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技術 二足歩行ロボットの設計方法および二足歩行ロボット

出願人 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明者 遠藤謙北野宏明
出願日 2002年4月30日 (16年9ヶ月経過) 出願番号 2002-129276
公開日 2003年11月18日 (15年3ヶ月経過) 公開番号 2003-326482
状態 特許登録済
技術分野 マニプレータ・ロボット CAD マニプレータ
主要キーワード 立体部品 各要素部品 可動単位 配置モデル 開発技術者 交叉位置 適応度評価 進化的計算
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年11月18日)のものです。
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図面 (16)

課題

設計時間の短縮と設計精度の向上に役立つ運動パターン機構設計とを同時に設計する二足歩行ロボット設計方法、およびこの設計方法により設計される二足歩行ロボットを提供する。

解決手段

二足歩行ロボット1を設計する各工程で、二足歩行ロボット1を異なるモデルで表してモデルに基づいて設計する複数の工程(S1,S2)からなり、複数の工程(S1,S2)には、前段の工程において求めた設計データを次の工程において参照する工程を含む設計方法を用いる。

概要

背景

ロボットの開発は、仕様決定機構設計、組み立て、動作確認、再設計の手順により行われる。まず仕様決定において、ロボットの大きさをどのくらいにするか、どのような動作をさせるのか、そのためにはどのようなモータセンサを用い、どのような電装系の装置を採用するか、などを決定する。次に、決定した仕様に基づき構造設計を行う。通常、構造設計は、各要素の質量を無視し、大きさや干渉のみを考慮し、CADを用いて図面化する。そしてこの図面に基づいて各部材を加工し、組み立て、電装系の装置を取り付け、対象となるロボットを製作する。次に製作したロボットを動作させ、動作確認を行う。ほとんどの場合において、可動範囲における各パーツの干渉の発生やトルク不足などの不都合を生ずる。この場合には再設計が必要となる。

一方、ロボットの機構運動パターンとを進化的計算法を用いて同時に生成する研究が行われている。そこではロボットをリンクモデルで表し、リンクモデルを構成する各リンク長と各リンクの運動パターンとを計算機シミュレーション上の進化的計算法により求めるものである。

概要

設計時間の短縮と設計精度の向上に役立つ運動パターンと機構設計とを同時に設計する二足歩行ロボット設計方法、およびこの設計方法により設計される二足歩行ロボットを提供する。

二足歩行ロボット1を設計する各工程で、二足歩行ロボット1を異なるモデルで表してモデルに基づいて設計する複数の工程(S1,S2)からなり、複数の工程(S1,S2)には、前段の工程において求めた設計データを次の工程において参照する工程を含む設計方法を用いる。

目的

そこで、本発明は、上記の課題にかんがみ、設計時間の短縮と設計精度の向上に役立つ運動パターンと機構設計とを同時に設計する二足歩行ロボットの設計方法、およびこの設計方法により設計される二足歩行ロボットを提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

二足歩行ロボットを設計する各工程で、二足歩行ロボットを異なるモデルで表して前記モデルに基づいて設計する複数の工程からなり、前記複数の工程には前段の工程において求めた設計データを次の工程において参照する工程を含むことを特徴とする、二足歩行ロボットの設計方法

請求項2

前記複数の工程は、前記二足歩行ロボットを立体部品結合モデルで表して前記立体部品の結合モデルにおける物理パラメータ運動パターンとを第1の進化的計算法により求める第1の工程と、前記各立体部品内に配置する構成部品の配置位置を第2の進化的計算法により求める第2の工程と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の二足歩行ロボットの設計方法。

請求項3

前記複数の工程は、前記二足歩行ロボットを多関節モデルで表して前記多関節モデルにおける各リンク長と運動パターンと、を第3の進化的計算法により求める工程を含み、前記各リンク長と運動パターンと、を次の工程において参照することを特徴とする、請求項1に記載の二足歩行ロボットの設計方法。

請求項4

前記物理パラメータは、前記各立体部品の位置、大きさ、重心位置、慣性モーメントを含み、前記第1の工程で求める物理パラメータを前記第2の進化的計算法に与える目標値群とすることを特徴とする、請求項2に記載の二足歩行ロボットの設計方法。

請求項5

前記進化的計算法は、遺伝的アルゴリズムによるものであることを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載の二足歩行ロボットの設計方法。

請求項6

前記運動パターンは、ニューラルネットワークにより生成されることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の二足歩行ロボットの設計方法。

請求項7

前記ニューラルネットワークの重み係数は、遺伝的アルゴリズムにより求めることを特徴とする、請求項6に記載の二足歩行ロボットの設計方法。

請求項8

前記ニューラルネットワークは、組となって正のフィードバックを持つ発信回路として動作するニューロンを含むことを特徴とする、請求項6に記載の二足歩行ロボットの設計方法。

請求項9

前記ニューラルネットワークは、周期的信号を発生する信号発生手段を付加することを特徴とする、請求項6に記載の二足歩行ロボットの設計方法。

請求項10

二足歩行ロボットを立体部品の結合モデルで表して前記立体部品の結合モデルにおける各立体部品の物理パラメータを第1の進化的計算法により求める第1の工程と、前記各立体部品内に配置する構成部品の配置位置を第2の進化的計算法により求める第2の工程と、からなる設計方法により設計されたことを特徴とする、二足歩行ロボット。

請求項11

対となって正のフィードバックを持つ発信回路として動作するニューロンを含むニューラルネットワークと、周期的信号を発生する信号発生手段と、により生成する運動パターン生成手段を備えることを特徴とする、二足歩行ロボット。

技術分野

0001

本発明は、運動パターン機構設計とを同時に設計する二足歩行ロボット設計方法、およびこの設計方法により設計される二足歩行ロボットに関する。

背景技術

0002

ロボットの開発は、仕様決定、機構設計、組み立て、動作確認、再設計の手順により行われる。まず仕様決定において、ロボットの大きさをどのくらいにするか、どのような動作をさせるのか、そのためにはどのようなモータセンサを用い、どのような電装系の装置を採用するか、などを決定する。次に、決定した仕様に基づき構造設計を行う。通常、構造設計は、各要素の質量を無視し、大きさや干渉のみを考慮し、CADを用いて図面化する。そしてこの図面に基づいて各部材を加工し、組み立て、電装系の装置を取り付け、対象となるロボットを製作する。次に製作したロボットを動作させ、動作確認を行う。ほとんどの場合において、可動範囲における各パーツの干渉の発生やトルク不足などの不都合を生ずる。この場合には再設計が必要となる。

0003

一方、ロボットの機構と運動パターンとを進化的計算法を用いて同時に生成する研究が行われている。そこではロボットをリンクモデルで表し、リンクモデルを構成する各リンク長と各リンクの運動パターンとを計算機シミュレーション上の進化的計算法により求めるものである。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記従来の計算機シミュレーション上の進化的計算法によりロボットを設計する方法では、ロボットを単純なリンクモデルで表し、リンクモデルを構成する各リンク長と各リンクの運動パターンとを進化的計算法により求めるものであり、多数の構成要素からなる実際のロボットの設計方法としては実用性に乏しい。したがって、現実のロボットの運動パターンと機構設計とを同時に設計する具体的な方法は開示されておらず、その設計方法を用いたロボットを実現する技術を具現化できないという課題がある。

0005

また、従来の開発過程における仕様決定および機構設計は、開発技術者の長年の経験やに因るところも大きく、多くの場合に再設計の繰り返しが必要となるため、開発コストがかさむ。特に二足歩行ロボットは、多くの要素から構成され、高度な制御を要求するが、その設計技術確立されておらず、開発に多大なコストと時間とを必要とする課題がある。

0006

そこで、本発明は、上記の課題にかんがみ、設計時間の短縮と設計精度の向上に役立つ運動パターンと機構設計とを同時に設計する二足歩行ロボットの設計方法、およびこの設計方法により設計される二足歩行ロボットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため、本発明の二足歩行ロボットの設計方法は、二足歩行ロボットを設計する各工程で二足歩行ロボットを異なるモデルで表してモデルに基づいて設計する複数の工程からなり、これら複数の工程には前段の工程において求めた設計データを次の工程において参照する工程を含むことを特徴とする。上記構成の本発明の二足歩行ロボットの設計方法は、複数の工程で異なるモデルで表して設計するので、設計時間を短縮し、設計精度を高め、開発コストを下げることができる。

0008

また、本発明の複数の工程は、二足歩行ロボットを立体部品結合モデルで表して立体部品の結合モデルにおける物理パラメータと運動パターンとを第1の進化的計算法により求める第1の工程と、各立体部品内に配置する構成部品の配置位置を第2の進化的計算法により求める第2の工程とを含むことを特徴とする。上記構成の本発明の複数の工程は、物理パラメータと運動パターンとを進化的計算法により求める工程と、構成部品の配置位置を進化的計算法により求める工程とを含むので、各工程での最適な設計を自動化して行うことができ、設計精度を高め、設計を効率化することができる。

0009

さらに、本発明の複数の工程は、二足歩行ロボットを多関節モデルで表して多関節モデルにおける各リンク長と運動パターンとを第3の進化的計算法により求める工程を含み、各リンク長と運動パターンとを次の工程において参照することを特徴とする。上記構成の本発明の複数の工程は、二足歩行ロボットを多関節モデルで表して各リンク長と運動パターンとを設計し、次の工程において参照するので、設計時間を短縮し、設計精度を高め、設計を効率化することができる。

0010

また、本発明の物理パラメータは、各立体部品の位置、大きさ、重心位置、慣性モーメントを含み、第1の工程で求める物理パラメータを第2の進化的計算法に与える目標値群とすることを特徴とする。上記構成の本発明の物理パラメータは、第2の進化的計算法に与える目標値群とするので、次工程における設計時間を短縮し、設計精度を高めることができる。

0011

さらに、本発明の進化的計算法は、遺伝的アルゴリズムによるものであることを特徴とする。上記構成の本発明の進化的計算法は、遺伝的アルゴリズムによるものであるので、各種のパラメータを最適化する計算方法を自動化することができ、設計を効率化することができる。

0012

また、本発明の運動パターンは、ニューラルネットワークにより生成されることを特徴とする。上記構成の本発明の運動パターンは、ニューラルネットワークにより生成されるので、設計の自由度を高めることができ、設計を効率化することができる。

0013

さらに、本発明のニューラルネットワークの重み係数は、遺伝的アルゴリズムにより求めることを特徴とする。上記構成の本発明のニューラルネットワークの重み係数を、遺伝的アルゴリズムにより求めるので、重み係数を最適化する計算方法を自動化することができ、設計を効率化することができる。

0014

また、本発明のニューラルネットワークは、組となって正のフィードバックを持つ発信回路として動作するニューロンを含むことを特徴とする。上記構成の本発明のニューラルネットワークは、発信回路として動作するニューロンを含むので、二足歩行ロボットの適切な運動パターンを容易に生成することができる。

0015

さらに、本発明のニューラルネットワークは、周期的信号を発生する信号発生手段を付加することを特徴とする。上記構成の本発明のニューラルネットワークは、周期的信号を発生する信号発生手段を付加するので、二足歩行ロボットの運動パターンを容易に生成することができる。

0016

また、本発明の二足歩行ロボットは、二足歩行ロボットを立体部品の結合モデルで表して立体部品の結合モデルにおける各立体部品の物理パラメータを第1の進化的計算法により求める第1の工程と、各立体部品内に配置する構成部品の配置位置を第2の進化的計算法により求める第2の工程とからなる設計方法より設計されてなることを特徴とする。上記構成の本発明の二足歩行ロボットは、複数の工程で異なるモデルで表して設計されているので、設計時間が短縮され、設計精度を高め、開発コストを下げて、安価な製品とすることができる。

0017

さらに、本発明の二足歩行ロボットは、対となって正のフィードバックを持つ発信回路として動作するニューロンを含むニューラルネットワークと周期的信号を発生する信号発生手段とにより生成する運動パターン生成手段を備えることを特徴とする。上記構成の本発明の二足歩行ロボットは、ニューラルネットワークと信号発生手段とを備えるので、的確な運動パターンを生成することができる。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図面中の同一番号は同一物あるいは相当物を示す。図1は、本発明の実施の形態に係る二足歩行ロボットの設計方法のフロー図である。設計をスタートすると、ステップS1では、二足歩行ロボットを立体部品の結合モデルで表し、この立体部品の結合モデルに基づき設計を行う。ステップS2では、設計された立体部品内に要素部品を配置する要素部品のモデルを設定し、要素部品の配置の設計を行い、設計を完了する。

0019

図2は、本発明の実施の形態に係る二足歩行ロボットの他の設計方法のフロー図である。設計をスタートすると、ステップS3では、二足歩行ロボットを多関節のリンクモデルで表し、各リンク長と運動パターンの設計を行う。ステップS4では、二足歩行ロボットを立体部品の結合モデルで表し、この立体部品の結合モデルに基づき設計を行う。ステップS5では、設計された立体部品内に要素部品を配置する要素部品のモデルを設定し、要素部品の配置の設計を行い、設計を完了する。図2の設計方法では、二足歩行ロボットを多関節のリンクモデルで表して設計を行うステップS3を付加する点が、図1で説明した設計方法とは異なる。ステップS3において得られる設計データをステップS4において参照して、設計を行うことで、ステップS4における設計の時間を短縮し、設計精度を高めることができる。

0020

次に、各ステップの詳細な設計工程を説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る立体部品モデル設計工程の詳細フロー図であり、図1のステップS1および図2のステップS4に対応する。スタートすると、ステップS11では、二足歩行ロボットを立体部品の結合として表すモデルを設定する。このモデルの一例を図4に示す。図4は、本発明の実施形態に係る二足歩行ロボットの立体部品結合モデルの一例を示す図である。設計対象となる二足歩行ロボット1を図4に示すような可動単位である3次元形状を有する立体部品2の結合モデルで表現する。

0021

図3のステップS12では、各立体部品の運動パターン、例えば関節の開き角度トルクなどを出力するニューラルネットワークを構成する。続いてニューラルネットワークのパラメータ(例えば重み係数)および各立体部品の物理パラメータ(例えば位置、大きさ、重心位置、慣性モーメント)を遺伝的アルゴリズムにより最適化する。まず、ステップS13では、ニューラルネットワークのパラメータおよび各立体部品の物理パラメータを染色体に対応させて遺伝子内に配置し、初期個体集団を生成する。なお、後述するような図2のステップS3において得られる設計データを、この初期固体のパラメータに反映すると、ステップS4における設計時間の短縮と、設計精度の向上を図ることができる。ステップS14では、設計を完了するために、以下のループ回数カウントして、所定の回数に達した場合には終了する。所定の回数に達しない場合には、ステップS15に進む。

0022

ステップS15では、各々の個体に対する適応度の評価を行う。この時の適応度としては、例えば、二足歩行ロボットの一歩の歩行距離消費エネルギー部品間干渉などの設計上の制約事項を設定する。なお、得られた適応度をそのまま選択時の確率に反映する必要はなく、何らかの関数を導入して適応度の違いを拡大あるいは縮小させるようにしても良い。ステップS16では、交配のために個体を選択する。この時の個体の選択方法は、今までにいくつか知られている。例えば、得られた適応度に対応する確率に基づき選択する。ステップS17では、選択した個体同士を交配する。この時の交叉位置決定方法は、今までにいくつか知られている。例えば、交叉位置をランダムに一つ定めてその前後で個体同士を入れ替えて新たな個体とする。ステップS18では、個体に突然変異を起こさせる。すなわち遺伝子を一定の確率で変化させる。この時の突然変異の方法は今までにいくつか知られている。例えば、交叉で作られた2つの個体の近さを求め、距離が近いほど高い確率で突然変異を起こす方法がある。

0023

ループ回数をカウントして、所定の回数に達した場合に、最適化されたニューラルネットワークのパラメータおよび最適化された各立体部品の物理パラメータを最も適応度の高い個体の遺伝子内に得ることができる。このニューラルネットワークのパラメータおよび各立体部品の物理パラメータは、次工程のステップS2またはステップS5において設計データとして参照される。以上を実行することで、立体部品の結合モデルで表した二足歩行ロボットを最適な運動パターンと機構を備えるように設計することができる。

0024

図5は、本発明の実施の形態に係る要素部品設計工程の詳細フロー図であり、図1のステップS2および図2のステップS5に対応する。スタートすると、ステップS21では、立体部品内に配置した要素部品の配置モデルを設定する。このモデルの一例を図6に示す。図6は、本発明の実施の形態に係る立体部品内に配置した要素部品の配置モデルの一例を示す図である。立体部品100の回転軸101は、モータ102の回転をギア103,104,105により伝達し、立体部品100にトルクを与えて回転するものである。センサ106は、立体部品100の位置を検出するものである。続いて、各要素部品の配置全体を、遺伝的アルゴリズムにより最適化する。

0025

ステップS22では、設計パラメータを染色体に対応させて遺伝子内に配置し、初期個体の集団を生成する。設計パラメータとしては、例えばモータ102、ギア103,104,105、センサ106の位置である。ステップS23では、設計を完了するために、以下のループ回数をカウントして、所定の数に達した場合には終了する。所定の数に達しない場合には、ステップS24に進む。ステップS24では、各々の個体に対する適応度の評価を行う。この時の適応度としては、図1のステップS1あるいは図2のステップS4の設計工程で求めた最適な運動パターンと機構を備える二足歩行ロボットの各立体部品の位置、大きさ、重心位置、慣性モーメントなどの設計データを設定する。なお、得られた適応度をそのまま選択時の確率に反映する必要はなく、何らかの関数を導入して適応度の違いを拡大あるいは縮小させても良い。

0026

ステップS25では、交配のために個体を選択する。この時、どの個体を選択するかは今までにいくつか方法が知られている。例えば、得られた適応度に対応する確率に基づき選択する。ステップS26では、選択した個体同士を交配する。交叉位置の決定方法は、今までにいくつか知られている。例えば、交叉位置をランダムに一つ定めてその前後で個体同士を入れ替えて新たな個体とする。ステップS27では、個体に突然変異を起こさせる。すなわち遺伝子を一定の確率で変化させる。この突然変異の方法は、今までにいくつか知られている。例えば、交叉で作られた2つの個体の近さを求め、距離が近いほど高い確率で突然変異を起こす方法がある。

0027

ループ回数をカウントして、所定の数に達した場合に、最適化された設計パラメータを最も適応度の高い個体の遺伝子内に得ることができる。以上を個々の立体部品について実行することで、図1のステップS1あるいは図2のステップS4の設計工程で求めた最適な運動パターンと機構を備える二足歩行ロボットに極めて近い二足歩行ロボットを設計することができ、これに基ずき最終形態の二足歩行ロボットを製作することができる。

0028

図7は本発明の実施形態に係るリンクモデル設計工程の詳細フロー図であり、図2のステップS3に対応する。スタートすると、ステップS31では、設計対象となる二足歩行ロボットを多関節のリンクで表し、そのモデルを設定する。モデルの一例を図8に示す。図8は、本発明の実施の形態に係る二足歩行ロボットの多関節のリンクモデルの一例を示す図である。リンク5を関節4で結合した結合モデルで二足歩行ロボット3を表現する。

0029

図7のステップS32では、各リンクの運動パターン、例えば関節の開き角度、トルクなどを出力するニューラルネットワークを構成する。続いて、ニューラルネットワークのパラメータ(例えば重み係数)および多関節モデルにおける各リンク長を遺伝的アルゴリズムにより最適化する。

0030

ステップS33では、多関節モデルにおける各リンク長とニューラルネットワークのパラメータを染色体に対応させて遺伝子内に配置し、初期個体の集団を生成する。ステップS34では、設計を完了するために、以下のループ回数をカウントして、所定の数に達した場合には終了する。所定の数に達しない場合には、ステップS35に進む。ステップS35では、各々の個体に対する適応度の評価を行う。この時の適応度としては、例えば、二足歩行ロボットの一歩の歩行距離、消費エネルギーなどを設定する。なお、得られた適応度をそのまま選択時の確率に反映する必要はなく、何らかの関数を導入して適応度の違いを拡大あるいは縮小させても良い。ステップS36では、交配のために個体を選択する。この時、どの個体を選択するかは今までにいくつか方法が知られている。例えば、得られた適応度に対応する確率に基づき選択する。

0031

ステップS37では、選択した個体同士を交配する。交叉位置の決定方法は、今までにいくつか知られている。例えば、交叉位置をランダムに一つ定めてその前後で個体同士を入れ替えて新たな個体とする。ステップS38では、個体に突然変異を起こさせる。すなわち遺伝子を一定の確率で変化させる。この突然変異の方法は、今までにいくつか知られている。例えば、交叉で作られた2つの個体の近さを求め、距離が近いほど高い確率で突然変異を起こす方法がある。

0032

ループ回数をカウントして、所定の数に達した場合に、最適化された設計パラメータを最も適応度の高い個体の遺伝子内に得ることができる。以上を実行することで、多関節のリンクの結合モデルで表した二足歩行ロボットに対して最適なリンク長と、運動パターンを備えるように設計することができる。図2のステップS4において、この最適化されたリンク長と運動パターンを初期個体の生成および適応度評価に際し、設計データとして参照することで、ステップS4における設計時間の短縮と設計精度の向上を図ることができる。

0033

次に、ニューラルネットワークの構成について説明する。図9はニューラルネットワークにより運動パターンを生成する二足歩行ロボットのリンクモデルを示す図である。関節41はリンク51とリンク52とを接続し、関節42はリンク52とリンク53とを接続し、関節43はリンク53とリンク54とを接続し、関節41に接続されていない側のリンク51の端部あるいは関節43に接続されていない側のリンク54の端部は、床50に接地している。図9の例では、リンク51が床50に接地している。ここで、関節41,42,43のそれぞれの開き角度をΘ1 ,Θ2 ,Θ3 とし、関節41,42,43のそれぞれのトルクをT1 ,T2 ,T3 とし、リンク51,54の床50からの反力をそれぞれEx1 ,Ex2 とする。

0034

図10は、図9に示すリンクモデルに基づき運動パターンを生成するニューラルネットワークの構成図である。このニューラルネットワークは、反力Ex1 ,Ex2 、開き角度Θ1 ,Θ2 ,Θ3 を入力として、トルクT1 ,T2 ,T3 を出力する2層構造のニューラルネットワークである。中間層に存在するニューロンNA1 ,NA2 ,・・・,NAn は、すべての入力に結合し、中間層に存在するニューロンNB1 ,NB2 ,・・・,Nbn も、すべての入力に結合している。また、出力層に存在するニューロンNT1 ,NT2 は、それぞれニューロンNA1 ,NA2 ,・・・,NAn に結合し、出力層に存在するニューロンNT3 は、それぞれニューロンNB1 ,NB2 ,・・・,NBn に結合している。ニューロンNT1 ,NT2 ,NT3 は、それぞれトルクT1 ,T2 ,T3 を出力する。

0035

図11(a)は、中間層に存在するニューロンNAk (k=1,2,・・・,n)の結合を表す図である。ニューロンNAk の出力をPAk とし、Ex1 ,Ex2 ,Θ1 ,Θ2 ,Θ3 の入力の重みをそれぞれwk1,wk2,wk3,wk4,wk5とすると、PAk は下記数式1で表される。

0036

ここで、QAk は媒介変数であり、下記数式2で表される。

0037

図11(b)は、中間層に存在するニューロンNBk (k=1,2,・・・,n)の結合を表す図である。ニューロンNBk の出力をPBk とすると、Ex1,Ex2 ,Θ1 ,Θ2 ,Θ3 の入力の重みは、それぞれwk2,wk1,wk5,−wk4,wk3と表すことができる。なんとなれば、図8に示したリンクモデルにおいて、リンク51、関節41、リンク52とリンク54、関節43、リンク53とは二足に対応し、対称であるために、PBk は数式3で表される。

0038

ここで、QBk は媒介変数であり、下記数式4で表される。

0039

図11(c)は、出力層に存在するニューロンNT1 の結合を表す図である。ニューロンNT1 の出力をトルクT1 とし、ニューロンNAk の出力をPAk に対する重みをそれぞれwAk とすると、トルクT1 は下記数式5で表される。

0040

ここで、QT1 は媒介変数であり、下記数式6で表される。

0041

図11(d)は、出力層に存在するニューロンNT2 の結合を表す図である。ニューロンNT2 の出力をトルクT2 とし、ニューロンNAk の出力をPAk に対する重みをそれぞれwCk とすると、トルクT2 は下記数式7で表される。

0042

ここで、QT2 は媒介変数であり、下記数式8で表される。

0043

図11(e)は、出力層に存在するニューロンNT3 の結合を表す図である。ニューロンNT3 の出力をトルクT3 とし、ニューロンNBk の出力をPBk に対する重みをそれぞれwBk とすると、トルクT3 は下記数式9で表される。

0044

ここで、QT3 は媒介変数であり、下記数式10で表される。

0045

以上説明したようなニューラルネットワークの構成により、関節における開き角度Θ1 ,Θ2 ,Θ3 および反力Ex1 ,Ex2 を入力とし、関節におけるトルクT1 ,T2 ,T3 を出力するように構成することができる。なお、先に説明した遺伝的アルゴリズムによって、ニューラルネットワーク内の重みwAk ,wBk ,wCk (k=1〜n)を染色体に対応させて遺伝子内に配置し、ニューラルネットワーク内の重みwAk ,wBk ,wCk (k=1〜n)を決定することができる。この重みを持つニューラルネットワークは、二足歩行ロボットの歩行動作に必要な関節の周期的な運動パターンを生成することとなる。

0046

次にニューラルネットワークの他の構成について説明する。図12は、ニューラルネットワークにより運動パターンを生成する二足歩行ロボットの他のリンクモデルを示す図である。関節61,62,63,64,65,66,67,68,69,70は、互いに隣同士をリンクで接続し、関節61には足先板71を備えたリンクを接続し、関節70には足先板72を備えたリンクを接続する。さらに関節65,66の間のリンクには上体73が結合されている。

0047

また、関節62,63,64,67,68,69は、xz面に対して自由度を有し、関節61,65,66,70はyz面に自由度を有する。さらに、関節62,69は、それぞれ足先板71、足先板72が地面と平行になるように曲げられるものとする。また、関節61,65,66,70は、周期波形状、例えば正弦波波形状に運動するものとする。さらに、関節61,62,63,64,65,66,67,68,69,70の角度をそれぞれΦ1 ,Φ2 ,Φ3 ,Φ4 ,Φ5 ,Φ6 ,Φ7,Φ8 ,Φ9 ,Φ10とする。

0048

図13は、設計対象となる図12のリンクモデルに基づき運動パターンを生成する他のニューラルネットワークの構成図である。信号発生手段80は、周期波形、例えば正弦波波形を発生し、二足歩行ロボットの左右の腰関節に対応した関節65を角度Φ5 、関節66を角度Φ6 になるような信号を与えると共に、左右の足関節に対応した関節61を角度Φ1 、関節70を角度Φ10になるような信号を与える。ニューロン81およびニューロン82と、ニューロン83およびニューロン84とは、それぞれ二足歩行ロボットの左右の股関節に対応するニューロンである。ニューロン81とニューロン82との出力信号加算器89で減算し、減算結果により関節64に角度Φ4 を与える。ニューロン83とニューロン84の出力信号を加算器90で減算し、減算結果により関節67に角度Φ7 を与える。

0049

また、ニューロン85およびニューロン86と、ニューロン87およびニューロン88とは、それぞれ二足歩行ロボットの左右の膝関節に対応するニューロンである。ニューロン85とニューロン86の出力信号を加算器91で減算し、減算結果により関節63に角度Φ3 を与える。ニューロン87とニューロン88の出力信号を加算器92で減算し、減算結果により関節68に角度Φ8 を与える。さらに、ニューロン81とニューロン82、ニューロン83とニューロン84、ニューロン85とニューロン86、ニューロン87とニューロン88、ニューロン82とニューロン84、はそれぞれ組となって正のフィードバックを持つ発信回路として動作する。

0050

次に図13におけるニューロンの内部構成について説明する。ニューロンの内部構成ブロック図を図14に示す。ニューロン93は、入力信号x1 ,x2 ,・・・,xn ,u0 ,u1 を入力し、内部演算を行い、出力信号yを出力する。なお、入力信号に付記した●(黒丸)は、抑制性結合を意味し、○(白丸)は、興奮性結合を意味する。図13におけるすべてのニューロンでは、u0 を省略し、u1 はニューロン83にのみ存在し、yはすべてのニューロンにおいて複数の出力に同じ値が出力されるものとする。演算器94は数式11、数式12、数式13の演算を行う。

0051

以上説明したようなニューラルネットワークの構成により、関節61,62,63,64,65,66,67,68,69,70のそれぞれの角度Φ1 ,Φ2,Φ3 ,Φ4 ,Φ5 ,Φ6 ,Φ7 ,Φ8 ,Φ9 ,Φ10を出力することができる。なお、先に説明した遺伝的アルゴリズムによって、ニューラルネットワーク内の各ニューロンの重み係数wj を染色体に対応させて遺伝子内に配置し、ニューラルネットワーク内の重みを決定することができる。この重みを持つニューラルネットワークは、二足歩行ロボットの歩行動作に必要な関節の周期的な運動パターンを生成することとなる。

0052

以上の説明では、進化的計算法として遺伝的アルゴリズムを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、進化的計算法として、例えば突然変異の操作を主とする進化戦略(Evolutionary Strategies、ES)、個体ではなく種の進化に着目した進化的プログラミング(Evolutionary Programming、EP)、遺伝情報を木(ツリー)構造として扱う遺伝的プログラミング(Genetic Programming、GP)などを用いても遺伝的アルゴリズムと同様に計算することができる。

0053

次に、上述した設計方法により設計される二足歩行ロボットについて説明する。図15は本発明の実施形態に係る二足歩行ロボットのブロック構成図である。二足歩行ロボット120は、多数の立体部品100から構成されるが、ここでは一つのみを図示する。また、CPU111、ROM112、RAM113、入出力インタフェース114は、一組のみを図示するが、必要に応じて多数組をロボット120の内部に配置して、機能分散および負荷分散を図るように構成することもできる。

0054

モータ102およびセンサ106は、立体部品100に内蔵され、入出力インタフェース114と接続される。CPU111、ROM112、RAM113、入出力インタフェース114、通信インタフェース115は、バス116で接続され、二足歩行ロボット120内に内蔵される。また、二足歩行ロボット120は、ホストコンピュータ130と通信回線117を介して接続され、そのデータの送受は、通信インタフェース115にて実行される。

0055

ホストコンピュータ130は、計算機シミュレーションにより、先に述べた設計方法を実行して所定の運動パターンを生成するニューラルネットワークの重み係数を決定する。さらに、この重み係数の定まったニューラルネットワークを実行するプログラムを通信回線117を介して、RAM113に転送する。ここでは、通信回線117を有線としたが、無線でもかまわない。また、ホストコンピュータ130において設計したプログラムを不揮発性メモリに書き込み、これをROM112にしても良い。さらに、プログラムをホストコンピュータ130には図示しない外部記憶媒体に書き込み、これを二足歩行ロボット120には、図示しない外部記憶媒体読み取り装置読み取り、RAM113に転送するようにしてもよい。

0056

二足歩行ロボット120を動作させる際には、必要に応じて通信回線117を外し、CPU111は、ROM112あるいはRAM113に内蔵したプログラムを実行し、入出力インタフェース114を介して、センサ106により立体部品100の運動を計測し、モータ102を駆動して立体部品100にトルクを発生することで、二足歩行ロボット120は、プログラムに従った適切な運動パターンに基づく歩行動作を行う。

発明の効果

0057

以上の説明から理解されるように、本発明によれば、二足歩行ロボットを複数の工程で異なるモデルで表して設計するので、設計時間を短縮し、設計精度を高め、開発コストを下げることができる。また、物理パラメータと運動パターンとを進化的計算法により求める工程と、構成部品の配置位置を進化的計算法により求める工程とを含むので、各工程での最適な設計を自動化して行うことができ、設計精度を高め、設計を効率化することができる。

0058

さらに、二足歩行ロボットを多関節モデルで表して各リンク長と運動パターンとを設計し、次の工程において参照するので、設計時間を短縮し、設計精度を高め、設計を効率化することができる。また、設計時に求める物理パラメータは、第2の進化的計算法に与える目標値群とするので、次工程における設計時間を短縮し、設計精度を高めることができる。

0059

さらに、設計時に使用する進化的計算法は、遺伝的アルゴリズムによるものであるので、各種のパラメータを最適化する計算方法を自動化することができ、設計を効率化することができる。また、運動パターンは、ニューラルネットワークにより生成されるので、設計の自由度を高めることができ、設計を効率化することができる。

0060

さらに、ニューラルネットワークの重み係数は、遺伝的アルゴリズムにより求めるので、重み係数を最適化する計算方法を自動化することができ、設計を効率化することができる。また、ニューラルネットワークは、発信回路として動作するニューロンを含むので、二足歩行ロボットの適切な運動パターンを容易に生成することができる。

0061

さらに、ニューラルネットワークは、周期的信号を発生する信号発生手段を付加するので、二足歩行ロボットの運動パターンを容易に生成することができる。また、二足歩行ロボットは、複数の工程で異なるモデルで表して設計するので、設計時間を短縮し、開発コストを下げて安価な製品とすることができる。さらに、二足歩行ロボットは、ニューラルネットワークと信号発生手段とを備えるので、的確な運動パターンを生成することができる。

図面の簡単な説明

0062

図1本発明の実施形態に係る二足歩行ロボットの設計方法のフロー図である。
図2本発明の実施形態に係る二足歩行ロボットの他の設計方法のフロー図である。
図3本発明の実施形態に係る立体部品モデル設計工程の詳細フロー図である。
図4本発明の実施形態に係る二足歩行ロボットの立体部品結合モデルの一例を示す図である。
図5本発明の実施形態に係る要素部品設計工程の詳細フロー図である。
図6本発明の実施形態に係る立体部品内に配置した要素部品の配置モデルの一例を示す図である。
図7本発明の実施形態に係るリンクモデル設計工程の詳細フロー図である。
図8本発明の実施形態に係る二足歩行ロボットの多関節のリンクモデルの一例を示す図である。
図9ニューラルネットワークにより運動パターンを生成する二足歩行ロボットのリンクモデルを示す図である。
図10リンクモデルに基づき運動パターンを生成するニューラルネットワークの構成図である。
図11中間層に存在するニューロンおよび出力層に存在するニューロンの結合を表す図である。
図12ニューラルネットワークにより運動パターンを生成する二足歩行ロボットの他のリンクモデルを示す図である。
図13他のリンクモデルに基づき運動パターンを生成する他のニューラルネットワークの構成図である。
図14ニューロンの内部構成ブロック図である。
図15本発明の実施形態に係る二足歩行ロボットのブロック構成図である。

--

0063

1,3,120二足歩行ロボット
2,100立体部品
4,41,42,43,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70 関節
5,51,52,53,54リンク
50 床
71,72足先板
73上体
80周期信号発生手段
81,82,83,84,85,86,87,88,93ニューロン
89,90,91,92加算器
94演算器
101回転軸
102モータ
103,104,105ギア
106センサ
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114入出力インタフェース
115通信インタフェース
116バス
117通信回線
130 ホストコンピュータ

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