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技術 水性懸濁農薬組成物

出願人 三井化学アグロ株式会社
発明者 井上大輔
出願日 2002年7月2日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2002-192926
公開日 2004年2月5日 (16年5ヶ月経過) 公開番号 2004-035435
状態 特許登録済
技術分野 農薬・動植物の保存
主要キーワード 疎水コロイド 無機系鉱物 精製ナトリウム 含水非晶質二酸化ケイ素 沈降量 トリスチリルフェニル ポリオキシエチレンエーテル型 有機高分子電解質
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年2月5日)のものです。
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課題

2種の形態の農薬成分同一組成物中に含む物理化学的な安定性に優れた農薬組成物であって、標的とする生物に対して最大の効果を発揮することができるようにカチオン界面活性剤を充分量加えることができる組成物を提供する。

解決手段

水性懸濁農薬組成物であって、下記の成分:(a)水への溶解度が20℃において5w/w%以上である塩の形態の1又は2以上の第一農薬成分;(b)水への溶解度が20℃において1w/w%以下であり、最大粒子径が20ミクロン未満である1又は2以上の第二農薬成分;(c)無機鉱物からなる群から選ばれる1又は2以上の増粘剤;(d)1又は2以上の水溶性高分子;及び(e)組成物100質量部に対して0.1〜5質量部の1又は2以上のアニオン界面活性剤を含み、(f)20℃における組成物の粘度が回転数30rpmで200〜850mPa・sである農薬組成物。

概要

背景

従来、農薬効力増強において2種以上の農薬成分を配合した懸濁形態の農薬組成物、例えば水溶性農薬成分と水難溶性農薬成分とを含む懸濁形態の農薬組成物の研究開発が行われている。しかしながら、水溶性農薬成分の水中解離性が高い場合には、水難溶性農薬成分が塩析により農薬組成物中で凝集現象を起こす傾向がある。また、上記の農薬組成物は水に希釈して散布するため、散布液が標的とする生物に対して展着できるように濃縮状態組成物中にノニオン界面活性剤(例えば、ノニルフェノール系界面活性剤オクチルフェノール系界面活性剤、ラウリル系又はオレイル系等の脂肪族界面活性剤、あるいはソルビタン系ノニオン界面活性剤等)を配合することが望ましいが、ノニオン界面活性剤を添加した場合には農薬組成物から散布液を調製する際の水希釈性に問題が生じる場合があり、このような農薬組成物は懸濁分散性にも劣るため強制攪拌が必要になるという問題がある。さらに、所望の希釈液を調製しても、時間経過により懸垂性が維持されずに容器底部に疎水性農薬成分の沈降や凝集沈殿が生じることがあり、濃縮状態の農薬組成物においても経時による粒子成長が速く、品質及び効力に問題が生じる場合もある。このような問題を解決するためには、ノニオン系界面活性剤添加量を低減化させ、分散性に優れたアニオン界面活性剤を添加することが望まれるが、それでは展着性及び生物効果に劣る農薬組成物となってしまう。

概要

2種の形態の農薬成分を同一組成物中に含む物理化学的な安定性に優れた農薬組成物であって、標的とする生物に対して最大の効果を発揮することができるようにカチオン界面活性剤を充分量加えることができる組成物を提供する。水性懸濁農薬組成物であって、下記の成分:(a)水への溶解度が20℃において5w/w%以上である塩の形態の1又は2以上の第一農薬成分;(b)水への溶解度が20℃において1w/w%以下であり、最大粒子径が20ミクロン未満である1又は2以上の第二農薬成分;(c)無機鉱物からなる群から選ばれる1又は2以上の増粘剤;(d)1又は2以上の水溶性高分子;及び(e)組成物100質量部に対して0.1〜5質量部の1又は2以上のアニオン界面活性剤を含み、(f)20℃における組成物の粘度が回転数30rpmで200〜850mPa・sである農薬組成物。

目的

本発明の課題は、2種の形態の農薬成分を同一組成物中に含む物理化学的な安定性に優れた農薬組成物であって、標的とする生物に対して最大の効果を発揮することができるようにカチオン界面活性剤を充分量加えることができる組成物を提供することにある。より具体的には、2種の形態の農薬成分を含む懸濁状の組成物において生じる農薬成分の凝集や、水希釈液の調製時における水希釈性、分散性、及び懸垂性の悪化などの問題、あるいは組成物中での経時による粒子成長の問題を解決した農薬組成物を提供することが本発明の課題である。本発明の上記課題のひとつは、水希釈時の分散性及び懸濁安定性に優れ、組成物のチキソトロピー性及び水希釈液の生物体に対する展着性及び有効性に優れた農薬組成物を提供することであり、他の課題は、疎水性農薬成分の分散粒子成長が抑制されており、高温時における分散粒子の凝集の問題のない水性懸濁農薬組成物を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

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請求項1

水性懸濁農薬組成物であって、下記の成分:(a)水への溶解度が20℃において5w/w%以上である塩の形態の1又は2以上の第一農薬成分;(b)水への溶解度が20℃において1w/w%以下であり、最大粒子径が20ミクロン未満である1又は2以上の第二農薬成分;(c)無機鉱物からなる群から選ばれる1又は2以上の増粘剤;(d)1又は2以上の水溶性高分子;及び(e)組成物100質量部に対して0.1〜5質量部の1又は2以上のアニオン界面活性剤を含み、(f)20℃における組成物の粘度が回転数30rpmで200〜850mPa・sである農薬組成物。

請求項2

殺菌、除草、及び/又は殺虫用の農薬組成物である請求項1に記載の農薬組成物。

請求項3

増粘剤がベントナイトサポナイトセピオライトスメクタイト、及びラポナイトからなる群から選ばれる1又は2以上の増粘剤である請求項1又は2に記載の農薬組成物。

請求項4

水溶性高分子がポリビニルアルコールゼラチンポリビニルピロリドンメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体メチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれる1又は2以上の水溶性高分子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の農薬組成物。

請求項5

組成物100質量部に対して0.1〜15質量部の割合でさらに1又は2以上のカチオン界面活性剤を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の農薬組成物。

請求項6

第一農薬成分を組成物100質量部に対して0.1〜40質量部の割合で含み、かつ第二農薬成分を組成物100質量部に対して0.1〜40質量部の割合で含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の農薬組成物。

請求項7

増粘剤を組成物100質量部に対して0.1〜1.0質量部の割合で含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の農薬組成物。

請求項8

水溶性高分子を組成物100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で含む請求項1ないし7のいずれか1項に記載の農薬組成物。が提供される。

請求項9

水性懸濁農薬組成物であって、下記の成分:(1)水への溶解度が20℃において10w/w質量%以上である塩の形態の1又は2以上の第一農薬成分;(2)水への溶解度が20℃において0.5w/w質量%以下である1又は2以上の第二農薬成分;(3)組成物100質量部に対して0.1〜1.0質量部の割合のナトリウムベントナイトである増粘剤;(4)組成物100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合のポリビニルアルコール、ゼラチン、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1又は2以上の水溶性高分子;(5)組成物100質量部に対して0.1〜4.0質量部のアニオン界面活性剤;(6)組成物100質量部に対して5.0〜15.0質量部のカチオン界面活性剤;及び(7)水を含み、(8)20℃における組成物の粘度が回転数30rpmで200〜850mPa・sである農薬組成物。

請求項10

除草用組成物である請求項9に記載の農薬組成物。

技術分野

0001

本発明は、安定に分散懸濁された水難溶性農薬成分と水中解離性水溶性農薬成分とを含む水性懸濁農薬組成物に関するものである。

0002

従来、農薬効力増強において2種以上の農薬成分を配合した懸濁形態の農薬組成物、例えば水溶性農薬成分と水難溶性農薬成分とを含む懸濁形態の農薬組成物の研究開発が行われている。しかしながら、水溶性農薬成分の水中解離性が高い場合には、水難溶性農薬成分が塩析により農薬組成物中で凝集現象を起こす傾向がある。また、上記の農薬組成物は水に希釈して散布するため、散布液が標的とする生物に対して展着できるように濃縮状態組成物中にノニオン界面活性剤(例えば、ノニルフェノール系界面活性剤オクチルフェノール系界面活性剤、ラウリル系又はオレイル系等の脂肪族界面活性剤、あるいはソルビタン系ノニオン界面活性剤等)を配合することが望ましいが、ノニオン界面活性剤を添加した場合には農薬組成物から散布液を調製する際の水希釈性に問題が生じる場合があり、このような農薬組成物は懸濁分散性にも劣るため強制攪拌が必要になるという問題がある。さらに、所望の希釈液を調製しても、時間経過により懸垂性が維持されずに容器底部に疎水性農薬成分の沈降や凝集沈殿が生じることがあり、濃縮状態の農薬組成物においても経時による粒子成長が速く、品質及び効力に問題が生じる場合もある。このような問題を解決するためには、ノニオン系界面活性剤添加量を低減化させ、分散性に優れたアニオン界面活性剤を添加することが望まれるが、それでは展着性及び生物効果に劣る農薬組成物となってしまう。

0003

一般に、水性懸濁農薬組成物では、少量の添加で効率的にチキソトロピー性を付与できる有機高分子増粘剤(例えばキサンタンガム等のアニオン性高分子)を添加することにより、製剤中の分散粒子の沈降を抑制している。しかしながら、水解離性の農薬成分を含む農薬組成物を製造する場合には、充分量の水解離性農薬成分を添加すると増粘剤により付与されたチキソトロピー性が阻害され、組成物の懸濁安定性が損われてしまうという問題がある。また、農薬の有効性を高めるために市販の除草剤に配合されている三級アミン系界面活性剤やカチオン界面活性剤を上記の組成物に充分量添加した場合には、これらの成分がアニオン性高分子と化学的反応を起こし、増粘剤としての作用がほとんど消失するという問題もある。さらに、カチオン界面活性剤を添加して安定な水性懸濁農薬組成物を得たとしても、この組成物を水で希釈して散布液とした場合には、懸濁された農薬成分が時間とともに塩析又は凝集し、懸濁安定性が低下して沈降や凝集沈澱などを生じてしまうという問題もある。このような場合、散布液の含量偏析による散布むらや、沈降凝集物によるスプレー閉塞を起こしかねない。

0004

一方、2種以上の異なる農薬成分あるいは2種以上の形態の農薬成分を含む懸濁状の農薬組成物に関する技術が多数報告されている。例えば、特開昭63−310801号公報には、アルキルエーテルサルフェートエトキシル化脂肪アルコール及びスルホコハク酸半エステルとの組合わせを含有する水性混合農薬組成物が開示されており、界面活性剤としてアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤との組み合わせが開示されている。特開昭63−22002号公報には、芳香族系有機溶媒、水、及び界面活性剤を含む組成物が開示されている。この組成物は、界面活性剤としてフェニルスルホネート塩エトキシル化アルキル(またはポリアリール)フォスフェート、エトキシル化酸性燐酸エステル及びアルキルフェノールポリグリコールエーテル誘導体を必須成分とする油中水型乳濁混合農薬組成物であり、この公報にはアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤との組み合わせが開示されている。特開平2−17104号公報には、シマジンジウロン、又はグリホサートから選ばれる農薬成分、及びブロックポリマースパン、エトキシル化脂肪族アミンであるノニオン界面活性剤を含有する農薬組成物が開示されている。

0005

特開平2−295907号公報には、溶媒として有機溶媒又は水性有機溶媒を用いた油性懸濁形態の農薬組成物が開示されているが、この組成物には有機溶媒が必須成分として数十%含まれている。また、水溶性の農薬成分は溶媒中で不溶形態を取っており、組成物には硝酸アンモニウム燐酸アンモニウムスルファミン酸アンモニウムチオシアン酸アンモニウム硫酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩が配合されている。特開平3−34901には、アルキルジアミンタイプの3級アミン系界面活性剤、及び上記特開平2−295907号公報に開示されたものと同様の無機アンモニウム塩を含む水溶液からなる液体除草剤組成物が開示されている。特開平3−24004号公報には、特定の水難溶性農薬成分、及び界面活性剤として硫酸塩、硫酸エステル塩系のアニオン界面活性剤を含む農薬組成物が開示されている。特開平3−501846号公報には、分散相ラテックスを含有する混合懸濁農薬組成物が開示されている。特開平4−288002号公報には、有機溶媒を使用した水中油型混合懸濁農薬組成物が開示されている。特開平5−502444号公報には、硫酸エステル系アニオン界面活性剤を含む農薬組成物が開示されている。

0006

特開平5−201815号公報、特開平7−242510号公報、及び特開平11−292717号公報には、ノニオン界面活性剤を使用した懸濁農薬組成物が開示されている。特公平4−4282号公報には、低融点(例えば40℃程度)の農薬成分を有機溶媒と混合した水中油型懸濁農薬組成物が開示されている。特開平9−241111号公報及び特開平9−124421号公報には、水難溶性農薬成分を配合した水性エマルション型懸濁農薬組成物が開示されており、乳化剤としてノニオン界面活性剤の使用が開示されている。特開平7−89817号公報、10−147501号公報、及び特公平6−2647号公報には、ノニオン性界面活性剤あるいはアニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤とを使用した水中懸濁型除草剤が開示されている。この組成物では、カチオン界面活性剤は組成物の物理化学的性質を調整するために添加されており、しかも添加量は1%に満たない僅かな量であり、生物効力を増強させるために用いられたものではない。また、この組成物では、チキソトロピー付与剤としてキサンタンガムなどの有機高分子電解質が用いられている。

背景技術

0007

特開平8−333204号公報には、ノニオン界面活性剤を添加することにより農薬の効力を増強させる技術が開示されている。特開2001−122705号公報には、ヒュームドシリカクレーまたはポリサッカライドガムとの混合物を増粘剤として含む除草剤組成物が開示されている。特開2001−328902号公報には、水難溶性除草活性成分水易溶性除草活性成分、及びアニオン性水溶性高分子を含有し、水難溶性除草活性成分が固体微粒子として組成物中に懸濁された水性懸濁状除草剤組成物が開示されている。特開2001−328907号公報には、アニオン性水溶性高分子を含む水性除草剤組成物が開示されており、アニオン性水溶性高分子としては、例えばアラビアガム、ザンサンガムローカストガム、アルギン酸、アルギン酸の塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩またはリグニンスルホン酸塩などが開示されている。特表2001−524496号公報は農薬成分の安定な液体配合物の製造を可能にする界面活性剤系に関する技術が開示されている。この界面活性剤系は、塩基性共界面活性剤及び酸性リン酸エステルから選ばれるアニオン界面活性剤の混合物からなり、液体水性又は水性有機配合物であって、好ましくはマイクロマルジションの形態の有機及び水性の相からなる配合物の製造に用いられる。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の課題は、2種の形態の農薬成分を同一組成物中に含む物理化学的な安定性に優れた農薬組成物であって、標的とする生物に対して最大の効果を発揮することができるようにカチオン界面活性剤を充分量加えることができる組成物を提供することにある。より具体的には、2種の形態の農薬成分を含む懸濁状の組成物において生じる農薬成分の凝集や、水希釈液の調製時における水希釈性、分散性、及び懸垂性の悪化などの問題、あるいは組成物中での経時による粒子成長の問題を解決した農薬組成物を提供することが本発明の課題である。本発明の上記課題のひとつは、水希釈時の分散性及び懸濁安定性に優れ、組成物のチキソトロピー性及び水希釈液の生物体に対する展着性及び有効性に優れた農薬組成物を提供することであり、他の課題は、疎水性農薬成分の分散粒子の成長が抑制されており、高温時における分散粒子の凝集の問題のない水性懸濁農薬組成物を提供することである。

0009

本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、2種の形態の農薬成分を含む組成物においてチキソトロピー性を付与する物質として無機鉱物、好適にはベントナイト、特に精製ナトリウムベントナイトなどが優れた効果を有していること、及び増粘剤として無機鉱物を用い、例えばポリビニルアルコールセルロース誘導体ゼラチン酵素変性デキストリンポリビニルピロリドンメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体化工澱粉、又はニカワなどの水溶性高分子を組成物に配合することにより、上記の望ましい特性を備えた農薬組成物を提供できることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。

0010

すなわち、本発明は、水性懸濁農薬組成物であって、下記の成分:
(a)水への溶解度が20℃において5w/w%以上である塩の形態の1又は2以上の第一農薬成分;
(b)水への溶解度が20℃において1w/w%以下であり、最大粒子径が20ミクロン未満である1又は2以上の第二農薬成分;
(c)無機鉱物からなる群から選ばれる1又は2以上の増粘剤;
(d)1又は2以上の水溶性高分子;及び
(e)組成物100質量部に対して0.1〜5質量部の1又は2以上のアニオン界面活性剤
を含み、
(f)20℃における組成物の粘度が回転数30rpmで200〜850mPa・sである農薬組成物を提供するものである。この水性懸濁農薬組成物は殺菌、除草、及び/又は殺虫用の農薬組成物として用いることができる。

0011

本発明の好ましい態様によれば、上記増粘剤がベントナイト、サポナイトセピオライトスメクタイト、及びラポナイトからなる群から選ばれる1又は2以上の増粘剤である上記の農薬組成物;水溶性高分子がポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、メチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれる1又は2以上の水溶性高分子である上記の農薬組成物;組成物100質量部に対して0.1〜15質量部の割合でさらに1又は2以上のカチオン界面活性剤を含む上記の農薬組成物;第一農薬成分を組成物100質量部に対して0.1〜40質量部の割合で含み、かつ第二農薬成分を組成物100質量部に対して0.1〜40質量部の割合で含む上記の水性懸濁農薬組成物;増粘剤を組成物100質量部に対して0.1〜1.0質量部の割合で含む上記の水性懸濁農薬組成物;及び水溶性高分子を組成物100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合で含む上記の水性懸濁農薬組成物が提供される。

0012

さらに好ましい態様によれば、増粘剤がベントナイト、より好ましくはナトリウムベントナイトである上記の水性懸濁農薬組成物;水溶性高分子がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びセラチンからなる群から選ばれる1又は2以上の水溶性高分子である上記の水性懸濁農薬組成物;第一農薬成分が、エンドタールの塩、MCPBの塩、グリホサートの塩、ビアラホスの塩、マレイン酸ヒドラジドの塩、パラコートの塩、2、4−ジクロロフェノキシ酢酸の塩、フルプロパネート塩、ヒドロキシイソキサゾール塩、及び亜リン酸の塩からなる群から選ばれる農薬成分である上記の水性懸濁農薬組成物;組成物100質量部に対して10質量部以下の割合のプロピレングリコールを含む上記の水性懸濁農薬組成物;組成物100質量部に対して0.1〜1.0質量部の割合のシリコン系消泡剤及び/又はアセチレンジオール系消泡剤を含む上記の水性懸濁農薬組成物が提供される。上記の各水性懸濁農薬組成物は、好ましくは、該水性懸濁農薬組成物2gを3°硬水500mlに加えて1分間に30回激しく倒立して振り混ぜた後の懸垂試験器による沈降量が2時間経過においても0.3ml以下であるように調製される。

課題を解決するための手段

0013

本発明の特に好ましい態様によれば、水性懸濁農薬組成物であって、下記の成分:
(1)水への溶解度が20℃において10w/w質量%以上である塩の形態の1又は2以上の第一農薬成分;
(2)水への溶解度が20℃において0.5w/w質量%以下である1又は2以上の第二農薬成分;
(3)組成物100質量部に対して0.1〜1.0質量部の割合のナトリウムベントナイトである増粘剤;
(4)組成物100質量部に対して0.1〜2.0質量部の割合のポリビニルアルコール、ゼラチン、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1又は2以上の水溶性高分子;
(5)組成物100質量部に対して0.1〜4.0質量部のアニオン界面活性剤;
(6)組成物100質量部に対して5.0〜15.0質量部のカチオン界面活性剤;及び
(7)水
を含み、
(8)20℃における組成物の粘度が回転数30rpmで200〜850mPa・sである農薬組成物が提供される。この農薬組成物は好ましくは除草用の農薬組成物として提供される。

0014

第一農薬成分は、水中で解離することができる塩型の形態を有しており、かつ20℃における水溶解度が5w/w%以上である農薬成分から選ばれるが、上記の性質満足する限り、その種類は特に限定されない。除草剤としては、例えば、グリホサート塩グルホシネート塩、ビアラホス塩、テトラオン塩、MCPB酸塩、エンドタール塩、ベンタゾン塩、ジカンバ塩、ビアラホス塩、ジクワット塩、パラコート塩、アシラム塩、マレイン酸ヒドラジド塩、アシフルオルフェン塩、2、4−ジクロロフェノキシ酢酸塩、2、4−DB塩、ダラポン塩、ジクロルプロプ−P塩、ピクロラム塩、メコプロプ塩、アンモニウムスルファメイトビスピリバック塩、ボラックスクロルメコートクロライドクロロ酢酸塩、クロキシフォナック塩、ジメチルアルニックアシッド塩、ジクワット塩、硫酸銅フルカルバゾン塩、ホサミン塩、インドスルフロンメチル塩、MCPA塩、メコプロップ塩、メピコートクロライド、メチルアルドニックアシッド塩、ナプタラム塩、ピリミノバックメチル塩、ピリチオバックメチル塩、ソディムクレートなどを挙げることができる。殺菌剤としては、例えば、カルシウムポリスファイド、硫酸銅、ジクロロプロップ塩、ジフェンゾクワットメチルヅスルファイドジフェニルアミン塩、ドディン塩、ホセチルアルミニウムグラザチン塩、GY−81塩、8−ヒドロキシキノリン硫酸塩、ヒメキサゾール塩、イミノクタジン塩、カスガマイシン塩酸塩メタマム塩、ミルディオマイシン塩、ナバム、2−フェニルフェノール塩、プロパモカルブハイドロクロライドストレプトマイシン塩などを挙げることができる。殺虫剤としては、例えば、スルコフロン塩を挙げることができる。もっとも第一農薬成分は上記に具体例を示したものに限定されることはない。第一農薬成分としては単独の農薬成分を用いてもよいが、2種以上を混合して用いることもできる。2種以上の農薬第一成分を用いる場合には混合比は任意に選択することができる。

0015

第二農薬成分は、水に対する溶解度が1w/w%以下の農薬成分から選択されるが、上記の溶解度を満足する限り、その種類は特に限定されない。第二農薬成分は水に分散可能な農薬成分であることが好ましい。除草剤としては、例えば、アセトクロル、アシフルオルフェン、アクロニフェン、アラクロル、アメトリンアミカルバゾンアミドスルフロン、アンシミドールアニロホス、アシュラム、アトラジンアザフェニジンアジムスルフロン、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンフルナリン、ベンフレセート、ベノクサコールベンスルフロンメチル、ベンスライド、ベンタゾン、ベンゾビシクロンベンゾフェナップ、6−ベンジルアミノプノプリンビフェノックスビラナフォス、ブロマシルブロモブチド、ブロモキシニル、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミフォス、ブトラリン、ブトロキシジン、ブチレートカフェストロール、カルベタミド、カフェントラゾンエチル、クロランベン、クロルブロムロン、クロルフルレノールメチル、クロリダゾン、クロリムロンエチル、クロロトルロン、クロロプロファム、クロルスルフロン、クロルタールジメチル、クロルチアミド、シニドンエチル、シンメスリン、シノスルフロン、クレソジン、クロディナホッププロパギル、クロフェンセット、クロマゾンクロメクロップ、クロプロップ、クロピラリド、クロキントセットメチル、クロランスラムメチル、クミルロン、シアナジンシクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジン、シハロホップブチルダイムロン、デスメヂファム、ジカンバジクロベニルジクロルミド、ジクロロプロップP、ジクロルホップメチル、ジクロスラムジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメタメスリン、ジメテナミド、ジニトラミン、ジノテルブ、ジフェナミドジチオピル、ジウロン、DNOC、EPTCエスプロカルブエタルフルラニン、エタメットスルフロンメチル、エトフメセートエトキシスルフロン、エトベンザニド、フェノキサプロップPエチル、フェントラザアミド、フェニュロン、フラムプロップM、フラザスルフロンフロラスラム、フルアジホップブチル、フルアジホップPブチル、フルアゾレート、フルクロラリン、フルフェナセットフルメツラム、フルミクロラックペンチル、フルミオキサジン、フルメチュロン、フルオロギルコフェンエチル、フルラゾール、フルレノール、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルピリミドール、フルタモン、フルチアセットメチル、フルキソフェニム、ホメサフェンハロスルフロンメチル、ハロキシホップ、ヘキサジノン、イマザメタベンズメチル、イマザモックスイマザピックイマザピル、イマザキンイマゼタピルイマゾスルフロンイナベンフィドインダノファンイオキシニルイソプロチュロン、イソウロンイソキサベンイソキサフルトールラクトフェンレナシルリニュロン、MCPAチオエチル、MCPBエチルメフェナセットメフェンピルジエチルメソトリオンメタミトロン、メタラザクロル、メタベンズチアズロン、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロンメトラクロル、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メツルフロンメチル、モリネート、ナプロアニリド、ナプロパミドネブロン、ニコスルフロンノルフラゾン、オルベンカルブ、オリザリンオキサベントニル、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサスルフロン、オキサスルフロン、オキサジクロメフォンオキシフルオルフェン、ペブレート、ペンディメタリンペンタクロロフェノールペンタノクロール、ペントキサゾン、フェンメディファム、ピクロラム、ピコリナフェン、ピペロフォス、プレチラクロル、ピリミスルフロンメチル、プロメトンプロメトリン、プロパクロール、プロパニルプロキザホップP、プロパジン、プロファム、プロピソクロル、プロピザミド、プロスルホカルブプロスルフロンピラフルフェンエチルピラゾニレート、ピラゾスルフロンエチル、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシジン、ピリブチカルブ、ピリデートキンクロラックキンメラックキノクラミン、キザロホップ、リムスルフロン、セトキシジン、シヅロン、シマジン、シメトリンスルコトリオンスルフェントラゾンスルフォメチュロンメチル、スルホスルフロン、テブタム、テブチウロン、テプラロキシジム、テブラシルテルブメトンテルブチラジンテルブトリンテニルクロール、チアゾピル、チフェンスルフロンメチル、チオベンカルブ、チオカルバジル、トラルコキシジムトリアスルフロン、トリアジフラムトリベヌロンメチル、トリクロピルトリエタジン、トリフルラニン、トリフルスルロンメチル、ベルノレートなどを挙げることができる。

0016

第二農薬成分として用いられる殺菌剤としては、例えば、アザコナゾールアゾキシストロビンバシルスサブティルス、バナラキシルビフェニルビテルタノール、ブラスティシシディンS、ブロムコナゾール、ブピリメイト、カプタフォールカプタンカルベンダジン、カルボキン、カルプロパミド、キノメチノナットクロロタロニル、クロゾリネート、コッパーハイドロオキサイド、コッパーオクタノエート、コッパーオキシクロライド、酸化銅シモキサニルシプロコナゾール、シプロッディニル、ジクロフラニド、ジクロロフェンジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリン、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ジノブトンジノカップジチアノン、ドデモルフ、エディフェンフォス、エピコナゾール、エタボキサムエチリモール、エトキシクイン、エトリジアゾール、フェモキサゾン、フェナミドン、フェナミモール、フェブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェピクロニル、フェンプロパスリン、フェンプロピモルフファーバム、フェリムゾンフルアジナム、フルディオキソニル、フルオロイミドフルキンコナゾール、フルジラゾール、フルスルファミドフルトラニル、フルトリアホールホルペット、フベリダゾール、フララキシリルフラメトピル、ヘキサクロルベンゼンヘキサコナゾールシアゾファミドイマザリルイミベンコナゾールイプコナゾール、イプロベンフォス、イプロディオンイプロバリカルブ、イソプロチオレイン、クレゾキシンメチル、マンコゼブマネブメパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メタコナゾール、メタスルフロカルブ、メチラムメトミノストロビンミクロブタニル、ニトロタールイソプロピル、ニュアリモルオフレイス、オキサジキシル、オキシンコッパー、オキシポコナゾールフマレートオキシカルボキシンペフラゾエートペンコナゾール、ペンシクロン、フタリドピコキシストロビン、ピペラリン、プロベナゾール、プロクロラッズ、プロシミドンプロジアミンプロピコナゾール、プロピネブ、ピラゾフォス、ピリフェノックス、ピリメタニルキノキシフェン、シルチオファム、シプロキサミンシメコナゾールテブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネートメチル、チラム、トルクロフォスメチル、トニルフルアニド、トリアジメフォントリアジメノールトリアゾキシド、トリシクラゾールトリデモルフトリフロキシストロビントリフルミゾール、トリフォリン、トリチコナゾールビンクロゾリン、ジネブジラムゾキサミドを挙げることができる。

0017

第二農薬成分として用いられる殺虫剤としては、例えば、アバメクチン、ミルベメクチンアセタミプリド、アクリナスリン、アラニカルブ、アルディカルブ、アレスリンアミトラズ、アザディラキチン、アザメチオホス、アジンホスメチル、アジンホスエチル、バシルススファエリカス、バシルスチューリンゲンシスバンジオカルブ、ベンフラカルブベノミルベンスルタップビフェントリンブプロフェジン、ブトカルボキシンブトキシカルボキシン、カデュサフォス、カルバリル、カルボスルフランカルボスルファンカルタップ、クロルデイン、クロレトキシホス、クロルフェナプリル、クロルフェンビフォス、クロルフルアズロン、クロルメフォス、クロルピリホスクロマフェノジドクロルピリフォスメチル、クロチアニジン、コウマフォス、シアノフォス、シクロプロトリンシフルトリンシハロトリン、サイパーメスリン、シフェノトリンシロマジン、デルタメスリン、デメトンSメチル、ヂアフェンチウロン、ダイアジノンジクロルボス、ジクロトフォス、ジシクラニルジフルベンズロンジメトエート、ジメチルビンフォス、ジスルフォトンエマメクチンエンペントリンエンドスルファン、EPN、エスフェンバレレートエチオフェンカルブエチオン、エトプロフォス、エトフェンプロックス、ファンファールフェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパスリン、フェンチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フルシクロクスロン、フルシスリネート、フルフェノクスロン、フルメスリン、フルメトラニン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、フラチオカルブ、フリラゾール、ハロフェノジドヘプタクロル、ヘプテノフォス、ヘキサフルムロンヒドラメチルノン、ヒドロプレン、イミダクロプリド、イミプロスリン、インドキサカルブ、イソフェンフォス、イソプロカルブ、イソキサチオン、キノプレン、ルフェヌロンマラチオンメカルバム、メタミドフォス、メチダチオンメチオカルブメソプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メビンフォス、モノクロトフォス、ナレッドニコチンニテンピラムノバルロン、オメトエート、オキシデメトンメチル、パラチオン、パラチオンメチル、パーメスリン、フェノトリン、フェンゾエート、フォレート、フォサロン、フォスメット、フォスファミドン、フォキシミン、ピリミカルブ、ピリミフォスメチル、プロフェンフォス、プロパフォス、プロペタムフォス、プロチオフォス、ピメトロジン、ピラクロフォス、ピレスリン、ピリダベン、ピリダフェノチオン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェンキナルフォス、レスメスリン、ロテノンシラフルオフェンスピノサッド、スルフルラミド、スルフォテップ、スルプロフォス、テブフェノジド、テブピリムフォス、テフルベンズロンテフルスリン、テメフォス、テルブフォス、テトラクロルビンフォス、テトラメスリン、チアメトキサム、チオディカルブ、ティフノックス、チオメトン、トルフェンピラド、トラロメスリン、トランスフルスリントリアザメイト、トリアゾフォス、トリフルムロン、トリメタカルブ、XMC,キシリルカルブを挙げることができる。もっとも、第二農薬成分として用いられる農薬成分は上記に例示したものに限定されることはない。第二農薬成分としては単独の農薬成分を用いてもよいが、2種以上を混合して用いることもできる。2種以上の農薬第二成分を用いる場合には混合比は任意に選択することができる。

0018

本発明の農薬組成物における第一農薬活性成分と第二農薬活性成分との組み合わせの質量比は特に限定されず、農薬成分の種類により適宜選択することができる。例えば、第一農薬成分を組成物100質量部に対して0.1〜40質量部の割合とし、第二農薬成分を組成物100質量部に対して0.1〜40質量部の割合とすることができ、両農薬成分の合計質量は組成物100重量部に対して0.2〜60質量部の範囲であることが好ましい。また、本発明の組成物は農薬成分としては肥料成分を含んでいてもよい。例えば、無機リン酸塩亜リン酸塩カリウム塩、硫酸アンモニウム等を含んでいてもよい。これらの肥料成分は単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いることもできる。2種以上の肥料成分を用いる場合には、混合比は任意に選択することができる。

0019

増粘剤は農薬組成物にチキソトロピー性を付与する作用を有しており、無機鉱物からなる群から選択することができる。好ましくは、ベントナイト、サポナイト、セピオライト、スメクタイト、及びラポナイトからなる群から選ばれる増粘剤を用いることができる。ベントナイトとしては精製ベントナイトを用いることができ、ナトリウムベントナイトが好ましく、特に好ましいのは精製ナトリウムベントナイトである。本発明の農薬組成物は、20℃における組成物の粘度が回転数30rpmで200〜850mPa・s(本明細書において「〜」で示される数値範囲は下限及び上限の数値を含む)となるように調製される。

0020

水溶性高分子は、電解質である疎水コロイドを含む懸濁物を分散安定化する作用を有するものであればその種類は特に限定されないが、一般的には有機性及び非解離性の水溶性高分子を用いることができる。例えば、天然の水溶性高分子としては、馬鈴薯澱粉甘藷澱粉タピオカ澱粉小麦澱粉、若しくはコーンスターチ等の澱粉類蒟蒻グアガム、若しくはローカストビーンガム等のマンナン類、フノリ寒天等の海草類トラガントガム、アラビアガム等の植物粘質物デキストランレバン等の微生物粘質物、、ゼラチン、カゼイン、若しくはコラーゲン等の蛋白を用いることができる。半合成物である水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、若しくはカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、又は可溶性澱粉カルボキシメチル澱粉、若しくはカチオン化澱粉等の澱粉誘導体などを用いることができ、合成物である水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドポリアクリルアミド、又はメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体などを用いることができる。通常は、固体状態の水溶性高分子を用いることができる。好ましい水溶性高分子として、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースセルロースからなる群から選ばれる水溶性高分子を用いることができる。水溶性高分子は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0021

水溶性高分子の分子量は特に限定されないが、例えば、水溶性高分子としてポリビニルアルコールを用いる場合には、ケン化度が70〜100%、重合度が500〜2,000程度のものを用いることが好ましい。水溶性高分子としてポリビニルピロリドンを用いる場合には分子量が10,000〜400,000程度のものを用いることが好ましい。水溶性高分子は一般的に増粘剤としての作用を有する必要はなく、電解質である疎水コロイドを含む懸濁物の分散安定化に寄与できるものであればよい。本発明の農薬組成物において、水溶性高分子は、例えば水に対する溶解度が20℃で100ppm程度の農薬成分を懸濁状態で含む組成物を高温、例えば40〜54℃で保存した場合に生ずる粒子成長を抑制する作用を有する。また、農薬組成物の製造の際には、懸濁すべき農薬成分を添加するにあたり、予め水溶性高分子の水溶液を容器内に配置しておくことにより、第一農薬成分の添加時に生ずる懸濁物の凝集の問題を回避し、攪拌のみによって良好な物理化学的性質を有する組成物を製造することができる。

0022

本発明の農薬組成物に含まれるアニオン界面活性剤の種類は特に限定されないが、例えば、硫酸塩誘導体又はリン酸塩誘導体などを用いることができ、より具体的には、アルファオレフィンスルホン酸塩アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキル硫酸エステル塩アルキルエーテル硫酸エステル塩アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩、エーテルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物塩、フェノールスルホン酸ホルマリン縮合物塩エチレンオキサイド付加型アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、エチレンオキサイド付加型アルキルエーテル硫酸エステル塩、エチレンオキサイド付加型多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、エチレンオキサイド付加アルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩、エチレンオキサイド付加ジスチリルフェニル燐酸エステル塩、エチレンオキサイド付加トリスチリルフェニル燐酸エステル塩、エチレンオキサイド付加アルキルエーテル燐酸エステル塩、エチレンオキサイド付加アルキルアリールエーテル燐酸エステル塩等などを用いることができる。エチレンオキサイド付加モル数は、例えば0〜5の範囲であり、塩としてはアンモニウム塩、イソプロピルアンモニウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩などが好ましい。アニオン界面活性剤の添加量は特に限定されないが、例えば、農薬組成物の製造工程において、水難溶性の第二農薬成分を湿式粉砕微細化する際の粉砕助剤として作用する量で用いることが好ましい。また、アニオン界面活性剤は、農薬組成物における分散性安定性及び水希釈液の分散性安定性を達成できる量で添加されていることが望ましい。

0023

本発明の農薬組成物には必要に応じてカチオン界面活性剤を添加することができる。カチオン界面活性剤としては、第1級アミン類、第2級アミン類、又は第3級アミン類である脂肪族アミン類が酸中和されたカチオン界面活性剤、エチレンオキサイド付加型脂肪族アミン類が酸中和されたカチオン界面活性剤、アルキルジアミン類が酸中和されたカチオン界面活性剤、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加型アルキルアミン類が酸中和されたカチオン界面活性剤などを好ましく用いることができる。これらのアミン誘導体の酸中和に用いられる酸としては、例えば、スルホン酸リン酸、若しくは塩酸などの無機酸、又はグルコン酸乳酸酢酸クエン酸コハク酸、若しくはプロピオン酸等の低分子量の有機酸を用いることができる。これらの酸により予め中和処理を施されたカチオン界面活性剤が好ましい。また、第4級アミン類としてモノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、エチレンオキサイド付加型アルキルアンモニウムクロライドの添加も望ましい。疎水性部分としてヤシ油牛脂大豆油硬化牛脂由来疎水性基、あるいはカプリル基、ステアリル基ラウリル基、オレイル基、ミリスチル基、ステアリル基、又はセチル基等の炭素数6〜20の疎水基が好ましい。また、カチオン界面活性剤に付加されているエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加モル数は0〜30であることが好ましい。本発明の農薬組成物に用いられるカチオン界面活性剤の添加量は特に限定されないが、農薬組成物の物理化学的安定性を改善することができ、かつ農薬組成物から調製される水希釈液が標的生物体に充分に展着でき、農薬作用を高めることができるような量で添加されていることが望ましい。例えば、カチオン界面活性剤は組成物100質量部に対して15質量部までの範囲で添加できる。

0024

本発明の農薬組成物には、上記の成分に加えて、必要に応じて組成物の物理化学的性質を最適化させるために用いられる1又は2種以上の成分を添加することができる。このような成分としては、例えば、ノニオン界面活性剤を挙げることができる。より具体的には、糖エステル系、脂肪酸エステル系、植物油系、アルコール系、アルキルフェノール系、ブロックポリマー系、ビスフェノール系、多芳香族系、シリコン系、又はフッ素系のノニオン界面活性剤を挙げることができ、さらに具体的には、ソルビタン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルポリオキシエチレン脂肪酸エステルポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステルポリオキシエチレンヒマシ油ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアキルエーテルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルマリン縮合物ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキルフェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシビスフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテルポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテルポリオキシエチレンエーテル型シリコン系界面活性剤、ポリオキシエチレンエステル型シリコン系界面活性剤等を挙げることができる。また、その他の配合可能な成分としては、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、又はグリセリン等の凍結防止剤、あるいはシリコン系又はアセチレンジオール系の消泡剤などを挙げることができる。もっとも、本発明の農薬組成物に配合可能な成分はこれらの具体例に限定されることはない。

0025

本発明の農薬組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のようにして製造できる。まず、アニオン界面活性剤と必要に応じて消泡剤とを添加した水系に疎水性の第二農薬成分を添加し、アトライター、ビーズミルヒスコトロンホモゲナイザーマイクロフルイダイザー等の湿式粉砕機により微細化する。この際、得られるスラリー粒子は微細であることが望ましく、最終的に得られる水性懸濁農薬組成物を水希釈液として調製する場合の懸濁安定性の観点から、第二農薬成分の粒子の最大粒子径が20ミクロン以下となるように調製される。次に、湿式粉砕により得られた第二農薬成分の粒子を含むスラリーに増粘剤を加えて攪拌し、均一な懸濁物を得る。次いで、保護コロイド作用を有する水溶性高分子の水溶液を加え、攪拌を継続して懸濁物を均一化させる。次いで、水溶性の第一農薬成分の水溶液を加えて攪拌により懸濁物を均一化させ、最後にカチオン界面活性剤を添加して攪拌する。あるいは、アニオン界面活性剤、水溶性高分子、及び必要に応じて消泡剤を添加した水系に第二農薬成分を添加し、前述と同様な方法によりスラリーを調製した後、増粘剤、水溶性の第一農薬成分、及び最後にカチオン界面活性剤を順次添加することにより農薬組成物を得ることもできる。

0026

本発明の農薬組成物の施用方法は特に限定されないが、通常は本発明の農薬組成物を上記のようにして調製した後、スプレーによる散布などに適した適宜の水希釈液を調製し、それを土壌植物体施用すればよい。水希釈液の調製方法は特に限定されず、希釈液として用いる適宜の量の水に対して農薬組成物を添加して適宜の手段で混合すればよい。希釈液に含まれる分散粒子の最大粒子径は好ましくは20ミクロン以下である。希釈の程度も特に限定されず、施用すべき土壌や植物体の面積や除草などの農薬適用の目的などに応じて、農薬成分が散布後に適宜の濃度で土壌や植物体に接触するように水希釈液の濃度を決定することができる。

0027

【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。以下の実施例において特に言及しない場合には数値は質量部を示す。
実施例1
水(33.0質量部)にアニオン界面活性剤(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩100%品、ディスロールSH、日本乳化剤株式会社、5.0質量部)を加えて水溶液とし、シメコナゾール(97.0%、62.0質量部)を添加してスリーワンモーターにより攪拌した。得られた懸濁液を湿式粉砕機(アトライター、三井鉱産株式会社)により微粉砕化した。シメコナゾールスラリーの粒子サイズは平均粒径2.13ミクロン(最大粒子径が10ミクロン)であった。別途、精製ナトリウムベントナイト(クニピアF、クニミネ化学工業株式会社、4.0質量部)をプロピレングリコール(33.33質量部)に懸濁させ、攪拌しながら水(62.67質量部)を加えて均一なペーストにして増粘剤組成物を調製した。また、K−30C(ポリビニルピロリドン、第一工業製薬株式会社、12.5質量部)をプロピレングリコール(66.7質量部)に懸濁させ、攪拌しながら水(20.8質量部)を加え、完全溶解させて水溶性高分子の水溶液を調製した。上記で得られたシメコナゾールスラリー(20.0質量部)に対して増粘剤組成物(15.0質量部)を添加して均一になるまで攪拌した。次いで水溶性高分子溶液(6.0質量部)を添加し、均一になるまで攪拌した。均一になった後、ヒドロキシイソキサゾールアンモニウム塩40%液(43.61質量部)を添加し、攪拌して均一化した後、TP−1311(ヤシアミンエチレンオキサイド15モル付加物・乳酸中和物100%、日本乳化剤株式会社、7.0質量部)を加えて攪拌し、アサヒシリコンAF−128(シリコン系消泡剤、旭化学工業株式会社、0.05質量部)を加え、組成物全体が100質量部となるように残量の水を加えて水性懸濁農薬組成物を得た。

0028

実施例2
実施例1に記載の方法で得られたシコナゾールスラリー(25質量部)と実施例1に記載の方法で得られた増粘剤組成物(15.0質量部)に対して、SokalanHP50(ポリビニルピロリドン、BASF、18.75質量部)及び水(81.25質量部)より調製した溶液(4質量部)を加え、ヒドロキシイソキサゾールアンモニウム塩40%液(50.0質量部)を添加した。この混合物を攪拌して均一化した後、TP−1316(ヤシアンモニウムクロライドエチレンオキサイド15モル付加物、4.0質量部)を加えて攪拌し、シリコン系消泡剤(0.05質量部)を加え、組成物全体が100質量部となるように残量の水を加えて水性懸濁農薬組成物を得た。

0029

実施例3
水(33.0質量部)にアニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホスフェートアミン塩25%品、デスロールFL−40、日本乳化剤株式会社、5.0質量部)を加えて水溶液を調製し、この水溶液にシマジン(96.0%、62.0質量部)を添加してスリーワンモーターにより攪拌した。得られた懸濁液をアトライターにより微粉砕化した。得られたシマジンスラリーの粒子サイズは平均粒径が1.98ミクロン(最大粒子径は11.25ミクロン)であった。このシマジンスラリー(20.0質量部)に対して実施例1に記載された方法で調製した増粘剤(15.0質量部)を添加し、均一になるまで攪拌した。次いで、実施例1に記載の方法で調製した水溶性高分子水溶液(6.0質量部)を添加し、均一になるまで攪拌した。混合物が均一になった後、グリホサートイソプロピルアミン塩62%液(43.61質量部)を添加し、シリコン系消泡剤(0.05質量部)を加え、組成物全体が100質量部となるように残量の水を加えて水性懸濁農薬組成物を得た。

0030

実施例4
TP−1312(ヤシアミンエチレンオキサイド15モル付加物・グリオキシル酸中和物100%、日本乳化剤株式会社、10.0質量部)を最後に加えた以外は実施例3と同様にして水性懸濁農薬組成物を得た。

0031

実施例5
実施例3に記載の方法で調製したシマジンスラリー(20.0質量部)に対して最終的に100質量部となるように残量の水を添加し、さらにディスロールFL−40(2.0質量部)を添加した後に、クニピアF(2.42質量部)、プロピレングリコール(18.18質量部)、及び水(79.4質量部)より予備調製された増粘剤組成物(33.0質量部)を添加して攪拌した。次いで、K−30C(15.0質量部)、プロピレングリコール(30.0質量部)、及び水(55.0質量部)より調製された高分子水溶液を加えて攪拌した後、グリホサートイソプロピルアミン62%液(21.0質量部)を添加した。その後、TP−1312(9.0質量部)及びTP−1316(2.0質量部)を添加し、最後にシリコン系消泡剤(0.1質量部)を加えて水性懸濁農薬組成物を得た。

0032

実施例6
水溶性高分子溶液としてポリエースA−520G(ポリビニルアルコール20%水溶液、大成化薬株式会社、5.0質量部)を添加した以外は、実施例3と同様にして水性懸濁農薬組成物を得た。

0033

実施例7
水溶性高分子溶液としてゼラチン15%水溶液(ゼラチンNo.2、新田ゼラシン株式会社、5.0質量部)を添加した以外は、実施例3と同様にして水性懸濁農薬組成物を得た。

0034

実施例8
水(32.0質量部)、アニオン界面活性剤(特殊ポリカルボン酸型界面活性剤混合物、デモールEP、花王株式会社、6.0質量部)、ジクロメジン(95.0%、62.0質量部)をアトライターにより微粉砕化した。得られたスラリー(21.0質量部)を用い、実施例1と同様にしてジクロメジンとヒドロキシイソキサゾールを含む水性懸濁農薬組成物を得た。

0035

比較例1
精製ナトリウムベントナイト(4.0質量部)の替わりにキサンタンガム(アニオン性高分子、2.0質量部)を用い、実施例1と同様にして水性懸濁農薬組成物を調製した。
比較例2
ポリビニルピロリドンを用いずに、実施例1と同様にして水性懸濁農薬組成物を調製した。
比較例3
カチオン界面活性剤(TP−1311)の替わりにノニオン界面活性剤(ツイン20)を加えた以外は実施例1と同様にして水性懸濁農薬組成物を得た。
比較例4
シマジンを乾式粉砕ジェットオーマイザー)により微粉化して得たシマジン粉体(12.0質量部)を水を懸濁させたものをシマジンスラリーの替わりに用いた以外は、実施例2と同様にしてアニオン界面活性剤無添加の水性懸濁農薬組成物を得た。

0036

比較例5
実施例3より調製したシマジンスラリー(20.0質量部)に最終的に100質量部となる残量の水を添加し、さらにディスロールFL−40(2.0質量部)を添加した後に、クニピアF(2.42質量部)、プロピレングリコール(18.18質量部)、及び水(79.4質量部)より予備調製された増粘剤組成物(33.0質量部)を添加して攪拌した。その後、グリホサートイソプロピルアミン62%液(21.0質量部)を添加し、TP−1312(9.0質量部)、TP−1316(ヤシアンモニウムクロライドエチレンオキサイド15モル付加物、2.0質量部)を添加し、最後にシリコン系消泡剤(0.1質量部)を加えて、水性懸濁農薬組成物を得た。

0037

比較例6
水(41.8質量部)にアニオン界面活性剤(KP−1436、花王株式会社、7.0質量部)を加えて水溶液を調製した。この水溶液にシマジン(96.0%、44.2質量部)及び含水非晶質二酸化ケイ素(ニップシールNS、日本シリカ株式会社、7.0質量部)を加えて攪拌し、得られた懸濁液をアトライターにより微粉砕化した。得られたシマジンスラリー(28.23質量部)に対して最終的に100質量部となる残量の水、KP−1436(2.0質量部)、TP−1312(8.0質量部)を攪拌下に添加し、次いでクニピアF(1.1質量部)、プロピレングリコール(4.0質量部)、及び水(14.9質量部)より調製された増粘剤組成物(20.0質量部)を添加した。その後、グリホサートイソプロピルアミン塩62%液(33.0質量部)を加えて攪拌し、ノニオン界面活性剤(ニューコール1110、日本乳化剤株式会社、4.0質量部)を加え、最終的にシリコン系消泡剤(0.1質量部)を加えて水性懸濁農薬組成物を得た。

0038

比較例7
シマジンスラリーの粒子サイズを平均粒径3.54ミクロン(最大粒子径は45ミクロン)とした以外は、実施例4と同様にして水性懸濁農薬組成物を得た。

0039

試験例1
得られた組成物(製造直後)及び40℃で90日間保存した後の組成物の性状目視により観察した。結果を表1に示す(表中、組成物中の懸濁成分凝集の有無を「有」又は「無」で示した)。水溶性高分子を添加した本発明の農薬組成物(実施例1〜7)では組成物の調製時、調製直後、及び保存後のいずれの時点においても懸濁農薬成分の凝集は認められなかった(表1)。一方、無機系鉱物増粘剤に替え汎用の増粘剤を用いた組成物(比較例1)、水溶性高分子を添加していない組成物(比較例2)、及びカチオン界面活性剤を全く添加していない組成物(比較例3)では組成物の調製時に懸濁農薬成分の凝集が認められ、組成物の調製が困難であった(表1)。また、アニオン界面活性剤を添加していない組成物(比較例4)及び水溶性高分子を添加していない組成物(比較例5)では、強制攪拌により凝集がいったんクリアーされても目視による判断では凝集粒子の完全な消滅には至らなかった(表1)。含水非晶質二酸化ケイ素を添加した組成物(比較例6)では、懸濁農薬成分の沈降の程度は改善されていたが、組成物の調製時にハードケーキ状となり組成物の調製が困難であった。

0040

【表1】

0041

試験例2
得られた組成物の粒子平均粒径(μm)を粒度測定機(LA−700、堀場製作所(株)製)により測定した。測定方法は、組成物2.0gを0.2%ネオゲンパウダー液100mlに分散させ、超音波を3分かけて均一に分散させた後、LA−700により透過率72〜75%にて5分インキュベートし、粒子のメジアン径と最大粒子径を測定した。結果を表2に示す(数値単位はμmである)。本発明の農薬組成物(実施例1〜7)では粒子成長はほとんど認められなかったのに対して、アニオン界面活性剤を添加していない組成物(比較例4)、水溶性高分子を添加していない組成物(比較例5)、及び含水非晶質二酸化ケイ素を添加した組成物(比較例6)では粒子成長が認められた。

0042

【表2】

0043

試験例3
得られた組成物の粘度を粘度計(Blook Field、TOKIMEC INC製)により測定した。測定は、組成物液温20℃、回転数30rpm、ローターNo.2を用いて行った。また、組成物5gを水500mLに分散させたときの水希釈性を目視にて確認した。結果を表3に示す(数値単位はmPa・sである)。本発明の農薬組成物(実施例1〜7)はいずれも良好な粘度を有していたが、無機系鉱物増粘剤に替えて汎用の増粘剤を用いた組成物(比較例1)では十分な粘性が得られなかった。また、粘度が850mPa・s以上の組成物(比較例4及び6)では水希釈時に分散不良が生じた。

0044

【表3】

0045

試験例4
得られた組成物2gを3°硬水500mlに加えて1分間に30回激しく倒立して振り混ぜた後、15分、1時間、及び2時間放置したときの沈降量を懸垂度試験器により測定した。結果を表4に示す(数値単位はmLである)。本発明の農薬組成物(実施例1〜7)ではいずれも沈降量が少なかったのに対して、アニオン界面活性剤を添加していない組成物(比較例4)、水溶性高分子を添加していない組成物(比較例5)、及び含水非晶質二酸化ケイ素を添加した組成物(比較例6)では本発明の組成物に比べて沈降量が多かった。また、第二農薬成分の最大粒子径が20ミクロンを超える組成物(比較例7)でも本発明の組成物に比べて沈降量が多かった。

0046

【表4】

0047

試験例5
17cm×12cm×7cmのプラスチックポット内のブラックグラスイヌビエ、メヒシバ、アキノエノコログサ、セイバンモロコシ、オオクサキビカラスムギ、キハマスゲ、ショキヨウカヤツリ、セイヨウカラシナ、アメリカアサガオイネ科雑草、及び同ポット内のオナモミ、シロバナチョウセンアサガオ、シロザ、アサガオ、ノハラガラシ、イヌホオズキ、アオゲイトウ、アメリカキンゴジカ、ブタクサイチビ広葉雑草に対し、実施例4及び5により得られた組成物を処理薬量150g/10aの割合で処理し、2週間後の効果を確認した。この時の除草指数として、除草指数10と0を
10:完全枯死
0 :除草効果全く認められず。雑草健全に生育している。
と定義して、0から10の間の指数で表した。指数が大きいほど除草活性が高いことを示す。結果を表5に示す。本発明の農薬組成物はカチオン界面活性剤を添加しない場合においても高い除草作用を発揮したが、カチオン界面活性剤を充分量含む農薬組成物(実施例4)ではさらにすぐれた除草作用を発揮できることが確認された。

発明を実施するための最良の形態

0048

【表5】

発明の効果

0049

本発明の農薬組成物は物理化学的安定性に優れた農薬組成物として提供され、組成物中での粒子の成長や沈降などを生じることがなく、また分散安定性と保存安定性に優れた水希釈液を容易に調製できるという特徴がある。また、本発明の農薬組成物では、標的生物体への水希釈液の展着性を増強させることができるような充分量のカチオン界面活性剤を添加した場合にも組成物の物理化学的性状が損なわれることがなく、水希釈時の希釈容易性や希釈液の分散安定性も維持されるという特徴がある。

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