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技術 色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板およびその製造方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 新頭英俊西村一実
出願日 2002年5月31日 (18年8ヶ月経過) 出願番号 2002-159260
公開日 2004年1月8日 (17年1ヶ月経過) 公開番号 2004-002919
状態 特許登録済
技術分野 化学的方法による金属質材料の清浄、脱脂
主要キーワード 本試験装置 直接原因 噴流装置 消費材 超音波振動装置 分析範囲 熱延加熱炉 電気炉製鋼
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2004年1月8日)のものです。
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図面 (6)

課題

鋼材中の Cuの質量%が0.03%以上なる普通鋼熱延鋼板酸洗後の色調を改善する酸洗鋼板およびその製造方法を提供する。

解決手段

鋼材中にCuを0.03質量%以上含有する普通鋼酸洗鋼板であって、酸洗後の鋼板表面をEPMAにより測定したCu濃度が5%以上である部分の面積率が10%以下であることを特徴とする色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板。塩酸または硫酸水溶液からなる酸洗浴中に、酸洗抑制剤および界面活性剤を含む酸洗浴中で40秒以上酸洗処理することを特徴とする色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板の製造方法。

概要

背景

熱延鋼板は、熱間圧延中鋼板表面に生成したスケールの除去、すなわちデスケーリングを主な目的として、一般に熱延後に塩酸または硫酸水溶液による酸洗が実施される。
しかしながら、主原料中のスクラップ配合比を5%以上とする製鋼法電気炉製鋼法、冷鉄源溶解法、Cupla溶銑転炉製鋼法高炉・転炉製鋼法等)においては、鋼材中の Cuの質量%が0.03%以上になることがあり、熱延加熱炉内での加熱過程で鋼材中の Cuがスケールと地鉄界面濃化する現象が従来から認められていた。このCuの濃化現象が起こると鋼板の割れ等の起点となることからCuをスケール中に取り込む熱延条件が選択されていた。

概要

鋼材中の Cuの質量%が0.03%以上なる普通鋼熱延鋼板の酸洗後の色調を改善する酸洗鋼板およびその製造方法を提供する。鋼材中にCuを0.03質量%以上含有する普通鋼酸洗鋼板であって、酸洗後の鋼板表面をEPMAにより測定したCu濃度が5%以上である部分の面積率が10%以下であることを特徴とする色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板。塩酸または硫酸水溶液からなる酸洗浴中に、酸洗抑制剤および界面活性剤を含む酸洗浴中で40秒以上酸洗処理することを特徴とする色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板の製造方法。 

目的

本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決し、鋼材中の Cuの質量%が0.03%以上なる普通鋼熱延鋼板の酸洗後の色調を改善する酸洗鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

鋼材中にCuを0.03質量%以上含有する普通鋼酸洗鋼板であって、酸洗後鋼板表面をEPMAにより測定したCu濃度が5%以上である部分の面積率が10%以下であることを特徴とする色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板。

請求項2

請求項1に記載の酸洗鋼板を製造する方法であって、塩酸または硫酸水溶液からなる酸洗浴中に、酸洗抑制剤および界面活性剤を含む酸洗浴中で40秒以上酸洗処理することを特徴とする色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板の製造方法。

請求項3

酸洗浴中に、さらに、硝酸を0.1〜1.0%含有する酸洗浴中で酸洗処理することを特徴とする請求項2に記載の色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板の製造方法。

請求項4

超音波振動装置または噴流装置により酸洗中の鋼板表面のCu置換析出反応を抑制することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鋼材中にCuを0.03質量%以上含有する普通鋼酸洗鋼板およびその製造方法に関する。具体的には、鋼材中のCuの質量%が0.03%以上となる普通鋼熱延鋼板酸洗デスケーリング後の鋼板表面の色調を改善する酸洗鋼板およびその製造方法に関する。

0002

熱延鋼板は、熱間圧延中に鋼板表面に生成したスケールの除去、すなわちデスケーリングを主な目的として、一般に熱延後に塩酸または硫酸水溶液による酸洗が実施される。
しかしながら、主原料中のスクラップ配合比を5%以上とする製鋼法電気炉製鋼法、冷鉄源溶解法、Cupla溶銑転炉製鋼法高炉・転炉製鋼法等)においては、鋼材中の Cuの質量%が0.03%以上になることがあり、熱延加熱炉内での加熱過程で鋼材中の Cuがスケールと地鉄界面濃化する現象が従来から認められていた。このCuの濃化現象が起こると鋼板の割れ等の起点となることからCuをスケール中に取り込む熱延条件が選択されていた。

0003

こうして鋼板表面のスケールと地鉄界面に濃化した Cuは、一般的な酸洗浴として使用される塩酸または硫酸水溶液内にあっては溶解されず、地鉄のみが優先的にエッチングされる。このため酸洗後の鋼板表面は不均一にエッチングされ、その結果、鋼板表面の色調が黒みを帯び、光沢の劣ったものとなる。
図1に、鋼板中のCuの質量%を変化させたときの、鋼板表面の色調の変化を示す。
板厚2.3mm、鋼材中のCuの質量%を、0.016%、0.035%、0.10%、0.17%なる4種類の熱延鋼板を塩酸水溶液にて酸洗した後、白色度尺度としてL*値を測定した。図1に示すように鋼材中のCu質量%の増大に伴いL*値は低下した。
ここに、L*値はCIE国際照明委員会)−1976およびJIS Z8729において採用された色の明度を表す指標であって、L*a*b*表色系を採用し、MINOLTA製 色彩色差計CR−300で測定した。

0004

熱延鋼板のスケールの除去を効率的に行うことで生産性を向上させるために従来から、例えば、(1)酸洗後の熱延鋼板を先ず粗リンス槽において粗洗浄した後、超音波リンス槽において超音波エネルギを付与しつつ洗浄する酸洗方法(特開平5−125573号公報)が提案されている。
また、酸洗鋼板の表面の色調を改善する方法としては、(2)酸洗後の熱延鋼板を第二鉄塩水溶液によりエッチングする酸洗方法(特開平11−131264号公報)がこれまで提案されている。
上記(1)の方法は、不均一酸洗によって鋼板に付着・残存しているいわゆるスマット類を物理的に除去するものであり、また(2)の方法は、普通鋼板を過剰にエッチングする技術であり、この過剰エッチングにより薬剤消費量が多くなるという問題点があった。なお、過酸洗を抑制するために酸洗浴に酸洗抑制剤有機インヒヒ゛ター)を使用する方法も開示されており、通常は0.1〜10g/l添加される。

背景技術

0005

なお、酸洗抑制剤は、有機系インヒヒ゛ターが望ましく、例えば、アミン誘導体メルカプトン類、サルファイド系、チオ尿素およびその誘導体が望ましいことも開示されている。
しかし、上記のいずれの方法も、鋼板表面に残存するCuの除去に着眼された対策には至っておらず、前記鋼材中の Cuの質量%が0.03%以上となる普通鋼熱延鋼板の酸洗後の色調改善は実現していなかった。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決し、鋼材中の Cuの質量%が0.03%以上なる普通鋼熱延鋼板の酸洗後の色調を改善する酸洗鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。

0007

本発明は、酸洗抑制剤、界面活性剤、好ましくは硝酸を含む酸洗液中で特定の条件で酸洗することによりCuの質量%が0.03%以上なる普通鋼熱延鋼板の酸洗後の色調を改善する酸洗鋼板およびその製造方法を提供するものであり、その要旨とするところは、特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。

0008

(1)鋼材中にCuを0.03質量%以上含有する普通鋼酸洗鋼板であって、酸洗後の鋼板表面をEPMAにより測定したCu濃度が5%以上である部分の面積率が10%以下であることを特徴とする色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板。
(2)(1)に記載の酸洗鋼板を製造する方法であって、塩酸または硫酸水溶液からなる酸洗浴中に、酸洗抑制剤および界面活性剤を含む酸洗浴中で40秒以上酸洗処理することを特徴とする色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板の製造方法。

課題を解決するための手段

0009

(3)酸洗浴中に、さらに、硝酸を0.1〜1.0%含有する酸洗浴中で酸洗処理することを特徴とする(2)に記載の色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板の製造方法。
(4)超音波振動装置または噴流装置により酸洗中の鋼板表面のCu置換析出反応を抑制することを特徴とする(2)または(3)に記載の色調性に優れたCu含有普通鋼酸洗鋼板の製造方法。

0010

まず、本発明者らは、酸洗鋼板表面の色調が黒くなる直接原因について調査した結果、黒い色調の鋼板表面には、綿状見え微細凹凸(以下、綿状残渣と呼ぶ)が無数に存在することを見出し、この凹凸により、鋼板表面で光が乱反射して色調が黒くなることを突き止めた。
さらに、この酸洗後の鋼板表面をEPMAにより線分析した結果、鋼板表面のCu濃度が5%以上である部分の面積率が10%以下であれば、鋼板表面の明度を示すL*値は55以上であることを見出した。

0011

ここに、EPMAとは、電子プローブマイクロアナライザーの略語であり、鋼板表面に存在する組成の面積率を測定することができる。測定条件は以下の通りとした。
装置:島津製作所製EPMA−1400
加速電圧:15KV、照射電流:30mA、
分析範囲:51.2×51.2μm(鋼板表面から測定)
分析時間:5ms/画素 画素数:256×256
試料の調整:酸洗後の鋼板を水洗温風乾燥し、テ゛シケーターに入れて後、本試験装置内で、鋼板表面を速やかに測定を行った。
なお、Cu濃度の解析には、本装置付随解析ソフトを利用して算出した。

0012

次に、この綿状残渣は、CuとFeとの不均一エッチングにより生成したものであることを見出し、このCuの析出を抑制する手法を検討した。
第一に、酸洗浴中に例えば、酸洗抑制剤を0.001〜0.1g/l(通常の1/10程度)添加することで溶解量を増加し、さらに、酸洗により鋼板表面に生成するFeC,FeCl2のような、いわゆる酸洗スマットを除去し易くするために例えばエチレングリコールのような界面活性剤を添加した。

0013

酸洗抑制剤の量が0.001g/l未満では抑制効果が全くなくなり、鉄の過剰消費を招くためコスト増大となる。また、0.1g/l以上では抑制効果が大きいためCuを含有する表面層を除去できない。
界面活性剤は、エチレンク゛リコール,ク゛リセリンなどが望ましく、添加量は0.001g/l以上必要である。上限は特にないが0.01g/l以上添加しても実質的に効果は変わらない。

0014

第二に、さらに、酸洗浴中にCuを除去するために硝酸を0.1〜1.0%添加した。
硝酸が0.1%未満では、L*値の改善効果が十分でなく、1.0%超添加すると過酸洗となってしまうからである。
第三に、酸洗中にCuの置換析出を抑制するために酸洗液中で超音波を発生させて液振動を起こさせる、または、噴流装置により、鋼板表面の酸洗液流速を高めた。
以上により、酸洗後の鋼板表面の色調を示すL*値を55以上に高めることができ、従来のL*値50に対して大幅な改善に至った。

0015

【実施例】
以下、本発明の実施の形態を図1図2図3、および図4の実施例を用いて詳細に説明する。
図1に、鋼板中のCuの質量%を変化させたときの、鋼板表面の色調の変化を示す。
板厚2.3mmの鋼板中の Cu質量%が0.016%、0.035%、0.10%、0.17%なる4種類の熱延鋼板をアミン誘導体を含む市販の酸洗抑制剤(スキムラ化学製:商品名AS20C)を抑制剤成分の重量が0.3g/lになるように添加した塩酸水溶液(85℃、8.5%HCL)中にて60秒間酸洗した後、白色度の指標としてL*値を測定した。図1に示すように鋼材中のCu質量%の増大に伴いL*値は低下した。

0016

図2は、酸洗後の鋼板表面のCu濃度・面積率とL*値との関係を示す図である。
酸洗後の鋼板表面をEPMAにより測定したCu濃度が5%以上である部分の面積率が10%以下であれば、L*値は55以上となった。
図3の右側のグラフは、鋼中のCuが0.17%の鋼板について、酸洗液に酸洗抑制剤を0.03g/lと界面活性剤(エチレンク゛リコール)を0.01g/l添加した場合のL*値を示す。
この結果、本発明例における酸洗後の鋼板表面のL*値は55以上となり、比較例の52に比べて著しく向上した。

0017

図4は、酸洗液に、さらに硝酸を添加した場合のL*値を示す図である。
酸洗抑制剤0.03g/lと界面活性剤0.01g/lを含む酸洗液中に硝酸を0.1〜1.0%添加して酸洗を行うと酸洗後の鋼板表面のL*値は60以上となった。

発明を実施するための最良の形態

0018

図5に示すように、酸洗抑制剤0.03g/lと界面活性剤0.01g/lを含む酸洗液中で超音波を発生させながら酸洗を行うと酸洗後の鋼板表面のL*値は65以上となった。
さらに、酸洗抑制剤0.03g/lと界面活性剤0.01g/l,硝酸を0.1〜1.0%添加して酸洗を行うと酸洗後の鋼板表面のL*値は70以上となった。
以上のように、鋼板表面のL*値が改善されるのは、本発明の酸洗条件により酸洗を行うことにより、鋼板表面の凹凸を形成している綿状残渣を少なくすることができるからである。
また、超音波振動装置や噴流装置を使用することによりL*値が改善するのは、超音波振動装置や噴流装置によって、鋼板表面に接触する酸洗液の流速が速くなり、鋼板表面におけるCuの析出が抑制されるからである。

発明の効果

0019

本発明によれば、鋼材中の Cuの質量%が0.03%以上なる普通鋼熱延鋼板の酸洗後の色調を改善する酸洗鋼板およびその製造方法を提供することができる。
国内での鉄鋼製品蓄積は、将来にわたって、建築構造物自動車家電製品等の消費材スクラッフ゜・タ゛ウンされるにあたって鉄スクラッフ゜の多量発生、蓄積が想定される。

図面の簡単な説明

0020

一方、これまで進められてきた建築構造物、自動車・家電製品等の高機能化高付加価値化は、素材構成を複雑化させ、スクラッフ゜中には鉄以外に銅・アルミ等の非鉄金属ならびに有機物無機物混入を回避する事ができなくなっている。
従ってこれらのスクラッフ゜を鉄鋼各社がリサイクル使用し、熱延鋼板を製造するにあたっては、鋼板中に不可避的に混入する Cuの無害化技術が必須となる。本発明は、熱延鋼板を製造する鉄鋼各社が将来的に遭遇する前期課題を解決する有効な手段であり、産業上有用な、顕著な効果を奏する。

図1
鋼板中のCuの質量%を変化させたときの、鋼板表面の色調の変化を示す図である。
図2
酸洗後の鋼板表面のCu濃度・面積率とL*値との関係を示す図である。
図3
酸洗液に酸洗抑制剤と界面活性剤を添加した場合のL*値を示す図である。
図4
酸洗液に、さらに硝酸を添加した場合のL*値を示す図である。
図5
酸洗中に、超音波実施した場合のL*値を示す図である。

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