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技術 カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス及びその製法

出願人 旭化成ケミカルズ株式会社三洋化成工業株式会社
発明者 垣澤眞幸五味俊一三浦秀司
出願日 2002年7月25日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2002-215963
公開日 2004年2月26日 (17年8ヶ月経過) 公開番号 2004-059611
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 化粧料 高分子物質の処理方法 高分子組成物
主要キーワード 防湿皮膜 有機溶媒除去後 取り込み回数 エア温度 レーザー透過率 カルボキシメチル基置換度 過酷試験 B型粘度計
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課題

皮膜形成性、耐1液性に優れたカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス及び製造方法を提供する。

解決手段

カルボキシル基含有セルロース誘導体有機溶剤に溶解し、カルボキシル基の1〜65モル%に相当するアルカリの存在下で分散し、得られる分散体から有機溶剤を除去することにより得られるカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法であって、該セルロース誘導体として、その合成後、乾燥工程を経ることなく、含水率が10〜95重量%であるセルロース誘導体を用いることを特徴とするカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法、およびそれにより得られたラテックス

概要

背景

カルボキシル基を含有するセルロース誘導体は、調髪用などの化粧品、pH依存性農薬などの品、そして医薬品などで広く利用されている。医薬品分野においては、防湿皮膜基剤徐放性コーティング基剤苦味マスキング基剤、腸溶性コーティング基剤として用いられている。

概要

皮膜形成性、耐1液性に優れたカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス及び製造方法を提供する。カルボキシル基含有セルロース誘導体有機溶剤に溶解し、カルボキシル基の1〜65モル%に相当するアルカリの存在下で分散し、得られる分散体から有機溶剤を除去することにより得られるカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法であって、該セルロース誘導体として、その合成後、乾燥工程を経ることなく、含水率が10〜95重量%であるセルロース誘導体を用いることを特徴とするカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法、およびそれにより得られたラテックス。    なし

目的

本発明は、カルボキシル基含有セルロース誘導体の有機溶媒への溶解性を格段に向上させると同時に、粗大粒子の存在しない、粘度の低いカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを得ることによって、皮膜形成性、耐1液性に優れたカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

カルボキシル基含有セルロース誘導体有機溶媒に溶解し、カルボキシル基の1〜65モル%に相当するアルカリの存在下で分散し、得られる分散体から有機溶媒を除去することにより得られるカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法であって、該セルロース誘導体として、その合成後、乾燥工程を経ることなく、含水率が10〜95重量%であるセルロース誘導体を用いることを特徴とするカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法。

請求項2

有機溶媒が、水に混和しない有機溶媒であることを特徴とする請求項1記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法。

請求項3

分散体の連続相がカルボキシル基含有セルロース誘導体の溶液であり、有機溶媒を除去することにより、転相させ、連続相を水相にすることを特徴とする請求項1または2記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法。

請求項4

1μm以上の粒子存在率が5%以下、メジアン径が0.05〜0.5μm、固形分濃度15%の時の粘度が150mPa・s以下であることを特徴とするカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス。

請求項5

可塑剤、または可塑剤及び酸を添加することを特徴とする請求項4記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス。

請求項6

請求項4または5に記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを用いることを特徴とする医薬品製剤

請求項7

請求項4または5に記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスをフィルムコーティング剤として用いることを特徴とする医薬品製剤。

技術分野

0001

本発明は、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、含水率が10〜95重量%であるカルボキシル基含有セルロース誘導体有機溶媒に溶解し、この溶液と水をアルカリの存在下で分散し、得られる分散液から有機溶媒を除去することにより得られるカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスであって、カルボキシル基含有セルロース誘導体として、その合成後、乾燥工程を経ることなく、含水率が10〜95重量%であるカルボキシル基含有セルロース誘導体を用いることを特徴とするカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス及びその製法に関する。また、該カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを用いることを特徴とする医薬品製剤、およびカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスをフィルムコーティング剤として用いることを特徴とする医薬品製剤に関する。

0002

カルボキシル基を含有するセルロース誘導体は、調髪用などの化粧品、pH依存性農薬などの品、そして医薬品などで広く利用されている。医薬品分野においては、防湿皮膜基剤徐放性コーティング基剤苦味マスキング基剤、腸溶性コーティング基剤として用いられている。

0003

腸溶性コーティング剤の場合、有機溶媒系が主であったが、製剤中への溶媒残留、溶媒のコスト高作業環境の改善の点で、従来用いられていた有機溶媒系から水系に移行しつつある。従来、腸溶性セルロース誘導体水系コーティング剤の製造方法としては、有機溶媒中に腸溶性セルロース誘導体を溶解し、これを乳化剤存在下で水中に微分散した後、分散液から有機溶媒を蒸留して水相中に腸溶性セルロース誘導体の固体粒子を生成する方法(特公平2−7925号公報)、水にカルボキシメチルエチルセルロース微粉末を直接分散させる方法(特開昭56−154420号公報)、アルコール水溶液中にカルボキシメチルエチルセルロースを溶解し、且つ可塑剤等の各種添加剤を添加し、その後アルコールを除去してラテックスを得る方法(特開昭61−207342号公報)、アニオン性官能基を有するセルロース誘導体を水に混和しない有機溶媒に溶解し、この溶液と水をアルカリの存在下で分散し、得られる分散体から有機溶媒を除去するセルロース誘導体ラテックスの製造方法(特開平5−125224号公報)、カルボキシアルキルアルキルセルロース水分散液からなる水系腸溶性コーティング剤において、アルキル化度、カルボキシアルキル化度、カルボン酸基カルボン酸塩基との比、カルボン酸塩基とアルキル化度との比を特定したもの(特開2000−80048号公報)、カルボキシル基含有セルロースが溶解した有機溶媒または水と有機溶媒の混合溶媒と、塩基性物質との混合溶液に、水を加えて粒子析出させる方法(特開2000−186153号公報)、などが提案されている。

0004

水不溶性高分子微粒子を水に分散させて用いる方法は、懸濁安定性欠けるため常に懸濁液を撹拌する必要があり、また、粒子径が大きいか、あるいは粒子形状が不定形であることからその成膜性が充分でないなどの問題がある。その点、特開平5−125224号公報に開示されているカルボキシル基の一部を塩の形にしたラテックスタイプの水性分散液は、メジアン径が小さくまた分散粒子が真球状であることから、分散安定性が良い。
特開平5−125224号公報に開示されている腸溶性セルロース誘導体ラテックスは、粉末のセルロース誘導体を水に混和しない有機溶媒に溶解し、この溶液と水をアルカリ存在下で分散し、分散体から有機溶媒を除去することによって得ている。

背景技術

0005

しかしながら、粉末のセルロース誘導体を有機溶媒に溶解させる場合、セルロース誘導体は有機溶媒中で継粉状になるため、有機溶媒への溶解が極めて悪い。したがって、有機溶媒中へ粉末のセルロース誘導体を完全に溶解させるためには、強い分散力と時間を要することが問題であった。
また、セルロース誘導体の有機溶媒溶液と水との分散液が、粘度が高いという問題点、有機溶媒除去後ラテックス中に粗大粒子が存在することにより皮膜連続形成性が失われるという問題点、ラテックスの粘度が高くなりコーティング時の粘性により均一なコーティング皮膜ができにくくなる問題点、等があった。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、カルボキシル基含有セルロース誘導体の有機溶媒への溶解性を格段に向上させると同時に、粗大粒子の存在しない、粘度の低いカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを得ることによって、皮膜形成性、耐1液性に優れたカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを提供することを目的とする。

0007

本発明者らはこれらの問題を解決するために鋭意研究を行った結果、カルボキシル基含有セルロース誘導体として、その合成後、乾燥工程を経ることなく、含水率が10〜95重量%であるカルボキシル基含有セルロース誘導体を用いることにより、カルボキシル基含有セルロース誘導体の有機溶媒への溶解性が格段に向上し、さらにはカルボキシル基含有セルロース誘導体溶液と水との分散液の粘度が低くなり、操作性が向上することを見出した。また、粗大粒子の少ない、粘度の低いカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを得ることにより、皮膜形成性、耐1液性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明は下記の通りのものである。
(1)カルボキシル基含有セルロース誘導体を有機溶媒に溶解し、カルボキシル基の1〜65モル%に相当するアルカリの存在下で分散し、得られる分散体から有機溶媒を除去することにより得られるカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法であって、該セルロース誘導体として、その合成後、乾燥工程を経ることなく、含水率が10〜95重量%であるセルロース誘導体を用いることを特徴とするカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法。
(2)該有機溶媒が、水に混和しない有機溶媒であることを特徴とする上記(1)記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法。
(3)分散体の連続相がカルボキシル基含有セルロース誘導体の溶液であり、有機溶媒を除去することにより、転相させ、連続相を水相にすることを特徴とする上記(1)または(2)記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの製造方法。

課題を解決するための手段

0009

(4)1μm以上の粒子の存在率が5%以下、メジアン径が0.05〜0.5μm、固形分濃度15%の時の粘度が150mPa・s以下であることを特徴とするカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス。
(5)可塑剤、または可塑剤及び酸を添加することを特徴とする上記(4)に記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス。
(6)上記(4)又は(5)に記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを用いることを特徴とする医薬品製剤。
(7)上記(4)又は(5)に記載のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスをフィルムコーティング剤として用いることを特徴とする医薬品製剤。

0010

以下に本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の使用に適するカルボキシル基含有セルロース誘導体とは、人の胃液には溶解しないが腸液で溶解する腸溶性セルロース誘導体である。
腸溶性ガルキシル基含有セルロース誘導体は、一般的に、セルロースあるいはセルロース誘導体を、エーテル化あるいはエステル化等公知の方法により合成することによって得られる。このうち、本発明で用いるカルボキシル基含有セルロース誘導体は、セルロース誘導体をエーテル化して得ることが好ましく、さらに好ましくはカルボキシアルキル基含有セルロース誘導体をエーテル化することで得られる。その具体例としては、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルメチルセルロースカルボキシエチルメチルセルロース、カルボキシブチルエチルセルロース、カルボキシエチルエチルセルロースなどが挙げられる。

0011

その中でも本発明で用いる腸溶性セルロース誘導体としては、カルボキシメチル基を含有するセルロース誘導体が好ましく、より好ましくはカルボキシメチルエチルセルロースであり、特にカルボキシメチル基を8.9〜14.9%、エトキシル基を32.5〜43.0%含有するものが好ましい。これらの化合物エステル結合をもたないため、通常の保存条件下では加水分解することがほとんどなく、腸溶性セルロース誘導体ラテックスの素材として最適である。
腸溶性セルロース誘導体は、単独で用いても良いし、2種以上を適宜選択して使用しても良い。

0012

また、腸溶性セルロース誘導体ラテックスの分散安定性、皮膜形成性、耐1液性を向上させるために、場合によってはこれらとエチルセルロース等のイオン性官能基をもたない高分子アクリル系高分子、あるいは可塑剤などの医薬品添加物を混合して使用することも可能である。
また、ラテックスの製造を容易にするため、あるいは、ラテックス物性を向上させるため、腸溶性セルロース誘導体に消泡剤懸濁剤、乳化剤、保存剤などを添加するのに制限はないが、その配合量はラテックスの分散安定性、皮膜形成性、耐1液性を案する必要がある。

0013

消泡剤としては、シリコーン樹脂乳化液シリコーン消泡剤ジメチルポリシロキサン等の一般的な消泡剤を使用することができる。懸濁剤としては、アルギン酸ナトリウムカルボキシメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルアルコールポリビニルピロリドンポリエチレングリコール、メチルセルロースなどを使用することができる。乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートポリオキシソルビタントリステアレートなどの一般的な乳化剤を使用することができる。保存剤としては、安息香酸安息香酸ナトリウムエタノール、エテド酸ナトリウムグリセリンサリチル酸ナトリウムD−ソルビトールソルビン酸ソルビン酸カリウムデヒドロ酢酸ナトリウムパラオキシ安息香酸エチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類プロピレングリコールなどを使用することができる。これらの添加剤は、単独で用いても良いし、2種以上の混合物を使用しても良い。
本発明で使用するカルボキシル基含有セルロース誘導体は、その合成及び精製後に、乾燥工程を経ることなく、直接有機溶媒に溶解しラテックス化する。使用するカルボキシル基含有セルロース誘導体の含水率は10〜95重量%である。水分の調整方法としては、合成及び精製後のカルボキシル基含有セルロース誘導体を遠心分離または加圧ろ過するなどの方法が挙げられる。

0014

従来のカルボキシル基含有セルロース誘導体乾燥粉末を有機溶媒に溶解させる方法では、カルボキシル基含有セルロース誘導体粉末を溶解させていく過程で、カルボキシル基含有セルロース誘導体粉末の溶解性が悪く、継粉が発生してしまうため、継粉の発生を抑制させるためにカルボキシル基含有セルロース誘導体粉末を少量ずつ有機溶媒に溶解させる、溶解させるために強い分散と時間を必要とするなどの問題があった。しかしながら、含水率が10〜95重量%であるカルボキシル基含有セルロース誘導体を使用すると、カルボキシル基含有セルロース誘導体の有機溶媒中への溶解性が格段に向上し、強い分散力をかけることなく短時間で溶解させることが可能である。カルボキシル基含有セルロース誘導体の有機溶媒への分散性を確保するためには、カルボキシル基含有セルロース誘導体の含水率は10重量%以上であることが必要であり、水分が多すぎる場合は、カルボキシル基含有セルロース誘導体溶液の固形分濃度が低下するため、カルボキシル基含有セルロース誘導体の含水率は95重量%以下であり、好ましくは20〜60重量%、より好ましくは35〜55重量%である。

0015

また、カルボキシル基含有セルロース誘導体は、乾燥を行うと、カルボキシル基含有セルロース誘導体の有機溶媒溶液、及び溶液と水との分散体の粘度の増大、ラテックス粘度の増大、1μm以上の粒子の発生により、ラテックスを安定的に製造することが難しかった。これに対して、乾燥工程を経ていない水分含有のカルボキシル基含有セルロース誘導体を使用すると、溶液及び分散液の粘度の低下、ラテックス粘度の低下、1μm以上の粒子の発生抑制により、ラテックスを安定的に得ることが可能となる。
さらに、本発明は、カルボキシル基含有セルロース誘導体の合成、精製後に乾燥工程を経ずに、含有される水分をそのまま使用してラテックス化を行うことにより、これまで乾燥工程で消費していた手間とエネルギーを大幅に削減することが可能となる。

0016

本発明において用いられる有機溶媒としては、これらのカルボキシル基含有セルロース誘導体を溶解するものであり、例を挙げると、メタノール、エタノール、アセトンイソプロパノールテトラヒドロフランなどの水と自由に混和する有機溶媒でも良いし、トルエンシクロヘキセン等の炭化水素類イソプロピルエーテル等のエーテル類メチルエチルケトン等のケトン類クロロホルム塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピル酢酸イソプロピル蟻酸メチル蟻酸エチル蟻酸プロピル等のエステル類などの、水と自由に混和しない有機溶媒であっても良い。

0017

ここで水と自由に混和しない有機溶媒とは、
(1)全く水と混じり合わない有機溶媒、
(2)水と完全には混じり合わないが、水に溶媒が少量溶解し、また溶媒に水が少量溶解する有機溶媒、
を意味する。
このうち、好ましいのは、後者の有機溶媒である。水分を含有したカルボキシル基含有セルロース誘導体を溶解する際に、水を溶解させることが望ましいためである。

0018

本発明に用いる有機溶媒は後の工程で留去する必要があるので、沸点が水より低いものを、特に90℃以下の沸点のものを用いることが好ましい。水と自由に混和しない有機溶媒を用いるほうが、使用する水の添加量が少なくて済むため、水蒸発コスト、作業時間などの生産性の点で有利である。特に加水分解することのないメチルエチルケトン等のケトン類が好ましい。
これらの溶媒は単独で用いても良いし、溶解性を調節するためになどの理由で、2種以上の混合溶媒を用いても良い。カルボキシル基含有セルロース誘導体をこれらの溶媒に溶解させる時の濃度には特に制限はなく、生産性、溶液の取り扱い、水との分散性を考慮して決定すれば良い。適当な濃度範囲はカルボキシル基含有セルロース誘導体の種類、分子量、溶媒の種類によって異なるが、概ね1〜30重量%が好ましく、より好ましくは4〜20重量%である。

0019

本発明において、水分を含有するカルボキシル基含有セルロース誘導体を有機溶媒に溶解する際の分散機器としては、通常の撹拌力を発生するものであれば如何なるものでもよい。
本発明において、カルボキシル基含有セルロース誘導体有機溶媒溶液をアルカリ存在下で分散させるために使用する水は、水を単独で使用する他に、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチルのような水に少量溶解する有機溶媒、あるいはエタノールなどの水に自由に溶解する有機溶媒が部分的に溶解している水を使用してもよい。

0020

本発明において、カルボキシル基セルロース誘導体の溶液と水との比は、セルロース誘導体溶液の固形分濃度と、所望するカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス固形分濃度の値から設定する。例えば、カルボキシル基含有セルロース誘導体溶液の濃度が10重量%で、ラテックス固形分を20重量%にしたければ、溶液と水との混合比は10:4程度に設定にすればよい。もちろんこの混合比よりも水を多くして、分散、溶媒除去して低濃度のラテックスを製造した後に、蒸留、膜分離等により水を除去することにより所望の固形分まで濃縮してもよい。

0021

本発明において使用するアルカリは水に溶解して、1価、2価あるいは3価のイオン解離するもので、かつ、カルボキシル基セルロース誘導体ラテックスを形成した際に無毒性であるものが好ましい。例としては、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化カルシウム水酸化マグネシウム水酸化アルミニウムアンモニア炭酸ナトリウム炭酸カリウムなどがあげられる。ラテックスの粘度の面から、解離したときのイオンの価数が1価あるいは2価のものが好ましい。また、ラテックスの固形粒子粒径が小さい方が皮膜形成性から好ましく、この観点から、イオンの価数が1価のものが特に好ましい。医薬品分野においては、防湿皮膜基剤、徐放性コーティング基剤、苦味マスキング基剤、腸溶性コーティング基剤として用いられている。

0022

添加するアルカリの量は、カルボキシル基含有セルロース誘導体の種類、分子量、溶媒の種類によって異なるが、ラテックスの粘度、分散安定性、皮膜形成性の観点から、カルボキシル基含有セルロース誘導体中のカルボキシル基の65モル%を中和する量以下、固体の粒子径に起因する自己乳化性、分散安定性、皮膜形成性の観点から、カルボキシル基の1モル%を中和する量以上であり、好ましくはカルボキシル基の10〜40モル%を中和する量、さらに好ましくは18〜28モル%を中和する量である。例えば、カルボキシメチル基含量が12%であるカルボキシメチルエチルセルロースの場合、アルカリの添加量は、カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり、0.02〜1.3ミリ当量であり、好ましくは0.2〜0.8ミリ当量、さらに好ましくは0.35〜0.55ミリ当量である。

0023

本発明において、カルボキシル基含有セルロース誘導体溶液をアルカリの存在下で水と分散する際の分散機器としては、通常の撹拌力を発生するものであればよく、例えばプロペラ撹拌、ホモミキサーマントンゴーリン型ホモジナイザーナノマイザーステム(コスモ計装システム株式会社製)、マイクロフルイダイザーMICROFUIDIC社製)などが挙げられる。
アルカリを添加する方法は、カルボキシル基含有セルロース誘導体の溶液と水の混合物中、カルボキシル基含有セルロース誘導体の溶液中、水中などいずれの媒体に混合しても良いが、中和が局在的に起こらないように水中に分散、溶解した後に、カルボキシル基含有セルロース誘導体の溶液に添加する方法が好ましい。

0024

本発明において、カルボキシル基含有セルロース誘導体溶液と水との分散は、カルボキシル基含有セルロース誘導体の溶液に水を添加しながら行ってもよいし、水にカルボキシル基含有セルロース誘導体の溶液を添加しながら行ってもよい。水に自由に混和しない有機溶媒を使用する場合は、水の添加量を抑えることで、W/O型油中水型)の乳化状態にすることが、水蒸発のコスト、作業時間などの生産性の点で有利である。
カルボキシル基含有セルロース誘導体溶液と水との分散液の粘度は、カルボキシル基含有セルロース誘導体の種類、固形分濃度、水分含有量、アルカリ添加量によって異なるが、概ね500mPa・s以下とすることが好ましい。

0025

こうして得られるカルボキシル基含有セルロース誘導体溶液と水との分散体から有機溶媒を除去すると、水相中にカルボキシル基含有セルロース誘導体が真球状粒子となって分散したラテックスを得ることができる。固形分濃度をさらに高めたい場合は、水の一部を蒸留すれば良い。固形分濃度を薄めたい場合は、ラテックスに水を添加すれば良い。有機溶媒の除去は通常、常圧または減圧下に蒸留する方法、スチームストリップによる方法、エアレーションによる方法などによって行う。また、カルボキシル基含有セルロース誘導体溶液をアルカリ存在下で水と分散、乳化し、引き続き連続的に有機溶媒を除去するような場合には、T.K.アヂホモミクサー(特殊機化工業(株)製)のような真空乳化機を使用することが有利である。

0026

水に自由に混和しない有機溶媒を使用した場合に有機溶媒を除去するには、W/O型エマルジョンからO/W型エマルジョンへ転相させカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを調製するのが好ましい。当然O/W型エマルジョンから乳化形態を変えずに、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスを製造することもできるが、この場合、水の配合量が多いので水の留去が必要となる。これに対して転相を伴う有機溶媒留去を行ってカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスをする方法では水の除去が必要最低量でよいことからエネルギー効率、及び機器生産効率の点から有利である。

0027

カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの固形分濃度は、ラテックスの安定性及びフィルムコーティングにかかる時間の観点から1重量%以上が好ましく、ラテックスの粘度の観点から40重量%以下が好ましい。より好ましくは3〜35重量%、さらに好ましくは5〜25重量%である。
カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの粘度は、コーティング時の粘性の観点から、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの固形分濃度を15%に調製した場合に、150mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは100mPa・s以下、さらに好ましくは60mPa・s以下である。

0028

カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス中の固体粒子のメジアン径は0.05〜0.5μmであることが好ましい。小さいほど皮膜形成性が向上する観点から、0.5μm以下が好ましく、固体粒子が小さいほど分散安定性及び皮膜形成性が向上するので好ましいが、粘性の観点から、0.05μm以上であることが好ましい。より好ましくは0.06〜0.3μm、さらに好ましくは0.07〜0.2μmである。
カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスに1μm以上の粒子が存在すると皮膜の連続形成性の観点から好ましくないため、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの分散固体中の1μm以上の粒子の存在率は、5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。

0029

カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの皮膜形成性を向上させるためには、可塑剤を添加することが好ましい。カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスに可塑剤を添加する場合は、可塑剤の添加量はカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの固形分に対して、可塑化効果、皮膜形成性、耐1液性の観点から5重量%以上が好ましく、コーティング性の観点、耐1液性の観点から100重量%以下が好ましい。より好ましくは15〜80重量%であり、さらに好ましくは15〜50重量%である。

0030

可塑剤の種類は特に限定しないが、例をあげると、クエン酸トリエチルアセチル化クエン酸トリエチルなどのクエン酸エステル類、ジアセチントリアセチンオリーブ油ラッカセイ油ヒマシ油ハードファット類、グリセリン、グリセリンカプリル酸エステルアセチル化モノグリセリドなどのグリセリン脂肪酸エステル類ブチルフタリルブチルグリコレート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールショ糖脂肪酸エステル類、中鎖脂肪酸エステル類、セバシン酸エステル類、フタル酸エステル類炭酸プロピレンセタノール、D−ソルビトールなどの糖アルコール等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で使用しても良いし、2種以上の混合物を使用しても良い。クエン酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル類が好ましい可塑剤である。

0031

ラテックス物性を向上させるため、ラテックスに消泡剤、懸濁剤、乳化剤などをさらに添加するのに制限はないが、配合量はラテックスの分散安定性、皮膜形成性、耐1液性を勘案する必要がある。ラテックスの皮膜形成性が悪くこれらは単独で用いても良いし、2種以上の混合物を使用しても良い。
可塑剤添加後のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスについても、メジアン径は0.05〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.06〜0.3μm、さらに好ましくは0.07μm〜0.2μmである。また、1μm以上の粒子の存在率は5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。

0032

カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの皮膜形成性、耐1液性をさらに向上させるためには、可塑剤の添加とともに、酸を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス中の塩型のカルボキシル基の一部を酸型にすることが好ましい。塩型のカルボキシル基の一部を酸型にした方が、可塑剤との相溶性が良好になるためと推定される。ここでいう塩型とは、カルボキシル基含有セルロース誘導体中に存在するカルボキシル基のうち、カルボン酸塩になっているもののことであり、酸型とは、カルボキシル基含有セルロース誘導体中に存在するカルボキシル基のうち、カルボン酸になっているもののことである。ここでいう酸の添加とは、塩型のカルボキシル基を酸型にする操作のことであり、酸をラテックスに滴下する、あるいはイオン交換樹脂をラテックス中に投入する方法などが挙げられる。酸の添加は、可塑剤を添加する前に行っても良いし、後に行っても良い。

0033

ラテックスに滴下する酸の種類としては、水中で水素イオンを発生する化合物であれば特に制限はなく、塩酸リン酸硫酸炭酸などを代表とする一般的な無機酸、クエン酸リンゴ酸酒石酸フマル酸コハク酸アジピン酸酢酸などを代表とする一般的な有機酸が使用できるが、分散固体の一部が壊れる可能性があるので、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの安定性の点で弱酸がより好ましく、さらに好ましくは有機酸である。
滴下する酸の量は、用いるカルボキシル基含有セルロース誘導体、アルカリの種類、添加量、酸の種類などにより異なる。一般的に、酸型に戻すことによる耐1液性向上の改善効果を期待するためには、ある程度の量を添加することが好ましい。しかしながら、添加量を増加し過ぎ、塩型を酸型に戻す量を増やし過ぎると、分散固体が凝集する傾向があるため、多量に添加し過ぎないことが好ましい。

0034

例えば、塩酸の場合は、アルカリ添加当量に対する皮膜形成性の改善効果の観点から0.03倍当量以上が好ましく、酸及び可塑剤添加時の粒子径の観点から1.0倍当量以下を添加することが好ましい、特に好ましくは0.05〜0.5倍当量である。
弱酸の場合、一般に、強酸に比較して酸を多量に加える必要がある。有機酸を添加する場合には、その解離度に応じて好適な添加量にて行う。クエン酸の場合は3倍当量以下とすることが好ましく、より好ましくは0.3〜3倍当量、最も好ましくは0.5〜2倍当量である。クエン酸より解離度の小さいコハク酸の場合は、6倍以下とすることが好ましく、より好ましくは1〜5倍当量、最も好ましくは2〜4倍当量である。

0035

イオン交換樹脂は、スルホン酸型、カルボン酸型など通常使用される粒子状のものでよいが、弱酸性型のカルボン酸型のほうがラテックスの凝集を起こしにくいので好ましい。ラテックスに直接投入し、撹拌放置後、濾別して除けばよい。
可塑剤及び酸添加後のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスについても、メジアン径は0.05〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.06〜0.3μm、さらに好ましくは0.07μm〜0.2μmである。また、1μm以上の粒子の存在率は、5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。

0036

カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスの皮膜形成性、耐1液性を向上させるため、場合によっては、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスと、エチルセルロース等のイオン性官能基をもたない高分子のラテックスやアクリル系高分子のラテックスと混合して使用しても良い。
本発明のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスは、公知の方法を用いて医薬品添加剤として用い、医薬品製剤を得ることができる。特に、錠剤顆粒剤細粒剤などのコーティングに用いると、良好な医薬品製剤を得ることができ、その中でも、良好な腸溶性医薬品被覆製剤を得ることができる。また、化粧品用途、農薬用途にも使用することができる。医薬品分野においては、防湿皮膜基剤、徐放性コーティング基剤、苦味マスキング基剤、腸溶性コーティング基剤として用いられている。水系ラテックスであるため、コーティング時の粘度をそれほど上げることなく、高濃度でコーティングできるため、コーティング時間が短くて良い。また、皮膜形成性に優れるため、少ないコーティング量腸溶性製剤とすることが可能である。

0037

製剤中におけるコーティング量は、製剤の大きさ、他の添加剤、使用機器などにより異なるが、一般的にはコーティング前の製剤に対して、3〜50重量%程度が好ましい。錠剤の場合は3〜15重量%程度が好ましく、顆粒の場合は5〜25重量%程度、細粒の場合は10〜50重量%程度が好ましい。コーティング機器としては通常用いられる装置を使用すれば良く、錠剤の場合であれば、コーティングパン、HICOAERフロイント産業株式会社製)等の錠剤用フィルムコーティング装置が挙げられる。顆粒、細粒の場合であれば、流動層コーティング装置、転動流動層型コーティング装置、遠心流動型コーティング装置などが挙げられる。操作条件は各々の機器で適した条件を選択すればよい。

0038

【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、実施例、比較例における各物性の測定方法は以下の通りである。
・メジアン径
レーザー式粒度分布測定装置LA−910((株)堀場製作所製)を用い、超音波1分、レーザー透過率約90%、屈折率1.20、データ取り込み回数10回で測定し、累積体積50%のメジアン径を求めた。

0039

・1μm以上の粒子の存在率
レーザー式粒度分布測定装置LA−910((株)堀場製作所製)を用い、超音波1分、レーザー透過率約90%、屈折率1.20、データ取り込み回数10回で測定し、体積基準で1μm以上の粒子の累積頻度から求めた。
・粘度
B型粘度計(東京計器(株)製(BL型、25℃、ローターNo.2、回転数12rpm))を用い、ラテックスの固形分濃度を15%に調製したものを用いた。ラテックス濃度を薄くする場合は、水を添加した。ラテックスの粘度を濃くする場合は、水分を蒸発させた。

0040

・錠剤崩壊試験
a) 第1液崩壊試験
コーティング錠剤6個について、第十四改正日本薬局方に記載される腸溶性錠剤崩壊試験法に従い、崩壊試験機NT−40HS(富山産業(株)製)を用いて実施した。試験液は37℃の第1液を使用した。
b) 第2液崩壊試験
試験液として37℃の第2液を使用する以外は、上記と同様に行った。
c) 耐1液性過酷試験
コーティング錠剤6個について、崩壊試験機NT−40HS(富山産業(株)製)を用いて、37℃の第1液中局方に定められたディスクによって錠剤に外力を与えながら2時間崩壊試験を行った。

0041

【実施例1】
オートクレーブ反応容器にtert−ブタノール151部、水6.5部、カルボキシメチルセルロース(カルボキシメチル基置換度0.55)85.8部、水酸化ナトリウム39.0部、テトラメチルアンモニウムクロライド3.3部を投じ、窒素置換後、第1段目アルキルエーテル化として110℃でエチルクロライド62.8部を加え、8時間反応した後、第2段目のアルキルエーテル化として、水14.3部、48%水酸化ナトリウム水溶液128.1部、エチルクロライド99.1部を加え、110℃で24時間反応させてアルキルエーテル化を終了した。
反応物グラス容器に移し、水405部と硫酸25部を加え、析出した粒子を連続遠心分離機水洗し、水分を調整し、水分を50重量%含有するカルボキシメチルエチルセルロース(1)を得た。

0042

メチルエチルケトン640g中に、上記で得られたカルボキシメチルエチルセルロース(1)160g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を加え、ホモミキサーを用いて5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化カリウム2.4g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり0.45ミリ当量であり、カルボン酸の23モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて、12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は250mPa・sであった。

0043

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水235gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分15重量%のラテックス(a)が得られた。このラテックスのメジアン径は0.09μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックスの粘度は30mPa・sであった。結果を表1に示す。

0044

【実施例2】
実施例1のカルボキシメチルエチルセルロースの水分量を調整し、水分を15重量%含有するカルボキシメチルエチルセルロース(2)を得た。
メチルエチルケトン640g中に、得られたカルボキシメチルエチルセルロース(2)94g(カルボキシメチルエチルセルロース80g)、水66gを、ホモミキサーを用いて5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化カリウム2.0g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり0.38ミリ当量であり、カルボン酸の19モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は260mPa・sであった。

0045

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水502gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分10重量%のラテックス(b)が得られた。このラテックスのメジアン径は0.14μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。このラテックスの水分を蒸発させ、15重量%に調整した時のラテックスの粘度は27mPa・sであった。結果を表1に示す。

0046

【実施例3】
実施例1のカルボキシメチルエチルセルロースの水分量を調整し、水分を60重量%含有するカルボキシメチルエチルセルロース(3)を得た。
メチルエチルケトン640g中に、得られたカルボキシメチルエチルセルロース(3)200g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を、ホモミキサーを用いて5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化カリウム2.8g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり0.54ミリ当量であり、カルボン酸の23モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は380mPa・sであった。

0047

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水62gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分20重量%のラテックス(c)が得られた。このラテックスのメジアン径は0.1μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックスに水を添加して15重量%に調整した時の粘度は55mPa・sであった。結果を表1に示す。

0048

【実施例4】
メチルエチルケトン640g中に、実施例1で得られた水分を50重量%含有するカルボキシメチルエチルセルロース(1)160g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を加え、ホモミキサーを用いて5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化ナトリウム1.4g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり0.45ミリ当量であり、カルボン酸の23モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は200mPa・sであった。

0049

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水235gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分15重量%のラテックス(d)が得られた。このラテックスのメジアン径は0.1μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックスの粘度は35mPa・sであった。結果を表2に示す。

0050

【実施例5】
メチルエチルケトン640g中に、実施例1で得られた水分を50重量%含有するカルボキシメチルエチルセルロース(1)160g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を加え、ホモミキサーを用いて5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化カルシウム1.3g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり0.45ミリ当量であり、カルボン酸の23モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は190mPa・sであった。

0051

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水235gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分15重量%のラテックス(e)が得られた。このラテックスのメジアン径は0.32μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックスの粘度は15mPa・sであった。結果を表2に示す。

0052

【実施例6】
メチルエチルケトン640g中に、実施例1で得られた水分を50重量%含有するカルボキシメチルエチルセルロース(1)160g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を加え、ホモミキサーを用いて5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化カリウム1.1g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり0.2ミリ当量であり、カルボン酸の10モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて、12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は180mPa・sであった。

0053

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水235gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分15重量%のラテックス(f)が得られた。このラテックスのメジアン径は0.31μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックスの粘度は10mPa・sであった。結果を表2に示す。

0054

【実施例7】
メチルエチルケトン640g中に、実施例1で得られた水分を50重量%含有するカルボキシメチルエチルセルロース(1)160g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を加え、ホモミキサーを用いて5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化カリウム3.6g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり0.8ミリ当量であり、カルボン酸の40モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は400mPa・sであった。

0055

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水235gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分15重量%のラテックス(g)が得られた。このラテックスのメジアン径は0.29μmであり、1μm以上の粒子が存在し、その存在率は3.8%であった。ラテックスの粘度は120mPa・sであった。結果を表2に示す。

0056

【実施例8】
実施例1で得られたラテックス(a)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのグリセリンカプリル酸エステル3.8gを添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(A)を得た。ラテックス(A)のメジアン径は0.09μmであり、1μm以上の粒子はなかった。ラテックス(A)アルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたところ、塗膜の分散は認められなかったものの、膜が白濁した。結果を表3に示す。

0057

【実施例9】
実施例1で得られたラテックス(a)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのグリセリンカプリル酸エステル3.8gを添加した後、さらに0.8%クエン酸46g(添加した水酸化カリウムに対して、0.9倍当量に相当)を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(A´)を得た。ラテックス(A´)のメジアン径は0.10μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックス(A´)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたが、塗膜が分散する様子は観察されず、また白濁も観察されず、実施例8と比較して、極めて良好な耐1液性を示した。結果を表4に示す。

0058

【実施例10】
実施例2で得られたラテックス(b)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのグリセリンカプリル酸エステル2.5gを添加した後、さらに2.2%コハク酸31g(添加した水酸化カリウムに対して、3倍当量に相当)を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(B)を得た。ラテックス(B)のメジアン径は0.16μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックス(B)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたが、塗膜が分散する様子は観察されず、また白濁も観察されず、極めて良好な耐1液性を示した。結果を表4に示す。

0059

【実施例11】
実施例3で得られたラテックス(c)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのクエン酸トリエチル5gを添加した後、さらに0.8%クエン酸77g(添加した水酸化カリウムに対して、1.2倍当量に相当)を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(C)を得た。ラテックス(C)のメジアン径は0.09μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックス(C)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたが、塗膜が分散する様子は観察されず、また白濁も観察されず、極めて良好な耐1液性を示した。結果を表4に示す。

0060

【実施例12】
実施例4で得られたラテックス(d)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのポリエチレングリコール400を3.8g添加した後、さらに2.2%コハク酸49g(添加した水酸化ナトリウムに対して、2.7倍当量に相当)を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(D)を得た。ラテックス(D)のメジアン径は0.1μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックス(C)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたが、塗膜が分散する様子は観察されず、また白濁も観察されず、極めて良好な耐1液性を示した。結果を表4に示す。

0061

【実施例13】
実施例5で得られたラテックス(e)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのクエン酸トリエチル3.8gを添加した後、さらに0.8%クエン酸81g(添加した水酸化カルシウムに対して、1.5倍当量に相当)を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(E)を得た。ラテックス(E)のメジアン径は0.35μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックス(D)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたところ、塗膜の分散は認められなかったものの、実施例9に比較して膜が白濁した。結果を表4に示す。

0062

【実施例14】
実施例6で得られたラテックス(f)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのクエン酸トリエチル3.8gを添加した後、さらに2.2%コハク酸19g(添加した水酸化カリウムに対して、2.4倍当量に相当)を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(F)を得た。ラテックス(F)のメジアン径は0.37μmであり、1μm以上の粒子は存在しなかった。ラテックス(F)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたところ、塗膜が分散する様子は観察されなかったが、実施例9に比較して膜が白濁した。結果を表4に示す。

0063

【実施例15】
実施例6で得られたラテックス(g)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのポリエチレングリコール400を3.8g添加した後、さらに0.5%塩酸18g(添加した水酸化カリウムに対して、0.2倍当量に相当)を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(G)を得た。ラテックス(G)のメジアン径は0.38μmであり、1μm以上の粒子が存在し、その存在率は4.8%であった。ラテックス(E)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたところ、塗膜が分散する様子は観察されなかったが、実施例8に比較して膜が白濁した。結果を表4に示す。

0064

【実施例16】
結晶セルロースアビセル」PH−101(旭化成(株)製)/100メッシュ乳糖DMV社製)/アセトアミノフェン(吉冨ファインケミカル(株)製)を20/70/10の質量比で混合した後、L−HPC(日本曹達(株)製)を結合液としてバーチカルグラニュレータ((株)パウレック社製)を用いて顆粒を作成し、乾燥後の顆粒/ステアリン酸マグネシウムを100/0.5の比率で混合した後、ロータリー打錠機を用いて、直径8mm、質量250mg、錠剤硬度9kgの錠剤を形成した。

0065

錠剤400gを錠剤用コーティング装置ハイコーターミニ(フロイント産業(株)製)に仕込み、容器回転速度10rpm、エア温度80℃の条件で、実施例8で得られたカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(A´)を2.5g/minで噴霧しながら、皮膜量錠剤質量の5%になるようにコーティングを実施した。続いて、80℃の熱風乾燥機で1時間処理して、腸溶性コーティング錠剤を得た。
それぞれのコーティング錠剤6個について、第1液崩壊試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、ディスクで外力を与える耐1液性過酷試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、別途、それぞれのコーティング錠剤6個について、第2液崩壊試験崩壊試験を行ったところ、錠剤は全て1時間以内に崩壊した。結果を表5に示す。

0066

【実施例17】
実施例10のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(B)を用いて、実施例16と同様の操作を行い、コーティング錠剤を得た。
コーティング錠剤6個について、第1液崩壊試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、ディスクで外力を与える耐1液性過酷試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、別途、それぞれのコーティング錠剤6個について、第2液崩壊試験崩壊試験を行ったところ、錠剤は全て1時間以内に崩壊した。結果を表5に示す。

0067

【実施例18】
実施例11のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(C)を用いて、実施例16と同様の操作を行い、コーティング錠剤を得た。
コーティング錠剤6個について、第1液崩壊試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、ディスクで外力を与える耐1液性過酷試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、別途、それぞれのコーティング錠剤6個について、第2液崩壊試験崩壊試験を行ったところ、錠剤は全て1時間以内に崩壊した。結果を表5に示す。

0068

【実施例19】
実施例12のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(D)を用いて、実施例16と同様の操作を行い、コーティング錠剤を得た。
コーティング錠剤6個について、第1液崩壊試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、ディスクで外力を与える耐1液性過酷試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、別途、それぞれのコーティング錠剤6個について、第2液崩壊試験崩壊試験を行ったところ、錠剤は全て1時間以内に崩壊した。結果を表5に示す。

0069

【比較例1】
オートクレーブ反応容器にtert−ブタノール151部、水6.5部、カルボキシメチルセルロース(カルボキシメチル基置換度0.55)85.8部、水酸化ナトリウム39.0部、テトラメチルアンモニウムクロライド3.3部を投じ、窒素置換後、第1段目のアルキルエーテル化として110℃でエチルクロライド62.8部を加え、8時間反応した後、第2段目のアルキルエーテル化として、水14.3部、48%水酸化ナトリウム水溶液128.1部、エチルクロライド99.1部を加え、110℃で24時間反応させてアルキルエーテル化を終了した。
反応物をグラス容器に移し、水405部と硫酸25部を加え、析出した粒子を連続遠心分離機で水洗及び脱水し、70℃で減圧乾燥して、水分量3%のカルボキシメチルエチルセルロース粉末(4)を得た。

0070

メチルエチルケトン640g中に、水90gを溶解させ、上記で得られたカルボキシメチルエチルセルロース粉末(4)82g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を、ホモミキサーを用い、12000rpmで継粉をスパチュラで潰しながら30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化カリウム2.4g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり0.45ミリ当量であり、カルボン酸の23モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて、12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、この分散液の粘度は600mPa・sであった。連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。

0071

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水235gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分15重量%のラテックス(h)が得られた。このラテックスのメジアン径は0.1μmであり、1μm以上の粒子が存在し、その存在率は10%であった。ラテックスの粘度は180mPa・sであった。結果を表1に示す。

0072

【比較例2】
メチルエチルケトン640g中に、実施例1で得られた水分を50重量%含有するカルボキシメチルエチルセルロース(1)160g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を、ホモミキサーを用い、5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gを加えながらホモミキサーを用いて12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。このときアルカリは加えなかった。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は150mPa・sであった。

0073

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水235gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、固形分15重量%のラテックス(i)が得られた。
このラテックスはメジアン径が8μmで、すべて1μm以上であった。粘度は70mPa・sであった。また、わずかに水相の分離が見られ、分散安定性のあるラテックスが得られなかった。

0074

【比較例3】
メチルエチルケトン640g中に、カルボキシメチルエチルセルロース(1)160g(カルボキシメチルエチルセルロース固形分80g)を、ホモミキサーを用い、5000rpmで30分間攪拌し、溶液とした。次いでメチルエチルケトンを飽和させた水190gに水酸化カリウム7.2g(カルボキシメチルエチルセルロース1g当たり1.4ミリ当量であり、カルボン酸の70モル%が塩を形成する量に相当する)を分散、溶解させたものを加えながらホモミキサーを用いて、12000rpmで30分間、液を撹拌し、乳化させた。乳化液は油中水型となり、連続相はカルボキシメチルエチルセルロースのメチルエチルケトン溶液であった。この分散液の粘度は800mPa・sであった。

0075

この分散液を三口フラスコに入れ、スリーワンモーターで撹拌しながら、13kPa、40℃でメチルエチルケトンを留去すると、1時間ほどで連続相と分散相が転相し、水相が連続相となった。水235gを追加した後、更に留去操作を4時間行うことで、水中にカルボキシメチルエチルセルロースが分散した固形分15重量%のラテックス(j)が得られた。このラテックスのメジアン径は3μmで、すべて1μm以上であった。ラテックスの粘度は2500mPa・s以上であり、増粘したゲル状物となってしまい、良好なラテックスが得られなかった。

0076

【比較例4】
比較例1で得られたラテックス(h)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤グリセリンカプリル酸エステル3.8gを添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(H)を得た。ラテックス(H)のメジアン径は0.12μmであった。また、1μm以上の粒子が存在し、その存在率は12%であった。水性分散液(H)アルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたところ、透明で、光沢のある塗膜を形成した。また、この塗膜を1液に漬け、1分間超音波処理をしたところ、塗膜が一部分散する様子が観察され、実施例7よりも耐1液性が劣っていた。結果を表3に示す。

0077

【比較例5】
比較例2で得られたラテックス(i)について、実施例9のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(A´)の調製と全く同様に操作を行い、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(I)の調製を行ったが、メジアン径が8.2μmと大きく、またすべてが1μm以上となり、良好なカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスは得られなかった。
このラテックス(I)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたが、良好な塗膜は形成されなかった。結果を表4に示す。

0078

【比較例6】
比較例5で得られたラテックス(j)について、実施例9のカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(A´)の調製と全く同様に操作を行い、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(J)の調製を行ったが、メジアン径が7μmと大きく、またすべて1μm以上の粒子となり、良好なカルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックスは得られなかった。
このラテックス(J)をアルミ板上に塗布し、80℃で1時間乾燥させたが、良好な塗膜は形成されなかった。結果を表4に示す。

0079

【比較例7】
比較例1で得られたラテックス(h)100gをホモミキサー5000rpmで攪拌しながら、可塑剤としてのグリセリンカプリル酸エステル3.8gを添加した後、さらに0.8%クエン酸46g(添加した水酸化カリウムに対して、0.9倍当量に相当)を添加し、カルボキシル基含有セルロース誘導体ラテックス(H´)を得た。ラテックス(H´)のメジアン径は0.13μmであった。また、1μm以上の粒子はが存在し、その存在率は15%であった。
このラテックス(H´)を用いて、実施例16と同様の操作を行い、コーティング錠剤を得た。
コーティング錠剤6個について、第1液崩壊試験を2時間行ったが、崩壊などの皮膜損傷は観察されなかった。また、ディスクで外力を与える耐1液性過酷試験を2時間行ったところ、6錠のうち、3錠が崩壊した。結果を表5に示す。

0080

【表1】

0081

【表2】

0082

【表3】

0083

【表4】

発明を実施するための最良の形態

0084

【表5】

発明の効果

0085

本発明のセルロース誘導体ラテックスから得られる腸溶性セルロース誘導体水性分散液は、従来法で得られるものに比べて1μm以上の粒子がなく、皮膜形成性、耐1液性が優れている。よって、医薬品製剤にコーティング剤として応用すると、従来の腸溶性セルロース誘導体水系分散液と比較して、腸溶性が良好となる。

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