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技術 マルチキャリア送信機及びそのシングルキャリア送信方法

出願人 埼玉日本電気株式会社
発明者 斎藤良彦
出願日 2002年8月16日 (19年2ヶ月経過) 出願番号 2002-237322
公開日 2004年3月11日 (17年7ヶ月経過) 公開番号 2004-080333
状態 特許登録済
技術分野 交流方式デジタル伝送 時分割方式以外の多重化通信方式 送信機
主要キーワード 実力値 歪レベル RFローカル 合成損失 インタセプト 増幅能力 動作モード切替 入出力レベル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年3月11日)のものです。
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図面 (7)

課題

解決手段

本発明のマルチキャリア送信機は、入力された2つのデータを直交変調し出力する変調部11,21と、この変調部11,21から出力された信号をデジタルアナログ変換するD/A変換部12,22と、このD/A変換部12,22から出力されたアナログ信号周波数変換増幅する高周波回路部13,23とからなる第1及び第2の送信系統10,20と、これらの送信系統10,20から出力される2つのキャリア信号を合成し出力する合成器30と、シングルキャリア運用時にデータが入力される第1の送信系統10に配置された変調部11の出力を第2の送信系統20に配置されたD/A変換部22に入力するスイッチ部40とを有する。

概要

背景

マルチキャリア送信機は、周波数の異なる複数の搬送波キャリア)をひとまとめにして送信する無線機器であり、例えば携帯電話機通信方式であるW−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式の移動通信用無線基地局などに用いられている。図6は、従来のマルチキャリア送信機の構成例を示すブロック図である。図6において、従来のマルチキャリア送信機は、2つの独立した送信系統(送信系統A10,送信系統B20)と、これらの送信系統からそれぞれ出力されるキャリア信号をひとまとめにして出力する合成器30とを有する。

概要

マルチキャリア送信機において、シングルキャリア運用時の合成器による損失をなくす。本発明のマルチキャリア送信機は、入力された2つのデータを直交変調し出力する変調部11,21と、この変調部11,21から出力された信号をデジタルアナログ変換するD/A変換部12,22と、このD/A変換部12,22から出力されたアナログ信号周波数変換増幅する高周波回路部13,23とからなる第1及び第2の送信系統10,20と、これらの送信系統10,20から出力される2つのキャリア信号を合成し出力する合成器30と、シングルキャリア運用時にデータが入力される第1の送信系統10に配置された変調部11の出力を第2の送信系統20に配置されたD/A変換部22に入力するスイッチ部40とを有する。    

目的

本発明はこのような問題に鑑みてなされたものでありマルチキャリア送信機におけるシングルキャリア運用時の合成器による損失をなくすことを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

入力された2つのデータを直交変調し出力する変調部と、この変調部から出力された信号をデジタルアナログ変換するD/A変換部と、このD/A変換部から出力されたアナログ信号周波数変換増幅する高周波回路部とからなる第1及び第2の送信系統と、これらの送信系統から出力される2つのキャリア信号を合成し出力する合成器とを有するマルチキャリア送信機において、シングルキャリア運用時にデータが入力される前記第1の送信系統に配置された前記変調部の出力を前記第2の送信系統に配置された前記D/A変換部に入力するスイッチ部を備えたことを特徴とするマルチキャリア送信機。

請求項2

請求項1記載のマルチキャリア送信機において、シングルキャリア運用時に2つの前記高周波回路部が出力するキャリア信号の位相を一致させる位相同期手段を備えたことを特徴とするマルチキャリア送信機。

請求項3

請求項1又は2記載のマルチキャリア送信機において、シングルキャリア運用時に2つの前記高周波回路部の増幅利得を低下させる利得制御手段を備えたことを特徴とするマルチキャリア送信機。

請求項4

入力された2つのデータを直交変調し出力する変調部と、この変調部から出力された信号をデジタル−アナログ変換するD/A変換部と、このD/A変換部から出力されたアナログ信号を周波数変換し増幅する高周波回路部とからなる第1及び第2の送信系統と、これらの送信系統から出力される2つのキャリア信号を合成し出力する合成器とを有するマルチキャリア送信機のシングルキャリア送信方法であって、シングルキャリア運用時にデータが入力される前記第1の送信系統に配置された前記変調部の出力信号を前記第2の送信系統に配置された前記D/A変換部に入力することを特徴とするマルチキャリア送信機のシングルキャリア送信方法。

請求項5

請求項4記載のマルチキャリア送信機のシングルキャリア送信方法において、シングルキャリア運用時に2つの前記高周波回路部が出力するキャリア信号の位相を一致させることを特徴とするマルチキャリア送信機のシングルキャリア送信方法。

請求項6

請求項4又は5記載のマルチキャリア送信機のシングルキャリア送信方法において、シングルキャリア運用時に2つの前記高周波回路部の増幅利得を低下させることを特徴とするマルチキャリア送信機のシングルキャリア送信方法。

技術分野

0001

本発明は、周波数の異なる複数の搬送波キャリア)をひとまとめにして送信するマルチキャリア送信機に関する。

0002

マルチキャリア送信機は、周波数の異なる複数の搬送波(キャリア)をひとまとめにして送信する無線機器であり、例えば携帯電話機通信方式であるW−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式の移動通信用無線基地局などに用いられている。図6は、従来のマルチキャリア送信機の構成例を示すブロック図である。図6において、従来のマルチキャリア送信機は、2つの独立した送信系統(送信系統A10,送信系統B20)と、これらの送信系統からそれぞれ出力されるキャリア信号をひとまとめにして出力する合成器30とを有する。

0003

各送信系統10,20は同一構成を有し、入力された2つのデータ(I,Q)を直交変調し出力する変調部11,21と、この変調部11,21から出力されたデジタル信号デジタルアナログ変換するD/A変換部12,22と、このD/A変換部12,22から出力されたアナログ信号送信周波数に変換し増幅する高周波回路部13,23とからなる。ここでは、送信系統A10の出力するキャリアをf1、送信系統A10に入力されキャリアf1を生成する2つのデータ(I,Q)をf1(I,Q)、送信系統B20の出力するキャリアをf2、送信系統B20に入力されキャリアf2を生成する2つのデータ(I,Q)をf2(I,Q)と記す。

0004

従来のマルチキャリア送信機をマルチキャリアで使用する場合、送信系統A10に入力されたデータf1(I,Q)は、変調部11で直交変調された後、D/A変換部12でアナログデータに変換され、高周波回路部13で例えば2GHz帯の送信周波数に変換された後に増幅され、キャリアf1として出力される。同様に、送信系統B20に入力されたデータf2(I,Q)は、変調部21で直交変調された後、D/A変換部22でアナログデータに変換され、高周波回路部23で送信系統A10の送信周波数から5MHz離れた送信周波数に変換された後に増幅され、キャリアf2として出力される。

0005

このように独立に生成されたキャリアf1とキャリアf2は、同時に合成器30へ入力されて結合され、ひとまとまりにして出力される。W−CDMA方式では多くの場合、キャリアf1とキャリアf2は隣接した周波数(5MHz)に設定されるのでフィルタ結合が困難であるため、合成器30にはウィルキンソンハイブリッドと呼ばれるλ/4の波長ラインで構成される合成器が一般的に使用されている。この合成器30における合成損失理想値で3dBであり、実力値では3.5dB〜4.0dBである。

背景技術

0006

一方、従来のマルチキャリア送信機をシングルキャリアで使用する場合は、1つの送信系統のみにキャリアを生成するデータが入力され、この送信系統から出力されるキャリアのみが合成器を介して出力される。この場合も合成器30においてマルチキャリア運用時と同じ損失が生じる。このため、従来のマルチキャリア送信機は、所定の送信出力を得るため、高周波回路部13に合成器30で生じる損失を考慮した増幅能力を有する高周波増幅器を配置している。

0007

W−CDMA方式では、3GPP(3rd Generation Partnership Project)により詳細に無線特性等が規格化されている。3GPP TS25.141に記載されているSEM(Spectrum Emission Mask)規格は、このような規格の1つであり、送信機信号波形歪特性を規定している。このSEM規格は、送信機の出力がシングルキャリア時にのみ適用される規格であり、マルチキャリア時には適用されない。一方、同じく送信機の信号波形の歪特性を規定する規格の1つであるACLR規格はキャリア数に関係なく適用される。

0008

SEM規格とACLR規格は、いずれも送信キャリアの近傍歪の減衰を規定したものであるが、SEM規格がキャリア近傍(キャリアセンターから2.5MHz離れたところからの値)を詳細に規定しているのに対し、ACLR規格はキャリアから5MHz及び10MHz離れたところの値を規定しており、高周波増幅器の特性上、ACLR規格よりもSEM規格の方が厳しい規格(規格を満足するためのインタセプトポイントが高い状態)となっている。

0009

一般に、高周波増幅器は入力信号レベル出力信号レベルの関係が1次の傾きを持って右上がりの特性を示し、歪特性を示す3次歪出力(2つの信号を入力したときに2つの入力信号周波数間隔と同じ周波数間隔で2つの信号の左右に発生する歪レベル)が3次の傾きを持っているため、出力信号レベルを高くするほど歪に対するマージンが少なくなる。このため、出力信号レベルを高くする必要がある場合、歪特性に優れた高周波増幅器を用いる必要があり、コストが高くなる。

発明が解決しようとする課題

0010

従来のマルチキャリア送信機は、合成器で少なくとも3dBの損失があるために高周波増幅器の出力信号レベルを高くする必要があった。このため、SEM規格を満たすために歪特性に優れた高周波増幅器を使用したり、高周波増幅器のバイアス電流電圧)を大きくしなければならずコスト高となる問題があった。シングルキャリア運用時の合成器による損失をなくすことができれば、高周波増幅器の出力信号レベルを下げることができるので、ACLR規格を満たすことができる高周波増幅器でSEM規格を満たすことが可能となりコストを下げることができる。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものでありマルチキャリア送信機におけるシングルキャリア運用時の合成器による損失をなくすことを目的とする。

0011

上述した課題を解決するために、本発明は、入力された2つのデータを直交変調し出力する変調部と、この変調部から出力された信号をデジタル−アナログ変換するD/A変換部と、このD/A変換部から出力されたアナログ信号を周波数変換し増幅する高周波回路部とからなる第1及び第2の送信系統と、これらの送信系統から出力される2つのキャリア信号を合成し出力する合成器とを有するマルチキャリア送信機において、シングルキャリア運用時にデータが入力される第1の送信系統に配置された変調部の出力を第2の送信系統に配置されたD/A変換部に入力するスイッチ部を備えたことによって特徴づけられる。このマルチキャリア送信機の一構成例は、シングルキャリア運用時に2つの高周波回路部が出力するキャリア信号の位相を一致させる位相同期手段を備えている。また、マルチキャリア送信機の別の構成例は、シングルキャリア運用時に2つの高周波回路部の増幅利得を低下させる利得制御手段を備えている。

0012

また、本発明のシングルキャリア送信方法は、入力された2つのデータを直交変調し出力する変調部と、この変調部から出力された信号をデジタル−アナログ変換するD/A変換部と、このD/A変換部から出力されたアナログ信号を周波数変換し増幅する高周波回路部とからなる第1及び第2の送信系統と、これらの送信系統から出力される2つのキャリア信号を合成し出力する合成器とを有するマルチキャリア送信機のシングルキャリア送信方法であって、シングルキャリア運用時にデータが入力される第1の送信系統に配置された変調部の出力信号を第2の送信系統に配置されたD/A変換部に入力することによって特徴づけられる。この場合、シングルキャリア運用時に2つの高周波回路部が出力するキャリア信号の位相を一致させる。また、シングルキャリア運用時に2つの高周波回路部の増幅利得を低下させる。

課題を解決するための手段

0013

このようにすることにより、シングルキャリア運用時に同じ信号成分のキャリアが合成器の2つの入力に同時に入力されるので、合成器において従来の合成損失のかわりに合成利得が得られる。このため、シングルキャリア運用時に高周波回路部の出力信号レベルを下げることができ、高周波回路部に用いる高周波増幅器の3次歪特性を改善することができるので、歪特性に優れた高周波増幅器の使用や高周波増幅器のバイアス(電流、電圧)を大きくするなどの対策を行うことなくSEM規格を満たすマージンを得ることが可能となる。

0014

以下に図を用いて発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係るマルチキャリア送信機の一構成例を示すブロック図であり、本発明の実施の形態を示す。図1に示すように、このマルチキャリア送信機は、送信系統A10と送信系統B20と合成器30とスイッチ部40とクロック部50と動作モード切替部60とを有する。送信系統A10は変調部11とD/A変換部12と高周波回路部13とからなり、送信系統B20は変調部21とD/A変換部22と高周波回路部23とからなる。

0015

ここで、送信系統A10の出力するキャリアをf1、送信系統A10に入力されキャリアf1を生成する2つのデータ(I,Q)をf1(I,Q)、送信系統B20の出力するキャリアをf2、送信系統B20に入力されキャリアf2を生成する2つのデータ(I,Q)をf2(I,Q)と記す。図1において、送信系統A10では、キャリアf1を生成するためのデータf1(I,Q)を伝送するデータバスと変調部11の入力とが接続され、変調部11の出力とD/A変換部12の入力とスイッチ部40の入力とが接続され、D/A変換部12の出力と高周波回路部13の入力とが接続され、高周波回路部13の出力と合成器30の一方の入力とが接続されている。また、クロック部50の一方の出力が高周波回路部13と接続されている。

0016

送信系統B20では、キャリアf2を生成するためのデータf2(I,Q)を伝送するデータバスと変調部21の入力とが接続され、変調部21の出力とD/A変換部22の入力とスイッチ部40の出力とが接続され、D/A変換部22の出力と高周波回路部23の入力とが接続され、高周波回路部23の出力と合成器30の他方の入力とが接続されている。また、クロック部50の他方の出力が高周波回路部23と接続されている。さらに、動作モード切替部60の制御出力が高周波回路部13、高周波回路部23、スイッチ部40及びクロック部50とそれぞれ接続されている。

0017

この場合、送信系統A10の変調部11と送信系統B20の変調部21とは同一構成の周知の直交変調回路であり、中間周波数(IF)のキャリア(以後、IFローカル信号という)を入力された2つのデータ(I,Q)で直交変調しIF信号として出力する機能を有する。図2は、図1の変調部11,21の一構成例を示すブロック図である。同図において、変調部11,21は、2つのかけ算器111,112とIF局部発信器113と遅延部114と足し算器115とからなる。

0018

かけ算器111は、2つの入力と1つの出力とを有し、一方の入力にIデータの信号ラインが接続され、他方の入力にIF局部発信器113のIFローカル信号出力が接続されている。かけ算器112は、2つの入力と1つの出力とを有し、一方の入力にQデータの信号ラインが接続され、他方の入力に遅延部114を介してIF局部発信器113のIFローカル信号出力が接続されている。足し算器115は、2つの入力と1つの出力とを有し、一方の入力にかけ算器111の出力が接続され、他方の入力にかけ算器112の出力が接続されている。かけ算器111のIデータの信号ラインが接続された入力とかけ算器112のQデータの信号ラインが接続された入力とが変調部11,21の入力を構成し、足し算器115の出力が変調部11,21の出力を構成する。

0019

ここで、IF局部発信器113はIFローカル信号を出力し、遅延部114はIFローカル信号の位相を90度遅らせる。かけ算器111は入力されたIデータをIFローカル信号と乗算して周波数変換する。かけ算器112は、入力されたQデータを90度位相遅れたIFローカル信号と乗算して周波数変換する。足し算器115は、かけ算器111の出力する周波数変換されたIデータとかけ算器112の出力する周波数変換されたQデータとを足し算したIF信号を出力する。この場合、足し算器115はIF信号を14ビットパラレルデータとして出力する。

0020

このような構成において、変調部11,21は、入力されたIデータをIFローカル信号と乗算して周波数変換するとともに、入力されたQデータを90度位相を遅らせたIFローカル信号と乗算して周波数変換し、これら周波数変換したIデータとQデータとを足し算することによりIデータとQデータとを直交変調したIF信号として出力する。この場合、IF信号は14ビットのパラレルデータで構成されている。この変調部11,21は、ゲートアレー等の半導体チップで構成してもよいし、市販のモデムや同等の機能を持つTSP(Tx Signal Processor)を用いてもよい。

0021

送信系統A10のD/A変換部12と送信系統B20のD/A変換部22とは同一構成の回路であり、変調部11,21の出力するIF信号をアナログ信号に変換し出力する機能を有する。この場合、D/A変換部12,22は変調部11,21の出力するIF信号に対応し、14ビットの周知のD/Aコンバータで構成されている。

0022

送信系統A10の高周波回路部13と送信系統B20の高周波回路部23とは同一構成の回路であり、D/A変換部12,22の出力するアナログ信号を所定の送信周波数に変換した後、所定の送信出力に増幅して出力する機能を有する。図3は、図1の高周波回路部13,23の一構成例を示すブロック図である。同図において、高周波回路部13,23は、RF局部発信器131とミキサ132とフィルタ133と利得可変増幅器134と高周波増幅器135とからなる。

0023

RF局部発信器131は、1つの入力と1つの出力とを有し、入力に外部のクロック部50の出力が接続されている。ミキサ132は2つの入力と1つの出力とを有し、一方の入力に高周波回路部13の入力としてD/A変換部12,22の出力が接続され、他方の入力にRF局部発信器131の出力が接続されている。ミキサ132の出力はフィルタ133の入力に接続され、フィルタ133の出力は利得可変増幅器134の入力に接続されている。利得可変増幅器134は利得制御入力を有し、この利得制御入力に外部から利得制御信号を伝送する制御線が接続されている。利得可変増幅器134の出力は高周波増幅器135の入力に接続され、高周波増幅器135の出力は高周波回路部13の出力として合成器30の入力に接続されている。

0024

ここで、RF局部発信器131はD/A変換部12,22の出力するアナログ信号を送信周波数帯である2GHz帯に変換するためのRFローカル信号をクロック部50から入力されるリファレンス信号に基づいて生成し出力する。ミキサ132は、入力されたアナログ信号をRFローカル信号と混合し送信周波数帯である2GHz帯に変換する。フィルタ133は、ミキサ132で生じたスプリアスを除去する。利得可変増幅器134は、利得制御信号に基づいて利得を変化させ、高周波増幅器135の出力が所定の送信出力となるように高周波増幅器135へ入力する信号レベルを制御する。高周波増幅器135は、利得可変増幅器134から入力された送信周波数帯の信号を増幅し出力する。

0025

このような構成において、高周波回路部13,23は、D/A変換部12,22の出力するアナログ信号をRFローカル信号と混合して送信周波数帯である2GHz帯に変換した後、スプリアスを除去し、所定の送信出力に増幅して出力する。この場合、RF局部発信器131はPLL(Phase Locked Loop)回路で構成する。ミキサ132、フィルタ133及び利得可変増幅器134は、従来のマルチキャリア送信機で用いられているものと同様のもので構成する。高周波増幅器135は、ACLR規格に適合した高周波増幅器で構成する。

0026

合成器30は、2つの入力と1つの出力を有し、それぞれの入力から同時に入力される送信系統A10で生成されたキャリアと送信系統B20で生成されたキャリアとを結合し、ひとまとまりにして出力する。この実施の形態では、合成器30に従来と同様のウィルキンソンのハイブリッドと呼ばれるλ/4の波長のラインで構成される合成器を用いる。

0027

スイッチ部40は、シングルキャリア運用時に送信系統A10の変調部11の出力を送信系統B20のD/A変換部22に入力する機能を有する。図4は、図1のスイッチ部40の一構成例を示すブロック図である。同図において、スイッチ部40は変調部11,21の出力する14ビットのIF信号に対応し、14個のスイッチを有しており、これらのスイッチの入力側が送信系統A10の変調部11の出力とD/A変換部12の入力とを接続するf1データインタフェースパラレル信号線に接続され、これらのスイッチの出力側が送信系統B20の変調部21の出力とD/A変換部22の入力とを接続するf2データインタフェースのパラレル信号線に接続されている。このスイッチ部40は、後述する動作モード切替部60から入力されるスイッチ制御信号によりすべてのスイッチを同時に切り替えるように構成されており、シングルキャリア運用時にスイッチ制御信号によりスイッチが閉じて送信系統A10の変調部11の出力と送信系統B20のD/A変換部22の入力とを接続する。

0028

クロック部50は、RF局部発信器131がRFローカル信号を生成するためのリファレンス信号を生成し、生成したリファレンス信号を2つの高周波回路部13,23のRF局部発信器131それぞれに入力する機能を有する。ここで、クロック部50は、後述する動作モード切替部60から入力される動作モード信号に基づいて、2つの高周波回路部13,23に入力するリファレンス信号を切り替える。動作モードがマルチキャリア運用のときは、2つの高周波回路部13,23に5MHz離れた周波数の異なるリファレンス信号を出力する。また、動作モードがシングルキャリア運用のときは、2つの高周波回路部13,23に同じリファレンス信号を出力する。この場合、クロック部50は、2つの高周波回路部13,23が出力するキャリア信号の位相を一致させる位相同期手段として機能する。

0029

動作モード切替部60は、この実施の形態のマルチキャリア送信機において、マルチキャリア運用モードとシングルキャリア運用モードの切替に伴う制御信号を出力する機能を有する。この場合、動作モード切替部60は、2つの高周波回路部13,23とスイッチ部40とクロック部50とに動作モードの切替に伴う制御信号を出力する。高周波回路部13,23には利得制御信号を出力し、シングルキャリア運用時の利得を低下させる。スイッチ部40にはスイッチ制御信号を出力し、シングルキャリア運用時に送信系統A10に配置された変調部11の出力を送信系統B20に配置されたD/A変換部22の入力と接続する。クロック部50には動作モード信号を出力し、クロック部50がマルチキャリア運用に異なる周波数のリファレンス信号を出力し、シングルキャリア運用時に同じリファレンス信号を出力するように制御する。

0030

次に、図1を参照してこのマルチキャリア送信機の動作を説明する。まず、マルチキャリア運用時について説明する。マルチキャリア運用時は、動作モード切替部60により、スイッチ部40のスイッチを開かせるとともに、送信系統A10の高周波回路部13へ出力するリファレンス信号と送信系統B20の高周波回路部23へ出力するリファレンス信号とが異なる周波数となるようにクロック部50を制御する。また、高周波回路部13,23に出力する利得制御信号を利得を向上させる設定とする。

0031

このような状態において、送信系統A10にデータf1(I,Q)を入力し、送信系統B20にデータf2(I,Q)を入力する。送信系統A10において、データf1(I,Q)は変調部11でIQ直交変調された後、D/A変換部12でアナログ信号に変換され、さらに高周波回路部13で所定の送信周波数に周波数変換後、所定の出力に増幅されキャリアf1として合成器30の一方の入力に入力される。一方、送信系統B20において、データf2(I,Q)は変調部21でIQ直交変調された後、D/A変換部22でアナログ信号に変換され、さらに高周波回路部23で送信系統A10の送信周波数と5MHz離れた所定の送信周波数に周波数変換後、送信系統A10と同じ所定の出力に増幅されキャリアf2として合成器30の他方の入力に入力される。合成器30に入力されたキャリアf1とキャリアf2は、合成器30により結合され、ひとまとまりにして出力される。

0032

次に、シングルキャリア運用時について説明する。シングルキャリア運用時は、動作モード切替部60により、スイッチ部40のスイッチを閉じるとともに、送信系統A10の高周波回路部13と送信系統B20の高周波回路部23とに同じリファレンス信号を出力するようにクロック部50を制御する。また、高周波回路部13,23に出力する利得制御信号を利得を低下させる設定とする。

0033

このような状態において、送信系統A10のみにデータf1(I,Q)を入力する。送信系統A10において、データf1(I,Q)は変調部11でIQ直交変調された後、D/A変換部12とスイッチ部40を介して送信系統B20のD/A変換部22とに入力される。D/A変換部12に入力された信号はアナログ信号に変換され、さらに高周波回路部13で所定の送信周波数に周波数変換された後、所定の出力に増幅されキャリアf1として合成器30の一方の入力に入力される。

0034

一方、送信系統B20のD/A変換部22に入力された信号はアナログ信号に変換され、さらに高周波回路部23で送信系統A10の送信周波数と同じ周波数に周波数変換された後、送信系統A10と同じ所定の出力に増幅され、送信系統A10の出力するキャリアf1と位相、周波数及び信号レベルが等しいキャリアf1’となり合成器30の他方の入力に入力される。合成器30に入力されたキャリアf1とキャリアf1’とは、合成器30により結合され、1つのキャリアf1として出力される。

0035

ここで、キャリアf1とキャリアf1’とは、同じ信号成分からなり、位相、周波数及び信号レベルが等しいので、合成器30の2つの入力端子の間に発生する電位差が常に同じとなる。このため、2つの入力により合成された電力は減衰することなく出力に現れ、3dBの合成利得が得られる。すなわち、この実施の形態によればシングルキャリア運用時には3dBの合成損失ではなく3dBの合成利得が得られるので、マルチキャリア運用時と比べて信号レベルが6dB高くなる。よって、シングルキャリア運用時には高周波回路部13,23の利得可変増幅器134の利得を6dB下げて使用することが可能となるので、高周波増幅器135の入力レベルも6dB下げることができるので、高周波増幅器135の出力の3次歪が大きく改善される。

0036

例えば、合成器30の出力で0dBmの送信出力が必要な場合、マルチキャリア運用時は、合成器30で3dBの合成損失が生じるため、高周波回路部13,23の高周波増幅器135の出力として+3dBmが必要となる。これに対して、シングルキャリア運用時は、合成器30で3dBの合成利得が生じるため、高周波回路部13,23の高周波増幅器135の出力はマルチキャリア運用時より6dB低い、−3dBmでよい。

0037

ここで、図5を参照して高周波増幅器135の入出力レベルと3次歪特性の関係を説明する。図5は、高周波増幅器の3次歪特性を示すグラフである。図5において、横軸は高周波増幅器の入力信号レベルで単位はdBm、縦軸は高周波増幅器の出力信号レベルで単位はdBmである。この場合、マルチキャリア運用時の高周波増幅器の出力信号レベルは+3dBmであるから、図5より高周波増幅器の入力信号レベルは−17dBmが必要となり、このときの3次歪は54dBcで現れることがわかる。

発明を実施するための最良の形態

0038

一方、シングルキャリア運用時の高周波増幅器の出力信号レベルは−3dBmであるから、図5より高周波増幅器の入力信号レベルは−23dBmが必要となり、このときの3次歪は66dBcで現れることがわかる。すなわち、この実施の形態のマルチキャリア送信機は、シングルキャリア運用時において3次歪特性がマルチキャリア運用時に比べて12dB改善される。よって、ACLR規格を満たすことができる高周波増幅器でSEM規格を満足させるためのマージンを確保することが可能となりコストを下げることができる。

図面の簡単な説明

0039

以上説明したように、本発明のマルチキャリア送信機は、シングルキャリア運用時に同じ信号成分のキャリアを合成器の2つの入力に同時に入力するようにしたので、合成器において従来の合成損失のかわりに合成利得が得られる。このため、シングルキャリア運用時に高周波増幅器の出力信号レベルを下げることができ、3次歪特性を改善することができるので、歪特性に優れた高周波増幅器の使用や高周波増幅器のバイアス(電流、電圧)を大きくするなどの対策を行うことなくSEM規格を満たすマージンを得ることが可能となり、マルチキャリア送信機のコストを低減する効果が得られる。

図1
本発明に係るマルチキャリア送信機の一構成例を示すブロック図である。
図2
図1の変調部の一構成例を示すブロック図である。
図3
図1の高周波回路部の一構成例を示すブロック図である。
図4
図1のスイッチ部の一構成例を示すブロック図である。
図5
高周波増幅器の3次歪特性を示すグラフである。
図6
従来のマルチキャリア送信機の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…送信系統A、11,21…変調部、12,22…D/A変換部、13,23…高周波回路部、20…送信系統B、30…合成器、40…スイッチ部、50…クロック部、60…動作モード切替部、111,112…かけ算器、113…IF局部発信器、114…遅延部、115…足し算器、131…RF局部発信器、132…ミキサ、133…フィルタ、134…利得可変増幅器、135…高周波増幅器。

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