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技術 粉末状重金属固定剤

出願人 住友大阪セメント株式会社
発明者 蛇見眞悟金井謙介大野晃山本貴憲
出願日 2002年9月9日 (19年2ヶ月経過) 出願番号 2002-262784
公開日 2004年4月2日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2004-097927
状態 拒絶査定
技術分野 固体収着剤及びろ過助剤 固体廃棄物の処理
主要キーワード コンドロダイト 担持容量 水銀圧入ポロシメーター 準結晶質 性能確認 ケイ酸原料 セメント固化物 ジャイロライト
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

液状有機系キレート化剤と同等又はそれ以上の重金属固定化効果を発揮でき且つ保存安定性にも優れた粉末状重金属固定剤を提供する。

解決課題

ケイ酸カルシウム水和物粉末担体とし、当該ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を担持してなる粉末状重金属固定剤に係る。

概要

背景

現在、一般廃棄物産業廃棄物処理方法としては、焼却設備を用いて廃棄物を焼却する方法、廃棄物をその融点以上の温度で加熱し、ガラス状のスラグとして回収する溶融形式の方法等が知られている。特に、溶融形式の処理方法は、近年のダイオキシン排出量低減の要請から、従来の焼却による処理方法に代わるものとして提案されたものである。

概要

液状有機系キレート化剤と同等又はそれ以上の重金属固定化効果を発揮でき且つ保存安定性にも優れた粉末状重金属固定剤を提供する。ケイ酸カルシウム水和物粉末担体とし、当該ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を担持してなる粉末状重金属固定剤に係る。なし

目的

本発明は、液状の有機系キレート化剤と同等又はそれ以上の重金属固定化効果を発揮でき且つ保存安定性にも優れた粉末状重金属固定剤を提供することを主な目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ケイ酸カルシウム水和物粉末担体とし、当該ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤担持してなる粉末状重金属固定剤

請求項2

ケイ酸カルシウム水和物粉末が、細孔体積量0.8〜3cm3/gのケイ酸カルシウム水和物粉末である請求項1に記載の粉末状重金属固定剤。

請求項3

ケイ酸カルシウム水和物粉末が、BET比表面積30〜300m2/gのケイ酸カルシウム水和物粉末である請求項1又は2に記載の粉末状重金属固定剤。

請求項4

飛灰処理用である請求項1〜3のいずれかに記載の粉末状重金属固定剤。

請求項5

セメント及び請求項1〜4のいずれかに記載の粉末状重金属固定剤を含むセメント固化処理用組成物

請求項6

ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を含浸させて乾燥させた後、得られた固形物解砕する粉末状重金属固定剤の製造方法。

請求項7

請求項1〜4のいずれかに記載の粉末状重金属固定剤を飛灰混練する飛灰の無害化処理方法

請求項8

請求項1〜4のいずれかに記載の粉末状重金属固定剤を飛灰と混練した後、水を加えて更に混練する飛灰の無害化処理方法。

請求項9

請求項5に記載のセメント固化処理用組成物を飛灰と混練した後、水を加えて更に混練する飛灰のセメント固化処理方法

技術分野

0001

本発明は、粉末状重金属固定剤及びその製造方法、粉末状重金属固定剤を含むセメント固化処理用組成物、並びに飛灰無害化処理方法及びセメント固化処理方法に関する。

0002

現在、一般廃棄物産業廃棄物処理方法としては、焼却設備を用いて廃棄物を焼却する方法、廃棄物をその融点以上の温度で加熱し、ガラス状のスラグとして回収する溶融形式の方法等が知られている。特に、溶融形式の処理方法は、近年のダイオキシン排出量低減の要請から、従来の焼却による処理方法に代わるものとして提案されたものである。

0003

焼却設備を用いて廃棄物を焼却する際に生じる飛灰には、有害な重金属を含む低沸点化合物が含まれている。また、溶融形式の処理方法でも、溶融の際に生じる飛灰(いわゆる溶融飛灰)には、高濃度の重金属が含まれている。

0004

従って、このような飛灰を埋め立て処分する際には、有害な重金属が土壌溶出することを防止するため、重金属固定剤により重金属を固定化(安定化)した後に埋め立て処分することが義務付けられている。

0005

重金属の固定化方法としては、例えば、飛灰に有機系キレート化剤を加え、均一に混練する方法が知られている。この方法は、飛灰中の重金属に有機系キレート化剤を作用させ、重金属を水に不溶キレート化合物に変化させて、飛灰からの重金属の溶出を防止(即ち、固定化)する方法である。

0006

しかしながら、有機系キレート化剤は一般に液状であり、飛灰中の重金属を固定化できる必要最低量を加えるだけでは飛灰と均一に混練できず、少なくとも飛灰全体が浸潤する程度の量を用いる必要がある。

0007

一方、重金属の量に対して過剰の有機系キレート化剤を用いることは、有機系キレート化剤が高価であり、特に溶融飛灰の処理において、コストの点で大きな負担となることを考慮すると望ましくない。また、有機系キレート化剤を過剰に用いた場合には、過剰の有機系キレート化剤が土壌に溶出し、土壌に本来必要とされる重金属までもキレート化するおそれもある。

0008

即ち、必要最小量の有機系キレート化剤と飛灰とを均一に混練するには、混練性に優れた粉末状の有機系キレート化剤を用いることが望ましい。しかし、液状の有機系キレート化剤を乾燥させて粉末化しても、吸湿性が高く、粉末状態を長時間安定に維持できない場合が多い。しかも、コスト面でも不利である。

0009

液状の有機系キレート化剤を安定に固体化する試みとしては、例えば、特開平11−114528号公報において、ジチオカルバミン酸キレート化剤一種以上を、アルカリ金属炭酸塩アルカリ金属水酸化物アルカリ土類金属水酸化物粘土鉱物セメントからなる群から選ばれる一種以上の賦活剤と混合する方法が開示されている。この方法では、有機系キレート化剤の有効成分を固体化することにより、重金属固定剤の取扱性及び保存安定性を高めているが、重金属固定化効果に改良の余地がある。

0010

今後は、液状有機系キレート化剤と同等又はそれ以上の重金属固定化効果を発揮でき且つ保存安定性にも優れた粉末状重金属固定剤の開発が課題となる。

0011

この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。

0012

【特許文献1】
特開平11−114528号公報

0013

【特許文献2】
特開2001−149743号公報

0014

【特許文献3】
WO00/04982号公報

0015

【特許文献4】
特開2001−205047号公報

0016

【特許文献5】
特開2002−58963号公報

背景技術

0017

【未公開特許出願1】
特願2001−382038

発明が解決しようとする課題

0018

本発明は、液状の有機系キレート化剤と同等又はそれ以上の重金属固定化効果を発揮でき且つ保存安定性にも優れた粉末状重金属固定剤を提供することを主な目的とする。

0019

本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の材料に有機系キレート化剤を担持してなる粉末が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0020

即ち、本発明は、下記の粉末状重金属固定剤及びその製造方法、粉末状重金属固定剤を含むセメント固化処理用組成物、並びに飛灰の無害化処理方法及びセメント固化処理方法に係るものである。

0021

1.ケイ酸カルシウム水和物粉末担体とし、当該ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を担持してなる粉末状重金属固定剤。

0022

2.ケイ酸カルシウム水和物粉末が、細孔体積量0.8〜3cm3/gのケイ酸カルシウム水和物粉末である上記項1に記載の粉末状重金属固定剤。

0023

3.ケイ酸カルシウム水和物粉末が、BET比表面積30〜300m2/gのケイ酸カルシウム水和物粉末である上記項1又は2に記載の粉末状重金属固定剤。

0024

4.飛灰処理用である上記項1〜3のいずれかに記載の粉末状重金属固定剤。

0025

5.セメント及び上記項1〜4のいずれかに記載の粉末状重金属固定剤を含むセメント固化処理用組成物。

0026

6.ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を含浸させて乾燥させた後、得られた固形物解砕する粉末状重金属固定剤の製造方法。

0027

7.上記項1〜4のいずれかに記載の粉末状重金属固定剤を飛灰と混練する飛灰の無害化処理方法。

0028

8.上記項1〜4のいずれかに記載の粉末状重金属固定剤を飛灰と混練した後、水を加えて更に混練する飛灰の無害化処理方法。

課題を解決するための手段

0029

9.上記項5に記載のセメント固化処理用組成物を飛灰と混練した後、水を加えて更に混練する飛灰のセメント固化処理方法。

0030

粉末状重金属固定剤
本発明粉末状重金属固定剤は、ケイ酸カルシウム水和物粉末を担体とし、当該ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を担持してなる。

0031

ケイ酸カルシウム水和物粉末としては、合成ケイ酸カルシウム水和物及び天然ケイ酸カルシウム水和物から選ばれる少なくとも1種の粉末が使用できる。合成ケイ酸カルシウム水和物としては、例えば、石灰原料及びケイ酸原料から水熱反応により得られるゾノトライトトバモライトフォシャジャイトジャイロライトヒレブランダイト、ローゼンハナイト、トラスタイト、リエライト、カルシオコンドロダイト、アフィライト準結晶質珪酸カルシウム水和物(CSHn)等が挙げられる。

0032

ケイ酸カルシウム水和物粉末は、ケイ酸カルシウム水和物の一次粒子(単結晶)でもよく、一次粒子が三次元的に絡み合った二次粒子凝集物)でもよい。

0033

このようなケイ酸カルシウム水和物粉末としては、細孔体積量0.8〜3cm3/gのものが好ましく、1〜3cm3/gのものがより好ましく、1.5〜3cm3/gのものが最も好ましい。本明細書において、細孔体積量は、水銀圧入ポロシメーターにより測定した細孔径0.005〜500μmの細孔の体積量である。

0034

なお、体積量を測定した細孔には、ケイ酸カルシウム水和物粉末の一次粒子の細孔(細孔径0.005〜2μm)のほか、二次粒子(凝集物)における一次粒子どうしの間隙(2〜500μm)も含まれる。これは、ケイ酸カルシウム水和物粉末としては、二次粒子(凝集物)も適用でき、一次粒子どうしの間隙に有機系キレート化剤の担持効果及び重金属の捕捉効果が認められるからである。

0035

また、ケイ酸カルシウム水和物粉末としては、BET比表面積30〜300m2/gのものが好ましく、60〜300m2/gのものがより好ましい。本明細書において、BET比表面積は、N2ガス吸着量に基づくBET法により測定した値である。

0036

このようなケイ酸カルシウム水和物粉末の中でも、特に細孔体積量0.8〜3cm3/g且つBET比表面積30〜300m2/gのものは、有機系キレート化剤の担持容量が大きいため好ましい。また、ケイ酸カルシウム水和物自体の重金属捕捉効果も大きく、捕捉した重金属の放出を防止又は抑制する効果も優れている。

0037

有機系キレート化剤としては、有機キレート形成基を有し、当該キレート形成基と重金属とが強固に結合することにより、各種重金属イオンを固定化(安定化)できるものであれば特に限定されない。このような有機系キレート化剤としては、公知のもの又は市販品が使用できる。

0038

本発明における有機系キレート化剤としては、特に2個以上の配位原子を有する配位体環形成して中心金属と結合した錯体キレート錯体)を有し、当該キレート錯体とHg、Pb、Cd、Cr、Cu、Zn等の重金属が強固に結合することにより、各種重金属イオンを固定化(安定化)できるものが好ましい。このような有機系キレート化剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸系、イミン系、ピロリジン系等の有機系キレート化剤が挙げられる。

0039

この中でも、ジチオカルバミン酸系キレート化剤が代表的であり、これは一般的にトリス(ジチオカルボキシジエチレントリアミン、N’,N’−ビス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン又はそれらの塩等のジチオカルボキシル基又はその塩をN−置換基として有するアミン化合物に分けられる。

0041

ジチオカルバミン酸系キレート化剤としては、具体的には、ジエチルジチオカルバミン酸カリウムジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、N,N’,N’’−トリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンナトリウムジエチルジチオカルバモイルカリウム、N,N’,N’’−トリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンナトリウム、ジエチルカルバモイルナトリウム等が挙げられる。

0042

ケイ酸カルシウム水和物粉末に対する有機系キレート化剤の担持量は限定的ではないが、通常、ケイ酸カルシウム水和物粉末100重量部に対して、有機系キレート化剤を0.01〜300重量部程度(有効成分換算量)、好ましくは70〜200重量部程度担持すればよい。

0043

本発明粉末状重金属固定剤の粉末の粒子径は特に限定されないが、通常1〜200μm程度、好ましくは2〜100μm程度、より好ましくは2〜50μm程度とすればよい。この範囲であれば、特に二次粒子における一次粒子どうしの間隙に重金属を効果的に捕捉し、その放出を効果的に防止又は抑制できる。本明細書において、粉末状重金属固定剤の粉末の粒子径は、レーザー回折式粒度分布計により測定した値である。

0044

本発明粉末状重金属固定剤は、各種分野において、重金属を固定化及び捕捉する用途に好適に使用できる。例えば、廃水処理汚泥処理排ガス処理、飛灰処理等において、被処理物に含まれる重金属を固定化及び捕捉することができる。その中でも、本発明粉末状重金属固定剤は飛灰に含まれる重金属を固定化し、飛灰を無害化する飛灰処理に好適に使用できる。

0045

その他、セメント及び本発明粉末状重金属固定剤を含むセメント固化処理用組成物を調製し、これにより廃棄物(特に飛灰)をセメント固化処理することもできる。この方法は、セメント固化処理用の公知のセメントに本発明粉末状重金属固定剤を添加したセメント固化処理用組成物を用いて廃棄物をセメント固化する方法であり、廃棄物をセメント固化処理すると同時に、含まれる重金属を固定化できる点で有利である。例えば、飛灰を固化処理する場合には、飛灰のセメント固化処理と同時に飛灰の無害化処理も行うことができる。

0046

粉末状重金属固定剤の製造方法
本発明粉末状重金属固定剤の製造方法は特に限定されず、ケイ酸カルシウム水和物粉末を担体とし、当該ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を担持してなる粉末状重金属固定剤が製造できる方法であればよい。

0047

好適な製造方法としては、例えば、ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を含浸させて乾燥させた後、得られた固形物を解砕する製造方法が挙げられる。以下、本製造方法について説明する。

0048

ケイ酸カルシウム水和物粉末としては、前記で説明したケイ酸カルシウム水和物を含浸に適した粒径に解砕したものを好適に使用できる。有機系キレート化剤についても、前記で説明したものが好適に使用できる。

0049

ケイ酸カルシウム水和物粉末に有機系キレート化剤を含浸させる方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法により含浸させることができる。
(1)液状有機系キレート化剤又はそれを水、各種アルコール等の溶媒希釈した溶液中にケイ酸カルシウム水和物粉末を浸漬する方法、
(2)ケイ酸カルシウム水和物粉末に液状有機系キレート化剤又はそれを水、各種アルコール等の溶媒で希釈した溶液を噴霧する方法、
(3)ケイ酸カルシウム水和物粉末のスラリーに有機系キレート化剤を溶解して撹拌する方法(分散媒としては、水、各種アルコール等が使用できる。)、
(4)ケイ酸カルシウム水和物の製造工程において、ケイ酸カルシウム水和物原料に有機系キレート化剤を混合する方法。

0050

有機系キレート化剤を含浸させた後、ケイ酸カルシウム水和物を乾燥させる。乾燥方法は特に限定されず、自然乾燥及び加熱乾燥のどちらでもよい。例えば、式乾燥の場合には、通常40〜150℃程度、好ましくは70〜120℃程度で乾燥すればよい。乾燥時間は温度に応じて調整すればよいが、通常1〜48時間程度、好ましくは2〜24時間程度である。

0051

乾燥させて得られた固形物を解砕することにより、本発明粉末状重金属固定剤が得られる。解砕は、公知のピンミルケージミルディスクミル等の解砕機を用いて、所望の大きさとなるように解砕すればよい。

0052

飛灰の無害化処理方法
本発明粉末状重金属固定剤は、廃棄物の焼却過程又は溶融過程において生じる飛灰の無害化処理に好適に適用できる。飛灰の無害化処理は、具体的には飛灰に含まれる重金属を固定化(安定化)して雨水等への溶出を防止するための処理である。無害化対象となる重金属の種類は特に限定されないが、例えば、Pb、Cd、Hg、Cr、Cu、Zn等が挙げられる。

0053

飛灰を無害化処理する際には、通常、本発明粉末状重金属固定剤を飛灰と混練することにより処理できる。一般に飛灰に含まれる重金属の種類や量は、飛灰の発生源によりばらつきがあるため、飛灰に対する本発明粉末状重金属固定剤の添加量は特に限定されない。しかし、事前実験結果によれば、飛灰100重量部に対して、本発明重金属固定剤を0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部程度添加すればよい。飛灰の水分量も発生源によりばらつきがあるが、一般に飛灰の水分量が20質量%以上であれば、飛灰中の水に有機系キレート化剤の有効成分が溶出し、それが重金属に作用して固定化が行われる。

0054

飛灰中に含まれる水分量が少ない場合には、担持された有機系キレート化剤を溶出させるため、本発明粉末状重金属固定剤を飛灰と混練した後、水を加えて更に混練して無害化処理すればよい。水の添加量についても、有機系キレート化剤が十分に溶出できる量であれば特に限定されないが、通常、飛灰100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲内で適宜調整できる。

0055

本発明の飛灰の無害化処理方法では、粉末状重金属固定剤と飛灰とを混練するため、両者を偏りなく均一に混練でき、飛灰全体に偏りのない無害化処理を施すことができる。無害化処理により、飛灰に含まれる重金属が固定化され、雨水等への有害な重金属の溶出が防止できる。

0056

飛灰のセメント固化処理方法
飛灰のセメント固化処理は、現在多くの都市ごみや廃棄物の焼却施設溶融施設で実施されている飛灰の処理方法の一つである。一般に飛灰のセメント固化処理は、飛灰にセメント、水等を添加して固化させて行われるが、セメント及び本発明粉末状重金属固定剤を含むセメント固化処理用組成物を用いれば、飛灰のセメント固化処理と同時に飛灰の無害化処理ができるため有利である。

0057

セメント固化処理用組成物中のセメント及び本発明粉末状重金属固定剤の含有量は特に限定されないが、通常、セメント1〜99.9質量%程度、好ましくは50〜99.9質量%程度に対して、本発明粉末状重金属固定剤0.1〜99質量%、好ましくは0.1〜50質量%程度の範囲で適宜調整できる。

0058

飛灰をセメント固化処理する際には、セメント固化処理用組成物を飛灰と混練した後、水を加えて更に混練する方法により好適に処理できる。飛灰に対するセメント固化処理用組成物及び水の量は特に限定されない。これらの量は、飛灰を十分にセメント固化でき、しかも飛灰に含まれる重金属が十分に無害化できる量であれば特に限定されない。飛灰に含まれる重金属の種類及び量、含水量等は発生源によりばらつきがあるため、これらの量は適宜調整すればよい。本発明の飛灰のセメント固化処理方法は、従来のセメント固化処理方法と同じように実施すればよい。

0059

本発明の飛灰のセメント固化処理方法によれば、セメント固化処理と同時に無害化処理を行うことができ、しかも従来のセメント固化処理装置をそのまま使用できるため、特別な装置を必要としないことからも経済的に有利である。

発明を実施するための最良の形態

0060

飛灰をセメント固化処理するだけでは、固化物の表面に残存する重金属が雨水等に溶出する可能性があるが、上記のように同時に無害化処理を行えば、より安全にセメント固化物の埋め立てを行うことができる。

0061

本発明粉末状重金属固定剤は、吸湿に対して優れた抵抗性を有し、保存安定性が高い。しかも取扱いが容易であり、重金属固定化効果も優れている。

0062

本発明重金属固定剤は粉末状であるため、有効成分が同一の液状重金属固定剤と比べて、飛灰に対する添加量を少なくしても、飛灰との均一な混練が可能である。均一な混練ができるため、有害な重金属を偏りなく固定化できる。

0063

また、けい酸カルシウム水和物自体が、一次粒子の細孔及び二次粒子(凝集物)における一次粒子間の間隙に重金属を捕捉し、その放出を防止又は抑制できる。この効果は、細孔体積量0.8〜3cm3/g且つBET比表面積30〜300m2/gのケイ酸カルシウム水和物粉末を用いる場合に特に優れている。

0064

セメント及び本発明粉末状重金属固定剤を含むセメント固化処理用組成物を用いれば、飛灰のセメント固化処理と同時に飛灰の無害化処理が行える。飛灰をセメント固化処理するだけでは、固化物の表面に存在する重金属が雨水等へ溶出する可能性があるが、固化処理と同時に無害化処理をすれば、より安全にセメント固化物の埋め立て処理ができる。しかも、従来のセメント固化処理装置をそのまま使用でき、特別な装置を更に必要としない点で経済的に有利である。

0065

本発明の粉末状重金属固定剤の製造方法によれば、種々の液状有機系重金属固定剤を粉末化できる。特に、直接乾燥するだけでは安定な粉末とならない液状有機系重金属固定剤も保存安定性の高い粉末状重金属固定剤とできる。本製造方法によれば、優れた重金属固定化効果を有する本発明粉末状重金属固定剤を容易に製造することができる。

0066

【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。

0067

実施例1
細孔体積量1.6cm3/g及びBET比表面積100m2/gのケイ酸カルシウム水和物粉末を10質量%含む懸濁液100gに液状重金属固定剤(商標名「NEWエポルバ810」ミヨシ油脂製)25g(有効成分量10g)を添加して十分に撹拌した。懸濁液中の分散媒としては、水を用いた。

0068

次いで、懸濁液を100℃で10時間乾燥して固形分20gを得た。固形分を平均粒子径35μmとなるように解砕し、本発明粉末状重金属固定剤を得た。

0069

比較例1
実施例1で用いた液状重金属固定剤(商標名「NEWエポルバ810」ミヨシ油脂製)25g(有効成分量10g)を100℃で24時間直接乾燥させて固形分10gを得た。固形分を平均粒子径35μmとなるように解砕し、粉末状重金属固定剤を得た。

0070

比較例2
実施例1で用いた液状重金属固定剤(商標名「NEWエポルバ810」ミヨシ油脂製)25g(有効成分量10g)を、そのまま用いるために用意した。

0071

実施例1と比較例1との対比
実施例1と比較例1の粉末状重金属固定剤の性状目視により経時的に観察した。観察結果を下記表1に示す。

0072

【表1】

0073

従来の液状重金属固定剤を直接乾燥させただけでは、製造直後から粉末表面が粘着質であり、製造24時間後には粉末どうし接着し、製造72時間後には飴状に変化し、粉末状態を長時間安定に維持することはできなかった。

0074

これに対し、本発明粉末状重金属固定剤は、製造72時間を経過してもさらさらした粉末状態を維持できた。

0075

実施例1と比較例2との対比
実施例1の本発明粉末状重金属固定剤の性能を確認するため、比較例2の液状重金属固定剤(従来品)との性能を比較した。

0076

先ず、鉛3800ppmを含む都市ごみ焼却飛灰200gに対して、実施例1の本発明粉末状重金属固定剤(有効成分量2.4g)を加えて充分に混練し、飛灰を無害化処理した。次いで、処理後の飛灰に水60gを加えて充分に混練し、性能確認サンプルを得た。

0077

同様にして、鉛3800ppmを含む都市ごみ焼却飛灰200gに対して、比較例2の粉末状固定剤(有効成分量2.4g)を加えて充分に混練し、飛灰を無害化処理した。次いで、処理後の飛灰に水60gを加えて充分に混練し、性能確認用サンプルを得た。

0078

これらの性能確認用サンプルを各々5つに分け、1日間常温放置後、10種全てのサンプルについて、環境告示第13号の方法により溶出試験を行い、鉛の溶出濃度を測定した。測定結果を下記表2に示す。

0079

【表2】

発明の効果

0080

表2によれば、本発明粉末状重金属固定剤は、サンプル5つのPb溶出量平均値が0.12mg/Lであり、従来の液状重金属固定剤の平均値0.17mg/Lよりも優れていた。これは、ケイ酸カルシウム水和物粉末に担持された有機系キレート化剤が重金属を固定化しただけでなく、担体であるケイ酸カルシウム水和物の一次粒子の細孔及び/又は凝集物における一次粒子間の間隙が重金属を捕捉し、その溶出を効果的に防止又は抑制した結果と考えられる。

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