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技術 不定形耐火物の乾燥方法

出願人 新日鐵住金株式会社黒崎播磨株式会社
発明者 齋藤吉俊平初雄犬塚孝之合田広治木下俊之藤井哲郎田川晋一郎井手浩二
出願日 2003年2月14日 (17年10ヶ月経過) 出願番号 2003-036557
公開日 2004年1月8日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2004-002149
状態 特許登録済
技術分野 セラミック製品3
主要キーワード 低電気伝導性 熱電対式温度センサ 短時間施工 昇温初期 乾燥曲線 乾燥パターン 耐火物質 保持過程
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課題

不定形耐火物爆裂や亀裂を発生させることなく乾燥させる方法を提供する。

解決手段

不定形耐火物の乾燥において、雰囲気の温度が120℃以上,180℃以下の範囲内で±10℃以内に、20時間以上保持することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法

概要

背景

不定形耐火物は,れんがと比べて、製造上のエネルギー消費が少ないこと、施工にさほどの熟練度を必要としないこと、さらに短時間施工が可能などの利点を有することから、現在、窯炉内張り耐火物に広く使用され、窯炉の長寿命化に貢献している。炉材コスト削減を目的として、さらに高耐用化が望まれている。

概要

不定形耐火物を爆裂や亀裂を発生させることなく乾燥させる方法を提供する。不定形耐火物の乾燥において、雰囲気の温度が120℃以上,180℃以下の範囲内で±10℃以内に、20時間以上保持することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。   なし

目的

本発明は、不定形耐火物を爆裂や亀裂を発生させることなく乾燥させる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

不定形耐火物の乾燥において、雰囲気の温度を120℃以上,180℃以下の範囲内の±10℃以内に、20時間以上保持することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法

請求項2

不定形耐火物の乾燥において、前記不定形耐火物の温度を120℃以上,180℃以下の範囲内の±10℃以内に、1時間以上保持することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。

請求項3

不定形耐火物の乾燥において、雰囲気の温度を、130℃以上,200℃以下の範囲内の±10℃以内に1時間以上保持する工程を1回以上設け、かつ200℃を超えて250℃以下の範囲内の±10℃以内に1時間以上保持する工程を1回以上設けることを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。

請求項4

不定形耐火物の乾燥において、前記不定形耐火物の温度を130℃以上,200℃以下の範囲内の±10℃以内に1時間以上保持する工程を1回以上設け、かつ200℃を超えて250℃以下の範囲内の±10℃以内に1時間以上保持する工程を1回以上設けることを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。

請求項5

マイクロ波を用いて乾燥することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不定形耐火物の乾燥方法。

請求項6

熱風及びマイクロ波を用いて乾燥することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不定形耐火物の乾燥方法。

請求項7

不定形耐火物に、1又は2ヵ所以上の温度測定個所を設け、測定箇所ごとに、請求項1〜6のいずれか1項に記載の乾燥方法を適用し、不定形耐火物を乾燥することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の保持温度に到達するまで、不定形耐火物を1時間あたり10℃以上150℃以下で昇温することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の保持を行った後、不定形耐火物の昇温速度が3℃/hrを超える時点を乾燥の終了とすることを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。

請求項10

乾燥中の不定形耐火物中の電気抵抗値を測定し、電気抵抗値が1.5kΩを超える時点を乾燥の終了とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の不定形耐火物の乾燥方法。

技術分野

0001

本発明は、不定形耐火物爆裂や亀裂を生じさせることなく、乾燥させることを可能とする方法に関するものである。

0002

不定形耐火物は,れんがと比べて、製造上のエネルギー消費が少ないこと、施工にさほどの熟練度を必要としないこと、さらに短時間施工が可能などの利点を有することから、現在、窯炉内張り耐火物に広く使用され、窯炉の長寿命化に貢献している。炉材コスト削減を目的として、さらに高耐用化が望まれている。

0003

不定形耐火物で構築された炉壁は、施工用あるいは結合反応用として加えられた水分を含んでいる。この水分を、最初に乾燥させるために昇温し、蒸気化して脱水する。この操作で、脱水時に蒸気化が急激に起こると、炉壁内に大きな蒸気圧が発生し、そのエネルギーによって爆裂現象が発生し、炉壁を破損することがある。そのため、乾燥制御技術が重要であり、例えば、非特許文献1には、典型的な昇温パターンが示されている。さらに、不定形耐火物では、マイクロ波を使用した乾燥方法が採用されているケースもある。マイクロ波は、波長の短い電磁波であり、不定形耐火物のような低電気伝導性で水分を含む誘電体に対しては、内部から加熱することができ、熱伝導に依存するガス乾燥法と比べて、耐火物内部の温度勾配が付きにくく、水蒸気による爆裂現象が生じにくい特徴を有している。例えば、非特許文献2では、マイクロ波による乾燥曲線の典型例が提示されている。

背景技術

0004

【非特許文献1】
日本プライブリコ(株)発行「不定形耐火物」,p.454(1979年発行)
【非特許文献2】
耐火物,33,365−370(1981)

0005

近年、不定形耐火物の耐食性を向上させるために、超微粉を多用する緻密化技術が普及し、その結果、従来に比べ、乾燥中の爆裂の危険性が高くなってきている。また、養生時の温度や水分量の変動によっても、不定形耐火物の緻密さや強度が変化するため、爆裂や亀裂が発生することが多々認められた。一般的に、昇温速度を遅くすれば脱水も徐々に進行するため、爆裂を回避するうえで好ましいといえる。しかしながら、乾燥時間の延長に伴う生産性の低下やエネルギーコストの増加などの問題が発生してくる。そこで、不定形耐火物を爆裂や亀裂を発生させることなく、安定的に乾燥する方法が求められてきた。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、不定形耐火物を爆裂や亀裂を発生させることなく乾燥させる方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

従来の技術が抱える課題を解決すべく、鋭意、不定形耐火物の乾燥方法に関する調査を重ねた結果、乾燥中の雰囲気や材料の温度を適切に制御することが有効であるとの知見を得た。本発明の要旨は下記(1)〜(10)のとおりである。
(1)不定形耐火物の乾燥において、雰囲気の温度を120℃以上,180℃以下の範囲内の±10℃以内に、20時間以上保持すことを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。
(2)不定形耐火物の乾燥において、前記不定形耐火物の温度を120℃以上,180℃以下の範囲内の±10℃以内に、1時間以上保持することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。
(3)不定形耐火物の乾燥において、雰囲気の温度を130℃以上,200℃以下の範囲内の±10℃以内に1時間以上保持する工程を1回以上設け、かつ200℃を超えて250℃以下の範囲内の±10℃以内に1時間以上保持する工程を1回以上設けることを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。
(4)不定形耐火物の乾燥において、前記不定形耐火物の温度を130℃以上,200℃以下の範囲内の±10℃以内に1時間以上保持する工程を1回以上設け、かつ200℃を超えて250℃以下の範囲内の±10℃以内に1時間以上保持する工程を1回以上設けることを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。
(5)マイクロ波を用いて乾燥することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の不定形耐火物の乾燥方法。
(6)熱風及びマイクロ波を用いて乾燥することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の不定形耐火物の乾燥方法。
(7)不定形耐火物に、1又は2ヵ所以上の温度測定個所を設け、測定箇所ごとに、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の乾燥方法を適用し、不定形耐火物を乾燥することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。
(8) (1)〜(7)のいずれか1項に記載の保持温度に到達するまで、不定形耐火物を1時間あたり10℃以上150℃以下で昇温することを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。
(9) (1)〜(8)のいずれか1項に記載の保持を行った後、不定形耐火物の昇温速度が3℃/hrを超える時点を乾燥の終了とすることを特徴とする不定形耐火物の乾燥方法。
(10)乾燥中の不定形耐火物中の電気抵抗値を測定し、電気抵抗値が1.5kΩを超えたときを乾燥の終了とすることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載の不定形耐火物の乾燥方法。

0008

前記(1)に係る発明において、雰囲気の温度を120〜180℃の範囲内で±10℃以内に20時間以上保持すると、不定形耐火物に含まれる水を最も短時間で乾燥させることができる。保持温度が+10℃よりも上昇する場合、不定形耐火物(材料ともいう)の昇温にも熱が用いられ、また、急激に温度が上昇すると爆裂の危険性があるために好ましくない。−10℃よりも低下する場合、不定形耐火物に含まれる水を蒸発させるのに十分な熱量がなく、乾燥がほとんど進行しないことになるので好ましくない。

0009

また、120℃よりも雰囲気温度が低い場合、乾燥に長時間を要することになり好ましくない。180℃を超えて雰囲気温度が高い場合、急激に水の蒸発が進行し、爆裂を発生する危険性が高くなるので好ましくない。

0010

上記温度範囲での保持時間が20時間より短いと、不定形耐火物に含まれる水の乾燥が十分ではないので、20時間以上保持することとする。

0011

炉内雰囲気を測温する場所は、後述する(3)に係る発明を含め特に限定するものではないが、空気(熱風)吹き込み口では、風速の変化等の影響も受けて温度の変動が激しいことから、空気(熱風)吹き込み口よりも乾燥対象試料表面に近い位置で測温することが好ましい。

0012

前記(2)に係る発明において、材料の温度を120〜180℃の範囲内で±10℃以内に1時間以上保持すると、不定形耐火物に含まれる水を最も短時間で乾燥させることができる。保持温度が+10℃よりも上昇する場合、材料の昇温にも熱が用いられ、また、急激に温度が上昇すると爆裂の危険性があるために好ましくない。保持温度が−10℃よりも低下する場合、不定形耐火物に含まれる水を蒸発させるのに十分な熱量がなく、材料の畜熱分が水の蒸発に使われ、さらに材料の温度が低下し、乾燥が進まなくなるので好ましくない。

0013

また、120℃よりも材料の温度が低い場合、乾燥に長時間を要することになり好ましくない。180℃を超えて材料の温度が高い場合、急激に水の蒸発が進行し、爆裂を発生する危険性が高くなるので好ましくない。

0014

上記温度範囲での保持時間が1時間より短いと、十分に材料の温度上昇や水の乾燥が進んでいないので、1時間以上保持することとする。

0015

前記(3)に係る発明において、第一段階で保持する雰囲気の温度が130℃よりも低い場合、水の移動及び蒸発に要する熱量が十分でないために、乾燥に長時間を要することになるので不適切である。200℃を超えると、不定形耐火物に含まれている水が急激に蒸気化して脱水し、内部に大きな蒸気圧が発生し、そのエネルギーによって爆裂現象が発生し、炉壁を破損することにつながるので不適切である。

0016

上記温度範囲内での保持温度が+10℃よりも上昇する場合、材料の昇温にも熱が用いられ、また、急激に温度が上昇すると爆裂の危険性があるために好ましくない。保持温度が−10℃よりも低下する場合、不定形耐火物に含まれる水を蒸発させるのに十分な熱量がなく、材料の畜熱分が水の蒸発に使われ、さらに材料の温度が低下し、乾燥が進まなくなるので好ましくない。

0017

保持時間は、材料の緻密さや厚みによっても異なるが、一般的には、1時間よりも短い場合、十分に材料の温度上昇や水の乾燥が進んでいないので好ましくない。

0018

次に、第二段階で保持する雰囲気の温度が200℃未満では、水の移動及び蒸発に要する熱量が十分でないために、乾燥に長時間を要することになるので不適切である。250℃超では、特に、この段階までに十分に水が抜けていない場合、爆裂の危険性が高くなるので好ましくない。

0019

また、保持温度の範囲が±10℃を超えると、乾燥時間の延長や爆裂発生の危険性が高くなるので好ましくない。

0020

保持温度が1時間より短いと、十分に材料の温度上昇や水の乾燥が進んでいないので好ましくない。

0021

前記(4)に係る発明において、第一段階で保持する不定形耐火物の温度が130℃よりも低い場合、水の移動及び蒸発に要する熱量が十分でないために、乾燥に長時間を要することになるので不適切である。200℃を超えると、不定形耐火物に含まれている水が急激に蒸気化して脱水し、内部に大きな蒸気圧が発生し、そのエネルギーによって爆裂現象が発生し、炉壁を破損することにつながるので不適切である。

0022

上記温度範囲内での保持温度が+10℃よりも上昇する場合、材料の昇温にも熱が用いられ、また、急激に温度が上昇すると爆裂の危険性があるために好ましくない。保持温度が−10℃よりも低下する場合、不定形耐火物に含まれる水を蒸発させるのに十分な熱量がなく、材料の畜熱分が水の蒸発に使われ、さらに材料の温度が低下し、乾燥が進まなくなるので好ましくない。

0023

保持時間は、材料の緻密さや厚みによっても異なるが、一般的には、1時間よりも短い場合、十分に材料の温度上昇や水の乾燥が進んでいないので好ましくない。

0024

次に、第二段階で保持する不定形耐火物の温度が200℃未満では、水の移動及び蒸発に要する熱量が十分でないために、乾燥に長時間を要することになるので不適切である。250℃超では、特に、この段階までに十分に水が抜けていない場合、爆裂の危険性が高くなるので好ましくない。

0025

また、保持温度の範囲が±10℃を超えると、乾燥時間の延長や爆裂発生の危険性が高くなるので好ましくない。

0026

保持温度が1時間より短いと、十分に材料の温度上昇や水の乾燥が進んでいないので好ましくない。

0027

前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の発明に係る雰囲気温度や不定形耐火物の温度を所定の温度±10℃以内の範囲に保持するには、材料からの抜熱量、すなわち外部の雰囲気温度や断熱条件によっても異なるものの、一般的には、熱風温度を100℃以上,300℃以下程度、及び/又はマイクロ波出力耐火物質量1トンあたり0.5kW以上,10kW以下程度に制御すればよい。また、マイクロ波加熱はON−OFF制御が可能であるので、所定の温度±10℃以内に保持することが、より容易である。マイクロ波加熱で所定の温度±10℃以内に保持するときには、マイクロ波出力を前記出力よりも0.5kW以上程度、低い値に設定すればよい。

0028

また、熱風とマイクロ波を併用して乾燥を実施する場合、熱風またマイクロ波を投入するタイミングについては特に規定しない。昇温初期から熱風とマイクロ波の両方を投入してもよいし、初期は熱風のみで途中からマイクロ波を投入、また、初期はマイクロ波のみで途中から熱風を投入してもよい。

0029

前記(7)に係る発明において、耐火物表面は凹凸もあり、位置によって水の移動及び蒸発速度が異なる場合もあるので、不定形耐火物には1又は2箇所以上、好ましくは3箇所以上測定箇所を設けて、測定箇所ごとに前記(1)〜(6)に係る乾燥方法を適用することにより、短時間で爆裂や亀裂を発生させることなく乾燥させることができる。2箇所以上測温する際には、耐火物内部に、施工時に表面から少なくとも深さ100mmおきに、温度センサーを埋め込むことが好ましい。本発明の温度制御を行う上でも、表面から少なくとも100mmおきに3点以上、背面側まで測温することが更に好ましい。また、不定形耐火物の上部、下部、コーナー部等複数の箇所に設置することも有効である。

0030

前記(8)に係る発明において、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の保持温度に到達するまで、不定形耐火物を1時間当り10℃以上150℃以下で昇温する。所定の保持温度に到達するまでの加熱速度が1時間当り10℃より遅い場合、保持温度に達する途中に不定形耐火物の表面から乾燥が進み、表面近傍に緻密な層が形成される。この緻密な層が内部の水や水蒸気の拡散を妨げ、爆裂の危険性や乾燥時間の延長化を招く可能性がある。一方1時間当り150℃より速いと、所定の保持温度に到達したあと、その温度を保持するには、一旦、急激にマイクロ波出力を下げる必要がある。この場合、大型窯炉を対象とした場合には、特にマイクロ波の効果が低い部位では急激な温度低下を招き、全体としては乾燥時間が長くなる可能性があるので、加熱速度は1時間当り10℃以上150℃以下とすることが好ましい。

0031

昇温時と保持時の熱源が同じ出力では、保持時に投入したエネルギーが水の蒸発だけでなく材料の昇温にも使われ、蒸発速度が遅い場合には、爆裂を引き起こすことになるので、マイクロ波を用いて加熱する場合、所定の温度範囲に保持するためにはマイクロ波出力を昇温時より低い値に設定した方がよい。通常は、5時間程度かけて昇温し、好ましくは130℃以上,170℃以下の所定の温度に達した時点で、その温度を±5℃で保持しながら、不定形耐火物に含まれる水を乾燥し、さらに好ましくは、前記の乾燥に加え5時間程度かけて昇温し、210〜240℃±5℃以内で保持しながら、全ての水を蒸発させることが望ましい。

0032

熱風を主体として乾燥を行う場合、昇温過程では、目標とする所定の温度と同じ温度に設定すると、内部まで所定の温度に達するまでに長時間を要することになるので好ましくない。また、逆に保持過程から見ると、昇温時と同じ温度または高い温度に熱風温度を設定すると、雰囲気温度又は不定形耐火物の温度が目標の保持温度よりも上昇し、爆裂の危険性が高くなるので好ましくない。つまり、昇温過程では、熱風温度を保持過程より高くすることが好ましい。好ましくは、保持時の熱風温度よりも10℃以上100℃以下高い温度に設定すればよい。昇温時の熱風温度が保持時より10℃未満しか高くないと、昇温時に近い昇温速度で保持温度が高温まで上がり、爆裂する可能性があるので好ましくない。昇温時の熱風温度を保持時より100℃を超えて高い温度に設定すると、保持過程において徐々に目標とする保持温度が低下する可能性が高く、好ましくない。一方、昇温過程において、熱風温度を極端に高い温度例えば500℃程度に設定すると、熱風が直接あたる表面など局部的には極めて高温になる可能性もあり、爆裂の危険性が高くなるので昇温時の熱風温度は500℃未満とすることが好ましい。

0033

前記(9)に係る発明において、材料の昇温速度が3℃/hrを超える時点を乾燥の終了とした理由は、乾燥が盛んにおきる期間においては、熱風やマイクロ波を用いて投入したエネルギーは、ほとんどが水の蒸発に費やされるが、乾燥が進行して水の量が少なくなるにつれて、蒸発だけでなく材料の温度上昇にも使われるようになり、乾燥が盛んに起きている期間に比べて、昇温速度が大きくなる。そのために、温度の上昇速度をモニタリングすれば、乾燥の終了を判定することができるからである。昇温速度が3℃/hrよりも低い場合には、水がまだ多く含まれており、この段階で、例えば、1600℃を超える溶鋼を受けた場合、急激な蒸気化に伴い爆裂する危険性があるので好ましくない。

0034

前記(10)に係る発明で、乾燥の終了判定を電気抵抗値1.5kΩとした理由は、実験結果から、電気抵抗値が1.5kΩ以下のときには、水がまだ多く残っており、爆裂の危険性があることがわかったからである。電気抵抗値の測定方法としては、例えば、特開昭62−116247号公報に記載されているように、施工時に一対の電極を所定の間隔を置いて不定形耐火物施工体の内部に埋設し、両電極間に1〜10V程度の電圧印加して通電し、電気抵抗値を測定すればよい。

0035

本発明が対象とする不定形耐火物は、珪酸質、シリカアルミナ質マグネシアライム質、アルミナ質、アルミナマグネシア質、アルミナ−スピネル質、アルミナ−スピネル−マグネシア質粘土質クロム質、ろう石質、ジルコン及びジルコニア質、高アルミナ質、炭素質炭化珪素質、クロム質、マグネシア質、マグネシア・クロム質、ドロマイト質、マグネシア・カーボン質、アルミナ・カーボン質、アルミナ・炭化珪素・カーボン質、アルミナ・マグネシア・カーボン質、ジルコニア−カーボン質など、特に限定するものではない。また、硬化法も、アルミナセメントのように水和反応を用いる水硬性に限らず、化学硬化性、熱硬性気硬性のいずれでもよく特に限定するものではない。施工法流し込み、こて塗り、吹き付け、振動施工、打ち込み、圧入等のいずれでも構わない。プレキャストブロックでもよい.化学組成,形態や形状も特に限定しない。

0036

また、対象とする窯炉は、高炉傾注樋出銑樋溶銑鍋溶銑予備処理炉混銑車転炉溶鋼鍋,RHやDHなどの二次精錬設備タンディッシュ加熱炉さらに、ガラス溶解炉セメントキルン焼却炉電気炉などのいずれでもよく、特に限定するものではない。

0037

乾燥に用いる熱風発生装置としては、ガスバーナー電気ヒーター石油ヒーターなどを熱源とし、空気、窒素、水蒸気、燃料燃焼排ガスなどを含めて、あらゆる熱風を発生できる従来の熱風発生機を使用することができる。

0038

使用するマイクロ波については、電波法ISM周波数帯として、915MHz,2450MHzを含む4種類が割り与えられているが、周波数が大きいほど耐火物内部に浸透する深さは浅くなるので、厚み方向の均一加熱性を考慮して、915MHzと2450MHzを用いることが望ましい。マイクロ波は壁反射され、炉内は均一な電解を形成しやすい環境にあるので、銅、アルミニウムステンレス等の金属製囲いを用いることが好ましい。特に、構造体としての安定性から金属製で構成された加熱炉では、マイクロ波は壁反射され、炉内は均一な電界を形成しやすい環境にあるので好ましい。被加熱物に集中的な電界が加わるように、例えば、電熱,No.27,p.7〜10(1986)に記載されているように、工夫することが必要である。

0039

乾燥時にマイクロ波を使用する場合、乾燥中の温度測定には、一般にCA熱電対などを使用するが、特に、正確な温度測定を行うには、光ファイバー式温度センサーを使用することが好ましい。爆裂を防止しかつ熱効率に優れた最適な乾燥条件を得るためには、特に、耐火物内部まで含めた温度計測が必須である。炉内の雰囲気や耐火物の温度は、通常、 C/Aなどの熱電対式温度センサーを使用すれば、常温から高温域までの連続的な測定が可能である。光ファイバー式温度計は、通常400℃程度に耐えることができる光ファイバーの端面に接着された半導体結晶光吸収作用を利用している。具体的に、使用する光ファイバー式温度計としては、例えば、Canada NORTECH FIBRONIC INC.社のモデルNoEMI−TSシリーズ、USA LUXTRON CORP.社のフロロチック光ファイバー方式温度計、Canada FISO TECHNOLOGIES INC.社の白色光ファブリーペローファイバーセンサーなどを使用することができる。センサー部分は、通常、直径1〜2mm,長さ50〜100mm程度である。

0040

【実施例】
以下に本発明を実施例によって説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0041

〔実施例1〕
ステンレス(SUS304)を用いて600×1000×500mmの囲いを構成された加熱炉に、アルミナ95質量%、アルミナセメント5質量%、施工水分として外掛けで6%の水を添加し、予め400×400×400mmの所定形状に流し込み施工し、養生、脱枠しプレキャストブロックとした。この400×400×400mmのアルミナ質プレキャストブロックを1個、200kgを鋼製囲い内部にセットした。ブロックの周囲をシリカ系断熱材で接触させて覆い、熱放散を抑制した。プレキャストブロックを載置した鋼製の囲いと開口部を覆う金属蓋で形成した空間を空洞共振器として、周波数2450MHzに対して±50MHzの範囲で誘電加熱を行った。プレキャストブロック内の測温については、プレキャストブロックの中央の表面から深さ方向100mmおきに計4点に、センサー部分の長さ15mm,直径0.6mmの光ファイバー式温度センサー(Canada FISO社製)を取り付け、この温度を監視しながら、熱風の投入等の乾燥制御を実施した。測温点は表面から▲1▼→▲4▼と符号をつけた。また、雰囲気の測温については、プレキャストブロックの中央から高さ100mm離れた所に、同様の光ファイバー式温度センサー(Canada FISO社製)を設置した。乾燥は熱風とマイクロ波を初期から乾燥終了まで併用して実施した。表1に、乾燥パターン、測温結果及び乾燥時間等の結果を併せて示す。

0042

【表1】

0043

本発明例1、2は、前記(1)、(2)に係る本発明の条件を満たす本発明例である。比較例1は、雰囲気温度、保持温度とも前記本発明の範囲の下限を外れた場合である。比較例2は、前記本発明の範囲の上限を超えた場合である。乾燥完了は、▲1▼〜▲4▼全ての電気抵抗値が10kΩを超えた時点とした。本発明例1及び2は、爆裂や亀裂の発生なく、乾燥を完了することができた。比較例1は、乾燥に極めて長時間を要した。比較例2では、乾燥途中に爆裂が発生し、所定の不定形耐火物を得ることができなかった。

0044

〔実施例2〕
実施例1と同じ装置、試料を用いて、保持温度を2段階に変えた試験を行った。表2に、乾燥パターン、測温結果及び乾燥時間等の結果を併せて示す。比較例4は、第一段階の乾燥途中に亀裂が発生したので、乾燥を中止した。乾燥完了は▲1▼〜▲4▼全ての電気抵抗値が10kΩを超えた時点とした。

0045

【表2】

0046

本発明例3、4は、前記(3)、(4)に係る本発明の条件を満たす本発明例である。比較例4は、第一段階の保持温度が前記(4)に係る本発明の範囲を外れた場合である。比較例5は、第二段階の保持温度が前記(4)に係る本発明の範囲を外れた場合である。乾燥完了は、▲1▼〜▲4▼全ての電気抵抗値が10kΩを超えた時点とした。本発明例3及び4は、爆裂や亀裂を発生させることなく、従来に比べても大幅に短い時間で乾燥を完了した。本発明を満たす実施例の中でも、2段階の乾燥制御を行った実施例3及び4は、実施例1及び2と比べても短時間で乾燥を終了することができた。比較例4,5では、何れも爆裂や亀裂が発生した。

0047

〔実施例3〕
実施例1と同じ装置、試料を用いて、昇温後に保持を1回行う乾燥試験を行った。表3に、昇温及び乾燥パターン、測温結果及び乾燥時間等の結果を併せて示す。なお、表3記載の温度は、乾燥完了時の温度を示す。乾燥の終了判定については、実施例5では10kΩ、実施例6では2kΩ、比較例6では10kΩ、比較例7では1kΩとした。

0048

【表3】

発明を実施するための最良の形態

0049

本発明例5〜7は、前記(2)、(8)及び(10)に係る本発明の条件を満たす。比較例6は、材料の昇温条件が前記(8)に係る本発明の範囲を外れ、乾燥の終了判定が前記(10)に係る本発明の範囲を外れた場合である。本発明例5〜7では比較例6に比べ、前記(8)に係る本発明に基づいて急速な昇温を行った効果があり、乾燥時間を大幅に短くすることができた。さらに、乾燥終了判定を前記(10)に係る本発明に基づいて本発明例5よりも低い値に設定した本発明例6では、本発明例5よりも短時間に乾燥することができた。しかしながら、前記(10)に係る本発明の条件よりも乾燥終了判定を低い抵抗値に設定した本発明例7では、まだ水が材料内にやや多く残存していたために、使用前の予熱中に一部に亀裂を発生し、本発明例5、6に比べ好ましくない結果となった。

発明の効果

0050

本発明の乾燥方法により、不定形耐火物を爆裂や亀裂を発生させることなく、短時間に乾燥させることが可能になる。

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  • 日本特殊陶業株式会社の「 電極埋設部材の製造方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】電極埋設部材を構成する材料の内部にクラックや残留応力が発生することを抑制し、或いは電極が変形することを抑制すること。【解決手段】本発明の電極埋設部材の製造方法は、セラミックス成形体を脱脂して作... 詳細

  • 日本特殊陶業株式会社の「 セラミックス体の製造方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】残炭に起因する品質低下の抑制と焼成炉を構成する金属部材の酸化の抑制とを図りつつ、セラミックス体を製造する。【解決手段】セラミックス体の製造方法は、セラミックス体の焼成前のセラミックス前駆体であ... 詳細

  • 三菱電機株式会社の「 造形物の製造方法および造形装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】研磨等がしにくい箇所を滑らかに仕上げることのできる造形物の製造方法を得ること。【解決手段】本発明は、樹脂成形品である中子11の周囲に、金属またはセラミックスと樹脂とを堆積させる堆積工程と、中子... 詳細

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