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技術 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 中島由香田中孝和大垣晴信
出願日 2002年4月26日 (17年8ヶ月経過) 出願番号 2002-126263
公開日 2003年11月6日 (16年2ヶ月経過) 公開番号 2003-316044
状態 拒絶査定
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 接触割合 レシービング 輸送ユニット 環境変動量 機械的摩耗 高分子量ポリカーボネート樹脂 合一体 散乱度合い
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (1)

課題

耐摩耗性耐傷性、耐放電劣化、耐クラックに優れた電子写真感光体を提供し、高感度化はもちろんのこと、安定した繰り返し特性を有する電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。

解決手段

支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、特定の繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質とを含有する。

概要

背景

近年、無公害性高生産性といった利点を有する有機光導電物質を利用した電子写真感光体有機電子写真感光体)が広く使用されている。

また、高画質化高感度化プロセススピード高速化が要求される中、電気的および機械的摩耗の双方を満足するために、電荷発生層電荷輸送層を積層した機能分離型積層型)の構成の感光層を採る電子写真感光体が使用されることが多い。

具体的には、機能分離型の構成としては、表面層に電荷輸送層を設け、熱可塑性樹脂と低分子電荷輸送物質を含有させ、高感度高耐久化を達成しようとしている。

しかしながら、機能分離型の構成をとる電子写真感光体でも、上記要求に対して、充分には対応できていない。

例えば、高画質化を維持するためにドラム表面に付着したトナー清掃するためのブラクリーニングあるいはブレードクリーニングなどの強化により、有機電子写真感光体の高耐久化が充分に対応できていない。また、高感度化を達成するために、低分子量電荷輸送物質の含有量を多くすることが行われるが、膜の強度が低下してしまうといった問題を抱えている。このように、高画質、高耐久化の両立が課題となっている。

上記の問題点を解決するため、昨今、様々な方法で有機電子写真感光体の高耐久化を達成しようとしている。以下にその方法について述べる。

感光層が積層型であり、さらに電荷輸送層が表面層である場合、熱可塑性樹脂に対して低濃度の低分子量電荷輸送物質を含有させる。

電荷輸送層を複層にして表面側の層に摩耗しにくい樹脂を使用する、あるいは表面側の層の電荷輸送物質の含有量を低濃度にする(特開平07−219250号公報、特開平02−160247号公報)。

電子写真感光体の表面層として、電荷輸送能を有さない保護層を設ける。

電子写真感光体の表面層にフィラーを添加する(特開平08−272125号公報)。

感光層が積層型であり、さらに電荷輸送層が表面層である場合、熱可塑性樹脂に対して低濃度の高分子量電荷輸送物質を含有させる。

上記5つの方法が、現状主に用いられている解決方法である。しかしながら、まず、〜には次のような欠点がある。

は、低分子量電荷輸送物質を低濃度にするために、感度の悪化が著しく、また正孔移動度も低下し、繰り返し特性が不安定になる。

の複層とは、電荷輸送能を有する層を積層するということであり、例えば、低分子量電荷輸送物質を高濃度で含有する第1電荷輸送層、さらにその上層に摩耗しにくい樹脂を用いる(含低分子量電荷輸送物質)、あるいは、低分子量電荷輸送物質を低濃度で含有する第2電荷輸送層を設けることによって、高感度、高耐久化を達成しようと試みている。しかし、現状、耐摩耗性は充分ではなく、摩耗しにくい樹脂は概ね高粘度であるため、電子写真感光体作製の際、塗膜欠陥が生じやすい。また、低分子量電荷輸送物質の量を減らすと、と同様、感度の低下、正孔移動度の低下により繰り返し特性が不安定になる。

については、熱硬化性樹脂などを用いて、表面層を硬い膜の層にする試みが行われているが、耐摩耗性は向上するが、耐傷性が低下してしまう。

このように、〜の3つについては、耐摩耗性は向上するものの、依然電子写真特性との両立が困難である。

また、については、フィラーを添加することで耐摩耗性、耐傷性が向上し、さらに初期特性および繰り返し特性も良好であるが、多量に含有すると、レーザー光散乱度合いが大きくなり、ドット再現性が低下し、画質劣化する。

そこで、のように、電荷輸送物質を高分子量化することで、電子写真特性および膜強度を高めることが提案されている。

具体的には、高分子量電荷輸送物質は主に2つに分類される。

1つ目は、高感度化の目的で、π共役を広げ、正孔移動度を高めた高分子量電荷輸送物質で、低濃度でも高感度化が可能であり、同時に表面層に含有する場合、特に膜強度も向上するというものである。

2つ目は、機械的強度を高めるためにカーボネート結合あるいはエステル結合電荷輸送ユニットをつなげた高分子量電荷輸送物質で、これはπ共役がカーボネ−ト結合部位切れるため正孔移動度の向上は期待できない。このように様々な高分子量電荷輸送物質が提案されている。

しかしながら、一般的に高分子量電荷輸送物質は低分子量電荷輸送物質と異なり、電荷発生物質との接触割合が減少し、電荷発生層と電荷輸送層との界面で電荷の滞留が生じてしまい、繰り返し特性が不安定になる。

このような問題に対して、解決策として、特開平05−034938号公報、特開平05−197178号公報、特開平05−197179号公報、特開平06−148911号公報、特開平08−101514号公報、特開平08−101515号公報、特開平08−101517号公報、特開平10−288848号公報には、低分子量電荷輸送物質を添加することで、電荷発生物質との接触割合を増加させ、繰り返し特性の安定化、あるいはさらなる高感度化を達成しようとする技術が開示されている。

しかしながら、用いられている高分子量電荷輸送物質は正孔移動度が低く、低分子量電荷輸送物質との混合層だけでは上記問題点の解決は不充分であり、電荷輸送物質を低濃度で使用することも困難で、膜強度の向上は期待できない。

またπ共役が広がった(正孔移動度が高い)高分子量電荷輸送物質を用いた場合は、特に酸化電位が低くなり、高温多湿な条件下で画像を出力すると潜像が流れ、画像流れといった問題を生じる。

さらに、表面層に含有する場合、耐摩耗性に関しては特に立体的要因、前記高分子鎖極性が重要となり、特に極性が小さい高分子量電荷輸送物質であるとこれらを含有することで削れ性がより一層悪化することがある。

実際、WO99/32537(国際公開特許)号公報に開示されている高分子量電荷輸送物質は、トリフェニルアミンユニットがつながった、正孔移動度の高い電荷輸送物質であるが、酸化電位が低く、画像流れが生じる場合がある。

また、放電による高分子量電荷輸送物質の酸化反応による劣化で、繰り返し特性が安定しない。

さらに、低分子量電荷輸送物質を添加すると、初期特性はより一層良化するが、依然として、上記問題点は改善されない。

また、耐摩耗性に関しては、上記高分子鎖の極性が小さいため、鎖同士の相互作用あるいは低分子量電荷輸送物質または熱可塑性樹脂との相互作用が低く、成膜性の劣化したり、あるいは、クラックを生じたりする。

したがって、優れた電子写真特性および膜強度を満足するためには、π共役の広がった高分子量電荷輸送物質の酸化電位の最適化と同時に、高分子量電荷輸送物質同士の相互作用、あるいは、低分子量電荷輸送物質との相互作用、さらには、熱可塑性樹脂との相溶性をより一層高めることが重要である。

概要

耐摩耗性、耐傷性、耐放電劣化、耐クラックに優れた電子写真感光体を提供し、高感度化はもちろんのこと、安定した繰り返し特性を有する電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。

支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、特定の繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質とを含有する。

目的

本発明における電子写真感光体の目的は、耐摩耗性、耐傷性、耐放電劣化、耐クラックに優れた電子写真感光体を提供するとともに、高感度化はもちろんのこと、安定した繰り返し特性を有する電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
6件

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請求項1

支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、下記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質とを含有することを特徴とする電子写真感光体。

請求項

ID=000002HE=035 WI=084 LX=0630 LY=0500(式(1)中、Ar11およびAr12は、下記式(2)または下記式(2)’で示される構造を有する2価の基を示し、Ar11とAr12は異なる構造である。Ar13およびAr14は、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香環基、または、置換または無置換の複素環基を示す。aおよびbは、それぞれ、1以上の整数であり、aとbの和は、5以上の整数である。

請求項

ID=000003HE=030 WI=067 LX=0265 LY=1250

請求項

ID=000004HE=030 WI=067 LX=0265 LY=1600(式(2)中、Ar21およびAr22は、それぞれ独立に、置換または無置換の3価の芳香環基、または、置換または無置換の3価の複素環基を示す。A21、A22は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアミノ基、アゾ基スルホニル基シロキサン基シリレン基カルボニル基酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される基を示す。cは、0または1を示す。式(2)’中、Ar21’およびAr22’は、それぞれ独立に、置換または無置換の2価の芳香環基、または、置換または無置換の2価の複素環基を示す。A21’は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアミノ基、アゾ基、スルホニル基、シロキサン基、シリレン基、カルボニル基、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される基を示す。c’は0または1を示す。ただし、式(1)中のAr11とAr12が両方とも式(2)’で示される構造を有する2価の基である場合、cおよびc’の少なくとも一方は1を示す。)

請求項2

前記式(2)’が、下記式(3)で示される構造を有する2価の基である請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項

ID=000005HE=030 WI=067 LX=1165 LY=1050(式(3)中、R31〜R38は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、および、置換または無置換のアルコキシ基からなる群より選択される基を示す。Y31は、単結合、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアミノ基、アゾ基、スルホニル基、シロキサン基、シリレン基、カルボニル基、酸素原子、および、硫黄原子からなる群より選択される基を示す。)

請求項3

前記式(2)が、下記式(4)〜(7)からなる群より選択される式で示される構造を有する2価の基である請求項1または2に記載の電子写真感光体。

請求項

ID=000006HE=020 WI=078 LX=1110 LY=2000

請求項

ID=000007HE=020 WI=078 LX=1110 LY=2250

請求項

ID=000008HE=030 WI=078 LX=1110 LY=2500

請求項

ID=000009HE=025 WI=078 LX=0210 LY=0350(式(4)、(5)、(6)、(7)中、R41〜R43、R44〜R46、R51〜R53、R54〜R56、R61〜R63、R64〜R66、R67、R71〜R73、R74〜R76、R77、R78は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアリール基からなる群より選択される基を示す。)

請求項4

前記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質を含有する層が、結着樹脂を含有する層である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項5

前記感光層が、電荷発生層電荷輸送層とを有する積層型感光層であり、該電荷輸送層が表面層である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項6

前記電荷輸送層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質を含有する請求項5に記載の電子写真感光体。

請求項7

前記電荷発生層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質を含有する請求項5または6に記載の電子写真感光体。

請求項8

前記電荷輸送層と前記電荷発生層とが、それぞれ、前記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質と、前記分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質とを含有する請求項5〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項9

前記感光層が、前記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質を2種以上含有する請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項10

前記式(1)で示される高分子量電荷輸送物質の重量平均分子量が、2000以上である請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項11

前記分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質が、下記式(8)、(9)、(10)からなる群より選択される式で示される構造を有する電荷輸送物質である請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項

ID=000010HE=040 WI=098 LX=0560 LY=1500

請求項

ID=000011HE=040 WI=074 LX=0230 LY=1950

請求項

ID=000012HE=040 WI=086 LX=0620 LY=2350(式(8)、(9)、(10)中、R81〜R84、R91〜R94、R101、R102は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、および、置換または無置換のアルコキシ基からなる群より選択される基を示す。Y101は、単結合、置換または無置換のアルキレン基、および、置換または無置換のアルケニレン基からなる群より選択される基を示す。)

請求項12

前記感光層が、電荷発生物質として、フタロシアニン顔料またはアゾ顔料を含有する請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項13

前記感光層が、電荷発生物質として、フタロシアニン顔料を含有し、該フタロシアニン顔料が、オキシチタニウムフタロシアニンヒドロキシガリウムフタロシアニン、および、クロロガリウムフタロシアニンからなる群より選択される化合物である請求項12に記載の電子写真感光体。

請求項14

前記感光層が、電荷発生物質として、オキシチタニウムフタロシアニンを含有し、該オキシチタニウムフタロシアニンが、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θの24.0°±0.2°および27.2°±0.2°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンである請求項12または13に記載の電子写真感光体。

請求項15

前記感光層が、電荷発生物質として、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有し、該ヒドロキシガリウムフタロシアニンが、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンである請求項12〜14のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項16

前記感光層が、電荷発生物質として、クロロガリウムフタロシアニンを含有し、該クロロガリウムフタロシアニンが、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニンである請求項12〜15のいずれかに記載の電子写真感光体。

請求項17

請求項1〜16のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ

請求項18

請求項1〜16のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段および現像手段を有することを特徴とする電子写真装置

技術分野

0001

本発明は電子写真感光体プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関し、詳しくは、特定の構造を有する高分子量電荷輸送物質および特定の分子量の低分子量電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。

背景技術

0002

近年、無公害性高生産性といった利点を有する有機光導電物質を利用した電子写真感光体(有機電子写真感光体)が広く使用されている。

0003

また、高画質化高感度化プロセススピード高速化が要求される中、電気的および機械的摩耗の双方を満足するために、電荷発生層電荷輸送層を積層した機能分離型積層型)の構成の感光層を採る電子写真感光体が使用されることが多い。

0004

具体的には、機能分離型の構成としては、表面層に電荷輸送層を設け、熱可塑性樹脂と低分子量電荷輸送物質を含有させ、高感度高耐久化を達成しようとしている。

0005

しかしながら、機能分離型の構成をとる電子写真感光体でも、上記要求に対して、充分には対応できていない。

0006

例えば、高画質化を維持するためにドラム表面に付着したトナー清掃するためのブラクリーニングあるいはブレードクリーニングなどの強化により、有機電子写真感光体の高耐久化が充分に対応できていない。また、高感度化を達成するために、低分子量電荷輸送物質の含有量を多くすることが行われるが、膜の強度が低下してしまうといった問題を抱えている。このように、高画質、高耐久化の両立が課題となっている。

0007

上記の問題点を解決するため、昨今、様々な方法で有機電子写真感光体の高耐久化を達成しようとしている。以下にその方法について述べる。

0008

感光層が積層型であり、さらに電荷輸送層が表面層である場合、熱可塑性樹脂に対して低濃度の低分子量電荷輸送物質を含有させる。

0009

電荷輸送層を複層にして表面側の層に摩耗しにくい樹脂を使用する、あるいは表面側の層の電荷輸送物質の含有量を低濃度にする(特開平07−219250号公報、特開平02−160247号公報)。

0010

電子写真感光体の表面層として、電荷輸送能を有さない保護層を設ける。

0011

電子写真感光体の表面層にフィラーを添加する(特開平08−272125号公報)。

0012

感光層が積層型であり、さらに電荷輸送層が表面層である場合、熱可塑性樹脂に対して低濃度の高分子量電荷輸送物質を含有させる。

0013

上記5つの方法が、現状主に用いられている解決方法である。しかしながら、まず、〜には次のような欠点がある。

0014

は、低分子量電荷輸送物質を低濃度にするために、感度の悪化が著しく、また正孔移動度も低下し、繰り返し特性が不安定になる。

0015

の複層とは、電荷輸送能を有する層を積層するということであり、例えば、低分子量電荷輸送物質を高濃度で含有する第1電荷輸送層、さらにその上層に摩耗しにくい樹脂を用いる(含低分子量電荷輸送物質)、あるいは、低分子量電荷輸送物質を低濃度で含有する第2電荷輸送層を設けることによって、高感度、高耐久化を達成しようと試みている。しかし、現状、耐摩耗性は充分ではなく、摩耗しにくい樹脂は概ね高粘度であるため、電子写真感光体作製の際、塗膜欠陥が生じやすい。また、低分子量電荷輸送物質の量を減らすと、と同様、感度の低下、正孔移動度の低下により繰り返し特性が不安定になる。

0016

については、熱硬化性樹脂などを用いて、表面層を硬い膜の層にする試みが行われているが、耐摩耗性は向上するが、耐傷性が低下してしまう。

0017

このように、〜の3つについては、耐摩耗性は向上するものの、依然電子写真特性との両立が困難である。

0018

また、については、フィラーを添加することで耐摩耗性、耐傷性が向上し、さらに初期特性および繰り返し特性も良好であるが、多量に含有すると、レーザー光散乱度合いが大きくなり、ドット再現性が低下し、画質劣化する。

0019

そこで、のように、電荷輸送物質を高分子量化することで、電子写真特性および膜強度を高めることが提案されている。

0020

具体的には、高分子量電荷輸送物質は主に2つに分類される。

0021

1つ目は、高感度化の目的で、π共役を広げ、正孔移動度を高めた高分子量電荷輸送物質で、低濃度でも高感度化が可能であり、同時に表面層に含有する場合、特に膜強度も向上するというものである。

0022

2つ目は、機械的強度を高めるためにカーボネート結合あるいはエステル結合電荷輸送ユニットをつなげた高分子量電荷輸送物質で、これはπ共役がカーボネ−ト結合部位切れるため正孔移動度の向上は期待できない。このように様々な高分子量電荷輸送物質が提案されている。

0023

しかしながら、一般的に高分子量電荷輸送物質は低分子量電荷輸送物質と異なり、電荷発生物質との接触割合が減少し、電荷発生層と電荷輸送層との界面で電荷の滞留が生じてしまい、繰り返し特性が不安定になる。

0024

このような問題に対して、解決策として、特開平05−034938号公報、特開平05−197178号公報、特開平05−197179号公報、特開平06−148911号公報、特開平08−101514号公報、特開平08−101515号公報、特開平08−101517号公報、特開平10−288848号公報には、低分子量電荷輸送物質を添加することで、電荷発生物質との接触割合を増加させ、繰り返し特性の安定化、あるいはさらなる高感度化を達成しようとする技術が開示されている。

0025

しかしながら、用いられている高分子量電荷輸送物質は正孔移動度が低く、低分子量電荷輸送物質との混合層だけでは上記問題点の解決は不充分であり、電荷輸送物質を低濃度で使用することも困難で、膜強度の向上は期待できない。

0026

またπ共役が広がった(正孔移動度が高い)高分子量電荷輸送物質を用いた場合は、特に酸化電位が低くなり、高温多湿な条件下で画像を出力すると潜像が流れ、画像流れといった問題を生じる。

0027

さらに、表面層に含有する場合、耐摩耗性に関しては特に立体的要因、前記高分子鎖極性が重要となり、特に極性が小さい高分子量電荷輸送物質であるとこれらを含有することで削れ性がより一層悪化することがある。

0028

実際、WO99/32537(国際公開特許)号公報に開示されている高分子量電荷輸送物質は、トリフェニルアミンユニットがつながった、正孔移動度の高い電荷輸送物質であるが、酸化電位が低く、画像流れが生じる場合がある。

0029

また、放電による高分子量電荷輸送物質の酸化反応による劣化で、繰り返し特性が安定しない。

0030

さらに、低分子量電荷輸送物質を添加すると、初期特性はより一層良化するが、依然として、上記問題点は改善されない。

0031

また、耐摩耗性に関しては、上記高分子鎖の極性が小さいため、鎖同士の相互作用あるいは低分子量電荷輸送物質または熱可塑性樹脂との相互作用が低く、成膜性の劣化したり、あるいは、クラックを生じたりする。

0032

したがって、優れた電子写真特性および膜強度を満足するためには、π共役の広がった高分子量電荷輸送物質の酸化電位の最適化と同時に、高分子量電荷輸送物質同士の相互作用、あるいは、低分子量電荷輸送物質との相互作用、さらには、熱可塑性樹脂との相溶性をより一層高めることが重要である。

発明が解決しようとする課題

0033

本発明における電子写真感光体の目的は、耐摩耗性、耐傷性、耐放電劣化、耐クラックに優れた電子写真感光体を提供するとともに、高感度化はもちろんのこと、安定した繰り返し特性を有する電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0034

本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。

0035

すなわち、本発明は、支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、下記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質とを含有することを特徴とする電子写真感光体。

0036

0037

(式(1)中、Ar11およびAr12は、下記式(2)または下記式(2)’で示される構造を有する2価の基を示し、Ar11とAr12は異なる構造である。Ar13およびAr14は、それぞれ独立に、置換または無置換の芳香環基、または、置換または無置換の複素環基を示す。aおよびbは、それぞれ、1以上の整数であり、aとbの和は、5以上の整数である。

0038

0039

0040

(式(2)中、Ar21およびAr22は、それぞれ独立に、置換または無置換の3価の芳香環基、または、置換または無置換の3価の複素環基を示す。A21、A22は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアミノ基、アゾ基スルホニル基シロキサン基シリレン基カルボニル基酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される基を示す。cは、0または1を示す。式(2)’中、Ar21’およびAr22’は、それぞれ独立に、置換または無置換の2価の芳香環基、または、置換または無置換の2価の複素環基を示す。A21’は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアミノ基、アゾ基、スルホニル基、シロキサン基、シリレン基、カルボニル基、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択される基を示す。c’は0または1を示す。ただし、式(1)中のAr11とAr12が両方とも式(2)’で示される構造を有する2価の基である場合、cおよびc’の少なくとも一方は1を示す。)また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真感光体である。

発明を実施するための最良の形態

0041

上記式(1)中のAr13およびAr14の、芳香環基としては、フェニルナフチルアントラニルピレニルなどが挙げられ、複素環基としては、ピリジルキノリルチエニルフリルカルバゾリルベンゾイミダゾリルベンゾチアゾリルなどが挙げられる。その中でも、置換基を変えることで溶解性の調整ができるため、置換の芳香環基、複素環基が好ましく、置換基としては、アルキル基、シロキサン基、ハロゲン原子が好ましい。

0042

また、溶解性および低分子量電荷輸送物質との相互作用をより高めるため、高分子量電荷輸送物質中の複数のAr13は、それぞれ、種類、それらが有する置換基、該置換基の置換位置は総て同じである必要はなく、異なっていてもよい。複数のAr14に関しても同様である。

0043

上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質は、上記式(2)で示される構造を有することで、低分子量電荷輸送物質との相互作用が高められ、耐摩耗性、耐傷性の低下が抑えられる。

0044

また、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質は、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でも、あるいは、上記式(2)で示される構造を有する2価の基を高分子中に1つのみ含有してもよいが、ランダム共重合体あるいはブロック共重合体が好ましい。

0045

また、上記式(2)中のAr21およびAr22の、3価の芳香環基としては、ベンゼンナフタレンアントラセン、ぺリレン、フルオレンビフェニルターフェニルなどの芳香環より3個水素原子をとった基などが挙げられ、3価の複素環基としては、カルバゾールフランベンゾフランチオフェンベンゾチオフェンキノリンフェナジンなどの複素環より3個水素原子をとった基などが挙げられる。

0046

また、上記式(2)中のA21、A22の、アルキレン基としては、メチレンエチレンプロピレン基などが挙げられ、シロキサン基としては−Si−O−結合の数が1から40で、シリレン基としては、Siの数が1から8が挙げられる。

0047

上記式(2)’中のAr21’およびAr22’の、2価の芳香環基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ぺリレン、フルオレン、ビフェニル、ターフェニルなどの芳香環より2個水素原子をとった基などが挙げられ、2価の複素環基としては、カルバゾール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、キノリン、フェナジンなどの複素環より2個水素原子をとった基などが挙げられる。

0048

また、上記式(2)’中のA21’の、アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン基などが挙げられ、シロキサン基としては−Si−O−結合の数が1から40で、シリレン基としては、Siの数が1から8が挙げられる。

0049

また、上記芳香環基および複素環基は置換基を有してもよい。好ましい置換基としては、メチルエチルなどのアルキル基、メトキシエトキシなどのアルコキシ基フッ素塩素臭素などのハロゲン原子が挙げられる。

0050

さらに、上記式(2)中のA21、A22および上記式(2)’中のA21’は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアミノ基、酸素原子または硫黄原子が好ましい。

0051

cが0のときは、Ar21−A21−Ar22がAr21−Ar22の単結合であることを意味する。c’が0のときも同様である。

0052

上記式(1)のA21およびA22は、ともに上記式(2)で示されてもよい。ただし、両方とも上記式(2)’で示されるときは、cおよびc’の少なくとも一方は1を示す。すなわち、A21およびA22の両方が同時にビフェニル構造をとることがないことを意味する。

0053

このように、上記式(1)中のAr11、Ar12が異なる構造(電荷輸送ユニット)であることから、正孔移動度が高いのはもちろんのこと、画像流れが生じない程度の酸化電位に制御することが可能である。さらに、高分子量電荷輸送物質の極性も高くなり、鎖同士あるいは低分子量電荷輸送物質との相互作用が高まり、熱可塑性樹脂を併せて用いる場合、それとの相互作用も高まる。

0054

また熱可塑性樹脂を併せて用いる場合、上記式(2)に関しては、cが0である平面性の高い構造が、熱可塑性樹脂との相溶性も良好で優れた膜強度が得られるため好ましい。上記式(2)’に関しても、cが0であるときが好ましく、より高感度、低残留電位が達成できる。

0055

上記式(2)’は、より具体的には、下記式(3)で示される構造を有する2価の基(ビフェニレン基ビスフェニレン基)であることが好ましく、さらには、下記式(3)中のY31が単結合であるビフェニレン基がより好ましい。

0056

0057

上記式(3)中、R31〜R38は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、および、置換または無置換のアルコキシ基からなる群より選択される基を示す。Y31は、単結合、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアミノ基、アゾ基、スルホニル基、シロキサン基、シリレン基、カルボニル基、酸素原子、および、硫黄原子からなる群より選択される基を示す。

0058

また、上記式(3)中のR31〜R38の、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピルブチルヘキシルなどが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。その中でも、アルキル基が好ましい。

0059

また、上記式(3)中のY31のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン基などが挙げられる。

0060

なお、本発明において、「単結合」とは、基を介さず、直接的に結合していることを意味し、例えば、後述の化合物例CT−1のビフェニル構造が挙げられる。

0061

上記式(2)は、下記式(4)〜(7)からなる群より選択される式で示される構造を有する2価の基であることが好ましい。特に、上記式(2)中のcが0のときは、下記式(4)〜(7)からなる群より選択される式で示される構造を有する2価の基であることが好ましい。

0062

0063

0064

0065

0066

上記式(4)、(5)、(6)、(7)中、R41〜R43、R44〜R46、R51〜R53、R54〜R56、R61〜R63、R64〜R66、R67、R71〜R73、R74〜R76、R77、R78は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどのアルキル基、置換または無置換のシクロヘキシルといったシクロアルキル基、置換または無置換のフェニル、ナフチルなどのアリール基からなる群より選択される基を示す。その中でも、置換または無置換のアルキル基が好ましい。

0067

また、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質の重量平均分子量は、耐摩耗性の観点から、2000以上が好ましく、2000〜20000がより好ましく、さらには、2000〜10000が特に好ましい。

0068

重量平均分子量が小さすぎると、脆い膜になりやすく、大きすぎると、塗工液の粘度が高くなり、製造時の塗工が困難になる。

0069

上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質を含有する層は、結着樹脂を含有する層であることが好ましい。

0070

結着樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が、膜強度を維持するためには好ましく、さらには、熱可塑性樹脂が好ましい。

0071

また、本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とを有する積層型感光層であることが好ましく、電荷輸送層が電子写真感光体の表面層である場合がより好ましい。

0072

本発明では、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質とが、これらを混合して感光層に用いられても、感光層が複層である場合に別々の層に含有させるなどそれぞれ単独で用いられても、その他どのような形態で用いられようとも、電子写真感光体の感光層に上記高分子量電荷輸送物質と上記低分子量電荷輸送物質が含有されてさえいればいいのであるが、電子写真感光体の表面層が電荷輸送層である場合は、表面層の膜強度の観点から、該電荷輸送層が上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質を含有することが好ましい。

0073

また、電荷発生層が上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質を含有していれば、キャリアの移動を助ける作用を有するため好ましい。

0074

さらに、電荷輸送層と電荷発生層のそれぞれが、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質とを含有することが、電荷の注入ポイントを増やすという観点から好ましい。

0075

また、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質を2種以上用いることによって、感度、残留電位の調節に利用できるため好ましい。

0076

0077

0078

0079

0080

0081

これらの中でも、CT−1、CT−2、CT−5、CT−7、CT−12、CT−17、CT−24が好ましく、さらには、CT−1、CT−2、CT−5、CT−12が好ましい。

0082

次に、上記高分子量電荷輸送物質の化合物例(CT−1)の合成法について説明する。

0083

N,N’−ジ(3−メチルフェニルベンジジン3.6gと、9,9−ジメチル−2,7−ジブロモフルオレン3.5gを、乾燥o−キシレン20mlに溶解し、酢酸パラジウム10mgと、2−(ジ−tert−ブチルホスフェノ)ビフェニル55mgを加え、4時間加熱還流を行った。次いで、4−ブロモトルエン0.5gを加えさらに2時間加熱還流を行った。

0084

放冷後、触媒を除き、アセトンに注ぎ黄色の固体を得た。

0085

さらに、得られた固体をトルエンに再び溶解し、活性炭処理カラムクロマトグラフィー再沈殿により精製を行い、淡黄色固体2.5gを得た。

0086

他の高分子量電荷輸送物質の化合物例も、上記と同様に合成できる。

0087

上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質と併せて用いられる低分子量電荷輸送物質は、上述のとおり、分子量が300〜600の範囲のものである。

0088

分子量が300より小さい低分子量電荷輸送物質(例えば、置換基の少ないトリフェニルアミンのような電荷輸送物質)を高分子量電荷輸送物質に添加しても、層中の空隙ばかりが大きくなり、膜強度が低下する。

0089

一方、分子量が600より大きい低分子量電荷輸送物質は、高分子量電荷輸送物質との絡み合いが減少し、膜強度が低下し、さらに、放電劣化も生じやすくなる。

0090

また、分子量が300〜500の範囲の低分子量電荷輸送物質がより好ましい。

0091

またさらには、下記式(8)、(9)、(10)のいずれかの式で示される構造を有する低分子量電荷輸送物質は、高感度、低残留電位はもちろん、上記式(1)で示される構造を有する高分子量電荷輸送物質との相互作用が大きく、耐摩耗性、耐傷性に優れるためより好ましい。

0092

0093

0094

0095

上記式(8)、(9)、(10)中、R81〜R84、R91〜R94、R101、R102は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、および、置換または無置換のアルコキシ基からなる群より選択される基を示す。Y101は、単結合、置換または無置換のアルキレン基、および、置換または無置換のアルケニレン基からなる群より選択される基を示す。

0096

また、上記式(8)、(9)、(10)中のR81〜R84、R91〜R94、R101、R102の、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシなどが挙げられる。

0097

また、上記式(8)、(9)、(10)中のY101の、アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレンなどが挙げられ、アルケニレン基としては、ビニレン、プロペニレンなどが挙げられる。

0098

なお、上記各基が置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、アルコキシ基などが挙げられる。

0099

また、上記式(8)中のR81〜R84は、メタ位に置換されていることが好ましい。

0100

また、上記式(9)、(10)中のR91〜R94、R101、R102は、パラ位あるいはメタ位に置換されていることが好ましい。

0101

また、上記式(8)、(9)、(10)中のR81〜R84、R91、R92、R101、R102は、メチル基またはメトキシ基が好ましい。

0102

また、上記式(9)中のR93、R94は、メチル基、エチル基、または、R93とR94とが直接結合したシクロキシル基が好ましい。

0103

また、上記式(10)中のY101は単結合、アルケニレン基が好ましい。

0104

添加量に関しては、上記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する高分子量電荷輸送物質に対して、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質が50質量%以下であることが好ましい。50%より多いと、耐摩耗性、耐傷性の低下が大きくなる場合がある。

0105

本発明の上記式(1)で示される高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質を感光層中に含有することで、電荷発生物質との接触割合を増やしつつ、高正孔移動度を有するので、繰り返し特性の良好な電子写真感光体が得られる。

0106

それと同時に、通常の熱可塑性樹脂に低分子量電荷輸送物質を添加すると、耐傷性、耐摩耗性が大きく低下するが、本発明の場合、高分子量電荷輸送物質および低分子量電荷輸送物質の添加量を少なくすることが可能であり、耐摩耗性、耐傷性の低下が抑えられ、耐クラックが高められる。すなわち、膜強度の維持に効果的である。

0107

よって、本発明の電子写真感光体は、さらなる高感度化はもちろん、耐摩耗性、耐傷性、外的雰囲気による電子写真感光体劣化が小さく、さらに繰り返し特性の安定性に優れるのである。

0108

以下、本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。

0109

本発明の電子写真感光体の感光層としては、電荷発生物質と電荷輸送物質を単一の層に含有する単層型感光層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生物質を含有する電荷発生層に分離した積層型感光層のどちらの形態でもいいが、積層型が好ましい。

0110

また、表面層として、感光層を保護するための層、すなわち、保護層を設けてもよい。

0111

電子写真感光体製造工程において、使用する溶剤としては、クロロベンゼンテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、単独で用いても複数の溶剤を用いてもよい。

0112

本発明で用いる支持体としては、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロムニッケル亜鉛ステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成型したもの、アルミニウムや銅などの金属箔プラスチックフィルムラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したものなどが挙げられる。

0113

LBPなど画像入力がレーザー光の場合は、散乱による干渉縞防止、または、支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。

0114

これは、カーボンブラック金属粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。

0115

導電層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。

0116

また、支持体または導電層の上に、接着機能を有する中間層を設けてもよい。

0117

中間層の材料としては、ポリアミドポリビニルアルコールポリエチレンオキシドエチルセルロースカゼインポリウレタンポリエーテルウレタンなどが挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。

0118

中間層の膜厚は、0.05〜5μmが好ましく、0.3〜1μmがより好ましい。

0119

積層型感光層の場合、支持体、導電層または中間層の上には電荷発生層が形成される。

0120

電荷発生層は、電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともにホモジナイザー超音波分散ボールミル振動ボールミルサンドミルアトライター、ロールミルおよび液衝突高速分散機などの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させて形成される。

0121

電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。

0122

なお、本発明の高分子電荷輸送物質あるいは低分子量電荷輸送物質を含有する場合は、電荷発生層用塗工液作製後に添加することが好ましい。

0123

本発明の電子写真感光体に使用する電荷発生物質は特に制約はないが、上記式(1)で示される高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質と、電荷発生物質としてフタロシアニン顔料またはアゾ顔料とを組み合わせることで、さらに繰り返し特性、環境安定性が良好となる。

0124

さらには、フタロシアニン顔料では、電荷輸送物質などとのマッチングが良いオキシチタニウムフタロシアニンヒドロキシガリウムフタロシアニンクロロガリウムフタロシアニンが好ましい。

0125

また、アゾ顔料では、トリスアゾ、ジスアゾ、モノアゾ系の顔料が好ましい。

0126

さらには、オキシチタニウムフタロシアニンの中でも、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θの24.0°±0.2°および27.2°±0.2°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンが好ましく、その中でも、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°、27.3°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°、27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンがより好ましく、さらにその中でも、後者のCuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°、27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンがより好ましい。

0127

また、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が6.8°および26.2°に強いピークを有する結晶型のヒドロキシガリウムフタロシアニン、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の6.9°、13.3°、16.5°および26.7°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンが、分散安定性に優れ、上記式(1)で示される高分子量電荷輸送物質と、分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質との組み合わせによる特性向上の度合いがより大きいため好ましく、その中でも、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。

0128

また、クロロガリウムフタロシアニンの中でも、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.7°、9.2°、17.5°、24.0°、27.4°および28.7°に強いピ−クを有する結晶型のクロロガリウムフタロシアニン、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニンが好ましく、その中でも、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5°および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニンが好ましい。

0129

また、上記フタロシアニン顔料の中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンおよびクロロガリウムフタロシアニンが好ましい。

0130

なお、繰り返し特性の安定性、環境電位安定性などを損なうことがなければ、上記フタロシアニン顔料と他の顔料とを組み合わせて用いてもよい。

0131

他の顔料としては、他のフタロシアニン顔料、トリスアゾ顔料ジスアゾ顔料モノアゾ顔料などが挙げられる。

0132

さて、つづいて電荷輸送層である。

0133

電荷輸送物質の電荷輸送中の総含有量は、結着樹脂に対して10質量%〜100質量%が好ましい。

0134

また、電荷輸送層の膜厚は5〜40μmが好ましく、12〜30μmがより好ましい。

0135

結着樹脂としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂が挙げられるが、熱可塑性樹脂が好ましい。さらには、A型、Z型、C型ポリカーボネート樹脂、A型、Z型、C型あるいはビフェニル構造を有するポリアリレート樹脂ポリフェニレン樹脂ポリスチレン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂ベンザール樹脂などが好ましい。

0136

分子量が300以上600以下の低分子量電荷輸送物質としては、正孔輸送物質として、アミン化合物の他に、例えば、ピレン、アントラセンなどの多環芳香族化合物、カルバゾール系、インドール系、オキサゾール系、チアゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾール系、ピラゾリン系、チアジアゾール系、トリアゾール系化合物などの複素環化合物ヒドラゾン系化合物トリアリールメタン系化合物、スチルベン系化合物が挙げられる。

0137

この中でも、アミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。

0138

一方、電子輸送物質としては2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトフルオレノンクロラニルテトラシアノキノジメタンおよびアルキル置換ジフェノキノンなどの電子受容性物質が挙げられる。

0139

また、電荷輸送層中に酸化防止剤熱安定剤紫外線吸収剤可塑剤を必要に応じて添加することもできる。

0140

電荷輸送層が表面層の場合、必要に応じて潤滑剤や微粒子を使用してもよい。潤滑剤あるいは微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン微粒子シリカ微粒子アルミナ微粒子などが挙げられる。

0141

また、第1電荷輸送層、第2電荷輸送層からなる複層の電荷輸送層を形成し、電子写真特性と膜強度の両立を図ってもよい。

0142

次に、感光層を保護する層(保護層)が電子写真感光体の表面層である場合、使用する樹脂としては、高分子量の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が好ましく、さらには、高分子量ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノール樹脂アクリル樹脂エポキシ樹脂がより好ましい。

0143

また、残留電位の低減あるいは膜強度の向上を目的として、導電性粒子や潤滑剤を含有させてもよい。

0144

保護層の成膜方法は、熱、光あるいは電子線での硬化が可能であり、必要に応じて重合開始剤や酸化防止剤を含有してもよい。

0145

次に、本発明で使用する分析装置について説明する。

0146

本発明の化合物の粘度平均分子量(Mv)は、GPC(ゲル・パーミュエーションクロマトグラフィー)により測定されるポリスチレン換算値とした。粘度平均分子量測定は常法に従って行う。

0147

試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分に振とうしてTHFとよく混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、さらに12時間以上静置する。その後、サンプル処理フィルターポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5(東ソー社製)、エキクロディスク25CR(ゲルマンサイエンス社製)など)を通過させたものをGPCの試料とする。試料濃度は樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調製する。

0148

作製した試料は、以下の方法で測定される。

0149

40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約10μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線対数値カウント数との関係から算出する。検量線作成用標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。

0150

検出器にはRI屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わせるのがよく、例えば、昭和電工製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製TSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguard columnの組み合わせを挙げることができる。

0151

粉末X線回折の測定にはCuKα線を用い、次の条件で行った。

0152

使用測定機マック・サイエンス社製、全自動X線回折装置MXP18
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。

0153

図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光レーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。

0154

形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。

0155

像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物コピー)として装置外プリントアウトされる。

0156

像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が図1のように帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。

0157

本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機レーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレール12などの案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。

0158

また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。

0159

本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。

0160

以下、実施例にしたがって本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中「部」は質量部を示す。

0161

〔実施例1〕直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を、支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分熱硬化して、膜厚15μmの導電層を形成した。

0162

導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン2部
結着樹脂:フェノール樹脂6部
レベリング材シリコーンオイル0.001部
溶剤:メタノールメトキシプロパノール=0.2/0.8 20部
次に、この上にN−メトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部を、メタノール65部およびn−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を、浸漬コーティング法で塗布し100℃で10分乾燥し、膜厚0.5μmの中間層を形成した。

0163

次に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン4部を、シクロヘキサノン95部にブチラール樹脂ブチラール化度63モル%、重量平均分子量100,000)2部を溶かした液に加え、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で温度21±3℃の雰囲気下で20時間分散した。

0164

その後、酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。

0165

これを中間層上に塗布し、100℃で10分乾燥し、膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。

0166

つづいて、次のように電荷輸送層を形成した。

0167

ポリアリレート樹脂(PAR−C:重量平均分子量80000)40部をモノクロロベンゼン150部、ジクロロメタン60部に混合、溶解させた後、高分子量電荷輸送物質(CT−1)15部と、下記式(11)で示される構造を有する低分子量電荷輸送物質(分子量:389)5部と

0168

を加え溶解させ電荷輸送層用塗料とし、上記電荷発生層上に浸漬塗布後、80℃で30分乾燥し、その後、120℃で20分乾燥し、膜厚25μmの電荷輸送層を設け、電子写真感光体とした。

0169

次に、評価について説明する。

0170

(初期特性評価)
評価機
レーザージェット4000(ヒューレットパッカード社製)
プロセススピード:94.2mm/s
レーザー光量:0.15μJ/cm2(露光装置可変抵抗を設け、印加電圧を調整した。)
帯電直流電圧交流電圧重畳させた接触帯電(高圧電源基板改造を施し、外部電源を用いた。周波数1kHz、ピーク間電圧1kV)
得られた電子写真感光体を上記評価機に装着し、温度23℃、湿度50%RHの常温常湿環境(N/N)下で暗部電位Vd=−550Vに設定し、明部電位Vlおよび残留電位Vrを測定した。Vdに関しては、より帯電能を評価しやすい暗減衰量を見た。すなわち、Vdを測定した直後に印加電圧およびドラム回転切り、10秒間放置した後のVdを評価し、差をとって評価した。なお電子写真感光体の電子写真特性を測定するため現像位置にプローブを取り付けた電位測定冶具を用いて測定した。

0171

暗減衰量は絶対値が小さいほど帯電能が良い事を示し、明部電位Vl、残留電位Vrは小さいほど特性が良いことを示す。

0172

耐久評価)N/Nで7,000枚の通紙耐久試験を行い、4,000枚後のVlを測定し、初期耐久後の電位変動量を評価した。なお、電位変動量については、以下の式より算出した。

0173

明部電位変動量(ΔVl)=初期明部電位−通紙耐久後の明部電位
摩耗量については、初期の膜厚と7,000枚後の膜厚との差し引きとして算出した。なお、測定にはフィッシャー社製渦電流式膜厚測定機パーマスコープタイプE111)を用いた。

0174

耐久通紙画像はA4で、印字率4%の格子パターンとした。

0175

シーケンス連続プリントモードとした。

0176

トナーがなくなったならば補給した。

0177

明部電位変動量ΔVlについては、絶対値が小さいほど繰り返し特性が良好であり、摩耗量については値が小さいほど膜強度が高い。

0178

画像流れ評価)画像流れについては、4,000枚耐久後の電子写真感光体を高温高湿下H/H(30℃/80%RH)で24時間放置した後、文字画像を出力して、画像流れの有無を見た。

0179

文字画像が流れていない・・・A
文字画像が0.5mmの範囲内ではあるが流れている・・・B
文字画像が0.5mm以上流れているが文字識別できる・・・C
文字が完全に流れて何か判別できない・・・D
(クラック促進試験)初期の電子写真感光体表面に油を付着させた後、48時間N/Nで放置し、クラックの有無を見た。観察は400倍の光学顕微鏡を用い、耐クラック性を評価した。

0180

クラックがない・・・A
クラックがある・・・D
環境変動)N/N(23℃、50%RH)、L/L(15℃/10%RH)、H/H(30℃/80%RH)の環境下で上記と同様の評価を行った。

0181

〔実施例2〜5〕実施例1において、高分子量電荷輸送物質を(CT−2)、(CT−3)、(CT−5)、(CT−25)にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0182

〔実施例6〜9〕実施例1において、高分子量電荷輸送物質を(CT−5)、(CT−9)、(CT−12)、(CT−13)にそれぞれ代え、低分子量電荷輸送物質を総て下記式(12)で示される構造を有する化合物(分子量:516)に代え、さらに、電荷輸送層の結着樹脂をポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱化学(株)製)に総て代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0183

0184

〔実施例10〕実施例1において、高分子量電荷輸送物質を(CT−5)に代え、低分子量電荷輸送物質を下記式(13)で示される構造を有する化合物(分子量:475)に代え、さらに、電荷輸送層の結着樹脂をポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱瓦斯化学(株)製)に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0185

0186

〔実施例11〕実施例1において、高分子量電荷輸送物質を(CT−13)に代え、低分子量電荷輸送物質を下記式(14)で示される構造を有する化合物(分子量:423)に代え、さらに、電荷輸送層の結着樹脂をポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱瓦斯化学(株)製)に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0187

0188

〔比較例1〕実施例1において、電荷輸送層中の低分子量電荷輸送物質を除いた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0189

〔比較例2〕実施例1において、電荷輸送層中の高分子量電荷輸送物質を下記式(15)で示される繰り返し構造単位を有する化合物(重量平均分子量:5800)に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0190

0191

〔比較例3〕実施例1において、低分子量電荷輸送物質を下記式(16)で示される構造を有する化合物(分子量:273)に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0192

0193

〔比較例4〕実施例1において、低分子量電荷輸送物質を下記式(17)で示される構造を有する化合物(分子量:624)に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0194

0195

〔実施例12〕実施例1において、電荷発生物質をCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°、27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンに代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0196

〔実施例13〕実施例12において、高分子量電荷輸送物質を(CT−12)に代えた以外は、実施例12と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0197

〔実施例14〕実施例1において、電荷発生物質をCuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が7.4°、16.6°、25.5°および28.2°に強いピ−クを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン(特開2000−089493号公報記載のP−1)に代え、さらに、高分子量電荷輸送物質を(CT−5)に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0198

〔実施例15〕実施例14において、高分子量電荷輸送物質を(CT−22)に代えた以外は、実施例14と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0199

〔実施例16〕実施例1において、電荷発生物質を下記式(18)で示される構造を有する化合物に代え、さらに、高分子量電荷輸送物質を(CT−5)に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0200

なお、電荷発生層は次のように形成した。

0201

下記式(18)で示される構造を有する化合物4部とテトラヒドロフラン86部、直径1mmのガラスビーズ150mlを入れ、ペイントシェーカーで7時間分散した。次いで、ポリビニルベンザール(ベンザ−ル化度80モル%)のテトラヒドロフラン10%溶液20部を加え、さらに4時間分散し、テトラヒドロフラン40部を加え、電荷発生層用分散液とし、混合した後、添加剤6を4.5部添加し、攪拌した液を浸漬法で塗布し90℃で10分乾燥し0.4μmの電荷発生層を形成した。

0202

0203

〔実施例17〕実施例16において、高分子量電荷輸送物質を(CT−25)に代えた以外は実施例16と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0204

〔比較例5〜7〕実施例12、14、16において、高分子量電荷輸送物質をそれぞれ下記式(19)で示される繰り返し構造単位を有する化合物(重量平均分子量:3200)に代えた以外は、実施例12、14、16と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0205

0206

〔実施例18〕実施例1において、高分子量電荷輸送物質を(CT−5)と(CT−7)の2種とした以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0207

〔実施例19〕実施例1において、電荷輸送層を次のように複層型の電荷輸送層にした以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0208

実施例1における電荷輸送層中のポリアリレート樹脂(PAR−C)を除き、高分子量電荷輸送物質(CT−1)を40部、上記式(11)で示される構造を有する低分子量電荷輸送物質を20部にそれぞれ代え、電荷輸送層用塗料とし、浸漬塗布後、120℃で30分間乾燥して、膜厚15μmの電荷輸送層を設け、これを、第1電荷輸送層とした。

0209

次に、第2電荷輸送層の分散液としては、ポリアリレート樹脂(PAR−C)を13部とポリテトラフルオロエチレン微粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)6.5部、分散助剤としてクシフッ素系グラフトポリマーアロンGF−300:東亜合成化学(株)製)0.5部とをモノクロロベンゼン100部に混合、撹拌した後、液衝突型高速分散機で分散処理を施した。

0210

この分散液25部および高分子量電荷輸送物質CT−1を1.04部、上記式(11)で示される構造を有する低分子量電荷輸送物質0.65部をモノクロロベンゼン20部およびジクロルメタン10部に混合、溶解し第2電荷輸送層用塗料とした。この塗料を上記電荷輸送層上に噴霧塗布し、120℃で30分間乾燥して4.0μmの第2電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。

0211

[実施例20]実施例19において、電荷発生物質をCuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°、27.3°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニンに代えた以外は、実施例19と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0212

[実施例21]実施例19において、電荷発生物質をCuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.3、13.7および28.3に強いピ−クを有する結晶形のジクロロフタロシアニンに代え、分散時間を代えた以外は、実施例19と同様に電子写真感光体を作製し、評価した。

0213

ジクロロ錫フタロシアニン4部をシクロヘキサノン95部にブチラール樹脂(ブチラール化度63モル%、重量平均分子量100,000)2部を溶かした液に加え、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で温度21±3℃の雰囲気下で5時間分散した。その後、酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを中間層上に塗布し、100℃で10分乾燥し0.4μmの電荷発生層を形成した。

0214

上記各例の電荷輸送層の構成を表2に示し、結果を表3に示す。

0215

0216

0217

このように、本発明によれば、特定の構造の高分子量電荷輸送物質と、特定の分子量の低分子量電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を設けると、初期特性、耐久特性が良好である。

0218

一方、低分子量電荷輸送物質を含有しない電子写真感光体は特性が悪く、また本発明の規定外の高分子量電荷輸送物質を用いて低分子量電荷輸送物質と組み合わせた場合、膜強度が低下し、摩耗する。

0219

さらに、低分子量電荷輸送物質の分子量が小さいすぎても、あるいは、大きすぎても摩耗する。

0220

また、高分子量電荷輸送物質を2種含有する電子写真感光体でも特性、膜強度が良好である。

0221

また、電荷輸送層が複層でも特性と膜強度の両立が可能である。

0222

以下、環境変動量については実施例1、実施例4、比較例1、比較例2について、実施例1にしたがい、暗減衰量、初期特性および電位変動量を評価した。

0223

0224

0225

表4、5から、比較例の暗減衰量は大きく、帯電性が不安定であり、初期特性、明部電位変動量が大きく、さらに、環境間でのVlあるいはVrの電位変動量も大きい。

0226

一方、実施例は帯電性が良好で、環境間でのVlあるいはVrの電位変動量が小さく、常に安定した電気特性を示す。

発明の効果

0227

以上のように、支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、感光層が特定の構造の高分子電荷輸送物質と特定の分子量の低分子電荷輸送物質を含有することにより、特性および膜強度、耐クラックの両立が可能となり、さらに、耐放電劣化も良好で、繰り返し使用による特性の変動が少ない。さらに、画像安定性、環境安定性に優れる。

図面の簡単な説明

0228

図1本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。

--

0229

1 本発明の電子写真感光体
2 軸
3一次帯電手段
4露光光
5現像手段
6転写手段
7転写材
8 像定着手段
9クリーニング手段
10前露光光
11プロセスカートリッジ
12 レール

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