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技術 350ppm以下のモリブデンを含有する潤滑油組成物

出願人 インフィニュームインターナショナルリミテッド
発明者 ファーンズワースゴードンランドールワッドープスマルコムハートリーロルフジョン三好泰介ベルイアンアレクサンダーウェストビドウェルトーマスリチャード
出願日 2000年5月8日 (20年7ヶ月経過) 出願番号 2000-620031
公開日 2003年1月7日 (17年11ヶ月経過) 公開番号 2003-500521
状態 拒絶査定
技術分野 潤滑剤
主要キーワード モリブデン分 耐磨耗特性 耐磨耗性能 旅客車 キサントゲネート 劣化傾向 中性清浄剤 ベース潤滑油
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年1月7日)のものです。
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図面 (1)

課題・解決手段

(a)潤滑粘度のオイル;(b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;(c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;(d)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;および(e)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を含み、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、上記カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウムモリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含むことを特徴とする改良された低温耐磨耗性、改良された燃料経済性および燃料経済性保持特性を示す潤滑油組成物

概要

背景

概要

(a)潤滑粘度のオイル;(b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;(c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;(d)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;および(e)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を含み、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、上記カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウムモリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含むことを特徴とする改良された低温耐磨耗性、改良された燃料経済性および燃料経済性保持特性を示す潤滑油組成物

目的

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
7件

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請求項1

a)少なくとも95の粘度指数を有する潤滑粘度のオイル;b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;d)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;およびe)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を含み、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、上記カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウムモリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含むことを特徴とする改良された低温耐磨耗性、改良された燃料経済性および燃料経済性維持特性を示す潤滑油組成物

請求項2

上記カルシウム清浄剤が、カルシウムフェネートサリチル酸カルシウムスルホン酸カルシウムおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求の範囲第1項記載の組成物

請求項3

上記カルシウム清浄剤が、過塩基化スルホン酸カルシウムである請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項4

上記過塩基化スルホン酸カルシウムが、約150〜450の総塩基価を有する請求の範囲第3項記載の組成物。

請求項5

上記モリブデン化合物からのモリブデンが約10 ppm〜350 ppmの量で存在する請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項6

上記モリブデン化合物からのモリブデンが、約30 ppm〜200 ppmの量で存在する請求の範囲第5項記載の組成物。

請求項7

上記モリブデン化合物が、有機モリブデン化合物である請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項8

上記モリブデン化合物が、モリブデンジアルキルジチオカルバメート、モリブデンジアルキルジチオフォスフェート、モリブデンジアルキルジチオホスフィネート、モリブデンキサンテート、モリブデンチオキサンテートおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項9

上記モリブデン化合物が、モリブデンジアルキルジチオカルバミメートとして存在する請求の範囲第8項記載の組成物。

請求項10

上記モリブデン化合物が、3核モリブデン化合物である請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項11

上記モリブデン化合物が、塩基性窒素化合物のモリブデン/イオウコンプレックスである請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項12

上記少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物が、第1級アルキル基、第2級アルキル基またはこれらの混合物からの亜鉛を含む請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項13

上記少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物が、ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの少なくとも約50モル%の第1級亜鉛を含む請求の範囲第12項記載の組成物。

請求項14

上記少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤が、エトキシ化アミンである請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項15

上記リン含有量が、ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.025〜0.1重量%である請求の範囲第1項記載の組成物。

請求項16

(1)内燃エンジンに請求の範囲第1項記載の潤滑油組成物を加えること;および(2)この内燃エンジンを作動させることを特徴とする内燃エンジンの燃料経済性および燃料経済性維持特性の改良方法

請求項17

(1)エンジンに、改良された燃料経済性および燃料経済性維持特性を示す潤滑油組成物を加えること、この潤滑油組成物が、(a)潤滑粘度のオイル;(b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;(c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;(d)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;および(e)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を含み、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウム、モリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含むこと;および(2)このエンジンを作動させ、それによってASTMシーケンスIVA試験によって測定したとき100ミクロン未満の平均カムローブ磨耗を得ることの各工程を含むことを特徴とする内燃エンジンの耐磨耗保護性の改良方法。

請求項18

(a)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;(b)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;(c)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;および(d)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を含み、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウム、モリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含む潤滑油組成物を提供する潤滑粘度のオイルとの混合用濃縮物

請求項19

a)少なくとも95の粘度指数を有する潤滑粘度のオイル;b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;d)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;およびf)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物の混合物を含み、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、上記カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウム、モリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含むことを特徴とする改良された低温耐磨耗性、改良された燃料経済性および燃料経済性維持特性を示す潤滑油組成物。

0001

(技術分野)
本発明は、潤滑油組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、低温バルブトレイン磨耗性、燃料経済性および燃料経済性維持特性の改良を示す潤滑油組成物に関する。
背景技術

0002

添加剤類は、多くの企業によりエンジン性能を改良するために使用されている。添加剤または添加剤パッケージは、清浄化、エンジン磨耗の低減、熱および酸化に対する安定性オイル消費量の低減、腐食抑制分散剤として機能、および摩擦損失の低減のような種々の目的において使用できる。摩擦損失を低減させることは、その燃料経済性に対するインパクト故に、大いに興味あることである。そのように、摩擦改良剤は、多くの注目を提供している。

0003

多くの特許および論文(例えば、米国特許第4,164,473号;第4,176,073号;第4,176,074号;第4,192,757号;第4,248,720号;第4,201,683号;第4,289,635号および第4,479,883号)において、油溶性モリブデン潤滑油添加剤として有用であることが提案されている。特に、モリブデンは、短時間燃料経済性および長時間燃料経済性(即ち、燃料経済性維持特性)の両方を含む、ガソリンまたはジーゼル燃料エンジンにおける改良された燃料経済性を与える。従来の提案は、添加剤パッケージ中で350 ppmより多く2,000 ppmまでの量でモリブデンを典型的に使用しており、それら添加剤パッケージは、1種以上の清浄剤耐磨耗剤、分散剤、摩擦改良剤等を含有している。

0004

エンジン潤滑剤耐久性は、重要な問題となっている。現在の潤滑油は、エンジン性能に有益な改善を与える能力を急速に喪失する。このことは、エンジンオイルを頻繁に交換することを必要とする。このように、オイル消費量およびメンテナンス費用は増大し、車の所有者に望ましくない負担を課することとなる。
(発明の開示)

0005

この問題に対処するために、本発明者等は、初期エンジン性能利点並びに市場で現在入手できるオイルにおけるよりも長時間に亘ってそれら利点の維持性を提供する潤滑油組成物を開発した。この組成物は、揮発性が小さく、潤滑油組成物の大部分が長時間に亘ってエンジン内に残存することを可能にする。このことは、燃料経済性および燃料経済性維持特性における改良をもたらす。さらにまた、排油間隔を長くするので、メンテナンスは少なくて済む。

0006

また、本発明者等は、低温バルブトレイン磨耗性能、燃料経済性および燃料経済性維持特性を、提起されたILSAC GF-3規準(国際潤滑標準化および承認委員会(International Lubricants Standardization and Approval Committee))のような次世代モーターオイル認証条件適合するように改良できることも見出した。

0007

本発明は、改良された低温耐磨耗性、並びに改良された燃料経済性および燃料経済性維持特性を示す潤滑油組成物に関し、本組成物は、(a)少なくとも95の粘度指数を有する潤滑粘度のオイル;(b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;(c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;(d)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;および(e)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を含む。本組成物は、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、上記カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウムモリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含有する。本組成物は、上記の各成分を混合することによって調製でき、そのような組成物は、本発明のさらなる実施態様である。

0008

さらに、本発明は、エンジンの燃料経済性および燃料経済性維持特性の改良方法およびエンジンの耐摩耗性の改良方法も包含し、その方法は、エンジンに本発明の潤滑油組成物を加え、エンジンを作動させることを含む。

0009

本発明の潤滑油組成物は、(a)少なくとも95の粘度指数を有する潤滑粘度のオイル;(b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;(c)少なくとも1種の油溶性モリブデン含有化合物;(d)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;および(e)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を必要とする。

0010

潤滑粘度のオイル

0011

潤滑粘度のオイルは、天然オイル合成オイルまたはこれらの混合物のような種々のベースストックから選択できる。適切なベースストックの例は、American petroleum Institute (API)の刊行物である“Engine Oil Licensing and certification System," Industry Services Department, Fourteenth Edition, December 1996, Addendum 1, December 1998に記載されているような1種以上のベースストック群またはこれらベースストック群の混合物において見出され得る。

0012

a) 群Iのベースストックは、下記の表Aに挙げた試験方法を用いて、90%未満の飽和度および/または0.03%より多いイオウを含有し、80以上で120未満の粘度指数を有する。

0013

b) 群IIのベースストックは、下記の表Aに挙げた試験方法を用いて、90%以上の飽和度および0.03%以下のイオウを含有し、80以上で120未満の粘度指数を有する。

0014

c) 群IIIのベースストックは、下記の表Aに挙げた試験方法を用いて、90%以上の飽和度および0.03%以下のイオウを含有し、120以上の粘度指数を有する。

0015

d) 群IVのベースストックは、ポリアルファオレフィン(PAO)類である。

0016

e) 群Vのベースストックは、群I、II、IIIまたはIVに含まれない他のベースストックをすべて含む。
表A(ベースストック試験のための分析方法
特 性試験方法
飽和度ASTMD2007
粘度指数ASTM D2270
イオウASTM D2622、D4292、D4927またはD3120

0017

本発明で使用する潤滑粘度のオイルは、少なくとも95、好ましくは少なくとも100の粘度指数を有するべきである。好ましいオイルは、(a)群IIIのベースストックと群Iまたは群IIのベースストックとのベースオイル混合物であって、少なくとも110の粘度指数を有するもの;または(b)群IIIのベースストックもしくは群IIIベースストックの2種以上の混合物である。

0018

カルシウム清浄剤

0019

本発明は、少なくとも1種のカルシウム清浄剤の存在を必要とする。清浄剤は、エンジン内に蓄積する付着物を減じることを目的とし、酸中和剤または錆抑制剤として作用する。このことは、エンジン磨耗および腐食も低減させる。

0020

本発明において使用するカルシウム清浄剤は、中性または過塩基性であり得、フェネートサリチル酸塩スルホン酸塩またはこれらの混合物から誘導し得るが、スルホン酸カルシウムがとりわけ好ましい。好ましくは、清浄剤は過塩基性である、即ち、その総塩基価(TBN)は、少なくとも100であり、通常100〜500、より好ましくは150〜450、最も好ましくは200〜400である。本発明において使用する最も好ましい清浄剤は、200〜400のTBNを有する過塩基化スルホン酸カルシウムである。

0021

金属清浄剤を過塩基化する処理は、その塩のアニオン中和するのに必要とする以上の化学量論的に過剰の金属が存在することを意味する。過塩基化からのこの過剰の金属は、蓄積し得る酸を中和する効果を有する。

0022

本発明においては、過塩基化スルホン酸カルシウム清浄剤は、油溶性スルホン酸の塩から誘導でき、油溶性スルホン酸塩またはアルカリルスルホン酸の混合物をカルシウムと混合し、加熱して存在するスルホン酸を中和する。これは、過剰のカルシウムを二酸化炭素と反応させることによって、分散された炭酸塩コンプレックスを生ずる。これらのスルホン酸は、典型的には、石油分留により或いは芳香族炭化水素アルキル化により得られるもののようなアルキル置換芳香族炭化水素スルホン化することによって得られる。例としては、ベンゼントルエンキシレンナフタレンジフェニル、またはこれらのクロロベンゼンクロロトルエンおよびクロロナフタレンのようなハロゲン誘導体をアルキル化することによって得られるものがある。アルキル化は、3〜30個以上の炭素原子を有するアルキル化剤により触媒の存在下に実施し得る。例えば、ハロパラフィン類、パラフィン類の脱水素化によって得られるオレフィン類、またはエチレンもしくはプロピレンから製造したポリオレフィン類は、すべて適し得る。アルカリル(alkaryl)スルホン酸塩は、アルキル置換芳香族成分当り、通常約9〜約70個またはそれ以上の炭素原子、好ましくは約16〜約50個の炭素原子を含有する。

0023

上記油溶性スルホン酸塩は、カルシウム化合物によって中和する。油溶性スルホン酸塩を中和するのに使用するカルシウムの量は、最終生成物の所望総塩基価(TBN)に関連して注意深く選定する。

0024

本発明においては、使用するカルシウム清浄剤の量は、広範囲に変化し得るが、典型的には、潤滑油組成物の総重量基準で約0.5〜約5重量%である。この量は、最終組成物において、カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウムに相当する。好ましくは、本発明の潤滑油組成物は、カルシウム清浄剤からの約0.112〜0.42重量%のカルシウムを含有する。

0025

カルシウムフェネートサリチル酸カルシウムは、当該技術において周知の種々の方法によって調製できる。

0026

モリブデン化合物

0027

本発明の潤滑油組成物においては、任意の適切な油溶性有機モリブデン化合物を使用できる。好ましくは、二量体または三量体モリブデン化合物を使用できる。そのような油溶性有機モリブデン化合物の例は、ジアルキルジチオカルバメートジアルキルジチオフォスフェートジアルキルジチオホスフィネートキサンテートチオキサンテート、カルボキシレート等、およびこれらの混合物である。とりわけ好ましいのは、モリブデンジアルキルジチオカルバメートである。

0028

本発明における添加剤として使用するモリブデンジアルキルジチオカルバメートダイマーは、下記の式によって表せる化合物である:
式中、R1〜R4は、個々に、直鎖、枝分れ鎖または芳香族ヒドロカルビル基を示し;X1〜X4は、個々に、酸素原子またはイオウ原子を示す。4個のヒドロカルビル基R1〜R4は、同一であるか互いに異なっていてもよい。

0029

本発明の潤滑油組成物において有用な有機モリブデン化合物のもう1つの群は、3核(三量体)モリブデン化合物、とりわけ式Mo3SkLnQzの化合物類またはその混合物であり、式中、Lは、個々に、十分な数の炭素原子を含むオルガノ基を有して化合物を油溶性にする選択されたリガンドであり;nは、1〜4であり;kは、4から7で変動し;Qは、水、アミン類アルコール類ホスフィン類およびエーテル類のような中性の電子付与化合物類からなる群から選ばれ;zは、0〜5の範囲であり、非化学量論値を含む。少なくとも25個、少なくとも30個または少なくとも35個の炭素原子のような少なくとも21個の炭素原子が、上記リガンドオルガノ基すべてにおいて存在すべきである。

0030

上記リガンドは、下記の群またはそれらの混合物から選ばれる:
式中、X、X1、X2およびYは、酸素およびイオウからなる群から選ばれ;R1、R2およびRは、水素、および同一または異なっていてもよいオルガノ基からなる群から選ばれる。好ましくは、上記のオルガノ基は、アルキル(例えば、上記リガンドの残基に結合した炭素原子が第1級または第2級であるような)、アリール置換アリールおよびエーテル基のようなヒドロカルビル基である。より好ましくは、各リガンドは、同一のヒドロカルビル基を有する。

0031

ヒドロカルビル”なる用語は、上記リガンドの残基に直接結合した炭素原子を有する置換基を示し、特性において、主としてヒドロカルビルである。そのような置換基としては、下記のものがある:

0032

1.炭化水素置換基、即ち、脂肪族(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル)置換基;芳香族基-、脂肪族基-および脂環式基-置換芳香核等;環が上記リガンドのもう1つの部分を介して完成されている環状置換基(即ち、任意の2つの置換基が、一緒になって脂環式基を形成している)。

0033

2.置換炭化水素置換基、即ち、当該置換基の主要ヒドロカルビル特性を変えていない非炭化水素基を含有する炭化水素置換基。当業者であれば、適切な基(例えば、ハロとりわけクロロおよびフルオロアミノアリコキシルメルカプトアルキルメルカプトニトロ、ニトロソスルホキシ等)を認識しているであろう。

0034

重要なのは、上記リガンドのオルガノ基が十分な数の炭素原子を有してその化合物を油溶性にしていることである。例えば、各基における炭素原子数は、一般に約1〜約100個、好ましくは約1〜約30個、より好ましくは約4〜約20個の範囲にある。好ましいリガンドとしては、ジアルキルジチオフォスフェート、アルキルキサントゲネート、カルボキシレート、ジアルキルジチオカルバメート、およびこれらの混合物がある。最も好ましいのは、ジアルキルジチオカルバメートである。当業者であれば、本発明の各化合物の調製が化合物芯部の電荷平衡する適切な電荷を有するリガンド(後述するような)の選定を必要とすることを理解しているであろう。

0035

式Mo3SkLnQzを有する化合物は、アニオン性リガンドによって囲まれたカチオン性芯部を有し、そのカチオン性芯部は、+ 4の正味電荷を有する下記のような構造体によって表される:
結果として、これらの芯部を可溶化するためには、リガンドすべての総電荷は、−4でなければならない。4個のモノアニオン性リガンドが好ましい。何ら理論によって拘束することを望むものではないが、2個以上の3核芯部は1つ以上のリガンドによって結合または相互連結され得、各リガンドは多歯状、即ち、1個以上の芯部に対して複数の連結を有し得るものと信じている。また、酸素および/またはセレンで1個以上の芯部のイオウを置換え得るものと信じている。

0036

油溶性3核モリブデン化合物は、適切な液体/溶媒中で、(NH4)2Mo3S13.n(H2O)(nは0〜2で変動し、非化学量論値を含む)のようなモリブデン源テトラアルキルチウラムジスルフィドのような適切なリガンド源と反応させることによって調製できる。他の油溶性3核モリブデン化合物は、(NH4)2Mo3S13.n(H2O)のようなモリブデン源、テトラアルキルチウラムジスルフィド、ジアルキルジチオカルバメートまたはジアルキルジチオホスフェートのようなリガンド源、およびシアン化物イオン亜硫酸化物イオンまたは置換フスフィンのようなイオウ引抜剤の溶媒内反応中に形成させ得る。また、[M']2[Mo3S7A6](M'はカウンターイオンであり、AはCl、BrまたはIのようなハロゲンである)のような3核モリブデン-イオウハライド塩をジアルキルジチオカルバメートまたはジアルキルジチオホスフェートのようなリガンド源と適切な液体/溶媒中で反応させて油溶性3核モリブデン化合物を調製することもできる。適切な液体/溶媒は、例えば、水系または有機系であり得る。

0037

使用するリガンドは、十分な炭素原子数を有して当該化合物を潤滑油組成物中で可溶性にするものでなければならない。本明細書において使用するときの“油溶性”なる用語は、当該化合物または添加剤がオイル中ですべての割合で可溶性であることを必ずしも意味しない。この用語は、当該化合物または添加剤が使用中、輸送中および貯蔵中に可溶性であることを意味する。

0038

(i)酸性モリブデン化合物スクシンイミドカルボン酸アミドヒドロカルビルモノアミンホスホルアミドチオホスホルアミド、マンニッヒ塩基、分散剤粘度指数改良剤またはこれらの混合物からなる群から選ばれる塩基性窒素化合物とを極性促進剤の存在下に反応させてモリブデン複合体を生成させることにより、または(ii)このモリブデン複合体をイオウ含有化合物と反応させ、それによってイオウおよびモリブデン含有組成物を生成させることにより調製した硫化モリブデン含有組成物は、本発明の関連において有用である。これらの硫化モリブデン含有組成物は、塩基性窒素化合物のモリブデン/イオウ複合体として一般に特徴付けられる。これらモリブデン組成物の正確な分子式は、確実には知られていない。しかしながら、これらの組成物は、モリブデン(その原子価が酸素またはイオウの原子価で満たされている)が、これら組成物の調製中に使用した塩基性窒素含有化合物塩基性窒素原子の1個以上の窒素原子の塩によって複合化されているか、その塩である複数の化合物であるものと信じている。

0039

本発明の潤滑油組成物は、少量の油溶性モリブデン化合物を含有していなければならない。モリブデン化合物からの約350 ppmまでのモリブデンが、本発明の潤滑油組成物中に存在しなければならない。好ましくは、モリブデン化合物からの約10 ppm〜350 ppmのモリブデンを使用する。より好ましくは、モリブデンは、約30 ppm〜200 ppmの量で存在し、最も好ましくは、約50 ppm〜100 ppmの量で存在する。これらの値は、潤滑油組成物の重量に基づく。

0040

窒素含有摩擦改良剤

0041

少なくとも1種の窒素含有油溶性摩擦改良剤が、本発明の潤滑油組成物中に存在しなければならない。典型的には、窒素含有摩擦改良剤は、本発明の潤滑油組成物の0.02〜2.0重量%を構成する。好ましくは0.05〜1.0重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%の上記摩擦改良剤を使用する。そのような窒素含有摩擦改良剤の例としては、限定するものではないが、イミダゾリン類、アミド類、アミン類、スクシンイミド類、アルコキシ化アミン類、アルコキシ化エーテルアミン類、アミンオキサイド類アミドアミン類、ニトリル類ベタイン類、第4級アミン類イミン類アミン塩類、アミノグアナジンアルカノールアミド類等がある。

0042

そのような摩擦改良剤は、直鎖、枝分れ鎖もしくは芳香族ヒドロカルビル基、またはこれらの混合物から選択し得、飽和または不飽和で有り得るヒドロカルビル基を含有し得る。ヒドロカルビル基は、主として炭素および水素からなるが、イオウまたは酸素のような1個以上のヘテロ原子を含有し得る。好ましいヒドロカルビル基は、12〜25個の炭素原子の範囲にあり、飽和または不飽和であり得る。より好ましいのは、線状ヒドロカルビル基を有するものである。

0043

好ましい摩擦改良剤としては、ポリアミンのアミド類がある。そのような化合物は、線状で飽和または不飽和であるヒドロカルビル基またはそれらの混合物を有し、12〜25個の炭素原子を含有し得る。

0044

特に好ましい摩擦改良剤は、アルコキシ化アミン類およびアルコキシ化エーテルアミン類であり、窒素1モル当り約2モルのアルキレンオキサイドを含有するアルコキシ化アミン類が最も好ましい。そのような化合物は、線状で飽和または不飽和であるヒドロカルビル基またはこれらの混合物を含み得る。これらの化合物は、12〜25個の炭素原子を含有し、ヒドロカルビル鎖内に1個以上のヘテロ原子を含有し得る。エトキシ化アミン類とエトキシ化エーテルアミン類が特に好ましい。

0045

上記アミン類およびアミド類は、酸化ホウ素ハロゲン化ホウ素メタホウ酸塩ホウ酸、またはモノ-、ジ-またはトリ-アルキルボレートのようなホウ素化合物との付加物または反応生成物としてまたはその形で使用できる。

0046

亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物

0047

少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を本発明の潤滑油組成物に添加しなければならない。好ましくは、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート化合物を使用する。この化合物は、本発明の潤滑油組成物に酸化防止および耐磨耗特性を与える。これらの化合物は、通常アルコールまたはフェノールとP2S5との反応により先ずジチオリン酸を調製し、次いで得られたジチオリン酸を適当な亜鉛化合物で中和することによって、公知の方法により調製できる。第1級および第2級アルコールの混合物のようなアルコール混合物を使用できる。そのようなアルコール類の例としては、限定するものではないが、下記のものがある:イソ-プロパノール、イソ-オクタノール2-ブタノールメチルイソブチルカルボノール(4-メチル-1-ペンタン-2-オール)、1-ペンタノール、2-メチルブタノール、および2-メチル-1-プロパノール。少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物は、第1級亜鉛、第2級亜鉛またはこれらの混合物であり得る。即ち、この亜鉛化合物は、第1級および/または第2級アルキル基を含有する。そのアルキル基は、1〜25個、好ましくは3〜12個の炭素を有し得る。さらにまた、少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物中のジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの少なくとも約50モル%の第1級亜鉛が存在することが好ましい。

0048

さらに、本発明の潤滑油組成物は、低リン含有量を有さなければならない、即ち、亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からのリンは、約0.1重量%までの量で存在すべきである。好ましくは、亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からのリン含有量は、約0.025重量%〜約0.1重量%であるべきである。

0049

また、本発明の潤滑油組成物の揮発度は、NOACK揮発度試験を用いて測定したとき、4〜15.5重量%の範囲、好ましくは8〜15重量%の範囲のような15.5重量%以下であることが必要である。NOACK揮発度試験は、ASTMD5800の手順に従っての250℃、1時間後のオイルの蒸発損失を測定するのに使用する。蒸発損失は、質量%で示す。

0050

本発明の組成物は、スパーク点火型および圧縮点火型エンジン用のクランク室潤滑油(即ち、旅客車モーターオイル、重負荷(heavy duty)ジーゼルモーターオイル、および旅客車ジーゼルオイル)の調製において使用する。下記に列挙した各添加剤は、これら添加剤の正常な付帯機能を発揮するような量で典型的に使用する。個々の成分の典型的な量も下記表には示している。列挙した数値は、すべて質量%活性成分として示す。

0051

無灰分分散剤は、分散させる粒子会合し得る官能基を有する油溶性高分子炭化水素主鎖を含む。典型的には、無灰分分散剤は、多くの場合橋架け基を介してポリマー主鎖に結合させたアミン、アルコール、アミドまたはエステル極性成分を含む。無灰分分散剤は、例えば、長鎖炭化水素置換モノおよびジカルボン酸またはそれらの無水物の油溶性塩、エステル、アミノ-エステル、アミド、イミドおよびオキサゾリン類;長鎖炭化水素のチオカルボン酸塩誘導体;直接結合したポリアミンを有する脂肪族長鎖炭化水素;および長鎖置換フェノールホルムアルデヒドおよびポリアルキレンポリアミン縮合させることによって調製したマンニッヒ縮合生成物から選ばれる。

0052

カルシウム清浄剤以外に、他の金属含有即ち灰分形成性清浄剤も、存在し得、付着物を低減または除去する清浄剤および酸中和剤または錆抑制剤の両方として機能し、それによって磨耗および腐食を低減させ、エンジン寿命延長させる。清浄剤は、長鎖の疎水性尾部を有する極性頭部を一般に含み、その極性頭部は酸有機化合物金属塩である。これらの塩は、実質的に化学量論量の金属を含有し得、通常は正規または中性塩と称されて、0〜80の総塩基価(TBN)(ASTMD-2896により測定できるような)を典型的に有する。過剰の酸化物または水酸化物のような金属化合物を二酸化炭素のような酸ガスと反応させることにより、大量の金属塩基を含ませることも可能である。得られる過塩基化清浄剤は、中性清浄剤を、金属塩基(即ち、炭酸塩)ミセル外層として含む。そのような過塩基化清浄剤は、150以上、典型的には250〜450またはそれ以上のTBNを有し得る。

0053

そのような他の公知の清浄剤としては、金属、とりわけアルカリまたはアルカリ土類金属、例えば、ナトリウムカリウムリチウムおよびマグネシウムの油溶性中性および過塩基化スルホン酸塩、硫化フェノール酸塩チオリン酸塩およびナフテン酸塩、並びに他の油溶性カルボン酸塩がある。

0054

ノニオン性ポリオキシアルキレンポリオールおよびそのエステル、ポリオキシアルキレンフェノール、およびアニオン性アルキルスルホン酸からなる群から選ばれた錆抑制剤を使用できる。

0055

銅および鉛含有腐食抑制剤も使用できるが、本発明の調製においては典型的に必要ではない。典型的には、そのような化合物は、5〜50個の炭素原子を含有するチアジアゾールポリスルフィド、その誘導体およびそのポリマーである。米国特許第2,719,125号;第2,719.126号および第3,087,932号に記載されているもののような1,3,4-チアジアゾールの誘導体が典型的である。他の同様な物質は、米国特許第3,821,236号;第3,904,537号;第4,097,378号;第4,107,059号;第4,136,043号;第4,188,299号および第4,193,882号に記載されている。他の添加剤は、英国特許明細書第1,560,830号に記載されているもののようなチアジアゾールのチオおよびポリチオスルフェナミド類である。ベンゾトリアゾール誘導体もこの分類に属する。これらの化合物は、本発明の潤滑油組成物に含ませる場合、好ましくは、0.2重量%の活性成分を越えない量で存在する。

0056

酸化抑制剤即ち酸化防止剤は、作動中のベースストックの劣化傾向(劣化は、金属表面上のスラッジおよびワニス状付着物のような酸化性生物によって、さらに粘度増大によって示され得る)を低減させる。そのような酸化抑制剤としては、ヒンダードフェノール類、好ましくはC5〜C12のアルキル側鎖を有するアルキルフェノールチオエステルアルカリ土類金属塩、カルシウムノニルフェニルスルフィド、無灰分油溶性フェノール酸塩および硫化フェノール酸塩、ホスホ硫化または硫化炭化水素類、アルキル置換ジフェニルアミン、アルキル置換フェニルおよびナプチルアミン類、リンエステル類チオカルバミド酸金属塩、無灰分チオカルバミド酸塩、および米国特許第4,867,890号に記載されているような油溶性銅化合物がある。最も好ましいのは、アルキル置換ジフェニルアミン類である。

0057

流動点降下剤は、潤滑油流動改良剤としても知られ、流体流動する即ち流動させ得る最低温度を低下させる。そのような添加剤は、周知である。流体の低温流動性を改善するそのような添加剤の典型は、C8〜C18のジアルキルフマレート/酢酸ビニルコポリマーポリアルキルメタクリレート等である。

0058

発泡調整は、ポリシロキサンタイプの発泡防止剤、例えば、シリコーンオイルまたはポリジメチルシロキサンのような多くの化合物によって行い得る。

0059

少量の解乳化成分も使用できる。とりわけ適切な解乳化成分は、EP 330,522号に記載されている。その成分は、アルキレンオキサイドを、ビス-エポキシド多価アルコールとの反応により得られた付加物と反応させることによって得られる。この解乳化剤は、0.1質量%の活性成分を越えない量で使用すべきである。0.001〜0.05質量%の処理率好都合である。

0060

粘度改良剤(VM)は、高温および低温作動性を潤滑油に与えるように機能する。VMは、この単機能性を有するか、或いは多機能性であってもよい。

0061

分散剤としても機能する多機能性粘度改良剤も公知である。適切な粘度改良剤は、ポリイソブチレン;エチレン、プロピレンおよび高級α-オレフィンとのコポリマー類ポリメタクリレート類;ポリアルキルメタクリレート類;メタクリレートコポリマー類;不飽和ジカルボン酸ビニル化合物のコポリマー類;スチレンアクリルエステルインターポリマー類;スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエンおよびイソプレン/ブタジエンの部分水素化コポリマー類;並びにブタジエン、イソプレンおよびイソプレン/ジビニルベンゼンの部分水素化ホモポリマー類である。

0062

上述した添加剤の幾つかは、複数の効果を発揮し得る;従って、例えば、1つの添加剤が分散剤-酸化抑制剤として作用する。この試みは周知であり、さらなる詳細は不要である。

0063

個々の添加剤は、ベースストック中に、任意の好都合な方法で混入できる。即ち、各成分は、ベースストックまたはベースストック混合物中に所望の濃度値で分散または溶解させることによって、ベースストックまたはベースストック混合物中に直接添加することができる。そのような混合は、周囲温度または昇温下で起こる。

0064

好ましくは、粘度改良剤と流動点降下剤を除くすべての添加剤は、本明細書において添加剤パッケージと称する濃縮物または添加剤パッケージ中に混合し、これを後でベースストック中に混入して最終潤滑油を調製する。この濃縮物は、各添加剤を適切な量で含有するように調製し、得られた濃縮物を所定量のベース潤滑油と混合したときに最終調製物において所望の濃度を得るようにする。

0065

本発明の濃縮物は、潤滑粘度のオイルとの混合用に使用し、(a)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;(b)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;(c)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;および(d)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を含み、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウム、モリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含む潤滑油組成物を提供する。

0066

上記濃縮物は、好ましくは、米国特許第4,938,880号に記載された方法に従って調製する。この米国特許は、少なくとも約100℃の温度で予備混合する無灰分分散剤と金属清浄剤との予備混合物の調製を記載している。その後、この予備混合物を少なくとも85℃に冷却し、追加成分を添加している。

0067

最終クランク室潤滑油配合物は、2〜20質量%、好ましくは4〜18質量%、最も好ましくは約5〜17質量%の濃縮物または添加剤パッケージを使用でき、残りはベースストックである。

0068

また、本発明は、内燃エンジンに本発明の潤滑油組成物を加え、そのエンジンを作動させる工程を含む内燃エンジンの燃料経済性および燃料経済性維持特性の改良方法も意図する。

0069

さらにまた、本発明は、(1)エンジンに、改良された燃料経済性および燃料経済性維持特性を示す潤滑油組成物を加えること、この潤滑油組成物が、(a)潤滑粘度のオイル;(b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;(c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;(d)少なくとも1種の窒素含有摩擦改良剤;および(e)少なくとも1種の亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物を含むこと、この潤滑油組成物が、約15.5重量%以下のNOACK揮発度を有し、カルシウム清浄剤からの約0.058〜0.58重量%のカルシウム、モリブデン化合物からの約350 ppmまでの量のモリブデン、および上記亜鉛ジヒドロカルビルジチオホスフェート化合物からの約0.1重量%までの量のリンを含むこと;および(2)このエンジンを作動させ、それによってASTMシーケンス(Sequence) IVA試験によって測定したとき100ミクロン未満の平均カムローブ(cam lobe)磨耗を得ることの各工程を含むことを特徴とする内燃エンジンの耐磨耗保護性の改良方法も含む。
(発明を実施するための最良の形態)

0070

実施例1
表1
ASTMシーケンスVIB試験結果

0071

ASTMシーケンスVIB試験は、16時間エージング後の基本較正オイルに対する燃料経済性改良度(フェーズI)および96時間エージング後の燃料経済性改良度(フェーズII、即ち、持続燃料経済性)を測定する。この試験は、潤滑油の野外性能を模倣するように設計されている。

0072

本発明の組成物(オイル1)と比較例(オイル2)の比較を、相応するシーケンスVIBデータと一緒に表1に示している。

0073

オイル1とオイル2は、同じベースオイル組成を有する。2つの配合物の違いは、使用した添加剤パッケージである。オイル1は、三量体モリブデンジチオカルバメートを使用して配合したのに対し、オイル2は、高量の二量体モリブデンジチオカルバメートを用いて配合している。これらのタイプの配合物は、高レベルの燃料経済性改良度を与えるように設計されている。オイル2には、補充イオウ源を加えて燃料経済性の持続性を高めている。オイル2は、潤滑油中に高量のモリブデンを含むため、特許請求する本発明の1部ではない。

0074

ASTMシーケンスVIB燃料経済性試験結果は、オイル1がフェーズIにおいてオイル2よりも良好に機能し、また持続性燃料経済性データを比較したフェーズIIにおいてはオイル2よりもはるかに良好に機能していることを示している。
表2
ASTMシーケンスIVA試験結果

0075

表2は、ASTMシーケンスIVA低温バルブトレイン磨耗試験における配合変動値の効果を実験した統計的に設定した試験の変動値と結果を示す。

0076

シーケンスIVA試験は、潤滑油が如何に良好な低温バルブトレイン耐磨耗性能を与えるかを測定するように設計されている。カムローブとノーズを試験前後で測定し、その磨耗を磨耗ミクロン数で示す。

0077

オイル2と4は本発明の実施例であり、オイル1と3は比較例である。表2のデータを検証すると、オイル2と4がオイル1と3よりも耐磨耗保護を得るのにはるかに良好であることが示されている。これらのデータは、耐磨耗性能の有意の改良が三量体モリブデンジチオカルバメートを200 ppmのモリブデンで配合物に添加したときに得られていることを示唆している。
表3
ASTMシーケンスIVA試験結果

0078

表3は、ASTMシーケンスIVA低温バルブトレイン磨耗試験におけるSAE5W-30潤滑油の耐磨耗性能に対する種々のタイプのモリブデンジチオカルバメートの効果を試験した実験結果を示す。各配合物は、モリブデンのタイプおよび量を除いてはすべて同一である。

0079

オイル1、2および4は本発明の実施例であり、オイル3は比較例である。4種のオイルは、すべて、全第1級亜鉛ジアルキルジチオホスフェートを用いて配合した。オイル3は、モリブデンを含まず、他のオイルに対して有意の平均カムローブ磨耗(161.06ミクロン)を示している。オイル2と4は、それぞれ、Molyvan 822およびSakuralube 165からのモリブデンを207 ppmと200ppm含有している。両オイルは、優れた合格結果を示しており、各二量体モリブデンジチオカルバメートが優れた耐磨耗性能を得るのに適していることを示唆している。オイル1は、三量体モリブデンジチオカルバメートからの49 ppmのモリブデンを用いて配合している。オイル1も、オイル3の比較例(モリブデン分を除いては同じオイル)に比較して優れた耐磨耗性能を示している。このことは、三量体モリブデンジチオカルバメートから潤滑油に付与される耐磨耗性の利益が約50 ppmのモリブデンで得られることを示唆している。

0080

本発明の幾つかの実施態様を開示し、説明してきたが、これらの実施態様は、当業者にとって明白な数多くの変更が可能であることを明確に理解すべきである。従って、本発明は、上記で開示し、説明した詳細に限定するものではなく、特許請求の範囲内に属するすべての変更および修正を含むものとする。

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