図面 (/)

技術 軸の偏芯部における回転位相角度の測定装置およびその測定方法と、その測定に用いるスプライン溝位相測定治具

出願人 コマツ工機株式会社
発明者 義本明広山田信吾
出願日 2002年6月28日 (17年5ヶ月経過) 出願番号 2002-189225
公開日 2004年1月29日 (15年10ヶ月経過) 公開番号 2004-028947
状態 特許登録済
技術分野 機械的手段の使用による測定装置
主要キーワード センタ中心 各軸間距離 回転位相角度 直径データ バランスウェート 水平テーブル 測定変位 相対位相角
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年1月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題

ワーク軸端に加工されたスプライン溝位相測定、及びそのスプライン溝位相に基づくワーク偏芯部のワーク軸回りの位相測定の精度向上や測定時間短縮が図れるスプライン溝位相測定治具測定装置およびその測定方法を提供する。

解決手段

スプライン溝部(2)にあてがい該溝位相を測定するためのスプライン溝位相測定治具(80)と、ワーク(1)の回転角度センサ(15)と、ワーク軸直角方向に移動自在とされ、ワーク軸直角方向に細長く形成された測定子(32)を、ワーク回転に伴い偏芯部(3) 及び前記溝位相測定治具の被測定部に当接させて、これらのワーク軸直角方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット(30)と、前記ワークの回転角度および前記輪郭測定ユニットの測定変位量を入力し、所定ワーク回転角度毎の測定変位量に基づいて、偏芯部(3)、及びスプライン溝部(2)の溝位相測定治具の被測定部の回転位相角度を求める制御器(50)とを設けた。

概要

背景

従来、内燃機関に用いられるクランクシャフトカムシャフトなどは、機械加工された後に各寸法が許容範囲以内に入っているかをチェックするために、必要な測定項目各項目毎専用測定装置により測定している。このような測定項目の内、クランクシャフトのピンジャーナル又はメインジャーナル真円度又は直径、およびカムシャフトのカムプロフィルなどを測定する専用測定装置に関しては、従来から様々な技術が提案されている。

概要

ワーク軸端に加工されたスプライン溝位相測定、及びそのスプライン溝位相に基づくワーク偏芯部のワーク軸回りの位相測定の精度向上や測定時間短縮がれるスプライン溝位相測定治具測定装置およびその測定方法を提供する。スプライン溝部(2)にあてがい該溝位相を測定するためのスプライン溝位相測定治具(80)と、ワーク(1)の回転角度センサ(15)と、ワーク軸直角方向に移動自在とされ、ワーク軸直角方向に細長く形成された測定子(32)を、ワーク回転に伴い偏芯部(3) 及び前記溝位相測定治具の被測定部に当接させて、これらのワーク軸直角方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット(30)と、前記ワークの回転角度および前記輪郭測定ユニットの測定変位量を入力し、所定ワーク回転角度毎の測定変位量に基づいて、偏芯部(3)、及びスプライン溝部(2)の溝位相測定治具の被測定部の回転位相角度を求める制御器(50)とを設けた。    

目的

本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、ワーク(例えばクランクシャフト、カムシャフトなど)の軸端に加工されたスプライン溝部の位相測定の精度向上や測定時間短縮等の性能向上が図れるスプライン溝位相測定治具、およびそのスプライン溝位相の測定値に基づいてワークの偏芯部のワーク軸回りの位相を自動的に短時間で測定できる測定装置およびその測定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

偏芯部(3) と、軸方向の一端側にスプライン溝部(2) とを備えた軸物のワーク(1) の、前記スプライン溝部(2) に対する前記偏芯部(3) のワーク軸回りの回転位相角度を測定する測定装置において、前記スプライン溝部(2) にあてがいスプラインの溝位相を測定するためのスプライン溝位相測定治具(80)と、前記ワーク(1) を両センタ支持する支持ユニット(10)と、ワーク(1) をその軸回りに回転させる回転駆動手段(14)と、ワーク(1) の回転位相角度を検出する回転角度センサ(15)と、ワーク(1) の軸直角方向に移動自在に設けられ、かつ、該移動方向とワーク(1) の回転の軸心方向とに直交する方向に直線状の当接面(32b)を形成した測定子(32)を、ワーク回転に伴い前記偏芯部(3) および前記スプライン溝位相測定治具(80)の被測定部に当接させて、これらのワーク軸直角方向の変位量を測定する輪郭測定ユニット(30)と、前記回転角度センサ(15)が検出したワークの回転角度、および前記輪郭測定ユニット(30)が測定した変位量を入力し、所定のワーク回転角度毎測定変位量に基づいて、前記偏芯部(3) および前記スプライン溝部(2) にあてがったスプライン溝位相測定治具(80)の被測定部の回転位相角度を演算により求める制御器(50)とを設けたことを特徴とする回転位相角度の測定装置。

請求項2

請求項1記載の回転位相角度の測定装置に用いるスプライン溝位相測定治具であって、隣合わせ両スプライン歯にそれぞれ当接可能な直径を有するピン(81a) またはボール(81b) を、スプライン溝部(2) の何れか1つに着脱可能に固定したことを特徴とするスプライン溝位相測定治具。

請求項3

請求項2記載のスプライン溝位相測定治具において、前記ピン(81a) とリング(82)とを設け、前記ピン(81a) を、その軸と前記リング(82)の軸とを略平行に、かつ、何れか1つのスプライン溝部(2) の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接させた状態で、前記ピン(81a) の外周面の一部がスプライン外径部から突出するような姿勢で、リング(82)の内周部に固着し、リング(82)の軸を挟んでピン(81a) と反対側のリング(82)部位に、リング(82)位置を固定するリング固定手段(83)を設けたことを特徴とするスプライン溝位相測定治具。

請求項4

請求項2記載のスプライン溝位相測定治具において、前記ボール(81b) とリング(82b) とを設け、前記ボ−ル(81b) を、何れか1つのスプライン溝部(2) の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接させた状態で、前記ボ−ル(81b) の外面の一部が前記リング(82b) の外径部から突出するような姿勢で、リング(82b) の内径周辺部に固着し、リング(82b) の軸を挟んでボ−ル(81b) と反対側のリング(82b) 部位に、リング(82b) 位置を固定するリング固定手段(83)を設けたことを特徴とするスプライン溝位相測定治具。

請求項5

請求項2記載のスプライン溝位相測定治具(80)は、隣合わせの両スプライン歯にそれぞれ当接可能な直径を有する前記ピン(81a) を、何れか1つのスプライン溝部(2) に長手方向に沿って固定ベルト(83b) で直接固定したことを特徴とするスプライン溝位相測定治具。

請求項6

偏芯部(3) と、軸方向の一端側にスプライン溝部(2) とを備えた軸物のワーク(1) の、前記スプライン溝部(2) に対する前記偏芯部(3) のワーク軸回りの回転位相角度を測定する測定方法において、前記ワーク(1) を両センタ支持してその軸回りに回転または揺動させ、前記スプライン溝部(2) のいずれか1つにあてがったピン(81a) またはボ−ル(81b) の突出部の、前記ワーク(1) の軸中心から径方向への最先端位置とこの位置でのワーク軸回りの回転位相角度とを測定する工程と、前記ワーク(1) を両センタ支持してその軸回りに回転または揺動させ、前記偏芯部(3) の、前記ワーク(1) の軸中心から径方向への変位量と回転位相角度とを測定する行程と、前記最先端位置の回転位相角度から、前記スプライン溝部(2) の回転位相誤差を算出する手段と、前記スプライン溝部(2) の回転位相誤差を加味した前記偏芯部(3) の回転位相角度を求める工程とを有することを特徴とする回転位相角度の測定方法。

技術分野

0001

本発明は、ワーク(例えばクランクシャフトカムシャフトなど)の軸端に加工されたスプライン溝位相を精度良く測定できるスプライン溝位相測定治具、およびそのスプライン溝位相の測定値に基づいて、ワークの偏芯部のワーク軸回りの位相を測定する測定装置およびその測定方法に関する。

0002

従来、内燃機関に用いられるクランクシャフト、カムシャフトなどは、機械加工された後に各寸法が許容範囲以内に入っているかをチェックするために、必要な測定項目各項目毎専用測定装置により測定している。このような測定項目の内、クランクシャフトのピンジャーナル又はメインジャーナル真円度又は直径、およびカムシャフトのカムプロフィルなどを測定する専用測定装置に関しては、従来から様々な技術が提案されている。

0003

例えば、実開平6−53913号公報では、回転するワーク(例えば、クランクシャフト等)の所定の測定位置における加工された軸の外周面電気マイクロメータ測定子を当接させてこの軸の直径方向変位量をワークが1°回転する毎に測定し、測定したデータに基づいて半円法によって軸の真円度を算出し、ワークの良否検査する自動真円度検査装置が開示されている。

0004

また、実開昭55−6825号公報には、測定すべきクランクシャフトの両端を回転自在に支持する支持台と、これら支持台の少なくとも一方に設けられ、上記クランクシャフトの回転角度を測定するエンコーダと、上記クランクシャフトの長手方向及び接離方向に移動でき、かつ移動量をマグネスケールなどの測定手段により測定可能測定台と、この測定台上に設けられ、クランクシャフトの測定部に当接自在な基準円板と、上記測定部の上方及び基準円板の反対側において測定部へ当接し、測定部の寸法を測定する複数個測定具とを具備してなるクランクシャフト測定装置が開示されている。この測定装置によって、クランクシャフトの曲がり(ここでは、ジャーナル部の振れ)、メインジャーナルとピンジャーナルとの各軸間距離ピン1/2ストローク、各ピンジャーナルの基準ピンに対するピン位相、各ピンジャーナル及び各メインジャーナルの径、及びその真円度を測定している。

0005

さらに、特願平11−83413号公報には、クランクシャフト(ワーク)の両端面を回転自在に支持する支持ユニットと、支持ユニットに支持されたワークをセンタ中心に回転させる回転駆動手段と、このワークの回転角度を検出する回転角度センサと、ワークの回転軸心方向に対して垂直に移動自在な測定子を有し、ワークの回転に伴ってワークのピンジャーナル又はメインジャーナルの円筒面に、あるいはこれらのR溝底面にこの測定子を当接させてこれを追従駆動し、回転軸心方向に直交する方向の変位量を測定する輪郭測定ユニットと、所定の回転角度毎の変位量に基づいてワークの輪郭演算により求める制御器とを備えたクランクシャフトの自動測定装置において、前記輪郭測定ユニットの測定子は、前記回転の軸心方向とこの測定子の移動方向とに直交し、かつ、ピンジャーナルが回転するときにこのピンジャーナルの円筒面に常時当接する長さを有する直線状の当接面を設け、前記制御器は、少なくとも、ピンジャーナル、メインジャーナル又はこれらのR溝底面の直径、真円度、真直度、あるいは、ピンジャーナルのピン1/2 ストローク、偏芯量位相角度等のいずれかを求める構成としている。

背景技術

0006

そして、この公報に記載の構成によると、ワークが非円形形状をしていても、ワークを回転させているとき、ワークの輪郭測定対象の外周面に測定子が常時当接し、かつ、ワークの回転の軸心方向に直交する方向の変位量が精度良く測定される。この結果、一回の段取りを行うだけで、例えば、クランクシャフトのピンジャーナル、メインジャーナル又はこれらのR溝底面の直径、真円度、真直度、あるいは、ピンジャーナルのピン1/2 ストローク、偏芯量、位相角度等の輪郭を正確に測定することが可能となり、測定時間を短縮化できるとしている。

0007

一方、図5図9に示すように、クランクシャフトA,Bにおいては、偏芯部3としてピンジャーナル61を、そしてその軸の長手方向の一端側にスプライン2を有するものがあり、また図10に示すように、カムシャフトCにおいては、偏芯部3としてカムプロフィル部61aを、そしてその軸の長手方向の一端側にスプライン2を有するものなどがある。そして、このスプライン溝部を有するものに対しては、ピンジャーナル、メインジャーナルの直径、真円度又は真直度、カムのカムプロフィル、メインジャーナル軸回りにおける偏芯部(ピンジャーナルまたはカム)の回転位相角度等の測定の他、スプライン溝部に対する偏芯部の相対回転位相角度の測定をそれぞれ精度良く、しかも短時間で行うことが要求されることがある。その理由として、スプライン溝部の位相が大きくずれると、組付けた際、クランクシャフト同士間でそれぞれの偏芯部の位相にずれが生じるからである。また、一般的にスプライン加工は、クランクシャフト外形加工とは別工程になるため、ワークのセットし直し等に起因する加工誤差が、他の部位と比較して大きく発生し易いという背景もある。

0008

しかしながら、上記の実開平6−53913号公報、実開昭55−6825号公報、特願平11−83413号などの従来技術には、このスプライン溝部の回転位相角度を測定する技術が開示されていない。また、これらの公報に開示されているような、ピン部61又はジャーナル部62の真円度又は直径等を測定する専用測定装置を流用することによって、このスプライン溝部の回転位相角度を測定する場合に、スプライン溝部はワークの軸に対し平行に切られているので、従来の輪郭測定ユニットでは、スプライン溝部の回転位相角度を測定できない。そこで、例えば特殊マイクロメータ等を使用して手作業により測定したり、または他の専用測定装置を流用したりしなければならないので、これらの段取作業には非常に多くの時間がかかることになる。この結果、全項目の測定に非常に多くの時間がかかり、測定作業能率が良くないと言う問題がある。

0009

本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、ワーク(例えばクランクシャフト、カムシャフトなど)の軸端に加工されたスプライン溝部の位相測定の精度向上や測定時間短縮等の性能向上が図れるスプライン溝位相測定治具、およびそのスプライン溝位相の測定値に基づいてワークの偏芯部のワーク軸回りの位相を自動的に短時間で測定できる測定装置およびその測定方法を提供することを目的としている。

0010

【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、偏芯部と、軸方向の一端側にスプライン溝部とを備えた軸物のワークの、前記スプライン溝部に対する前記偏芯部のワーク軸回りの回転位相角度を測定する測定装置において、前記スプライン溝部にあてがいスプラインの溝位相を測定するためのスプライン溝位相測定治具と、前記ワークを両センタ支持する支持ユニットと、ワークをその軸回りに回転させる回転駆動手段と、ワークの回転位相角度を検出する回転角度センサと、ワークの軸直角方向に移動自在に設けられ、かつ、該移動方向とワークの回転の軸心方向とに直交する方向に直線状の当接面を形成した測定子を、ワーク回転に伴い前記偏芯部および前記スプライン溝位相測定治具の被測定部に当接させて、これらのワーク軸直角方向の変位量を測定する輪郭測定ユニットと、前記回転角度センサが検出したワークの回転角度、および前記輪郭測定ユニットが測定した変位量を入力し、所定のワーク回転角度毎の測定変位量に基づいて、前記偏芯部および前記スプライン溝部にあてがったスプライン溝位相測定治具の被測定部の回転位相角度を演算により求める制御器とを設けた構成としている。

0011

請求項1に記載の発明によると、測定子の前面の当接面は、その移動方向とワークの回転軸心方向とに直交する方向に直線状に形成されている。そして、スプライン溝位相測定治具の被測定部に常に当接するように回転の軸心方向に直交する方向に追従駆動された測定子の前面を、スプライン溝部にあてがったスプライン溝位相測定治具の被測定部に当接させて、ワークを回転または揺動させ、輪郭測定ユニットの、ワークの軸心方向への追従移動距離が最小となる位置(すなわち被測定部が最先端となる位置)でのワークの回転角度を測定することで、スプライン溝部の回転位相角度の測定が極めて容易に、正確に、かつ自動的に短時間で計測できる。
また、前記スプライン溝回転位相角度を制御器に入力し、前記同一の輪郭測定ユニットおよび測定子により計測した各偏芯部の位相角度との相対位相角度を演算により正確に算出することが可能となる。
以上のように、本請求項1に記載の発明によると、スプライン溝部を有する軸の偏芯部の回転位相角度測定において、測定時間の短縮化及び測定精度の向上等の性能向上が図れる。

0012

請求項2に記載の発明は、請求項1記載の回転位相角度の測定装置に用いるスプライン溝位相測定治具であって、隣合わせ両スプライン歯にそれぞれ当接可能な直径を有するピンまたはボールを、スプライン溝部の何れか1つに着脱可能に固定した構成としている。

0013

請求項2に記載の発明によると、スプライン溝位相測定治具として、隣合わせのスプライン歯にそれぞれ当接した状態で、スプライン外径から被測定部が突出する直径を持った真円度、円筒度の良いピン、または真円度の良いボールを、ワーク一端側のスプライン溝部の何れか1つに、着脱可能に固定した構成としたので、スプライン溝部の位相測定の際、輪郭測定ユニットの測定子の前面部を当接させるスプライン溝位相測定治具の被測定部は、正確にかつ確実にスプライン溝に固定され、よって位相測定の際に、スプライン溝位相測定治具の被測定部がずれて測定精度が得られないなどのトラブルが発生する恐れがない。
また、スプライン溝部の位相測定の際、前記スプライン溝位相測定治具の被測定部に常に当接するように回転の軸心方向に直交する方向に追従駆動された測定子の前面を、スプライン溝部にあてがったピンまたはボールの突出部に接触させて、ワークを回転または揺動させ、輪郭測定ユニットの、ワークの軸心方向への追従移動距離が最小となる位置(つまり、被測定部が径方向で最先端となる位置)を検出測定し、この位置でのワークの回転角度を測定することで、スプライン溝部の位相を測定する。この際、測定子の前面とピンまたはボールの突出部とが接線上で接触するので、これらの摺動が極めて円滑に行なわれ、一連測定動作を速めても、高い測定精度が得られることになる。

0014

請求項3に記載の発明は、請求項2記載のスプライン溝位相測定治具において、前記ピンとリングとを設け、前記ピンを、その軸と前記リングの軸とを略平行に、かつ、何れか1つのスプライン溝部の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接させた状態で、前記ピンの外周面の一部がスプライン外径部から突出するような姿勢で、リングの内周部に固着し、リングの軸を挟んでピンと反対側のリング部位に、リング位置を固定するリング固定手段を設けたことを特徴としている。

0015

請求項3に記載の発明によると、スプライン溝位相測定治具は、ピンと、リングとで構成し、そのピンをリングの内周部に、その軸とリングの軸とを平行でかつ、何れか1つのスプライン溝部の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接可能な状態で固着し、また、スプライン軸にリングを固定するリング固定手段を、このリングの軸を挟んで前記ピンと反対側のリング部位に設けた。したがって、スプライン溝位相測定治具はピンとリングとの簡易、かつコンパクトな構成であり、このため安価に製作でき、しかも充分な剛性があって高い測定精度が安定して得られる。
また、被測定部となるピンをスプライン溝の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接可能とするために、スプライン軸にスプライン溝位相測定治具を強固に固定するリング固定手段を設けたので、その着脱が極めて容易であると共に、常に安定した高い測定精度が得られる。

0016

請求項4に記載の発明は、請求項2記載のスプライン溝位相測定治具において、前記ボールとリングとを設け、前記ボ−ルを、何れか1つのスプライン溝部の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接させた状態で、前記ボ−ルの外面の一部が前記リングの外径部から突出するような姿勢で、リングの内径周辺部に固着し、リングの軸を挟んでボ−ルと反対側のリング部位に、リング位置を固定するリング固定手段を設けたことを特徴としている。

0017

請求項4に記載の発明によると、スプライン溝位相測定治具は、前記ボールと、リングとを設け、前記ボ−ルを、何れか1つのスプライン溝部の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接可能な状態で前記リングの内径周辺部に固着し、また、このリングをスプライン軸に固定するリング固定手段を、該リングの軸を挟んで前記ボ−ルと反対側の前記リング部位に設けた。したがって、スプライン溝位相測定治具はボ−ルとリングとの簡易で、かつコンパクトな構成となり、このため安価に製作でき、しかも充分な剛性があり、高い測定精度が安定して得られる。
また、被測定部となるボ−ルをスプライン溝部に安定して固定するためにリング固定手段を設けたので、その着脱が極めて容易であると共に、常に安定した高い測定精度が得られる。
さらに、スプライン溝位相の測定はボ−ルをスプライン溝部にあてがって行なうので、スプライン溝部の長手方向に複数箇所を測定することにより、スプライン溝部の真直度、ワーク軸に対する平行度、などの精度測定が可能である。

0018

また請求項5に記載の発明は、請求項2記載のスプライン溝位相測定治具は、隣合わせの両スプライン歯にそれぞれ当接可能な直径を有する前記ピンを、何れか1つのスプライン溝部に長手方向に沿って固定ベルトで直接固定した構成としている。

0019

請求項5に記載の発明によると、スプライン溝位相測定治具は、隣合わせの両スプライン歯にそれぞれ当接可能な直径を有し、真円度、円筒度の良いピンを、何れか1つのスプライン溝部の長手方向に挿入し、このピンをただ単に、複数の固定ベルト(例えばインシュロックタイ)でスプライン外径部へ直接固定する構成としたので、この構成が極めて簡単であるにも拘わらず、所定のスプライン溝部の位相測定が精度良く行える。

0020

さらに、請求項6に記載の発明は、偏芯部と、軸方向の一端側にスプライン溝部とを備えた軸物のワークの、前記スプライン溝部に対する前記偏芯部のワーク軸回りの回転位相角度を測定する測定方法において、前記ワークを両センタ支持してその軸回りに回転または揺動させ、前記スプライン溝部のいずれか1つにあてがったピンまたはボ−ルの突出部の、前記ワークの軸中心から径方向への最先端位置とこの位置でのワーク軸回りの回転位相角度を測定する工程と、前記ワークを両センタ支持してその軸回りに回転または揺動させ、前記偏芯部の、前記ワークの軸中心から径方向への変位量と回転位相角度とを測定する行程と、前記最先端位置の回転位相角度から、前記スプライン溝部の回転位相誤差を算出する手段と、前記スプライン溝部の回転位相誤差を加味した前記偏芯部の回転位相角度を求める工程とを有することを特徴とする回転位相角度の測定方法としている。

発明が解決しようとする課題

0021

請求項6に記載の発明によると、スプライン溝部を有する軸の偏芯部の回転位相角度測定において、前記請求項1に記載の発明と同様の、測定時間の短縮化及び測定精度の向上など、性能向上が図れる。
さらに、変位量の測定手段は、前記請求項1に記載のように、被測定部と測定子との当接による測定に限定されることなく、被測定部の前記変位量を光学式電気式及び磁気式などの非接触式で読み取る測定手段を用いても構わない。

0022

以下、本発明に好適な実施形態の一例を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明に係わるクランクシャフトのスプライン溝及び偏芯部の回転位相角度の測定装置の側面図及び平面図をそれぞれ示しており、同図に基づいて全体構成を説明する。
ベース9は本測定装置の各部材が載置され、かつ固定される基台を成しており、本実施形態においては、上面が滑らかに研磨された石からなる定盤で構成されている。ベース9の上面前部には、クランクシャフトを長手方向(つまり、軸心方向)の両端側からクランプして支持する支持ユニット10が載置されている。この支持ユニット10は、ベース9の上面前部の左右いずれか一側(図示では右側)に固定された回転ストック11と、他側にこの回転ストック11に対向して図示で左右方向に移動自在に配設されたテールストック13とを備えている。この回転ストック11の、テールストック13と対向する面には円テーブル12が回転自在に設けられており、円テーブル12の回転中心には、テールストック13の方に突出し、かつ、その軸心が前記回転中心と一致したセンタ12aが設けられている。また、テールストック13の、回転ストック11と対向する面には、同じくその軸心が前記回転中心と略一致するようにセンタ13aが設けられている。さらに、回転ストック11には例えばパルスモータからなる回転駆動手段14が配設されており、この回転駆動手段14の出力回転軸は図示しない動力伝達手段(例えば、ギア列等)を介して前記円テーブル12の回転軸に連結されている。また、この円テーブル12の回転軸には例えばエンコーダからなる回転角度センサ15が取り付けられており、回転角度センサ15により円テーブル12の回転角度、すなわちクランクシャフトの回転角度が検出される。

0023

なお、回転ストック11とテールストック13との間のベース9の表面には、両者を結ぶ直線に沿ってT溝16が設けられており、このT溝16の長手方向に垂直な断面形状はベース9の表面近傍に両側面から突出した突出部(図示せず)を有していて、この突出部より下方のT溝16の内部にはナット(図示せず)が設けられている。そして、前記テールストック13はT溝16に沿って移動自在に設けられていると共に、図示しないボルトとT溝16内の前記ナットによって前記突出部を介して固定されるようになっている。

0024

また、ベース9の上面の後部には、図示しないガイドレールが円テーブル12の前記回転中心線の方向と平行に布設されており、このガイドレール上に水平テーブル20が移動自在に設けられている。この水平テーブル20の下部には図示しないボールネジが配設されており、このボールネジのナット部材は水平テーブル20の下面に取着されており、またボールネジのネジは前記ガイドレールと同一の方向に配設されていて、このネジの一端部に例えばパルスモータからなる水平テーブル駆動手段21の出力回転軸が連結されている。そして、この水平テーブル駆動手段21の本体はベース9に取り付けられており、水平テーブル駆動手段21の回転によってこのボールネジを介して水平テーブル20は前記ガイドレールに沿って移動するようになっている。また、水平テーブル20とベース9との間には、例えばマグネスケール等のリニアセンサからなる第1位置センサ22が設けられており、この第1位置センサ22によって水平テーブル20の移動位置が検出される。

0025

水平テーブル20の上面には、クランクシャフトのメインジャーナル及びピンジャーナルの外周面の径方向の変位量と、クランクシャフトの一端側に設けられたスプライン溝部の位相とを測定する輪郭測定ユニット30が配設されている。輪郭測定ユニット30はクランクシャフトの軸心に直交する方向に移動自在な輪郭測定テーブル31を有しており、この輪郭測定テーブル31にはクランクシャフトへ向かって突出した測定子32が取着されている。測定子32の先端部の前記軸心方向の厚さは、前記ジャーナル部及びスプライン溝にあてがった被測定部に当接可能なような所定寸法となっている。

0026

図3及び図4は輪郭測定ユニット30の詳細な側面図を示しており、以下同図に基づいて説明する。
輪郭測定ユニット30のフレーム39は水平テーブル20の上面に取り付けられており、このフレーム39の上部には図示しないガイドレールが布設されていて、このガイドレールによって前記輪郭測定テーブル31が移動自在に支持されている。前述のように、輪郭測定テーブル31はクランクシャフトA(ワーク1)の軸心に直交する方向(図示で、左右方向)に移動自在となっている。そして、この輪郭測定テーブル31とフレーム39との間には、この輪郭測定テーブル31の移動方向の位置を検出する、例えばリニアセンサからなる第2位置センサ38が配設されている。

0027

フレーム39の上部のクランクシャフトAに近い端部には、ローラ33aがその回転軸を輪郭測定テーブル31の移動方向に対して垂直にして回動自在に設けられており、また、フレーム39の上部の前記ローラ33aと反対側の端部には、ローラ33bが同様にその回転軸を輪郭測定テーブル31の移動方向に垂直にして回動自在に設けられている。そして、ローラ33aに面した輪郭測定テーブル31の端部にはロープ34の一端側が取り付けられており、このロープ34の他端側は前記ローラ33a及びローラ33bを順次経由してバランスウェート35に取り付けられている。このバランスウェート35の荷重は、ロープ34を介して輪郭測定テーブル31に作用することにより、この輪郭測定テーブル31を所定の力でクランクシャフトAに向かって駆動する。これにより、輪郭測定テーブル31に取着された測定子32がクランクシャフトAに当接した後は、この測定子32は前記所定の力でクランクシャフトAの外面やスプライン溝にあてがった被測定部に当接するように追従駆動されるようになっている。

0028

また、フレーム39の下部には、例えばパルスモータからなる測定子駆動手段36が配設されており、この測定子駆動手段36の出力回転軸は、この移動方向に平行にその軸心が設けられた図示しないボールネジの端部に取り付けられている。このボールネジのナット部は、図示しないガイドレール上に移動自在に載置された爪部材37に取着されている。この爪部材37の前進方向の端部、すなわちクランクシャフトAに近い側の端部には上方に突出した爪37aが設けられていて、この爪37aに輪郭測定テーブル31の前進方向の下端部が掛かるようになっている。そして、測定子駆動手段36によって爪37aを前進又は後退させ、輪郭測定テーブル31を所定位置に移動することができるようにしてある。

0029

ここで、図3図4に図示したように、爪部材37をクランクシャフトAに向けて前進させると、爪部材37の爪37aの移動に伴って輪郭測定テーブル31がバランスウェート35の押しつけ力によって前進し、位置Dにおいて測定子32の前端部32aがクランクシャフトA(図においてピンジャーナル61)に当接する。この後、さらに爪部材37を前進させると、測定子32は前記押しつけ力によって当接したままで停止しているので、輪郭測定テーブル31はこのときの位置を保持し、一方、爪部材37は前進端位置Eまで前進することができるようになっている。また、爪部材37を後退させると、爪部材37の爪37aが輪郭測定テーブル31の前端部に係合し、これによって輪郭測定テーブル31が後退するので測定子32が後退する。

0030

また、前記測定子32の前端部32aは、測定子32の移動方向の前端側、すなわちクランクシャフトAに対向する側に、クランクシャフトAの軸心方向、及び測定子32の移動方向に対して共に垂直な方向に細長い直線状の前面32bを備えている。この前端部32aは、前述のように、クランクシャフトAの軸心方向に所定寸法の厚さを有している。この前面32bは、クランクシャフトAの回転に伴って前記ピン部61及びスプライン溝にあてがった被測定部から当接位置が離脱しないだけの充分な長手方向の長さを有している。

0031

次に、図5及び図6により、本願発明の、クランクシャフト、カムシャフトなどの軸端に加工されたスプライン溝の位相を測定できる、スプライン溝位相測定治具80、およびそのスプライン溝位相の測定装置について説明する。

0032

図5は、スプライン溝位相測定治具とスプライン溝位相の測定部の詳細平面図を、図6は、スプライン溝位相測定治具とスプライン溝位相の測定部の詳細側面図をそれぞれ示している。クランクシャフトAは、その両端のセンタ穴をそれぞれ、回転駆動手段14で揺動または回転駆動される円テーブル12に設けられたセンタ12aと、テールストック13に設けられたセンタ13aとで回転自在に支持され、その一端側を回転駆動のため、クランプ手段12bで円テーブル12に固定されている。そして、クランクシャフトAの他端側のスプライン溝部2には、スプライン溝位相測定治具80が取り付けられている。
このスプライン溝位相測定治具80はピン81aとリング82とで構成され、該ピン81aは、その軸とリング82の軸とを略平行に、かつ、クランクシャフトAの何れか1つのスプライン溝部2の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接させた状態で、その被測定部が前記スプラインの外径部から突出するような姿勢で、前記リング82の内径周辺部に固着されている。さらに、前記リング82には、このリング82の軸を挟んで前記ピン81aと反対側の部位に、ネジ83aよりなるリング固定手段83を設けて、ピン81aをスプライン歯に確実に当接(図6のP部詳細参照)させると共にその位置ずれを防止している。

0033

図5図6では、ピン81aを用いた、スプライン溝位相測定治具80を示したが、これを図7に見られるように、ボール81bとリング82bとで構成してもよい。このとき、該ボール81bを、クランクシャフトAの何れか1つのスプライン溝の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接させた状態で、その被測定部が前記リング82bの外径部から突出するような姿勢で、該リング82bの内径周辺部に固定し、さらに該リング82bには、このリング82bの軸を挟んでボール81bと反対側の部位にネジ83aよりなるリング固定手段83を設けて、ボール81bをスプライン歯に確実に当接させた構成にしている。

0034

またさらに、スプライン溝位相測定治具80は、図8に見られるように、隣合わせの両スプライン歯にそれぞれ当接可能な直径を有するピン81aを、何れか1つのスプライン溝の長手方向に、固定ベルト83b(例えばインシュロックタイなど)で直接固定する構成でも構わない。

0035

なお図5図6では、偏芯部とスプラインとを有した軸として、クランクシャフトAを紹介したが、この軸は、クランクシャフトAに限定されるものではなく、例えば、図9に示すような、偏芯部3(ピンジャーナル61)とスプライン溝部2とを有した自動車用の6気筒クランクシャフトBの場合も、また図10に示すような、偏芯部3(カムプロフィル部61a)とスプライン溝部2とを有した自動車用のカムシャフトCの場合も考えられる。

0036

図11には本実施形態に係わる制御構成ブロック図を示しており、同図に基づいて各制御構成を説明する。
ドライブユニット51,52,53はそれぞれ回転駆動手段14、水平テーブル駆動手段21、測定子駆動手段36を駆動するためのアンプであり、制御器50から入力する各駆動手段に対応した駆動指令に基づいて、各駆動手段の回転を制御する。
シーケンサ55は本回転位相角度測定装置と外部装置(例えば、ワークの搬入搬出機)とのインタロックをとるためのインタフェース機器であり、例えば通常のプログラマブルロジックコントローラ(いわゆる、PLC)から構成することができる。シーケンサ55は、そのI/Oユニット入出力信号や、シリアル通信ユニットの入出力信号によって制御器50とインタロックをとることができる。このシーケンサ55のシーケンス記憶部には、本回転位相角度測定装置の運転時の外部装置とのタイミング信号やインタロック信号等を送受信し、判断するためのシーケンスプログラムが記憶されている。なお、このシーケンサ55は本発明においては必須ではなく、このシーケンサ55により実施される上記のようなシーケンスプログラムと等しい機能のプログラムを後述の制御器50の制御プログラム内に有する場合には、このシーケンサ55は不要となる。

0037

設定スイッチ56は測定対象となるワーク毎測定条件に係わる測定仕様データを設定するスイッチであり、各設定項目の選択、設定データの入力等を行うためのスイッチを有している。ここで、設定項目としては、例えば、測定対象ワーク品番識別番号)、ピンジャーナル数、メインジャーナル数、ワークの加工基準位置、理論上のスプライン溝位相角度、各測定項目の許容範囲等があり、自動測定を開始する前に、この設定スイッチ56によりワーク毎に予め設定される。また、各測定項目測定時の水平テーブル20の位置、及び輪郭測定ユニット30の測定子32の当接位置等をティーチングするときの対象位置を設定し、ティーチングされた位置を記憶させることもできる。この設定スイッチ56は、例えば通常のキーボード等により構成してもよい。なお、ティーチング時の水平テーブル20や輪郭測定テーブル31の移動は、図示しない操作スイッチにより行うことができる。

0038

表示器57は、前記設定スイッチ56により各種のデータを入力する際に、データ入力が容易に、かつ、ミスが少なく行えるように、設定項目や設定データを表示し、自動測定中に測定結果作業者に表示し、また、各種の制御メッセージを表示することができる。この表示器57は、例えば、CRT装置液晶表示器又はプラズマ表示器等からなるグラフィック表示器や、蛍光表示管LED表示器等からなるキャラクタ表示器により構成することができる。

0039

記憶装置58は、各ワーク毎の測定仕様データ、自動測定時の測定データ、及び測定データに基づく合否結果等を記憶することができる。この記憶装置58は書換え可能なメモリから構成されており、例えばハードディスク装置フロッピー登録商標ディスク装置光磁気ディスク装置、又はICメモリカード装置等によって構成することができる。
また、プリンタ59は前記ワーク毎の測定仕様データ、自動測定時の測定データ、又は測定結果の合否判定データ等をプリントアウトするものである。

0040

制御器50はマイクロコンピュータ等を主体にしたコンピュータ装置により構成されており、例えばパーソナルコンピュータ(いわゆる、パソコン)により構成することができる。制御器50はメモリ50aを有しており、このメモリ50aに、本回転位相角度測定装置の、測定に必要な制御シーケンスプログラム、及び測定制御に必要な制御データ等を記憶するようにしている。

0041

前述した回転角度センサ15、第1位置センサ22及び第2位置センサ38のそれぞれの出力信号は、制御器50に入力される。そして、自動測定時には、これらの入力した角度データ及び位置データに基づいて、制御器50は後述するような所定の処理を行い、この処理に従って各ドライブユニット51,52,53を介して対応する回転駆動手段14、水平テーブル駆動手段21、測定子駆動手段36の回転角度を制御する。そして、このときの各回転角度データや位置データを所定のタイミングで取り込んでメモリ50aに記憶し、これらのデータに基づいてクランクシャフトの各測定項目データを演算して求め、求めた測定項目データを記憶装置58に記憶する。また、制御器50は表示器57に表示指令及び表示データを出力して、設定スイッチ56により設定された各データを表示して作業者に確認させたり、前記測定項目データを表示したりする。

0042

以上のような構成のクランクシャフトの回転位相角度測定装置において、図1図6および図11図13により、各測定項目を測定する手順を以下に説明する。
制御器50は、シーケンサ55を介して搬入装置とインタロックをとり、機械加工済のクランクシャフトを本回転位相角度測定装置内に搬入させる。搬入されたクランクシャフト(ワーク1)は、回転ストック11の円テーブル12のセンタ12aとテールストック13のセンタ13aとの間に位置決めされる。そして、テールストック13がワーク軸方向へ移動することにより、クランクシャフトの両端面にそれぞれ設けられたセンタ穴に各センタ12a,13aが挿入される。さらに、テールストック13がその位置で、図示しないボルトとT溝16内のナットによって固定される。その後、クランクシャフトはクランプ手段12bで円テーブル12に固定される。これにより、クランクシャフトはセンタ12a,13aの軸心を中心に回転自在に支持される。ワークが該測定装置にセットされると、ワークに施されている加工基準面に基づいて、図示しない回転角度基準検出手段によって、そのワークの回転角度基準が定められる。

0043

次に、本回転位相角度測定装置によってクランクシャフト各部の測定を行う。この測定の項目としては、例えば、スプライン溝位相、ピンジャーナル61のピン1/2 ストローク、位相、平均直径、真円度及び真直度や、メインジャーナル部62の振れ(以後、ジャーナル振れと呼ぶ)、平均直径、真円度、真直度及び偏芯量等がある。ここで、各測定項目を簡単に説明する。

0044

図12は、図9に示したクランクシャフトBのZ−Z断面図を示している。ここで、スプライン溝位相測定治具の被測定部が位置するスプライン溝と所定の回転角度基準とが成す回転位相角度について、理論値をα0,測定値をαとする。(図12では、α=90°にしてある。)そして、(α−α0)がスプライン溝位相の加工誤差による偏芯部3全体の位相のずれになる。

0045

図12において、ピン1/2 ストロークは各ピンジャーナル61の軸心O2 とクランクシャフトBの軸心O1 との距離eであり、各ピンジャーナル61の位相は、各ピンジャーナル61の前記軸心O2 とクランクシャフトBの軸心O1 とを結ぶ線の、回転角度基準からの回転角度θである。またメインジャーナル振れは、メインジャーナル62の軸心で、クランクシャフトBの軸心O1 からの偏芯量を表す。さらに、平均直径は各ピンジャーナル61又はメインジャーナル62毎に測定された複数の直径データ平均値であり、各ピンジャーナル61又はメインジャーナル62毎の真円度は測定された複数の半径データに基づいて算出され、また真直度は、各ピンジャーナル61又はメインジャーナル62の軸心線とクランクシャフトBの軸心線との成す角度(いわゆる、テーパ)で表される。

0046

次に、クランクシャフトの各部の輪郭測定は、次のような手順で行われる。
まず、制御器50は、水平テーブル駆動手段21を制御して水平テーブル20を測定対象のスプライン溝部2、ピンジャーナル61又はメインジャーナル62の所定の測定位置に移動させて位置決めし、この次に測定子駆動手段36を制御して測定子32を所定の当接位置より所定距離手前の位置まで所定の早送りで前進させた後に所定の低速度でスプライン溝部2、ピンジャーナル61又はメインジャーナル62の測定対象面に当接するまで前進させる。ここで、水平テーブル20の各測定位置、及び測定子32の当接位置は測定前に予めティーチング等により設定して記憶させておく。
なお、制御器50による当接の判断は、第2位置センサ38からの位置データが所定の時間(例えば1秒間)変化しなくなった時点としている。

0047

スプライン溝部2の位相測定のとき、例えば図5に示すように、測定子32はバランスウェート35の押しつけ力によって常時クランクシャフトに向かって押しつけられ、これに伴って、測定子32の前面32bは、スプライン溝部2にあてがわれた、スプライン溝位相測定治具80のピン81aの被測定面に、押しつけられた状態で当接する。そして、クランクシャフトを、その一端側(スプライン部と反対側の一端)から回転駆動手段14により、所定角度だけ(例えば20度の揺動角度で)揺動させる。
そして、制御器50は、輪郭測定ユニット30の、クランクシャフトの回転の軸心方向に直交する長手方向(すなわち測定子32の追従移動方向)の距離L1(図6参照)が最小距離となる位置(ピン81aの被測定部が最先端となる位置)を第2位置センサ38で読み取り、このときのクランクシャフトの回転位相角度αを測定することで、スプライン溝の回転位相角度とする。

0048

ピンジャーナル61またはメインジャーナル62の、位相または輪郭測定の場合、測定子32の前面32bがピンジャーナル61またはメインジャーナル62の被測定部に当接したと制御器50が判断した後、回転駆動手段14により円テーブル12を回転させ、回転角度センサ15からの角度データを監視しながら所定の単位角度(例えば1°)毎に位置決めする。このとき、測定子32はバランスウェート35によって当接する方向に追従駆動されているので、上記円テーブル12の回転に伴って常時前面32bがピンジャーナル61またはメインジャーナル62の被測定部に押し付けられた状態が保持される。

0049

そして、制御器50は、この各単位回転角度毎の位置決め後、このときの第2位置センサ38から位置データを取り込み、この各位置データを円テーブル12の角度データ(すなわち、回転角度センサ15による回転角度データ)に対応させてメモリ50aの所定エリアに記憶しておく。これらの位置データ及び回転角度データは各測定位置毎に取り込まれ、各測定位置に対応してメモリ50aに記憶される。

0050

次に、各測定位置毎に、前記取り込まれた位置データ及び回転角度データに基づいて、前記スプライン溝部位相角度、前記単位回転角度毎の前記ピンジャーナル61またはメインジャーナル62の前記回転の軸心方向に直交する方向の各変位量、およびスプライン溝部位相角度とピンジャーナル61との相対位相角度の変位量を求める。これらの測定データに基づき、ピンジャーナル61またはメインジャーナル62の円筒面の外形形状が求まる。また、これらの変位量に基づいて、ピンジャーナル61またはメインジャーナル62の中心位置が求められる。さらに、求めた中心位置に基づいて、ピンジャーナル61のピン1/2 ストローク、位相角度、平均直径、真円度、偏芯量及びテーパ、またメインジャーナル62の偏芯方向、ジャーナル振れ、平均直径、真円度、偏芯量及びテーパ等が算出される。そして、この測定結果に基づいて、各測定データが予め設定された許容範囲内であるか否かを判断し、その判断結果を表示器57に表示するとともに、前記測定結果及び判断結果を記憶装置58に各ワーク毎に対応させて記憶させる。なお、これらの測定結果及び判断結果をプリンタ59に出力して保存することも可能である。

0051

なお、以上説明の測定装置においては、測定子32をワーク回転に伴い、前記偏芯部3およびスプライン溝位相測定治具80の被測定部(ピン81a)に当接させて、これらの回転位相角度の変位量を測定したが、この構成に限定されることなく、光学式、電気式、磁気式などの非接触式で読み取る測定手段により測定してもよい。

0052

さらに、上記の実施形態においては、測定子32のピン81が測定対象の外周面に常時当接するように追従駆動させる手段をバランスウェート35の押しつけ力を利用した構成によって実現しているが、本発明はこれに限定されるものでは無い。すなわち、例えば空圧シリンダ等からなる空圧回路により構成することもでき、一例として図13にその空圧回路を示す。同図において、空圧源71からレギュレータ72及びチェック弁73を介してバランスシリンダ76のボトム室76aにエアが供給され、チェック弁73とのバランスシリンダ76のボトム室76aとの間の管路アキュムレータ74及び圧力計75が接続されている。また、バランスシリンダ76のヘッド室76bには大気と連通するための連通路が設けられている。そして、ピストン77の先端部には測定子32が取着される。なお、バランスシリンダ76はピストン77の摺動抵抗が非常に小さいものが使用される。このような構成において、バランスシリンダ76のボトム室76aにレギュレータ72により所定圧力のエアを供給すると、測定子32はこの圧力で前記外周面に押しつけられ、また測定子32が前進又は後退するときには圧力の変動がアキュムレータ74により抑えられ、よって、測定子32は前記外周面に追従駆動される。

0053

本発明によると、次のような作用、効果が得られる。
スプライン溝部を有する軸の偏芯部の回転位相角度測定において、本発明の回転位相角度測定装置およびその測定方法によると、被測定部に常に当接するように回転の軸心方向に直交する方向に追従駆動する測定子の前面を、スプライン溝にあてがったスプライン溝位相測定治具の被測定部に当接させて、ワークを揺動させ、輪郭測定ユニットの、ワークの回転の軸心方向とに直交する長手方向の距離が最小距離(被測定部が最先端となる位置)となるワークの回転角度を測定することで、スプライン溝の位相測定が極めて容易に、正確に、かつ自動的に短時間で計測できる。

0054

また、このワークの回転角度の測定値を前記スプライン溝位相角度として測定装置の制御器に入力し、記憶装置に記憶されている理論値と比較する。この差が、スプライン溝位相の加工誤差によるワーク全体の位相のずれになる。この位相のずれを演算により正確に算出することが可能となる。
以上のように、本発明によると、スプライン溝部を有する軸の偏芯部の回転位相角度測定において、測定時間の短縮化、および測定精度の向上等の性能向上が図れる。

0055

本発明のスプライン溝位相測定治具によると、隣合わせの両スプライン歯にそれぞれ当接した状態で、スプライン外径から被測定部が突出する直径を持った、真円度及び円筒度の良いピンまたは真円度の良いボールを、ワーク一端側のスプライン溝の何れか1つに、着脱可能に固定した構成としたので、スプライン溝部の位相測定の際、スプライン溝位相測定治具の被測定部は確実にスプライン溝に固定され、よってこの被測定部が輪郭測定ユニットの測定子の前面部(当接面)からずれて所定の測定精度が得られないというトラブルが発生する恐れがない。

0056

また、スプライン溝部の位相測定の際、前記スプライン溝位相測定治具の被測定部に常に当接するように回転の軸に直交する方向に追従駆動された測定子の前面とピン円筒外径部、またはボールの突出部とが接線上で接触するので、これらの摺動が極めて円滑に行なわれ、一連の測定動作を速めても、高い測定精度が得られることになる。

0057

また本発明による、ピンとリングとで構成したスプライン溝位相測定治具は、そのピンをリングの内径周辺部に、その軸とリングの軸とを平行でかつ、何れか1つのスプライン溝の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接可能な状態で固着し、また、スプライン軸へ該リングを固定するリング固定手段を、このリングの軸を挟んで上記ピンと反対側のリング部位に、リングの軸芯に向かう方向にねじ締めしてスプラインへ脱着自在に設けたので、スプライン溝位相測定治具が簡易で、かつコンパクトな構成となり、このため安価に製作でき、しかも充分な剛性があり、測定精度が安定して得られる。

0058

また、被測定部となるピンをスプライン溝の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接可能とするために、スプライン軸へリングとピンとを強固に固定するリング固定手段を設けたので、その着脱が極めて容易であると共に、常に安定した測定精度が得られる効果がある。

0059

また本発明による、ボールとリングとで構成したスプライン溝位相測定治具は、前記ボ−ルを、何れか1つのスプライン溝の隣合わせる両スプライン歯にそれぞれ当接させた状態で、前記ボールの外面の一部が前記リングの外径部から突出するような姿勢で、前記リングの内径周辺部に固定して設け、かつ前記リングの軸を挟んで前記ボ−ルと反対側の前記リング部位にリング固定手段を設けたので、スプライン溝位相測定治具が簡易でコンパクトな構成となり、このため安価に製作でき、しかも充分な剛性があり、高い測定精度が安定して得られる。

発明を実施するための最良の形態

0060

また、被測定部となるボ−ルをスプライン溝に安定して固定するためにリング固定手段を設けたので、その着脱が極めて容易であると共に、常に安定した高い測定精度が得られる。
さらに、スプライン溝位相の測定はボ−ルをスプライン溝にあてがって行なうので、スプライン溝の長手方向に複数箇所を測定することにより、スプライン溝の真直度、ワーク軸に対する平行度、などの精度測定が可能である。

図面の簡単な説明

0061

またさらに、スプライン溝位相測定治具として、真円度、円筒度の良いピンを、何れか1つのスプライン溝の長手方向に挿入し、このピンをただ単に複数の固定ベルト(例えばインシュロックタイ)でスプライン外径部へ直接固定する構成としたので、構成が極めて簡単で、かつ安価であり、さらに所定のスプライン溝部の回転位相角度測定が精度良くできる。

図1
本発明に係わる偏芯部の回転位相角度の測定装置の側面図である。
図2
図1の平面図である。
図3
輪郭測定ユニットの詳細側面図である。
図4
輪郭測定ユニットの詳細側面図である。
図5
スプライン溝位相測定部の詳細平面図である。
図6
スプライン溝位相測定部の詳細側面図(一部図5のX−X矢視図)である。
図7
ボールを採用したスプライン溝位相測定治具を示す。
図8
固定ベルトを採用したスプライン溝位相測定治具を示す。
図9
スプライン溝部を有するクランクシャフト例の正面図である。
図10
スプライン溝部を有するカムシャフト例の正面図である。
図11
回転位相角度測定装置の制御構成ブロック図である。
図12
図9のZ−Z断面図である。
図13
測定子の追従駆動の他の実施形態を示す。
【符号の説明】
1…ワーク、2…スプライン溝部、3…偏芯部、9…ベース、10…支持ユニット、11…回転ストック、12…円テーブル、12a…センタ、12b…クランプ手段、13…テールストック、13a…センタ、14…回転駆動手段、15…回転角度センサ、16…T溝、20…水平テーブル、21…水平テーブル駆動手段、22…第1位置センサ、30…輪郭測定ユニット、31…輪郭測定テーブル、32…測定子、32a…前端部、32b…前面、33a,33b…ローラ、34…ロープ、35…バランスウェート、36…測定子駆動手段、37…爪部材、37a…爪、38…第2位置センサ、39…フレーム、58…記憶装置、51,52,53…ドライブユニット、55…シーケンサ、56…設定スイッチ、57…表示器、59…プリンタ、61…ピンジャーナル、61a…カムプロフィル部、62…メインジャーナル、76…バランスシリンダ、80…スプライン溝位相測定治具、81a…ピン、81b…ボール、82…リング、83…リング固定手段、83a…ネジ、83b…固定ベルト、A,B…クランクシャフト、C…カムシャフト。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ