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技術 Ca含有液体肥料組成物

出願人 住友化学園芸株式会社
発明者 福田実高畑博之中山香子
出願日 2002年7月19日 (18年5ヶ月経過) 出願番号 2002-211682
公開日 2004年2月19日 (16年10ヶ月経過) 公開番号 2004-051434
状態 拒絶査定
技術分野 肥料 植物の栽培
主要キーワード 貯蔵箇所 植物成長促進効果 植物成長促進作用 混和槽内 窒素全量 カルシウム含有液 本発明組成 尿素添加量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課 題

保存によって、カルシウム含有沈殿を生じず、かつカルシウム添加による植物成長促進作用増強効果を有するカルシウム含有液体肥料組成物を提案する。

解決手段

組成物全体に対してCaを0.1〜5.0重量%並びにN、P及びKを適量含有することを特徴とする植物成長促進を増強する液体肥料組成物

概要

背景

窒素リン酸およびカリウムは、植物の3大栄養素と呼ばれ、植物の成長にとって必要不可欠である。カルシウムは、マグネシウム硫黄とともに中量要素と呼ばれ、この3大要素に次いで植物成長に重要とされている。

概要

保存によって、カルシウム含有沈殿を生じず、かつカルシウム添加による植物成長促進作用増強効果を有するカルシウム含有液体肥料組成物を提案する。組成物全体に対してCaを0.1〜5.0重量%並びにN、P及びKを適量含有することを特徴とする植物成長促進を増強する液体肥料組成物。 なし

目的

本発明は、カルシウムによる植物成長促進作用の増強効果を奏することができるカルシウムの最適濃度を明らかにするとともに、そのようなカルシウム最適濃度を有し、しかもカルシウム添加による不溶性固形物沈殿生成を生じず、有効成分を長期に安定に保持できるカルシウム含有液体肥料組成物の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

組成物全体に対してCaを0.1〜5.0重量%並びにN、P及びKを適量含有することを特徴とする植物成長促進を増強する液体肥料組成物

請求項2

さらに微量要素を含有することを特徴とする請求項1に記載の液体肥料組成物。

請求項3

N、PおよびKの配合重量比が(2〜10):(3〜15):(2〜10)であることを特徴とする請求項1に記載の液体肥料組成物。

請求項4

Ca濃度が1.0〜2.5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の液体肥料組成物。

請求項5

保存によりリン酸カルシウム沈殿が実質的に生じず、保存安定性に優れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体肥料組成物。

請求項6

pHが1.0から3.0であることを特徴とする請求項1に記載の液体肥料組成物。

請求項7

リン酸水溶液水溶性石灰を添加し、ついでN源、K源、その他必要に応じて微量要素等の他の成分を添加することを特徴とする請求項1に記載の液体肥料組成物の製造方法。

請求項8

請求項1〜6のいずれかに記載の液体肥料組成物を水で250〜4000容量倍に希釈をして、植物育成用培土施肥することを特徴とする植物の育成方法

請求項9

上記請求項1〜6のいずれかに記載された液体肥料組成物もしくは請求項7に記載の製造方法で製造された液体肥料組成物を植物育成用培土に施肥することにより、又は請求項8に記載の育成方法により育成された植物。

技術分野

0001

本発明は、窒素リン酸カリウムの他に、カルシウムを含有する、保存安定性に優れた植物の成長促進作用を増強する液体肥料組成物に関する。

0002

窒素、リン酸およびカリウムは、植物の3大栄養素と呼ばれ、植物の成長にとって必要不可欠である。カルシウムは、マグネシウム硫黄とともに中量要素と呼ばれ、この3大要素に次いで植物成長に重要とされている。

0003

カルシウムは植物の細胞壁の構造と機能に重要な役割を有しており、カルシウムを生育期間を通じて過不足なく供給できれば、植物の種々の生理障害を防止し、植物の成長促進効果を期待できることが知られている。反面、カルシウムが不足すると、細胞壁が形成されないため細胞崩壊壊死が起こり、様々な腐敗症状を引き起こす原因となる。

0004

上記のように、カルシウムは植物の成長に重要であるにもかかわらず、土の中では難溶性カルシウムとして存在していることが殆どであり、植物が直ちに吸収することができず、植物体内で不足しやすい。また植物は瞬時もしくは短時間に大量のカルシウムを吸収することができず、また植物体内に取り込まれたカルシウムは、植物体内の貯蔵箇所から不足箇所に移動して再利用されることがないため、持続的に常に一定量の供給が必要となる。

0005

植物にカルシウムを持続的かつ即効的に供給することを目的として、カルシウム含有液肥料を製造する試みがこれまでに種々なされているが、カルシウムを液体肥料に添加すると、液体肥料中のリン酸と反応してリン酸カルシウム不溶性固形物が液体肥料作成中および保存中に沈殿物となって生じるため、カルシウムを含有する液体肥料は、その有効成分の安定性を確保する上でこの沈殿生成が問題となっている。

0006

一般にカルシウムを含有する液状組成物を安定に保持する方法として、遊離酸共存させて酸性条件を保つか、若しくはキレート剤を共存させる方法がある。しかし、前者では遊離酸自身が植物に葉焼け薬害などの悪影響を及ぼす懸念があり、後者では、カルシウムと化学量論的に等量のキレート剤が必要となり、高価となるだけでなく、カルシウム高濃度下においてはその効果が十分に望めないという問題点を有する。

0007

上記の方法以外にも、特開昭49−131846において、リン酸またはリン酸を含有する混酸硫酸を除く)を含む苦土塩(硫酸苦土を除く)の溶液中の遊離酸を一価塩基であらかじめ中和し、これに可溶性石灰塩を混合することにより、製造中及び貯蔵中に沈殿をみない安定な液体肥料製造方法が記載されている。しかしながら、本特許発明を詳細な説明の記載に基づいて実施した場合、リン酸またはリン酸を含有する混酸(硫酸を除く)を含む苦土塩(硫酸苦土を除く)の溶液中の遊離酸を一価の塩基であらかじめ中和する際に中和熱が発生し、その中和熱によって混和槽内の温度が約55℃にまで上昇した。また、可溶性石灰塩を溶解後に、不純物ろ過の工程が必要との記載がされており、実際には、全体の約5%という大量の固形物のろ過が必要であった。以上から、この公知発明においては、生成した不溶性固形物のろ過工程が必要となり、さらに混和時の温度管理が必要となる等、製造工程の煩雑さが問題となるため、本技術はカルシウムを含有する液体肥料の提供のために必ずしも満足すべきものではない。

背景技術

0008

また、上記に記載のとおり、カルシウムは植物の成長にとって好ましいことが知られているが、その最適濃度について詳細な検討は殆どなされていない。特開昭49−131846に記載された発明においても、カルシウムの濃度はCaOとして6.12〜7.96重量%と非常に高く、この高濃度が更にカルシウム含有液体肥料の不溶性固形物沈殿生成という不安定性を助長している要因となっている。よって、優れた植物成長促進効果を奏するカルシウムの最適濃度を明らかにし、その濃度での液体肥料の安定化を図ることができれば、理想的なカルシウム含有液体肥料組成物を提供することができる。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、カルシウムによる植物成長促進作用増強効果を奏することができるカルシウムの最適濃度を明らかにするとともに、そのようなカルシウム最適濃度を有し、しかもカルシウム添加による不溶性固形物の沈殿生成を生じず、有効成分を長期に安定に保持できるカルシウム含有液体肥料組成物の提供を目的とする。

0010

前述した目的を達成するため、本発明者らは、カルシウムと窒素、リン酸及びカリウムを含む液体肥料組成物について、数多くの処方およびカルシウム添加濃度について検討した結果、組成物全体に対してCaを0.1〜5.0重量%並びにN、P及びKの適量を含有する組成物が上記課題を解決するものであることを知見し、更に種々検討を重ねて本発明に至った。

課題を解決するための手段

0011

すなわち、本発明は、
1. 組成物全体に対してCaを0.1〜5.0重量%並びにN、P及びKを適量含有することを特徴とする植物成長促進を増強する液体肥料組成物、
2. さらに微量要素含を有することを特徴とする前記1に記載の液体肥料組成物、
3. N、PおよびKの配合重量比が(2〜10):(3〜15):(2〜10)であることを特徴とする前記1に記載の液体肥料組成物、
4. Ca濃度が1.0〜2.5重量%であることを特徴とする前記1に記載の液体肥料組成物、
5. 保存によりリン酸カルシウムの沈殿が実質的に生じず、保存安定性に優れていることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の液体肥料組成物、
6. pHが1.0から3.0であることを特徴とする前記1に記載の液体肥料組成物、
7. リン酸水溶液水溶性石灰を添加し、ついでN源、K源、その他必要に応じて微量要素等の他の成分を添加することを特徴とする前記1に記載の液体肥料組成物の製造方法、
8. 前記1〜6のいずれかに記載の液体肥料組成物を水で250〜4000容量倍に希釈をして、植物育成用培土施肥することを特徴とする植物の育成方法
9. 前記1〜6のいずれかに記載された液体肥料組成物もしくは前記7に記載の製造方法で製造された液体肥料組成物を植物育成用培土に施肥することにより、又は前記8に記載の育成方法により育成された植物、
に関する。

0012

本発明は、窒素、リン酸、カリウムの他に、カルシウムを含有し、さらには所望により、苦土塩及び微量要素等を含有する、保存安定性に優れた植物の成長促進作用を増強する液体肥料組成物である。

0013

本発明における、植物の成長促進作用とは、カルシウム不足による細胞の崩壊・壊死が起こり、様々な腐敗症状等の生理障害を引き起こすことなく、安定した収穫量を確保することができる生理障害防止作用を意味し、さらに成長促進作用の増強効果とは、生理障害防止作用のみならず、植物の花、実の数、地上部における植物重量をも向上させる収穫量向上作用が得られる効果を含むことを意味する。

0014

本発明組成物における特定のカルシウム濃度を与えるためのカルシウム源としては、可溶性石灰が好ましく、可溶性石灰は酸性条件下にて可溶性の性質を有するものであれば特に限定されない。より具体的には、消石灰生石灰若しくは市販の硝酸カルシウム、第1リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム等であることが望ましい。カルシウムの濃度はCa換算で0.1〜5.0重量%であることが好ましく、0.7〜3.0重量%がより好ましく、1.0〜2.5重量%であることが最も好ましい。これはCaOに換算すると、0.14〜7.0重量%であることが好ましく、0.98〜4.2重量%であることがより好ましく、1.4〜3.5重量%であることが最も好ましいこととなる。

0015

本発明における窒素源は、特に限定されないが、尿素態窒素アンモニア態窒素及び硝酸態窒素の形態であることが望ましく、アンモニア態窒素及び硝酸態窒素がより望ましい。具体的には、硝酸アンモニウムリン酸一アンモニウム、硝酸カルシウム、硝酸カリウム硝酸ナトリウムおよび尿素などであることが望ましい。但し、尿素はリン酸カルシウムの沈殿生成の原因となる場合があるので、窒素源として利用しないか、利用してもわずかな量であるのが好ましい。

0016

リン酸源は特に限定されないが、85重量%リン酸、リン酸一カリウムリン酸二カリウム、第一リン酸カルシウムおよびリン酸一アンモニウムなどが好ましい。

0017

カリウム源は特に限定されないが、硝酸カリウム、リン酸一カリウムおよびリン酸二カリウムなどが好ましい。

0018

本発明組成物における窒素、リン酸及びカリウムの量は適当量でよく、公知の量から適当量が選択される。窒素は尿素態窒素、アンモニア態窒素および硝酸態窒素を合計した窒素全量で表し、リン酸は五酸化リン(P2O5)で表し、カリウムは酸化カリウムで表した場合、窒素全量、リン酸及びカリウムの全組成物中の重量%は、製造時の原液の状態で通常約2〜10重量%、約3〜15重量%及び約2〜10重量%程度であり、植物体もしくは培土に施用される際、水で250〜4000容量倍に希釈されて用いられる。尿素態窒素、アンモニア態窒素及び硝酸態窒素を合計した窒素全量:リン酸全量:カリウム全量の重量%比率は、植物の種類により必要量が異なるため特に限定されないが、通常は約(2〜10):(3〜15):(2〜10)、好ましくは(2〜8):(8〜12):(4〜6)、より好ましくは5:(8〜12):(4〜6)、特に好ましくは約5:10:5である。ここでも窒素は尿素態窒素、アンモニア態窒素および硝酸態窒素を合計した窒素全量、リン酸は五酸化リン、カリウムは酸化カリウムの重量%として換算される。
苦土塩は特に限定されないが、塩化マグネシウムであることが好ましい。

0019

本発明の組成物は、微量要素として特に限定されないが、所望により硫酸マンガンホウ素、EDTA−Fe・Na・2水和物、EDTA−Ca2Na・2水和物、硫酸銅硫酸亜鉛モリブデン酸アンモニウム及びビタミン類ビタミンB1、ビタミンB6及びニコチン酸アミド等)等を含んでいてもよく、これらは液体肥料組成物製造工程において、一つにまとめて均一にされて液体肥料組成物に添加されることが好ましい。

0020

本発明の液体肥料組成物は、所望により、さらに色素で着色されていてもよい。色素による着色は、好ましくは液体肥料組成物製造後に添加することにより行うのがよい。具体的には、着色材として、パテントピュアブルーVX−A(アシッドブルー1)及びアシッドブルー9等が挙げられる。

0021

本発明の液体肥料組成物には、さらに腐敗防止材が含有されていてもよく、腐敗防止材は特に限定されない。

0022

本発明の液体肥料組成物は、製造後および貯蔵中のpHが約1.0から3.0であることが望ましく、特に約1.8から2.6であることが好ましい。その理由は、該pH域にて、Caイオンが液体肥料組成物中にて最も安定に保持されるからである。

0023

本発明の液体肥料組成物は、通常はカルシウム源、窒素源、リン酸源、カリウム源、その他所望の成分を水に溶解し、所望によりさらにろ過しまたは/及びpH調整することによって容易に製造される。ろ過およびpH調整は公知手段によって行われてよい。

0024

より好ましくは、まず水道水にリン酸を混和し、リン酸水溶液の強酸性条件下にて可溶性石灰を投入溶解した。水道水は投入する可溶性石灰等の溶解を促進するため加温されていてもよい。これに窒素源及びカリウム源、次いで苦土塩およびその他微量要素等を添加溶解することにより製造される。組成物は通常は酸性であって、製造中あるいは貯蔵中に不溶性固形沈殿を生成せず安定である。

0025

本発明の液体肥料組成物を植物体又は培土に施用する際は、施用される植物体の必要栄養素量に応じて、液体肥料組成物を水で250〜4000容量倍に希釈して施用するのが好ましく、特に500〜1000容量倍に希釈して施用するのが最も好ましい。水は特に限定されないが、水道水又はイオン交換水であることが望ましい。

0026

本発明組成物を植物体もしくは培土に施用するに際して、本発明の液体肥料組成物を水で希釈した後の液体肥料組成物のpHは、約5.0から7.0の弱酸性であることが好ましい。その理由は、該pHにおいて施用すると、カルシウムが最も植物体に吸収されやすいからである。但し施用される植物体の種類によっては、液体肥料組成物の水で希釈後のpHが約5.0以下になってもよい。

0027

本発明の液体肥料組成物の製造中および貯蔵中の沈殿生成は、実質的に生じないことが好ましいが、微量(全体量の1%程度未満)の沈殿生成は、有効成分の保存安定性に影響がなく問題とならない。

0028

【実施例】
以下、製造実施例および製造参考例の配合比および試験例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の各例になんら限定されるものではない。

0029

(製造例1)
水道水に、85重量%のリン酸を混和した。これに第1リン酸カルシウムおよび塩化カルシウムを投入し溶解後、尿素、硝酸アンモニウム、硫酸、硝酸カリウムおよびリン酸一カリウムを添加溶解した。次いで塩化マグネシウム、EDTA−Fe・Na・2水和物およびあらかじめ一つに混合して均一とした表5に記載の微量要素溶液を添加溶解し製造した。組成配合比は、表1のとおりである。

0030

【表1】

0031

(製造例2)
水道水に、85重量%のリン酸を混和した。これに硝酸カルシウムを投入し溶解後、尿素、硝酸アンモニウム、リン酸一カリウムおよびリン酸一アンモニウムを添加溶解した。次いで塩化マグネシウム、EDTA−Fe・Na・2水和物およびあらかじめ一つに混合して均一とした表5に記載の微量要素溶液を添加溶解し製造した。組成配合比は、表2のとおりである。

0032

【表2】

0033

(製造例3)
水道水に、85重量%のリン酸を混和した。これに硝酸カルシウムを投入し溶解後、硝酸アンモニウム、リン酸一カリウム、硝酸ナトリウムおよびリン酸一アンモニウムを添加溶解した。次いで塩化マグネシウム、EDTA−Fe・Na・2水和物およびあらかじめ一つに混合して均一とした表5に記載の微量要素溶液を添加溶解し製造した。組成配合比は、表3のとおりである。

0034

【表3】

0035

(参考例)
水道水に、クエン酸・1水和物を溶解した。これに尿素硝酸アンモニウム、リン酸一アンモニウムおよびリン酸二カリウムを添加溶解した。次いで塩化マグネシウム、EDTA−Fe・Na・2水和物、EDTA−Ca2Na・2水和物(40%)およびあらかじめ一つに混合して均一とした表5に記載の微量要素溶液を添加溶解し製造した。組成配合比は、表4のとおりである。

0036

【表4】

0037

【表5】

0038

実験例1)
尿素添加量と沈殿生成の関係についての試験
表1及び表2の処方で製造した液体肥料組成物及び表4の処方で製造した参考例液体肥料組成物を、遮光下にて、40℃5ヶ月間静置した。静置後、液体肥料内に生成した沈殿を肉眼及び顕微鏡下で確認した。沈殿生成量の評価は、−)沈殿生成なし、+)微量の沈殿生成及び++)問題なる沈殿生成ありとした。−)〜+)は、有効成分の安定保存性に影響がなく、問題とならない範囲である。その結果を表6に示す。
表6において、尿素の減量により保存期間中のCO2とNH3の発生が抑えられ、pHが低く維持された結果、沈殿が殆ど生成されないことが確認された。よって、尿素を液体肥料組成物に添加しないことにより、カルシウム添加による沈殿生成が起こらず、有効成分を長期に安定に保持できるカルシウム含有液体肥料組成物の提供が可能であることが確認された。

0039

【表6】

0040

(実験例2)
尿素無添加条件における更なる安定化検討試験
表3の処方で製造した液体肥料組成物を、遮光下にて、40℃4ヶ月間静置した。
静置後、液体肥料組成物内に生成した沈殿を肉眼及び顕微鏡下で確認した。沈殿生成の評価は、−)沈殿生成なし、+)微量の沈殿生成及び++)問題なる沈殿生成ありとした。−)〜+)は、有効成分の安定保存性に影響がなく、問題とならない範囲である。その結果を表7に示す。
表7より、硝酸アンモニウム量、リン酸量の検討により、カルシウムの添加量を高められることが確認された。よって、カルシウム添加による沈殿を生じず、カルシウムをCaOとして最も好ましくは1.4〜3.0重量%(Caで1.0〜2.14重量%)含む液体肥料組成物の製造が可能であることが確認された。

0041

【表7】

0042

(実験例3)
カルシウム添加による成長促進作用の増強効果確認試験
カルシウムを殆ど含有していない表4記載の処方に基づく参考例液体肥料組成物にカルシウムを別添加し、それを植物に施用することによりカルシウム添加による成長促進作用の増強効果の確認を行った。供試植物ペチュニア品種カーペットプラム)及びコマツナ(品種つけな)を用いた。ペチュニアはプラグ苗定植、コマツナは播種という条件で、基本培土を充填した5号に定植し、供試した。ペチュニアは定植直後、コマツナは播種約1週間後に間引きを行った後、表4記載の処方に基づく参考例液体肥料組成物を水道水で500倍に希釈し、これにカルシウムを表8記載の濃度になるよう添加した液体肥料組成物を施用した。施用量は300ml/鉢を1週間に1回とした。液体肥料組成物は定植及び播種直後より施用した。試験は一区につき10鉢とし、2反復繰り返して行った。カルシウムの参考例液体肥料組成物への添加は、9.17重量%のCaCl2溶液を作成し、これを500倍希釈した参考例液体肥料組成物6Lに対し表8に示す量(ml)を添加して行った。ペチュニアは定植約12週間後に累積花数および地上部重量を、コマツナは播種約8週間後に地上部重量を測定した。ペチュニアの累積花数の測定は、一週間毎に開花した花を切断しながら計測し、12週間後の花数を累積して行った。
試験結果を図1乃至図3に示す。
図1乃至図3より、ペチュニアおよびコマツナともに、CaO1.4〜7.0重量%の試験区全てにおいて累積花数および地上部重ともに増加が確認され、その効果は、CaO3.5重量%の区で最も顕著であった。よって、カルシウム添加による成長促進作用の増強効果は、CaO含量が1.4〜7.0重量%(Caで1.0〜5.0重量%)の濃度域おいて認められ、また3.5重量%(Caで2.5重量%)で最も効果が得られることが明らかとなった。

0043

【表8】

発明を実施するための最良の形態

0044

(試験例4)
Ca含有液体肥料組成物施用試験
カルシウム添加による、問題となる量の沈殿を生じない本発明の処方により製造したカルシウム含有液体肥料組成物を植物に施用することによりカルシウムの成長促進作用の増強効果の確認を行った。供試植物はパンジーおよびペチュニアを用いた。パンジーは3号苗鉢、ペチュニアはプラグ苗鉢を用いて5号鉢に基本培土にて定植を行い供試した。パンジーおよびペチュニアともに、定植直後に間引きを行った後、表2、表3および表4に示したNo.7(CaO1.4重量%)、No.14(CaO2.0重量%)処方液肥料組成物および参考例液体肥料組成物(CaO0.04重量%)を水道水で500倍に希釈した液体肥料組成物を施用した。施用量及び施用回数は300ml/鉢および週1回とした。定植後7週間後からパンジーは施用回数を週2回とした。試験は一区につき10鉢とし、2反復繰り返して行った。パンジーおよびペチュニアともに定植約12週間後で試験を終了し、累積花数および地上部重量を測定した。累積花数の測定は、一週間毎に開花した花を切断しながら計測し、12週間後の花数を累積して行った。試験結果を図4乃至図7に示す。
図4乃至図7より、パンジー、ペチュニアともに、地上部重、累積花数の増加が認められ、カルシウム添加による、問題となる量の沈殿を生じない本発明の処方により製造したカルシウム含有液体肥料組成物が、植物の成長促進作用を増強する効果を有することが確認され、その効果がCaO1.4重量%(Caで1.0重量%))より奏されることが明らかとなった。

図面の簡単な説明

0045

リン酸により強酸性条件にした状態でカルシウム0.1〜5.0重量%(CaOで0.14〜7.0重量%)を添加溶解した後、他の窒素源、カリウム源および微量要素等を添加し、酸性条件下で保存することにより、問題となる量の沈殿を生じない保存安定性に優れたカルシウム含有液体肥料組成物を提供することができる。さらにこのカルシウム含有液体肥料組成物は、植物の成長促進作用を増強する効果を有する。

図1
Caの成長促進作用の増強効果確認試験における定植後12週間のペチュニアの地上部重量(g)。
図2
Caの成長促進作用の増強効果確認試験における定植後12週間のペチュニアの累積花数(個)。
図3
Caの成長促進作用の増強効果確認試験における播種後8週間のコマツナの地上部重量(g)。
図4
Ca含有液体肥料組成物施用試験における定植後12週間のパンジーの地上部重量(g)。
図5
Ca含有液体肥料組成物施用試験における定植後12週間のパンジーの累積花数(個)。
図6
Ca含有液体肥料組成物施用試験における定植後12週間のペチュニアの地上部重量(g)。
図7
Ca含有液体肥料組成物施用試験における定植後12週間のペチュニアの累積花数(個)。

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