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技術 耐熱合金製補修高温部品、Ni基耐熱合金製補修ガスタービン翼、Ni基耐熱合金製ガスタービン翼の補修方法および耐熱合金製ガスタービン動翼の補修方法

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 豊田真彦月元晃司上村好古
出願日 2002年5月30日 (18年6ヶ月経過) 出願番号 2002-158056
公開日 2003年12月3日 (17年0ヶ月経過) 公開番号 2003-342617
状態 未査定
技術分野 抵抗溶接とその制御 粉末冶金 タービンロータ・ノズル・シール ガスタービン、高圧・高速燃焼室 スポット溶接 タービンロータ・ノズル・シール 非鉄金属または合金の熱処理
主要キーワード 適性条件 下地コーティング 補修処理 切り出し部分 酸化物分散強化型 変動負荷 補修部材 酸化減肉
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

Ni基耐熱合金製であって、高温部品基体と、高温割れがなく基体と同レベルの優れた高温強度の高温部品補修部を有するNi基耐熱合金製補修高温部品およびその補修方法を提供すること。

解決手段

Ni基耐熱合金製であって、溶解鋳造材からなる高温部品基体と、高温割れがなく基体と同レベルの優れた高温強度の焼結材からなる健全な高温部品補修部を有し、高温部品基体と高温部品補修部とが冶金的に接合されているNi基耐熱合金製補修高温部品である。損傷部に補修部材を配置し放電プラズマ焼結法を適用して補修を行う方法である。

概要

背景

高温環境において腐食酸化性雰囲気中で使用されるNi基耐熱合金高温部品の材料としては、Co、Cr、Mo、W、Alなどを固溶元素として多量含有し、溶体化処理での固溶強化を主な強化機構とする固溶強化型Ni基耐熱合金と、γ’相{Ni3(Al,Ti)}の析出強化およびMo、W等による固溶強化を兼備える析出強化型Ni基耐熱合金が用いられている。高温強度高温耐酸化性および高温耐食性に優れた特性が要求されるガスタービン動翼の材料としては、析出強化型Ni基耐熱合金が適している。

例えば、特公平1—59344号公報には、重量%で、Cr7〜13%、Co35%以下、Mo8%以下、Nb3%以下、W14%以下、Ta6%以下、Al4〜7%、Ti0.5〜6%(ただし、Al+Ti6.5〜10.5%)、V0.2〜1.5%、Zr0.2%以下、Hf0.7〜5%、C0.02〜0.5%、B0.002〜0.2%を含有し、残部Niおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする、高温強度、高温耐酸化性および高温耐食性に優れたNi基耐熱合金およびそのNi基耐熱合金からなるガスタービン翼として用いられることが記載されている。

また、米国特許第3459545号公報には、重量%で、Cr15〜18%、Co8〜11%、Mo0.75〜2.2%、W1.8〜3%、Ta1〜3%、Al3〜4%、Ti3〜4%(ただし、Al+Ti7.5%以下)、Zr0.01〜0.2%、B0.01〜0.05%を含有し、残部Niおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とするNi基耐熱合金およびそのNi基耐熱合金からなるガスタービン翼として用いられることが記載されている。

Ni基耐熱合金製高温部品であるガスタービン翼に亀裂、欠け酸化減肉などの損傷が発生した場合、通常、ガスタービン翼と同一組成からなる溶加材で損傷部を溶接補修を行うか、異なる組成のろう材を用いてろう付け補修を行うか、新ガスタービン翼と交換することが行われる。

概要

Ni基耐熱合金製であって、高温部品基体と、高温割れがなく基体と同レベルの優れた高温強度の高温部品補修部を有するNi基耐熱合金製補修高温部品およびその補修方法を提供すること。

Ni基耐熱合金製であって、溶解鋳造材からなる高温部品基体と、高温割れがなく基体と同レベルの優れた高温強度の焼結材からなる健全な高温部品補修部を有し、高温部品基体と高温部品補修部とが冶金的に接合されているNi基耐熱合金製補修高温部品である。損傷部に補修部材を配置し放電プラズマ焼結法を適用して補修を行う方法である。

目的

本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、耐熱合金製であって、溶解鋳造材からなる高温部品基体と、高温割れがなく基体と同レベルの優れた高温強度の焼結材からなる健全な高温部品補修部を有し、高温部品基体と高温部品補修部とが冶金的に接合されている耐熱合金製補修高温部品の提供を目的とする。また、高温部品であるNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼であって、ガスタービン翼基体と補修部が同一組成のNi基耐熱合金であるNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼の提供を目的とする。また、これらNi基耐熱合金製補修高温部品とガスタービン翼の補修方法の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
5件

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請求項1

耐熱合金製補修高温部品であって、溶解鋳造材からなる高温部品基体焼結材からなる高温部品補修部(a)とを有し、前記高温部品基体と前記高温部品補修部(a)とが冶金的に接合されていることを特徴とする耐熱合金製補修高温部品。

請求項2

耐熱合金製補修高温部品であって、溶解鋳造材からなる高温部品の第1基体と、前記溶解鋳造材からなる高温部品の第2基体と、焼結材からなる高温部品補修部(b)とを有し、前記高温部品の第1基体と前記高温部品の第2基体が前記高温部品補修部(b)を介して冶金的に接合されていることを特徴とする耐熱合金製補修高温部品。

請求項3

前記高温部品基体と前記高温部品補修部(a)、または前記第1基体、前記第2基体および前記高温部品補修部(b)が同一組成耐熱合金であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐熱合金製補修高温部品。

請求項4

Ni基耐熱合金から構成され、溶解鋳造材からなるガスタービン翼基体と焼結材からなるガスタービン翼補修部(a)を有し、前記ガスタービン翼基体と前記ガスタービン翼補修部(a)とが冶金的に接合されていることを特徴とするNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼。

請求項5

Ni基耐熱合金製であって、溶解鋳造材からなるガスタービン翼の第1基体と、前記溶解鋳造材からなるガスタービン翼の第2基体と、焼結材からなるガスタービン翼補修部(b)とを有し、前記ガスタービン翼の第1基体と前記ガスタービン翼の第2基体が前記ガスタービン翼補修部(b)を介して冶金的に接合されていることを特徴とするNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼。

請求項6

前記ガスタービン翼基体と前記ガスタービン翼補修部(a)、または前記第1基体、前記第2基体および前記ガスタービン翼補修部(b)が同一組成の耐熱合金であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼。

請求項7

耐熱合金製補修高温部品の基体の損傷部に耐熱合金製粉末を収容した補修部材装填する工程と、前記補修部材を前記基体の損傷部に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の損傷部と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体熱処理する工程と、を備えたことを特徴とする耐熱合金製高温部品補修方法

請求項8

耐熱合金製補修高温部品の基体の損傷部を機械的に除去して加工面を形成する工程と、耐熱合金製粉末を収容した補修部材を前記基体の加工面に装填する工程と、前記補修部材を前記基体の加工面に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の加工面と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、前記接合体を熱処理する工程と、を備えたことを特徴とする耐熱合金製高温部品の補修方法。

請求項9

Ni基耐熱合金製ガスタービン翼の基体の損傷部にNi基耐熱合金製粉末を収容した補修部材を装填する工程と、前記補修部材を前記基体の損傷部に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記Ni基耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の損傷部と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体を熱処理する工程と、を備えることを特徴とするNi基耐熱合金製ガスタービン翼の補修方法。

請求項10

Ni基耐熱合金製ガスタービン翼の基体の損傷部を機械的に除去して加工面を形成する工程と、前記Ni基耐熱合金製粉末を収容した補修部材を前記基体の加工面に装填する工程と、前記補修部材を前記基体の加工面に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記Ni耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の加工面と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体を熱処理する工程と、を備えることを特徴とするNi基耐熱合金製ガスタービン翼の補修方法。

請求項11

動翼基体に損傷部を有する溶解鋳造材からなるNi基耐熱合金製ガスタービン動翼の遮熱コーティング層を除去する工程と、下地コーティング層を剥離する工程と、前記損傷部を機械的に除去して加工面を形成する工程と、前記溶解鋳造材からなるNi基耐熱合金製ガスタービン動翼の基体と同一組成のNi基耐熱合金製粉末を収容した補修部材を前記基体の加工面に装填する工程と、前記補修部材を前記基体の加工面に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記Ni耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の加工面と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体を熱処理する工程と、前記熱処理された接合体に下地コーティング層および遮熱コーティング層を順次被覆する工程と、を備えることを特徴とする耐熱合金製ガスタービン動翼の補修方法。

技術分野

0001

本発明は、ガスタービンジェットエンジンなどの高温環境において腐食酸化性雰囲気中で使用される耐熱合金製補修高温部品とその補修方法に関するものである。とくに、高温環境において高応力変動負荷が作用するNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼に関するものである。

背景技術

0002

高温環境において腐食と酸化性雰囲気中で使用されるNi基耐熱合金製高温部品の材料としては、Co、Cr、Mo、W、Alなどを固溶元素として多量含有し、溶体化処理での固溶強化を主な強化機構とする固溶強化型Ni基耐熱合金と、γ’相{Ni3(Al,Ti)}の析出強化およびMo、W等による固溶強化を兼備える析出強化型Ni基耐熱合金が用いられている。高温強度高温耐酸化性および高温耐食性に優れた特性が要求されるガスタービン動翼の材料としては、析出強化型Ni基耐熱合金が適している。

0003

例えば、特公平1—59344号公報には、重量%で、Cr7〜13%、Co35%以下、Mo8%以下、Nb3%以下、W14%以下、Ta6%以下、Al4〜7%、Ti0.5〜6%(ただし、Al+Ti6.5〜10.5%)、V0.2〜1.5%、Zr0.2%以下、Hf0.7〜5%、C0.02〜0.5%、B0.002〜0.2%を含有し、残部Niおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする、高温強度、高温耐酸化性および高温耐食性に優れたNi基耐熱合金およびそのNi基耐熱合金からなるガスタービン翼として用いられることが記載されている。

0004

また、米国特許第3459545号公報には、重量%で、Cr15〜18%、Co8〜11%、Mo0.75〜2.2%、W1.8〜3%、Ta1〜3%、Al3〜4%、Ti3〜4%(ただし、Al+Ti7.5%以下)、Zr0.01〜0.2%、B0.01〜0.05%を含有し、残部Niおよび不可避不純物からなる組成を有することを特徴とするNi基耐熱合金およびそのNi基耐熱合金からなるガスタービン翼として用いられることが記載されている。

0005

Ni基耐熱合金製高温部品であるガスタービン翼に亀裂、欠け酸化減肉などの損傷が発生した場合、通常、ガスタービン翼と同一組成からなる溶加材で損傷部を溶接補修を行うか、異なる組成のろう材を用いてろう付け補修を行うか、新ガスタービン翼と交換することが行われる。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、Ni基耐熱合金のγ’相の量が多くなると高温強度は高くなるが、靭性は低下し高温割れ感受性が高くなる。したがって、γ’相の量が多い前述したガスタービン翼材のNi基耐熱合金と同一組成の溶加材を用いて溶接補修した場合、溶接金属高温から急速に凝固するために高温割れを生じる問題があった。高温割れを心配して高温強度を犠牲にして溶接性の良い溶加材を用いて溶接補修した場合やガスタービン翼より融点の低い組成のろう材を用いてろう付け補修を行った場合、高温環境において溶接金属やろう付け部の強度が低く、ガスタービン翼母材の特性が発揮できない問題があった。損傷部を度々補修する代わりに、新ガスタービン翼と交換するやり方があるが、ガスタービン翼は非常に高価であり、部分的に損傷が発生したガスタービン翼を新ガスタービン翼で交換するのは経済的に問題がある。

0007

本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、耐熱合金製であって、溶解鋳造材からなる高温部品基体と、高温割れがなく基体と同レベルの優れた高温強度の焼結材からなる健全な高温部品補修部を有し、高温部品基体と高温部品補修部とが冶金的に接合されている耐熱合金製補修高温部品の提供を目的とする。また、高温部品であるNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼であって、ガスタービン翼基体と補修部が同一組成のNi基耐熱合金であるNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼の提供を目的とする。また、これらNi基耐熱合金製補修高温部品とガスタービン翼の補修方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、耐熱合金製高温部品の損傷部の補修のためには、高温部品の補修部を高温部品の基体と同一組成の耐熱合金の材料で構成することが重要であり、その補修手段として放電プラズマ焼結法を適用することに着目し、高温割れがなく、高温強度を有する耐熱合金製補修高温部品とその補修方法を発明するに至った。

0009

本発明はかかる知見に基づいてなされたものであって、耐熱合金製補修高温部品であって、溶解鋳造材からなる高温部品基体と焼結材からなる高温部品補修部(a)とを有し、前記高温部品基体と前記高温部品補修部(a)とが冶金的に接合されていることを特徴とする耐熱合金製補修高温部品である。また本発明は、耐熱合金製補修高温部品であって、溶解鋳造材からなる高温部品の第1基体と、溶解鋳造材からなる高温部品の第2基体と、焼結材からなる高温部品補修部(b)とを有し、前記高温部品の第1基体と前記高温部品の第2基体が前記高温部品補修部(b)を介して冶金的に接合されていることを特徴とする耐熱合金製補修高温部品を提供する。以上の耐熱合金製補修高温部品において、前記基体と前記高温部品補修部(a)、または前記第1基体、前記第2基体および前記高温部品補修部(b)が同一組成のNi基耐熱合金とすることができる。また、前記耐熱合金としては析出強化型、酸化物分散強化型等の種々のNi基耐熱合金を適用することができる。また、以上の耐熱合金製補修高温部品は、Ni基耐熱合金に限らず、Co基耐熱合金、その他の耐熱合金に適用することもできる。

0010

本発明が対象とする具体的な用途の1つとしてガスタービン翼がある。したがって本発明は、Ni基耐熱合金から構成され、溶解鋳造材からなるガスタービン翼基体と焼結材からなるガスタービン翼補修部(a)を有し、前記ガスタービン翼基体と前記ガスタービン翼補修部(a)とが冶金的に接合されていることを特徴とするNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼を提供する。さらに本発明は、Ni基耐熱合金製であって、溶解鋳造材からなるガスタービン翼の第1基体と、溶解鋳造材からなるガスタービン翼の第2基体と、焼結材からなるガスタービン翼補修部(b)とを有し、前記ガスタービン翼の第1基体と前記ガスタービン翼の第2基体が前記ガスタービン翼補修部を介して冶金的に接合されていることを特徴とするNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼をも提供する。以上のNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼においても、前記基体と前記ガスタービン翼補修部(a)、または前記第1基体、前記第2基体および前記ガスタービン翼補修部(b)が同一組成のNi基耐熱合金であることが望ましい。また、前記Ni基耐熱合金としては、析出強化型Ni基耐熱合金または酸化物分散強化型Ni基耐熱合金を用いることができる。

0011

以上の耐熱合金製補修高温部品を得るための好適な方法を本発明は提供する。すなわち本発明の耐熱合金製高温部品の補修方法は、耐熱合金製高温部品の基体の損傷部に耐熱合金製粉末を収容した補修部材装填する工程と、前記補修部材を前記基体の損傷部に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の損傷部と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体熱処理する工程と、を備えたことを特徴とする。また本発明は、耐熱合金製高温部品の基体の損傷部を機械的に除去して加工面を形成する工程と、耐熱合金製粉末を収容した補修部材を前記基体の加工面に装填する工程と、前記補修部材を前記基体の加工面に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の加工面と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体を熱処理する工程と、を備えたことを特徴とする耐熱合金製高温部品の補修方法を提供する。

0012

前述したNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼を得るための好適な方法を本発明は提供する。すなわち本発明のNi基耐熱合金製ガスタービン翼の補修方法は、Ni基耐熱合金製ガスタービン翼の基体の損傷部にNi基耐熱合金製粉末を収容した補修部材を装填する工程と、前記補修部材を前記基体の損傷部に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記Ni基耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の損傷部と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体を熱処理する工程と、を備えることを特徴とする。また本発明は、Ni基耐熱合金製ガスタービン翼の基体の損傷部を機械的に除去して加工面を形成する工程と、Ni基耐熱合金製粉末を収容した補修部材を前記基体の加工面に装填する工程と、前記補修部材を前記基体の加工面に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記Ni基耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の加工面と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体を熱処理する工程と、を備えることを特徴とするNi基耐熱合金製ガスタービン翼の補修方法も提供する。さらに本発明は、動翼基体に損傷部を有する溶解鋳造材からなるNi基耐熱合金製ガスタービン動翼の遮熱コーティング層を除去する工程と、下地コーティング層を剥離する工程と、前記損傷部を機械的に除去して加工面を形成する工程と、カーボンシートで前記溶解鋳造材からなるNi基耐熱合金製ガスタービン動翼の基体と同一組成のNi基耐熱合金製粉末を収容した補修部材を前記基体の加工面に装填する工程と、前記補修部材を前記基体の加工面に加圧しながら放電プラズマ焼結して前記Ni基耐熱合金製粉末を焼結すると同時に前記基体の加工面と焼結された補修部材とを冶金的に接合する工程と、得られた接合体を熱処理する工程と、前記熱処理された接合体に下地コーティング層および遮熱コーティング層を順次被覆する工程と、を備えることを特徴とするNi基耐熱合金製ガスタービン動翼の補修方法をも提供する。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明の耐熱合金製補修高温部品およびその補修方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。

0014

(実施の形態1)図1はNi基耐熱合金製高温部品であるガスタービン翼10について、遠心力がかかり損傷し易い部位である上端に一部欠けが生じた場合の補修ガスタービン翼の構成を示す斜視図である。ガスタービン翼10の基体11である母材としては、高温強度の高い溶解鋳造材である析出強化型Ni基耐熱合金が好ましい。図4の斜視図に示す如くガスタービン翼10の基体11に欠けAなどの損傷が発生した場合、損傷部に例えばカーボンシート(図示せず)でNi基耐熱合金製粉末を収容した補修部材を配置する。なお、カーボンシートはあくまで一例であり、電極からの放電電流が通過し得るものであればよい。

0015

この補修部材を基体11の損傷部に加圧しながら押し付けた電極(図示せず)から放電電流を印加して放電プラズマ焼結を行い、Ni基耐熱合金製粉末を焼結すると同時に基体11の損傷部と焼結された補修部材とが接合されて、溶解鋳造材からなるガスタービン翼基体と焼結材からなるガスタービン翼補修部とが冶金的に接合されたNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼が得られる。補修部材は大電流パルス通電時の放電による高熱ジュール熱により、極めて熱効率よく緻密化焼結されている。なお、損傷部の酸化層を除去したり、補修部材を装填し易いように、欠けAの損傷部を機械的に除去して加工面を形成するようにしてもよい。

0016

(実施の形態2)図2はNi基耐熱合金製高温部品であるガスタービン翼10について、遠心力がかかり損傷し易い部位である翼上端に大きな欠けの損傷が生じた場合の補修ガスタービン翼の構成を示す斜視図である。損傷部が大きい場合には、図1のように損傷部全体に補修部材12を充填するのではなくて、ガスタービン翼10の損傷部の一部と同一形状クーポン(溶解鋳造材)を用意して、ガスタービン翼10の第2基体111として利用して、装填する補修部材12の量を少なくし、焼結効率を高めることができる。

0017

ガスタービン翼10の第1基体110の損傷部にカーボンシート(図示せず)でNi基耐熱合金製粉末を収容した補修部材12とガスタービン翼10の第2基体(クーポン)111を配置し、ガスタービン翼10の第2基体111を押し付けて、補修部材12をガスタービン翼10の第1基体110の損傷部に加圧しながら電極から放電電流を印加して放電プラズマ焼結を行い、Ni基耐熱合金製粉末を焼結すると同時に基体11の損傷部と焼結された補修部材12とが接合されて、溶解鋳造材からなるガスタービン翼10の第1基体110と第2基体111が焼結材からなるガスタービン翼補修部を介して冶金的に接合されたNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼が得られる。なお、補修部材を装填し易いように、損傷部を機械的に除去して加工面を形成するようにしてもよい。

0018

(実施の形態3)図3はNi基耐熱合金製高温部品であるガスタービン翼10について、翼の頂部に亀裂などの損傷が生じた場合の補修ガスタービン翼の構成を示す斜視図である。亀裂が生じた翼の頂部の損傷部を一度機械的に削除してガスタービン翼10の基体11に加工面を形成し、加工面の上に薄い翼チップシニング部を形成するようにカーボンシート(図示せず)でNi基耐熱合金製粉末を収容した補修部材12を装填し、この補修部材12を基体11に加圧しながら電極から放電電流を印加して放電プラズマ焼結を行い、Ni基耐熱合金製粉末を焼結すると同時に基体11の加工面と焼結された補修部材12とが接合される。

0019

以上により、溶解鋳造材からなるガスタービン翼基体と焼結材からなるガスタービン翼補修部(翼チップシンニング部)とが冶金的に接合されたNi基耐熱合金製補修ガスタービン翼が得られる。前述した実施の形態において、ガスタービン翼10の基体11、第1基体110、第2基体111と補修部材12が同一組成のNi基耐熱合金であることが好ましく、また、析出強化型Ni基耐熱合金であることが好ましい。さらに、補修部材12として用いる粉末は焼結により収縮して緻密化するために、元の翼形状より大きめに充填するのが好ましい。

0020

本発明のNi基耐熱合金製補修高温部品およびその補修方法について、Ni基耐熱合金製ガスタービン動翼の具体的な実施例を参照してさらに詳述する。図4に示すような小さな欠けAの損傷部を生じたNi基耐熱合金製ガスタービン動翼について、放電プラズマ焼結法を適用して図1に示す構成のNi基耐熱合金製補修ガスタービン動翼を作製した。補修処理をする前処理として、損傷部を有するガスタービン動翼の遮熱コーティング層を除去し、その後溶体化の熱処理をした後、下地コーティング層を剥離した。

0021

溶解鋳造材であるガスタービン動翼の基体11と補修部材12の粉末は、同一組成のNi基耐熱合金であり、析出強化型のIN-738LC(スペシャルメタル社の商標)を用いた。組成の例を表1に示す。補修部材12として、平均粒径が22μm、最大粒径が40μmのIN-738LC製粉末を用いた。補修用の粉末は損傷部への充填時に形状を維持できるように、0.2mm厚のカーボンシートに収容して使用した。

0022

0023

損傷部を機械的に削除したガスタービン動翼の基体11に、カーボンシートでIN-738LC粉末を収容した補修部材12を配置し、この補修部材12を基体11の加工面に、表2に示すように30〜90MPaで加圧しながら押し付けた電極から放電電流を印加して焼結部が1000〜1100℃になるようにした。放電プラズマ焼結を行い、IN-738LC粉末を焼結すると同時に溶解鋳造材からなる基体11と焼結された補修部材12とが接合されて、溶解鋳造材からなるガスタービン動翼基体と焼結材からなるガスタービン動翼補修部とが冶金的に接合されたIN-738LCのNi基耐熱合金製補修ガスタービン動翼が得られた。次に、得られた接合体を後加工により所定の形状に加工し、1120℃、2時間溶体化処理後、843℃、24時間時効処理する熱処理を施し、その後、耐熱性を高めるために基体の母材11とセラミック系の遮熱コーティング層の間の熱膨張係数を有し、基体11の母材より高温耐耐酸化性に優れた特性を有するCoNiCrAlY合金の下地コーティング層を低圧プラズマ溶射被覆し、続いて、熱伝導性が低く、熱膨張が大きく、かつ高温で安定性に優れた部分安定化ZrO2の遮熱コーティング層を大気プラズマ溶射で被覆した。

0024

次に、図5に示す形状の試験片を上記で得られたガスタービン動翼から切り出して、高温引張り試験を行った。なお、切り出し部分は溶解鋳造材(母材)と焼結材との境界部分であり、また試験温度は、850℃とした。試験結果を表2に示す。接合温度が1000℃のNo.1は、母材の26.1%の引張り強さしか得られない。また接合温度1050℃のNo.2も母材の33.1%と引張り強さは低い。なお、母材引張り強さとは、前述した熱処理を施した溶解鋳造材の引張り強さである。

0025

0026

接合温度が1100℃の場合は、加圧力が30MPaでは、接合時間が90分までは、No.3〜6に示すように母材引張り強さの80%以下の強度しか得ることができないが、接合時間を240分とすることにより、No.7に示すように母材引張り強さの80%を超える。さらに、加圧力を60及び90MPaと向上させると、接合時間は90分でNo.8および9に示すように母材引張り強さの80%以上を満足した。表2のNo.1、6及び7の顕微鏡写真をそれぞれ図6、7及び図8に示す。なお、図6図8において、左半分が母材、右半分が焼結材である。図6(No.1)及び図7(No.6)については、接合条件が適切でないため、焼結組織が充填していないことがわかる。また、適性条件施工された図8(No.7)の場合は、焼結組織は緻密化している。また、溶接補修時に生じる高温割れも発生していない。放電プラズマ焼結法を適用した本発明によれば、ホットプレス法や熱間静水圧法などの他の焼結法に比べ、設備費用が安く、省スペースで、焼結スピードも早く、短時間で緻密化した健全な補修部を形成できた。なお、以上では特定組成のNi基耐熱合金の例について説明したが、本発明は上記組成のNi基耐熱合金に限定されず、例えばCo基耐熱合金に適用できることは言うまでもない。また、用途もタービン動翼に限定されるものではなく、各種の耐熱合金製部品に適用できることは言うまでもない。

発明の効果

0027

以上説明したように、本発明によれば、耐熱合金製高温部品に損傷が発生した場合、補修部を基体と同一組成の焼結材からなる耐熱合金で冶金的に接合した耐熱合金製補修高温部品を得ることができる。また、溶解鋳造材からなるNi基耐熱合金製の基体と、高温割れがなく、基体と同レベルの優れた高温強度の焼結材からなる健全な補修部を有するNi基耐熱合金製補修ガスタービン動翼を新翼と交換する場合に比べて低コストで提供できる。また、補修部材の焼結に放電プラズマ焼結法を適用することにより、ホットプレスなどの他の焼結法と比較して、低コストの装置で短時間で緻密化した補修部を形成でき、新翼と同レベルの性能を有するNi基耐熱合金製補修ガスタービン動翼を提供できる。

図面の簡単な説明

0028

図1本発明にかかる実施の形態1の補修ガスタービン翼を示す斜視図である。
図2本発明にかかる実施の形態2の補修ガスタービン翼を示す斜視図である。
図3本発明にかかる実施の形態3の補修ガスタービン翼を示す斜視図である。
図4翼の一部に欠けなどの損傷が発生したガスタービン翼を示す斜視図である。
図5引張り試験を実施したときの試験片形状である。
図6表2のNo.1による補修ガスタービン動翼の基体と補修部の境界部のミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
図7表2のNo.6による補修ガスタービン動翼の基体と補修部の境界部のミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
図8表2のNo.7による補修ガスタービン動翼の基体と補修部の境界部のミクロ組織を示す顕微鏡写真である。

--

0029

10…ガスタービン翼、11…基体、12…補修部材、110…第1基体、111…第2基体、A…欠け

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