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技術 高速自動化連続流、多次元分子選別および分析

出願人 パーセプティブバイオシステムズ,インコーポレーテッド
発明者 ジンダル,サティッシュレグニア,フレッド,イー.ウィリアムズ,ケヴィンアフェヤン,ノーバー,ビー.パリワル,サンディープエヴァンズ,デイヴィッドピンガリ,アルナ
出願日 2003年2月7日 (17年1ヶ月経過) 出願番号 2003-031782
公開日 2004年1月8日 (16年2ヶ月経過) 公開番号 2004-003967
状態 特許登録済
技術分野 その他の電気的手段による材料の調査、分析 生物学的材料の調査,分析 特有な方法による材料の調査、分析 クロマトグラフィによる材料の調査、分析
主要キーワード 毛細管束 バイパス配置 液体要素 範囲項 流体線 総称語 排除システム 最小人数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

多数の分子種を含むライブラリーからリガンド標的分子親和性に基づいて分離する自動化連続流多次元方法に関する。

解決手段

候補リガンドのライブラリーを含む溶液を、第一カラムを通してその中に存在する標的分子に結合させ、溶出し、複数の溶出液をそれぞれリガンドアキュムレーターを通し、それぞれ別個に溶出し、標的分子に対する異なる親和性に基づいたリガンドを特徴づける方法。

概要

背景

多次元ステム、すなわち多次元物理化学的分離工程の適用を含むシステムは多くの応用に対して有用であることが知られている。例えば、タンパク質の精製は、吸着やサイズ排除のような示差区分法(differential partitioning)を利用する示差クロマトグラフカラムによる多重工程を用いて行われることが多い。多次元方法に固有の問題は、第1区分アウトプットから所望の成分を同定し、捕集しこれを系の次の次元に案内することが必要なことである。このような系の欠点は分析の遅いこと、連続する区分相の間の溶剤の非相溶性、激しい取扱い労働の必要性、および結果として生じる試料汚染または損失である。
最近の先行技術は新規薬剤、例えば薬剤または治療剤(すなわち、医薬の発明)、動物保護管理に有用な薬剤、農学に有用な化学薬品昆虫雑草またはその他の有害物のための選択的生物毒、ならびに産業工程有用な触媒およびその他のものの研究を行う種々の新しい方法を開示している。分子または「ライブラリ」のコレクションは、最初に述べたように、ライブラリ中の1つまたはそれ以上の種、または「リガンド」およびそれと反応して或る生物学的過程に影響を与える標的(target)分子の間の結合を検出することにより特定の生物活性を有する分子のために調製されスクリーニングされる。さらに特に、ライブラリは興味のある標的に結合することのできる1つのまたはそれ以上のリガンドを含有する分子の錯体集合からなる。結合するリガンドを同定することにより、たとえば潜在的医薬候補のような所望の生物的活性を有する化合物の同定の指標を与える。これらの錯体混合物をいっそう有効にスクリーニングする方法が利用できるようになってきたので、この新しい「合理的設計」または「指導的分子進化」の研究を行うことへの関心が増大している。

概要

多数の分子種を含むライブラリーからリガンドを標的分子親和性に基づいて分離する自動化連続流多次元方法に関する。候補リガンドのライブラリーを含む溶液を、第一カラムを通してその中に存在する標的分子に結合させ、溶出し、複数の溶出液をそれぞれリガンドアキュムレーターを通し、それぞれ別個に溶出し、標的分子に対する異なる親和性に基づいたリガンドを特徴づける方法。

目的

興味のある標的に結合するリガンドを検出または同定するための従来の方法は有用で充分高い親和性のリガンドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

候補リガンドライブラリー中から標的分子にたいする相対的親和性にもとづいて候補リガンドを分離する自動化連続流多次元方法において、A.候補リガンドのライブラリーを含む溶液を第1カラムに通して、候補リガンドを第1カラム中の固定化された標的分子に結合させ、B.一連のカラム容積数の溶媒を第1カラム中に通し、第1カラムから排出する少なくとも2つのカラム容積数の溶媒のサブセット別個にかつ直接にリガンドアキュムレータを通し、及びC.リガンドアキュムレータから少なくとも2つのカラム容積数の溶媒のサブセットを別個に排出し、固定化した標的分子にたいする異なる親和性の範囲にもとづいて第1カラム中で標的分子に結合したリガンドを特徴付ける工程を含む方法。

請求項2

第1カラムがアフィニティクロマトグラフィーカラムである請求項1の方法。

請求項3

リガンドアキュムレータが逆相クロマトグラフィーカラムである請求項1の方法。

請求項4

以下の追加工程を含む請求項1の方法。D.工程Cの後選択されたリガンドを含むリガンドアキュムレータからの排出流サンプルし、E.該リガンドまたはそのフラグメント電荷対質量比を測定するために質量分析器マススペクトロメーター)に該サンプルを挿入すること。

請求項5

候補リガンドのライブラリーから標的分子にたいする相対的親和性にもとづいて候補リガンドを分離する自動化連続流多次元方法において、A.候補リガンドが標的分子に結合して候補リガンド−標的分子錯体を形成することを許す条件下で候補リガンドのライブラリーを標的分子に結合し、B.候補リガンドのライブラリーとリガンド−標的分子錯体を含む溶液を第1カラムに通し、C.一連のカラム容積数の量の溶媒を第1カラム中に通し、第1カラムから排出する少なくとも2つのカラム容積数の溶媒のサブセットが別個にかつ直接にリガンドアキュムレータを通し、及びD.リガンドアキュムレータから少なくとも2つのカラム容積数の溶媒のサブセットを別個に排出し、固定化した標的分子にたいする異なる親和性の範囲にもとづいて第1カラム中で標的分子に結合したリガンドを特徴付ける工程を含む方法。

請求項6

第1カラムがサイズエクスクルージョンクロマトグラフィーカラムである請求項5の方法。

請求項7

第1カラムがイオン交換クロマトグラフィーカラムである請求項5の方法。

請求項8

第1カラムがアフィニティクロマトグラフィーカラムである請求項5の方法。

請求項9

以下の追加工程を含む請求項の方法。E.工程Dの後選択されたリガンド及び/またはリガンド−標的分子錯体を含むリガンドアキュムレータからの排出流をサンプルし、F.リガンド及び/またはリガンド−標的分子錯体またはそのフラグメントの電荷対質量比を測定するために質量分析器に該サンプルを挿入すること。

請求項10

以下の工程を含む、標的分子の相対的親和性に基づいて候補リガンドライブラリー中のリガンドを分離するための自動化多次元法:A.候補リガンドを標的分子と結合してリガンド−標的錯体を形成することを許す条件下で候補リガンドライブラリーを標的分子と結合し;B.該候補リガンドのライブラリーと該リガンド−標的錯体を含む溶液を第1カラムを通し;C.適当なカラム容積数の溶媒で該第1カラムを洗滌し;D.該第1カラムを直接リガンドアキュレーターに溶出し;E.リガンドの存在を測定するために、該リガンドアキュムレーターを溶出し;F.工程A〜Eを繰返し、そこで工程Cは該標的分子に対して異なる親和性で該リガンドを特徴ずけるために異なったカラム容積数の溶媒で該第1カラムを洗滌する。

請求項11

第1カラムがサイズ−エクスクルージョンクロマトグラフィーカラムである請求項10による方法。

請求項12

第1カラムがイオン交換クロマトグラフィーカラムである請求項10による方法。

請求項13

第1カラムがアフィニティクロマトグラフィーである請求項10による方法。

請求項14

リガンドアキュムレーターが逆相クロマトグラフィーカラムである請求項10による方法。

請求項15

リガンドアキュムレーターが逆相クロマトグラフィーカラムである請求項13による方法。

請求項16

次の追加工程を含む請求項10による方法;G.工程Eの後の選択されたリガンド及び/又はリガンド−標的錯体を含む該リガンドアキュムレーターからの排出液をサンプルし   、H.該サンプルを、該リガンド−標的錯体又はそのフラグメントの電荷対質量比を測定するために質量分析器(マススペクトロメーター)に挿入すること。

技術分野

0001

本発明は、通常ライブラリと呼ばれている多数の混合した分子種溶液一括多次元的迅速分析に関する。さらに、特に本発明は、興味のある標的分子に対して所望の親和性を有するリガンドを選択するために天然および合成ライブラリのハイフラクッス(hi−flux)スクリーニング法を用いて種々の生物学的文脈において有用な分子本体を見いだす方法に関する。

0002

多次元ステム、すなわち多次元物理化学的分離工程の適用を含むシステムは多くの応用に対して有用であることが知られている。例えば、タンパク質の精製は、吸着やサイズ排除のような示差区分法(differential partitioning)を利用する示差クロマトグラフカラムによる多重工程を用いて行われることが多い。多次元方法に固有の問題は、第1区分アウトプットから所望の成分を同定し、捕集しこれを系の次の次元に案内することが必要なことである。このような系の欠点は分析の遅いこと、連続する区分相の間の溶剤の非相溶性、激しい取扱い労働の必要性、および結果として生じる試料汚染または損失である。
最近の先行技術は新規薬剤、例えば薬剤または治療剤(すなわち、医薬の発明)、動物保護管理に有用な薬剤、農学に有用な化学薬品昆虫雑草またはその他の有害物のための選択的生物毒、ならびに産業工程有用な触媒およびその他のものの研究を行う種々の新しい方法を開示している。分子または「ライブラリ」のコレクションは、最初に述べたように、ライブラリ中の1つまたはそれ以上の種、または「リガンド」およびそれと反応して或る生物学的過程に影響を与える標的(target)分子の間の結合を検出することにより特定の生物活性を有する分子のために調製されスクリーニングされる。さらに特に、ライブラリは興味のある標的に結合することのできる1つのまたはそれ以上のリガンドを含有する分子の錯体集合からなる。結合するリガンドを同定することにより、たとえば潜在的医薬候補のような所望の生物的活性を有する化合物の同定の指標を与える。これらの錯体混合物をいっそう有効にスクリーニングする方法が利用できるようになってきたので、この新しい「合理的設計」または「指導的分子進化」の研究を行うことへの関心が増大している。

0003

生体高分子のライブラリは、アミノ酸ヌクレオチド糖残基またはこれらの混合物のランダム添加に基づく逐次合成によってペプチド、RNA、多糖類グリコサミノグリカンなどを生成させてオリゴマーランダム混合物を製造することによって作ることができる。ファージディスプレイおよび類似の方法による核酸レベルでタンパク質またはペプチドライブラリを製造するのに適した方法も公知である。同様にこれらの一般的な合成方法ペプチド核酸(PNA)ライブラリまたはPNA/DNAまたはPNA/RNAキメラそしてその他の合成分子錯体混合物の製造に適用することができるであろう。
可溶性ペプチドライブラリのスクリーニングはイムノアッセイ、または特定の生物学的活性(例えば、ウイルス複製の阻止)に対する労力のいる分析法によって行われることが多い。これらの方法は基礎となる標的を必要とせず、たいていの場合に冗長な装置を含んでいる(非特許文献1〜4)。例えば、HIVプロテアーゼ阻害剤は、240,000以上の可溶性テトラペプチド一緒に含有するなどモルペプチド混合物のセットをスクリーニングすることにより同定されている(非特許文献5)。カラム上に固定したGST−SH2融合タンパク質を用いることにより、SH2ドメインペプチド結合イトの配列特異性を決定するためにホスホペプチドライブラリを使用することが示唆されている(非特許文献6)。

0004

【非特許文献1】
Curr. Opin. Biothech. 5, 40−48(1944)
【非特許文献2】
Proc. Natl. Acad. Sci. 90:10811−10815(1993)
【非特許文献3】
Life Sciences, 92:1509−1517(1990)
【非特許文献4】
Brorg. Chem. Lett., 3:405−412(1993)
【非特許文献5】
Biochem. Biophys. Res. Comm., 181:402−408(1991)
【非特許文献6】
Cell, 72, 767−778 (1993)

0005

上記のスクリーニング法は混合物中のどのリガンドが興味のある標的に結合するかということを同定することに基づいている。結合はライブラリのリガンドまたはある形の固体支持体の固定された標的を用いて代表的に分析される。異なった結合条件競合させ異なったリガンドを得るために種々の溶液パラメータが調節される。支持体への固定を含む方法によって得られるペプチドのもつ親和性は多くの場合、期待はずれであり、すなわち、結合定数が低くしすぎて利用できない。伝統的に、タンパク質またはその他の生体分子アフィニティ精製のために抗体が使用される。しかしながら、抗体の生産コスト、抗体の浸出の可能性、および比較的粗い溶離条件の必要性などがアフィニティ精製に日常的に抗体を使用することに対する問題となっている。
従って、当業者既知のスクリーニング法は全く満足なものではない。興味のある標的に結合するリガンドを検出または同定するための従来の方法は有用で充分高い親和性のリガンドを提供するのに屡々失敗しており、さらに試料の損失、多量のリガンドの必要性、および有用な結果を得るために負荷、結合または溶離条件を変える必要性が課せられる。さらに現在のシステムは適切な条件下で標的に対する選択されたリガンドの親和性を同時に測定しながらライブラリを選択的にスクリーニングすることができない。

背景技術

0006

上記の型の現行スクリーニング法を実施するときの主たる障害はこれらの方法によって同定されるリガンドの有効な化学的特性記述である。化学的特性の記述、すなわち同定された生体高分子の配列の決定は最上でも時間を消費し煩雑なものである。従来のスクリーニング法の主な焦点問題は、その構造が決定できるように興味のあるリガンドの充分な捕集または充分な情報の収集を可能にすること、および試験そしてさらに実験により精密な構造を知るために多量の合成を可能にすることである。
従って、希釈することなくまたは損失を生じることなく種々の次元の間に試料を自動的に直接輸送し、有効にスクリーニングし、そして続いて、低濃度で存在するときでも興味のある標的に対するリガンドを特徴化し、かつ回収することのできる総合された多次元スクリーニング、選択および分析システムならびに方法の必要性が存在するのである。

0007

従って、本発明は、予備選択された標的分子に対して所望のまたは予備選択された親和度Kを有する候補リガンドを選択し、回収しそして特徴づけるためにライブラリをスクリーニングするための迅速有効、かつ自動化された多次元システム、方法および装置に関するものである。さらに本発明は、所望の結果を得るために使用することのできるこのようなシステムの個々の次元のある種の組合せ、そして特に当該技術分野における公知の方法の欠点を克服した、興味のある標的に対するリガンドを検出する方法に関する。
本発明のその他の特徴および利点は以下の記載において説明され、一部は説明および図面から明らかとなるであろうが、本発明を実施することにより習得することができるであろう。発明の目的および利点は、詳細な説明、図面および請求の範囲に特に述べたプロセスによって実現され、達成されるであろう。

0008

【課題が解決するための手段】
上記およびその他の利益を達成し、前記した本発明によれば、本発明は興味のある標的に対するリガンドを選択するために試料をスクリーニングし、そして該リガンドおよびその結合特性に関する情報を得るための方法を提供する。特に、請求の範囲に記載した多次元方法は、一つまたはそれ以上の結合特性に基づいてリガンドをスクリーニングするために、不均一なリガンドの溶液を興味のある標的と組み合わせることを含む。最初の結合特性を有するリガンドは興味のある標的と結合して標的/リガンド錯体を生成する。次にこの錯体は場合により、種々の分離方法、例えば、サイズ排除法を使用して未結合成分から分離される。次いで少なくとも一つの錯体または未結合成分が第2の「次元」に導入される。この第2次元は第2の結合特性に基づいて該成分を分離することができる。その一つが所望の結合特性を有するリガンドを溶離する。

0009

さらに、本発明は、既知濃度の標的分子(T)をカラムに装入し、試料をカラムに通して試料中のリガンドを標的分子によりカラムに結合させることにより、溶剤中のリガンド試料内に予備選択された標的分子に対し、所望のまたは予備選択された親和度(K)を有するリガンドの存在を検出する方法に関するものである。次に一連(n個)のカラム容積の溶剤をカラムに通す(ここでnは1〜10,000のカラム容積数である)。カラムを出るカラム容積のサブセットをリガンドアキュムレータに通して予備選択された親和度(k)を有するリガンドをアキュムレータに固定する。次に予備選択された親和性を有するリガンドをアキュムレータから溶離し、場合により同定し、そして/または市場品位で合成することができる。
他の面において、本発明は溶剤中に溶解したリガンドの混合種を別個のリガンドフラクションに分離する方法に関するものであり、ここで各フラクションは選択された標的分子に対して異なる親和性または親和性範囲により特徴づけられる。最初に、混合リガンド種を固定された標的分子を含むカラムに通して、リガンドを標的に結合させる。次に一連のカラム容積の溶剤をカラムに通し、カラムを出るカラム容量の溶剤の少なくとも二つのサブセットをリガンドアキュムレータに通すことにより、別個の範囲の親和定数によって特徴づけられるリガンドを固定する。異なる範囲の親和性によって特徴づけられたリガンドを含有するフラクションを次いで場合によりアキュムレータから溶離して、さらにスクリーニングまたは分析するために化学的に分離する。

0010

他の実施態様において、本発明は興味のある標的に対して予備的に選択された親和性を有するリガンドを得て同定する、多次元システムまたは装置に関するものである。この多次元システムは少なくとも二つの次元からなり、第1の次元はある濃度、好ましくは既知濃度Tの興味のある標的分子が結合するクロマトグラフィ要素からなる。このシステムは第2の次元としてもう一つのクロマトグラフィ要素を有し、これに検出器が続く。さらにこのシステムは、ある実施態様において、各次元の間にインターフェースを有し、そしてシステムの種々の次元を自動制御するための制御器を有する。
さらに他の実施態様において、この装置は多重バルブ、固定された標的分子を有する第1カラム、第1カラムの排出流の少なくとも一部分を受領するためのアキュムレータまたは別個のカラム、アキュムレータまたは第2カラムと調和するように排出流を調節する任意のインターフェース、および質量分析器のような検出器からなる。ある実施態様において、インターフェースは混合床イオン交換器カチオン交換器またはアニオン交換器のような緩衡交換器、ならびに部分的にスクリーニングされたリガンド種をさらに下流で区分できるようにpH、イオン強度などを制御するために溶剤を注入する手段を含む。

0011

多重区分次元を通して、連続流を供給する本発明の方法及び装置の能力は、多くの場合にインターフェースカラムの使用に依存する。このカラムは上流から出る溶解したリガンドを含有する溶剤を下流カラム内で有効に区分するために調節する。このような一つのインターフェースにおいて、塩含有量の高い流出液逆相カラムに通すことによって脱塩する。リガンドが吸着し、塩が洗い出され、次に無塩または低塩溶剤でリガンドを溶離する。他方、アセトニトリルのような有機溶剤は、溶液をイオン交換カラムに通し、そこでリガンドを結合させ、続いて水性溶離剤で溶離することにより除去される。さらに、カチオン交換樹脂に結合させ、酸を洗い出し、例えば中性pH溶剤中で溶離することによって酸性溶剤のpHを高くさせる。同様にアルカリ性溶剤のpHはアニオン交換樹脂に結合させることによって低くなる。
さらに、他の実施態様において本発明は、液体クロマトグラフィ(LC)排出流を採取し、この試料を質量分析器(MS)に供給するためのインターフェースを特徴とする。サンプラは例えば、サンプルループ中に配置された所定のサンプル容量を有するか、またはLC排出流から抽出し、MSの分析流の中に挿入するために切り替えることができる。試料制御器はサンプラをまず試料を抽出し、次に試料を挿入することを繰り返す。種々の実施態様において、サンプラは多口バルブを含んでいてもよく、試料容積は所定の容量の配管の中に置かれる。試料制御器はLC溶離液試料を得るためにLC分析ピークの間に多数回サンプラを循環させてもよい。その他の実施態様においては、第2のサンプラを用いる。第1及び第2のサンプラは連続して配置することができる。

0012

上記本発明の方法、装置及びシステムの実施態様には選択したリガンドを同定するための検出器が含まれることがある。この検出器は例えば、質量分析または蛍光検出器からなる。
さらに、他の実施態様において、本発明は、リガンドおよび標的が予備選択された溶剤条件中に一緒に存在するときに、予備選択された標的分子に対して、所望の高い親和度Kを有するリガンドを検出する方法に関するものである。検出すべきリガンドは不均一試料中の多数のリガンド種のうちの一つであってもよい。この方法は標的分子をカラムに固定し、試料をカラムに通して試料中のリガンドの標的分子との結合を促進し、そして溶剤条件を規定する一連のカラム容量の溶剤を通すことからなる。カラムを出るカラム容積のサブセット(kp)を次にリガンドアキュムレータに通して所望の親和性を有するリガンドをその上に固定し、次にこれらのリガンドを溶離する。選択されたリガンドは略(kp)/T(ここでTはカラム内の標的分子の濃度である)に等しい標的分子に対する高い親和度Kによって特徴づけられる。いくつかの実施態様において、試料がカラムを通る条件(例えば、リガンドの標的分子への結合を促進するため)は予備選択された溶剤条件と異なる。
他の実施態様において、本発明はリガンドおよび標的分子が予備選択された溶剤条件に一緒に存在するときに、高いオンレートKoを有するリガンドを検出することに関するものである。リガンドは多リガンド種からなる試料中で検出され、このリガンド種のうちの少なくとも一つは約104M−1の親和度を持った予備選択された標的分子に結合する。標的分子はカラムに固定され、試料は予備選択された溶剤条件を規定する試料溶液に供給される。カラム中のリガンドのの滞留時間を最少にするような高い流体線速度で試料をカラムに通し、試料中の他のリガンドに優先して高いオン−レートリガンドを選択的に標的分子に結合させる。カラムを溶離して、生産物を得て、高いオン−レートリガンドを同定する。場合により、この生産物をリガンドアキュムレータに通し、次に溶離して高いオン−レートリガンドに富む生産物を製造する。
他の実施態様において、本発明はリガンドのオフ−レートに基づいて興味のある標的に対してリガンドを選択する方法に関するものである。

0013

本発明方法は一面において、1種またはそれ以上のタンパク質またはその他の生体高分子の消化によって得られるライブラリを提供することにより、標的分子に対して高い親和性を有するリガンドを検出する方法にも関する。試料溶液および標的分子は、リガンドが存在すれば、標的に結合できる条件下で一緒にされ、その後、標的に結合するリガンド(錯体を形成する)が結合しなかったものから分離される。試料溶液は翻訳後修飾タンパク質、抗体などを含む任意のタンパク質の消化によって得られる。
請求の範囲に記載した本発明方法は、リガンドおよび標的分子が予備選択された溶剤条件、例えば生理学食塩水の中に一緒に存在するときに、結合するライブラリの中のリガンドを検出することに関するものである。前記したように、標的分子はカラムに固定され、試料は予備選択された溶剤条件下でカラムに通される。次いで、一連のカラム容積の溶剤をカラムに通して所望のリガンドを選択する。次いで溶離液をリガンドアキュムレータに導入する。

発明が解決しようとする課題

0014

本発明の方法は、前記の多次元法を用いて薬理的に活性な組成物を製造し、続いてこのような組成物を商業生産することにも関する。
他の面において、本発明は多次元を用いることにより一つまたはそれ以上の結合特性に基づいてリガンドを選択する方法に関する。
重要な一面において、本発明は自動化され連続流により、迅速に操作される装置および方法を提供する。この方法は好ましい実施態様において、標的分子に対して本質的に親和性および特異性を有するリガンドを選択し、選択グループ構成員を互いに分離し、選択されたリガンドの構造の物理化学的特性を得ることができる。このシステムにおいて、有用なライブラリの種類に本質的に制限はない。従って、有機化合物の混合物を使用することができる。天然または合成生体高分子消化は特に魅力的である。このような消化にはペプチド混合物、多糖類、ポリヌクレオチド、それらの種々の誘導体、ならびにそれらの種々のサイズのフラグメントが含まれる。生体高分子は病気または健康な植物または動物組織から抽出され、必要により消化し、またはそのまま使用される。このようなライブラリは豊富使用可能であり、製造が容易であり、毒性が低く合成ペプチドよりも安定であり、体系的に変化させスクリーニングすることができる。
以上の記載および以下の説明は例示的、かつ説明的なものであって、請求の範囲に記載した発明をさらに説明するためのものであることが理解されるべきである。

0015

定義
アキュムレータ:リガンドを非特異的に吸着し、場合によりそして好ましくは吸着されたリガンドを溶離により分離するように設計されたカラム。
アフィニティカラム:錯体が形成されるようにカラムを通るリガンドに接近できる固定された標的分子を含有するカラム。
生体高分子:アミノ酸、DNA、RNA、PNA、糖残基またはそれらの混合物を含む多数の付帯モノマ、誘導体または非誘導体からなる生物起源ポリマ分子
カラム:実験室スケールまたはミクロスケールのクロマトグラフィに関連して、広く使用されるもの、すなわち多孔質または非多孔質固体またはゲル粒子充填したパイプ、またはクロマトグラフィ分離のために設計されたワンピースマトリックスを含有するもの、または隔膜および毛細管または毛細管束を含むカラムに機能的に対応するもの。
錯体:候補リガンドと標的分子の非共有会合
連続流:ポンプにより強制されたリガンドを含有する強制溶液を、該溶液がシステムを出るまで手動的にまたはロボットにより捕集または別個の分析を必要とすることなくシステムの中で、種々のカラム、バルブ、検出器、インターフェースユニットなどに通すシステム。
溶離液:カラムに吸着され次に、勾配溶離法および無勾配法ならびにカラム内で溶液のpH、イオン濃度またはその他のパラメータを変えることによる溶離を含む種々の型の溶離により、または単に多量の緩衡液をカラムに通すことにより脱吸着された溶質を含有するカラムを出るいずれかの部分に関する集合語。

0016

ライブラリ:完全なまたはフラグメント状有機分子または例えばペプチド、ヌクレオチド、多糖類、およびそれらの種々の誘導体の形のもののような生物起源の分子を含む構造の明らかなリガンド種のコレクション。
リガンド:溶剤に溶解し、ライブラリを構成する構造の明らかな化学種に関する総称語
質量分析器:選択されたリガンドまたはリガンドのフラグメントを含有するミクロサンプルを導入するために適合された機器、またはリガンドフラグメントを生成し、試料中の溶質の質量対電荷比を測定してリガンドの構造決定に有用または充分なデータを与える機器。
MS/MS:挿入されたリガンドの質量対電荷比およびイオン化その他の方法により、生成されたリガンドの質量対電荷比を測定する型の質量分析検出器。
逆相:豊富な疎水性部分によって、特徴づけられたクロマトグラフィ面。
標的分子:a)少なくともいくらかの選択的および合理的に高い親和性で選択されたリガンドに結合する部分、すなわち選択されたリガンドを使用する間に利用される分子、またはb)選択されたリガンドが交差反応などをさけるために結合しないように特異的に選択された部分を含むレセプタ酵素、DNA、RNAなどの化合物。

0017

I.ライブラリの性質
明細書中で使用するライブラリは興味のある活性を有するリガンドに対して、スクリーニングされる化合物の溶液を実質的に包含する。このライブラリは例えば、天然または合成の組合せライブラリ体液または植物液のような天然に得られる溶液、または溶液に添加することができ、物理的または化学的特性によって検出することができるその他の天然または合成物質を包含する。従って試料の可能性に制限はなく、当業者は自身の特別な応用に基づいて試料を選ぶことができる。
種々の実施態様において、1種またはそれ以上の物質の消化によって得た分子の天然ライブラリを使用することが好ましい。薬学的応用(すなわち、医薬の発見)のためのリード化合物をスクリーニングするときに、宿主生物から得た一つまたはそれ以上の分子の消化によって得ることができる。所望の生物活性を有する宿主土着している分子を消化するのが好ましい。本発明者等は、これらのライブラリは興味のある標的に対して所望の活性を有するフラグメントを含有する可能性が高いことを見いだした。

0018

天然のライブラリはスクリーニングに先立つ試料の酵素消化またはその他の操作によって調製されるか、またはある例では前操作することなく、天然に見いだされるような溶液であってもよい。存在するタンパク質の単なる消化により、先に存在するアミノ酸配列のペプチドを生産するためにタンパク質加水分解性酵素を使用することは周知のことである(米国特許第3,855,196号、WO87/01374号、米国特許第5,366,862号)。標的分子または関連分子を消化して標的ペプチドに関連する潜在リガンドのライブラリを作ることも好ましい。従って、結合するリガンドが生長ホルモンに対して、予備選択された親和性を希望するならば、生長ホルモンに対する公知のリガンドを消化し、次に所望のリガンドをスクリーニングすることによって製造することができる。例えばSIGMA社などから市場で入手可能なふつうのタンパク質のタンパク質加水分解消化をすることができる。これらの混合物は天然トリプシンペプチド混合物または天然トリプシンキモトリプシンペプチド混合物として示される。同様に例えば、予備選択された標的分子に対してポリクローナル抗血清取り上げ血清中免疫グロブリンを消化して候補リガンドの混合物を製造することができる。

0019

さらに、本発明はスクリーニング前の消化に供されるなかった天然ライブラリを使用することを考えられる。従って、動物または植物の細胞組織または液体、例えば唾液精液液のような体液、および血液、ならびに細胞ライゼートまたは発酵肉汁のような天然産ライブラリを抽出することによって試料を得ることができる。このようなライブラリは場合によりスクリーニングに先立つ種々の方法によって操作することができる。
このように天然に得られるライブラリは多くの理由から有利なものである。第1に、宿主に対して毒性のあるリガンドを同定する可能性は、トリプシンまたはキモトリプシンを使用し、酵素消化によって作られるならば、例えばこれらの酵素は人体内で見いだされ、従っておそらく毒作用を有しないので、少なくなる。第2に、例えば、多くのタンパク質は翻訳後に変性されるので、これらの変性を行ったフラグメントを得ることができる。このことは変性が分子またはフラグメントの生物活性の中に含まれるような応用において特に有利である。このような翻訳後変性されたタンパク質は、例えばサルフェート化アミド化カルボキシル化、ジサルファイド結合化または脂質化されたタンパク質を含むことができる。

0020

II.多次元アプローチ
A.スクリーニングの理論的基礎
ペプチド組合せライブラリおよび天然のタンパク質加水分解混合物は三つの型のペプチド:i)いずれのタンパク質にも親和性を有しないもの;ii)多数のタンパク質に結合するもの;またはiii)特定のタンパク質に親和性を示すものを包含する。最後のグループのものは結合親和度およびペプチドが結合するタンパク質面の特定サイトに従ってさらに細分される。これらの種々のペプチドを区別することが、「スクリーニング」システムに必要である。
ここで標的(R)/リガンド(b)会合として示されるタンパク質は式

および式

(ここでKbは結合定数であり、速度定数k1およびk2はそれぞれ前進および逆進速度定数である)によって示される。合成ライブラリからのペプチドがスクリーニングされる一般的方法は、i)過剰のペプチドを使用する;ii)会合の条件を制御する;iii)システムを平衡状態にする;そしてiv)未結合ペプチドをRL錯体から迅速に分離することからなる。結合ペプチドの同定において、この点から種々のスクリーニングシステムが分かれる。

0021

請求の範囲に記載したアプローチは他のものによって使用されるアプローチと全く相違する。ここに記載した方法はレセプタに対するリガンドの前進速度定数、逆進(オフ)速度定数、イオン濃度、pH、競合結合剤濃度、有機溶剤濃度および少しではあるが温度を変えることができる条件下での平衡定数に基づいて選択される。これらのすべての条件は錯体(RL)生成に潜在的に影響を与える。
結合定数に基づくペプチドの選択は異なるいくつかの方法によって行うことができる。その一つは固定されたレセプタ(R)を用いたクロマトグラフィカラムの使用によるものである。もう一つはRL錯体の成分を錯体が解離するときに分離するクロマトグラフィシステムにある。
固定レセプタアプローチにおいて、レセプタ(R)はクロマトグラフィカラム上に固定される。リガンドと固定レセプタとの会合は生物特異的であるので、会合の親和性は前記式(1)に示されるような平衡状態で表される。平衡定数(Kb)は式

(ここでKdはクロマトグラフィ分布係数であり、θは相比である)によってクロマトグラフィ挙動(k’)に関係がある。上式を整理して

が示される。レセプタ濃度[R]が[RL]と比較して大きいときに、[R]は一定と考えられる。相比(θ)も定数であるから、無勾配溶離モードのk’は結合定数Kbに正比例する。

0022

スクリーニング法に対するバンド拡大の作用も考慮しなければならない。バンド拡大の評価は一般に理論段(N)に関係し、式

(ここでVeはml/分またはカラム容積(CV)による被検体の溶離容積であり、vは同じ容積単位によるピーク巾である)で表される。中間ないし高い移動相速度では、カラムは100段またはそれ以下であり、段高さは2mmまたはそれ以上である。このことは

を意味する。これらの式からピークが非常に幅広く、ピーク最大値k’を測定するのは困難なことが結論される。さらに。式

によって定義される解は、v=0.4Ve2のとき、100段カラムに等しいことを示す。
従って、ピークが非常に幅広いとき、検出感度は非常に弱く、前記のようにk’の測定は困難である。一つの解決は定めた時間にわたってアフィニティカラムから溶離するリガンドのフラクションを捕集濃縮し、蓄積されたフラクションのなかのリガンド濃度を測定することである。このことはアフィニティカラムと縦列に結合することにより逆相クロマトグラフィカラムをアキュムレータとして使用することによって行うことができる。この方法によってk’を測定するために。多くの試料を捕集し、定量してクロマトグラフィピーク再構築をしなければならない。ピークは常に同じ形であると仮定すると、k’はピーク巾と任意の時点で溶離された被検体のフラクション量を測定することにより概算することができる。

0023

クロマトグラフィカラムは本質的に理論段数、すなわち長さ1−10mmであり、リガンド(L)で飽和されてRL錯体を生成する。RLの実質的な量は装入工程において生成されるけれども、特にリガンドがカラムから溶離するときに、一定量の残存レセプタ(R)がなお存在する可能性がある。このカラムからのリガンド(L)の溶離は式

の解離工程に依存する、遊離リガンドはRと再錯化してRLを形成する機会を持つ前にシステムから一掃される。結合定数は非常に大きい、すなわち>106 であるので、大部分のリガンドはカラム内でRL錯体の中に存在する。このことはカラムからのリガンドの溶離速度が式

(ここでFは容積流速(ml/分)であり、[L]はリガンド濃度であり、Vcはカラム容積(ml)である)によって示されることを意味する。これを積分すると

となる。しかし、我々には、

(ここでKb は結合定数であり、[RL]iはRL錯体の初期濃度であり、[R]iは遊離レセプタの初期濃度である)ことがわかっている。式の積分した形のなかの[L]を置換すると、カラムからのリガンドの溶離速度を結合定数の関数として表すことができる。

0024

新たな平衡が各時間で計算される繰り返し工程においてシステムをコンピュータ設計することができ、リガンドで飽和された1カラム容積がカラムから一掃される。こうすることによりシステムがあらゆる時に平衡状態にあって重大な物質輸送制限が生じないと考えられる。
大きく変化する結合定数を使用して、小さい結合定数の種を溶離しながら、大きな結合定数を持つ種の選択を強くしてカラムに結合したままにしておくこともできる。
i)レセプタ[R]に対して106 以上の結合定数を有するリガンド(L1、L22 L3 −−−Ln )の混合物を固定した[R]と接触させ、そしてii)リガンドの合計濃度がレセプタの合計濃度を超えるときに、レセプタは飽和される。さらにこのシステムが平衡状態になったとき、種々の種の相対濃度


によって表される。
種々のリガンドの初期濃度は未知であるから、相対的にも絶対的にも結合定数を推定することができない。
このことは平衡シフト法として知られている。平衡シフト法は次のような記プロトコルに基づいている。第1に、多弁液体クロマトグラフの一つの弁に配置された固定レセプトカラムをリガンドで飽和し、吸着されたリガンドを次に固定化リガンドカラムから脱着し、レセプタおよび逆相カラムを縦列に結合するバルブスイッチにより逆相カラムで再濃縮する。次にレセ23カラムをシステムから切り替え、リガンドを勾配溶離によって逆相カラムから分離し、定量する。
第2に、固定化レセプタを再びリガンド混合物で飽和する。次に遊離リガンドを1.5カラム容積の洗浄液で迅速にシステムから溶離し、洗浄液は廃棄物として捨てられる。次にレセプタカラムは流体ループにスイッチされ、このループには液体が容積(V’)のタンクから高圧ポンプを通ってレセプタカラムにポンプ輸送され、次いでタンクに戻される。配管およびレセプタカラムに連絡するポンプの容量はV”である。システムの液体容積はV’+V”の合計である。レセプタ:リガンド錯体[RL]は、前記式[I]に記載されるような平衡に再び戻るまで解離する。

0025

レセプタ密度が[R]であるリガンドで飽和された表面積Asのクロマトグラフィカラムを考えると、錯体(RL)の密度は[R]=[RL]に等しく、カラムに吸着されるリガンドの量は[RL]i Asである。最初にカラムに吸着されたリガンドの50%が表面から脱着され液相に入る特殊な場合、すなわち

そして

である。
より一般的な場合には、

(ここでaは解離して液相に入る最初に吸着されたリガンドのフラクションであり、(1−a)は再平衡の後に残る最初のRL錯体のフラクションである)となる。二つの物質を結合すると

となり、Kb2が既知のとき、式

は、平衡状態が容積(V)の増加を補償するために移行するとき、カラムから溶離された二つの物質の相対量の基づいて結合定数Kb1を計算することができる。

0026

前記のように、RL錯体をクロマトグラフィ処理し、錯体RLが解離して再会合を防止するときにレセプタ(R)をリガンド(L)から分離することによりスクリーニングをクロマトグラフィシステム内で行うことができる。この方法において、もっとも高い結合親和性を有するこれらのリガンドのRL錯体が解離することなくクロマトグラフィシステムを通る通路を残存していることはもっとも可能性のあることである。RがLから分離する速度、すなわち時間の関数(dRs/dt)としての再溶解(Rs )は重要な論点である。クロマトグラフィシステムにおける再溶解は式(6)で示され、ここでRs =(Ve2−Ve1)/vである。dtは移動相速度(Vm )に反比例で関係するから

である。
溶離容積を段高さおよびカラム長さによって表される容量ファクタおよびピーク巾に変換すると式(15)が得られる:

サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)の場合、RおよびRLを孔から排除するとき、k’1=0で式(16)は

となる。
ペプチドは小さいので含有される合計の容積V0+ViでSECから通常溶離される。このことは

を意味する。
この特別な場合に式(18)は

となる。

0027

サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)の場合は、巨大分子レセプタを多孔質マトリックスを透過させることができないのでシステムのある液体要素から巨大分子を排除する透析システムに非常によく似ている。SECシステムにおいて、RL錯体は解離し、リガンド(L)はSECマトリックスの孔へ拡散し、SECマトリックスからRLおよびRを排除する。巨大分子レセプタは低分子量リガンド(L)よりも速くSECを通って移動するので、Rは支持体の孔のなかのLの領域から遠ざかる。このことはRLへの再会合を妨げる。このRとLの分離が起こったとき、式(I)の平衡状態を保つためにRLがさらに解離しなければならない。このRとLの分離が非常に迅速に起こるとき、平衡状態の維持はオフ−レート(k2)に依存することになる。このことは低移動相速度選択が平衡定数(kb)に依存し、一方高速移動相速度選択は速度定数k2に基づくことを意味する。
RL錯体の解離速度に基づくスクリーニングは前記のようにいくつかの方法で行うことができる。上記のシステムにおいて、レセプタ[R]の濃度はリガンドがカラムの一区画から溶離するにつれて増大する。錯体生成速度は解離速度よりもずっと大きいので多孔質クロマトグラフィ吸収中でオフ−レート選択を行うことは不可能である。以下に述べる概念は、錯体解離後ではリガンドがシステムからの溶離の前にレセプタ保持面と接触する確率が低いという事実を利用することによってオフ−レート選択させるものである。

0028

水性移動相により溶離された開放式管状カラムの壁への物質移動は乏しいことが知られている。開放式管状カラムの壁への物質移動はカラム径の増加の逆二乗でまた移動相の線速度の増加の二乗で減少する。固定レセプタ(R)を有する300〜1000μmのカラムを、一連のリガンドで満たし、移動相速度でシステムを平衡状態にすることによってで負荷する。リガンド種の合計濃度([L1]−[Ln])が>(R)のとき、結合サイトに対するリガンドの間で競合が生じる。生成されたRL錯体の量はレセプタに対する特定リガンドの定数及びリガンド濃度の関数である。平衡状態が達成された後、未結合リガンドをカラムから一掃する。結合RL錯体中のLの溶離はオフ−レートに基づいている.RLからLへの解離の後に再会合が生じないと仮定すると、カラムからのリガンド(L)の溶離速度は式

(ここでk2はオフ−レート定数である)によって与えられる錯体の初期濃度[RL]i の限度と時間tにおける濃度[RL]の間で積分すると式

が得られる。
オフ−レートおよびリガンドがカラムから溶離されるレート(速度)は半減期(t1/2)、すなわちカラムからリガンドの半分を溶離するのにかかる時間で表される。上式から
t1/2=0.693/k2                                 (22)
が得られる。要約すると、オフ−レート選択のこのモデルにおける仮定は、一度解離が起こると、毛細管の壁でRとLの再会合が生じないとすることである。このことは厳密には正しくないと思われる。毛細管の壁はよく清掃されない。すなわち壁には沈滞した液層がある。Lが毛細管から迅速に送り出される毛細管の中央部で急速に移動する液体の中に逸散する前に、この液層を通って拡散するに違いない。このモデルを使用することの妥当性は、i)物質移動がクロマトグラフィカラム内で選択工程を支配し、そしてii)大型の開放式管状毛細管では多孔質粒子よりも大きさの階数が低いということである。
一群のクロマトグラフィカラムは過去10年にわたり、流体のクロマトグラフィによる分離はi)粒子の内部への被検体の接近を分子サイズによって制御する多孔質マトリックスにより、そしてii)クロマトグラフィ固定相が粒子の内側だけにあることによって達成することができる。この制限された接近媒質は血清中の低分子医薬をたんぱく質から分離するのに特に有用であった。これらのカラムの第1のものは「内面逆相」(ISRP)媒質であった。

0029

これらのカラムはスクリーニングに適用するときに次の方法が考えられる。大きなレセプタ分子はISRP媒質の内部への接近から排除されると思われるので、これらの媒質は透析膜に似ているものと考えられる。透析システムにおいて巨大分子レセプタはその物理的な大きさにより隔膜の多孔質編目を通る通路から排除されるので、隔膜の一方の側に制限される。これに反して小さいリガンドは隔膜の孔を透過し、システムの中のすべての液体スペースに接近することができる。透析はリガンド含有液を隔膜のたんぱく質非含有側から除去することによって行われる。
ISRPクロマトグラフィシステムは、i)固定相を有する粒子の内側にリガンド(L)だけを接近させる。ii)RL錯体が解離し、Lが粒子含有ISRPの内部に拡散するときに、内部逆相に高い親和性を有するLを捕獲し、そしてiii)RL錯体をクロマトリグラフィカラムを通して輸送することによりスクリーニングにおいて機能する。このシステムは、i)それがたんぱく質から除去される低分子量種(L)を活発に捕獲し、そしてii)ストリッピング工程がクロマトグラフィカラムにおいては透析システムにおけるよりも実際に何回も繰り返されるという事実に基づいて透析システムよりも遙に優れている。
ISRPアプローチのさらに他の特徴は、Lが捕獲されるとき粒子表面に対する拡散距離が小さく、Lが速やかに捕獲され続いてRL錯体から解離することである。このことは除去されるLの速度が解離速度に依存するものであって平衡定数kb に依存しないこと、および多くのRL種の混合物から選択することができることを意味する。

0030

B.配置
ある実施態様において本発明はその上に固定された興味のある標的を有する第1カラムを含む。従って、試料が第1カラムを通るときに、標的に結合するリガンドは標的/リガンド錯体を形成することによってカラム上に固定される。第1カラムによって捕獲された錯体は洗液容量を変えることにより解離する。
請求の範囲に記載した本発明は、手操作をする必要がなく、試料の大きさまたは試料中に存在するリガンドの量に関係なく、特定のリガンドの関する情報を得るための方法、システムおよび装置を提供する。この方法は明らかにまず第1に医薬を見出すための迅速、かつ自動化可能な手段を提供する。文献にある約100万の化合物は短期間に特定の生物活性に対してスクリーニングすることができ、従って生物学、薬剤開発、診断および治療の分野で大きな進歩を促す。本発明の方法は当業者にとり、一つまたはそれ以上の特性、例えば(1)標的に対するリガンドの前進速度定数、すなわちオン−レート、(2)逆進速度定数すなわち、オ−レート、またはイオン強度、pH、競合する結合剤の濃度、有機溶剤濃度および温度を変化させることのできる条件下の平衡定数に基づいて興味のある標的に対してリガンドを選択することを可能ならしめる。標的/リガンド錯体の生成に潜在的に影響する条件を変化させ、選択基準として使用することができる。本発明の方法はまた興味のある標的に対するリガンドの迅速な選択、リガンドの実質的な潜在的結合特性の特定化、およびリガンドの回収を可能にする。

0031

本発明の方法は縦型カラムクロマトグラフィ技術を使用する:分子を分離することのできるカラムを本発明の方法で使用することができる。従って探索した結果により、システム内のカラムはアフィニティカラム、サイズ排除カラムおよび/または逆相カラムからなる群から選択することができる。本明細書中で使用した「縦型」(tandem mode)という語は少なくとも二つのカラムがシステム中に同時にかまたは順次に包まれることを示す。カラムが縦型の中に同時に使用されるときには、試料溶液はそれぞれのカラムに分配供給される。これらのカラムが順次に使用されるときには、一つのカラムの溶離液が第2のカラムに直接導入されるようにカラムが配置される。
種々の実施態様において述べた方法はアフィニティベースカラムを使用することができる。アフィニティベースカラムにおいては試料中のリガンドをスクリーニングするために縦型クロマトフラフィーカラムが使用される。

0032

本発明の現在の好ましい実施態様について詳細に説明する。種々の実施態様における本発明の多次元法は溶剤中に溶解した不均一リガンドの試料中の予備選択された標的分子に対して親和度Kを有するリガンドの存在を検出することに関する。本発明は方法自体、および一つまたはそれ以上の次元を含む多次元システムまたは方法を意図するものである。種々の請求の範囲項において、本発明は新規な種々の次元の実施態様に特に関するものである。本発明は標的に結合したリガンドを回収し、そして同時にリガンドを選択し、かつスクリーニング工程の間に相対的親和性を測定することができる。本明細書中に具体化されているように、本発明は試料中のリガンドまたは試料中の被検体の高感度の検出および分析のための多次元方法、装置およびシステム、ならびに分析法およびシステムのその他の「次元」に関する。本発明は、例えばライブラリのスクリーニング、リガンドの選択、所望の親和性を有するリガンドの回収、および次の固定を含む多次元システムからなる。さらに特に、この次元は例えば免疫検定、例えばアフィニティクロマトグラフィ、逆相クロマトグラフィおよびサイズ排除クロマトグラフィを含む試料成分区分方法を包含する。本明細書および請求の範囲に記載した技術は、分離、化学反応および質量分析が総合され、かつ好ましくは自動化された試料スクリーニングのための多次元アプローチを提供するものである。

0033

この多次元システムおよび方法は種々の実施態様において次の工程:(1)潜在リガンドの試料の生産;(2)ある濃度の固定化された標的分子を支持体に供給する;(3)標的分子に対するリガンドのスクリーニング(ここでリガンドは一つまたはそれ以上の所望の性質を有する);(4)所望リガンドの分離;(5)得られたリガンドの回収;(6)選択されたリガンドの同定;および(7)診断または治療に応用するためにリガンドまたはその誘導体の大規模合成を含む。分析次元の最も有効な組み合わせは所望の特定の結果に基づいて当業者によって容易に決定することができる。
このような多次元システムは興味のあるある種の「標的分子」(「標的」または「レセプタ」)に結合する能力に対してリガンドのライブラリを迅速スクリーニングすることを可能にする。標的分子は例えばたんぱく質、ペプチド、核酸モノクローナルまたはポリクローナル抗体などのようなリガンドの所望される任意の分子である。
特定の標的分子に結合するリガンドの同定のためにペプチドまたは低分子の可溶性ライブラリをスクリーニングすることは、製剤産業において広く使用される技術となっている。これらのライブラリのスクリーニングは新しい治療および/または診断の開発を導くものである。スクリーニングには選択方法とリガンドの相対的親和性を評価する方法が必要である。従って当業界において公知の方法は特定のリガンドの入手可能性を測定するために二つの別個の工程が必要である。試料をスクリーニングし所望のリガンドを回収した後に、選択されたリガンドがリガンド用として望ましくない親和性を有することを屡々見出す。当業者が認めているように、異なる応用には特定の親和性を有するリガンドの必要なことが多い。所望の応用に対する選択されたリガンドの適用性を測定するために多くの可変事項を考慮しなければならない。例えば特定のオン−またはオフ−レートを有するリガンドまたは一つの標的分子に結合するが他の標的分子には結合しないリガンドを選択することができる。従って本発明以前には、標的に対するリガンドを同定するだけでなく、他の特性に基づいてさらに選択をするために、幾つか別個の工程が全体の選択工程に含まれていた。

0034

請求項の範囲に記載した方法は選択された標的分子に結合するリガンドに対する相対的親和性の新規、かつ迅速な測定を可能にし、さらにこの方法は標的に結合したリガンドの回収を行い、そしてリガンドの同時選択および化合物ライブラリのスクリーニングの間にその相対的親和性またはその他の結合特性の測定を行うものである。
上記の多次元分析システムは所望リガンドのスクリーニング、選択および回収に適した多くの実施態様を提供する。この分析法を自動化することが好ましいが、歴史的に見て溶剤の相溶性はこのアプローチに対する重大な欠点であった。本発明はこの多次元システムに普遍溶剤交換法を組み合わせることによってこの問題を回避した。
種々の実施態様において本発明は錯体混合物の高分割を提供する多次元分離に関するものである。種々の分析成分直結される能力のために、試料の取り扱いおよび輸送工程が実際に排除できる。このことは極めて低い検出レベルにあるリガンドを単離し、検出することを試みるときに特に決定的なことである。
請求の範囲に記載したシステムはサイズ排除、イオン交換および逆相のような一連のクロマトグラフィカラムならびに質量分析器のような一つまたはそれ以上の検出器を組み込むことのできる多次元システムを考慮するものである。

0035

自動化された多次元システムの中でマイクロカラムアフィニティクロマトグラフィのような種々の次元を毛細管逆相HPLCエレクトロスプレーイオン化質量分析と総合化することにより錯体混合解読のための高感度選択性アプローチが可能となる。このシステムは迅速にカラムおよび溶剤切り換えをする可能性を与えるであろう。当業者は試料またはそのサブセットをさらに分離または固定工程に通すことによりシステムに付加的次元を容易に加えることができる。適当な「次元」すなわち二つの異なるクロマトグラフィカラムのような分離工程、またはシステムの個々の成分の空間的または一時的分配を行うその他の分離工程をシステムに加えることができる。
請求の範囲に記載した本発明は縦型に垂直に置かれた二つまたはそれ以上のクロマトグラフィ次元または他の分離次元を含む多次元システムを包含する。基本的な実施態様において二個のクロマトグラフィカラムは縦型に垂直配置される。第1カラムは試料の所望の応用および基本性質に基づいて選択される。第1カラムはアフィニティクロマトグラフィ、すなわち試料中の種々の成分に対して異なる親和性を有する固定多孔質媒体を含有するカラムであってもよく、また非多孔性媒体を使用してもよい。このカラムは興味のある標的をその上に固定した固体支持体であってもよい。このような予備選択された標的はレセプタ、酵素、核酸、多糖類、ムコ多糖類、抗体または結合たんぱく質のような分子であってもよい。さらに有用な標的分子は主要組成適合分子、T−細胞レセプタ、抗体、細胞接着分子ホルモンおよび生長制御因子のための細胞レセプタ、およびウイルスレセプタを含む。興味のあるこれら標的に対するリガンドは可能な免疫アゴニストアンタゴニスト抗ウイルスリガンドおよび所望の生物活性を有する低分子の設計のための構造リード化合物を提供する。試料溶液が支持体を通るときに、標的に対するリガンドは結合サイトで吸着し、カラム上に保持される。ある量の溶液成分は支持体に対して非特異的に結合することもできる。

0036

本発明において使用されるアフィニティカラムは標的分子の結合活性に作用しない固体支持体を含んでいてもよい。通常使用される支持体は制御された多孔質ガラスシリカシリカゲル、隔膜、ポリスチレン基材ビーズ支持体、ガラス繊維フリットおよび濾紙である。灌流マトリックス材料が好ましいが、本発明は非多孔質充填粒子の間の間隙空間によって曲がりくねったチャンネルが形成されている非多孔質マトリックスを用いて実施することもできる。このマトリックスは灌流マトリックスよりも低い実効容量を有しているが、微量分析にとって非常に有用である。充填された粒子の外に、本発明の方法および装置に有用なマトリックスはマイクロ毛細管の束として具体化される。高い表面積/容積比は非常に小さい内径の毛細管を使用することによってを得ることができ、数μl/cmの反応容器を提供出来る。同様に毛細管の内面に結合たんぱく質を被覆してもよい。溶質は対流によって毛細管マトリックスを通って輸送される。毛細管の高い表面積対容積比は有効反応容積を増加する。このマトリックスはさらに膜構造を含んでいてもよい。

0037

マトリックスは親水性表面を有する実質的に非微多孔性固体粒状物質であることが好ましいが、さらに好ましくは灌流クロマトグラフィマトリックスであってもよい。マトリックスは毛細管の内表面によって規定することができる。方法は既知濃度Tの標的分子でカラムをまず負荷することからなる。
別の実施態様において、第1カラムはサイズに基づき試料成分を分離することのできるサイズ排除カラムまたは透析システムからなる。試料の異なる成分は異なる速度でカラムを移動する。標的に結合して錯体を形成するリガンドは低分子種の溶離に先立って溶離する。従って排出流の最初の部分は標的結合したリガンドを含有する。灌流クロマトグラフィすることのできる粒子を使用することが好ましく、それは灌流粒子は高い試料負荷容量およびクロマトグラフィ分割を維持しながら非常に高い流速でシステムを作動させるからである。灌流粒子はPer Septive Biosystems社 (米国マサチュセッツ州フラミンガム)から入手できるPOFOSTMが好ましい。
本発明の種々の実施態様において、第1カラムと縦型に垂直配置された第2カラムは他のクロマトグラフィ分離カラムである。特に第2カラムは第1カラムに固定された標的と異なる物理化学的性質を有する興味のある第2標的が固定されている前記のようなアフィニティカラムであってもよい。この配置は一つまたはそれ以上の異なる物理化学的性質に基づいてリガンドを選択および分離することができる。第1および第2カラムが確認分析と興味のある同じ標的を固定することも考えられる。
別法として、第2カラムはリガンドを非特異的に吸着し、そして場合により溶離によって吸着リガンドを分離するために設計されたアキュムレータであってもよい。逆相カラムも好ましいアキュムレータである。
洗浄容量を増加すると、最長時間カラムに保持される最高親和性のリガンドが得られる。逆に低い親和性リガンドはカラム上で短い保持時間を持つ。第1カラムに結合したリガンドを洗浄するために使用する洗浄水容量とその相対的親和性の間には相互関係がある。

0038

種々の実施態様において、第1カラム上を通過する洗浄水容積は標的からの解離速度の指示である。例えば種々のリガンドを第1カラム上に通して平衡状態に達成させるならば、溶離液中に特定のリガンドが存在することが標的からの解離速度のファクタとなる。解離速度は時間、希釈度、および会合/解離速度定数に依存する。時間および希釈ファクタは制御することができ、従ってこのような条件下でその標的に結合したリガンドの損失はリガンドの解離速度定数(すなわちオフ−レート)に直接関係している。標的分子は固定化される前、または可溶性ライブラリの導入の前にリガンドと予備平衡されてもよい。
従って、ある実施態様において、固定された標的を有する第1アフィニティカラムは、所望の親和性を有するリガンドを固定するために逆相カラムのようなアキュムレータと縦型に垂直配置される。
逆相カラムの溶離によってリガンドを回収することができ、相当するピークのピーク高さは特定の洗浄液容積における標的に結合したリガンドの量の尺度を与える。このような条件下で洗浄液容積はリガンドの解雇速度定数と関係があり、標的との同様な相互作用を有するリガンドの相対的親和性の指標となる。この方法は、リガンドの選択およびその相対的親和性の測定を同時に行うことができ所望の親和性を有するバインダの選択を可能にする化合物ライブラリのスクリーニングに適用することができる。

0039

従って、まず最初に実施者は、標的に結合するその能力だけでなく標的に対するその親和性に基づいて、すなわちオン−レートまたは解離速度(オフ−レート)に基づいてリガンドを選択することができる。この能力は、解離速度が組成物中の能力の効力に重要である医薬スクリーニング応用において特に適している。標的に結合したリガンドは後で回収できるので、後にさらに詳しく述べるように、選択されたバインダをさらに特徴付けまたは開発することができる。
この方法により実施者は任意のアフィニティ選択法を実際に使用することにより興味のある標的に対してリガンドを選択することができる。例えば累縮度を変えることにより、すなわち洗浄液容積を変えることにより、例えば(1)親和性、(2)オン−レートまたはオフ−レート、(3)洗浄条件(pH、イオン濃度、温度)に基づいて選択することができる。
この方法により実施者は任意のアフィニティ選択法を実際に使用することにより興味のある標的を選択することができる。分析次元の最も有効な組み合わせは所望の特定の結果に基づいて当業者によって容易に決定することができる。請求の範囲に記載したシステムは、種々の単位操作をμl容量連結部と直接結合することにより、フラクション捕集および手動による試料輸送を取り込むことによって試料の希釈、損失および汚染を減少できる点で有利である。第2の利点は、直接にかまたは移動相交換システムを使用して、下流カラムの入り口で被検体に富んだ直接輸送を利用できることである。例えば、逆相カラムのようなアキュムレータをシステムの任意の次元の間に配置することができる。このことにより分離工程間で移動相を連結または変換する手動操作を排除することができる。

0040

さらに、上記の方法は異なるリガンドの相互作用を特徴付けるように構成することができる。この試みはリガンドにラベルを付ける必要なしで種々のカラムを縦型に垂直配置することにより便利に行うことができる。所望の結果を得るために一つまたはそれ以上のファクタを組み合わせることができる。
従って、ある実施態様において実施者は、ある第1標的分子に結合する能力に対し、また第2標的分子に結合する能力に対してリガンドをスクリーニングするために本発明方法を使用することができる。この技術は一般に二つの異なる標的間を区別するリガンドを選択するのに適用することができる。請求の範囲に記載した方法により技術者はある標的には結合するが他の標的には結合しない能力に基づいてリガンドを著しく迅速に選択することができる。この能力は、潜在的新薬外来性または病原性標的だけでなく宿主分子とも相容れないような薬剤分野で特に重要である。このことは病原性および宿主標的の高い保守的性質によるものである。請求の範囲に記載した方法を使用して、例えば病原性標的すなわち細菌性たんぱく質に結合するが相同的宿主標的には結合しないリガンドを選択することができる。消去的スクリーニングとして参照されるこの技術は任意の二つの結合特性を区別するのに使用することができる。例えばこの技術は病原体および宿主を区別できるだけでなく、キラル型または非キラル型の分子の区別;野生型標的ウイルス突然変異たんぱく質および標的のウイルス性サブクラスまたは変異型を区別するのに使用することもできる。

0041

別法として一つのサブクラスをカラムに固定し、試料溶液および第2サブクラス標的分子を導入することができる。第2サブクラス標的に優先的に結合するリガンドは移動相内で多くの時間を消費し、従ってカラムから最初に溶離される。第1サブクラス標的に優先的に結合するリガンドはカラムから最後に溶離される。中間溶離液が一つ二つのサブクラスに対して異なる親和性の組み合わせであることは明らかである。
他の実施態様において本発明の方法およびシステムは興味のある標的に対するリガンドを選択するその他の技術を包含する。本発明は親和性または消去法スクリーニングに基づいて特定のリガンドを選択するためのみならず、特定の結合サイトで興味のある標的に結合するリガンドを選択するための新規な方法を開発した。後者の実施態様において本発明は第1分離システムを使用し、次に逆相カラムのようなアキュムレータを使用することを考慮する。先に論じたように、この方法は縦型に垂直配置された二つの次元を含む。
サイズ排除クロマトグラフィシステムである第1次元は多孔質マトリックスを透過する能力のない標的またはレセプタがシステムのある液体要素から排除される透析システムとよく似ている。実際にこの第1次元は標的/リガンド錯体および未結合成分を分離することのできる透析システムまたはその他の任意のシステムである。従って試料溶液を興味のある標的に接触させることができ、標的に対するリガンドがそこに結合する。ここで溶液はSECカラムに導入される未結合試料成分とリガンド/標的錯体との混合物を含有している。別法として標的および試料をSECカラムに直接導入することができる。この混合物をSECシステムに導入すると、未結合成分はSECマトリックスの孔内に拡散するが、錯体および標的はそのサイズにより排除される。巨大分子標的/リガンド錯体は低分子量化合物よりも速やかにSECカラムを通って移動するので、この錯体は先にカラムから溶離する。標的/リガンド錯体を含有する溶離液は次にアフィニティカラムのような第2次元に導入することができる。アフィニティカラム上に興味のある結合サイトに対して既知のリガンドを固定する。この第2カラムから溶離するリガンドは、カラム上に固定された既知のリガンドにより置換された興味のあるサイトで結合するリガンドである。溶離液が固定カラムを通るときに、弱い結合をしている錯体は標的とリガンドの分離が極めて迅速に起こると解離し、平衡はオフ−レート(k2)に依存して維持されることになる。このことは、高移動相速度では選択が速度定数k2に依存しているが、低速度移動相速度選択は平衡定数に依存することを意味する。

0042

従って、天然リガンド/標的対の結合活性を妨害するリガンドに対して選択をすることができる。この技術によって同定されるリガンドは薬剤または診断補助手段として使用するのに特によく適している。例えば、科学者ヒト免疫不全ウイルスHIV)に感染したCD4およびgp120の間の関係を認識した。従って、この二つの分子の間の相互作用を引き裂いて活性錯体不活性化できるようなリガンドを得ることは有益なことである。アフィニティカラムを使用して興味のある標的に結合するリガンドを選択することができる。結合するこのリガンドはアフィニティカラムから溶離されて他のアフィニティに導入される。この第2カラムはサイズ排除カラムであってもよい。第1カラムから溶離された標的/リガンド錯体は既知のリガンドと共に第2カラムに導入される。既知のリガンドはバインダの求められている特定のエピトープで結合する公知のリガンドである。従ってこの既知のリガンドは標的/リガンド錯体上のリガンドと競合し、標的分子上の選択されたサイトで結合するリガンドを置換する。
DNA転写因子が第2カラムで固定されて転写因子がDNAと同じサイトで結合するリガンドの検出が促進されるこの技術の応用を考えることができる。
同様な結果の得られる別の技術は請求の範囲に記載した方法にある。例えばサイト特異バインダを選択するために、標的分子および既知リガンドを含有するカラムからの溶離液を標的分子だけを含有するカラムからの溶離液と比較することができる。
標的/リガンド錯体の解離速度に基づくスクリーニングは幾つかの方法によって行うことができる。前記のシステムにおいて、標的濃度は、リガンドがカラムの一つの区分から溶離するにつれて増加する。錯体生成速度は解離速度よりもずっと高いので、多孔質クロマトグラフィ吸収剤中でオフ−レート選択を行うことはできない。後記の実施態様によれば、錯体解離後はシステムからの溶離の前に再び表面につく標的にリガンドが接触する確率が低いという事実を利用することによってオフ−レート選択を行うことができる。

0043

種々の実施態様において、追加の次元は興味のある標的に対して予備選択された親和性を有するリガンドを選択し回収することに関する。予備選択された親和性とは標的分子に特異的に結合するリガンドの能力、すなわち標的とリガンドとの間の相互作用の強さのことである。予備選択された親和性の代表的な値は10−3l/モルないし最小で約10−4l/モルのオーダであり、約10−8〜約10−10l/モルが好ましい。予備選択された親和値はリガンドおよび標的分子の見出される環境ならびにそれらの濃度に依存する。幾つかの応用においては低い親和性が受け入れられるが、他の応用においては親和値は非常に高い。当業者は興味のある特定の標的および応用により所望の親和定数を日常的に決定することができる。

0044

ペプチド結合に続いてカラムを洗浄する移動相の選択によって特定の結合条件を選択することもできる。特定の応用に対するTを決定するために当業者は当該技術における任意の公知の方法によってアフィニティカラムを検定することができる。例えば固定された標的に結合するために既知の親和定数を有するリガンドの純粋な試料を導入することによりカラムを検定することができる。次にこのリガンドをカラムに装入する。一連のカラム容積がカラムを通り、既知の親和定数K’が得られるまで直接アキュムレータに案内される。Tは次式に基づいて計算することができる:

従って保持因子としても知られているK’は次式によって定義される。

従って、実際には1010の親和定数Kを有するリガンドを得たいときには,Tを例えば10−8Mに設定することができる。予備選択された親和度Kを有するリガンドは略100カラム容積の溶剤をカラムに通すときに得られる。

0045

サンプルがカラムを通過してリガンドが標的分子に結合した後、一連のカラム容積の溶剤がカラムを通ることになり、ここでnは1〜10000のカラム容積数である。カラムを出る容積を有するサブセットkpは予備選択された親和度Kを有するリガンドを固定するためにリガンドアキュムレータを通る。
親和力結合物質の溶離は代表的には高塩条件または酸性pH条件下で行われる。一度溶離されると可溶性試料は分析して興味のある標的に対するリガンドの存在または不存在を決定するか、または興味のある標的に対するリガンドを特徴付けることができる。分析は成分の測定に適した任意の方法によって行うことができる。
さらに他の実施態様において、本発明は試料中のリガンドを類似した親和定数を有するグループに分離するための方法、システムおよび装置に関するものである。当業者は所望の結果に応じてそれぞれの応用のために各グループ内に含まれるべき親和定数の範囲を決定することができる。

0046

この実施態様において、技術者はどのグループの親和定数が望ましいかということをまず選択する。例えばTが10−5ならば、アキュムレータから20〜30容積または500〜800容積が集められ、次に各グループ内のリガンドのKを次のようにして決定することができる:
初めのKは

との間であり、500〜800容積のKは

の間にある。
従って基本的具体例において本発明の方法、装置およびシステムによれば生体分子の親和定数を決定することができる。試料中のリガンド濃度を変えて一定の標的濃度を有するカラムに
導入することができる。未結合リガンドの濃度は初期標的濃度と共に変わり、自動化されたデータ操作に従って親和定数が決定できる。
予備選択された親和性を有する試料ライブラリからリガンドまたは被検体を検出するためにスクリーニング法を繰り返し使用することができる。所望の溶離条件に応じて興味のある標的に対する一つのリガンドに対して得られた結合定数勾配の方が他のリガンドのものより好ましいことがある。例えば増加する濃度でメタノールを含有する一連の溶液中または溶離液勾配にシュミレートして塩濃度の増加する一連の溶液中の結合強度を使用することができる。このようにして多数の溶離条件で多数のリガンドの相対的行動を評価することができる。

0047

標的固定カラムを逆相カラムのようなアキュムレータに直結することができる。種々の実施態様における方法では、第1カラムによって捕獲された標的/リガンド錯体が解離され解離したリガンドを捕獲するための逆相カラムのようなアキュムレータ上に直接溶離する縦型クロマトグラフィ法が使用される。次に結合錯体はカラムから解離されRPカラムに案内される。このアキュムレータはクロマトグラフィカラムから溶離した結合リガンド/標的錯体を選択するのに適したものでなければならない。このアキュムレータが例えばサイズ排除クロマトグラフィカラムであるときには、SECカラムを通る流速が速いと仮定するならば、標的/リガンド錯体の解離のための時間は僅かである。低流速ではこの逆もまた真である。上に詳述したように、第1カラム上の錯体の洗浄水の量はリガンドの相対的親和性と直接関係がある。
本発明の方法はまた、興味のある標的分子に対して予備選択された親和度Kを有する試料中のリガンドが固定された薬理的活性組成物の製造も包含する。既知濃度のTの標的分子でカラムを負荷し、試料中のリガンドを結合するために試料をカラムに通し、一連のカラム容積の溶剤をカラムに通し、一連のカラム容積の溶剤をカラムに通すことによってリガンドが固定される。カラムを出るカラム容積のサブセットをアキュムレータに通して予備選択された親和性を有するリガンドをカラム上に固定する。次はリガンドを溶離し、リガンドまたはその誘導体を用いて薬剤調合物に配合するための生物活性成分を製造する。所望により適当なアジュバンド治療用担体などを配合することもできる。上記のいづれかの方法によって得られた薬剤調合物は該調合物投与による治療方法を提供することができる。

0048

本発明の方法は、リガンドおよび標的分子が予備選択された溶剤条件下に一緒に存在するとき、予備選択された標的分子に対して所望の高い親和度Kを有するリガンドを検出する方法を含む。このリガンドは多数のリガンド種からなる不均一試料中に存在する。この方法は標的分子をカラム上に固定し、試料中のリガンドの標的分子への結合を促進する条件下で試料をカラムに通し、そして次に溶剤条件を規定する一連のカラム容積の溶剤をカラムに通すことからなる。次にカラムを出るカラム容量のサブセットkpをリガンドアキュムレータに通して所望の高い親和性を有するリガンドを固定する。得られたリガンドはKP/T(ここでTはカラム中の標的分子の濃度である)に略等しい標的分子に対する高い親和度Kによって特定化することができる。場合により、選択された溶剤条件と異なる溶剤条件下でリガンドの結合を促進させるために試料をカラムに通すことができる。
本発明の他の面において、標的分子およびリガンドが予備選択された溶剤条件下に一緒に存在するときに、高いオン−レートK0を有するリガンドが検出される。このリガンドは多数のリガンド種からなる不均一試料中に存在していてもよく、少なくともそのうちの一つは少なくとも約104M−1の親和度を有する予備選択された標的分子である。その他の実施態様におけるように標的分子はカラム上に固定される。予備選択された溶剤条件を規定する溶剤中の不均一試料が提供され、次に試料中のリガンドの滞留時間が最小になるような高い流体線速度でカラムに通される。こうして高いオン−レートのリガンドを試料中の他のリガンドに優先して標的分子に選択的に結合させる。次にカラムを溶離して生産物を作り、高いオン−レートのリガンドを得るかまたは固定する。場合により生産物をリガンドアキュムレータに通し、次にアキュムレータを溶離して高いオン−レートのリガンドに富む生産物を作ることができる。

0049

C.インターフェース
本発明のシステムおよび装置は一つの次元から溶離液を捕獲し、一つまたはそれ以上の異なる次元に案内するためのカップリングインターフェースも含む。このインターフェースは次の次元に負荷する前に有機溶剤を一つの次元の溶離液から有効に脱塩し、希釈しまたは除去するための緩衡システムを含むことができる。従ってある状況においてインターフェースに緩衡剤交換器を組み込むことができる。緩衡剤交換器はカチオンおよびアニオン交換吸収剤で充填された混合床マトリックスであってもよい。別法としてこの緩衡剤交換器はカチオンおよびアニオン交換吸収剤の各々のための分離カラムからなる。
縦型カラムのカチオン交換体およびアニオン交換体または混合床交換体をカラムの溶離液から生体分子を捕獲するために使用することができる。従って例えば酸を用いてシステムの任意のカラムから所望のリガンドを溶離するときには、溶離液を次のカラムに案内する前にpHを変えるために縦型緩衡剤交換器に向わせることができる。溶離液はリガンドを溶離液から捕獲するカチオン交換カラムに先ず案内される。次にこのカチオン交換カラムを中性pH緩衡液で洗浄し、所望のリガンドを次のカラム、すなわちアニオン交換カラムで捕獲する。システムの次の次元に案内するのに最適化された緩衡液または溶剤でこの第2カラムからリガンドを溶離することができる。
緩衡剤交換インターフェースは、例えばアフィニティカラムの溶離緩衡液が質量分析器に導入するのに適していない多次元システムにおいて特に価値がある。従って所望のリガンドはアフィニティカラムから洗浄され、質量分析器に案内される前にカチオンカラムおよびアニオンカラムに通される。

0050

別の実施態様において、請求の範囲に記載した本発明はアフィニティカラムおよび固定された消化用酵素を有するカラムの縦列的使用に関する。従って所望のリガンドは第1カラム、アフィニティカラムで捕獲され、酸で溶離することができる。溶離液中のリガンドはカチオン交換カラムで捕獲することができる。次に所望のリガンドが次のカラム、すなわちトリプシンカラムに対して最適化された緩衡液でカチオン交換カラムから溶離される。トリプシンカラムを通過すると、リガンドは消化され、例えば逆相カラム上に捕獲される。
種々のカラムを溶出するためにpHまたは塩を用いるることができ、アニオンおよびカチオンカラムの種々の配置を考え、次の次元に対して緩衡剤を最適化するように配置することができる。この技術を生物工学的応用、治療用たんぱく質および医薬の新陳代謝の研究、および環境および臨床的に重要な大規模スクリーニングプログラムにおける品質管理および工程監視に拡大することができよう。インターフェースはさらに、希釈または手動的介入をすることなく一つの次元から次の次元へ溶質を直接輸送することのできる多段バルブシステムを含むことが好ましい。請求の範囲に記載した本発明は所望の応用に応じて前記の緩衡剤インターフェースおよびバルブインターフェースを有している。

0051

請求の範囲に記載した発明は、各カラムから溶質を捕集しそれを第2カラムに再導入する骨の折れる工程を回避したバルブシステムを包含する。幾つかの実施態様においてバルブシステムは流体クロマトグラフィ溶離液を質量分析器に向かわせる「試料分配器」である(図1および図2)。このインターフェースの利点は質量分析器(MS)および液体クロマトグラフィカラム(LC)の流速が独立していて可変であること、すなわちMSおよびLCの流速が独立して最適化され、一方MSサンプリングはLC流速から結合を解かれていることである。本発明はまたLC溶離液を多数のLCカラムから同時にサンプリングし、かつ試料をMSに案内する前にLC溶離液試料を脱塩することのできるインターフェースを考慮するものである。

0052

例えば本発明のインターフェースはLC流の溶離液をサンプリングし他のLC流または質量分析器のような検出器に注入するためのインターフェースであってもよい。従って図1および2は液体クロマトグラフィ/質量分析試料分配インターフェースを特徴付ける分析化学システム10の実施例を示す。液体クロマトグラフィカラム12はポンプ16により液体クロマトグラフィカラムに対して所望の速度で供給される液体流14、および精密ポンプ36により質量分析器に対して所望の速度で供給される液体分析流38を有する質量分析器44を含んでいる。サンプリング弁22は所定のサンプリング速度で循環されてサンプリング容積を液体のクロマトグラフィ流に挿入して液体クロマトグラフィ溶離液の試料を採取し、次にこれを質量分析器に挿入して試料を分析する。
さらに特に、LCカラム12からの液体クロマトグラフィ溶離液18はサンプリング弁22の入力口20に流入し、弁の選択された位置により決定される排出(output)口から流出する。LC検出器26は試料弁に向けられたLCカラムからのLC溶離液を受領するためにサンプリング弁22の排出口28に連結することができる。別法としてLC検出器はLCカラムとサンプリング弁22の入力口20との間に配置して同様な結果を得ることができる。

0053

サンプリング弁22は例えば二つの可能なバイパス配置をとることができ試料制御器24によって制御される回転式口弁であってもよい。図1は第1配置Aのサンプリング弁を示し、図2は第2配置Bのサンプリング弁を示す。弁配置AにおいてLC流はサンプリング位置にあり、LCカラムからの溶離液18は入力口20を通ってサンプリング弁に入り、排出口30を通って弁を出る。排出口30は所定の試料容積を有する試料ループを規定する長さの配管32によって他の入力口34に連絡されている。配置AにおいてLC溶離液は試料容積を流れて入力口34に入り、検出のために排出口28に向けられる。
MS精密ポンプ36はMS分析流38を他のサンプリング弁入力口40にポンプ輸送し、MS44は他のサンプリング弁排出口42からその分析流を受け取る。弁配置AにおいてMS流38は入力口40を通って直ちに排出口42およびMS44に行く。
サンプリング弁22を配置Aから配置Bに切り換えると(図2)、MSはインフェクション位置にあり、所定試料容積のLC溶離液が配管32に捕えられ、MS分析流38に輸送される。特に配置Bにおいて試料弁22はLC溶離液を入力口20を通って直ちに排出口28およびLC検出器26に導く。しかしながらMS分析流38は試料ループ配管32を通ってMS44に向い、配管32内で捕えられた試料容積のLC溶離液をMS分析流の中に注入する。
操作においてLCカラム12のための流れの流速はMS44のための分析流の流速と実質的に異なっていてもよい。例えば代表的なLC流速は100μl/分以上であってもよい。MS流速は代表的に1〜10μl/分の範囲である。さらにLCまたはMS、または両流速は動的に変動することができる。
試料制御器24は試料弁22を循環作動して、LC溶離液流からの少量の流れがMS分析流に注入されるようにLC流を分配する。試料ループ配管32の試料容積は、LC流には無視できるような影響を持つがMS分析には充分であるように選択することができる。例えばLC流から除かれた1μlの試料容積は100ml/分のLC流には無視できるような影響しか示さないが、10μl/分のMS流には充分な試料である。

0054

サンプリング弁22を配置Aに向かわすと、LCカラム12からのLC溶離液は試料ループ配管32を通って流れ、試料容積を満たす。サンプリング弁22を配置Aから配置Bに回すと、試料ループ配管32内で捕えられたLC溶離液の試料容積が例えば1〜10μl/分のMS流速でループからMSに押し出される。10μl/分の想定MS分析流流速で166nlのMS分析流が試料ループ32を通って毎秒32試料容積で流し出される。サンプリング弁が配置Aに戻ると、試料ループ内に残った残存試料はシステムの配置に応じてクロマトグラフィ検出器26、フラクション捕集器または廃棄物の中に流される。
操作においてサンプリング弁22は繰り返し循環され、LC溶離液の一部を捕獲し各LCピークにわたり数回MS分析流に送る。試料のクロマトグラフィピーク全体にわたり繰り返しサンプリングすることによりこれらの個々の試料からクロマトグラフィを再構築することができる。
所望の応用に応じて、試料弁調節システムは二つまたはそれ以上の液体クロマトグラフィシステムを同時に監視するために配置することができる。
本発明の多次元装置は試料を種々の次元、一つまたはそれ以上のクロマトグラフィカラムおよび検出用質量分析器に供給するためのポンプを有する流体処理システムのようなインターフェースからなるようなものである。本発明のシステムおよび装置は多くの種類の分析フォーマットを可能にし、場合により質量分析検出器を含むことのできるソフトウェアインターフェース、すなわち制御装置を持つことができる。このソフトウェアインターフェースは広い範囲の仕様書に作成され、三つの機能領域、すなわち機器制御、方法開発および分析からなる。機器制御は検出およびフラクション捕集を通じ緩衡剤選択から試料調製までシステムの各物理的要素に対して固式的インターフェースを提供する。このシステムの状態は連続的に監視され、コンピュータスクリーン上に表示される。

0055

D.検出
当該技術において、公知の検出方法は本発明において使用するのに適している。従って、リガンドまたは標的分子は標識付けして検出可能にすることができる。すなわち、標的またはリガンドを酵素、発蛍光団発光団放射性同位元素電気化学モイテイおよび化学ルミネッセンスモイエテイのような検出可能モイエテイで標識付けすることができる。さらに、本発明は、固有の検出可能モイエテイ、例えば、検出可能な官能基を有する第1結合パートナーからなる組成物も考慮している。
その他の検出方法には、例えば、これらに限定されないが、マトリックス−援助レーザ脱着イオン化/プラズマ脱着イオン化、エレクトロスプレーイオン化、熱スプレーイオン化および急速原子衝撃イオン化を含む質量対電荷比を得るための装置を含む。さらに、これに限定されるものではないが、飛行時間、クアドラポール(quadrapole)、イオン捕獲、およびセクタ分析を含む任意の形式の質量分析が本発明で使用するのに適している。好ましい検出および分析方法は、出願中の米国特許出願第08/446544号(Atty. Docket No. SYP−111, 1955年5月19日出願)に記載されているような試料および抽出要素の潜在力を独立制御できる改良された飛行時間装置である。
方法開発成分は、使用者に注入順序および試料調製の装置を含む自動化された分析方法の創作を可能にするものである。希釈および誘導体化は試料調製に含ませることができる。 検定分析は、個々の試験の定量化を可能にし、準備されるべき標準曲線または投与量水準のようなパラメータを組み込むことができる。従って、標準曲線は、検出器応答を自動的に測定しこの結果を試料注入量に合わせることによって一組の分析から開発することができる。このことは標準曲線生成を含む全ての組の分析を最小人数操作員の介入によって行い精度を高め分析の汚染を減少させることができる。

0056

請求の範囲に記載した本発明が予備選択された親和性を有するリガンドの存在を検出することだけではなく、リガンドの回収およびその後の使用をもくろむものであることは当業者にとて容易に理解される。例えば標的毒素に対して予備選択された特定の親和性を有するリガンドは生体内、および試験管内でスカベンジャーとして使用することができる。こうして得たリガンドは治療に使用することができる。さらに本発明の方法、装置、およびシステムは医薬発見のためのリード化合物を見出すために使用することができる。本発明はリード化合物だけでなく、新薬を同定するためにこれらのリード化合物を使用することにも関する。本発明はまた、本発明のリガンドを使用して製造された調合物をもくろむものである。
本発明のキットは、少なくとも一つの前記次元または方法を実施することのできる装置も含む。このキットは、例えば、予備選択された標的分子に対して予備選択された親和度Kを有する試料中のリガンドの自動検出の可能なものが好ましい。このようなキットは既知濃度の予備選択された固定標的分子を有するカラム、およびカラムから溶離液を受け取り選択された親和度Kを有するリガンドを固定することのできるアキュムレータを含むことができる。このキットは、上記した何れかまたはすべての方法に適用することができる。
キットは場合によりリガンドを検出し、そして該リガンドを分析し、取得するように配置することができ、例えば試料溶液を追加的分析と競合しないようにするインターフェースを含むことができる。リガンドまたはその誘導体または変性体は例えば医薬発見のためのリード化合物のような種々の目的に使用することができる。場合により薬剤活性組成物を製造するためにリガンドまたはその変性体または誘導体を使用することができる。

0057

本発明の薬剤活性組成物は興味のある標的分子に対して予備選択された親和度Kを有する試料中のリガンドを同定することによって製造される。リガンドはカラムに既知濃度Tの標的分子を負荷し、試料をカラムに通して試料中のリガンドを標的分子に結合させ、そして一連のカラム容積の溶剤をカラムに通すことによって同定することができる。カラムを出るカラム容積のサブセットをアキュムレータに導入し、予備選択された親和性を有するリガンドをその上に固定し、リガンドを溶離することができる。
本発明の組成物はアジュバンドを任意的に含むこともできる。本発明の利点は速度、再現性、および自動化である。灌流粒子は高い試料負荷容量およびクロマトグラフィ分割を維持しながらシステムを非常に高い流速で操作できるようにするので、灌流クロマトグラフィの可能な粒子を使用することが好ましい。
以上の記載および後述の実施例から理解されるように、本発明は所望の応用および試料に基づいて選択することのできる多数の配置に従うものである。本発明をさらに例示するために、以下にさらに詳しく列挙する。図3に示したように或る実施態様において、本発明の装置110は、試料を第1カラム114に案内して第1の物理化学的性質に基づき候補リガンドまたはその標的分子との錯体を分割し、第1排出流116を生成させるための試料入力112からなる。最初に排出流116が場合により第2カラム118に送られて異なる第2の物理化学的性質に基づき候補リガンドを分割し、第2排出流120を生成させる。
種々の実施態様において、時には、第1カラム114と第2カラム118の間にインターフェース122があって、第1排出流116の中の溶剤を第2カラム118に案内するために調節する。場合により、最初に多段バルブ分配器124を第1カラム114と第2カラム118の間に配置してインターフェース112への第1排出流116を検出器125に送り、そこで若しリガンドが存在すれは排出流116を再び弁124に案内し、若しリガンドが存在しなければ排出流116を排水流126に導く。

0058

多段バルブ分配器124は二つまたはそれ以上の可能なバイパス配置をとることができ試料制御器128によって制御される回転式多段ボート弁であってもよい。
第2排出流120は場合により、第2排出流120を第3カラム132に送る第2多段バルブ分配器130に案内される。選択されたリガンドを含有する第3排出流134の試料は場合により第3試料分配器140に挿入され、次にリガンドの電荷対質量比を測定するために質量分析器136に送られる。ディスプレイ138がこれに連結されている。
異なる実施態様において第1カラム114は第1の物理化学的性質に基づいてライブラリを分割するためのアフィニティカラムであり、第2カラム118は第2の物理化学的性質に基づいて第1排出流116を分割するためのもう一つのアフィニティカラムである。第3カラム132は所望のリガンドを第3排出流134の中に溶離する前に所望のリガンドを蓄積することのできる逆相カラムであってもよい。
別の実施態様において、第1カラム114はサイズに基づいて分割することのできる透析またはサイズ排除システムであってもよい。第2カラム118は第2の物理化学的性質に基づいて分割することのできるアフィニティカラムである。

0059

本発明の装置のもう一つの実施例配置において(図4)、種々の溶剤タンク146が弁148を経由して弁150に連絡している。試料は試料入力112を通って案内され、弁150で溶剤と結合される。この溶液は次に第1カラム114に案内され、次に排出流116が弁124を通って検出器125に導かれ、そこで、若しリガンドが存在すれば排出流116は弁124に再び案内され、若しリガンドが存在しなければ排出流116は廃水流126に導かれる。別法として、または付加的に、排出流116は、弁124を通ってシステムに再び案内される前に、希釈し、脱塩し、または有機溶剤を排出流116から除去するのに適している第2カラム118に導入してもよい。次に排出流152は第3カラム132に案内される。第3排出流134は次に分配器140に案内され、試料は質量分析器136に導かれ、最終的に排出ディスプレイ138に情報が伝達される。

0060

【実施例】
実施例1:標的としてβ−エンドルフィンに対する抗体を使用する合成ペプチド結合ライブラリ(SPCL)のスクリーニング
実施例1A:標的を固定化したアフィニティカラムおよび対照カラムの作製
ヒトβ−エンドルフィンにする対し、選択したモノクローナル抗体(mAb)(マウスIgG2a、クローン3E−7、ベーリンガーマンハイムインディアナポリス、IN)を作製した。このモノクローナル抗体はβ−エンドルフィンのアミノ末端YGGFL識別する。市販のmAb(H2O1mlに280mgを再縣濁)を、BioCADTMワークステーション(PerSeptive Biosystems、米国マサチュセッツ州フラミンガム)に10×100mlを注入して、POROS(還流クロマトグラフィ媒質に結合したプロテインGからなるXLカートリッジ(2.1×30mm)(PerSeptive Biosystems、米国マサチュセッツ州フラミンガム)に通した。プロテインGは抗体のFc領域と高い親和性で結合する。次に、XLカラムに添付の物質を使用して、標準法で、mAbをプロテインGに架橋結合させた。簡単に述べると、この操作は、カラムに架橋結合溶液(100mMトリエタノールアミン、pH8.5、7.8mg/mlジメチルピメリミデートDMP))14mlを流速0.5ml/分で流すことからなった。次に、100mMのモノエタノールアミン(pH9.0)2mlを注入して、架橋結合試薬を停止させた。センサカートリッジを流速0.5ml/分のPBS(pH7.4)で2分間洗浄した後、停止溶液をさらに2ml注入して、上記のように洗浄した。流出物をSDS−PAGEにかけると、クーマシ染色に反応しないことから、抗体は効率よくカラムに固定化された。2番目のXLカラム(抗体を含まない)をアフィニティ・カラムの場合と同様に、架橋結合試薬で処理し、洗浄し、「対照カラム」として使用した。

0061

実施例1B:既知のエピトープを使用した固定化した標的の対照スクリーニング上記で作製した標的を固定化したアフィニティカラムを、図5に示す配置を使用して、BioCADTMワークステーションのvydac逆相C−18カラムに対し、タンデムモードで垂直においた。この配置により、mAbカラムに結合した物質を直接、vydacカラムに直列に溶離しながら、アフィニティカラムとvydacカラムを独立して平衡化し、洗浄することができた。ここで、逆相vydacカラムはアフィニティカラムとは独立して溶離することができた。
固定化抗体のそのエピトープYGGFLへの結合を調べるために、合成ペプチドYGGFL(Sigma Chemical社、米国ミズーリ州セントルイス;1mg/mlPBS、pH7.4)をアフィニティカラムに流速0.2ml/分で注入した。10カラム容積(CV)のPBS(pH7.4)で洗浄した後、12mMの塩酸でアフィニティカラムから結合ペプチドを直接vydac C−18カラムに溶離した。この逆相カラムをアセトニトリル勾配(18分間かけて4%ACN/12mMHClから80%ACN/6mMHCl、流速1ml/分)で展開した。両方のカラムをそれぞれの出発バッファで再度平衡化してから、次の注入を行った。

0062

実施例1C:可溶性ペプチド結合ライブラリ(SPCL)の合成
一般式NH2−XXXFL−COOH(式中、Xはシステインおよびトリプトファン以外の任意の天然L−アミノ酸)のSPCLを記載(Sebestyen, F.他、Bioorganic Med. Chem. Letts. 3; 413−418, 1993参照)に従って合成した。標準法に従って、ペプチドを、「試薬B」を使用して樹脂から切り離し、エーテル中に沈殿させた。各ペプチドの量を計算すると、ライブラリ中の約5832個の可能な配列のそれぞれについて理論値70nmolが得られた(合成の各ステップで各アミノ酸が等モルで結合し、エーテル沈殿で各ペプチドの回収が比較的等しいと仮定する)。標準のHP2.2ケミストリーを使用するHewlett Packard G1000Aタンパク質配列決定装置(Hewlett Packard、米国カリフォルニア州パロアルト)で配列決定することにより、免疫アフィニティによる精製で得られた個々のペプチドの配列または未精製ライブラリの「集合」配列(pool sequence)を得た。

0063

実施例1D:対照結合実験
第一ステップとして、XLカートリッジに固定化したmAbがペプチドYGGFL結合能を保持しているかを検討した。ペプチド溶液(20nmol)をアフィニティカラムに注入し、次にカラムをPBS(pH7.4)で洗浄して、未結合のペプチドを除去した。抗体にアフィニティ捕捉されたペプチドを「標的カラム」から直接、C−18カラムに溶離し、分離した。回収されたペプチドの量をピーク面積から計算すると、約1.2nmolであった。アフィニティカラムにロードしたmAbの量に基づく理論的結合能は3.8nmolで、mAbの結合部位の約25%が配座活性型(conformationally active form)として使用できることを示している。

0064

実施例1E:標的固定化アフィニティカラムの結合能の測定
BioCADTMワークステーションのローディングテンプレートを使用して、より大量のペプチド(YGGFL)の注入量を増やし、カラムの結合能を調べた。(ピークの高さから計算した)結合ペプチドの量は約1.2nmolで飽和に達した。興味深いことに、抗体に結合したペプチドの量はペプチド注入に使用した流速には依存しなかった。流速を0.2ml/分から5ml/分に上げても、回収に影響はなかった。この結果は、還流用充填物質と溶離条件を使用すると、ローディングの間に、ペプチドと抗体が迅速に相互作用することを示唆している。このペプチドのEC50値(飽和量の50%)は約30nmolであった。この値は、競合放射性標識結合アッセイ(Lam他、Biorganic Med. Chem. Letts.3:419−424(1993)参照)により、YGGFLペプチドの3E−7への結合について既に測定した親和性定数とよく相関している。

0065

実施例1F:標的固定化アフィニティカラムを使用するSPCLのスクリーニング
最初に、XLカラムから結合物質を溶離するのに使用した条件と同じ条件で、少量のアリコートをvydac C−18カラムに流し、ライブラリの多様性をまず評価した。指示した波長で有意な吸収を示すピークが多数あることはライブラリの多様性を示している。
精製YGGFLをmAbカラムに結合させるために確立した条件を使用し、XXXFLライブラリを、標的固定化mAbアフィニティカラムで認識される部分についてスクリーニングした。ライブラリ(各ペプチドを2.8nmol含有する)を「標的カラム」にかけ、未結合の物質を10カラム容積のPBS(pH7.4)で洗った。最後に、アフィニティ結合した物質を12mMのHClで直接vydac C−18カラムに溶離した。C−18カラムを(上記のような4−80%のACN勾配で)溶離すると、約10−12個の分解可能な(resolvable)ピークが明らかとなった。この溶離プロフィールは、観察されたピークの1つが純粋なYGGFLと同等の保持時間を有することを示している。免疫アフィニティカラム用に選択した洗浄条件(10CV)を使用したところ、各ペプチド5800個を持つ可能性のあるライブラリから1つの部分を選択的に識別することができた。単離したYGGFLの同定は、質量分析およびペプチド配列決定により確認した。

0066

実施例1G:対照
標的固定化アフィニティカラムのYGGFLに対する特異性を確認するために、実験1で調製した対照カラムを使用して、市販のペプチドのサンプルとライブラリ(XXXFL)を平行実験で分析した。ピークがYGGFLに対応していることを除き、クロマトグラムは等しかった。

0067

実施例2
標的としてエンドトキシンリポポリサッカライド)を使用するペプチド結合ライブラリのスクリーニング
実施例2A:予備実験
いくつかのペプチドを含む数種の薬剤はエンドトキシンと結合し、動物でエンドトキシンの致死的作用を減弱させる。しかし、これらの薬剤は固有の毒性を持つため、使用が限定される。(ポリミキシンB(PmxB)の核部分と同様の)一般式XXXFLを有する直線状のSPCLを、LPSに結合可能な部分について、また2つのシステイン分子間のジスルフィド結合により環化されている一般式CXXXCの環状ライブラリについて、スクリーニングした。
BioCADTM20ワークステーションのPOROS(カラムを使用するタンデムカラム法を用いた。カラム1は弱い陰イオン交換カラム(PI/M;4.6×100mm)であり、カラム2は逆相カラム(R2/H;4.6×100mm)であった。LPSに結合できる薬剤はある程度陽イオン特性を有しており、必ずしも弱い陰イオン交換カラムに結合するとは予想されないことが既に明らかにされているため、弱い陰イオン交換カラムをカラム1として選択した。先ず、ペンタミジンおよびポリミキシンB(LPSの脂質A領域に結合することが既に示されている)の分子は、LPSの存在下で予めインキューべーションした後のみ、使用した条件下で、カラム1に保持されることが示された。しかし、LPSの脂質A領域に電荷を帯びたリン酸基が2つあるため、LPSはこのカラムと相互作用すると予期された。従って、LPSと結合できる陽イオン分子は、LPSと結合している場合にのみ、カラム1に保持される。カラム1に保持された物質はカラム2に直接溶離されて、そこで捕捉される。カラム2を溶離すると、カラム1で得られたピークを分解することができる。

0068

実施例2B:XXXFLライブラリの合成
Advanced Chemtechライブラリアンペプチド合成装置で、標準法を使用し、Fmoc−Leu WANG樹脂上にライブラリXXXFLを作製した。約5800個のペンタマーからなるライブラリは、スクリーニングする前に、弱い陰イオン交換カラムでの保持に基づいて陰イオン画分と陽イオン画分に分けた(50mMのトリス(pH6.7)で注入したときに、カラムに結合する物質を陰イオン画分と表し、カラムを通過する物質を陽イオン画分とした)。このパラダイムを使用して、陽イオン画分のみをスクリーニングした。しかし、2つの画分のピーク面積に基づくと、陽イオン画分は全ライブラリの3分の2を超えた。

0069

実施例2C:XXXFLライブラリのスクリーニング
LPS結合用ライブラリのスクリーニングを下記のように実施した。XXXFLライブラリの陽イオン画分を、50mMトリス(pH6.7)中で、1ml中1〜3mgのLPS(血清型O55;B5;Sigma Chemical社、米国ミズーリ州セントルイス)と共にインキュベートした(室温、30分間)。この時点で、インキューベーション混合物を、(同じバッファで平衡化させた)BioCADTMワークステーションのカラム1に注入し、流した。カラムでの流速は4ml/分であった。適当なカラム容積数の平衡化バッファ(1CV=1.66ml)で洗浄した後、カラムをパージし、溶離プロセスの間にカラム1に直列カラム2のスイッチを入れることにより、(8mMのHClと1MのNaClで)カラム2に直接溶離した。12mMのHCl水溶液から80%ACN、6mMHClの勾配を使用して、カラム2に捕捉された物質を溶離した。ピークを集め、vydac C−18カラム(4.6×250mm)に再度かけてさらに精製し、質量分析(VoyagerTM MALDI−TOF機器;PerSeptive Biosystems、米国マサチュセッツ州フラミンガム)およびペプチド配列決定(Hewlett Packard)で分析した。同定されたペプチドを合成し、これらの分子のLPSの脂質A領域への結合を、PmxBまたはペンタミジンのこの部位に対するペプチドとの競合能の測定により確認した。
さらに、カラム2に溶離する前にカラム1を洗浄するために使用するカラム容積数を増やすと、その後のこれらの分子の回収率が低下したが、これはカラム1でこれらの薬剤がLPSから解離されたためであろう。これらの薬剤のピークを減らすのに必要な洗浄容積数は、報告されたこれらの薬剤のLPSへの親和性と相関した。カラム1を42CVで洗浄すると、PmxB(Kd0.4mM)は50%減少したが、ペンタミジン(Kd100nM)を同様に減少させるにはより多くの洗浄を要した(46CV)。高い洗浄容積に露出すると、親和性の高いペプチドのみが保持されたことから、この方法を使用して、ライブラリのどのピークがLPSと高い親和性で結合できるかを迅速に調べることができた。親和性の高いピークは、同じ条件下での低下率が低いため、カラム1を洗浄するのに使用したCVの数に対してプロットした、逆相カラムから溶離された各ピークのピーク面積(または高さ)の相対的な減少を使用して、親和性の高いピークを識別することができる。XXXFLライブラリからのこのような3つのピークとCXXXCライブラリからの3つのピークをさらに精製し、MSおよびペプチド配列決定により特性化した。XXXFL候補物質についての配列決定データの結果はRRRFL、RRKFLまたはKKRFLの構造を示唆した。後者のペプチドを合成したが、上記と同じパラダイムを使用してLPSに結合することが示された。しかし、このペプチドは競合実験でペンタミジンと置換されるが、そのLPSに対する親和性は後者の分子より非常に低い。他のペプチドを合成し、同様の方法で検討されるであろうが、考えられた別の方法は、最も高い親和性を有する成分を同定するために式ZZZFL(式中、ZはRまたはKを示す)のサブライブラリをスクリーニングすることであった。環状ライブラリから精製した候補物質については、配列決定を待っているところである。

0070

実施例2D:親和性に基づくスクリーニング:高親和性バインダーの選択:洗浄容積の影響
逆相(RP)カラムに対して垂直に配置したアフィニティカラムからなるタンデムカラムを使用し、アフィニティカラムの洗浄容積に基づいて親和性が公知のバインダーを選択するライブラリをスクリーニングすることができる。
BioCADTMワークステーションはタンデムカラム配置で垂直構造をしている。カラム1は固定化したrHsp70アフィニティカラム(2.1×30mm)であり、カラム2はPOROS(R2逆相カラム(2.1×100mm)であった。アフィニティカラム(カラム1)をスクリーニングバッファで洗浄後、ライブラリ(天然タンパク質消化ライブラリ[PDL]、100μg)を流速0.2ml/分でアフィニティカラムに注入した。次に、アフィニティカラムを、スクリーニングバッファのカラム容積(CV)数を上昇させて(5、10、20および40)、0.2ml/分で洗浄した。(1CV=100ML)次に、POROS(R2カラムをアフィニティカラムの直列下流でスイッチを入れた。バインダーを酸でアフィニティカラムから直接、直列のRPカラムに溶離させた。アフィニティカラムのラインを切り、スクリーニング用バッファに戻した。最後に、POROS(R2カラムをTFA(0.1%)中のアセトニトリルの上昇勾配(0−80%)で溶離した。
図6は、この実験のRPカラムの部分を示しており、すなわち、種々の洗浄容積を使用した後、PDLからのrHsp70アフィニティカラムで選択した後の直列RPカラムへの溶離を示している。40CVでは1つのピークのみ選択され(「**」は高親和性バインダーを示す)、このピークで示されるタンパク質はrHsp70に対し高い親和性を有することを示唆している。洗浄容積が低い、例えば5CVの場合には、他のピーク(「*」は親和性の低いバインダーを示す)が認められる。これらのピークは洗浄容積が10CV以上のときには認められず、親和性の低いバインダーであることを示している。

0071

実施例2E:減法スクリーニング:標的特異性バインダーの選択
多標的カラムフォーマットを使用して、1つのステップで、リガンドをある標的への結合能と第二標的への非結合能についてスクリーニングすることができる。この手法は一般に、2つの異なる標的を識別するバインダーの選択に使用できる。例えば、野生型のタンパク質と変異型のタンパク質を識別するバインダーを選択できる。他の例では、病原性標的とは結合するが、相同の宿主標的には結合しないリガンドを選択することができる。サブトラクションは1つのクロマトグラフィステップで実施することができ、また同時にクロマトグラフィを実施し、分析のレベルで引き算することもできる。
SECサブトラクティブ減法スクリーニングプロトコールと、宿主タンパク質としてヒトHsp70、病原性標的として大腸菌(E.coli)のDnaKを使用してライブラリをスクリーニングした。BioCADTMワークステーションをタンデムカラム配置に垂直に配置した。カラム1はサイズ除外カラム(SEC)であり、カラム2はPOROS(R2逆相(RP)カラム(2.1×100mm)であった。タンパク質(50μg)をライブラリ(100μg)と共に予めインキュベートし、サンプル(100μl)を流速1ml/分でSECに注入した。タンパク質のピークを質量分析のために収集するか、SECの直列下流でPOROS(R2カラムのスイッチを入れた。タンパク質のピークを直接直列RPカラムに切り取り、SECをオフラインで得た。次に、POROS(R2カラムをTFA(0.1%)中の上昇アセトニトリル勾配(0−80%)で溶離した。最後に、SECをスクリーニングバッファで平衡化した。
rHsp70およびDnaKから溶離されたペプチド全体をMALDI−TOFで分析した。図7、8、9および10はこの実験のMALDI−TOFスペクトルを示している。PDLと共にインキュベートしたrHsp70サンプルには(図7)、rHsp70(図8)およびPDL(図9)のみの対照インキュベーションで見られなかった多数のピークが認められた。このことは、これらのペプチドがrHsp70自体に結合していることを示すか、結合ライブラリと未結合ライブラリとの分離が不十分であることを示している。PDLと共にインキュベートしたDnaK(図10)もこのライブラリ由来のペプチドと結合する。DnaKは種々の組み合わせのペプチドと結合するが、その一部はrHsp70と共通である。

0072

実施例2F バイモレキュラースクリーニング:部位特異的バインダーの選択
RPカラムに対し直列に垂直になっているアフィニティカラムからなるタンデムカラムを使用して、標的分子と公知のリガンドの両者を含有するカラムからの溶離液と標的分子のみを含有するカラムからの溶離液を比較することにより、標的分子の特異的部位に結合するリガンドのライブラリをスクリーニングすることができる。
レクチンコンカナバリンA(ConA)を使用した。標的と相互作用する成分の混合物をスクリーニングするバイモレキュラー法の例として、ConAの糖部分に対する特異的な結合についてリガンドをスクリーニングした。ビオチニル化したサクシニルConAをストレプトアビジンPOROS(支持体(BAカートリッジ、2.1×30mm)に固定化した。配列XXXXX(式中、Xはシステイン以外の20個の天然アミノ酸である)からなるライブラリをアフィニティカラムに通し、次いで、この支持体と相互作用する物質を溶離し、RPカラムで捕捉した。糖結合部位に特異性を有するリガンドを同定するために、ペプチドライブラリを、ConAのリガンド(メチル−α−D−マンノピラノシド、33mg/ml)の存在下および不在下で試験カラムに通した。カラムをCABバッファ10CV(0.2ml/分)に露出した後、残りのペプチドを酸でRPカラムに溶離した。これらのペプチドはアセトニトリル勾配を使用してRP HPLCカラムから溶離し、画分を採取して、集め、配列を決定した。各アミノ酸の回収率は配列決定の各サイクルで回収されるアミノ酸の総量に対するパーセントで表した(AA%)。各アミノ酸についてアミノ酸の豊富さは次のように表した。
AAの豊富さ     (糖のない場合の)テストカラムから

このように、各サイクルからの各AAの回収をランク付けし、このデータから、各サイクルでAA回収率の最も高いアミノ酸5個のペプチドの配列を「命名」した。
図11はこのデータの結果を示す。このデータから、ペプチドHHRSYを、糖の存在下で、カラムの糖がAA%に対して足りないときに、AA%が最も上昇するアミノ酸からなるものと「命名」した。このペプチドを合成し、その結合能を特性化すると、このペプチドはカラムに固定化されたConAに対して特異的に結合できるが、対照のカラムにはほとんど結合しないことが明らかとなった。さらに、高濃度の競合糖リガンドが加わると、このペプチドがいくらか置換された。これらのデータは、スクリーニングにこの生体分子法を使用することにより、分子上の特異的部位のリガンドを同定できることを示唆している。

0073

実施例2G:IgGの精製
固定化したプロテインAおよびプロテインGは従来から血清腹水ハイブリドーマ細胞培養上清からの免疫グロブリン(IgG)の精製に使用されている。固定化されたタンパク質がカラムから浸出しやすく、結合したIgGの溶離に必要な酸性条件が適合しないことから、この実施例では、プロテインAおよびプロテインGへの別法を提供する。
標的としてIgGをスクリーニングするために、次のソース、(1)一般的なタンパク質の天然ペプチドライブラリ、(2)ポリクローナル抗体ライブラリおよび(3)プロテインAおよびプロテインG消化産物のそれぞれからペプチドライブラリを作製した。上記各ライブラリは、マウスIgG(分子全体)またはマウスIgGのFcフラグメントと特異的に結合するペプチドについてスクリーニングした。2つのスクリーニング手順の1つは、(i)溶液層ペプチドスクリーニングまたは(ii)固相ペプチドスクリーニングであった。溶液相ペプチドスクリーニングでは、ペプチドライブラリを溶液中でマウスIgG(全体またはFc画分)と共にインキューベーションし、酸性条件下で、従来型の逆相クロマトグラフィ手法により、IgGおよび結合したペプチドを未結合ペプチドから分離し、さらに、タンパク質と結合ペプチドとを分離した。固相ペプチドスクリーニングでは、ペプチドライブラリを生理学的条件下で固定化したIgGカラムに通し、酸性条件下で結合ペプチドをRP HPLCカラムに溶離した。上記スクリーニング法のいずれかで選択したペプチドを質量分析(MALDI−TOF)およびエドマン配列決定法で特性化した。次に、このペプチドをPOROS(の媒質に固定化し、血清由来のIgGに対する特異性、選択性および結合能を評価した。選択したペプチドの一部について、種々の結合化学直接合成またはオフライン固定化)、リガンド密度の影響、活性化の化学、IgGとの相互作用の性質を検討した。

0074

実施例3:スクリーニング
特記しない限り、すべてのタンパク質およびバッファ用試薬はSigma Chemical社(米国ミズーリ州セントルイス)から入手した。高IgG(Fc特異性)抗体はBiodesign International(米国メイン州Kennebunk)から購入した。SECおよびRPクロマトグラフィによるスクリーニングは、INTEGRALTMクロマトグラフィワークステーション(PerSeptive Biosystems社、米国マサチュセッツ州フラミンガム)で実施した。RPカラムとタンデムに並んでいる固定化標的(IgG)カラムによるスクリーニングはBioCADTMワークステーション(PerSeptive Biosystems社、米国マサチュセッツ州フラミンガム)で実施した。サイズ排除カラム(Superdex 200 HR 10/30,分子排除限界150,000ダルトから6000ダルトン)はSupelco(米国ペンシルベニア州Bellefont)から入手した。VydacRP C18カラム(4.6mD×mmL)はSeparation Science(米国カリフォルニア州Hesperia)から入手した。POROS(セルフパッケージデバイス、POROS(−プロテインA、POROS(HQカラムおよびPOROS(CMカラムはPerSeptive Biosystems社(米国マサチュセッツ州フラミンガム)から入手した。質量分析は、PerSeptive Biosystems社/Vestec Mass Spectrometry Products(米国マサチュセッツ州フラミンガム)の線形アナライザと337nm窒素レーザを備えたVoyagerTM BioSpectrometryワークステーションで実施した。エドマン分解によるペプチド配列決定はHewlett PackardのシリーズII 1090液体クロマトグラフィで実施した。SDSゲル電気泳動キットはNovex Biochemicals(米国カリフォルニア州サンジエゴ)から入手した。

0075

3A:ペプチドライブラリの作製
1)天然ペプチドライブラリ:23個のタンパク質を使用してペプチドライブラリを作製した。23個のタンパク質各60mgを室温で30分間、6N塩化グアニジンと混合させた。36mMのEDTAと30mMのジチオスライトールを混合物に加え、室温でさらに1時間インキュベートした。タンパク質を変性させ、ジスルフィド還元した後、30mMのヨードアセトアミドを混合物に加え、常に振とうしながら、37℃で一晩インキュベートした。タンパク質混合物を透析し、凍結乾燥させ、3つのバッチに分けて、37℃で24時間酵素で消化した。1つのバッチはトリプシン(タンパク質対トリプシン比25:1w/w)、2番目のバッチはキモトリプシン(タンパク質対キモトリプシン比15:1w/w)、3番目のバッチはトリプシン(1:25w/w)とキモトリプシン(1:15w/w)の両者で処理した。使用した消化用バッファは、0.12mMの塩化カルシウムを含有する0.1M重炭酸アンモニウムバッファ(pH8.3)であった。24時間後、2つのバッチを90℃で30分間熱処理して、酵素を不活化した。消化効率はRPクロマトグラフィとSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で評価した。
2)抗IgG(Fc特異的)ポリクローナル抗体ライブラリ:抗IgG(Fc特異的)ポリクローナル抗体をウサギヤギおよびヒツジから得た。各ポリクローナル抗体30mgを、上記のように、変性させ、還元し、アルキル化した。混合物をトリプシン(酵素対タンパク質比1:25)で処理し、消化産物を集めて、凍結乾燥した。
3)プロテインAおよびプロテインGの消化産物:組み換えプロテインAおよびプロテインG各1mgを、上記のように、変性させ、還元し、アルキル化した。変性したタンパク質と天然のプロテインAおよびプロテインGそれぞれ15mgを、上記のように、トリプシン(酵素対タンパク質比1:25)およびキモトリプシン(酵素対タンパク質比1:15)で一晩処理した。得られた無傷のタンパク質および変性タンパク質の消化産物を集め、凍結乾燥した。
3B:ペプチドライブラリの多様性:

0076

各ペプチドライブラリの多様性を検討するために、ライブラリの作製に使用したすべてのタンパク質の配列をEntrezプログラムで得て、GPMAWプログラムで検索した。GPMAWプログラムは酵素的消化をシミュレートし、3つのバッチの消化でそれぞれ生成される可能性のあるすべてのペプチドの数、配列および質量に関する情報を提供する。この情報は、多様性の程度の予測およびスクリーニング後に得られたペプチドの源、質量および配列を確認するのに非常に有用であった。
3C:IgGの固定化
1mgのPOROS(EP(エポキシ)をIgG20mg含有0.1Mリン酸バッファ(pH9)5mlに縣濁した。ビーズを十分縣濁させた後、2MのNa2SO4を含有する0.1Mリン酸バッファ(pH9)4mlを混合物に加え、室温で一晩振とうした。次に、ビーズを10mMのPBS(pH7.5)で洗浄し、カラムに充填するまで冷蔵庫に保存した。
3D:ペプチドスクリーニングプロトコル
1)サイズ排除逆相カラムによる溶液相ペプチドスクリーニング:マウスIgG(全体)またはFcフラグメントのいずれか各5mgをそれぞれ天然ライブラリ、プロテインAの消化産物およびプロテインGの消化産物20mgと共にインキュベートした。混合物を25mMリン酸ナトリウムバッファと0.15MのNaClの混合物(pH7)1mlに4℃で一晩溶解させた。インキュベーション後、各操作の間に、タンパク質とペプチドの混合物をSuperdexカラムに注入して、Superdex SECおよびRPカラムで数回クロマトグラフィを実施した。Superdexカラムの流速は0.75ml/分で、25mMリン酸ナトリウムバッファと0.15MNaCl(pH7)の混合物を使用した。初期に溶離されたタンパク質のピークを直接RPカラムに集めた。ピークの残りの部分をSECから洗い流した。次いで、マウスIgG(全体)またはFcフラグメントおよびそれに結合するペプチドを次の条件でRPカラムから溶離した。
流速:   1ml/分
溶媒A: 0.1%TFA/DIW
溶媒B: 0.1%TFA/85%ACN/15%DIW
勾配条件:30CVでは0−100%B
01.5mlの画分を集め、凍結乾燥した。
同様の条件で次の対照をSEC−RPカラムにかけた。
対照1:マウスIgG(全体)またはFcフラグメントの溶離容積をカットオフとし、SECに通した、集めたペプチドの消化産物。共溶離ペプチドの対照とする。
対照2:カラムを通したマウスIgG(全体)またはFcフラグメント。タンパク質分解により生じるすべてのペプチド/フラグメントの対照とする。
対照3:0.1%TFA/DIWをRpカラムにブランクで通して、カラムがきれいであることを確認した。
結合ペプチドのピークに対応する画分を凍結乾燥し、MALDI−TOFで質量分析するために、0.1%TFA/DIWに再溶解した。
2)固定化したタンデム逆相カラムを使用する固相ペプチドスクリーニング:IgG活性化したPOROS(を、BioCADTM上でのSelf Pack(アセンブリを使用して、流速20ml/分で、4.6mmD×100mmLのPEEKカラムに充填した。10mMのPBS(pH7.5)0.5〜2.5mlに溶解した5〜50mgのペプチドライブラリ(天然ペプチドライブラリまたはポリクローナル抗体消化産物)を流速0.5ml/分でカラムに注入した。5CVのPBSで洗浄後、結合した部分を10mMのHClで溶離し、手動で集めた。画分を約500μlまで濃縮し、その少なくとも80%を4.6mmD×250mmLのVydac C18カラムに1ml/分の流速で注入した。RPカラムを0.1%TFA/DIWで平衡化し、流速1ml/分で0−40%のアセトニトリル勾配15CVでペプチドを溶離した。1mlの画分を収集した。結合したペプチドに対応する画分をSpeed Vacで濃縮し、MALDI−TOFおよびエドマン配列決定で分析した。非特異的結合の対照として、ペプチドライブラリをRPカラムに直列なPOROS(OHカラム(IgGなし)にかけた。

0077

3E:分析
1)マトリックス補助レーザ脱着/フライト間質量分析(MALDI−TOF MS):
使用したマトリックスは0.1%TFA/脱イオン水中50%のアセトニトリル1mlに溶解したα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸であった。ブラジキニンおよびインシュリン修正外部標準として使用した。
2)エドマン配列決定:標準プロトコールを使用してHP1090シークエンサで実施した。
3F:表面デザインおよびアフィニティクロマトグラフィ
1)N末端を介したペプチドの固定化:シアノホウ水素ナトリウム(NaCNBH3)100mgを含有する10mMのPBS(pH7.5)にPOROS(AL(アルデヒド)1gを懸濁した。種々のスクリーニング法で選択された各ペプチドを5〜20mg樹脂に加え、混合物を室温で一晩振とうした。次に、ホウ水素化ナトリウム(NaBH4)100mgを加え、混合物をさらに2時間振とうした。次いで、ビーズをPBSで洗い、POROS(Self Pack(デバイスを使用して4.6mmD×100mmLのカラムに充填した。
2)POROS(でのペプチドの直接結合性:プロテインAおよびプロテインGの消化産物から選択した19量体ペプチド(TVTEKVIDASELTAVT)を、標準のFMOC化学により、20μmのアミン官能化粒子上で直接合成した。約700mgの樹脂を、2μmのフリットを有する4.6mmD×50mmLのPEEKカラムに充填した。充填したカラムに、PerSeptive Biosystems 9050と連続フローペプチド分析器に適したアダプターを付けた。合成が終了したら、樹脂を乾燥させ、95%TFA/5%トリイソプロピルシランを使用して、24時間脱保護した。親和性支持体を評価するために、POROS(Self Pack(カラム充填デバイスを使用して、流速10ml/分で、最終的なペプチド支持体抱合体を4.6mmD×50mmLのカラムに充填した。
3G:分析法
1)ペプチドカラムでのヒト血清からのIgG(全体)の作製:10分の1に希釈した血清100μlを、流速5ml/分での20mMトリス(pH8.0)で平衡化したペプチドカラムに注入した。結合したタンパク質は15CVの0−1MのNaCl勾配で溶離した。画分を手動で集め、次のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析のためにSpeed Vacで濃縮した。
2)POROS(−プロテインAカラムでのヒト血清からのIgG(全体)の精製:10倍希釈した血清100μlを、5ml/分の流速で0.15MのNaClを含有する10mMリン酸バッファ(pH7.5)で平衡化したプロテインAカラムに注入した。注入し、5CVで洗浄後、結合したタンパク質を10mMのHClを使用して、1つのステップで溶離した。結合した画分を集め、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。
3)POROS(−ペプチドでのIgG(全体およびFcフラグメント)の精製(TVTEKPEVIDASELPAVT)カラム:19量体ペプチドカラム(4.6mmD×50mmL)を平衡化バッファである20mMトリス(pH7)20CVで平衡化した。下記の1mg/mlの各サンプル約500μlを19量体ペプチドカラム(4.6mmD×50mmL)に注入した。(1)ヒトまたはマウスまたはニワトリ由来の純粋なIgG、(2)IgA(分子全体)、(3)ヒト血清、(4)ウシ胎児血清(10倍希釈)または(5)1mg/mlのマウスIgG、Fcフラグメント500μl。注入後、カラムを20mMトリスバッファと0.4MのNaCl(pH7)の混合物20CVで洗った。残りの結合したタンパク質を20CVの12mMHClで洗った。対照のPOROS(−NH2(ペプチドなし)カラムを使用した実験も同様に実施した。結合した画分を集め、SDS—ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。
4)POROS(でのヒトIgG(全体)およびマウスIgG(全体およびFcフラグメント)の精製
プロテインAカラム:POROS(—プロテインAカラム(2.1mmD×30mmL)を20CVの20mMトリス(pH7)で平衡化した。1mg/mlの下記の各サンプル約500μlをPOROS(−プロテインAカラム(2.1mmD×30mmL)に注入した。(1)純粋なヒトIgG(分子全体)、(2)ヒト血清(10倍希釈)、(3)1mg/mlのマウスIgGのFcフラグメント500μl。注入後、カラムを20mMトリスバッファと0.4MのNaCl(pH7)の混合物20CVで溶離した。残りの結合したタンパク質を20CVの12mMHClで洗った。対照のPOROS(−OH(ペプチドなし)カラムを使用した実験も同様に実施した。結合した画分を集め、SDS—ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。
5)SDS—ポリアクリルアミドゲル電気泳動:塩および酸で溶離した結合画分を、還元条件下で、4−20%または12%(1mm×10cm)でのトリスグリシンプレキャストゲルでSDS—ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた。サンプルの調製、染色および脱染色はメーカーの支持に従って実施した。

0078

天然ペプチドライブラリ:
天然ペプチドライブラリを使用したマウスIgG(全体およびフラグメント)の溶液相および固相ペプチドスクリーニングのいずれでも、質量1633ダルトン、アミノ酸配列CAQCHTVEKのペプチドが1つ得られた。データベースを検索すると、このペプチドは、タンパク質のアミノ酸位置14位と17位の2つのシステインが共有結合している、ヘム基を有するチトクロームC(ライブラリのタンパク質の1つ)のトリプシン消化産物であることが明らかとなった。
ヘム基を有するCAQCHTVEKペプチドをN末端を介してPOROS(AL(アルデヒド)に固定化した。このPOROS(−ペプチドの抱合体を使用して、0−1MのNaCl勾配(pH8)で血清からIgGを分離した。pH8では、IgGはPOROS(−プロテインAカラムで分離されたIgGと同等の純度まで精製された。POROS(−ペプチドカラムの結合能は10mg/mlカラム容積と測定され、これはPOROS(−プロテインAカラムの結合能と同程度であった。相互作用の性質を決定するために、POROS(−ペプチドカラムで分離したIgGの精製プロフィールをPOROS(−CMおよびPOROS(−HQなどの標準的なイオン交換カラムで精製したIgGと比較した。結果は、同様の条件下では、ペプチドカラムは二次的な疎水性相互作用を有する強いイオン交換特性を示し、血清由来のIgGに対しどのイオン交換カラムよりも高い選択性を有することを示した。IgG結合の特異性および結合能に対する種々のペプチドのローディング密度(10mg/gPOROS(から100mg/gPOROS()の影響も検討した。IgG結合に対するペプチドの特異性も検討した。IgGに対するペプチドの特異性はリガンド密度の変化により変化することはなかったが、IgGの相互作用の性質は変化した。ローディング密度が低い場合(10mg/gPOROS(には、IgGは主として塩勾配による結合IgGの溶離に必要なイオン相互作用を介して結合した。ローディング密度が高い(100mg/mg)の場合には、IgGは強力に結合しており、酸性のバッファで溶離される。結合能は、リガンド密度が低いときの1−2mg/mlカラム容積からリガンド密度が高いときの30mg/mlカラム容積まで変化した。ヘムペプチドPOROS(は、非常に疎水性の高い条件(200mM硫酸ナトリウムバッファ(pH7))でのみ、HSAに非常に弱く結合した。
ヘムペプチドをヘムのカルボキシル基および遊離のC末端を介して固定した場合には、IgG結合は認められず、ペプチドの遊離カルボキシル基がIgGの結合に非常に重要であることを示している。
ヘムペプチドの非常に簡単なアナローグ(GAQGHTVEK)を合成し、N末端を介してPOROS(ALに固定した。pH8では、このGAQGHTVEK−POROS(抱合体は、POROS(−プロテインAカラムでヒト血清から精製したIgGに、かなり高い純度で、特異的に結合した。結合したIgGをGAQGHTVEK−POROS(カラムから100mMNaClにより溶離した。IgG結合能は5mg/mlカラム容積と測定された。20mg/gから40mgペプチド/gPOROS(のローディング密度を評価した。これらのリガンド密度では、IgG結合の特異性に影響はなかったが、結合能は低下した。

発明を実施するための最良の形態

0079

プロテインAおよびGの消化産物:
組み換えプロテインAおよびGの消化産物のFc結合ドメインとプロテインAのIgGへの結合に関与するアミノ酸は部位作用性変異(site−directed mutagenesis)によりマッピングされている(Fahnestock, S.R., Alexander, P., Nagle, J.およびFilpula, D., J. Bacter (1986) 167(3): 870−880)。しかし、IgGに結合するこれらの細菌タンパク質から単離されたペプチドの報告はない。無傷のおよび変性した組み換えプロテインAおよびGの消化産物をマウスIgG(Fc画分)に対して溶液相ペプチドスクリーニングにかけると、顕著な重複配列を有する4つのペプチドが同定された。これらのペプチドは、TVTEKPE、EKEPEVID、GDAPTPEKEPEASIおよびTVTEKPEVIDASELPAVTであった。この大きなペプチドの配列は質量分析データと相関した。これらのペプチドはいずれも典型的なトリプシン消化産物ではなく、これらのペプチドは無傷のプロテインGの消化産物から選択された可能性があることを示唆している。データベースを検索したところ、これらのペプチドはすべて、組み換えプロテインG由来であることが明らかになった。また、TVTE配列は組み換えプロテインGのFc結合ドメインの一部である。
TVTEKPEVペプチドを合成し、N末端を介してPOROS(に固定化した。このPOROS(−TVTEKPEVはPOROS(−プロテインA抱合体と同様の特異性で、pH8でヒト血清由来のIgGに結合することが発見された。結合したタンパク質は0−1MのNaCl勾配で溶離された。TVETEKPEVIDASELPAVTペプチドをC末端を介して、直接POROS(−NH2樹脂上で合成した。このペプチドはマウスIgGのFcフラグメントと低い結合能で、しかし高い選択性で結合した。結合したIgGは酸性バッファで溶離された。このペプチドはIgAよりIgGに対する選択性が高かった。ヒトIgGはウサギ、ヤギまたはマウスIgGより19量体カラムに対しより選択的に結合した。

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