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技術 免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーのメンバー、PIGR−2

出願人 スミスクラインビーチャムコーポレーション
発明者 レイモンドダブル.スウィートアレムセジドトルネーシュジアンウー
出願日 2003年4月9日 (17年8ヶ月経過) 出願番号 2003-105199
公開日 2004年1月8日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2004-000193
状態 未査定
技術分野 生物学的材料の調査,分析 特有な方法による材料の調査、分析 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 特定位 本発明組成 テールピース フリースタンディング 不足量 引用文 JEC PERT
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課題

免疫グロブリンスーパーファミリーメンバーであるPIGR−2ポリペプチドおよびポリヌクレオチド生産方法慢性関節リウマチ、乾せん、神経系疾患等の治療診断アッセイにおけるそれらの使用を提供する。

解決手段

PIGR−2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列全長において少なくとも80%同一であり、かつPIGR−2ポリペプチドの活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、またはこのヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドを単離する。

概要

背景

免疫グロブリンIg)遺伝子スーパーファミリーは、抗体のH鎖L鎖のVおよびCドメインとの配列相同性を有する、多数の細胞表面糖タンパク質から構成されている。これらの分子抗原、免疫グロブリンおよびサイトカインならびに接着分子のための受容体として機能している(A.F. Williamsら, Annu. Rev. Immunol. 6:381−405, 1988)。
Igスーパーファミリーの大部分のメンバーは、複数のIgV− およびC− 様ドメインを含む比較的複雑なポリドメイン分子である(T. Hunkapillerら, Adv. Immunol. 44:1−63, 1989)。しかしながら、それらの一サブセット細胞外領域に単一のIgドメインのみを含む比較的単純な構造をもっている。このタイプの受容体の例としてCD28およびCD8がある(A. Aruffoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:8573−8577, 1987)。最近、単一の細胞外IgVドメインを含むIg遺伝子スーパーファミリーの新規膜糖タンパク質であるCMRF−35がD.G. Jacksonら(Eur. J. Immunol. 22:1157−1163, 1992) により同定された。今日まで、CMRF−35は骨髄分化経路リンパ球様分化経路中の細胞上にもっぱら見いだされている。しかしながら、この遺伝子の発現は、マイトジェンやサイトカインによる白血球刺激により著しく影響される(A. Daishら, Immunology 79:55−63, 1993)。これにより、CMRF−35は多様な白血球型の分化および増殖と大いに関係があることが示唆される。このことは、こうした受容体に治療ターゲットとしての確立され実証された歴史があることを示している。

概要

免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであるPIGR−2ポリペプチドおよびポリヌクレオチド生産方法慢性関節リウマチ、乾せん、神経系疾患等の治療と診断アッセイにおけるそれらの使用を提供する。PIGR−2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列全長において少なくとも80%同一であり、かつPIGR−2ポリペプチドの活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、またはこのヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドを単離する。

目的

明らかに、慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬全身性エリテマトーデスSLE)および炎症性腸疾患(IBD)を含むがこれらに限らない、機能障害または疾病を予防し、改善し、治療する上で何らかの役割を果たす新たな受容体を同定して特性付ける必要性が存在している。本発明は、このような受容体を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

列番号2のPIGR−2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列全長において少なくとも80%同一であり、かつPIGR−2ポリペプチドの活性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、またはこのヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド

請求項2

前記のポリヌクレオチドが、配列番号2のPIGR−2ポリペプチドをコードする配列番号1中に含まれるヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1に記載のポリヌクレオチド。

請求項3

前記のポリヌクレオチドが、その全長において配列番号1のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1に記載のポリヌクレオチド。

請求項4

配列番号1のポリヌクレオチドである、請求項3に記載のポリヌクレオチド。

請求項5

DNAまたはRNAである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。

請求項6

配列番号2のPIGR−2ポリペプチドのアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が付加、欠失または置換されており、かつPIGR−2ポリペプチドの活性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド。

請求項7

下記発現系が適合性宿主細胞内に存在するとき配列番号2のポリペプチドと少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含むPIGR−2ポリペプチドを産生することができる発現系を含んでなるDNAまたはRNA分子

請求項8

請求項7に記載の発現系を含有する宿主細胞。

請求項9

PIGR−2ポリペプチドを産生させるのに十分な条件下で請求項8に記載の宿主細胞を培養し、この培養物から前記ポリペプチドを回収することを含んでなる、PIGR−2ポリペプチドの産生方法

請求項10

宿主細胞が適当な培養条件下でPIGR−2ポリペプチドを産生するように、請求項7に記載の発現系を用いて宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションすることを含んでなる、PIGR−2ポリペプチドを産生する細胞作製方法

請求項11

全長において配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んでなるPIGR−2ポリペプチド。

請求項12

配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項11に記載のポリペプチド。

請求項13

請求項11に記載のPIGR−2ポリペプチドに免疫特異的な抗体。

請求項14

請求項11に記載のPIGR−2ポリペプチドの増大した活性または発現を必要としている患者治療するための医薬組成物であって、治療上有効な量の、(a) 前記受容体に対するアゴニスト、および/または(b) 前記ポリペプチド活性のin vivo 生産をもたらす形の、配列番号2のPIGR−2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と全長において少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列、または前記ヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、を含んでなる医薬組成物。

請求項15

請求項11に記載のPIGR−2ポリペプチドの活性または発現を抑制する必要がある患者を治療するための医薬組成物であって、治療上有効な量の、(a) 前記受容体に対するアンタゴニスト、および/または(b) 前記受容体をコードするヌクレオチド配列の発現を抑制する核酸分子、および/または(c) 前記受容体とそのリガンドについて競合するポリペプチド、を含んでなる医薬組成物。

請求項16

請求項11に記載のPIGR−2ポリペプチドの発現または活性と関連した被験者疾病またはその罹病性検出方法であって、(a) 前記被験者由来ゲノム中のPIGR−2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に突然変異があるかどうかを調べる、および/または(b) 前記被験者から得られたサンプル中のPIGR−2ポリペプチド発現の存在または量を分析する、ことを含んでなる方法。

請求項17

請求項11に記載のPIGR−2ポリペプチドに対するアゴニストの同定方法であって、(a) PIGR−2ポリペプチドを産生する細胞と候補化合物とを接触させ、そして(b) その候補化合物がPIGR−2ポリペプチドの活性化によりシグナルを発生させるか否かを調べる、ことを含んでなる方法。

請求項18

請求項11に記載のPIGR−2ポリペプチドに対するアンタゴニストの同定方法であって、(a) PIGR−2ポリペプチドを産生する細胞とアゴニストとを接触させ、そして(b) 前記アゴニストにより発生したシグナルが候補化合物の存在下で減少するか否かを調べる、ことを含んでなる方法。

請求項19

請求項18に記載の方法により同定されたアンタゴニスト。

請求項20

請求項10に記載の方法により作製された組換え宿主細胞またはPIGR−2ポリペプチドを発現しているその膜。

技術分野

0001

本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチド、このポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、前記のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用、並びにその生産方法に関する。より詳細には、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは免疫グロブリンスーパーファミリーに関係しており、以後PIGR−2と記す。本発明はまた、このようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの作用を阻害または活性化することに関する。

背景技術

0002

免疫グロブリン(Ig)遺伝子スーパーファミリーは、抗体のH鎖L鎖のVおよびCドメインとの配列相同性を有する、多数の細胞表面糖タンパク質から構成されている。これらの分子抗原、免疫グロブリンおよびサイトカインならびに接着分子のための受容体として機能している(A.F. Williamsら, Annu. Rev. Immunol. 6:381−405, 1988)。
Igスーパーファミリーの大部分のメンバーは、複数のIgV− およびC− 様ドメインを含む比較的複雑なポリドメイン分子である(T. Hunkapillerら, Adv. Immunol. 44:1−63, 1989)。しかしながら、それらの一サブセット細胞外領域に単一のIgドメインのみを含む比較的単純な構造をもっている。このタイプの受容体の例としてCD28およびCD8がある(A. Aruffoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:8573−8577, 1987)。最近、単一の細胞外IgVドメインを含むIg遺伝子スーパーファミリーの新規膜糖タンパク質であるCMRF−35がD.G. Jacksonら(Eur. J. Immunol. 22:1157−1163, 1992) により同定された。今日まで、CMRF−35は骨髄分化経路リンパ球様分化経路中の細胞上にもっぱら見いだされている。しかしながら、この遺伝子の発現は、マイトジェンやサイトカインによる白血球刺激により著しく影響される(A. Daishら, Immunology 79:55−63, 1993)。これにより、CMRF−35は多様な白血球型の分化および増殖と大いに関係があることが示唆される。このことは、こうした受容体に治療ターゲットとしての確立され実証された歴史があることを示している。

発明が解決しようとする課題

0003

明らかに、慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬全身性エリテマトーデスSLE)および炎症性腸疾患(IBD)を含むがこれらに限らない、機能障害または疾病を予防し、改善し、治療する上で何らかの役割を果たす新たな受容体を同定して特性付ける必要性が存在している。本発明は、このような受容体を提供するものである。

0004

本発明は、一つの態様において、PIGR−2ポリペプチドおよび組換え物質、並びにその生産方法に関する。本発明のもう一つの態様はPIGR−2ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に関する。こうした使用には、とりわけ、慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)および炎症性腸疾患(IBD)の治療が含まれる。他の態様では、本発明は、本発明により提供される物質を用いてアゴニストおよびアンタゴニストを同定する方法、並びに同定された化合物を用いてPIGR−2の平衡異常と関連した症状を治療することに関する。本発明のさらに他の態様は、不適当なPIGR−2活性またはPIGR−2レベルと関連した疾病を検出するための診断アッセイに関する。

0005

定義
下記の定義は、本明細書中で頻繁に使用される用語を理解しやすくするためのものである。
「PIGR−2」とは、特に、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドまたはそのアレル変異体を意味する。
受容体活性」または「受容体の生物学的活性」とは、類似の活性、向上した活性、または望ましくない副作用が低下したこれらの活性を含めて、PIGR−2の代謝的または生理的機能を意味する。さらに、前記PIGR−2の抗原的および免疫原的活性も含まれる。
「PIGR−2遺伝子」とは、配列番号1で表されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドまたはそのアレル変異体および/またはそれらの相補体を意味する。

0006

本明細書中で用いる「抗体」には、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体キメラ抗体一本鎖抗体ヒト化抗体、さらにFabまたは他の免疫グロブリン発現ライブラリーの産物を含むFabフラグメントが含まれる。
「単離された」とは、天然の状態から「人間の手によって」改変されたことを意味する。「単離された」組成物または物質が天然に存在するのであれば、それはそのもとの環境から変化しているか移動しており、またはその両方である。例えば、生存している動物体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離された」ものではないが、その天然状態共存物質から分離されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、本明細書中で用いられるように、「単離された」ものである。

0007

「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドをさし、これは修飾されていないRNAもしくはDNA、または修飾されたRNAもしくはDNAであり得る。「ポリヌクレオチド」には、制限するものではないが、一本鎖および二本鎖DNA一本鎖領域二本鎖領域混じり合ったDNA、一本鎖および二本鎖RNA、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったRNA、DNAとRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖でも、またはより典型的には二本鎖でもよく、一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったものでもよい)が含まれる。加えて、「ポリヌクレオチド」はRNAもしくはDNAまたはRNAとDNAの両方からなる三重鎖領域を意味する。「ポリヌクレオチド」という用語はまた、1個以上の修飾塩基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたはRNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチル化された塩基およびイノシンのような特殊な塩基がある。DNAおよびRNAに対してさまざまな修飾が行われてきた。こうして、「ポリヌクレオチド」は、自然界に一般的に存在するポリヌクレオチドの化学的酵素的または代謝的に修飾された形態、並びにウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態包含する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴヌクレオチドと称される比較的短いポリヌクレオチドも包含する。

0008

「ポリペプチド」とは、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合(すなわち、ペプチドアイソスター)により連結された2個以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を意味する。「ポリペプチド」は短鎖(通常はペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴマーという)と長鎖(一般的にはタンパク質という)の両方をさす。ポリペプチドは20種類の遺伝子コード化アミノ酸以外のアミノ酸を含んでもよい。「ポリペプチド」は、翻訳後プロセシングのような天然のプロセスで、または当技術分野で公知の化学的修飾法のいずれかで修飾されたアミノ酸配列を含む。このような修飾は基本的な教科書、より詳細な学術論文および研究文献に詳述されている。修飾はペプチド骨格、アミノ酸側鎖アミノまたはカルボキシル末端を含めてポリペプチドのどこでも行うことができる。同じタイプの修飾が所定のポリペプチドのいくつかの部位に同程度でまたはさまざまに異なる程度で存在してもよい。また、所定のポリペプチドが多くのタイプの修飾を含んでいてもよい。ポリペプチドはユビキチン化のために分枝していても、分枝のある又はない環状であってもよい。環状の、分枝した、または分枝した環状のポリペプチドは翻訳後の天然プロセスから生じることがあり、また、合成法によって製造することもできる。修飾としては、アセチル化アシル化ADPリボシル化アミド化フラビン共有結合ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋環化ジスルフィド結合の形成、脱メチル化共有架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化ヨウ素化メチル化ミリストイル化酸化タンパク質分解処理リン酸化プレニル化ラセミ化セレノイル化、硫酸化アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介付加、ユビキチン化などがある。例えば、PROTEINS − STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,第2版, T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York, 1993; POSTTRANSLATINAL COVALENTODIFICATION OF PROTEINS, B.C. Johnson 編, Academic Press, New York, 1983中のWold, F., Posttranslational Protein Modifications: Perspectives and Prospects, pgs. 1−12; Seifter ら, “Analysis for protein modificationsand nonprotein cofactors”, Meth Enzymol (1990) 182:626−646; および Rattan ら, “Protein Synthesis: Posttranslational Modifications and Aging”, Ann NY Acad Sci (1992) 663:48−62を参照のこと。

0009

本明細書中で用いる「変異体」とは、基準のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、欠くことのできない性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドのことである。典型的なポリヌクレオチドの変異体は基準ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列の点で相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、基準ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変更しても、しなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、以下で述べるように、基準配列によりコードされるポリペプチドにおいてアミノ酸の置換、付加、欠失、融合および末端切断(トランケーション)を生じさせることができる。典型的なポリペプチドの変異体は基準ポリペプチドとアミノ酸配列の点で相違する。一般的には、基準ポリペプチドの配列と変異体の配列が全般的によく類似しており、多くの領域で同一となるような差異に限られる。変異体と基準ポリペプチドは任意に組み合わせた1以上の置換、付加、欠失によりアミノ酸配列が相違していてよい。置換または挿入されるアミノ酸残基は遺伝子コードによりコードされるものであっても、なくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体はアレル変異体のように天然に存在するものでも、天然に存在することが知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然に存在しない変異体は、突然変異誘発法または直接合成により調製することができる。

0010

同一性」はヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の同一性の尺度である。一般に、最大級のマッチ(一致)が得られるように配列を並べる。「同一性」それ自体は当技術分野で認識された意味をもち、発表された技法を使って計算することができる。例えば、COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY, Lesk, A.M. 編, Oxford University Press, New York, 1988; BIOCOMPUTING: INFORMATICS AND GENOME PROJECTS, Smith, D.W. 編, Academic Press, New York, 1993; COMPUTER ANALYSIS OF SEQUENCE DATA, PART I, Griffin, A.M. and Griffin, H.G. 編, Humana Press, New Jersey, 1994; SEQUENCE ANALYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY, vonHeinje, G., Academic Press, 1987; および SEQUENCE ANALYSIS PRIMER, Gribskov, M. and Devereux, J.編, M Stockton Press, New York, 1991を参照のこと。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列間の同一性を決定する方法は多数存在していると同時に、「同一性」なる用語は当業者には公知である (Carillo, H. and Lipton, D., SIAM J Applied Math (1988) 48:1073) 。2つの配列間の同一性または類似性を決定するために汎用される方法としては、Guide to Huge Computers, Martin J. Bishop 編, Academic Press, San Diego, 1994 および Carillo, H. and Lipton, D., SIAM J Applied Math (1988) 48:1073 に記載される方法があるが、これらに限らない。同一性および類似性の決定方法コンピュータプログラム体系化されている。2つの配列間の同一性および類似性を決定するための好適なコンピュータプログラム法としては、GCプログラムパッケージ (Devereux, J.ら, Nucleic Acids Research (1984) 12(1):387)、BLASTP、BLASTN、FASTA (Atschul, S.F.ら, J Molec Biol (1990) 215:403)があるが、これらに限らない。

0011

一例として、配列番号1の基準ヌクレオチド配列に対して、例えば、少なくとも95%の「同一性」を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、このポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が配列番号1の基準ヌクレオチド配列のそれぞれ100ヌクレオチドにつき最高で5つの点突然変異を含みうることを除けば、基準配列と同一であることを意図している。言い換えると、基準ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るには、基準配列中の5%までのヌクレオチドを欠失させるか、他のヌクレオチドで置換するか、または基準配列中の全ヌクレオチドの5%までのヌクレオチド数を基準配列に挿入すればよい。基準配列のこれらの突然変異は、基準ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置、またはこれらの末端位置の間のどこかで起こり、基準配列中のヌクレオチドの間に個々に、または基準配列内に1以上の連続するグループとして配置することができる。

課題を解決するための手段

0012

同様に、配列番号2の基準アミノ酸配列に対して、例えば、少なくとも95%の「同一性」を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、このポリペプチド配列が配列番号2の基準アミノ酸配列のそれぞれ100アミノ酸につき最高で5つのアミノ酸変更を含みうることを除けば、基準配列と同一であることを意図している。言い換えると、基準アミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るには、基準配列中の5%までのアミノ酸残基を欠失させるか、他のアミノ酸で置換するか、または基準配列中の全アミノ酸残基の5%までのアミノ酸数を基準配列に挿入すればよい。基準配列のこれらの変更は、基準アミノ酸配列のアミノもしくはカルボキシ末端位置、またはこれらの末端位置の間のどこかで起こり、基準配列中のアミノ酸残基の間に個々に、または基準配列内に1以上の連続したグループとして配置することができる。

0013

本発明のポリペプチド
一つの形態において、本発明はPIGR−2ポリペプチド(またはPIGR−2タンパク質)に関する。このPIGR−2ポリペプチドには、配列番号2および4のポリペプチドだけでなく、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド、その全長において配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドも含まれる。さらに、少なくとも97〜99%同一であるものが特に好適である。また、その全長において配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドと少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドもPIGR−2ポリペプチドに含まれる。さらに、少なくとも97〜99%同一であるものが特に好適である。PIGR−2ポリペプチドはこの受容体の少なくとも1つの生物学的活性を示すことが好ましい。

0014

PIGR−2ポリペプチドは「成熟」タンパク質の形であっても、融合タンパク質のような、より大きいタンパク質の一部であってもよい。しばしば、追加のアミノ酸配列を含めることが有利であり、このようなアミノ酸配列としては、分泌すなわちリーダー配列プロ配列多重ヒスチジン残基のような精製に役立つ配列、または組換え生産の際の安定性を確保する付加的配列などがある。

0015

また、PIGR−2ポリペプチドの断片も本発明に含まれる。こうした断片は全体的に前記PIGR−2ポリペプチドのアミノ酸配列の一部と同一であるが、全部とは同一でないアミノ酸配列を有するポリペプチドである。PIGR−2ポリペプチドと同様に、断片は「フリースタンディング」(それ自体で独立)していても、より大きいポリペプチド内に含まれていてもよく、つまりその大きいポリペプチドの一部または一領域、最も好ましくは一つの連続領域、を断片が構成していてもよい。本発明のポリペプチド断片の代表的な例として、およその見当アミノ酸番号1−20、21−40、41−60、61−80、81−100、および101からPIGR−2ポリペプチドの末端までの断片が挙げられる。ここで、「およそ」とは、上記の範囲の一端または両端で数個、5個、4個、3個、2個または1個のアミノ酸が増えたり減ったりした範囲を含むものである。

0016

好適な断片としては、例えば、アミノ末端を含む一連の残基もしくはカルボキシル末端を含む一連の残基の欠失、またはアミノ末端を含むものとカルボキシル末端を含むものとの二連の残基の欠失を除外すれば、PIGR−2ポリペプチドのアミノ酸配列を有するトランケーション(truncation)ポリペプチドが含まれる。また、αヘリックスとαヘリックス形成領域、βシートとβシート形成領域、ターンとターン形成領域、コイルコイル形成領域親水性領域疎水性領域、α両親媒性領域、β両親媒性領域、可変性領域、表面形成領域、基質結合領域、および高抗原指数領域を含む断片のような、構造的または機能的特性により特徴づけられる断片も好適である。その他の好適な断片は生物学的に活性な断片である。生物学的に活性な断片は、同様の活性をもつ断片、その活性が向上した断片、または望ましくない活性が減少した断片を含めて、受容体活性を媒介するものである。さらに、動物、特にヒトにおいて抗原性または免疫原性がある断片も含まれる。

0017

これらのポリペプチド断片はどれも、抗原活性を含めた該受容体の生物学的活性を保持することが好ましい。中でも、最も好ましい断片は配列番号4のアミノ酸配列をもつものである。特定された配列および断片の変異型も本発明の一部を構成する。好適な変異型は同類アミノ酸置換により対象物と異なるもの、すなわち、ある残基が同様の性質の他の残基で置換されているものである。典型的なこうした置換は、Ala, Val, Leu および Ileの間;Ser とThr の間;酸性残基 AspとGlu の間;Asn とGln の間;塩基性残基 LysとArg の間;または芳香族残基 PheとTyr の間で起こる。特に、数個、5〜10個、1〜5個または1〜2個のアミノ酸が任意の組合せで置換、欠失または付加されている変異型が好適である。

0018

本発明のPIGR−2ポリペプチドは任意の適当な方法で製造することができる。このようなポリペプチドには、単離された天然に存在するポリペプチド、組換え的に生産されたポリペプチド、合成的に製造されたポリペプチド、またはこれらの方法の組合せにより製造されたポリペプチドが含まれる。このようなポリペプチドの製造のための手段は当業界でよく理解されている。

0019

本発明のポリヌクレオチド
本発明のもう一つの態様はPIGR−2ポリヌクレオチドに関する。PIGR−2ポリヌクレオチドには、PIGR−2ポリペプチドおよび断片をコードする単離されたポリヌクレオチド、並びにこれらと密接に関連したポリヌクレオチドが含まれる。さらに特定すると、本発明のPIGR−2ポリヌクレオチドとしては、配列番号2のPIGR−2ポリペプチドをコードする配列番号1中に含まれるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、および配列番号1および3の特定配列を有するポリヌクレオチドがある。さらに、PIGR−2ポリヌクレオチドには、配列番号2のPIGR−2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列とその全長において少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、および配列番号1のヌクレオチド配列とその全長において少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが含まれる。これに関連して、少なくとも90%同一であるポリヌクレオチドが好適であり、特に少なくとも95%同一であるものが好適である。さらに、少なくとも97%同一であるものがより好ましく、少なくとも98〜99%同一であるものがより一層好ましく、少なくとも99%同一であるものが最も好ましい。また、増幅反応に使用できる条件下、またはプローブマーカーとして使用できる条件下でハイブリダイズするのに十分な、配列番号1中に含まれるヌクレオチド配列との同一性を有するヌクレオチド配列もPIGR−2ポリヌクレオチドに含まれる。本発明はまた、このようなPIGR−2ポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドを提供する。

0020

本発明のPIGR−2は、ヒトPIGR−2をコードするcDNA塩基配列決定の結果により示されるように、免疫グロブリンスーパーファミリーの他のタンパク質と構造的に関連している。配列番号1のcDNA配列は配列番号2の205個のアミノ酸からなるポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームヌクレオチド番号147−761)を含んでいる。表2のアミノ酸配列(配列番号2)は204個のアミノ酸残基においてCMRF35(D.G. Jacksonら, Eur. J. Immunol.22:1157−1163, 1992)と約43.8%同一である(FASTA使用)。さらに、PIGR−2は107個のアミノ酸残基にわたりヒト・ポリIg受容体と24.3%同一である(P. Krajciら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 158:783−789, 1989)。表1のヌクレオチド配列(配列番号1)は747個のヌクレオチド残基においてCMRF35(D.G. Jacksonら, Eur. J. Immunol. 22:1157−1163, 1992)と約61.0%同一である(FASTA使用)。したがって、本発明のPIGR−2ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわけ、それらの相同ポリペプチドおよびポリヌクレオチドと同様の生物学的機能/特性をもつことが予測されるが、それらの有用性は当業者には自明である。

0021

ヒトPIGR−2のヌクレオチド配列(配列番号1)
【表1】

0022

ヒトPIGR−2のアミノ酸配列(配列番号2)
【表2】

0023

PIGR−2をコードする本発明の一つのポリヌクレオチドは、標準的なクローニングおよびスクリーニングにより、ヒト好酸球およびB細胞の細胞に含まれるmRNAから誘導されたcDNAライブラリーから、エクスプレスド・シークエンス・タグ(expressed sequence tag: EST)分析 (Adams, M.D.ら, Science (1991) 252:1651−1656; Adams, M.D.ら, Nature (1992) 355:632−634; Adams, M.D.ら, Nature (1995) 377 Supp:3−174) を用いて得ることができる。また、本発明のポリヌクレオチドはゲノムDNAライブラリーのような天然源から得ることができ、商業的に入手可能な公知の技法を用いて合成することもできる。

0024

配列番号2のPIGR−2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、表1中に含まれるポリペプチドコード配列(配列番号1のヌクレオチド番号147−761)と同一であっても、遺伝子コードの重複性縮重)のため、やはり配列番号2のポリペプチドをコードする配列であってもよい。

0025

本発明のポリヌクレオチドをPIGR−2ポリペプチドの組換え生産のために用いる場合、そのポリヌクレオチドには、成熟ポリペプチドコード配列またはその断片単独、他のコード配列(例えば、リーダーもしくは分泌配列、プレ−、プロ−もしくはプレプロタンパク質配列、または他の融合ペプチド部分をコードするもの)と同じリーディングフレームにある成熟ポリペプチドのコード配列またはその断片が含まれる。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコードされ得る。本発明のこの態様の好ましい具体例として、マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)により提供されかつGentz ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1989) 86:821−824に記載されるようなヘキサヒスチジンペプチド、またはHAタグである。また、このポリヌクレオチドは5’および3’非コード配列、例えば、転写されるが翻訳されない配列、スプライシングおよびポリアデニル化シグナルリボソーム結合部位、およびmRNA安定化配列を含んでいてもよい。

0026

さらに好適な具体例は、数個、5〜10個、1〜5個、1〜3個、1〜2個、または1個のアミノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失または付加されている、表2のPIGR−2ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)を含むPIGR−2変異型をコードするポリヌクレオチドである。中でも、本発明の好適なポリヌクレオチドは表4のアミノ酸配列(配列番号4)をコードする表3のヌクレオチド配列(配列番号3)中に含まれる。

0027

ヒトPIGR−2の部分ヌクレオチド配列(配列番号3)
【表3】

0028

ヒトPIGR−2の部分アミノ酸配列(配列番号4)
【表4】

0029

本発明はさらに、前記の配列とハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。これに関して、本発明は特にストリンジェントな条件下で前記のポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書中で用いる「ストリンジェントな条件」とは、配列間に少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より一層好ましくは少なくとも97〜99%の同一性があるときだけハイブリダイゼーションが起こる条件を指す。

0030

配列番号1中に含まれるヌクレオチド配列またはその断片と同一であるか実質的に同一である本発明のポリヌクレオチドは、PIGR−2ポリペプチドをコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離するために、また、PIGR−2遺伝子との配列類似性が高い他の遺伝子(ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログ体(ortholog)をコードする遺伝子を含む)のcDNAおよびゲノムクローンを単離するために、cDNAおよびゲノムDNAのハイブリダイゼーションプローブとして用いることができる。このようなハイブリダイゼーション技法は当業者には公知である。一般的に、これらのヌクレオチド配列は対象物のヌクレオチド配列に対して80%、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性を有する。プローブはたいてい15個以上のヌクレオチドを含み、好ましくは30個以上を含み、50個以上のヌクレオチドを有していてもよい。特に好ましいプローブは30〜50個の範囲のヌクレオチドを有するものである。

0031

一実施態様において、PIGR−2ポリペプチド(ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログ体を含む)をコードするポリヌクレオチドを得ることは、配列番号1のヌクレオチド配列またはその断片(配列番号3のヌクレオチド配列を含む)を有する標識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で適当なライブラリーをスクリーニングし、前記のポリヌクレオチド配列を含む全長cDNAおよびゲノムクローンを単離する各工程を含んでなる。このようなハイブリダイゼーション技法は当業者に公知である。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は上で定義したとおりであるか、または、50% ホルムアミド、5×SSC (150mM NaCl, 15mM クエン酸三ナトリウム) 、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)、5×Denhardt溶液、10% デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断したサケ精子DNAを含有する溶液中で42℃で一夜インキュベートし、次いでフィルターを 0.1×SSC 中約65℃で洗浄する条件である。

0032

本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、動物およびヒトの疾病に対する治療薬および診断薬を探索するための研究用の試薬および材料として利用することができる。

0033

ベクター、宿主細胞、発現
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含有するベクター、このベクターにより遺伝子操作された宿主細胞、および組換え法による本発明のポリペプチドの生産に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNAを用いてこの種のタンパク質を生産するための無細胞翻訳系も使用することができる。

0034

組換え体生産に関しては、本発明のポリヌクレオチドの発現系またはその一部を組み入れるために、宿主細胞が遺伝子操作される。宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入は、Davisら, BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY (1986) および Sambrookら, MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載される方法、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクションDEAEデキストラン媒介トランスフェクション、トランスクション(transvection)、マイクロインジェクションカチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション形質導入スクレープローディング(scrape loading)、射出導入(ballistic introduction)または感染により行うことができる。

0035

適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞(例:ストレプトコッカススタフィロコッカス大腸菌ストレプトミセス枯草菌)、真菌細胞(例:酵母アスペルギルス)、昆虫細胞(例:ドロソフィラS2、スポドプテラSf9)、動物細胞(例:CHO、COS、HeLa、C 127、3T3、BHKHEK 293、Bowes メラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられる。

0036

多種多様な発現系を使用することができる。こうした発現系として、特に、染色体エピソームおよびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵母エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エレメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルスSV40のようなパポバウイルスワクシニアウイルスアデノウイルス鶏痘ウイルス仮性狂犬病ウイルスレトロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せに由来するベクター、例えば、コスミドファージミドのようなプラスミドとバクテリオファージの遺伝的要素に由来するものがある。この発現系は発現を起こさせるだけでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。一般的に、宿主内でのポリペプチドの産生のためにポリヌクレオチドを維持し、増やし、発現するのに適した系またはベクターはどれも使用することができる。Sambrookら, MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL (前掲) に記載されるような、日常的に用いられる公知の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発現系に挿入することができる。

0037

翻訳されたタンパク質を小胞体内腔に、細胞周辺腔に、または細胞外の環境に分泌させるために、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組み込むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチドに対して内因性であっても、異種シグナルであってもよい。

0038

スクリーニングアッセイで使用するためPIGR−2ポリペプチドを発現させようとする場合、そのポリペプチドを細胞の表面に産生させることが好適である。この場合は、スクリーニングアッセイでの使用に先立って細胞を回収する。PIGR−2ポリペプチドが培地に分泌される場合は、そのポリペプチドを回収し精製するために培地を回収する。細胞内に産生される場合は、その細胞をまず溶解し、その後にポリペプチドを回収する必要がある。

0039

組換え細胞培養物からPIGR−2ポリペプチドを回収し精製するには、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィーホスホセルロースクロマトグラフィー疎水性相互作用クロマトグラフィーアフィニティークロマトグラフィーヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公知の方法を用いることができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィーが精製に用いられる。ポリペプチドが単離および/または精製中に変性されるときは、タンパク質を再生させるための公知の技法を用いて、活性のあるコンフォメーション復元することが可能である。

0040

診断アッセイ
本発明はまた、診断薬としてのPIGR−2ポリヌクレオチドの使用に関する。機能障害と関連したPIGR−2遺伝子の変異型の検出は、PIGR−2の過少発現過剰発現または変化した発現により生ずる疾病またはその罹病性診断に追加しうる、またはその診断を下しうる診断用ツールを提供するだろう。PIGR−2遺伝子に変異がある個体を、さまざまな技法によりDNAレベルで見つけ出すことができる。

0041

診断用の核酸は、被験者の細胞、例えば血液、尿、唾液組織生検または剖検材料から得ることができる。検出のためにゲノムDNAを直接使用しても、分析前にPCRまたは他の増幅法を使って酵素的に増幅してもよい。同様のやり方でRNAまたはcDNAを使用することもできる。欠失および挿入変異は、正常な遺伝子型と比較したときの増幅産物のサイズの変化により検出できる。点突然変異は増幅DNAを標識PIGR−2ヌクレオチド配列とハイブリダイズさせることで同定できる。完全にマッチした配列とミスマッチ二重鎖とはRNアーゼ消化により、または融解温度の差異により区別できる。また、DNA配列の差異は、変性剤を用いるまたは用いないゲルでのDNA断片電気泳動移動度の変化により、または直接DNA配列決定によっても検出できる(例えば、Myersら, Science (1985) 230:1242 を参照のこと)。特定位置での配列変化ヌクレアーゼプロテクションアッセイ(例えば、RNアーゼおよびS1プロテクション)または化学的開裂法によっても確認できる(Cottonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1985) 85:4397−4401を参照のこと)。別の実施態様では、例えば、遺伝子変異の効率のよいスクリーニングを行うため、PIGR−2ヌクレオチド配列またはその断片を含むオリゴヌクレオチドプローブアレイ構築することができる。アレイ技法は公知で、一般的な適用可能性を有し、遺伝子発現、遺伝的連鎖および遺伝的変異性を含めた分子遺伝学のさまざまな問題を解きあかすために用いられている(例えば、M. Cheeら, Science, Vol.274, pp.610−613 (1996) を参照のこと)。

0042

診断アッセイは、前記の方法によりPIGR−2遺伝子の変異を検出することで、慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)および炎症性腸疾患(IBD)への罹りやすさを診断または判定する方法を提供する。

0043

さらに、被験者から得られたサンプルからPIGR−2ポリペプチドまたはPIGR−2mRNAのレベルの異常な低下または増加を測定する方法により、慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)および炎症性腸疾患(IBD)の診断を下すことができる。発現の低下または増加は、当技術分野で公知のポリヌクレオチド定量法のいずれか、例えばPCR、RT−PCR、RNアーゼプロテクション、ノーザンブロット、その他のハイブリダイゼーション法によりRNAレベルで測定することができる。宿主から得られたサンプル中のPIGR−2ポリペプチドのようなタンパク質のレベルを測定するためのアッセイ法は当業者によく知られている。こうしたアッセイ法として、ラジオイムノアッセイ競合結合アッセイウエスタンブロット分析、ELISAアッセイなどがある。

0044

かくして、もう一つの態様において、本発明は、特に慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)および炎症性腸疾患(IBD)などの疾病または疾病への罹りやすさを診断するためのキットに関し、このキットは、
(a) PIGR−2ポリヌクレオチド(好ましくは、配列番号1のヌクレオチド配列)またはその断片、
(b) (a) のポリヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列、
(c) PIGR−2ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)またはその断片、または
(d) PIGR−2ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)に対する抗体、
を含んでなる。このようなキットにおいて、(a) 、(b) 、(c) または (d)が実質的な構成成分であることが理解されよう。

0045

染色体アッセイ
本発明のヌクレオチド配列はまた、染色体の同定にも有用である。この配列は個々のヒト染色体上の特定の位置を標的指向し、その特定位置とハイブリダイズすることができる。本発明に従って関連配列染色体地図を作成することは、これらの配列と遺伝子関連疾患とを相関させる上で重要な第一段階である。ひとたび配列が正確な染色体位置マッピングされたら、その染色体上のその配列の物理的位置を遺伝地図データと相関させることができる。この種のデータは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man (Johns Hopkins University Welch Medical Library からオンラインで入手可能) 中に見いだせる。その後、同一の染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との関係を連鎖分析(物理的に隣接した遺伝子の共遺伝)により同定する。

0046

患者と正常個体とのcDNAまたはゲノム配列の差異も調べることができる。患者の一部または全部に変異が観察されるが、どの正常個体にも観察されない場合は、その変異が疾病の原因である可能性がある。

0047

抗体
本発明のポリペプチドまたはその断片もしくは類似体、またはそれらを発現する細胞は、PIGR−2ポリペプチドに免疫特異的な抗体を産生するための免疫原としても使用することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従来技術における他の関連ポリペプチドに対するその親和性よりも本発明のポリペプチドに対して実質的に高い親和性を有することを意味する。

0048

PIGR−2ポリペプチドに対する抗体は、慣用プロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外)に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類似体もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養物により産生される抗体をもたらす任意の技法を用いることができる。例を挙げると、ハイブリドーマ技法 (Kohler, G.およびMilstein, C., Nature (1975) 256:495−497)、トリオーマ技法、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法 (Kozborら, Immunology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハイブリドーマ技法 (Coleら, MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, pp.77−96, Alan R. Liss, Inc., 1985) などがある。

0049

本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体をつくるために、一本鎖抗体の調製法(米国特許第4,946,778 号)を適応させることができる。また、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウスまたは他の哺乳動物を含む他の生物を利用することができる。
前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現するクローンを単離・同定したり、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもできる。
PIGR−2ポリペプチドに対する抗体は、とりわけ、慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)および炎症性腸疾患(IBD)の治療に使用できる可能性がある。

0050

ワクチン
本発明の別の態様は、哺乳動物において免疫学的応答を引き出す方法に関し、この方法は、特に慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)および炎症性腸疾患(IBD)から前記動物を防御するための抗体および/またはT細胞免疫応答を生ずるのに十分なPIGR−2ポリペプチドまたはその断片を哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明のさらに別の態様は、哺乳動物を疾病から防御する抗体を産生させるような免疫学的応答を引き出すために、in vivo でPIGR−2ポリヌクレオチドの発現を指令するベクターを介してPIGR−2ポリペプチドを供給することを含んでなる、哺乳動物において免疫学的応答を引き出す方法に関する。

0051

本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導入したとき、その哺乳動物においてPIGR−2ポリペプチドに対する免疫学的応答を引き出す免疫学的ワクチン製剤(組成物)に関し、この組成物はPIGR−2ポリペプチドまたはPIGR−2遺伝子を含有する。ワクチン製剤は適当な担体をさらに含んでいてもよい。PIGR−2ポリペプチドはの中で分解されうるので、非経口的(皮下、筋肉内、静脈内、皮内等への注射を含む)に投与することが好ましい。非経口投与に適した製剤としては、酸化防止剤緩衝液静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等張にする溶質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、並びに懸濁化剤または増粘剤を含んでいてもよい水性および非水性の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量容器または数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で提供することができ、また、使用直前に無菌の液状担体を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保管することもできる。ワクチン製剤はこの製剤の免疫原性を増強するためのアジュバント系、例えば水中油型のアジュバント系や当技術分野で公知の他のアジュバント系を含んでいてもよい。投与量はワクチンの比活性で変化し、ルーチン実験操作により簡単に決定できる。

0052

スクリーニングアッセイ
本発明のPIGR−2ポリペプチドは、この受容体と結合して本発明の受容体ポリペプチドを活性化する化合物(アゴニスト)またはその活性を阻害する化合物(アンタゴニスト)のスクリーニング法において使用することができる。こうして、本発明のポリペプチドは、例えば、細胞、無細胞調製物化学物質ライブラリーおよび天然産物の混合物中の小分子基質およびリガンドを評価するためにも用いられる。これらの基質およびリガンドは天然の基質およびリガンドであってよく、また、構造的もしくは機能的な模擬物であってもよい(Coliganら, Current
Protocols in Immunology 1(2): Chapter 5 (1991)を参照のこと)。

0053

PIGR−2ポリペプチドは多くの病理を含めて多数の生物学的機能に関与している。したがって、一方ではPIGR−2を刺激し、他方ではPIGR−2の機能を阻害し得る化合物および薬物を見つけ出すことが望まれる。一般的に、アゴニストは慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)および炎症性腸疾患(IBD)のような症状の治療および予防目的で用いられる。アンタゴニストは慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)および炎症性腸疾患(IBD)のような症状のさまざまな治療および予防目的で使用しうる。

0054

一般に、こうしたスクリーニング法は細胞表面に本発明の受容体ポリペプチドを発現する適当な細胞を作製することを含む。この種の細胞には哺乳動物、酵母、ショウジョウバエ由来の細胞または大腸菌細胞が含まれる。次いで、この受容体を発現する細胞(もしくは発現された受容体を含む細胞膜)を試験化合物と接触させて、その結合または機能的応答の刺激もしくは阻害を観察する。

0055

アッセイにより候補化合物の結合を簡単に試験することができ、そこでは候補化合物と直接または間接に結合された標識により、または標識した競合物質との競合を用いるアッセイにより、該受容体を担持する細胞への付着が検出される。さらに、これらのアッセイでは、該受容体を表面に担持する細胞に適した検出系を用いて、候補化合物が該受容体の活性化により生ずるシグナルを結果的にもたらすか否かを試験することができる。一般的に、活性化の阻害剤既知のアゴニストの存在下でアッセイされ、候補化合物の存在がアゴニストによる活性化に与える影響が調べられる。

0056

さらに、これらのアッセイは、候補化合物とPIGR−2ポリペプチドを含む溶液とを混ぜ合わせて混合物をつくり、この混合物中のPIGR−2活性を測定し、そしてこの混合物のPIGR−2活性を標準と比較する各ステップを含むだけでよい。

0057

また、PIGR−2のcDNA、タンパク質またはこのタンパク質に対する抗体を用いて、細胞内でのPIGR−2 mRNAまたはタンパク質の生産に及ぼす添加化合物の作用を検出するためのアッセイを組み立てることができる。例えば、当技術分野で公知の標準方法によりモノクローナルまたはポリクローナル抗体を用いて、PIGR−2タンパク質の分泌レベルまたは細胞結合レベルを測定するためのELISAを構築することができ、これは適切に操作された細胞または組織からのPIGR−2の生産を抑制または増強する物質(それぞれアンタゴニストまたはアゴニストともいう)の探索に用いることができる。スクリーニングアッセイを行うための標準的な方法は当技術分野でよく理解されている。

0058

PIGR−2の可能性のあるアンタゴニストの例としては、抗体、ある場合には、PIGR−2のリガンドと密接な関係があるオリゴヌクレオチドもしくはタンパク質(例えば、リガンドの断片)、または該受容体と結合するが応答を誘導しない(それゆえ該受容体の活性を妨げる)小分子などがある。

0059

かくして、他の態様において、本発明は、PIGR−2ポリペプチドのアゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素など、またはPIGR−2ポリペプチドの生産を低下または増加させる化合物を同定するためのスクリーニングキットに関し、このキットは、
(a) PIGR−2ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)
(b) PIGR−2ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)を発現する組換え細胞、
(c) PIGR−2ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)を発現する細胞膜、または
(d) PIGR−2ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)に対する抗体、
を含んでなる。このようなキットにおいて、(a) 、(b) 、(c) または (d)が実質的な構成成分であることが理解されよう。

0060

予防法および治療法
本発明は、PIGR−2活性の過剰量と不足量のどちらにも関係した異常な状態の治療法を提供する。
PIGR−2の活性が過剰である場合は、いくつかのアプローチ利用可能である。一つのアプローチは、リガンドのPIGR−2への結合をブロックすることにより、または第二シグナルを抑制することで異常な状態を軽減することにより活性化を阻害するのに有効な量で、前記の阻害剤化合物(アンタゴニスト)を製剤学許容される担体とともに患者に投与することを含んでなる。
もう一つのアプローチでは、リガンドと結合する能力がまだある可溶性形態のPIGR−2ポリペプチドを、内因性のPIGR−2との競合状態で投与することができる。このような競合剤の典型的な例はPIGR−2ポリペプチドの断片である。

0061

さらに別のアプローチでは、発現阻止法を使って内因性PIGR−2をコードする遺伝子の発現を抑制することができる。こうした公知技術は、体内で生成されるか別個に投与されるアンチセンス配列の使用を必要とする。例えば、Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Press, Boca Raton, FL (1988)中のO’Connor, J Neurochem (1991) 56:560 を参照のこと。あるいはまた、この遺伝子と共に三重らせんを形成するオリゴヌクレオチドを供給することもできる。例えば、Leeら, Nucleic Acids Res (1979) 6:3073; Cooneyら, Science (1988) 241:456; Dervanら, Science (1991) 251:1360 を参照のこと。これらのオリゴマーはそれ自体を投与することもできるし、関連オリゴマーをin vivo で発現させることもできる。

0062

PIGR−2およびその活性の過少発現に関係した異常な状態を治療する場合も、いくつかのアプローチを取ることができる。一つのアプローチは、治療上有効な量のPIGR−2を活性化する化合物(すなわち、前記のアゴニスト)を製剤学上許容される担体とともに患者に投与して、異常な状態を緩和することを含んでなる。別法として、患者の関連細胞においてPIGR−2を内因的に産生させるために遺伝子治療を用いることができる。例えば、上で述べたような複製欠損レトロウイルスベクターによる発現のために本発明のポリヌクレオチドを遺伝子操作する。次にレトロウイルス発現構築物を単離し、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有するレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入されたパッケージング細胞に導入する。その結果、パッケージング細胞は対象の遺伝子を含有する感染性ウイルス粒子を産生するようになる。in vivo での細胞処理およびin vivo でのポリペプチド発現のために、これらの産生細胞を患者に投与する。遺伝子治療の概論に関しては、Human Molecular Genetics, T Strachanand and A P Read, BIOS Scientific Publishers Ltd (1996) 中のChapter 20, Gene Therapy and other Molecular Genetic−based Therapeutic Approaches(およびその中の引用文献)を参照のこと。

0063

製剤および投与
可溶性形態のPIGR−2ポリペプチドのようなペプチド、アゴニストおよびアンタゴニストペプチド、または小分子は適当な製剤学上の担体と組み合わせて製剤化することができる。このような製剤は治療上有効な量のポリペプチドまたは化合物と、製剤学上許容される担体または賦形剤を含有する。この種の担体としては、食塩水生理食塩水デキストロース、水、グリセロールエタノール、およびこれらの組合せがあるが、これらに限らない。製剤は投与様式に適合させるべきであり、これは当技術分野の技量の範囲内である。本発明はさらに、前記の本発明組成物の1以上の成分を充填した1以上の容器を含んでなる医薬用パックおよびキットに関する。
本発明のポリペプチドおよび他の化合物は単独で使用しても、他の化合物例えば治療用化合物一緒に使用してもよい。

0064

医薬組成物全身投与するときの好ましい形態は、注入(注射)、典型的には静注である。皮下、筋肉内または腹腔内のような他の注入経路も使用できる。全身投与の別の手段は、胆汁酸塩フシジン酸、その他の界面活性剤などの浸透剤を用いた経粘膜および経皮投与である。さらに、腸溶剤またはカプセル剤として適切に製剤化されているのであれば、経口投与も可能である。これらの化合物は軟膏ペースト、ゲルなどの剤形局所に投与しても、かつ/または局在化させてもよい。

0065

必要な投与量範囲はペプチドの選択、投与経路、製剤の性質、患者の状態、そして医師の判断に左右される。しかし、適当な投与量は患者の体重1kgあたり0.1 〜100 μg の範囲である。利用可能な化合物が多種多様であり、それぞれの投与経路の効率も異なるため、必要とされる投与量は広範に変動することを予想すべきである。例えば、経口投与は静注による投与よりも高い投与量を必要とすることが予想される。こうした投与量レベルの変動は、当技術分野でよく理解されているような、標準的経験的な最適化手順を用いて調整することができる。

0066

治療に用いるポリペプチドは、上述したような「遺伝子治療」と称する治療法において、患者の体内で産生させることもできる。例えば、患者由来の細胞を、ex vivo でポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのようなポリヌクレオチドにより、例えばレトロウイルスプラスミドベクターを用いて、遺伝子工学的に操作する。その後、この細胞を患者に導入する。

0067

【実施例】
以下の実施例は、特にことわらない限り、当業者には公知の一般的方法を用いて実施した。実施例は単なる例示であって、本発明を制限するものではない。
実施例1
全長cDNAを得るための方法はいくつかあるが、そのうちの2つを以下に説明する。
1)cDNA末端の高速増幅(Rapid Amplification of cDNA Ends: RACE)法は5’末端を得るために利用することができる。Frohmanら, Proc. Nat. Acad. Sci.USA 85, 8998−9002 (1988)を参照のこと。簡単に述べると、特定のオリゴヌクレオチドをmRNAにアニーリングし、これによりcDNA鎖の合成を開始させる。RNアーゼHを用いてmRNAを破壊した後、cDNAの3’末端にポリCアンカー配列を付加し、得られた断片をネステッド(nested)組のアンチセンスプライマーおよびアンカー配列プライマーを用いて増幅する。増幅断片は適当なベクターにクローニングして、制限分析および配列解析にかける。
2)ポリメラーゼ連鎖反応は、2組のプライマーを用いるネステッドPCRを連続して行うことで、ヒトcDNAライブラリー由来のcDNAの5’末端を増幅するために使用することができる。1組のアンチセンスプライマーは部分cDNAの5’末端に特異的であり、もう1組のプライマーはベクター特異的配列にアニーリングする。増幅産物は適当なベクターにクローニングして、制限分析および配列解析にかける。

0068

実施例2: PIGR−2は免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーに属する
PIGR−2の細胞外領域は、(1) IgVフォールド保存残基の存在および(2) いくつかの他のIg様タンパク質(ポリIgV1 およびV4 、CMRF35、TCR VβおよびIgκVL)に対する相同性により示されるように、V様フォールド(V−likefold)をもつ単一のIgドメインを含む。
以下のアライメント並列化)において、ダッシュ(−)はPIGR−2の残基と同一の残基の位置を示す。Ig可変部(A.N. Barclayら, The leukocyte antigen facts book, 第2版, Academic Press, 1997)において高度に保存されているPIGR−2の残基は下線で示される。

0069

0070

実施例3: PIGR−2遺伝子発現パターン
Igスーパーファミリーの新しいメンバーであるPIGR−2が同定された。この新遺伝子推定上のタンパク質配列はCMRF35に対して、特に細胞外ドメインにおいて、中程度のしかし広範囲の相同性を示す。PIGR−2を含むEST配列は好酸球やB細胞などの白血球から主に単離され、このことは免疫機能におけるPIGR−2の役割を示唆する。

0071

実施例4: 組換え可溶性PIGR−2タンパク質
PIGR−2の細胞外ドメインは、他の免疫グロブリンドメインタンパク質、例えばCD4 (K.C. Deenら, Nature 331:82−84 (1988))に関して記載されているように、膜貫通ドメイン開始点(表2ではヒスチジン173)での切断により分泌可溶性タンパク質として発現される。また、PIGR−2は、CD4(D.J. Caponら, Nature 317:525−531 (1989))について記載されているように、PIGR−2の同じ細胞外領域をH鎖IgGヒンジおよび定常部に連結することで、分泌される可溶性Ig融合タンパク質として発現される。さらに、オリゴマーIg融合タンパク質の作製は、R.I.F. Smith & S.L. Morrison, Biotechnology 12:683−688 (1994)およびR.I.F. Smithら, J. Immunol. 154:2226−2236 (1995)中にIgMテールピース(tailpiece)セグメントについて例示されるように、IgGのFcドメインC末端へのIgMまたはIgAのテールピースセグメントの付加により可能である。これらのタンパク質を昆虫細胞またはCOS−7やCHOのような哺乳動物細胞において産生させて、標準的な方法で精製すると、これらタンパク質はツール(tool)、治療薬および診断薬として有用である。かくして、これらのタンパク質は次の目的で使用される。
a)操作された組換えタンパク質アミノ酸配列解析によりN末端リーダーの開裂部位を決定する。
b)次の目的でポリクローナルおよびモノクローナル抗体を生成する。
1)さまざまな組織および細胞型におけるPIGR−2タンパク質発現の検出
2)細胞の分化および増殖の誘導、サイトカインの生産、細胞死アッセイのようなPIGR−2タンパク質の機能研究
c)培養細胞に添加したときに、および免疫疾患動物モデルにおいて、アゴニスト/アンタゴニスト活性について試験する。
d)1以上のリガンドの検索
e)治療薬および/または診断薬として使用可能なPIGR−2タンパク質の小分子アゴニストまたはアンタゴニストについてのスクリーニングアッセイを確立する。

0072

本明細書中に引用された、特許および特許出願明細書を含めた全ての刊行物は、あたかも各刊行物が明確にかつ個々に示されているかのように、その全体を参考としてここに組み入れるものとする。

発明を実施するための最良の形態

0073

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