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技術 複数ポイントのプレス機械

出願人 アイダエンジニアリング株式会社
発明者 今西詔三落合憲治
出願日 2002年8月13日 (17年8ヶ月経過) 出願番号 2002-235770
公開日 2004年3月11日 (16年1ヶ月経過) 公開番号 2004-074197
状態 特許登録済
技術分野 プレス機械及び付属装置 プレス機械の駆動及びプレスライン
主要キーワード 均等荷重 アジャスト装置 ソケットジョイント 上向き凸 検出シート 加圧分布 大型トランス クリアランス量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年3月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

多点プレスにおける均等な荷重の維持、スライドの下面の平坦性の維持およびそれによる加工精度の向上を図る。

解決手段

クラウン14と、そのクラウン14に回転自在に設けられるクランク軸18と、そのクランク軸にそれぞれ大端部23が取り付けられる3本以上のコンロッド20、21、22と、それらのコンロッドの小端部に取り付けられ、フレームによって上下動自在にガイドされるスライド27とを有し、中央のコンロッド21のピッチ長さが、両端のコンロッド20、22のピッチ長さよりも長いプレス機械10。中央のコンロッド21のピッチ長さは長さ調節機構28により可変に構成している。無負荷の状態では、プレスの下死点では両端のコンロッド20、22とクランク軸18の連結部が下方に大きいクリアランスC1を有し、中間部のコンロッド21とクランク軸18の連結部が上方に大きいクリアランスC2を有する。

概要

背景

本出願人は昭和40年代に1スライド3点駆動の大型トランスファプレスを製造している。また、特開平8−118084号公報にも、プレス機械を1スライド3点駆動とすることにより、不均等荷重に対してラム(スライド)の変形を少なくし、加工精度を向上させる技術が開示されている。そのような3点支持のプレス機械では、図7aに示すように、クラウン100に設けた軸受け部101によって1本のクランク軸102を回転自在に支持し、そのクランク軸に設けた3個所偏心部103によってそれぞれ1本ずつのコンロッド104の大端部上端)を回転自在に支持している。そして3本のコンロッド104の小端部下端)をボールジョイント105を介してプランジャ106に連結し、3本のプランジャで1個のラム107を吊り下げている。プランジャ106はクラウン100に設けたシリンダ108によって上下動自在にガイドされている。

概要

多点プレスにおける均等な荷重の維持、スライドの下面の平坦性の維持およびそれによる加工精度の向上をる。クラウン14と、そのクラウン14に回転自在に設けられるクランク軸18と、そのクランク軸にそれぞれ大端部23が取り付けられる3本以上のコンロッド20、21、22と、それらのコンロッドの小端部に取り付けられ、フレームによって上下動自在にガイドされるスライド27とを有し、中央のコンロッド21のピッチ長さが、両端のコンロッド20、22のピッチ長さよりも長いプレス機械10。中央のコンロッド21のピッチ長さは長さ調節機構28により可変に構成している。無負荷の状態では、プレスの下死点では両端のコンロッド20、22とクランク軸18の連結部が下方に大きいクリアランスC1を有し、中間部のコンロッド21とクランク軸18の連結部が上方に大きいクリアランスC2を有する。 

目的

本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、多点プレスにおける均等な荷重の維持、スライドの下面の平坦性の維持およびそれによる加工精度の向上を技術課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

フレームと、そのフレームに回転自在に設けられるクランク軸と、そのクランク軸にそれぞれ大端部が取り付けられる3本以上のコンロッドと、それらのコンロッドの小端部に取り付けられ、フレームによって上下動自在にガイドされるスライドとを有し、無負荷でスライドの下死点のときに、両端のコンロッドとクランク軸の連結部が下方にクリアランスを有し、中間部のコンロッドとクランク軸の連結部が上方にクリアランスを有するように構成されている、複数ポイントプレス機械

請求項2

前記3本以上のコンロッドのうち、中間部のコンロッドの長さを、前記クリアランスの差が生ずる程度に、両端のコンロッドの長さよりも長くしている請求項1記載のプレス機械。

請求項3

前記中間部または両端のコンロッドの長さを調節自在に構成している請求項2記載のプレス機械。

請求項4

前記中間部のコンロッドのクランク軸偏心量を、前記クリアランスの差が生ずる程度に、両端のコンロッドのクランク軸偏心量よりも大きくしている請求項1記載のプレス機械。

請求項5

前記中間部または両端のコンロッドのクランク軸偏心量を調節自在に構成している請求項4記載のプレス機械。

請求項6

フレームと、そのフレームに回転自在に設けられるクランク軸と、そのクランク軸にそれぞれ大端部が取り付けられる3本以上のコンロッドと、それらのコンロッドの小端部に取り付けられ、フレームによって上下動自在にガイドされるスライドとを有するプレス機械であって、さらに前記両端または中間部のコンロッドに対応する部位のスライドダイハイトアジャスト装置と、前記スライドダイハイトアジャストを、無負荷でスライドの下死点のときに、両端のコンロッドとクランク軸の連結部が下方にクリアランスを有し、中間部のコンロッドとクランク軸の連結部が上方にクリアランスを有するように自動設定する手段とを備えている複数ポイントのプレス機械。

技術分野

0001

本発明は1基のスライドを複数の点(ポイント)で駆動するプレス機械、とくに1スライド3点駆動のプレス機械に関し、負荷を受けるスライドの変形をより小さくするために、各ポイントへの負荷分散を効果的に行うことができるプレス機械に関する。

背景技術

0002

本出願人は昭和40年代に1スライド3点駆動の大型トランスファプレスを製造している。また、特開平8−118084号公報にも、プレス機械を1スライド3点駆動とすることにより、不均等荷重に対してラム(スライド)の変形を少なくし、加工精度を向上させる技術が開示されている。そのような3点支持のプレス機械では、図7aに示すように、クラウン100に設けた軸受け部101によって1本のクランク軸102を回転自在に支持し、そのクランク軸に設けた3個所偏心部103によってそれぞれ1本ずつのコンロッド104の大端部上端)を回転自在に支持している。そして3本のコンロッド104の小端部下端)をボールジョイント105を介してプランジャ106に連結し、3本のプランジャで1個のラム107を吊り下げている。プランジャ106はクラウン100に設けたシリンダ108によって上下動自在にガイドされている。

0003

上記のような3点でスライダを駆動するプレス機械では、スライド単体曲げ剛性が比較的小さくても、支点スパンが短いため、作業時の負荷による撓みを小さくすることができ、スライド下面平坦度が維持される。ここでスライド単体の剛性が小さいとすると、スライド下面の平坦度を左右するのは、基本的にはコンロッド、クランク軸、クラウンの剛性であり、さらにそれに付帯する連結部のクリアランス条件が加わる。

0004

たとえば3点プレス機械で3点に同じ負荷が作用したとしても、クランク軸とコンロッドの大端部の軸下側クリアランスが3個所とも同一でなければ、クリアランス「大」のポイントでは他のポイントがクランク軸に荷重伝達してスライドが撓んだ後でないと、そのポイントはクランク軸に荷重伝達できない。また、無負荷時には3個所ともクリアランスCが同一であっても(図7b参照)、クランク軸102に同一の荷重伝達をしようとしても、クランク軸102を支持しているクラウン100が完全剛体ではないので、負荷を受けると変形し、3点が均等に負荷を受けることができない。そのため、実際には負荷時にスライドの下面は中央部が上向き凸になるように変形し(図7c参照)、スライドの下面を平坦に維持することは困難である。すなわち単に3点(多点)プレスにするだけでは、軸受けかじり現象などの障碍を引き起こしこそすれ、精度維持への充分な効果は期待できない。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり、多点プレスにおける均等な荷重の維持、スライドの下面の平坦性の維持およびそれによる加工精度の向上を技術課題とするものである。

0006

本発明の複数ポイントのプレス機械(請求項1)は、フレームと、そのフレームに回転自在に設けられるクランク軸と、そのクランク軸にそれぞれ大端部が取り付けられる3本以上のコンロッドと、それらのコンロッドの小端部に取り付けられ、フレームによって上下動自在にガイドされるスライドとを有し、無負荷でスライドの下死点のときに、両端のコンロッドとクランク軸の連結部が下方にクリアランスを有し、中間部のコンロッドとクランク軸の連結部が上方にクリアランスを有するように構成されていることを特徴としている。

0007

このようなプレス機械は、3本以上のコンロッドのうち、中間部のコンロッドの長さを、前記クリアランスの差が生ずる程度に、両端のコンロッドの長さよりも長くすることにより実現できる(請求項2)。その場合、中間部または両端のコンロッドの長さを調節自在に構成するのが好ましい(請求項3)。

0008

また本発明のプレス機械は、中間部のコンロッドのクランク軸偏心量を、両端のコンロッドのクランク軸偏心量よりも大きくすることによっても実現することができる(請求項4)。その場合も中間部または両端のコンロッドのクランク軸偏心量を調節自在に構成するのが好ましい(請求項5)。

0009

本発明のプレス機械の第2の態様(請求項6)は、フレームと、そのフレームに回転自在に設けられるクランク軸と、そのクランク軸にそれぞれ大端部が取り付けられる3本以上のコンロッドと、それらのコンロッドの小端部に取り付けられ、フレームによって上下動自在にガイドされるスライドとを有するプレス機械であって、さらに、前記両端または中間部のコンロッドに対応する部位のスライドダイハイトアジャスト装置と、前記スライドダイハイトアジャストを、無負荷でスライドの下死点のときに、両端のコンロッドとクランク軸の連結部が下方にクリアランスを有し、中間部のコンロッドとクランク軸の連結部が上方にクリアランスを有するように自動設定する手段とを備えていることを特徴としている。

0010

【作用および発明の効果】
本発明のプレス機械(請求項1)では、スライドが下死点に来たとき、中間部のコンロッドはクランク軸とのクリアランスが下側にあり、両端のコンロッドでは上側にある。すなわち両端のコンロッドの下側のクリアランスが0であり、実質的に両端のコンロッドでスライドを吊り下げている状態である。この状態でプレス加工を行い、スライドに上向きの負荷が加わると、まず中間部のコンロッドがクランク軸に荷重を伝達し、クランク軸・クラウンが撓んでクリアランスがなくなってから、両端のコンロッドからもクランク軸へ荷重が伝達されるようになる。そのため、負荷が加わった時点では中間部の撓みが両端部の撓みよりも大きくなり、その結果、スライドの下面の平坦度が保たれ、高精度のプレス成形が可能になる。

0011

前記3本以上のコンロッドのうち、中間部のコンロッドの長さを、前記クリアランスの差が生ずる程度に、両端のコンロッドの長さよりも長くする場合(請求項2)は、スライドが上死点の時、中間部のコンロッドはクランク軸とのクリアランスが下側にあり、両端のコンロッドでは上側にある。そしてクランク軸が180度回転して下死点に来たときも、上記のクリアランスの関係は変わらない。したがって下死点においても、中間部のコンロッドではクリアランスが下側で、両端部のコンロッドでは上側に来る。したがって前記本発明のプレス機械の作用効果が奏される。

0012

このような両端と中間部のコンロッドのピッチが異なるプレス機械において、中間部または両端のコンロッドの長さを調節自在に構成する場合(請求項3)は、負荷条件によって両端と中間部のクリアランスの差を変えることができる。そのため、負荷が大きいときはクリアランスの差を大きくし、負荷が小さいときはクリアランスの差を小さくすることによって、下降時のスライドの平坦度を一層高くすることができる。したがってプレス成形の加工精度を一層向上させることができる。

0013

前記中間部のコンロッドのクランク軸偏心量を、前記クリアランスの差が生ずる程度に、両端のコンロッドのクランク軸偏心量よりも大きくする場合(請求項4)は、スライドが上死点の時、中間部のコンロッドはクランク軸とのクリアランスが上側にあり、両端のコンロッドでは下側にある。しかしクランク軸が180度回転して下死点に来たときは、逆に中間部のコンロッドではクリアランスが下側で、両端部のコンロッドでは上側に来る。それにより前記本発明のプレス機械の作用効果が奏される。

0014

このようなクランク軸の偏心量を変えることによってクリアランスを変えるプレス機械において、前記中間部または両端のコンロッドのクランク軸偏心量を調節自在に構成する場合は、コンロッドのピッチを変える場合と同様に、負荷の大小に応じて下死点におけるクリアランスの差を変えることができ、スライドの下面の平坦度を一層正確にすることができる。それにより加工精度が高くなる。

課題を解決するための手段

0015

本発明のプレス機械の第2の態様(請求項6)は、スライドダイハイトアジャスト装置および自動的に設定する手段により、無負荷でスライドの下死点のときに、両端のコンロッドとクランク軸の連結部が下方にクリアランスを有し、中間部のコンロッドとクランク軸の連結部が上方にクリアランスを有するように設定される。そのため、前述のコンロッドの長さを変える場合と同様に、成形加工時におけるスライドの下面の平坦度を高く保つことができ、プレス成形の加工精度を高くすることができる。

0016

つぎに図面を参照しながら本発明のプレス機械の実施の形態を説明する。図1a〜cはそれぞれ本発明のプレス機械の一実施形態の駆動部における、無負荷上死点、無負荷下死点および有負荷下死点の状態を示すスケルトン図、図2および図3はそれぞれそのプレス機械の全体を示す一部断面正面図および一部断面側面図、図4は本発明に関わるコンロッドの長さ調節機構の一実施形態を示す一部断面正面図、図5aおよび図5bは本発明のプレス機械の他の実施形態の駆動部における、無負荷上死点および無負荷下死点の状態を示すスケルトン図、図6は本発明に関わる偏心量調節機構の一実施形態を示す要部断面図である。

0017

始めに図2および図3を参照して、本発明が適用されるプレス機械の全体の構成を簡単に説明する。図2および図3に示すプレス機械10は、ベッド11と、そのベッドの前後左右から立ち上がる4本のコラム12と、それらのコラムの上端に設けられるクラウン14とから構成される枠状のフレームを備えている。前記クラウン14には、直線状に配置される3個所の軸受け部15が設けられている。各軸受け部15は、軸方向に間隔を開けて配置される板状の支持部材16と、その軸受け部材に形成した円形の孔内に設けられる円筒状のブッシュ17とを備えている。そしてそれらの軸受け部15は1本のクランク軸18を回転自在に支持している。そのクランク軸18は、軸受け部材16、16の間の部分が偏心部19とされている。この実施形態では3個所の偏心部19の偏心量(図3の符号e)は同一である。

0018

それぞれの偏心部19には、コンロッド20、21、22の上端部(大端部)23が回転自在に取り付けられている。そしてコンロッド20の小端部はボールジョイント(ボールソケットジョイント)24を介してプランジャ25の上端に二軸廻り回動自在に連結されている。通常はコンロッド側にボールが設けられ、プランジャ側ソケットが設けられている。それぞれのプランジャ25は、クラウン14に設けられる円筒状のシリンダ26によって上下動スライド自在にガイドされている。そして3本のプランジャ26の下端に、1個のスライド27が連結されている。クラウン14、クランク軸18、プランジャ25およびスライド27は、従来公知のものを使用することができる。

0019

この実施形態では、3本のコンロッドのうち、中央のコンロッド21が上部21aと下部21bとに分かれており、モータないし手動で駆動するネジ式の長さ調節機構28などよって長さ調節自在に連結されている。ここにいうコンロッドの長さとは、いわゆるコンロッドのピッチであり、大端部23と小端部(ボールジョイント24のボール)の中心同士の間隔を意味する。長さが調節できる範囲は、クラウン14やクランク軸18の剛性によっても異なるが、通常は0.05〜3mm程度、場合により0.1〜0.5mm程度である。調整は連続的にできるものが好ましいが、不連続に調整できるものでもよい。調整幅あるいは調整精度はたとえば0.01〜0.2mm程度、場合により0.005〜0.01mm程度とするのが好ましい。そして中央のコンロッド21の長さは、両端のコンロッド20、22の長さよりも、長く設定されている。

0020

中央のコンロッド21の長さと両端のコンロッド20、22の長さの差は、図1aに示すように、偏心部19の外径とコンロッドの大端部23の内径の差であるクリアランス程度としている。それによりプレス機械の上死点では、図1aに示すように、両端のコンロッド20、22では、大端部23下側にクリアランスC1があり、中央のコンロッド21では、大端部上側に大きいクリアランスC2があり、下側のクリアランスC3は小さい。その他の場所、たとえば軸受け部15とクランク軸18のクリアランスなどは、3個所とも同一と考える。要はクリアランスの相対差コンロッド大端部23に集約されているものとする。この状態では、中央のコンロッド21では大端部の上側に大きいクリアランスC2があることから分かるように、スライド27は、両端のコンロッド20、22で吊り下げられている。また、中央のコンロッド21の大端部の下側に小さいクリアランスC3が残っていることから分かるように、中央のコンロッド21には張力圧縮力も加わっていない。

0021

つぎに図1bに示すように、クランク軸18が180度回転すると、偏心部19が下側に移り、スライド27が下降する。この実施形態では偏心量eが3個所とも同一なので、この状態でも上記クリアランスの関係は変わらない。したがって左右の端部のコンロッドの大端部では下側にクリアランスC1があり、中央のコンロッドの大端部では上側にクリアランスC2がある。この状態で被加工物から負荷を受けたスライド27が上昇していくとすると、中央のコンロッド21の大端部の下側のクリアランスC3分上昇した時点で、クランク軸18に荷重を伝達する。その時点では左右の端部のコンロッド20、22の大端部の下側にまだクリアランスが残っている。そしてクランク軸18およびクラウン14が中央が上向きに凸となるように撓み変形すると、左右の端部のコンロッド20、22の大端部の下側のクリアランスがなくなる。そしてさらに加圧されて撓み変形が増加することにより、左右のコンロッド20、22を経由して両端のクランク軸の偏心部19にも荷重が伝達されるようになる。

0022

このとき、中央1点のみで負荷を受けたときに、クランク軸・クラウンの撓み量(両端のクランク軸偏心部19と中央のクランク軸偏心部19の上下高さ変化量)Yと、両端コンロッド大端部下側クリアランス量と中央コンロッド大端部下側クリアランス量の差とが等しければ、3点は同じ負荷を受けていることになる。そのため、結果的にスライド下面の平坦度が保たれ、高精度のプレス成形が可能になる。

0023

なお、両端と中央のコンロッドの長さの違いは、クリアランス小となる側が「0」または「−(マイナス)」になってクランク軸18を反らせるように変形させる状態とするのは好ましくない。そのような状態は、軸受け異常を起こす原因となりがちであるからである。「クランク軸・クラウンの撓み量>クリアランス量の差」となるときは、その分のスライド下面の平坦誤差許容するか、あるいは不等号が逆向きになるように、どちらかの値を変える。前記実施形態では中央のコンロッド21の長さを長くすることにより、クリアランスの差を大きくすることができる。すなわち加工時の負荷が大きい場合は、中央のコンロッド21の長さを長くしてクリアランスの差を大きくする。ただし前述のようにクランク軸18を反らせるほどクリアランスの差を大きくすることは好ましくない。

0024

前記実施形態においては、中央のコンロッド21に長さ調節機構28を設けてその長さを負荷に応じて変えるようにしているが、中央のコンロッド21の長さを固定し、両端のコンロッド20、21の長さを長さ調節機構などで調節するように構成することもできる。ただし一般的なスライドの中央に大きい負荷が加わるプレス機械においては、中央のコンロッド21の長さを調節することができるように構成する方が好ましく、1本のコンロッドで済むので、製造が容易であり、また、調節作業も容易になる。他方、3本のコンロッド全体について、コンロッドの長さを調節できるように構成してもよい。その場合は負荷の分布が大きく変動する場合、たとえば金型配置が大きく異なる場合などにも好適に対応することができる。

0025

コンロッド21の長さの調節は、金型を取り付けて試し打ちを行い、たとえばコンロッドに設けた歪みゲージでコンロッドの圧縮変形を検出し、その検出値に応じてコンロッド21に設けたの長さ調節機構28で調節することにより行うことができる。また、金型とボルスタの間に加圧力検出シート(加圧力の大きさに応じて色が変化するもの)などを介在しておき、試し打ちによって加圧力の分布を検出し、各金型の加圧分布が、もっとも歴説になるように調節することもできる。また、中央のコンロッド21の縮み電気的なデータとして検出し、あらかじめ作成したプログラムに応じて長さ調節機構28のモータを所定回転だけ回転させるなどにより、自動的に調節させるようにすることもできる。

0026

いずれに場合も、スライド27の下死点で圧縮変形を生じさせた状態で、歪みを均等にする(スライドの下面を平坦にする)ようにコンロッドピッチを調節するようにしてもよい。なお、負荷の量および分布は、金型設計時に定めておき、その設計値に基づいて自動調節させるようにすることもできる。このような自動調節は、両端のコンロッド20、22でコンロッドの長さ調節する場合や、全部のコンロッド20、21、22の長さを調節する場合にも、採用することができる。

0027

前記実施形態では負荷に応じてコンロッド20、21、22の長さを変えることによりクリアランスを調整するようにしているが、あらかじめ設計寸法において中央のコンロッドの長さを長くしておくこともできる。その場合は負荷に応じてコンロッドの長さを調節できず、あらかじめ定めた寸法差でコンロッドを製造する。長さの寸法差は、たとえば負荷が最大負荷の70%のときに平坦度がベストとなるようにするか、あるいは100%負荷のときにベストにするか、そのプレス機械の使用条件などに応じて選択すればよい。

0028

スライドにダイハイトアジャスト装置を備えているプレス機械の場合は、コンロッドの長さを調節することに変えて、ダイハイトを両端と中央で負荷に応じて変えるようにしてもよい。例えば100%負荷の時は中央のダイハイトを0.2mm下げ、50%負荷の時は0.1mm下げるなどにより対応する。その場合も、負荷の量を設定すれば、自動的にダイハイトの調節をするように構成することができる。上記のようにダイハイトアジャスト装置は、ダイハイトの調整で中央と両端のダイハイトを変えることにより、スライドの下面の平坦度を維持する機構に兼用することもできる。しかし一般的なダイハイトアジャスト装置では精度が不充分であるので、別個に調整精度が高いスライド下面の平坦度維持のためのダイハイト調整装置を設けるほうが好ましい。その場合の調整の精度は、たとえば0.01〜0.2mm程度、場合により0.005〜0.01mm程度とするのが好ましい。ただしこのような高精度の調整は、ダイハイトの調整で対応するよりも、前述のコンロッドの長さ調整で対応する方が構成が簡単になる。そのため、平坦度の維持のための専用装置である前述のコンロッドの長さ調整装置のほうが一層好ましい。

0029

図4はコンロッド21の長さを調節するための長さ調節機構の一実施形態を示している。この長さ調節機構28は、コンロッド21の上部20aの下端に形成した雌ネジ31と、その雌ネジと螺合するように下部21bの上端に形成した雄ネジ32と、下部20bの外周に形成したギヤ33と、そのギヤ33と噛み合うピニオン34と、そのピニオンを回転駆動する減速機付きのモータMとから構成されている。減速機付きモータMの減速機は、自己拘束性を有するもの、たとえばウォームギヤ減速機などが好ましい。この長さ調節機構28は、モータMが回転すると、ピニオン34を経由して下部21bが回転する。それにより雄ネジ32が雌ネジ32内を螺進して下部21b全体が上下に移動する。なお、下部21bとスライドの連結はボール・ソケット連結であるので、下部21bは自軸廻りに自由に回転することができる。

0030

図5に示すプレス機械40は、図1の場合とは逆に、コンロッドピッチを同一とし、クランク軸偏心量を中央と両端とで変えることで図1のプレス機械10と同様の効果を奏するようにしたものである。すなわち上死点のときは、図5aに示すように3個所ともコンロッド21の大端部のクリアランスは、上側で「小(C3)」となり、下側で「大(C1)」となる。他方、クランク軸が180度回転して下死点に来たときは、図5bに示すように、中央部の偏心量が大であるので、上側で「大(C2)」となり、下側で「小(C3)」となる。両端のコンロッド20、22では上側で「小(C3)」となり、下側で「大(C2)」となる。この状態は図1cのクリアランスの配分状態と同一である。そのため、図1aの場合と同様に、スライド27に上向きの負荷が加わると、最初に中央のコンロッド21からクランク軸18およびクラウン14に荷重が伝達され、クランク軸18およびクラウン14の撓み変形の後、両端のコンロッド20、22からクランク軸18に荷重が伝達される。そのため、スライド27の下面の平坦度が維持される。

0031

クランク軸の偏心量についても、コンロッドの長さ調整の場合と同様に、調整幅あるいは調整の精度は、たとえば0.01〜0.2mm程度、場合により0.005〜0.01mm程度とするのが好ましい。ただし図5に示すクランク軸18の偏心量を変化させる調整機構は、コンロッドの長さを変化させる構造に比して実現が困難である。そのため、通常は固定的な設定となる。その場合、前述のコンロッドの場合に説明したように、偏心量の寸法差は、たとえば負荷が最大負荷の70%のときに平坦度がベストとなるようにするか、あるいは100%負荷のときにベストにするか、そのプレス機械の使用条件などに応じて選択するようにする。

0032

図6はクランク軸18の偏心量を可変にする調整機構の一実施形態を示している。この偏心量調整機構42は、クランク軸18の軸心K1と、偏心部19の軸心K2の位置は変化させず、偏心部19とコンロッド21の大端部23の間に介在させるブッシュを偏心ブッシュ43とし、偏心部19の軸心K1廻りに回転自在に設けている。偏心ブッシュ43の内径はクランク軸18の偏心部19の内径と嵌合する寸法で、外径はコンロッド21の大端部23の内径と嵌合する寸法としており、内径の中心と外径の中心と0.5〜2mm程度偏心させている。図6の状態では、クランク軸18の偏心部19の角度(クランク軸16の軸心K1の下側)と偏心ブッシュ43の外径の軸心(大端部の軸心K3)の角度とが一致している。すなわち偏心ブッシュ43の厚肉側が下側に来ている。そのため、コンロッド21の大端部23の軸心K3は、偏心部19の偏心量e1と偏心ブッシュ43の偏心量e2の和e3(e1+e2)となっている。この状態がコンロッド21の大端部23の偏心量の最大の状態である。この状態から、偏心ブッシュ43を偏心部19の周囲に回転させると、偏心ブッシュの偏心量e2の最大2倍まで、コンロッド21の大端部23の偏心量を調節することができる。

0033

偏心ブッシュ43の偏心部19廻りの回転は、手動操作でも可能であるが、図6の場合は偏心ブッシュ43の端部にフランジ44を設け、その周囲に形成したギヤ45とピニオン46とを噛み合わせ、そのピニオン46を減速機付きのモータMで回転駆動するようにしている。ギヤ45は偏心ブッシュ43の内径の軸心、すなわち偏心部19の軸心K2を中心とするものである。なお、図6の場合は、モータMはクランク軸18に設けている。この場合は、調整後は偏心ブッシュ43との間に相対的な運動がないので、モータMの減速機を自己拘束型とすることによりロック手段とすることができる。ただしクランク軸18はクラウン14などに対して回転するので、モータMへの電源線配線はその回転を許すための構造、たとえばブラシを備えたロータリジョイントなどが必要になる。

0034

モータMはコンロッド21側に設けることもできる。コンロッド21はクラウン14に対して往復揺動するだけであるので、モータMへの配線は容易である。ただし調整後、コンロッ21と偏心ブッシュ43の間の往復揺動を許すために、ピニオン46とモータMとの間にクラッチを設けたり、ピニオン46の動き拘束するブレーキないしロック機構を設ける必要がある。なお、モータMをクランク軸18側に設ける場合も、そのようなブレーキないしロック機構を設けることもできる。

発明を実施するための最良の形態

0035

前記実施形態ではいずれもコンロッドの本数を3本とした3点駆動のプレス機械を示しているが、コンロッドの本数は4本あるいはそれ以上であってもよい。その場合は、両端の2本のコンロッドの長さあるいは偏心量を固定とし、中間の2本あるいは3本以上のコンロッドの長さあるいは偏心量を可変とする。あるいは、固定的な設定とする両端の2本のコンロッドの長さあるいは偏心量に比して、中間の2本あるいはそれ以上のコンロッドの長さあるは偏心量を大きく設定しておくなど、種々の形態を使用することができる。

図面の簡単な説明

0036

また前記実施形態では、コンロッドの長さあるいは偏心量のいずれかを変えているが、両方を同時に調節したり、両方を固定的に設定したり、あるいは一方を固定的に設定し、他方を調節可能にするなど、種々の形態を採用することができる。

図1
図1a〜cはそれぞれ本発明のプレス機械の一実施形態の駆動部における、無負荷上死点、無負荷下死点および有負荷下死点の状態を示すスケルトン図である。
図2
図1のプレス機械の全体を示す一部断面正面図である。
図3
図1のプレス機械の全体を示す一部断面側面図である。
図4
本発明に関わるコンロッドの長さ調節機構の一実施形態を示す一部断面正面図である。
図5
図5aおよび図5bは本発明のプレス機械の他の実施形態の駆動部における、無負荷上死点および無負荷下死点の状態を示すスケルトン図である。
図6
本発明に関わる偏心量調節機構の一実施形態を示す要部断面図である。
図7
図7a〜cはそれぞれ従来のプレス機械の一例の駆動部における、無負荷上死点、無負荷下死点および有負荷下死点の状態を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
10 プレス機械
11 ベッド
12 コラム
14 クラウン
15 軸受け部
16 支持部材
17 ブッシュ
18 クランク軸
19 偏心部
e 偏心量
20、22 両端のコンロッド
21 中央のコンロッド
23 大端部
24 ボールジョイント
25 プランジャ
26 シリンダ
27 スライド
21a 上部
21b 下部
28 長さ調節機構
31 雌ネジ
32 雄ネジ
33 ギヤ
34 ピニオン
M モータ
K1 クランク軸の軸心
K2 偏心部の軸心
43 偏心ブッシュ
K3 偏心ブッシュの偏心量
44 フランジ
45 ギヤ
46 ピニオン

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