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技術 ビスホスフィン、その製造方法およびその用途

出願人 株式会社クラレ
発明者 辻智啓
出願日 2002年12月12日 (18年5ヶ月経過) 出願番号 2002-360244
公開日 2004年1月8日 (17年4ヶ月経過) 公開番号 2004-002287
状態 特許登録済
技術分野 触媒 触媒 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応 第5-8族元素を含む化合物及びその製造
主要キーワード イソプレン重合物 磁気回転子 ハロゲン化ホスフィン 蒸留残査 重水溶液 ジリチオ化 サンプリング口 ジベンゾホスホール
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課題

エチレン性不飽和化合物ヒドロホルミル化反応において、従来のビスホスフィンに比べ、水素化または異性化などの副反応を抑制し、高い反応速度でn−アルデヒドを工業的有利に製造する方法を提供すること。

解決手段

一般式(I)

概要

背景

エチレン性不飽和化合物を、VIII族金属化合物またはVIII族金属化合物とリン化合物錯形成してなる金属錯体の存在下に一酸化炭素および水素と反応させてアルデヒドに変換する反応は、ヒドロホルミル化反応またはオキソ反応と称されており、この反応を利用したアルデヒドの製造は、工業的に極めて価値が高い。

概要

エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化反応において、従来のビスホスフィンに比べ、水素化または異性化などの副反応を抑制し、高い反応速度でn−アルデヒドを工業的有利に製造する方法を提供すること。一般式(I)
(式中、各記号明細書中で定義したとおりである。)で示されるビスホスフィン、その製造方法および該ビスホスフィンを構成成分とするVIII族金属錯体、並びに該VIII族金属錯体を用いて、エチレン性不飽和化合物を一酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化して、相当するアルデヒドを製造する方法。 なし

目的

本発明の目的は、エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化反応を行う際、高い触媒活性発現するのみならず、高選択的にn−アルデヒドを得ることができ、かつ水素化、異性化などの副反応を抑制し得るヒドロホルミル化触媒の構成成分であるビスホスフィンおよびその製造方法を提供する

効果

実績

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請求項1

一般式(I)(式中、Ar1およびAr2は置換基を有していてもよいアリレン基を表わし、R1およびR2は置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表すか、またはそれらが結合するリン原子一緒になって環を形成してもよく、R3およびR4は水素原子もしくはアルキル基を表す。ただし、R3およびR4を有する炭素原子はAr1およびAr2にそれらが結合する酸素原子に対してオルト位に結合する。)で示される架橋基を有するビスホスフィン

請求項2

一般式(II)(式中、Ar1およびAr2は置換基を有していてもよいアリレン基を表わし、R3およびR4は水素原子またはアルキル基を表し、Xはアリールスルホニルオキシ基アルキルスルホニルオキシ基またはハロゲン原子を表す。ただし、R3およびR4を有する炭素原子はAr1およびAr2にそれらが結合する酸素原子に対してオルト位に結合する。)で示される化合物を一般式(III)(式中、R1およびR2は置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表すか、またはそれらが結合するリン原子と一緒になって環を形成してもよく、Mはリチウム原子ナトリウム原子もしくはカリウム原子を表す。)で示されるアルカリ金属ホスフィドによりホスフォリル化することを特徴とする請求項1に記載のビスホスフィンの製造方法。

請求項3

請求項1に記載のビスホスフィンとVIII族金属化合物が錯形成してなるVIII族金属錯体

請求項4

エチレン性不飽和化合物触媒の存在下に一酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化することにより相当するアルデヒドを製造するに際し、触媒として請求項3に記載のVIII族金属錯体を使用することを特徴とするアルデヒドの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、新規ビスホスフィン、その製造方法および該ビスホスフィンの用途に関する。本発明により提供されるビスホスフィンは、エチレン性不飽和化合物一酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化して相当するアルデヒドを製造する際のヒドロホルミル化触媒の構成成分として有用である。したがって、上記の用途には、ヒドロホルミル化触媒として作用する本発明により提供されるビスホスフィンとVIII族金属化合物錯形成してなるVIII族金属錯体が含まれ、また該VIII族金属錯体をヒドロホルミル化触媒として使用するアルデヒドの製造方法が含まれる。かかるVIII族金属錯体を用いて、エチレン性不飽和化合物を一酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化する場合には、高い反応速度を与えるのみならず、n−アルデヒドを高い選択率で得ることができ、かつ水素化、異性化などの副反応を抑制できる。

0002

エチレン性不飽和化合物を、VIII族金属化合物またはVIII族金属化合物とリン化合物が錯形成してなる金属錯体の存在下に一酸化炭素および水素と反応させてアルデヒドに変換する反応は、ヒドロホルミル化反応またはオキソ反応と称されており、この反応を利用したアルデヒドの製造は、工業的に極めて価値が高い。

0003

ヒドロホルミル化反応にはロジウムとリン化合物が錯形成してなるロジウム錯体触媒として工業的に使用されている。ヒドロホルミル化反応における反応速度および直鎖状アルデヒド(以下、これをn−アルデヒドと略称する)または分枝状アルデヒド(以下、これをiso−アルデヒドと略称する)への選択率は、触媒の構成成分であるリン化合物の構造に大きく依存することが知られている。

0004

リン化合物として、工業的にはモノホスフィンであるトリフェニルホスフィン通常用いられているが、この場合、n−アルデヒドへの選択率は低い。n−アルデヒドへの選択率を向上させるために、2つのジフェニルホスフィンを特定の2価の有機基(以下、これを架橋基と略称する)で架橋したビスホスフィンを用いる方法が提案された。

0005

例えば、(1)2,2’−ビスジフェニルホスフィノメチルビフェニル(以下、これをBISBIと略称する)を用いてプロピレンのヒドロホルミル化反応を行った場合、n−アルデヒドとiso−アルデヒドの選択率の比(以下、これをn/iso比と略称する)は25.1/1であり、モノホスフィンであるトリフェニルホスフィンを用いた場合の2.43/1に比べて極めて高いことが報告されている(特許文献1参照)。また、(2)9,9−ジメチル−4,6−ビス(ジフェニルホスフィノキサンテン(以下、これをXantphosと略称する)を用いて1−オクテンのヒドロホルミル化反応を行った場合、n/iso比は53.5であることが知られている(非特許文献1参照)。

背景技術

0006

【特許文献1】
米国特許第4694109号明細書(第9〜12頁)
【非特許文献1】
オーガメタクス(Organometallics)、1995年、第14巻、第6号、第3081〜3089頁

0007

本発明者の知見によれば、上記のBISBIおよびXantphosを用いて7−オクテン−1−アールのヒドロホルミル化反応を行った場合、トリフェニルホスフィンを用いた場合に比べ、高選択的にn−アルデヒドを得ることができるものの、触媒活性は低く満足できるものではなかった。さらに、水素化または異性化などの副反応を生起させるという問題が見受けられた。

0008

ビスホスフィンの構造とn/iso比の関連性については、VIII族金属化合物とビスホスフィンが錯形成してなる金属錯体において、リン−ロジウム−リンの角度が120oに近くなるに従い、n/iso比が向上することが報告されている[ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティー(Jouranal of The American Chemical Society)、第114巻、第14号、第5535〜5543頁(1992年)および非特許文献1参照]。しかしながら、ビスホスフィンの構造と触媒活性または水素化、異性化などの副反応の選択性に関しては、上記文献には報告されていない。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化反応を行う際、高い触媒活性を発現するのみならず、高選択的にn−アルデヒドを得ることができ、かつ水素化、異性化などの副反応を抑制し得るヒドロホルミル化触媒の構成成分であるビスホスフィンおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ヒドロホルミル化触媒として作用する上記のビスホスフィンとVIII族金属化合物が錯形成してなるVIII族金属錯体を提供することにある。
本発明の更なる目的は、上記のVIII族金属錯体を用いてエチレン性不飽和化合物を一酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化して相当するアルデヒドを製造する方法を提供することにある。

0010

本発明は、一般式(I)

0011

【化4】

0012

(式中、Ar1およびAr2は置換基を有していてもよいアリレン基を表わし、R1およびR2は置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいアリール基を表すか、またはそれらが結合するリン原子一緒になって環を形成してもよく、R3およびR4は水素原子もしくはアルキル基を表す。ただし、R3およびR4を有する炭素原子はAr1およびAr2にそれらが結合する酸素原子に対してオルト位に結合する。)
で示される架橋基を有するビスホスフィン[以下、これをビスホスフィン(I)と略称する]である。

0013

本発明は、一般式(II)

0014

【化5】

0015

(式中、Ar1、Ar2、R3およびR4は前記定義のとおりであり、Xはアリールスルホニルオキシ基アルキルスルホニルオキシ基またはハロゲン原子を表す。)
で示される化合物[以下、これを化合物(II)と略称する]を一般式(III)

0016

【化6】

0017

(式中、R1およびR2は前記定義のとおりであり、Mはリチウム原子ナトリウム原子もしくはカリウム原子を表す。)
で示されるアルカリ金属ホスフィド[以下、これをアルカリ金属ホスフィド(III)と略称する]によりホスフォリル化することを特徴とするビスホスフィン(I)の製造方法である。

0018

また、本発明は、VIII族金属化合物とビスホスフィン(I)が錯形成してなるVIII族金属錯体[以下、これをVIII族金属錯体(I)と略称する]である。

課題を解決するための手段

0019

さらに、本発明は、エチレン性不飽和化合物を触媒の存在下に一酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化することにより相当するアルデヒドを製造するに際し、触媒としてVIII族金属錯体(I)を使用することを特徴とするアルデヒドの製造方法である。

0020

上記一般式中、Ar1およびAr2がそれぞれ表すアリレン基としては、炭素数6〜20のアリレン基が好ましく、例えばフェニレン基ナフチレン基アントラレン基、1,1’−ビフェニレン基、1,1’−ビナフチレン基などが挙げられる。これらのアリレン基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、フッ素原子塩素原子臭素原子などのハロゲン原子;メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基;ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基などの炭素数1〜3のフルオロアルキル基メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基アセチル基プロピオニル基ブチリル基イソブチリル基などの炭素数2〜4のアシル基アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基イソブチリルオキシ基などの炭素数2〜4のアシルオキシ基メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などの炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基カルボン酸基ヒドロキシカルボニル基)またはその塩などが挙げられる。

0021

R1およびR2がそれぞれ表すアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基などの炭素数2〜4のアシル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基などの炭素数2〜4のアシルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などの炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基;カルボン酸基またはその塩;スルホン酸基またはその塩などが挙げられる。

0022

R1およびR2がそれぞれ表すアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えばフェニル基ナフチル基アントリル基などが挙げられる。これらのアリール基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基;ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基などの炭素数1〜3のフルオロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜4のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基などの炭素数2〜4のアシル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基などの炭素数2〜4のアシルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などの炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基;カルボン酸基またはその塩;スルホン酸基またはその塩などが挙げられる。

0023

R1およびR2はそれらが結合するリン原子と一緒になって環を形成してもよく、そのリン含有複素環としては、例えば2,5−ジメチルホスフォラン、2,5−ジエチルホスフォラン、2,5−ジプロピルホスフォラン、2,5−ジイソプロピルホスフォラン、5H−ジベンゾホスホール、9,10−ジヒドロ−9−ホスフィントラセン、10H−フェノキサホスフィン、10H−9−チア−10−ホスフィントラセンなどが挙げられる。R3およびR4がそれぞれ表すアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。

0024

ビスホスフィン(I)は文献未載の新規化合物であり、後述するようにビスホスフィン(I)を構成成分とするVIII族金属錯体(I)はヒドロホルミル化触媒として優れた反応成績を与える。一般式(I)において、Ar1およびAr2がそれぞれフェニレン基を表し、R1およびR2がそれぞれフェニル基を表し、かつR3およびR4がそれぞれ水素原子を表わすビスホスフィンが好ましい。ビスホスフィン(I)の代表例として、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−4−t−ブチル−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。

0025

次に、ビスホスフィン(I)の製造方法について説明する。
化合物(II)をアルカリ金属ホスフィド(III)によりホスフォリル化する反応は、溶媒の存在下で行うのが好ましい。溶媒としては、例えば1,4−ジオキサンジブチルエーテル、2−エトキシエチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルテトラヒドロフランジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒などが好ましい。これらの中でも、テトラヒドロフランおよびジブチルエーテルからなる混合溶媒を使用することが、アルカリ金属ホスフィド(III)を調製する際に使用する溶媒として適しており、しかもアルカリ金属ホスフィド(III)とビスホスフィン(I)の分離が容易であることから特に好ましい。溶媒の使用量は、特に制限されないが、アルカリ金属ホスフィド(III)に対して1〜1000倍重量の範囲であるのが好ましく、10〜100倍重量の範囲であるのがビスホスフィン(I)を反応混合液から分離する際に容積効率が高い点からより好ましい。

0026

上記の反応は、化合物(II)を含む溶液にアルカリ金属ホスフィド(III)を滴下するか、またはアルカリ金属ホスフィド(III)を含む溶液に化合物(II)を滴下することにより行われる。

0027

アルカリ金属ホスフィド(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対して2〜4モルの範囲であるのが好ましく、2〜2.2モルの範囲であるのが未反応のアルカリ金属ホスフィド(III)とビスホスフィン(I)の分離が容易であることからより好ましい。反応温度は、−75℃〜溶媒の還流温度の範囲であるのが好ましく、−75℃〜室温の範囲であるのが副生成物の生成を抑制できることからより好ましい。反応時間は、0.5〜10時間の範囲であるのが好ましく、0.5〜3時間の範囲であるのが副生成物の生成を抑制できることからより好ましい。

0028

反応終了後、ビスホスフィン(I)を含む反応混合液または該反応混合液を濃縮後、濃縮液トルエンペンタンヘキサン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、酢酸メチル酢酸エチル酢酸プロピルなどの水抽出に適した溶媒を加え、水で洗浄し、得られる有機層からビスホスフィン(I)を再結晶などの操作により単離精製することができる。

0029

化合物(II)は、一般式(II)においてXがアリールスルホニルオキシ基またはアルキルスルホニルオキシ基であるスルホン酸エステル[以下、これをスルホン酸エステル(II−a)と略称する]と一般式(II)においてXがハロゲン原子であるハロゲン化物[以下、これをハロゲン化物(II−b)と略称する]とに大別される。

0030

スルホン酸エステル(II−a)は公知の方法により製造することができる。例えば、スルホン酸エステル(II−a)に含まれる2,2’−ビス(p−トリルスルホニルオキシメチル)−ジ(置換フェニルエーテル[以下、これをスルホン酸エステル(II−a’)と略称する]は、下記の方法により製造することができる。

0031

【化7】

0032

上記式中、RaおよびRbは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基などのフルオロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基などのアシル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基などのアシルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;カルボン酸基などのベンゼン環上の置換基を表し、Halは塩素原子または臭素原子を表し、Tos−Clはp−トリルスルホニルクロライドを表す。

0033

(反応II−a−1について)
ヒドロキシアレーンカリウム塩(IV)1モルに対して1モル以上のハロゲン化アレーン(V)を活性銅粉末の存在下に反応させることによりジアレーンエーテル(VI)を得る。反応はハロゲン化アレーン(V)の還流温度で行うのが好ましい。反応後、反応混合液にエーテルなどの有機溶剤および水を加えて抽出操作を行い、有機層から減圧蒸留などの操作によりジアレーンエーテル(VI)を単離精製する。[オーガニック シンシーズ(Organic Syntheses)、第2巻、第446頁(1943年)参照]

0034

(反応II−a−2について)
ジアレーンエーテル(VI)1モルに対して2モルのリチオ化剤を溶媒の存在下に反応させることによりジリチオ化ジアレーンエーテル(VII)を得る。リチオ化剤としては、例えばメチルリチウムブチルリチウムフェニルリチウムなどが使用される。溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどが使用される。反応温度は室温以下の温度から選ばれる。[ザ ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、第23巻、第10号、第1476〜1479頁(1958年)参照]

0035

(反応II−a−3について)
反応II−a−2で調製したジリチオ化ジアレーンエーテル(VII)を含む反応混合液に、ジリチオ化ジアレーンエーテル(VII)1モルに対して2モル以上の二酸化炭素を反応させることによりジカルボキシジアレーンエーテル(VIII)を得る。反応温度は室温以下の温度から選ばれる。反応後、反応混合液を濃縮し、濃縮液に酢酸エチルなどの有機溶剤および水を加えて抽出操作を行い、有機層から再結晶などの操作によりジカルボキシジアレーンエーテル(VIII)を単離精製する。[ザ ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、第55巻、第2号、第438〜441頁(1990年)参照]

0036

(反応II−a−4について)
ソックスレー抽出器固体状態のジカルボキシジアレーンエーテル(VIII)を存在せしめ、溶媒抽出断続的に行いながら、ジカルボキシジアレーンエーテル(VIII)1モルに対して1モル以上の水素化アルミニウムリチウムを反応させることによりジヒドロキシアルキルジアレーンエーテル(IX)を得る。溶媒としては、例えばジエチルエーテルなどが使用される。反応は、抽出効率が高い点から、溶媒の還流温度で行うのが好ましい。反応後、反応混合液を濃縮し、濃縮液に水を加え、抽出操作を行い、有機層から再結晶などの操作によりジヒドロキシアルキルジアレーンエーテル(IX)を単離精製する。[ザ ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、第34巻、第4号、第1165〜1168頁(1969年)参照]

0037

(反応II−a−5について)
ジヒドロキシアルキルジアレーンエーテル(IX)1モルに対して2モルのp−トルエンスルホニルクロリドを2モル以上のアミン類の存在下に反応させることによりスルホン酸エステル(II−a’)を得る。アミン類としては、例えばピリジンなどが使用される。反応温度は室温以下の温度から選ばれる。反応後、反応混合液を濃縮し、濃縮液から再結晶などの操作によりスルホン酸エステル(II−a’)を単離精製する。[ザ ジャーナル オブ ザ アメリカン ケミカルソサエティー(The Jouranal of the American Chemical Society)、第74巻、第2号、第425〜428頁(1952年)など参照]

0038

ハロゲン化物(II−b)は公知の方法により製造することができる。例えば、ハロゲン化物(II−b)に含まれる2,2’−ビス(ブロモメチル)−ジ(置換)フェニルエーテル[以下、これをハロゲン化物(II−b’)と略称する]および2,2’−ビス(フルオロメチル)−ジ(置換)フェニルエーテル[以下、これをハロゲン化物(II−b’’)と略称する]は、下記の方法により製造することができる。

0039

【化8】

0040

上記式中、RcおよびRdは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基などのフルオロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基などのアシル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基などのアシルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;カルボン酸基などのベンゼン環上の置換基を表し、NBSはN−ブロモ琥珀酸イミドを表し、Halは塩素原子または臭素原子を表し、Tos−Clはp−トリルスルホニルクロライドを表す。

0041

(反応II−b−1について)
ヒドロキシアレーンカリウム塩(X)1モルに対して1モル以上のハロゲン化アレーン(XI)を反応させることによりジアレーンエーテル(XII)を得る。反応はハロゲン化アレーン(XI)の還流温度で行うのが好ましい。反応後、反応混合液を濃縮し、濃縮液にヘキサンなどの有機溶剤および水を加えて抽出操作を行い、有機層から減圧蒸留などの操作によりジアレーンエーテル(XII)を単離精製する。[ザ ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、第34巻、第4号、第1165〜1168頁(1969年)参照]

0042

(反応II−b−2について)
ジアレーンエーテル(XII)1モルに対して2モル以上のN−ブロモ琥珀酸イミドを溶媒の存在下に反応させることによりハロゲン化物(II−b’)を得る。ラジカル反応開始剤として、例えば過酸化ベンソイルなどが使用される。溶媒としては、例えば四塩化炭素などが使用される。反応は溶媒の還流温度で行うのが好ましい。反応後、反応混合液を濾過し、濾液を濃縮後、濃縮液から再結晶などの操作によりハロゲン化物(II−b’)を単離精製する。[ザ ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、第34巻、第4号、第1165〜1168頁(1969年)参照]

0043

(反応II−b−3について)
ジヒドロキシアルキルジアレーンエーテル(XIII)1モルに対して2モル以上の臭化水素を溶媒の存在下に反応させることによりハロゲン化物(II−b’)を得る。溶媒としては、例えばベンゼンなどが使用される。反応温度は室温以下の温度から選ばれる。反応後、反応混合液を濃縮し、濃縮液から再結晶などの操作によりハロゲン化物(II−b’)を単離精製する。[ザ ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、第34巻、第4号、第1165〜1168頁(1969年)参照]

0044

(反応II−b−4について)
スルホン酸エステル(XIV)1モルに対して2モル以上のフッ化カリウムを溶媒の存在下に反応させることによりハロゲン化物(II−b’’)を得る。溶媒としては、例えばジエチレングリコールなどが使用される。反応温度は130℃以下の温度から選ばれる。反応後、反応混合液から減圧蒸留などの操作によりハロゲン化物(II−b’’)を単離精製する。[ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)、第3号、第265〜268頁(1982年)参照]

0045

アルカリ金属ホスフィド(III)は公知の方法により製造することができる。例えば、一般式(III)においてMがリチウム原子であるアルカリ金属ホスフィドは、対応するホスフィンとリチオ化剤を反応させることにより製造される。一般式(III)においてMがナトリウム原子またはカリウム原子であるアルカリ金属ホスフィドは、対応するハロゲン化ホスフィン金属ナトリウムまたは金属カリウムとを反応させることにより製造される[ケミッシェ ベリヒテ(Chemische Berichte)、第92巻、第1118〜1126頁(1959年)参照]。

0046

ビスホスフィン(I)とVIII族金属化合物が錯形成してなるVIII族金属錯体(I)は、文献未載の新規化合物であり、ヒドロホルミル化触媒として作用し、高い触媒活性を発現し、エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化反応において、高選択的にn−アルデヒドを生成せしめ、かつ水素化、異性化などの副反応を抑制することができる。

0047

VIII族金属化合物としては、エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化反応を促進させる触媒能を当初から有するか、またはヒドロホルミル化反応条件下で該触媒能を獲得する化合物であり、従来からヒドロホルミル化反応において触媒として使用されているロジウム化合物コバルト化合物ルテニウム化合物鉄化合物などが挙げられる。ロジウム化合物としては、例えば、RhO、RhO2、Rh2O、Rh2O3などの酸化ロジウム硝酸ロジウム硫酸ロジウム、塩化ロジウムヨウ化ロジウム、酢酸ロジウムなどのロジウム塩;Rh(acac)(CO)2、RhCl(CO)(PPh3)2、RhCl(CO)(AsPh3)2、RhCl(PPh3)3、RhBr(CO)(PPh3)2、Rh4(CO)12、Rh6(CO)16などのロジウム錯化合物などが挙げられる。コバルト化合物としては、例えばHCo(CO)3、HCo(CO)4、Co2(CO)8、HCo3(CO)9などのコバルト錯化合物などが挙げられる。ルテニウム化合物としては、例えばRu(CO)3(PPh3)2、RuCl2(PPh3)3、RuCl3(PPh3)3、Ru3(CO)12などのルテニウム錯化合物などが挙げられる。また、鉄化合物としては、例えばFe(CO)5、Fe(CO)4PPh3、Fe(CO)4(PPh3)2などの鉄錯化合物などが挙げられる。これらの化合物の中でも、ヒドロホルミル化反応において温和反応条件を選択できる点から、ロジウム化合物を使用するのが好ましく、Rh(acac)(CO)2を使用するのが特に好ましい。

0048

ビスホスフィン(I)は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、他のリン化合物と組み合わせて用いることもできる。他のリン化合物として、例えば、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィントリベンジルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィンシクロヘキシルジフェニルホスフィン、2−フリルジフェニルホスフィン、2−ピリジルジフェニルホスフィン、4−ピリジルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、o−トルイルジフェニルホスフィン、ジフェニルペンタフルオロフェニル)ホスフィン、m−ジフェニルホスフィノベンゼンスルホン酸またはその金属塩、p−ジフェニルホスフィノ安息香酸またはその金属塩、p−ジフェニルホスフィノフェニルホスホン酸またはその金属塩、p−ジフェニルホスフィノベンゼンスルホン酸またはその金属塩、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィン、トリス(p−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(p−クロロフェニル)ホスフィン、トリ−o−トルイルホスフィン、トリ−m−トルイルホスフィン、トリ−p−トルイルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−N,N−ジメチルアミノフェニル)ホスフィンなどのホスフィン;トリエチルホスファイトトリフェニルホスファイト、トリス(p−メチルフェニルホスファイト、トリス(p−トリフルオロメチルフェニル)ホスファイト、トリス(p−メトキシフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのホスファイトなどが挙げられる。

0049

ビスホスフィン(I)の使用量は、VIII族金属原子換算でVIII族金属化合物1モルに対して、リン原子換算で2〜10000モルの範囲であるのが好ましく、2〜1000モルの範囲であるのがより好ましい。ビスホスフィン(I)の使用量が上記の範囲を下回る場合には、触媒の安定性が損なわれ、また、上記の範囲を超える場合には、触媒コストが増大して好ましくない。

0050

VIII族金属錯体(I)の調製方法には特に制限はないが、例えば、ヒドロホルミル化反応に影響を及ぼさない溶媒を用いて別途調製されたVIII族金属化合物の溶液と同様に調製されたビスホスフィン(I)の溶液をヒドロホルミル化反応系に別個に導入し、その系中で両者を反応させて錯体化することにより調製することができる。また、上記のVIII族金属化合物の溶液にビスホスフィン(I)を加え、次いで、ヒドロホルミル化反応に影響を及ぼさない溶媒を添加して均一な溶液とすることにより調製することもできる。

0051

次に、エチレン性不飽和化合物をVIII族金属錯体(I)の存在下に一酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化することにより相当するアルデヒドを製造する方法について説明する。

0052

エチレン性不飽和化合物は、直鎖状分岐鎖状または環状の末端オレフィンまたは内部オレフィンのいずれでもよい。エチレン性不飽和化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、2−ブテン、イソブテン2−オクテン、1,7−オクタジエンビニルシクロヘキセンシクロオクタジエンジシクロペンタジエンブタジエン重合物イソプレン重合物などの不飽和脂肪族炭化水素類;スチレンα−メチルスチレン、β−メチルスチレン、アルキル基核置換スチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン類シクロペンテンシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセンシクロオクテンリモネンなどの脂環式オレフィン炭化水素類アリルアルコールクロルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1オール、7−オクテン−1−オール、2,7−オクタジエノールビニルアセテートアリルアセテートメチルアクリレートエチルアクリレートメチルメタクリレートアリルアクリレートビニルメチルエーテルアリルエチルエーテル、5−ヘキセンアミドアクリロニトリル、7−オクテン−1−アールなどの官能基を含有するオレフィン類などが挙げられる。

0053

VIII族金属錯体(I)の使用量は、反応混合液1リットル当たり、VIII族金属原子換算で0.0001〜1000ミリグラム原子の範囲となるような量を選択するのが好ましく、0.005〜10ミリグラム原子の範囲となるような量を選択するのがより好ましい。VIII族金属錯体(I)の使用量が上記の範囲を下回る場合には、反応速度が遅すぎ、また上記の範囲を超えて使用した場合には、触媒コストが増大して好ましくない。

0054

ヒドロホルミル化反応は溶媒の存在下または不存在下に行われる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンプロピルベンゼンブチルベンゼンイソブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、o−キシレンm−キシレンp−キシレン、o−エチルトルエン、m−エチルトルエン、p−エチルトルエンなどの芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンオクタンノナンデカンシクロヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素類;メチルアルコールエチルアルコールプロピルアルコールイソプロピルアルコールブチルアルコールイソブチルアルコールs−ブチルアルコールt−ブチルアルコールペンチルアルコールイソペンチルアルコールネオペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、2−フェニルエタノール2−フェノキシエタノールなどのアルコール類

0056

アセトンエチルメチルケトンメチルプロピルケトン、エチルケトンエチルプロピルケトン、ジプロピルケトンアセトフェノン、エチルフェニルケトン、1−フェニル−1−プロパノン、1−フェニル−1−ブタノン、1−フェニル−2−プロパノンなどのケトン類クロロメタンジクロロメタントリクロロメタンテトラクロロメタンクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロヘキサンクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、フルオロエタンジフルオロメタン、1,1−ジフルオロエタンフルオロベンゼン、o−フルオロトルエン、m−フルオロトルエン、p−フルオロトルエン、α,α,α−トリフルオロトルエンなどのハロゲン化炭化水素類;

0057

アセトニトリルプロピオニトリル、1−シアプロパンシアノベンゼン、o−シアノトルエン、m−シアノトルエン、p−シアノトルエンなどのシアノ化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドヘキサメチルホスホルアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノンなどの非プロトン性極性溶媒;水などを挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶媒の使用量には特に制限はない。

0058

ヒドロホルミル化反応に使用される水素と一酸化炭素との混合ガスは、H2/COモル比入りガス組成として、0.1〜10の範囲であるのが好ましく、0.5〜2の範囲であるのが混合ガス組成の維持が容易である観点からより好ましい。反応圧力は、0.1〜10MPaの範囲であるのが好ましく、0.2〜5MPaの範囲であるのが反応速度の観点からより好ましい。反応温度は、40〜150℃の範囲であるのが好ましく、60〜130℃の範囲であるのが触媒の失活を抑制する観点などからより好ましい。反応は、攪拌反応槽、液循環型反応槽、ガス循環型反応槽、気泡塔型反応槽などを用いて行うことができる。また、反応は、連続方式またはバッチ方式で行うことができる。

0059

原料仕込み方法に特に制限はないが、エチレン性不飽和化合物、別途調製されたVIII族金属錯体(I)溶液および必要に応じて溶媒を仕込み、次いで、水素と一酸化炭素との混合ガスを所定圧力で導入し、所定温度撹拌して反応を行うのが好ましい。

0060

上記の方法により得られたアルデヒドの分離、精製は公知の方法により行うことができる。例えば、反応混合液から溶媒および未反応エチレン不飽和化合物蒸留で除いた後、蒸留残査蒸留精製することにより、高純度のアルデヒドを単離取得することができる。また、蒸留分離に先立ち蒸発、抽出、吸着などの公知の方法で触媒成分を分離してもよい。

0061

実施例
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り、リン化合物の合成操作窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で行い、ヒドロホルミル化反応は、すべて一酸化炭素と水素からなり、H2 /COモル比が1の混合ガス雰囲気下で行った。

0062

ビスホスフィン(I)またはその前駆体は、1H−NMR分光装置日本電子株式会社製、GSX−270型)および/または31P−NMR分光装置(日本電子株式会社製、ラムダ500型)を用いて同定した。実施例に記載した31P−NMRのケミカルシフトは、リン酸を20重量%含む重水を予め測定し、そのリン酸のケミカルシフトを0ppmとした場合の値である。

0063

参考例1
2,2’−ジメチルジフェニルエーテルの合成
還流管ディーンスターク装置滴下ロート温度計およびメカ攪拌器を備えた内容積1Lの3ツ口フラスコに、水酸化カリウム40g(0.71mol)、o−クレゾール77g(0.71mol)、2−クロロトルエン100g(0.79mol)および2−ブロモトルエン400g(2.34mol)を入れ、150℃で3ツ口フラスコを加温しながら、ディーンスターク装置を用いて生じた水を連続的に反応液から除去した。活性銅粉末3gを加え、ディーンスターク装置を用いて活性銅に含まれた水および2−クロロトルエンを連続的に反応液から除去しながら、液温が190℃になるまで加温し、10時間、同温度で攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで放冷した後、ジエチルエーテル400mlを加え、得られた溶液をセライトを用いて濾過した。濾液を5重量%の水酸化カリウム水溶液200mlで5回洗浄し、得られた有機層を0.3mmHgで減圧蒸留し、93℃の留分84g得た。この留分は無色の油状物であり、下記の物性を有する2,2’−ジメチルジフェニルエーテルであった。収率はo−クレゾール基準で60%であった。

0064

1H−NMR(270MHz、重ベンゼン、TMS、ppm)δ:2.18(s,6H,Ar−CH3)、6.67(d,2H)、6.80〜7.00(m,4H)、7.05(d,2H)

0065

参考例2
2,2’−ビス(ブロモメチル)ジフェニルエーテルの合成
還流管、温度計およびメカ攪拌器を備えた内容積500mLの3ツ口フラスコに、四塩化炭素250ml、N−ブロモ琥珀酸イミド58g(0.33mol)および参考例1で合成した2,2’−ジメチルジフェニルエーテル32g(0.16mol)を入れ、液温70℃として還流させた。過酸化ベンゾイル1gを3回に分けて30分を要して加え、さらに30分攪拌した。得られた反応混合液を濾過し、濃縮乾固後、ヘキサンを溶媒として再結晶することにより、無色の結晶として下記の物性を有する2,2’−ビス(ブロモメチル)ジフェニルエーテル20gを得た。収率は2,2’−ジメチルジフェニルエーテル基準で35%であった。

0066

1H−NMR(270MHz、重ベンゼン、TMS、ppm)δ:4.30(s,4H,Ar−CH2−Br)、6.58(d,2H)、6.73(t,2H)、6.83(t,2H)、7.04(d,2H)

0067

参考例3
2−ヒドロキシ−3−メトキシトルエンの合成
温度計およびメカ攪拌器を備えた内容積3Lの3ツ口フラスコに、o−バニリン300g(1.97mol)、パラジウム担持量が5重量%であるパラジウムカーボン100g、酢酸エチル2Lおよび酢酸500mLを入れ、水素雰囲気下、室温で84時間攪拌した。得られた反応混合液を濾過し、濾液を濃縮後、再び酢酸エチル2Lを加え、水1Lで3回洗浄した。有機層を濃縮し、冷却することにより、無色の結晶として下記の物性を有する2−ヒドロキシ−3−メトキシトルエン259gを得た。収率はo−バニリン基準で95%であった。

0068

1H−NMR(270MHz、重ベンゼン、TMS、ppm)δ:2.28(s,3H,Ar−CH3)、3.19(s,3H,Ar−O−CH3)、5.78(s,1H,Ar−OH)、6.38(d,1H)、6.63〜6.80(m,2H)

0069

参考例4
2,2’−ジメチル−6−メトキシ−ジフェニルエーテルの合成
還流管、ディーンスターク装置、滴下ロート、温度計およびメカ攪拌器を備えた内容積1Lの3ツ口フラスコに、トルエン500ml、水酸化カリウム36.5g(0.65mol)、さらに参考例3で合成した2−ヒドロキシ−3−メトキシトルエン90g(0.65mol)を入れ、120℃で3ツ口フラスコを加温しながら、ディーンスターク装置を用いて生じた水を連続的に反応液から除去した。脱水後、溶媒を減圧ポンプにより殆ど除き、銅粉末10gおよび2−ブロモトルエン700g(4.1mol)を加え、ディーンスターク装置を用いて生じた水を連続的に反応液から除去しながら、液温が190℃になるまで加温し、10時間、同温度で攪拌した。得られた溶液をセライトを用いて濾過した。濾液を0.5mmHgで減圧蒸留して120℃の溜分を得た。この溜分をヘキサンを溶媒として再結晶することにより、無色の結晶として下記の物性を有する2,2’−ジメチル−6−メトキシ−ジフェニルエーテル90gを得た。収率は2−ヒドロキシ−3−メトキシトルエン基準で61%であった。

0070

1H−NMR(270MHz、重ベンゼン、TMS、ppm)δ:2.09(s,3H,Ar−CH3)、2.49(s,3H,Ar−CH3)、3.18(s,3H,Ar−O−CH3)、6.50(dd,2H)、6.68〜6.99(m,4H)、7.09(d,1H)

0071

参考例5
2,2’−ビス(ブロモメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテルの合成
還流管、温度計およびメカ攪拌器を備えた内容積1Lの3ツ口フラスコに、四塩化炭素450ml、N−ブロモ琥珀酸イミド81g(0.46mol)および参考例4で合成した2,2’−ジメチル−6−メトキシ−ジフェニルエーテル52g(0.23mol)を入れ、液温70℃として還流させた。過酸化ベンゾイル1gを3回に分けて30分を要して加え、さらに30分攪拌した。これを濾過し、濃縮乾固後、ヘキサンを溶媒として再結晶することにより、無色の結晶として下記の物性を有する2,2’−ビス(ブロモメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル40gを得た。収率は2,2’−ジメチル−6−メトキシ−ジフェニルエーテル基準で45%であった。

0072

1H−NMR(270MHz、重ベンゼン、TMS、ppm)δ:3.04(s,3H,Ar−O−CH3)、4.29(s,2H,Ar−CH2−Br)、4.57(s,2H,Ar−CH2−Br)、6.34〜6.45(m,2H)、6.67(t,1H)、6.76〜6.88(m,3H)、7.06(d,1H)

0073

実施例1
2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテルの合成
還流管、滴下ロート、温度計および磁気回転子を備えた内容積500mlの3ツ口フラスコに、テトラヒドロフラン250mlを入れ、さらにジフェニルホスフィン20g(0.11mol)を加えた後、液温−75℃に冷却した。その後、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.56mol/L)69ml(0.11mol)を、液温−75〜−65℃を維持するような速度で2時間を要して滴下した後、さらに1時間、同液温で攪拌し、リチウムジフェニルホスフィドを得た。さらに、参考例2で合成した2,2’−ビス(ブロモメチル)ジフェニルエーテル19g(0.054mol)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液を、液温−75〜−65℃を維持するような速度で2時間を要して先の溶液に滴下した後、室温に戻し、1時間攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物からテトラヒドロフラン250mlを留去し、その残査にジエチルエーテル200mlを加えた。得られた溶液を飽和塩アンモニウム水溶液150mlで3回、水150mlで3回、抽出操作を行い洗浄した。得られた有機層を、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水後、濾過し、得られた濾液を濃縮して油状とした。濃縮液にメタノール200mlを加え、10分間溶媒還流温度煮沸することにより、白色粉末として下記の物性を有する2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル26gを得た。収率は2,2’−ビス(ブロモメチル)ジフェニルエーテル基準で85%であった。

0074

1H−NMR(270MHz、重ベンゼン、TMS、ppm)δ:3.60(s,4H,Ar−CH2−P)、6.67〜6.78(m,4H)、6.85(t,2H)、6.95〜7.10(m,14H,うち12HはP(C6H5)2)、7.36〜7.50(m,8H,P(C6H5)2)
31P−NMR(500MHz,重ベンゼン,リン酸重水溶液,ppm)δ:−11.2(s)

0075

実施例2
還流管、滴下ロート、温度計および磁気回転子を備えた内容積1Lの3ツ口フラスコに、ジブチルエーテル200mlを入れ、さらに金属ナトリウム10g(0.44mol)を加えた後、液温100℃で0.5時間攪拌して金属ナトリウムの分散液を得た。この分散液にクロロジフェニルホスフィン48g(0.22mol)を、液温100〜110℃を維持するような速度で2時間を要して滴下した後、さらに1時間、同液温で攪拌し、ナトリウムジフェニルホスフィドを得た。この溶液を35℃にし、テトラヒドロフラン500mlを加えた。さらに、参考例2で合成した2,2’−ビス(ブロモメチル)ジフェニルエーテル39g(0.11mol)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液を、液温−75〜−65℃を維持するような速度で2時間を要して先の溶液に滴下した後、室温に戻し、1時間攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物から溶媒を殆ど留去し、ジエチルエーテル400mlを加えた。得られた溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液300mlで3回、水300mlで3回、抽出操作を行い洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて脱水後、濾過し、得られた濾液を濃縮し油状とした。濃縮液にメタノール400mlを加え、10分間溶媒還流温度で煮沸することにより、白色粉末として上記の物性を有する2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル42gを得た。収率は2,2’−ビス(ブロモメチル)ジフェニルエーテル基準で68%であった。

0076

実施例3
2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテルの合成
還流管、滴下ロート、温度計および磁気回転子を備えた内容積500mlの3ツ口フラスコに、テトラヒドロフラン200mlを入れ、さらにジフェニルホスフィン9g(0.049mol)を加えた後、液温−75℃に冷却した。その後、ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.56mol/L)を31.5ml(0.0.049mol)を、液温−75〜−65℃を維持するような速度で2時間を要して滴下した後、さらに1時間、同液温で攪拌し、参考例5で合成した2,2’−ビス(ブロモメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル9.5g(0.024mol)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液を、液温−75〜−65℃を維持するような速度で2時間を要して先の溶液に滴下した後、室温に戻し1時間攪拌した。反応終了後、得られた反応混合液からテトラヒドロフラン250mlを留去し、ジエチルエーテル200mlを加えた。得られた溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液150mlで3回、水150mlで3回、抽出操作を行い洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて脱水後、濾過し、得られた濾液を濃縮し油状とした。濃縮液にメタノール20mlを加え、−50℃に冷却することにより白色固体を得るという操作を3回繰り返した。得られた白色固体を減圧乾燥することにより、白色粉末として下記の物性を有する2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル10gを得た。収率は2,2’−ビス(ブロモメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル基準で70%であった。

0077

1H−NMR(270MHz、重ベンゼン、TMS、ppm)δ:3.13(s,3H,Ar−O−CH3)、3.71(s,4H,Ar−CH2−P)、6.42(d,1H)、6.53〜6.66(m,2H)、6.77〜6.92(m,4H)、6.92〜7.10(m,12H,P(C6H5)2)、7.32〜7.58(m,8H,P(C6H5)2)
31P−NMR(500MHz、重ベンゼン、リン酸重水溶液、ppm)δ:−14.0(s,1P,MeO−Ar−CH2−P),−11.4ppm(s,1P,Ar−CH2−P)

0078

実施例4
2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル−ロジウム錯体触媒を用いた7−オクテン−1−アールのヒドロホルミル化反応
テフロン登録商標)製磁気回転子を備えた内容積100mlの3ツ口フラスコに、Rh(acac)(CO)23.9mg(0.015mmol)および実施例1で合成した2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル84.9mg(0.15mmol)を入れ、さらにトルエン6mlを加えた後、50℃で30分間攪拌して均一な触媒溶液を調製した。テフロン(登録商標)製磁気回転子を備えた内容積50mlの3つ口フラスコに、上記の触媒溶液3mlおよび7−オクテン−1−アール27ml(0.167mol、純度93%)を入れ、得られた混合液を、ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100mlのオートクレーブ仕込んだ。混合ガスを用いて全圧を3.0MPaにし、攪拌しながら内温を85℃に昇温した後、6時間反応を行い、1,9−ノナンジアール20.6g(0.132mol、収率79%)および2−メチル−1,8−オクタンジアール4.2g(0.027mol、収率16%)を得た。7−オクテン−1−アールの転化率は95%であり、n−アルデヒドへの選択率は83%であり、iso−アルデヒドへの選択率は17%であった。n/iso比は4.88であった。水素化または異性化などの副反応は観測されなかった。

0079

実施例5
実施例4において、全圧を3.0MPaに代えて0.5MPaとし、反応時間を6時間から4時間とした以外は同様の操作を行い、1,9−ノナンジアール22.2g(0.142mol、収率85%)および2−メチル−1,8−オクタンジアール1.3g(0.008mol、収率5%)を得た。7−オクテン−1−アールの転化率97%であり、n−アルデヒドへの選択率は88%であり、iso−アルデヒドへの選択率は5%であった。n/iso比は17.6であった。水素化または異性化などの副反応は7%であった。

0080

実施例6
実施例4において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテルを42.5mg(0.075mmol)用い、全圧を3.0MPaに代えて0.5MPaとし、反応時間を6時間から4時間とした以外は同様の操作を行い、1,9−ノナンジアール21.8g(0.139mol、収率84%)および2−メチル−1,8−オクタンジアール1.5g(0.010mol、収率6%)を得た。7−オクテン−1−アールの転化率96%であり、n−アルデヒドへの選択率は87%であり、iso−アルデヒドへの選択率は6%であった。n/iso比は14.5であった。水素化または異性化などの副反応は7%であった。

0081

実施例7
2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル−ロジウム錯体触媒を用いた7−オクテン−1−アールのヒドロホルミル化反応
実施例4において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル84.9mg(0.15mmol)の代りに実施例3で合成した2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル89.5mg(0.15mmol)を用い、反応時間を6時間から8時間とした以外は同様の操作を行い、1,9−ノナンジアール21.1g(0.135mol、収率81%)および2−メチル−1,8−オクタンジアール4.0g(0.026mol、収率15%)を得た。7−オクテン−1−アールの転化率96%であり、n−アルデヒドへの選択率は84%であり、iso−アルデヒドへの選択率は16%であった。n/iso比は5.25であった。水素化または異性化などの副反応は観測されなかった。

0082

実施例8
2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル−ロジウム錯体触媒を用いた1−オクテンのヒドロホルミル化反応
テフロン(登録商標)製磁気回転子を備えた内容積100mlの3ツ口フラスコに、Rh(acac)(CO)23.9mg(0.015mmol)および実施例1で合成した2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル42.5mg(0.075mmol)を入れ、さらにトルエン6mlを加えた後、50℃で30分間攪拌して均一な触媒溶液を調製した。テフロン(登録商標)製磁気回転子を備えた内容積50mlの3つ口フラスコに、上記の触媒溶液3mlおよび1−オクテン27ml(0.172mol、純度99%以上)を入れ、得られた混合液を、ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積100mlのオートクレーブに仕込んだ。混合ガスを用いて全圧を1.0MPaにし、攪拌しながら内温を85℃に昇温した後、5時間反応を行い、ノナナール21.2g(0.149mol、収率87%)および2−メチルオクタナール1.5g(0.011mol、収率6%)を得た。1−オクテンの転化率は98%であり、n−アルデヒドへの選択率は89%であり、iso−アルデヒドへの選択率は6%であった。n/iso比は14.8であった。水素化または異性化などの副反応は5%であった。

0083

実施例9
2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル−ロジウム錯体触媒を用いた1−オクテンのヒドロホルミル化反応
実施例8において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル42.5mg(0.075mmol)の代りに実施例3で合成した2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−6−メトキシ−ジフェニルエーテル44.8mg(0.075mmol)を用いた以外は同様の操作を行い、ノナナール21.3g(0.150mol、収率87%)および2−メチルオクタナール1.5g(0.010mol、収率6%)を得た。1−オクテンの転化率は98%であり、n−アルデヒドへの選択率は89%であり、iso−アルデヒドへの選択率は6%であった。n/iso比は14.8であった。水素化または異性化などの副反応は5%であった。

0084

比較例1
トリフェニルホスフィン−ロジウム錯体触媒を用いた7−オクテン−1−アールのヒドロホルミル化反応
実施例4において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル84.9mg(0.15mmol)の代りにトリフェニルホスフィン78.7mg(0.30mmol)を用い、反応時間を6時間から8時間とした以外は同様の操作を行い、1,9−ノナンジアール17.8g(0.114mol、収率68%)および2−メチル−1,8−オクタンジアール7.0g(0.045mol、収率27%)を得た。7−オクテン−1−アールの転化率95%であり、n−アルデヒドへの選択率は72%であり、iso−アルデヒドへの選択率は28%であった。n/iso比は2.57であった。水素化または異性化などの副反応は観測されなかった。

0085

比較例2
BISBI−ロジウム錯体触媒を用いた7−オクテン−1−アールのヒドロホルミル化反応
実施例4において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル84.9mg(0.15mmol)の代りにBISBI82.6mg(0.15mmol)を用い、反応時間を6時間から10時間とした以外は同様の操作を行い、1,9−ノナンジアール23.1g(0.148mol、収率88%)および2−メチル−1,8−オクタンジアール0.7g(0.005mol、収率3%)を得た。7−オクテン−1−アールの転化率95%であり、n−アルデヒドへの選択率は93%であり、iso−アルデヒドへの選択率は3%であった。n/iso比は31.00であった。水素化または異性化などの副反応への選択率は4%であった。

0086

比較例3
Xantphos−ロジウム錯体触媒を用いた7−オクテン−1−アールのヒドロホルミル化反応
実施例4において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル84.9mg(0.15mmol)の代りにXantphos86.7mg(0.15mmol)を用い、反応時間を6時間から15時間とした以外は同様の操作を行い、1,9−ノナンジアール22.1g(0.141mol、収率85%)および2−メチル−1,8−オクタンジアール0.9g(0.006mol、収率4%)を得た。7−オクテン−1−アールの転化率89%であり、n−アルデヒドへの選択率は95%であり、iso−アルデヒドへの選択率は4%であった。n/iso比は23.75であった。水素化または異性化などの副反応への選択率は1%であった。

0087

比較例4
トリフェニルホスフィン−ロジウム錯体触媒を用いた1−オクテンのヒドロホルミル化反応
実施例8において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル42.5mg(0.075mmol)の代りにトリフェニルホスフィン39.4mg(0.15mmol)を用い、反応時間を5時間から8時間とした以外は同様の操作を行い、ノナナール16.4g(0.115mol、収率67%)および2−メチルオクタナール5.5g(0.039mol、収率22%)を得た。1−オクテンの転化率は98%であり、n−アルデヒドへの選択率は68%であり、iso−アルデヒドへの選択率は23%であった。n/iso比は2.96であった。水素化または異性化などの副反応は9%であった。

0088

比較例5
BISBI−ロジウム錯体触媒を用いた1−オクテンのヒドロホルミル化反応実施例8において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル42.5mg(0.075mmol)の代りにBISBI41.3mg(0.075mmol)を用い、反応時間を5時間から10時間とした以外は同様の操作を行い、ノナナール21.4g(0.151mol、収率88%)および2−メチルオクタナール0.29g(0.002mol、収率1%)を得た。1−オクテンの転化率は98%であり、n−アルデヒドへの選択率は89%であり、iso−アルデヒドへの選択率は1%であった。n/iso比は89.0であった。水素化または異性化などの副反応は10%であった。

0089

比較例6
Xantphos−ロジウム錯体触媒を用いた1−オクテンのヒドロホルミル化反応
実施例8において、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)ジフェニルエーテル42.5mg(0.075mmol)の代りにXantphos43.4mg(0.075mmol)を用い、反応時間を5時間から15時間とした以外は同様の操作を行い、ノナナール19.4g(0.136mol、収率79%)および2−メチルオクタナール0.39g(0.003mol、収率2%)を得た。1−オクテンの転化率は86%であり、n−アルデヒドへの選択率は92%であり、iso−アルデヒドへの選択率は2%であった。n/iso比は46.0であった。水素化または異性化などの副反応は6%であった。

0090

7−オクテン−1−アールのヒドロホルミル化反応において、実施例4および実施例7と比較例2および比較例3とを比較すると、ビスホスフィン(I)が錯形成したVIII族金属錯体(I)は、公知のビスホスフィンが錯形成したVIII族金属錯体に比べ、高い触媒活性を達成でき、しかも水素化または異性化などの副反応を起こしていない。また、実施例4の反応条件を変更することにより、実施例5および実施例6に示すように、n/iso比および触媒活性を向上することもできる。一方、実施例4および実施例7と比較例1とを比較すると、ビスホスフィン(I)が錯形成したVIII族金属錯体(I)と同様に、工業的に使用されるトリフェニルホスフィンが錯形成したVIII族金属錯体は水素化または異性化などの副反応を起こしていないが、前者は後者に比べてn/iso比および触媒活性が高い。

発明を実施するための最良の形態

0091

また、1−オクテンのヒドロホルミル化反応において、実施例8および実施例9と比較例5および比較例6を比較すると、ビスホスフィン(I)が錯形成したVIII族金属錯体(I)は、公知のビスホスフィンが錯形成したVIII族金属錯体に比べ、高い触媒活性を達成でき、しかも水素化または異性化などの副反応が抑制できる。一方、実施例8および実施例9と比較例4とを比較すると、ビスホスフィン(I)が錯形成したVIII族金属錯体(I)は、工業的に使用されるトリフェニルホスフィンが錯形成したVIII族金属錯体に比べ、水素化または異性化などの副反応を抑制できるうえ、n/iso比および触媒活性が高い。

発明の効果

0092

本発明によれば、エチレン性不飽和化合物のヒドロホルミル化反応を行う際、高い触媒活性を発現するのみならず、高選択的にn−アルデヒドを得ることができ、かつ水素化、異性化などの副反応を抑制し得るヒドロホルミル化触媒であるVIII族金属錯体(I)が提供され、その錯体の構成成分であるビスホスフィン(I)およびその製造方法が提供される。
本発明によれば、VIII族金属錯体(I)を用いて、エチレン性不飽和化合物を一酸化炭素および水素によりヒドロホルミル化することにより、n−アルデヒドを高い反応速度、かつ高い選択率で得ることができ、水素化、異性化などの副反応を抑制できる。

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