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技術 人体装着物品の設計支援装置

出願人 美津濃株式会社
発明者 尾田貴雄大森一寛
出願日 2002年10月9日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2002-296134
公開日 2004年2月19日 (16年9ヶ月経過) 公開番号 2004-054881
状態 拒絶査定
技術分野 CAD
主要キーワード 組合せ要素 ジョイント要素 能動動作 ランニング動作 固体要素 断面特性 最小メッシュ 有頭骨
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年2月19日)のものです。
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図面 (20)

課題

人がシューズ等の人体装着物品を装着して歩行走行などの動作を行った際に足、手あるいは腕にかかる力を測定することができる設計支援装置を提供する。

解決手段

人体装着物品の設計支援装置は、有限要素法を用い、上肢あるいは下肢に人体装着物品を装着して所定の動作を行った際に上肢あるいは下肢の各部にかかる応力を算出することにより人体装着物品の設計を支援するものである。該設計支援装置は、入力装置1と、演算部2と、表示装置3と、記憶装置4とを備える。演算部2は、下肢有限要素モデルあるいは上肢有限要素モデルと、人体装着物品有限要素モデルとを用いて上記応力を算出する。

概要

背景

従来から、たとえばシューズの設計に際して、足骨格をモデル化し、解析モデルとして用いている。この足骨格の解析モデルの一例として、足の骨格要素と、これらを接続する関節要素を含み、骨格要素を剛体とし、足根中央部を構成する舟状骨立方骨および内側・中間・外側楔状骨一体化し、踵骨距骨、足根中央部、第1〜第5中足骨の計8要素で構成されたものがある。

概要

人がシューズ等の人体装着物品を装着して歩行走行などの動作を行った際に足、手あるいは腕にかかる力を測定することができる設計支援装置を提供する。人体装着物品の設計支援装置は、有限要素法を用い、上肢あるいは下肢に人体装着物品を装着して所定の動作を行った際に上肢あるいは下肢の各部にかかる応力を算出することにより人体装着物品の設計を支援するものである。該設計支援装置は、入力装置1と、演算部2と、表示装置3と、記憶装置4とを備える。演算部2は、下肢有限要素モデルあるいは上肢有限要素モデルと、人体装着物品有限要素モデルとを用いて上記応力を算出する。    

目的

本発明は、人がシューズやグラブ等の人体装着物品を装着して歩行や走行、捕球等の能動的な動作を行った際に下肢や上肢に発生する応力等を高精度に算出することができる設計支援装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

有限要素法を用い、人体上肢あるいは下肢人体装着物品を装着して動作を行った時に前記上肢あるいは下肢にかかる応力を算出することにより人体装着物品の設計を支援する設計支援装置であって、前記下肢をモデル化した下肢有限要素モデルあるいは前記上肢をモデル化した上肢有限要素モデルと、人体装着物品をモデル化した人体装着物品有限要素モデルとを用いて前記応力を算出する演算部を備えたことを特徴とする、人体装着物品の設計支援装置。

請求項2

前記下肢有限要素モデルは、足根骨要素と、中足骨要素と、種子骨要素と、指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、要素と、支帯要素と、軟組織要素と含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項3

前記下肢有限要素モデルは、衝突解析を行なうためのモデルであり、4個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項4

前記下肢有限要素モデルは、安定性解析を行なうためのモデルであり、1個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項5

前記下肢有限要素モデルは、屈曲性解析を行なうためのモデルであり、2個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項6

前記下肢有限要素モデルは、連続的な能動動作についての解析を行なうためのモデルであり、7個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、14個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項7

前記上肢有限要素モデルは、手根骨要素と、中手骨要素と、種子骨要素と、指骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素と、関節要素と、筋要素と、軟組織要素と含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項8

前記上肢有限要素モデルは、捕球動作解析を行なうためのモデルであり、1個の手根骨要素と、5個の中手骨要素と、14個の指骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素と、関節要素と、筋要素と、軟組織要素と含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項9

前記上肢有限要素モデルは、8個の手根骨要素と、5個の中手骨要素と、14個の指骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素と、関節要素と、筋要素と、軟組織要素と含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項10

前記下肢有限要素モデルと前記上肢有限要素モデルは、骨格要素を含み、前記骨格要素を8節点ソリッド要素で構成した、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項11

前記下肢有限要素モデルと前記上肢有限要素モデルは、筋要素、腱要素および支帯要素を含み、前記筋要素、腱要素および支帯要素を、シェル要素あるいはビーム要素で構成した、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項12

前記シェル要素を異方性材料とし、前記ビーム要素を等方性材料とした、請求項11に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項13

前記人体装着物品有限要素モデルは、シューズモデルを含み、前記下肢有限要素モデルは、軟組織要素を含み、前記下肢有限要素モデルと前記シューズモデルとの複数の節点に前記軟組織要素を配置した、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項14

前記軟組織要素は、踵部軟組織要素と、前足部軟組織要素とを含み、前記踵部軟組織要素の分割数を2分割以上17分割以下とし、前記前足部軟組織要素の分割数を2分割以上5分割以下とした、請求項13に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項15

前記人体装着物品有限要素モデルを、8節点ソリッド要素、4節点ソリッド要素、3節点シェル要素からなる群から選ばれる少なくとも1種の要素で構成した、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項16

前記下肢有限要素モデルと前記上肢有限要素モデルは、関節要素を含み、前記関節要素を、ソリッド要素、シェル要素およびビーム要素からなる群から選ばれる少なくとも1種の要素で構成した、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項17

前記関節要素を前記ソリッド要素で構成し、前記関節要素の分割数を3分割以上5分割以下とした、請求項16に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項18

前記下肢有限要素モデルは、中足骨要素と、指骨要素と、該中足骨要素と指骨要素とを連結する中足指節関節要素とを含み、前記中足指節関節要素をビーム要素で構成し、該ビーム要素を前記中足骨要素と指骨要素の結合面中心付近に配置した、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項19

前記下肢有限要素モデルは、長腓骨筋要素と、短腓骨筋要素と、長母指屈筋要素と、長指屈筋要素と、後脛骨筋要素と、アキレス腱要素とを含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項20

前記下肢有限要素モデルは、前脛骨筋要素と、長指伸筋要素と、長母指伸筋要素とを含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項21

前記下肢有限要素モデルは、長腓骨筋要素と、短腓骨筋要素と、長指伸筋要素と、第3腓骨筋要素とを含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項22

前記下肢有限要素モデルは、後脛骨筋要素と、長母指屈筋要素と、長指屈筋要素と、前脛骨筋要素と、アキレス腱要素とを含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

請求項23

前記上肢有限要素モデルは、浅指屈筋要素と、深指屈筋要素と、長母指屈筋要素とを含む、請求項1に記載の人体装着物品の設計支援装置。

技術分野

0001

本発明は、有限要素法を用い、シューズグラブ等の人体に装着する人体装着物品の設計に用いる設計支援装置に関する。

0002

従来から、たとえばシューズの設計に際して、足骨格をモデル化し、解析モデルとして用いている。この足骨格の解析モデルの一例として、足の骨格要素と、これらを接続する関節要素を含み、骨格要素を剛体とし、足根中央部を構成する舟状骨立方骨および内側・中間・外側楔状骨一体化し、踵骨距骨、足根中央部、第1〜第5中足骨の計8要素で構成されたものがある。

0003

また、コンピュータ上で人体モデルを利用して人体の挙動シミュレートして解析する技術に関し、たとえば特開2002−149719号公報に開示されている。

背景技術

0004

【特許文献1】
特開2002−149719号公報

0005

人がシューズを履いて歩行あるいは走行するときには、たとえば第1指や第2指の中足関節まわりには過大な負担がかかり、長時間歩き続けたり走り続けると、疲労骨折の原因の1つになることがある。また、足が痛くなると、直接障害につながらなくても、肉体的ストレス精神的ストレスの原因となり得る。

0006

よって、人が歩行あるいは走行するときに足の骨に発生する力を測定することが望まれる。しかし、上述の従来の足骨格の解析モデルは、実際の足骨格をかなり簡略化して作成されているので、実際に人が歩行あるいは走行するときに足の骨や関節に発生する力を測定するのは困難である。また、筋や等に発生する力を測定することもできない。

0007

また、特開2002−149719号公報記載の人体モデルでは、歩行や走行等の能動的な動作を行なうために必要な筋、腱、靭帯支帯の一部についてモデル化を省略しているので、能動的な動作を再現することは困難である。したがって、該能動的な動作時に筋、腱、靭帯、支帯等に作用する力を高精度に算出することが困難となる。

発明が解決しようとする課題

0008

そこで、本発明は、人がシューズやグラブ等の人体装着物品を装着して歩行や走行、捕球等の能動的な動作を行った際に下肢上肢に発生する応力等を高精度に算出することができる設計支援装置を提供することを目的とする。

0009

本発明に係る人体装着物品の設計支援装置は、有限要素法を用い、人体の上肢あるいは下肢に人体装着物品を装着して動作を行った時に上肢あるいは下肢にかかる応力を算出することにより人体装着物品の設計を支援する設計支援装置であって、下肢をモデル化した下肢有限要素モデルあるいは上肢をモデル化した上肢有限要素モデルと、人体装着物品をモデル化した人体装着物品有限要素モデルとを用いて上記応力を算出する演算部を備えたことを特徴とする。

0010

本発明の下肢有限要素モデルおよび上肢有限要素モデルは、下肢および上肢を従来例よりも格段に正確に再現し、また指先から腕や足の付根までの骨格要素のみならず、関節要素、筋要素、腱要素、支帯要素軟組織要素などの種々の要素を含むものである。かかる下肢有限要素モデルあるいは上肢有限要素モデルと、人体装着物品有限要素モデルとを用いて上記応力を算出することにより、下肢あるいは上肢の各部にかかる応力等を従来例よりも格段に正確に算出することができる。

0011

上記下肢有限要素モデルは、好ましくは、足根骨要素と、中足骨要素と、種子骨要素と、指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含む。

0012

下肢の衝突解析を行なう場合には、下肢有限要素モデルは、4個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0013

下肢の安定性解析を行なう場合には、下肢有限要素モデルは、1個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0014

下肢の屈曲性解析を行なう場合には、下肢有限要素モデルは、2個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0015

歩行や走行等の連続的な能動動作についての解析を行なう場合には、下肢有限要素モデルは、7個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、14個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0016

上記上肢有限要素モデルは、手根骨要素と、中手骨要素と、種子骨要素と、指骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素と、関節要素と、筋要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0017

捕球動作解析を行なう場合には、上肢有限要素モデルは、1個の手根骨要素と、5個の中手骨要素と、14個の指骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素と、関節要素と、筋要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。より好ましくは、上肢有限要素モデルは、8個の手根骨要素と、5個の中手骨要素と、14個の指骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素と、関節要素と、筋要素と、軟組織要素と含む。

0018

下肢有限要素モデルと上肢有限要素モデルは骨格要素を含み、該骨格要素を8節点ソリッド要素で構成することが好ましい。また、下肢有限要素モデルと上肢有限要素モデルは、筋要素、腱要素および支帯要素を含み、該筋要素、腱要素および支帯要素を、シェル要素あるいはビーム要素で構成することが好ましい。このとき、シェル要素を異方性材料とし、ビーム要素を等方性材料とすることが好ましい。

0019

上記人体装着物品有限要素モデルは、シューズモデルを含み、下肢有限要素モデルは、軟組織要素を含む。この場合、下肢有限要素モデルとシューズモデルとの複数の節点に軟組織要素を配置することが好ましい。該軟組織要素は、たとえば、踵部軟組織要素と、前足部軟組織要素とを含む。該踵部軟組織要素の分割数を2分割以上17分割以下とし、前足部軟組織要素の分割数を2分割以上5分割以下とすることが好ましい。

0020

人体装着物品有限要素モデルを、8節点ソリッド要素、4節点ソリッド要素、3節点シェル要素からなる群から選ばれる少なくとも1種の要素で構成することが好ましい。

0021

下肢有限要素モデルと上肢有限要素モデルは、関節要素を含み、該関節要素を、ソリッド要素、シェル要素およびビーム要素からなる群から選ばれる少なくとも1種の要素で構成することが好ましい。関節要素をソリッド要素で構成した場合、関節要素の分割数を3分割以上5分割以下とすることが好ましい。

0022

下肢有限要素モデルは、中足骨要素と、指骨要素と、該中足骨要素と指骨要素とを連結する中足指節関節要素とを含む。この場合、中足指節関節要素をビーム要素で構成し、該ビーム要素を中足骨要素と指骨要素の結合面中心付近に配置することが好ましい。

0023

上記下肢有限要素モデルは、長腓骨筋要素と、短腓骨筋要素と、長母指屈筋要素と、長指屈筋要素と、後脛骨筋要素と、アキレス腱要素とを含むものであってもよく、前脛骨筋要素と、長指伸筋要素と、長母指伸筋要素とを含むものであってもよく、長腓骨筋要素と、短腓骨筋要素と、長指伸筋要素と、第3腓骨筋要素とを含むものであってもよく、後脛骨筋要素と、長母指屈筋要素と、長指屈筋要素と、前脛骨筋要素と、アキレス腱要素とを含むものであってもよい。

課題を解決するための手段

0024

上記上肢有限要素モデルは、浅指屈筋要素と、深指屈筋要素と、長母指屈筋要素とを含むものであってもよい。

0025

本実施の形態の人体装着物品の設計支援装置は、有限要素法を用い、野球ゴルフサッカー等のスポーツ用シューズウォーキング用シューズ、野球またはソフトボール用グラブバッティング用手袋ゴルフ用手袋等の人体装着物品を装着して動作を行った時に、人体の各部にかかる応力を算出することにより人体装着物品の設計を支援するものである。

0026

本実施の形態の設計支援装置は、図1に示すように、キーボード等の入力装置1と、コンピュータ等で構成される演算部2と、表示装置3と、記憶装置4とを備える。

0027

入力装置1は、演算部2と接続され、解析に必要な条件を演算部に入力する。演算部2は、後述する下肢有限要素モデルあるいは上肢有限要素モデルと人体装着物品有限要素モデルとを作成し、該モデルのアセンブリを行い、入力された各種条件およびデータに基づいて所定のプログラムに従って応力解析を実行し、解析結果を出力する。表示装置3は、演算部2と接続され、演算部2による解析結果を表示する。記憶装置4は、演算部2と接続され、解析に必要なデータを格納する。

0028

本実施の形態では、下肢有限要素モデルあるいは上肢有限要素モデルと、人体装着物品有限要素モデルとを用いて種々の解析を行うことを重要な特徴とする。

0029

本実施の形態の下肢有限要素モデルは、骨格要素として、足根骨要素と、中足骨要素と、種子骨要素と、指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素とを含み、さらに関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含む。

0030

下肢の踵衝突解析を行なう場合には、下肢有限要素モデルは、4個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0031

下肢の安定性解析を行なう場合には、下肢有限要素モデルは、1個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0032

下肢の屈曲性解析を行なう場合には、下肢有限要素モデルは、2個の足根骨要素と、5個の中足骨要素と、5個の指骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0033

歩行や走行等の連続的な能動動作についての解析を行なう場合には、下肢有限要素モデルは、7個の足根骨要素(距骨要素、踵骨要素、舟状骨要素、立方骨要素、3個の楔状骨要素)と、中足骨要素(5個の中足骨要素)と、種子骨要素と、指骨要素(5個の基節骨要素、4個の中節骨要素、5個の末節骨要素)の計27個の骨要素と、腓骨要素と、脛骨要素と、膝蓋骨要素と、大腿骨要素と、骨盤要素と、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素とを含むことが好ましい。

0034

下肢有限要素モデルを用いて歩行や走行等の能動的な運動動作を再現するには、足の指を曲げ底屈動作、足を反らせる背屈動作、足が内側に傾く回内動作、足が外側に傾く回外動作の再現が必要となる。底屈動作は、下腿三頭筋、長腓骨筋、短腓骨筋、長母指屈筋、長指屈筋、後脛骨筋を使って行うことができ、背屈動作は、前脛骨筋、長指伸筋、長母指伸筋を使って行うことができ、回内動作は、長腓骨筋と、短腓骨筋と、長指伸筋、第3腓骨筋を使って行うことができ、回外動作は、下腿三頭筋、後脛骨筋、長母指屈筋、長指屈筋、前脛骨筋を使って行うことができる。

0035

そこで、下肢有限要素モデルに次のような筋要素を付加することで、上記の各動作の再現が可能となる。たとえば底屈動作を再現する場合、下肢有限要素モデルに、長腓骨筋要素と、短腓骨筋要素と、長母指屈筋要素と、長指屈筋要素と、後脛骨筋要素と、アキレス腱要素とを付加すればよい。背屈動作を再現する場合、下肢有限要素モデルに、前脛骨筋要素と、長指伸筋要素と、長母指伸筋要素とを付加すればよい。回内動作を再現する場合、下肢有限要素モデルに、長腓骨筋要素と、短腓骨筋要素と、長指伸筋要素と、第3腓骨筋要素とを付加すればよい。回外動作を再現する場合、後脛骨筋要素と、長母指屈筋要素と、長指屈筋要素と、前脛骨筋要素と、アキレス腱要素とを付加すればよい。

0036

他方、本実施の形態の上肢有限要素モデルは、手根骨要素と、中手骨要素と、種子骨要素と、指骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素と、関節要素と、筋要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0037

捕球動作解析を行なう場合には、上肢有限要素モデルは、1個の手根骨要素と、5個の中手骨要素と、14個の指骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素と、関節要素と、筋要素と、軟組織要素と含むことが好ましい。

0038

より好ましくは、上肢有限要素モデルは、骨格要素として、8個の手根骨要素(月状骨要素、三角骨要素、豆状骨要素、有骨要素、舟状骨要素、有頭骨要素、大菱形骨要素、小菱形骨要素)と、中手骨要素(5個の中手骨要素)と、種子骨要素と、指骨要素(5個の基節骨、4個の中節骨、5個の末節骨)の計28個の骨要素と、尺骨要素と、橈骨要素と、上腕骨要素とを有し、さらに、関節要素と、筋要素と、腱要素と、支帯要素と、軟組織要素とを有する。

0039

手で物を掴んだり離したりする動作は、手の屈動作と背屈動作との組合せで行なえる。掌屈動作は、浅指屈筋、深指屈筋、尺側手根屈筋、長母指屈筋、橈側手根屈筋長母指外転筋等の諸筋を使って行なうことができ、背屈動作は、指伸筋、短橈側手根屈筋、長橈側手根屈筋、示指伸筋小指伸筋等の諸筋を使って行なうことができる。

0040

上肢有限要素モデルを用いて捕球動作のような能動的な運動動作を再現するには、対象物を掴む掌屈動作の再現が必要となる。掌屈動作において特に重要な筋肉は、長母指屈筋、浅指屈筋および深指屈筋である。そこで、上肢有限要素モデルに浅指屈筋要素と、深指屈筋要素と、長母指屈筋要素等の筋要素を付加することで、掌屈動作の再現が可能となる。

0041

上記骨格要素は、ソリッド要素で構成される。それは、骨は中実なので、シェル要素やビーム要素でモデル化できないからである。ソリッド要素の中でも8節点ソリッド要素を使用することが好ましい。8節点ソリッド要素は、8つの節点を有する固体要素である。この8節点ソリッド要素の材料タイプは等方性材料である。下肢有限要素モデルでは、8節点ソリッド要素は、歩行あるいは走行の進行方向に対して垂直な面を持つように配置されることが好ましい。

0042

ソリッド要素の一例としては、たとえば4面体ソリッド要素や6面体ソリッド要素等を挙げることができる。4面体ソリッド要素は自動作成できるが、解析精度が相対的に良くない。それに対し、6面体ソリッド要素の場合、自動作成は困難であるが、解析精度が相対的に良い。計算時間については、同じメッシュ数であれば、6面体ソリッド要素を用いた方が速くなる。精度についても6面体ソリッド要素を用いた方が高くなる。したがって、骨格要素には6面体ソリッド要素を用いることが好ましい。

0043

メッシュサイズについては、計算時間を考慮して決定し、下記の全ての要素について、1mm以上5mm以下程度が好ましい。これ以上になると、計算時間が膨大になり、実際の設計に使用するのが困難になるからである。

0044

材料特性としては、解剖学的にそれぞれの骨が独立に存在し、骨要素間は関節要素(ジョイント要素)で結合される。骨の材料特性としては、等方性材料と異方性材料の両方を使い分ける。詳細解析の場合は異方性材料を選択し、簡易解析の場合は等方性材料を選択する。

0045

次に、関節要素について説明する。関節要素には、ソリッド要素、シェル要素、ビーム要素、シェル要素とビーム要素の組合せ要素、ジョイント要素を使用可能である。

0046

関節要素は、骨間に力を伝達することを最大の目的としてモデル化を行う。ソリッド要素を用いると、変形が大きい場合には発散する可能性が高くなる。したがって、ソリッド要素は変形の小さい箇所に使用することが望ましい。シェル要素を用いる場合には、実際の物性値よりも高い値を使った方が高精度な解析を行える。ビーム要素単体で使用すると、力の伝達が1点となり、うまく力が伝達されない場合が生じるので、シェル要素等の他の要素とともに使用することが望ましい。ジョイント要素は、剛体間の拘束を決めるためのものであるので、他の要素と組合せて使用し、ジョイント要素を単独で使用しないことが望ましい。このジョイント要素は、回転および並進運動を制御するために使用可能である。

0047

手や足の曲げ動作を再現するために、関節要素の分割数は複数とすることが好ましい。それにより、手や足の曲げ動作を高精度に再現することができる。関節要素の分割数は、骨要素間の距離とメッシュサイズによって決まる。

0048

関節要素の分割数は、より好ましくは、3分割以上である。ただし、あまりに分割数が多いと計算が膨大になる等の不具合が生じる可能性があるので、分割数は5分割以下であることが好ましい。

0049

下肢有限要素モデルでは、中足骨要素と指骨要素とを結合する中足指節関節要素を、ビーム要素とすることが好ましい。このとき、ビーム要素は、結合面の中心付近に位置していることが好ましい。しかし、中足指節関節要素以外の関節要素は、8節点ソリッド要素で構成する。この場合、8節点ソリッド要素は、各骨要素の結合面と同一面を有する。

0050

次に、筋要素、腱要素および支帯要素について説明する。筋や腱は断面形状がそれぞれ異なるため、ソリッド要素で作成すると修正時にモデル形状を変更しなければならなくなる。それに対し、シェル要素やビーム要素は、断面特性を入力できるので、モデルの修正が容易である。したがって、筋要素、腱要素および支帯要素としては、シェル要素、ビーム要素を使用することが好ましい。シェル要素には異方性材料を使用し、ビーム要素には等方性材料を使用することが好ましい。なお、メッシュサイズについての考え方は、骨要素の場合と同様である。

0051

筋や腱は一軸方向にしか作用しないので、材料特性として0度方向引張弾性率と、90度方向の引張弾性率の異なる異方性材料を使用することが好ましい。また、90度方向の引張弾性率は、0度方向の引張弾性率の1/10以下とすることが好ましい。

0052

次に、筋肉や脂肪等に対応する軟組織要素について説明する。軟組織要素には、ソリッド要素を使用可能である。軟組織がないと、たとえばシューズと足の接触が点接触となり、現実と異なるものとなる。そこで、シューズと足とが複数点での接触、線接触あるいは面接触できるように軟組織要素を下肢有限要素モデルに含めることとしている。下肢有限要素モデルでは、たとえば、踵部と前足部の2箇所に軟組織要素を設ければよい。

0053

軟組織要素の分割数については、圧縮現象を再現するため、最低でも2分割することが必要である。最小メッシュサイズ(1mm)を考慮すると、軟組織要素の分割数は18以下程度である。たとえば、踵部軟組織要素の分割数を2分割以上17分割以下とし、前足部軟組織要素の分割数を2分割以上17分割以下とすればよい。

0054

他方、人体装着物品有限要素モデルは、8節点ソリッド要素、4節点ソリッド要素、3節点シェル要素からなる群から選ばれる少なくとも1種の要素で構成することができる。

0055

次に、本発明の設計手法について説明する。なお、以下の説明では、足に装着するシューズの設計手法について説明するが、同様の手法をグラブ等の手に装着する物品についても適用できる。

0056

図2に示すように、まず、記憶装置4に記憶されているデータを用いて、演算部2において、シューズCAD(Computer Aided Design)モデルを作成し、8節点ソリッド要素と4節点シェル要素とを用いてシューズ用有限要素モデルを作成する。CADソフトとしては、Think Design(think3 inc.)を用いることができ、メッシュ生成ソフトとしては、Hyper Mesh(Altair Engineering inc.)、MSC.Patran(MSC Software inc.)を用いることができる。他方、演算部2で、上記のような下肢有限要素モデルを作成する。

0057

次に、シューズ用有限要素モデルと下肢有限要素モデルの位置決めを行い、これらのアセンブリを行う。そして、入力装置1により、演算部2に境界条件を入力する。具体的には、シューズ用有限要素モデルの材料物性と、下肢有限要素モデルの動きとを入力する。

0058

次に、演算部2において解析を行う。解析には、陽解法ソフトウェアPAMCRASH(PAM SYSTEM INTERATINAL inc.)を用いる。それにより、所定の動作時に足の各部位に生じる応力等を算出する。そして、表示装置3により、足の各部位の応力値を表示する。

0059

以上の解析を行うことにより、上記のモデル化されたシューズと同タイプのシューズを履いて人が歩行や走行した場合に、人の足の各部にかかる負担を算出することができる。この結果に基づいてシューズの設計変更が必要であれば設計変更を行う。

0060

そして、再び同一条件で同一試験を行う。このとき、有限要素モデルを使って試験を行うので、実際に人がシューズを装着して試験を行う場合と比較して、正確に試験を再現することができる。また、人がシューズを装着した場合に測定できない事項についても解析することができる。したがって、上記設計変更の効果を確実かつ高精度に知ることができる。このように設計変更と試験を繰り返しながら、シューズの最適形状や最適な材質を選択することができ、これを参考にしてシューズの設計を行うことができる。

0061

【実施例】
以下、図3図24を用いて、本発明の実施例について説明する。図3図5は、本実施例の下肢有限要素モデル5の一部を示す斜視図である。

0062

図3図5に示すように、ソリッド要素で構成される多数の骨格要素6と、ソリッド要素あるいはビーム要素で構成され、骨格要素6間に配置される関節要素7と、シェル要素あるいはビーム要素で構成される筋要素8、腱要素9および支帯要素10とを備える。

0063

より詳しくは、図3図5に示すモデルは、骨格要素6として、距骨要素、踵骨要素、舟状骨要素、立方骨要素、第1から第3楔状骨要素、5個の中足骨要素、種子骨要素、5個の基節骨要素、4個の中節骨要素、5個の末節骨要素、腓骨要素、脛骨要素、膝蓋骨要素、大腿骨要素、骨盤要素を有する。

0064

そして、たとえば大腿骨要素の質量が体重の10.1%、腓骨要素と脛骨要素の質量が体重の4.1%、距骨要素、踵骨要素、舟状骨要素、立方骨要素、第1から第3楔状骨要素、5個の中足骨要素、種子骨要素、5個の基節骨要素、4個の中節骨要素、5個の末節骨要素の質量が体重の1.3%、骨盤要素の質量が体重の84.5%となるように質量負荷を行なう。このように各骨格要素6の体重に対する質量の割合を適切に設定することによって、より現実に近い解析を行なえる。

0065

また、上記モデルは、筋要素8として、短腓骨筋要素80、長腓骨筋要素81、第3腓骨筋要素82、長指伸筋要素83、短指伸筋要素84、長母指伸筋要素85、前脛骨筋要素86、長指屈筋要素87、長母指屈筋要素88、後脛骨筋要素を有し、腱要素9としてアキレス腱要素90を有し、支帯要素10として、上腓骨筋支帯要素100、下腓骨筋支帯要素101、上伸筋支帯要素102、屈筋支帯要素103、下伸筋支帯要素を有し、靭帯要素として、前距腓靭帯要素110、踵腓靭帯要素111、靭帯要素112、前脛距靭帯要素113、脛踵靭帯要素114、後脛腓靭帯要素115、後距腓靭帯要素116、前脛腓靭帯要素、後脛距靭帯要素を有する。

0066

図3図5に示すように、本実施例の下肢有限要素モデル5は、人の足の骨格のみならず、関節、筋、腱、支帯、靭帯までも忠実に再現していることがわかる。

0067

図6に示すように、骨格要素6間の関節要素7を、必要に応じてビーム要素で構成してもよく、またソリッド要素で構成してもよい。図6の例では、中足骨要素と基節骨要素との間にビーム要素を用い、それ以外のたとえば中足骨要素と楔状骨要素との間等にソリッド要素を用いている。

0068

図7に、関節要素7としてビーム要素(ジョイント要素)を用いた箇所の拡大図を示す。図7に示すように、骨格要素の端面の中央部を連結するようにビーム要素を配置する。図8に、関節要素7としてソリッド要素を用いた箇所の拡大図を示す。図8に示す例では、関節要素7を4分割している。それにより、曲げ動作を高精度に再現することができる。

0069

図9に示すように、本発明の下肢有限要素モデル5は、軟組織要素11を有する。図9の例では、軟組織要素11は、踵骨要素の下と、前足部要素(末節骨要素から種子骨要素下近傍までの部分)の下とに設けられている。踵骨要素下の軟組織要素11の厚みはたとえば17.8mmであり、該軟組織要素11は4分割される。また、前足部要素下の軟組織要素11の厚みはたとえば5mmであり、2分割される。なお、踵骨要素下の軟組織要素11は、最大で18分割可能であり、前足部要素下の軟組織要素11は、最大で5分割可能である。

0070

図10図14に、本実施例の下肢有限要素モデル5とシューズ有限要素モデル12をアセンブリした状態を示す。なお、図11図14において、(a)は下肢有限要素モデル5とシューズ有限要素モデル12とを組合せた状態の図であり、(b)は下肢有限要素モデル5のみを抽出した図である。

0071

図11(a),(b)、図13(a),(b)および図14(a),(b)は、回内動作を再現しようとしたものであり、回内動作が行なわれる直前の状態を再現している。このように回内動作を再現することにより、歩行あるいは走行時の安定性解析を行える。

0072

なお、図11(a)の例では、横方向から見た場合の鉛直方向に対する腓骨要素および脛骨要素の傾斜角度θ1を12度に設定し、図13(a)の例では、後方から見た場合の鉛直方向に対する腓骨要素および脛骨要素の傾斜角度θ3を7度に設定している。
図12(a),(b)は、踵衝突状態を再現したものであり、シューズのクッション性や人の踵にかかる衝撃解析を行える。なお、図12(a)の例では、シューズ有限要素モデル12の底面と地面とのなす角度(背屈角度)θ2を、18度に設定している。

0073

図15図16に、本実施例において使用するシューズ有限要素モデル12の側面図を背面図を示す。図15図16に示すように、シューズ有限要素モデル12は、4節点ソリッド要素と3節点シェル要素とを用いて作成する。

0074

次に、図17図19を用いて、解析結果について説明する。図17は、3.6m/s(約13km/h)で人間が走った場合に、踵が地面に衝突した場合の足の各部にかかる応力を調べたものである。解析の際には、たとえば下肢有限要素モデル5の全節点に3.6m/sを入力し、筋要素や腱要素に対して張力を与えればよい。それにより、図17に示すような解析を行なえる。図17において、色が濃くなっている箇所に多くの負荷がかかっている。

0075

この結果をもとにして、たとえばシューズのクッション性を向上させるためにどの部分をどのような材料や形状にするかを検討する。そして、たとえばシューズ有限要素モデル12の一部を適切な材料あるいは形状に変更し、再び同一条件で同一の試験を行う。このとき、外側の加速度を測ることで、シューズのクッション性を評価することができる。

0076

このようにシューズ有限要素モデル12の構成部分の材質等を適切に変更しながら同一条件で同一試験を行うことができ、確実にシューズのクッション性を向上することができる。その結果、走行時等における足への負担を軽減できるようにシューズを設計することが可能となる。

0077

図18は、人間の歩行あるいは走行時に足が内側に倒れ込む回内動作について解析したものである。図18において、色が濃くなっている箇所に多くの負荷がかかっている。

0078

回内動作の程度を知るには、下肢有限要素モデル5における踵骨要素と地面との角度を測ればよい。そして、上述の場合と同様にシューズ有限要素モデル12の各部の材質等を適切に調節しながら試験を繰り返し、シューズの各部の最適な材質等を選択すればよい。それにより、過度の回内動作を防止可能となるようにシューズを設計することができる。

0079

ランニング動作時には、体重の2〜3倍の力が足に加わると言われている。そこで、ランニング動作時に足に加わると考えられる力を骨盤要素の重心位置に対して与え、筋要素や腱要素に対して所定の張力を与える。一例として、足に体重(たとえば60kg)の2倍の力(1.2kN)を加える。

0080

図19は、シューズ内での足指屈曲解析を行ったものである。屈曲動作を再現する際には、実験により得られた歩行屈曲時の三次元位置座標データを、踵骨要素の重心位置に対し与え、筋要素や腱要素に対して所定の張力を与える。図19において、色が濃くなっている箇所に多くの負荷がかかっている。

0081

本屈曲解析では、下肢有限要素モデル5における中足骨要素にかかる応力を算出する。この場合にも、シューズ有限要素モデル12の各部の材質等を適切に調節しながら試験を繰り返し、シューズの各部の最適な材質等を選択すればよい。それにより、過度の回内動作を防止することが可能となるようにシューズを設計することができる。

0082

次に、図20図24を用いて、本発明の上肢有限要素モデル13について説明する。

0083

図20図23に示すように、本実施例の上肢有限要素モデル13も、ソリッド要素で構成される骨格要素6と、ソリッド要素あるいはビーム要素で構成され骨格要素6間に配置される関節要素7と、シェル要素あるいはビーム要素で構成される筋要素、腱要素(図示せず)および支帯要素(図示せず)とを備える。

0084

掌屈動作において特に重要な筋肉は、上述のように長母指屈筋、浅指屈筋および深指屈筋である。そこで、本実施例では、これらの筋肉を再現する。具体的には、図22に示すように、筋要素として、長母指屈筋要素89、浅指屈筋要素および深指屈筋要素91を再現するとともに関節包15をも再現している。なお、骨格要素6としては、図21に示すように、橈骨要素60、尺骨要素61、手根骨要素62、中手骨要素63、指骨要素64および上腕骨要素を再現している。なお、各要素のメッシュサイズは1mm〜3mmである。

0085

図20図23に示すように、本実施例の上肢有限要素モデル13の場合も、人の手の骨格や関節を忠実に再現していることがわかる。このような上肢有限要素モデル13を用いることにより、たとえば人の手にグラブ等の物品を装着して所定の動作を行った際に、人の手や腕に加わる衝撃等に関する種々の解析を行うことができる。

0086

たとえば、図24に示すように、グラブ有限要素モデル14と上肢有限要素モデル13を用いて所定の解析を行うことにより、上述の下肢有限要素モデル5の場合と同様に、人の手や腕にグラブを装着して捕球等の動作を行った場合に、人の手や腕に過度の負担がかからないようにグラブを設計することができる。

発明を実施するための最良の形態

0087

以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。

図面の簡単な説明

0088

本発明によれば、下肢あるいは上肢に物品を装着して所定の動作を行った場合に、下肢あるいは上肢の各部にかかる応力を従来例よりも格段に正確に算出することができるので、この結果を利用して人体に過度の負担がかからないように各種の人体装着物品を設計することができる。

図1
本発明の1つの実施の形態における設計支援装置の概略構成を示すブロック図である。
図2
本発明の1つの実施の形態における設計支援装置における処理を説明するための流れ図である。
図3
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルの一部を小指側から見た斜視図である。
図4
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルの一部を踵側から見た斜視図である。
図5
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルの一部を親指側から見た斜視図である。
図6
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルの一部を示す平面図である。
図7
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルの関節部分の一例の拡大図である。
図8
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルの関節部分の他の例の拡大図である。
図9
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルの軟組織要素を示す斜視図である。
図10
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルとシューズ有限要素モデルとをアセンブリした状態を示す拡大斜視図である。
図11
(a)は本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルとシューズ有限要素モデルとをアセンブリしてある動作を行なっている状態を示す側面図である。
(b)は、(a)からシューズ有限要素モデルを除去した状態を示す図である。
図12
(a)は本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルとシューズ有限要素モデルとをアセンブリしてある動作を行なっている状態を示す側面図である。
(b)は、(a)からシューズ有限要素モデルを除去した状態を示す図である。
図13
(a)は本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルとシューズ有限要素モデルとをアセンブリしてある動作を行なっている状態を示す背面図である。
(b)は、(a)からシューズ有限要素モデルを除去した状態を示す図である。
図14
(a)は本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルとシューズ有限要素モデルとをアセンブリしてある動作を行なっている状態を示す斜視図である。
(b)は、(a)からシューズ有限要素モデルを除去した状態を示す図である。
図15
本発明の1つの実施例におけるシューズ有限要素モデルの側面図である。
図16
本発明の1つの実施例におけるシューズ有限要素モデルの背面図である。
図17
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルとシューズ有限要素モデルとを用いて走行動作を行った場合の解析結果の一例を示す図である。
図18
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルとシューズ有限要素モデルとを用いて走行動作を行った場合の解析結果の他の例を示す図である。
図19
本発明の1つの実施例における下肢有限要素モデルとシューズ有限要素モデルとを用いて歩行動作を行った場合の解析結果の一例を示す図である。
図20
本発明の1つの実施例における上肢有限要素モデルの平面図である。
図21
本発明の1つの実施例における上肢有限要素モデルの部分拡大図である。
図22
本発明の1つの実施例における上肢有限要素モデルの部分拡大図である。
図23
本発明の1つの実施例における上肢有限要素モデルの指先部分の拡大図である。
図24
本発明の1つの実施例における上肢有限要素モデルとグラブ有限要素モデルとをアセンブリした状態を示す図である。
【符号の説明】
1 入力装置、2 演算部(コンピュータ)、3 表示装置、4 記憶装置、5 下肢有限要素モデル、6 骨格要素、7 関節要素、8 筋要素、9 腱要素、10 支帯要素、11 軟組織要素、12 シューズ有限要素モデル、13上肢有限要素モデル、14 グラブ有限要素モデル、15 関節包、60 橈骨要素、61 尺骨要素、62 手根骨要素、63 中手骨要素、64 指骨要素、80 短腓骨筋要素、81 長腓骨筋要素、82 第3腓骨筋要素、83 長指伸筋要素、84 短指伸筋要素、85 長母指伸筋要素、86 前脛骨筋要素、87 長指屈筋要素、88,89長母指屈筋要素、90 アキレス腱要素、91 浅指屈筋要素および深指屈筋要素、100 上腓骨筋支帯要素、101 下腓骨筋支帯要素、102 上伸筋支帯要素、103 屈筋支帯要素、110 前距腓靭帯要素、111 踵腓靭帯要素、112 脛舟靭帯要素、113 前脛距靭帯要素、114 脛踵靭帯要素、115 後脛腓靭帯要素、116 後距腓靭帯要素。

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