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技術 光学活性な3−(メチルアミノ)−1−(2−チエニル)プロパン−1−オールの製造方法および製造の中間体

出願人 山川薬品工業株式会社
発明者 酒井健一櫻井ルミ子湯澤睦畠平郁
出願日 2002年10月1日 (18年2ヶ月経過) 出願番号 2002-289068
公開日 2004年4月22日 (16年8ヶ月経過) 公開番号 2004-123596
状態 特許登録済
技術分野 硫黄原子を含む複素環式化合物 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード メトキシマンデル酸 進め方 フィッシャ 光学活性酒石酸誘導体 水素結合能 マンデル酸誘導体 光学活性マンデル酸 精製塩
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この項目の情報は公開日時点(2004年4月22日)のものです。
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課題

薬理学的に活性化合物を合成するための中間体として有用な、下式の3−(メチルアミノ)−1−(2−チエニルプロパン−1−オール(「MMAA」と略称)の光学活性体を製造する、工業的実施に適した方法を提供すること。

解決手段

(RS)−MMAAを、光学活性マンデル酸誘導体または光学活性酒石酸誘導体分割剤として用い、ジアステレオマー法により光学分割する。

概要

背景

デュロキセチンを製造する技術としては、つぎの合成法が知られている。すなわち、MMAAの類似化合物である、光学活性な3−(ジメチルアミノ)−1−(2−チエニルプロパン−1−オール(以下、「DATP」と略称する)を、ナフタレン化合物縮合させてナフチル体とした後、脱メチル化してデュロキセチンとするルートである(Chirality in Industry II, (1997), p99)。
【化7】

概要

薬理学的に活性化合物を合成するための中間体として有用な、下式の3−(メチルアミノ)−1−(2−チエニル)プロパン−1−オール(「MMAA」と略称)の光学活性体を製造する、工業的実施に適した方法を提供すること。(RS)−MMAAを、光学活性マンデル酸誘導体または光学活性酒石酸誘導体分割剤として用い、ジアステレオマー法により光学分割する。  なし

目的

本発明の目的は、薬理学的に活性な化合物の合成における中間体として重要な地位を占める、光学活性なMMAAを製造するにあたり、発明者らが得た知見を活用し、分割剤として、安価であって、どちらの対掌体工業的規模で容易に入手することができる化合物を使用し、所望に応じて、MMAAの(S)−体および(R)−体のどちらでも、高い光学純度をもって得ることができる、工業的実施に適した光学活性MMAAの製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

光学活性な3−(メチルアミノ)−1−(2−チエニルプロパン−1−オール(以下、「MMAA」と略称する)を製造する方法であって、下式の(RS)−MMAAを、光学活性マンデル酸誘導体または光学活性酒石酸誘導体分割剤として用い、ジアステレオマー法により光学分割することを特徴とする製造方法。

請求項2

光学分割剤として、下式(式中、R1は水素原子アルキル基アルコキシル基ニトロ基またはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、アルキル基またはアシル基を表す。*は不斉炭素原子の位置を示す。)で表される光学活性なマンデル酸またはその誘導体を使用し、反応媒体としてプロトン性溶剤を使用して実施する請求項1の製造方法。

請求項3

光学分割剤としてマンデル酸を使用し、反応媒体として、水または水と脂肪族低級アルコールとの混合物を使用する請求項2の製造方法。

請求項4

光学分割剤として、下式で表される光学活性なO,O’−ジベンゾイル酒石酸を使用して実施する請求項1の製造方法。

請求項5

光学分割剤として、下式で表される光学活性O,O’−ジ−(p−トルオイル)酒石酸を使用して実施する請求項1の製造方法。

請求項6

下式の(S)−MMAA・(S)−マンデル酸・1水和物の塩。

請求項7

下式の(S)−MMAA・(R)−α−メトキシフェニル酢酸の塩。

技術分野

0001

本発明は、光学活性な3−(メチルアミノ)−1−(2−チエニルプロパン−1−オール(以下、「MMAA」と略称する)の製造方法に関する。本発明はまた、光学活性なMMAAを製造する過程中間体として得られる、新規ジアステレオマー塩化合物にも関する。本発明によって得られる光学活性なMMAAは、薬理学的に活性な化合物の合成における重要な中間体であり、とくに抗うつ剤尿失禁症の治療薬として期待されている新薬デュロキセチン」(EP273658)製造の中間体として有用である。

0002

デュロキセチンを製造する技術としては、つぎの合成法が知られている。すなわち、MMAAの類似化合物である、光学活性な3−(ジメチルアミノ)−1−(2−チエニル)プロパン−1−オール(以下、「DATP」と略称する)を、ナフタレン化合物縮合させてナフチル体とした後、脱メチル化してデュロキセチンとするルートである(Chirality in Industry II, (1997), p99)。
【化7】

0003

上記の脱メチル化を行なう方法としては、ナフチル誘導体トリクロロ酢酸クロリドと反応させる方法(特開平4−226948、およびTetrahedron Lett.,31(49), 7101 (1990))や、フェノキシカルボン酸クロリドと反応させる方法(特開平7−188065)が知られている。しかし、このような脱メチル化方法には、トリクロロ酢酸クロリド自体が有害であるという事実や、合成の収率が低いこと、さらには、反応中に一部ラセミ化が起こることなどの欠点がある。つまり、脱メチル化のルートを通る限り、得られるデュロキセチンの収率が低いという不利益があり、かつ、ラセミ化による光学純度低下という、品質上の問題を避けることができない。

0004

一方、DATPの脱メチル体であるMMAAをデュロキセチン製造の中間体として用いれば、脱メチル化反応は不要になるので、この反応に伴うラセミ化や収率低下という問題を避けることができ、さらに、既知の方法(EP273658など)により、MMAAとナフタレン化合物とを縮合させれば、下記のようにして、容易にデュロキセチンを合成することができるはずである。
【化8】

背景技術

0005

光学分割を伴う製造方法であれば、光学分割によって回収される不要な(R)−MMAAを常法によりラセミ化し、光学活性体の製造に再利用することができるので、原料ムダがない。しかし、これまでに、光学分割により光学活性なMMAAを製造する方法は知られていなかった。この事実に着目した発明者らは、鋭意研究の結果、光学分割によるMMAAの製造に成功し、その工業的実施を可能にした。

0006

本発明の目的は、薬理学的に活性な化合物の合成における中間体として重要な地位を占める、光学活性なMMAAを製造するにあたり、発明者らが得た知見を活用し、分割剤として、安価であって、どちらの対掌体工業的規模で容易に入手することができる化合物を使用し、所望に応じて、MMAAの(S)−体および(R)−体のどちらでも、高い光学純度をもって得ることができる、工業的実施に適した光学活性MMAAの製造方法を提供することにある。

発明が解決しようとする課題

0007

これらの光学活性体を製造する過程で中間体として生成するジアステレオマー塩は、新規な化合物であって、これを提供することもまた、本発明の目的に含まれる。

課題を解決するための手段

0008

本発明の光学活性なMMAAを製造する方法は、下式の(RS)−MMAAを、
【化9】
光学活性マンデル酸誘導体または光学活性酒石酸誘導体を分割剤として用い、ジアステレオマー法により光学分割することを特徴とする。

0009

MMAAの類縁物質であるラセミDATPが光学活性マンデル酸によって光学分割できることは、すでに知られている(Chirality in Industry II, (1997), p99)。しかしながら、発明者らがこの既知の方法をラセミMMAAに転用することを企てて実験したところ、既知の条件では光学分割ができないどころか、結晶(ジアステレオマー塩)の沈殿すら認められないことが確認された。

0010

発明者らは、こうした差が出る原因を検討し、二級アミンであるMMAAと、三級アミンであるDATPとの間の水素結合能の差にもとづくものと判断し、三級アミンに対してプロトンが1個多い二級アミンの水素結合能を高めることを意図して、分割溶媒として、プロティックな溶媒である水を加えた。この試みは成功し、MMAAは、マンデル酸とみごとに塩を形成して沈殿することが見出され、この結晶を分離することにより、光学活性なMMAAを、高収率かつ高純度で得られることが明らかになった。さらに、光学分割剤として、マンデル酸誘導体酒石酸誘導体を使用しても、同様な光学分割ができることを見出して、本発明を完成するに至ったわけである。

0011

本発明の製造方法は、ジアステレオマー法として実施する。すなわち、前掲のラセミMMAAに対し、反応媒体中で、光学分割剤を作用させてジアステレオマー塩を形成させ、一方のジアステレオマー塩を分離した後、この塩を分解して、所望の光学活性なMMAAを得る。光学分割剤としては、光学活性マンデル酸誘導体または光学活性酒石酸誘導体を使用する。

0012

光学分割剤として使用する光学活性マンデル酸またはその誘導体は、前記した一般式を有するものであって、この式において、R1が表すアルキル基としては、直鎖状または分岐状のアルキル基、たとえば、メチル基エチル基イソプロピル基、tert−ブチル基などが挙げられる。R1が表すアルコキシル基としては、直鎖状または分岐状のアルコキシル基である、メトキシ基エトキシ基イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。R1が表すハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子などが挙げられる。

0013

R2が表すアルキル基としては、直鎖状または分岐状のアルキル基、たとえば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基などが挙げられる。R2が表すアシル基としては、アセチル基プロピオニル基イソブチリル基、ピバロイル基のようなアルキルカルボニル基などが挙げられる。

0014

光学活性マンデル酸誘導体の例としては、マンデル酸、2−メチルマンデル酸、2−クロロマンデル酸、3−クロロマンデル酸、4−メトキシマンデル酸、O−アセチルマンデル酸、α—メトキシフェニル酢酸などが挙げられる。これらの中でも、マンデル酸、α—メトキシフェニル酢酸が好ましい。

0015

光学活性酒石酸誘導体の例としては、酒石酸、下式のO,O’−ジベンゾイル酒石酸
【化10】
下式のO,O’−ジ−(p−トルオイル)酒石酸
【化11】
をはじめとし、O,O’−ジベンゾイル酒石酸、O,O’−アセチル酒石酸、O,O’−ジ−(p−クロロベンゾイル)酒石酸、O,O’−ジナフトイル酒石酸などが挙げられる。これらの中でも、O,O’−ジベンゾイル酒石酸およびO,O’−ジ−(p−トルオイル)酒石酸が好ましい。

0016

ジアステレオマー塩の形成は、もちろん適宜の反応媒体中で行なう。ジアステレオマー塩を形成する反応の媒体としては、ジアステレオマー塩のうち難溶性塩晶出しやすく、その一方で易溶性塩およびジアステレオマー塩を形成していないMMAAは、よく溶解するものが好ましく、そのような見地から媒体を選択する。

0017

適切な反応媒体としては、まず水が挙げられ、つぎにメタノールエタノール1−プロパノールイソプロパノールのようなアルコール類ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテルテトラヒドロフランのようなエーテル類酢酸メチル酢酸エチル酢酸イソプロピル酢酸ブチルのような酢酸エステル類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンのようなケトン類アセトニトリルのようなニトリル類塩化メチレンクロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、および、ベンゼントルエンキシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられる。これらは1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。

0018

使用可能な媒体は広い範囲に及ぶが、水や低級アルコール類、またはその混合溶媒が好成績を与えることから、プロトン性溶剤が適切なようである。また、後記する実施例にみるとおり、マンデル酸を光学分割剤とする場合は、媒体が水または含水溶媒であることが必要である。媒体の使用量は実施成績に影響し、また適切な使用量の範囲は、媒体によって異なる。

0019

光学分割剤の使用量は、(RS)−MMAA 1モルに対し、分割剤が0.3〜1.1モル、好ましくは0.4〜1.0モルの比率とする。光学分割剤や反応媒体の種類によって、最適なモル比は異なる。

0020

ジアステレオマー塩を形成する反応の進め方には、とりたてて制約はない。具体例を挙げれば、反応媒体に原料のラセミ体を入れ、常圧で媒体の沸点以下の温度に加熱して溶解し、そこへ分割剤を添加するのが普通である。添加は一度に行なってもよいし、徐々に行なってもよい。原料のラセミ体を反応媒体に完全に溶解させる必要はなく、一部だけが溶解し、残りが懸濁している状態で分割剤を加えても、ジアステレオマー塩を生成させることができる。分割剤は、媒体に溶かした形で添加してもよい。

0021

ジアステレオマー塩法による光学分割の成績は、要するに、難溶性塩の溶解度と易溶性塩の溶解度との差ができるだけ大きくなるような条件を実現できるか否か、によって決定される。本発明の光学分割においては、反応媒体の極性の程度とその使用量、および分割剤の種類とその使用量に関して、好適な組み合わせがある。後記する実施例のデータを参考に、必要ならば若干の実験を追加することによって、最適な条件を見つけることができるであろう。

0022

つぎに、ジアステレオマー塩を形成させた反応混合物濾過または遠心分離して、難溶性のジアステレオマー塩を得る。この塩を分解し、そこから(R)−または(S)−MMAAを取得する解塩の方法は、この塩が有機アミンカルボン酸との塩であることから、強い塩基または強い酸を作用させればよい。実際の操作は、有機溶媒と水との混合液中で、ジアステレオマー塩に水酸化ナトリウムのような、無機強塩基などを作用させればよく、光学活性なMMAAは、有機溶媒中の溶液として得ることができる。使用する有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテルのような、水とあまり溶け合わないものが適当である。

0023

光学活性なMMAAは、芳香族炭化水素類に対する溶解度がラセミ体の溶解度に比べてあまり高くないので、この性質を利用して精製を行なうことができる。ジアステレオマー塩の解塩の媒体としてトルエンのような芳香族炭化水素を用いると、抽出操作後ある程度濃縮したところで結晶が析出するため、析出した結晶をそのまま再結晶させることにより、精製することができる。粗製品の光学純度が90%程度であっても、再結晶により、精製品の光学純度を99%以上に高めることができる。

0024

【実施例】
以下の実施例におけるMMAAの光学純度の測定は、HPLCにより、下記の条件で行なった。
カラム:「SHISEIDO Chiral CD−Ph」5μm 4.6m I.D.×250mm
移動層:0.2M 過塩素酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル(70/30)
流量:1.0mL/min.
カラム温度:35℃
検出器:日本分光「UV−970」波長235nm Rtは、
(R)−MMAA:11分、(S)−MMAA:13分。

0025

[実施例1]
(S)−MMAA・(S)−マンデル酸1水和物の製造
(光学活性マンデル酸によるMMAAの光学分割)
(RS)—MMAAの100g(0.584mol)を2−ブタノール190gに入れ、そこへ(S)−マンデル酸89g(0.584mol)を加えて(モル比1:1)、さらに水21g(1.17mol)を加えた後、加熱して溶解した。溶液を35℃まで徐冷し、別に用意した(S)−MMAA・(S)−マンデル酸塩・1水和物を種晶として少量加え、20℃に冷却した。析出した結晶を濾過分離した後、乾燥して83.2gの(S)−MMAA・(S)−マンデル酸1水和物の塩を得た。原料として用いた(RS)−MMAA中の(S)−MMAAを基準とする収率は83.4%であり、この塩のMMAAの光学純度は、75.2%deであった。

0026

この塩を、水と2−ブタノールの混合溶媒から再結晶したところ、光学純度95.3%deの(S)−MMAA・(S)−マンデル酸1水和物66.1gを得た。原料として用いた(RS)−MMAA中の(S)−MMAAを基準とする収率は,66.4%であった。

0027

融点:69.9−71.0℃
旋光度:[α]D20+26.4° (c 1.0,EtOH)
水分:5.27%(カールフィッシャ滴定
IR KBr(cm−1):3470,3208,1618,1586,1491,1051,701
1H−NMR(CDCl3,400MHz):δ7.37−7.40(m,3H),7.22−7.25(m,2H),7.17(d,J=5.2Hz,1H),.96(dd,J=3.2,5.2Hz,1H),6.90(d,J=3.2Hz,1H),4.89(dd,J=4.8,8.0Hz,1H),4.60(s,1H),2.86−2.91(m,2H),2.44(s,3H),1.92−1.99(m,2H).

0028

[実施例2]
(S)−MMAAの製造
実施例1で製造したジアステレオマー塩(S)−MMAA・(S)−マンデル酸塩・1水和物に水を加え、水酸化ナトリウムの30%水溶液を添加した後、2−ブタノールを加えて振とうした。分離した有機層減圧濃縮し、得られた濃縮液にトルエンを加えて加熱した後、45℃まで徐冷し、別に用意した(S)−MMAAを種晶として少量加え、室温まで冷却した。析出した結晶を濾過分離した後、乾燥して43.8gの(S)−MMAAを得た。粗製塩に対する収率は66%であり、光学純度は99.9%eeであった。

0029

融点:70.5−73.0℃
旋光度:[α]D20−16.5°(c 1.0,EtOH)
IR KBr(cm−1):3384,3284,1489,1303,
1178,1110,1085,709.
1H−NMR(400MHz):(d6−DMSO,400MHz):δ 7.20(d,J=5.2Hz,1H),6.96(dd,J=3.2,5.2Hz,1H),6.92(d,J=3.2Hz,1H),5.17(dd,J=3.2,8.0Hz,1H),2.94(ddd,J=3.6,5.6,8.0Hz,1H),2.84(ddd,J=3.2,9.2,12.0Hz,1H),2.42(s,3H),1.85−2.00(m,2H).

0030

[実施例3]
光学活性α−メトキシフェニル酢酸によるMMAAの光学分割
(RS)−MMAAの1.00g(5.84mmol)を2−プロパノール5gに入れ、そこへ(R)−α−メトキシフェニル酢酸0.96g(5.84mmol)を加えて(モル比1:1)、さらに水0.1gを加えた後、加熱して溶解した。溶液を25℃まで徐冷し、別に用意した(S)−MMAA・(R)−α−メトキシフェニル酢酸塩を種晶として少量加え、20℃に冷却した。析出した結晶を濾過分離した後、乾燥して0.51gの、粗製(S)−MMAA・(R)−α−メトキシフェニル酢酸塩を得た。原料として用いた(RS)−MMAA中の(S)−MMAAを基準とする収率は52%であり、この塩のMMAAの光学純度は、73.3%deであった。この塩を、さらに2−プロパノールから再結晶し、精製(S)−MMAA・(R)−α−メトキシフェニル酢酸塩を得た。精製塩中のMMAAの光学純度は、100%deであった。

0031

融点:106.0−106.8℃
旋光度:[α]D20−61.3°(c 1.0,EtOH)
IR KBr(cm−1):3316,3062,2876,1620,1567,1395,1196,1093,1073,700

0032

[実施例4]
光学活性O,O’−ジ−(p−トルオイル)酒石酸によるMMAAの光学分割
(RS)−MMAAの1.00g(5.84mmol)をエタノール5gに入れ、そこへ(2R,3R)−(−)−O,O’−ジ−(p−トルオイル)酒石酸2.26g(5.84mol)を加えて(モル比1:1)、加熱して溶解した。溶液を39℃まで徐冷し、別に用意した(S)−MMAA・(2R,3R)−(−)−O,O’−ジ−(p−トルオイル)酒石酸を種晶として少量加え、20℃に冷却した。析出した結晶を濾過分離した後、乾燥して1.53gの(S)−MMAA・(2R,3R)−(−)−O,O’−ジ−(p−トルオイル)酒石酸を得た。原料として用いた(RS)−MMAA中の(S)−MMAAを基準とする収率は94%であり、この塩のMMAAの光学純度は,52.9%deであった。

0033

[実施例5]
光学活性−O,O’−ジベンゾイル酒石酸によるMMAAの光学分割
(RS)—MMAAの1.00g(5.84mmol)をエタノール5gに入れ、そこへ(2R,3R)−(−)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸2.09g(5.84mol)を加えて(モル比1:1)、加熱して溶解した。溶液を39℃まで徐冷し、別に用意した(S)−MMAA・(2R,3R)−(−)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸を種晶として少量加え、20℃に冷却した。析出した結晶を濾過分離した後、乾燥して、2.29gの(R)−MMAA・(2R,3R)−(−)−O,O’−ジベンゾイル酒石酸を得た。原料として用いた(RS)−MMAA中の(R)−MMAAを基準とする収率は148%であり、この塩のMMAAの光学純度は,13.1%deであった。

発明を実施するための最良の形態

0034

[比較例1]
反応溶媒が水を含まない場合の、(S)−MMAA・(S)−マンデル酸の製造(RS)−MMAAの100g(0.584mol)を2−ブタノール190gに入れ、そこへ(S)−マンデル酸89g(0.584mol)を加えて(モル比1:1)加熱して溶解した。常温まで冷却したが、結晶は析出しなかった。

発明の効果

0035

本発明の製造方法によれば、光学活性なMMAAのうち、所望に応じて、(R)−体および(S)−体のどちらでも製造することができる。本発明の製造方法は、入手が容易で、価格も高くない光学分割剤を使用して、高収率で高純度の光学活性MMAAを得ることができるので、工業的に有利に実施できる。このようにして本発明は、種々の化合物の合成における中間体として有用な光学活性MMAAの高純度品を、低コストかつ工業的規模で提供することに成功した。

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