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技術 アルミニウム合金鋳物、その製造方法及びこれらを用いた内燃機関用シリンダヘッド

出願人 日産自動車株式会社
発明者 内村毅秋山耕一
出願日 2002年5月30日 (18年5ヶ月経過) 出願番号 2002-156933
公開日 2003年12月3日 (16年11ヶ月経過) 公開番号 2003-342661
状態 拒絶査定
技術分野 内燃機関のシリンダブロック、ケーシング 鋳造前の予備処理と金属の鋳造 鋳型中の金属の処理 鋳型又は中子及びその造型方法 非鉄金属または合金の熱処理
主要キーワード 通常強度 熱疲労試験片 ガスケットシール つかみ部 再溶融処理 要求水準 熱疲労試験 人工時効硬化処理
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年12月3日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

大幅なコストアップを避けることができると共に、熱疲労強度に優れ、例えば内燃機関用シリンダーへッドに好適なアルミニウム合金鋳物と、このような鋳物の製造方法を提供する。

解決手段

質量比で、Si:6.5〜7.5%、Cu:2.0%未満、Mg:0.64%以下、Fe:0.15%以下を含有し、残部実質的にAlからなると共に、Cu及びMg含有量が下記式を満足するアルミニウム合金を680〜720℃の溶湯温度で、350〜400℃に予熱した金型鋳込み、T7処理を施す。

3.3Cu(%)+10.3Mg(%)< 6.6・・・

23.1Cu(%)+29.4Mg(%)>16.6・・・

概要

背景

内燃機関用アルミニウム合金鋳物シリンダーヘッドには、従来、JISH 5202(アルミニウム合金鋳物)に規定されるAC2A、AC2B、AC4Bなどが適用され、鋳造したのち、T6処理(溶体化処理後人工時効硬化処理)によって強度を高めて使用されている。

また、近年、特にディーゼルエンジンのシリンダーヘッドにおいては、その高出力化に伴う燃焼室熱疲労強度向上を目的として、TIG(Tungsten Inert Gas)アークを用いた再溶融処理により、アルミニウム合金の強度や靭性などの機械的性質の向上を図るようにしている。

概要

大幅なコストアップを避けることができると共に、熱疲労強度に優れ、例えば内燃機関用のシリンダーへッドに好適なアルミニウム合金鋳物と、このような鋳物の製造方法を提供する。

質量比で、Si:6.5〜7.5%、Cu:2.0%未満、Mg:0.64%以下、Fe:0.15%以下を含有し、残部実質的にAlからなると共に、Cu及びMg含有量が下記式を満足するアルミニウム合金を680〜720℃の溶湯温度で、350〜400℃に予熱した金型鋳込み、T7処理を施す。

3.3Cu(%)+10.3Mg(%)< 6.6・・・

23.1Cu(%)+29.4Mg(%)>16.6・・・

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

質量比で、Si:6.5〜7.5%、Cu:2.0%未満、Mg:0.64%以下、Fe:0.15%以下を含み、残部が実質的にAlからなると共に、Cu及びMg含有量が下記及び式を満足することを特徴とするアルミニウム合金鋳物。3.3Cu(%)+10.3Mg(%)< 6.6・・・29.4Cu(%)+23.1Mg(%)>16.6・・・

請求項2

350〜400℃の温度範囲予熱した金型中に、680〜720℃の温度範囲の溶湯鋳込むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金鋳物の製造方法。

請求項3

得られた鋳物にT7処理を施すことを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム合金鋳物の製造方法。

請求項4

請求項1に記載されたアルミニウム合金鋳物からなることを特徴とする内燃機関用シリンダヘッド

請求項5

請求項2又は3に記載された方法により製造されていることを特徴とする内燃機関用シリンダヘッド。

技術分野

0001

本発明は、アルミニウム合金鋳物に係わり、特に熱疲労強度に優れ、例えばディーゼルエンジンなど内燃機関用シリンダーヘッドに好適に用いられるアルミニウム合金鋳物と、その製造方法、さらにはこのようなアルミニウム合金鋳物からなる内燃機関用シリンダーヘッドに関するものである。

背景技術

0002

内燃機関用のアルミニウム合金鋳物製シリンダーヘッドには、従来、JISH 5202(アルミニウム合金鋳物)に規定されるAC2A、AC2B、AC4Bなどが適用され、鋳造したのち、T6処理(溶体化処理後人工時効硬化処理)によって強度を高めて使用されている。

0003

また、近年、特にディーゼルエンジンのシリンダーヘッドにおいては、その高出力化に伴う燃焼室の熱疲労強度向上を目的として、TIG(Tungsten Inert Gas)アークを用いた再溶融処理により、アルミニウム合金の強度や靭性などの機械的性質の向上を図るようにしている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記のようなシリンダーヘッドに用いられるAC2A、AC2B、AC4B等の合金は、鋳巣や、粗大な共晶Si、針状Fe化合物などの析出物が発生し易く、延性に劣るという問題点があった。また、TIG再溶融処理したものについては、材料特性においては良好であるものの、大幅なコストアップが避けられないという問題点があり、これらの問題点を解決することが従来のアルミニウム合金製シリンダーヘッドにおける材料面、あるいは製造上の課題となっていた。

0005

本発明は、シリンダーヘッドに用いられる従来のアルミニウム合金鋳物における上記課題に着目してなされたものであって、大幅なコストアップを避けることができ、しかも熱疲労強度に優れたアルミニウム合金鋳物と、このような鋳物の製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

本発明に係わるアルミニウム合金鋳物は、質量比で、Si:6.5〜7.5%、Cu:2.0%未満、Mg:0.64%以下、Fe:0.15%以下を含み、残部が実質的にAlからなると共に、Cu及びMg含有量
3.3Cu(%)+10.3Mg(%)< 6.6・・・
23.1Cu(%)+29.4Mg(%)>16.6・・・
満足する構成としたことを特徴としており、アルミニウム合金鋳物におけるこのような構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。

0007

本発明に係わるアルミニウム合金鋳物の製造方法においては、350〜400℃の温度範囲予熱した金型中に、680〜720℃の温度範囲の溶湯鋳込む構成とし、さらには得られた鋳物にT7処理(溶体化処理後、安定化処理)を施す構成としたことを特徴としている。

0008

そして、本発明に係わる内燃機関用シリンダーヘッドは、上記アルミニウム合金鋳物からなる構成、あるいは上記アルミニウム合金鋳物の製造方法により製造されている構成としたことを特徴としている。

0009

以下に、本発明の合金成分および熱処理条件などの限定理由を作用と共に説明する。

0010

(1)Si:6.6〜7.5%
Siは、粗大な共晶を生じ、延性向上の観点からは少ない方が好ましい元素であるが、溶湯に流動性を与え、合金の鋳造性を向上させる作用を備えた元素であるので、6.5〜7.5%の範囲で添加する。

0011

(2)Cu:2.0%未満(0%をも含む)
Cuを添加すれば、熱処理によって硬さを挙げるのに寄与する。しかし、添加量が2.0%を超えるとCu2Alが析出して硬くなり過ぎ、延性が低下するので、2.0%を上限値とする。

0012

(3)Mg:0.64%以下(0%をも含む)
Mgを添加すれば、固溶強化及び時効硬化によって鋳物の強度を向上させるのに寄与する。しかし、過剰に添加された場合には、Mg2Siとなって析出し、延性を低下させるので、その上限値を0.64%とする。

0013

なお、上記Cu及びMgは、共に硬さを向上させ、延性を低下させる成分であるので、さらに次式及びの関係式を満足する必要がある。
P1= 3.3Cu(%)+10.3Mg(%)< 6.6・・・
P2=23.1Cu(%)+29.4Mg(%)>16.6・・・
域を満たすことで、延性低下を防ぎ、式を満たすことで硬さ向上効果が得られる。

0014

(4)Fe:0.15%以下(0%をも含む)
Feは、針状のFe化合物となって析出し、延性に悪影響を及ぼすため、その上限値を0.15%とする。なお、Feは、上記したように有害な成分なので、少ないほど望ましく、0%の場合をも含む。

0015

(5)金型予熱:350〜400℃
溶湯温度:680〜720℃
当該アルミニウム合金の融点は、620〜630℃程度であるが、溶湯温度をこれよりも50〜100℃程度高い680〜720℃の温度範囲に保持して、350〜400℃に予熱した金型に鋳込むことによって、鋳巣の生成が防止され、製品の延性が向上する。すなわち、金型温度が350℃に満たない場合には、溶湯の流動性が低下し、例えばシリンダーヘッドのような形状の鋳物において湯廻り不良が多くなり、逆に400℃を超えた場合には、冷却が遅くなりすぎて結晶粒粗大化などの悪影響が生じるので、上記温度範囲に設定する。また、溶湯温度についても、同様に流動性および冷却速度の観点から、上記680〜720℃の温度範囲に設定する。なお、注湯後、適当な手段、例えば水冷によって金型を冷却することによって、溶湯の冷却が速められ、鋳巣がさらに低減すると共に、結晶粒微細化が可能になる。

0016

(6)T7処理(溶体化処理後、安定化処理)
例えばシリンダーヘッドにおいては、通常強度を高めるために、T6処理(溶体化処理後、人工時効処理)が施されるが、本発明においては、T6処理に較べて若干強度は落ちるが、伸び向上及び残留応力を低減するためにT7処理、すなわち溶体化・焼入れ後最高強度以上に時効過時効)させる安定化処理を実施するようにした。このT7処理により、シリンダーヘッドに適した機械的特性と、寸法安定性が得られる。なお、溶体化処理については、500〜510℃×4〜8時間、安定化処理については、210〜220℃×6〜10時間の条件で行うことができる。

0017

以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。

0018

(実施例1)表1に示す組成のアルミニウム合金を電気炉によって溶解し、金型試験片鋳型を用いて、溶湯温度700℃、金型温度380℃で鋳造した。これらのうち、合金No.4にのみTIG再溶融処理を施した。そして、T7処理(溶体化処理:510℃×8時間、安定化処理:210℃×9時間)を施した後、引張試験片を切出し、この試験片によって引張試験を実施した。そして、引張試験終了後の試験片のつかみ部分から硬さ試験片を切出し、硬さ試験(ロックウェル硬さ、B−スケール)を行った。この結果を表1に併せて示す。

0019

0020

これらの結果から、熱疲労強度との相関が高いことが知られている伸びと、ヘッドボルト座面、ガスケットシール面のへたり防止の観点から要求される硬さの要求水準(伸び:3.5%以上、硬さ54HRB以上)とを両立しているのは、図1に示すように合金No.1と、TIG再溶融処理を施した従来例のNo.4であった。

0021

(実施例2)次に、上記の結果を踏まえ処理コストの高いTIG再溶融処理を施すことなく所望の伸び及び硬さ水準を満足している合金として、合金No.1をベースにして、伸びと硬さに影響するCu及びMg成分量の最適範囲を求めるため、表2に示すように、合金No.1のCu,Mg成分のみ含有量を変えた合金を溶解し、同様の引張試験及び硬さ試験を実施した。この結果を表2に併せて示す。

0022

0023

そして、これらから所定の破断伸び及び硬さを満足するためのCuとMg含有量の関係式を重回帰分析によって求めたところ、図2斜線部に示すように、
3.3Cu(%)+10.3Mg(%)< 6.6・・・
23.1Cu(%)+29.4Mg(%)>16.6・・・
の範囲内であることが判明した。

0024

(実施例3)表1に示した合金No.1(表2のNo.11)を電気炉によって再度溶解し、2.5リッターディーゼルエンジン用シリンダヘッド鋳型を用いて、溶湯温度700℃、金型温度380℃の条件のもとに鋳造したのち、T7処理(溶体化処理:510℃×8時間、安定化処理:210℃×9時間)を施した。

0025

そして、得られたシリンダーヘッドから熱疲労試験片を切出し、100℃・0.5min→昇温・1.6min→250℃・0.4min→降温・0.5min(昇降温速度は各々定速で制御)を1サイクルとする熱疲労試験に供したところ、6000サイクル数において亀裂発生などの問題は全く認められなかった。

発明の効果

0026

以上、説明したように、本発明に係わるアルミニウム合金鋳物は、Si,Cu,MgおよびFeを好適範囲に含有すると共に、CuおよびMg含有量の関係を特定の範囲に規定したものであるから、熱疲労強度を改善するための伸び向上と、一般に伸びとは相反する特性である強度(硬度)とを両立させ、所望の機械的特性を確保することができるという極めて優れた効果をもたらすものである。

0027

また、本発明に係わるアルミニウム合金鋳物の製造方法においては、所定の温度範囲に保持した溶湯を所定の温度範囲に予熱した金型内に注湯するようにしているので、鋳巣の発生を防止して鋳物の延性を向上させることができると共に、さらにT7処理を施すことによって機械的特性と寸法安定性を向上させることができる。

0028

さらに、本発明に係わる内燃機関用シリンダーヘッドは、上記アルミニウム合金鋳物からなるもの、あるいは上記製造方法により製造されたものであるから、シリンダーヘッドとしての優れた熱疲労特性を備えたものとすることができる。

図面の簡単な説明

0029

図1本発明の実施例1において得られた合金の破断伸びと硬さの関係を示すグラフである。
図2破断伸びと硬さの要求水準を満足するためのCu含有量とMg含有量の関係を示すグラフである。

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