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図面 (6)

課題

多数の検出装置が同時に動作しまって事故地点がわからなくなるという不具合を解消して、極めて正確に容易に事故地点が特定できる電流検出システムを得る。

解決手段

架設される電気導体とこれを保持する複数の支持物を備える電気導体支持構造において流出する電流を検出するシステムであって、支持物には、電気導体から流れ出流出電流を検出する電流検出装置が配設され、電流検出装置は、極性の異なる複数の電圧発生手段と、電圧または電流を検出する手段と、を備えて構成される電流検出システムとした。

概要

背景

図4は架空送電線鉄塔設備への雷撃の状況を示す説明図である。従来からよくある送電線事故としては、架空地線71の遮蔽効果が及ばず、直接電力線73へ侵入して碍子装置75がフラッシュオーバー閃絡)するのが導体直撃雷77による遮蔽失敗事故であり、この他にも、鉄塔74あるいは架空地線71の径間に雷撃があって、その大電流のために高電圧が発生し、径間の架空地線71と電力線73との間で起こる径間逆フラッシュオーバー事故、さらには、碍子装置75にフラッシュオーバーが生じる鉄塔逆フラッシュオーバー事故もある。

概要

多数の検出装置が同時に動作しまって事故地点がわからなくなるという不具合を解消して、極めて正確に容易に事故地点が特定できる電流検出システムを得る。架設される電気導体とこれを保持する複数の支持物を備える電気導体支持構造において流出する電流を検出するシステムであって、支持物には、電気導体から流れ出流出電流を検出する電流検出装置が配設され、電流検出装置は、極性の異なる複数の電圧発生手段と、電圧または電流を検出する手段と、を備えて構成される電流検出システムとした。   

目的

図5を例にして示したように、鉄塔100の地点(G)で事故があった場合、鉄塔100の大地側には地絡電流(I0)が流れて地絡電流検出装置300が動作するものの、他の鉄塔(101,102,103)にも地絡電流(I1,I2,I3)が流れるため、そこに設置されている地絡電流検出装置(310,320,330)も一緒に動作することとなる。
このように、鉄塔毎それぞれに電流検出表示装置を設置してある場合では、事故が起こったときに、複数または多数の電流検出表示装置が同時に検出表示をしてしまうという事態が生じ、どこの鉄塔箇所で実際に事故が起こったのか分からず、事故点を特定することができなくなってしまう。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数または多数の電流検出装置が動作した場合であっても、実際に事故が起こった箇所を特定化させることのできる電流検出システムを提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
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請求項1

架設される電気導体とこれを保持する複数の支持物を備える電気導体支持構造において流出する電流を検出するシステムであって、前記支持物には、電気導体から流れ出流出電流を検出する電流検出装置が配設され、前記電流検出装置は、極性の異なる複数の電圧発生手段と、電圧または電流を検出する手段と、を備え、構成されることを特徴とする電流検出システム

請求項2

請求項1記載の電流検出システムにおいて、前記電圧発生手段は、極性が異なる二つのコイル式検出部を有して、構成されることを特徴とする電流検出システム。

請求項3

請求項2記載の電流検出システムにおいて、前記電気導体支持構造は、支持物の上方側に張架される上側導体と、その上方導体より下方に張架される下側導体と、を備え、前記電流検出装置が備える前記二つのコイル式検出部について、一方は上側導体と下側導体との間の位置に、また他方は下側導体より下方の位置に、それぞれ配設され、構成されることを特徴とする電流検出システム。

請求項4

請求項1〜3いずれか1項に記載の電流検出システムにおいて、前記支持物に配設された電流検出装置のそれぞれから得られた電圧値または電流値を比較することによって、流出電流の発生地点を特定するよう、構成されることを特徴とする電流検出システム。

請求項5

架設される電気導体とこれを保持する複数の支持物を備える電気導体支持構造において流出する電流を検出するシステムであって、前記支持物には、電気導体から流れ出る流出電流を検出する電流検出装置が配設され、前記電流検出装置は、流出電流の電流値または電圧値を検出する電流検出手段を備え、前記電流検出装置のそれぞれから得られた電圧値または電流値を比較することによって、流出電流の発生地点を特定するよう、構成されることを特徴とする電流検出システム。

請求項6

請求項1〜5いずれか1項に記載の電流検出システムにおいて、前記電流検出装置は、検出されたデータを送受信するため、有線または無線通信手段によって連携され、構成されることを特徴とする電流検出システム。

請求項7

請求項1〜6いずれか1項に記載の電流検出システムにおいて、前記電流検出装置は、検出に関する情報を表示または報知する手段を備えて、構成されることを特徴とする電流検出システム。

請求項8

請求項1または5に記載の電流検出システムにおいて、前記電流検出装置は、電流の周波数を検出する周波数検出手段を備え、構成されることを特徴とする電流検出システム。

技術分野

0001

本発明は、事故等により電気導体から流れ出流出電流である事故商用交流電流落雷による雷サージ電流などを検知する電流検出技術に係るものである。より詳細には、架空送電線架空地線配電線電車線等の架線された電線類地中電力ケーブルブスバー等の商用交流を流す電気導体、また、それらを保持する鉄塔電柱等の支持物付属金具類、支持碍子避雷装置周辺付属機器等の電気付帯設備における事故等にかかわって、落雷による閃絡またはその他の原因により設備等に絶縁破壊を生じて漏れ出た地絡電流(AC続流)、雷撃から直接流れ出た雷サージ電流などの電流が流出するが、これらの流出電流を検出して報知(表示)する電流検出装置と、複数の電線支持物にこれらの電流検出装置を配置することにより、流出電流の発生地点を検知できる電流検出システムに関するものである。

0002

図4架空送電線鉄塔設備への雷撃の状況を示す説明図である。従来からよくある送電線の事故としては、架空地線71の遮蔽効果が及ばず、直接電力線73へ侵入して碍子装置75がフラッシュオーバー(閃絡)するのが導体直撃雷77による遮蔽失敗事故であり、この他にも、鉄塔74あるいは架空地線71の径間に雷撃があって、その大電流のために高電圧が発生し、径間の架空地線71と電力線73との間で起こる径間逆フラッシュオーバー事故、さらには、碍子装置75にフラッシュオーバーが生じる鉄塔逆フラッシュオーバー事故もある。

0003

落雷事故により流れ出てくる流出電流としては大きく分けて2つあり、一つには雷撃による雷サージ(雷インパルス)電流であり、2つ目は落雷事故の後に漏れ出る事故商用交流電流すなわち地絡電流である。この地絡電流は、電力設備が落雷による閃絡等により絶縁破壊を生じてその後に継続して流れ出てくる商用交流電流のいわゆるAC続流や、何んらかの原因により地中配電設備等による絶縁破壊を生じて漏れて流れ出てくる漏れ電流を云い、一方の雷サージのインパルス電流はまるで異なるので、地絡電流とは明確に区別される。雷サージ電流の方は急峻なインパルス電流であり、地絡電流と比べると圧倒的な大電流大電圧であるものの、雷サージ電流の継続時間は普通は数10μsecにすぎず、地絡電流の継続時間の方がはるかに際立って長い。

0004

本願発明の出願人は、上記のような事故により流出した電流を効果的に検出するため、新規の電流検出装置に関する特許出願を既に行っており、その出願番号は2000−270727(出願日2000.9.6)であり、特開2002−84653(公開日2002.3.22)で公知となっている。この特許出願による電流検出装置は、流出電流を検出する周波数検出手段と、得られた流出電流の周波数を他と比較する周波数比較手段とを備え、一台の検出装置で、地絡電流と雷サージ電流とを区別して検出表示することができる。そして、検出は正確で確実であり、分かり易くて便利な検知表示ができ、使い易さ、コスト性、省力性、管理容易性等の面で優れる流出電流の検出装置を提供することができる。

0005

本発明の電流検出システムは、既に本出願人が特許出願した上記の電流検出装置をふまえて、これを大いに活用すると共に、複数または多数の支持物(鉄塔などの設備)にこれらの電流検出装置をそれぞれ配置することにより、実際に事故が起こった箇所を明確に判定させることのできる、画期的な電流検出システムを提供することを目的としている。

0006

ここでまず、従来の関連する技術を説明する。図5は、従来からよくある電気導体の支持構造の一例を示す概観図である。これらの支持構造は、所定の位置に間隔をおいて連続的に配置された支持物である鉄塔が、多くの径間を形成して架設される電気導体を支持する構造である。この図5に示すように、所定の位置(30,31,32,33)のそれぞれに、鉄塔(100,101,102,103)が配設されている。ここでの電気導体は、実際に電気を流す電線(130,131,132,133)と、落雷から設備を保護するための架空地線(140,141,142,143)のことであり、これらの導体支持構造は、電気エネルギー供給分野において、一般的には送電線網配電線網などと呼ばれる設備である。

0007

これら架設される電気導体は、所定の距離をおいて連系して配置される支持物である多数の鉄塔(110,101,102,103)に保持されていて、鉄塔間隔毎に垂下されて連続する電線張架径間を形成している。
図5における電線(130,131,132,133)は、鉄塔の腕部材(110,111,112,113)から吊下される懸垂型碍子装置(120,121,122,123)を介して、懸垂型クランプ(150,151,152,153)によって把持または握持され、その鉄塔側に保持される。また、架空地線(140,141,142,143)は、鉄塔(110,101,102,103)の頂部付近を通るように引き留められて保持される。

0008

図5において、それぞれの鉄塔(100,101,102,103)の下方側には、地絡電流検出装置(300,310,320,330)が設置されており、事故等に伴う地絡電流があったときの検出となんらかの報知または表示を可能にしている。ここで、鉄塔100にかかわる地点Gにおいて事故が発生した場合には、鉄塔100に流出する電流として地絡電流が流れ、このとき200→210 の電流経路を経て、電流I0 が流れ出る。鉄塔100に設置された地絡電流検出装置300は、この電流I0 を検知すると動作するように設定されている。
ところが、地点Gの事故によって流れ出る地絡電流は、一方面のみならず他の方面にも流れる。すなわち、電流の経路に示すように、鉄塔だけではなく架空地線(140,141,142,143)を通して他の鉄塔側にも流れ込んでしまうので、それら他の鉄塔に設置された地絡電流表示装置一緒に動作する可能性がある。

背景技術

0009

図5に参照するに、鉄塔100の右隣の鉄塔101に関しては、地絡電流は200→220→240→250 の電流経路を経て電流I1 が流れるので、鉄塔101に設置された地絡電流検出装置310 が動作する。
同様に、鉄塔100の左隣の鉄塔102では、地絡電流は200→220→230→270の電流経路を経て電流I2 が流れるので、鉄塔102に設置された地絡電流検出装置320 が動作する。
さらに、鉄塔100の右側二つ先の鉄塔103では、地絡電流は200→220→240→260→290の電流経路を経て電流I3 が流れるので、鉄塔103に設置した地絡電流検出装置330が動作する。

発明が解決しようとする課題

0010

図5を例にして示したように、鉄塔100の地点(G)で事故があった場合、鉄塔100の大地側には地絡電流(I0)が流れて地絡電流検出装置300が動作するものの、他の鉄塔(101,102,103)にも地絡電流(I1,I2,I3)が流れるため、そこに設置されている地絡電流検出装置(310,320,330)も一緒に動作することとなる。
このように、鉄塔毎それぞれに電流検出表示装置を設置してある場合では、事故が起こったときに、複数または多数の電流検出表示装置が同時に検出表示をしてしまうという事態が生じ、どこの鉄塔箇所で実際に事故が起こったのか分からず、事故点を特定することができなくなってしまう。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数または多数の電流検出装置が動作した場合であっても、実際に事故が起こった箇所を特定化させることのできる電流検出システムを提供することを目的としている。

0011

以上のような目的を達成するために、本発明による電流検出システムでは次のような手段を用いた。
(1)架設される電気導体とこれを保持する複数の支持物を備える電気導体支持構造において流出する電流を検出するシステムであって、
前記支持物には、電気導体から流れ出る流出電流を検出する電流検出装置が配設され、
前記電流検出装置は、極性の異なる複数の電圧発生手段と、電圧または電流を検出する手段と、を備えて構成される電流検出システムとした。

0012

(2)(1)の電流検出システムにおいて、前記電圧発生手段は、極性が異なる二つのコイル式検出部を有して、構成される。ここでの電圧発生手段は、コイル・CTセンサホール素子などのように、極性が異なるよう設定できる構成要素を用いるとよい。
(3)(2)の電流検出システムにおいて、
前記電気導体支持構造は、支持物の上方側に張架される上側導体と、その上方導体より下方に張架される下側導体と、を備え、
前記電流検出装置が備える前記二つのコイル式検出部について、一方は上側導体と下側導体との間の位置に、また他方は下側導体より下方の位置に、それぞれ配設され構成される。
(4)(1)〜(3)の電流検出システムにおいて、
前記支持物に配設された電流検出装置のそれぞれから得られた電圧値または電流値を比較することによって、流出電流の発生地点を特定するよう、 構成される。

課題を解決するための手段

0013

(5)架設される電気導体とこれを保持する複数の支持物を備える電気導体支持構造において流出する電流を検出するシステムであって、
前記支持物には、電気導体から流れ出る流出電流を検出する電流検出装置が配設され、
前記電流検出装置は、流出電流の電流値または電圧値を検出する電流検出手段を備え、
前記電流検出装置のそれぞれから得られた電圧値または電流値を比較することによって、流出電流の発生地点を特定するよう、構成される電流検出システムとした。
(6)(1)〜(5)の電流検出システムにおいて、
前記電流検出装置は、検出されたデータを送受信するため、有線または無線通信手段によって連携されて構成される。
(7)(1)〜(5)の電流検出システムにおいて、
前記電流検出装置は、検出に関する情報を表示または報知する手段を備えて構成される。
(8)(1)または(5)の電流検出システムにおいて、
前記電流検出装置は、電流の周波数を検出する周波数検出手段を備えて構成される。

0014

以下、図1〜3を参照して、本発明による電流検出システムの実施の形態を詳細に説明する。ここで、図1は本発明による電流検出システムの一実施の形態を示す構成概略図であって、また、図2は本発明による電流検出システムの他の実施の形態を示す構成概略図であり、さらに、図3は本発明による電流検出システムに用いられる電流検出装置の構成図の一例である。
本発明は、事故箇所の特定が容易に判定できる電流検出システムであって、この電流検出システムにおける電流検出装置の具体的な構成のひとつに、鉄塔に二つのコイル部材を、その極性を逆にして設置する構成があり、これが肝要である。このような構成により、地絡事故があった鉄塔には、ふたつのコイルの誘導起電圧が合成されることで、高い誘導電圧が得られることとなり、また、地絡事故のない鉄塔に取り付けたコイルからの誘導起電圧が相互に打ち消して、合成電圧がほぼ(0)となる。この結果として、地絡事故があった鉄塔の電流検出装置と、地絡事故のない鉄塔の電流検出装置とでは、合成電圧の値に明らかな違いが生じることにより、事故点(鉄塔)を特定できるものである。さらにまた、装置が流出電流の周波数を検出する手段を備えることにより、地絡電流と雷サージ電流とを明確に区別することができる。

0015

図1を参照するに、本発明による電流検出システムは、架設される電気導体(電線30−31−32、架空地線20−21−22)とこれを保持する複数の支持物(1,2,3)を備える電気導体の支持構造において、流出する電流を検出するシステムである。これら支持物である鉄塔(1,2,3)には、電気導体から流れ出る流出電流を検出する電流検出装置(11,12,13)が配設される。
これらの電流検出装置は、極性の異なる複数の電圧発生手段と、電圧または電流を検出する手段とを備え、極性の異なる複数の電圧発生手段の具体的的構成として、極性が逆となるコイル式検出部(11’と11’’、12’と12’’、13’と13’’)を備える。なお、電流検出装置が流出電流の周波数を検出する手段を備えることにより、地絡電流と雷サージ電流とを明確に区別することができる。
このように図1は「コイルで作動・表示する方式」を示したものである。

0016

図1の中央にある鉄塔2に関して、電流検出装置である地絡電流表示装置12が鉄塔2に取り付けられており、この地絡電流表示装置12は、本体12aおよび従属体12b、これらをつなぐ接続手段12cとからなる。そして、この装置12は上方導体である架空地線(21−20)の下に取り付けた第2のコイル式検出部(12’’)と、鉄塔2のアーム2a(アームが複数のときは最下位のアーム)との間に取り付けられる第1のコイル式検出部(12’)とを含み、これらふたつのコイルの極性は互いに「逆」に設定されて設置される。これらふたつのコイル式検出部(12’−12’’)は有線または無線通信方式による接続手段12cによって連携され、本体12aと従属体12bとは一体的な装置構成がなされて、地絡電流表示装置12が形成される。
実用的には、コイル式検出部12’’のある従属体12bから本体12aまでをケーブルで接続し、本体12aは地絡電流を検出して表示する装置としての必要な機能のすべて備えさせ、従属体12bからの入力信号受け入れるように構成されるとよい。
なお、第2のコイル式検出部(12’’)の取り付ける位置に関しては、図1においては、架空地線(21−20)と鉄塔2アーム2aとの間の位置としている。しかしこれに限られるものではなく、例えば、鉄塔2の側にある架空地線20または架空地線21に直接取り付けることも可能である。

0017

さて、この鉄塔2の地点Gに事故があった場合には、下側の第1のコイル式検出部(12’)には40→41→42の経路で本体12aに地絡電流が流れ、また第2のコイル式検出部(12’’)には40→41→43の経路で、付属体12bに地絡電流が流れるので、第1のコイル式検出部(12’)と第2のコイル式検出部(12’’)とは、別々の方向の経路に分岐した電流が流される。

0018

ここでは、コイル式検出部が備えるコイルの極性は互いに逆に設置しておき、また、地絡電流検出装置12が得られる出力電圧は、極性が互いに逆のコイル(12’)とコイル(12’’)との出力電圧の和となるよう設定しておくことにより、鉄塔2の地絡電流表示装置12では、ふたつのコイルが合成された高い電圧を得ることができる。そして、このような高い電圧を基準電圧として設け、この基準電圧が得られたときに、必要があればこの電圧の周波数(50Hzまたは60Hz)を検出し、動作をなすよう地絡電流表示装置12を設定しておくことにより、装置12単体において表示または報知の動作を行うことができる。
そして、基準電圧が設定された電流検出装置(地絡電流検出装置)において、その電流検出装置が、設定基準電圧より高い電圧を検出した場合には、電圧と周波数の両方を検出することとし、また、設定基準電圧より低い電圧を検出した場合には、そこは事故地点ではないものと判断して周波数は検出せずに電圧のみを検出する、というように本発明のシステムを構成することができる。

0019

ところで、図1に示すように、鉄塔2の両隣の離れた位置には他の鉄塔(1と3)があり、つぎに鉄塔3を例にして説明を続ける。鉄塔3に関して、地絡電流表示装置13(電流検出装置)は鉄塔3に採り付けられていて、架空地線(20−22)の下に取り付けた第2のコイル式検出部(13’’)と、地上近傍側の第1のコイル式検出部(13’)とを含み、これらふたつのコイルの極性はやはり互いに「逆」になるよう設定されて設置されている。そして、隣の鉄塔2のG点で事故があった場合には、鉄塔3の第2のコイル式検出部(13’’)には40→41→43→45→46 の電流経路で地絡電流が流れ、また、第1のコイル式検出部(13’)には40→41→43→45→46→47の経路で、地絡電流が流れる。

0020

ここで、鉄塔3においては、鉄塔上側にある第2のコイル式検出部(13’’)から下側にある第1のコイル式検出部(13’)を通って、地絡電流が流れる。それぞれのコイルの極性はやはり互いに「逆」になるよう設定されて設置されているので、これらふたつのコイルを経由して流れる地絡電流の出力電圧は、それぞれのコイル同士の出力電圧が打ち消されるため、合わされるとほとんど0(零)に近い値となる。誤差をふくんでもそれほど高い電圧を生じることはないので、鉄塔3の地絡電流表示装置13は、検出表示の動作をすることはない。

0021

図1を参照して、連系する鉄塔1−鉄塔2−鉄塔3の関係についてさらに述べる。鉄塔2においては、電流検出装置12を設置して電流検出の動作をさせるとき、電流検出装置12には、極性が逆となるふたつのコイル式検出部(12’)と(12’’)を備え、これに流れる電圧を検出し、加えて二つの電圧の和を得る手段を備える。そして、鉄塔1と鉄塔3についても同様の構成とする。
こうして、鉄塔2では、電線31に起因する事故地点Gから流出する電流は、上部と下部とに分岐され、上部のコイル式検出部(12’’)と下部のコイル式検出部(12’)とに分流されてそれぞれに電圧を生じるので、これらの二つの電圧の和をとって合成電圧を得ると、大きな電圧が得られる。

0022

これに対して、鉄塔3においては、鉄塔2の事故地点Gから流出してくる電流は、鉄塔3に入ると大きな分流をしないで進んでゆくので、鉄塔3の上部にあるコイル式検出部(13’’)と下部のコイル式検出部(13’)とを通って、同じ方向の電流の流れを生じる。ところが、二つのコイルの極性を逆に設定しているので、それぞれのコイルに生じた電圧の和をとると、これら二つの電圧は打ち消し合うこととなり、0または極めて低い電圧しか得られない。
これは、鉄塔1についても同様のことがいえる

0023

上記してきたように、本発明の電流検出システムに基づけば、事故点を容易に特定することができる。すなわち、鉄塔に取り付けた二つのコイルは、その極性を逆にして設置する構成により、地絡事故があった鉄塔には、ふたつのコイルの誘導起電圧が合成されることで、高い誘導電圧が得られ、また、地絡事故のない鉄塔に取り付けたコイルからの誘導起電圧が相互に打ち消して、合成電圧がほぼ零(0)またはかなり低い電圧となる。この結果として、それぞれ鉄塔の電流検出装置により得られた流出電流のデータにより、事故点を特定できるものである。

0024

本発明により事故点の特定するにあたっては、ある電圧値を動作の基準に設定して、その電圧に達したとき、必要に応じてこの電圧の周波数(50Hzまたは60Hz)を検出し、電流検出装置を動作させ、事故表示させることもできるし、また、複数または多数の電流検出装置から得られた電圧値を比較することにより、事故点を判定して、事故点にある電流検出装置を動作させることもできる。
これまでは、流出電流から得られる電圧値を用いる方法について説明してきたが、電圧値のみならず、流出電流からは電流値を得ることもできるので、これを用いることもできる。また、必要に応じてその周波数を検出して、地絡電流か雷サージ電流かを明確に判定することもできる。

0025

これらの得られた電圧値や電流値を比較するにあたって、図1を例にすれば、鉄塔2の電流検出装置12、鉄塔3の電流検出装置13、鉄塔1の電流検出装置11のそれぞれから電圧値や電流値などに関する情報を得て、それらを比較することになる。このとき、これら電流検出装置が相互に無線または有線通信によって連携や接続をし合って、事故地点を特定し、事故点に該当する鉄塔にある電流検出装置において、事故の表示または報知の動作をさせることができる。
また、多数の電流検出装置のそれぞれから電圧値や電流値などに関する情報を得るために、鉄塔に付帯する装置とはまったく別個に情報データ類の処理制御を行うための中央基地的な設備を設け、そこで管理や制御を行わせるようにしてもよい。各電流検出装置や中央基地的な設備と間は、無線または有線通信接続によって連携し合うのがよい。

0026

図2は本発明による電流検出システムに関する別の実施の形態であり、これを「データ保存読み出し判定方式」と呼んでもよい。この場合は、第2のコイル(従属体)を設置する必要がない。
図2の鉄塔(1,2,3,4)には、電気導体から流れ出る流出電流を検出するための電流検出装置(M1,M2,M3,M4)がそれぞれ配設される。これらの電流検出装置は、流出電流の電流値または電圧値を検出する電流検出手段と、必要に応じて検出された電流の周波数を検出する周波数検出手段と、を備えている。
図2による判定方式は、鉄塔の塔脚に流れる事故電流の電流値または電圧値に着目すると、事故があった鉄塔と事故がない鉄塔とでは、得られるデータ値の差が大きいことが分かるので、このことを利用して事故地点の鉄塔を探索する方式である。

0027

ここで、各鉄塔(1,2,3,4)の地絡電流表示装置(M1,M2,M3,M4)は、個々にも、相互にも、予め事故電流値のデータを得ることができ、さらにそれらの判定することもできるよう、設定がなされる。これらのデータは保存しておくことも可能であって、事故があったときには、その事故電流値または電圧値を読み出し、事故があった鉄塔を判明させることができる。
このように各々の電流検出装置では、電流値・電圧値などのデータをメモリ装置などに記憶保管するよう構成することが可能である。そして、これらのデータを得るためには、装置が動作した鉄塔に点検者出向いて、直接その電流検出装置からデータを取得することができる。この場合、点検者が装置の動作リセットを行う作業を兼ねてデータ取得することにすれば、点検作業の効率アップに繋がる。また、各電流検出装置が無線または有線通信接続によって連携し合う構成であるとき、いずれかにデータを記憶保管させておき、それらを通してデータなどの情報を取得することができる。
またここでも、多くの電流検出装置のそれぞれから電流値や電圧値などに関する情報を得るために、鉄塔に付帯する装置とはまったく別個に情報データ類の処理制御を行うための中央基地的施設を設け、そこで管理や制御を行わせるようにしてもよく、各電流検出装置と中央基地的施設とは、無線または有線通信接続によって連携し合うようにするとよい。

0028

図2を用い、例として具体的な電流値を示しながら説明する。鉄塔2の電線である事故点Gにおいて、事故による地絡電流が例えばI0発生して、それが流れ出たとする。この流出電流は、鉄塔2の腕部から上と下に分流するので、それが均等に分流すれば、上側(I0×1/2)と下側(I0×1/2)の電流が流れる。そこで、鉄塔2の下側にある塔脚では、その塔脚を4本としてこれらの抵抗が均等だと仮定すれば、さらに4等分されて、電流I2 は(I0×1/2)×1/4 となるので、地絡電流表示装置M2ではそれを検出する。
次に、鉄塔2の上側に流れる電流(I0×1/2)は、架空地線を通して、左側の鉄塔1と右側の鉄塔3とに均等に流れるものとすると(I0×1/2×1/2)となり、さらに鉄塔3の頂部において、鉄塔3側と架空地線とでさらに分流してこれも均等に分かれるものとすれば、(I0×1/2×1/2×1/2)の電流が鉄塔3と架空地線とに流れる。ここでも、鉄塔3の塔脚が4本としてこれらの抵抗が均等だと仮定すれば、さらに4等分されて(I0×1/2×1/2×1/2)×1/4となり、これだけの電流が鉄塔3の1本の塔脚に流れて電流I3 となり、地絡電流表示装置M3で電流I3を検出する。
ただし、上記した計算例は、想定分流率を50%とした上の理論計算値であって、実際に得られる値とは異なることがありうる。

0029

上記した計算例によれば、図2の鉄塔支持構造による流出電流は、鉄塔2における検出装置M2に流れる電流I2が(I0×1/2)とするなら、右隣の鉄塔3における検出装置M3に流れる電流I3 が((I0×1/2)×1/2×1/2)×1/4 となる。また、同じく左隣の鉄塔1における検出装置M1に流れる電流I1 も((I0×1/2)×1/2×1/2)×1/4 となる。
すなわち、得られる電流値は相関する関係が成り立ち、事故のあった鉄塔2に流れる電流I2 と、隣の鉄塔1と鉄塔3に流れる電流I1と電流I3、さらに二つ先の鉄塔4に流れる電流I4 との数学的関係を示すと、次のような式が得られる。
I1 =I3 =((I0×1/2)×1/2×1/2)×1/4 =I0×(1/32) =I2×(1/4)
I4 =(I0×1/2×1/2×1/2×1/2)×1/4 =I0×(1/64) =I2×(1/8)

0030

本発明によれば、こうして、それぞれの鉄塔に設置した電流検出装置から、流出電流の電流値を得ることにより、つぎに示すような事故地点の判定ができる。
・複数または多数の鉄塔に設置した電流検出装置のうちの1台のみが動作した場合には、検出動作のあった鉄塔の位置(鉄塔近傍地点も含む)を事故地点であると特定することができる。
・複数または多数の鉄塔に設置した電流検出装置において、データ保存・読み出し方式により、これらの電流検出装置が検出した電流値を比較することによって、どこが事故地点であるかを特定することができる。
・得られた電流値のなかで突出する電流値があれば、その鉄塔またはその付近が事故地点であると推定することができる。また、複数の電流値が得られた場合に、具体的には、横軸を鉄塔の位置(鉄塔間距離)として、縦軸をその得られた電流値として、電流値カーブを描くことで事故地点であると推定することができるが、このような数学的解析はコンピューター処理を用いれば極めて容易である。

0031

ところで、それぞれの鉄塔に設置した電流検出装置から得られたデータを比較することにより事故地点の判定をするうえで、考慮しておいた方がよい事項がある。それは、各鉄塔が設置された場所や環境によって、その鉄塔位置での接地抵抗や分流率がそれぞれに異なってくるという点である。例えば、鉄塔が設置された場所が山岳地(岩盤地)と水田地帯湿地)とは当然ながら接地抵抗が異なる場所であるし、また、その鉄塔据付け場所が接地抵抗を低減させるための処置がしてあるかないかによっても異なる。すなわち、それぞれの鉄塔の設置場所によっては、得られたデータをそのまま利用して事故地点の判定をすると不正確になることがあり、このようなケースでは、各鉄塔で得られたデータを何らかの補正をかけることによって処理した上で比較を行い、事故地点の判定をするとよい。どのようにしてデータ補正を行うかについては、あらかじめ各鉄塔から各種のデータを得ておいて、これらのデータを比較調査することによって、適正なデータ補正処理方法を得ることができる。
このような各鉄塔間のデータの補正処理は、本発明による電流検出システムである「データ保存・読み出し判定方式」にも、また「通信方式による表示方式」においても採用することができる。

0032

また、既に述べてきたことではあるが、本発明の電流検出システムにおいては、「通信方式による表示方式」を用いることができる。
この方式では、鉄塔に取り付けられたそれぞれの地絡電流表示装置(電流検出装置)が事故電流データを測定して、通信方式を用いて、得られたデータを所定の収集場所に送信し、そこで受け取ったデータ(電流値または電圧値)を比較して、事故地点を判定して表示するというシステムである。

0033

この通信方式を用い、ある鉄塔Aに取り付けた地絡電流表示装置において、両側の鉄塔(BとC)の地絡電流表示装置から受け取った電流値がほぼ同じであれば、その鉄塔Aに事故があったと判断して表示をする、という原理に添って実施することができる。
また、逆に、ある鉄塔Aのその左右(両側)の鉄塔(BとC)にある地絡電流表示装置から受け取った電流値の差について、例えば、左側の鉄塔Bの電流値が鉄塔Aのそれより大きく、右側の鉄塔Cよりもかなり大きな値になり、相当に大きな倍率差が生じたりすることがある。そのときは、その真ん中にある鉄塔Aに事故がなかったものと判定され、鉄塔Aの地絡電流表示装置が何らの表示もしない、というようになる。

0034

図3は、本発明による電流検出システムの電流検出装置の基本的な構成図である。この図によると、流出電流はコイル1(31)とコイル2(32)を流れて、ここから得られた電圧は、電流検出部(33)に入力されて、さらに周波数・合成電圧・検出部(34)に送られて、ここで周波数の検出とふたつのコイル電圧の合成電圧が検出される。これらのデータは制御部(35)に送られて適正な処理がなされ、つぎに表示装置36において事故等の表示(報知)がなされる。また、表示装置36が動作したときは、点検者が見つけるまでの期間は表示状態を継続させておくのが普通であり、この表示を解除するためにはリセット(37)できる機能を設けたほうがよい。なお、ここでの周波数の検出は、地絡電流と雷サージとの区別を明確にするために大いに有効であるが、地絡電流のみを検出する場合においてはこれを省略してもよい。

発明を実施するための最良の形態

0035

ここで、電流検出装置の鉄塔への取付について説明する。図1を参照するに、鉄塔(1,2,3)へ電流検出装置(11,12,13)を設置するにあっては、作動したあとの電流検出装置のリセット解除を点検者が行うことを考慮すると、リセット解除が容易となる鉄塔下部のなるべく地面に近い位置に、電流検出装置の本体(11a,12a,13a)を配置するのがよい。
また、鉄塔の上部に設置する従属体(11b,12b,13b)と、本体(11a,12a,13a)とを結ぶケーブル(11c,12c,13c)の設置が必要なときは、このケーブルの長さをなるべく短くする方がよい。この場合、本体(11a,12a,13a)は、鉄塔の腕部(1a,2a,3a)のすぐ下の位置、すなわち鉄塔上のなるベく高い位置(鉄塔中部付近)に設置されるのがよい。
いずれにしても、鉄塔への電流検出装置の設置は、それぞれの取り付け現場の状況や点検などの諸般の事情に鑑みて、適宜に選択されればよい。

図面の簡単な説明

0036

このように本発明の電流検出システムによれば、本発明の電流検出装置は極性の異なる複数の電圧発生手段を備えており、具体的構成として二つのコイルを逆に設置することにより、流出電流の方向や大きさを検出して、流出電流の発生地点を判定することができる。また、電流検出装置からは、事故電流の電圧値、電流値、周波数などの種々のデータを得て、それらを比較することによって、事故電流の発生地点を判定することができる。そして、従来の事故検出表示装置のように多数個数が動作してしまって事故地点がわからなくなるということがなく、極めて正確に事故地点が特定できる電流検出システムが得られる。さらに、近年の発展する情報通信を多いに活用して、広範囲タイムリーな事故管理業務遂行できるようにもなるし、とりわけコイルをセンサーとして用いた装置では実用的にもコスト的にも優れたものになり、市場性信頼性の面でも品質の高い事故箇所判定システムが得られる。

図1
本発明による電流検出システムの一実施の形態を示す構成概略図である。
図2
本発明による電流検出システムの他の例を示す構成概略図である。
図3
本発明による電流検出システムに使用される電流検出装置の構成図の一例を示す。
図4
架空送電線鉄塔設備への雷撃の状況を示す説明図である。
図5
従来から用いられている電気導体支持構造の一例を示す概観図である。
【符号の説明】
1、2、3、   支持物(鉄塔)
1a、2a、3a  支持物(鉄塔)の腕部
11、12、13  電流検出装置
11a、12a、13a  電流検出装置の本体
11b、12b、13b  電流検出装置の従属体
11c、12c、13c  電流検出装置の接続体
11’、12’、13’  第1のコイル式検出部
11’’、12’’、13’’  第2のコイル式検出部
20〜22 電気導体(架空地線)
30〜32 電気導体(電線)
40〜47 流出電流の流れる経路
M1、M2、M3、M4  電流検出装置
140〜143  電気導体(架空地線)
130〜133  電気導体(電線)
200〜290  流出電流の流れる経路
31、31 コイル式検出部
33  流出電流検出部
34  周波数/合成電圧の検出部
35  制御部
36  表示部
37  リセット部
100、101、102、103  支持物(鉄塔)
110、111、112、113  支持物(鉄塔)の腕部
120、121、122、123  支持物(鉄塔)の碍子装置
300、310、320、330  電流検出装置

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