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技術 光電変換装置

出願人 ペルノックス株式会社
発明者 田中典匡瀧川章雄
出願日 2002年10月18日 (17年6ヶ月経過) 出願番号 2002-304290
公開日 2004年5月13日 (15年11ヶ月経過) 公開番号 2004-140220
状態 特許登録済
技術分野 発光ダイオード 半導体レーザ LED素子(パッケージ以外) LED素子のパッケージ 半導体レーザ
主要キーワード 外装金属ケース ケイ素核 樹脂製成形型 質量配合比 中心部材 液状シリコーン樹脂 シリコーン樹脂硬化物 銀メッキ処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年5月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

短波長光および熱による輝度低下や感度低下が小さく、しかも従来のエポキシ樹脂と同様に外装封止可能な剛性を持つ透光性封止部を有するLEDその他の光電変換装置を提供する。

解決手段

光電変換部とそれを覆うように設けた透光性封止部とを有する光電変換装置であって、前記透光性封止部は、(1)それぞれケイ素原子に結合したメチル基フェニル基ビニル基および水素原子を含むオルガノポリシロキサン、(2)それぞれケイ素原子に結合したメチル基、フェニル基およびビニル基を含むオルガノポリシロキサンおよび(3)白金系触媒を含む液状シリコーン樹脂を光電変換部に適用し、硬化したものである。

概要

背景

LEDや光センサー発光または受光のための半導体チップ、それに接続されるワイヤー導線、これらを支持し電流を流すためのリードフレームおよびそれらを固定外装するための透光性封止部から通常構成される。従来から透光性封止部にはエポキシ樹脂が使われてきた。これはエポキシ樹脂が持つ高い剛性硬度、強靭性等)や発光や受光に際しての光透過性に優れることによる。

概要

短波長光および熱による輝度低下や感度低下が小さく、しかも従来のエポキシ樹脂と同様に外装封止可能な剛性を持つ透光性封止部を有するLEDその他の光電変換装置を提供する。光電変換部とそれを覆うように設けた透光性封止部とを有する光電変換装置であって、前記透光性封止部は、(1)それぞれケイ素原子に結合したメチル基フェニル基ビニル基および水素原子を含むオルガノポリシロキサン、(2)それぞれケイ素原子に結合したメチル基、フェニル基およびビニル基を含むオルガノポリシロキサンおよび(3)白金系触媒を含む液状シリコーン樹脂を光電変換部に適用し、硬化したものである。 なし

目的

本発明は従って、短波長光および熱による輝度低下や感度低下が小さく、しかも従来のエポキシ樹脂と同様に外装封止可能な剛性を持つ透光性封止部を有するLEDその他の光電変換装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
10件

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請求項1

光電変換部とそれを覆うように設けた透光性封止部とを有する光電変換装置において、前記透光性封止部は、(1)それぞれケイ素原子に結合したメチル基フェニル基ビニル基および水素原子を含むオルガノポリシロキサン、(2)それぞれケイ素原子に結合したメチル基、フェニル基およびビニル基を含むオルガノポリシロキサンおよび(3)白金系触媒を含む液状シリコーン樹脂を光電変換部に適用し、硬化したものであることを特徴とする光電変換装置。

請求項2

前記液状シリコーン樹脂の前記(1)成分は下記組成式(A)で表される構成単位を有する請求項1記載の光電変換装置。ここでXはそれぞれ独立にメチル基、フェニル基、ビニル基または水素原子であり、mは1、2または3である。

請求項3

前記液状シリコーン樹脂の前記(2)成分は下記組成式(B)で表される構成単位を有する請求項1または2記載の光電変換装置。ここでYはそれぞれ独立にメチル基、フェニル基またはビニル基であり、nは1、2または3である。

請求項4

前記液状シリコーン樹脂の前記(1)成分は下記平均組成式(C)で表される請求項1または2記載の光電変換装置。ここでaは0.2〜1.1、bは0.2〜0.8、cは0.05〜0.2、dは0.05〜0.2、pは0.1〜0.5,qは0.1〜0.3、rは0.2〜1.0である。

請求項5

前記液状シリコーン樹脂の前記(2)成分は下記平均組成式(D)で表される請求項1または3記載の光電変換装置。ここでeは0.3〜1.5、fは0.2〜0.7、gは0.05〜0.3、xは0.1〜0.4、yは0.1〜0.6,zは0.2〜0.9である。

請求項6

前記液状シリコーン樹脂は前記(2)成分を前記(1)成分100質量部に対して2〜50質量部、前記(3)成分を白金金属換算で前記(2)成分100質量部に対して0.0001〜0.5質量部それぞれ含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換装置。

請求項7

前記液状シリコーン樹脂の硬化物は60以上の常温におけるショアー硬度を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換装置。

請求項8

前記光電変換部と前記透光性封止部との間に応力緩和層を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換装置。

請求項9

前記光電変換部は、短波長の、レーザー光または非レーザー光を発生する半導体チップである請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換装置。

請求項10

前記光電変換部から発光される短波長のレーザー光または非レーザー光を白色光に変換する蛍光体光路内に設けた請求項9に記載の光電変換装置。

請求項11

前記光電変換部は短波長の、レーザー光または非レーザー光を受光する半導体チップである請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換装置。

請求項12

前記光電変換部はレーザー光または非レーザー光を発生する大電流駆動型半導体チップである請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換装置。

請求項13

メチル基、フェニル基およびエチレン基をこれらの合計100モル部に対してそれぞれ15〜83モル部、14〜57モル部および3〜16モル部含有し、かつSiO1/2単位、SiO2/2単位、SiO3/2単位およびSiO4/2単位をこれらの合計100モル部に対してそれぞれ10〜50モル部、18〜33モル部および20〜72モル部および0〜10モル部含有するオルガノポリシロキサンでからなるシリコーン樹脂硬化物により光電変換部を覆うように封止してなる光電変換装置。

請求項14

下記平均組成式(E)で表されるオルガノポリシロキサンからなるシリコーン樹脂硬化物により光電変換部を覆うように封止してなる光電変換装置。ここでhは0.2〜1.5、iは0.2〜0.8、jは0.05〜0.3、k1は0.1〜0.5、k2は0.1〜0.4,k3は0.2〜1.0である。

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0001

【発明が属する技術分野】
本発明は光電変換装置、特に発光ダイオード(以下LEDと記す)、レーザーダイオードパワーLED、光センサーおよび受発光モジュールのような、発光部または受光部に半導体を用いた光電変換装置に関する。

0002

LEDや光センサーは発光または受光のための半導体チップ、それに接続されるワイヤー導線、これらを支持し電流を流すためのリードフレームおよびそれらを固定外装するための透光性封止部から通常構成される。従来から透光性封止部にはエポキシ樹脂が使われてきた。これはエポキシ樹脂が持つ高い剛性硬度、強靭性等)や発光や受光に際しての光透過性に優れることによる。

0003

しかしエポキシ樹脂の光透過性は経時的に劣化するという欠点があり、特に熱や紫外線によって劣化した場合、黄色または褐色等に変色し(以下この劣化を黄変と記す)比較的波長の短い紫外光から青色光の範囲(波長約350nm〜約500nm)の光透過性が低下する。

0004

赤外線(波長約930nm)、赤色(波長約630nm)、黄色(波長約580nm)または緑色(波長約530nm)を発光または受光するLED、光センサーでは、透光性封止部に黄変が生じた場合でも透過性が低下する波長と発光波長(または受光波長)が異なるためLEDの光の強さ(以下輝度と記す)や光センサーの感度に低下が見られることがなかった。

0005

しかし、近年開発された青色(波長約450nm〜480nm)や紫外線(波長約350nm〜405nm)を発光するLEDは半導体チップからの発熱量が大きく、また発光が短波長であることから透光性封止部に用いられるエポキシ樹脂の黄変は促進され、黄変した透光性封止部は半導体チップから発光する光を吸収するため透光性封止部から外部に出ていく透過光が減少して、結果的に短時間でLEDの輝度低下に至る。光センサーにおいては紫外光等を照射されることによる光透過性の低下がセンサー感度低下につながる。

0006

これまでにこのエポキシ樹脂の欠点を克服するため、(1)比較的に大きな剛性を有するシリコーン樹脂製外殻およびその内側に設けた柔らかいシリコーン樹脂層からなる中空形状のパッケージを用いて半導体チップを取り囲む構造のLED(特許文献1)、(2)発光半導体チップシリコーン樹脂によって封止したLED(特許文献2,特許文献3)が知られている。

背景技術

0007

【特許文献1】
特開2000−150968号公報
【特許文献2】
特開2000−208818号公報
【特許文献3】
特開2001−36147号公報

0008

しかしながら上記(1)の技術は、従来のエポキシ樹脂を使ったLEDとは外観形状や構造、製造方法も異なることから特殊LED等への展開に留まっている。また上記(2)の技術では、シリコーンゴムが使用されたり、実用に至る具体的なシリコン樹脂の詳細が記載されておらず、剛性および強靱性の点で不十分であり、エポキシ樹脂を代替し得るシリコーン樹脂は見出されていない。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は従って、短波長光および熱による輝度低下や感度低下が小さく、しかも従来のエポキシ樹脂と同様に外装封止可能な剛性を持つ透光性封止部を有するLEDその他の光電変換装置を提供することを目的とする。

0010

本発明は、光電変換部とそれを覆うように設けた透光性封止部とを有する光電変換装置において、前記透光性封止部は、(1)それぞれケイ素原子に結合したメチル基フェニル基ビニル基および水素原子を含むオルガノポリシロキサン、(2)それぞれケイ素原子に結合したメチル基、フェニル基およびビニル基を含むオルガノポリシロキサンおよび(3)白金系触媒を含む液状シリコーン樹脂を光電変換部に適用し、硬化したものであることを特徴とする光電変換装置である。

0011

本発明における光電変換装置はLED、レーザーダイオードおよび大電流駆動を行う発光装置通称パワーLED)等の発光装置;光センサーその他の受光装置半導体発光チップと半導体受光チップとを対にして一体化したインターラプター、受発光モジュール、光結合装置等を指している。発光装置はランプ型、数表示型、ドットマトリクス型、ハーメチックシール型等金属ケース型、及び表面実装型等の形態を含む。また受光装置はランプ型、表面実装型等の形態を含む。

0012

本発明に用いる液状シリコーン樹脂は無溶剤の液状シリコーン樹脂であり、前記(1)成分は好ましくは下記組成式(A)で表される構成単位を有するオルガノポリシロキサンである。
【化6】
XmSiO(4−m)/2   (A)
ここでXはそれぞれ独立にメチル基、フェニル基、ビニル基または水素原子であり、mは1、2または3である。
すなわち(1)成分は好ましくは、例えばCH3SiO3/2、(CH3)2SiO2/2、(CH3)3SiO1/2、CH3(C6H5)SiO2/2、(C6H5)SiO3/2、(C6H5)2SiO2/2、(CH3)2(C6H5)SiO1/2、(CH2=CH)SiO3/2、CH3(CH2=CH)SiO2/2、(CH2=CH)2SiO2/2、CH3HSiO2/2、H2SiO2/2およびHSiO3/2等を構成単位として有する。なお、(1)成分はSiO4/2で表される構成単位を少量含んでいても差し支えない。

0013

また(2)成分は好ましくは下記組成式(B)で表される構成単位を有するオルガノポリシロキサンである。
【化7】
YnSiO(4−n)/2   (B)
ここでYはそれぞれ独立にメチル基、フェニル基またはビニル基であり、nは1、2または3である。
すなわち(2)成分は好ましくは、例えばCH3SiO3/2、(CH3)2SiO2/2、(CH3)3SiO1/2、CH3(C6H5)SiO2/2、(C6H5)SiO3/2、(C6H5)2SiO2/2、(CH3)2(C6H5)SiO1/2、(CH2=CH)SiO3/2、CH3(CH2=CH)SiO2/2および(CH2=CH)2SiO2/2等を構成単位として有する。なお、(2)成分はSiO4/2で表される構成単位を少量含んでいても差し支えない。

0014

(1)成分はより好ましくは下記平均組成式(C)で表されるオルガノポリシロキサンである。
【化8】
(CH3)a(C6H5)b(CH2=CH)c(H)d(SiO1/2)p(SiO2/2)q(SiO3/2)r  (C)
ここでaは0.2〜1.1、bは0.2〜0.8、cは0.05〜0.2、dは0.05〜0.2、pは0.1〜0.5,qは0.1〜0.3、rは0.2〜1.0である。
(1)成分は例えばメチルトリクロロシランフェニルトリクロロシランジメチルジクロロシランジフェニルジクロロシランメチルフェニルジクロロシラントリメチルクロロシランジメチルフェニルクロロシランビニルトリクロロシランメチルビニルジクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、メチルハイドロジェンジクロロシラン、ジハイドロジェンジクロロシランおよびハイドロジェントリクロロシラン等の共加水分解によってまたは共加水分解縮合物の共重合等によって得ることができる。これらの原料に例えばテトラクロロシランまたは、テトラアルコキシシランを添加することにより、(1)成分にSiO4/2で表される構成単位を含ませることができる。

0015

(2)成分はより好ましくは下記平均組成式(D)で表されるオルガノポリシロキサンである。
【化9】
(CH3)e(C6H5)f(CH2=CH)g(SiO1/2)x(SiO2/2)y(SiO3/2)z  (D)
ここでeは0.3〜1.5、fは0.2〜0.7、gは0.05〜0.3、xは0.1〜0.4、yは0.1〜0.6,zは0.2〜0.9である。
(2)成分は例えばメチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、メチルビニルジクロロシランおよびジビニルジクロロシラン等の共加水分解によって得ることができる。これらの原料に例えばテトラクロロシランまたは、テトラアルコキシシランを添加することにより、(1)成分にSiO4/2で表される構成単位を含ませることができる。

0016

(3)成分は付加反応触媒の白金系触媒であり、例えば塩化白金酸白金カルボニルビニルメチル錯体、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金−オクチルアルデヒドオクタノール錯体等を挙げることができる。

0017

本発明における液状シリコーン樹脂は前記(1)成分100質量部に対して、前記(2)成分を2〜50質量部、前記(3)成分を白金金属換算で前記(2)成分100質量部に対して0.0001〜0.5質量部それぞれ含有することが好ましい。

0018

本発明における液状シリコーン樹脂は前記(1)〜(3)成分の他に各種修飾剤として1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7テトラメチルシクロテトラシロキサン等の反応抑制剤アリルトリメトキシシラン等の接着性向上剤その他を併用することができる。

0019

本発明における液状シリコーン樹脂は前記(1)成分を主剤とし、前記(2)成分と前記(3)成分を混合したものを硬化剤として2液型の状態であらかじめ準備しておき使用直前に主剤と硬化剤を混合することにより調製してもよく、また当初から前記(1)〜(3)成分を混合しておくいわゆる1液型の状態で調製してもよい。液状シリコーン樹脂を光電変換装置の光電変換部に適用しやすくするために、前記(1)、(2)成分の重合度を制御して液状シリコーン樹脂の25℃における粘度を500〜3000mPa・sに調整することが好ましい。

0020

次にこの液状シリコーン樹脂を発光装置の光電変換部である半導体発光チップに適用して透光性封止部を形成する方法を、砲弾LEDランプの場合を例にして説明する。
砲弾型LEDランプは図1に示すように、半導体発光チップ1が一方のリードフレーム2の先端に設置されており、電極部材であるボンディング金ワイヤー3が半導体発光チップ1と他方のリードフレーム2の先端とを接続するように取り付けられている。砲弾型形状を有する透光性封止部4が半導体発光チップ1、ボンディング金ワイヤー3および両方のリードフレーム2の先端を取り囲むように封止して外装している。砲弾の先端が底になるような凹部を形成した成形型を凹部が上向きになるように配置し、前記液状シリコーン樹脂をその成形型の凹部内に注入する。次に、半導体発光チップ1、ボンディング金ワイヤー3が取り付けられた両方のリードフレーム2を半導体発光チップ1が凹部内の液状シリコーン樹脂の中に浸漬するように挿入する。そしてそれらを例えば熱風乾燥炉に入れてて130〜180℃で10〜30時間加熱してシリコーン樹脂を硬化させて透光性封止部を形成する。硬化終了後常温時にリードフレームを引っ張って、脱型して砲弾型LEDランプが得られる。なお、シリコーン樹脂の硬化温度としては、常温におけるショアーD硬度が60以上、より好ましくは70以上の硬化物硬度を得るためには150℃以上で加熱硬化することが好ましい。

0021

図2に示すように、半導体受光チップ5,リードフレーム6、ボンディング金ワイヤー7および外装透光性封止部8からなる光センサー(受光装置)についても前記の砲弾型LEDランプの製造と同様に成形型を用いて注型成形することができる。

0022

図3に示す金属ケース型LEDは、半導体発光チップ9、ベース部材10,リードフレーム11,ボンディング金ワイヤー12,外装金属ケース13および注型透光性封止部14からなる。半導体発光チップ9、電気絶縁性のベース部材10,リードフレーム11,ボンディング金ワイヤー12および外装金属ケース13からなるLEDを外装金属ケース13の開口部が上向きになるように配置し、前記液状シリコーン樹脂を外装金属ケース13内に滴下注入した後、それらを例えば熱風乾燥炉に入れて130〜180℃で10〜30時間加熱してシリコーン樹脂を硬化させ透光性封止部14を形成させる。

0023

本発明のシリコーン樹脂の透光性封止部は光電変換部を覆うように設けられる。しかし透光性封止部のシリコーン樹脂が、半導体チップに直接付着すると半導体チップに好ましくない応力が働く場合がある。この場合には、液状シリコーン樹脂を適用する前に、予め半導体チップ周辺、特に半導体チップの外表面に例えば厚みが0.1〜2.0mmの応力緩和層を設けられる。この応力緩和層の材質として、例えば透光性のゲル状またはゴム状のシリコーン樹脂等を用いることができる。

0024

本発明における透光性封止部を形成するシリコーン樹脂硬化物はメチル基、フェニル基およびエチレン基(ビニル基から由来する)を含有するオルガノポリシロキサンである。そしてシロキサン部分はSiO1/2単位、SiO2/2単位およびSiO3/2単位から構成される。

0025

シリコーン樹脂硬化物の硬度と機械的強度は一般に相反する傾向を示す。(SiO1/2)単位および(SiO2/2)単位の少なくとも一方が少なすぎると、硬度は増加するが機械的強度または可とう性が減少して脆い硬化物となる。逆にこれらの単位が多くなり過ぎると、機械的強度、可とう性は増加するが、硬度不足となる。樹脂硬化物の硬度に最も影響する単位である(SiO3/2)単位が少な過ぎると、硬度が低くなり、また多すぎると硬くて脆い硬化物となる。(SiO4/2)単位は(SiO3/2)単位よりもさらに樹脂硬化物の硬度を高くする作用が大きく、多すぎると硬くて脆い硬化物となる。

0026

次にメチル基とフェニル基の含量については、基本的に耐熱性はフェニル基がメチル基よりも優れており、また架橋密度が同程度である場合にはフェニル基の方がメチル基に比べ硬度が高くなる。 一方、硬化物の機械的強度、可とう性の点ではメチル基の方が優れている。ケイ素原子に結合した水素とビニル基との付加反応により生じるエチレン基については、少な過ぎると、成分(1)と成分(2)との間での架橋的付加反応が少なくなり、硬度および機械的強度の両面で不十分となる。また逆に多すぎると、脆い硬化物となる。

0027

本発明における透光性封止部を形成するシリコーン樹脂硬化物は、上記の硬度、機械的強度、脆性、耐熱性および可とう性等の物性のバランスを有するためには、好ましくはメチル基、フェニル基およびエチレン基をこれらの合計100モル部に対してそれぞれ15〜83モル部、14〜57モル部および3〜16モル部含有し、SiO1/2単位、SiO2/2単位、SiO3/2単位およびSiO4/2単位をこれらの合計100モル部に対してそれぞれ10〜50モル部、18〜33モル部、20〜72モル部および0〜10モル部含有する。

0028

またこのシリコーン樹脂硬化物はさらに好ましくは下記平均組成式(E)で表されるオルガノポリシロキサンからなる。
【化10】
(CH3)h(C6H5)i(CH2CH2)j(SiO1/2)k1(SiO2/2)k2(SiO3/2)k3  (E)
ここでhは0.2〜1.5、iは0.2〜0.8、jは0.05〜0.3、k1は0.1〜0.5、k2は0.1〜0.4,k3は0.2〜1.0である。

0029

本発明の光電変換装置が短波長例えば青色光または紫外光の光を発光する発光装置である場合は、短波長光を白色光に変換する蛍光体光路内に設けることができ、例えば透光性封止部のシリコーン樹脂の中に分散させておくか、または予め半導体チップ周辺に設けた樹脂層例えば前記の応力緩和層の中にこの蛍光体を分散させることにより白色光を発光する発光装置を得ることができる。この蛍光体としては、有機蛍光体あるいは無機蛍光体を用いることができ、市販品であるNKP−8303(日本蛍光化学社製)、YS−A(根元特殊化学社製)、SPE−A(根元特殊化学社製)等を挙げることができる。

0030

本発明に用いるシリコーン樹脂の硬化物は、ゲル状またはゴム状シリコーン樹脂硬化物とは異なり剛性があり硬度も高く、そのために成形型から容易に脱型することができ、液状エポキシ樹脂を使用した従来のLED製造装置および製造工程により光電変換装置を製造することが可能である。

0031

本発明に用いるシリコーン樹脂の硬化物は無色且つ透明で、紫外光(波長350nm〜400nm)において3mm厚みの硬化物は80%以上の光透過率を有し、可視光から赤外光(波長400nm〜1100nm)においては3mm厚みの硬化物は85%以上の光透過率を有し、半導体発光チップから、または半導体受光チップへ光を効率よく透過することが可能である。更に本硬化物は、光及びまたは熱による劣化が極めて少なく、本硬化物を用いて透光性封止部とした発光装置、または受光装置は極めて動作が安定している。

課題を解決するための手段

0032

このように、本発明の特徴とされる剛性のあるシリコーン樹脂を用いることでLEDの中心部材を外装封止することが可能で、LED構造そのものを保持できると同時に、半導体素子からの光を効率よく透過し、半導体素子からの発生する短波長光や熱による黄変が少なくLEDの安定した動作が可能である。またハーメチックシール型等金属ケース型や数表示型等に注型封止を行っても同様の特性が得られる。光センサーにおいては、光源から照射される光や外部からの熱により黄変することなく安定したセンシングが可能である。

0033

次に本発明の実施例を詳細に説明する。
[実施例1]
シリコーン樹脂の調製
本発明の液状シリコーン樹脂としてWackerーChemie Gmbh社製 H62AおよびH62B3を用いて行った。本発明の(1)成分に相当するH62Aはそれぞれケイ素原子に結合したメチル基、フェニル基、ビニル基および水素原子を有し、下記平均組成式で表すことができるオルガノポリシロキサン(25℃での粘度1200mPa・s)であった。
【化11】
(CH3)0.71(C6H5)0.53(CH2=CH)0.12(H)0.12(SiO1/2)0.28(SiO2/2)0.17(SiO3/2)0.53

0034

また本発明の成分(2)に相当するH62B3はそれぞれケイ素原子に結合したメチル基、フェニル基およびビニル基を有し、下記平均組成式で表すことができるオルガノポリシロキサン(25℃での粘度1150mPa・s)であり、更に白金系触媒が添加されている。
【化12】
(CH3)1.05(C6H5)0.47(CH2=CH)0.19(SiO1/2)0.19(SiO2/2)0.31(SiO3/2)0.44

0035

このH62AとH62B3を重量比でH62Aを100部に対しH62B3を10部の割合でよく混合して液状シリコーン樹脂(25℃での粘度1200mPa・s、200℃でのゲルタイム22分、屈折率1.5,200℃で1時間大気中で保持したときの揮発分含有量2質量%未満)の調製を行った。なお上記平均組成式はH−NMR水素核磁気共鳴法),Si−NMR(ケイ素核磁気共鳴法)、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)および熱重量分析等の結果から算出した。

0036

注型成形および硬化物硬度測定
上記液状シリコーン樹脂を内径5cm、深さ5mmの金属製注型用円筒状容器に注型し150℃熱風乾燥炉にて24時間加熱して樹脂を硬化させた後脱型した。得られた硬化物はアスカー社製デュロメーターにて硬度を測定した結果、ショアーD硬度は室温25℃で70であり、充分なる剛性を有していた。なお、このシリコーン樹脂硬化物の線膨張係数は30〜70℃において1.86×10−4であり、70〜130℃において1.96×10−4であり、23℃における体積抵抗は2×1017Ω・cmであった。

0037

LEDランプ成形
前記液状シリコーン樹脂を用い、図1に示した直径5mmの砲弾型LEDランプ(以下5φLEDランプ)の成形を実施した。LEDランプの外形である砲弾形状の凹部を20個連ねた形成したポリメチルペンテンTPX)樹脂製成形型フッ素系離型剤スプレーした後、前記液状シリコーン樹脂を成形型内に注入し、発光半導体チップを設けた銀メッキ処理鉄製リードフレームをその液状シリコーン樹脂中に挿入して150℃熱風乾燥炉にて24時間加熱して樹脂を硬化させた。硬化終了後常温時にリードフレームを引っ張って、脱型可能であるか確認を行った結果、容易に脱型でき5φLEDランプの成形が可能であった。

0038

上記5φLEDランプの強度試験を行った。試験は5φLEDランプのリードフレーム部を図4のように曲折し、島津製作所社製オートグラフAGS−10kNDを用いて25℃の雰囲気において引っ張り速度5mm/分の条件でリードフレーム部の両方を矢印の方向に引っ張って封止樹脂のリードフレームが引き裂かれるときの引張力を測定して破壊強度とした。その結果、破壊強度は8.1Nであり。本発明のシリコーン樹脂硬化物は充分なる引き裂き強度を有していた。

0039

耐熱耐紫外線測定
前記液状シリコーン樹脂をフッ素系離型剤を塗布した内寸10×10×0.3cmのガラス製容器に注入し、150℃熱風乾燥炉にて24時間加熱して樹脂を硬化させて3mm厚の板状硬化物を作製した。この板状硬化物について初期透過率、この板状硬化物を150℃熱風乾燥炉中に1000時間置いた後の透過率、およびピーク波長350nmの紫外線(東社製紫外線照射器「トスキュアHC−0413A型」を使用)を40時間照射した後の波長380nmおよび450nmの光透過率を、島津製作所社製分光光度計UV−1200を用いてそれぞれ測定した。その結果、初期硬化物の光透過率は85.0%(380nm)および89.0%(450nm)であったのに対し、150℃1000時間放置した硬化物の光透過率は76.0%(380nm)および87.0%(450nm)であった。また、紫外線照射した硬化物の光透過率は75.0%(380nm)および86.5%(450nm)の結果が得られ、本発明のシリコーン樹脂は熱及び紫外光による黄変が極めて少ないことが確認された。

0040

[実施例2]
成分(2)としてトリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシランおよびフェニルトリクロロシランを共加水分解することにより下記平均組成式のオルガノポリシロキサンを得た。
【化13】
(CH3)1.00(C6H5)0.45(CH2=CH)0.13(SiO1/2)0.15(SiO2/2)0.31(SiO3/2)0.50

0041

成分(1)として実施例1記載のH62A、成分(2)として上記平均組成式で示したオルガノポリシロキサンおよび塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液白金含有率0.3%)を重量比で100対15対1.2の割合でよく混合して液状シリコーン樹脂の調製を行った。

0042

この液状シリコーン樹脂を用い、実施例1と同様に注型成型を行いその硬化物硬度を測定した結果ショアーD硬度は室温25℃で75であり、充分なる剛性を有していた。また硬化物の耐熱性、耐紫外線性を実施例1と同様に評価した結果、初期硬化物の光透過率は86%(380nm)および89%(450nm)であったのに対し、150℃、1000時間放置した硬化物の光透過率は77%(380nm)および86%(450nm)であった。また紫外線照射した硬化物の光透過率は76%(380nm)および86%(450nm)の結果が得られ、本発明のシリコーン樹脂硬化物は熱および紫外光による黄変が極めて少ないことが確認された。

0043

[比較例1]
実施例1で用いた液状シリコーン樹脂に代えてゴム状シリコーン樹脂(GE東芝シリコーン株式会社製「TSE−3033」)を用いた以外は実施例1と同様に5φLEDランプを成型したが、樹脂硬度(強度)不足のためリードフレームを引っ張ったときに封止樹脂は破損し脱型は不可能であった。なお実施例1で行ったと同様にして硬化物硬度を測定したところ、ショアーA硬度は室温25℃で30であった。

発明を実施するための最良の形態

0044

[比較例2]
エポキシ樹脂を用い、3mm厚の板状硬化物を作製し、実施例1と同じ150℃1000時間加熱維持及び紫外線40時間照射試験を行った。ここで用いたエポキシ樹脂は日本ペルノックス株式会社製、酸無水物硬化型エポキシ樹脂ME−514(主剤)/HV−514(硬化剤)で主剤/硬化剤質量配合比100/110にて110℃3時間およびその後135℃8時間の条件で硬化した。試験の結果、このエポキシ樹脂は初期光透過率79.9%(380nm)、89.2%(450nm)に対し加熱試験後の硬化物の光透過率は0.0%(380nm)、2.3%(450nm)であった。また、紫外線照射した硬化物の光透過率は37.0%(380nm)、70.0%(450nm)の結果が得られ、本発明のシリコーン樹脂に比して黄変が大きいことが確認された。

発明の効果

0045

以上のように、本発明の光電変換装置によれば、熱及び紫外光等による黄変が少ないシリコーン樹脂を封止樹脂に用いるため、青色光または紫外光を発生する半導体光源具備したLED、レーザーダイオード、および大電流駆動を行う半導体装置の発熱が大きいLED等において封止樹脂の黄変が極めて少なく、各発光波長において光透過率の低下も極めて少なく発光装置の安定した動作を可能とする。

図面の簡単な説明

0046

また、受光装置(光センサー)においては青色光及びまたは紫外光の照射を受けても黄変が極めて少なく、各受光波長において光透過率が極めて高く受光装置の安定した動作を可能とする。

図1
本発明における発光装置の一例である砲弾型LEDランプの模式正面図である。
図2
本発明における受光装置の一例である光センサーの模式正面図および模式側面図である。
図3
本発明における発光装置の一例である金属ケース型LEDの模式正面図である。
図4
図1に示したLEDの引き裂き強度試験の模式正面図である。
【符号の説明】
1……半導体発光チップ
2……リードフレーム
3……ボンディング金ワイヤー
4……外装透光性封止部
5……半導体受光チップ
6……リードフレーム
7……ボンディング金ワイヤー
8……外装透光性封止部
9……半導体発光チップ
10……ベース部材
11……リードフレーム
12……ボンディング金ワイヤー
13……外装金属ケース
14……注型透光性封止部

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