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技術 蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材

出願人 アイシン軽金属株式会社
発明者 中田竜夫吉田朋夫牧野伸治西川一浩
出願日 2002年8月29日 (18年5ヶ月経過) 出願番号 2002-249859
公開日 2004年3月18日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2004-084041
状態 特許登録済
技術分野 車両の上部構造(一般) 車両の上・下部構造 車両用車体構造 金属の押出 非鉄金属または合金の熱処理
主要キーワード 八角筒形 六角筒形状 車両保護 軸長寸法 横断面形 バランス組成 ストローク線図 ファン空冷
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年3月18日)のものです。
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課題

中空状衝撃吸収部材としての剛性を確保しつつ、押出軸方向圧縮荷重が作用したとき、中空状衝撃吸収部材を構成する壁部が大きく破断することなく、蛇腹状に変形するのに有利な蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材を提供すること。

解決手段

アルミニウムマグネシウムシリコン系のアルミニウム合金押出形材からなる中空状衝撃吸収部材であって、質量%でマグネシウムを0.3〜1.2%、シリコンを0.2〜1.2%、鉄を0.3〜0.5%、マンガンクロム含有量を合わせて0.1%以下含有することを特徴とする。

概要

背景

近年、地球環境保護の観点から、自動車等の構造部材においてアルミニウム合金が注目されている。また、これらの構造部材は軽衝突時には車両保護のために剛性が要求され、かつ、中・重衝突時には乗員保護のために衝撃エネルギを吸収することが必要である。従って、軽衝突時には車両を保護する剛性と、中・重衝突時には衝撃エネルギを吸収して乗員を保護する靭性が要求されている。効率的に衝撃エネルギを吸収するためには、アルミニウム合金押出形材からなる中空状衝撃吸収部材は、押出軸方向圧縮荷重が作用したとき、これを構成する壁部が大きく破断することなく、蛇腹状に変形することが好ましい。

概要

中空状衝撃吸収部材としての剛性を確保しつつ、押出軸方向に圧縮荷重が作用したとき、中空状衝撃吸収部材を構成する壁部が大きく破断することなく、蛇腹状に変形するのに有利な蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材を提供すること。アルミニウムマグネシウムシリコン系のアルミニウム合金押出形材からなる中空状衝撃吸収部材であって、質量%でマグネシウムを0.3〜1.2%、シリコンを0.2〜1.2%、鉄を0.3〜0.5%、マンガンクロム含有量を合わせて0.1%以下含有することを特徴とする。   なし

目的

本発明は、上記の事情背景になされたものであり、中空状衝撃吸収部材としての剛性を確保しつつ、押出軸方向に圧縮荷重が作用したとき、中空状衝撃吸収部材を構成する壁部が大きく破断することなく、蛇腹状に変形するのに有利な蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

アルミニウムマグネシウムシリコン系のアルミニウム合金押出形材からなる中空状衝撃吸収部材であって、質量%でマグネシウムを0.3〜1.2%、シリコンを0.2〜1.2%、鉄を0.3〜0.5%、マンガンクロム含有量を合わせて0.1%以下含有することを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材。

請求項2

請求項1において、質量%で銅を0.35%以下、チタンを0.005%〜0.1%含有し、ジルコニウムを含有せず、残部がアルミニウムと不可避不純物からなることを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材。

請求項3

請求項2において、金属組織押出方向に伸長した再結晶粒組織を有することを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材。

請求項4

請求項1〜請求項3のいずれか一項において、押出直後ファン空冷を行い、耐力が220MPa以上に設定されていることを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材。

技術分野

0001

本発明は、アルミニウム合金押出形材からなり、押出軸方向動的荷重または静的荷重を受けたとき、蛇腹状に圧潰変形して衝撃を効果的に吸収することができる蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材に関する。本発明は、自動車等の車両用構造部材、例えば、リンフォースメントサイドシルサイドメンバークロスメンバーフレーム構造用部材等に適用することができる。

0002

近年、地球環境保護の観点から、自動車等の構造部材においてアルミニウム合金が注目されている。また、これらの構造部材は軽衝突時には車両保護のために剛性が要求され、かつ、中・重衝突時には乗員保護のために衝撃エネルギを吸収することが必要である。従って、軽衝突時には車両を保護する剛性と、中・重衝突時には衝撃エネルギを吸収して乗員を保護する靭性が要求されている。効率的に衝撃エネルギを吸収するためには、アルミニウム合金押出形材からなる中空状衝撃吸収部材は、押出軸方向に圧縮荷重が作用したとき、これを構成する壁部が大きく破断することなく、蛇腹状に変形することが好ましい。

背景技術

0003

上記のような軽衝突時には車両保護のために剛性と、中、重衝突時には乗員保護のために衝撃エネルギを吸収する靭性を満たすものとして、特許第3073197号公報に開示されているように、マグネシウムが0.30〜0.70%、アルミニウム−マグネシウム−シリコンの擬2元系、すなわち、Al−Mg2Siのバランス組成よりもよりも過剰のシリコン含有量が0.10〜0.50%、マンガンクロムジルコニウムのいずれか1種又は2種以上含み、その含有量が合計で0.1〜0.4%であり、金属組織繊維状組織を有するアルミニウム−マグネシウムーシリコン系のアルミニウム合金押出材からなり、210N/mm2以上の耐力を有し、空冷によるプレス焼入れ時効処理を行ったことを特徴とする自動車フレーム構造における中空状衝撃吸収部材が知られている。

0004

ところで、アルミニウム合金押出形材からなる中空状衝撃吸収部材の押出軸方向に圧縮荷重が作用したとき、中空状衝撃吸収部材により効率的に衝撃吸収を行うためには、中空状衝撃吸収部材を構成する壁部が大きく破断することなく、蛇腹状に変形することが好ましい。さらに、車両の構造部材に適用される中空状衝撃吸収部材は、車両保護の観点から耐力が220MPa以上であることが好ましい。

0005

しかしながら、マンガン、クロム、ジルコニウムを多く含有するアルミニウム−マグネシウム−シリコン系アルミニウム合金は、焼入れ感受性が強く、車両を構成する中空状衝撃吸収部材によっては、押出直後ファン空冷による焼入れ時に過飽和固溶体を形成しづらい。その結果、その後の時効処理により析出するMg2Si析出物密度が小さくなり、耐力が上昇しない恐れがあった。

発明が解決しようとする課題

0006

それゆえ、本発明は、上記の事情背景になされたものであり、中空状衝撃吸収部材としての剛性を確保しつつ、押出軸方向に圧縮荷重が作用したとき、中空状衝撃吸収部材を構成する壁部が大きく破断することなく、蛇腹状に変形するのに有利な蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材を提供することを技術的課題とする。

課題を解決するための手段

0007

上記した技術的課題を解決するために本発明は、アルミニウム−マグネシウム−シリコン系のアルミニウム合金押出形材からなる中空状衝撃吸収部材であって、質量%(以下同じ)でマグネシウムを0.3〜1.2%、シリコンを0.2〜1.2%、鉄を0.3〜0.5%、マンガン、クロムの含有量を合わせて0.1%以下含有することを特徴とする蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材とした。好ましくは、銅を0.35%以下、チタンを0.005%〜0.1%含有し、ジルコニウムを含有せず、残部がアルミニウムと不可避不純物からなることが望ましい。さらに好ましくは、金属組織が押出方向に伸長した再結晶粒組織を有することが望ましい。

0008

中空状衝撃吸収部材として効率的に衝撃エネルギを吸収するため、アルミニウム押出形材の金属組織は伸長した再結晶組織再結晶成長が抑制され、押出方向に伸長した偏平な再結晶組織)とすることが好ましい。この伸長した再結晶組織においては、球状の再結晶組織に比べて割れ伝播が抑制され、効率的に衝撃エネルギを吸収することができる。そのために本発明は、アルミニウム−マグネシウム−シリコン系アルミニウム合金押出形材で形成される中空状衝撃吸収部材に鉄、マンガン、クロムを含有しているが、鉄は多く含有すると、鋳造時に粗大な金属間化合物晶出し、強度が低下する。さらに、マンガン、クロムは多く含有すると焼入れ感受性が強くなる。押出後水冷による焼入れは多少焼入れ感受性が強くても大きな冷却速度を得られるために焼きが入り、その後の時効処理において要求される耐力を確保することができる。しかしながら、中空状衝撃吸収アルミニウム押出形材において、断面形状や肉厚差等に基づいて冷却速度に差が生じ、冷却中の温度分布が不均一となり歪みが発生する。本発明では、押出直後にファン空冷を行うことにより焼きが入り、車両保護の観点から耐力220MPa以上であり、かつ、乗員保護の観点から中空状衝撃吸収部材が押出軸方向に伸長した再結晶組織で効率的に衝撃エネルギを吸収することのできる最適な合金成分を定めたものである。以下に本発明に係る衝撃吸収部材を構成するアルミニウム合金押出形材の合金成分について説明する。

0009

マグネシウム,シリコン
マグネシウムとシリコンは押出直後のファン空冷で過飽和固溶体を形成し、その後の時効処理においてMg2Si析出物を析出し、合金強度を向上する。マグネシウムは中空状衝撃吸収部材として必要な強度を確保するため、マグネシウムが0.3%以上含有することが好ましい。ただし、押出時における変形抵抗下げて、生産性を向上するためにはマグネシウムが1.2%以下であることが好ましい。従ってマグネシウムは0.3%〜1.2%とすることができる。より望ましくは0.3%〜1.0%とすることができ、さらに望ましくは0.4%〜0.8%とすることができる。シリコンは中空状衝撃吸収部材として必要な強度を確保するため、シリコンが0.2%以上含有することが好ましい。ただし、押出時における変形抵抗を下げて、生産性を向上するためにはシリコンが1.2%以下であることが好ましい。従ってシリコンは0.2%〜1.2%とすることができる。より望ましくは0.3%〜1.0%とすることができ、さらに望ましくは0.4%〜0.9%とすることができる。

0010


鉄は押出後の金属組織において結晶粒微細化させ、蛇腹状圧潰性を向上させるのに効果がある。また、マンガン、クロム、ジルコニウムに比べて焼入れ感受性を強くすることなく、押出直後のファン空冷により、車両を構成する中空状衝撃吸収部材によっては、充分に焼入れすることができる。鉄は中空状衝撃吸収部材として必要な蛇腹状圧潰性を確保するために0.3%以上含有することが好ましい。ただし、0.5%を超えると、鋳造時に金属間化合物を多く晶出し、合金強度が低下する。この金属間化合物は粗大であり、かつ、その後の時効処理で合金強度を向上させるMg2Siを構成しているシリコンを取り込むために析出物の密度が小さくなる。これを考慮し、鉄は0.3%〜0.5%とすることができる。より望ましくは0.35%〜0.45%とすることができる。

0011

マンガン,クロム
マンガン、クロムは押出後の金属組織において再結晶を抑制し、蛇腹状圧潰性を向上させるのに効果がある。特許第3073197号公報によれば、マンガン、クロム、ジルコニウムが合計0.1%未満では蛇腹状圧潰性を向上させるのに効果がある繊維状組織は形成しない。しかしながら、再結晶の成長を抑制し、押出軸方向に伸長した再結晶組織を形成することができる。この伸長した再結晶組織においては、球状の再結晶組織に比べて割れの伝播が抑制され、効率的に衝撃エネルギを吸収することができる。さらに、マンガン、クロムは焼入れ感受性を強くする傾向がある。マンガン、クロムが合計で0.1%を超えて含有すると焼入れ感受性が強くなり、押出直後のファン空冷により、車両を構成する中空状衝撃吸収部材によっては、焼きが入らない。これを考慮し、マンガン、クロムは0.1%以下とすることができる。より望ましくは0.01%〜0.1%、さらに望ましくは0.05%〜0.1%とすることができる。

0012


銅は強度確保のためには含有されていることが好ましいが、過剰であると耐食性が低下し、押出時における変形抵抗が増加し、生産性を低下する傾向がある。これを考慮し、銅は0.35%以下が好ましい。

0013

チタン
チタンは鋳造時に結晶を微細化させるのに有効であり、押出成形時の再結晶抑制にも有効であるが、過剰に添加しても添加効果飽和する。これを考慮し、チタンは0.005%〜0.1%とすることができる。より望ましくは0.01〜0.05%とすることができ、さらに望ましくは0.005%〜0.03%とすることができる。

0014

ジルコニウム
ジルコニウムは押出成形時の再結晶抑制に有効であるが、焼入れ感受性を強くする傾向があり、さらに鋳造時にチタンと金属間化合物を形成し、チタンの結晶を微細化する効果を減少させ、鋳造時に割れが発生する原因となる。これを考慮し、ジルコニウムは含有しないことが望ましい。不純物として含有することを考慮しても、ジルコニウムは0.01%以下とすることができ、より望ましくは0.001%未満とすることができる。

0015

不可避不純物
不可避不純物はアルミニウム合金を鋳造する際の地金添加元素中間合金等様々な経路混入する。混入する元素は様々であるが、単体で0.05%以下、総量で0.15%以下であれば合金の特性にほとんど影響を及ぼさない。これを考慮し、不可避不純物は単体で0.05%以下、総量で0.15%以下とする。

0016

本発明に係る中空状衝撃吸収部材は、中空部をもつ部材であり、角筒形状でも良いし、円筒形状でも良い。角筒形状は四角筒形状、五角筒形状、六角筒形状八角筒形状等を便宜選択することができる。その横断面形状としては「口形状」、「田形状」、「日形状」等を例示することができる。

0017

【実施例】
次に、本発明の実施例について、比較例と対比して具体的に説明する。

0018

まず、表1(試験例No.1〜6)に示すアルミニウム−マグネシウム−シリコン系のアルミニウム合金の組成になるように成分調整した原料を溶解し、押出サイズに適した鋳塊(直径204mm×長さ500mm)を溶製した。その後、鋳塊を550℃×12hrで均質化処理を行った。次に均質化処理した鋳塊(ビレット)を押出成形型にて、押出温度(ビレット加熱温度)500℃、押出速度10m/minで押出成形し、図1に示す四角筒形状(長辺75mm×短片50mm、肉厚が2mm)の中空状衝撃吸収部材を形成した。

0019

押出した直後にファン冷却(冷却速度は、押出温度から表面温度が100℃以下になるまでを100℃/min以下)にて焼入れを行い、その後、200℃で3 時間の人工時効処理を行い、供試材とした。すなわち、熱処理としては、調質をT5処理とした。尚、表1に示す合金成分(分析値)で「0.00%」は有効数字を考慮している。

0020

【表1】

0021

これらの供試材について、耐力、金属組織、軸圧潰割れ、エネルギ吸収量を調べ、総合評価を行った。耐力(及び強度や伸び)については、平板試験片を中空状衝撃吸収アルミニウム押出形材から採取し、JIS−Z2241に基づいて求めた。エネルギ吸収量については、JIS規格準拠した圧縮試験機荷重ストローク線図を描き、その線図の面積について求めた。

0022

軸圧潰試験では、図1に示す横断面で口形状をもつ四角筒形状の中空状衝撃吸収部材を押出方向に200mmの長さに切断し、図2に示すように押出軸方向に50mm/minの速度で押出軸方向に静的荷重を作用させて120mm圧縮した(試験後の軸長寸法は80mm)。この試験片の横断面サイズは長辺75mm×短片50mm×肉厚2mmであり、角部の外面は半径R4mm、角部の内面は半径R2mmで規定した。

0023

図3は試験例No.1に係る試験片を軸圧潰試験したときの荷重−ストローク線図を示す。図3横軸は静的荷重を試験片長軸方向にかけたときの圧縮試験機におけるクロスヘッドストロークを示す。図3縦軸は荷重の大きさを示す。図3に示すように、試験片が蛇腹状に圧潰変形するときは、荷重のピークが間隔をおいて発生する。

0024

図4は実施例に相当する試験例No.1に係る試験片を軸圧潰試験した後の状態を示す。軸圧潰試験前では試験片は角筒形状を有しており、図4に示すように軸圧潰試験後では、試験片は蛇腹状に変形した。このように蛇腹形状に圧潰変形した場合には、軸圧潰試験の評価は○である。

0025

図6は比較例に相当する試験例No.2に係る試験片を軸圧潰試験した後の状態を示す。軸圧潰試験前では試験片は角筒形状を有しており、図6に示すように、軸圧潰試験後では試験片は大きく破断して、壁部が外方へ展開していた。このように壁部が破断し、外方へ展開した場合には、軸圧潰試験の評価は×である。これらの結果を表2に併せて示す。

0026

【表2】

0027

実施例に相当する試験例No.1によれば、耐力が233MPaで、車両保護の観点から中空状構造部材に要求される耐力が220MPa以上であり、規定を満たしている。試験例No.1の軸圧壊評価は○で、さらにエネルギ吸収量は3866Jであり、優れたエネルギ吸収特性を有する。図5は試験例No.1に係る試験片の金属組織を示す。図5に示すように押出軸方向に伸長した再結晶組織である。この伸長した再結晶組織において、球状の再結晶組織に比べて割れの伝播が抑制され、効率的に衝撃エネルギを吸収することができる。従って、試験例No.1の総合評価は〇であった。

0028

比較例に相当する試験例No.2によれば、耐力が231MPaと高い割に、軸圧潰試験のときに試験片は大きく破断し、これを構成する壁部が外方へ展開しているため、総合評価は×であった。図7は試験例No.2に係る試験片の金属組織を示す。図5に示すように球状の再結晶組織である。この球状の再結晶組織において割れが伝播しやすく、軸圧潰試験したときに、試験片は大きく破断し、壁部が外方へ展開したものと推測される。

0029

比較例に相当する試験例No.3によれば、軸圧潰試験のときに試験片は蛇腹状に変形した。さらにエネルギ吸収量は3472Jであり、優れたエネルギ吸収特性を有する。試験例No.3の金属組織は繊維状組織であった(ただし、表面は再結晶組織)。このように繊維状組織は蛇腹圧潰性に効果あることを示している。しかしながら、試験例No.3の耐力は203MPaで、車両保護の観点から要求される中空状構造部材の耐力220MPaより低くなっており、規定を満たしていない。従って、試験例No.3の総合評価は×であった。

0030

試験例No.4によれば、軸圧潰試験のときに試験片は蛇腹状に変形したが、壁部において、微小な割れが発生した。さらにエネルギ吸収量は3553Jであった。試験例No.4の金属組織は球状の再結晶組織であり、鉄含有による微細化効果によって押出軸方向に伸長した再結晶組織ではないにもかかわらず蛇腹状に変形したと推測ことができる。試験例No.4の耐力は228MPaで、規定を満たしている。

0031

しかしながら、試験例No.4は軸圧潰試験のときに蛇腹状に変形はしたものの、壁部において微小な割れが発生した。車両における衝撃吸収のときに車両を構成する中空状構造部材によっては押出軸方向から荷重を受けるとは限らない。そのときにこの微小な割れを起点として破断する可能性があると考えることができる。従って、試験例No.4に係る中空状押出部材の総合評価は△であった。一方、微小な割れが発生したもののエネルギ吸収量は大きく低下せず、優れたエネルギ吸収特性を有しており、車両を構成する中空状衝撃吸収部材によっては、これを提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0032

比較例に相当する試験例No.5によれば、軸圧潰試験のときに試験片は蛇腹状に変形した。さらにエネルギ吸収量は3459Jであった。しかしながら、試験例No.5の耐力は216MPaで、車両保護の観点から要求される中空状構造部材の耐力220MPaよりも低く、規定を満たしていない。試験例No.5は鋳造時に粗大な金属間化合物を多く晶出し、かつ、その後の時効処理で合金強度を向上させるMg2Siを構成しているシリコンを取り込むため強度が低下したためと考えることができる。従って、試験例No.5の総合評価は×であった。

図面の簡単な説明

0033

以上説明したように、本発明によれば、アルミニウム−マグネシウム−シリコン系アルミニウム合金押出形材で形成された中空状衝撃吸収部材であって、軽衝突時には車両保護のために剛性と、かつ、中・重衝突時には乗員保護のために衝撃エネルギを効率的に吸収する蛇腹状圧潰性に優れた中空状衝撃吸収部材を提供することができる。

図1
試験片の横断面を示す図である。
図2
実施例の軸圧潰試験を説明する図(圧潰前、圧潰後)である。
図3
軸圧潰試験したときの荷重−ストローク線図を示す図である。
図4
試験例No.1に係る軸圧潰試験後の試験片の形態を示す写真図である。
図5
試験例No.1に係る試験片のミクロ組織を示す写真図及び模式図である。
図6
試験例No.2に係る軸圧潰試験後の試験片の形態を示す写真図である。
図7
試験例No.2に係る試験片のミクロ組織を示す写真図及び模式図である。

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