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技術 平衡型高周波デバイス、及びそれを用いた平衡型高周波回路

出願人 松下電器産業株式会社
発明者 中村弘幸中谷俊文石崎俊雄
出願日 2003年3月12日 (16年6ヶ月経過) 出願番号 2003-066389
公開日 2003年11月28日 (15年9ヶ月経過) 公開番号 2003-338724
状態 特許登録済
技術分野 遅延・整合・分波・合波回路 導波管型の結合装置 弾性表面波素子とその回路網
主要キーワード 実測特性 差動信号成分 合成インダクタ 規格化インピーダンス バランス動作 仮想接地点 DCカットキャパシタ 平衡度
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図面 (20)

課題

平衡型デバイスに関して、バランス特性劣化するという課題があった。

解決手段

信号を入力する入力端子INと、信号を出力する出力端子UT1、OUT2とを有する平衡型素子102と、位相回路103とを備え、入力端子IN及び出力端子OUT1、OUT2の少なくともいずれかが平衡型入力端子または平衡型出力端子OUT1、OUT2であり、平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子OUT1、OUT2間に位相回路103が電気的に接続されており、位相回路103は、信号の同相信号成分を低減する。

概要

背景

近年、移動体通信発展に伴い、使用されるデバイス高性能化、小型化が期待されている。さらに、デバイス間のクロストークなどに対する雑音特性の良好化を目的として、RF段に使用されるフィルタ半導体素子平衡化バランス化)が進み、良好なバランス特性が求められている。フィルタに関しては、従来より、弾性表面波フィルタが広く用いられている。特に、縦モード型の弾性表面波フィルタはIDT電極の構成上、平衡不平衡変換が容易に実現でき、平衡型入出力端子を有するRF段のフィルタとして、低ロス、高減衰、良好なバランス特性が期待されている。

以下、従来の平衡型高周波デバイスについて説明する。図28に従来の平衡型高周波デバイス2801の構成を示す。平衡型高周波デバイス2801は、不平衡型入出力端子である入力端子INと、平衡型入出力端子である出力端子UT1、OUT2とにより構成される。

また、平衡型高周波デバイスにおいては、インピーダンス整合が必要とされる。図29に示すのは、整合回路を有する従来の平衡型高周波デバイスの構成の一例である。図29(a)において、平衡型高周波デバイス2901は、不平衡型入出力端子である入力端子INと、平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2とにより構成される。さらに、出力端子間には整合回路2902が接続される。また、図29(b)において、平衡型高周波デバイス2903は、不平衡型入出力端子である入力端子INと、平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2とにより構成される。さらに、出力端子OUT1、OUT2と接地面の間には整合回路2904、2905がそれぞれ接続される。このような整合回路に関しては、平衡型高周波デバイスと平衡型入出力端子の特性インピーダンスとの整合をとるために用いられていた。

このような平衡型高周波デバイスの一例として、従来の弾性表面波フィルタについて説明する。図30に示すのは、平衡型入出力端子を有する弾性表面波フィルタ3001の構成図である。図30において、弾性表面波フィルタ3001は、圧電基板3002上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)3003、3004、3005と第1、第2の反射器電極3006、3007とにより構成される。第1のIDT電極3003の一方の電極指は出力端子OUT1に接続され、第1のIDT電極3003の他方の電極指は出力端子OUT2に接続される。また、第2、第3のIDT電極3004、3005の一方の電極指を入力端子INに接続し、他方を接地する。以上の構成とすることにより、不平衡型−平衡型入出力端子を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。また、図30の弾性表面波フィルタにおいて、入出力端子のインピーダンスはそれぞれ50Ωと設計されている。

また、整合回路を有する平衡型高周波デバイスの一例として、従来の弾性表面波フィルタについて説明する。図31に示すのは、整合回路を有する弾性表面波フィルタ3101の構成図である。図31において、弾性表面波フィルタ3101は、圧電基板3102上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)3103、3104、3105と第1、第2の反射器電極3106、3107とにより構成される。第1のIDT電極3103は2つの分割IDT電極に分割され、第1の分割IDT電極3108の一方の電極指は出力端子OUT1に接続され、第2の分割IDT電極3109の一方の電極指は出力端子OUT2に接続され、第1、第2の分割IDT電極の他方の電極指は電気的に接続される。また、第2、第3のIDT電極3104、3105の一方の電極指は入力端子INに接続され、他方は接地される。さらに、出力端子間には、整合回路としてインダクタ3110が接続されている。以上の構成とすることにより、不平衡型−平衡型入出力端子を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。また、図31の弾性表面波フィルタにおいて、入出力端子のインピーダンスは入力側が50Ω、出力側が150Ωと設計されており、インピーダンス変換の機能を有する。

図32に示すのは、図30で示した従来の900MHz帯の弾性表面波フィルタの特性図である。図32において、(a)は通過特性であり、(b)は通過帯域(925MHzから960MHzまで)における振幅バランス特性であり、(c)は通過帯域における位相バランス特性である。図32より、通過帯域において、振幅バランス特性は−0.67dB〜+0.77dB、位相バランス特性は−6.3°〜+9.4°と大きく劣化している。

ここで、振幅バランス特性とは、入力端子INと出力端子OUT1との信号振幅と、入力端子INと出力端子OUT2との信号振幅との振幅差を表したものであり、この値がとなればバランス特性の劣化はない。また、位相バランス特性とは、入力端子INと出力端子OUT1との信号位相と、入力端子INと出力端子OUT2との信号位相との位相差の180°からのずれを表したものであり、この値が零となればバランス特性の劣化はない。

概要

平衡型デバイスに関して、バランス特性が劣化するという課題があった。

信号を入力する入力端子INと、信号を出力する出力端子OUT1、OUT2とを有する平衡型素子102と、位相回路103とを備え、入力端子IN及び出力端子OUT1、OUT2の少なくともいずれかが平衡型入力端子または平衡型出力端子OUT1、OUT2であり、平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子OUT1、OUT2間に位相回路103が電気的に接続されており、位相回路103は、信号の同相信号成分を低減する。

目的

本発明では、平衡型高周波デバイスに関して、劣化原因を考察することによりバランス特性の改善手法を導き、良好なバランス特性を有する平衡型高周波デバイス、平衡型高周波回路、位相回路、及び平衡度良好化方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
6件
牽制数
4件

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請求項1

信号を入力する入力端子と、信号を出力する出力端子とを有する平衡型素子と、位相回路とを備え、前記入端子及び前記出力端子の少なくともいずれかが平衡型入力端子または平衡型出力端子であり、前記平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子間に前記位相回路が電気的に接続されており、前記位相回路は、前記信号の同相信号成分を低減する平衡型高周波デバイス

請求項2

前記位相回路は所定の周波数において共振する共振回路である請求項1に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項3

前記共振回路は、前記信号の同相信号成分に対して接地面に対して直列共振する直列共振回路である請求項2に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項4

前記共振回路は、前記信号の差動信号成分に対して接地面に対して並列共振する並列共振回路である請求項2に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項5

前記位相回路は、前記信号の差動信号成分に対する整合回路を含む請求項2〜4のいずれかに記載の平衡型高周波デバイス。

請求項6

前記位相回路は、伝送線路により構成されている請求項2〜4のいずれかに記載の平衡型高周波デバイス。

請求項7

前記伝送線路の線路長は、λを波長、nを整数とした時に、(λ/4+nλ)以上、(3λ/4+nλ)以下である請求項6に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項8

前記伝送線路の線路長は、λを波長、nを整数とした時に、(3λ/8+nλ)以上、(5λ/8+nλ)以下である請求項7に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項9

前記伝送線路の線路長は、実質上λ/2である請求項8に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項10

前記位相回路は、前記信号の同相信号成分に関しては、実質上、先端開放λ/4線路の直列共振回路として動作し、前記信号の差動信号成分に関しては、実質上、先端終端λ/4線路の並列共振回路として動作すること特徴とする請求項9に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項11

前記位相回路は、少なくとも3つのインピーダンス素子により構成されており、前記平衡型入力端子または前記平衡型出力端子の接地面とのインピーダンスに関して、前記信号の同相信号成分の接地面に対するインピーダンスが、前記信号の差動信号成分の接地面に対するインピーダンスよりも低く設定されている請求項2〜4のいずれかに記載の平衡型高周波デバイス。

請求項12

前記平衡型入力端子の一方または前記平衡型出力端子の一方と接地面との間に第1のインピーダンス素子が接続されており、前記平衡型入力端子の他方または前記平衡型出力端子の他方と接地面との間に第2のインピーダンス素子が接続されており、前記平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子間に第3のインピーダンス素子が接続されており、前記第1、第2のインピーダンス素子のインピーダンスの虚数部と前記第3のインピーダンス素子のインピーダンスの虚数部との極性が異なる請求項11に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項13

前記信号の差動信号成分に関しては、前記第1のインピーダンス素子及び前記第3のインピーダンス素子と、前記第2のインピーダンス素子及び前記第3のインピーダンス素子とは、それぞれ所定の周波数において接地面に対して並列共振回路を形成することを特徴とする請求項12に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項14

前記信号の同相信号成分に関しては、前記平衡型入力端子の一方または前記平衡型出力端子の一方と接地面とのインピーダンス、及び前記平衡型入力端子の他方または前記平衡型出力端子の他方と接地面とのインピーダンスは、特性インピーダンスをZ0とした場合に、それぞれ2×Z0以下である請求項12記載の平衡型高周波デバイス。

請求項15

前記信号の同相信号成分の接地面に対するインピーダンスが、特性インピーダンスをZ0とした時に、0.5×Z0以下である請求項14に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項16

平衡型入力端子間または平衡型出力端子間に第1のインピーダンス素子と第2のインピーダンス素子とが直列に接続されており、前記第1のインピーダンス素子と前記第2のインピーダンス素子との間は、第3のインピーダンス素子を介して接地される構成であって、前記第1、第2のインピーダンス素子のインピーダンスの虚数部と前記第3のインピーダンス素子のインピーダンスの虚数部との極性が異なる請求項11に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項17

前記信号の同相信号成分に関しては、前記第1のインピーダンス素子及び前記第3のインピーダンス素子と、前記第2のインピーダンス素子及び前記第3のインピーダンス素子とは、それぞれ所定の周波数において接地面に対して直列共振回路を形成する請求項16に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項18

前記平衡型素子は弾性表面波フィルタであり、前記弾性表面波フィルタは、圧電基板と、前記圧電基板上に形成された複数のインターディジタルトランスデューサ電極であるIDT電極とを有し、前記少なくとも1つのIDT電極は平衡型入力端子または平衡型出力端子に接続されている請求項1〜4のいずれかに記載の平衡型高周波デバイス。

請求項19

前記弾性表面波フィルタは、少なくとも第1、第2、第3のIDT電極を弾性表面波伝搬方向に沿って配置した縦モード型の弾性表面波フィルタであり、前記第1のIDT電極の両側に前記第2、第3のIDT電極が配置され、前記第1のIDT電極は平衡型であって、前記第1のIDT電極を構成する一方、および他方の電極指は、それぞれ平衡型入力端子にまたはそれぞれ平衡型出力端子に接続されている請求項18に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項20

前記弾性表面波フィルタが、少なくとも第1、第2、第3のIDT電極を弾性表面波の伝搬方向に沿って配置した縦モード型の弾性表面波フィルタであり、前記第1のIDT電極の両側に前記第2、第3のIDT電極が配置され、前記第1のIDT電極は、複数の分割IDT電極により構成され、前記分割IDT電極の少なくとも2つは、それぞれ平衡型入力端子にまたはそれぞれ平衡型出力端子に接続されている請求項18に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項21

前記弾性表面波フィルタが、少なくとも第1、第2、第3のIDT電極を弾性表面波の伝搬方向に沿って配置した縦モード型の弾性表面波フィルタであり、前記第1のIDT電極の両側に前記第2、第3のIDT電極が配置され、前記第2のIDT電極は平衡型入力端子の一方または平衡型出力端子の一方に接続されており、前記第3のIDT電極は平衡型入力端子の他方または平衡型出力端子の他方に接続されている請求項18に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項22

前記平衡型素子は、半導体素子である請求項1〜4のいずれかに記載の平衡型高周波デバイス。

請求項23

前記半導体素子は、複数のトランジスタを用いて構成される増幅器である請求項22に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項24

前記位相回路の少なくとも一部が、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して前記誘電体層を積層することにより形成される積層デバイスに含まれる構成である請求項1〜4のいずれかに記載の平衡型高周波デバイス。

請求項25

前記積層デバイスは少なくとも一つの回路機能を有し、前記平衡型高周波デバイスと前記積層デバイスとが複合化されている請求項24に記載の平衡型高周波デバイス。

請求項26

請求項1〜4のいずれかに記載の平衡型高周波デバイスを備えた平衡型高周波回路

請求項27

前記平衡型高周波回路を構成する送信フィルタおよび/または受信フィルタに請求項18に記載の平衡型高周波デバイスを用いた請求項26に記載の平衡型高周波回路。

請求項28

前記平衡型高周波回路を構成する送信増幅器および/または受信増幅器に請求項22に記載の平衡型高周波デバイスを用いた請求項26に記載の平衡型高周波回路。

請求項29

回路基板と、前記回路基板に設けられた平衡型伝送線路とを備え、前記平衡型伝送線路間に請求項1〜4のいずれかに記載の位相回路が接続されている平衡型高周波回路。

請求項30

信号を入力する入力端子と、信号を出力する出力端子とを有し、前記入力端子及び前記出力端子の少なくともいずれかが平衡型入力端子または平衡型出力端子である平衡型素子の前記平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子間に電気的に接続され、前記信号の同相信号成分を低減する位相回路部を備えた位相回路。

請求項31

信号を入力する入力端子と、信号を出力する出力端子とを有し、前記入力端子及び前記出力端子の少なくともいずれかが平衡型入力端子または平衡型出力端子である平衡型素子の前記平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子間の信号の同相信号成分を低減する同相信号成分低減ステップを備えた平衡度良好化方法。

技術分野

0001

本発明は、弾性表面波フィルタ高周波増幅器等の平衡型高周波デバイス、それを用いた平衡型高周波回路位相回路、及び平衡度良好化方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、移動体通信発展に伴い、使用されるデバイス高性能化、小型化が期待されている。さらに、デバイス間のクロストークなどに対する雑音特性の良好化を目的として、RF段に使用されるフィルタ半導体素子平衡化バランス化)が進み、良好なバランス特性が求められている。フィルタに関しては、従来より、弾性表面波フィルタが広く用いられている。特に、縦モード型の弾性表面波フィルタはIDT電極の構成上、平衡不平衡変換が容易に実現でき、平衡型入出力端子を有するRF段のフィルタとして、低ロス、高減衰、良好なバランス特性が期待されている。

0003

以下、従来の平衡型高周波デバイスについて説明する。図28に従来の平衡型高周波デバイス2801の構成を示す。平衡型高周波デバイス2801は、不平衡型入出力端子である入力端子INと、平衡型入出力端子である出力端子UT1、OUT2とにより構成される。

0004

また、平衡型高周波デバイスにおいては、インピーダンス整合が必要とされる。図29に示すのは、整合回路を有する従来の平衡型高周波デバイスの構成の一例である。図29(a)において、平衡型高周波デバイス2901は、不平衡型入出力端子である入力端子INと、平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2とにより構成される。さらに、出力端子間には整合回路2902が接続される。また、図29(b)において、平衡型高周波デバイス2903は、不平衡型入出力端子である入力端子INと、平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2とにより構成される。さらに、出力端子OUT1、OUT2と接地面の間には整合回路2904、2905がそれぞれ接続される。このような整合回路に関しては、平衡型高周波デバイスと平衡型入出力端子の特性インピーダンスとの整合をとるために用いられていた。

0005

このような平衡型高周波デバイスの一例として、従来の弾性表面波フィルタについて説明する。図30に示すのは、平衡型入出力端子を有する弾性表面波フィルタ3001の構成図である。図30において、弾性表面波フィルタ3001は、圧電基板3002上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)3003、3004、3005と第1、第2の反射器電極3006、3007とにより構成される。第1のIDT電極3003の一方の電極指は出力端子OUT1に接続され、第1のIDT電極3003の他方の電極指は出力端子OUT2に接続される。また、第2、第3のIDT電極3004、3005の一方の電極指を入力端子INに接続し、他方を接地する。以上の構成とすることにより、不平衡型−平衡型入出力端子を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。また、図30の弾性表面波フィルタにおいて、入出力端子のインピーダンスはそれぞれ50Ωと設計されている。

0006

また、整合回路を有する平衡型高周波デバイスの一例として、従来の弾性表面波フィルタについて説明する。図31に示すのは、整合回路を有する弾性表面波フィルタ3101の構成図である。図31において、弾性表面波フィルタ3101は、圧電基板3102上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)3103、3104、3105と第1、第2の反射器電極3106、3107とにより構成される。第1のIDT電極3103は2つの分割IDT電極に分割され、第1の分割IDT電極3108の一方の電極指は出力端子OUT1に接続され、第2の分割IDT電極3109の一方の電極指は出力端子OUT2に接続され、第1、第2の分割IDT電極の他方の電極指は電気的に接続される。また、第2、第3のIDT電極3104、3105の一方の電極指は入力端子INに接続され、他方は接地される。さらに、出力端子間には、整合回路としてインダクタ3110が接続されている。以上の構成とすることにより、不平衡型−平衡型入出力端子を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。また、図31の弾性表面波フィルタにおいて、入出力端子のインピーダンスは入力側が50Ω、出力側が150Ωと設計されており、インピーダンス変換の機能を有する。

0007

図32に示すのは、図30で示した従来の900MHz帯の弾性表面波フィルタの特性図である。図32において、(a)は通過特性であり、(b)は通過帯域(925MHzから960MHzまで)における振幅バランス特性であり、(c)は通過帯域における位相バランス特性である。図32より、通過帯域において、振幅バランス特性は−0.67dB〜+0.77dB、位相バランス特性は−6.3°〜+9.4°と大きく劣化している。

0008

ここで、振幅バランス特性とは、入力端子INと出力端子OUT1との信号振幅と、入力端子INと出力端子OUT2との信号振幅との振幅差を表したものであり、この値がとなればバランス特性の劣化はない。また、位相バランス特性とは、入力端子INと出力端子OUT1との信号位相と、入力端子INと出力端子OUT2との信号位相との位相差の180°からのずれを表したものであり、この値が零となればバランス特性の劣化はない。

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、上述の平衡型高周波デバイス、及びその一例として説明した弾性表面波フィルタにおいては、重要な電気的特性の一つであるバランス特性の劣化が大きいという課題があった。

0010

本発明では、平衡型高周波デバイスに関して、劣化原因を考察することによりバランス特性の改善手法を導き、良好なバランス特性を有する平衡型高周波デバイス、平衡型高周波回路、位相回路、及び平衡度良好化方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0011

上述した課題を解決するために、第1の本発明は、信号を入力する入力端子(IN)と、信号を出力する出力端子(OUT1、OUT2)とを有する平衡型素子(102)と、位相回路(103)とを備え、前記入端子(IN)及び前記出力端子(OUT1、OUT2)の少なくともいずれかが平衡型入力端子または平衡型出力端子(OUT1、OUT1)であり、前記平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子間(OUT1、OUT2)に前記位相回路(103)が電気的に接続されており、前記位相回路(103)は、前記信号の同相信号成分を低減する平衡型高周波デバイス(101)である。

0012

また、第2の本発明は、前記位相回路(103)は所定の周波数において共振する共振回路である第1の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0013

また、第3の本発明は、前記共振回路(1201)は、前記信号の同相信号成分に対して接地面に対して直列共振する直列共振回路である第2の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0014

また、第4の本発明は、前記共振回路(901)は、前記信号の差動信号成分に対して接地面に対して並列共振する並列共振回路である第2の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0015

また、第5の本発明は、前記位相回路(2303)は、前記信号の差動信号成分に対する整合回路(2307)を含む第2〜4の本発明のいずれかの平衡型高周波デバイスである。

0016

また、第6の本発明は、前記位相回路(603)は、伝送線路(604)により構成されている第2〜4の本発明のいずれかの平衡型高周波デバイスである。

0017

また、第7の本発明は、前記伝送線路(604)の線路長は、λを波長、nを整数とした時に、(λ/4+nλ)以上、(3λ/4+nλ)以下である第6の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0018

また、第8の本発明は、前記伝送線路の線路長(604)は、λを波長、nを整数とした時に、(3λ/8+nλ)以上、(5λ/8+nλ)以下である第7の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0019

また、第9の本発明は、前記伝送線路(604)の線路長は、実質上λ/2である第8の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0020

また、第10の本発明は、前記位相回路(603)は、前記信号の同相信号成分に関しては、実質上、先端開放λ/4線路の直列共振回路として動作し、前記信号の差動信号成分に関しては、実質上、先端終端λ/4線路の並列共振回路として動作すること特徴とする第9の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0021

また、第11の本発明は、前記位相回路(803)は、少なくとも3つのインピーダンス素子により構成されており、前記平衡型入力端子または前記平衡型出力端子の接地面とのインピーダンスに関して、前記信号の同相信号成分の接地面に対するインピーダンスが、前記信号の差動信号成分の接地面に対するインピーダンスよりも低く設定されている第2〜4の本発明のいずれかの平衡型高周波デバイスである。

0022

また、第12の本発明は、前記平衡型入力端子の一方または前記平衡型出力端子(OUT1、OUT2)の一方と接地面との間に第1のインピーダンス素子(804)が接続されており、前記平衡型入力端子の他方または前記平衡型出力端子(OUT1、OUT2)の他方と接地面との間に第2のインピーダンス素子(805)が接続されており、前記平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子(OUT1、OUT2)間に第3のインピーダンス素子(806)が接続されており、前記第1、第2のインピーダンス素子(804、805)のインピーダンスの虚数部と前記第3のインピーダンス素子(806)のインピーダンスの虚数部との極性が異なる第11の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0023

また、第13の本発明は、前記信号の差動信号成分に関しては、前記第1のインピーダンス素子(902)及び前記第3のインピーダンス素子(904)と、前記第2のインピーダンス素子(903)及び前記第3のインピーダンス素子(904)とは、それぞれ所定の周波数において接地面に対して並列共振回路を形成することを特徴とする第12の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0024

また、第14の本発明は、前記信号の同相信号成分に関しては、前記平衡型入力端子の一方または前記平衡型出力端子(OUT1、OUT2)の一方と接地面とのインピーダンス、及び前記平衡型入力端子の他方または前記平衡型出力端子(OUT1、OUT2)の他方と接地面とのインピーダンスは、特性インピーダンスをZ0とした場合に、それぞれ2×Z0以下である第12の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0025

また、第15の本発明は、前記信号の同相信号成分の接地面に対するインピーダンスが、特性インピーダンスをZ0とした時に、0.5×Z0以下である第14の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0026

また、第16の本発明は、平衡型入力端子間または平衡型出力端子(OUT1、OUT2)間に第1のインピーダンス素子(1104)と第2のインピーダンス素子(1105)とが直列に接続されており、前記第1のインピーダンス素子(1104)と前記第2のインピーダンス素子(1105)との間は、第3のインピーダンス素子(1106)を介して接地される構成であって、前記第1、第2のインピーダンス素子(1104、1105)のインピーダンスの虚数部と前記第3のインピーダンス素子(1106)のインピーダンスの虚数部との極性が異なる第11の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0027

また、第17の本発明は、前記信号の同相信号成分に関しては、前記第1のインピーダンス素子(1202)及び前記第3のインピーダンス素子(1204)と、前記第2のインピーダンス素子(1203)及び前記第3のインピーダンス素子(1204)とは、それぞれ所定の周波数において接地面に対して直列共振回路を形成する第16の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0028

また、第18の本発明は、前記平衡型素子は弾性表面波フィルタ(1402)であり、前記弾性表面波フィルタ(1402)は、圧電基板(1404)と、前記圧電基板(1404)上に形成された複数のインターディジタルトランスデューサ電極であるIDT電極(1405、1406、1407)とを有し、前記少なくとも1つのIDT電極(1405)は平衡型入力端子または平衡型出力端子(OUT1、OUT2)に接続されている第1〜4の本発明のいずれかの平衡型高周波デバイスである。

0029

また、第19の本発明は、前記弾性表面波フィルタは、少なくとも第1、第2、第3のIDT電極(1405、1406、1407)を弾性表面波伝搬方向に沿って配置した縦モード型の弾性表面波フィルタであり、前記第1のIDT電極(1405)の両側に前記第2、第3のIDT電極(1406、1407)が配置され、前記第1のIDT電極(1405)は平衡型であって、前記第1のIDT電極(1405)を構成する一方、および他方の電極指は、それぞれ平衡型入力端子にまたはそれぞれ平衡型出力端子(OUT1、OUT2)に接続されている第18の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0030

また、第20の本発明は、前記弾性表面波フィルタ(2402)が、少なくとも第1、第2、第3のIDT電極(2405、2406、2407)を弾性表面波の伝搬方向に沿って配置した縦モード型の弾性表面波フィルタであり、前記第1のIDT電極(2405)の両側に前記第2、第3のIDT電極(2406、2407)が配置され、前記第1のIDT電極(2405)は、複数の分割IDT電極(2410、2411)により構成され、前記分割IDT電極(2410、2411)の少なくとも2つは、それぞれ平衡型入力端子にまたはそれぞれ平衡型出力端子(OUT1、OUT2)に接続されている第18の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0031

また、第21の本発明は、前記弾性表面波フィルタ(2502)が、少なくとも第1、第2、第3のIDT電極(2505、2506、2507)を弾性表面波の伝搬方向に沿って配置した縦モード型の弾性表面波フィルタであり、前記第1のIDT電極(2505)の両側に前記第2、第3のIDT電極(2506、2507)が配置され、前記第2のIDT電極(2506)は平衡型入力端子の一方または平衡型出力端子(OUT1、OUT2)の一方に接続されており、前記第3のIDT電極(2507)は平衡型入力端子の他方または平衡型出力端子の他方(OUT1、OUT2)に接続されている第18の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0032

また、第22の本発明は、前記平衡型素子は、半導体素子(2602)である第1〜4の本発明のいずれかの平衡型高周波デバイスである。

0033

また、第23の本発明は、前記半導体素子(2602)は、複数のトランジスタを用いて構成される増幅器である第22の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0034

また、第24の本発明は、前記位相回路の少なくとも一部が、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して前記誘電体層を積層することにより形成される積層デバイスに含まれる構成である第1〜4の本発明のいずれかの平衡型高周波デバイスである。

0035

また、第25の本発明は、前記積層デバイスは少なくとも一つの回路機能を有し、前記平衡型高周波デバイスと前記積層デバイスとが複合化されている第24の本発明の平衡型高周波デバイスである。

0036

また、第26の本発明は、第1〜4の本発明のいずれかの平衡型高周波デバイスを備えた平衡型高周波回路である。

0037

また、第27の本発明は、前記平衡型高周波回路を構成する送信フィルタ(2703)および/または受信フィルタ(2706)に第18の本発明の平衡型高周波デバイスを用いた第26の本発明の平衡型高周波回路である。

0038

また、第28の本発明は、前記平衡型高周波回路を構成する送信増幅器および/または受信増幅器に第22の本発明の平衡型高周波デバイスを用いた第26の本発明の平衡型高周波回路である。

0039

また、第29の本発明は、回路基板と、前記回路基板に設けられた平衡型伝送線路とを備え、前記平衡型伝送線路間に第1〜4の本発明のいずれかの位相回路が接続されている平衡型高周波回路である。

0040

また、第30の本発明は、信号を入力する入力端子と、信号を出力する出力端子とを有し、前記入力端子及び前記出力端子の少なくともいずれかが平衡型入力端子または平衡型出力端子である平衡型素子の前記平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子間に電気的に接続され、前記信号の同相信号成分を低減する位相回路部を備えた位相回路である。

0041

また、第31の本発明は、信号を入力する入力端子と、信号を出力する出力端子とを有し、前記入力端子及び前記出力端子の少なくともいずれかが平衡型入力端子または平衡型出力端子である平衡型素子の前記平衡型入力端子間または前記平衡型出力端子間の信号の同相信号成分を低減する同相信号成分低減ステップを備えた平衡度良好化方法である。

発明を実施するための最良の形態

0042

以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。

0043

(実施の形態1)以下、本発明の実施の形態1の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。図1に本発明の実施の形態1の平衡型高周波デバイス101の構成を示す。図1において、平衡型高周波デバイス101は、平衡型素子102と位相回路103とにより構成される。また、平衡型素子102において、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2である。さらに、出力端子間には位相回路103が接続される。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型入出力端子を有する平衡型高周波デバイスを実現することができる。

0044

まず、平衡型高周波デバイスのバランス特性劣化原因に関して、弾性表面波フィルタを用いて考察を行う。図30に示す従来の弾性表面波フィルタ201に関しては、バランス特性が劣化するという課題があった。ここでは、図2に示す構成にてバランス特性の解析を行った。図2において、弾性表面波フィルタ201は、バランス特性の劣化のない理想的な弾性表面波フィルタ202と容量成分203、204とにより構成される。理想的な弾性表面波フィルタ202の入力側と出力側の間に容量成分203、204を接続することにより、弾性表面波フィルタ201の寄生成分による結合を仮定している。

0045

図3に、これらの容量成分203、204を0.1pFした時のフィルタ特性を示す。図3に関して、(a)は通過帯域における振幅バランス特性であり、(b)は通過帯域における位相バランス特性である。図3のバランス特性の解析結果は、図32で示した従来の弾性表面波フィルタの実測特性と、バランス特性劣化の傾向として非常によく一致している。よって、バランス特性の劣化に関しては、平衡型素子の入力端子と出力端子との結合が主要因と考えられる。

0046

次に、本発明の実施の形態1における平衡型高周波デバイスの動作について図面を用いて説明する。図4に示すのは、本発明の実施の形態1における平衡型高周波デバイス101の動作概略を示すものである。平衡型高周波デバイス101のバランス特性の劣化に関しては入力端子と出力端子との間の寄生成分による結合が主要因として考えられる。このことは、平衡型入出力端子を流れる信号成分を、同相信号成分と差動信号成分とを用いて表すことにより説明できると考えた。即ち、入力端子INから入力される信号成分iは、平衡型素子102により差動信号成分id1、id2として差動出力される。しかしながら、寄生成分による結合は出力端子OUT1、OUT2のそれぞれに差動化されずに同相信号成分ic1、ic2として重畳することになり、この同相信号成分ic1、ic2がバランス特性劣化の原因となる。

0047

よって、本発明の実施の形態では、位相回路103が所定の周波数において共振回路として動作して平衡型素子102から出力端子側をみた同相信号成分ic1、ic2のインピーダンスを平衡型素子102から出力端子側をみた差動信号成分id1、id2のインピーダンスよりも低くすることにより、同相信号成分ic1、ic2を低減することができる。

0048

以上説明したように、本発明の平衡型高周波デバイス101は、位相回路103を用いて同相信号成分ic1、ic2を低減することにより、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイスを実現することができる。

0049

なお、本実施の形態では、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2であり、出力端子間には位相回路103が接続されるとして説明したが、これに限らない。入力側の端子は平衡型入出力端子である入力端子であり、出力側の端子は不平衡型入出力端子である出力端子であり、入力端子間には位相回路103が接続されていても構わない。

0050

(実施の形態2)以下、本発明の実施の形態2の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。図5に本発明の実施の形態2の平衡型高周波デバイス501の構成を示す。図5において、平衡型高周波デバイス501は、平衡型素子502と位相回路503、504とにより構成される。また、平衡型素子502において、入力側の端子は平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2である。以上の構成とすることにより平衡型−平衡型入出力端子を有する平衡型高周波デバイスを実現することができる。

0051

本発明の平衡型高周波デバイス501においても、位相回路503が所定の周波数において共振回路として動作して平衡型素子502から入力端子側をみた同相信号成分ic1、ic2のインピーダンスを平衡型素子502から入力端子側をみた差動信号成分id1、id2のインピーダンスよりも低くして、位相回路504が所定の周波数において共振回路として動作して平衡型素子502から出力端子側をみた同相信号成分ic1、ic2のインピーダンスを平衡型素子502から出力端子側をみた差動信号成分id1、id2のインピーダンスよりも低くすることにより、同相信号成分ic1、ic2を低減し、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイスを実現できるものである。

0052

(実施の形態3)以下、本発明の実施の形態3の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。ここでは、位相回路として、より具体的な回路構成を示す。図6に本発明の実施の形態2の平衡型高周波デバイス601の構成を示す。図6において、平衡型高周波デバイス601は、平衡型素子602と位相回路603とにより構成される。また、平衡型素子602において、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2である。さらに、位相回路603は伝送線路604により構成され、出力端子間に配置される。伝送線路604の長さはλ/2(ここで、λは波長)であり、その位相変化量は180°である。また、ここで、λは通過帯域内、或いは通過帯域近傍の周波数に対する長さである。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型入出力端子を有する平衡型高周波デバイスを実現することができる。

0053

次に、図面を用いて、平衡型高周波デバイス601の動作を説明する。図7(a)に示すように、入力端子INから平衡型素子602に信号成分iが入力されると、平衡型素子からは、同相信号成分ic1、ic2と差動信号成分id1、id2が出力される。出力端子間に配置された伝送線路604は同相信号成分ic1、ic2と差動信号成分id1、id2に対して、それぞれ異なる動作となる。即ち、同相信号成分ic1、ic2に関しては、図7(b)に示すように、出力端子OUT1、OUT2のそれぞれに先端開放のλ/4線路が接続された構成となって直列共振回路として動作して、出力端子の接地面に対するインピーダンスはショートに近づき、同相信号成分ic1、ic2が出力端子OUT1、OUT2に伝達されることはない。

0054

また、差動信号成分id1、id2に関しては、伝送線路604の中点仮想接地面が設けられるため出力端子OUT1、OUT2のそれぞれに先端短絡のλ/4線路が接続された構成となって並列共振回路として動作して、出力端子の接地面に対するインピーダンスはオープンに近づき、差動信号成分id1、id2は出力端子OUT1、OUT2に伝達される。

0055

以上説明したように、本発明の実施の形態3における平衡型高周波デバイスは、位相回路として伝送線路604を用いることにより、同相信号成分を低減することができ、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイスを実現できるものである。

0056

なお、本実施の形態においては、位相回路を伝送線路にて構成しているが、この構成はこれに限るものではなく、位相回路として動作する構成であれば、本発明と同様の効果が得られる。

0057

また、位相回路を形成する場合には、回路基板上での伝送線路やチップ部品を用いて構成しても構わないし、平衡型素子が実装される基板パッケージに内蔵されていても構わない。また、位相回路の一部を、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して、この誘電体層を積層することにより構成される積層デバイス内に構成しても構わない。さらに、積層デバイスが他の回路機能を有する構成とすることにより、本発明の平衡型高周波デバイスと積層デバイスとを一体化して複合デバイスとして、平衡型高周波デバイスの多機能化、及び小型化が実現できるものである。

0058

なお、本実施の形態では、入力端子を不平衡型とし、出力端子を平衡型として説明したが、入力端子が平衡型であり、出力端子が不平衡型であっても構わない。また、入力端子と出力端子ともに平衡型であってもよい。

0059

(実施の形態4)以下、本発明の実施の形態4の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。ここでは、位相回路として、より具体的な回路構成を示す。図8に本発明の実施の形態4の平衡型高周波デバイスの構成を示す。図8において、平衡型高周波デバイス801は、平衡型素子802と位相回路803とにより構成される。また、平衡型素子802において、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2である。

0060

位相回路803は、インピーダンス素子804、805、806により構成される。この時、出力端子OUT1、OUT2はそれぞれインピーダンス素子804、805を介して接地され、インピーダンス素子806は出力端子間に接続され、位相回路803は出力端子間に接続される構成となる。ここで、インピーダンス素子804と805のインピーダンスは実質上同じ値であり、また、インピーダンス素子806のインピーダンスの虚数部は、インピーダンス素子804、805のインピーダンスの虚数部と極性が逆となる。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型入出力端子を有する平衡型高周波デバイスが得られる。

0061

次に、具体的なインピーダンス素子を用いて、本発明の実施の形態4における平衡型高周波デバイスの動作について説明する。図9は、本発明の実施の形態4における平衡型高周波デバイスの動作説明図である。図9(a)に示すように位相回路901はコンデンサ902、903、インダクタ904とにより構成される。図9(a)に示すように、入力端子INから平衡型素子802に信号成分iが入力されると、平衡型素子からは、同相信号成分ic1、ic2と差動信号成分id1、id2が出力される。ここで、出力端子間に接続されるインダクタ904は差動信号成分id1、id2に関して仮想接地点905を形成する。

0062

図9(b)に差動信号成分id1、id2に関する位相回路901の等価回路を示す。差動信号成分id1、id2に関して、インダクタ904は仮想接地点905を形成するので、出力端子OUT1では、コンデンサ902とインダクタ904の一部とが、出力端子OUT2ではコンデンサ903とインダクタ904の一部とが、接地面に対して並列共振回路を形成することになり、この並列共振周波数を通過帯域内、或いは通過帯域近傍となるように設計することにより、所定の周波数の差動信号成分id1、id2は、接地面に対してインピーダンスが無限大に近づき、接地面に短絡されることなく出力端子に伝達される。即ち、差動信号成分に関しては、図7(c)で示した動作と実質上同じになる。図9(c)に同相信号成分ic1、ic2に関する位相回路901の等価回路を示す。同相信号成分に関しては、OUT1とOUT2とはほぼ同電位となり、インダクタンス904は同相信号成分ic1、ic2に関しては仮想接地点を形成することがなく、OUT1とOUT2とは実質上オープンとなる。ここでインダクタ904の一部とは、仮想接地点905までのことを意味する(図9(b)参照)。

0063

よって、平衡型入出力端子OUT1、OUT2と接地面との間に配置されるインピーダンス素子としてのコンデンサ902、903のインピーダンスを十分小さい値に設計することにより、同相信号成分ic1、ic2は接地面に短絡され、平衡型入出力端子に伝達されることはない。

0064

また、本発明の実施の形態4における位相回路は、図10に示す構成でもよい。図10は、本発明の実施の形態4における平衡型高周波デバイスの動作説明図である。図10(a)に示すように位相回路1001はインダクタ1002、1003、コンデンサ1004とにより構成される。図10(a)に示すように、入力端子INから平衡型素子802に信号成分iが入力されると、平衡型素子からは、同相信号成分ic1、ic2と差動信号成分id1、id2が出力される。ここで、出力端子間に接続されるコンデンサ1004は差動信号成分id1、id2に関して仮想接地点1005を形成する。

0065

図10(b)に差動信号成分id1、id2に関する位相回路1001の等価回路を示す。図10(b)に示すように、差動信号成分id1、id2に関しては、コンデンサ1004は差動信号成分id1、id2に関して仮想接地点1005を形成するので、出力端子OUT1側では、インダクタ1002とコンデンサ1004の一部とが、出力端子OUT2側では、インダクタ1003とコンデンサ1004の一部とが、接地面に対して並列共振回路を形成することになり、この並列共振周波数が通過帯域内、或いは通過帯域近傍となるように設計することにより、所望周波数の差動信号成分id1、id2は、接地面に対するインピーダンスが無限大に近づき、接地面に短絡されることなく出力端子に伝達される。即ち、差動信号成分id1、id2に関しては、図7(c)で示した動作と実質上同じになる。図10(c)に同相信号成分ic1、ic2に関する位相回路1001の等価回路を示す。同相信号成分に関しては、OUT1とOUT2とはほぼ同電位となり、コンデンサ1004は同相信号成分ic1、ic2に関しては仮想接地点を形成することがなく、OUT1とOUT2とは実質上オープンとなる。ここで、コンデンサ1004の一部とは、仮想接地点までを意味する(図10(b)参照)。

0066

よって、平衡型入出力端子OUT1、OUT2と接地面との間に配置されるインピーダンス素子としてのインダクタ1002、1003のインピーダンスを十分小さい値に設計することにより、同相信号成分ic1、ic2は接地面に短絡され、平衡型入出力端子に伝達されることはない。

0067

以上説明したように、本発明の実施の形態4における平衡型高周波デバイスは、位相回路として3つのインピーダンス素子を用いることにより、同相信号成分を低減することができ、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイス実現することができる。

0068

なお、本実施の形態においては、位相回路を構成するインピーダンス素子としてのインダクタ、コンデンサの個数や構成はこれに限るものではなく、また、インピーダンス素子804、805の素子値を実質上同じとしているが、これは必ずしも同じである必要がなく、回路構成により最適に選ばれるものであり、位相回路として動作する構成であれば、本発明と同様の効果が得られる。

0069

また、位相回路を形成する場合には、回路基板上での伝送線路やチップ部品を用いて構成しても構わないし、平衡型素子が実装される基板やパッケージに内蔵されていても構わない。また、位相回路の一部を、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して、この誘電体層を積層することにより構成される積層デバイス内に構成しも構わない。さらに、積層デバイスが他の回路機能を有する構成とすることにより、本発明の平衡型高周波デバイスと積層デバイスとを一体化して複合デバイスとして、平衡型高周波デバイスの多機能化、及び小型化が実現できるものである。

0070

また、本実施の形態では、入力端子を不平衡型とし、出力端子を平衡型として説明したが、入力端子が平衡型であり、出力端子が不平衡型であっても構わない。また、入力端子と出力端子ともに平衡型であってもよい。

0071

(実施の形態5)以下、本発明の実施の形態5の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。ここでは、位相回路として、より具体的な回路構成を示す。図11に本発明の実施の形態5の平衡型高周波デバイス1101の構成を示す。図11において、平衡型高周波デバイス1101は、平衡型素子1102と位相回路1103とにより構成される。また、平衡型素子1102において、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型端子である出力端子OUT1、OUT2である。

0072

位相回路1103は、インピーダンス素子1104、1105、1106により構成される。インピーダンス素子1104、1105は出力端子間に直列に接続され、インピーダンス素子1104、1105の中点1107はインピーダンス素子1106を介して接地され、位相回路1103は出力端子間に接続される構成となる。ここで、インピーダンス素子1106のインピーダンスの虚数部の極性は、インピーダンス素子1104、1105のインピーダンスの虚数部と極性が逆となる。また、インピーダンス素子1104、1105のインピーダンスは実質上同じ値である。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型入出力端子を有する平衡型高周波デバイスが得られる。

0073

次に、具体的なインピーダンス素子を用いて、本発明の平衡型高周波デバイスの動作について説明する。図12は、本発明の平衡型高周波デバイスの動作説明図である。図12(a)に示すように、位相回路1201はインダクタ1202、1203、コンデンサ1204とにより構成される。図12(a)に示すように、入力端子INから平衡型素子1102に信号成分iが入力されると、平衡型素子1102からは、同相信号成分ic1、ic2と差動信号成分id1、id2が出力される。図12(b)に差動信号成分に関して、位相回路1201の等価回路を示す。図12(b)に示すように、差動信号成分id1、id2に関しては、インダクタ1202と1203の接続点1205は仮想接地点となるため、インダクタ1202、1203の値を十分大きくすることにより、接地面に対するインピーダンスを大きくすることがき、差動信号成分id1、id2は出力端子OUT1、OUT2に伝達される。

0074

また、図12(c)に同相信号成分に関して、位相回路1201の等価回路をい示す。図12(c)に示すように、同相信号成分ic1、ic2に関しては、インダクタ1202と1203の接続点1205は仮想接地点とならないので、インダクタ1202とコンデンサ1204の一部、インダクタ1203とコンデンサ1204の一部とが所定の周波数において直列共振回路を形成するように設計することにより、同相信号成分は接地面に短絡され、出力端子OUT1、OUT2に伝達されることはない。ここで、コンデンサ1204の一部とは、等価的に並列接続となる一方のことを意味する(図12(c)参照)。

0075

また、本発明の位相回路は、図13に示す構成でもよい。図13は、本発明の平衡型高周波デバイスの動作説明図である。図13(a)に示すように、位相回路1301はコンデンサ1302、1303、インダクタ1304により構成される。図13(a)に示すように、入力端子INから平衡型素子1102に信号成分iが入力されると、平衡型素子1102からは、同相信号成分ic1、ic2と差動信号成分id1、id2が出力される。図13(b)に差動信号成分id1、id2に関して位相回路1301の等価回路を示す。図13(b)に示すように、差動信号成分id1、id2に関しては、コンデンサ1302と1303の接続点1305は仮想接地点となるため、コンデンサ1302、1303の値を十分小さくすることにより、接地面に対するインピーダンスを大きくすることがき、差動信号成分は出力端子OUT1、OUT2に伝達される。

0076

また、図13(c)に同相信号成分ic1、ic2に関して位相回路1301の等価回路を示す。図13(c)に示すように、同相信号成分ic1、ic2に関しては、コンデンサ1302と1303の接続点1305は仮想接地点とならないので、コンデンサ1302とインダクタ1304の一部、コンデンサ1303とインダクタ1304の一部とが所定の周波数において直列共振回路を形成するように設計することにより、同相信号成分は接地面に短絡され、出力端子OUT1、OUT2に伝達されることはない。ここで、インダクタ1304の一部とは、等価的に並列接続となる一方のことを意味する(図13(c)参照)。

0077

以上説明したように、本発明の実施の形態5における平衡型高周波デバイスは、位相回路として3つのインピーダンス素子を用いることにより、同相信号成分を低減することができ、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイス実現することができる。

0078

なお、本実施の形態においては、位相回路を構成するインピーダンス素子としてのインダクタ、コンデンサの個数や構成はこれに限るものではなく、また、インピーダンス素子1104、1105の素子値を実質上同じとしているが、これは必ずしも同じである必要がなく、回路構成により最適に選ばれるものであり、位相回路として動作する構成であれば、本発明と同様の効果が得られる。

0079

また、位相回路を形成する場合には、回路基板上での伝送線路やチップ部品を用いて構成しても構わないし、平衡型素子が実装される基板やパッケージに内蔵されていても構わない。また、位相回路の一部を、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して、この誘電体層を積層することにより構成される積層デバイス内に構成しも構わない。さらに、積層デバイスが他の回路機能を有する構成とすることにより、本発明の平衡型高周波デバイスと積層デバイスとを一体化して複合デバイスとして、平衡型高周波デバイスの多機能化、及び小型化が実現できるものである。

0080

また、本実施の形態では、入力端子を不平衡型とし、出力端子を平衡型として説明したが、入力端子が平衡型であり、出力端子が不平衡型であっても構わない。また、入力端子と出力端子ともに平衡型であってもよい。

0081

(実施の形態6)以下、本発明の実施の形態6の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。ここでは、平衡型高周波デバイスの具体的な構成について、平衡型素子として弾性表面波フィルタを用いた場合について述べる。図14に本発明の平衡型デバイスの構成を示す。図14において、平衡型高周波デバイス1401は、平衡型素子である弾性表面波フィルタ1402と位相回路1403とにより構成される。また、弾性表面波フィルタ1402において、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2である。さらに、出力端子間には位相回路1403が接続される。

0082

弾性表面波フィルタ1402は、圧電基板1404上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)1405、1406、1407と第1、第2の反射器電極1408、1409とにより構成される。第1のIDT電極1405の一方の電極指は出力端子OUT1に接続され、第1のIDT電極1405の他方の電極指は出力端子OUT2に接続される。また、第2、第3のIDT電極1406、1407の一方の電極指は入力端子INに接続され、他方は接地される。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型入出力端子を有する平衡型高周波デバイスが得られる。

0083

次に、本実施の形態における平衡型高周波デバイスの具体的な特性を示す。図15に示すのは、位相回路1403として図6に示す位相回路603を用いた時の平衡型高周波デバイス1401の特性である。ここで、位相回路603を構成する伝送線路604の長さはλ/2であり、位相回路としての位相量は180°である。図15において、(a)は通過特性であり、(b)は通過帯域の振幅バランス特性であり、(c)は通過帯域の位相バランス特性である。図32に示す従来の特性に比べて、バランス特性は大幅に改善されており、ほぼ理想状態に近い特性となっている。また、通過特性に関しても、通過帯域高域側の減衰量が5dB程度改善している。

0084

次に、伝送線路604の長さを変化させた場合について評価を行った。図16に示すのは、伝送線路604の長さを変えた時のバランス特性である。図16において、(a)は振幅バランス特性であり、(b)は位相バランス特性である。また、1601、1602はそれぞれ本実施の形態の弾性表面波フィルタにおける通過帯域内の振幅バランス特性における劣化の最大値最小値であり、1603、1604はそれぞれ本実施の形態の弾性表面波フィルタにおける通過帯域内の位相バランス特性における劣化の最大値と最小値である。また、破線で示すのは、従来の弾性表面波フィルタにおけるバランス特性の劣化の最大値と最小値である。図16より、伝送線路長がλ/4から3λ/4の範囲で、バランス特性が改善している。また、位相量を3λ/8から5λ/8の範囲とすることで、振幅バランス特性がほぼ−5dB〜+5dB、位相バランス特性がほぼ−0.5°〜+0.5°の範囲となるより良好なバランス特性が得られる。

0085

次に、他の構成の位相回路を用いた時の特性を示す。図17に示すのは、位相回路1403として図9に示す位相回路901を用いた時の平衡型高周波デバイス1401の特性である。ここで、コンデンサ902、903のキャパシタンスはCg1、Cg2は実質上同じ値であり、通過帯域内周波数においてそのインピーダンスが3Ωとなるように設計されている。また、インダクタ904のインダクタンスLbは、Cg1とLb/2、Cg2とLb/2の並列共振周波数が通過帯域内になるように設計されている。

0086

図17において、(a)は通過特性であり、(b)は通過帯域の振幅バランス特性であり、(c)は通過帯域の位相バランス特性である。図32に示す従来の特性に比べて、バランス特性は大幅に改善されており、ほぼ理想状態に近い特性となっている。また、通過特性に関しても、通過帯域高域側の減衰量が5dB程度改善している。

0087

次に、コンデンサ902、903のインピーダンスが変化した場合の評価を行った。図18に示すのは、コンデンサ902、903のインピーダンスを端子の特性インピーダンスで割った規格化インピーダンスに対するバランス特性である。ここでは、平衡型出力端子の特性インピーダンスは50Ωであるので、それぞれの端子の特性インピーダンスは25Ωとしている。図18において、(a)は振幅バランス特性であり、(b)は位相バランス特性である。また、1801、1802はそれぞれ本実施の形態の弾性表面波フィルタにおける通過帯域内の振幅バランス特性における劣化の最大値と最小値であり、1803、1804はそれぞれ本実施の形態の弾性表面波フィルタにおける通過帯域内の位相バランス特性における劣化の最大値と最小値である。図18より、規格化インピーダンスが2以下の範囲で、バランス特性が改善している。

0088

次に、さらに他の構成の位相回路を用いた時の特性を示す。図19に示すのは、位相回路1403として図10に示す位相回路1001を用いた時の平衡型高周波デバイス1401の特性である。ここで、インダクタ1002、1003のインダクタンスの値Lg1、Lg2は実質上同じ値であり、通過帯域内周波数においてそのインピーダンスが3Ωとなるように設計されている。また、コンデンサ1004のキャパシタンスCbは、Lg1と2Cb、Lg2と2Cbの並列共振周波数が通過帯域内になるように設計されている。

0089

図19において、(a)は通過特性であり、(b)は通過帯域の振幅バランス特性であり、(c)は通過帯域の位相バランス特性である。図32に示す従来の特性に比べて、バランス特性は大幅に改善されており、ほぼ理想状態に近い特性となっている。また、通過特性に関しても、通過帯域高域側の減衰量が5dB程度改善している。

0090

次に、インダクタ1002、1003のインピーダンスが変化した場合の評価を行った。図20に示すのは、インダクタ1002、1003のインピーダンスを端子の特性インピーダンスで割った規格化インピーダンスに対するバランス特性である。ここでは、平衡型出力端子の特性インピーダンスは50Ωであるので、それぞれの端子の特性インピーダンスは25Ωとしている。図20において、(a)は振幅バランス特性であり、(b)は位相バランス特性である。また、2001、2002はそれぞれ本実施の形態の弾性表面波フィルタにおける通過帯域内の振幅バランス特性における劣化の最大値と最小値であり、2003、2004はそれぞれ本実施の形態の弾性表面波フィルタにおける通過帯域内の位相バランス特性における劣化の最大値と最小値である。

0091

図20より、規格化インピーダンスが2以下の範囲で、位相バランス特性が改善している。さらに、規格化インピーダンスが0.5以下の範囲では振幅バランス特性も改善できている。よって、規格化インピーダンスが2以下の範囲とするのがよく、好ましくは、規格化インピーダンスが0.5以下の範囲とすれば、バランス特性を改善することができる。

0092

以上説明したように、本発明の実施の形態6における平衡型高周波デバイス1401は、位相回路として3つのインピーダンス素子を用いることにより、同相信号成分を低減することができ、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイスを実現することができる。

0093

また、本実施の形態では、位相回路として伝送線路を用いて説明したが、その伝送線路長が実質上λ/2となることが好ましい。これは、伝送線路長がλ/2からずれるにつれて位相回路がインダクタやコンデンサとして動作することになり、出力端子側から平衡型素子をみた通過帯域近傍2101のインピーダンスが整合状態からずれるためである。例えば、伝送線路の長さが3λ/8の場合には、図21(a)に示すように、通過帯域2101のインピーダンスは誘導性となる。この場合には、図22に示すように、位相回路2201は、出力端子間に、位相回路としての伝送線路604と整合回路としてのコンデンサ2202を並列に接続すればよい。この構成とすることにより、図21(b)に示すように、出力端子側から平衡型素子をみた通過帯域近傍2102のインピーダンスはスミスチャートの中心となり、インピーダンス整合が実現できるものである。このように、位相回路は、インピーダンス整合を行う整合回路を含む構成としても構わない。

0094

また、伝送線路の長さが3λ/8ということは、その位相量が135°であり、この整合回路を付加することにより、位相量が180°に近づき、実質上、伝送線路の長さがλ/2に近づくのと等価になる。よって、この整合回路を加えることにより、伝送線路の長さを短くでき、小型化が実現できるものである。

0095

なお、本実施の形態においては、位相回路を伝送線路、或いは3つのインピーダンス素子を用いて構成したが、この構成に限るものではない。また、インピーダンス素子としてのインダクタ、コンデンサの個数や構成もこれに限るものではなく、位相回路として動作する構成であれば、本発明と同様の効果が得られる。

0096

また、位相回路を形成する場合には、回路基板上での伝送線路やチップ部品を用いて構成しても構わないし、平衡型素子が実装される基板やパッケージに内蔵されていても構わない。また、位相回路の一部を、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して、この誘電体層を積層することにより構成される積層デバイス内に構成としても構わない。さらに、積層デバイスが他の回路機能を有する構成とすることにより、本発明の平衡型高周波デバイスと積層デバイスとを一体化して複合デバイスとして、平衡型高周波デバイスの多機能化、及び小型化が実現できるものである。

0097

また、本実施の形態では、入力端子を不平衡型とし、出力端子を平衡型として説明したが、入力端子が平衡型であり、出力端子が不平衡型であっても構わない。また、入力端子と出力端子ともに平衡型であってもよい。

0098

(実施の形態7)以下、本発明の実施の形態7の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。ここでは、位相回路に整合回路が含まれる場合の具体的な構成について述べる。図23(a)に本発明の実施の形態7における平衡型高周波デバイスの構成を示す。図23(a)において、平衡型高周波デバイス2301は、平衡型素子2302と位相回路2303とにより構成される。また、平衡型素子2302において、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2である。さらに、出力端子間には位相回路2303が接続される。

0099

位相回路2303は、インピーダンス素子であるコンデンサ2304、2305、インダクタ2306と整合回路としてのインダクタ2307とにより構成される。この時、出力端子OUT1、OUT2はそれぞれコンデンサ2304、2305を介して接地され、インダクタ2306は出力端子間に接続され、位相回路2303は出力端子間に接続される構成となる。さらに、位相回路2303には、整合回路としてのインダクタ2307が含まれる。

0100

インダクタ2306は差動信号成分に関して仮想接地点2308を形成する。よって、出力端子OUT1では、コンデンサ2304とインダクタ2306の一部とが、出力端子OUT2ではコンデンサ2305とインダクタ2306の一部とが、接地面に対して並列共振回路を形成することになり、この並列共振周波数を通過帯域内、或いは通過帯域近傍となるように設計することにより、所定の周波数の差動信号成分は、接地面に対してインピーダンスが無限大に近づき、接地面に短絡されることなく出力端子に伝達される。即ち、差動信号成分に関しては、図7(c)で示した動作と実質上同じになる。

0101

さらに、インダクタ2306は同相信号成分に関しては仮想接地点を形成することがない。よって、平衡型入出力端子OUT1、OUT2と接地面との間に配置されるインピーダンス素子としてのコンデンサ2304、2305のインピーダンスを十分小さい値に設計することにより、同相信号成分は接地面に短絡され、平衡型入出力端子に伝達されることはない。

0102

以上説明したように、本実施の形態における位相回路2303はコンデンサ2304、2305とインダクタ2306により所定の周波数における共振回路が構成され、整合回路としてのインダクタ2307が含まれる構成であり、この場合においても、同相信号成分が低減され、優れたバランス特性を有する平衡型高周波デバイスを実現することができる。

0103

また、インダクタ2307は、インダクタ2306に取り込むことも可能である。即ち、インダクタ2306とインダクタ2307の合成インダクタンス2309を用いればよい。この場合には、インダクタ2306とインダクタ2307は並列接続となるので、インダクタ2306、2307、合成インダクタ2309のインダクタンスをそれぞれLb、Lm、Ltとすると、Lt=(Lb×Lm)/(Lb+Lm)となり、インダクタンスの値を小さくすることができる。また、素子個数を低減でき、回路構成の小型化が実現できるものである。

0104

但し、この場合には、所定の周波数の意味合いが異なる。即ち、コンデンサ2304、2305のキャパシタンスをCg1、Cg2すると、コンデンサ2304、2305、インダクタンス2306により形成される整合状態でのそれぞれの出力端子における差動信号成分の並列共振周波数f1、f2は、f1=1/{2π×√(Lb/2)×√(Cg1)}、f2=1/{2π×√(Lb/2)×√(Cg2)}となる。ここで、整合回路としてのインダクタ2307を含めると、全体としての並列共振周波数f1t、f2tは、f1=1/{2π×√(Lt/2)×√(Cg1)}、f2=1/{2π×√(Lt/2)×√(Cg2)}となり、見かけ上、所定の周波数からシフトするものである。

0105

即ち、位相回路2303全体の並列共振周波数は通過帯域内、或いは通過帯域近傍からインダクタLmの分だけずれることになるが、整合状態において、出力端子OUT1では、コンデンサ2304とインダクタ2306の一部とが、出力端子OUT2ではコンデンサ2305とインダクタ2306の一部とが、接地面に対して並列共振回路を形成して、コンデンサ2304、2305の接地面に対するインピーダンスが十分小さければ、同相信号成分が低減できるという効果は同じである。ここで、インダクタ2306の一部とは、仮想接地面までのことを意味する。

0106

なお、本実施の形態における回路構成はこれに限るものではなく、整合回路の動作、共振回路としての動作が本発明と実質上同じであれば、本発明と同様に、優れたバランス特性を有する平衡型高周波デバイスを実現できる。

0107

また、インピーダンス素子としてのコンデンサの値Cg1、Cg2を実質上同じとし、インピーダンス素子としてのインダクタの値Lg1、Lg2を実質上同じとしているが、これは必ずしも同じである必要がなく、回路構成により最適に選ばれるものである。

0108

(実施の形態8)以下、本発明の実施の形態8の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。ここでは、平衡型高周波デバイスの具体的な特性について、平衡型素子として弾性表面波フィルタを用いた場合について述べる。図24に本発明の平衡型高周波デバイス2401の構成を示す。図24において、平衡型高周波デバイス2401は、平衡型素子である弾性表面波フィルタ2402と位相回路2403とにより構成される。また、弾性表面波フィルタ2402において、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型入出力端子である出力端子OUT1、OUT2である。さらに、出力端子間には位相回路2403が接続される。

0109

弾性表面波フィルタ2402は、圧電基板2404上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)2405、2406、2407と第1、第2の反射器電極2408、2409とにより構成される。第1のIDT電極2405は2つの分割IDT電極に分割され、第1、第2の分割IDT電極2410、2411の一方の電極指は出力端子OUT1、OUT2に接続される。第1、第2の分割IDT電極2410、2411の他方の電極指は電気的に接続され、それらの電極指は仮想接地される構成となる。また、第2、第3のIDT電極2406、2407の一方の電極指は入力端子INに接続され、他方は接地される。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型入出力端子を有する平衡型高周波デバイスが得られる。

0110

本発明の実施の形態8における平衡型高周波デバイス2401においても、位相回路2403を用いることにより、同相信号成分を低減することができ、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイス実現することができる。

0111

なお、本実施の形態においては、位相回路としては、伝送線路、或いは3つのインピーダンス素子を用いて構成しても構わない。また、位相回路の構成はこれに限るものではなく、位相回路として動作する構成であれば本発明と同様の効果が得られる。また、インピーダンス素子としてのインダクタ、コンデンサの個数や構成もこれに限るものではなく、位相回路として動作する構成であれば、本発明と同様の効果が得られる。

0112

また、位相回路を形成する場合には、回路基板上での伝送線路やチップ部品を用いて構成しても構わないし、平衡型素子が実装される基板やパッケージに内蔵されていても構わない。また、位相回路の一部を、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して、この誘電体層を積層することにより構成される積層デバイス内に構成しも構わない。さらに、積層デバイスが他の回路機能を有する構成とすることにより、本発明の平衡型高周波デバイスと積層デバイスとを一体化して複合デバイスとして、平衡型高周波デバイスの多機能化、及び小型化が実現できるものである。

0113

また、本実施の形態では、入力端子を不平衡型とし、出力端子を平衡型として説明したが、入力端子が平衡型であり、出力端子が不平衡型であっても構わない。また、入力端子と出力端子ともに平衡型であってもよい。

0114

(実施の形態9)以下、本発明の実施の形態9の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。ここでは、平衡型高周波デバイスの具体的な特性について、平衡型素子として弾性表面波フィルタを用いた場合について述べる。図25に本発明の実施の形態9における平衡型高周波デバイス2501の構成を示す。図25において、平衡型高周波デバイス2501は、平衡型素子である弾性表面波フィルタ2502と位相回路2503とにより構成される。また、弾性表面波フィルタ2502において、入力側の端子は不平衡型入出力端子である入力端子INであり、出力側の端子は平衡型端子である出力端子OUT1、OUT2である。さらに、出力端子間には位相回路2503が接続される。

0115

弾性表面波フィルタ2502は、圧電基板2504上に、第1、第2、第3のインターディジタルトランスデューサ電極(以下、IDT電極とする)2505、2506、2507と第1、第2の反射器電極2508、2509とにより構成される。第1のIDT電極2505の一方の電極指は入力端子INに接続され、他方は接地される。第2、第3のIDT電極2506、2507の一方の電極指は出力端子OUT1、OUT2に接続され、第2、第3のIDT電極2506、2507の他方の電極指は接地される。以上の構成とすることにより不平衡型−平衡型入出力端子を有する平衡型高周波デバイスが得られる。

0116

本発明の平衡型高周波デバイス2501においても、位相回路2503を用いることにより、同相信号成分を低減することができ、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイス実現することができる。

0117

なお、本実施の形態においては、位相回路としては、伝送線路、或いは3つのインピーダンス素子を用いて構成しても構わない。また、位相回路の構成はこれに限るものではなく、位相回路として動作する構成であれば本発明と同様の効果が得られる。また、インピーダンス素子としてのインダクタ、コンデンサの個数や構成もこれに限るものではなく、位相回路として動作する構成であれば、本発明と同様の効果が得られる。

0118

また、位相回路を形成する場合には、回路基板上での伝送線路やチップ部品を用いて構成しても構わないし、平衡型素子が実装される基板やパッケージに内蔵されていても構わない。また、位相回路の一部を、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して、この誘電体層を積層することにより構成される積層デバイス内に構成しも構わない。さらに、積層デバイスが他の回路機能を有する構成とすることにより、本発明の平衡型高周波デバイスと積層デバイスとを一体化して複合デバイスとして、平衡型高周波デバイスの多機能化、及び小型化が実現できるものである。

0119

また、本実施の形態では、入力端子を不平衡型とし、出力端子を平衡型として説明したが、入力端子が平衡型であり、出力端子が不平衡型であっても構わない。また、入力端子と出力端子ともに平衡型であってもよい。

0120

(実施の形態10)以下、本発明の実施の形態10の平衡型高周波デバイスについて図面を参照して説明する。図26に本発明の実施の形態10における平衡型高周波デバイス2601の構成を示す。ここでは、平衡型高周波デバイスの具体的な構成について、平衡型素子として半導体素子を用いた場合について述べる。図26において、平衡型高周波デバイス2601は、平衡型素子である半導体素子2602と位相回路2603、2608とにより構成される。また、半導体素子2602において、入力側の端子は平衡型入出力端子である入力端子IN1、IN2であり、出力側の端子は平衡型端子である出力端子OUT1、OUT2である。さらに、入力端子間には位相回路2603が接続されており、出力端子間には位相回路2608が接続される。

0121

次に、半導体素子2602の構成について説明する。2604a、2604b、2605a、2605bはバイポーラトランジスタであり、2606a、2606bはインダクタである。入力端子IN1はDCカットキャパシタ2607aを介してバイポーラトランジスタ2604aのベースに接続され、入力端子IN2はDCカットキャパシタ2607bを介してバイポーラトランジスタ2604bのベースに接続される。バイポーラトランジスタ2604a、2604bのコレクタはバイポーラトランジスタ2605a、2605bのエミッタにそれぞれ接続され、バイポーラトランジスタ2605a、2605bのコレクタはDCカットキャパシタ2609a、2609bをそれぞれ介し、出力端子OUT1、OUT2にそれぞれ接続される。バイポーラトランジスタ2604a、2604bのエミッタはインダクタ2606a、2606bを介してそれぞれ接地される。バイアス回路2610はバイポーラトランジスタ2604a、2604bのベースにバイアス電流を供給する。バイアス回路2611はバイポーラトランジスタ2605a、2605bのベースにバイアス電流を供給する。電源電圧Vccはチョークインダクタ2912a、2912bを介してバイポーラトランジスタ2605a、2605bのコレクタにそれぞれ供給される。以上の構成により、平衡型半導体デバイスは増幅器として動作する。

0122

本発明の実施の形態10における平衡型高周波デバイス2601においても、位相回路2603、2608を用いることにより、同相信号成分を低減することができ、バランス特性の優れた平衡型高周波デバイスを実現することができる。

0123

なお、本実施の形態においては、位相回路としては、伝送線路、或いは3つのインピーダンス素子を用いて構成しても構わない。また、位相回路の構成はこれに限るものではなく、位相回路として動作する構成であれば本発明と同様の効果が得られる。また、インピーダンス素子としてのインダクタ、コンデンサの個数や構成もこれに限るものではなく、位相回路として動作する構成であれば、本発明と同様の効果が得られる。

0124

また、位相回路を形成する場合には、回路基板上での伝送線路やチップ部品を用いて構成しても構わないし、平衡型素子が実装される基板やパッケージに内蔵されていても構わない。また、位相回路の一部を、電極パターンを複数の誘電体層上に形成して、この誘電体層を積層することにより構成される積層デバイス内に構成しも構わない。さらに、積層デバイスが他の回路機能を有する構成とすることにより、本発明の平衡型高周波デバイスと積層デバイスとを一体化して複合デバイスとして、平衡型高周波デバイスの多機能化、及び小型化が実現できるものである。

0125

また、本実施の形態では、入力端子及び出力端子をともに平衡型として説明したが、入力端子または出力端子のいずれか一方が不平衡型であり、他方が平衡型であっても構わない。

0126

また、本実施の形態においては、半導体素子は4つバイポーラトランジスタを用いて構成されるとしたが、これに限るものではない。

0127

また、本実施の形態では、半導体素子2602が増幅器である場合について説明したが、これに限らない。半導体素子2602はミキサや、発振器であっても構わない。要するに半導体素子2602は、平衡型端子を有する半導体デバイスであればよい。

0128

(実施の形態11)以下、本発明の実施の形態11の平衡型高周波回路について図面を参照して説明する。図27に示すのは、本発明の平衡型デバイスを用いた平衡型高周波回路2701のブロック図である。図27において、送信回路から出力される送信信号は、送信増幅器2702、送信フィルタ2703、スイッチ2704を介してアンテナ2705より送信される。また、アンテナ2705より受信された受信信号は、スイッチ2704、受信フィルタ2706、受信増幅器2707を介して受信回路に入力される。ここで、送信増幅器2702は平衡型であり、スイッチ2704は不平衡型であるので、送信フィルタ2703は不平衡−平衡型入出力端子を有する構成となる。また、受信増幅器2707は平衡型であり、スイッチ2704は不平衡型であるので、受信フィルタ2706は不平衡−平衡型入出力端子を有する構成となる。

0129

本発明の平衡型デバイスを平衡型高周波回路2701の送信フィルタ2703、または受信フィルタ2706に、本発明の平衡型高周波デバイスを送信増幅器2702、または受信増幅器2707に適用することにより、バランス特性の劣化による送信時の変調精度劣化を抑えることができ、また、バランス特性の劣化による受信時の感度劣化を抑えることができ、高性能な平衡型高周波回路を実現することができる。

0130

また、スイッチ2704が平衡型、送信増幅器2702、または受信増幅器2707が不平衡型の場合には、送信フィルタ2703、または受信フィルタ2706の平衡型と不平衡型の入出力端子を入れ替えることにより同様の効果が得られる。

0131

また、平衡型高周波回路2701において、送信と受信とを切り換える手段としてスイッチ2704を用いて説明したが、これは共用器であっても構わない。

0132

また、本実施の形態の平衡型高周波回路においては、回路基板上に本発明の位相回路を形成してもよい。例えば、図27において、回路基板上の平衡型伝送線路の間2708、2709に形成することにより、同相信号成分のクロストークによるバランス特性劣化を抑え、優れた平衡型高周波回路が実現できるものである。

0133

また、本発明の実施の形態においては、平衡型高周波デバイスとして、弾性表面波フィルタや半導体素子を用いて説明したが、これに限るものではなく、バランス動作する他のデバイスにも適用できるものである。

0134

また、高周波信号を取り扱うデバイスに関しては、周波数が高いほど、寄生成分が大きくなり、クロストークなどにより同相信号成分が増加しバランス特性の劣化がより大きくなる。よって、本発明の平衡型高周波デバイスに関しては、周波数が高いほどその効果も大きく、また、位相回路を形成する伝送線路やインピーダンス素子の素子サイズを小型化できるものである。

発明の効果

0135

以上の説明から明らかなように、本発明は、良好なバランス特性を有する平衡型高周波デバイス、平衡型高周波回路、位相回路、及び平衡度良好化方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0136

図1本発明の実施の形態1における平衡型高周波デバイスの構成図
図2従来の弾性表面波フィルタにおけるバランス特性劣化原因解析の説明図
図3従来の弾性表面波フィルタにおけるバランス特性解析の特性図
(a)振幅バランス特性図(b)位相バランス特性図
図4本発明の実施の形態1における平衡型高周波デバイスの動作説明図
図5本発明の実施の形態2における平衡型高周波デバイスの構成図
図6本発明の実施の形態3における平衡型高周波デバイスの構成図
図7本発明の実施の形態3における平衡型高周波デバイスの動作説明図
図8本発明の実施の形態4における平衡型高周波デバイスの構成図
図9(a)本発明の実施の形態4における平衡型高周波デバイスの動作説明図
(b)本発明の実施の形態4における差動信号成分に関する位相回路の等価回路を示す図(c)本発明の実施の形態4における同相信号成分に関する位相回路の等価回路を示す図
図10(a)本発明の実施の形態4における平衡型高周波デバイスの動作説明図
(b)本発明の実施の形態4における差動信号成分に関する位相回路の等価回路を示す図(c)本発明の実施の形態4における同相信号成分に関する位相回路の等価回路を示す図
図11本発明の実施の形態5における平衡型高周波デバイスの構成図
図12(a)本発明の実施の形態5における平衡型高周波デバイスの動作説明図
(b)本発明の実施の形態5における差動信号成分に関する位相回路の等価回路を示す図(c)本発明の実施の形態5における同相信号成分に関する位相回路の等価回路を示す図
図13(a)本発明の実施の形態5における平衡型高周波デバイスの動作説明図
(b)本発明の実施の形態5における差動信号成分に関する位相回路の等価回路を示す図(c)本発明の実施の形態5における同相信号成分に関する位相回路の等価回路を示す図
図14本発明の実施の形態6における平衡型高周波デバイスの構成図
図15(a)位相回路603を用いた時の平衡型高周波デバイスの通過特性図
(b)位相回路603を用いた時の平衡型高周波デバイスの振幅バランス特性図(c)位相回路603を用いた時の平衡型高周波デバイスの位相バランス特性図
図16(a)位相回路603を用いた時の平衡型高周波デバイスの振幅バランス特性図
(b)位相回路603を用いた時の平衡型高周波デバイスの位相バランス特性図
図17(a)位相回路901を用いた時の平衡型高周波デバイスの通過特性図
(b)位相回路901を用いた時の平衡型高周波デバイスの振幅バランス特性図(c)位相回路901を用いた時の平衡型高周波デバイスの位相バランス特性図
図18(a)位相回路901を用いた時の平衡型高周波デバイスの振幅バランス特性図
(b)位相回路901を用いた時の平衡型高周波デバイスの位相バランス特性図
図19(a)位相回路1001を用いた時の平衡型高周波デバイスの通過特性図
(b)位相回路1001を用いた時の平衡型高周波デバイスの振幅バランス特性図(c)位相回路1001を用いた時の平衡型高周波デバイスの位相バランス特性図
図20(a)位相回路1001を用いた時の平衡型高周波デバイスの振幅バランス特性図
(b)位相回路1001を用いた時の平衡型高周波デバイスの位相バランス特性図
図21(a)位相回路601を用いた時のインピーダンス特性
(b)位相回路2201を用いた時のインピーダンス特性図
図22位相回路に整合回路が含まれる構成図
図23(a)本発明の実施の形態7における平衡型高周波デバイスの構成図
(b)整合回路を含む位相回路を有する平衡型高周波デバイスの構成図
図24本発明の実施の形態8における平衡型高周波デバイスの構成図
図25本発明の実施の形態9における平衡型高周波デバイスの構成図
図26本発明の実施の形態10における平衡型高周波デバイスの構成図
図27本発明の実施の形態11における平衡型高周波回路の構成図
図28従来の平衡型高周波デバイスの構成図
図29従来の平衡型高周波デバイスの整合回路を含む構成図
(a)整合回路が1つのインピーダンス素子である場合の構成図(b)整合回路が2つのインピーダンス素子である場合の構成図
図30従来の弾性表面波フィルタの構成図
図31従来の弾性表面波フィルタの整合回路を含む構成図
図32(a)従来の弾性表面波フィルタの通過特性図
(b)従来の弾性表面波フィルタの振幅バランス特性図(c)従来の弾性表面波フィルタの位相バランス特性図

--

0137

101平衡型高周波デバイス
102平衡型素子
103位相回路
201弾性表面波フィルタ
202理想的な弾性表面波フィルタ
203,204 容量成分
501 平衡型高周波デバイス
502 平衡型素子
503,504 位相回路
601 平衡型高周波デバイス
602 平衡型素子
603 位相回路
604伝送線路
801 平衡型高周波デバイス
802 平衡型素子
803 位相回路
804,805,806インピーダンス素子
901 位相回路
902,903コンデンサ
904インダクタ
905仮想接地点
1001 位相回路
1002,1003 インダクタ
1004 コンデンサ
1005 仮想接地点
1101 平衡型高周波デバイス
1102 平衡型素子
1103 位相回路
1104,1105,1106 インピーダンス素子
1201 位相回路
1202,1203 インダクタ
1204 コンデンサ
1205接続点
1301 位相回路
1302,1303 コンデンサ
1304 インダクタ
1305 接続点
1401 平衡型高周波デバイス
1402 弾性表面波フィルタ
1403 位相回路
1404圧電基板
1405 第1のIDT電極
1406 第2のIDT電極
1407 第3のIDT電極
1408 第1の反射器電極
1409 第2の反射器電極
1601,1801,2001 従来の弾性表面波フィルタの振幅バランス特性劣化の最大値
1602,1802,2002 従来の弾性表面波フィルタの振幅バランス特性劣化の最小値
1603,1803,2003 従来の弾性表面波フィルタの位相バランス特性劣化の最大値
1604,1804,2004 従来の弾性表面波フィルタの位相バランス特性劣化の最小値
2101,2102通過帯域周波数近傍を示す領域
2201 位相回路
2202 コンデンサ
2301 平衡型高周波デバイス
2302 平衡型素子
2303 位相回路
2304,2305 コンデンサ
2306 インダクタ
2307整合回路としてのインダクタ
2308 仮想接地点
2309合成インダクタ
2401 平衡型高周波デバイス
2402 弾性表面波フィルタ
2403 位相回路
2404 圧電基板
2405 第1のIDT電極
2406 第2のIDT電極
2407 第3のIDT電極
2408 第1の反射器電極
2409 第2の反射器電極
2410 第1の分割IDT電極
2411 第2の分割IDT電極
2501 平衡型高周波デバイス
2502 弾性表面波フィルタ
2503 位相回路
2504 圧電基板
2505 第1のIDT電極
2506 第2のIDT電極
2507 第3のIDT電極
2508 第1の反射器電極
2509 第2の反射器電極
2601 平衡型高周波デバイス
2602半導体素子
2603 位相回路
2604a,2604b,2605a,2605bバイポーラトランジスタ
2606a,2606b インダクタ
2607DCカットキャパシタ
2608バイパスキャパシタ
2609a,2609b DCカットキャパシタ
2610,2611バイアス回路
2612a,2612bチョークインダクタ
2701平衡型高周波回路
2702送信増幅器
2703送信フィルタ
2704 スイッチ
2705アンテナ
2706受信フィルタ
2707受信増幅器
2708,2709平衡型伝送線路
2801,2901 平衡型高周波デバイス
2902,2904,2905 整合回路
2903 平衡型高周波デバイス
3001 弾性表面波フィルタ
3002 圧電基板
3003 第1のIDT電極
3004 第2のIDT電極
3005 第3のIDT電極
3006 第1の反射器電極
3007 第2の反射器電極
3101 弾性表面波フィルタ
3102 圧電基板
3103 第1のIDT電極
3104 第2のIDT電極
3105 第3のIDT電極
3106 第1の反射器電極
3107 第2の反射器電極
3108 第1の分割IDT電極
3109 第2の分割IDT電極
3110 インダクタ

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