイミング1480に向けられるイオン化電流フィードバックを使用する点火診断及びフィードバック制御システムの4つのブロックは、CLノック(進め)制限制御1450、閉ループMBTスパーク制御1430、1490、1495、CL失火部分燃焼(遅らせ)制限制御1460、及びCL常温始動遅らせ制限制御1000である。燃料トリムベクトル975、個々の気筒A/F比制御1300、及びWOT A/F比最適化1900に向けられた2つのブロックが存在する。所望のEGR比1630、EGR比最適化1600に向けられた1つのブロックが存在する。図1に示されている他の3つのブロックは、アナログ信号処理ブロックASP、A/D変換ブロックA/D、及びパラメータ推定ブロック1800である。パラメータ推定ブロック1800は、ノック信号1404、MBT信号1435、及び失火信号1414を出力するように示されている。アナログ信号処理ブロックASPへの入力は、イオン化電流100である。

0023

典型的なイオン化信号100対クランク角度図2に示す。図示の信号が、検出されたイオン化電流に比例する電圧であることに注目されたい。二次電圧120と電流波形130とを比較する(図3)と、点火時点における鋭い変化の前のイオン信号初期上昇が、一次コイル140の予備チャージ(もしくは、チャージの開始)であることが分かる。図2を参照する。一次コイルチャージが完了した後に信号は立ち下がり、次いでクランク角度に対して殆ど垂直に(即ち、階段状に)上昇する。スパークタイミングは、この点に基づいて検出することができる。即ち、点火またはスパーク時間は、イオン化信号がステップ状に上昇する時点に出現する。これが、点火またはスパーク時間160である。最初の上昇と、ステップ状上昇との間の時間差が、一次チャージ持続時間150である。スパークギャップ間のアーク消滅すると、スパークが0に到達したことによって信号及び二次電流130(図3)は急速に衰退する。鋭いステップ状の上昇と、それに続く衰退との間の時間が、点火持続時間17を表している。このように、イオン化信号に基づいて、一次チャージ時間146、一次チャージ持続時間150、点火タイミング160、及び点火持続時間170を検出することができる。これらのパラメータは、機関の全気筒について、機関の各サイクル毎に監視することができる。

0024

スパークプラグが汚れるか、またはスパークプラグの絶縁物が過熱するか、またはプラグ自体が一時的に燃料噴射によって汚染されるかすると、スパークプラグの絶縁物は導体として働くようになる。この状態においては、イオン化信号ベースラインは最早バイアス電圧105に等しくはならない。プラグがどれ程ひどく汚れたか、及び絶縁物がどれ程過熱したかに依存して、イオン化基底線はバイアス電圧105から上昇するようになる(図4)。一方、一次チャージ期間中に、汚れたプラグまたは絶縁物を通して点火エネルギの一部が漏洩する。最終的に残ったエネルギは、スパークギャップをジャンプするのに十分ではなくなり、失火が発生する(図6の196)。若干の場合には、基底線がイオン化信号の限界に到達し、信号が殆ど使用できなくなる程基底線が高くなり得る。基底線があるしきい値(例えば、初期基底線からほぼ20%の高さ、または1ボルト高い)まで(または、それを超えて)上昇すると、プラグの汚れまたは過熱を知らせる警告信号が送出される(図6の197)。

0025

気筒内に早点火が発生すると、イオン化信号100は、点火が発生する前にイオンを検出するようになる(早点火に起因する早めのイオン化を示している図5参照)。早点火の1サイクルは、次のサイクル中に更に早めの早点火さえも生じさせ、機関を破損させる恐れがある。一旦早点火が検出されたならば、機関をより冷たい動作状態へ制御することが望ましい。

0026

イオン化回路の開路または短絡を検出するために、点火及び燃焼イベントから離れた処で(例えば、上死点の180°後)バイアス電圧(105)をサンプルする。もしサンプルされたバイアス電圧が所与のしきい値以下であれば(例えば、0.5ボルト)、開いたイオン化回路になっているか、または接地への短絡障害を検出することができる(図6の198)。もしバイアス電圧がしきい値よりも高ければ(例えば、4.5ボルト)、電池へ短絡しているイオン化回路が宣言されることになろう(図6の199)。この開路または短絡回路情報は、点火システムの状態を診断するために使用することができる(図6及び7参照)。

0027

セクションB:イオン化電流測定回路
図8は、内燃機関の燃焼室内のイオン化電流を検出する回路10の基本的回路図であって、図35機能ブロック80を表している。図35には示されているが、図8には示されていない回路は、バイアス回路及び一次チャージ電流を多重化するためのスイッチ回路である。先ず回路10の成分及び構成を説明し、次いで回路の動作を説明する。

0028

先ずこの特色の成分及び構成について説明すれば、回路10は、点火コイル12と、内燃機関の燃焼室内に配置されている点火(またはスパーク)プラグ14とを含む。点火コイル12は、一次巻線16及び二次巻線18を含む。点火プラグ14は二次巻線18の第1の端と接地電位との間に直列に接続されている。二次巻線18の第2の端への電気的接続に関しては以下に更に詳述する。一次巻線16の第1の端は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)または他の型のトランジスタ、またはスイッチ22のコレクタ端子と第1の抵抗24の第1の端とに接続されている。IGBT22のベース端子は、パワートレイン制御モジュールPCM)(図示してない)から制御信号図8にVINで示されている)を受ける。制御信号VINは、IGBT22をオン及びオフゲートする。第2の抵抗25が、IGBT22のエミッタ端子と接地との間に直列に接続されている。第1の抵抗24の第2の端は、第1のダイオード26のアノードに接続されている。

0029

回路10は、キャパシタ28を更に含んでいる。キャパシタ28の第1の端は、第1のダイオード26のカソードと、カレントミラー回路30とに接続されている。キャパシタ28の第2の端は接地されている。第1のツェナーダイオード32がキャパシタ28にまたがって、換言すればキャパシタ28と並列に、そして第1のツェナーダイオード32のカソードがキャパシタ28の第1の端に接続され、アノードが接地されるように接続されている。

0030

カレントミラー回路30は、第1及び第2のpnpトランジスタ34及び36を含んでいる。pnpトランジスタ34及び36は、整合しているトランジスタである。pnpトランジスタ34及び36のエミッタ端子は、キャパシタ28の第1の端に接続されている。pnpトランジスタ34及び36のベース端子は互いに接続され、且つ第1のノード38に接続されている。第1のpnpトランジスタ34のコレクタ端子も、第1のノード38に接続されており、それによって第1のpnpトランジスタ34のコレクタ端子とベース端子とは短絡されている。従って、第1のpnpトランジスタ34はダイオードとして機能する。第3の抵抗40が、第2のpnpトランジスタ36のコレクタ端子と接地との間に直列に接続されている。

0031

回路10には、第2のダイオード42も含まれている。第2のダイオード42のカソードは、キャパシタ28の第1の端と、第1及び第2のpnpトランジスタ34及び36のエミッタ端子とに接続されている。第2のダイオード42のアノードは、第1のノード38に接続されている。

0032

回路10は、第4の抵抗44をも含んでいる。第4の抵抗44の第1の端は、二次巻線18の第2の(点火プラグ14とは反対の)端と、第2のツェナーダイオード46のカソードとに接続されている。第2のツェナーダイオード46のアノードは接地されている。

0033

次に図8及び9を参照して回路10の動作を説明する。図9の(a)は、PCMからIGBT22への制御信号VINを時間の関数として表したグラフである。図9の(b)は、点火コイル12の一次巻線16を通る電流IPWを時間の関数として表したグラフである。図9の(c)は、回路10からの出力電圧を時間の関数として表したグラフである。上述したように、IGBT22はPCMから制御信号VINを受け、1)点火または燃焼、及び2)キャパシタ28の充電のタイミングを制御する。この回路構成においては、IGBT22は、オフ(即ち、非導通状態)と、オン(即ち、導通状態)とを有するスイッチとして動作する。

0034

初めに、時点=t0においては、キャパシタ28は完全充電されていない。PCMからの制御信号VINは低であるので(図9の(a)参照)、IGBT22はオフ、即ち非導通状態で動作する。一次巻線16は開回路であり、従って巻線16に電流は流れない。

0035

時点=t1において、PCMからの制御信号VINが低から高へ切り替わるので(図9の(a)参照)、IGBT22はオン、即ち導通状態で動作する。電池20からの電流が点火コイル12の一次巻線16、導通中のIGBT22、及び第2の抵抗25を通って接地へ流れ始める。一次巻線16を通して電流を通過させるためには、どのような数のスイッチまたはスイッチングメカニズムも使用することができる。好ましい実施例では、IGBT22を使用している。時点=t1と時点=t2との間に、一次巻線電流IPW(図8破線で示されている)が上昇し始める。時点=t1と時点=t2との間の時間はほぼ1ミリ秒であるが、これは使用する点火コイルの型によって変化する。

0036

時点=t2において、PCMからの制御信号VINが高から低へ切り替わり、それによってIGBT22はオフ、即ち非導通状態で動作する。IGBT22がオフに切り替わるので、点火コイル12の一次巻線16からのフライバック電圧がキャパシタ28を所要のバイアス電圧まで急速に充電する。時点=t2と時点=t3との間に、スパークプラグ14に接続されている二次巻線18の第1の端における電圧が、点火が開始される電圧レベルまで上昇する。時点=t1と時点=t2との間の時間は、ほぼ10マイクロ秒である。第1の抵抗24は、キャパシタ28への充電電流を制限するために使用される。第1の抵抗24の抵抗値は、フライバック電圧がツェナーダイオードの電圧より大きい場合にキャパシタ28が完全に充電されるのを保証するように選択される。

0037

時点=t3において、点火コイル12の二次巻線18からの点火電圧が点火プラグ14に印加され、点火が始まる。時点=t3と時点=t4との間に、空気/燃料混合体の燃焼が開始され、点火電流IIGN(図8鎖線で示されている)が、第2のツェナーダイオード46、点火コイル12の二次巻線18、及び点火プラグ14を通って接地へ流れる。時点=t4において点火は完了するが、空気/燃料混合体の燃焼は継続する。

0038

時点=t5においては燃焼プロセスが継続し、充電されたキャパシタ28が点火プラグ14の電極にまたがってバイアス電圧を印加しているので、燃焼プロセスによって発生したイオンに起因するイオン化電流IIONが発生してキャパシタ28から流れる。カレントミラー回路30は、イオン化電流IIONと同一ではあるが、分離したミラー電流IMIRRORを発生する。キャパシタ28から第2のノード48へ流れるバイアス電流IBIAS(図8長短の鎖線で示す)は、イオン化電流IIONと分離したミラー電流の和に等しい(即ち、IBIAS=IION+IMIRROR)。

0039

イオン化電流IION(図8に破線で示す)は、第2のノード48から、第1のpnpトランジスタ34、第1のノード38、第4の抵抗44、点火コイル12の二次巻線18、及び点火プラグ14を通って接地へ流れる。以上のように、充電されたキャパシタ28は、スパークプラグ14にまたがってほぼ80ボルトのバイアス電圧を印加してイオン化電流IIONを発生させるための電源として使用される。バイアス電圧は、二次巻線18及び第4の抵抗44を通してスパークプラグ14に印加される。二次巻線のインダクタンス、第4の抵抗44、及び点火コイルの実効キャパシタンスが、イオン化電流の帯域幅を制限する。従って、第4の抵抗44の抵抗値は、イオン化信号の帯域幅を最大にし、周波数レスポンスを最適化し、そしてイオン化電流をも制限するように選択される。本発明の一実施例では、第4の抵抗44の抵抗値は330kΩであって、20kHzまでのイオン化電流帯域幅を得ている。

0040

カレントミラー回路30は、検出されたイオン化電流IIONと出力回路とを分離するために使用される。分離されたミラー電流IMIRROR(図8に2点鎖線で示す)は、イオン化電流IIONに等しく、換言すればイオン化電流IIONを鏡映している。分離されたミラー電流IMIRRORは、第2のノード48から、第2のpnpトランジスタ36及び第3の抵抗40を通って接地へ流れる。イオン化電流IIONと同一ではあるが分離しているミラー電流信号IMIRRORを発生させるためには、第1及び第2のpnpトランジスタ34及び36は整合していなければならない。即ち、両トランジスタは、同一の電子的特性を有していなければならない。このような同一の特性を得るための1つの方法は、同一のシリコン片上に存在している2個のトランジスタを使用することである。分離されたミラー電流IMIRRORは、典型的には300マイクロアンペアより小さい。第3の抵抗40は、この分離されたミラー電流IMIRRORを対応する出力電圧信号図8にVOUTで示す)に変換する。第3の抵抗40の抵抗値は、出力電圧信号VOUTの大きさを調整するように選択する。第2のダイオード42は、ミラートランジスタ34及び36をバイアスし、ノード38の電圧がしきい値を横切ることがあれば接地への通路を作ることによって両トランジスタを保護する。ミラートランジスタを保護するために、第3のトランジスタを使用することもできる。

0041

図9の(c)は、正常燃焼時に得られる出力電圧信号VOUTを示している。時点=t5以降の出力電圧信号VOUTの部分は、燃焼動作に関する診断情報として使用することができる。機関全体の燃焼動作を決定するために、機関の1つまたはそれ以上の燃焼室内のイオン化電流を、それぞれ、1つまたはそれ以上の回路10によって測定することができる。

0042

図示の回路10においては、点火電流IIGN及びイオン化電流IIONは、点火コイル12の二次巻線18を同一方向に通って流れる。その結果、イオン化電流の開始(換言すれば、流れ)並びにイオン化電流の検出は迅速である。図示の回路10では、充電されたキャパシタ28が電源として動作する。回路10は受動的であり、換言すれば専用の電源を必要としない。充電されたキャパシタ28は、イオン化検出及びカレントミラー回路30の両者のために比較的高いバイアスを供給する。その結果、絶縁された電流信号IMIRRORは大きくなり、従って信号対雑音比は高くなる。

0043

セクションC:部分的なコイルチャージングに続くスパークを検出するために、気筒内イオン化を使用して気筒IDを検出する方法
気筒内イオン化検出を使用して現気筒識別(ID)を検出するスキームは、排気行程の燃焼時の雑音、振動、及び喘鳴(ハーシネス)(NVH)問題、常温始動時炭化水素(HC)排出問題、及び常温における燃料パドリング効果に起因する遅れのような、多くの問題を抱えている。

0044

この特色は、少なくとも2つの気筒、電極ギャップを有するスパークプラグ、及びイオン化レベルの気筒内測定を有し、可変カムタイミング用のカムシャフトセンサを使用しない内燃機関を有するビークルに関係している。

0045

多くの従来技術は一般的にイオン化電流に関しているが、その殆どは失火及びノック、及びEGR及びスパーク配置、または回路のような機関変数の制御を取扱うためである。

0046

若干の従来の出版物は、イオン化電流から気筒IDを検出することに直接関連している。例えば米国特許US5563515A1は、複数の失火気筒を使用して気筒を検出している。

0047

また、米国特許US6029631A1は、スパークギャップにまたがって発生する電圧レベルを使用して気筒IDを決定する方法を開示している。以下に説明するように、この方法は多くの欠陥を有している。

0048

大部分の自動車の内燃機関は、往復動ピストン駆動型である。往復動機関は、燃料エネルギ回転運動(一般に、馬力として測定される)に変換する機械である。機関内では、ガソリンが気筒への途中でキャブレタ(もしくは、燃料噴射器)を通過する際に、空気に付加される。この混合体は気筒内で燃焼し、加熱されて圧力を発生する。この圧力が気筒内のピストン押し下げクランクシャフトを回転させる。図10は、直列4気筒自動車機関のための典型的な機構を示している。

0049

近代的自動車機関の大部分は、4行程(もしくは、サイクル)動作を使用している(図11参照)。吸気行程においてピストンが下降し始めると吸気弁が開き、空気/燃料混合体が気筒内に引き込まれる(皮下注射器プランジャを引き抜くことによって、流体チャンバ内へ引き込むことができるのと類似している)。ピストンが吸気行程の底に到達すると吸気弁が閉じ、空気/燃料混合体を気筒内に閉じ込める。

0050

圧縮行程ではピストンが上方へ運動し、吸気行程において閉じ込めた空気/燃料混合体を圧縮する。混合体を圧縮する量は、機関の圧縮比によって決定される。平均的な機関の圧縮比は、8:1乃至10:1の範囲内にある。これは、ピストンが気筒のトップに到達した時に、空気/燃料混合体の体積がその初めの体積の約1/10まで圧迫されることを意味する。

0051

動力行程ではピストンは上方へ運動し、スパークプラグが点弧し、圧縮された空気/燃料混合体が点火されて、蒸気の力強い膨張が発生する。この燃焼プロセスが気筒内でピストンを下方へ押すが、その力はクランクシャフトを回転させてビークルを推進するための動力を供給するのに十分である。各ピストンは、機関の着火順序によって決定される異なる時点に着火する。クランクシャフトが2回転を完了する時点までに、機関内の各気筒は1動力行程を通る。

0052

ピストンが気筒の底にある排気行程では、排気弁が開いて燃焼済み排気ガス排気システムへ排出することができる。気筒は大きい圧力を含んでいるから、弁が開いた時にガスは激しい力で排出される(これが、マフラーを外したビークルが大音響を発生する理由である)。ピストンは気筒のトップまで上昇し、4行程プロセスを再度開始する準備として排気弁が閉じる前に全ての排気押し出す

0053

気筒は、本来2行程だけを有している。4行程を創るために、弁を使用して気筒に流入する、及び気筒から流出する空気を制御する。カムシャフト202のローブ201が、弁タイミングと呼ぶ弁の開閉を決定する(図12及び13参照)。

0054

弁は気筒行程毎には開閉しないから、カムシャフトはクランクシャフトと同じ速度で回転しない。そうではなく、カムシャフトはクランクシャフトの半分の速度で回転するように減速される。

0055

図14は、プッシュロッド伝導装置203及びオーバーヘッドカムシャフト204を示している。プッシュロッド弁伝導装置は、ロッカー205、タペット隙間206、機関速度の半分で回転するカムシャフト(スプロケットの2倍だけ多くの歯を有する)207、クランクシャフトスプロケット208、カム209、別のカムシャフト210、タペット211、入口弁212、排気弁213、プッシュロッド214、ばね261、弁の隙間を調整するためのロックナット262、及びロッカーシャフト263からなる。オーバーヘッドカムシャフト204は、カム264、回転するカムによって開かれる弁265、カムシャフト266、カムシャフトスプロケット267、バケットタペット268、弁ばね269、テンショナー270、スプロケット271、別のテンショナー272、クランクシャフトスプロケット273、排気弁274、入口弁275、弁ばね276、バケットタペット277、スプロケット278、及び別のカムシャフト279からなる。

0056

気筒IDは、機関の気筒がどの行程にあるのかを決定するプロセスと定義される。気筒位置が行程を決定するのではなく、弁が行程を決定するので、クランクシャフト角度を使用して気筒がどの行程にあるのかを知ることは困難である。ある気筒が上昇しつつあることをクランクシャフトセンサから知ることはできるが、それが圧縮行程中であるのか、または排気行程中であるのかを知ることが望ましい。

0057

ある気筒が上昇しつつある場合、それは圧縮行程、即ち行程2であることも、または排気行程、即ち行程4であることもあり得る。反対に、もし気筒が下降しつつあれば、それは吸気行程、即ち行程1であることも、または点火行程、即ち行程3であることもあり得る。従って、クランクシャフト角度を使用して気筒の位置を識別できるとしても、それが圧縮行程中であるのか、または排気行程中であるのかを知ることが望ましい。

0058

イオン化センサを有していない最新式の機関は、特別なクランクシャフトセンサ、及びカムシャフト上に配置された歯付き輪から気筒IDを決定している。これは機関にコストと複雑さとを付加する。更に、センサは1つの気筒の位置(例えば、圧縮中の気筒1の上死点TDC)だけしか指示しないので、気筒があるストップに到達した時のその向きに依存してその行程を識別するためには、機関クランクシャフトは2倍で回転しなければならない。図15は、機関クランクシャフト上の4行程の弁タイミングの重なりを示している。実際には、殆どの典型的な型のセンサ(可変磁気抵抗センサ)が低速では作動せず、速度が最低しきい値に到達するまでは最初の回転または2回転を失する恐れがあるので、回転数はより多いことが屡々である。従って、気筒IDを極めて迅速に決定するイオン化センサを使用することができ、またカムシャフトセンサ及び輪を排除できることが望まれている。

0059

スパーク点火(SI)機関においては、スパークプラグは既に燃焼室内にあり、別のセンサを侵入させる必要なく検出デバイスとして使用することができる。燃焼中、大量のイオンがプラズマ内に発生する。火炎前縁フレームフロント)における化学反応によってH3O+、C3H3+、及びCHO+が発生し、検出するのに十分に長い励起時間を有している。もしスパークプラグギャップにまたがってバイアス電圧を印加すれば、これらの自由イオンが引かれて電流が発生する。

0060

イオン化検出機構280はプラグ上のコイルからなり、各コイル内のデバイスは、スパークがアークを生じさせない時にチップにまたがってバイアス電圧を印加する。スパークプラグチップを横切る電流が分離され、測定される前に増幅される(図16参照)。コイル281(イオン検出)が、モジュール282(イオン処理)に取り付けられている。

0061

スパークプラグイオン化信号は、気筒内に燃焼が発生した時のスパークプラグギャップにおける局部的導電率を表している。イオン化信号の変化対クランク角度を、燃焼プロセスの異なる段階に関係付けることができる。イオン電流は、典型的に3つの相、即ち点火またはスパーク相、火炎前縁相、及び火炎後(ポストフレーム)相を有している。点火相は、点火コイルがチャージされ、後に空気/燃料混合体を点火する相である。火炎前縁相は、火炎(火炎核形成中の火炎前縁の運動)が気筒内に展開する相であり、理想的な環境の下では、単一のピークからなる。火炎前縁相における電流は、空気/燃料比に大きく関係していることが分かっている。火炎後相は、気筒内の温度及び圧力展開に依存し、ピークがピーク圧力の位置に十分に相関付けられた電流を発生する。

0062

イオン化信号は、点火後のイオン化電流を表している。点火中のそれは、混合された点火電流及びイオン電流(即ち、イオン化電流)を表す。これは、本発明においては、イオン化電流及び点火電流が同一方向に流れるからである。点火前のイオン信号は、一次巻線のチャージ電流によってもたらされる二次巻線電流の変動を表している。

0063

図17の典型的なイオン化信号は、気筒#1の圧力283及びイオン化信号284を示している。気筒IDを検出する本方法は、信号のスパーク相を使用する。気筒内の空気が圧縮されると、スパークプラグ電極間の抵抗が増加する。これは空気が自然の絶縁体であるからであり、それ自体の降伏電圧は多数の異なるファクタ(密度、湿度、温度等)に基づく。この増加した抵抗は、1対の認識できる効果をもたらす。

0064

圧縮行程中のスパークの持続時間(即ち、スパーク持続時間)は、圧縮しない場合のそれよりも短い。スパークアーク前に電圧を蓄積するにはより長くかかり、エネルギが消散すると、スパークは電圧降下に伴って直ちに終了する。この方法には幾つかの欠陥がある。第1に、1サンプル/度の(典型的)分解能でのサンプリングでは、特に機関速度が低めの場合に、この短時間のイベントに対して十分な精度を与えないから、スパーク持続時間を決定するためには一般的にエッジ検出が必要である。更に、この読みに対して重大な雑音をもたらし得る(何故ならば、スパークの持続時間の差は、良好な信号/雑音比を有用にするのに十分に小さい)他の変数が存在する。

0065

スパークコイルは、所定のレベルまで部分的にチャージすることができる(それを完全にチャージする代わりに)。次に、どのコイル(1または複数の)が点弧またはスパークに失敗したかについての決定を行う。部分的にチャージされたコイルがスパークプラグギャップを降伏させるのに必要な電圧を供給できない程抵抗が十分に高いので、点弧に失敗した気筒は圧縮行程中である。

0066

抵抗の増加は、二次電圧ピークにも影響を与える。ギャップを横切るスパークをアークさせるには、より高い二次側電圧が必要である。これは、誘起した電流の流れを通して一次側で測定することができる。この方法に伴う問題は、一次側電流ターンオン及びオフさせるのに一般的に使用されているIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が、400ボルト以上(典型的)の電圧を禁止する電圧保護を有していることである。このことが、このピーク検出方法を殆ど使用させないようにしていたのである。

0067

従って、気筒IDを決定するためにイオン化電流センサを使用する改良された方法を提唱する。一実施例においては、スパークコイルが所定のレベルまで部分的にチャージされる(完全にチャージする代わりに)。次に、どのコイル(1つまたは複数の)が点弧に失敗したのかを決定するために、コイルを注視する。点弧に失敗したコイルを含む気筒は、圧縮行程中である。部分的にチャージされたコイルがスパークプラグギャップにおける抵抗を降伏させるのに必要な電圧を供給できない程ガス混合体が十分に高いために、コイルが点弧に失敗したのである。

0068

従って、この実施例は、IGBTがターンオフした後のイオン化電流を観測することによって、どの気筒に、そして何時スパークを印加するかを決定し、休止時間を計算し、そしてどの気筒が圧縮行程にあるのかを決定することを含む。

0069

別の実施例では、本発明は、どの気筒に、そして何時スパークを印加するかを決定し、スパーク持続時間を計算し、そしてどの気筒が圧縮行程にあるかを決定することを含む。

0070

先ず、どの気筒を、そして何時スパークさせるかを決定する。1−3−4−2の点弧順序を有する4サイクル機関図18に示す)の場合、クランクシャフト上の何処が0°かを決定するには、欠歯(典型的に使用されている)を見出すために、機関クランクシャフトを完全1回転まで回転させる必要がある。その点において、即ち0°(それらの上死点(TDC)位置)において気筒1及び4をスパークさせる。もし決定に失敗すれば(即ち、どのスパークコイルも点弧に失敗しなければ)、気筒3及び2を180°において点弧させてどちらが圧縮中であるかを決定する。これは、気筒IDが決定されるまで続行される。

0071

この方法は、検出成功の機会を増すために4気筒を同時にスパークさせ得ることを除いて、8気筒機関の場合もほぼ同一である。4、6、及び10気筒機関ではプロセスは類似しており、1対の気筒が異なるクランク角度においてスパークさせられる。3及び5気筒機関はやや異なっており、両端の気筒の行程は完全に反対である。1つの気筒だけが圧縮行程の上死点TDCにあるので、それだけが失火する。

0072

スパークコイルをチャージするために使用されるエネルギ量の計算は、機関速度、負荷等のような多くの変数に依存する。印加するエネルギが多過ぎると行程には無関係に全ての気筒がスパークし、圧縮中の気筒の検出に失敗する。エネルギが少な過ぎるとどの気筒もスパークせず、圧縮中の気筒の検出に失敗する。従って、圧縮中の気筒を検出するためには、適切なスパークエネルギレベルを使用する。これを、図19及び20に示す。

0073

実際のスパークエネルギは、スパークプラグタイミングのために設定されている休止時間に関係付けられる。コイルを通って流れる電流が大きい程、コイルが蓄積するエネルギは大きくなる。機関制御モジュールECUがIGBTをターンオンさせると、コイルはチャージされ始める。機関制御モジュールECUがIGBTをターンオフさせると、コイルは誘導性フライバックを発生し、もし降伏電圧を発生させるのに十分なエネルギがコイル内に存在すれば、スパークが発生する。スパークタイミングは固定されているから(IGBTオフ時間)、IGBT“オン”時間は休止計算のための制御(出力)である。機関が正常に動作中に機関制御モジュール(ECU)は、スパークが発生する時点までにコイルが完全にチャージされるようにIGBTのターンオン時間を計算することを試み、次いでIGBTがターンオフする。もし休止時間が長過ぎればエネルギが浪費され、コイル内に過大な熱が発生する。もし休止時間が短か過ぎればコイルは完全にチャージされず、スパークが失われるかまたは劣化することが原因で、失火または部分的燃焼がもたらされる恐れがある。スパークタイミングが重要であり、変化させるべきではないので、正確なスパークタイミングを保証するために、ECUはコイルをオーバーチャージ(長過ぎる休止)する傾向がある。

0074

前述したように、イオン化信号は、気筒内で燃焼が発生した時のスパークプラグギャップにおける局部的導電率を表している。その理由は、圧縮行程中に気筒内のガスが圧縮されるにつれてガス密度が高くなり、電流の流れに対するガスの抵抗が増加することである。従って、スパークプラグ電極間の抵抗が増加する。

0075

点火コイルの一次巻線には、典型的に12Vの直流が1ミリ秒間印加される。この電圧は二次巻線において30kV以上にステップアップされる。スパークプラグギャップ間の空隙を降伏させてスパークアークを発生させるためには、この高電圧が必要である。これを図20の(a)に示す。図20の(a)は、最大電流に到達するまでは、電圧がコイル電流に比例することを示している(グラフの傾斜した部分)。

0076

気筒が圧縮されると、完全にチャージされていない点火コイルによってアークを発生させるにはスパークプラグ電極間のガス密度が高過ぎるようになる。

0077

休止時間(電圧が一次コイルに印加される時間量)を変化させることによって、スパークプラグ電極に印加される使用可能なエネルギも変化する。休止時間が短い程、使用可能なエネルギも少なくなる。上述したように、休止時間はIGBTの“オン”時間によって制御される。

0078

スパークプラグのスパーク失敗は、イオン化信号に反映される。即ち、イオン化信号は、休止が完了した後に一連パルスになり(図21参照)、二次コイル内に蓄積されたエネルギが消費されるとリンギング効果を呈する。従って、気筒が圧縮行程にあるのか否かを決定するためにイオン化信号を使用することができる。本方法は、気筒のコイルをチャージするために使用される休止時間の量を減少させる。従って、スパークプラグ電極にまたがって印加されるエネルギが減少する。特定の休止時間は、圧縮行程にはない気筒内に配置されているスパークプラグがスパークし、圧縮行程中の気筒内に配置されているスパークプラグがスパークしないように選択される。好ましい実施例では、休止時間は、典型的な1ミリ秒の休止時間の30乃至50%まで短縮される。

0079

本発明は、通常のコイルチャージングに比して短縮されている休止時間を使用する。以下の式によって表されるように、休止時間は、圧縮された気筒内にスパークを発生させるのに必要なエネルギに各々が影響を与える幾つかの変数の関数である。
Ton=Toff−f(ACT,ECT,MAP,N)
ここに、Toffはスパークタイミング(IGBTがターンオフする時点)を表し、ACTは空気チャージ温度を表し、ECTは機関冷却材温度を表し、MAPはマニホルド空気圧を表し、そしてNは機関クランク速度を表す。

0080

スパークタイミングは、スパークさせるべく選択された2つの気筒のガス密度差を最大にするように選択される。従って、気筒識別のための最良スパークタイミングは選択された対の気筒のTDC位置においてである。1−3−4−2の点弧順序を有する4サイクル機関の場合、第1の対(気筒1及び4)が次に使用可能な0または360クランク度の何れかあり、また第2の対(気筒3及び2)は180または540クランク度の何れかにあろう。

0081

プロセスに影響を与える湿度のような他のファクタも存在する。これらの効果は、一般的に無視できる。較正の負担を軽減するために、若干の変数を上述した計算から排除することはできるが、最低限必要な公式は次の通りである。
Ton=Toff−f(N)

0082

好ましい実施例においては、IGBTがターンオフした後のイオン化電流を観測し、スパークが発生したか否かを決定することによって、どの気筒が圧縮行程にあるのかを決定する。

0083

図21は、3気筒機関の気筒1がその圧縮行程の終わりに近付きつつある時に、気筒1の上死点位置付近において3つの気筒内の全てのコイルを点弧させるプロセスを示している。上側の曲線285は、気筒#1の圧力を表している。下側の曲線は、各気筒の点弧284、286、287と同じ時点における全てのコイルの点弧を表している。この例は、圧縮中の気筒と圧縮中ではない気筒との間の差を表示するために示されている。実際の点弧スキームは機関構成の結果であり、既に説明した。

0084

図22は結果を表しており、スパークさせた2つの気筒を示しており(イオン化電流信号は飽和している)、気筒1は必要な高電圧が得られないために降伏せず、“リンギング”を生じていることを示している。鎖線で示す曲線286は、圧縮行程中の高いガス密度のためにスパークが発生しなかった気筒1を表している。実線で示す曲線287は、ガス密度が比較的低い(圧縮中ではない)ためにスパークしている気筒2を表している。破線で示されている曲線288は、空気密度が比較的低い(圧縮中ではない)ためにスパークしている気筒3を表している。

0085

図22は、異なる気筒から検出されたイオン化信号間の差も示している。気筒1の二次コイル電圧ガスギャップを降伏させるのに十分には高くなく、気筒2及び3の電圧はそれらのガスキャップを降伏させている。気筒1の場合、スパークプラグギャップ間のガスは降伏させられず、スパークは発生しなかった。休止の完了後の最初のイオン化パルスの幅は、気筒2及び3のイオン化信号より遙かに短い。降伏が発生した気筒2及び3のイオン化信号は、遙かに長いパルス幅を有している。従って、各気筒からのイオン化信号パルスの持続時間を測定することによって、どの気筒が圧縮中であるのかを検出することができる。

0086

業者ならば、スパークイベントが発生したか否かの問いに対してイエス/ノーを返答する多くの方法があることを認識しているであろう。それらの幾つかを以下に説明する。

0087

回路に関連付けられたリンギングが、マイクロプロセッサが測定しつつあるイオン電圧電流レベルに飽和を生じさせないような場合には、予測されるスパークウィンドウ中に測定を行うことが可能である。もし測定されたパルスシーケンスのピークの大きさがあるしきい値より大きければ、スパークが発生したのである。そうでない場合には、スパークは発生しなかったのである。その理由は、二次コイル内のピークリンギング電流スパーク電流よりも相対的に小さいことである。図23は、スパークが発生したか否かを決定するサンプリング方法を示している。

0088

もしリンギングが飽和すれば、絶対測定値に依存しない方法を使用する。1つの方法は、電流を電圧に変換し、その信号を積分し、そしてスパークウィンドウの間に積分したイオン化信号があるしきい値より大きいか否かを決定するためにコンパレータを使用することである。もし大きければ、スパークは発生したのである。大きくなければ、スパークを発生させることに失敗したのである。図24は、スパークが発生したのか否かを決定するためのスパークエネルギ積分装置であって、スパークエネルギは、スパークウィンドウの間に積分されたイオン化電圧として定義される。

0089

気筒内にスパークが発生したか否かを決定するのに使用されるロジックを示す総合フローチャート図25に示す。図25において、全てのイオン化信号が検出され(340)、濾波され(345)、そして積分される(350)。次いで、積分されたイオン化信号がサンプル・ホールドされ(355)、参照値と比較される(360)。もしエネルギがこの参照より低ければ、スパークは発生しなかったのである(365、370)。もし気筒内の積分値が参照値、即ちしきい値を越えれば、スパークが発生したのである(365、375)。エネルギは、点火ウィンドウの間に積分された点火中のイオン化電圧と定義される。典型的には、スパークエネルギは式E=V2×(t/R)を使用することによって近似することができる。但し、Eはエネルギを表し、VIONはイオン化電流に比例するイオン化電圧を表し、Rは抵抗を表し、そしてtは時間を表す。

0090

イオン化測定回路の故に抵抗Rは一定であると仮定しており、回路はスパークイベント中に飽和することが知られているから、Vmax2に時間を乗ずると代表的な数字が得られる。典型的な数字は(5V2)×0.5ミリ秒であることができ、これは実際のスパークエネルギに比例している。0.5ミリ秒は、ある機関速度における典型的な積分ウィンドウを表しており(実際のウィンドウは機関速度と共に変化する)、5Vは、イオン化測定回路が発生する最大値を表している。典型的な参照値、またはしきい値は、このエネルギの75%にセットされる。これらの諸ステップが、図26のフローチャートに示されている。

0091

セクションD:気筒内イオン化を使用してスパーク持続時間を測定し、気筒IDを検出する方法
上述したように、気筒ID(CID)検出プロセスは、イオン信号からスパークタイミングを計算することを含む。どの気筒が、何時スパークするかを決定する手順は、セクションCにおいて説明した手順と変わらない。図27は、1つの気筒だけが実際に圧縮中である場合、クランクシャフトの所与の位置において複数の全ての気筒がスパークしていることを示している。広がった曲線289は、気筒#1の圧力を表している。321Kサンプル付近において広がった曲線を通過している狭い曲線290、291、292は、各気筒の上死点TDC付近における全コイルの点弧を表している。最短持続時間を有するスパークが、圧縮中の気筒である。

0092

図28は、イオン化電流に比例するイオン化電圧によって表される結果的なスパーク持続時間の拡大図である。3つの気筒の中の1つが、遙かに短い持続時間を有していることが明白である。これが、圧縮下の気筒である。スパークが終わった後の“リンギング”効果が、検出努力を僅かに面倒にしていることに注目されたい。破線曲線290は、最短のスパーク持続時間を有する気筒1を表している。破線曲線291は、長めのスパーク持続時間を有する気筒2を表している。実線曲線292は、長めのスパーク持続時間を有する気筒3を表している。

0093

どの気筒が圧縮中であるのかを決定するのに使用されるファクタは、スパークの持続時間を測定する能力リンクされることは明白である。この持続時間を限時するために使用される2つの方法を以下に説明する。

0094

先ず、スパーク持続時間の量を決定するために、エッジ検出技術を使用することが可能である。図29に示すのは、イオン化回路を通して見たスパークイベントの立ち上がり及び立ち下がりエッジによって、タイマ400をターンオン及びオフさせる場合である。イオン化信号100及びウィンドウ信号410が、立ち上がりエッジ検出器415及び立ち下がりエッジ検出器420への入力である。立ち上がり及び立ち下がりエッジは、タイマ400の可能化ピンに接続されているフリップフリップ425をトグルさせる。スパークイベントの後に回路内に“リンギング”が存在するから、好ましい実施例では、使用するエッジ検出器415、420がワンショットにしてあることに注目されたい。これらのタイミング回路の出力はサンプル・ホールド回路430内に保持され、どのイベントの持続時間が最短であったかを調べるために比較される。クロック信号405が、タイマ400及びフリップフロップ425を駆動する。図30は、エッジ検出を使用してスパーク持続時間を決定する時に使用される諸ステップのフローチャートである。

0095

スパーク持続時間を限時する異なる方法は、イオン化信号を積分することである。積分されたエネルギ量が最少である回路が圧縮中の気筒である。図31は、積分を使用して2つの気筒信号を比較するコンパレータ回路440を示す。2つのイオン化信号100S1、100S2からエネルギが検出され(500)、積分器1及び2(445、450)において積分され(510)、そして比較される(520)。結果がサンプルされ、ホールドされる(530)。スイッチ455及びメモリ回路460は、一緒になってサンプル・ホールド回路462として動作する。この回路は、ウィンドウ信号410によってトリガされる。コンパレータ440は、2つの信号100S1または100S2のどちらが高いかを指示するために使用される。圧縮中の気筒は、低めのエネルギ量を有する信号を出力する。このエネルギは、点火ウィンドウの間に積分された点火中のイオン化電圧に比例する。これらの諸ステップが、図32のフローチャートに示されている。

0096

セクションE:集積されたコイルドライバ及びイオン化検出回路を有する点火コイル
ECM内に配置されているか、または他の遠隔位置に配置されている内燃機関(ICE)のオンプラグ点火コイルは高EMI放出を受け易く、接続ワイヤーが長いことが原因で他の成分から妨害を受ける。イオン化検出回路は、それらが極めて低い信号電流レベル(μA)を取り扱うので、EMI問題はより重大になる。それの解決法は、コイルドライバトランジスタ及びイオン化回路の両者を、オンプラグ点火コイルに集積することである(図33)。

0097

好ましい実施例では、温度及び熱ショック問題に対処するために、コイルパッケージ内に集積されたコイルドライバトランジスタ及びイオン化検出回路の両者に140°C定格の部品を使用している。更に、振動問題に対処するために、コイルドライバトランジスタ及びイオン化検出回路の両者に20G定格の部品を使用している。

0098

回路をコイルのトップに、またはコイルの側に配置することによって、回路から二次巻線までの接続距離が最小になる(コイルのトップの実施例について、図33を参照されたい)。従って、回路は雑音を受け難い。別の利点は、この配置は組立てが容易なことである。ドライバ及びイオン回路基板は、単に点火コイルアセンブリクリップオンするだけでよい。従って、クリップコネクタ65の使用が、このレイアウトによってもたらされる別の利点である。上面図(図33の(a))は、ドライバ及びイオン化回路基板10及びパワートレイン制御モジュールPCMに作動的に接続されているコネクタ50を保護するカバー60を示している。側面図(図33の(b))は、一次巻線16、コア13、二次巻線18、ドライバ及びイオン化回路基板10、クリップコネクタ65、カバー60、スパークプラグに作動的に接続されているコネクタ55、及びパワートレイン制御モジュールPCMに作動的に接続されているコネクタ50を示している。図34では、回路はコイルの側に配置されている。印刷配線基板70上に配置されているイオン化信号100、ゲートドライブ信号VIN、接地GND、電力B+、コイル一次巻線16、コイル二次巻線18の入力が示されている。電力B+、接地GND、ゲートドライブVIN、及びイオン化信号100も4つのコネクタブレード71上に配置されている。

0099

セクションF:ドライバ及びイオン化検出回路と共に集積された点火コイルにおいてイオン化信号及びコイルチャージ電流フィードバック信号を多重化することによって点火コイルのピン数を減少させる方法
スパーク点火(SI)機関の燃焼プロセスは、気筒内空気/燃料(A/F)比、温度及び圧力、排気ガス再循環(EGR)レート、点火時間、持続時間等によって支配される。機関排出物質及び燃費は、その燃焼プロセスに厳密に依存する。同種の燃焼機関の場合、機関A/F比は、加熱排気ガス酸素HEGO)センサまたはユニバーサル排気ガス酸素(UEGO)センサを使用する閉ループ内で制御されることが最も多い。排気ガス再循環EGRレートは、Δ圧力測定支援を得て制御される。低価格燃焼モニタセンサ入手できないので、機関スパークタイミングは開ループで制御され、ノック検出結果によって補正される。燃焼を検知するための低価格オプションの1つがイオン化検出であり、これはスパークプラグギャップにバイアス電圧を印加することによって燃焼プロセス中に生成されるイオン電流を測定する。点火ドライバを点火コイル上に移動させる場合(例えば、ペンシル及びオン・プラグコイル)、点火ドライバ回路及びイオン化検出回路の両者を点火コイル上に集積することが望ましい(詳細に関しては、セクションEを参照されたい)。1つの未解決の問題は、集積パッケージに使用するピン数を最小にして集積されたドライバ及びイオン化検出の両回路をカバーし、コストを低減させることである。これを解決するために、点火コイルチャージ電流フィードバック信号と点火信号とを多重化し、従ってパッケージのピン数を1つだけ減らすことを提唱する。

0100

点火コイルをドライバ及びイオン化検出回路と共に集積するための従来の設計は、コイルチャージゲート信号、チャージ電流フィードバック信号、イオン化電流信号、電池電力、及び接地のための5つのピンからなっている。点火コイルコネクタ、ハーネス、及び機関制御ユニット(ECU)コネクタのために、各ピン毎に点火サブシステムのコストが増加する。サブシステムのコストを低減させるために、本発明は、一次チャージ電流フィードバック信号とイオン化電流信号とを多重化する。これは、一次コイルチャージイベントと燃焼イベントとが順次に発生するので可能なのである。

0101

主として、パワートレイン制御モジュールPCMと点火コイルとの間の高電流ピンを除くために、及び電気的及び磁気的妨害を減少させるために、点火コイルドライバエレクトロニクスを点火コイル上に集積する(例えば、ペンシル及びコイル・オン・プラグ)ことが望ましい(セクションE参照)。集積された点火コイル及びドライバのための設計は、点火コイル一次巻線チャージゲート信号、一次巻線チャージ電流フィードバック信号、電池電源B+、及び電池接地の4ピンからなる。

0102

イオン化検出回路を、集積されたドライバを有する点火コイル上に集積させると、検出されたイオン化電流信号をパワートレイン制御モジュールPCMへ送り返すために付加的な出力ピンが必要になる。従って、集積されたドライバ及びイオン化回路を有する点火コイルは5ピンコネクタを必要とする。

0103

コストを低減させ、コイルのパッケージングを容易にするために、本発明は、イオン化信号及びチャージ(もしくは、ドライバ)電流フィードバックの両信号を多重化し、集積されたドライバ及びイオン化回路を有する点火コイルが、コイル上のドライバ設計と同数のピンを有するようにすることを提唱する。

0104

図35は、集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステム72の回路図であって、このサブシステムは、イオン化信号と、チャージ電流(もしくはドライバ)電流フィードバック信号とを多重化する。このサブシステムは、コイルドライバ回路75、イオン化検出回路80、及び増幅器85を含む。ドライバ回路75は、チャージが可能化されると、点火コイル12の一次巻線16をチャージする。次に、イオン化検出回路80が、点火コイル12の二次巻線18を通してバイアス電圧をスパークプラグ14に印加する。得られたイオン化電流IIONは、燃焼プロセス中に発生したイオンによるものである。増幅器85は、検出した信号を増幅して信号対雑音比を改善する。

0105

図36の(a)−(c)は、チャージ命令VIN信号図36の(a))、破線で示されている検出されたイオン化電圧または信号100及び実線で表されているチャージ電流フィードバック信号102(図36の(b))、及びチャージ電流フィードバック信号と多重化されたイオン化電圧または信号106(図36の(c))を示している。時点t0とt1との間に燃焼は存在せず、点火コイル12は休止している。チャージ命令VINがt1に可能化され、t2に不能化される。この期間中、一次コイル16が完全にチャージされる(600)。これは、電流フィードバックのための検出ウィンドウである。空気/燃料混合体の点火は、時点t2とt3との間に発生する(610)。燃焼プロセスは、時点t3とt4との間に完了する(620)。

0106

チャージ電流フィードバック信号及びイオン化検出信号の両者を多重化できる理由を図36の(b)に示す。燃焼(620)は点火(610)の後に発生するから、主イオン化検出ウィンドウは時点t2とt4との間に発生する。両イベントがこの順序であることから、イオン化信号100及びチャージ電流フィードバック信号102の両者を多重化することが可能なのである。

0107

本方法においては、多重化信号106は、先ずイオン化検出信号100を出力し、チャージ命令VINが可能化されると(図36の(a)参照)チャージ電流フィードバック信号102に代わる図36の(b)は、チャージ電流フィードバック102(実線)及びイオン化100(破線)の両信号を示している。図36の(c)は、多重化された信号106を示している。

0108

時点t0からt1までは、出力はイオン化信号100である。スイッチSW1は、イオン化検出回路(もしくは、イオン電流ノード)の出力82に接続されている。チャージ命令VINが時点t1とt2との間可能化されると、スイッチSW1は、ドライバ回路75を通して点火コイル12の一次巻線16の一方の端に接続されているチャージ電流フィードバック信号ノード84へ切り替わる。従って、スイッチSW1はチャージ電流フィードバック信号102(一次チャージ電流に比例する抵抗24にまたがる電圧信号図35参照))を出力する。t2の後、信号106は再びイオン化信号100に切り替わる。時点t2とt3との間は、イオン化信号100は点火プロセス104に関する、即ちイオン回路によって検出された点火電流に関する情報を供給し、時点t3とt4との間は、燃焼プロセス(630)に関する情報を供給する。

0109

図37は、集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステムの回路図である。このサブシステムは、点火コイル12及びイオン化検出回路(キャパシタ28と、カレントミラー回路30とを含む)を含む。ドライバ回路は、VINによってチャージが可能化されると点火コイル12の一次巻線16をチャージする。次に、イオン化検出回路28、30は、バイアス電圧を点火コイル12の二次巻線18を通してスパークプラグ14に印加する。イオン化電流は、燃焼プロセス中に発生するイオンによって生成される。信号対雑音比を改善するために、増幅器を使用して検出した信号を増幅する。

0110

要約すれば、多重化されたフィードバック信号106は、イオン化フィードバック信号100を出力し、チャージ命令VINが活性化されるとチャージ電流フィードバック信号102へ切り替わる。図38は、集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステム72のこの実施例の諸ステップを示すフローチャートである。

0111

セクションG:点火コイルフライバックエネルギ及び2段調整を使用することによって気筒内イオン化検出のための安定化電源を得るデバイス
このセクションは、点火コイル用IGBTのターンオフ直後に、過剰の点火コイル漏洩を取り入れてエネルギを磁化することによって、気筒内イオン化検出のための安定化電源を得るデバイスに関する。内燃機関の気筒内の圧縮された空気/燃料混合体を点火させるためには、スパーク点火システムがスパークプラグ電極空隙に十分なエネルギを供給しなければならない。これを達成するために、一般的には、点火コイル12と呼ばれる磁気デバイス内にエネルギを蓄積する。次いで、蓄積させたエネルギを適切な時点にスパークプラグ14の空隙へ解放し、空気/燃料混合体を点火させる。典型的な点火コイルの回路図を図39に示す。実際にはフライバック変成器であるコイル12は一次巻線16と二次巻線18とからなり、これらの巻線は高透磁率磁気コア13を介して磁気的に結合されている。通常、二次巻線18は、一次巻線16よりも多くの巻回を有している。これによって、“フライバック”時間中に二次電圧を極めて高いレベルまで高めることができる。

0112

通常は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)22であるパワースイッチをターンオンさせ、電池電圧を点火コイル12の一次巻線16にまたがって印加することによって、エネルギをコイル内に蓄積させる。一次インダクタンス(Lpri)に定電圧を印加すると、一次電流(Ipri)は所定のレベルに達するまで線形に増加する(図40及び41参照)。

0113

コイル内に蓄積されるエネルギは、以下の式で表されるように、コイルの一次電流の自乗関数である。
エネルギ=1/2×Lpri×(Ipri)2

0114

一次電流Ipriが所定のピークレベルに達してから、一次パワースイッチIGBT22をターンオフさせる。このようにすると、コイルインダクタンス(Lpri)内に蓄積されたエネルギが変成器一次電圧反転させてIGBTクランプ電圧公称的には、350乃至450V)まで高める。二次巻線18が一次巻線16に磁気的に結合されているから、二次電圧も反転し、その電圧は、一次クランプ電圧に、二次巻回対一次巻回比を乗じた値に等しい値(典型的には、20,000乃至40,000)まで上昇する。この高電圧がスパークプラグ14の電極にまたがって現れ、電極空隙を通してスパークプラグ14の電極間に小さい電流を流させる。この電流は小さいが、空隙にまたがる電圧が高いから、空隙内で消散される電力は重要である。電極空隙内で消散される電力は電極間の空気を急速に加熱し、分子をイオン化せしめる。一旦イオン化すると、電極間の空気/燃料(A/F)混合体が重度に導通し、フライバック変成器12内に蓄積されたエネルギをスパークプラグ14の空隙内にダンプする(図42参照)。フライバック変成器12内に蓄積されたエネルギが急激に解放されることによって、気筒内の空気/燃料(A/F)混合体が点火される。

0115

気筒内イオン化検出には、スパークプラグ14の電極にまたがってバイアス電圧を確立する安定化電源が必要になる。一般的に直流80乃至100Vの範囲のこの電圧は、公称的には数百μAに制限されるイオン化電流IIONを発生させる。このイオン化電流IIONが検知され、増幅されて診断及び制御を目的とする有用な信号が発生される。

0116

イオン化電流IIONの大きさは比較的小さいから、検知及び増幅エレクトロニクスはコイル12及びスパークプラグ14に接近させて配置することが望ましい。また、自動車のボンネット内に高電圧を配線することは望ましくないから、高電圧電源をイオン化エレクトロニクスに極めて接近させて配置することも好ましい。従って、高電圧を局部的に発生させる手段が設けられる。

0117

イオン化電位を発生させる一方法は、点火コイル12において使用可能な直流12Vから80乃至100V電源を発生する直流・直流コンバータを使用することである。この方法は直接的であり且つ信頼できるものではあるが、実施するには幾つかの成分を必要とし、従ってコスト及び空間が莫大になる。

0118

別の方法は、IGBTがターンオフした直後に一次側のIGBTのコレクタからキャパシタを充電することである。この技術の主たる便益は、イオン化バイアス電圧を発生させるのに分離したブースト変換器を必要としないことである。第2の、そして多分同じように重要な便益は、変成器の漏洩インダクタンス内に蓄積されるエネルギの少なくとも一部分を捕捉し、それをエネルギ蓄積キャパシタへ転送することである。通常は、このエネルギはIGBT22内で熱として消散し、その動作温度を上昇させるようになる。この技術の一実施例を図43に示す。前述したように、コイルインダクタンスLpri内に蓄積されたエネルギは、IGBT22がターンオフした時に変成器の一次電圧を反転させ、IGBTクランプ電圧(350乃至450V)まで高める。これによってダイオードD1が順方向にバイアスされ、電流がD1及び電流制限抵抗R1を通ってキャパシタC1へ流れることが可能になる。ツェナーダイオードD2は、C1の電圧を約100Vに制限する。

0119

この方法の欠陥は、エネルギ蓄積キャパシタC1が、フライバック電圧(ほぼ400V)の大きさに比して比較的低い電圧100V)でエネルギを蓄積することである。キャパシタC1内に蓄積されるエネルギはキャパシタ電圧の自乗の関数であるから、低電圧でエネルギを蓄積するということは、所与の量のエネルギを蓄積するためには、高めの電圧まで充電できるキャパシタの場合よりも遙かに大きい容量値キャパシタンス)を必要とすることになる。例えば、100Vで500μジュールを蓄積するためには、0.1μファラドが必要である。同じエネルギを200Vで蓄積するためには、0.025μファラドしか必要としない。容量は、キャパシタ電圧が2倍になれば1/4に減少する。

0120

この方法の第2の欠陥は、IGBT22がターンオフする時点とスパークプラグが点弧する時点との間の短い時間(通常は、1マイクロ秒より短い)内にC1を完全に放電させることができるように、R1×C1時定数を十分に短くしなければならないことである。同時に、C1は、最悪条件(低rpm、スパークプラグの汚れ)の下でC1の電圧を実質的に降下させずにイオン化電流IIONを供給できるように十分に大きくなければならない。このようにするとR1は比較的小さい値(数十Ω)になるから、IGBT22がターンオフした時のキャパシタ充電電流は比較的大きくなる。正常の動作状態(2000乃至3000rpm、清浄なスパークプラグ)の下では、イオン化によるC1の放電は中庸であり、過剰な充電電流はツェナーダイオード(D2)内へ転流する。過剰ツェナーダイオード電流とツェナー電圧との積は、ツェナーダイオードD2内で浪費されるエネルギに相当する。

0121

別の方法は、フライバック変成器12の二次巻線18と直列にエネルギ蓄積キャパシタを配置することによって、キャパシタを二次点火電流で充電することである。この技術の一実施例を図44に示す。点火コイル12の二次巻線18内を流れるスパーク電流が、ダイオードD1を介してエネルギ蓄積キャパシタC1を充電する。C1上の電圧がツェナー電圧に到達すると、二次電流はツェナーダイオードD2を通るように転流し、C1上の電圧はほぼ100Vに制限される。

0122

C1は二次巻線と直列であるから、漏洩エネルギを取り込んでC1を充電することはできない。通常はスパークギャップへ供給されるエネルギの一部は、この場合にはC1内に蓄積される。従って、このエネルギ発散補償するために、変成器12内に蓄積される磁化エネルギを増加させなければならない。

0123

本発明による方法は、上述した技術よりも効果的な手法で過剰点火コイル漏洩を取り込んでエネルギを磁化することによって、気筒内イオン化検出のための安定した電源を得ている。図45は、この方法をを使用した回路の回路図である。一見しただけではこの回路は、図43を参照して説明した第2の回路(エネルギ蓄積キャパシタが一次巻線から充電される)に類似しているように見える。しかしながら、この新しい回路には、基本的に異なる、そしてより効果的な手法でエネルギ蓄積及び電圧調整機能を遂行できるようにする新規な、そして目立たない相違が存在している。

0124

1つの相違は、主エネルギ蓄積デバイスとしてキャパシタC1に代わるエネルギ蓄積キャパシタC2を追加したことである。図46に示すように、キャパシタC2の一方の端子はD1のカソードに接続され、キャパシタC2の他方の端子は接地されている。点火コイル12の一次巻線16に電池電圧を印加し、パワースイッチ(IGBT)22がターンオンするとエネルギがコイル内に蓄積される(700(図48、以下同じ))。スイッチ(IGBT)22がターンオフすると、コイルの漏洩及び磁化インダクタンス内に蓄積されていたエネルギが変成器一次電圧を反転させる。IGBT22のコレクタ電圧は、それがキャパシタC2の電圧を1ダイオード降下分(即ち0.7V)だけ超えるまで、急速に上昇する。この点でダイオードD1が順方向バイアスされ、順方向電流がD1を通ってキャパシタC2内へ流入できるようになる(図46)。これによって変成器漏洩インダクタンス内に蓄積されていたエネルギはキャパシタC2へ転送される(IGBT内で消散される代わりに)。変成器磁化エネルギの若干が、同じようにキャパシタC2へ転送され得る。

0125

この回路に使用されている遙かに大きい値(数100kΩ)のR1は、高電圧キャパシタ槽(C2)から平均イオン化電流要求を満足させるのに十分な電流を供給し、また電圧調整ツェナー)ダイオードD2へ十分なバイアス電流を供給するような大きさである。抵抗R1がこのように大きい値であるので、D2に大きい過大電流が流れることは決してない。これは、前述した他の技術とは対照的に、ツェナーダイオードにおいて浪費されるエネルギを大幅に減少させる。

0126

スパークプラグ14が点弧すると二次電圧が崩壊し、変成器内に蓄積されていた磁化エネルギがスパークギャップへ供給されて気筒内の空気/燃料混合体を点弧させる。同時に一次電圧が崩壊し、D1が逆バイアスされてキャパシタC2の充電が終了する。この時点に、C2はその最大電圧(典型的には、350乃至450V)になる。この場合、キャパシタC2は、キャパシタC1上の電荷を維持するための主エネルギ槽として動作しながら、イオン化回路及びツェナーダイオードD2へ電流を供給する(720)。

0127

キャパシタC2は、最悪条件(600rpm、スパークプラグの汚れ)の下でも平均イオン化電流を供給することができる一方で、100Vのイオン化供給バス電圧を低めの電圧のキャパシタC1へ供給するのに十分に高い電圧を維持するような大きさである。キャパシタC1は最早主エネルギ蓄積素子ではないから、イオン化バスの電圧降下を受入れ可能なレベルに制限しながら、過渡的なイオン化電流を供給するのに十分な大きさであるだけでよい。安定状態の電流は、C2から供給される。図47は、C2の放電電流経路を示している。

0128

好ましい実施例では、C1及びC2は0.1μFに等しく、R1は1.8MΩに等しい。R-SENSは40mΩに等しい。C1の耐圧は630Vである。D1の順方向電圧降下は0.7Vであり、ツェナーダイオードD2のアバランシュ電圧は100Vである。D1の耐逆電圧は800Vである。

0129

以上説明したように、本発明はイオン化検出回路をチャージするために、1段階ではなく2段階方法を使用する。先ずキャパシタC2が典型的には直流400Vまで充電される。C2は、第2段キャパシタC1を充電するための槽として使用される。キャパシタC1は典型的には直流100Vまで充電される。この2段階充電方法は、キャパシタC1に安定した100V出力を発生させる。従来技術では、キャパシタC1の電圧は、エネルギが除去されるにつれて変化していた。更に、2つのキャパシタまたは段階を使用することによってより多くのエネルギをイオン化検出回路に使用することができる。

0130

図48は、過剰点火コイル漏洩及び磁化エネルギを取り入れることによって、気筒内イオン化検出のための安定化電源を得る回路の上述した実施例が辿る諸ステップのフローチャートである。

0131

イオン化検出バイアス回路の特色の若干の例は、限定する意図はないが、(1)変成器漏洩インダクタンス内に蓄積された全エネルギを捕捉し、それを使用してイオン化電子回路のためのエネルギ源としたこと、(2)漏洩エネルギを、IGBT上で消散させる代わりに高電圧キャパシタへ転流させることによって、一次側IGBTでの消散を減少させ、その結果IGBTの加熱を減少させたこと、(3)キャパシタ内に蓄積されるエネルギはそのキャパシタ電圧の自乗で増加するという事実を利用してエネルギを高電圧で蓄積することによって、物理的により小さいキャパシタを使用して同量のエネルギの蓄積を可能にしたこと、(4)ツェナーダイオードが決して大きい逆電流を流すことがないように、電流制限抵抗の値を増加させたことによって、該ダイオード上で浪費されるエネルギを減少させたこと、及び(5)C1が最早イオン化エレクトロニクスのための主エネルギ蓄積素子ではなく、またC1はイオン化電流の過渡中のイオン化電圧バス上の電圧降下を受入れ可能なレベルに制限するのに十分な大きさがあればよいという理由から、C1の値を減少させたことを含んでいる。

0132

セクションH:ドライバ及びイオン化検出回路と共に集積された点火コイルにおいてイオン化電流、コイルチャージ電流フィードバック、及びドライバゲート信号を多重化することによってピン数を減少させる方法
本発明のこの特色は、セクションF“ドライバ及びイオン化検出回路と共に集積された点火コイルにおいてイオン化信号及びコイルチャージ電流フィードバック信号を多重化することによって点火コイルのピン数を減少させる方法”の説明において注記した多くの欠陥に対処するものである。本発明のこの特色は、点火ドライバゲート信号と、点火コイルチャージ電流フィードバック信号及びイオン化信号とを多重化し、従ってパッケージのピン数を2本だけ減少させる。

0133

ドライバ及びイオン化検出回路と共に集積された点火コイルの従来の設計は、5ピンからなっている。即ち、1)コイルチャージゲート信号、2)チャージ電流フィードバック信号、3)イオン化電流信号、4)電池電力、及び5)電池接地である。ピンを追加すると、各ピン毎に、点火コイルコネクタ、ハーネス、及び機関制御モジュール(ECU)へ接続しなければならないから、点火サブシステムのコストが増加する。サブシステムのコストを削減するために、本発明は、点火チャージゲート信号と、一次チャージ電流フィードバック信号及びイオン化信号とを多重化する。従って、本発明による回路は、1)電池電力、2)電池接地、3)多重化されたコイルチャージゲート信号、チャージ電流フィードバック信号、及びイオン化電流信号の3ピンを有している。

0134

1つの目標は、点火コイルドライバエレクトロニクスを点火コイル上に集積する(例えば、ペンシルまたはコイル・オン・プラグ)ことである。パワートレイン制御モジュール(PCM)と点火コイルとの間の高電流ピンを減少乃至は除去するために、ドライバと共に集積された点火コイル設計は4ピン、即ち、点火コイル一次巻線チャージゲート信号、一次巻線チャージ電流フィードバック信号、電池電源B+、及び電池接地からなる。

0135

イオン化検出回路を、集積されたドライバと共に点火コイル上に集積すると、検出されたイオン化電流信号をパワートレイン制御モジュールPCMへ送り返すための付加的な出力ピンが必要になる。従って、集積されたドライバ及びイオン化回路を有する点火コイルには、5ピンコネクタが必要である。

0136

コストを削減し、コイルのパッケージングを容易にするために、本発明のこの特色は、集積されたドライバ及びイオン化回路を有する点火コイルが3ピンのような少ないピン数を有するように、点火一次チャージゲート信号と、イオン化信号及びドライブ電流フィードバック信号とを多重化する。

0137

図49は、ドライバ回路及びイオン化検出回路と共に集積されているコイルドライバサブシステム90の回路図である。集積された点火コイルサブシステム90は、コイルドライバ75、イオン化検出回路80、2つの増幅器85、86、及びゲート信号再生回路92を含む。点火コイルは、一次巻線16及び二次巻線18を有している。2つの増幅器85、86は同一電流源であるから、差比較回路93の2つの入力間の電圧差は、抵抗R4が抵抗R2+R3に等しければ、チャージゲート信号VINを表す。この差が所与のしきい値より大きい場合には、差比較回路93の出力108は「高」に維持されて一次チャージゲート信号VINを発生する。ドライバ回路75は、チャージ命令信号VINが可能化されると点火コイル12の一次巻線16をチャージする。イオン化検出回路75は、点火コイル12の二次巻線18を通してスパークプラグ14にバイアス電圧を印加する。結果としてのイオン化電流IIONは、燃焼プロセス中に生成されるイオンによって発生する。最後に、上側の増幅器85は、検出した信号を増幅して信号対雑音比を改善する。

0138

図50は、イオン化信号、チャージゲート信号、及び電流フィードバック信号の多重化を示している。図50に、チャージゲート信号VIN(実線)及び差比較ゲート信号命令108(破線)(図50の(a))、検出されたイオン化信号100(破線)及びチャージ電流フィードバック信号102(実線)(図50の(b))、及び差イオン化信号106(チャージ電流フィードバック信号と多重化されたイオン化信号)(図50の(c))を示す。時点t0とt1との間に燃焼は存在せず、点火コイル12は休止している。スイッチSW1はイオン化電流ノード82に接続され、上側の増幅器85を通してイオン化電流IIONをPIN1へ出力する。上側の増幅器85の出力は、差比較回路93の第1の入力にも接続されている。図49から、上側の増幅器85の出力に接続されているノードピン1が、イオン電流信号及びチャージ電流フィードバック信号102のための出力ノードPIN1として動作することは明白である。パワートレイン制御モジュールPCMチャージゲート信号VINは時点t1に可能化され、時点t2に不能化される。この時点に、チャージゲート電流Igがチャージゲート信号発生器92から抵抗R3を通して接地まで流れ、ゲーティング電圧を差比較回路93の第2の出力に発生させる。

0139

このようになる理由は、チャージゲート信号発生器92が電流源だからである。抵抗R2が抵抗R3よりも遙かに大きいので、電流は抵抗R3を通って流れる。従って、抵抗R2とR3との接合点に現れる電圧VIgはR3(Ig)である。上側の増幅器85の出力ノードに現れる電圧に現れる電圧は、V2=I1(R2+R3)+R3(Ig)である。但し、I1は、イオン化信号100、またはチャージ電流フィードバック信号102の何れかである。抵抗R4にまたがって現れる電圧は、V1=I1(R2+R3)であり、ここにR4はR2+R3に等しく選択されている。好ましい実施例においては、R4=180Ω、R2=150Ω、そしてR3=30Ωである。

0140

好ましい実施例の差比較回路93は、2つの入力及び1つの出力を有するコンパレータである。2つの入力信号の差はV2−V1=R3(Ig)である(800(図51、以下同じ))。その機能は、チャージ命令信号108をコイルドライバ回路75へ印加することである(810)。パワートレイン制御モジュールPCMチャージゲート信号VINが可能化された時にR3に印加される付加的な電流の故に、R4とR3との間の電圧差は、この期間中に差比較回路93の出力108が「高」に留まり、一次コイル16が完全にチャージされる(820)ように十分に大きい。ゲート命令信号VINが活性化していない場合には、V1=V2=I1(R2+R3)であり、また差比較回路93の出力は「低」である。従って、2ピンを排除したにも拘わらず、チャージゲート信号VINはコイル12をチャージするために使用することができる。更に、t1からt2までの時間は、電流フィードバックのための検出ウィンドウである。

0141

空気/燃料混合体は、時点t2とt3との間に点火され(830)、燃焼プロセスは時点t3とt4との間に完了する(840)。チャージ電流フィードバック信号とイオン化信号とを時間多重化できることを図50の(b)に示してある。スイッチSW1はその入力をイオン化電流ノード82から、コイルドライバ回路75を通して点火コイル12の一次巻線16の一方の端に接続されているチャージ電流フィードバックノード84へ切り替わる。燃焼は点火の後に発生するから、主イオン化検出ウィンドウはt2とt4との間にある。これによって、イオン化信号100とチャージ電流フィードバック信号102の両者を多重化することができるのである。多重化された信号106はイオン化検出信号を出力し、チャージ命令VINが可能化されるとイオン化信号100をチャージ電流フィードバック信号102に切り替わる(図50の(c)参照)。図50の(b)はチャージ電流フィードバック信号及びイオン化信号の両者を示しており、図50の(c)は多重化された信号を示している。t0とt1との間の時間中の出力多重化信号106は、イオン化信号100である。時点t1とt2との間にチャージ命令が可能化されると、出力はチャージ電流フィードバック信号102(一次チャージ電流に比例する電圧信号)へ切り替わる(図50の(c)参照)。時点t2の後に、多重化信号106はイオン化信号100へ戻るように切り替わる。時点t2とt3との間イオン化信号100は点火プロセスに関する情報を供給し、時点t3とt4との間は燃焼プロセスに関する情報を供給することに注目されたい(850)。

0142

要約すれば、多重化信号106はイオン化信号100を出力し、チャージ命令が活性化されると、即ち時点t1とt2との間は、チャージ電流フィードバック信号102へ切り替わる。

0143

図51は、パッケージピン数を2ピンだけ減少させた集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステム90の実施例が辿る諸ステップを示すフローチャートである。

0144

セクションJ:イオン化検出回路及び点火コイルドライバを単一のパッケージ内へ集積することによって気筒内イオン化検出システムの部品数及びパッケージサイズを減少させるデバイス
セクションIは、意図的に本明細書に含ませていないことに注目されたい。

0145

点火コイル制御は、パワートレイン制御モジュール(PCM)の内部に配置されたIGBTを使用して実現されている。所定の電圧を用いて点火コイル12の二次側18をバイアスし、スパークプラグ14の電極間を流れる電流の変化するレベルを読むことによってイオン化検出を達成する。電流の流れのレベルは低く、信号は増幅する必要がある。イオン化検出用エレクトロニクスは、パワートレイン制御モジュールPCMの内部に、またはパワートレイン制御モジュールPCMの外部の分離したモジュール内に配置することができる。2つの実施例、即ち、ASICと、単一電子パッケージとを説明する。本明細書では、ASICは、IGBTとイオン化検出エレクトロニクスとを1つのシリコンデバイス内に集積しているものとする。また本明細書では、単一の電子パッケージは、IGBTとイオン化検出エレクトロニクスとを1つの電子パッケージ内に離散した形状で組合わせてあるものとする。

0146

以下に、本発明による集積されたイオン化検出回路及び点火コイルドライバの2つの実施例、即ち、ASICと、単一電子パッケージとを説明する。本明細書で説明するデバイスは、類似の機能を1つのASIC内に、または電子モジュール内に組合わせることによって気筒内イオン化検出システムのコスト及び複雑さを低減し、パッケージングの制約を容易にする。

0147

イオン化検出は、点火コイル12の二次側18を所定の電圧でバイアスし、二次コイル18及びスパークプラグ14回路を通って流れる電流のレベルの変化を読むことによって達成される。電流の流れのレベルは低いので、信号の雑音に対する免疫を増加させるために増幅する必要がある。コイル12をバイアスし、増幅を達成するために使用する回路は、シリコン内に容易に配置することができるデバイスで構築される。

0148

回路を1片のシリコン上にパッケージすることの1つの長所は、シリコンの特性によって、センス抵抗に熱を発生させずにIGBTを横切って流れる電流に比例する電流を戻すことができる“スマート”IGBTを作ることができることである。第2の長所は、イオン化電流信号に一致させるように電流信号をスケールすることができ、それによってそれらを1つの信号として送り返すことができることである。

0149

点火制御イオンセンス(ICIS)ASICデバイスは、イオン化検出回路80と、点火制御回路75とを1つのASIC内に組合わせたものである。シリコン内に複製できるデバイスからなるイオン化検出回路80と、既に入手可能な“スマート”IGBTシリコン設計との組合わせが、1つのシリコンデバイス内にICISを作り出す。これは、単一のチップ、並びに複数のチップ(チップの積み重ね、またはチップ横並べ)を含む。ICISは、パワートレイン制御モジュールPCM内に、パワートレイン制御モジュールPCMの外部に分離したモジュールとして(DICIS参照)、または点火コイル12内/上に配置することができる。

0150

離散点火イオンセンスパッケージ(DICIS)は、イオン化検出回路80と、点火制御回路75とを1つの電子パッケージ内に組合わせたものである。離散した形状のイオン化検出回路80と、“スマート”IGBTとを組合わせて、“ダム”(dumb)IGBTとを組合わせて、または付加的な制御及び保護を有する“ダム”IGBTとを組合わせて、1つの電子パッケージ内にDICISが作られる。これは、単一の基体、並びに多重基体設計を含む。DICISは、点火コイル12内/上に、点火コイル12の付近に、またはビークル内に都合良く配置された他のパッケージ内に配置することができる。

0151

図35は、4ピンだけしか有していない回路を示しており、この回路は時間多重化を使用することによって、チャージ電流フィードバック信号102とイオン化信号100とを1つのピン上の1つの信号として送り返すことを可能にしている。

0152

図52及び53は、ASIC(ICIS)オプション(図52)、及び単一エレクトロニクスパッケージオプション(DICIS)(図53)のための本発明の論理ブロック図である。図52及び53の両図には、電流シンク94、保護制限U1、増幅器U2、及びベースIGBT22を含むコイルドライバ回路75が示されている。更に、カレントミラー30、電源20、及びキャパシタ28を含むイオン化検出器80も示されている。また、抵抗24及び44、スパークプラグ14、一次巻線16及び二次巻線18を有する点火コイル12、増幅器U3、及びアナログマルチプレクサバッファ86も示されている。電流シンク94は、電圧スパイクの形状の雑音を除去する。電圧スパイクは、高電圧であるが持続時間が短い。電流シンクは、これらのスパイクがIGBTをターンオンさせるのを防ぐ。しかしながら、電流シンク94は、IGBT命令信号が通過するのを許容する。

0153

図54は、電流シンク94の回路図である。

0154

ASICオプション
点火制御イオンセンスASIC(ICIS)パッケージ81は、IGBTドライバ、IGBTドライバ制御、及びイオンセンス用電流フィードバック回路が集積されていることを特徴とする。全ての能動回路は、点火コイル内に集積された1つのシリコンデバイス内に含まれている。ICIS ASICは、コイル上に、コイル付近に、または電流コイルドライバICの代わりにICIS ASICは、コイル上に、コイル付近に、またはパワートレイン制御モジュールPCM内の電流コイルドライバICの代わりに配置することができる。

0155

燃焼監視用コイル(CMC)は、1)電力B+、2)IGBTのオン/オフ及び電流フィードバック信号の源を制御する制御(VIN)、3)IGBTがオンの時にはコイル電流を指示し、IGBTがオフの時にはイオン電流を指示する電流フィードバック(100、102、106)、及び4)接地の4ピンインフェースを有している。

0156

単一エレクトロニクスパッケージオプション
離散点火制御イオンセンス(DICIS)パッケージ83は、IGBTドライバ及びイオンセンス用電流フィードバックが集積されていることを特徴とする。全ての能動回路は離散しており、1つの電子パッケージ内に含まれている。パッケージは、コイル上に、またはコイル付近に配置することができる。

0157

燃焼監視コイル(CMC)は、1)電力B+、2)IGBTのオン/オフ及び電流フィードバック信号の源を制御する制御(VIN)、3)IGBTがオンの時にはコイル電流を指示し、IGBTがオフの時にはイオン電流を指示する電流フィードバック(100、102、106)、及び4)接地の4ピンインタフェースを有している。

0158

セクションK:チャージポンプを使用することによって気筒内イオン化検出用安定化電源を得るデバイス
内燃機関のイオン化電流は、機関の失火、ノック、点火のタイミング及び持続時間等を診断するために使用することができる。巧緻な信号調整処理によって、個々の気筒の燃焼特性も得ることができる。従って、機関の燃焼プロセスを精密に監視し、閉ループで制御することができる。燃焼プロセス中に生成される気筒内イオンを検出するためには、スパークプラグギャップ間に直流バイアス電圧を印加する必要がある。直流バイアスを生成するには、2つの方法がある。1つは普通の直流電源(大きいエレクトロニクス)を使用することであり、他は一次または二次フライバック電圧によってキャパシタ(高電圧キャパシタ)を充電することである。両アプローチ共、直流電源のサイズが大きく且つ高電圧キャパシタの信頼性が低いことから、点火コイル上にイオン化回路を集積するという要求を満足させることができない。本発明のこの特色は、イオン化電流を測定するための十分な直流バイアス電圧を供給する高電圧チャージポンプを使用する。

0159

典型的には、イオン化検出回路へ電流を供給するキャパシタを充電するために、フライバック電圧を使用する(セクションG参照)。このためには、高電圧キャパシタを使用する必要がある。一般的に、セラミックキャパシタが使用される。しかしながら、温度は変動し、キャパシタが取付けられている基板は撓む恐れがあるので、セラミックキャパシタが割れ障害惹起することがある。本発明においては、イオン化電流バイアス電圧源は、チャージポンプである(図55参照)。

0160

図55は、チャージポンプ98を使用するブローアップサンプルバイアス電圧回路を用いるイオン化検出回路80の例を示している。チャージポンプ回路98は、B+端子上の直流12Vを90乃至100Vのパルス列に変換する。チャージポンプ出力99におけるパルス列のパルス繰り返し周波数は500kHzである。

0161

好ましい実施例では、チャージポンプ回路98内にモデル番号MIC4827 ELドライバ(U5)を使用している。これは、Micrel製である。以下の表1は、チップ(U5)のピン構成、及びそれらの機能の説明を含んでいる。

0162

0163

MIC4827 ELドライバ(U5)は、ブースト段及びHブリッジの2段からなる。ブースト段は、入力電圧を+90Vまでステップアップする。MIC4827は、ブースト段及びHブリッジ段のための別個発振器を使用していることが特徴である。外部抵抗によって、各段の動作周波数は独立的に設定される。

0164

好ましい実施例では、キャパシタCIN=10μF、キャパシタCOUT=0.033μF/100V、D3はモデル1N4148ダイオードであり、L1は220μHのインダクタであり、抵抗R7=322kΩ、そして抵抗R6=3.32MΩである。

0165

直流バイアス電圧としてチャージポンプ98を使用することは、幾つかの利点を有している。第1に、イオンバイアス電圧用電源としての高電圧キャパシタを排除すれば(セクションG参照)コストが削減され、信頼性が改善される(ハッシュ環境におけるキャパシタの割れが回避される)。更に、サイズが縮小することによって利用可能な空間が多くなり、ペンシル及びCOP(コイル・オン・プラグ)コイルの両者のために有用である。加えて、キャパシタをフライバック電圧によって充電する場合のキャパシタバイアス電圧は(セクションG参照)、キャパシタを完全に充電するまでに数点火イベントを必要とする。また、機関始動動作中にイオン化電流を検出できるようにするためには、キャパシタを充電してイオンバイアス電圧を準備するのに数点火が必要である。チャージポンプを使用すれば、この要求を排除することができる。更にまた、チャージポンプは、イオン化検出回路の残余と共にシリコン片上に容易に製造することができるから(セクションE参照)、この特色は、高価な高電圧小型キャパシタを使用する場合に比してコストを大幅に削減する。

0166

以上に、本発明の好ましい実施例を詳細に説明したが、本発明は本発明の思想及び範囲から逸脱することなく容易に変更可能であることから、以上の説明が本発明を限定するものではなく単なる例示に過ぎないことを理解されたい。

図面の簡単な説明

0167

イオン化フィードバック及び制御システムを示す図である。
イオン化信号のグラフである。
二次信号とイオン化信号とを比較する図である。
プラグが汚れ、絶縁物が過熱した場合のイオン化信号のグラフである。
イオン化信号に及ぼす早点火の効果を示す図である。
点火効率を監視する方法の実施例が辿る諸ステップの診断フローチャートである。
イオン化信号を使用して点火を診断する実施例が辿る諸ステップのフローチャートである。
内燃機関の燃焼室においてイオン化電流を測定するための回路の電気回路図である。
(a)はPCMからIGBTへの制御信号VINを時間の関数として示すグラフであり、(b)は点火コイルの一次巻線を通る電流IPWを時間の関数として示すグラフであり、そして(c)は正常の燃焼イベント中に得られる出力電圧信号VOUTを時間の関数として示すグラフである。
直列4気筒機関の典型的なセットアップを示す図である。
近代的な自動車用機関4行程サイクル動作を示す図である。
機関の弁列を示す図である。
カムシャフト上に取付けられているローブを示す図である。
プッシュロッド弁伝導装置及びオーバーヘッドカムシャフトを示す図である。
機関クランクシャフト上の4行程の重なりを示す図である。
イオン化電流検出セットアップを示す図である。
典型的なイオン化信号を示す図である。
4気筒機関の動作サイクルの行程対クランク角度(°)を示す図である。
最適スパークエネルギレベルを示す図である。
休止タイミングを示す図である。
気筒圧力に対するスパークタイミングを示す図である。
部分的チャージを使用するイオン化気筒識別を示す図である。
スパークが発生したか否かを決定するサンプリング方法を示す図である。
スパークが発生したか否かを決定するエネルギ積分装置を示す図である。
気筒内でスパークが発生したか否かを決定する時に辿る諸ステップのフローチャートである。
スパークが発生したか否かを決定するためのエネルギ積分装置が辿る諸ステップのフローチャートである。
複数の全ての気筒がクランクシャフト上の所与の位置においてスパークしているが、実際には1つの気筒だけが圧縮中であることを示す図である。
スパーク持続時間を使用するイオン化気筒識別を示す図である。
サンプルホールド回路を有するエッジ検出型タイマを示す図である。
比較及び積分回路を示す図である。
比較及び積分回路が辿る諸ステップのフローチャートである。
エッジ検出を使用してスパーク持続時間を決定する時に使用される諸ステップのフローチャートである。
(a)は集積されたコイルドライバ及びイオン化検出回路を有する点火コイルの上面図であって、回路はコイルのトップに配置されており、そして(b)は集積されたコイルドライバ及びイオン化検出回路を有する点火コイルの側面図であって、回路はコイルのトップに配置されている。
集積されたコイルドライバ及びイオン化検出回路を有する点火コイルを示す図であって、回路はコイルの側に配置されている。
集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステムを示す図である。
(a)はチャージ命令信号VINを示す図であり、(b)は検出されたイオン化電圧を示す図であり、そして(c)はチャージ電流フィードバック信号と共に多重化されたイオン化電圧を示す図である。
集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステムの回路図である。
集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステムの実施例が辿る諸ステップを示すフローチャートである。
点火コイルの回路図である。
点火コイルのチャージングを示す図である。
点火コイルチャージングプロファイルを示す図である。
点火コイルディスチャージングを示す図である。
エネルギ蓄積キャパシタが一次巻線から充電される様を示す図である。
エネルギ蓄積キャパシタが二次巻線から充電される様を示す図である。
過剰点火コイル漏洩及び磁化エネルギを取り入れることによって、気筒内イオン化検出のための安定化電源を得る回路の回路図である。
高電圧キャパシタの充電を示す図である。
高電圧キャパシタの放電を示す図である。
過剰点火コイル漏洩及び磁化エネルギを取り入れることによって、気筒内イオン化検出のための安定化電源を得る回路の実施例が辿る諸ステップのフローチャートである。
イオン化及びチャージ電流を多重化する集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステムの回路図である。
(a)はチャージゲート信号及び差比較ゲート信号を示す図であり、(b)は検出されたイオン化信号及びチャージ電流フィードバック信号を示す図であり、そして(c)はチャージ電流フィードバック信号と共に多重化された差イオン化信号を示す図である。
パッケージのピン数を2本だけ減少させた集積されたコイルドライバ及びイオン化検出サブシステムの実施例が辿る諸ステップを示すフローチャートである。
ASIC(ICIS)オプション用の本発明の論理ブロック図である。
単一エレクトロニクスパッケージ(DICIS)オプション用の本発明の論理ブロック図である。
電流シンクの回路図である。
バイアス電圧源としてチャージポンプを使用するイオン化検出回路の回路図である。

符号の説明

0168

10イオン化電流検出回路
12点火コイル
13コア
14点火(スパーク)プラグ
16一次巻線
18二次巻線
20電池
22 IGBT
24、25、40、44抵抗
26、42ダイオード
28キャパシタ
30カレントミラー回路
32、46ツェナーダイオード
34、36pnpトランジスタ
38、48ノード
50、55コネクタ
60カバー
65クリップコネクタ
70印刷配線基板
71コネクタブレード
72コイルドライバ及びイオン化検出サブシステム
75ドライバ回路
80イオン化検出回路
81点火制御イオンセンス(ICIS)ASIC
82 イオン化検出回路の出力ノード
84チャージ電流フィードバック信号ノード
85、86増幅器
90 点火コイルサブシステム
92ゲート信号再生回路
93差比較回路
94電流シンク
98チャージポンプ
99 チャージポンプの出力
100 イオン化電流
102 チャージ電流フィードバック信号
105バイアス電圧
106 差イオン化信号
108 差比較回路の出力
110点火システム
120二次電圧
130電流波形
140一次コイル
146 一次チャージタイミング
150 チャージ持続時間
160点火タイミング
170 点火持続時間
190早点火
197 (汚れまたは過熱)警告信号
201ローブ
202、266カムシャフト
203プッシュロッド弁伝導装置
204オーバーヘッドカムシャフト
205ロッカー
206タペット隙間
207、210 カムシャフト
208クランクシャフトスプロケット
209カム
211タペット
212入口弁
213排気弁
214 プッシュロッド
261 ばね
262ロックナット
263ロッカーシャフト
264 カム
265 弁
267カムシャフトスプロケット
268バケットタペット
269弁ばね
270、272テンショナー
271スプロケット
273 クランクシャフトスプロケット
274 排気弁
275 入口弁
276 弁ばね
277 バケットタペット
278 スプロケット
279 カムシャフト
280 イオン化検出機構
281コイル
282イオン処理モジュール
283 圧力
284、290 イオン化信号
400タイマ
405クロック信号
410ウィンドウ信号
415立ち上がりエッジ検出器
420立ち下がりエッジ検出器
425フリップフロップ
430、462サンプル・ホールド回路
440コンパレータ
445、450積分器
455 スイッチ
460メモリ
975燃料トリムベクトル
1000閉ループ常温始動遅らせ制限制御
1300 個々の気筒のA/F比制御
1404ノック信号
1414失火信号
1430 閉ループMBTスパーク制御
1435 MBT信号
1450 閉ループ早め制限制御
1460 閉ループ失火部分燃焼遅らせ制限制御
1480スパークタイミング
1490、1495 閉ループMBTスパーク制御
1600EGR比最適化
1630 所望EGR比
1800パラメータ推定
1900 WOT A/F比最適化

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