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技術 プロピレン系エラストマー

出願人 三井化学株式会社
発明者 伊牟田淳一橋本幹夫
出願日 2003年11月10日 (16年8ヶ月経過) 出願番号 2003-379895
公開日 2004年4月2日 (16年4ヶ月経過) 公開番号 2004-099909
状態 特許登録済
技術分野 オレフィン、ジエン重合用触媒 高分子成形体の製造 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 付加重合用遷移金属・有機金属複合触媒
主要キーワード X線回折法 ジグザグ構造 シール面積 マルテンス 分岐方向 マルテンス硬度 単位目 ベルヌーイ
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この項目の情報は公開日時点(2004年4月2日)のものです。
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課題

解決手段

(1)プロピレン単位を50〜95モル%、1-ブテン単位を5〜50モル%の量で含有し、(2) 13C−NMRスペクトルで測定されるトリアドタクティシティが90%以上であり、(3)極限粘度が0.1〜12dl/gであり、(4)分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、(5)共重合モノマー連鎖分布B値が、1.0〜1.5好ましくは1.0〜1.3であるプロピレン系エラストマー。このプロピレン系エラストマーは、さらに(6)融点が60〜140℃であり、1-ブテン単位含量M(モル%)と、融点あるいは結晶化度とが、特定の関係式を満たしていることが好ましい。このプロピレン系エラストマーは、特定のメタロセン系触媒を用いて製造することができる。

概要

背景

 プロピレン系エラストマーは、耐スクラッチ性、透明性、耐熱性ヒートシール性などに優れているため、フィルムシートなどに使用されている。

 このようなプロピレン系エラストマーのうちでもプロピレンと1-ブテンとの共重合体であるプロピレン系エラストマーは、従来固体状チタン系触媒あるいはジルコニウムハフニウムなどのメタロセン化合物アルキルアルミノオキサンとからなるメタロセン系触媒を用いて製造されている。

 しかしながら上記のように製造される従来のプロピレン系エラストマーは、ヒートシール性、耐ブロッキング性、耐熱性が必ずしも充分ではなかった。このため衝撃吸収性、耐熱性、透明性、剛性に優れるとともに、ヒートシール性、耐ブロッキング性にも優れたプロピレン系エラストマーの出現が望まれていた。

 本発明者らはこのような従来技術に鑑みてプロピレンと1-ブテンとの共重合体であるプロピレン系エラストマーについて検討したところ、頭−尾結合からなるプロピレン連鎖部のトリアドタクティシティ(頭−尾結合しているとともにメチル基分岐方向がすべて同一である)が高く、立体規則性の高いプロピレン系エラストマーが、上記のような優れた特性を示すことを見出した。そしてこのようなプロピレン系エラストマーは、特定のメタロセン化合物触媒成分を用いることにより、効率よく製造することができることを見出して本発明を完成するに至った。

 なお本出願人は、先に特許文献1(特開昭62−119212号公報)において、プロピレンと他のα−オレフィンとが規則正しく頭−尾結合したプロピレン系エラストマーを開示している。このプロピレン系エラストマーは、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニルジルコニウムジクロリドなどのメタロセン化合物を用いて製造されてお
り、本発明に係るプロピレン系エラストマーに比べると、組成コモノマー比率)が同一である場合には、より高い融点を有している。
特開昭62−119212号公報

概要

  剛性、耐熱性、耐スクラッチ性、透明性、ヒートシール性、ブロッキング性に優れた新規なプロピレン系エラストマーを提供する。  (1)プロピレン単位を50〜95モル%、1-ブテン単位を5〜50モル%の量で含有し、(2) 13C−NMRスペクトルで測定されるトリアドタクティシティが90%以上であり、(3)極限粘度が0.1〜12dl/gであり、(4)分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、(5)共重合モノマー連鎖分布B値が、1.0〜1.5好ましくは1.0〜1.3であるプロピレン系エラストマー。このプロピレン系エラストマーは、さらに(6)融点が60〜140℃であり、1-ブテン単位含量M(モル%)と、融点あるいは結晶化度とが、特定の関係式を満たしていることが好ましい。このプロピレン系エラストマーは、特定のメタロセン系触媒を用いて製造することができる。 なし

目的

 本発明は、剛性、耐熱性、耐スクラッチ性、透明性、ヒートシール性、ブロッキング性に優れた新規なプロピレン系エラストマーを提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

(1)プロピレンから導かれる単位を50〜95モル%の量で、  1-ブテンから導かれる単位を5〜50モル%の量で含有し、(2) (i)頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、または (ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位とからなり、かつ第2単位目にプロピレン単位を含むプロピレン・ブテン3連鎖中の 第2単位目のプロピレン単位の側鎖メチル基について13C−NMRスペクトルヘキサクロロブタジエン溶液テトラメチルシランを基準)を測定し、 19.5〜21.9ppm に表れるピーク全面積を100%とした場合に、 21.0〜21.9ppm に表れるピークの面積が90%以上であり、(3) 135℃、デカリン中で測定される極限粘度が0.1〜12dl/gであり、(4)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、(5)共重合モノマー連鎖分布ランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.5であることを特徴とするプロピレン系エラストマー

請求項2

 前記特性(1) 〜(4) を満たすとともに、 前記(5)パラメータB値が、1.0〜1.3であり、かつ(6)示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜140℃であり、かつ該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、  −2.6M+125 ≦ Tm ≦ −2.6M+145 であり、(7)X線回折法により測定される結晶化度Cと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、  C ≧ −1.5M+65であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系エラストマー。

請求項3

[A]下記一般式(A)で示されるメタロセン化合物と、[B][B-1]有機アルミニウムオキシ化合物、および/または   [B-2] メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物と、 所望により[C]有機アルミニウム化合物とを含むオレフィン重合用触媒の存在下に、 プロピレンと1-ブテンとを共重合させることにより得られる請求項1または2に記載のプロピレン系エラストマー;〔式中、Mは、周期律表第IV〜VIB族遷移金属原子であり、 R1 、R2 、R3 およびR4 は、水素原子ハロゲン原子炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基ケイ素含有基酸素含有基イオウ含有基窒素含有基またはリン含有基であり、また互いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、 X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、 Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −(ただしR7 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。〕。

請求項4

 前記メタロセン化合物[A]が、下記式[I]または[II]で示されることを特徴とする請求項3に記載のプロピレン系エラストマー;〔式中、Mは周期律表第IVB、VB、VIB族の遷移金属であり、 R11およびR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、 R13およびR14は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、 Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −(ただしR7 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。〕、〔式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R21は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3または−PR2基(ただしRはハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基)であり、 R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそれらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく、 X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基OH基またはハロゲン原子であり、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR29、=CO、=PR29または=P(O)R29である。(ただしR29およびR30は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のフルオロアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基または炭素数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30とはそれぞれそれらの結合する原子とともに環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズである。)〕。

技術分野

背景技術

0002

 プロピレン系エラストマーは、耐スクラッチ性、透明性、耐熱性、ヒートシール性などに優れているため、フィルムシートなどに使用されている。

0003

 このようなプロピレン系エラストマーのうちでもプロピレンと1-ブテンとの共重合体であるプロピレン系エラストマーは、従来固体状チタン系触媒あるいはジルコニウムハフニウムなどのメタロセン化合物アルキルアルミノオキサンとからなるメタロセン系触媒を用いて製造されている。

0004

 しかしながら上記のように製造される従来のプロピレン系エラストマーは、ヒートシール性、耐ブロッキング性、耐熱性が必ずしも充分ではなかった。このため衝撃吸収性、耐熱性、透明性、剛性に優れるとともに、ヒートシール性、耐ブロッキング性にも優れたプロピレン系エラストマーの出現が望まれていた。

0005

 本発明者らはこのような従来技術に鑑みてプロピレンと1-ブテンとの共重合体であるプロピレン系エラストマーについて検討したところ、頭−尾結合からなるプロピレン連鎖部のトリアドタクティシティ(頭−尾結合しているとともにメチル基分岐方向がすべて同一である)が高く、立体規則性の高いプロピレン系エラストマーが、上記のような優れた特性を示すことを見出した。そしてこのようなプロピレン系エラストマーは、特定のメタロセン化合物触媒成分を用いることにより、効率よく製造することができることを見出して本発明を完成するに至った。

0006

 なお本出願人は、先に特許文献1(特開昭62−119212号公報)において、プロピレンと他のα−オレフィンとが規則正しく頭−尾結合したプロピレン系エラストマーを開示している。このプロピレン系エラストマーは、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニルジルコニウムジクロリドなどのメタロセン化合物を用いて製造されてお
り、本発明に係るプロピレン系エラストマーに比べると、組成コモノマー比率)が同一である場合には、より高い融点を有している。
特開昭62−119212号公報

発明が解決しようとする課題

0007

 本発明は、剛性、耐熱性、耐スクラッチ性、透明性、ヒートシール性、ブロッキング性に優れた新規なプロピレン系エラストマーを提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、
(1)プロピレンから導かれる単位を50〜95モル%の量で、
  1-ブテンから導かれる単位を5〜50モル%の量で含有し、
(2) (i)頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、または
 (ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位とからなり、かつ第2単位目にプロピレン単位を含むプロピレン・ブテン3連鎖中の
 第2単位目のプロピレン単位の側鎖メチル基について13C−NMRスペクトルヘキサ
クロロブタジエン溶液テトラメチルシランを基準)を測定し、
 19.5〜21.9ppm に表れるピーク全面積を100%とした場合に、
 21.0〜21.9ppm に表れるピークの面積が90%以上であり、
(3) 135℃、デカリン中で測定される極限粘度が0.1〜12dl/gであり、
(4)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
(5)共重合モノマー連鎖分布ランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.5であることを特徴としている。

0009

 このような本発明に係るプロピレン系エラストマーは、
 前記(5)パラメータB値が、1.0〜1.3であり、かつ(6)示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜140℃であり、
かつ該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
  −2.6M+125 ≦ Tm ≦ −2.6M+145 であり、
(7)X線回折法により測定される結晶化度Cと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が、
  C ≧ −1.5M+65
であることが望ましい。

0010

 上記のような本発明に係るプロピレン系エラストマーは、
[A]下記一般式(A)で示されるメタロセン化合物と、
[B][B-1]有機アルミニウムオキシ化合物、および/または
  [B-2] メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物と、
 所望により[C]有機アルミニウム化合物とを含むオレフィン重合用触媒の存在下に、
 プロピレンと1-ブテンとを共重合させることにより得られることが望ましい;

0011

0012

〔式中、Mは、周期律表第IV〜VIB族遷移金属原子であり、
 R1 、R2 、R3 およびR4 は、水素原子ハロゲン原子炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基ケイ素含有基酸素含有基イオウ含有基窒素含有基またはリン含有基であり、また互いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、
 X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
 Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −(ただしR7 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基)である。〕。

0013

 本発明では、式(A)で示されるメタロセン化合物[A]のうちでも、下記一般式[I]または[II]で示されるものが好ましい。

0014

0015

〔式中、Mは周期律表第IVB、VB、VIB族の遷移金属であり、
 R11およびR12は互いに同一でも異なっていてもよく、前記式(A)中のR1と同様で
あり、
 R13およびR14は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、
 X1 、X2 、Yは、前記式(A)と同様である。〕

0016

0017

〔式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属であり、
 R21は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3または−PR2基(ただしRはハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基)であり、
 R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそれらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく、
 X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基OH基またはハロゲン原子であり、

0018

0019

−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR29、=CO、=PR29または=P
(O)R29である。(ただしR29およびR30は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のフルオロアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、炭素数8〜40のアリールアルケニル基または炭素数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30とはそれぞれそれらの結合する原子とともに環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズである。)〕。

発明の効果

0020

 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、トリアドタクティシティが高く、剛性、耐熱性、耐スクラッチ性、透明性、ヒートシール性、耐ブロッキング性に優れており、シート、フィルムなどに好適に使用することができるとともに特にシーラントとしても好適に利用することができる。

0021

 特に本発明に係るプロピレン系エラストマーを含有するフィルムは、長期間保管した場合でも、そのヒートシール温度経時変化せず、安定したヒートシールの作業が確保される。

0022

 また本発明に係るプロピレン系エラストマーは、従来のエラストマーに比べ、プロピレンと1-ブテンとの組成比が同一である場合には、より低温の融点を有しているため、ヒートシール温度をより低温化することができる。さらに本発明に係るプロピレン系エラストマー成形品は、表面硬度が高いためキズが付き難い。

発明を実施するための最良の形態

0023

 以下、本発明に係るプロピレン系エラストマーについて具体的に説明する。
(1) 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、プロピレンと1-ブテンとのランダム共重合体であって、
 プロピレンから導かれる単位を50〜95モル%好ましくは60〜93モル%より好ましくは70〜90モル%の量で、
 1-ブテンから導かれる単位を5〜50モル%好ましくは7〜40モル%より好ましくは10〜30モル%の量で含有している。

0024

 このプロピレン系エラストマーは、プロピレンおよび1-ブテン以外のオレフィンから導
かれる単位を少量たとえば10モル%以下望ましくは5モル%以下の量で含んでいてもよい。

0025

 (2)プロピレン系エラストマーの立体規則性(トリアドタクティシティ:mm分率
 本発明に係るプロピレン系エラストマーの立体規則性は、トリアドタクティシティ(mm分率)によって評価することができる。

0026

 このmm分率は、ポリマー鎖中に存在する3個の頭−尾結合したプロピレン単位連鎖を表面ジグザグ構造で表したとき、そのメチル基の分岐方向が同一である割合として定義され、下記のように13C−NMRスペクトルから求められる。

0027

 このmm分率を13C−NMRスペクトルから求める際には、具体的にポリマー鎖中に存在するプロピレン単位を含む3連鎖として、
 (i)頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、および
 (ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位とからなりかつ第2単位目がプロピレン単位であるプロピレン単位・ブテン単位3連鎖
について、mm分率が測定される。

0028

 これら3連鎖(i) および(ii)中の第2単位目(プロピレン単位)の側鎖メチル基のピーク強度からmm分率が求められる。以下に詳細に説明する。

0029

 プロピレン系エラストマーの13C−NMRスペクトルは、サンプル管中でプロピレン系エラストマーをロック溶媒として少量の重水素化ベンゼンを含むヘキサクロロブタジエンに完全に溶解させた後、120℃においてプロトン完全デカップリング法により測定される。測定条件は、フリップアングルを45°とし、パルス間隔を3.4T1 以上(T1 は
メチル基のスピン格子緩和時間のうち最長の値)とする。メチレン基およびメチン基のT1 は、メチル基より短いので、この条件では試料中のすべての炭素磁化回復は99%以上である。ケミカルシフトは、テトラメチルシランを基準として頭−尾結合したプロピレン単位5連鎖(mmmm)の第3単位目のメチル基炭素ピークを21.593ppm とし
て、他の炭素ピークはこれを基準とした。

0030

 このように測定されたプロピレン系エラストマーの13C−NMRスペクトルのうち、プロピレン単位の側鎖メチル基が観測されるメチル炭素領域(約19.5〜21.9ppm)は

 第1ピーク領域(約21.0〜21.9ppm)、
 第2ピーク領域(約20.2〜21.0ppm )、
 第3ピーク領域(約19.5〜20.2ppm )に分類される。

0031

 そしてこれら各領域内には、表1に示すような頭−尾結合した3分子連鎖(i)および(ii)中の第2単位目(プロピレン単位)の側鎖メチル基ピークが観測される。

0032

0033

 表中、Pはプロピレンから導かれる単位、Bは1-ブテンから導かれる単位を示す。

0034

 表1に示される頭−尾結合3連鎖(i) および(ii)のうち、(i) 3連鎖がすべてプロピレン単位からなるPPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)についてメチル基の方向を下記に表面ジグザグ構造で図示するが、(ii)ブテン単位を含む3連鎖(PPB、BPB)のmm、mr、rr結合は、このPPPに準ずる。

0035

0036

 第1領域では、mm結合したPPP、PPB、BPB3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目のメチル基が共鳴する。

0037

 第2領域では、mr結合したPPP、PPB、BPB3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目のメチル基およびrr結合したPPB、BPB3連鎖中の第2単位(プロピレン単位)目のメチル基が共鳴する。

0038

 第3領域では、rr結合したPPP3連鎖の第2単位(プロピレン単位)目のメチル基が共鳴する。

0039

 したがってプロピレン系エラストマーのトリアドタクティシティ(mm分率)は、
 (i)頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖、または
 (ii)頭−尾結合したプロピレン単位とブテン単位とからなり、かつ第2単位目にプロピレン単位を含むプロピレン・ブテン3連鎖を、
 3連鎖中の第2単位目のプロピレン単位の側鎖メチル基について、13C−NMRスペクトル(ヘキサクロロブタジエン溶液、テトラメチルシランを基準)で測定したとき、
 19.5〜21.9ppm (メチル炭素領域)に表れるピークの全面積を100%とした場合に、
 21.0〜21.9ppm (第1領域)に表れるピークの面積の割合(百分率)として、下記式から求められる。

0040

0041

 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、このようにして求められるmm分率が90%以上好ましくは92%以上より好ましくは94%以上である。

0042

 なおプロピレン系エラストマーは、上記のような頭−尾結合した3連鎖(i) および(ii)以外にも、下記構造(iii) 、(iv)および(v) で示されるような位置不規則単位を含む部分構造を少量有しており、このような他の結合によるプロピレン単位の側鎖メチル基に由来するピークも上記のメチル炭素領域 (19.5〜21.9 ppm) 内に観測される。

0043

0044

 上記の構造(iii) 、(iv)および(v) に由来するメチル基のうち、メチル基炭素Aおよびメチル基炭素Bは、それぞれ17.3ppm 、17.0ppm で共鳴するので、炭素Aおよび炭素Bに基づくピークは、前記第1〜3領域 (19.5〜21.9 ppm)内には現れない。さらにこ
の炭素Aおよび炭素Bは、ともに頭−尾結合に基づくプロピレン3連鎖に関与しないので、上記のトリアドタクティシティ(mm分率)の計算では考慮する必要はない。

0045

 またメチル基炭素Cに基づくピーク、メチル基炭素Dに基づくピークおよびメチル基炭素D'に基づくピークは、第2領域に現れ、メチル基炭素Eに基づくピークおよびメチル
基炭素E'に基づくピークは第3領域に現れる。

0046

 したがって第1〜3メチル炭素領域には、PPE−メチル基(プロピレン−プロピレン−エチレン連鎖中の側鎖メチル基)(20.7ppm付近)、EPE−メチル基(エチレン
−プロピレン−エチレン連鎖中の側鎖メチル基)(19.8ppm付近)、メチル基C、メチル基D、メチル基D'、メチル基Eおよびメチル基E'に基づくピークが現れる。

0047

 このようにメチル炭素領域には、頭−尾結合3連鎖(i) および(ii)に基づかないメチル基のピークも観測されるが、上記式によりmm分率を求める際にはこれらは下記のように補正される。

0048

 PPE−メチル基に基づくピーク面積は、PPE−メチン基(30.6ppm付近で共鳴
)のピーク面積より求めることができ、EPE−メチル基に基づくピーク面積は、EPE−メチン基(32.9ppm 付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。

0049

 メチル基Cに基づくピーク面積は、隣接するメチン基(31.3ppm付近で共鳴)のピ
ーク面積より求めることができる。

0050

 メチル基Dに基づくピーク面積は、前記構造(iv)のαβメチレン炭素に基づくピーク(34.3ppm付近および34.5ppm 付近で共鳴で共鳴)のピーク面積の和の1/2より求めることができ、メチル基D'に基づくピーク面積は、前記構造(v) のメチル基E'のメチル基の隣接メチン基に基づくピーク(33.3ppm付近で共鳴)の面積より求めることができる。

0051

 メチル基Eに基づくピーク面積は、隣接するメチン炭素(33.7ppm付近で共鳴)の
ピーク面積より求めることができ、メチル基E'に基づくピーク面積は、隣接するメチン
炭素(33.3ppm 付近で共鳴)のピーク面積より求めることができる。

0052

 したがってこれらのピーク面積を第2領域および第3領域の全ピーク面積より差し引くことにより、頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖(i) および(ii)に基づくメチル基のピーク面積を求めることができる。

0053

 以上により頭−尾結合したプロピレン単位3連鎖(i) および(ii)に基づくメチル基のピーク面積を評価することができるので、上記式に従ってmm分率を求めることができる。

0054

 なおスペクトル中の各炭素ピークは、文献(Polymer,30,1350(1989) )を参考にして帰属することができる。

0055

 (3)極限粘度[η]
 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜12dl/g好ましくは0.5〜12dl/gより好ましくは1〜12dl/gである。

0056

 (4)分子量分布
 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
GPCにより求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり好ましくは2.0〜3.0より好ましくは2.0〜2.5である。

0057

 (5)ランダム性
 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.5好ましくは1.0〜1.3より好ましくは1.0〜1.2である。

0058

 このパラメータB値はコールマン等(B.D.Cole-man and T.G.Fox, J. Polym.Sci., Al,3183(1963) )により提案されており、以下のように定義される。

0059

  B=P12/(2P1 ・P2 )
 ここで、P1 、P2 はそれぞれ第1モノマー、第2モノマー含量分率であり、P12は全二分子連鎖中の(第1モノマー)−(第2モノマー)連鎖の割合である。

0060

 なおこのB値は1のときベルヌーイ統計に従い、B<1のとき共重合体はブロック的であり、B>1のとき交互的である。

0061

 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、上記のような特性に加えて、
 (6)示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜140℃好ましくは80〜130℃であることが望ましく、かつ
 該融点Tmと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が
  −2.6M+125 ≦ Tm ≦ −2.6M+145であることが望ましい。

0062

 (7)X線回折法により測定される結晶化度Cと、1-ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が
  C ≧ −1.5M+65であることが望ましい。

0063

 また上記のような本発明に係るプロピレン系エラストマーは、
 (8)プロピレン連鎖中に存在するプロピレンの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく異種結合単位(位置不規則単位)を含む構造を少量有していることがある。

0064

 重合時、プロピレンは、通常1,2-挿入(メチレン側が触媒と結合する)して前記のような頭−尾結合したプロピレン連鎖を形成するが、稀に2,1-挿入あるいは1,3-挿入することがある。2,1-挿入および1,3-挿入したプロピレンは、ポリマー中で、前記構造(iii) 、(iv)および(v) で示されるような位置不規則単位を形成する。ポリマー構成単位中のプロピレンの2,1-挿入および1,3-挿入の割合は、前記の立体規則性と同様に13C−NMRスペクトルを利用して、Polymer,30,1350(1989) を参考にして下記の式から求めることができる。

0065

 プロピレンの2,1-挿入に基づく位置不規則単位の割合は、下記の式から求めることができる。

0066

0067

 なおピークが重なることなどにより、Iαβなどの面積が直接スペクトルより求めることが困難な場合は、対応する面積を有する炭素ピークで補正することができる。

0068

 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、上記のようにして求められるプロピレン連鎖中に存在するプロピレンの2,1-挿入に基づく異種結合単位を、全プロピレン構成単位中0.01%以上具体的に0.01〜1.0%程度の割合で含んでいてもよい。

0069

 またプロピレン系エラストマーのプロピレンの1,3-挿入に基づく位置不規則単位の割合は、βγピーク(27.4ppm付近で共鳴)により求めることができる。

0070

 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、プロピレンの1,3-挿入に基づく異種結合の割合が0.50%以下であってもよい。

0071

 上記のような本発明に係るプロピレン系エラストマーは、
[A]特定のメタロセン化合物と、
[B][B-1]有機アルミニウムオキシ化合物、および/または
  [B-2] メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物と、
 所望により[C]有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンと1-ブテンとを共重合させることにより得られる。

0072

 以下本発明で用いられるオレフィン重合用触媒について説明する。
[A]メタロセン化合物
 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、下記一般式(A)で示されるメタロセン化合物[A]を用いて製造される。

0073

0074

 式中、Mは周期律表第IV〜VIB族の遷移金属であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウムニオブタンタルクロムモリブデンタングステンであり、好ましくはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。

0075

 置換基R1 〜R4
 R1 、R2 、R3 およびR4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、また互いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。なおそれぞれ2個ずつ表示されたR1 〜R4 は、これらが結合して環を形成する際には同一記号同士の組み合せで結合することが好ましいことを示しており、たとえばR1 とR1 とで結合して環を形成することが好ましいことを示している。

0076

 具体的に、ハロゲン原子としては、フッ素塩素臭素ヨウ素が挙げられる 。

0077

 炭素数1〜20の炭化水素基としては、たとえば
 メチル、エチル、n-プロピルイソプロピルn-ブチルイソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチルn-ヘキシルシクロヘキシルオクチル、ノニ
ル、ドデシルアイコシルノルボルニルアダマンチルなどのアルキル基、
 ビニルプロペニルシクロヘキセニルなどのアルケニル基、
 ベンジルフェニルエチルフェニルプロピルなどのアリールアルキル基、
 フェニルトリルジメチルフェニルトリメチルフェニルエチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントラニルフェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニルアセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリルなどのアリール基が挙げられる。

0078

 これらの炭化水素基が結合して形成する環としてはベンゼン環ナフタレン環アセナフテン環、インデン環などの縮環基、ベンゼン環、ナフタレン環、アセナフテン環、インデン環などの縮環基上の水素原子がメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基で置換された基が挙げられる。

0079

 またこれらの炭化水素基は、ハロゲンで置換されていてもよい。

0080

 ケイ素含有基としては、メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリルジメチルシリルジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル、トリメチルシリルトリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル、
 トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル
 トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。

0082

 イオウ含有基としては、前記含酸素化合物酸素イオウに置換した置換基、およびメチルスルホネートトリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が挙げられる。

0084

 リン含有基としては、ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどが挙げられ
る。

0085

 X1 およびX2
 X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。これらの原子または基としては、具体的には、R1 〜R4 で示したような原子または基と同様のものが挙げられる。

0086

 Y
 Yは、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7 は水素原子、上記と同様のハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。)
 具体的には、炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレン基などが挙げられる。またクロロメチレンなどの上記炭素数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基などが挙げられる。

0087

 2価のケイ素含有基としては、メチルシリレンジメチルシリレンジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基テトラメチル-1,2-ジシリルテトラフェニル-1,2- ジシリルなどのアル
ルジシリル、アルキルアリールジシリル、アリールジシリル基などが挙げられる。

0088

 2価のゲルマニウム含有基としては、上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した化合物が挙げられる。本発明では、上記のような式(A)で示されるメタロセン化合物のうちでも、下記式[I]で示されるメタロセン化合物が好ましく用いられる。

0089

0090

 置換基R11およびR12
 R11およびR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、前記式(A)中R1〜R4 と
同様である。

0091

 置換基R13およびR14
 R13およびR14は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20のアルキル基
またはアリール基である。このアルキル基またはアリール基としては、R11およびR12で示したような基と同様のものが挙げられる。

0092

 これらのアルキル基またはアリール基は、ハロゲンまたは有機シリル基(ケイ素含有基)基で置換されていてもよい。

0093

 これらのうちでも、2級または3級のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基が好ましい。

0094

 X1 およびX2
 X1 およびX2 は、前記式(A)と同様のものが挙げられる。

0095

 これらのうち、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。

0096

 Y
 Yは、前記式(A)と同様のものが挙げられる。

0097

 このうち2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレンであることがより好ましい。

0098

 以下に上記一般式[I]で示されるメタロセン化合物の具体例に示す。

0099

 rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,6-トリメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジフェニル-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-6-イソプロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-α-ナフチル-6-イソプロピル-1-インデニル
)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i-プロピル-6-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-メチル-6-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-メチル-6-i-プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジ(sec-ブチル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-エチル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-n-プロピル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)チタニ
ウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジ(i-プロピル)-1-インデニル)ハフ
ウムジクロリドなど。

0100

 上記のような式[I]で示されるメタロセン化合物のインデン誘導体配位子は、たとえば下記のような反応工程により、通常の有機合成手法によって合成することができる。

0101

0102

 本発明で用いられるメタロセン化合物は、上記のようにして得られるインデン誘導体から、たとえばJournal of Organometallic Chem.288(1985), 第63〜67頁、特開平4−26
8307号公報などに記載されている既知の方法に準じて合成することができる。

0103

 また本発明では、メタロセン化合物[A]として、EP−549900号およびカナダ−2084017号に記載された下記式[II]で示される化合物を用いることもできる。

0104

0105

 式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。

0106

 R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子好ましくはフッ素原子または塩素原子、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜10好ましくは1〜4のアルキル基、 炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3または−PR2基(ただしRはハロゲン原子好ましくは塩素原子、炭素
数1〜10好ましくは1〜3のアルキル基または炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基)である。

0107

 R22〜R28は、同一でも異なっていてもよく、R21と同様の原子または基であり、これらR22〜R28のうち隣接する少なくとも2個の基は、それらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。

0108

 X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、
 水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素数1〜10好ましくは1〜3のアルキル基、
 炭素数1〜10好ましくは1〜3のアルコキシ基、
 炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、
 炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリールオキシ基、
 炭素数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル基、
 炭素数7〜40好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
 炭素数7〜40好ましくは7〜12のアルキルアリール基、炭素数8〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基である。

0109

0110

−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR29、=CO、=PR29または=P
(O)R29である。

0111

 ただしR29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、
 水素原子、ハロゲン原子、
 炭素数1〜10好ましくは1〜4のアルキル基特にメチル基、
 炭素数1〜10のフルオロアルキル基好ましくはCF3 基、
 炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、
 炭素数6〜10のフルオロアリール基好ましくはペンタフルオロフェニル基
 炭素数1〜10好ましくは1〜4のアルコキシ基特にメトキシ基
 炭素数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル基、
 炭素数7〜40好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
 炭素数8〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、
 炭素数7〜40好ましくは7〜12のアリールアルキル基である。

0112

 またR29とR30とは、それぞれそれらの結合する原子とともに環を形成してもよい。

0113

 M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズである。

0114

 上述のアルキル基は直鎖状のまたは枝分かれしたアルキル基であり、ハロゲン(ハロゲン化)はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、特にフッ素原子または塩素原子である。

0115

 このような式[II]で示される化合物のうちでも、
 Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
 R21は、互いに同じであり、炭素数1〜4のアルキル基であり、
 R22〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
 X3 およびX4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜3のアルキル基またはハロゲン原子であり、

0116

0117

 (M2 はケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基である。)
である化合物が好ましく、
 置換基R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がより好ましい。

0118

 さらには、Mは、ジルコニウムであり、
 R21は、互いに同一で炭素数1〜4のアルキル基であり、
 R22およびR28は、水素原子であり、
 R23〜R27は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基または水素原子であり、
 X3 およびX4 は、いずれも塩素原子であり、

0119

0120

 (M2 は、ケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていても よく、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜10のアリール基である。 )
である化合物が好ましく、特に、
 Mは、ジルコニウムであり、
 R21は、メチル基であり、
 R22〜R28は、水素原子であり、
 X3 およびX4 は、塩素原子であり、

0121

0122

 である化合物が好ましい。

0123

 以下にこのような式[II]で示されるメタロセン化合物の具体例を示す。

0124

 rac-ジメチルシリレン-ビス(4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2,3,6-トリメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
 rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、
 rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド
 rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-1,2-エタンジイル-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、
 rac-1,2-エタンジイル-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-1,2-ブタンジイル-ビス(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、
 rac-1,2-ブタンジイル-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。

0125

 また上記のような化合物中のジルコニウムをチタニウムまたはハフニウムに代えた化合物を挙げることもできる。

0126

 本発明では、通常式[I]または[II]で示されるメタロセン化合物のラセミ体が触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。

0127

 上記のようなメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。本発明では、メタロセン化合物[A]として、これらのうちでも、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
 rac-ジメチルシリレン-ビス{1-(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリドなどが特に好ましく用いられる。

0128

         [B-1]有機アルミニウムオキシ化合物
 本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する[B-1] 有機アルミニウムオキシ化合物(以下「成分[B-1] 」と記載することがある。)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。

0129

 従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができる。
(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物硫酸アルミニウム水和物硫酸ニッケル水和物塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテルテトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシドジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。

0130

 なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解あるいはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。

0131

 アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチルアルミニウムトリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムトリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、
 トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム、
 ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリドジエチルアルミニウムブロミドジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド
 ジエチルアルミニウムハイドライドジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド
 ジメチルアルミニウムメトキシドジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド
 ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。

0132

 これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。

0133

 またアルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として、下記一般式で表されるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。

0134

 (i-C4H9)x Aly (C5 H10)z … [II]
(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)
 上記のような有機アルミニウム化合物は、2種以上組合せて用いることもできる。

0135

 アルミノキサンの溶液または懸濁液に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンクメンシメンなどの芳香族炭化水素ペンタンヘキサンヘプタンオクタン、デカン、ドデカンヘキサデカンオクタデカンなどの脂肪族炭化水素シクロペンタンシクロヘキサンシクロオクタンメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素ガソリン灯油軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることも
できる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。

0136

          [B-2]イオン対を形成する化合物
 本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する[B-2] 前記メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物(以下「成分[B-2] 」と記載することがある。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、US−547718号公報などに記載されたルイス酸イオン性化合物およびカルボラン化合物を挙げることができる。

0137

 ルイス酸としては、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニルボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、MgCl2、Al2O3、SiO2-Al2O3 などが例示できる。

0138

 イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが例示できる。

0139

 カルボラン化合物としては、ドデカボラン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニウム(トリデカハイドライド-7-カルバウンデカ
)ボレートなどが例示できる。

0140

 上記のようなメタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物[B-2] は、2種以上組合わせて用いることができる。

0141

          [C]有機アルミニウム化合物
 本発明では、オレフィン重合用触媒を形成する際に所望により[C]有機アルミニウム化合物(以下「成分[C]」と記載することがある。)を用いることができるが、この有機アルミニウム化合物[C]としては、たとえば下記一般式[III]で示される有機アル
ミニウム化合物を挙げることができる。

0142

  R9nAlX3-n … [III]
(式中、R9 は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
 炭素数1〜12の炭化水素基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基イソプロピル基イソブチル基ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基フェニル基トリル基などが挙げられる。

0143

 このような有機アルミニウム化合物[C]としては、具体的には下記のような化合物が挙げられる。

0144

 トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ(2-エチルヘキシル)アルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、
 イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム、
 ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアル
ミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド、
 メチルアルミニウムセスキクロリドエチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド
 メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド
 ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。

0145

 また有機アルミニウム化合物[C]として、下記一般式[IV]で示される化合物を用いることもできる。

0146

  R9nAlL3-n … [IV]
(式中、R9 は上記と同様であり、Lは−OR10基、−OSiR113基、−OAlR122基
、−NR132基、−SiR143基または−N(R15)AlR162基であり、nは1〜2であり、R10、R11、R12およびR16はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、R13は水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリレン基などであり、R14 およびR15 はメチル基、エチル基などである。)
 このような有機アルミニウム化合物のなかでは、
 R7nAl(OAlR102)3-n で表される化合物、たとえば
 Et2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2 などが好ましい。

0147

 上記一般式[III]および[IV]で表される有機アルミニウム化合物の中では、一般式
R73Alで表される化合物が好ましく、特にR7がイソアルキル基である化合物が好まし
い。

0148

 本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、成分[A]、成分[B-1] (または成分[B-2] )および所望により成分[C]を不活性炭化水素溶媒中またはオレフィン溶媒中で混合することにより調製することができる。

0149

 オレフィン重合用触媒の調製に用いられる不活性炭化水素溶媒として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。

0150

 オレフィン重合用触媒を調製する際の各成分の混合順序は任意であるが、
 成分[B-1] または成分[B-2] )と成分[A]とを混合するか、
 成分[B-1] と成分[C]とを混合し、次いで成分[A]を混合するか、
 成分[A]と成分[B-1] (または成分[B-2] )とを混合し、次いで成分[C]を混合するか、あるいは、
 成分[A]と成分[C]とを混合し、次いで成分成分[B-1] (または成分[B-2] )を混合することが好ましい。

0151

 上記各成分を混合するに際して、成分[B-1] 中のアルミニウムと、成分[A]中の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)は、通常10〜10000、好ましくは20〜500
0であり、成分(A)の濃度は、約10-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7〜5×10-2モル/リットルの範囲である。

0152

 成分[B-2] を用いる場合、成分[A]と成分[B-2] とのモル比(成分[A]/成分[B-2] )は、通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5の範囲であり、成分[A]の濃度は、約10-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7〜5×10-2モル/リットルの範囲である。

0153

 成分[C]を用いる場合は、成分[C]中のアルミニウム原子(AlC)と成分[B-1]
中のアルミニウム原子(AlB-1)との原子比(AlC/AlB-1)は、通常0.02〜20、好ましくは0.2〜10の範囲である。

0154

 上記各触媒成分は、重合器中で混合してもよいし、予め混合したものを重合器に添加してもよい。

0155

 予め混合する際の混合温度は、通常−50〜150℃、好ましくは−20〜120℃であり、接触時間は1〜1000分間、好ましくは5〜600分間である。また、混合接触時には混合温度を変化させてもよい。

0156

 本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、無機あるいは有機の、顆粒状ないしは微粒子状の固体である微粒子状担体に、上記成分[A]、成分[B]および成分[C]のうち少なくとも一種の成分が担持された固体状オレフィン重合用触媒であってもよい。

0157

 無機担体としては多孔質酸化物が好ましく、たとえばSiO2、Al2O3などを例示することができる。

0158

 有機化合物の顆粒状ないしは微粒子状固体としては、エチレン、プロピレン、1-ブテンなどのα-オレフィン、もしくはスチレンを主成分として生成される重合体または共重合
体を例示することができる。

0159

 また本発明で用いられるオレフィン重合触媒は、上記の微粒子状担体、成分[A]、成分[B]、予備重合により生成するオレフィン重合体および、所望により成分[C]から形成されるオレフィン重合触媒であってもよい。

0160

 予備重合に用いられるオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、1-ブテンなどのオレフィンが用いられるが、これらと他のオレフィンとの混合物であってもよい。

0161

 なお本発明で用いられるオレフィン重合用触媒は、上記のような各成分以外にもオレフィン重合に有用な他の成分、たとえば、触媒成分としての水なども含むことができる。

0162

 本発明に係るプロピレン系エラストマーは、上記のオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンと1-ブテンとを、最終的に前記の組成比になるように共重合させることによって製造することができる。

0163

 重合は懸濁重合溶液重合などの液相重合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施できる。

0164

 液相重合法では上述した触媒調製の際に用いた不活性炭化水素溶媒と同じものを用いることができ、プロピレンを溶媒として用いることもできる。

0165

 重合温度は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の範囲であることが望ましく、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250℃、好ましくは20〜200℃の範囲であることが望ましい。また気相重合法を実施する際には、重合温度は通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範囲であることが望ましい。

0166

 重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。

0167

 さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。

0168

 得られるプロピレン系エラストマーの分子量は、重合系に水素を存在させるか、あるいは重合温度、重合圧力を変化させることによって調節することができる。

0169

  実施例
 次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
物性測定
[1-ブテン含量]
 13C−NMRを利用して求めた。

0170

 [極限粘度[η]]
 135℃デカリン中で測定し、dl/gで示した。
[分子量分布(Mw/Mn)]
 分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。

0171

 分離カラムは、TSKGNHHTであり、カラムサイズは直径27mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出
器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000<Mw<4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。

0172

 [B値]
 なお、組成分布B値は、10mmφの試料管中で約200mgの共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRのスペクトルを、通常、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、フィルター
1500Hz、パルス繰り返し時間4.2sec、積算回数2000〜5000回の測定
条件の下で測定し、このスペクトルからPE、Po、POEを求めることにより算出した。

0173

 [トリアドタクティシティ]
 ヘキサクロロブタジエン溶液(テトラメチルシランを基準)で13C−NMRスペクトルを測定し、19.5〜21.9ppm に表れるピークの全面積(100%)に対する21.0
〜21.9ppm に表れるピークの面積の割合(%)を求めた。

0174

 [2,1-挿入に基づく異種結合の割合]
 Polymer,30,1350(1989) )を参考にして、前記した方法により13C−NMRスペクトル
を利用して求めた。

0175

 [融点(Tm)]
 試料約5mgをアルミパンに詰め10℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち20℃/分で室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。測定は、パーキンエルマー社製DSC−7型装置を用いた。

0176

 [結晶化度]
 成形後少なくとも24時間経過した厚さ1.0mmのプレスシートX線回折測定によ
り求めた。

0177

 [ヒートシール開始温度
1)フィルムの作成
 プレス板上に厚さ0.1mmのアルミ製のシート、PET製シート、および中央を15
cm×15cm角に切り取った厚さ100μmのアルミ製シートをこの順に敷き、この中央(切り抜かれた部分)に3.3gの試料を置いた。次いで、PETシート、アルミ製の
板、プレス板をこの順にさらに重ねる。

0178

 上記プレス板ではさまれた試料を200℃のホットプレスの中に入れ、約7分間の予熱を行った後、試料内の気泡を取り除くため、加圧(50kg/cm2 G)脱圧操作を数回繰り返す。次いで最後に100kg/cm2 Gに昇圧し、2分間加圧加熱する。脱圧後プレス板をプレス機から取り出し、0℃に圧着部が保たれた別のプレス機に移し100kg/cm2 Gで4分間加圧冷却を行った後、脱圧し、試料を取り出す。得られたフィルムの均一な約150〜170μmの厚さとなったフィルムをヒートシール強度測定用として使用する。
2)ヒートシール強度の測定
 フィルムを15mm巾短冊に切り、その二枚を重ね合わせてさらにこれを0.1mm
の厚みの2枚のテフロン(R)フィルムで挟んで上でヒートシールを行う。ヒートシールは
ヒートシールの下部温度を70℃一定に保ち、熱板上部の温度のみを適宜5℃きざみで変えて行う。ヒートシール時の圧力は2kg/cm2 、ヒートシール時間は1秒としシール巾は5mm(従ってシール面積は15mm×5mm)である。

0179

 ヒートシール強度は上記各ヒートシール温度でヒートシールを施したフィルムの剥離強度を30cm/分の引っ張り速度で引っ張り試験を行うことにより求める。

0180

 上述した方法で5℃きざみの各ヒートシール温度での剥離強度を求め、ヒートシール温度対剥離強度のプロット曲線で結ぶ。この曲線を基に300g/15cmの剥離強度とするヒートシール温度をヒートシール開始温度とする。
3)エージング処理のヒートシール強度の測定
 フィルムのエージング処理は、50℃の恒温槽中に7日間置いて行う。エージングにあたっては、フィルム同志が触れ合わないように、フィルム両面に紙を添えておく。このエージング処理を行ったフィルムを上記に示した方法でヒートシール開始温度を測定する。

0181

 [マルテンス硬度
 マルテンス硬度は、東京衡機製マルテンス引掻試験機を用い、ダイヤモンド錘体に一定の荷重(5g)をかけて1mmのプレスシート面を引掻いた時の筋痕によって測定する。試験された試験片は、顕微鏡によって引掻痕の幅を測定し、読みとった値の逆数(mm-1)を求め、それをマルテンス硬度とする。

0182

 [ブロッキング応力
 ASTMD1893に準じて評価した。10cm、長さ15cmのフィルムを2枚
切りだし重ね合わせる。これを2枚のガラス板ではさみ10kgの荷重を乗え、50℃のエアーオーブン中に放置する。7日後にサンプルを取り出し、剥離強度を測定し、1cmあたりの剥離強度をブロッキング値とした。

0183

 [ヘイズ
 上記のヒートシール開始温度測定用に作製されたフィルムを、ASTMD1003−
61に準拠して測定した。
製造例1
[ジメチルシリレン−ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド(式[II]で示されるメタロセン化合物)の製造]
 Ar雰囲気下、三口フラスコにAlCl3120g(0.900モル)、CS2600ml
の混合物を氷バスで5℃に冷却し攪拌した。

0184

 この中にアセナフテン110g(0.714モル)を加え、5分攪拌した後、滴下ロー
トを用い、メタクリロイルクロリド90ml (0.921モル)とCS2100ml の混合物を1時間かけて加えた。滴下終了後、5℃でさらに、1時間攪拌した。反応液氷水に注ぎ生成物エーテルで抽出した。エーテル相飽和NaHCO3水、続いて飽和NaC
l水で洗浄した後、Na2SO4で脱水後、濃縮した。得られた粘稠オイルをCH2Cl2、ヘキサンを展開溶媒として、シリカゲルカラムで精製し、下記式で示されるケトン(a)を半固体として61g(0.275モル、収率31%)得た。

0185

0186

 得られた生成物の物性を下記に示す。

0187

 M+ 222
 IR(KBr) 1690cm-1
 NMR(CDCl3) 1.36(3H、d、J=7Hz)、
           3.43(4H、s)、
           7.24(1H、s)
           7.38(1H、d、J=8Hz)
           7.62(1H、t、J=8Hz)
           8.58(1H、d、J=8Hz)
 Ar雰囲気下、三口フラスコに前記ケトン(a)25g(0.113モル)、無水テト
ヒドロフラン500ml を入れ、氷バスで5℃に冷却した。この中にLiAlH4 3.
2g(0.084モル)を20分かけて少量ずつ加えた。加え終わった後、5℃で2時間
攪拌した。反応液にセライトを入れた後、注意深く飽和NH4Cl水を加え、過剰のLi
AlH4を分解した。

0188

 Na2SO4 を入れ、10分攪拌した後、セライトをしいた、ロートを用い反応混合物
濾過した。残査をCH2Cl2 で洗浄し、濾液を濃縮したところ淡黄色固体を26g得
た。この固体をCH2Cl2 に溶解させショートシリカゲルカラムを通した後、濃縮し、
下記式で示されるアルコール(b)の立体異性体混合物を24g(0.107ミリモル
収率95%)得た。

0189

0190

 このアルコール(b)はこれ以上精製せず、脱水反応を行い、オレフィン(c)とした。すなわちアルコール(b)8.80g(39.29ミリモル)、ベンゼン100ml 、p-トルエンスルホン酸100mg(0.53ミリモル)の混合物をAr雰囲気下、40℃で
20分間加熱攪拌した。この反応混合物にK2CO3およびNa2SO4 を加え、セライト
をしいたロートを用い濾過した。

0191

 残査をCH2Cl2 で洗浄し、濾液を濃縮し、粗オレフィン3を7.92g得た。この粗生成物をヘキサン、CH2Cl2 を展開溶媒としてシリカゲルカラムで精製し、下記式で
示されるオレフィン(c)を半固体として7.10g(34.5ミリモル、収率88%)得た。

0192

0193

 得られた生成物の物性を下記に示す。

0194

 M+ 206
 NMR(CDCl3)
           2.24(3H、bs)、
           3.41(6H、bs)、
           6.98(1H、bs)、
           7.22(1H、d、J=8Hz)、
           7.36(1H、s)、
           7.42(1H、t、J=8Hz)、
           7.70(1H、d、J=8Hz)
 Ar雰囲気下、オレフィン(c)6.01g(29.17ミリモル)、無水エーテル84ml 、CuCN 72mg(0.80ミリモル)の混合物を氷バスで冷却し、この中に、1.56Mのn-BuLiヘキサン溶液20.54ml (32.04ミリモル)を滴下ロート
用い、30分かけて加えた。滴下終了後、氷バスを外し、室温で1.5時間攪拌した。こ
の中に、ジメチルジクロロシラン1.97ml (16.03ミリモル)の無水エーテル5
ml溶液を25分かけて加え、その後、16時間室温で攪拌した。反応混合物を氷バスで冷却後、水を加え、エーテル相を分離し、水相をCH2Cl2 で抽出した。エーテルおよ
びCH2Cl2 相を合わせてNa2SO4 で脱水後、濃縮し、粗シリル化物を得た。この粗シリル化物をCH2Cl2−ヘキサン(1:8 v/v)でリンス精製し、下記式で示され
るシリル化物(d)を白色固体として5.19g(11.09ミリモル、収率79%)得た。

0195

0196

 得られた生成物の物性を下記に示す。

0197

 M+ 468
 mp 191〜194℃
 NMR(CDCl3)
   −0.39、−0.35、−0.27(合わせて6H、それぞれs)、
   2.33、2.39(合わせて6H、それぞれs)
   3.39(8H、bs)、3.97(2H、bs)
   7.03〜7.93(10H、m)
 Ar雰囲気下、シリル化物(d)2.00g(4.27ミリモル)、無水テトラヒドロフラン120ml の混合物をドライアイスアセトンバスを用い−50℃まで冷却し、1.
56Mのn-BuLiのヘキサン溶液5.47ml (8.53ミリモル)を滴下ロートを用い20分かけて加えた。滴下終了後バスを外し、室温で1.5時間攪拌した。減圧下、テト
ラヒドロフランを留去した後、無水ヘキサンを40ml 加え攪拌後、再び減圧し、ヘキサンを留去した。反応容器をドライアイス−アセトンバスを用い−50℃に冷却した後、−30℃のCH2Cl2 を120ml 加え、続いてZrCl4 を0.99g(4.27ミリモ
ル)加え、攪拌を継続して、16時間放置した。反応混合物を濾過し、残査をCH2Cl2
で洗浄し、濾液を濃縮し2.30gの粗生成物を得た。

0198

 この粗生成物をテトラヒドロフランおよびCH2Cl2 を用いて精製したところ、CH2Cl2可溶、テトラヒドロフラン不溶物として下記式で示されるラセミ体のジメチルシリ
レン−ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドを400
mg(0.64ミリモル、収率15%)得た。

0199

0200

 得られた生成物の物性を下記に示す。

0201

 M+  626
 NMR(CDCl3)
   1.36(6H、s)、2.37(6H、s)、
   3.20〜3.50(8H、m)
   7.10〜7.75(10H、m)

0202

 充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを900ml、1-ブテンを70g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧14kg/cm2Gにし、メチルアルミノキサン0.40ミリモル、製
造例1で得られたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロピレンを連
続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。

0203

 重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。

0204

 得られたポリマー(プロピレン系エラストマー)は89.2gであり、重合活性は45kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単
位を8.2モル%含有していた。極限粘度[η]は1.82dl/g、融点は115.8℃で
あった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.38%であった。

0205

 得られたポリマーについて測定した物性を表2に示す。

0206

 充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを900ml、1-ブテンを100g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧14kg/cm2Gにし、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、
製造例1で得られたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロピレンを
連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。

0207

 重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾
燥した。

0208

 得られたポリマー(プロピレン系エラストマー)は65.3gであり、重合活性は33kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単
位を13.0モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.81dl/g、融点は102.3
℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.36%であった。得られたポリ
マーについて測定した物性を表2に示す。

0209

 充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを950ml、1-ブテンを130g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧14kg/cm2Gにし、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、
製造例1で得られたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-α-アセナフト-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロピレンを
連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。

0210

 重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。得られたポリマー(プロピレン系エラストマー)は44.0gであり、重合活性
は22kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を17.7モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.79dl/gであり、融点は89.1℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.35%であった。

0211

 得られたポリマーについて測定した物性を表2に示す。
比較例1
 充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを830ml、1-ブテンを100g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧7kg/cm2Gにし、トリエチルアルミニウム1ミリモル、及び塩化マグネシウムに担持されたチタン触媒をTi原子に換算して0.005ミリモル加え、
プロピレンを連続的に供給して全圧を7kg/cm2Gに保ちながら30分間重合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。

0212

 得られたポリマーは33.7gであり、重合活性は14kg・ポリマー/ミリモルZr
・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を25.3モル%含有して
いた。極限粘度[η]は、1.89dl/g、融点は110.0℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、検出限界以下であった。

0213

 得られたポリマーについて測定した物性を表2に示す。

0214

0215

製造例2
[rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド(式[I]で示されるメタロセン化合物)の合成]
 (2-メチル-4,6-ジイソプロピル)インデン(化合物(1))の合成
 充分に窒素置換した1リットルの反応器塩化アルミニウム123g(0.92モル)
二硫化炭素200mlを仕込み、この中へ1,3-ジイソプロピルベンゼン78ml(0.
41モル)とメタアクリロイルクロリド45ml(0.41モル)を二硫化炭素40ml
と混合した溶液を20〜25℃で滴下した。12時間室温で反応させた後、氷1kgに加え、エーテルで抽出を行った。得られたエーテル溶液飽和重曹水で洗浄した後、エーテル層をさらに水洗し、エーテル層を濃縮したところ、68gのオイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン)で精製したところ、2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-インダノンと2-メチル-5,7-ジイソプロピル-1-インダノンの混合物43gを得た(収率:47%)。

0216

 充分に窒素置換した1リットルの反応器に水素化ホウ素ナトリウム3.3g(86ミリ
モル)、エチルアルコール40mlを仕込み、この中へ混合物21.1g(78.6ミリ
モル)とエチルアルコール30mlの混合液を50℃で滴下した。滴下終了後60℃で1時間、70℃で2時間反応させた後、反応溶液水冷しながら、アセトン30mlを加えた。反応溶液を濃縮、乾固した後、エーテル300ml、水100mlを加えて抽出を行った。エーテル層は水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を濃縮した後、乾燥することにより、淡黄色粘稠なアルコール21.1gを得た(収率:99%)。

0217

 充分に窒素置換した1リットルの反応器に上述のアルコール21.0g(79ミリモル
)、ベンゼン500mlを仕込み、この中へパラトルエンスルホン酸1水和物50mg(0.55ミリモル)を加えて1時間還流した。反応終了後、飽和重曹水300mlに注ぎ
、エーテル層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を濃縮し、減圧下で乾燥したところ、目的のインデン誘導体を淡黄緑色のオイルとして19g得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン)で精製したところ、目的のインデン誘導体(1)を無色アモルファスとして17.6g得た(収率:95%)。

0218

 NMR(CDCl3、ppm):
    δ=1.32(3H、d、J=7.2Hz)、
     2.16(3H、s)、
     2.74〜3.20(2H、m)、
     3.28(2H、m)、
     6.60(1H、s)、
     6.98(1H、s)、
     7.12(1H、s)
1,1'-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピルインデン)(化合物(2))の合成
 充分に窒素置換した200mlの反応器に化合物(1) 7.0g(31ミリモル)、シア
ン化銅76mg(0.9 ミリモル)、ジエチルエーテル60mlを仕込み、−10℃に冷却した。この溶液中にn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(31ミリモル)を加えた。室温まで昇温した後、再び−10℃まで冷却し、ジメチルジクロルシラン1.9ml(15.5ミリモル)を30分間で滴下し、1時間反応を行った。反応終了後、飽和塩化アンモニウム水溶液40mlに加え、n-ヘキサンで抽出し、水洗後硫酸マグネシウムで乾燥した。塩を除去し、有機層を減圧下で濃縮して得られた黄色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン)で精製したところ、化合物(2)を無色アモルファスと
して6.1g得た(収率:73%)。

0219

 NMR(CDCl3、ppm):
    δ=1.25〜1.40(30H、m)、
     2.18(3H、s)、
     2.24(3H、s)、
     2.92(2H、q、J=6.8Hz)、
     3.23(2H、q、J=6.8Hz)、
     3.65(2H、br.s)、
     6.73(2H、br.s)、
     6.97(2H、br.s)、
     7.10〜7.23(2H、br.s)
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリドの合成
 充分に窒素置換した300mlの反応器に上記で得られた化合物(2) 5.9g(12.2ミリモル)、テトラヒドロフラン100mlを仕込み、−78℃に冷却し、攪拌した。ここに、n-ブチルリチウム15.4ml(n-ヘキサン溶液、1.58N、24.4ミリモル)
を20分かけて滴下し、温度を保ったままさらに1時間攪拌してアニオン溶液を調整した。その後ゆっくりと室温まで昇温した。

0220

 同時に、充分に窒素置換した300mlの反応器にテトラヒドロフラン100mlを仕込み、−78℃に冷却し、攪拌した。ここに四塩化ジルコニウム2.85g(12.2ミリ
モル)をゆっくり加えた後、室温まで昇温した。この中に前述したアニオン溶液を30分かけて滴下し、室温で12時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し、析出した固体を300mlのヘキサンで3回洗浄して、不溶物を除去した。得られたヘキサン溶液を約50mlまで濃縮し、6℃で12時間冷却した。析出した固体を除き、得られた溶液部分を1H
−NMRで分析したところ、ラセミ体とメソ体の混合物(9:1)であった。この混合物にヘキサン150mlを加え、再度再結晶を行って上記目的化合物の黄色柱状晶0.15
gを得た(収率:2%)。

0221

 なお得られた化合物のFD質量分析の結果は、644(M+)であった。

0222

 NMR(CDCl3、ppm):
    δ=1.28(6H、s)
     1.20〜1.36(24H、m)、
     2.85(2H、q、J=6.8Hz)、
     3.04(2H、q、J=6.8Hz)、
     6.80(2H、s)、
     7.05(2H、s)、
     7.26(2H、s)

0223

 充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを900ml、1-ブテンを70g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧14kg/cm2Gにし、メチルアルミノキサン0.40ミリモル、製
造例2で製造されたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-イン
デニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロピ
レンを連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。

0224

 重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。得られたポリマー(プロピレン系エラストマー)は31.7gであり、重合活性
は16kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を6.2モル%含有していた。極限粘度[η]は1.83dl/g、融点は118.
2℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.88%であった。

0225

 得られたポリマーについて測定した物性を表3に示す。

0226

 充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを900ml、1-ブテンを100g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧14kg/cm2Gにし、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、
製造例2で製造されたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロ
ピレンを連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。

0227

 重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。得られたポリマー(プロピレン系エラストマー)は19.0gであり、重合活性
は10kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を11.0モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.74dl/g、融点は105.1℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.86%であった。得られたポリマーについて測定した物性を表3に示す。

0228

 充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを950ml、1-ブテンを130g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧14kg/cm2Gにし、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、
製造例2で製造されたrac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6-ジイソプロピル-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.002ミリモル加え、プロ
ピレンを連続的に供給して全圧を14kg/cm2Gに保ちながら60分間重合を行った。

0229

 重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。得られたポリマー(プロピレン系エラストマー)は10.1gであり、重合活性
は5kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を15モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.52dl/gであり、融点は9
1.0℃であった。2,1-挿入に基づく異種結合の割合は、約0.88%であった。

0230

 得られたポリマーについて測定した物性を表3に示す。

0231

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