図面 (/)

技術 二価の金属イオンを利用したApo−2リガンドの製造方法

出願人 ジェネンテク・インコーポレイテッド
発明者 アシュケナジ,アヴィ,ジェー.ハイモヴィッツ,サラケリー,ロバート,エフ.コーメニス,インフィゲニアルング,スーザンオコーネル,マークパイ,ロジャーシャロカ,ザーラシモンズ,ローラ
出願日 2000年6月26日 (20年7ヶ月経過) 出願番号 2001-506824
公開日 2003年1月28日 (18年0ヶ月経過) 公開番号 2003-503057
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 医薬品製剤 クロマトグラフィによる材料の調査、分析 微生物、その培養処理 微生物による化合物の製造 ペプチド又は蛋白質 非環式または炭素環式化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 産出高 酸素取り込み速度 塗りつける 両ピーク 媒体組成 露出位置 生産高 II形
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年1月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (17)

課題・解決手段

二価金属イオンを利用したApo−2リガンド及びApo−2リガンド製剤の製造方法が提供されている。このような二価金属イオンは、Apo−2リガンド三量体形成及び安定性を向上させる亜鉛及びコバルトを含む。また、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発を利用して同定されたApo−2リガンド変異体ポリペプチドとともに、Apo−2リガンドの結晶構造が提供されている。

概要

背景

概要

二価金属イオンを利用したApo−2リガンド及びApo−2リガンド製剤の製造方法が提供されている。このような二価金属イオンは、Apo−2リガンド三量体形成及び安定性を向上させる亜鉛及びコバルトを含む。また、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発を利用して同定されたApo−2リガンド変異体ポリペプチドとともに、Apo−2リガンドの結晶構造が提供されている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
9件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

製剤に存在する一つ又は複数の二価金属イオンの濃度がApo−2リガンドに対して<2Xモル比である、前記Apo−2リガンド及び前記一つ又は複数の二価金属イオンを含んでなる製剤。

請求項2

前記一つ又は複数の二価金属イオンが亜鉛又はコバルトを含む、請求項1の製剤。

請求項3

前記一つ又は複数の二価金属イオンが亜鉛を含む、請求項2の製剤。

請求項4

前記亜鉛が塩化亜鉛酢酸亜鉛硫酸亜鉛炭酸亜鉛及びクエン酸亜鉛から成る群から選択された、請求項3の製剤。

請求項5

前記製剤が製薬的許容可能な製剤である、請求項1の製剤。

請求項6

前記Apo−2リガンドがFig1(配列番号:1)のアミノ酸114から281を含む、請求項1の製剤。

請求項7

前記Apo−2リガンドがFig1(配列番号:1)のアミノ酸1から281又はその変異体或いはその生物学的に活性な断片を含む、請求項1の製剤。

請求項8

前記製剤がpH約6から9である、請求項1の製剤。

請求項9

前記製剤がpH約7から7.5である、請求項8の製剤。

請求項10

前記製剤が水溶性製剤である、請求項1の製剤。

請求項11

前記製剤が凍結乾燥製剤である、請求項1の製剤。

請求項12

製剤に存在する一つ又は複数の二価金属イオンの濃度がApo−2リガンドに対して≧2Xモル比である、前記Apo−2リガンド及び前記一つ又は複数の二価金属イオンを含んでなる製剤。

請求項13

Apo−2リガンドポリペプチドを一つ又は複数の二価金属イオンの有効量に曝露することを含んでなる、Apo−2リガンド三量体の形成を促進する方法。

請求項14

Apo−2リガンドを混合すること、一つ又は複数の二価金属イオンの有効量、及び製薬的に許容可能な担体を含んでなる、Apo−2リガンドの製薬的に許容可能な製剤を製造する方法。

請求項15

Apo−2リガンドポリペプチドを一つ又は複数の二価金属イオンの有効量に曝露することを含んでなる、ジスルフィド結合Apo−2リガンド二量体の形成を減じる方法。

請求項16

(a)Apo−2リガンドポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有する複製可能なベクターを含んでなる宿主細胞を提供すること;(b)一つ又は複数の二価金属イオンの有効量を含有する培養培地を提供すること;(c)Apo−2リガンドを発現するために十分な条件下で培養培地の宿主細胞を培養すること;(d)培養培地又は宿主細胞からApo−2リガンドを回収することの段階を含んでなる、Apo−2リガンドを製造する方法。

請求項17

前記宿主細胞が大腸菌である、請求項16の方法。

請求項18

前記一つ又は複数の二価金属イオンが亜鉛を含む、請求項16の方法。

請求項19

前記亜鉛が硫酸亜鉛を含む、請求項18の方法。

請求項20

前記一つ又は複数の二価金属イオンがコバルトを含む、請求項16の方法。

請求項21

前記コバルトが塩化コバルトを含む、請求項20の方法。

請求項22

前記亜鉛が約50マイクロモルから約250マイクロモルの濃度で培養培地に存在する、請求項18の方法。

請求項23

前記複製可能なベクターが一つ又は複数のtRNA分子をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項16の方法。

請求項24

前記複製可能なベクターがpAPApo2−P2RUベクターである請求項23の方法。

請求項25

前記Apo−2リガンドがFig1(配列番号:1)のアミノ酸114から281を含む、請求項16の方法。

請求項26

前記Apo−2リガンドがFig1のアミノ酸1から281又はその生物学的に活性な断片或いは変異体を含む、請求項16の方法。

請求項27

(a)Apo−2リガンドをコードするヌクレオチド配列を含有する複製可能なベクターを含んでなる宿主細胞を提供すること;(b)培養培地を提供すること;(c)Apo−2リガンドを発現するために十分な条件下の培養培地で宿主細胞を培養すること;(d)培養培地又は宿主細胞からApo−2リガンドを回収すること;(e)一つ又は複数の二価金属イオンの有効量の存在下でApo−2リガンドを精製することの段階を含んでなる、Apo−2リガンドを製造する方法。

請求項28

段階(e)の前記Apo−2リガンドが一つ又は複数の二価金属イオン及び還元剤の存在下で精製される、請求項27の方法。

請求項29

前記Apo−2リガンドがFig1(配列番号:1)のアミノ酸114から281を含む、請求項27の方法。

請求項30

前記Apo−2リガンドがFig1(配列番号:1)のアミノ酸1から281又はその生物学的活性断片或いは変異体を含む、請求項27の方法。

請求項31

(a)培養された原核生物宿主細胞で発現されるApo−2リガンドを単離すること;(b)一つ又は複数の二価金属イオン及び還元剤を含有するバッファー溶液へ前記単離Apo−2リガンドを曝露すること;及び(c)前記単離Apo−2リガンドを回収することの段階を含んでなる原核生物細胞培養からApo−2リガンドを回収する方法。

請求項32

段階(b)の前記一つ又は複数の二価金属イオンが亜鉛及びコバルトから成る群から選択され、前記還元剤がDTT及びBMEから成る群から選択された、請求項31の方法。

請求項33

段階(c)の前記Apo−2リガンドを順次にカチオンクロマトグラフィー支持体ヒドロキシアパタイト支持体、及び疎水性クロマトグラフィー支持体へ接触させて回収することを含んでなる、請求項31の方法。

請求項34

カチオンクロマトグラフィー支持体をSP−セファロース、CM−セファロース、及びMacro−Prep ceramic HS樹脂から成る群から選択する、請求項34の方法。

請求項35

疎水性クロマトグラフィー支持体をフェニルアガロースブチルアガロース、TSK樹脂、及びToyopearl樹脂から成る群から選択する、請求項33の方法。

請求項36

天然配列Apo−2リガンドとは異なり、一つ又は複数の以下に示すFig1(配列番号:1)の残基でのアミノ酸置換を含んでなる単離されたApo−2リガンド変異体ポリペプチド:R130A;N134A;L136A;S138A;N140A;N143A;S153A;E155A;R158A;R170A;K179A;R191A;Q193A;E195A;K197D;K201A;N202A;D203A;Y213A;D218A;Y240A;K251A;S259A;D267A;D269A。

請求項37

天然配列Apo−2リガンドとは異なり、一つ又は複数の以下に示すFig1(配列番号:1)の残基でのアミノ酸置換を含んでなる単離されたApo−2リガンド変異体ポリペプチド:S141A、K142A、S159A、H264A。

請求項38

天然配列Apo−2リガンドとは異なり、一つ又は複数の以下に示すFig1(配列番号:1)の残基でのアミノ酸置換を含んでなる単離されたApo−2リガンド変異体ポリペプチド:R149A;C230S;C230A;Q205A;V207A;Y216A;E236A;Y237A。

請求項39

請求項36のApo−2リガンド変異体をコードするヌクレオチド配列を含んでなる、単離された核酸

請求項40

請求項39の核酸を含んでなるベクター。

請求項41

請求項40のベクターを含んでなる宿主

請求項42

pAPApo2−P2RUベクター。

請求項43

請求項42のベクターを含んでなる宿主。

請求項44

前記宿主細胞が大腸菌である、請求項31の宿主細胞。

請求項45

Fig1(配列番号:1)のアミノ酸114から281を含んでなり、請求項16の方法で製造された、単離されたApo−2リガンド。

請求項46

Fig1(配列番号:1)のアミノ酸1から281、又はその生物学的に活性な断片或いは変異体を含んでなり、請求項16に記載の方法で製造された、単離されたApo−2リガンド。

請求項47

Fig1(配列番号:1)のアミノ酸114から281を含んでなり、請求項27の方法で製造された、単離されたApo−2リガンド。

請求項48

Fig1(配列番号:1)のアミノ酸1から281、又はその生物学的に活性な断片或いは変異体を含んでなり、請求項27に記載の方法で製造された、単離されたApo−2リガンド。

0001

(発明の分野)
本発明は、概して亜鉛又はコバルトなどの二価金属イオンを利用したApo−2リガンド及びApo−2リガンド製剤の製造方法に関する。改良されたApo−2L三量体製剤及び安定性を有するそのようなApo−2リガンド及びApo−2リガンド製剤の利用法が、同じく提供されている。本発明は、さらにApo−2リガンド変異体、特にアラニン置換変異体に関する。
(発明の背景)

0002

哺乳動物における細胞数コントロールは、細胞増殖細胞死バランスにより部分的に決定されると考えられている。しばしば壊死性細胞死と称される細胞死の一形態は、典型的には、ある種の外傷又は細胞傷害の結果生じる細胞死の病理的形態として特性付けられる。これに対して、通常は規則的又はコントロールされた状態で進行する細胞死の他の「生理的」形態がある。細胞死のこの規則的又はコントロールされた形態は、しばしば「アポトーシス」と称される[例えば、Barrら, Bio/Technology, 12:487-493(1994);Stellerら, Science, 267:1445-1449(1995)を参照]。アポトーシス性細胞死は、免疫系におけるクローン選択発達を含む多くの生理的プロセスにおいて自然に生じる[Itohら, Cell, 66:233-243(1991)]。

0003

様々な分子、例えば腫瘍壊死因子−α(「TNF−α」)、腫瘍壊死因子−β(「TNF−β」又は「リンホトキシン−α」)、リンホトキシン−β(「LT−β」)、CD30リガンド、CD27リガンド、CD40リガンド、OX−40リガンド、4−1BBリガンド、Apo−1リガンド(Fasリガンド又はCD95リガンドとも称される)、Apo−2リガンド(トレイル(TRAIL)とも称される)及びApo−3リガンド(同じくTWEAKと称される)が、サイトカインの腫瘍壊死因子(「TNF」)ファミリーメンバーとして同定された[例えば、Gruss及びDower, Blood, 85:3378-3404(1995);Pittiら, J. Biol. Chem., 271:12687-12690(1996);Wileyら, Immunity, 3:673-682(1995);Browningら,Cell, 72:847-856(1993);Armitageら, Nature, 357:80-82(1992)、1997年1月16日に公開されたWO97/01633;1997年7月17日に公開されたWO97/25428;1997年12月11日に公開されたWO97/46686;9月18日に公開されたWO97/33899;Mastersら、Curr. Biol., 8:525-528(1998);Chicheporticheら., Biol. Chem., 272:32401-32410(1997)]。これらの分子のなかでも、TNF−α、TNF−β、CD30リガンド、4−1BBリガンド、Apo−1リガンド、Apo−2リガンド(TRAIL)及びApo−3リガンド(TWEAK)は、アポトーシス性細胞死に関与していることが報告されている。このようなTNFファミリーサイトカインによる種々の細胞応答誘導は、それらの特定の細胞レセプターへの結合によって開始されると考えられている。およそ55−kDa(TNFR1)及び75−kDa(TNFR2)の二つの異なるTNFレセプターが同定され[Hohmanら, J. Biol. Chem., 264:14927-14934(1989);Brockhausら, Proc. Natl. Acad. Sci., 87: 3127-3131(1990);1991年3月20日に公開されたEP 417,563]、両レセプター形態と一致するcDNAが同定され、特徴づけられている[Loesterら, Cell, 61:351(1990);Schallら, Cell, 61: 361(1990);Smithら, Science, 248: 1019-1023(1990);Lewisら, Proc. Natl. Acad. Sci., 88:2830-2834(1991);Goodwinら, Mol. Cell. Biol., 11: 3020-3026(1991)]。広範な多形態性が、双方のTNFレセプター遺伝子に関連している[例えば、Takaoら, Immunogenetics, 37:199-203(1993)を参照]。双方のTNFRは細胞外膜貫通及び細胞内領域を含む細胞表面レセプター典形態的な構造を共有する。双方のレセプターの細胞外部分はまた可溶性TNF結合タンパク質として天然に見出される[Nophar, Yら,EMBO J., 9:3269(1990);及びKohno, Tら, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 87:8331(1990)]。更に最近になって、組換え体可溶性TNFレセプターのクローニングがヘイル(Hale)らにより報告されている[J. Cell. Biochem.増補15F, 1991, p.113(P424)]。

0004

1形態又は2形態のTNFR(TNFR1及びTNFR2)の細胞外部分は、NH2末端から出発して、1〜4とされる4つのシステインに富んだドメイン(CRD)の反復アミノ酸配列パターンを含む。各CRDは約40のアミノ酸長のものであり、良好に保存された位置に4〜6のシステイン残基を含んでいる[Schallら, 上掲;Loetscherら, 上掲;Smithら, 上掲;Nopharら, 上掲;Kohnoら, 上掲]。TNFR1において、4つのCRDのおおよその境界は次の通りである:CRD1−14から約53までのアミノ酸;CRD2−約54から約97までのアミノ酸;CRD3−約98から約138までのアミノ酸;CRD4−約139から約167までのアミノ酸。TNFR2において、CRD1は、17〜約54までのアミノ酸を、CRD2は約55から約97までのアミノ酸を;CRD3は約98から約140までのアミノ酸を;CRD4は約141から約179までのアミノ酸を含む[Bannerら, Cell, 73:431-435(1993)]。また、リガンド結合におけるCRDの潜在的な役割前掲バナー(Banner)らにより記載されている。

0005

CRDの類似の反復パターンが、p75神経成長因子レセプター(NGFR)[Johnsonら, Cell, 47:545(1986);Radekeら, Nature, 325:593(1987)]、B細胞抗原CD40[Stamenkovicら,EMBO J., 8:1403(1989)]、T細胞抗原OX40[Malletら, EMBO J., 9:1063(1990)]及びFas抗原[Yoneharaら,J. Exp. Med., 169:1747-1756(1989)及びItohら, Cell, 66:233-243(1991)]を含む幾つかの他の細胞表面タンパク質に存在している。また、CRDはショープ(Shope)及び粘液腫ポックスウィルスの可溶形態TNFR(sTNFR)様のT2タンパク質にも見出されている[Uptonら, Virology, 160:20-29(1987);Smithら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 176:335(1991);Uptonら, Virology, 184:370(1991)]。これらの配列の最適なアラインメントは、システイン残基の位置が良好に保存されていることを示している。これらレセプターは、しばしば集合的に、TNF/NGFレセプタースーパーファミリーのメンバーと称される。p75NGFRに関する最近の研究では、CRD1の欠失[Welcher, A.A.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:159-163(1991)]又はこのドメインにおける5-アミノ酸の挿入[Yan. H及びChao, M.V., J. Biol. Chem., 266:12099-12104(1991)]は、NGF結合にはほとんど又は全く影響を持たないことが示されている[Yan. H及びChao, M.V., 上掲]。p75NGFRはNGF結合に関与せず、そのCRD4と膜貫通領域の間に約60のアミノ酸のプロリンに富んだ伸展を含む[Peetre, Cら, Eur. J. Hematol.,41:414-419(1988);Seckinger, Pら, J. Biol. Chem., 264:11966-11973(1989);Yan. H及びChao, M.V., 上掲]。同様のプロリンに富んだ領域はTNFR2に見出されているが、TNFR1にはない。

0006

リンホトキシン-αを除き、今日までに同定されているTNFファミリーのリガンドはII形態の膜貫通タンパク質であり、そのC末端は細胞外にある。これに対して、今日までに同定されているTNFレセプター(TNFR)ファミリーのレセプター類はI形態の膜貫通タンパク質である。しかしながら、TNFリガンド及びレセプターファミリーの双方において、ファミリーメンバー間で同定された相同性は、主として細胞外ドメイン(「ECD」)において見出されている。TNF-α、Apo-1リガンド及びCD40リガンドを含むTNFファミリーサイトカインのいくつかは、細胞表面においてタンパク分解的に切断され;各場合に得られたタンパク質は、典形態的には、可溶性サイトカインとして機能するホモ三量体分子を形成する。また、TNFレセプターファミリーのタンパク質は、通常、タンパク分解的に切断され、同族のサイトカインの阻害剤として機能し得る可溶性レセプターのECDを放出する。

0007

最近になって、TNFRファミリーの他のメンバーが同定されている。このような新たに同定されたTNFRのメンバーは、CAR1、HVEM及びオステオプロテゲリン(osteoprotegerin)(OPG)[Brojatschら, Cell, 87:845-855 (1996); Montgomeryら, Cell, 87:427-436 (1996); Marstersら, J.Biol.Chem., 272:14029-14032 (1997); Simonetら, Cell, 89:309-319 (1997)]を含む。シモネット(Simonet)らは、他の周知のTNFR様分子とは異なり、OPGは疎水性の膜貫通−スパンニング配列を含まないと報告している。下記にて検討されているように、OPGはおとりレセプターのように作用すると考えられている。

0008

さらに、TNF/NGFレセプターファミリーの新規なメンバーがマウスにおいて同定され、レセプターは、「糖質コルチコイド誘発腫瘍壊死因子レセプターファミリー関連遺伝子」に対して「GITR」と命名された[Nocentiniら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 6216-6221 (1997)]。マウスGITRレセプターは228アミノ酸のI形態膜貫通タンパク質であり、胸腺脾臓及びリンパ節からの正常マウスTリンパ球において発現される。マウスGITRレセプターの発現は、抗-CD3抗体、ConA又はホルボール12-ミリステート13-アセテートでの活性化の際にTリンパ球で誘発される。筆者は、GITRレセプターがT細胞レセプター媒介細胞死の調節に関与していると考えている。

0009

マースターズ(Marsters)ら,Curr. Biol., 6:750(1996)において、研究者は、細胞外のシステインに富んだ反復においてTNFRファミリーに対して類似性を示し、細胞質死亡ドメイン配列を含む点でTNFR1及びCD95に似ている、Apo-3と称されるヒトのポリペプチド全長天然配列を開示している[Marstersら, Curr. Biol., 6:1669(1996)も参照されたい]。他の研究者によれば、Apo-3は、DR3、wsl-1及びTRAMPとも称されている[Chinnaiyanら, Science, 274:990(1996);Kitsonら, Nature, 384:372(1996);Bodmerら, Immunity, 6:79(1997);Screatonら, Proc. Natl. Acad. Sci., 94:4615-4619(1997)]。

0010

パン(pan)らは、「DR4」と称される他のTNFレセプターファミリーのメンバーを開示している[Panら, Science, 276:111-113(1997)]。DR4は細胞自殺器を活動させることにできる細胞内死亡ドメインを含むと報告された。パンらは、DR4がApo-2リガンド又はTRAILとして知られるリガンドのレセプターであると考えられることを開示している。

0011

シェリダン(Sheridan)ら, Science, 277: 818-821 (1997)及びパンら, Science, 277: 815-818 (1997)においては、Apo-2リガンド(TRAIL)に対するレセプターと思われる他の分子が記載されている。この分子は、DR5と呼ばれる(あるいは、Apo-2、TRAIL-R2、TRAIL2又はKILLERとも呼ばれる[Screatonら, Curr.Biol. 7:693-696(1997);Walczakら,EMBO J., 16:5386-5387(1997);Wuら, Nature Genetics, 17:141-143(1997)])。DR4と同様に、DR5は細胞内死亡ドメインを含み、アポトーシスをシグナル伝達可能であると報告されている。

0012

さらに、もう一つの死ドメイン含有レセプター,DR6が最近、同定された[Panら, FEBSLetters, 431:351-356(1998)]。4つの推定上の細胞外ドメイン及び細胞質死ドメインを含んでいるだけでなく、DR6は細胞質領域のプロリンリッチモチーフと重なる推定上のロイシンジッパー配列を含むものと考えられている。プロリンリッチモチーフは、src−ホモロジー3ドメインに結合する配列に類似し、これらは多くの細胞内シグナル伝達分子に見出される。

0013

最近、同定されたTNFRファミリーメンバーのさらなるグループは、「おとりレセプター」と称され、それらはシグナルトランスデューサーというよりも、阻害物質として機能すると考えられている。このグループは、分泌可溶性タンパク質であるOPG[Simonetら, 上掲]及びDCR3[Pittiら, Nature, 396:699-703(1998)]のみならず、DCR1(また、TRID、LIT或いはTRAIL−3と称された)[Panら, Science, 276:111-113(1997);Sheridanら, Science, 277:818-821(1997);McFarlaneら, J.Biol. Chem., 272:25417-25420(1997);Schneiderら, FEBSLetters, 416:329-334(1997);Degli-Espostiら, J. Exp. Med. 186: 1156-1170(1997);及びMongkolsapayaら, J. Immunol. 160:3-6(1998)]及びDCR2(また、TRUNDD又はTRAIL−R4と呼ばれた)[Marstersら,Curr. Biol., 7:1003-1006(1997);Panら, FEBS Letters, 431:351-356(1998);Degli-Espostiら, Immunity, 7:813-820(1997)]、双方の細胞表面分子を含む。

0014

サイトカインのTNFファミリー及びそれらのレセプターの総説としては、Ashkenaziら, Science, 281:1305-1308(1998);Golstein, Curr. Biol., 7:750-753(1997);及びGruss及びDower, 上掲を参照のこと。

0015

多様な境界面に関与するあるタンパク質のタンパク質−タンパク質相互作用において、亜鉛結合部位構造的役割を担うことが示されているが[Feeseら, Proc. Natl. Acad. Sci., 91:3544-3548(1994);Somersら, Nature, 372: 478-481(1994);Ramanら, Cell, 95: 939-950(1998)]、TNFファミリー(CD40リガンド、TNF−アルファ、又はTNF−ベータ)で以前に構造的に特徴付けられたメンバーには、金属へ結合するものはない。ヒト成長ホルモン(hGH)ような種々のホルモンの製剤における亜鉛のような金属イオンの利用は、文献に記載されている[例えば、1992年10月15日公開のWO92/17200を参照のこと]。レセプターへのhGHの結合における亜鉛の関与は、1992年3月5日公開のWO92/03478に記載されていることに類似している。インターフェロン−アルファ二量体及びインターフェロン−ベータ二量体における亜鉛結合の役割は、それぞれWalterら, Structure, 4:1453-1463(1996)及びKarpusasら, Proc. Natl. Acad. Sci., 94:11813-11818(1997)に報告されている。

0016

亜鉛のような種々の金属イオンの構造的及び生物学的役割は、当該分野で概説されていおり、例えば、Christiansonら, Advances in Protein Chemistry, 42: 281-355(1991)を参照のこと。
(本発明の概要

0017

本発明は、Apo−2リガンドの製造の方法又はプロセス、或いはApo−2リガンドを含む製剤における一つ又は複数の二価の金属イオンの包含は、Apo−2リガンド三量体の産出高と安定性の増大を結果として生じることの発見に基づいている。現在、そのような一つ又は複数の二価の金属イオンの包含は、さらに、組み換え体細胞培養における発現でのApo−2リガンド又はApo−2三量体形成フォールディング(折り畳み)を向上させうると考えられている。酸化的な環境下では、Apo−2L単量体遊離システインは、分子間ジスルフィド架橋を形成することが可能であり、Apo−2Lの三量体形態にあるジスルフィド架橋Apo−2L二量体種のみならず独立のApo−2L二量体を生じる。そのようなApo−2L二量体の形成は、Apo−2Lの凝集沈殿、及び/又は不活性化につながる。ここにおいて記載の方法及び製剤の二価の金属イオンの存在は、そのようなジスルフィド結合形成に対して防御する。Apo−2L三量体の合成及び形成のプロセスにおける二価の金属イオンの包含が、ホモ三量体Apo−2Lの蓄積及び回収をさらに向上させうることは明かである。出願人は、Apo−2リガンド三量体は、ジスルフィド架橋Apo−2L二量体と比較して約10倍も活性がある(哺乳類癌細胞における細胞毒性活性)。

0018

ここにおける発明の説明はApo−2リガンドに関しているが、二価の金属イオンの利用による種々の他のタンパク質の生成及び安定化が考慮されている。そのような他のタンパク質は、特に生物活性のために三量体形成を必要とするタンパク質を含み、例えばTNFファミリーの種々のメンバーがある。

0019

一実施態様では、一つ又は複数の二価イオンを利用するApo−2リガンドの生成方法を提供する。この方法は、Apo−2リガンドをコードする核酸を含む複製可能なベクターを含んでなる宿主細胞を提供すること、一つ以上二価イオンを含有する培養培地を提供すること、Apo−2リガンドの発現に十分な条件下での培養培地における宿主細胞を培養すること、及び宿主細胞又は培養培地からのApo−2リガンドを回収することの処置を含む。随意的に、一つ又は複数の二価イオンが回収又は精製プロセスにおいて利用される。

0020

その他の実施態様では、本発明は、Apo−2リガンドを含んでなるApo−2リガンドの製剤を提供する。その組成物は、例えば、哺乳類癌細胞のアポトーシスを誘導或いは刺激するために有用な製薬的許容可能な製剤であってもよい。

0021

本発明のさらなる実施態様は、一つ又は複数の二価イオンを含有するそのようなApo−2リガンド製剤を包含する製造品及びキットであってもよい。製造品及びキットは、容器、容器上の標識、及び容器内に含有される製剤を含む。容器上の標識は、製剤がある治療又は非治療的応用へ利用することが可能であることを示している。製剤は、Apo−2リガンド及び一つ又は複数の二価の金属イオンを含有する。

0022

その他の実施態様では、本発明は、ここにおいて記載の方法に従って生成されるApo−2リガンドポリペプチドを提供する。そのようなApo−2リガンドポリペプチドは、生物学的に活性な断片又はその変異体と同様に、Fig1のアミノ酸114−281(配列番号:1)、Fig1のアミノ酸1−281(配列番号:1)を含んでもよい。

0023

よりさらなる実施態様では、本発明はApo−2リガンド変異体を提供する。特に、本発明は、Apo−2リガンドの天然配列(Fig1;配列番号:1)における一つ又は複数のアミノ酸置換を含んでなるApo−2リガンド変異体を提供する。アラニン置換を含んでなるApo−2リガンド変異体は、下記の表1に提供されている。本発明は、また、そのようなApo−2L変異体、及びApo−2L変異体をコードする核酸分子を含有するベクター及び宿主細胞を提供する。
(好ましい実施態様の詳細な説明)
(定義)

0024

「Apo−2リガンド」、「Apo−2L」、及び「TRAIL」という用語は、ここにおいて、Fig1(配列番号:1)に示されているアミノ酸配列のアミノ酸残基114から281まで(114と281を含めて)、95から281まで(95と281を含めて)、残基91から281まで(91と281を含めて)、残基41から281まで(41と281を含めて)、残基15から281まで(15と281を含めて)、又は残基1から281まで(1と281を含めて)を含むポリペプチド配列の生物学的に活性な断片、欠損、挿入、又は置換変異体と同様に、上記のアミノ酸残基を包含するポリペプチド配列を称するために使用される。一実施態様では、ポリペプチド配列はFig1(配列番号:1)の残基114から381を含む。随意的には、ポリペプチド配列はFig1(配列番号:1)の残基92から281又は残基91から281を含む。Apo−2Lポリペプチドは、Fig1(配列番号:2)に示されている天然ヌクレオチド配列によってコードされうる。随意的には、残基Pro119(Fig1;配列番号:2)をコードするコドンは、「CCT」又は「CCG」でありうる。その他の好ましい実施態様では、断片又は変異体は生物学的に活性であり、上記の配列のすべてと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、そしてさらにより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有する。本定義は、少なくともApo−2リガンドの一つの天然アミノ酸アラニン残基によって置換されているApo−2リガンドの置換変異体を包含する。好ましい置換変異体は、下記の表1において同定されている一つ又は複数の残基の置換を含む。本定義は、また、Apo−2リガンドソースから単離、又は組み換え体或いは合成方法によって調製される天然配列Apo−2リガンドを包含する。本発明のApo−2リガンドは、1997年1月16日に公開のWO97/01633及び1997年7月17日に公開のWO97/25428において開示されたApo−2リガンド又はTRAILと称されているポリペプチドを包含する。「Apo−2リガンド」又は「Apo−2L」という用語は、ポリペプチドの単量体、二量体又は三量体形態を含むApo−2リガンドの形態を通常は称するのに使用される。特別に言及されていないのであれば、Apo−2L配列において当てはまるアミノ酸残基すべての番号化は、Fig1(配列番号:1)に記載の番号を使用する。例えば、「D203」又は「Asp203」は、Fig1(配列番号:1)において提供される配列の位置203のアスパラギン酸に相当する。

0025

「Apo−2リガンド細胞外ドメイン」又は「Apo−2リガンドECD」は、原則的に膜貫通及び細胞質ドメインの無いApo−2リガンド形態に相当する。通常は、ECDは1%未満のそのような膜貫通及び細胞質ドメインを有し、及び好ましくは0.5%未満のそのようなドメインを有する。

0026

「Apo−2リガンド単量体」又は「Apo−2L単量体」という用語は、Apo−2Lの細胞外ドメイン配列の共有結合性鎖に相当する。

0027

「Apo−2リガンド二量体」又は「Apo−2L二量体」という用語は、ジスルフィド結合による共有結合性架橋で結合している二つのApo−2L単量体に相当する。ここにおいて使用されているような用語は、Apo−2Lの三量体形態の中にある独立したApo−2L二量体及びApo−2L二量体を包含する(すなわち、その他のApo−2L単量体と会合している)。

0028

「Apo−2リガンド三量体」又は「Apo−2L三量体」という用語は、非共有結合的に会合している三つのApo−2L単量体に相当する。

0029

「TNFファミリーメンバー」は、構造又は機能に関して腫瘍壊死因子(TNF)とある類似性を共有する種々のポリペプチドに関する広範な意味で使用されている。TNFファミリーのポリペプチドと関連しているある構造的及び機能的特徴は、当該分野で知られており、例えば上記の発明の背景に記載されている。これらに限定されるものではないが、そのようなポリペプチドは、当該分野においてTNF−アルファ、TNF−ベータ、CD40リガンド、CD30リガンド、CD27リガンド、OX−40リガンド、4−1BBリガンド、Apo−1リガンド(Fasリガンド又はCD95リガンドとも称される)、Apo−2リガンド(トレイル(TRAIL)とも称される)、Apo−3リガンド(同じくTWEAKと称される)、APRIL、OPGリガンド(RANKリガンド、ODF、又はTRANCEとも称される)、及びTALL−1(BlyS、BAFF又はTHANKとも称される)と当該分野で称されるポリペプチドを包含する[例えば、Gruss及びDower, Blood, 85:3378-3404(1995);Pittiら, J. Biol. Chem., 271:12687-12690(1996);Wileyら, Immunity, 3:673-682(1995);Browningら,Cell, 72:847-856(1993);Armitageら, Nature, 357:80-82(1992)、1997年1月16日に公開されたWO97/01633;1997年7月17日に公開されたWO97/25428;Mastersら、Curr. Biol., 8:525-528(1998);Chicheporticheら., Biol. Chem., 272:32401-32410(1997);Hahneら, J. Exp. Med., 188:1185-1190(1998);1998年7月2日に公開のWO98/28426;1998年10月22日に公開のWO98/46751;1998年5月7日に公開のWO/98/18921;Mooreら, Science, 285: 260-263(1999);Shuら, J. Leukocyte Biol., 65:680(1999);Schneiderら, J. Exp. Med., 189:1747-1756(1999);Mukhopadhyayら, J. Biol. Chem.., 274:15978-15981(1999)]。

0030

エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、Apo−2リガンド、又はその一部が「タグポリペプチド」に融合したものを含んでなるキメラポリペプチドを意味する。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープを提供するに十分な残基を有しているが、Apo−2リガンドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20の残基)を有する。

0031

「二価の金属イオン」という用語は、二つの正電荷を有する金属イオンを称する。本発明における二価の金属イオンの利用の実施例としては、限定されるものではないが、亜鉛、コバルト、ニッケルカドミウムマグネシウム、及びマンガンを包含する。用いられうるこのような金属の特有の形態は、上記に記載の二価の金属イオンの塩化物酢酸塩炭酸塩クエン酸塩、及び硫酸塩のような塩(例えば、製薬的に許容可能な塩)を包含する。本発明の利用において好ましい二価の金属イオンは、亜鉛、及びより好ましくはその塩で硫酸亜鉛である。ここにおいて記載の二価の金属イオンは、例えば、(1)所望する期間に渡ってApo−2L三量体の貯蔵安定性を高める、(2)組み換え体細胞培養又は精製方法においてApo−2L三量体の生産又は生産高を高める、(3)Apo−2L三量体の溶解性を高める(又は凝集性を低下させる)、又は(4)Apo−2L三量体の形成を高めるために十分な濃度又は量(例えば有効量)によって好んで用いられる。

0032

「単離された」とは、ここで開示された種々のタンパク質を記述するために使用するときは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたタンパク質を意味する。その自然環境の汚染成分とは、タンパク質の診断又は治療への使用を典形態的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質溶質が含まれる。好ましい実施態様において、タンパク質は、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性が得られるように充分なほど精製される。Apo−2の自然環境の少なくとも1つの成分が存在しないため、単離されたタンパク質には、組換え細胞内のインサイツのタンパク質が含まれる。しかしながら、通常は、単離されたタンパク質は少なくとも1つの精製工程により調製される。

0033

「単離された」Apo−2リガンド核酸分子は、同定され、Apo−2リガンド核酸の天然源に通常付随している少なくとも1つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である。単離されたApo−2リガンド核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。ゆえに、単離されたApo−2リガンド核酸分子は、天然の細胞中に存在するApo−2リガンド核酸細胞とは区別される。しかし、単離されたApo−2リガンド核酸分子は、例えば、核酸分子が天然の細胞のものとは異なった染色体位置にあるApo−2リガンドを通常発現する細胞に含まれるApo−2リガンド核酸分子を含む。

0034

ここで同定されているApo−2リガンド配列に対する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした、Apo−2リガンド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、比較される配列の全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要なアルゴリズム割り当てることを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる当業者の技量の範囲内にある種々の方法によって達成することができる。ここにおける目的のためには、パーセントアミノ酸同一性値は、配列比較コンピュータープログラムALING-2を使用して得ることができ、このプログラムはジェネンテク社(Genentech Inc.)によって作成され、そのソースコードは米国著作権局、ワシトン,D.C., 20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALING-2は、米国著作権登録番号TXU-510087の下で登録された。ALING-2プログラムはジェネンテク社、サウスサンフランシスコカリフォルニア(South San Francisco, California)から公的に入手可能である。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。

0035

「コントロール配列」という用語は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列の発現に必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。

0036

核酸は、他の核酸配列と機能的な関係に配置されているときに「作用可能に結合され」ている。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に参加するプレタンパク質として発現されるなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合しており;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に結合しており;又はリボソーム結合部位は、それが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用可能に結合されている。一般的に、「作用可能に結合される」とは、結合されたDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、通常の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用される。

0037

ここで意図している「生物学的に活性な」及び「生物学的活性」とは、(a)インビボ又はエキソビボで少なくとも1つの形態の哺乳動物細胞又はウイルス感染細胞において、アポトーシスを誘導又は刺激する能力を有すること;(b)抗体を産生することが可能であること、すなわち免疫原性であること;(c)Apo−2のレセプターへ結合すること及び/又は刺激することが可能あること;又は(c)天然又は天然発生Apo−2Lポリペプチドの活性を保持することを意味する。

0038

「アポトーシス」及び「アポトーシス活性」という用語は広義に使用され、典形態的には、細胞質の凝結原形質膜微絨毛喪失、核の分節化染色体DNAの分解又はミトコンドリア機能の喪失を含む一又は複数の特徴的な細胞変化を伴う、哺乳動物における細胞死の規則的又はコントロールされた形態を指す。この活性は、例えば全てこの分野で知られている細胞生死判別アッセイFACS分析又はDNA電気泳動法により決定及び測定することができる。

0039

「癌」、「癌性」又は「悪性の」という用語は、典形態的には調節されない細胞成長を特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指すか記述する。癌の例には、これらに限定されるものではないが、癌腫リンパ腫芽細胞腫肉腫、及び白血病が含まれる。このような癌のより特定の例には、扁平上皮細胞癌小細胞肺癌非小細胞肺癌神経膠腫胃腸癌、腎細胞癌卵巣癌肝臓癌結腸直腸癌子宮体癌腎臓癌前立腺癌甲状腺癌神経芽腫膵臓癌多形膠芽腫子宮頚癌胃癌膀胱癌、肝臓癌、乳癌大腸癌、及び頭部及び頸部の癌が含まれる。

0040

ここで使用される「治療する」、「治療」及び「治療法」とは、治癒的療法、予防的療法及び防護的療法を称する。

0041

ここで使用される「哺乳動物」という用語は、ヒト、ウシウマイヌ及びネコを含む哺乳動物として分類されるあらゆる動物を指す。本発明の好ましい実施態様においては、哺乳動物はヒトである。
II. 本発明の組成物と方法

0042

TNFリガンドファミリーに関連した新規のサイトカインで、ここにおいて「Apo−2リガンド」と同定されたサイトカインが記載されている。ヒトApo−2リガンドのよ予測成熟アミノ酸配列は、281個のアミノ酸を含み、約32.5kDaの計算上の分子量を有する。シグナル配列の欠損及び内在性疎水性領域の存在は、Apo−2リガンドがII形態膜貫通タンパク質であることを示唆する。また、可溶性細胞外ドメインApo−2リガンドポリペプチドが記載されている。1997年7月17日に公開のWO97/25428を参照のこと。Apo−2L置換変異体が,さらに記載されている。アラニンスキャンニング技術が、生物学的活性を有する種々の置換変異体分子を同定するために利用されてきた。Apo−2リガンドの特定の置換変異体は、少なくとも一つのアミノ酸がアラニン残基によって置換されているものを含む。これらの置換変異体は、例えば、「D203A」、「D218A」及び「D269A」と同定されている。この命名法は、位置203、218、及び/又は269(Fig1(配列番号:1)に示されている番号を使用)のアスパラギン酸残基がアラニン残基によって置換されているApo−2リガンド変異体を同定するために利用されてている。随意的には、Apo−2L変異体は、下記の表1に列挙されている一つ又はそれ以上のアラニン置換を含んでもよい。

0043

Apo−2リガンドの細胞外ドメインのX線結晶構造は、本発明において提供され、アラニンスキャンニング突然変異誘発は、そのレセプター接触領域のマッピングを提供するためにおこなわれていている。Apo−2リガンドのために得られた構造は、Apo−2リガンド三量体分子の三つのサブユニット相互作用を調製する新規の二価金属イオン(亜鉛)結合部位を含有するホモ三量体タンパク質を明らかにする。

0044

Apo−2LのX線構造は、TNF−アルファのモデルを利用する分子置換Eckら, J. Bio. Chem., 264: 17595-17605 (1989)]によって決定され、3.9オングストローム(114−281残基について)及び1.3オングストローム(D218A変異体;91−281形態)に精緻化される。TNFファミリーの他のメンバーのように、Apo−2Lは、約5100オングストローム2(単量体当たり1700オングストローム2)を埋めて球状三量体を形成する、三つのゼリーロール単量体によって集約的な三量体を含むと思われる(Fig2Aを参照のこと)。コアであるベータストランドの位置は、TNF−アルファ又はTNF−ベータ のコアストランドと比較した場合は、0.8オングストロームのr.m.s.d.で、TNF−アルファ[Eckら, 上掲;Jonesら, Nature, 338:225-228(1989)]、TNF−ベータ[Eckら, J. Biol. Chem., 267:2119-2122(1992)]、及びCD40[Karpusasら, Structure, 3:1031-1039(1995)]の他の構造的に特徴付けられているTNF−ファミリーのメンバーと比べて良く保持されている。Apo−2L三量体の境界面のどの残基も、すべての現在知られているヒトTNFファミリーメンバーの配列の全体において完全に保持されているものはない;しかしながら、これら残基の疎水化学的性質は保持される(Fig3を参照のこと)。Apo−2L三量体境界面の保持残基は、塩基の近傍(三量体で最も広い部分)及び三回転軸に沿ってクラスターを形成する。Cys230の近傍のApo−2L三量体境界面の頂点の近くでは、構造は分岐しているように思われ、190及び230のループコンホメーションは各構造において変わりやすい

0045

ベータ骨格コアとは対照的に、レセプター結合表面及びループの構造は、TNFファミリーメンバーの中でかなり変化する。Apo−2リガンドの構造及びTNF−アルファ、TNF−ベータ、そしてCD40Lの構造の間の一つの違いは、ストランドA及びA’の間のつながりである。TNF−アルファ、TNF−ベータ、そしてCD40Lでは、ストランドAの後には、ぎっしりと詰まったループが続ている。Apo−2リガンドでは、15残基の挿入がkonoループを長くし、そのコンホメーションを変える。ループの最初の部分は(残基131から141)、ループの二番目の部分(残基142から154)が
CD40Lに類似するコンホメーションをそのC末端部分に有して、分子の表面を一つの単量体−単量体境界面から次へ(Fig2Aを参照のこと)と越える際に乱れる。

0046

驚くべきことに、出願人は、三量体化境界面の頂点の近くに、新規の金属イオン(亜鉛)結合部位が埋もれていることを発見した。TNFファミリーメンバーは、配列分析によって、Cys230に関して三つのグループにわけられる:(1)TNF−アルファ及びFasリガンドのようなタンパク質のCys230に一致するシステイン残基は、金属イオンとの相互作用を妨げるジスルフィド結合を形成することが可能な近傍のループ(Apo−2Lの194−203)の中のその他のシステインに伴われている。(2)Cys230(例えばTNF−ベータ及びOPGL)に一致するシステインを有しないタンパク質、及び(3)Cys230に一致するシステイン残基を一つのみ有するタンパク質である。他の種のApo−2L及びその相同分子種は、後者の基準に当てはまり(すなわち、Cys230のみを有するタンパク質)、三量体表面において二価金属イオンと結合することが期待される。Apo−2LのCys230の即前の主要鎖のコンホメーションは、TNF−アルファ及びCD40LのようなTHFファミリーメンバーを含むジスルフィドとは異なる。Apo−2Lでは、Cys230の側鎖は、境界面から遠ざかるのではなく、それに向かっている。

0047

各Apo−2L単量体のCys230残基は内部を三量体軸へ向かせ、内部の溶媒分子と共に二価金属イオンを調製する。この二価金属イオン結合部位は、亜鉛結合部位にとって適切な結合及び角度を僅かに歪めた四面体幾何学を示し、溶媒へは完全に接触不可能である(Fig2B)を参照のこと)。結合金属同一性は、誘導結合プラズマ原子発光分光分析法(ICP−AES)を利用して確かめられる(実施例5を参照のこと)。ICP−AESを利用したCd、Co、Zn、Ni及びCuの定量的分析では、Apo−2L三量体の分子当たり0.79モルのZn及び0.06モルのCoが検出され、構造における結合イオンは、約1モル比に対して1の亜鉛であることが示された。この部位の重要性は、Cys230のアラニン置換が8倍未満のアポトーシス活性の減少となったことの観察によって示されていた(実施例7を参照のこと)。さらには、キレート試薬に対する透析によるApo−2Lからの結合金属の除去は、DR5親和性の7倍の低下及びアポトーシス活性の90倍未満の低下を生じた(実施例6を参照のこと)。Znの除去によって、システインは酸化されやすくなり、アポトーシス活性が低下したジスルフィド結合Apo−2L二量体が形成された。金属結合部位がApo−2L三量体構造に埋もれたように思われ、そしてレセプターに接触することが期待されないことから、データは、二価金属イオン結合が、三量体構造及びApo−2Lの安定性の維持に重要であるろうことを示唆している。

0048

Apo−2リガンドのレセプター結合部位を地図で描くために、レセプター結合及び生物学的活性にとって重要なアミノ酸残基がアラニンスキャンニング突然変異誘発法によって同定された[Cunninghamら, Science, 244:1081-1085(1989)]。残基Arg149、Gln205、Val207、Tyr216、Glu236、又はTyr237での一つのアラニン置換は、バイオアッセイのアポトーシス活性において5倍以上の減少となり、レセプターに対する親和性の減少を示した(実施例3及び4を参照のこと)。DR4、DR5及びDcr2へのApo−2Lの結合は、残基Gln205、Tyr216、Glu236、又はTyr237でのアラニン置換によって最も影響を受け、これによって三つのレセプターすべてに対する親和性が少なくとも5倍の減少となった。また、減少したアポトーシス活性を有するこれら変異体のすべては、DR4又はDR5のどちらか(又は両方)に対して正常に機能しない結合を示したが、これはレセプター結合がアポトーシス活性に必要であることを示している。

0049

Asp218及びAsp269でのアラニン置換は、増大したアポトーシス活性を有するApo−2L変異体を生じた(実施例4を参照のこと)。残基Asp218は、Tyr216に近くに位置し、アポトーシス活性にとっては必要な残基の一つである。低分解Apo−2L構造(114−281形態)との比較は、216−220ループのコンホメーションがD218A変異の存在によって有意に改変されたように思えないことを示唆した。

0050

突然変異誘発分析の結果がApo−2L三量体構造に地図で描かれた際、レセプター結合及び生物活性のためのApo−2L上の機能的エピトープは、TNF−ベータに類似し、二つの単量体の接合点によって形成された表面に位置することが発見された(Fig5を参照のこと)。単量体−単量体境界面の浅い溝は、結合部位へ寄与する両単量体を有するレセプター結合部位を形成する。また、TNF−アルファの残基Arg32、Tyr87、及びAsp143(Apo−2Lの残基Arg158、Tyr216、及びAsp267に対応する)TNFレセプター結合へ寄与する[Gohら, Protein Engineering, 4:785-791(1991)]。対照的に、TNF−アルファの残基(Apo−2Lの残基Gln205、Glu236、及びTyr237に対応する)は、TNFR結合において比較的重要ではない役割を担う。従って、TNF−アルファにとって、レセプター結合へは三量体構造の底部が最も重要な貢献をする一方で、Apo−2Lでは、重要なレセプター結合残基は、同じく三量体構造の頂点に存在している。Apo−2Lは、その標的レセプターとの相互作用のためのより大きくそしてより拡張した接触表面を有していることから、構造が知られているTNFファミリーメンバーの中では独特であると思われる。好ましいApo−2L変異体は、Arg149、Gln205、Val207、Tyr216、Glu236、及び/又はTyr237に対応する位置に天然残基(すなわち、変異されない)を含むと考えられている。

0051

下記の説明は、核酸をコードするApo−2リガンドを含むベクターで形質転換又はトランスフェクトされた宿主細胞の培養、及び細胞培養からポリペプチドを回収することによってApo−2リガンドを生産する方法に言及している。

0052

Apo−2リガンドをコードするDNAは、Apo−2リガンドmRNAを有し、これを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製された任意のcDNAライブラリから得ることできる。従って、ヒトApo−2リガンドDNAは、WO97/25428に記載されているヒト胎盤cDNAのバクテリオファージライブラリのような、ヒト組織から調製されたcDNAライブラリから簡便に得ることが可能である。また、Apo−2リガンドコード化遺伝子は、ゲノムライブラリから又はオリゴヌクレオチド合成によって得ることもできる。

0053

ライブラリは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタンパク質を同定するために設計された(Apo-2リガンドに対する抗体又は少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチド等の)プローブによってスクリーニングすることができる。選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリのスクリーニングは、例えばSambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができる。Apo-2リガンドをコードする遺伝子を単離する他の方法はPCR法を使用するものである[Sambrookら,上掲;Dieffenbachら,PCRPrimer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。

0054

Apo-2リガンドのアミノ酸配列断片又は変異体は、Apo-2リガンドDNAに適切なヌクレオチド変化を導入するか、所望のApo-2リガンドポリペプチドを合成することにより調製することができる。このような断片又は変異体は、全長Apo-2リガンドについてFig1(配列番号:1)に示したアミノ酸配列の細胞内領域、膜貫通領域、又は細胞外領域の内部あるいは一方又は両方の末端に残基の挿入、置換及び/又は欠失を示す。挿入、置換及び/又は欠失の任意の組み合わせで最終構造物に到達することができるが、この最終構造物は、例えばここに定義する所望の生物活性又はアポトーシス活性を有する。好ましい実施態様では、断片又は変異体は、Apo-2リガンドの細胞内、膜貫通、又は細胞外領域についてここで同定した配列、あるいはApo-2リガンドの全長配列に対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、さらに好ましくは少なくとも約95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有する。また、アミノ酸の変化により、グリコシル化部位の数と位置の変化、又は膜係留特性(膜アンカー特性)の改変のように、Apo-2リガンドの翻訳後プロセスを改変し得る。

0055

ここで記載されているApo-2リガンド配列における変異は、米国特許第5,364,934号に記載された保存的あるいは非保存的突然変異に関する技術とガイドラインの任意のものを使用して起こすことができる。これらは、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘発、アラニンスキャニング、及びPCR突然変異誘発などを含む。

0056

近接配列に沿った一又は複数のアミノ酸を同定するために、スキャニングアミノ酸分析法を使用することができる。好ましいスキャニングアミノ酸は、比較的小さい中性アミノ酸である。このようなアミノ酸には、アラニン、グリシンセリン及びシステインが含まれる。変異体の主鎖構造をあまり改変することなく、ベータ炭素を越えた側鎖が除去されるため、アラニンがこの群のなかで好ましいスキャニングアミノ酸である[Cunninghamら, Science, 244: 1081 (1989)]。またアラニンは最も一般的なアミノ酸であることによっても好ましい。さらに、アラニンは埋設及び露出位置の双方に頻繁に見出される[Creighton, The Proteins, (W.H. Freeman & Co., N.Y.);Chothia, J. Mol. Biol., 150:1(1976)]。

0057

本発明の特定のApo−2L変異体は、下記の表1に提供されている一つ又は複数の列挙されたアラニン置換を包含これらApo−2Lポリペプチドを含む。このようなApo−2L変異体は、典形態的には、少なくとも一つ又は複数のアミノ酸が天然Apo−2Lアミノ酸配列(例えば、Fig1;配列番号:1に提供されている、全長又はApo−2Lの成熟形態或いはその細胞外ドメイン配列)と異なる非天然発生アミノ酸配列を含む。随意的には、天然Apo−2Lと比較してApo−2L変異体において異なる一つ又は複数のアミノ酸は、表1に示されたようなアミノ酸置換を含む。本発明のApo−2L変異体は、Fig1(配列番号:1)の残基91−281、92−281、95−281又は114−281を含んでなり、そして表1に列挙されている一つ又は複数のアミノ酸置換を有する可溶性Apo−2L変異体を含む。好ましいApo−2L変異体は、Fig1(配列番号:1)の残基91−281、92−281、95−281又は114−281を含んでなり、そしてレセプター結合のような生物活性を高める表1に列挙されている一つ又は複数のアミノ酸置換を有する変異体を含む。

0058

また、本発明の範囲内に含まれるApo-2リガンド配列の変異体は、アミノ末端誘導体又は修飾形にも関連する。このようなApo-2リガンド配列は、ポリペプチド配列のN末端にメチオニン又は修飾メチオニン(例えばホルミルメチオニル又は他のブロックしたメチオニル種など)を有するここに記載した任意のApo-2リガンドポリペプチドを含む。

0059

天然又は変異体Apo-2リガンドをコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、さらなるクローニング(DNAの増幅)又は発現のために、複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、次のものの一又は複数が含まれる:シグナル配列、複製開始点、一又は複数のマーカー遺伝子エンハンサー成分、プロモーター、及び転写終結配列であり、それぞれを以下に説明する。用いられるであろう任意のシグナル配列、複製開始点、マーカー遺伝子、エンハンサーエレメント及び転写終結配列は当該分野で知られており、WO97/25428にさらに詳しく記載されている。

0060

発現及びクローニングベクターは、通常、宿主生物によって認識され、Apo-2リガンド核酸配列に作用可能に結合したプロモーターを含む。プロモーターは、作用可能に結合したApo-2リガンド核酸配列のような特定の核酸配列の転写及び翻訳を制御する構造的な遺伝子(一般的に約100ないし1000塩基対)の開始コドン上流側(5')に位置する未翻訳配列である。このようなプロモーターは典形態的には、誘発的なクラス及び構成的なクラスの2つのクラスに属する。誘発的なプロモーターは、例えば、養分の存在あるいは不存在、温度変化などの培養条件のある変化に対応してその制御の下でDNAからの転写レベルを上昇させるプロモーターである。現時点において多種の可能な宿主細胞により認識される非常に多くのプロモーターがよく知られている。これらのプロモーターは、制限酵素消化によって供給源DNAからプロモーターを除去し、ベクターに単離したプロモーター配列を挿入することで、Apo-2リガンドをコードするDNAに作用的に結合している。天然のApo-2リガンドプロモーター配列及び多くの異種性プロモーターはいずれもApo-2リガンドDNAの直接増幅及び/又は発現に用いることができる。

0061

原核生物及び真核生物宿主に適したプロモーターは当該分野で知られており、WO97/25428にさらに詳しく記載されている。

0062

大腸菌における可溶性Apo−2Lの生産の好ましい方法には、生産物発現の制御のための誘発的プロモーターが用いられる。制御可能な誘発的なプロモーターの利用は、生産物発現の誘発、及び宿主によってうまく耐えることのできないかなりの量の生産物の蓄積の前に、所望する細胞密度への培養成長を可能にする。

0063

Apo−2L(114−281形態)の発現のために、三つの誘発的なプロモーター系(T7ポリメラーゼ、trp及びアルカリホスファターゼ(AP))が出願人によって評価された。これら三つのプロモーターのそれぞれの利用は、収集細胞ペーストから回収されたかなりの量の可溶性で生物学的に活性なApo−2L三量体を結果として生じた。しっかりとしたプロモーターコントロール、及び収集細胞ペーストにおいて達したより高い細胞密度及び力価のために、APプロモーターは試験されたこれら三つの誘発的なプロモーター系の中で好まれている。

0064

一つ又は複数の上記に列挙した成分を含む適切なベクターの構築には、標準的なライゲーション技術を用いる。単離されたプラスミド又はDNA断片開裂させ、整え、そして必要とされるプラスミドの生成のために望ましい形態に再びライゲーションする。

0065

作成されたプラスミドが正しい配列であることを確認する分析のために、ライゲーション混合物を用いて、大腸菌K12菌株294(ATCC31446)を形質転換し、適当な場合にはアンピシリン又はテトラサイクリン耐性によって、形質転換細胞を好適に選択する。形質転換細胞からプラスミドを調製し、制限エンドヌクレアーゼ消化により分析し、及び/又は当該分野で知られている標準的技術を利用して配列を決定する[例えば、Messingら, Nucleic AcidsRes., 9:309 (1981);Maxamら, Methods in Enzymology, 65:499 (1980)を参照のこと]。

0066

Apo-2リガンドをコードしているDNAの哺乳動物細胞における一過性発現をもたらす発現ベクターを使用することができる。一般に、一過性発現は、宿主細胞が発現ベクターの多くのコピーを蓄積し、次にその発現ベクターによってコードされている所望のポリペプチドを高レベルで合成するように、宿主細胞中で効果的に複製できる発現ベクターを使用することを含む[Sambrookら, 上掲]。一過性発現系は、適切な発現ベクターと宿主細胞を含むが、クローニングされたDNAによりコードされているポリペプチドの簡便で確実な同定並びに所望の生物学的又は生理学的性質についてのポリペプチドの迅速なスクリーニングを可能にする。したがって、一過性発現系は、本発明において、生物学的に活性なApo-2リガンドであるApo-2リガンドの類似物及び変異体を同定する目的のために特に有用である。

0067

組換え脊椎動物細胞培養でのApo-2リガンドの合成に適応化するのに適切な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gethingら, Nature, 293:620-625 (1981); Manteiら, Nature, 281:40-46 (1979); EP117,060; 及びEP117,058に記載されている。

0068

ここに記載のベクターにDNAをクローニングあるいは発現するために適切な宿主細胞は、上述の原核生物、酵母、又は高等真核生物細胞である。この目的にとって適切な原核生物は、限定するものではないが、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体、例えばエシェリチアのような腸内菌科、例えば大腸菌、エンテロバクターエルウィニア(Erwinia)、クレブシエラプロテウスサルモネラ、例えばネズミチフス菌セラチア属、例えばセラチアマルセスキャンス及び赤痢菌属、並びにバシラス、例えば枯草菌及びバシラス・リチェフォルミス(licheniformis)(例えば、1989年4月12日に公開されたDD266,710に開示されたバシラス・リチェニフォルミス41P)、シュードモナス属、例えば緑膿菌及びストレプトマイセス属を含む。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌すべきである。

0069

大腸菌は、本発明において好ましい宿主細胞である。大腸菌は、グリコシル化の必要がなく、大きさが20kd未満であるポリペプチドである、Apo−2リガンド(114−281形態)の発現に特によく適している。生産宿主として、大腸菌は比較的に高い細胞密度で培養が可能であり、比較的に高いレベルの異種タンパク質の生産が可能である。

0070

原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、Apo-2リガンドをコードするベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。グリコシル化Apo-2リガンドの発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物から誘導される。CHO細胞を含むすべてのこのような宿主細胞の例は、さらにWO97/25428に記載されている。

0071

宿主細胞をトランスフェクト(形質移入)し、好ましくは上述のApo-2リガンド産生のための発現又はクローニングベクターで形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードしている遺伝子を増幅するために適切に修飾された標準栄養培地で培養する。

0072

トランスフェクション(形質移入)は、如何なるコード配列が実際に発現されるか否かにかかわらず、宿主細胞による発現ベクターの取り込みを意味する。多数のトランスフェクションの方法が当業者に知られている。例えば、CaPO4
及びエレクトロポレーションである。このベクターの操作のあらゆる徴候が宿主細胞内で生じたときに成功したトランスフェクションが一般に認められる。

0073

形質転換は、染色体外の成分としてであろうと染色体成分によってであろうと、DNAが複製可能であるように生物体中にDNAを導入することを意味する。用いられる宿主細胞に応じて、そのような細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。前掲のSambrookらにより記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポレーションが、原核生物又は実質的な細胞壁障壁を含む他の細胞に対して用いられる。アグロバクテリウムトゥファエンスによる感染が、Shawら, Gene, 23:315 (1983)及び1989年6月29日公開の国際特許出願第WO89/05859に記載されたように、ある種の植物細胞の形質転換に用いられる。加えて、1991年1月10日に公開された国際特許出願第WO91/00358に記載されているように、超音波処理を用いて植物をトランスフェクションすることもできる。

0074

このような細胞壁のない哺乳動物細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology, 52:456-457 (1978)のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な側面は米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母中の形質転換は、典形態的には、Van solingenら, J. Bact., 130:946 (1977)及びHsiaoら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:3829 (1979)の方法によって実施する。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレンポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合もまた用いることもできる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keownら, Methodsin Enzymology, 185:527-537 (1990)及び Mansourら, Nature, 336:348-352 (1988)を参照のこと。

0075

Apo-2リガンドポリペプチドを生産するために用いられる原核細胞は、前掲のSambrookらにより記載されているような適切な培地で培養される。大腸菌の培養に用いられうる培養培地の特定の形態は、下記の実施例にさらに記載されている。Apo−2リガンドを生産するための宿主細胞は、種々の培養培地において培養することができる。

0076

市販培地の例としては、ハム(Ham)のF10(シグマ)、最小必須培地(「MEM」,シグマ)、RPMI-1640(シグマ)及びダルベッコの改良イーグル培地(「DMEM」,シグマ)が含まれる。これらの培地はいずれも、ホルモン及び/又は他の成長因子(例えばインスリントランスフェリン、又は表皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウムカルシウム、マグネシウム及びリン酸塩)、バッファー(例えばHEES)、ヌクレオシド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシンTM薬)、微量元素(最終濃度マイクロモル範囲で通常存在する無機化合物として定義される)及びグルコース又は同等のエネルギー源を必要に応じて補充することができる。任意の他の必要な補充物質もまた当業者に知られている適当な濃度で含むことができる。培養条件、例えば温度、pH等々は、発現のために選ばれた宿主細胞について以前から用いられているものであり、当業者には明らかであろう。

0077

一般に、哺乳動物の細胞培養の生産性を最大にするための原理プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)に見出すことができる。

0078

本発明に基づき、宿主細胞の培養又は発酵のために、典形態的には一つ又は複数の二価金属イオンが培養培地へ添加されるか或いは含まれる。二価金属イオンは、好ましくは、貯蔵安定性を増すため、溶解性を増すため、又は一つ又は複数の亜鉛イオンによって調製される安定なApo−2L三量体の形成を補助するために十分な濃度レベルで培養培地に存在するか或いは添加される。添加される二価金属イオンの量は、一部は培養中の宿主細胞密度又はこのような二価金属イオンへの潜在的な宿主細胞感受性に依存する。培養におけるより高い細胞密度では、二価金属イオンの濃度を増すことは有益である。宿主細胞による生産物の発現中又は発現後に二価金属イオンが添加されたならば、宿主細胞による生産物の増加にともなって二価金属イオンの濃度を調節又は増加させることが望ましい。典形態的で普通に入手可能な細胞培養培地において存在しうる微量のレベルの二価金属イオンは、安定な三量体形成には十分ではないと一般的に考えられている。従って、ここに記載のように、さらなる量の二価金属イオンの添加は好まれている。

0079

培養中の宿主細胞の成長期の間に二価金属イオンが添加されるならば、二価金属イオンは、逆に又は負の方向に宿主細胞へ影響しない濃度で培養培地へ好まれて添加される。振盪フラスコ培養では、1mMより高い濃度でのZnSO4の添加は、低い宿主細胞密度の結果を生じる可能性がある。当該分野に熟練した者は、細菌細胞は、細胞マトリックス金属イオン複合体を形成することで、効果的に金属イオンを隔離することが可能であると理解する。従って、細胞培養では、成長期の後(所望する宿主細胞密度に達した後)又は宿主細胞による生産物発現の直前に、選択された二価金属イオンを添加することが好ましい。十分な量の二価金属イオンが存在していることを確かめるために、さらなる二価金属イオンが、生産物発現期の間に細胞培養培地へ添加又は供給される可能性がある。

0080

培養培地の二価金属イオンは、宿主細胞に対して有害又は毒性でありうる濃度を越えてはならない。宿主細胞、大腸菌を用いる本発明の方法は、培養培地の二価金属イオンの濃度が約1mM(好ましくは≦1mM)を越えないことが好ましい。さらにより好ましくは、培養培地の二価金属イオン濃度は、約50マイクロモルから約250マイクロモルである。最も好ましくは、このような方法で使用される二価金属イオンは硫酸亜鉛である。金属イオン及びApo−2リガンド三量体が1対1モル比で存在することが可能である量の二価金属イオンを細胞培養へ添加することが望ましい。

0081

二価金属イオンは、細胞培養へ如何なる許容可能な形態でも添加が可能である。例えは、金属イオンの溶液は水を使って作ることが可能であり、次に、二価金属イオン溶液は培養培地へ添加又は供給することが可能である。

0082

本発明の一実施態様では、選択Apo−2L(114−281)は大腸菌で発現され、細胞培養の培養又は発酵の間、約40−50gm/L乾燥細胞重量につき約1.0−3.0mmoles/L−minの酸素取り込み速度細胞活動が行われるようにプロセスパラメーターは設定されている。新規合成の初期Apo−2Lポリペプチドが、適切な蛋白質の折り畳み(フォールディング)及び三量体化に十分な時間を有することが好ましい。発酵プロセスの成長期は、30℃で行われる。生産物発現の開始の直前において、プロセスの温度コントロール設定値は30℃のまま又は残りの発酵のために25℃へ下方移動されてもよい。随意的には、細胞培養中の細胞密度を増加させることが望ましく、これに応じて、上記にて言及したパラメーターを調整(又は増加)させることが可能である。例えば、容積生産高を増やすために細胞培養中の細胞密度を増やすことは有利な可能性がある。当該分野に熟練している者は、所望するならば、当該分野における常套的技術を利用し、細胞密度をますます増加させ、上記にて言及したパラメーターをますます増加させることができる。

0083

Apo−2Lの発現は、例えば、ここに記載された配列に基づき、適切に標識されたプローブを用い、良く知られたサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するノーザンブロット法(Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:5201-5205 (1980))、ドットブロット法(DNA分析)、又はインシトゥハイブリッド形成法によって、直接的に試料中で測定することができる。種々の標識を用いることができ、最も一般的なものは放射性同位元素、特に32Pである。しかしながら、他の方法、例えばポリヌクレオチド中への導入のためのビオチン修飾されたヌクレオチドを用いる方法も又使用することができる。ついで、このビオチンは、例えば放射性核種蛍光剤、酵素等のような広範囲の標識で標識することができるアビジン又は抗体への結合部位として働く。又、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖又はDNA−タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもできる。ついで、抗体を標識し、検定を実施することができ、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果二本鎖の表面での形成の時点でその二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。

0084

遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量する免疫学的な方法、例えば組織切片免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液の検定によって、測定することもできる。免疫組織化学的染色技術では、細胞試料を、典形態的には脱水と固定によって調製し、結合した遺伝子産物に対し特異的な標識化抗体と反応させるが、この標識は通常は視覚的に検出可能であり、例えば酵素的標識、蛍光標識、ルミネサンス標識等である。

0085

試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、ここに記載されるようにして調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列Apo-2リガンドポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はApo-2リガンドDNAに融合し特異的抗体エピトープをコードする外因性配列に対して調製され得る。

0086

Apo-2リガンドは、好ましくは培養培地から分泌されたポリペプチドとして回収されるが、分泌シグナル無しで直接産生される場合は宿主細胞溶解液から回収してもよい。Apo-2リガンドが膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン-X100)を用いて膜から引き離すか、又は酵素的切断によりその細胞外領域を放出させる。

0087

Apo-2リガンドがヒト起源のもの以外の組換え細胞でつくられる場合は、Apo-2リガンドはヒト起源のタンパク質又はポリペプチドを含まない。しかしながら、Apo-2リガンドに関して実質的に相同である調製物を得るには、組換え細胞タンパク又はポリペプチドからApo-2リガンドを精製することが望ましい。第一段階として、培地又は溶菌液遠心分離して粒状の細胞屑を除去することができる。ついで、Apo-2リガンドを、汚染した可溶性タンパク質及びポリペプチドから、適切な精製手順の例である次の手順により精製される:イオン交換カラムでの分画エタノール沈殿逆相HPLCシリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAE又はCM;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;及びIgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラムである。

0088

好ましい実施態様では、Apo-2リガンドはアフィニティクロマトグラフィによって精製される。残基が欠失され、挿入され、又は置換されたApo-2リガンド変異体は、その変異によってしばしば惹起される実質的な特性変化を考慮に入れて、天然Apo-2リガンドと同じようにして回収することができる。例えば、他のタンパク質又はポリペプチド、例えば細菌性もしくはウイルス性抗原とApo-2リガンドとの融合体の調製は精製を容易にする;抗原に対する抗体を含む免疫アフィニティーカラムを、融合ポリペプチド吸着するために使用することができる。

0089

例えばフェニルメチルスルホニルフロリド(PMSF)のようなプロテアーゼインヒビターもまた精製の間のタンパク分解を阻害するのに有用であり、偶発的な汚染物質成長を防止するために抗生物質を含めることができる。天然Apo-2リガンドに適切な精製方法は、組換え細胞培養の発現の際におけるApo-2リガンド又はその変異体の特性の変化の起因となる改変が必要となることは、当業者であれば理解するであろう。

0090

このような精製段階では、回収されたApo−2Lを二価金属イオン含有溶液或いは一つ又は複数の二価金属イオンを含有する精製物質(例えばクロマトグラフィー媒体又は支持体)へ曝露することは望ましいことであろう。好ましい実施態様では、二価金属イオン及び/又は還元剤は、Apo−2Lの精製又は回収の間に使用される。随意的には、DTT又はBMEのような二価金属イオン及び還元剤の両方は、Apo−2Lの精製又は回収の間に使用されてもよい。精製又は回収の間に二価金属イオンを使用することは、Apo−2L三量体の安定性を提供するか、或いは細胞培養段階の間に形成されるApo−2L三量体を維持すると考えられる。

0091

原核生物宿主細胞(最も好ましくは細菌宿主細胞から)から発現Apo−2Lを精製及び回収する好ましい方法は、以下の(a)大腸菌細胞からApo−2L(細胞内)を抽出すること;(b)二価金属イオン及び/又は還元剤を含んでなるバッファー液において適切に折り畳まれたApo−2Lを安定化すること;(c)順次、カチオン陽イオン交換体ハイドロキシアパタイト及び疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用するクロマトグラフィーによってApo−2Lを精製すること、及び(d)各クロマトグラフィー支持体から、二価金属イオン及び/又は還元剤を含んでなるバッファー液へ選択的にApo−2Lを溶出することを含む。このような方法に使用される二価金属イオン及び還元剤は、硫酸亜鉛、塩化亜鉛硫酸コバルト、DTT及びBME、そしてより好ましくは硫酸亜鉛又はDTTを含む。この回収及び精製プロセスのさらなる詳細な説明は、下記の実施例8に提供されている。

0092

上記において検討したように、本発明のこのような方法は、Apo−2Lの他に、種々の他のタンパク質に対して有用かつ応用可能であり、これらタンパク質は、三量体化形態では活性が向上しているか、又は活性のためにタンパク質の三量体化が必要である。

0093

また、Apo−2リガンド及び一つ又は複数の二価金属イオンを含んでなる製剤が、本発明で提供されている。このような製剤は、治療的投与のみならず、特に貯蔵に適している(及びApo−2L三量体の維持)。好ましい製剤は、Apo−2L及び亜鉛又はコバルトを含む。より好ましくは、この製剤は金属がタンパク質に対して<2Xモル比であるApo−2L及び亜鉛又はコバルト溶液を含む。水溶性懸濁液が所望されるならば、製剤の二価金属イオンはタンパク質に対して>2Xモル比であってもよい。硫酸亜鉛を使用し、製剤中の約100mM濃度の硫酸亜鉛でApo−2L(114−281形態)は沈殿し、水溶性懸濁物を形成することを出願人は見出した。>2Xモル比では、製剤により高いの範囲の濃度の二価金属イオンがある可能性がり、その濃度は、金属イオンが製剤にとって有害になりうる又は治療的製剤としては望ましくないことを当該分野において熟練した者は理解する。

0094

製剤は、既知の技術で調製することが可能である。例えば、Apo−2L製剤はゲル濾過カラム上でのバッファー交換によって調製することが可能である。

0095

典型的には、適量の製薬的に許容可能な塩が、製剤を等浸透圧にするために製剤において使用される。担体の例には、生理食塩水リンガー液及びデキストロース液のようなバッファーが含まれる。溶液のpHは、好ましくは約6〜約9、さらに好ましくは約7〜約7.5である。好ましくは、亜鉛がApo−2Lへ結合したままであることを確かなものにするためにpHは選択される。pHが高すぎる又は低すぎるならば、亜鉛はApo−2Lへ結合したままではなく、結果としてApo−2Lの二量体が形成される傾向となる。例えばApo−2リガンドの濃度及び投与経路よっては、ある種の担体がより好ましくなることは、当業者には明らかである。

0096

Apo−2Lの治療用製剤は、凍結乾燥された製剤又は水性溶液の形態で、任意的製薬上許容可能なキャリア賦形剤又は安定剤と、所望の精製度を有する活性成分とを混合することにより(Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, A. Osol, A., Ed., (1980))、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で混合することにより貯蔵のために調製される。許容される担体、賦形剤、又は安定化剤は、用いられる投与量及び濃度で受容者に非毒性であり、トリス(Tris)、HEPES、PIPES、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などの緩衝剤アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム塩化ヘキサチオニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼチオニウム;フェノールブチル又はベンジルアルコールメチル又はプロピルパラベンのようなアルキルパラベンカテコールレゾルシノールシクロヘキサノール、3−ペンタノール;及びm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミンゼラチン、又は免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミンアスパラギンヒスチジンアルギニン、又はリシンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類二糖類、及び他の炭水化物シュークロースマンニトールトレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;及び/又はTWEEN(商品名)、PLURONICS(商品名)、又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。

0097

このような担体の更なる例は、イオン交換体アルミナステアリン酸アルミニウムレシチン、血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸ソルビン酸カリウム飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩、又は電解質、例えば硫酸プロタミンリン酸水素二ナトリウムリン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、コロイダルシリカ、マグネシウムトリシリケート、ポリビニルピロリドン、及びセルロースベースの物質である。局所用の担体又はゲルベースの形態は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース又はメチルセルロース等の多糖類、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレートポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール、及びモクロウアルコールを含む。あらゆる投与について、従来のデポー形態が好適に用いられる。このような形態は、例えば、マイクロカプセルナノ-カプセルリポソーム硬膏剤吸入形態、鼻スプレー下状、及び除放性製剤を含む。

0098

Apo-2リガンドの製剤としての有効な用量は経験的に決定することができ、このような決定は当業者の技量の範囲に含まれる。今日では、Apo-2リガンドの有効用量又は量は、1日体重1kg当たり約1マイクログラム〜約100mg又はそれ以上の範囲であると考えられている。用量の種内スケーリングは、この分野で周知の方法、例えばMordentiら, Pharmaceut. Res., 8 1351 (1991)に記載されているように実施することができる。当業者はApo-2リガンドの投与しなければならない用量が、例えばApo-2リガンドを受容する哺乳動物、投与経路、及び哺乳動物に施される他の薬又は治療に応じて変化することを理解するであろう。

0099

インビボ投与に使用されるApo−2Lは滅菌されていなくてはならない。これは、凍結乾燥及び再構成前又は後に、滅菌フィルター膜を通す濾過により容易に達成される。Apo−2Lは通常は凍結乾燥形態又は全身投与される場合には溶液中に貯蔵される。凍結乾燥形態にある場合、Apo−2Lは典形態的には使用時の適当な希釈剤を含む他の成分と組み合わせて処方される。Apo−2Lの液体製剤の例は、無菌の、透明な、無色の生鮮溶液で、皮下注射用の1回投与バイアル充填されている。

0100

治療的抗体組成物は、一般的に無菌のアクセスポート、例えば、静脈溶液バッグ又は皮下注射針で貫通可能なストッパーを備えたバイアルに入れられる。製剤は、好ましくは静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、又は筋肉内(i.m.)の繰り返し注射として、あるいは内又は肺内送達に適したエアロゾル製剤として投与される(肺内送達については、例えばEP 257,956参照)。

0101

また、Apo−2Lは、徐放性調製物の形態で投与することが可能である。徐放性調製物の適切な例には、タンパク質を含む固体疎水性ポリマー半透性マトリクスが含まれ、このマトリクスは、例えばフィルム又はマイクロカプセル等の成形品の形態である。徐放性マトリクスの例には、ポリエステルヒドロゲル(例えば、Langerら, J. Biomed. Mater. Res. 15: 167-277 (1981)及びLanger, Chem. Tech. 12: 98-105 (1982)に記載されたポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP 58,481)、L-グルタミン酸ガンマ-エチル-L-グルタメートコポリマー(Sidmanら, Biopolymers 22: 547-556 (1983))、非分解性エチレン-酢酸ビニル(Langerら, 上掲)、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えばLUPRON DEPOT(商品名)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドからなる注入可能な微小球)、及びポリ-D-(−)-3-ヒドロキシ酪酸(EP 133,988)が含まれる。

0102

ここにおいて記載されたApo−2L及びその製剤は、種々の治療的及び非治療的応用へ用いられる。これら応用は、種々の癌(上記に提供されている)及びウイルスの状態の治療の方法である。このような治療的及び非治療的応用は、例えば、WO97/25428及びWO97/01633に記載されている。

0103

ここに記載した疾患の診断又は治療に有用なApo−2Lを含むキットのような製造品は、少なくとも1つの容器及びラベルを具備する。適切な容器には、例えばボトル、バイアル、及び試験管が含まれる。容器はガラス又はプラスチックのような種々の物質から形成できる。容器は、状態の診断又は治療に有効なApo−2L製剤を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針で穿孔可能なストッパーを具備する静脈内バッグ又はバイアルであってよい)。容器上又は添付されるラベルには、製剤が選択した状態の診断又は治療に使用されることが示されている。この製造品は、製薬的に許容可能なバッファー、例えばリン酸緩衝塩水、リンガー液、及びデキストロース溶液を収容した第2の容器をさらに具備してもよい。さらに、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用説明書を備えた包装挿入物を含む、商業的及び使用者立場から望ましい他の材料を具備してもよい。また、この製造品は、上述の他の活性剤を収容した第2又は第3の容器を具備してもよい。

0104

以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。

0105

本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに取り込む。
(実施例)

0106

実施例で言及されている全ての他の市販試薬は、特に示さない限りは製造者使用説明に従い使用した。ATCC登録番号により以下の実施例及び明細書全体を通して特定されている細胞の供給源はアメリカン・タイプ・カルチャーコレクション、マナッサスバージニアである。
実施例1
Apo−2L変異体の発現及び精製

0107

Apo−2Lのアラニン置換変異体は、トリプトファン(trp)プロモーター制御によるApo-2Lの91−281アミノ酸形態の細胞内大腸菌発現のために設計されたプラスミド(pAPOK5)(Fig13を参照)のオリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発(Kunkelら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492 (1985);Kunkelら, Methodsin Enzymology, 154: 367-382 (1987))によって構築された。pAPOK5は、trpプロモーターを持つプラスミドpS1162へApo-2LcDNA(残基91−281をコードする)をクローニングするためのPCRの利用によって構築された。変異プラスミドによって形質転換された大腸菌株294は、37℃で100μM ZnSO4が加えられたM9培地で対数期中間点まで生育され、発現は25μg/mLのベータインドールアクリル酸の添加によって誘導され、そして培養は30℃で一晩生育された。細胞は遠心分離及び凍結によって収集された。

0108

細胞ペレットは6容量の0.1M Tris−HCl pH8、0.2M NaCl、5mM DTT、1mMEDTAホモジナイズし、Apo−2Lは、ニッケルで荷電されたキレート化hiTRAPカラム(ファルマシア)上のIMACによって可溶性分画から単離された。Apo−2Lは、固定化金属に対して弱い親和性を有し、低濃度イミダゾールによって溶出が可能であった。最終精製物は、SP hiTRAPカラム(ファルマシア)上のカチオン交換クロマトグラフィーによって得られた。精製Apo−2L変異体の濃度は、1.4mg−
1mlcm−1のe280を使用する吸光度測定によって測定された。

0109

オリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発によって同定されたApo−2L変異体は、表1に記載されている。
実施例2
Apo−2Lの結晶学分析

0110

Apo−2L(アミノ酸残基114−281)の結晶は、20℃で、50%のpeg 2K MMEのウェル溶液を覆う40uLタンパク質(20mM Tris、pH8.0中の2.6mg/mL)、20uL 50mM Tris pH8.0、及び10uL 8% peg 2K MMEを含有する70uLシッテンドロップ(sitting drop)の中で成長させ、非対称単位中の二つの単量体、及び単位格子定数a=72.5、c=140オングストロームで室温では3.9オングストロームへ回折する空間群P63のメンバーであった。D218A変異体(実施例1を参照)の結晶は、4℃で、32% MPDのウェル溶液を覆う4uLの4%MPD及び10uLタンパク質(20mM Tris pH7.5の1.7mg/ml)を含有する14uLシッテングドロップ(sitting drop)中で成長し、非対称単位当たり1単量体で、単位格子定数a=66.4、c=197.7オングストロームで室温では1.3オングストロームへ回折する空間群R32のメンバーであった。データは、Apo−2L(アミノ酸残基114−281)の結晶に対して回折を3.9オングストロームに設定し、D218A変異体の1.9オングストロームは、MAR検出器装備されているRigaku回転陽極X線発生装置で測定され、DENZO/SCALEACKで処理された[Otwinowskiら, Proceeding of the CCP4 Study Weekend:Data Collection and Processing(eds. Sawyerら)pp56-62 Daresbury Laboratory, Daresbury, England, 1993]D218A変異体のための1.3オングストロームの設定データは、アルゴンヌ国立研究所のアドバンスフォトンソースにおいて測定、及びHKL2000/SCALEPACKで加工されて、100%の完成性と12倍の冗長性、及びI/<I>=12.4をともなう6.4%のRsym(1.35−1.30シェルの中に34%)を有した。

0111

天然Apo−2L構造は、プログラムAmore[Acta Cryst., D50:760-763(1994)]によるTNF−アルファ(pdbコード1TNF)を基礎とするモデルを利用した分子置換によって解明され[Brunger, X-PLOR:version 3.1, Yale Press, New Haven 1987]、35%のRfreeまで 厳密な2倍の非結晶学的リストレイン(non-crystallographic restraints)
によって精密化された。この構造は、25%のRfree まで1.9オングストロームデータセットに対して、最後には、Refmac及びSHELXL [Sheldrickら, Methodsin Enzymology, pp.319-343, Academic Press, San Diego 1997]によってRfree=22%及び良好な幾何学(rmsd 結合0.011オングストローム、rsmd角度1.7°)を有する20%Rfactorへ精密化された。すべての残基は、許容されるラマチャンドランプロットの領域の内側にある。精密化の間、電子密度の28シグマピークは、三量体軸上のCys230に関連する対称の間に観察された。この密度は、亜鉛イオンとしてモデル化され、B−因子の10へ精密化された。三量体軸上の塩素分子は、亜鉛に対して四番目のリガンドとして存在する。最終モデルは、170の溶媒分子及び1亜鉛イオンそして1塩素イオンをともなう残基120−130、142−194、203−281から構成される。残基91−119、131−141、及び195−202は秩序が乱れている。出発物質質量分析が結晶が全長であることを示す一方で、幾つかの結晶のN末端配列の決定は、N末端が原形態を保っていることを確かなものにした。

0112

結晶学的データの要約は、Fig2Cに提供されている。
実施例3

0113

Apo−2L変異体のレセプター結合親和性の決定

0114

Apo−2L変異体の固定化レセプターイムノアドヘシンへの結合の解離定数(Kd)(表1を参照)は、ファルマシアBIAcore 1000での表面プラズモン共鳴(SPR)から決定した。

0115

DR5−IgG(Apo−2−IgGとも呼ばれている)及びDcR2−IgGレセプターイムノアドヘシンは、1998年11月19日に公開のWO98/51793及び1999年3月9日に公開のWO99/10484のそれぞれに記載されているように調製された。DR4−IgGは次のように調製された。成熟DR4 ECD配列(アミノ酸1−218;Panら, 上掲)は、pCMV−1Flagベクター(Kodak)Flagシグナル配列の下流にクローニングし、ヒト免疫グロブリンG1重鎖のCH1、ヒンジ及びFc領域に融合した[Aruffoら, Cell, 61:1303-1313(1990)]。イムノアドヘシンは、ヒト293細胞への一過性のトランスフェクション(形質移入)によって発現させ、前掲のAshkenaziら, Proc.Natl.Acad.Sci., 88:10535-10539(1991)により記載されたプロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより細胞上清から精製した。

0116

レセプターイムノアドヘシンは、アミンカップリングケミストリー(ファルマシアバイオセンサー)を利用して1000−2000共鳴単位のレベルでセンサーチップの表面へカップリングされた。15.6nMから500nMの範囲の濃度で2倍増加のApo−2L結合のためにセンサーグラムは記録された。動力学定数は、非線形回帰分析によって決定され、結合定数を計算するために使用された。

0117

結果は表1に示されている。
実施例4
インビトロApo−2L変異体のアポトーシス活性

0118

蛍光色素代謝変換から細胞生存度を測定するバイオアッセイは、Apo−2L変異体のアポトーシス活性を測定するために利用された。Apo−2L(114−281形態)又はApo−2L変異体の連続2倍希釈物は(表1を参照)、0.1%BSAを含むRPMI−1640培地で作製され、50μlの各希釈物は96ウェルファルコン培養マイクロプレートの各ウェルへ移植された。50μlのSK−MES−1ヒト肺癌細胞(ATCCHTB58)(PMPI−1640、0.1%BSAの中)は、2x104細胞/ウェルの密度で添加された。これらの混合物は、37℃で24時間に渡ってインキュベートされた。20時間目に、25μLのアラマーブルー(AccuMed, Inc., Westlake, Ohio)が添加された。細胞数は、530nmで励起し、590nmで相対蛍光を測定することで測定された。これらのデータは、細胞生存度の50%減少を示すApo−2Lの濃度、ED50を計算するための4パラメーターフィットを利用することによって分析される。

0119

残基Arg149、Gln205、Val207、Tyr216、Glu236又はTyr237での一つのアラニン置換は、バイオアッセイにおいて5倍を越えるアポトーシス活性の減少を生じ、DR4、DR5及びDcR2に対する親和性の減少を示した(表1)。これらレセプターへのApo−2L結合は、Gln205、Tyr216、Glu236及びTyr237のアラニン置換によって最も影響を受け、これら全てにおいて、三つのレセプターすべてに対する親和性の少なくとも5倍の減少が生じた。また、低下したアポトーシス活性を有する全てのApo−2L変異体は、DR4又はDR5のどちらか(又は双方)に対する正常に機能しない結合を示し、レセプター結合は生物学的効果に必要であることを示唆した。Asp218又はAsp269のアラニン置換は、アポトーシス活性の2倍を越える増加を生じた。殆どのアラニン置換がDR4及びDR5結合の双方に対して類似の効果を有し、唯一例外はGln193、Glu195、Ser259、His264、及びAsp267での変異であり、これらすべてがDR4に対して5倍を越える効果(親和性の低下)があったが、DR5結合に対してはほんの僅か又は無視できるほどの効果であった。DcR2結合の変化は、DR4結合に関して観察された効果へ匹敵する傾向があった。アポトーシス活性の消滅は、DR−5結合の低下とかなり関連していると思われ、DR5がApo−2Lの投与へ応答するSK−MESの死のシグナル伝達に必要であることを示唆している。
実施例5
Apo−2Lの金属内容物を決定するための基本的及び定量的分析

0120

Apo−2Lの基本的分析は、誘導結合発光分析法(ICP−AES)を使用することによって行われた。この定量では、20mM Tris pH7.5で製剤化されたApo−2L(WO97/25428に開示した方法によって大腸菌で生産した114−281形態;ここにおいて記載された方法に従い、発酵又は精製の間には、さらなる量の二価金属イオンを添加しなかった)の2mg/mL溶液が使用された。この試料中及び製剤バッファーの一部分のCd、Co、Zn、Ni、及びCuのレベルが決定された。

0121

Apo−2Lへ結合した金属は、Zn及びCoであった(表2)。計算されたモル比は、Apo−2L三量体の1モル当たり0.79モルのZn、及びApo−2L三量体の1モル当たり0.06モルのCoであった。これらのデータは、Apo−2Lは三量体当たり一つのZn結合部位を有することを示す。ここに記載の調製によるApo−2Lでは、この部位は金属によって85%で占有される。
実施例6
キレート剤を使用したApo−2Lからの結合亜鉛除去の効果

0122

Apo−2L(114−281形態)の試料は、結合亜鉛を除去するためにキレート剤で処理された。試料は、最初に50mMEDTAの1000容量の2回交換による透析、次に2mM 1,10−フェナントロリンの1000容量の2回交換による透析、最後に金属を含まない20mM Tris pH7.5の1000容量による透析を施された。キレート剤による前後において、試料はレセプター結合、金属内容物及びアポトーシス活性についてアッセイされた。レセプター結合は実施例3に記載のように測定され、金属内容物はICP−AESで決定され、そしてアポトーシス活性は実施例4に記載のようにアッセイされた。ICP−AESは、透析の処置が結合亜鉛を除去したことを示した。この処理の後、レセプター親和性は有意に減少し(表1)、アポトーシス活性は90倍減少した(Fig4)。

0123

円二色性スペクトルは、AVI機器(Lakjewood, NJ)モデル202スペクトル旋光計に記録された。スペクトルは、5秒の平均時間で、0.5nmの短縮距離(step size)、及び1cmの路程を有する石英長方形キュベットを使用して250nmから200nmまでをスキャンされた。タンパク質濃度は2μMで、PBSを含有する溶液であった。Fig6に示されているように、Apo−2L(114−281形態)は、高いベータシート内容物を有するタンパク質の典形態的なスペクトルを示した。結合亜鉛の除去は、ベータシート内容物が消滅したことを示唆する二色性ピークの強度の減少を生じる。

0124

円二色性は、Apo−2L(114−281形態)の熱安定性に対する亜鉛除去の影響をモニターするために利用された。また、これらの実験は、1cmの石英の長方形キュベット及び2μM濃度のタンパク質を用いる。225nmでの円二色性は、試料が30から100℃まで熱せられている間モニターされた。測定は、試料を1分、その温度で平衡化するようにした後に、2℃増分区切りで行われた。楕円率(CD)及びダイノード電圧の双方は記録され、ダイノード電圧の温度依存性がFig7にプロットさている。ダイノード電圧は、試料の吸光度に比例する。試料の加熱によるダイノード電圧の増加は、タンパク質凝集を反映する。ダイノード電圧の増加は、225nmにおける楕円率(CD)の減少によって示されているように、二次構造損失を伴う。これらのデータは、Apo−2L(114−281形態)が、75℃で起こるこの転移(Tm)の中間点での熱変性によって凝集することを示唆している。結合亜鉛の除去は、約54℃での熱変性のTmの大きな減少を生じる。これらのデータは、結合亜鉛がホモ三量体Apo−2Lの構造及び安定性の維持にとって必要であることを示す。
実施例7
変異によるApo−2Lからの亜鉛結合部位の除去の影響

0125

実施例1に記載のように、オリゴヌクレオチド媒介突然変異誘発を利用してApo−2L(91−281形態)のCys230はAla又はSerで置換された。次に、変異タンパク質は、実施例1に記載のように発現及び精製された。表1に示されているように、Apo−2L(91−281形態)のC230及びC230S変異の両方がレセプター結合親和性を減じ、アポトーシス活性をかなり失っていた。Apo−2LのX線構造は、Cys230が埋もれた残基であることを示し、それによってレセプターを複合体へ直接に接触させているようには思われないことから、これらのデータは、Cys230の変異が、ホモ三量体Apo−2Lの構造又は安定性の変化によって間接的に活性へ影響することを示唆している。
実施例8
Znの添加が、可溶性Apo−2Lリガンド産物の蓄積及び回収を改良する
A.アルカリホスファターゼプロモーターによって制御されるApo−2L(アミノ酸残基114−281)発現

0126

pAPApo2−P2RU(Fig12参照)は、pro2及びargUによってコードされているtRNA's及びApo−2L(アミノ酸残基114−281形態)の同時発現をコードする。pBR322を基礎とするプラスミド[Sutcliffe, Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 43:77-90(1978)]pAPApo2−P2RUは、大腸菌でApo−2Lを生産するために使用された。Apo−2Lの発現に必要な転写及び翻訳配列は、プラスミドphGH1[Changら, Gene,55:189-196(1987)]のために記載のように、アルカリホスファターゼプロモーター及びtrpシャインダルガーノによって提供されている。Apo−2L(114−281形態)のコード化配列は、シャイン・ダルガーノ配列及びプロモーターの下流に位置し、開始メチオニンがそれに先行して位置する。コード化配列は、潜在的な二次構造を除くために残基Pro119をコードするコドンが「CCT」に代わり「CCG」となったことを除くと、Apo−2Lの残基114−281(Fig1)をコードするヌクレオチドを含む。ラムダから転写ターミネーターまでをコードする配列[Scholtissekら, Grosse Nucleic Acdis Research 15:3185 (1987)]は、Apo−2Lコード化配列の後に続く。さらには、このプラスミドは、argU/dnaY[Garciaら, Cell, 45:453-459(1986)]及びtRNA's pro2[Komineら, J. Mol. Biol., 212:579-598(1990)]の発現のための配列をも含む。これらの遺伝子は、PCRによって大腸菌w3110からクローンされ、ラムダから転写ターミネーター配列の下流に置かれた。このプラスミドは、テトラサイクリン及びアンピシリン耐性の両方を生産宿主へ付与する。

0127

43E7株(大腸菌W3110 fhu(tonA) phoAΔ(argF-lac) ptr3 degP kanS ompT ilvG+)は、tRNA's及びApo−2の同時発現のための生産宿主として利用された。43E7株のコンピテント細胞は調製され、標準的は方法を利用してpAPApo2−P2RUへ形質転換された。形質転換体を、20μg/mlのテトラサイクリン(LB+Tet20)を含有するLBプレートから精選して筋状に塗りつけるように精製し、DMSOで−80℃で貯蔵する前に30℃の振盪インキュベーター中の20μg/mlのテトラサイクリンを含むLB培溶液で生育した。

0128

振盪フラスコの種菌を、新鮮解凍した貯蔵培養バイアルを用いて無菌培地播種することにより振盪フラスコ種菌を調製した。適当な抗生物質を培地に含有せしめて選択圧を提供し、プラスミドの保持を確実にした。振盪フラスコ媒体組成を表3に示されている。振盪フラスコを約30℃(28℃−32℃)で振盪しながら14−18時間印キュベートした。次いでこの培地を製造発酵容器の播種に使用した。播種容量は培地の初期容量の0.1%から10%とした。

0129

Apo−2Lの生産を表4に示した生産培地で実施した。発酵プロセスは、約30℃(28−32℃)及びpH7.0(6.5−7.5)で実施した。通気速度及び攪拌速度は、培地への十分な酸素輸送を与えるように設定した。リン酸塩の枯渇によって誘発される生産物発現の開始持に、プロセス温度を30℃から25℃へシフトした。発酵プロセスを通して、細胞培養へは、好気的条件を確かなものする一方で、コンピューターアルゴリズムに基づいて、培養の要求炭素を満たすようにグルコースが供給された。

0130

発酵プロセスの間に、ZnSO4の二回分の添加が行われた。一回分の添加は、生産物発現の誘発の直前に行われた。二回分の添加は、生産期のほぼ中間点で行われた。この実施例では、添加は、培養光学密度が約80−120OD550
の時、及び播種から約28時間後に行った。各回分の金属イオンの添加によってほぼ50−100マイクロモル(最終濃度)に達するように、十分な量の100mM ZnSO4を添加した。

0131

発酵は約34−35時間に渡って続くようにし、その後に続く生産物回収評価のために培養液から細胞ペレットが収集された。

0132

培養液は、発酵プロセスの経時変化を通して採取された。20OD550の細胞密度に希釈された1mlの培養液試料の細胞は、遠心分離によって収集され、生じた細胞ペレットは透析までは−20℃で貯蔵された。細胞ペレットを、解凍し、0.5mlの抽出バッファー(50mMHEPES、pH8.0、5mMEDTA及び0.2mg/ml鶏卵リゾチーム)に再懸濁し、細胞質から生産物を遊離するために機械的に破壊した。三量体の定量のために除濁可溶化液をDionex ProPacIEXHPLCカラムへ負荷する前に、固体物は遠心分離によって細胞可溶化物から取り除かれた。0.5ml/minの流速で25分間に渡る25mMリン酸(pH7.5)バッファー中の5%−22%1M NaClグラジエントを用いることで、HPLCアッセイ法によって生産物から汚染大腸菌タンパク質を分離した。

0133

凍結細胞ペーストを、解凍し、抽出バッファー(100mM Hepesバッファー、pH8.0、50mMEDTA,5mM DTT)に再懸濁した。細胞質分画からApo−2L生産物を遊離するための機械的ホモジナイザーへ細胞懸濁物を複数回通した後、0.2%PEI(最終濃度)を添加され、固体物を遠心分離によって取り除いた。除濁可溶化液を、3−4カラム容量の50mM Hepes/0.05% Triton/1mM DTT pH7.2で前もって平衡化したMPHSカラム(Bio Rad)へ負荷する前に、H2Oによって1:1(V/V)に希釈し、pH7.2へ調製した。2−3カラム容量の平衡化バッファーでの洗浄段階と、これに続く平衡化バッファー中の0.1M NaClグラジエントによる二回目の洗浄段階の後、Apo−2Lタンパク質を、平衡化バッファー中の0.1Mから0.8M NaClグラジエントの6カラム容量によってMPHSカラムから溶出した。カラム溶出分画を収集し、分析し、適切な分画をプールして@4−8℃で貯蔵した。

0134

発酵中のAPO−2L蓄積の分析は、ZnSO4の添加は細胞成長へ有意に影響しなかったことを示した。Apo−2Lリガンドの生産は、培地中のリン酸塩が枯渇した時に始まり、典形態的には播種の約15−25時間後に始まった。Fig8は、IEXHPLC法によって検出された可溶性Apo−2L三量体の蓄積の経時変化を示している。ZnSO4の添加を伴う培養は、マイナスZnSO4コントロールよりも細胞可溶化物試料中に高い生産物濃度を有した。

0135

初期捕捉段階(IEXクロマトグラフィーが関与)での生産物回収の分析(Fig9)は、ZnSO4添加した及び添加せずに行った発酵からの細胞可溶化物のMPHSクロマトグラフィーの溶出プロフィールを示す。初期貫流(flow-through)及び洗浄段階の後、二つの主要ピークであるピークA及びピークBが分離した。SDS−PAGE分析によると、両ピークは主にApo−2Lで構成されていた。

0136

両ピークからの精製物を調製し、生物学的な活性及び安定性を分析した。これらの研究から得られた結果は、ピークBが時間の経過とともに凝集する傾向がより高いのに対して、ピークAはApo−2L産物のより安定なプールであることを示唆した。不安定性を最小化するために、ピークBをさらなる回収から排除した。ピークAのピークBに対する比率は、各ピーク下の統合区域を表す切り出し跡を比較検討することによって見積もられた。表5に表として示された結果は、回収可能なプールのApo−2L産物の量の有意な増加である、Apo−2Lの割合のシフトとしてマイナスZnSO4の場合の平均である約45%からプラスZnSO4の場合の約80%へのシフトを示している。
B.trpプロモーターによって制御されているApo−2L(アミノ酸残基114−281)の発現

0137

PS1346.Apo2L.0プラスミド構築物:Apo−2Lの114−281残基をコードするDNA(開始メチオニンコドンが先にある)を、pS1346プラスミドベクターへ挿入した。pS1346プラスミドは、pHGH207−1[DeBoerら, Promoters:Structure and Function, Praeger, New York, pp.462-481(1982)]の誘導体であり、Apo−2Lコード化配列のラムダから転写ターミネーターまでをコードする配列[Scholtissekら, Nucleic Acdis Res., 15:3185 (1987)]の下流を含む。

0138

54C2株(大腸菌W3110 fhuA(tonA) lon galE rpHts(htpRts) clp laclq)を、リガンドの発現がtrpプロモーターで制御されている、Apo−2リガンド(アミノ酸残基114−281)の発現の生産宿主に用いた。54C2細胞のコンピテント細胞を調製し、標準的手法を利用してpS1346.Apo2L.0へ形質転換した。形質転換体を20μg/mlのテトラサイクリン(LB+Tet20)を含有するLBプレートから精選して筋状に塗りつけるようにして精製し、DMSOで−80℃で貯蔵する前に30℃の振盪/インキュベーターに中の20μg/mlのテトラサイクリンを含むLB培溶液で生育した。

0139

生産生物体、54C2/pS1346.Apo2L.0で行われた実験は、培地組成物(表6)の僅かな調製、インデューサーであるインドール3−アクリル酸(IAA)の添加、及びプロセスの長さを除いて、APプロモーター発現のために上記に示したような類似の発酵パラメーターにの下で行われた。初期成長期の間にプロモーター活性を抑制するために、トリプトファンを初期培地へ添加した。培養液の細胞密度が約30OD550に達した時に、30℃から25℃への温度シフトを行った。培養液の細胞密度が約55OD550に達した時に、インデューサーを添加した。ZnSO4添加が行われた実験では、約50−100μMの最終濃度に達するように、100mM ZnSO4溶液の十分量を細胞密度が約25OD550の時及び播種から24時間後に添加した。細胞ペーストを、インデューサー添加から6時間後に収集し、−20℃から−80℃で貯蔵した。

0140

trpプロモーター系の細胞成長は、40−60OD550に達した後に低速した。IAA添加による誘導の前にApo−2リガンドの有意な漏出性発現があり、これは恐らく生育の問題が原因であった。細胞プロフィールは、ZnSO4
添加がない場合とある場合において同等であった。Fig10は、IEXHPLC法で検出された可溶性Apo−2L三量体の蓄積の経時変化を示している。可溶性Apo−2Lの蓄積は、ZnSO4溶液とともに増加し続け、細胞可溶性試料においてより高い生産物濃度に達した。
C.二価金属イオン/DTTを利用した大腸菌からのApo−2L(アミノ酸残基114−218)の回収及び精製

0141

以下のプロトコールは、大腸菌からのApo−2Lの回収及び精製に利用してもよい。最初に、細胞はホモジジナイズされ、抽出は以下のようにして行われた。凍結収集された大腸菌を、6容量の抽出バッファー(100mMHEPES/5mM DTT(又は DTTに代わって5mM硫酸亜鉛)pH8.0)に懸濁する、又は全ての細胞培養液を5mM DTT(又は DTTに代わって5mM硫酸亜鉛)@pH8.0で調製する。懸濁物を、2−8℃で1時間に渡って徹底的に混合し、次にホモジナイザー(Gaulin Corporation, Everett, MA)によってホモジナイズする。破壊された細胞懸濁物を0.2% PEIで1−2時間に渡って凝結させ、BTPX205(Alfa Laval Separation AB,スウェーデン連続供給遠心分離(continuous feed centrifuge)によって遠心分離し、深濾過(depth filtration)によって除濁した。

0142

抽出後、Apo−2Lを以下のようにして精製した。除濁細胞懸濁液(抽出物)を等量のH2O/0.1%Triton−100で調製してpH7.2とし、Macro-Prep ceramic High S(MP-HS)クロマトグラフィーを行った。この調製された抽出物を50mMHEPES/0.05%Triton−100/1mM DTT(又は100uM硫酸亜鉛)、pH7.2で平衡化したMP−HSカチオン交換体(Bio-Rad, Hercules,CA)に負荷する。(先の2段階は、SP−Sepharose Fast Flow(Amersham Pharmacia,スウェーデン)を代わりに用いてもよい)。非結合タンパク質は、貫流され、ベースライン@A280まで平衡化バッファーで洗浄することで除かれる。カラムを3容量の0.1M NaCl/平衡化バッファーで洗浄する。Apo−2Lを、8容量の平衡化バッファーに含まれる塩化ナトリウムの0.1から0.8Mの直線的なグラジエントで溶出する。分画を収集し、そしてSDS−PAGE又はSEC−HPLCで適切に折り畳まれたApo−2Lを含んでいると認められた分画をプールする。

0143

MP−HSカラムからのApo−2Lのプールを、50mMHEPES/1mM DTT(又は100uM硫酸亜鉛)、pH7.2で平衡化したMacro-Prepヒドロキシアパタイト(Bio-Rad, Hercules,CA)に負荷する。(Macro-Prepヒドロキシアパタイトに代わって、SP−Sepharose Fast Flowを用いてもよい。)試料を負荷した後、カラムをベースライン@A280まで平衡化バッファーで洗浄する。Apo−2Lを、平衡化バッファー中の0.15Mリン酸ナトリウムイソクラティク処置を利用してカラムから溶出する。

0144

MP−HAのプールを、等容量の1.0M硫酸アンモニウム/50mM Tris/1mM DTT(又は100uM硫酸亜鉛),pH7.5によって調製し、次に0.5M硫酸アンモニウム/50mM Tris/1mM DTT(又は100uM 硫酸亜鉛),pH7.5で平衡化したフェニル-セファロースFF(Amersham Pharmacia,スウェーデン)に負荷する。(0.5M 硫酸アンモニウムに代わって、0.6M硫酸ナトリウムを用いてもよい)。カラムを平衡化バッファーで洗浄し、Apo−2Lをカラム溶出物に収集する。

0145

次にApo−2Lを、限外濾過及びG−25ゲル濾過(Amersham Pharmacia,スウェーデン)クロマトグラフィーによって製剤化する。フェニル-セファロースのプールを、TFF限外濾過(Millipore, Bedford, MA)で濃縮し、20mM Tris/8% Trehalose,pH7.5でG−25ゲル濾過によって製剤化する。(あるいは、ダイアフィルトレーションによって製剤化してもよい)。Apo−2Lの最終純度は、SDS−PAGE、SEC−HPLC及びアミノ酸配列分析によって決定することが可能である。
実施例9
塩化コバルトの添加が、可溶性Apo−2Lリガンド生産物の蓄積及び回収を向上させる
アルカリホスファターゼプロモーターによって制御されるApo−2L(アミノ酸残基114−281)の発現

0146

実施例8Aに記載の同じ生産生物体、培地、組成物、発酵条件及び試料分析は、Zn以外の金属イオンの添加、すなわち塩化コバルトのApo−2L(アミノ酸残基114−281)産物の蓄積に対する影響の研究に利用された。H2Oに含まれる100mM CoCl2溶液を100mM ZnSO4に代わって使用し、各2回の添加において50−100μMの最終濃度に到達するように十分量を添加した。

0147

Fig11は、発酵プロセスの間の可溶性Apo−2Lの蓄積に対するCoCl2添加の利点を示している。ZnSO4添加実験のように、有意ではないが、可溶性Apo−2Lの高い蓄積速度がIEXHPLCアッセイ法によって検出された。このデータは、ある金属イオンの添加が、Apo−2Lの会合三量体を安定させる添加の効力と同様に、一般的には可溶性Apo−2Lの蓄積を向上させることを示す。
実施例10
Apo−2L製剤化に対する種々の金属イオンの影響

0148

50μl Apo−2L(114−281形態)を、5℃で24時間に渡って20mM Tris、8%トレハロース、0.01% Tween20、pH7.5製剤に含まれる5mMの金属塩(下記の表7にそれぞれが列挙されている;金属のタンパク質に対する比率は100:1)とインキュベートすることでインビトロアッセイを行った。次に、実施例4に記載のSK−MESアッセイを利用して、試料をアポトーシス活性に関して評価した。

0149

EC50(又は細胞の50%を殺すことになるApo−2L濃度)が表7(ng/mlの単位)に示されている。表7に示されているように、培養への酢酸亜鉛及び硫酸亜鉛の添加は、Apo−2L活性を増大させた。
実施例11
Apo−2Lリガンド製剤安定性に対する亜鉛金属イオンの影響

0150

実施例8Bに示されているように、MPHSカチオン交換体を使用する最初の段階は二つのピークA及びBを示す。この二つのピークの貯蔵安定性を検討するために、Apo−2L(114−281形態)を大腸菌発現産物(pS1346.ApoL.0プラスミドをtrpプロモーターとともに使用)から抽出し、MPHSカチオン交換体によって精製した。MPHSピークAを、さらにMP−ヒドロキシアパタイト及びフェニル-セファロースFFによって精製し、次にG−25ゲル濾過を使用して製剤化した。MPHSピークBを、MP−ヒドロキシアパタイト、フェニル-セファロースFF、及びNi-NTスーパーフローによって精製し、G−25ゲルによって20mM Tris、8%トレハロース、0.01%Tween20、pH7.5へ製剤化した。試料を、無菌で3ccのガラスバイアルに注入し、テフロン(登録商標)で覆われた灰色ブチルストッパーで
密封した。精製され、製剤化されたピークA及びBの貯蔵安定性を、表8に列挙
されている時間(週(「wk」又は月(「mo」)及び温度(℃)で評価した。

0151

表8は、他のものの中での、パーセント単量体(%M)及びパーセント二量体(%D)を示している;「ND」は確定していない値に相当する。ピークAは、ゼロ日におけるピークBよりも僅かに少ない二量体及び他の不純物を含む。表8に示されているように、ピークBは、30℃でのかなりの沈殿で評価されたように(2ヶ月の時点で、ほぼさらに40%)より熱に弱いことが見出された。5℃でも、ピークBは、ピークAより2倍もさらに二量体形成しやすい。ピークA及びピークBの生化学的分析は、各ピークの物質は、それぞれの安定性に関する特性を除いて生化学的に同等であると示した。ピークBのより低い安定性は、不適切な(三量体)会合又は低い亜鉛含量(ピークAのタンパク質に対しては0.83モル比の亜鉛、そしてピークBのタンパク質に対しては0.7モル比の亜鉛)に関連していると考えられている。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ