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図面 (6)

課題

蛍光体転写フィルムを用いて被着体上に蛍光体画素を順次形成していく過程において、既形成の蛍光体画素間にも新たな感光性接着層及び感光性蛍光体層がその表面形状に追従して良好に埋め込み可能なクッション層を有する蛍光体転写フィルムを提供する。

解決課題

少なくとも1層の感光性接着層2と感光性蛍光体層3を支持体5上に有し、かつ該感光性蛍光体層3と支持体5との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層4を設ける。該クッション層4として用いられる熱可塑性樹脂が120℃において3000〜30000μm/m℃の変形率を示す。

概要

背景

蛍光体表示媒体としたディスプレイは、陰極線管(CRT)を代表として、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などがある。これらのディスプレイは蛍光体の自発光色によりカラー表示が行われる方式であるため、各方式に適合した蛍光体が選択され、使用されているが、蛍光体画素パターン精度蛍光体密度などの画素状態表示性能品質に大きく影響を受ける。また蛍光体画素の形成方法がディスプレイ価格に影響するため、製造方法も重要である。

蛍光体層の形成方法については、CRTの場合、ポリビニルアルコール重クロム酸アンモニウムPVA—ADC)系感光剤、あるいはポリビニルアルコール—重クロム酸ナトリウム(PVA—SDC)系感光剤に赤、緑、青に発光する各色発光の蛍光体を分散させて作製したスラリー一種類ずつ直接ガラス基板上に全面塗布し、乾燥後パターニング露光現像・乾燥)を繰り返すことにより蛍光体画素を形成している。またPDP、FEDの場合では、ポリビニルアルコールやアクリル系樹脂などに赤、緑、青に発光する各色蛍光体を分散させたペーストをそれぞれスクリーン印刷により付与して蛍光体画素を形成している。

蛍光体スラリーを使用する場合、品質的に他色画素上への蛍光体残り(地汚れ)が発生することがあり大きな問題となる。これは地汚れ部の画素を発光させた場合に、地汚れした他色蛍光体も同時に発光するため、その画素は混色で発光する(色純度が低下)。その結果、蛍光面に形成される画像に色滲み等を引き起こし、クリアな画像が得られない。蛍光体ペーストを使用するスクリーン印刷法では、印刷精度位置精度形状精度膜厚精度)が悪く、蛍光体画素厚みの不均一性や、他色画素への蛍光体ペーストによる汚染発色特性が悪化するという大きな問題がある。

蛍光体を使用したディスプレイの蛍光面の作製方法は、上述のような蛍光体スラリーを使用するスラリー法や蛍光体ペーストを使用するスクリーン印刷法が一般的に使用されている。これら蛍光面の製造工程においては、他色画素の汚染以外にも画素エッヂ直線性の悪化、欠けの発生、そしてゴミ異物混入による欠陥が発生する問題がある。

さらにCRTの蛍光体塗布はスラリーをパネルガラス内に注入した後、回転塗布を行うため塗布厚を均一にすることが難しく、被着体毎で、または画素毎においても蛍光体塗布厚が不均一になりやすい。そのため連続生産において蛍光体塗布厚のバラツキが直接ディスプレイ画像の品質を悪化させる原因になっていた。またスラリー法では製造装置自体が大型で高価であるばかりでなく、製造工程が非常に繁雑になってしまうため、製造コストが高くなるという問題を抱えている。

これらの問題を解決する方法として、それぞれのディスプレイの特性、蛍光体の特性に合わせて、最適厚で付与した蛍光体転写フィルムを使用する方法(転写法)が特開2001−43796及び特開2001−202884公報に提案されている。転写法ではプラスチックフィルムなどの支持体上に予め均一膜厚の蛍光体層を形成することができるのでスラリー法の課題であった蛍光体塗布厚のバラツキを防止し、かつスラリー塗布のための装置に代わって小型の転写装置を使用することにより工程の簡略化、蛍光面の性能向上、そして低製造コスト化が達成できる。

概要

蛍光体転写フィルムを用いて被着体上に蛍光体画素を順次形成していく過程において、既形成の蛍光体画素間にも新たな感光性接着層及び感光性蛍光体層がその表面形状に追従して良好に埋め込み可能なクッション層を有する蛍光体転写フィルムを提供する。

少なくとも1層の感光性接着層2と感光性蛍光体層3を支持体5上に有し、かつ該感光性蛍光体層3と支持体5との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層4を設ける。該クッション層4として用いられる熱可塑性樹脂が120℃において3000〜30000μm/m℃の変形率を示す。

目的

しかしながら、蛍光体を使用したカラーディスプレイを転写法で製造する場合に使用される蛍光体転写フィルムは、1色毎に均一膜厚の感光性蛍光体層を感光性接着層と共に被着体に転写した後、パターニング(露光・現像・乾燥)を行って蛍光体画素を形成するが、2色目以降も同様な工程を経て蛍光体画素を順次形成していくため、既形成の画素間に感光性蛍光体層及び感光性接着層を埋め込む形となるので被着体と十分に接着させることが困難であった。本発明は、蛍光体転写フィルムを用いて被着体上に蛍光体画素を順次形成していく過程において、既形成の蛍光体画素間にも新たな感光性接着層及び感光性蛍光体層がその表面形状に追従して良好に埋め込み可能なクッション層を有する蛍光体転写フィルムを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも1層の感光性接着層感光性蛍光体層支持体上に有し、かつ該感光性蛍光体層と支持体との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層を設け、該クッション層として用いられる熱可塑性樹脂が120℃において3000〜30000μm/m℃の変形率を示すことを特徴とする蛍光体転写フィルム

請求項2

前記クッション層として用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移点温度が−10〜35℃であり、かつ該熱可塑性樹脂の軟化点が50〜130℃であり、さらに該熱可塑性樹脂の熱溶融温度が180℃以上であることを特徴とする請求項1記載の蛍光体転写フィルム。

請求項3

前記クッション層として用いられる熱可塑性樹脂が、アクリル酸エステル共重合体エチレン酢酸ビニル共重合体酢酸ビニル共重合体エチレンエチルアクリレート共重合体エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物スチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンとイソプレン、あるいはブタジエン共重合体ポリエステル樹脂、及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる樹脂であって、10万以上の分子量を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の蛍光体転写フィルム。

請求項4

前記クッション層の厚みが20〜60μmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蛍光体転写フィルム。

請求項5

前記感光性接着層の厚みが0.5〜3.0μmであり、かつ前記感光性蛍光体層の厚みが3.0〜25μmであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の蛍光体転写フィルム。

請求項6

前記感光性接着層に含まれる少なくとも1成分の樹脂のガラス転移点温度が0℃以下であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の蛍光体転写フィルム。

請求項7

前記感光性接着層及び感光性蛍光体層が水溶性感光性樹脂を含んでなる組成であって、該水溶性感光性樹脂が、スチルバゾリウム基、及びスチルキノリニウム基、または5-(4-アジド-2-スルホベンジリデン)-3-(4,4'-ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩から選ばれた少なくとも1種を感光性成分付加基として0.5〜5.0モル%を有する重合度500〜3000の変成ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の蛍光体転写フィルム。

技術分野

0001

本発明は蛍光体表示媒体としたディスプレイにおいて、その製造工程において使用される蛍光体転写フィルムに関する。

背景技術

0002

蛍光体を表示媒体としたディスプレイは、陰極線管(CRT)を代表として、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などがある。これらのディスプレイは蛍光体の自発光色によりカラー表示が行われる方式であるため、各方式に適合した蛍光体が選択され、使用されているが、蛍光体画素パターン精度蛍光体密度などの画素状態表示性能品質に大きく影響を受ける。また蛍光体画素の形成方法がディスプレイ価格に影響するため、製造方法も重要である。

0003

蛍光体層の形成方法については、CRTの場合、ポリビニルアルコール重クロム酸アンモニウムPVA—ADC)系感光剤、あるいはポリビニルアルコール—重クロム酸ナトリウム(PVA—SDC)系感光剤に赤、緑、青に発光する各色発光の蛍光体を分散させて作製したスラリー一種類ずつ直接ガラス基板上に全面塗布し、乾燥後パターニング露光現像・乾燥)を繰り返すことにより蛍光体画素を形成している。またPDP、FEDの場合では、ポリビニルアルコールやアクリル系樹脂などに赤、緑、青に発光する各色蛍光体を分散させたペーストをそれぞれスクリーン印刷により付与して蛍光体画素を形成している。

0004

蛍光体スラリーを使用する場合、品質的に他色画素上への蛍光体残り(地汚れ)が発生することがあり大きな問題となる。これは地汚れ部の画素を発光させた場合に、地汚れした他色蛍光体も同時に発光するため、その画素は混色で発光する(色純度が低下)。その結果、蛍光面に形成される画像に色滲み等を引き起こし、クリアな画像が得られない。蛍光体ペーストを使用するスクリーン印刷法では、印刷精度位置精度形状精度膜厚精度)が悪く、蛍光体画素厚みの不均一性や、他色画素への蛍光体ペーストによる汚染発色特性が悪化するという大きな問題がある。

0005

蛍光体を使用したディスプレイの蛍光面の作製方法は、上述のような蛍光体スラリーを使用するスラリー法や蛍光体ペーストを使用するスクリーン印刷法が一般的に使用されている。これら蛍光面の製造工程においては、他色画素の汚染以外にも画素エッヂ直線性の悪化、欠けの発生、そしてゴミ異物混入による欠陥が発生する問題がある。

0006

さらにCRTの蛍光体塗布はスラリーをパネルガラス内に注入した後、回転塗布を行うため塗布厚を均一にすることが難しく、被着体毎で、または画素毎においても蛍光体塗布厚が不均一になりやすい。そのため連続生産において蛍光体塗布厚のバラツキが直接ディスプレイ画像の品質を悪化させる原因になっていた。またスラリー法では製造装置自体が大型で高価であるばかりでなく、製造工程が非常に繁雑になってしまうため、製造コストが高くなるという問題を抱えている。

0007

これらの問題を解決する方法として、それぞれのディスプレイの特性、蛍光体の特性に合わせて、最適厚で付与した蛍光体転写フィルムを使用する方法(転写法)が特開2001−43796及び特開2001−202884公報に提案されている。転写法ではプラスチックフィルムなどの支持体上に予め均一膜厚の蛍光体層を形成することができるのでスラリー法の課題であった蛍光体塗布厚のバラツキを防止し、かつスラリー塗布のための装置に代わって小型の転写装置を使用することにより工程の簡略化、蛍光面の性能向上、そして低製造コスト化が達成できる。

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、蛍光体を使用したカラーディスプレイを転写法で製造する場合に使用される蛍光体転写フィルムは、1色毎に均一膜厚の感光性蛍光体層感光性接着層と共に被着体に転写した後、パターニング(露光・現像・乾燥)を行って蛍光体画素を形成するが、2色目以降も同様な工程を経て蛍光体画素を順次形成していくため、既形成の画素間に感光性蛍光体層及び感光性接着層を埋め込む形となるので被着体と十分に接着させることが困難であった。本発明は、蛍光体転写フィルムを用いて被着体上に蛍光体画素を順次形成していく過程において、既形成の蛍光体画素間にも新たな感光性接着層及び感光性蛍光体層がその表面形状に追従して良好に埋め込み可能なクッション層を有する蛍光体転写フィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らはかかる課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、転写フィルムに蛍光体層を転写するに有効なクッション層を設け、さらに一定範囲内の熱的、機械的特性を有する熱可塑性樹脂をクッション層に用いることにより上記課題を解決することができるという知見を得、これに基づいて本発明を完成させるに至った。求められるクッション層の特性は、被着体凸部(既形成画素が存在する部分)と接する部分が、転写時に加熱及び加圧によってクッション層側に応答良くめり込むことであり、被着体凹部(既形成画素間部)と接する部分は感光性接着層及び感光性蛍光体層が画素の足部まで広がるように埋め込めることである。

0010

従って、上記課題を解決するため、本発明の蛍光体転写フィルムは、少なくとも1層の感光性接着層と感光性蛍光体層を支持体上に有し、かつ該感光性蛍光体層と支持体との間に熱可塑性樹脂からなるクッション層を設け、該クッション層として用いられる熱可塑性樹脂が120℃において3000〜30000μm/m℃の変形率を示すことを特徴とする。上記クッション層として用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移点温度が−10〜35℃であり、かつ該熱可塑性樹脂の軟化点が50〜130℃であり、さらに該熱可塑性樹脂の熱溶融温度が180℃以上であることが好ましい。上記クッション層として用いられる熱可塑性樹脂は、アクリル酸エステル共重合体エチレン酢酸ビニル共重合体酢酸ビニル共重合体エチレンエチルアクリレート共重合体エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物スチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンとイソプレン、あるいはブタジエン共重合体ポリエステル樹脂、及びポリオレフィン系樹脂から選ばれる樹脂であって、10万以上の分子量を有することが好ましい。上記クッション層の厚みは20〜60μmであることが好ましい。上記感光性接着層の厚みが0.5〜3.0μmであり、かつ感光性蛍光体層の厚みが3.0〜25μmであることが好ましい。上記感光性接着層に含まれる少なくとも1成分の樹脂のガラス転移点温度が0℃以下であることが好ましい。また、上記感光性接着層及び感光性蛍光体層が水溶性感光性樹脂を含んでなる組成であって、該水溶性感光性樹脂が、スチルバゾリウム基、及びスチルキノリニウム基、または5-(4-アジド-2-スルホベンジリデン)-3-(4,4'-ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩から選ばれた少なくとも1種を感光性成分付加基として0.5〜5.0モル%を有する重合度500〜3000の変成ポリビニルアルコールであることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明について実施の形態によりさらに詳細に説明する。図1は本発明に係る蛍光体転写フィルムの構成の一実施形態を示す。すなわち、クッション層4が設けられた支持体(ベースフィルム)5上に、所定の色に発光する蛍光体と感光性樹脂を少なくとも含有する感光性蛍光体層3と、被着体に該感光性蛍光体層3を転写付与し且つ良好な画像形成を行うための感光性接着層2を少なくとも1層有し、またこの感光性接着層2を保護する目的でカバーフィルム1が設けられている。また、上記支持体5の裏面側には帯電防止層6が設けられている。以下に図1に示した各層について説明する。

0012

1のカバーフィルムは従来公知のプラスチックフィルムが利用できる。例えばポリエチレンテレフタレートポリエチレンポリプロピレンポリ塩化ビニルポリスチレンポリカーボネートトリアセテート等があげられる。特に機械強度に強く、熱安定性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、または安価で離型性に優れたポリプロピレンフィルムOPPフィルム)が好ましい。カバーフィルムの厚さは特に制限はないが、75μm厚以下が好ましい。これは転写フィルムの製品形態、つまりロール状製品仕上げる時、カバーフィルムが75μmを越える厚さのフィルムの場合では転写フィルムの剛度が高くなるため、ロール仕上げ既定へのスリット作業でカバーフィルムと接着層の間に空気が入るようなカバーフィルムのウキが発生したり、単位長さあたりの製品重量が重くなり長尺巻き取り製品を製造しにくい、製造コストが高くなるなどの弊害が予想されるためである。

0013

また、カバーフィルム1の基材と感光性接着層2との剥離性をより安定させるには離型層を設けることが好ましい。離型層に用いる樹脂としては、ウレタン樹脂メラミン樹脂シリコン樹脂、あるいはこれらとの共重合物、混合物等が挙げられる。離型層の塗工厚は特に限定されるものではないが、0.5〜5.0μmの塗工厚が好ましい。ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)などのように剥離性を有する基材を使用する場合には離型層を付与する必要はない。

0014

2の感光性接着層は粘着剤、あるいはヒートシール剤と称される部類に属する一般的な樹脂、及び/又はこれらの樹脂に水溶性感光性樹脂を併用したものである。粘着剤としては一般に公知であるエマルジョン型溶剤型、及びホットメルト型各粘着剤、及び水溶性タイプやUV架橋タイプなどを使用することができる。ヒートシール剤も一般に公知のエマルジョン型や溶剤型の樹脂を使用することができる。本発明に適した感光性接着層を形成するためには、感光性接着層に含まれる少なくとも1つ以上の樹脂成分のガラス転移点温度(Tg)が0℃以下であることが好ましい。また感光性樹脂については、一般に公知な材料系が使用でき、配合比も材料の性能に応じて任意に決めることができる。

0015

3の感光性蛍光体層に用いられる蛍光体はディスプレイの種類によって異なるが、CRT用の蛍光体としては、青色発光蛍光体としては銀および塩素付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag / ZnS:Ag,Cl)、銀およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag,Al)が、緑色発色蛍光体としては銅およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Al)、銅、金およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Au,Al)、マンガン付活珪酸亜鉛蛍光体(Zn2SiO4:Mn)が、赤色発色蛍光体としてはユーロピウム及びサマリウム付活酸硫化イットリウム蛍光体(Y2O2S:Eu / Y2O2S:Eu,Sm)マンガン付活燐酸亜鉛蛍光体(Zn3(PO4)2:Mn)等を使用することができる。また、PDP用の蛍光体として、青色発光蛍光体としてはBaMgAl14O23:Eu、BaMgAl10O17:Eu、緑色発光蛍光体としてはBaAl12O19:Mn、Zn2SiO4:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・aAl2O3:Mn、赤色発光蛍光体としては(Y,Gd)BO3:Eu等を使用することができる。さらに、FED用の蛍光体として、ZnGa2O4、SrTiO3:Pr等を使用することができる。

0016

感光性接着層及び感光性蛍光体層に使用される感光性樹脂は紫外線又は可視光等で露光した前後で水に対する溶解度が変化する樹脂であれば何を用いても良い。非感光性水溶性樹脂に感光剤を混合しても良いし、樹脂分子中に感光性の官能基が存在してもかまわない。

0017

水溶性感光性樹脂は一般に知られているものを使用することができる。特にスチルバゾリウム基、及びスチルキノリニウム基、または5-(4-アジド-2-スルホベンジリデン)-3-(4,4'-ジメトキシブチル)ローダニンナトリウム塩のようなアジド基含有官能基から選ばれた少なくとも1種を感光性成分付加基として0.5〜5.0モル%を有する重合度500〜3000の変成ポリビニルアルコールが好ましい。また、水溶性感光性樹脂としてアジド基含有官能基を付加させた変成ポリビニルアルコールを用いる場合には、特にポリビニルピロリドンを併用するとさらに良い。

0018

なお、感光性蛍光体層の組成に合わせて感光性接着層の材料を選定する必要がある。つまり、感光性接着層は被着体への接着性は当然有しながら、感光性蛍光体層との密着性が良く、該蛍光体層及び該接着層への露光、現像によるパターン形成時に非画像部に残さが発生しない材料が好ましい。また、塗工厚は材料によって最適化が必要であるが、ディスプレイの製造においては該接着層の厚みは0.5〜3μmが好ましく、塗工厚みが0.5μmより薄い場合、被着体への接着性が低下するため感光性蛍光体層の転写性悪化を引き起こす場合が多い。一方、該接着層の厚みが3μmより厚くなるとパターン形成が可能であっても、CRT製造の場合、焼成工程において蛍光体パターンが剥がれ落ちてしまうことがある。従って、この塗工量範囲で充分な性能が得られない材料はこの用途には好ましくない。

0019

感光性蛍光体層中の蛍光体と感光性樹脂との混合比率は蛍光体/感光性樹脂=97〜80重量%/3〜20重量%が好ましい。これ以上蛍光体比率が高いと光硬化後の層強度が弱くなり、現像で画素表面の削れや画素のエッヂの直線性が劣ることがある。また、感光性蛍光体層の厚みは使用する蛍光体粒子平均粒径にもよるが、3.0〜25μmの範囲で調整することが可能である。

0020

5は支持体である。支持体としては、カバーフィルムの説明で示したのと同様な従来公知のプラスチックフィルムが利用できる。支持体の厚さは特に制限はないが、25〜150μm厚が適当である。25μm以下では作業性が悪化し、帯電防止層、クッション層付与時にカールが顕著に発生するため好ましくない。150μm以上になると、ロール状製品が製造しづらくなるばかりでなく、被着体への転写作業において熱ロールによって蛍光体転写フィルムと被着体を熱圧着する際、感光性接着層への熱伝導速度が低下するため、熱ロール温度を高くするか、転写速度を低くする、あるいは被着体を十分に熱するなどの措置をしないと良好な転写が得られなくなる。これは作業性、経済性の観点から好ましくないので支持体の厚みはできるだけ薄い方が良い。特に好ましくは、40〜50μmの厚みが支持体として適している。

0021

また、剥離帯電によるゴミの混入防止のために、帯電防止層6を付与している。プラスチックフィルムの表面抵抗値はJIS K6911で規定されている測定法により106〜9Ω/□となることが好ましい。このため、帯電防止処理フィルムを使用するか、あるいは6の帯電防止層を付与したフィルムを使用することが好ましい。なお、前記クッション層4については後述する。

0022

ここで図1の蛍光体転写フィルムの構成をもとに被着体への感光性蛍光体層と感光性接着層の転写工程を以下に説明する。まず、カバーフィルム1を感光性接着層2との間で剥離して感光性接着層2を露出する。次いで該感光性接着層2を被着体に加熱及び加圧して接着させた後、感光性蛍光体層3とクッション層4の間で支持体5をクッション層4と帯電防止層6と共に剥離する。この段階で感光性蛍光体層3及び感光性接着層2のみが被着体へ転写される。

0023

本発明の蛍光体転写フィルムは、カラーディスプレイを作製する上で必要な色ごとに用意する必要があり、例えば、CRTの場合には電子線で励起して赤色、青色及び緑色に発光する蛍光体をそれぞれ含む3枚の転写フィルムが必要となる。そして、被着体となるパネルガラス上に1色ずつ感光性接着層と感光性蛍光体層を転写し、高圧水銀灯などを光源とする活性光線でのパターン露光、水による現像、乾燥の操作により蛍光体画素を形成する。2〜3色目の蛍光体画素も前記同様に転写・露光・現像・乾燥の操作を行ってパネルガラス上に電子線で励起して赤色、緑色及び青色に発光する蛍光体画素を形成する。

0024

前記クッション層4は、上述の転写工程を安定して行うために設けられている。特に蛍光体画素の厚みは通常3〜25μmであるため2色目以降の画素を形成する工程では、既形成の画素間にきちんと感光性接着層及び感光性蛍光体層を転写するにはクッション層はその材料特性にもよるが、蛍光体画素厚みのおよそ2〜4倍の厚みが必要である。クッション層の厚みが蛍光体画素の厚みに対してこれよりも低い比率となると、画素間に確実に転写することが困難となり、例えば図2に示すように画素の底辺部、即ち被着体8面と被着体面から立ち上がる既形成蛍光体画素7の側面との間に空気溜まり(テンティング)9が発生して転写不良となりやすい。クッション層の厚みが100μmを越えると用いる樹脂の熱伝導度にもよるが、転写の際に熱ロールからの熱伝導性が低下するため、クッション層を充分軟化できず、既形成蛍光体画素間に新たな感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むように転写することが難しくなる。

0025

従って、クッション層4の機能は被着体となるガラスなどへの感光性接着層及び感光性蛍光体層の転写を補助する働きを持っている。板ガラスのように比較的高度な平坦性を持つ面への転写の場合、クッション層はある程度の熱軟化性弾力性を兼ね備えていれば安定してガラス面に転写ができる。しかしながら、既に蛍光体画素が設けられた被着体上に別の蛍光体転写フィルムを転写すると、既に設けられた画素間にまんべんなく新たな感光性蛍光体層を埋め込むことが難しくなる。

0026

図2にその様子を示したが、同図を見て明らかなように既形成画素7近傍に発生した空気溜まり9の部分では感光性接着層2が被着体8に十分に接着していない。極端な例として、クッション層を付与していない蛍光体転写フィルムを用いて同様に既形成画素上に感光性接着層及び感光性蛍光体層を転写した場合には、画素の頂上間には感光性接着層が接着するものの、画素間は全くの空洞となって、新たに転写した感光性接着層面が被着体の表面まで届かない。従って、見かけの転写自体は可能でもパターニングの際には転写した感光性接着層及び感光性蛍光体層が全て洗い流されてしまって新たな画素が形成できないという不具合が発生する。

0027

前記のような問題を解決するには、図1に示すような構成となるように転写フィルムにクッション層4を設けることが有効である。しかし、クッション層4に使用する樹脂の変形性が乏しい場合には依然として図2に示すような空気溜まりが多く発生する。このような状態では被着体に接する感光性接着層の面積が所望する画素の大きさより小さくなるので、良好な画素を形成することが困難である。空気溜まりの発生を極小化して、より良好な画素を得るには転写に用いる熱ロールの表面温度を上げる、転写時により高い圧力をかけて画素間に感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むなど転写条件そのものを調整する方法が考えられるが、これらの方法では転写フィルムにシワ入りやすくなるという欠点を持つ。

0028

従ってクッション層4には変形性及び弾力性に富んだ樹脂を使用することがより好ましい。外部から変形応力が働いた場合には応答良く変形が起こり、外部からの変形応力がない場合にはある程度の硬さを維持するような熱可塑性樹脂がクッション層に適している。

0029

本発明者らは、熱機械分析装置(TMA)を用いて前記の特性を評価し、その特性が実際の転写フィルムの転写性と良く相関することを見出した。具体的には、JIS K7196に規定されている樹脂の軟化点測定方法と類似した測定を行い、120℃におけるクッション層の変形率を求めた。その結果、該変形率が3000〜30000μm/m℃の樹脂からなるクッション層が設けられていれば既形成画素間へも良好に感光性蛍光体層及び感光性接着層が転写可能なことを見出した。

0030

クッション層4の変形率測定方法をさらに詳細に示す。TMAはTAインスツルメント社製のTMA2940型を使用し、針入モードにて測定した。試験片10は各種熱可塑性樹脂を乾燥後の膜厚が20〜80μmとなるように50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムPETフィルム)12上に塗布してクッション層11を形成して用意した。図3に示すように、10mm×10mmの大きさの前記試験片10を直径2mmの石英ガラスプローブ14と石ガラステーブル13の間に挟み込み、測定中は該プローブ14に20gの荷重を与えた。そして一定荷重を与えたまま試験片10及びプローブ14を昇温速度20℃/分で加熱昇温し、120℃に達したときの樹脂の変形率(単位:μm/m℃)を読み取った。

0031

一般にTMAで測定できる変形率には熱膨張係数(単位:μm/m℃)が知られており、その係数αは次式で計算することができる。
ID=000003HE=030 WI=104 LX=0530 LY=0600
ここで各記号の意味は以下の通りである。
α : 熱膨張係数(単位:μm/m℃)
L :サンプルの初期長さ(単位:m)
δL : サンプルの変化長(単位:μm)
δT : 変化した温度(単位:℃)
K :測定器セル定数
本発明に示す評価方法では、前記L及びδLは試験片の厚みを用いており、圧縮する方向に応力を与えた時の試験片の厚み変化を測定しているので得られた変形率は厳密には熱膨張係数ではない。さらに測定中はプローブが試験片の内部にめり込んでいき、試験片の厚みが薄くなる変化をするので測定値マイナスの値となる。実際の変形率はマイナス値では取り扱いが煩雑なので、絶対値をもって表現することとした。各種熱可塑性樹脂塗膜をクッション層としたときの特性指標としてこの変形率を用いた。

0032

図4に前記TMA測定の測定例を示す。温度が上がるにつれて試験片の中にプローブがめり込むので温度に対するクッション層の厚み変化は図のような曲線となる。ここでプローブがサンプルにめり込み始める時の温度をクッション層に用いた樹脂が軟らかくなる温度、即ち軟化点とした。また、プローブが樹脂に完全にめり込んでPETフィルムに到達したときの温度を、クッション層に用いた樹脂が液状に溶融する温度、即ち溶融温度とした。クッション層に適した樹脂の熱物性を評価する上で軟化点や溶融温度は重要な特性であるが、この2つの特性のみでは変形のしやすさは表現できない。従ってクッション層の任意の温度におけるクッション層の変形率も考慮しなければならない。本発明では樹脂の変形率は120℃における樹脂の変化率であり、図4中のTMA曲線上○印のところの変化率、即ち曲線の傾きを読み取っている。

0033

120℃におけるTMA曲線の傾きから読み取る変形率は、TMA測定中に負荷する荷重や、熱可塑性樹脂層、即ちクッション層の厚みにも影響される。例えば、変形率は負荷する荷重の大きさによって多少異なる値を示すが、曲線の形状としてはほとんど変わらない傾向にある。このことから一定の荷重で測定すれば、樹脂の優劣を判断できる物性が得られると考えられるため、本発明では測定荷重は20gとした。また、同一種類の熱可塑性樹脂を用いたクッション層の厚みのみを変えた場合、120℃における変形率はクッション層が薄いほど小さくなる傾向にある。このことから、クッション層の厚みを調整することにより変形率を調整することも可能であり、厚みを調整することで本発明に規定する変形率の範囲内に入るような樹脂をクッション層として使用できる。なお、変形率を評価すべき温度領域は、蛍光体転写フィルムを使用するときの転写条件(熱ロールの表面温度、被着体と熱ロール間印圧値)によっても変わる。本発明では80℃以上の温度域での熱転写を想定しているので120℃を変形率の評価温度とした。

0034

前記の方法から得られた特性と実際の蛍光体転写フィルムの転写性を比較すると、120℃における変形率が3000〜30000μm/m℃であり、好ましくは溶融温度が180℃を越える熱可塑性樹脂をクッション層に用いた場合、さらに好ましくは該クッション層の厚みが20〜60μmの範囲である場合に、感光性接着層及び感光性蛍光体層を既形成画素間にさらに効率良く転写することが可能であった。クッション層4に適した樹脂の熱物性を別の観点から評価した場合、前記特性を有する樹脂の中でもガラス転移点温度が−10〜35℃であり、かつ該樹脂の軟化点が50〜130℃である樹脂が特に優れた性能を示すことが分かった。なお、ガラス転移点温度はJIS K7121に規定されている測定方法を参考に示差走査熱量計(TAインスツルメント社製:910型DSC)を用いて測定した。

0035

クッション層4の材料としては、これまで述べてきたように熱可塑性の樹脂が好ましく、例えばアクリル酸エステル共重合体、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、スチレンとイソプレン、あるいはブタジエンの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂を単独で、あるいは適当な配合で混合したり、適当な組み合わせで積層させて使用することができる。また必要であれば、可塑剤を添加しても良い。本発明においては、アクリル樹脂酢酸ビニル樹脂を含む分子量10万以上の熱可塑性樹脂がクッション層に特に好ましい樹脂であった。

0036

一方、溶融温度が180℃よりもかなり低い樹脂、例えば、低密度ポリエチレン樹脂をクッション層に用いた場合には、転写時に用いる熱ロールの熱によって溶融し転写フィルムの端面から流出して熱ロールに巻き込まれたり、フィルムからはみ出た該溶融樹脂が被着体表面に付着して支持体の剥離性を阻害するなどの問題が起こりやすい。また、変形率が極端に大きい材料(図5中のBのTMA曲線を参照)をクッション層に用いた場合にも、樹脂の軟化と溶融が極めて狭い温度領域の中で起こるため、転写フィルムの端面からの溶融樹脂のはみ出しが起こり好ましくない。

0037

本発明の熱可塑性樹脂をクッション層に用いれば、従来使用してきた低密度ポリエチレン樹脂では薄層化が難しかったクッション層の厚みを最大70%薄くすることが可能となるので、蛍光体転写フィルムを製造する上で経済的に有利となる。

0038

既形成画素を含む被着体上に本発明の熱可塑性樹脂をクッション層に用いた蛍光体転写フィルムをラミネートした後、剥離したクッション層には被着体上に形成されていた画素部(凸部)がパターン状にめり込んだ跡が凹状に観察されるが、この画素の跡の深さも低密度ポリエチレン樹脂に比べると格段に深くなっている。この画素のめり込んだ跡は時間と共に復元することも確認されており、常温下で2〜3日後には画素跡が消失し、1週間後には完全に画素跡はラミネート前平坦な状態に復元する。このことからも本発明の熱可塑性樹脂がクッション層用の材料として適した弾性を有していることが伺える。

0039

また、該クッション層と感光性蛍光体層の間には必要に応じて離型層を形成することも可能であるし、クッション層の内部にワックス状離型性成分を内添させることが可能である。クッション層に用いる樹脂の種類によっては、離型層を設けるか、あるいは離型成分を内添させることにより感光性蛍光体層の剥離が安定化し、被着体への該蛍光体層の転写をより容易ならしめる効果を発揮できる。

0040

以下、実施例を用いて本発明の特徴とするところをより詳細に説明する。ここではCRT用に使用される蛍光体形成用の転写フィルムについて本発明の有用性を例示するが、本発明はこれらの蛍光体形成用の転写フィルムに限定されるものではない。

0041

実施例1
図1に示す構成の転写フィルムを以下の通り作製した。
(1)カバーフィルムにはトーセロ社製の50μm厚のポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を用いた。次に示す組成の感光液を調製し、OPPフィルム上に塗工厚みが1.7μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で90℃2分間の乾燥を行い、感光性接着層を形成した。

0042

(感光性接着層形成用感光液組成)
感光性樹脂(感光成分付加変性PVA) 35重量%
5-(4-アジド-2-スルホベンジリデン)-3-(4,4'-ジメト
シブチル)ローダニンナトリウム塩導入率:1.5モル%、
平均重合度:1100
ポリビニルピロリドン(K—120、ISP社製) 15重量%
アクリルエマルジョン20重量%
(ヨドゾール3E0001、日本エヌエスシー社製
水溶性ナイロン(AQナイロンP−70、Tg−30℃、東レ社製)20重量%
酢酸ビニルエマルジョン10重量%
モビニール185E、Tg0℃、クラリアントポリマー社製)
メタノール950重量%
水 950重量%

0043

(2)支持体として帝人デュポン社製の50μmPETフィルム(裏面に帯電防止層を付与:表面抵抗値108Ω/ □)を用い、これにMR−7768(アクリル酸エステル共重合体:Tg9℃、三菱レイヨン社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、60μm厚のクッション層を形成した。なお、クッション層樹脂の変形率は前述の方法にて測定し、表1にその値を示した(以下同様)。次いで以下に示す組成の感光液を調製し、上述の離型層上に塗工厚みが12μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で90℃2分間の乾燥を行って感光性蛍光体層を形成した。

0044

蛍光体層形成用感光液組成)
緑色発光蛍光体(ZnS:Cu,Al) 94重量%
感光性樹脂(感光成分付加変性PVA) 1.2重量%
5-(4-アジド-2-スルホベンジリデン)-3-(4,4'-ジメトキ
シブチル)ローダニンナトリウム塩導入率:1.5モル%、
平均重合度:1700
ポリビニルピロリドン(K−30、ISP社製) 4.8重量%
水 123重量%

0045

(3)蛍光体転写フィルムの貼合
(1)及び(2)で得られたフィルムを(1)のフィルムの感光性接着層面と(2)のフィルムの感光性蛍光体層面とを向かい合うように重ねた後、ラミネーターにニップした。加熱、加圧状態両フィルムを貼合して一体化させて、緑色発光蛍光体転写フィルムを得た。
合条件を以下に示す。
貼合温度:120℃
合圧力:2kgf/cm2
貼合速度:2m/分

0046

実施例2
感光性蛍光体層形成用感光液の組成として、赤色発光用蛍光体(Y2O2S:Eu) を用いた以外は実施例1と同様にして、赤色発光蛍光体転写フィルムを得た。

0047

実施例3
感光性蛍光体層形成用感光液の組成として、青色発光蛍光体(ZnS:Ag)を用いた以外は実施例1と同様にして、青色発光蛍光体転写フィルムを得た。

0048

実施例1〜実施例3に示した緑色,赤色,青色の3色にそれぞれ発光する蛍光体転写フィルムを以下の手順でパターニングし、CRT用ブラウン管ガラスのパネルガラス内面に3種類の蛍光体画素を形成した。まずカバーフィルムを剥離除去した後、被着体となるパネルガラス上に蛍光体転写フィルムの感光性接着層が接触するように置き、フィルム側から表面が160℃に加熱されたゴムロールを4kgf/cm2の圧力で加圧しながら700mm/分の速度で転がして両者を接着した。次いで感光性蛍光体層と離型層間の界面で支持体を剥離除去し、感光性接着層と共に感光性蛍光体層をパネルガラス上に転写した。そして活性光線を用いてパターン露光を行った。光源には高圧水銀灯を使用し、格子上の画素パターンが形成された石英ガラスマスクを光源と感光性蛍光体層の間に挿入した。露光量は10〜40mJのエネルギー量となるように調整した。ノズルから霧状に噴出した水を2分間吹き付けて現像を行った後、圧縮空気を3分間吹き付けてパネルガラス及び蛍光体画素を乾燥させた。これら一連の操作を3回行って、3色の蛍光体画素を形成した。転写性評価結果を後記表1に示した。実施例1〜3の蛍光体転写フィルムの転写順をいずれの順番で使用しても転写性は極めて良好で、かつ既形成画素上に異なる色に発光する蛍光体転写フィルムを転写しても、既形成画素間の約90%以上の面積に感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むことができた。パターニングで画素が剥離脱落することもなく、良好なCRT用の蛍光体画素を作製することができた。形成された蛍光体画素は焼成後もパネルガラスから剥がれ落ちることがなく、良好な状態を維持していた。なお、2〜3色目の蛍光体転写フィルムを既形成画素上に転写した後、転写面の裏、即ち、パネルガラスの外面から顕微鏡で覗くと既形成画素間への転写状態(感光性接着層とガラス面の接着状態)や埋め込み性を観察できる。空気溜まりや転写不良部が存在すると、その部分が白く見えるので顕微鏡写真から埋め込み部の面積を算出することができる。

0049

比較例1
実施例1において、クッション層としてミラソンM11P(軟化点105℃、低密度ポリエチレン:三井・デュポンポリケミカル株式会社製)80μmをTダイを用いて溶融膜押し出し支持体上に形成した以外は同様にして緑色蛍光体転写フィルムを作製した。

0050

比較例2
実施例2において、クッション層としてミラソンM11P(軟化点105℃、低密度ポリエチレン:三井・デュポンポリケミカル株式会社製)80μmをTダイを用いて溶融膜を押し出し支持体上に形成した以外は同様にして赤色蛍光体転写フィルムを作製した。

0051

比較例3
実施例3において、クッション層としてミラソンM11P(軟化点105℃、低密度ポリエチレン:三井・デュポンポリケミカル株式会社製)80μmをTダイを用いて溶融膜を押し出し支持体上に形成した以外は同様にして青色蛍光体転写フィルムを作製した。

0052

比較例1〜3に示した緑色、赤色、青色の3色にそれぞれ発光する蛍光体転写フィルムを用いて前記と同様に蛍光体画素を形成した。表1に示すように、この場合、2色目までは転写が可能であり、1色目の画素上に2色目の蛍光体転写フィルムを転写しても、既形成画素間の約65%の面積に感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むことができ、パターニングで画素が剥離脱落することもなく、CRT用の蛍光体画素を作製することができた。しかしながら、3色目については既形成画素間の間隔がより狭くなったため、3色目の感光性接着層及び感光性蛍光体層が既形成画素間の約50%程度の面積にしか埋め込まれず、所望する品質の画素を形成することが困難であった。各色の転写順序入れ替えてもこの現象に変わりは認められなかった。

0053

実施例4
実施例1において、クッション層としてMR−7774(アクリル酸エステル共重合体:Tg0℃、三菱レイヨン社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、25μm厚のクッション層を形成した以外は同様にして緑色蛍光体転写フィルムを作製した。

0054

実施例5
実施例2において、クッション層としてMR−7774(アクリル酸エステル共重合体:Tg0℃、三菱レイヨン社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、25μm厚のクッション層を形成した以外は同様にして赤色蛍光体転写フィルムを作製した。

0055

実施例6
実施例3において、クッション層としてMR−7774(アクリル酸エステル共重合体:Tg0℃、三菱レイヨン社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、25μm厚のクッション層を形成した以外は同様にして青色蛍光体転写フィルムを作製した。

0056

実施例4〜6に示した緑色、赤色、青色の3色にそれぞれ発光する蛍光体転写フィルムを用いて前記と同様に蛍光体画素を形成した。表1に示すように、実施例4〜6の蛍光体転写フィルムの転写順をいずれの順番で使用しても転写性は良好で、かつ2色目、3色目の場合でも既形成画素間の約75%以上の面積に感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むことができた。パターニングで画素が剥離脱落することもなく、良好なCRT用の蛍光体画素を作製することができた。形成された蛍光体画素は焼成後もパネルガラスから剥がれ落ちることがなく、良好な状態を維持していた。

0057

比較例4
実施例1において、クッション層としてバイロン1400(ポリウレタン樹脂、Tg83℃、東洋紡社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、50μm厚のクッション層を形成した以外は同様にして緑色蛍光体転写フィルムを作製した。

0058

比較例5
実施例2において、クッション層としてバイロン1400(ポリウレタン樹脂、Tg83℃、東洋紡社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、50μm厚のクッション層を形成した以外は同様にして赤色蛍光体転写フィルムを作製した。

0059

比較例6
実施例3において、クッション層としてバイロン1400(ポリウレタン樹脂、Tg83℃、東洋紡社製)をマイヤーバーを用いて塗工し、熱風循環式乾燥機中で120℃4分間の乾燥を行い、50μm厚のクッション層を形成した以外は同様にして青色蛍光体転写フィルムを作製した。

0060

比較例4〜6に示した緑色、赤色、青色の3色にそれぞれ発光する蛍光体転写フィルムを用いて前記と同様に蛍光体画素を形成した。表1に示すように、この場合は、1色目は良好な画素を形成できるものの、2色目は既形成画素間の約40%に満たない面積にしか感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むことができず、所望する品質の画素を形成するに至らなかった。さらに3色目に至っては既形成画素間に感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むことが全くできず、画素は形成できなかった。各色の転写順序を入れ替えてもこの現象に変わりは認められなかった。

0061

上述の実施例及び比較例で示したクッション層の特性と蛍光体転写フィルムの転写性能をまとめて下記表1に示す。なお、表1中の蛍光体画素形成能の評価は次の通りであり、「○」以上であれば良品として問題なく使用できる。
◎:所望する大きさであり、かつエッジシャープな画素を形成することが可能であった
○:所望する大きさの画素を形成することが可能であった
△:所望する大きさより小さい画素を形成することが可能であった
×:所望する大きさの画素より著しく小さな画素であった、又は画素を全く形成できなかった

0062

0063

比較例1〜3に示したように従来使用してきた低密度ポリエチレン樹脂をクッション層に用いて蛍光体転写フィルムを作製し、クッション層の厚みを80μmまで厚くしてクッション性を持たせても3色目では既形成画素間の60%未満の面積にしか感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むことができなかった。これに対して、本発明の熱可塑性樹脂をクッション層に用いれば25μmのクッション層の厚みでも既形成画素間の78%まで感光性接着層及び感光性蛍光体層を埋め込むことが可能となった。すなわち、実施例で示したような物性の熱可塑性樹脂をクッション層に用いることにより、蛍光体ディスプレイ用に良好な蛍光体画素が形成できることがこの表から明らかである。

発明の効果

0064

以上詳細に述べたように、本発明の蛍光体転写フィルムによれば、該蛍光体転写フィルムを用いて被着体上に蛍光体画素を順次形成していく過程において、既形成の蛍光体画素間にも新たな感光性接着層及び感光性蛍光体層がその表面形状に追従して良好に埋め込みことが可能である。したがって、従来は困難であった蛍光体ディスプレイの画素を安定して形成することができる。また、本発明の蛍光体転写フィルムは、必要なクッション層の厚みも大幅に薄くすることが可能なので、蛍光体転写フィルムの製造コストを従来に比べて抑えることが可能である。

図面の簡単な説明

0065

図1本発明に係る蛍光体転写フィルムの一実施形態を示す断面図である。
図2既形成画素を有する被着体ガラスへの蛍光体転写フィルムのラミネート状態を示す断面図である。
図3クッション層樹脂のTMA測定方法を示す概念図である。
図4クッション層樹脂のTMA測定例を示す図である。
図5クッション層樹脂の変形率の好ましい状態と好ましくない状態を示す図である。

--

0066

1カバーフィルム
2感光性接着層
3感光性蛍光体層
4クッション層
5支持体
6帯電防止層
7 既形成画素
8 被着体

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