図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2003年12月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

耐腐食性を向上して信頼性の高いMg合金を使用した携帯電話機筐体構造を提供することである。

解決手段

内部にプリント配線板4を収容した携帯電話機2の筐体構造であって、前記プリント配線板にねじ止め固定されたMg合金製筐体8と、該プリント配線板にねじ止め固定され、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケース12と、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され、他端が前記Mg合金製筐体に接続されるように、複数個設けられた第1アースばね16と、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜に接続されるように、複数個設けられた第2アースばね18とを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に電気絶縁性樹脂塗装膜及び金属蒸着膜を有するように構成する。

概要

背景

従来、携帯電話機モバイル機器等の筐体材料には、軽量、高強度、製造性等の観点から、ABS,PC+ABSブレンド材等の熱可塑性成形樹脂が多用されている。

しかし、近年はより軽量化、薄型化、材料リサイクルの環境に対応した携帯電話機筐体の開発要望からMg合金(AZ91D,AZ63A等)が注目され、Mg合金のダイカストモールド法、又はチクソモールド法によって筐体或いは内部シャーシを製造することが多用されている。

Mg合金AZ91Dは、比重が1.78、曲げヤング率が45GPAで、例えば熱可塑性成形樹脂で適用例の多いABSでは、比重が1.1、曲げヤング率が2.4GPAであり、ABSに比較して約20倍の曲げヤング率を有している。

よって、Mg合金を薄型携帯電話機の筐体に適用した場合、曲げ応力による変形量が少なくなるという利点がある。また、Mg合金は樹脂系筐体材料よりも熱伝導率が大きいため、発熱部品放熱に優れるという利点もある。

携帯電話は、良好な通話特性アンテナ受信特性等を得るため、800MHzから数GHz帯高周波信号受信回路発信回路制御回路毎に隔離して処理することが必要なため、電磁波のシールド機能強化が強く要求される。

プリント配線板に形成された受信回路、発信回路、制御回路等の各セグメントは、セグメント毎導電性材料から形成されたシールドケースの取り囲みにより隔離されている。更に、シールドケースはプリント配線板のアース部に接続されている。

シールドケース自体の抵抗値、シールドケースとプリント配線板間接続抵抗値は、小さい程特性がよくなり、且つシールドケースとプリント配線板間の接続点が万遍無く分散している方が、電磁波の漏れがなく通話特性等が向上する。

発明者の経験では、シールドケース自体の表面抵抗値が数Ω以下、シールドケースとプリント配線板間の接続抵抗値も数Ω程度の場合、良好な通話特性が得られることが判明している。

従来、シールドケースを、軽量な熱可塑性成形樹脂筐体内壁面導電性金属メタライズ膜蒸着法又はめっき法等により形成し、一方プリント配線板側には、Auアースばね半田付けして、アースばねを介してシールドケースとプリント配線板間を接続することによって、電磁シールドがなされている。

また、プリント配線板のアースランド樹脂ケースの蒸着面をねじ止めし、更にMg合金製筐体を採用した場合には、プリント配線板のアースランドとMg合金製筐体をねじ止めすりことにより、電磁シールドされている。

概要

耐腐食性を向上して信頼性の高いMg合金を使用した携帯電話機の筐体構造を提供することである。

内部にプリント配線板4を収容した携帯電話機2の筐体構造であって、前記プリント配線板にねじ止め固定されたMg合金製筐体8と、該プリント配線板にねじ止め固定され、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケース12と、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され、他端が前記Mg合金製筐体に接続されるように、複数個設けられた第1アースばね16と、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜に接続されるように、複数個設けられた第2アースばね18とを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に電気絶縁性樹脂塗装膜及び金属蒸着膜を有するように構成する。

目的

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐食性を改善したMg合金製筐体を採用した携帯電話機の筐体構造を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

内部に複数の電子部品実装されたプリント配線板を収容した携帯電話機筐体構造であって、前記プリント配線板の一方の側で該プリント配線板にねじ止め固定されたMg合金製筐体と、前記プリント配線板の他方の側で該プリント配線板にねじ止め固定され、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケースと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記Mg合金製筐体に接続されるように、前記プリント配線板と前記Mg合金製筐体の間に互いに離間して複数個設けられた第1アースばねと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜に接続されるように、前記プリント配線板と前記樹脂ケースの間に互いに離間して複数個設けられた第2アースばねとを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に下地のZn置換めっき膜及びNiめっき膜を有していることを特徴とする携帯電話機の筐体構造。

請求項2

前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜は、下地のCu蒸着膜及びSnAg蒸着膜から構成されることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機の筐体構造。

請求項3

内部に複数の電子部品の実装されたプリント配線板を収容した携帯電話機の筐体構造であって、前記プリント配線板の一方の側で該プリント配線板にねじ止め固定されたMg合金製筐体と、前記プリント配線板の他方の側で該プリント配線板にねじ止め固定され、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケースと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記Mg合金製筐体に接続されるように、前記プリント配線板と前記Mg合金製筐体の間に互いに離間して複数個設けられた第1アースばねと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜に接続されるように、前記プリント配線板と前記樹脂ケースの間に互いに離間して複数個設けられた第2アースばねとを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に電気絶縁性樹脂塗装膜及び金属蒸着膜を有していることを特徴とする携帯電話機の筐体構造。

請求項4

前記金属蒸着膜はCu蒸着膜及びNi蒸着膜から構成されることを特徴とする請求項3記載の携帯電話機の筐体構造。

請求項5

前記金属蒸着膜はNi,Cr,Moを主成分とするハステロイ蒸着膜及びAl蒸着膜から構成されることを特徴とする請求項3記載の携帯電話機の筐体構造。

技術分野

0001

本発明は、軽量・高強度のMg合金筐体の少なくとも一部に使用した携帯電話機筐体構造に関する。

背景技術

0002

従来、携帯電話機、モバイル機器等の筐体材料には、軽量、高強度、製造性等の観点から、ABS,PC+ABSブレンド材等の熱可塑性成形樹脂が多用されている。

0003

しかし、近年はより軽量化、薄型化、材料リサイクルの環境に対応した携帯電話機筐体の開発要望からMg合金(AZ91D,AZ63A等)が注目され、Mg合金のダイカストモールド法、又はチクソモールド法によって筐体或いは内部シャーシを製造することが多用されている。

0004

Mg合金AZ91Dは、比重が1.78、曲げヤング率が45GPAで、例えば熱可塑性成形樹脂で適用例の多いABSでは、比重が1.1、曲げヤング率が2.4GPAであり、ABSに比較して約20倍の曲げヤング率を有している。

0005

よって、Mg合金を薄型携帯電話機の筐体に適用した場合、曲げ応力による変形量が少なくなるという利点がある。また、Mg合金は樹脂系筐体材料よりも熱伝導率が大きいため、発熱部品放熱に優れるという利点もある。

0006

携帯電話は、良好な通話特性アンテナ受信特性等を得るため、800MHzから数GHz帯高周波信号受信回路発信回路制御回路毎に隔離して処理することが必要なため、電磁波のシールド機能強化が強く要求される。

0007

プリント配線板に形成された受信回路、発信回路、制御回路等の各セグメントは、セグメント毎導電性材料から形成されたシールドケースの取り囲みにより隔離されている。更に、シールドケースはプリント配線板のアース部に接続されている。

0008

シールドケース自体の抵抗値、シールドケースとプリント配線板間接続抵抗値は、小さい程特性がよくなり、且つシールドケースとプリント配線板間の接続点が万遍無く分散している方が、電磁波の漏れがなく通話特性等が向上する。

0009

発明者の経験では、シールドケース自体の表面抵抗値が数Ω以下、シールドケースとプリント配線板間の接続抵抗値も数Ω程度の場合、良好な通話特性が得られることが判明している。

0010

従来、シールドケースを、軽量な熱可塑性成形樹脂筐体内壁面導電性金属メタライズ膜蒸着法又はめっき法等により形成し、一方プリント配線板側には、Auアースばね半田付けして、アースばねを介してシールドケースとプリント配線板間を接続することによって、電磁シールドがなされている。

0011

また、プリント配線板のアースランド樹脂ケースの蒸着面をねじ止めし、更にMg合金製筐体を採用した場合には、プリント配線板のアースランドとMg合金製筐体をねじ止めすりことにより、電磁シールドされている。

発明が解決しようとする課題

0012

しかし、Mg合金を携帯電話機の筐体材料に使用する場合、以下の配慮が必要である。

0013

(1)Mg合金は酸化腐食が激しいため、表面にクロメート化成処理クロム化成処理)をした後、塗装を施して使用されている。しかし、クロメート化成処理は有毒性があるため、環境保全に問題がある。

0014

また、携帯電話機のプリント配線板は、テンキー等との接続特性の関係上、Au表面処理プリント配線板が多用されており、MgとAuの標準電極電位がそれぞれ−2.363V,+1.5Vであるため、局部電池作用が働き、特に電食腐食に注意が必要である。

0015

(2)Mg成形品は、一般的に成形時における金型からの離型性を良くするために離型材を型に塗布して成形されている。また、バリの発生が避けられず、且つ成形痕跡が非常に多く残り、そのまま塗装すると外観的(特に製品の表面に現れる場合)に問題がある。

0016

そのため、ブラシをかけ、クリーム状樹脂のパテ埋めを行い欠陥を隠した後塗装しているので、製造コストは非常に高くなり、且つ大量生産性欠けるため調達性に課題がある。この弊害を回避する方法として、Mg成形品を外部に現れない部分、例えば内部シャーシとして使用する場合がある。

0017

(3)Mg合金製の筐体をシールド機構として使用する場合は、Mg合金の電導性を活かし、且つ防食のため、クロメート化成処理をしたMg合金のリブ等にアースばねを差し込んで、アースばねをプリント配線板と接続してアースを採っているが、アースばねの差込工数が多く、コストが大である。また、クロメート化成処理膜は柔らかいため、アースばねによる傷が入りやすく、腐食が進行するので耐腐食性に問題がある。

0018

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐食性を改善したMg合金製筐体を採用した携帯電話機の筐体構造を提供することである。

課題を解決するための手段

0019

本発明の一側面によると、内部に複数の電子部品実装されたプリント配線板を収容した携帯電話機の筐体構造であって、前記プリント配線板の一方の側で該プリント配線板にねじ止め固定されたMg合金製筐体と、前記プリント配線板の他方の側で該プリント配線板にねじ止め固定され、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケースと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記Mg合金製筐体に接続されるように、前記プリント配線板と前記Mg合金製筐体の間に互いに離間して複数個設けられた第1アースばねと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜に接続されるように、前記プリント配線板と前記樹脂ケースの間に互いに離間して複数個設けられた第2アースばねとを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に下地のZn置換めっき膜及びNiめっき膜を有していることを特徴とする携帯電話機の筐体構造が提供される。

0020

好ましくは、樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜は、下地のCu蒸着膜及びSnAg蒸着膜から構成される。

0021

本発明の他の側面によると、内部に複数の電子部品の実装されたプリント配線板を収容した携帯電話機の筐体構造であって、前記プリント配線板の一方の側で該プリント配線板にねじ止め固定されたMg合金製筐体と、前記プリント配線板の他方の側で該プリント配線板にねじ止め固定され、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケースと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記Mg合金製筐体に接続されるように、前記プリント配線板と前記Mg合金製筐体の間に互いに離間して複数個設けられた第1アースばねと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜に接続されるように、前記プリント配線板と前記樹脂ケースの間に互いに離間して複数個設けられた第2アースばねとを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に電気絶縁性樹脂塗装膜及び金属蒸着膜を有していることを特徴とする携帯電話機の筐体構造が提供される。

0022

好ましくは、金属蒸着膜はCu蒸着膜及びNi蒸着膜から構成される。更に好ましくは、金属蒸着膜はNi,Cr,Moを主成分とするハステロイ蒸着膜及びAl蒸着膜から構成される。

0023

好ましくは、第1アースばねとMg合金製筐体の接触部及びねじ固定部を除き、Mg合金製筐体表面絶縁樹脂コーティングされている。

0024

Mg合金製筐体と樹脂ケースは直接ねじ締結されており、ねじ締結部においてMg合金製筐体と樹脂ケースのメタライズ膜との間に金属ワッシャーを介して、Mg合金製筐体と樹脂ケースが締結されている。

0025

好ましくは、金属蒸着膜形成の前処理工程として、Mg合金製筐体の全面に例えば過マンガン酸カリウム系のノンクロメート化成処理を施した後、電気絶縁性樹脂の塗装を行う。

0026

本発明の変形例として、アースばねに代えてプリント配線板上に形成した導電性樹脂突起で電磁シールドを達成するようにしてもよい。

発明を実施するための最良の形態

0027

図1を参照すると、本発明第1実施形態にかかる携帯電話機2の概略断面図が示されている。携帯電話機2のプリント配線板(回路基板)4上には複数の電子部品6が実装されている。

0028

特に図示しないが、プリント配線板4上に実装された電子部品6により受信回路、発信回路、制御回路が形成され、これらの回路セグメントはMg合金製筐体8のリブ(図示せず)及び樹脂ケース12のリブ(図示せず)により隔離されている。

0029

Mg合金製筐体8にはボス10が形成され、樹脂ケース12にはボス14が形成されている。これらのボス10,14でプリント配線板4を挟みこみ、Mg合金製筐体8及び樹脂ケース12はボス部10,14でプリント配線板4にねじ締結されている。更に、特に図示しないが、Mg合金製筐体8と樹脂ケース12とは複数箇所で直接ねじ締結されている。

0030

図2及び図3に最もよく示されるように、Mg合金製筐体8のリブ20にアースばね16が装着され、アースばね16の先端はプリント配線板4に形成された導体パターン(アースランド)5に接続されている。

0031

同様に、アースばね18も樹脂ケース12に形成されたリブ(図示せず)に装着され、アースばね18の先端はプリント配線板4の導体パターンに接続されている。樹脂ケース12の内面及びリブ部分には金属の蒸着膜等が形成されている。

0032

締結ねじ、アースばね16,18を介してプリント配線板4の導体パターンとMg合金製筐体8及び樹脂ケース12の金属蒸着膜が接続され、更に図示しないリブにより受信回路、発信回路、制御回路が隔離されることにより、電磁シールドを達成している。

0033

以下、具合的な実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。

0034

実施例1
Mg合金(AZ91D)によるダイカスト成形により、図1に示したMg合金製筐体8を作成し、ブラスト研磨をした筐体とブラスト研磨をしない筐体に下地としてのZn置換めっきを0.1μmし、その上に約10μm厚のNi無電解めっきをした後、めっき品の表面外観検査セロテープ密着性試験及び表面導体抵抗変化調査した。

0035

図4にめっきの基本工程を示す。まず、図4(A)に示すMg合金22を(B)に示すように、その表面層スキン層)24をブラスト研磨等により研磨し、その後図4(C)に示すようにめっき膜26を形成する。

0036

(1)表面外観検査結果
ブラスト研磨の有無による表面外観検査結果を表1に示す。

0037

0038

表1より明らかなように、ブラスト研磨を実施するとNi無電解めっき後ふくれが大幅に減少することが分かる。

0039

(2)セロテープ密着性
Ni無電解めっきをしたMg合金製筐体を65℃/85%RH(相対湿度)の恒温槽中に500時間載置した後、表面にセロテープ(ニチバン製CT−405)を貼り、垂直方向にセロテープを引っ張ってめっきの剥離状況カウントした。

0040

表1から明らかなように、ブラスト研磨のないサンプルでは、セロテープにNi無電解めっき被膜が付着してめっきが剥離し、ブラスト研磨をした製品の効果が大きいことが分かる。

0041

(3)表面導体抵抗変化
表1と同様に作成したサンプルを各10個選択し、65℃/85%RHの恒温槽に入れ、耐食信頼性を調べた、その結果を表2に示す。

0042

0043

表2より、ブラスト研磨を実施したサンプルはふくれがないため、65℃/85%RHの恒温槽中に500時間保持した後の抵抗値がほぼ初期値を維持しているのに、ブラスト研磨なしのサンプルは抵抗値が大幅に増加している。これより、ブラスト研磨の有効性が確認された。

0044

樹脂ケース12内面のメタライズ膜8(蒸着膜)は下地としてのCu蒸着膜及びSn/3.5Ag蒸着膜から構成される。

0045

ブラスト研磨法による研磨は、Mg合金製筐体のスキン層を0.05μm以上研磨するのが好ましい。ブラスト研磨法に代わり、バレル研磨法ホーニング研磨法、バフ研磨法等の他の機械研磨法を採用することもできる。

0046

また、Mg合金製筐体8に形成するめっき膜は、Ni,Cu,Zn,Sn,Cr,Ag,Au,Pd,W、又はMoの無電解めっき名膜又は電解めっき膜でもよい。

0047

Mg合金製筐体の表面層(スキン層)には、Mg合金用離型材(有機界面活性剤、Si系活性剤SF6活性材等)やMg合金形成の偏析部分が表面層に数μmの深さで残留している。

0048

そこで、そのままNiめっきするとふくれ、湯しわ転写、しみ等が多量に発生する。そのため、Mg合金製筐体をブラスト研磨を行い、表面層を0.05μm以上削りとった後、Zn置換めっき及びNiめっきをすれば良いめっき品質が得られることを本実施例により確認した。

0049

本処理方法による利点は以下の通りである。

0050

(a)腐食しやすいMg合金製筐体表面へ導電性を有する硬質シールド膜を形成でき、耐腐食性、摺動性の高い電磁シールド膜を得ることができる。

0051

(b)ふくれのない良質なNiめっき膜は、耐摺動性及び耐磨耗性があるため、折り畳み構造のMg合金製ヒンジ部に適用すると特に効果がある。

0052

(c)表面実装技術SMT)を利用してプリント配線板上にアースばねをリフロー実装できるため、アースばねを一つずつMg合金製筐体のリブに差し込む工程を省略することができ、工数削減が可能となる。

0053

実施例2
Mg合金(AZ91D)によるダイカスト成形法により、図1に示すMg合金製筐体8を作成し、筐体上に電気絶縁性樹脂を約5μm塗装した後、その上にCuを約0.5μm、更にNiを約1μm蒸着した。

0054

金属蒸着膜形成の基本工程を図5に示す。図5(A)に示すMg合金22に(B)に示すようにノンクロメート化成処理28を行う。次いで、(C)に示すように、電着塗装等により絶縁塗料30を塗布した後、(D)に示すように金属蒸着膜32を形成する。

0055

実施例1と同様に耐食性を調査した結果を表3に示す。

0056

0057

表3より、蒸着の場合はめっきに比較してブラスト研磨有無が抵抗値に与える影響は小さいが、ブラスト研磨有りの場合の方が500時間後に低抵抗値を維持しているのが分かる。

0058

実施例1のめっき品と重量増加量について比較調査した。表面積約40×70mm,0.5mm厚の板ばねの両面にNiめっきを10μmしたものと本実施例の蒸着品とを比較したところ、重量増加量の差異が約1.2gあり、本実施例の蒸着品が軽量化されていることが判明した。

0059

上述したCu蒸着膜及びNi蒸着膜に代わり、Ni,Cr,Moを主成分とするハステロイ蒸着膜及びAl蒸着膜を形成した場合には、より耐食性の向上を図ることができる。

0060

ハステロイC−22は、重量%で、Ni56.6,Cr21.5,Co2.5,Mo13.5,W4.0,Fe5.5,Mn1.0,Si0.1,C0.01,V0.3からなるNi基超耐熱合金である。ハステロイ蒸着膜の厚さは約0.8μm,Al蒸着膜の厚さは約0.8μmであるのが好ましい。

0061

蒸着膜形成物質としては、Al,Cu,Sn,Ag,Ni,Au,W,Cr,Zn,Ti,C、ステンレス鋼の単独、若しくはこれらの複合物質を採用することができる。

0062

実施例3
Mg合金の耐食性を改善するためには、化成処理をすると効果が大きい。一般的にはクロメート化成液処理法があるが、主成分が重クロム酸系化成液であるため、公害問題が発生する恐れがある。

0063

そこで、本実施例ではノンクロメート化成処理法を選択した。Mg合金の全面に例えば過マンガン酸カリウム系のノンクロメート化成処理を行い、次に片面に実施例2の絶縁性樹脂の電着塗装を約10μm行い、その上にCuを約1μm、Niを約1μm蒸着した。

0064

本実施例によると、筐体の軽量化、環境対応化を図れるとともに、Mg合金を内部シャーシして使用する場合、金属蒸着面を基板アースばねと接触する面に使い、化成処理面を樹脂ケース側に向けるようにする。

0065

アースばねとMg合金製筐体の接触部及びねじ固定部を除き、Mg合金製筐体表面にコンフォーマル絶縁樹脂がコーティングされていることが望ましい。

0066

実施例4
図6に示すように、Mg合金製筐体8の全面に例えば過マンガン酸カリウム系のノンクロメート化成処理を行った。36は化成処理面である。一方、樹脂ケース12の内面には、Cuを約1μm、Sn/3.5Agを約1μm蒸着した。42は蒸着面である。

0067

Mg合金製筐体8はねじ穴38を有しており、樹脂ケース12は穴41の形成されたボス部40を有している。Mg合金製筐体8と樹脂ケース12をねじ46で固定するとき、中間にCu製スペーサワッシャー)44(内径0.5mm、厚み0.05μm)を入れて行った。

0068

スペーサ44として、Cuに代わり、Ni,Zn、又はステンレス鋼(SUS)、又はこれらの合金材料を使用することもできる。

0069

このように、中間に金属スペーサ44を介装して、Mg合金製筐体8と樹脂ケース12をねじ締結すると、樹脂ケース12側の蒸着膜42がMg合金製筐体8側に転写剥離する現象を防止でき、電磁シールドの接続信頼性が向上する。

0070

蒸着膜42の転写の原因は、Mg合金製筐体8はその表面が粗であり、ABS樹脂から形成された樹脂ケース12は柔らかいため、ABS樹脂表面の蒸着膜42が剥がれるものと推定される。

0071

本実施例では、Mg合金製筐体8表面に施す化成処理が、従来のクロメート(重クロム酸系)に代わる過マンガン酸カリウム系のノンクロメート化成処理であるため、公害環境を改善することができる。

0072

同様に、Mg合金製筐体に各種蒸着膜を形成し、Mg合金製筐体と金パターンを有するプリント配線板をねじ止めしたサンプルを作成し、このサンプルを温度65℃、湿度85%の高温高湿加速試験を行い、500時間後における接続抵抗値変化を測定した。測定結果を表4に示す。

0073

0074

表4から、Mg合金製筐体のノンクロート処理又は筐体表面に絶縁樹脂を塗布した後に金属膜を蒸着した場合にも、従来のクロメート処理と同程度の接続抵抗値変化を維持できることが判明した。本実施形態では、環境にやさしいノンクロメート処理又は絶縁樹脂の塗布を行っているので、低い接続抵抗値を維持できることは重要である。

0075

実施例5
図1に示したアースばね18の代わりに導電性シリコーンエラストマからなる突起を採用した実施形態を図7に示す。携帯電話機2´のMg合金製筐体8はねじ締結ボス部10,48とリブ50を有している。一方、樹脂ケース12はねじ締結ボス部14,52と、表面に金属蒸着膜を有するリブ54を有している。

0076

プリント配線板4の導電パターン上には、導電性シリコーンエラストマ(ゴム状のAg粒子添加導電性シリコーン)からなる突起56,58が形成されている。

0077

導電性樹脂突起56をMg合金製筐体8のボス部48と樹脂ケース12のボス部52に当接させ、導電性樹脂突起58をMg合金製筐体8のリブ50と樹脂ケース12のリブ54に当接させて、Mg合金製筐体8と樹脂ケース12をねじ締結するこにより、図1に示した実施形態と同様な電磁シールドを達成することができる。

0078

実施例6
図1に示したMg合金製筐体8の内周面に、アースばね16の当接部及びねじ締結部を除き、シリコーン樹脂ウレタン樹脂系のコンフォーマル樹脂を塗布し、Mg合金の耐湿信頼性を向上させた。プリント配線板4も含めてこれらの樹脂を塗布すると、プリント配線板4の耐湿信頼性も向上できる。

0079

実施例7
図2及び図3に示したアースばね16をノンクロメート化成処理されたMg合金製筐体8のリブ20に挟みこみ、そのままアースばね16を含めてMg合金製筐体8表面に金属蒸着をすると、アースばね16の貴金属めっきが不用となる。一般的にアースばねは、りん青銅板にNi+Auめっきがされている。

0080

実施例8
ABS樹脂を用いて図8に示すリブ60を有するシールドケースを成形する。図8(A)に示すように、リブ60はその先端にそれぞれ穴60を有する複数の部62を有している。

0081

図8(B)に示すように、ばね特性をもたせるために各耳部62を切削加工にて約半分に切断し、金属めっき又は蒸着を施してシールドケースのリブ60と一体型シールばね64を作成する。

0082

このように、リブ60と一体型のシールばね64を用いた場合にも、図1に示したアースばね18と同様な機能を達成することができる。

0083

本発明は以下の付記を含むものである。

0084

(付記1) 内部に複数の電子部品の実装されたプリント配線板を収容した携帯電話機の筐体構造であって、前記プリント配線板の一方の側で該プリント配線板にねじ止め固定されたMg合金製筐体と、前記プリント配線板の他方の側で該プリント配線板にねじ止め固定され、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケースと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記Mg合金製筐体に接続されるように、前記プリント配線板と前記Mg合金製筐体の間に互いに離間して複数個設けられた第1アースばねと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜に接続されるように、前記プリント配線板と前記樹脂ケースの間に互いに離間して複数個設けられた第2アースばねとを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に下地のZn置換めっき膜及びNiめっき膜を有していることを特徴とする携帯電話機の筐体構造。

0085

(付記2) 前記Mg合金製筐体はリブを有しており、前記第1アースばねは該リブに装着されていることを特徴とする付記1記載の携帯電話機の筐体構造。

0086

(付記3) 前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜は、下地のCu蒸着膜及びSnAg蒸着膜から構成されることを特徴とする付記1記載の携帯電話機の筐体構造。

0087

(付記4) 付記1記載の携帯電話機の筐体構造におけるめっき膜形成前処理方法において、Mg合金製筐体のスキン層を機械研磨法により0.05μm以上研磨することを特徴とする前処理方法。

0088

(付記5) 内部に複数の電子部品の実装されたプリント配線板を収容した携帯電話機の筐体構造であって、前記プリント配線板の一方の側で該プリント配線板にねじ止め固定されたMg合金製筐体と、前記プリント配線板の他方の側で該プリント配線板にねじ止め固定され、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケースと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記Mg合金製筐体に接続されるように、前記プリント配線板と前記Mg合金製筐体の間に互いに離間して複数個設けられた第1アースばねと、一端が前記プリント配線板のアースパターンに接続され他端が前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜に接続されるように、前記プリント配線板と前記樹脂ケースの間に互いに離間して複数個設けられた第2アースばねとを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に電気絶縁性樹脂塗装膜及び金属蒸着膜を有していることを特徴とする携帯電話機の筐体構造。

0089

(付記6) 前記金属蒸着膜はCu蒸着膜及びNi蒸着膜から構成されることを特徴とする付記5記載の携帯電話機の筐体構造。

0090

(付記7) 前記金属蒸着膜はNi,Cr,Moを主成分とするハステロイ蒸着膜及びAl蒸着膜から構成されることを特徴とする付記5記載の携帯電話機の筐体構造。

0091

(付記8) 前記金属蒸着膜はCu蒸着膜及びSnAg蒸着膜から構成されることを特徴とする付記5記載の携帯電話機の筐体構造。

0092

(付記9) 前記樹脂ケース内面に形成されたメタライズ膜はCu蒸着膜及びSnAg蒸着膜から構成されることを特徴とする付記5記載の携帯電話機の筐体構造。

0093

(付記10) 前記第1アースばねと前記Mg合金製筐体の接触部及びねじ固定部を除き、前記Mg合金製筐体表面に絶縁樹脂がコーティングされていることを特徴とする付記5記載の携帯電話機の筐体構造。

0094

(付記11) 前記Mg合金製筐体はリブを有しており、前記第1アースばねは該リブに装着されていることを特徴とする付記5記載の携帯電話機の筐体構造。

0095

(付記12) 前記Mg合金製筐体と前記樹脂ケースは直接ねじ締結されており、該ねじ締結部において前記Mg合金製筐体と前記樹脂ケースの前記メタライズ膜との間に金属ワッシャーを介して前記Mg合金製筐体と前記樹脂ケースがねじ締結されていることを特徴とする付記5記載の携帯電話機の筐体構造。

0096

(付記13) 前記金属スペーサはステンレス鋼又はCu,Ni,Zn及びこれらの合金から成る群から選択される物質から形成されることを特徴とする付記12記載の携帯電話機の筐体構造。

0097

(付記14) 付記5記載の携帯電話機の筐体構造における金属蒸着膜形成の前処理方法において、前記Mg合金製筐体の全面に過マンガン酸カリウム系のノンクロメート化成処理を施した後、前記電気絶縁性樹脂の塗装を行うことを特徴とする金属蒸着膜形成の前処理方法。

0098

(付記15) 内部に複数の電子部品の実装をされたプリント配線板を収容した携帯電話機の筐体構造であって、前記プリント配線板の一方の側で該プリント配線板にネジ止め固定され、第1のリブを有するMg合金製筐体と、前記プリント配線板の他方の側で該プリント配線板にネジ止め固定され、一体成形された第2のリブを有し、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケースと、先端が前記第1のリブに当接するように前記プリント配線板のアースパターン上に形成された第1の導電性樹脂突起と、先端が前記第2のリブに当接するように前記プリント配線板のアースパターン上に形成された第2の導電性樹脂突起とを具備し、前記Mg合金製筐体はその表面に下地のZn置換めっき膜及びNiめっき膜を有していることを特徴とする携帯電話機の筐体構造。

0099

(付記16) 内部に複数の電子部品の実装をされたプリント配線板を収容した携帯電話機の筐体構造であって、前記プリント配線板の一方の側で該プリント配線板にネジ止め固定され、第1のリブを有するMg合金製筐体と、前記プリント配線板の他方の側で該プリント配線板にネジ止め固定され、一体定型された第2のリブを有し、前記Mg合金製筐体と協働して前記プリント配線板を内部に収容する樹脂ケースと、先端が前記第1のリブに当接するように前記プリント配線板のアースパターン上に形成された第1の導電性樹脂突起と、先端が前記第2のリブに当接するように前記プリント配線板のアースパターン上に形成された第2の導電性樹脂突起とを具備し、前記Mg合金製筐体は電気絶縁性樹脂塗装膜及び該電気絶縁性樹脂塗装膜上の金属蒸着膜を有していることを特徴とする携帯電話機の筐体構造。

発明の効果

0100

以上詳述したように本発明によると、Mg合金製筐体の耐腐食性を向上させるとともに、十分な電磁シールド特性及びプリント配線板との接続信頼性を確保づることのできる携帯電話機の筐体構造を提供することができる。

図面の簡単な説明

0101

図1本発明第1実施形態の概略断面図である。
図2アースばねの装着構造側面図である。
図3図2のIII−III線断面図である。
図4めっきの基本工程を示す図である。
図5金属蒸着の基本工程を示す図である。
図6Mg合金製筐体と樹脂ケースのねじ締結を示す断面図である。
図7本発明第2実施形態の概略断面図である。
図8アースばね一体化製造方法の説明図である。

--

0102

4プリント配線板
6電子部品
8Mg合金製筐体
12樹脂ケース
16,18アースばね
20リブ
44金属スペーサ
56,58導電性樹脂突起

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 佛山市拓▲きん▼包装有限公司の「 マルチアングル携帯電話ホルダー」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明はマルチアングル携帯電話ホルダーを開示した。【解決手段】本体を含み、前記本体の上側にはパレットが回転できるように設けられ、前記本体の下側には台座が設けられ、前記本体の下端面の左端が前記台... 詳細

  • 済寧延貝塑膠有限公司の「 固定できるスマホホルダー」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は固定できるスマホホルダーを開示した。【解決手段】ホルダーを含み、前記ホルダーの中には昇降溝が設置され、前記昇降溝の中には昇降ブロックがスライドできるように設置され、前記昇降ブロックの上... 詳細

  • 广州芸鳴電容器有限公司の「 支持機能を有するスマホケース」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は支持機能を有するスマホケースを開示した。【解決手段】スマホケースを含み、前記スマホケースの中には緩衝機構が設置されており、前記緩衝機構は台形ブロックと、短い溝と、中空ブロックと、スマホ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ