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技術 海水の処理方法

出願人 株式会社商船三井株式会社日本海洋生物研究所株式会社山田洋行
発明者 大薮弘彦鋤崎俊二
出願日 2002年5月8日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2002-133067
公開日 2003年11月18日 (16年7ヶ月経過) 公開番号 2003-326276
状態 拒絶査定
技術分野 船体構造 殺菌剤による水の殺菌処理 イオン交換 農薬・動植物の保存
主要キーワード 含浸混合物 ヨウ素樹脂 気密密閉 停滞水 赤潮プランクトン コルク栓 産業製品 ヨウ素含量
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この項目の情報は公開日時点(2003年11月18日)のものです。
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課題

海水中、特に貨物運搬用船舶バラスト水中には有害なプランクトンが含有されている場合が多く、積荷港付近バラスト水を排出した場合に付近の海域を有害プランクトンで汚染し、たとえば赤潮発生などの害を及ぼすことが多い。このような海水中のプランクトンの除去方法については、電気化学的に金属塩を発生させる方法、燃焼排気ガス脱酸素化する方法等が公開されているが、無毒かつ効率の良い方法はいまだ見当たらない。

解決手段

発明者らは、特定のヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂が、海水中でプランクトン、特に植物性プランクトン死滅させ、かつ、海水中に有害な化学物質を残すことがないことを発見し、本発明に至った。本発明に使用する樹脂アンバライトのごとき強塩基性アニオン交換樹脂と三ヨウ化物とからなり、このものを船倉に添加して例えば10日ないし20日以上の航海を続けている間に船倉内の海水に含まれているプランクトンばかりでなくその休眠胞子までもが死滅するものである。

概要

背景

貨物運搬用船舶積荷陸揚げすると船倉が空になって重心が高くなり航行上不安定になるので、の重心を低くして安定に航海をするために、次の積荷港までバラストタンクに水を満たした状態で航海する。この満たした水をバラスト水という。外洋を航海する貨物運搬用船舶の場合バラスト水は陸揚げ港付近海水であることが多い。そして積荷港近くでバラスト水を放出して船倉を空にし、再び、積荷して航海する。バラスト水中には積荷を陸揚げした港近くの海水中の有害物混入することがしばしばであるので、次の積荷港でバラスト水を放出するとこれら有害物が積荷港付近の海域汚染することになる。これらの有害物は多種多様であるが、有害化学物質であったり、微小生物であったりする。特に微小な生物である場合は、環境条件によってはその海域で増殖し、大きな被害をもたらすことがある。最も有害な微小生物プランクトンである。プランクトンは、毒素を排出したり、爆発的に増殖する結果、海水中の溶存酸素を急激に減少させ魚貝類窒息死させるので赤潮として恐れられている。

バラスト水中のプランクトンを死滅させる方法として、特開昭52−13893は、海水中に金属電極を浸漬し、交流電圧により金属電極から金属塩析出させて、海水中に浮遊する赤潮プランクトンを金属塩のフロックとともに海水面上に浮上させ小型オイルフェンスによって回収する方法を公開している。しかし、電力が必要なことと、プランクトンのフロックを回収する作業を要する点に問題が残る。また、特開昭52−18390には、海水中に微細気泡を多数発生させ、微細気泡の有する泡沫分離作用によって海水中の微小生物を濃縮した後これを除去する方法が開示されているが、微細気泡発生のための動力が必要なことと微小生物の回収作業を要する点に問題が残る。さらに、特表2001−509729は、バラスト水を酸素化および脱酸素状態にして、嫌気性微生物および好気性微生物を除去する方法を開示している。脱酸素状態のためには、バラスト水を真空チャンバーに導き真空下に一定時間攪拌し、さらには還元ガスとして燃焼排気ガスを導入するプロセスによるものである。しかし、真空チャンバー等の装置を船舶に追加設置する必要がある。

概要

海水中、特に貨物運搬用船舶のバラスト水中には有害なプランクトンが含有されている場合が多く、積荷港付近でバラスト水を排出した場合に付近の海域を有害プランクトンで汚染し、たとえば赤潮発生などの害を及ぼすことが多い。このような海水中のプランクトンの除去方法については、電気化学的に金属塩を発生させる方法、燃焼排気ガスで脱酸素化する方法等が公開されているが、無毒かつ効率の良い方法はいまだ見当たらない。

発明者らは、特定のヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂が、海水中でプランクトン、特に植物性プランクトンを死滅させ、かつ、海水中に有害な化学物質を残すことがないことを発見し、本発明に至った。本発明に使用する樹脂アンバライトのごとき強塩基性アニオン交換樹脂と三ヨウ化物とからなり、このものを船倉に添加して例えば10日ないし20日以上の航海を続けている間に船倉内の海水に含まれているプランクトンばかりでなくその休眠胞子までもが死滅するものである。

目的

効果

実績

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牽制数
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請求項1

海水ヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂を接触させることによって、該海水中のプランクトン非活性化あるいは死滅させる海水中のプランクトンの除去方法

請求項2

海水が船舶バラストタンク中のバラスト水である請求項1の海水中のプランクトンの除去方法。

請求項3

ヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂が、多孔質強塩基性アニオン交換樹脂の塩とI2および−1価のヨウ素イオンを持つ化合物からなるポリヨウ化物とを常温常圧下で接触させた後、100°C以上の高温および大気圧を超える高圧の条件下で処理して得たものである請求項1または請求項2の海水中のプランクトンの除去方法。

--

0001

本発明は、海水中の有害なプランクトン除去方法に関する。さらに詳細には、船舶バラスト水中の有害なプランクトンの除去方法に関する。以下、海水がバラスト水である場合について説明する。

背景技術

0002

貨物運搬用船舶積荷陸揚げすると船倉が空になって重心が高くなり航行上不安定になるので、の重心を低くして安定に航海をするために、次の積荷港までバラストタンクに水を満たした状態で航海する。この満たした水をバラスト水という。外洋を航海する貨物運搬用船舶の場合バラスト水は陸揚げ港付近の海水であることが多い。そして積荷港近くでバラスト水を放出して船倉を空にし、再び、積荷して航海する。バラスト水中には積荷を陸揚げした港近くの海水中の有害物混入することがしばしばであるので、次の積荷港でバラスト水を放出するとこれら有害物が積荷港付近の海域汚染することになる。これらの有害物は多種多様であるが、有害化学物質であったり、微小生物であったりする。特に微小な生物である場合は、環境条件によってはその海域で増殖し、大きな被害をもたらすことがある。最も有害な微小生物はプランクトンである。プランクトンは、毒素を排出したり、爆発的に増殖する結果、海水中の溶存酸素を急激に減少させ魚貝類窒息死させるので赤潮として恐れられている。

0003

バラスト水中のプランクトンを死滅させる方法として、特開昭52−13893は、海水中に金属電極を浸漬し、交流電圧により金属電極から金属塩析出させて、海水中に浮遊する赤潮プランクトンを金属塩のフロックとともに海水面上に浮上させ小型オイルフェンスによって回収する方法を公開している。しかし、電力が必要なことと、プランクトンのフロックを回収する作業を要する点に問題が残る。また、特開昭52−18390には、海水中に微細気泡を多数発生させ、微細気泡の有する泡沫分離作用によって海水中の微小生物を濃縮した後これを除去する方法が開示されているが、微細気泡発生のための動力が必要なことと微小生物の回収作業を要する点に問題が残る。さらに、特表2001−509729は、バラスト水を酸素化および脱酸素状態にして、嫌気性微生物および好気性微生物を除去する方法を開示している。脱酸素状態のためには、バラスト水を真空チャンバーに導き真空下に一定時間攪拌し、さらには還元ガスとして燃焼排気ガスを導入するプロセスによるものである。しかし、真空チャンバー等の装置を船舶に追加設置する必要がある。

発明が解決しようとする課題

0004

船舶が陸揚げ港で、バラストタンクに入れた海水、すなわちバラスト水の中の微小生物、特にプランクトンを積荷港まで行く間に不活性化または死滅させ、かつ、有害物質を分散させることなく、バラスト水を放出できるプロセスが望まれている。

課題を解決するための手段

0005

最も簡単に微生物、特にプランクトンを死滅させる方法は、バラスト水に殺菌剤等の薬剤散布する手段であるが、バラスト水の排出とともにこれらの薬剤も放出されることになり、積荷港海域の生物に悪影響を与えることになる。一方、特表平8−501300は殺菌性ヨウ素樹脂を公開している。この殺菌性のヨウ素樹脂は、多孔質強塩基性アニオン交換樹脂の塩とI2(すなわち二原子ヨウ素)および−1価のヨウ素イオンから構成されるポリヨウ素化物イオンからなる群からえらばれるヨウ素物質とを接触させ、上記強塩基性アニオン交換樹脂をヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂に転化した殺菌性ヨウ素樹脂である。本件公開公報によれば、この殺菌性ヨウ素樹脂は、水や空気の殺菌、さらには身体の切り傷火傷などの損傷、外傷部位から分泌される液状浸出物の殺菌に用いられる。すなわち、この殺菌性ヨウ素樹脂により液体(たとえば水、空気、等)中に存在する微生物(たとえば細菌やウィルス)を不活性化することができる。しかも、この殺菌性ヨウ素樹脂で水,空気等の流体を処理した場合、流体あるいは気体(たとえば水、空気等)中に残留二原子ヨウ素が検出されることはなく、たとえ検出されても許容しうる量である。しかしながら本件公開公報には、この殺菌性ヨウ素樹脂を用いて海水中のプランクトン、特にバラスト水中のプランクトンを非活性化、死滅あるいは除去する例については言及していない。

0006

発明者らは、これらの殺菌性ヨウ素樹脂の中で特定のヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂が、海水中でプランクトン、特に植物性プランクトンを死滅させ、かつ、海水中に有害な化学物質を残すことがないことを発見し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、海水にヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂を接触させることによって、該海水中のプランクトンを非活性化あるいは死滅させる海水中のプランクトンの除去方法である。具体的には、外洋を航海する船舶のバラストタンク中のバラスト水の中のプランクトンの除去方法である。

0007

本発明に用いるヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂は、樹脂部分として多孔質強塩基性アニオン交換樹脂を使用し、ヨウ素物質としてポリヨウ化物を用い、両者を反応させた後、100°C以上の高温および大気圧を超える高圧の条件下で処理して安定化させたヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂であることに特徴がある。1例を挙げると、ヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂のアニオン交換樹脂部分としてアンバライト、ポリヨウ化物として三ヨウ化物を使用して両者を反応させ、温度105ないし150°C、圧力5ないし50psigで処理して安定化した樹脂である。三ヨウ化物は1モル分子状ヨウ素(すなわちI2としてのヨウ素)と1モルのヨウ素イオンとからなるものをさす。さらに具体的にはヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂としてトリオシンカナダ国 トリオシンコーポレーション社製)として販売されているものを使用することができる。その実施方法は、例えば、海水にヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂を添加後、10日ないし20日間以上保持する方法である。海水1トンに対するヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂の添加量は、ヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂中のヨウ素含量が50%のとき、0.1kgないし10kgであり、添加量は好ましくは海水1トン当たり1kgないし6kgである。

0008

本発明の対象となるプランクトンとは海水中に生息する体長10−1mm(100μm)ないし10−2mm(10μm)の生物である。本発明はさらに小さい生物、すなわち体長10−2mm(10μm)ないし10−4mm(100nm)のバクテリア、体長10−3mm(1μm)ないし10−5mm(10nm)のウィルスにも適用できる

0009

次に、本発明に使用するヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂の製造例を記載する。
原料の前処理)
(1)アンバライト401S 100gおよび純水200mlを1000ml容量のエルレンマイヤーフラスコに入れ、混合物を約3分間振盪した後、濾紙および濾斗を用いるドリップ式濾過により樹脂から水を除去した。濾斗上の樹脂を2回水洗したのち、濾紙上で15分間乾燥した。次に、樹脂に付着しているおそれのある望ましくない有機物質を除去するために、樹脂をエタノール300ml中に浸漬し、超音波槽中で5分間振盪した。アルコール洗浄した樹脂を再度、濾紙及び濾斗を用いて乾燥した。次に、このアルコール洗浄・乾燥した樹脂をエルレンマイヤーフラスコ(1000ml容量)に入れ、40°Cの純水250mlを加えた。この水−樹脂混合物を振盪槽(1秒当たり衝動/32°C)中で5分間振盪した後、濾紙および濾斗を用いて乾燥した。この水洗をもう一度繰り返した後、同様に樹脂を1時間乾燥した。
(2)ヨウ素(I2)60gおよびヨウ化カリウムKI)40g(共に乾燥重量)をエルレンマイヤーフラスコ中で混合し、ヨウ素およびヨウ化カリウムの混合物を調製した。次いでこの混合物に純水を金属光沢のあるヨウ素スラジが得られるまで徐々に滴下して混合した(たとえば約5gの水)。

0010

常温常圧条件下での樹脂へのヨウ素の予備含浸)上記(2)で得られたヨウ素スラジを500ml容量のエルレンマイヤーフラスコに入れ、ゆっくりと加熱し、40°Cで約5分間保持した。次に、上記(1)で得られた洗浄済樹脂100gを8分間隔で10gづつ徐々にこのヨウ素スラジに混合し、洗浄済樹脂の全量がこのエルレンマイヤーフラスコ中に投入されるまで混合を続けた。得られた原料混合物(I2/KI混合物および洗浄済樹脂からなる混合物−各原料の含有量:約100g)の入った500ml容量のエルレンマイヤーフラスコをコルク栓密閉し、振盪水槽に入れ、16時間振盪した。この間、振盪槽中の水の温度を約20°Cに保持した。振盪終了後、エルレンマイヤーフラスコを振盪槽から取り出した。この時点で、エルレンマイヤーフラスコ中の内容物は、含浸樹脂及び残存I2/KIからなる予備含浸混合物となっている。なお、ここで用いるエルレンマイヤーフラスコは、この(初期含浸工程の終了時に、その内容積が処理中の樹脂にほぼ50%だけ占められるような大きさ、すなわち、予備含浸混合物上に充分な空間が残るような大きさのものを用いる。

0011

(高温/高圧処理)上記の振盪槽から取り出した含浸樹脂および残存I2/KIからなる含浸混合物の入ったエルレンマイヤーフラスコのコルク栓を、小径(直径約3mm)の貫通孔を有するコルク栓に取り替えた。この有孔コルク栓をはめたエルレンマイヤーフラスコをオートクレーブ蒸気圧型)内に入れ、オートクレーブを気密状態で加熱した。内部温度および内圧が各々115°Cおよび5psigに達するまで加熱を続けた。その状態に達したら、その状態を15分間維持し、その後、オートクレーブを徐々に(内圧が大気圧に等しくなるまで)50分間かけて冷却したのち、オートクレーブからエルレンマイヤーフラスコを取り出した。

0012

生成樹脂の洗浄)上記の高温高圧処理を終えたヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂をエルレンマイヤーフラスコから取り出し、別の2000mlエルレンマイヤーフラスコに入れた。20°Cの純水1400mlをフラスコ内の樹脂に添加し、スラリーを3分間手動で振盪した。次いで洗浄水をフラスコから傾瀉した。この洗浄工程を更に7回繰り返した。この洗浄サイクル全体を、45°Cの水を用いることを除いては同様にして第二洗浄サイクルとして繰り返し、次いで、20°Cの水を用いて最終洗浄サイクルとして繰り返した(すなわち、1サイクル当たり水洗8回を3サイクル)。このようにして洗浄されたヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂は、使用可能な状態となっている。

0013

得られたヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂の物性値はつぎのとおりであった。
(1)湿潤密度1.720 g/ml
測定方法:濾紙および濾斗を用いる方法で乾燥(乾燥時間5分)した樹脂を用いた。25ml容量および100ml容量のフラスコを測定に使用した。これらのフラスコの空の重量を測定した。次いで、これらのフラスコに樹脂を充填した後、手動で連続的に振動を与えて(1秒当たり約2回の衝撃を2分間与えた。)樹脂を沈降させ、沈降した樹脂の容積を記録した。充填したフラスコの重量を測定し、空のフラスコの重量を差し引き、樹脂の単位容積(ml)当たりの重量(グラム)を計算して密度を算出した。
(2)乾燥密度1.088 g/ml
測定方法:上記(1)湿潤密度の測定に用いた各原料樹脂を予め同時に摂氏55度で12時間乾燥し、次いで乾燥剤中で2時間冷却して用いた以外は、上記(1)と同様の操作を行った。
(3)ヨウ素含有量43.7 重量%
測定方法:ヨウ素樹脂1.0gを5重量%濃度のチオ硫酸ナトリウムを含有する水20ml中で煮沸した。煮沸を20分間行なった後、水混合物放置して12時間空冷した。樹脂を回収し、沸騰チオ硫酸ナトリウム水溶液50mlで洗浄した。次いで樹脂を乾燥器中で105°Cで12時間乾燥した。このようにしてヨウ素を脱着した各樹脂の重量を測定し、重量差から原料樹脂から離脱した活性ヨウ素の重量%としてのヨウ素含有量を算出した。
(4)停滞水中での浸出ヨウ素濃度1.7 ppm
測定方法:気密密閉したエルレンマイヤーフラスコ中でヨウ素樹脂100.0gを水125mlと混合した。この水混合物を20°Cで7日間放置した。次いで水混合物から水を採取し、ロイコクリスタルバイオレット分光分析器法による標準方式により、水中のヨウ素の濃度を測定した。
(5)樹脂のサイズ 0.60〜1.20 mm(概略有効直径
測定方法:乾燥樹脂2グラムをマイクロメーター顕微鏡で観察し、サイズを目測した。

0014

次に、海水中のプランクトンを処理した実施例を示す。
実施例
(1)バラスト水中のプランクトンとして、日本と豪州との間で運航されている船舶Aおよび船舶Bのバラストタンク内から採取したバラスト(それぞれ堆積物Iおよび堆積物II)と、比較のため東京湾奥部干潟部から採取した堆積泥(堆積物III)とを使用した。これら堆積物中には蛍光顕微鏡による観察の結果、いずれにも休眠胞子の存在が確認された。(表1 参照)
(2)ヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂として、トリオシンT−50を使用した。トリオシンT−50(Triosyn T−50)は商品名であり、カナダ国のトリオシンコーポレーションが製造販売している。なお、トリオシンにはヨウ素含有量によりT−25からT−50まで6種類のトリオシンがある。トリオシンの構造式

0015

実施例1
次のように、トリオシンT−50によるプランクトンの増殖抑制効果試験した。まず、植物プランクトン胞子が発し増殖することができるよう、栄養塩類として海水100ml当たりに、KNO3 7.2mg、KH2PO4 0.5mg、Na2−グリセロリン酸1.1mg、Fe(Fe−EDTAとして)50μg、ビタミンB12 0.2μg、TRIS 50mgを添加したSW2培地を用意した。この海水(SW2培地)100mlを200ml容量のエルレンマイヤーフラスコに入れ、さらに堆積物Iを2g(湿重量)加えた。このフラスコにトリオシンT−50を0.5g添加し、綿栓を付けて、室温を20°Cに設定した恒温培養室内で20日間、往復振盪培養器を用いて約60回/分の速度で連続攪拌しながら培養した。培養結果を表2の実施例1aに示した。この実施例1を全く同条件でくりかえして行ない、結果を表2の実施例1bに示した。なお、表2ないし表5に示された数値は海水1ml中のプランクトンの細胞数で、落射蛍光顕微鏡を用いて、独立栄養性従属栄養性区分して計数した。独立栄養性のプランクトンは、珪藻類渦鞭毛藻類緑藻類藍藻類等のほか、細胞サイズが20μm以下の独立栄養性微小鞭毛藻類(Autotropic nano−flagellates:ANF)を対象にUV照射自家蛍光を発する生物を対象とした。従属栄養性のプランクトンは、原生動物のほか、核および鞭毛を有し、かつ、UV照射で自家蛍光を発しない従属栄養性微小鞭毛虫類を対象とし、細胞サイズが20μm以下(Heterotropic nano−flagellates:HNF)と20μm以上(Heterotropicmicro−flagellates:HMF)とに区分して計測した。

0016

実施例2
実施例1のブランク試験として、トリオシンT−50を添加をすることを除き、実施例1と同条件で培養実験を行なった。結果を表2の実施例2aおよび実施例2bに示した。

0017

実施例3
実施例1において、堆積物Iの代わりに堆積物IIを用いたほかは実施例1と同条件で培養実験を行なった。結果を表3の実施例3aおよび実施例3bに示した。

0018

実施例4
実施例3のブランク試験として、トリオシンT−50を添加することを除き他は実施例3と同条件で培養実験を行なった。結果を表3の実施例4aおよび実施例4bに示した。

0019

実施例5
実施例1において、堆積物Iの代わりに堆積物IIIを用いたほかは実施例1と同条件で培養実験を行なった。結果を表4の実施例5に示した。

0020

実施例6
実施例5において、トリオシンT−50の添加をせずに、他の条件は実施例5と同条件で培養実験を行なった。結果を表4の実施例6に示した。

0021

実施例1〜4において、2種類のバラスト泥を用いた場合、トリオシンT−50を添加しなかった実施例2および実施例4では培養の結果珪藻類12種類、鞭毛藻類3種類、ラフィド藻類1種類の他、鞭毛を有する微小な植物プランクトンが多く出現した。特に船舶Bのバラスト泥(堆積物II)からは沿岸域で赤潮を形成するキートセロス(Chaetoceros) 属が多く出現した。しかし、トリオシンT−50の添加によって、少なくとも10日後以降はこれら植物プランクトンの発芽・増殖がみられなかった。

0022

実施例2、実施例4において、植物プランクトンの発芽が認められ、一方、トリオシンT−50を添加した実施例1および実施例3では植物プランクトンの発芽、増殖がほとんど見られなかった。東京湾の堆積物を用いた場合にも、トリオシンT−50を添加しない実施例6の場合には実施例1〜4とは異なった多くの植物プランクトンが増殖したが、トリオシンT−50を添加した実施例5の場合には、10日後以降にはこれら植物性プランクトンの発芽・増殖は見られなかった。これらの結果から、ヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂であるトリオシンT−50が植物プランクトンの発芽・増殖を防止する効果を有すると判定した。

0023

実施例7
実施例1の20日間培養後の培養液から目合い0.1mmのふるいを用いてトリオシンT−50を取り除き、新しく実施例1と同じ栄養塩類を添加して、実施例2と同条件で再度培養を行なった。同条件で繰り返し2回培養した結果を表5の実施例7aおよび実施例7bに示した。

0024

実施例8
実施例3の20日間培養後の培養液から目合い0.1mmのふるいを用いてトリオシンT−50を取り除き、新しく実施例1と同じ栄養塩類を添加して、実施例2と同条件で再度培養を行なった。結果を表6の実施例8aおよび実施例8bに示した。

0025

実施例7および実施例8の結果より、新たに植物プランクトンが発芽・増殖しなかったことが認められた。このことから、ヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂であるトリオシンT−50によってプランクトンのみでなく休眠胞子をも死滅させることができたと判定された。

0026

比較例
海水中へのヨウ素の溶出量を確認するために、トリオシンT−50と類似品であるアイマックとを比較した。エルレンマイヤーフラスコ(200ml容量)2個を用意し、それぞれにSW2培地100mlを加え、一方のフラスコにトリオシンT−50 0.5g、他方のフラスコにアイオマック0.5gを添加した。この2つのフラスコを20日間振盪培養した後、溶液中の溶出イオンを測定した。
溶出イオンの測定結果
アイオマック トリオシンT−50
マイナスイオン51.6 mg/l 18.4 mg/l
ノンイオン2.2 2.2
計 53.8 20.6
(アイオマック:産業製品

0027

比較例から、トリオシンT−50の場合は他の同類品に比べて溶出ヨウ素イオン量が少ないので、バラスト水の処理のためのヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂の交換頻度が少なくて済むメリットがある。
ID=000003HE=195 WI=085 LX=0625 LY=0300
ID=000004 HE=220 WI=130 LX=0400 LY=0300
ID=000005 HE=220 WI=129 LX=0405 LY=0300
ID=000006 HE=185 WI=080 LX=0200 LY=0300
ID=000007 HE=105 WI=123 LX=0435 LY=0300
ID=000008 HE=105 WI=122 LX=0440 LY=1350

発明の効果

0028

貨物運搬用船舶のバラスト水にヨウ素化強塩基性アニオン交換樹脂を添加し、その後10日ないし20日間航行を続けるることによって、プランクトンの発芽・増殖を抑制することができ、さらにこれらプランクトンの休眠胞子を死滅させることができるので、バラスト水を排出しても、そこの海域に悪影響を及ぼすことがない。

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