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課題・解決手段

アンテナアレイビーム形成手法は、送信側通信装置(101)が担当する複数の加入者ユニット(105〜107)について独立した送信加重係数を採用する。加重係数の最適化は、複数の加入者ユニットの独立した作業ではなく、むしろ共同作業(404)である。好ましくは、共同最適化は送信側通信装置において実施され、自局各加入者ユニットとの間のチャネルの知見、ならびに各加入者ユニットにおいて観測されるセル間干渉およびセル内干渉の知見に基づく、通信装置最適化を伴う。加重係数の共同最適化(404)は複雑なプロセスであり、このプロセスを簡単にするため、加入者ユニットに相当する加重係数を共同的ではなく独立的に最適化する(410)ことを可能にする、最適化条件近似が利用される(409,410)。自己干渉を考慮に入れることにより、従来の加重方法に比べてより最適に近い加重係数がこのプロセスによって得られる。

概要

背景

概要

アンテナアレイビーム形成手法は、送信側通信装置(101)が担当する複数の加入者ユニット(105〜107)について独立した送信加重係数を採用する。加重係数の最適化は、複数の加入者ユニットの独立した作業ではなく、むしろ共同作業(404)である。好ましくは、共同最適化は送信側通信装置において実施され、自局各加入者ユニットとの間のチャネルの知見、ならびに各加入者ユニットにおいて観測されるセル間干渉およびセル内干渉の知見に基づく、通信装置最適化を伴う。加重係数の共同最適化(404)は複雑なプロセスであり、このプロセスを簡単にするため、加入者ユニットに相当する加重係数を共同的ではなく独立的に最適化する(410)ことを可能にする、最適化条件近似が利用される(409,410)。自己干渉を考慮に入れることにより、従来の加重方法に比べてより最適に近い加重係数がこのプロセスによって得られる。

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請求項1

複数の加入者ユニットと、複数のアレイ要素からなるアンテナアレイを有する送信側通信装置とによって構成される通信ステムにおいて、複数の加重係数共同的に最適化して、複数の最適化加重係数を生成する段階からなる、アンテナ・ビーム形成の方法であって、前記複数の最適化加重係数の各最適化加重係数は、前記複数の要素のうちの一つの要素に関連し、かつ前記複数の加入者ユニットのうちの一つの加入者ユニットにさらに関連することを特徴とする方法。

請求項2

請求項1記載の方法であって:複数の信号を変調して、複数の変調信号を生成する段階であって、前記複数の信号の各信号は、前記複数の最適化加重係数のうちの一つの最適化加重係数に基づいて変調される、段階;前記複数の変調信号の各変調信号を、前記複数のアレイ要素の一つのアレイ要素を介して送信する段階;をさらに含んでなることを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項3

複数の加重係数を共同的に最適化する前記段階は、前記複数の加入者ユニットの各加入者ユニットについて信号対雑音比を共同的に最大にする、複数の加重係数の値を判定する段階からなることを特徴とする請求項1記載の方法。

請求項4

複数の加入者ユニットと、複数のアレイ要素からなるアンテナ・アレイを有する送信側通信装置とによって構成される通信システムにおいて、アンテナ・ビーム形成の方法であって:信号対雑音比(SNR)の共同最適化式における一つまたはそれ以上の項を近似して、SNRの共同最適化式の一つの近似を生成する段階;および前記SNRの共同最適化式の近似に基づいて、複数の加重係数のセットのうちの一つの加重係数のセットを独立的に最適化して、最適化加重係数のセットを生成する段階であって、前記複数の加重係数のセットのうちの各最適化加重係数のセットは、前記複数の加入者ユニットのうちの一つの加入者ユニットに相当する、段階;からなることを特徴とする方法。

請求項5

最適化加重係数のセットにおける各最適化加重係数は、前記複数のアレイ要素のうちの一つのアレイ要素に相当し、前記方法は:複数の信号を変調して、複数の変調信号を生成する段階であって、前記複数の信号の各信号は、前記最適化加重係数のセットのうちの一つの最適化加重係数に基づいて変調される、段階;前記複数の変調信号の各変調信号を、前記複数のアレイ要素のうちの一つのアレイ要素を介して送信する段階;をさらに含んでなることを特徴とする請求項4記載の方法。

請求項6

前記複数の加入者ユニットの各加入者ユニットはレーキ受信機からなり、各加入者ユニットのレーキ受信機の出力の共分散は、前記複数の加入者ユニットの他の加入者ユニットによる前記共分散に対する寄与からなり、SNRの共同最適化式における一つまたはそれ以上の項を近似する前記段階は、各加入者ユニットのレーキ受信機の出力の共分散を、他の加入者ユニットによる前記共分散に対する寄与で近似する段階からなることを特徴とする請求項4記載の方法。

請求項7

複数の加入者ユニットからなる通信システムにおける、通信装置であって:複数のアレイ要素からなるアンテナ・アレイ;複数の加重器であって、前記複数の加重器の各加重器は、前記複数の要素のうちの一つの要素に結合される、複数の加重器;および前記複数の加重器の各加重器に結合されるプロセッサであって、前記プロセッサは、複数の加重係数を共同的に最適化し、前記複数の加重係数の各加重係数は、前記複数の要素のうちの一つの要素に関連し、また前記複数の加入者ユニットのうちの一つの加入者ユニットにさらに関連する、プロセッサ;からなることを特徴とする通信装置。

請求項8

前記通信装置は、前記複数の加入者ユニットのうちの一つの加入者ユニットにデータを送信し、前記プロセッサは、前記加入者ユニットおよび前記加重器に結合される要素に関連する加重係数を前記複数の加重器の各加重器に与え、それから各加重器は、前記プロセッサから受けた前記加重係数に基づいて信号を変調することを特徴とする請求項7記載の通信装置。

請求項9

複数の加入者ユニットからなる通信システムにおける、通信装置であって:複数のアレイ要素からなるアンテナ・アレイ;複数の加重器であって、前記複数の加重器の各加重器は、前記複数の要素のうちの一つの要素に結合される、複数の加重器;および前記複数の加重器の各加重器に結合されるプロセッサであって、前記プロセッサは、信号対雑音比(SNR)の共同最適化式における一つまたはそれ以上の項を近似して、前記SNRの共同最適化式の一つの近似を生成し、前記SNRの共同最適化式の近似に基づいて、複数の加重係数のセットのうちの一つの加重係数のセットを独立的に最適化して、最適化加重係数のセットを生成し、前記複数の加重係数のセットのうちの各最適化加重係数のセットは、前記複数の加入者ユニットのうちの一つの加入者ユニットに相当する、プロセッサ;からなることを特徴とする通信装置。

請求項10

前記複数の加入者ユニットの各加入者ユニットはレーキ受信機からなり、各加入者ユニットのレーキ受信機の出力の共分散は、前記複数の加入者ユニットの他の加入者ユニットによる前記共分散に対する寄与からなり、前記プロセッサは、他の加入者ユニットによる前記共分散に対する寄与と等しくなるように前記共分散を近似することにより、信号対雑音比(SNR)の共同最適化式における一つまたはそれ以上の項を近似することを特徴とする請求項9記載の通信装置。

0001

産業上の利用分野

0002

本発明は、ワイヤレス通信システムに関し、さらに詳しくは、ワイヤレス通信システムにおいてアンテナアレイを利用することに関する。
(従来の技術)

0003

ワイヤレス通信システムを設計する上で重要な目標は、システム容量(system capacity)を最大にする、すなわち、通信ステムによって同時にサービスを提供できるユーザの数を最大にすることである。システム容量を増加する一つの方法は、各ユーザに割当てられる送信パワーを低減することである。割当送信パワーを低減することにより、全ユーザの干渉が低減され、これにより新規ユーザをシステムに追加することが可能になる。

0004

各ユーザまたは加入者ユニットに割当てられる送信パワーを低減する一つの方法は、加入者ユニットと、このユーザを担当する基地局との間のワイヤレスリンクまたは通信チャネルの効率を増加することである。リンクの効率を増加する一つの方法は、送信アンテナダイバーシチ・システムを利用して、目標の加入者ユニットに情報をブロードキャストすることである。送信アンテナ・ダイバーシチ・システムは、より狭く、より集束されたビームがユーザに送信されるように、送信信号ビーム形成(beamform)することを可能にする。アンテナ・ビーム形成により、割当電力が広く分散されないので、基地局は信号に割当てられる送信パワーを低減できる。また、アンテナ・ビーム形成は、ビームがより狭く集束されるので、送信信号のマルチパスフェージング(multipath fading)および目標でないユーザとの干渉を低減する。

0005

アンテナ・ビーム形成の一つの方法は、2アンテナ・ダイバーシチ(two-antenna diversity)を伴う。2アンテナ・ダイバーシチは、信号を送信するために、2つのアンテナまたはアンテナ要素からなるアンテナ・アレイを利用し、次に最適化手法を適用して、一つのアンテナを利用することによって影響を受けるであろう性能に比べて、送信信号の品質を改善する。2アンテナ・ダイバーシチの最も単純な形態の一つは、2アンテナ選択送信ダイバーシチSTD:selection transmit diversity)である。その名前が示すように、この方法は、特定の通信のための送信機として利用されるアンテナとして、2つのアンテナのうちの一つを選択する。アンテナを選択する典型的な方法は、トレーニング(training),同期または目標加入者ユニット交信されるデータ通信に対して、最高受信パワーを有するアンテナを選択する。

0006

アンテナ・ビーム形成の別の方法では、アンテナ・アレイの各要素によって送信される信号を個別に加重する(weighting)。アンテナ・アレイの要素が適切に加重・移相されると、これらの要素からブロードキャストされる信号は目標加入者ユニットの受信機にて建設的に追加する。しかし、最適な加重を送信アレイに適用する前に、2つの条件を満たさなければならない。第1に、各アンテナ要素と目的の加入者との間のチャネルを把握しなければならない。第2に、目的の加入者の信号対雑音比を計算できなければならない。

0007

複数の加入者ユニットのそれぞれについてアンテナ・アレイにて判定される加重を最適化することについて、従来研究が行われてきた。目標加入者ユニットの干渉環境がセル間干渉(inter-cell interference)によって支配される場合にのみ、係数(以下では、「TxAA」という)を加重する従来の方法は最適である(つまり、送信パワーのあるレベルについて、加入者ユニットにて信号対雑音比を最大にするという意味で、最適である)。しかし、多くの用途、特にデータ用途では、目標加入者ユニットは基地局に近く、ここでは自己干渉(self-interference)が支配的な干渉源である。これらの状況では、送信加重係数を最適化する既存の方法は、極めて非最適である。

0008

さらに、係数を加重する従来の方法は、マルチパス遅延によって生じる自己干渉を考慮に入れない。実際、従来の方法は、以下の2つの条件のうち一方が成立する場合にのみ最適である:(i)伝搬チャネルが一つの経路のみを有する場合、あるいは(ii)セル内干渉パワー(intra-cell interference power)とセル間干渉パワー(inter-cell interference power)の比率がゼロの場合。後者の条件は厳密に満たされることは決してないが、ある状況においては許容可能な近似でもよい。条件(i)または(ii)が不在の場合、従来の加重方法がより単純な選択送信ダイバーシチ(STD)加重システムよりも性能が悪化する状況が生じる。

0009

その結果、係数を加重する従来の方法は、多くの動作環境について最適未満となる。従って、高マルチパス・フェージング環境において、あるいは著しい自己干渉の環境において、もしくはセル内干渉がセル間干渉を支配する場合に、アンテナ・アレイの性能を最適化するアンテナ・アレイ・ビーム形成方法が必要とされる。

0010

(好適な実施例の説明)

0011

高マルチパス・フェージング環境において、あるいは著しい自己干渉の環境において、もしくはセル内干渉がセル間干渉を支配する場合に、アンテナ・アレイの性能を最適化するために、アンテナ・アレイ・ビーム形成手法は、送信側通信装置によって担当される複数の加入者ユニットについて独立した送信加重係数を採用する。加重係数の最適化は、複数の加入者ユニットの、独立ではなくむしろ共同の作業である。好ましくは、共同最適化(joint optimization)は送信側通信装置にて実施され、自局各加入者ユニットとの間のチャネルの知見、ならびに各加入者ユニットにて観測されるセル間干渉およびセル内干渉の知見に基づく、通信装置最適化を伴う。加重係数の共同最適化は複雑なプロセスであり、プロセス最適化を簡単にするため、加入者ユニットに対応する加重係数を共同的ではなく独立的に最適化することを可能にする条件が定められる。この手法は自己干渉を考慮に入れるので、送信アンテナ・アレイ加重の従来の方法よりも最適に近い加重が得られる。

0012

本発明については、図1ないし図6を参照してさらに詳しく説明できる。図1は、本発明の好適な実施例によるワイヤレス通信システム100のブロック図である。好ましくは、通信システム100は、複数(「K」本)の直交通信チャネル(orthogonal communication channels)を含む符号分割多元接続(CDMA)通信システムであるが、当業者であれば、本発明は時分割多元接続TDMA)通信システムまたは直交周波数分割多重化(OFDM:orthogonal frequency division multiplexing)通信システムなど、任意のワイヤレス通信システムにおいて利用できることが理解されよう。好ましくは、各通信チャネルは、ウォルシュ符号(Walsh code)などの擬似雑音(PN:Qseudo-noize)シーケンスなど、複数の直交拡散符号のうちの一つからなる。拡散符号を利用することにより、同一周波数帯域内で複数の通信チャネルの共存が可能になる。

0013

通信システム100は、複数の地理的に分散した基地局101〜103(3つのみを図示)を含む。各基地局101〜103は、各サービス・カバレッジエリアまたはセル111〜113に通信サービスを提供する。好ましくは、各基地局101〜103は、複数のアレイ要素121,122(2つのみを図示)を有する少なくとも一つのアンテナ・アレイ120を含む。通信システム100は、セルラ電話無線電話またはワイヤレス・モデルなどの複数の加入者ユニット105〜107(3つのみを図示)をさらに含む。各加入者ユニット105〜107は、複数のレーキフィンガ(Rake fingers)を有する整合フィルタレーキ受信機を含む。整合フィルタ・レーキ受信機は当技術分野で周知であり、本明細書ではさらに詳しく説明しない。担当基地局(serving base station)(例えば、基地局101)は、加入者ユニットが担当基地局のセル(すなわち、セル111)に位置する間、各加入者105〜107に対して無線通信サービスを管理・提供する。

0014

本発明の別の実施例、すなわち「セクタ化」実施例では、各セル111〜113は複数のセクタに分割される。セクタ化実施例では、各基地局101〜103は、それぞれが複数のアレイ要素を含む複数のアンテナ・アレイを含む。各基地局101〜103の複数のアンテナ・アレイのうち少なくとも一つのアンテナ・アレイは、各対応するセルの複数のセクタの各セクタに専用となる。

0015

図2は、本発明の実施例による基地局101〜103のブロック図である。上記のように、各基地局101〜103は、好ましくは、少なくとも一つのアンテナ・アレイ120と、関連するアレイ要素121,122とを含む。アンテナ・アレイ120は、送信部202および受信部204に結合され、これらはそれぞれマイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)などのプロセッサ206に結合される。プロセッサ206および関連メモリ208は、基地局が情報を格納し、演算を行い、ソフトウェアプログラムを実行することを可能にする。

0016

図3は、本発明の実施例による基地局101〜103の多重送信信号経路303,301のブロック図である。各送信信号経路300,301は、基地局のアンテナ・アレイ120の複数のアンテナ要素121,122のうちの一つに相当する。データは、一般電話交換網(PSTN)またはインターネットなどの外部ネットワークとのインタフェースや、基地局のプロセッサ206上で実行するアプリケーションなど、データ・ソース210によって基地局に供給される。

0017

データ・ソース210は、プロセッサ206に結合される。図3に示すように、プロセッサ206は、エンコーダ302,複数のスプレッダ(spreader)306,308および複数のシンボルマッパ(symbol mapper)310,312を含む。エンコーダ302は、データ・ソース210からデータを受信し、ブロック符号化方式または畳込み符号化方式などの所定の符号化方式を利用してデータを符号化する。次に、エンコーダ302は、符号化データを複数のスプレッダ306,308のそれぞれに送る。本発明の別の実施例では、プロセッサ206は、符号化データを複数のスプレッダ306,308に送る前に、符号化データをインタリーブするインタリーバ(interleaver)をさらに含んでもよい。

0018

複数のスプレッダ306,308の各スプレッダは、拡散符号発生器(spreading code generator)304に結合され、拡散符号発生器によって与えられるウォルシュ符号など、好ましくは擬似雑音(PN)シーケンスである拡散符号に従って符号化データを拡散する。次に、各スプレッダ306,308は、拡散データを複数のシンボル・マッパ310,312の各シンボル・マッパに送る。各シンボル・マッパ310,312は、シンボル群(constellation of symbols)に含まれる複数のシンボルのうちの一つにデータを写像(map)して、変調データに相当するシンボル・ストリームを生成する。本発明の一実施例では、シンボル・マッパ310,312は、データを写像するためにQAM(quadrature amplitude modulation)写像方式を利用する。ただし、用いられる写像方式は本発明にとって重要ではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、BPSK(binary phase shift keying)またはQPSK(quadrature phase shift keying)などさまざまな写像方式も利用できることが理解されよう。

0019

QAM写像方式では、各シンボル・マッパ310,312は拡散データを、データ・ビットなどのPバイナリ・データ・ユニットのグループにまとめて、多重P数(multiple P-tuples)を形成する。次に、各シンボル・マッパ310,312は、所定のQAM群(QMA constellation)における、M=2Pとする、M個の可能なポイントのうちの対応するポイントにP数を写像することにより、多重P数のそれぞれを変調する。このために、M個の可能なポイントを含む所定のQAM群は、多次元空間、好ましくは、複素次元(I/Q)空間内で定義される。二次元空間内の各ポイントは、2つのスケール基底ベクトル(scaled basis vectors)のベクトル和と考えることができる。2つのスケールド基底ベクトルは、群ポイント(constellation point)、すなわち対応するデータ・シンボルの同相(I)成分および直交(Q)成分にそれぞれ相当する。特定のポイントを定めるために用いられる2つの基底ベクトルの各大きさは、このポイントの二次元座標と考えることができる。シンボル・マッパ310,312による各P数の変調の後、変調データはプロセッサ206により送信のため送信部202に送られる。

0020

送信部202は複数の変調器314,316を含み、それぞれは複数の増幅器318,320の一つに結合される。送信部202は複数の加重器(weighter)322,324をさらに含み、それぞれは複数の増幅器318,320の一つと複数のアンテナ121,122の一つとの間に結合され、さらにプロセッサ206に結合される。複数の変調器314,316の各変調器は、各シンボル・マッパ310,312から変調データを受けて、この変調データを無線周波数(RF)搬送波上に変調する。次に、各変調搬送波は、各変調器314,316に結合された増幅器に送られ、この増幅器は変調搬送波を増幅して、増幅信号を生成し、この増幅信号を各加重器322,324に送る。各加重器322,324は、プロセッサ206によって加重器に与えられる加重係数に基づいて増幅信号を変調し、この加重信号を各アンテナ121,122を介して送信する。本発明の別の実施例では、各加重器322,324は、変調器314,316と増幅器318との間に介在でき、あるいは変調器314,316の前段でも、プロセッサ206内に配置してもよい。

0021

目標加入者ユニット(すなわち、加入者ユニット105)によって目標ユニットの担当基地局(すなわち、基地局101)から受信されるRF信号の強度を最適化し、また担当基地局に相当するセル111において、担当基地局と他のアクティブな加入者ユニット(例えば、加入者ユニット106,107)との間の通信に対するRF信号の干渉を最小限に抑えるため、基地局101はRF信号のブロードキャストのためのアンテナ・アレイ・ビーム形成手法を採用する。このアンテナ・アレイ・ビーム形成手法では、基地局101は、基地局のアンテナ・アレイ120の各要素121,122に基地局によって割当てられる加重係数に基づいて、狭く集束した信号を目標加入者ユニット105にブロードキャストできる。

0022

本発明の一実施例である、「共同最適化(joint optimization)」の実施例では、基地局101が担当する複数の加入者ユニット105〜107のそれぞれに適用可能な加重係数であって、各加入者ユニットへの送信にそれぞれ適用される加重係数は、共同的に最適化される。好ましくは、加重係数の共同最適化は、担当基地局101によって実施され、この担当基地局101にて実装され、また基地局のプロセッサ206によって好ましくは実施される。共同最適化の実施例では、加重係数は担当基地局101にて共同的に最適化される。

0023

図4は、本発明の実施例による、基地局101などの送信側通信装置によって実行されるアンテナ・ビーム形成ステップ論理フロー図400である。複数の受信側通信装置、すなわち、加入者ユニット105〜107が情報を送信し、また加入者ユニットとアンテナ要素121,122のそれぞれとの間の伝搬チャネルと、AWGNからおよび担当基地局101が担当するセル以外のセル、すなわち、セル112,113からのバックグラウンド干渉(background interference)の自己相関(autocorrelation)とに関する情報を、送信側通信装置、すなわち、基地局が各加入者ユニットから受信する(402)とき、論理フローは開始する(401)。あるいは、各セルが複数のセクタを含むとき、バックグラウンド干渉は、加入者ユニットが位置するセクタ以外のセル111内のセクタからの干渉を含むことがある。

0024

加入者ユニット105〜107は、アンテナ要素から受信した信号をこの信号の既知バージョン相関することにより、加入者ユニットと任意のアレイ要素121,122との間の伝搬チャネルを測定する。例えば、基地局101は、加入者ユニットに既知であり、かつ要素に割当てられる、所定のパイロット・ウォルシュ符号などのパイロット符号またはパイロット・シンボルのシーケンスを、要素を介して送信できる。加入者ユニットが送信信号を受信すると、加入者ユニットはこの受信信号を既知のパイロット符号またはシンボルと相関する。この比較に基づいて、加入者ユニットはチャネルに起因する信号歪を判定する。

0025

バックグラウンド干渉の自己相関を測定することは、若干さらに難しい。本発明の一実施例では、加入者ユニット105〜107は、基地局101(全てのチャネル)から受信した信号を復調し、着信信号から復調済み信号を差し引くことによって、バックグラウンド干渉の自己相関を測定する。その結果、信号はバックグラウンド干渉のみからなり、この信号の自己相関は、信号を自己と相関することによって容易に得ることができる。本発明の別の実施例では、加入者ユニットは、基地局101が自局の送信信号を短い時間間隔周期的にブランキング(blanking)することにより、自己相関を測定できる。送信信号がオフされるこの短い間隔中に、受信信号はバックグラウンド干渉のみからなる。この場合も、干渉自己相関は、信号を自己と相関することによって測定できる。

0026

本発明のさらに別の実施例では、加入者ユニット105〜107は基地局101によって送信される受信信号の相関を測定することにより(信号を自己と相関することにより)バックグラウンド干渉の自己相関を測定できる。この相関は、信号相関数と干渉相関関数との和である。加入者ユニットはチャネル伝搬情報と受信信号相関関数の両方を基地局101に送信する。基地局101は、伝搬チャネルと送信信号(例えば、パイロット信号)の両方の知見に基づいて、加入者にて観測される送信信号の信号相関を算出する。次に、送信信号の算出済み相関を受信信号の相関関数から差し引くことによって、干渉相関が得られる。

0027

複数のアレイ要素121,122のそれぞれと複数の加入者ユニット105〜107のそれぞれとの間の伝搬チャネル、ならびに各加入者ユニットにおける干渉環境を把握することで、基地局101であって、好ましくは基地局のプロセッサ206は、以下でさらに詳しく説明する、任意のパワー割当および基地局加重係数のセットについて、各加入者ユニットにて信号対雑音比(SNR:signal-to-noise ratio)を判定する(403)。基地局101は、以下でさらに詳しく説明する、共同最適化SNR式の最大値を生じる加重係数を選択することにより、加重係数を共同的に最適化する(404)。次に基地局101が基地局が担当する一つの加入者ユニットに信号を送信するときに、プロセッサ206は適切な加重係数を基地局101の加重器322,324に伝達する(405)。各加重器322,324は、プロセッサ206によって加重器に伝達された加重係数を利用して、対応するアンテナ・アレイ要素121,122上で送信される信号を変調し(406)、それからこの信号は対応するアレイ要素を介して送信され(407)、論理フローは終了する(408)。

0028

好ましくは、基地局101は、対応するセル111の負荷(すなわち、セル内の加入者の数)、もしくは目標加入者ユニット105が位置するセクタの負荷を把握する。例えば、各加入者ユニット105〜107のデータ・レート条件がデータ符号化および復号方式の場合と同様に既知であると仮定する。この情報があれば、各加入者ユニット105〜107のSNR条件も既知である。この場合、まず基地局101は、最適アンテナ・アレイ120加重係数の共同最適化に対する有効な解が存在するかどうかを判定する。すなわち、まず基地局101は、任意のパワーおよび加重割当が全加入者のSNR条件を満たすかどうかを判定する。有効な解が存在する場合、基地局101は、基地局によって送信される全パワーを最小にする解を選択できる。ある意味、これは、隣接セル112,113、あるいは隣接セクタに発生する干渉パワーを最小限にする。ある負荷について、有効な解が存在しない場合、基地局101は、この基地局によって満たすことができる負荷のパーセントを最大にするパワーおよび加重割当を選択できる。

0029

本発明の別の実施例、すなわち、「独立最適化(independent optimization)」実施例では、各加入者の加重係数を独立的に最適化できるように、近似を利用できる。加重係数を共同的に最適化する(404)代わりに、基地局101は近似を利用して、共同最適化SNR式の近似を判定する(409)。この近似により、基地局101は、共同最適化SNR式の近似に基づいて、他の加入者ユニットから独立して、各加入者ユニットに相当する加重係数を最適化できる(410)。このような手法は、基地局101の演算負担を軽減する利点がある(ただし、各加入者ユニット105〜107に課せられる演算負担は若干増加することがある)。さらに、このような手法では、基地局101によって用いられる加重係数の独立最適化は、チャネルおよび干渉情報を基地局に送信するために必要とするアップリンク帯域幅が少なくてすむという利点がある。最適加重係数が加入者ユニットにて算出される場合、加重係数のみを基地局に送信するだけでよい。

0030

基地局101、好ましくは、基地局101のプロセッサ206は、加入者ユニットの複数のアンテナ・アレイ要素121,122にそれぞれ相当する加重係数w1,i,w2,iを最適化することによって、各加入者ユニット105〜107に相当する加重係数を判定し、ここで「i」は、加重係数が最適化されるi番目の加入者ユニットに相当する指数(index)である。プロセッサ206は、加入者ユニットの整合フィルタ・レーキ受信機の出力のSNRを最大にする加重係数w1,i,w2,iを判定することによって、i番目の加入者ユニットに相当する加重係数を最適化し、ここでSNRは以下のSNRの共同最適化式によって与えられる(ただし、指数iは、本発明の原理を説明するために、第1加入者ユニットに相当する1に任意に設定される):
この式は、次のようにして導出される。

0031

ベクトル
および
は、アンテナ・アレイ120の要素121,122と目的の加入者ユニット(すなわち、i番目の加入者ユニット、すなわち、式(1)の用語では、第1加入者ユニット)との間の各伝搬チャネルを表すものとする。表記を簡単にするため、チャネルのインパルス応答は、チップ時間の整数倍以外ではゼロであると想定し、従って、ベクトル
は、チャネルのチップ間隔のインパルス応答(chip-spaced impulse response)を表す。Kは、順方向リンク上で占められる通信チャネルの数を表し、
(***p11の18行目)は、通信チャネル、あるいは拡散符号チャネルに割当てられる振幅のセットを表すものとする。簡単にするため、複数の加入者ユニット105〜107は、i番目のウォルシュ符号がi番目の加入者ユニットに割当てられるように指数が付されている。

0032

チャネル
および
ならびに振幅
が次のように正規化される場合、セル内干渉およびセル間干渉の強度に関連する定義は単純化される。f1およびf2を次式のように定義する:
よって、
複数の要素121,122のそれぞれと目的の加入者ユニットとの間の伝搬チャネルは、等しいエネルギを有する必要がない。同様に、次式のように、振幅の正規化セットA={Ai}ki=1を定義する:

0033

システム100におけるK個の通信チャネルまたは符号チャネルのそれぞれには、各アンテナ・アレイ要素121,122に相当する複素加重係数が割当てられる。2要素アンテナ・アレイ120を仮定すると、一対の複素加重係数{w1
,i,w2,i}がK個の符号チャネルのそれぞれに割当てられる。各加重ベクトルは単位エネルギ(unit energy)を有する必要があるので、次式のようになる:
理想的には、i番目の符号チャネルに適用される加重{w1,i,w2,i}は、i番目の加入者ユニットの整合フィルタ・レーキ受信機の出力にてSNRを最大にするように選択される。担当基地局、すなわち、基地局101によって送信される全パワーは、
によって与えられ、この基地局からi番目の加入者ユニットによって受信される全パワー
は、次式によって与えられる:
加重係数{w1,i,w2,i}Ki=1およびチャネルf1の相互作用のため、i番目の加入者ユニットにおける受信信号パワー
は加重係数に依存する。従って、振幅Aiが{w1,i,w2,i}の最適化中に調整されなければ、セル内干渉
は加入者ユニットiにて一定に維持されない。この理由により、別の量Iorが次式のように定められる。
Cauchy-Schwarz不等式を適用すると、
が得られ、従って、ここで用いる定義では、
となる。また、以下が明らかである:
ここで、
となる。なお、チャネルf1およびf2が線形的に独立している限り、γ>0である。

0034

上の不等式は、干渉がセル内干渉およびセル間干渉によって交互に支配される場合に、最適送信加重係数の式を求める上で有用である。加重係数は加入者によって観測されるセル内信号パワーのレベルに影響を及ぼすので、
は{w1,i,w2,i}の最適化中に一定に維持できない。しかし、上の不等式では、i番目の加入者ユニットによって観測されるセル内干渉は上下に限定でき、そのため
となる。従って、セル間干渉Iocによって支配される加入者環境は、Ior/Ioc→0を強制することによって調べることができる。なぜならば、これは
を意味するためである。同様に、セル内干渉によって支配される加入者環境は、Ior/Ioc→∞を強制することによって調べることができる。なぜならば、
を意味するためである。

0035

各加入者ユニット105〜107の整合フィルタ・レーキ受信機の出力にてSNRを算出するためには、レーキ受信機に含まれる複数のレーキ・フィンガの平均(mean)および分散(variance)を評価しなければならない。この目的のために、目的の加入者ユニットが指数1を有するものとし、また上記のように、ベクトルf1およびf2が要素121,122それぞれと目的の加入者ユニットとの間の正規化伝搬チャネルを表すものとする。一般性を失わずに、チャネルf1およびf2は、長さMの期間の外ではゼロであると仮定する、すなわち、
Rは加入者ユニットの多重レーキ・フィンガの出力のM長ベクトルを表すものとする。また、μは、次式によって与えられる成分を有する、Rの平均ベクトルを表すものとする:
ここで、Nはシンボル毎チップ数である。ランダム直交符号(ランダム拡散を有するウォルシュ符号)の場合、MxM相関行列Γl,mは次式によって与えられる要素を有する:
ここで、NIocψ(m−l)は、セル内干渉および雑音共分散(covariance)である。ある基地局からのCDMA信号(実質的にホワイト・ソース)は共通チャネル中継して加入者ユニットに至るので、セル間干渉は、一般に非ホワイト(non-white)である。その結果、セル間干渉は、一つの基地局によって支配される場合には、実質的に非ホワイトとなりうる。ただし、解析を簡単にするため、セル間干渉はホワイトであると仮定し、そのため
となり、ここでIocはセル間干渉のパワーを表す。Ωは、
によって与えられるベクトルRの正規化分散を表すものとし、また以下の成分を有する:
ここで、
は要素
を有する。

0036

共分散Ωを2つの部分に分割するのが有用であり、よって
Ω=Ω1+Ωk2
となり、ここで第1項Ω1は、目的の加入者ユニットの信号の共分散に対する寄与成分であり、第2項Ωk2は、他の全ての加入者ユニットの信号の共分散に対する寄与成分である。目的の加入者ユニットの整合フィルタ・レーキ受信機の出力におけるSNRは、次式によって与えられる:
ここで、表記Ω1(w1,l,w2,lは、Ω1が加重係数{w1,l,w2,
l}の関数であるという事実を表すために用いられる。

0037

式(1)の分母中間項内の第2項は、次のように近似できる:
この近似により、目的の加入者ユニットのSNRは、他の加入者ユニットについて用いられる加重係数に依存しなくなる。その結果、加重係数w1,l,w2,
lは、Ec/IorおよびIor/Iocの値が既知である限り、独立して最適化でき、ここでEcは所望信号のパワーまたはエネルギであり、Iorはセル内干渉のパワーまたはエネルギであり、Iocはセル間干渉のパワーまたはエネルギである。

0038

Ec/Iorの値は、加入者105などの目的の加入者にて推定でき、またこの値は基地局(ここでこの値は既知)から加入者ユニットに送信できる。Ior
/Iocの値は、次のように推定できる。まず、基地局101は、Iocが目的の加入者ユニット、すなわち加入者ユニット105によって測定できるように、短期間だけブランキングされる。次に加入者ユニット105は、(各アンテナに割当てられるパイロット信号を利用して)複数のアンテナ要素121,122のそれぞれから受信される信号のインパルス応答エネルギを測定し、これらのエネルギを基地局101に返送する。これらの値があれば、いくつかの方法のうちの一つでIorは加入者ユニット105によって計算できる。例えば、加入者ユニット105はエネルギ値を基地局101に送信でき、基地局はIorの値を計算して、この計算値を加入者ユニットに返送する。別の例では、基地局101は、Iorが加入者ユニットにて計算できるように、加重係数を加入者ユニット105に送信できる。さらに別の例では、加入者ユニット105は基地局101の加重係数を計算できる。従って、加入者ユニット105は、基地局101によって用いられる加重係数を把握し、Iorは加入者ユニットにて計算できる。そうすると、加入者ユニット105は、IorおよびIocの各推定値からIor/I
ocの比率を計算する。

0039

ある場合には、近似(上記の式(2))
は、さらに簡略化できる。本発明のこのような一実施例では、高速データについて、担当セル、あるいはセルをセクタ化した場合には担当セクタ、におけるパワーのほとんど全ては、目的の加入者ユニットに割当てることができ(単一ユーザもしくは「高割当(high allocation)」実施例)、そのためEc/Iorはほぼ1になる。このような実施例では、以下の近似を利用できる:
目的の加入者ユニットが「高ジオメトリ(high geometry)」環境に位置する、すなわち、IIIor/Iocが大きい場合の、本発明のさらに別の実施例では、以下の近似を利用できる:
これら2つの場合の組合せも考慮できる。

0040

式(2),式(3)および式(4)によって表される上記の近似のうちの一つを利用することにより、セル111またはセクタ内の全加入者105〜107の加重係数を共同的に最適化する問題は、一連の独立最適化の問題に変換でき、それにより各加入者ユニット105〜107の加重係数は独立的に最適化される。それによって生じる独立最適化の複雑さは、用いられる近似に依存する。また、最適化問題は、「低ジオメトリ」近似を利用することによって簡略化でき、これについてはIor/Iocはほぼゼロになる。ただし、低ジオメトリ近似は適用可能なことはまれなので、他の近似を利用することで、より最適に近い加重係数が得られる。

0041

本明細書におけるSNR式は、アンテナ・アレイ120から送信され、かつ加入者ユニット105〜107にて整合フィルタ・レーキ受信機を用いて受信されるCDMA信号についてのものである。加重係数の各セットは、対応する加入者ユニット105〜107における整合フィルタ(レーキ)受信機の出力にてSNRを最大にするように設計される。SNR式は以下の結果をもたらす:(1)各加入者105〜107のアンテナ・アレイ120に対する加重係数の選択において最適化すべきSNR条件,(2)自己干渉を考慮した場合に、各加入者ユニット105〜107のアンテナ・アレイ120の加重係数が共同的に最適化できるという事実,(3)共同的に最適なアレイ加重係数を計算するために、加入者ユニット105〜107から基地局101にフィードバックしなければならない情報のセット,(4)自己干渉によって支配される環境(「高ジオメトリ」環境)における加入者ユニット105〜107のSNR挙動および(5)共同的ではなく独立的に最適化できるSNRの堅実な近似。

0042

加入者ユニット105〜107を共同的ではなく独立的に最適化することを可能にする別の最適化条件を定義できる。例えば、真の共分散行列Ω2を式(2)によって与えられる近似で置換した、式(1)によって表されるフルSNR式を利用できる:
この近似は、担当基地局、すなわち基地局101の出力信号パワーの半分がアンテナ・アレイ120の2つの要素121,122のそれぞれで送信され、かつ加重ベクトルがランダムに配向され、そのため次式が成り立つ場合に、Ω2に等しい:
この式は加入者の送信係数に依存しないので、各加入者ユニットの加重係数は他の加入者ユニットから独立して最適化できる。

0043

加重係数の最適化は、式(1)によって表されるSNR式の複雑さのために困難であるため、加重係数の最適化が若干より簡単になるいくつかの特別かつ限定的な事例も存在する。セル間干渉が支配的な伝搬環境は、セル内干渉対セル間干渉の比率
をゼロに強制することによって、すなわち、Ior/Iocをゼロに等しく設定することによって、表すことができる。従って、
という限界では、目的の加入者ユニットの整合フィルタ・レーキ受信機の出力におけるSNRは次式によって与えられる:
セル内干渉がない場合のSNRに相当する式(6)は、従来のTxAAシステムにおいて最適化される加入者ユニット105〜107のSNRの式である。この実施例における最適加重ベクトル{w1,l,w2,l}は、以下の行列最大固有値λmaxに相当する固有ベクトルvmaxに等しい:
この行列は他のチャネルの加重係数に依存しないので、個別の加入者ユニット105〜107によって実施される加重係数最適化の間の相互作用はない。

0044

最適送信加重ベクトルがあれば、目的の加入者ユニットの整合フィルタ・レーキ受信機の出力のおけるSNRは次式によって与えられる:

0045

加重係数の最適化が若干より簡単である第2の特別かつ限定的な事例は、セル内干渉が支配的な場合である。比率
が大きい環境は、「高ジオメトリ(high geometry)」環境と呼ばれることがある。高ジオメトリ環境では、チャネルが著しいマルチパス・フェージングを有する場合、セル内干渉が支配的な干渉源である。上記のように、チャネルf1,f2
が線形的に独立している場合、
が大きくなると、送信アンテナ・アレイ加重の限定的な挙動は、比率Ior/I
ocを無限大に強制することによって評価できる。従って、
としての限界では、目的の加入者ユニットの整合フィルタ・レーキ受信機の出力におけるSNRは次式によって与えられる:
{w1,l,w2,l}に対して行列Ωが依存しているので、最適送信加重ベクトルを見つける直接的な方法は存在せず、よって、一般的には、最適加重ベクトルを判定するために、空間
の探索が必要になる。

0046

加重係数の最適化が若干より簡単である第3の特別かつ限定的な事例は、目的の通信チャネルに割当てられるパワーが、担当基地局、すなわち基地局101によって送信される全パワーの然るべき小さい割合となる場合である。すなわち、
である。この環境では、
であることを然るべく論拠でき、よってΩは{w1,l,w2,l}からほぼ独立している。この近似があれば、目的の加入者ユニットの整合フィルタ・レーキ受信機の出力におけるSNRは、
となり、ここで
となる。対称的な半正値行列(symmetric positive semi-definite matrix) Φは、一意の対称的な半正値平方根
を有し、よって
となる。正半値行列
が正定値(positive definite)である場合、
は一意に定められる逆数
を有する。wがベクトル{w1,l,w2,l}を表し、次式が成立するようにベクトルyを定めるものとする:
これらの定義があれば、次式が成り立つ:
上式における上限は、ある複素スカラαについて、
が成立する場合にのみ満たされ、ここでνmaxは以下の行列の最大固有値に相当する固有ベクトルである:
従って、最適加重の単位エネルギ送信加重ベクトルは、
によって与えられ、その結果、信号対雑音比は、
によって与えられる。

0047

上記のように、最適加重ベクトルは加重{w1,i,w2,i}Ki=2に依存し、これは新たに計算された最適加重ベクトル{w1,l,w2,l}の適用と同時に変化しうる。新規ベクトル{w1,l,w2,l}は、他のチャネルの加重ベクトルが一定のままの場合にのみ最適である。

0048

加重係数の最適化が若干より簡単である第4の特別かつ限定的な事例は、セルが目的の加入者ユニットのみを含む場合、すなわち、単一加入者ユニット環境の場合である。このような場合、目的の加入者ユニットの整合フィルタ・レーキ受信機の出力におけるSNRは、
によって与えられ、ここで行列Ψ1,1,Ψ1,2,Ψ2,2は上で定義済みである。

0049

セル内干渉が支配的であり、よってIor/Ioc→∞となる、単一加入者ユニット環境では、信号対雑音比の式は次式によって与えられる:
上記の加重係数の最適ベクトルは、比率
を最大にする加重ベクトルに等しいと実証でき、ここで
畳込み(convolution)を表すために用いられ、TR*は与えられたベクトルの時間反転共役(time reverse conjugate)を表すために用いられる。一般に、最適送信加重係数を判定するために探索(search)が必要である。

0050

簡単な例で、通信システム100に対するセル内干渉の影響を実証する。この例では、従来の送信アンテナ・アレイ加重(TxAA)を利用する送信側通信装置のアンテナ・アレイの性能を、本発明に従って判定される最適化送信アンテナ・アレイ加重と比較し、また選択送信ダイバーシチ(STD)加重と比較する。チャネル・インパルス応答f1,f2が長さ2を有し、次式によって与えられるものとする:
TxAA加重ベクトルは、行列
最大固有ベクトルに相当する固有ベクトルに比例する。この行列は、
によって与えられる固有値および固有ベクトルを有する。従って、加重係数の正規化TxAAベクトルwAAは、
によって与えられる。

0051

選択送信ダイバーシチ(STD)では、送信パワーの全てはアンテナのうちの一方または他方に割当てられる。ここで選ばれる選択ダイバーシチ加重は、全送信パワーを第1アンテナに割当て、そのため加重係数の正規化STDベクトルw
STDは、
によって与えられる。

0052

式(1)ならびにΩの定義を参照することにより、目的の加入者ユニットの加重係数のベクトルwの性能を評価するためには、以下のパラメータを把握しなければならない:Ec/Ior,Ioc/Iorならびに以下の量:
この例に限り、符号チャネル2〜Kについて割当てられる全パワーの半分は2つのアンテナのそれぞれで送信され、そのため
a1=a2=1
となることが仮定される。一般性を失わずに、係数w1,jはゼロ位相を有すると仮定できる。加重係数{w2,j}Kj=2が互いに対してランダムに配向される場合、a3の平均値はゼロになる。従って、この例に限り、a3=0であると仮定される。

0053

上記の仮定があれば、TxAAの信号対雑音比は、
によって与えられ、選択送信ダイバーシチ(STD)の信号対雑音比は、
によって与えられる。従って、TxAAおよびSTDの相対的性能は、
によって与えられる。

0054

この式から、Ior/Ioc→0とすると、TxAAの性能はSTDの性能よりも2.3dB良好であることが明白である。STDに対して、(静的チャネル上で)TxAAにて達成可能な最大利得は3dBであり、このような利得は2つのチャネルが等しいエネルギを有する場合にのみ達成可能である。従って、この意味で、ここで選んだ例は、TxAAの利点を実証するためのよい例であると考えることができる。ただし、Ior/Ioc→∞という限界では、TxAAおよびSTDの相対的性能は、
によって与えられる。

0055

図5は、Ioc/IorおよびEc/Iorの関数として、TxAA係数加重システムを採用する送信側通信装置と、STDシステムを採用する送信側通信装置から受信される信号の、整合フィルタ受信機の出力におけるSNRを比較する表500である。図4からわかるように、この例では、セル内エネルギが支配的であり、かつ目的の加入者に送信パワーの十分大きな割合が割当てられる場合には、STDの方がTxAAよりも性能がよい。このような状態は、基地局によって送信されるパワーの大部分が一つの高速加入者に割当てられるデータ・アプリケーションにおいて生じうる。図6は、TxAA係数加重システムを採用する送信側通信装置と、本発明の実施例により判定される最適化送信アンテナ・アレイ加重を採用する送信側通信装置から受信される信号の、整合フィルタ受信機の出力を比較する表600である。本発明の最適化加重の利得は、セル内干渉がセル間干渉を支配し、かつEc/Iorが大きい場合には、極めて大きい。

0056

要するに、多重要素のアンテナ・アレイを含む担当基地局(すなわち、基地局101)は、基地局および加入者ユニットの順方向リンク(基地局から加入者ユニット)の厳密なSNRについて式(1)を最大にする加重係数を判定することにより、基地局が担当する各加入者ユニットへの送信に対して適用される加重係数を最適化する。この式は、各加入者ユニット105〜107によって観測される干渉がIor/Iocと、各加入者ユニットに適用される加重係数{w1,i
,w2,i}Ki=1の両方に依存することを示す。この依存のため、一つの加入者ユニットは、将来の時間期間における他の加入者ユニットそれぞれの加重係数を把握せずして、次の時間期間における自局の送信加重係数を最適化できない。従って、加重係数の完全な最適化は、独立した作業ではなく、共同作業である。好ましくは、共同最適化は担当基地局101にて実施され、自局と各加入者ユニットとの間のチャネルについての基地局の知見、ならびに各加入者ユニットにて観測される比率Ior/Iocの知見に基づく。この情報は、逆方向リンクを介して各加入者ユニットから基地局に送信できる。

0057

加重係数の共同最適化は、その複雑さゆえに、適用が限られるかもしれない。しかし、加入者を共同的ではなく独立的に最適化することを可能にする最適化条件を定めることができる。例えば、平均干渉共分散行列をSNRの式に代入することにより、より最適に近い加重係数を算出できる。平均干渉共分散行列は加入者の送信係数に依存しないので、各加入者は互いから独立して最適化できる。この方法は自己干渉を考慮に入れるので、送信アンテナ・アレイ加重の従来の方法よりも最適に近い加重が得られる。

0058

また、送信加重の従来の方法は、Ior/Ioc→0という限界においてのみ最適であることを実証するために、厳密なSNR解析を利用した。対照的に、I
or/Iocが大きい高ジオメトリ環境では、従来の加重方法がより単純な選択送信ダイバーシチ(STD)よりも性能が悪いという例を構築できる。さらに、Ior/Ioc=0の場合の従来の送信加重方法から予測される利得は、Ior
/Iocが大きい場合に大幅に低減されることがある。

0059

本発明について、その特定の実施例を参照して図説してきたが、当業者であれば、発明の精神および範囲から逸脱せずに、さまざまな変更が可能であり、その要素の代わりに同等を代用できることが理解されよう。さらに、発明の実質的な範囲から逸脱せずに、特定の状況または材料を発明の教示に適応するために多くの修正を行うことができる。従って、本発明は本明細書で開示される特定の実施例に制限されるものではなく、本発明は特許請求の範囲の範囲内に入るあらゆる実施例を含むものとする。

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