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技術 ファイバ光学増幅器システムおよび光信号の増幅方法

出願人 ボードオブトラスティーズオブザレランドスタンフォードジュニアユニバーシティ
発明者 ハーバート・ジョン・ショウミシェル・ジェイ・エフ・ディゴネ
出願日 1984年11月20日 (35年7ヶ月経過) 出願番号 2003-169628
公開日 2003年12月5日 (16年6ヶ月経過) 公開番号 2003-347634
状態 未査定
技術分野 レーザ(2) レーザ(2) 混合、分岐導波路
主要キーワード 非対称状態 出力設備 規定状態 臨界ゾーン 反転比 組合せステップ ファイバストランド 光ファイバポート
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図面 (14)

課題

構造を高度に簡潔化したファイバ光学増幅器ステムを提供する。

解決手段

ファイバ光学増幅器システムは、レージングファイバと、レージングファイバをポンピングするポンプ光源と、波長に依存した結合効率を有する光結合器とを備える。光結合器は増幅されるべき信号を伝送する信号用光ファイバポートと、ポンプ光を伝送するポンプ光用光ファイバポートと、信号・ポンプ光兼用光ファイバポートとを含む。信号・ポンプ光兼用光ファイバポートはレージングファイバの一端に光学的に結合されており、増幅されるべき信号を光結合器とレージングファイバとの間で伝送させる一方で、レージングファイバ中のレージング物質にポンプ光を伝送させてレージング物質中で反転分布を起こさせる。これにより、信号がレージングファイバを通過するときに誘導輻射により増幅される。

概要

背景

概要

構造を高度に簡潔化したファイバ光学増幅器ステムを提供する。

ファイバ光学増幅器システムは、レージングファイバと、レージングファイバをポンピングするポンプ光源と、波長に依存した結合効率を有する光結合器とを備える。光結合器は増幅されるべき信号を伝送する信号用光ファイバポートと、ポンプ光を伝送するポンプ光用光ファイバポートと、信号・ポンプ光兼用光ファイバポートとを含む。信号・ポンプ光兼用光ファイバポートはレージングファイバの一端に光学的に結合されており、増幅されるべき信号を光結合器とレージングファイバとの間で伝送させる一方で、レージングファイバ中のレージング物質にポンプ光を伝送させてレージング物質中で反転分布を起こさせる。これにより、信号がレージングファイバを通過するときに誘導輻射により増幅される。

目的

効果

実績

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請求項1

信号源からの信号を増幅するファイバ光学増幅器ステムであって、増幅されるべき信号の周波数レーザ遷移を生じるレージング物質がドープされた物質であるレージングファイバを備え、前記レージングファイバはその端部で前記信号を受け取り、前記信号源からの前記信号は、前記レージング物質のレーザ発振周波数と実質的に同一の波長を有し、前記ドープされた物質の一端に、前記信号の波長と異なる波長を有するポンプ光を入力して、前記レージング物質をポンピングしかつ前記ドープされた物質中に反転分布を起こさせる入力手段をさらに備え、これにより前記信号が前記ドープされた物質を通過するときに誘導輻射により増幅される、ファイバ光学増幅器システム。

請求項2

記入力手段は、前記信号の波長と前記ポンプ光の波長とで有意に相違する、波長に依存した結合効率を有する光結合器を含む、請求項1に記載のファイバ光学増幅器システム。

請求項3

前記光結合器は、前記信号を伝送する信号用光ファイバポートと、前記ポンプ光を伝送するポンプ光用光ファイバポートと、前記信号および前記ポンプ光の両者を伝送する信号・ポンプ光兼用光ファイバポートとを含み、前記信号・ポンプ光兼用光ファイバポートは、前記信号および前記ポンプ光が前記ドープされた物質の前記一端に入力されるよう前記レージングファイバの一端に光学的に結合される、請求項2に記載のファイバ光学増幅器システム。

請求項4

前記入力手段は、前記ポンプ光を与えるポンプ光源と、前記信号源と、前記レージングファイバの前記一端と、前記光結合器のそれぞれのポートとを光学的に結合する光ファイバをさらに含む、請求項3に記載のファイバ光学増幅器システム。

請求項5

前記光ファイバの各々は単一モードの光ファイバを含む、請求項4に記載のファイバ光学増幅器システム。

請求項6

前記レージングファイバは前記単一モードの光ファイバの直径とほぼ同等の直径を有する、請求項5に記載のファイバ光学増幅器システム。

請求項7

前記レージングファイバは前記ポンプ光の波長における前記レージング物質の吸収長より小さい直径を有する、請求項1に記載のファイバ光学増幅器システム。

請求項8

信号源からの信号を増幅する方法であって、増幅されるべき信号の周波数でレーザ遷移を生じるレージング物質がドープされた物質であるレージングファイバを与えるステップを備え、前記レージングファイバはその端部で前記信号を受け取り、前記信号源からの前記信号は、前記レージング物質のレーザ発振周波数と実質的に同一の波長を有し、前記ドープされた物質の一端に、前記信号の波長と異なる波長を有するポンプ光を入力して、前記レージング物質をポンピングしかつ前記ドープされた物質中に反転分布を起こさせ、これにより前記信号が前記ドープされた物質を通過するときに誘導輻射により増幅されるようにするステップをさらに備える、方法。

背景技術

0001

或る物質の特に巨視的なレベルでの能力に基づく光学増幅器概念はよく知られている。すなわち、たとえば、ポンピング用光源と、直径数ミリメートル,長さ数センチメートルのネオジウムイットリウムアルミニウムガーネット(ND:YAG)単結晶ロッド円筒形反射性空洞に置くことが知られている。たとえば、光源とND:YAGロッドとがそれぞれ楕円形の断面を有する空洞の2つの焦点に沿って延びるように配置される。このような配置において、光源から放射され、かつ空洞壁で反射された光はND:YAGロッドに侵入するだろう。光源は好ましくは、ND:YAG結晶吸収スペクトルに対応する波長の光を放射し、それによって、結晶中のネオジウムイオンが上位のレーザ準位以上のエネルギ準位反転されるように選択される。反転後のネオジウムイオンのフォノン放出による初期緩和により、上位のレーザ準位にイオンが分布する。この準位から、イオンはND:YAG物質特有の波長の光を放射しながら、下位のレーザ準位に緩和する。都合の良いことに、下位のレーザ準位はこのイオンの基底状態より上にあるので、急速なフォノン放出緩和が下位のレーザ準位と基底状態との間で生じ、ポンピングされたイオンによって上と下のレーザ準位の間の高い反転比ができる。

0002

レーザ技術でよく知られているように、分布がこのように反転しているなら、ND:YAGは非常に緩かな螢光、すなわち、コヒーレントでない光のランダムな放射を行なう。この自然輻射は、しかしながら、増幅用ロッドに対し極めて小さな効果しか与えない。なぜなら、反転状態におけるイオンの平均寿命は、ND:YAGでは230マイクロ秒であるからである。

0003

もし、ND:YAGロッド中のネオジウムイオンのいくつかが反転された後、レーザ周波数を持つ光信号がロッド中を転送されたなら、光信号はネオジウムイオンの緩和のトリガとなり、誘導輻射によるコヒーレントな放出を生じさせる。これが転送される信号に付加されて、この信号を増幅する。

0004

ND:YAG結晶中のポンピング・イルミネーションの吸収長(すなわち、イルミネーションの約65%が吸収されるまでにイルミネーションが横切らなければならない物質の長さ)は典型的には、2〜3ミリメートルの範囲内にある。したがって、前述のような横方向ポンピング構造において用いられるND:YAG結晶は、少なくともこの大きさの直径を持っており、結晶は空洞壁からの初期反射の間および結晶中を通過する間にポンピング輻射のかなりの部分を吸収することができる。もし、結晶中のこの初期横断の間にポンピング・イルミネーションが吸収されないならば、それは、空洞壁により光源へと反射され、そこで再吸収されて光源に熱を発生させ、増幅器の全体の効率を低下させることになるだろう。

0005

ファイバ光学システムにおいて、このような増幅器が用いられた場合、光ファイバの直径とND:YAG結晶の直径とに大きな相違があるので、レンズのような光学部品を用いて光ファイバからの光をND:YAGロッドへ集中させ、かつND:YAGロッドからの増幅された光信号を別のファイバへ集中させることが必要であると考えられていた。このような光学系は注意深い配列を必要とし、かつ振動熱効果のような環境の変化に対し敏感でなければならない。さらに加えて、光学部品やND:YAGロッドの大きさが、増幅システムを相対的に大きくし、したがって、ある種の応用に対しては非現実的となる。さらに、ND:YAGロッドが相対的に大きいことは、熱効果に起因するロッド内ビーム拡散を生じさせる。この結果、入力ファイバ光学素子からの信号が、ロッド内の異なる通路横切り、温度に関連した特性は時間とともに変化して、この結果、ファイバは小さな受容角度内の光のみを受入れるという事実により出力光は失われる。このようにして、ND:YAGロッド内のビームは拡散し、出力信号制御不可能な変化をする。さらに、ND:YAGロッドが大きいことにより、ロッド中の高エネルギ密度を維持するために大量の入力エネルギが必要になる。このような大きなポンプパワー高出力光源を必要とし、典型的には、空洞の液体冷却により浪費される多量の熱を発生する。一方、この種の増幅器は、たとえば通信分野などのような多くの分野において有用であるが、増幅システムに対し厳しい限定をもたらす用法は、再循環式ファイバ光学ジャイロスコープである。このようなジャイロスコープにおいては、典型的には1キロメートルあるいはそれ以上の長さの光ファイバはループ状に巻かれ、光信号はループ内を双方向に再循環する。ループの運動によりジャイロスコープの回転を測定するために用いられる、互いに反対方向に伝播する光信号の間に位相差が生じる。1つの回転で誘起される位相のずれが比較的小さく、かつ回転に関する周期的な出力が得られるので、入力光をできるだけ多くループ内を再循環させるのが都合が良い。1キロメートルの光ファイバを通過するときに、光信号は典型的にはその強度の30ないし50%を失う。仮に、双方向的に互いに反対の方向に伝播する光信号を増幅することができる増幅器が、ループと直列に配列され、かつ伝搬損失に等しい利得を与えることができるなら、光信号はループ内を何度も伝搬することができるであろう。

0006

不幸にも、相対的に大きな形状,相対的な非能率による生ずる高出力設備ビーム拡散効果および先行技術のND:YAGロッド増幅器の冷却設備などは、これらの増幅器を高精度のジャイロスコープに用いることに対し相対的に非現実的なものとしている。これらの要因は、もちろん、このような増幅器の他の分野、たとえば通信網分野などにおける使用に対する制限となる。

発明の概要

0007

結晶ロッド増幅器に付随する欠点は、この発明において軽減される。特に、この発明は、レーザ発振する物質がドープされた結晶ファイバと、前記レーザ発振物質のレーザ周波数を有する信号源と、前記レーザ発振物質をポンピングするポンプ光源と、前記結晶性ファイバに結合される光ファイバ端と、前記信号と前記ポンプ光とを前記光ファイバへ結合させる手段とを備えるファイバ光学増幅器ステムである。

0008

好ましくは、結合手段は、光結合器、さらに特定的には、単一モード光結合器を備える。光結合器は好ましくは、エバセントフィールド結合を用い、信号とポンプ光とに対し異なる結合係数を与える。好ましくは、光結合器は、波長に依存する結合効率を有し、そこにおいて信号とポンプ光とは異なる波長を有するので、信号とポンプ光とに対し異なる結合効率を与える。

0009

好ましくは、結晶ファイバにドープする物質は、前記物質がポンプ光によりポンピングされた時、信号の周波数でレーザ遷移を行なう。さらに、信号とポンプ光とは、好ましくは、第1および第2の入力光ファイバによりそれぞれ伝送され、ファイバ光結合器は第1および第2の入力用光ファイバ並列させて、相互作用領域を与える。この相互作用領域は、信号とポンプ光とのうち一方の波長においてファイバの結合長偶数倍であり、かつ信号とポンプ光とのうち他方の波長においてファイバの結合長の奇数倍である有効結合長を有する。

0010

好ましくは、光ファイバは、ポンプ光波長での結晶材料の吸収長より小さい直径を有する。

0011

この発明はさらに、光ファイバによって伝送される光信号を適用する方法を含む。この方法は、光信号とポンピング・イルミネーションとを単一の光ファイバで組合せるステップと、単一の光ファイバとポンピング・イルミネーションによりポンピングされたとき、光信号の周波数で誘導輻射を放出する物質でドープされた結晶ファイバとを結合させる端部とを含む。好ましくは、組合せステップは、波長に依存しない結合効率をもつ光結合器内での光信号とポンピング・イルミネーションとの増倍(multiplexing)するステップを備える。

0012

この発明は、端部がND:YAG物質をポンピングすることを許容する。したがって、サイド・ポンピング配置においては不可欠なこの結晶に対する大きな直径という必要条件を完全に避けることができる。ND:YAGファイバは、したがって、先行技術の増幅器ロッドと比較して直径が極めて小さくされる。なぜなら、ポンピング・イルミネーションはファイバの幅方向に沿って吸収されるというより、むしろその長さ方向に沿って吸収されるからである。このことにより、ND:YAG結晶の小さな直径内の高濃度のポンピングイルミネーションと、増幅器構造に対するより高いポテンシャル利得とがもたらされる。

0013

上述の議論に基づいて、端部でのポンピングを実行するために、ND:YAG材料は、好ましくは、小さな直径のファイバとして形成され、かつ増幅されるべき信号を伝送する光ファイバと直列に設置されることは理解されるだろう。

0014

ND:YAGファイバと隣接して、光ファイバは、好ましくは、増倍光結合器を通過する。この増倍結合器内で、1対の光ファイバは、好ましくは、注意深く選択された相互作用長を有するように配置され、ポンピング源の波長において高いファイバーファイバ間結合効率を与えるが、増幅されるべき信号の波長においては低い結合効率を与える。このことは、ポンピング・イルミネーションを、信号を伝送する光ファイバ,したがって、ND:YAGファイバ,に結合させることになる。しかし一方では、増幅されるべき光信号に対する損失を実質的に消滅させる。なぜなら、この信号は光ファイバから増倍結合器によって結合されていないからである。

0015

この発明においては、ポンピング・イルミネーションは、光信号ファイバに結合されてND:YAGファイバの端部へ導かれるので、ND:YAGファイバの直径は、ポンピング波長における吸収長を越える必要はない。なぜなら、ポンピング・イルミネーションは、好ましくは、ND:YAGファイバの軸の垂直方向よりもむしろその軸に沿った方向で有効に吸収されるからである。

0016

この配置を用いれば、様々な特性を持つその信号と相互干渉し合うことなく、増幅用ND:YAGファイバに連続してポンピング・イルミネーションが与えられる。したがって、4個のポートを持つ結合器は、好ましくは、増幅用ファイバにポンピング・イルミネーションを増倍して与えるために用いられるので、増幅用ファイバの端部は、好ましくは、常に光学システム内の光ファイバに、直接、信号を結合させるために用いられることができる。その結果、ポンピング・イルミネーションの印加と増幅されるべき信号との間の注意深い時間合わせを行なう必要がない。

0017

ND:YAG結晶中での均一かつ双方向的な増幅を行なうために、ポンピング・イルミネーションがND:YAGファイバの両端に配置される増倍結合器により与えられて、このファイバの長さ方向に沿って対称的な反転分布を与える。

0018

この発明のファイバ光学増幅器の動作を詳細に理解するためには、第1の光の周波数を選択的に結合させ、第2の光の周波数は結合させないようにファイバ光結合器を構成する方法を理解することが必要である。装置を構成する方法同様、このような選択的結合器に必要とされる装置は、1982年11月4日出願のヨーロッパ特許出願連続番号82305851.6、1983年5月18日に公開番号0.079,196で公開された“能動ファイバ光増倍器”に開示されている。この出願は、この発明の承継人に承継されている。この装置の基本的特性およびその製造方法が以下に述べられる。

0019

この発明においては、ファイバ光結合器を用いる能動増倍器が用いられる。この結合器10は、図1ないし図4に示されており、単一モードファイバ光学物質である2つのストランド12a および12b を含む。ファイバストランド12a,12b は、示される実施例においては、2ミクロンコア半径と、1.46のコア屈折率および1.456のクラッド屈折率を有する。ストランド12a および12b は、矩形ベースまたはブロック16a および16b のそれぞれの光学的に平らな相対する面14a および14b 内にそれぞれ形成される縦方向弓形の溝13a および13b に、それぞれマウントされる。溝13a にマウントされるストランド12a を有するブロック16a は、カプラの片側(カプラハーフ)10a として参照され、かつ溝13b にマウントされるストランド12b を有するブロック16b はカプラの片側10b として参照される。

0020

ストランド12a および12b の各々は、中心のコアと外側のクラッドとを有するようにドープされた光ファイバを備える。ストランド12a および12b は入手の容易な、中心のコアと外側のクラッドとを有するようにドープされた石英グラスファイバを備えてもよい。ファイバ12a および12b の屈折率はできる限り同一に近いようにされるべきである。また、ストランド12a および12bは共に、用いられる光の周波数において単一のモードの伝送を行なえるように十分小さい中心部のコアを含むべきである。したがって、これらのストランド12a および12b は典型的には、10ミクロンあるいはそれ以下のオーダーコア直径と、12ミクロンのオーダーのクラッドの直径とを有する。開示される実施例においては、ストランド12の直径とそれぞれのコアは誇張される。以下の説明からさらに詳細に理解されるように、ファイバ12b は増幅されるべき信号を伝送するのに用いられるが、一方、ファイバ12a はポンピング・イルミネーションをファイバ12b に結合させるために用いられる。このため、ファイバ12b は信号ファイバとして参照され、一方、ファイバ12a はポンピング・ファイバとして参照される。

0021

弓形の溝13a および13b はファイバ12の直径に比べて非常に大きな曲率半径を有し、かつそこにマウントされたとき、ファイバ12の溝13の底面壁に決められた通路に一致させることができるように、ファイバの直径より少し大きい幅を有する。溝13a および13b の深さは、ブロック13a および13b のそれぞれの中心での最小値からブロック13a および13b のそれぞれの端部における最大値まで変化する。このことにより、ファイバ光学ストランド12a および12b がそれぞれ溝13a および13b にマウントされたとき徐々に中心に向って収束し、ブロック16a ,16b の端部に向って発散することが都合良く行なうことができ、そのことにより、ファイバ12の方向における、モード摂動を介してのパワー損失をもたらす急峻な曲がりや急激な変化をなくすことができる。示される実施例において、溝13は断面が矩形として例示されるが、ファイバ12を収容できるなら、たとえばU字形またはV字形の断面のような他の適当な断面形状であっても代わりに用いることができる。

0022

示される実施例において、ブロック16の中心においてストランド12をマウントする溝13の深さは、ストランド12の直径より小さいが、一方、ブロック16の端部においては溝13の深さは好ましくは、少なくともストランド12の直径と同じ大きさを持つ。ファイバ光学物質は、ストランド12a および12bの各々からたとえば研磨などによって除去され、それぞれ相対する表面14a ,14b と同一面上にある楕円形の平らな表面18a ,18b を形成する。これらの表面18a ,18b は、ここでは、ファイバ“対向表面”として参照される。したがって、除去されるファイバ光学物質の量は、ブロック16の端部における0からブロック16の中心部における最大値へと徐々に増加する。ファイバ光学物質のこのような勾配のある除去により、ファイバのコアが徐々に収束,発散することができ、後方への反射および光エネルギの過剰な損失を避けるのに都合が良い。

0023

示される実施例においては、結合器の片側10a および10b は同一であり、ブロック16a および16b の相対する表面14a および14b を結合させて、その結果、ストランド12a および12b の対向表面が相対する関係になるように組立てられる。

0024

屈折率整合オイルのような屈折率整合物質(図示せず)は相対する表面14の間に与えられる。この物質は、クラッドの屈折率と近似的に等しい屈折率を有し、かつ光学的に平らな表面14が永久に互いにロックされるのを防止する機能を有する。このオイルは、毛細管作用を用いてブロック14の間に与えられる。

0025

相互作用領域32は、ストランド12の接合部に形成され、その領域において光はエバネセント・フィールド結合によってストランド間を転送される。適正なエバネセント・フィールド結合を補償するために、ファイバ12から除去される物質の量は注意深く監視されて、ストランド12のコア間の距離が予め定められた“臨界ゾーン”内になければならないことが見出されている。エバネセント・フィールドはクラッド内に延びるが、それぞれのコアの外部では距離とともに急速に減少する。したがって、各々のコアが実質的に相手方のエバネセント・フィールド内に位置するように十分な量の物質が除去されるべきである。もし、極めてわずかな物質が除去されただけならば、コアは、十分に近接せず、導かれたモードの所望の相互作用をエバネセント・フィールドが生じさせることができなくなり、このとき、不十分な結合が結果するであろう。逆に、もし除去された物質の量が多すぎるならば、ファイバの伝搬特性は別のものになり、モード摂動による光エネルギの損失が生ずる。しかしながら、ストランド12のコア間の距離が臨界ゾーン内にある場合は、それぞれのストランドは相手方のストランドからエバネセント・フィールドエネルギの有意な部分を受けて、問題となるエネルギ損失を生ずることなく、良い結合が得られる。このエバネセント・フィールドの相互作用による結合をエバネセント・フィールド結合と称す。エバネセント・フィールドとは、光ファイバのコア外部に漏れ出る電磁場を示す。臨界ゾーンは、図5において、参照番号33で表わされる領域を含むように概略的に例示される。領域33において、ファイバ12a および12b のそれぞれに対し参照番号34a および34b で表わされるエバネセント・フィールドが十分な強さで重なり合って結合を与える。すなわち、この領域において、それぞれのコアは相手側のエバネセント・フィールド内に位置する。

0026

ブロックあるいはベース12は任意の適当な剛性物質で作成される。1つの示される好ましい実施例においては、ベース12は、一般に、長さ約1インチ,幅約1インチ,厚さ約0.4インチの溶融石英ガラスからなる矩形ブロックを備える。この場合の実施例において、ファイバ光学ストランド12はたとえばエポキシ接着剤のような適当な接合材38により溝13内に固定される。溶融石英ブロック16の1つの利点は、グラスファイバの熱膨張係数と類似した熱膨張係数を有することである。ブロック16とファイバ12とが製造工程において何らかの熱処理を受ける場合、この利点は特に重要となる。溶融石英ブロックの他の利点は、ブロックが光ファイバと同一の物質で形成されているため、光ファイバと同じ速さで研磨されるので、研磨の間ファイバを連続して支えることができることである。ブロック16に対する他の適当な物質には、この応用においてすばらしい熱特性を持つシリコンが含まれる。

0027

〔結合器10の動作〕結合器10は、図1において、A,B,CおよびDで示される4つのポートを含む。図1の全体から見られるように、それぞれストランド12a および12bに対応するポートAおよびCが結合器10の左側にあり、一方、ストランド12Aおよび12b にそれぞれ対応するポートBおよびDが結合器10の右側にある。議論の便宜上、入力光はポートAに与えられると仮定する。この光は結合器を通過してポートBおよび/またはポートDで、ストランド12の間で結合されるパワーの量に依存した出力となる。これに関連して、“結合定数”という用語を全出力パワーに対する結合されたパワーの比として定義する。上述の例においては、結合定数は、ポートBおよびDにおける出力パワーの合計に対するポートDに対するパワーの比に等しい。この比はまた、“結合効率”として引用され、このように用いられたときは典型的にはパーセントで表わされる。したがって、“結合定数”なる用語が本明細書で用いられる場合、それに対応する結合効率は、結合定数の100倍に等しいことは理解されるべきである。これに関連して、いくつかの試験は結合器10が100%までの結合効率を有することを示している。しかしながら、結合器10は、結合効率が0から最大値までの間の任意の所望の値になるように“調整”されることが見られるだろう。このような調整は、たとえば、ファイバをその長さ方向に対し垂直方向に相対的に横方向にスライドさせることによって行なわれる。ファイバの相対的な位置は、それらのオフセット、すなわち、表面14に沿ってそれらの長さ方向に垂直な方向に測定されたファイバのコアの中心軸間の距離を用いて定義される。したがって、楕円形の表面18が重ね合わされたときオフセットは0であり、また、オフセットは、ファイバ12が相対的にブロック16をスライドすることによって横方向に離されるに従い増加する。

0028

結合器10は強い方向性を有するので、結合器の一方側に与えられるパワーのすべては実質的に結合器の他方側に伝送される。結合器の方向性は、ポートAに入力が与えられた場合、ポートCにおけるパワーに対するポートDにおけるパワーの比として定義される。方向的に結合されたパワー(ポートDにおける)は逆方向的に結合されたパワー(ポートCにおける)よりも60db以上大きいことが試験により示されている。さらに、結合器の方向性は対称的である。すなわち、結合器は入出力がどちらの側で行なわれるかに関係なく、同一の特性をもって動作する。またさらに、結合器10は非常に低いスループット損失をもって上述の結果を実行している。スループット損失は入力パワー(ポートA)に対する全出力パワー(ポートBおよびD)の比を1から引いたもの(すなわち、1−(PB+PD )/PA )と定義される。通常0.5dbのスループット損失であるが、実験結果によれば、0.2dbのスループット損失が得られていることが示される。さらに、これらの試験によれば、結合器10は、与えられる入力光の偏光と実質的に無関係に動作することが示される。ストランド12の導かれたモードは、それらのエバネセント・フィールドを介して相互作用し、光がストランド12の間を転送されるというエバネセントフィールド法則に基づいて結合器10は動作している。既に示されているように、この場合の光の転送は相互作用領域32で生ずる。転送される光の量は、相互作用領域32の有効長同様、コアの近さおよび方向に依存する。以下に、詳細に示されるように、転送される光の量は、またその光の波長にも依存する。逆に、相互作用領域32の長さは、ファイバ12の曲率半径に依存し、かつ相互作用領域32の有効長は実質的にコア間の距離に無関係であることは示されているが、極限においては、コア間距離にも依存する。しかしながら、“結合長”、すなわち、光信号を一方のファイバ12から他方のファイバへ単一にかつ完全に転送するために必要とされる相互作用領域32内の長さは、波長同様コア間の距離の関数でもある。模範的な実施例においては、エッジからエッジへのコア間の距離が約1.4ミクロンであり、かつ曲率半径が25センチメートルのオーダである場合、有効相互作用領域は、光信号の波長が633nmであるとき、長さ約1ミリメートルである。633nmにおける結合長は、このような結合器において1ミリメートルであるので、光は相互作用領域を通過するとき、ストランド12の間でただ1つの転送を行なわれるだけである。しかしながら、相互作用領域32の長さが増大したとき、あるいは、コア間の距離が減少したとき、本明細書において“過剰結合”と呼ばれる減少が生じる。なぜなら、結合長は、有効相互作用長より短いからである。これらの環境の下では、光は、それが発生されたストランドへと送り返される。相互作用長がさらに増大されるに従い、および/またはコア間の距離がさらに減少するに従い、有効相互作用長は結合長に比例して増大し、かつ少なくとも光の一部は他方のストランドに送り返される。したがって、光は領域32を通過する際、ストランド12の間で前方と後方とへの多重転送される。このような転送の数は相互作用領域32の長さ,光の波長(以下に述べられる)およびコア間の距離に依存する。

0029

単一モードファイバ結合器における結合長は、上述のように、信号長に強い依存性を示すので、上で援用された同時継続中の出願おいて詳細に述べられているように、結合器10に対し幾何学的パラメータを適正に選ぶことによって一方の信号波長を完全に結合させ、かつ他方の信号波長を実質的に非結合とすることは可能である。この現象により、結合器10の一方側にあるポートに与えられた2つの信号を結合させることができる。したがって、図1に示されるように波長λ1 のポンピング信号が結合器10のポートAに与えられ、かつ信号波長λ2 の増幅されるべき信号がポートCに結合され、さらに幾何学的なパラメータが適正に選択されるならば、2つの信号は、ポートBにおいて実質的に全く光を出力することなく、ポートDにおいて組合せられることができる。

0030

この波長依存性を例示するために、図6は特定の結合器の幾何学的形状に対し、可視および赤外スペクトルにおける結合されたパワーと信号波長との関係を示す。この結合器の形状においては、結合器の有効相互作用長は、波長720nmに対する結合長の奇数倍であるが、波長550nmに対する結合長の偶数倍であるので、波長720nmは100%結合されるが、波長550nmは事実上非結合となる。効率が異なるので、波長が異なれば結合されたり分離されたりする。たとえば、590nmと650nmは80%の効率で分離されるかまたは結合される。任意の対の波長(λ1 , λ2 )は、有効相互作用長が一方の波長に対する結合長の偶数倍であり、かつ他方の波長に対しては奇数倍である限り、事実上効率良く結合されるかまたは分離される。有効相互作用長内の結合長の数が増加するにつれ、増倍器の分解能は増大する。援用された参照文献において詳細に述べられているように、増倍器の分解能は、ファイバ12a ,12b の曲率半径が増加することによって増大する。結合器の相互作用長が十分大きいとすると、波長がどのように近接していようとも、事実上任意の2つの信号は正確に混合されるかまたは分離されるだろう。

0031

相互作用長は波長の関数であり、また分解能は近似的に(R)-1/2に比例する。Rが増加するにつれ、有効相互作用長は増加し、結合長のより大きな倍数となり、分解能が改善される。この結果は図7に例示されており、曲率半径が200センチメートルに増加している点を除いて図6グラフと対応するものである。期待されるように、この半径の増加により、結合器の分解能は、図6の例の半径25センチメートルにおいてλ=600nm近傍の約170nmから、半径200センチメートルの場合における約60nmに改善される。

0032

増倍結合器の分解能は2つの独立パラメータ,H(ファイバ間の距離)およびR(ファイバの曲率半径)に依存している。或る与えられた1対の信号波長に対し、まず興味ある波長に対し大きな波長依存性を示すように適正に結合器に対しファイバ間の距離Hを選択(Hの選択)し、次に、波長の差に等しい分解能を与えるように曲率半径を選択(Rの選択)することによって、効率的な混合が行なえる。

0033

結合器の分解能が分離されるべき波長に一致するようにされた後、有効相互作用長が一方の波長の結合長の偶数倍となり、かつ他方の波長の結合長の奇数倍となるように、結合器を調整して正確に興味ある波長に対する結合長を調節する。このことは、ファイバ12a ,12b の軸に対し垂直な方向に互いにブロック16a ,16b を滑らせてファイバをオフセットすることにより行なわれる。このようなオフセットは、最小のファイバ間の距離Hを増大させ、かつファイバの有効曲率半径を増大させる効果を持つ。必要とされるオフセットが十分小さい場合には、増倍器の分解能を逆転することはない。このことは、ファイバのオフセットに伴なう有効曲率半径の変化に比べて、大きな半径の結合器の分離距離Hはファイバのオフセットとともに急激に変化するという事実から生ずる。

0034

増倍結合器のこの調整性を例示するために、図8は、ファイバのオフセットの3つの順に大きくなる値(0ミクロン,0.5ミクロン,1.0ミクロン)に対して相対的な結合されたパワーと波長との関係のプロットを与える。曲線は、オフセットが増大するにつれ、波長の増加する方向に移動することが見られる。しかし、一方では、振動周期(または分解能)は実質的に変化していない。この特定的な例(R=200cm,H=4ミクロン)において、1ミクロンのオフセットが曲線を約45nm移動させている。

0035

〔増幅器の全体の動作〕今、図9を参照して、この発明による増幅器が、結合器10の波長増倍特性を用いてポンピング・イルミネーションを与えて、ND:YAGファイバを活性化する方法について述べる。

0036

ポンピング・イルミネーション源42は結合器10のファイバ12a に結合されて、増倍結合器10のポートAにポンピング・イルミネーションを与える。また、増幅されるべき信号は結合器10のポートCにおいてファイバ12b の一方端に結合される。

0037

光源42からのポンピング・イルミネーションと増幅されるべき信号は、上述のように、結合器の増倍作用を介して結合器10のポートDにおいて結合される。したがって、結合器10は、光源42の波長に対し100%の結合効率を有し、かつポートCへの信号入力の波長に対し0%の結合効率を有するように調節される。この1対の信号波長は、以下に述べられる方法でファイバ12b に結合されるND:YAG結晶44(レージングファイバ)へ与えられる。ポートCにおける信号入力は、ND:YAG結晶44内で増幅され、増幅された信号は、光ファイバシステム内での伝送のために、この結晶44から光ファイバ46へ結合される。ND:YAG結晶44の直径は、先行技術の増幅器に用いられているND:YAGロッドの直径と比べて極めて小さい。たとえば、結晶44の直径が100ミクロンであるような増幅器が作成されていた。単一モードファイバ12b の直径に近いような、さらに小さな直径も可能である。ファイバ12b と結晶44との間の結合は、結晶44の直径が減少し、信号利得が増大するにつれ強化される。なぜなら、結晶44内における、光源42からのポンピング・イルミネーション密度は結晶44の直径が減少するに従い増加するからである。

0038

〔ND:YAGの増幅動作図10は300゜KにおけるND:YAG結晶42の吸収スペクトルを示す図である。図10を参照すれば、ND:YAG物質は相対的に高い光学密度と短い吸収長とを選択された波長において持つことがわかる。このため、吸収長ができるだけ短くなるようにポンピング・イルミネーション源42の波長を選択するのがよい。このことにより、ND:YAG結晶44の非常に短い長さの中で、ポンピング・イルミネーションが実質的に完全に吸収されることが可能となる。図10から見られるように、0.75および0.81ミクロンの波長も比較的よく適しているが、0.58ミクロンの波長がポンピング・イルミネーションに最も適している。

0039

図11の(a)はND:YAG結晶44のエネルギ準位を示す図である。図11の(a)を参照すれば、理解されるように、上述の吸収波長のポンプ光がND:YAG結晶44により吸収されたとき、ネオジウムイオンが基底状態からポンプバンドへと励起される。ポンプバンドからイオンはフォノン相互作用を介して上位のレーザ準位へすばやく緩和する。この上位のレーザ準位からネオジウムイオンは比較的緩かな螢光過程を経て下位のレーザ準位へ移る。この後者の準位から基底状態への最後の急速なフォノン緩和が生じる。図11の(a)に示されるタイプの4準位レーザシステムにおける後者の急速な緩和は都合が良い。なぜなら、下位のレーザ準位と基底状態との間の急速なフォノン緩和により現実に空の下位のレーザ準位が形成されるからである。この特徴は図11の(b)に示される。図11の(b)は連続ポンピング中のND:YAG結晶44におけるポンプバンド,上位のレーザ準位,下位のレーザ準位および規定状態における分布密度を示す図である。上位のレーザ準位と下位のレーザ準位との間の螢光の発生率は、下位のレーザ準位と規定状態との間と同様、ポンプバンドと上位のレーザ準位との間のフォノン緩和と比べて比較的緩かなので、上位のレーザ準位における分布密度は下位のレーザ準位のそれよりも実質的に高くなり、高い反転比が生じる。上位のレーザ準位におけるネオジウムイオンの平均寿命は自然螢光までは、300゜KのND:YAG結晶中では約230マイクロ秒である。増幅されるべき信号は、その波長がレーザ遷移波長、すなわち、レーザ準位の上と下との間の緩和中にND:YAGイオンによって放出される光の波長(1.064ミクロン)となるように選択される。結合器10によりこの信号が結晶44へ与えられたときは、信号と同一周波数であり、かつコヒーレントなフォトン誘導放出引起こされ、そのことにより信号が増幅される。したがって、この周波数を持つ光の通過により、図11の(a)の上位のレーザ準位と下位のレーザ準位との間のフォトン放出緩和が、増幅されるべき光信号と同位相で生じ、入力光信号に対する有効利得が得られる。

0040

この発明の増幅器において得られる利得は、ND:YAG結晶44中のネオジウムイオンの反転粒子分布密度に依存する。最初、究極の反転分布はYAG物質44それ自体の結晶により限定される。なぜなら、ND:YAG物質中においては、いくつかのイットリウム原子は、結晶格子中でネオジウム原子に置換えられるからである。100個のイットリウム原子のうち高々1個のイットリウム原子だけがND:YAG物質の結晶構造に歪を与えずにネオジウムイオンと置換えられる。

0041

この発明の増幅器に対し、小利得信号(g 0 )の理論計算をg 0 =σΔNの関係を用いて行なう。ここでσは誘導放出断面積であって、ND:YAGに対しては、8.8×10-19 cm2 であり、ΔNは反転粒子分布密度であって次式で与えられる:
ΔN=(PP /V)・(η1 η2 tSP/hν)
ここで、PP は吸収されたポンプパワー、Vは結晶体積であり、したがって、PP /Vはファイバの単位体積あたりの吸収されたポンプパワーとなる。また、t S P は自然輻射の寿命、すなわち、ネオジウムイオンの230マイクロ秒の螢光緩和時間であり、η1 は図10に示されるように、ND:YAGの吸収線を持つポンプ出力スペクトルの有効重なりであり、η2 は1.06ミクロンの螢光の量子効率、すなわち、0.63であり、h νは1個のポンプフォトンのエネルギに等しい。上述の関係を用いれば、
g0 =σ・(PP /V)・(η1 η2 tSP/hν)
となり、利得のポンプパワーへの依存性が得られる。PP の値は吸収されたポンプパワーであり、かつ結晶44の長さが増加しても、必ずしも利得は増加しないことが認識されるべきである。したがって、光源42からのポンピング輻射が、完全にND:YAG結晶44に結合され、結晶44がほぼ完全にポンピング輻射を吸収することができるのに十分な距離を結晶44内で移動する場合には、この方程式におけるPP の値は入力パワーレベルに置換えられる。総利得を得るには、しかしながら、g 0 からND:YAG結晶44内の1.06ミクロンにおける伝搬損失を引かなければならない。2キロメートルあたり100dbの損失は利得を1センチメートルあたり0.001dbだけ減少させる。したがって、結晶44の全長が比較的短く保たれ、一方で、入力ポンプパワーの実質的にすべてを吸収するならば、増幅器内での伝搬損失は低レベルに保たれる。

0042

〔増幅器の詳細な動作〕再び図9を参照して、結合器10のポートAにおいてファイバ12a に結合されるポンピング源42は、結合器10の増倍作用を介してポンピング・イルミネーションをND:YAG結晶44へ与える。ポンピング源42は、たとえば、入手が容易で、電流密度が約1000amps/cm2 で動作し、かつ輝度が5watt/sr.cm2 であるような長寿命LEDである。事実、約50watt/sr./cm2 のLEDがいくつか報告されている。単一モードファイバ12a とこれらのLEDとは形状が異なるので、LED光源の出力をファイバ12a へ集中させるのにはレンズが有用である。

0043

また、これとは別に、ポンプ源42は、より強くポンプパワーをファイバ12a 、したがって、ND:YAG結晶44へ集中させることができるレーザダイオードである。

0044

用いられるポンピング源42のタイプに関係なく、この光源42からの輻射波長が、図10に示されるND:YAG結晶44の吸収スペクトルのピークと一致するなら、システムの効率は増大する。発光ダイオードは、適当にドーピングされて室温でのND:YAG物質の吸収スペクトルに極めてよく一致する0.8ミクロン域のスペクトルを放出するものが容易に入手できる。たとえば、容易に入手できるGa AlAsLEDは0.8ミクロン領域で強い輻射スペクトルを与える。同様に、0.8〜0.85ミクロン領域にわたってエネルギを放射するレーザダイオード構造が容易に入手できる。さらに、全体のポンピング効率を最大にするために、ポンプ波長はND:YAGの分光学によって許されるものと同じくらいに信号波長に近づけるべきである。

0045

結晶44であるND:YAG物質のレーザ発振周波数が1.06ミクロンであることが思い出されるだろう。増倍結合器10はしたがって、この発明においては、上述の例において0.8ミクロンであるポンピング源42の波長において、事実上完全な結合を与え、かつ同一の例において1.06ミクロンであるND:YAG結晶44のレーザ発振周波数域において実質的に結合を与えないために用いるように作成される。

0046

この選択結合は、適正にファイバ間の距離Hを選択して0.8ミクロンと1.06ミクロンとの間の波長域で強い波長依存性を与えることと、波長1.06と0.8ミクロンとの差すなわち0.26ミクロンに等しい分解能を与えるようなファイバ12a ,12b の曲率半径を選択することとによって、上述の技法のとおりに行なって実現される。カプラの分解能がこのようにして設定された後、結合器は前述のように調整されて、結合長が波長0.8ミクロンおよび1.06ミクロンに対して調節される。その結果、有効相互作用長は、この波長の対の一方に対する結合長の偶数倍となり、かつ他方の波長に対しては結合長の奇数倍となる。図9に示される例において、ポンプ源42の出力をファイバ12b に結合することが望まれるので、結合器に対する有効相互作用長はポンプ源42の波長、すなわち0.8ミクロンに対する結合長の奇数倍であり、かつ信号波長1.06ミクロンに対して偶数倍となるように調節されるべきである。この結果、ファイバ12a からファイバ12b へと伝送されるポンプ源42からのイルミネーションはほぼ完全に結合され、ファイバ12b からファイバ12a への増幅されるべき信号はほとんど結合されない。もちろん、この場合の非結合は完全結合である場合の偶数を意味し、したがって、たとえば、領域32における有効相互作用長が1.06ミクロンでの結合長の2倍であるならば、増幅されるべき信号は、ファイバ12b からファイバ12a へのときと、ファイバ12a からファイバ12b へのときとの2度完全に結合される。このことは理解されるだろう。もし、この信号が図9の左側に示されるポートCにおいてカプラに与えられるなら、非結合でポートDから出ていく。しかしながら、ポートDにおいて、増幅されるべき信号はファイバ12a からファイバ12b へと完全に結合されるポンピング源42からの光と共存する。

0047

ポンピング源42からの光は結合後、ファイバ12b に沿って伝送されるので、このポンピング・イルミネーションはND:YAG結晶44内のネオジウムイオンを反転させる。したがって、ポートCに与えられポートDから非結合で出ていく信号は、結晶44を通過するときに前述の方法で増幅される。なぜなら、この信号は、結晶44のND:YAG物質の自然レーザ緩和を励起し、このレーザ緩和が、増幅されるべき信号とコヒーレントな光を与えるからである。

0048

この発明の増幅器はそれゆえ、ポンプ源42からのポンピング・イルミネーションを、波長に依存した結合によってND:YAG結晶44へ転送し、かつファイバ12b からファイバ12a への増幅されるべき信号の結合を禁止する便宜上の手段を提供する。この発明において達せられた結果は、また、ポンピング・イルミネーション波長での結合効率が0%であり、かつ光信号波長での結合効率が100%である結合器を用いても実現できる。この場合、ポンピング源は結合器10のポートCに結合され、かつ増幅されるべき入力光信号がポートAに結合される。

0049

〔双方向的対称性〕増幅器を対称に双方向的とするために、図12に示されるように1対の増倍結合器50,52とともに1対のポンプ源42,48が用いられる。もし、このような双方向的対称性が必要でないならば、ポンプ源50,52のどちらかがND:YAG結晶44の一方端でイオンを反転させ、結晶44中のどちらか一方の方向に伝送される信号に利得を与えることは理解されるだろう。

0050

もし、ポンプ源42,48の一方だけが用いられるならば、ND:YAG結晶44は均一には照射されないことは認識されるべきである。したがって、ネオジウムイオンの反転粒子分布は、結晶44の長さ方向に均一に分布しなくなる。増幅器内のこの非均一または非対称状態はファイバ56に入力される信号に対するよりも、ファイバ54に入力される信号に対し異なった利得を与える(特定的には、これらの信号が同時に生じたとき)ので、1対の光源42,48を用いることは利点がある。

0051

ネオジウムイオンの非対称的反転分布を持つファイバ結晶44の異なる方向へ通過する信号に対する非類似の利得という現象は、次のようにして生ずる。図12の結晶44において増幅されるべき信号が左から右へ伝搬するとき、ND:YAG結晶44内の誘起されたフォトンの放出を引起こすことは認識されるだろう。このような引起こされた放出は、もちろん、結晶44内の反転分布粒子数を減少させる。たとえば、ジャイロスコープにおいて、1対の波が同時に反対方向に結晶44を伝搬する場合、左端での信号入力は、図12から見られるように、右端の信号入力が結晶44の左端に到達する前に左端に隣接する反転分布粒子をなくしてしまう。ポンプ源42のみが用いられている場合に起こるように、結晶44の左端での反転分布粒子数が右端におけるそれよりも多いならば、左側の信号入力はより大きく増幅される。なぜなら、右端の入力である信号が高密度の左端へ到達する前に、左側信号入力は反転分布粒子をなくしてしまうからである。

0052

ポンピング源42,48により与えられるポンピングイルミネーションは、信号が増幅されるとき生じる結晶44内の欠乏した粒子を補うのに連続的に十分でなければならないことは認識されるだろう。したがって、たとえば、パルス信号がファイバを1キロメートルにわたって周回するジャイロスコープにおいては、反対方向に伝搬する信号は、図12に示される増幅器を約5マイクロ秒毎に1回横切る。連続発振のポンプ源42,48が用いられるなら、それらは十分な出力を与え、5マイクロ秒の周期ごとに、信号が続いて通過する度ごとに緩和したネオジウムイオン粒子の分布を反転させて、緩和したと同じ数の粒子を再反転することができる。

0053

上述の説明から認識されるように、ファイバ間の距離と曲率半径とを適正に選択することにより、ポンピング源42,48が結晶44を照射して、その内部のネオジウムイオンの分布を反転させることができる結合器を得ることができる。結合器のパラメータを適正に選択するならば、増幅されるべき信号は、ファイバ54,56からは結合されないので、結晶44を横切り、増幅されるべき信号とコヒーレントな光を与える結晶44内のネオジウムイオンの誘導緩和により増幅される。

0054

信号挿入図13を参照する。図13において、1対の結合器58,60の増倍特性が用いられて、ポンピング源42がND:YAG結晶を照射し、また、信号が再循環ファイバ光学システムへ注入されることが可能となる。この場合、たとえば、ファイバ端部62,64は再循環ループの一部であることと、また、このシステムは結晶44へのポンピング光を与えることに加えて、この分布内を周回する信号を増幅するためにループ内へ注入するための信号を与えなければならないということが仮定される。

0055

図13に示されるシステムにおいて、結合器58は照光源42からの光の波長を100%の結合効率で結合し、一方では、入力ファイバ66における入力信号を事実上非結合とするように配置される。このことにより、光源42からのポンピング光とファイバ66からの入力信号とを含むファイバ領域68において組合せ信号が得られる。結合器60の特性が上述の方法で適正に選択され、かつ、この結合器60が適正に調整されるならば、結合器60はポンピング源42からの光波長を100%結合させるが、ファイバ領域68からの信号入力の波長の1%だけを結合するように配置されるだろう。したがって、ファイバ領域66からの入力信号の1%が再循環ファイバループに注入されて、初めに、結晶44を介して再循環のためにファイバ領域64へと伝送される。同時に、光源42からのポンピング光の100%は結晶44の端部へ注入され、再循環信号の増幅を与える。

0056

この再循環信号がファイバ領域62に現われたとき、わずか信号の1%だけが結合器60で損失され、この1%は再循環光を監視するためにセンサ70へ出力される。残りの99%の再循環光信号はファイバループ内での再増幅と再循環のために結合器60から結晶44へ注入される。それゆえ、2つの結合器58,60を用いるこのシステムにおいては、ファイバループ内を周回する光の連続感知と、ループ内への信号注入と増幅用結晶44への連続ポンピングとが行なわれる。上で示された結合効率は単なる模範的な一例であるが、結合器60の結合効率はループ内を伝搬する信号波長において比較的低く保たれ、結晶44において信号に加えられる増幅よりも小さいごく一部が結合器60によって再循環信号から差引かれるようにすべきであることは認識されるべきである。

0057

〔まとめ〕増倍結合器とND:YAG増幅用結晶との組合せにより、端部において増幅用結晶のポンピングと同時にこのファイバの端部における信号注入とが可能となり、ポンピング・イルミネーションは増幅されるべき信号に対して注意深い時間合わせをされる必要がない。対称的な双方向性増幅が可能となり、同一の増倍結合器を用いて信号注入が達成される。

図面の簡単な説明

0058

図1この発明において増倍器として用いられるファイバ光学結合器の断面構造図であり、それぞれのベース上に与えられた曲率半径を持つ弓形の溝に各々マウントされた1対の光ファイバのストランドを示す図である。
図2図1の線2−2における結合器の断面図である。
図3図1の線3−3における結合器の断面図である。
図4図1の結合器の下側ベースの斜視図であり、それに伴うファイバのマウント状態とファイバの楕円形の対向面とを示すために他のベースから切離されている状態を示す図である。
図5相互作用領域で重なり合う1対のファイバのエバネセント・フィールドを示す概略図である。
図6最小のファイバ間距離が4ミクロン,オフセットが0ミクロン,ファイバの曲率半径が25センチメートルであるファイバ結合器における相対的な結合されたパワーと信号波長との関係を示す図である。
図7ファイバの曲率半径が200センチメートルであること以外は第6図と同一である場合の相対的な結合されたパワーと信号波長との関係を示す図である。
図8最小のファイバ間の距離が4ミクロン、ファイバ半径が200センチメートルであり、ファイバのオフセットが選択できるファイバ結合器における相対的な結合されたパワーと信号波長との関係を示す図である。
図9この発明の方向性増幅器を示す概略図である。
図10300゜KにおけるND:YAGの吸収スペクトルを示す図である。
図11(a)および(b)はND:YAGなどのドーピング物質を用いる4準位レーザの単純化されたエネルギ準位を示す図である。
図12この発明に合致する対称的な双方向性増幅器の概略図である。
図13ファイバの閉ループにおける信号挿入および信号感知を行なう増倍結合器を含む増幅器システムの概略図である。

--

0059

10ベース
12光ファイバ
18 光ファイバの対向面
34エバネセントフィールド
42,48,70ポンピング光源
44光増幅器
50,52,58,60 結合器

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