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技術 オイルテンパー線の製造方法

出願人 日鉄住金SGワイヤ株式会社
発明者 小野田光芳
出願日 2002年7月22日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2002-211954
公開日 2004年2月19日 (17年8ヶ月経過) 公開番号 2004-052048
状態 特許登録済
技術分野 熱処理 ストリップ・線材の熱処理
主要キーワード 潤滑被膜処理 加工硬化層 各線材 オイルテンパー線 コイリング成形 コイリング 高疲労強度 潤滑被膜
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年2月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

皮剥き後の工程を簡略化しつつ、品質の向上とコスト削減を果す、オイルテンパー線の製造方法を得る。

解決手段

非金属介在物を制御した線材恒温変態熱処理を施し、酸洗後潤滑被膜を施し、皮剥きを行つた後に、皮剥き時に表層に発生する加工硬化層焼鈍により軟化させて伸線を行い、次いでオイルテンパー処理をする。

概要

背景

コイルばねオイルテンパー線の製造方法として、非金属介在物を制御した線材を使用して恒温変態熱処理し、酸洗後潤滑被膜を施し、皮剥きを行つた後に、再び恒温変態熱処理をし、酸洗して潤滑被膜を施し、伸線加工後オイルテンパー処理をすることが知られている。この時、線材での恒温変態熱処理は線材の加工性が向上されているので省略されることが多い。

概要

皮剥き後の工程を簡略化しつつ、品質の向上とコスト削減を果す、オイルテンパー線の製造方法を得る。非金属介在物を制御した線材に恒温変態熱処理を施し、酸洗後に潤滑被膜を施し、皮剥きを行つた後に、皮剥き時に表層に発生する加工硬化層焼鈍により軟化させて伸線を行い、次いでオイルテンパー処理をする。    

目的

本発明の課題は上述の問題に鑑み、皮剥き後の工程を簡略化しつつ、品質の向上とコスト削減を果す、オイルテンパー線の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

非金属介在物を制御した線材恒温変態熱処理を施し、酸洗後潤滑被膜を施し、皮剥きを行つた後に、皮剥き時に表層に発生する加工硬化層焼鈍により軟化させて伸線を行い、次いでオイルテンパー処理をすることを特徴とする、オイルテンパー線の製造方法。

請求項2

前記焼鈍温度は500〜600℃である、請求項1に記載のオイルテンパー線の製造方法。

請求項3

前記焼鈍は酸化スケール被膜抑制のため炉内雰囲気窒素とする、請求項1に記載のオイルテンパー線の製造方法。

請求項4

前記焼鈍は酸化スケール被膜抑制のため炉内雰囲気を窒素と酸素混合ガスとし、かつ酸素量を制御する、請求項1に記載のオイルテンパー線の製造方法。

請求項5

前記線材がSi−Ci 鋼である、請求項1に記載のオイルテンパー線の製造方法。

技術分野

0001

本発明は自動車用内燃機関などに使用される弁ばねクラツチ機構のトーシヨンばねなどのコイルばねに用いるオイルテンパー線の製造方法に関するものである。

0002

コイルばね用オイルテンパー線の製造方法として、非金属介在物を制御した線材を使用して恒温変態熱処理し、酸洗後潤滑被膜を施し、皮剥きを行つた後に、再び恒温変態熱処理をし、酸洗して潤滑被膜を施し、伸線加工後オイルテンパー処理をすることが知られている。この時、線材での恒温変態熱処理は線材の加工性が向上されているので省略されることが多い。

背景技術

0003

従来の皮剥きを行つた後に恒温変態熱処理を行うオイルテンパー線の製造方法は、(a)線材を変態点以上に加熱するので脱炭の発生が懸念される。(b)恒温変態熱処理はストランドでの走行処理が必要になるので、走行処理中及びハンドリングによる傷発生要因になる。(c)恒温変態熱処理では熱処理中に発生する酸化スケール被膜の除去と、伸線加工のために酸洗後の潤滑被膜処理が必要になる。(d)潤滑被膜のむらにより伸線後のオイルテンパー処理での酸化スケール被膜の付着状態が不均一になり、コイルばねの成形加工コイリング)の弊害となる。

0004

本発明の課題は上述の問題に鑑み、皮剥き後の工程を簡略化しつつ、品質の向上とコスト削減を果す、オイルテンパー線の製造方法を提供することにある。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の他の課題は線材の脱炭がなく、伸線加工とオイルテンパー処理を行つた後の表層に傷やスケールむらがなく、コイルばねの成形を容易にする、オイルテンパー線の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明によるオイルテンパー線の製造方法は、非金属介在物を制御した線材に恒温変態熱処理を施し、酸洗後に潤滑被膜を施し、皮剥きを行つた後に、皮剥き時に表層に発生する加工硬化層焼鈍により軟化させて伸線を行い、次いでオイルテンパー処理をすることを特徴とする。

0007

本発明者はコイルばねに用いるオイルテンパー線の製造方法として、非金属介在物を制御した線材の皮剥き後に焼鈍を行うことが、その後の伸線加工に有効であることを見い出した。つまり、本発明によるコイルばね用オイルテンパー線の製造方法は、線材の皮剥き中に線材の表層に発生する加工硬化層を、焼鈍により軟化させることにより無害化し、伸線を行つた後に、オイルテンパー処理をするものである。

0008

伸線加工性と、伸線加工後のオイルテンパー処理時のオーステナイト化加熱によるセメンタイトの固溶状態とを考慮して、線材の焼鈍温度は500〜650℃の温度域とする。焼鈍時の雰囲気は、窒素または窒素と酸素との混合ガスとし、特に酸素量を制御するのが好ましい。線材の焼鈍で発生する酸化スケール被膜は極く薄くかつ均一になるように制御する。これにより、伸線加工のための酸洗後の潤滑被膜処理を省略することができる。

0009

線材の伸線加工前に焼鈍による酸化スケール被膜を、シヨツトブラストなどによりデスケーリングを行つてもよい。線材の焼鈍による酸化スケール被膜を均一化することにより、続くオイルテンパー処理後の酸化スケール被膜(の厚さ)が均一になり、コイルばねの成形加工(コイリング)時の潤滑性を保つことができる。

0010

【実施例】
本発明によるオイルテンパー線の製造方法は、線材を皮剥きし、その時に発生する加工硬化層を焼鈍により軟化させることにより無害化し、伸線を行つた後、オイルテンパー処理をすることを特徴とする。

0011

[具体的実施例1]
オイルテンパー線として炭素0.57%(以下、%は特に明記されていない限り重量%を意味する。)と、珪素1.45%と、マンガン0.69%と、燐0.014%と、硫黄0.004%と、クロム0.67%と、残部鉄とからなる合金鋼介在物を制御された線材A〜Hおよび比較材Jを用意し、各線材を恒温変態熱処理し、酸洗後に潤滑被膜を施し、表面の皮剥きを行つた。線材の皮剥き量は径で0.3mm(厚さ0.15mm)である。次いで、バツチにより線材の焼鈍を行つた。

0012

線材の焼鈍温度は480〜700℃まで変化させ、各焼鈍温度における線材A〜Hおよび比較材Jの伸線加工性を確認した。線材の焼鈍後の酸化スケール被膜の状態は、いずれも極く薄く均一なものであつた。また、焼鈍での線材A〜Hに脱炭は認められなかつたが、図4に示すように、比較材Jには脱炭が認められた。

0013

次に、伸線加工が良好な線材に対し、オイルテンパー処理を行つた。オイルテンパー処理時におけるセメンタイトの固溶状態(図2を参照)を確認した。オイルテンパー処理は加熱時間が短時間であるので、セメンタイトが球状化すると、加熱によるセメンタイトの固溶が不十分になり、適切な強度が得られない。

0014

介在物を制御された線材A〜Hおよび比較材Jを、恒温変態熱処理し、酸洗後に潤滑被膜を施し、表面の皮剥きを行つた後の焼鈍温度と伸線加工性との関係は次のとおりである。

0015

線材A:焼鈍温度450℃では、伸線加工中に断線が発生し、実用的なものではなかつた。

0016

線材B:焼鈍温度480℃では、減面率80%以上の伸線加工ができたものの、図1に示すように、線材の表面に微細な線軸に直角なクラツク状の割れが発生した。

0017

線材C〜F:焼鈍温度500〜650℃では、微細な線軸に直角なクラツク状の割れは認められず、また、セメンタイトの球状化は見られず、伸線加工後のオーステナイト化加熱により、セメンタイトは十分に固溶され、適切な強度が得られた。オイルテンパー処理後の酸化スケール被膜の外観にむらは認められなかつた。

0018

線材G:温度700℃での焼鈍では、セメンタイトの球状化が進んでおり、伸線加工後のオーステナイト化加熱により、球状化したセメンタイトの固溶は不十分になり、適切な強度は得られなかつた。

0019

比較材H:オイルテンパー処理後の酸化スケール被膜の外観にはむらが認められた。

0020

以上の各線材線材A〜Hおよび比較材Jの評価状況を表1にまとめて表す。焼鈍温度は線材C〜Fの500〜650℃が適切である。

0021

オイルテンパー処理後にオフライン全長に亘り、渦流探傷による傷の検査を行つた。バツチ式焼鈍処理を行つた線材C〜Fでは、1コイル当り(径6mm、長さ1500m)の傷の数が全くないのに対し、比較材H(皮剥き後恒温変態熱処理を行つたもの)では、1コイル当り7個の傷が発見された。

0022

[具体的実施例2]
実施例1とは成分が異なる炭素0.65%と、珪素1.53%と、マンガン0.69%と、燐0.007%と、硫黄0.008%と、クロム0.68%と、残部鉄とからなる合金鋼の介在物を制御された線材を、恒温変態熱処理し、酸洗後に潤滑被膜を施し、表面を径で0.3mm(厚さ0.15mm)の皮剥きを行つた。

0023

次いで、バツチにより線材に焼鈍処理を行つた。この焼鈍温度は500℃とした。線材に焼鈍処理を行つた後、適切な線径まで伸線を行い、次いでオイルテンパー処理を行つた。この時、伸線加工による異常、オイルテンパー処理における強度不足、スケールむらなどの異常は発生しなかつた。

0024

[具体的実施例3]
高疲労強度材として使用されているオイルテンパー線として、炭素0.64%と、珪素1.43%と、マンガン0.71%と、燐0.006%と、硫黄0.005%と、クロム1.48%と、モリブデン0.47%と、バナジウム0.19%と、残部鉄とからなる合金鋼の介在物を制御された線材を、酸洗後に潤滑被膜を施し、表面を径で0.3mm(厚さ0.15mm)の皮剥きを行つた。次いで、バツチにより線材に温度600℃で焼鈍処理を行つた。次いで、線材に伸線加工を行つた後、オイルテンパー処理を行つた。

発明を実施するための最良の形態

0025

上述の高疲労強度材においても、伸線加工による異常、オイルテンパー処理における強度不足、スケールむらなどの異常は発生しなかつた。

発明の効果

0026

本発明は上述のように、線材を皮剥き後、その時に発生する加工硬化層を焼鈍により軟化させて伸線を行つた後、オイルテンパー処理をするものであり、線材を皮剥き後焼鈍することにより、恒温変態熱処理を施さなくても80%以上の伸線加工性が得られ、脱炭と傷の発生要因がなく、高品質のオイルテンパー線を得ることができる。

図面の簡単な説明

0027

焼鈍による生じる均一な酸化被膜が、オイルテンパー線の酸化被膜を均一化させ、コイリング成形が容易に得られる。

図1
本発明に係るオイルテンパー線の製造方法による一線材の表面割れを示す写真である。
図2
同オイルテンパー線の製造方法による一線材の固溶状態を示す写真である。
図3
同オイルテンパー線の製造方法による線材のコイル巻状態での評価基準を表す概略図である。
図4
比較線材の脱炭状態を示す写真である。

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