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技術 生分解性フィルムおよび該フィルムからなる生分解性袋体

出願人 三菱樹脂株式会社
発明者 寺田滋憲
出願日 2002年8月27日 (18年2ヶ月経過) 出願番号 2002-246474
公開日 2004年3月18日 (16年8ヶ月経過) 公開番号 2004-082512
状態 特許登録済
技術分野 被包材 積層体(2) プラスチック等の延伸成形、応力解放成形 高分子組成物 生分解性ポリマー
主要キーワード 生鮮物 滑り性能 測定雰囲気温度 生分解性プラスチック材料 熱処理設備 単層延伸フィルム 生分解性シート 粒状シリカ
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課題

乳酸系樹脂が本来有している生分解性に加え、OPPに類似した物理特性と、優れた耐熱性湿熱耐久性を有し、さらに良好な巻き取り性と優れた製袋適性をもつ生分解性フィルムおよびこの生分解性フィルムからなる袋体を提供すること。

解決手段

生分解性フィルムは、乳酸系樹脂を主成分とする生分解性フィルムであって、フィルム長手方向のF2値を30〜55MPaに調整するとともに、F2値/F1値を170%以下とし、フィルムの表面及び裏面に平均粒子径が0.5μm〜8μmの不活性粒子を0.02質量部〜0.5質量部含有する層を有するものである。また、生分解性袋体は、この生分解性フィルムを溶断シールすることにより袋状に成形してなるものである。

概要

背景

近年、環境問題の高まりから、プラスチック製品自然環境中に棄却された場合、経時的に分解・消失し、最終的に自然環境に悪影響を及ぼさないことが求められ始めている。従来のプラスチックは、自然環境中で長期にわたって安定であり、しかも嵩比重が小さいため、廃棄埋め立て地短命化を促進したり、自然の景観野生動植物生活環境を損なうといった問題点が指摘されていた。

概要

乳酸系樹脂が本来有している生分解性に加え、OPPに類似した物理特性と、優れた耐熱性湿熱耐久性を有し、さらに良好な巻き取り性と優れた製袋適性をもつ生分解性フィルムおよびこの生分解性フィルムからなる袋体を提供すること。生分解性フィルムは、乳酸系樹脂を主成分とする生分解性フィルムであって、フィルム長手方向のF2値を30〜55MPaに調整するとともに、F2値/F1値を170%以下とし、フィルムの表面及び裏面に平均粒子径が0.5μm〜8μmの不活性粒子を0.02質量部〜0.5質量部含有する層を有するものである。また、生分解性袋体は、この生分解性フィルムを溶断シールすることにより袋状に成形してなるものである。  なし

目的

したがって、本発明の課題は、乳酸系樹脂が本来有している生分解性に加え、OPPに類似した物理特性と、優れた耐熱性、湿熱耐久性を有し、さらに良好な巻き取り性と優れた製袋適性を有する生分解性フィルム及びこのフィルムからなる袋体を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
6件

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請求項1

乳酸系樹脂を主成分とする生分解性フィルムであって、該フィルム長手方向のF2値が30〜55MPaで、かつF2値/F1値が170%以下であり、該フィルムの表面及び裏面に平均粒子径が0.5〜8μmの不活性粒子を0.02〜0.5質量部含有する層を有することを特徴とする生分解性フィルム。

請求項2

前記生分解性フィルムが、ガラス転移温度が0℃以下の脂肪族系ポリエステルを更に含有し、前記生分解性フィルム全体における乳酸系樹脂と前記脂肪族系ポリエステルの配合割合が、乳酸系樹脂:脂肪族系ポリエステル=50〜85質量%:50〜15質量%であることを特徴とする請求項1記載の生分解性フィルム。

請求項3

前記生分解性フィルムが表面層、中間層及び裏面層を有する積層体であって、該表面層及び該裏面層はそれぞれ乳酸系樹脂を主成分とする層であり、かつ、該中間層は乳酸系樹脂と脂肪族系ポリエステルとを含む層であることを特徴とする請求項2記載の生分解性フィルム。

請求項4

前記積層体が共押出多層延伸フィルムであることを特徴とする請求項3記載の生分解性フィルム。

請求項5

請求項1から4のいずれかの生分解性フィルムを溶断シールすることにより袋状に成形してなることを特徴とする生分解性袋体。

技術分野

0001

本発明は、自然環境中に棄却されても自然に分解し、無害物質に変化する生分解性フィルムおよびこの生分解性フィルムからなる生分解性袋体に関するものである。

0002

近年、環境問題の高まりから、プラスチック製品が自然環境中に棄却された場合、経時的に分解・消失し、最終的に自然環境に悪影響を及ぼさないことが求められ始めている。従来のプラスチックは、自然環境中で長期にわたって安定であり、しかも嵩比重が小さいため、廃棄埋め立て地短命化を促進したり、自然の景観野生動植物生活環境を損なうといった問題点が指摘されていた。

0003

そこで、今日注目を集めているのは、生分解性プラスチック材料である。生分解性プラスチックは、土壌中や水中で、加水分解生分解により、徐々に崩壊・分解が進行し、最終的に微生物の作用により無害な分解物となることが知られている。
実用化され始めている生分解性プラスチックとしては、ポリ乳酸脂肪族ポリエステル変性PVA、セルロースエステル化合物デンプン変性体、およびこれらのブレンド体等があり、これらの中でもポリ乳酸は、コストパフォーマンス植物由来原料といった特徴から大きな注目を集めている。

0004

乳酸系樹脂は、高剛性、透明性という特徴を有しており、これらの特徴を活かし、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の代替分野、とりわけ、特開平7−207041号公報に開示されるように、延伸フィルム分野で利用され始めている。
また、汎用プラスチック材料には、ポリプロピレン(PP)もあり、PPの代替が可能な生分解性フィルムも求められている。PPは延伸フィルムにして使用されることが多く、このポリプロピレン延伸フィルム(OPP)は、食品包装を始めとする電子医療薬品化粧品等の各種包装用フィルム農業用フィルム工業用保護フィルム粘着テープ等に広く使われている。OPPは、2次加工工程や実用において要求される特性である、柔軟性、溶断シール強度耐熱性湿熱耐久性といった特性を満たすものである。
ところが、乳酸系樹脂からなるフィルムでは、OPPの代替を行うには硬すぎたり、溶断シール強度が低すぎるといった問題点がある。かかる問題点を解決するために、特表平8−501584号公報や特開平7−177826号公報には、乳酸系樹脂に可塑剤を添加する技術が開示されているが、これらの技術により製造したフィルムは、耐熱性(熱寸法安定性)が乏しかったり、湿熱耐久性が乏しく実用的でない。また、溶断シールヒートシール)袋を作るには、溶断シール機適性において、良好とは言えなかった。
特開平9−272794号公報、特開平10−100353号公報には、乳酸系樹脂にガラス転移温度が0℃以下の脂肪族ポリエステルを混合して、フィルムを柔軟にし、かつフィルムを透明にする方法が開示されているが、これら公報に開示の技術は、主に無延伸フィルムについて実施したものであり、延伸フィルムの製造にそのまま援用することはできない。さらに、これら公報では、光線透過率が65%以上のフィルムが開示されているが、光線透過率が90%を下回る範囲では透明性が不十分であり、また、フィルムのヘーズが高いと見栄えに劣る。ヘーズは、全光線透過率に対して、拡散透過率の割合を示すものであり、ヘーズが高いと、すなわちフィルムを透過する光の拡散が大きいと鮮明さは低下するので、花や野菜等の生鮮物新鮮さ、みずみずしさが演出できず、包装内容物商品価値下げてしまう。

0005

表面の滑り性能を改良するための技術がある。例えば、特開2000−103879号公報及び特開2000−44702号公報は、乳酸系樹脂に不活性無機粒子等を混合し、延伸して表面を粗らすことによって、フィルムの滑り性能が改良されることを開示している。また、特開平9−157408号公報は、ポリ乳酸にガラス転移温度が0℃以下の脂肪族ポリエステルを混合して成るフィルムを開示しており、ここでは、延伸時の変形挙動がポリ乳酸と異なる脂肪族ポリエステルを用いると、表面の荒れたフィルムが得られることについて言及している。ところが、特開平9−157408号公報に開示の技術では、脂肪族ポリエステルの配合量が70質量部(約41質量%)を越える範囲では、延伸・熱処理工程で破断が生じやすかった。また、フィルム表面が粗らされるために透明性が低下し、正確にはヘーズが上昇してしまい、包装内容物の商品価値を下げるという問題が生じる。

背景技術

0006

フィルムの柔軟さは重要であり、例えば、このフィルムから溶断シール袋を形成するためには、特に柔軟性は重要であった。すなわち、溶断シール袋を製造する工程では、フィルムを巻き出した後、三角形状の板にフィルムを沿わせながら、長手方向と平行に折りこんで重ね合わせていく。したがって、通常のポリ乳酸系樹脂の2軸延伸フィルムでは硬すぎて伸びにくく、溶断シール工程で寸法差の吸収しろが乏しく、シワ入りやすかったので、OPPフィルムの代替は不可能であった。

発明が解決しようとする課題

0007

したがって、本発明の課題は、乳酸系樹脂が本来有している生分解性に加え、OPPに類似した物理特性と、優れた耐熱性、湿熱耐久性を有し、さらに良好な巻き取り性と優れた製袋適性を有する生分解性フィルム及びこのフィルムからなる袋体を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、これらの課題を解決するために、鋭意、実験、検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の生分解性フィルムは、乳酸系樹脂を主成分とする生分解性フィルムであって、該フィルムの長手方向のF2値が30〜55MPaで、かつF2値/F1値が170%以下であり、該フィルムの表面及び裏面に平均粒子径が0.5〜8μmの不活性粒子を0.02〜0.5質量部含有する層を有することを特徴とする。
ここで、前記生分解性フィルムは、ガラス転移温度が0℃以下の脂肪族系ポリエステルを更に含有し、前記生分解性フィルム全体における乳酸系樹脂と前記脂肪族系ポリエステルの配合割合が、乳酸系樹脂:脂肪族系ポリエステル=50〜85質量%:50〜15質量%であることができる。
また、前記生分解性フィルムが表面層、中間層及び裏面層を有する積層体であって、該表面層及び該裏面層はそれぞれ乳酸系樹脂を主成分とする層であり、かつ、該中間層は乳酸系樹脂と脂肪族系ポリエステルとを含む層であることができる。
ここで、前記積層体は共押出多層延伸フィルムであることができる。
本発明の生分解性袋体は、上記いずれかの生分解性フィルムを溶断シールすることにより袋状に成形してなることを特徴とする。
なお、シートとは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚さが長さと幅のわりには小さく平ら製品をいう。ところで、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(JIS K 6900)。したがって、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かでなく、明確に区別しにくいので、本願においては、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとし、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとする。

0009

本発明の生分解性フィルムは、乳酸系樹脂を主成分とする生分解性フィルムであって、フィルムの長手方向のF2値が30〜55MPaで、かつF2値/F1値が170%以下であり、このフィルムの表面及び裏面には、平均粒子径が0.5〜8μmの不活性粒子が0.02〜0.5質量部含有されている層を有することが必要である。生分解性フィルムには、ガラス転移温度が0℃以下の脂肪族系ポリエステルが含まれていてもよい。ただし、生分解性フィルム全体における乳酸系樹脂と脂肪族系ポリエステルとの配合割合は、乳酸系樹脂が50〜85質量%、脂肪族系ポリエステルが50〜15質量%の範囲で合計100質量%となるような配合割合であることが好ましい。このような配合割合で形成したフィルムは、フィルムの長手方向のF2値が30〜55MPaで、かつF2値/F1値が170%以下の条件を満足することができる。また、脂肪族系ポリエステルを用いることによって、柔軟性を付与することができる。なお、F1値及びF2値に関する説明は後記する。
ここで、生分解性フィルムは単層構成でも、2層以上の積層体でもよい。単層構成の場合には、この層に上記の不活性粒子を含有しており、2層構成の場合には、それぞれの層に上記の不活性粒子を含有しており、3層以上の積層体の場合には、表面層と裏面層のそれぞれに上記の不活性粒子を含有している。表面層、中間層及び裏面層からなる積層体の場合には、表面層及び裏面層が乳酸系樹脂を主成分とする層であり、中間層が乳酸系樹脂と脂肪族系ポリエステルとを含む層であることが好ましい。ただし、乳酸系樹脂と脂肪族系ポリエステルの配合割合は、生分解性フィルム全体に対して、乳酸系樹脂:脂肪族系ポリエステル=50〜85質量%:50〜15質量%である。なお、中間層は単層であっても2層以上の積層体であってもよく、積層体の場合には、少なくとも1層が脂肪族系ポリエステルを含む層であることが好ましい。

0010

本発明において使用される乳酸系樹脂は、構造単位L−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸の両方である共重合体、すなわち、ポリ(DL−乳酸)、およびこれらの混合体を意味する。
乳酸系樹脂の構成としてはD−乳酸:L−乳酸=100:0〜90:10、もしくはL−乳酸:D−乳酸=0:100〜10:90であることが好ましい。かかる範囲を外れる構成の乳酸系樹脂は、結晶性が低くなり耐熱性に劣るものとなる。なお、本発明においては、異なったL−乳酸(L体)とD−乳酸(D体)の共重合比を有する複数の乳酸系樹脂をブレンドしてもよく、この場合には、複数の乳酸系樹脂のL−乳酸(L体)とD−乳酸(D体)の共重合比の平均値が上記範囲に入るようにする。L体またはD体のホモポリマーと、共重合体をブレンドすると、ブリードのしにくさと耐熱性の発現とのバランスをとることができるので好ましい。

0011

乳酸系樹脂の重合方法としては、縮合重合法、開環重合法等公知の方法を採用することができる。例えば、縮合重合法では、L−乳酸またはD−乳酸、あるいはこれらの混合物等を直接脱水縮合重合して任意の組成を有するポリ乳酸系重合体を得ることができる。
また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調節剤等を用いながら、適当な触媒を使用して任意の組成、結晶性を有する乳酸系樹脂を得ることができる。ラクチドには、L−乳酸の二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の二量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有する乳酸系樹脂を得ることができる。

0012

さらに、耐熱性向上等の必要に応じて、少量共重合成分を添加することもでき、テレフタル酸等の非脂肪族ジカルボン酸および/またはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の非脂肪族ジオール等を用いることもできる。
さらにまた、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物エポキシ化合物酸無水物等を使用することもできる。

0013

乳酸系樹脂は、さらにα−ヒドロキシカルボン酸等の他のヒドロキシカルボン酸単位との共重合体であっても、脂肪族ジオール及び/又は脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
他のヒドロキシカルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の二官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸カプロラクトンブチロラクトンバレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
乳酸系樹脂に共重合される上記脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、上記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸アジピン酸スベリン酸セバシン酸およびドデカン二酸等が挙げられる。

0014

本発明において使用される乳酸系樹脂は、重量平均分子量が5万〜40万であることが好ましく、より好ましくは10万〜25万である。分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、大きすぎると溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣る。

0015

本発明に用いられるガラス転移温度が0℃以下の脂肪族系ポリエステルとしては、乳酸系樹脂を除く脂肪族系ポリエステルが好ましいものとして挙げられる。脂肪族系ポリエステルとしては、ポリヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸縮合して得られる脂肪族ポリエステル又は脂肪族芳香族ポリエステル環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステル、合成系脂肪族ポリエステル、菌体内生合成される脂肪族ポリエステル等が挙げられる。

0016

ここで用いられるポリヒドロキシカルボン酸としては、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸の単独重合体や共重合体が挙げられる。

0017

脂肪族ポリエステル又は脂肪族芳香族ポリエステルに使用される、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。ジカルボン酸成分として、50mol%以下のテレフタル酸等の芳香族モノマー成分を共重合すると、耐熱性や機械強度を高めることができる。このような脂肪族系ポリエステルとして、イーストマンケミカル社製のイースターバイオや、BASF社製のエコフレックス等が例示される。
これらの脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族ポリエステルや、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸を縮合して得られる脂肪族芳香族ポリエステルは、上記の各化合物の中からそれぞれ1種類以上を選んで縮重合し、さらに、必要に応じてイソシアネート化合物等でジャンプアップして所望のポリマーを得ることができる。

0018

環状ラクトン類を開環重合した脂肪族ポリエステルは、環状モノマーとして、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等の1種類又はそれ以上を重合することによって得られる。
合成系脂肪族ポリエステルとしては、環状酸無水物オキシラン類、例えば、無水コハク酸エチレンオキサイドプロピレンオキサイド等との共重合体が挙げられる。

0019

菌体内で生合成される脂肪族ポリエステルとしては、アルカリゲネスユートロファスをはじめとする菌体内でアセチルコエンチームAアセチルCoA)により生合成される脂肪族ポリエステルが挙げられる。この菌体内で生合成される脂肪族ポリエステルは、主にポリ−β−ヒドロキシ酪酸(ポリ3HB)であるが、プラスチックスとしての実用特性向上のために、ヒドロキシ吉草酸HV)を共重合し、ポリ(3HB−CO−3HV)の共重合体にすることが工業的に有利である。HV共重合比は、一般的に0〜40mol%が好ましい。さらに、ヒドロキシ吉草酸のかわりに3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシオクタデカノエート等の長鎖ヒドロキシアルカノエートを共重合してもよい。

0020

生分解性フィルム全体として、乳酸系樹脂50〜85質量%とガラス転移点が0℃以下の脂肪族系ポリエステル50〜15質量%を混合することにより、OPPに類似の特性を有するフィルムとして好適な特性が付与され、後述する製袋適性においても良好になる。なお、脂肪族系ポリエステルの添加量過多の場合は、高温下ではフィルム表面にべたつきが生じることがあり、熱寸法安定性が得られないこともある。

0021

ところで、乳酸系樹脂にガラス転移温度が0℃以下の脂肪族系ポリエステルを配合すると、延伸時の変形挙動が異なるため表面が荒れたフィルムとなり、ヘーズが上昇する。このフィルムの両面に、乳酸系樹脂を主成分とする表面層と裏面層とを積層することにより、ヘーズの小さいフィルムを得ることができる。これは、表面層と裏面層によって、乳酸系樹脂と脂肪族ポリエステルとを含む層(例えば中間層)の表面粗さによる透過光の拡散が抑制され、ヘーズを低下させることができるからである。
全光線透過率が90%以上の場合には、一応透明性は確保される。ただし、フィルムのヘーズが高いと見栄えに劣る。ヘーズは、全光線透過率に対して、拡散透過率の割合を示すものであり、ヘーズが高い、すなわちフィルムを透過する光の拡散が高いと、鮮明さは低下する。特に生鮮物の包装等に使用する場合には、新鮮さ、みずみずしさが演出できず、包装内容物の商品価値を下げてしまう。したがって、鮮明さが要求される場合には、ヘーズが6%以下であることが好ましく、ヘーズが5%以下であることが更に好ましい。

0022

しかしながら、表面層と裏面層を有する構成の場合に、これらの層の表面が全く荒れていないとフィルムの巻き取り性が低下してしまうので、袋体を製造する上で不都合である。ところが、本発明においては、表面及び裏面は不活性粒子を含有するので、本発明の構成によれば、フィルムの巻き取り性が低下することはない。混合した不活性粒子が、延伸・熱処理工程でフィルム表面に多数の突起となって現れ、その結果、フィルムの摩擦係数を低下させるとともに、巻き上げるフィルムとフィルムの隙間に適度に空気を含ませるので、巻き取ったフィルムは外観もきれいに仕上がる。適度に空気を含まない場合は、ぎすぎすした巻き上げ感があり、フィッシュアイと呼ばれる「粒跡」が巻き上げ物のあちこちに現れるようになる。また、表面層及び裏面層を有する積層構成の場合には、表裏層にのみ粒子を混合するので、全層(単層)にわたって粒子を混合する場合よりも、フィルム全体の光線透過率は高く、ヘーズも低くなり、透明性について有利である。

0023

混合する不活性粒子の粒子径は、平均で0.5μm〜8μmの範囲であり、好ましくは1〜4μmの範囲である。また、不活性粒子の混合部数は各層の重量に対して0.02〜0.5質量部であることが必要であり、好ましくは0.05〜0.4質量部である。粒子径が平均で0.5μmより小さいと、または混合部数が0.02質量部より少ないと、ヘーズは小さいがフィルムの滑りが悪くなり、巻き取り性が低下する。一方、粒子径が8μmより大きいか、または、混合部数が4質量部より多いと、巻き取り性は向上するが、ヘーズが高くなる。したがって、上記範囲内で粒子径と混合部数を調整することによって、所望のヘーズ値と巻き取り性を有するフィルムを得ることができる。

0024

使用される不活性粒子としては、PETやOPP等に使用されている公知の粒子を使用することができる。かかる不活性粒子としては、例えば、シリカタルクカオリン炭酸カルシウム酸化チタン等の無機粒子、あるいはアクリレート粒子スチレン粒子等の樹脂有機粒子等が挙げられる。後者の樹脂系有機粒子は、使用可能であるというだけであり、自然環境への親和性という観点からは天然に存在する無機粒子と比較すると大幅に劣り、しかも生分解性も充分ではないので、使用を避ける方が好ましい。

0025

以上の他に、各層には、本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤抗酸化剤UV吸収剤光安定剤顔料着色剤滑剤核剤無機フィラー、可塑剤等の添加剤を処方することもできる。

0026

脂肪族系ポリエステルの種類や配合割合、表裏層と中間層との厚み等は、適宜選択することが出来るが、以下の製袋性の点を考慮して選択することが好ましい。
すなわち、例えば、溶断シール袋を製造する際には、フィルムに一定荷重をかけながら巻き出した後、三角形状の板にフィルムを沿わせながら、長手方向と平行に折りこんで重ね合わせて、それを送り出しながら、所定のピッチで一定長さに溶断シールする。しかしフィルムに「たるみ」があると、重ね合わせた寸法が異なってしまい、その寸法の違いによる歪みがしわとなって出現したり、シール部に浮きが生じたり、それらが原因でシール強度が著しく劣る部分が出来たりする。

0027

「たるみ」は、延伸、熱処理もしくは冷却工程で温度むらがあり、フィルム内で寸法差ができることが原因となって生じたり、フィルムの厚みに偏りがあって、巻き上げてロール状にしたときにコブが発生し、その部分に歪みが生じることが原因となって生じる。一般に包装用、工業用に使用されるフィルムの製造者は、厚み精度の向上ならびに「たるみ」のないように注意しながらフィルムを製造しているが、設備上の不備気温の変化等、内的・外的要因により、「たるみ」はなかなかなくせないのが現状である。

0028

このような「たるみ」等による製袋時の不具合が発生しやすいという問題を解決するための指標としては、F2値を30〜55MPaで、かつF2値/F1値が170%以下にすることである。F1値およびF2値とは、フィルムがそれぞれ1%および2%伸びたときの強さ(荷重)を、フィルムの厚みで除した値である。すなわち、F1値やF2値が小さいと、小さな荷重でフィルムが伸びやすく、製袋時の巻き出し荷重や送り出し荷重によって、重ね合わせによる寸法差を吸収することができ、また、折り目の部分で傷などが入ることも少ない。さらに、F2値/F1値が低いほど、たるみ部分が一旦伸びきって仕上がった袋でも、応力解放した後にカール等による変形が少なく、きれいな仕上がりになる。乳酸系樹脂のみからなる延伸フィルムは、延伸条件にもよるが、F2値は60MPa以上と大きく、また3〜4%伸ばすと降伏点を超えるので、実質的に「たるみ」を吸収することは困難である。
F2値が55MPaより大きいと、しわや、傷が入りやすく、F2値が30MPaより小さいと、フィルムが伸びきって変形が大きくなり、袋にした後の仕上がりが劣ったものとなる。また、F2/F1値が170%を越えても、仕上がりが劣ったものになる。
したがって、生分解性フィルムの長手方向のF2値は30〜55MPaであり、かつF2値/F1値が170%以下であることが必要である。

0029

本発明の生分解性シートは、延伸されていることが好ましい。延伸フィルムは、通常の延伸フィルム成形法であれば、任意の方法をとることができる。フィルム原料を、あらかじめ同方向二軸押出機ニーダーヘンシェルミキサー等を用いてプレコンパウンドしても構わないし、各原料ドライブレンドし、直接、押出機投入しても構わない。可塑剤等の液状成分は、固体成分と同時にブレンドしても良いが、固体成分とは別に、ポンプ等を用いて押出機のベント口から注入することもできる。延伸フィルム成形法の具体例としては、ロール延伸、テンター延伸法、チューブラー法インフレーション法などを採用することができる。

0030

延伸条件としては、フィルム温度が50〜100℃であることが好ましく、更に好ましくは60〜90℃であり、延伸倍率が、少なくとも一軸方向に1.5〜5.0倍の範囲で調整されることが好ましい。延伸条件がかかる範囲外では、破断や白化が生じたり、ドローダウン等のトラブルが発生する場合があり、延伸が困難になることがある。

0031

フィルムの延伸に続いて、本発明の効果をより高めるために、幅固定で熱処理を行うことが望ましい。熱処理条件としては、温度が70〜160℃であることが好ましく、更に好ましくは90〜150℃であり、処理時間が2秒から5分の範囲で調整されることが好ましい。処理温度がかかる範囲を下回ると、熱処理効果が得られにくく、上回るとフィルムがドローダウンしやすい。処理時間が、2秒より短いと熱処理効果が得られにくく、5分より長くなると熱処理設備が長大なものになってしまうので、経済性が低下する。

0032

乳酸系樹脂のD体とL体の比率、脂肪族系ポリエステルの選択、延伸および熱処理の効果により、本発明においては、120℃×15分における加熱収縮率を長手方向(TD)、幅方向(MD)共に10%以下に低減することが好ましく、本発明において達成可能である。かかる範囲内であれば、良好な耐熱性(熱寸法安定性)を実現することができるので、印刷、製袋等の2次加工中や、保管中にフィルムが収縮したり、波打ちやカールなどの不具合が発生することもなく、実用的である。

0033

フィルムの厚みは、特に限定するものではないが、包装用、袋用としては7〜100μmであることが好ましい。例えば3層構成の場合には、表面層と裏面層の厚みはそれぞれ0.5μm以上あることが好ましい。表面層及び裏面層がそれぞれ0.5μm以上あれば、混合した無機粒子等の脱落が生じることがない。

0034

以上のようにして作成された乳酸系樹脂フィルムは、OPPに類似の物性を有し、溶断シール袋にも好適に加工することができる。また、ポリ乳酸系樹脂を主成分とする表裏層を設けることにより、ヘーズの上昇を抑えることができ、さらにまた、その表裏層に無機粒子を混合するにより、フィルムに良好な巻き取り性を付与することができる。

0035

【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、以下の実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。
以下の実施例中に示す測定値は、下記に示すような条件で測定を行って算出したものであり、また、評価は、下記に示す評価方法によって行ったものである。

0036

測定方法及び評価方法》
(1)F1値、F2値およびF2値/F1値
フィルムを長手方向(MD)に沿って、長さが140〜160mm程度、幅3mmの大きさとなるように、ノッチや傷がつかないように注意しながら鋭利刃物試験片切り出した。この試験片を、東洋精機(株)製のテンシロンII型引張試験機を用い、その引張試験機のつかみ具に距離100mmでチャックし、引張速度5mm/分で引っ張った。試験片(フィルム)が1%および2%伸びたときの荷重を測定し、下記式にそれぞれの値を代入してF1値及びF2値を求めた。このF1値及びF2値から、F2/F1値を算出した。但し、引張試験機のつかみ具に試験片をチャックする際には垂直に装着しないと正確な伸びを求めることができないので、この点に注意して実施した。なお、測定雰囲気温度は23±2℃であった。
F1 = (1%伸びたときの荷重)/(フィルムの断面積
F2 = (1%伸びたときの荷重)/(フィルムの断面積)

0037

(2)全光線透過率およびヘーズ
JIS K 7105に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を求めた。次に、この値を下記式に代入してヘーズを算出した。
ヘーズ(%) = (拡散透過率/全光線透過率)×100

0038

(3)巻き取り性
製膜時にワインダーで巻き上げたフィルムを、スリッターを用いて所定の幅、ここでは600mm幅に切断し、この幅で巻き上げていった時のフィルムロール状物の外観を目視観察し、評価を行った。評価基準は、フィルムにしわが入り、巻き上げたフィルムロール状物に粒跡が認められた場合には、劣悪な製品であると判定して記号「×」で表し、粒跡は認められないがフィルムにしわが入りやすい場合には記号「△」で表し、フィルムにしわも粒跡もいずれも認められない場合には、良好な製品であるとして記号「○」で表記した。

0039

(4)溶断シール製袋機適性
トタニ技研工業(株)製の溶断シール製袋機HK−40Vを用いて、製袋を行った。幅600mmのフィルムロールを用いて、間口148mm×長さ300mmのサイドシール袋を最適条件で100枚作製した。シワやカールの発生が認められなかった袋の枚数を数え、下記に示す基準で評価を行った。
○  シワやカールの発生が認められなかった袋が、900〜1000枚できた
△  シワやカールの発生が認められなかった袋が、700〜899枚できた
×  シワやカールの発生が認められない袋が、699枚以下しかできなかった

0040

(5)総合評価仕上がり性
下記に示す評価基準にしたがって評価を行った。
○  ヘーズ、巻き取り性、製袋機適性の全てにおいて良好であるもの
△  ヘーズは低いが、巻き取り性及び製袋機適性には優れているもの
×  製袋機適性が不良であるもの

0041

《乳酸系樹脂の製造》
ピューラックジパン社製のL−ラクチド(商品名「PURASORB L」)97kgと同社製のDL−ラクチド(商品名「PURASORB DL」)3kgに、オクチル酸スズを15ppm添加し、攪拌機加熱装置とを備えた500Lのバッチ式重合槽に入れた。次いで窒素置換を行い、温度185℃、攪拌速度100rpmで60分間重合を行った。得られた溶融物を、真空ベントを3段備えた三菱重工社製の40mmφ、同方向2軸押出機に供し、ベント圧4torrで脱気しながら、200℃でストランド状に押し出してペレット化し、ペレット形状の乳酸系樹脂を得た。得られた乳酸系樹脂は、重量平均分子量が約20万、L体含有量が98.6%であった。

0042

《シリカを配合した乳酸系樹脂ペレットの作製》
次に、作製した乳酸系樹脂にシリカ又は炭酸カルシウムを配合してペレットを形成し、下記に示す4種類のマスターバッチを作製した。
(1)マスターバッチA
作製した乳酸系樹脂に、平均粒子径が約3μmの粒状シリカ(富士シリシア化学(株)製のサイリシア730)を2%混合し、三菱重工(株)製の直径が40mmの小型同方向二軸押出機を用いて200℃でコンパウンドした後、ペレット形状にした。このペレットをマスターバッチAとした。
(2)マスターバッチBおよびマスターバッチC
作製した乳酸系樹脂に、平均粒子径が約1.4μmの粒状シリカ(富士シリシア化学(株)製のサイリシア310P)、および平均粒子径が約6μmの粒状シリカ(富士シリシア化学(株)製のサイリシア770)をそれぞれ5%混合し、三菱重工(株)製の直径が40mmの小型同方向二軸押出機を用いて200℃でコンパウンドした後、ペレット形状にした。これらのペレットをマスターバッチB及びマスターバッチCとした。
(3)マスターバッチD
作製した乳酸系樹脂に、平均粒子径が約0.3μmの軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製のタマパールTP−222H)を5%混合し、三菱重工(株)製の直径40mmの小型同方向二軸押出機を用いて200℃でコンパウンドし、ペレット形状にした。このペレットをマスターバッチDとした。

0043

(実施例1)
中間層用原料として、75mmφ同方向二軸押出機のフィード口に、作製した乳酸系樹脂と、脂肪族ポリエステルであるポリブチレンサクシネートアジペート(商品名:ビオノーレ#3003、昭和高分子(株)製)とを、質量比で80:20になるように混合して供給し、一方、表裏層用原料として、58mmφ同方向二軸押出機のフィード口に、作製した乳酸系樹脂とマスターバッチAとをシリカの配合部数が0.05部となるように調整して混合した原料を供給し、それぞれ200℃で溶融した後、それぞれ別の導管によって溶融樹脂マルチマニホールド式の口金に導き、表面層/中間層/裏面層の3層構成で押出した後、35℃に設定したキャスティングロール静電密着方式で接触させつつ急冷し、約250μm厚の3層構成のシートとして引き取った。但し、表面層:中間層:裏面層の厚さ比が1:6:1になるように、口金からのそれぞれの押出量を調整した。次いで、三菱重工(株)製の逐次二軸テンターに通紙して二軸延伸を行った。すなわち、温度73℃で3.0倍に縦延伸し、予熱ゾーン温度が74℃、延伸ゾーン温度が78℃で(キャストシートに比して)3.2倍に横延伸した後、140℃で5秒間熱処理を行い、幅約1500mmで膜厚約25μmの積層延伸フィルムを得た。得られた積層延伸フィルムは西製作所(株)のスリッターを用いて、幅600mmの2丁取りにして、内径76mmの紙管に巻き上げた。
このようにして得られた積層フィルムについて上記測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は51.0、F2値/F1値は166%であった。

0044

(実施例2)
実施例1において、中間層用原料として、作製した乳酸系樹脂にビオノーレ#3003を質量比で55:45となるように混合したものに変更し、表裏面層用原料として、作製した乳酸系樹脂にマスターバッチBをシリカの配合部数が0.3部となるように混合したものに変更し、各層の厚み比が表面層:中間層:裏面層=1:4:1になるように適宜調整しながら押出した以外は実施例1と同様にして、積層延伸フィルムを得た。
得られた積層延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は40.5、F2値/F1値は151%であった。

0045

(実施例3)
実施例1において、中間層用原料として、作製した乳酸系樹脂にビオノーレ#3003を質量比で70:30となるように混合したものに変更し、表裏面層用原料として、作製した乳酸系樹脂にマスターバッチBをシリカの配合部数が0.1部となるように混合したものに変更し、各層の厚み比が表面層:中間層:裏面層=1:8:1になるように適宜調整しながら押出し、縦延伸の倍率を2.8倍変更した以外は実施例1と同様にして、積層延伸フィルムを得た。
得られた積層延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は41.9、F2値/F1値は153%であった。

0046

(実施例4)
実施例1において、中間層用原料として、作製した乳酸系樹脂に脂肪族ポリエステルとしてポリカプロラクトン(商品名:プラクセルH7、ダイセル化学工業(株)製)を質量比で80:20となるように混合したものに変更し、表裏面層用原料として、作製した乳酸系樹脂にマスターバッチAをシリカの配合部数が0.1部となるように混合したものに変更した以外は実施例1と同様にして、積層延伸フィルムを得た。
得られた積層延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は43.4、F2値/F1値は163%であった。

0047

(実施例5)
実施例1において、中間層用原料として、作製した乳酸系樹脂に脂肪族ポリエステルとしてポリカプロラクトン(商品名:プラクセルH7、ダイセル化学工業(株)製)を質量比で40:60となるように混合したものに変更し、表裏面層用原料として、作製した乳酸系樹脂にマスターバッチBをシリカの配合部数が0.1部となるように混合したものに変更した以外は実施例1と同様にして、積層延伸フィルムを得た。
得られた積層延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は30.3、F2値/F1値は145%であった。

0048

(比較例1)
実施例1において、中間層用原料として、作製した乳酸系樹脂にビオノーレ#3003を質量比で90:10となるように混合したものに変更し、表裏面層用原料として、作製した乳酸系樹脂にマスターバッチBをシリカの配合部数が0.1部となるように混合したものに変更した以外は実施例1と同様にして、積層延伸フィルムを得た。
得られた積層延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は70.4、F2値/F1値は177%であった。

0049

(比較例2)
実施例1において、中間層用原料として、作製した乳酸系樹脂にビオノーレ#3003を質量比で30:70となるように混合したものに変更し、表裏面層用原料として、作製した乳酸系樹脂にマスターバッチBをシリカの配合部数が0.1部となるように混合したものに変更した以外は実施例1と同様にして、積層延伸フィルムを得た。
得られた積層延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は26.2、F2値/F1値は141%であった。

0050

(実施例6)
作製した乳酸系樹脂、マスターバッチA及びビオノーレ#3003を質量比で65:5:30となるように混合し(ただし、シリカの配合部数は約0.1部)、これを75mmφ同方向二軸押出機と58mmφ同方向二軸押出機のそれぞれのフィード口に供給して温度200℃で溶融した。溶融した樹脂をそれぞれ別の導管で押出機から導き、マルチマニホールド式の口金を用いて、層厚構成比が1:6:1となるように各押出し量を調節しながら押出した。次に、35℃に設定したキャスティングロールに静電密着方式で接触させつつ急冷し、約250μm厚の1種3層シート、すなわち実質単層構成のシートを引きとった。これを実施例1と同様にして延伸して実質単層シートの延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。なお、延伸フィルムのF2値は37.0、F2値/F1値は151%であった。

0051

(比較例3)
実施例1において、中間層用原料として、作製した乳酸系樹脂にビオノーレ#3003を質量比で70:30となるように混合したものに変更し、表裏面層用原料として、作製した乳酸系樹脂にマスターバッチDを炭酸カルシウムの配合部数が0.4部となるように混合したものに変更した以外は実施例1と同様にして、積層延伸フィルムを得た。
得られた積層延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は40.3、F2値/F1値は154%であった。

0052

(実施例7)
実施例1において、中間層用原料として、作製した乳酸系樹脂にビオノーレ#3003を質量比で70:30となるように混合したものに変更し、表裏面層用原料として、作製した乳酸系樹脂にマスターバッチCをシリカの配合部数が0.1部となるように混合したものに変更した以外は実施例1と同様にして、積層延伸フィルムを得た。なお、積層延伸フィルムのF2値、F2値/F1値は表2に示すものであった。
得られた積層延伸フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表2に示す。なお、積層延伸フィルムのF2値は52.1、F2値/F1値は168%であった。

0053

【表1】

0054

【表2】

発明を実施するための最良の形態

0055

表1および表2から明らかなように、F2値が30〜55MPaの範囲内であり、F2値/F1値が170%以下である実施例1〜5の共押出し積層延伸フィルムは、袋体に成形する場合に必要な巻き取り性及び製袋機適性に優れており、かつ、製袋された袋の仕上がり状態も良好であった。しかも全光線透過率が90%以上、かつヘーズが6%以下であり、透明性及び鮮明性に優れたフィルムであることが分かった。また、実施例6の実質単層延伸フィルムは、全光線透過率は90%以上であるがヘーズが6.9であるので、実施例1〜5の積層延伸フィルムに比べると鮮明性がやや劣るものの、巻き取り性及び製袋機適性に優れ、かつ得られた袋の仕上がり状態も良好であることが分かった。実施例7の共押出し積層延伸フィルムは、全光線透過率は90%以上であるがヘーズが6.5であるので、実施例1〜5の積層延伸フィルムに比べると鮮明性がやや劣るものの、巻き取り性及び製袋機適性に優れ、得られた袋の仕上がり状態も実用可能なレベル以上であることが分かった。なお、実施例1〜7のフィルムは、生分解性に優れたものである。
一方、F2値が55MPaより大きい比較例1及びF2値が30MPaより小さい比較例2の積層延伸フィルムは、製袋機適性に劣るものであり、袋体の仕上がり状態も問題のあるものであった。なお、比較例2のフィルムは、ヘーズが5.9であり、実施例1〜5の積層延伸フィルムと比較すると、やや鮮明さに劣るものであった。また、平均粒径が0.5μmより小さいシリカを表裏層に含有する比較例3の積層延伸フィルムは、巻き取り性及び製袋機適性に劣るものであり、袋体の仕上がり状態も問題のあるものであった。

発明の効果

0056

以上説明したように、本発明の生分解性フィルムは、乳酸系樹脂を主成分とするため生分解性が確保されており、フィルムの長手方向のF2値を30〜55MPaに調整するとともに、F2値/F1値を170%以下とすることにより、従来のOPPに代替可能な特性を得ることができている。
さらに、本発明の生分解性フィルムは、中間層と表裏面層とからなる共押出し多層延伸フィルムとし、それぞれの層の組成を、中間層を乳酸系樹脂とガラス転移温度が0℃以下の脂肪族系ポリエステルとの混合物から構成するとともに、表裏層に平均粒子径0.5〜8μmの不活性粒子を含有する構成とすることにより、袋体を製造するときに必要なフィルム特性を確保している。
このように、本発明によれば、乳酸系樹脂が本来有している生分解性に加え、OPPに類似した物理特性と、優れた耐熱性、湿熱耐久性を有し、かつ可塑剤のブリードが少なく、透明で巻き取り性、製袋機適性に優れたフィルム、袋体を提供することができる。

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