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技術 農業用柔軟性多層フィルム

出願人 チッソ株式会社JNC石油化学株式会社
発明者 関口雄一尾座本孝一
出願日 2002年4月25日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2002-123539
公開日 2003年11月6日 (17年3ヶ月経過) 公開番号 2003-311890
状態 未査定
技術分野 植物の保護 温室 積層体(2)
主要キーワード 換気特性 袋掛け 切断荷重 赤外線分光計 配合装置 アルミン酸化合物 耐水白化 珪酸化合物
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課題

保温性を保持しつつ、更に透明性、強靭性や柔軟性に優れ、ハウストンネルでの換気作業が容易になり、1シーズン使用後フィルム保管の際に、収納時のフィルム嵩が小さく収納スペースを少なくし、多湿時にフィルムが白化しない農業用柔軟性多層フィルムを提供する。

解決手段

内層A、中間層B及び外層Cの少なくとも3層で構成し、ヤング率が120N/mm2以下である農業用柔軟性多層フィルムであって、内層A及び中間層Bに特定のエチレン酢酸ビニル共重合体を、外層Cにポリエチレンをそれぞれ用い、各層に特定の比表面積を有する無機フィラーが含有されている農業用柔軟性多層フィルムとする。

概要

背景

農業用ハウストンネル等の被覆資材として、様々のプラスチックフィルムが使用されている。それらの代表的なものとして、ポリ塩化ビニルフィルム(以下、農ビという)、ポリエチレンフィルム(以下、農ポリという)、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(以下、農酢ビという)、農業用ポリオレフィン系特殊フィルム(以下、農業用多層フィルムという)等を挙げることができる。

中でも、農ビは保温性、透明性、経済性等に優れているため、最も多く使用されている。しかし、農ビは比重が大きいため、ハウス展張する際フィルムの重量が大きくなり、展張作業が困難であった。また、使用後の廃棄処理として焼却処理すると塩化水素ガスを発生する等の問題もあり、有害ガスの発生しない農ビ代替品が望まれている。

一方、農ポリや農酢ビは、防塵性及び廃棄処理のしやすさという点において農ビより優れている。しかし、農ポリは、保温性、柔軟性及び強靱性が劣るため、作物の生育不良や、ハウスやトンネルでの換気作業がやりにくく、1シーズン使用後にフィルムを保管する際、収納時のフィルム嵩が高くなり、広い収納スペースが必要であり改良が望まれてきた。また、農酢ビは柔軟性において農ポリよりも改良されるものの、フィルムがブロッキングするなどの問題点があり、保温性も農ビに比べ低いため作物の生育不良が発生していた。

近年、従来のマルチサイト触媒に代わってシングルサイト触媒を用いて得られるエチレンα−オレフィン共重合体である線状低密度ポリエチレンの開発が進み、特開平9−52332号公報には密度が0.925〜0.940g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体からなる外層(ハウスやトンネルの外側の大気に接する層)、密度が0.880〜0.910g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体からなる中間層及び密度が0.905〜0.930g/cm3からなるエチレン−α−オレフィン共重合体からなる内層(ハウスやトンネル内側の大気に接する層)が積層された農業用積層フィルムが提案されている。また、特開平8−276542号公報にはエチレン−酢酸ビニル共重合体を中間層とし、内層及び外層にエチレン−α−オレフィン共重合体を使用した農業用多層フィルムが提案されている。

これらの農業用多層フィルムは、強靱性は改良されているものの、柔軟性に劣り、フィルムに適度なベタツキが無いため、ハウスやトンネル換気の際に、たくし上げたフィルムが一部降りてしまい、ハウスやトンネル内の換気効率が悪くなり、作物の生育に影響を及ぼすことがあった。また、最近の農家では、被覆資材のコストを低減するために、単年用フィルムを2シーズン程度使用する傾向があり、1シーズン使用後のフィルムを箱に入れ納屋等に収納し、その後2シーズン目を使用し、廃棄するケースが増えている。1シーズン使用後にフィルムを保管する際、フィルムの柔軟性が悪いと収納時のフィルムが嵩高くなり、広い収納スペースが必要である等の問題があった。更に、ハウス内の作物や灌水等による水分若しくは屋外雨天による水分が付着すると、フィルムが水分を吸収して白化する現象が発生し、光線透過率が減少することから作物の光合成に影響を及ぼす等の問題があった。

概要

保温性を保持しつつ、更に透明性、強靭性や柔軟性に優れ、ハウスやトンネルでの換気作業が容易になり、1シーズン使用後フィルム保管の際に、収納時のフィルム嵩が小さく収納スペースを少なくし、多湿時にフィルムが白化しない農業用柔軟性多層フィルムを提供する。

内層A、中間層B及び外層Cの少なくとも3層で構成し、ヤング率が120N/mm2以下である農業用柔軟性多層フィルムであって、内層A及び中間層Bに特定のエチレン酢酸ビニル共重合体を、外層Cにポリエチレンをそれぞれ用い、各層に特定の比表面積を有する無機フィラーが含有されている農業用柔軟性多層フィルムとする。

目的

本発明の課題は、保温性を保持しつつ、更に透明性、強靭性や柔軟性に優れ、ハウスやトンネルでの換気作業が容易になり、1シーズン使用後フィルム保管の際に、収納時のフィルム嵩が小さく収納スペースを少なくし、多湿時にフィルムが白化しない農業用柔軟性多層フィルムを提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
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請求項1

内層A、中間層B及び外層Cの少なくとも3層から構成された農業用柔軟性多層フィルムであって、該3層が下記の各層から構成され、農業用柔軟性多層フィルムの縦(MD)方向及び横(TD)方向のヤング率がそれぞれ120N/mm2以下であることを特徴とする農業用柔軟性多層フィルム。(1)ポリエチレンに対して、BET比表面積が5〜50m2/gである無機フィラーを5重量%以下含有する組成物から構成される外層C、(2)酢酸ビニル含有量が1〜5重量%、密度が0.850〜0.970g/cm3のエチレン酢酸ビニル共重合体に対して、BET比表面積が5〜50m2/gである無機フィラーを5重量%以下含有する組成物から構成される内層A、(3)酢酸ビニル含有量が10〜30重量%、密度が0.850〜0.970g/cm3のエチレン酢酸ビニル共重合体に対して、BET比表面積が5〜50m2/gである無機フィラーを1〜10重量%含有する組成物から構成される中間層B。

請求項2

外層Cが、組成物に対してエチレン酢酸ビニル共重合体を更に含有する組成物から構成され、組成物の酢酸ビニル含有量をI、組成物の酢酸ビニル含有量をIIとするとき、I>IIの条件を満足する請求項1記載の農業用柔軟性多層フィルム。

請求項3

無機フィラーが、タルクハイドロタルサイト系化合物及びリチウムアルミニウム複合水酸化物塩化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の農業用柔軟性多層フィルム。

技術分野

0001

本発明はハウストンネル被覆資材として用いられる農業用柔軟性多層フィルムに関する。更に詳しくは、透明性、柔軟性、強靭性保温性に優れ、ハウスやトンネルでの換気作業が軽減され、1シーズン使用後のフィルム収納スペースが少なくて済み、多湿時にフィルムが白化しない農業用柔軟性多層フィルムに関する。

背景技術

0002

農業用ハウスやトンネル等の被覆資材として、様々のプラスチックフィルムが使用されている。それらの代表的なものとして、ポリ塩化ビニルフィルム(以下、農ビという)、ポリエチレンフィルム(以下、農ポリという)、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(以下、農酢ビという)、農業用ポリオレフィン系特殊フィルム(以下、農業用多層フィルムという)等を挙げることができる。

0003

中でも、農ビは保温性、透明性、経済性等に優れているため、最も多く使用されている。しかし、農ビは比重が大きいため、ハウスに展張する際フィルムの重量が大きくなり、展張作業が困難であった。また、使用後の廃棄処理として焼却処理すると塩化水素ガスを発生する等の問題もあり、有害ガスの発生しない農ビ代替品が望まれている。

0004

一方、農ポリや農酢ビは、防塵性及び廃棄処理のしやすさという点において農ビより優れている。しかし、農ポリは、保温性、柔軟性及び強靱性が劣るため、作物の生育不良や、ハウスやトンネルでの換気作業がやりにくく、1シーズン使用後にフィルムを保管する際、収納時のフィルム嵩が高くなり、広い収納スペースが必要であり改良が望まれてきた。また、農酢ビは柔軟性において農ポリよりも改良されるものの、フィルムがブロッキングするなどの問題点があり、保温性も農ビに比べ低いため作物の生育不良が発生していた。

0005

近年、従来のマルチサイト触媒に代わってシングルサイト触媒を用いて得られるエチレンα−オレフィン共重合体である線状低密度ポリエチレンの開発が進み、特開平9−52332号公報には密度が0.925〜0.940g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体からなる外層(ハウスやトンネルの外側の大気に接する層)、密度が0.880〜0.910g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体からなる中間層及び密度が0.905〜0.930g/cm3からなるエチレン−α−オレフィン共重合体からなる内層(ハウスやトンネル内側の大気に接する層)が積層された農業用積層フィルムが提案されている。また、特開平8−276542号公報にはエチレン−酢酸ビニル共重合体を中間層とし、内層及び外層にエチレン−α−オレフィン共重合体を使用した農業用多層フィルムが提案されている。

0006

これらの農業用多層フィルムは、強靱性は改良されているものの、柔軟性に劣り、フィルムに適度なベタツキが無いため、ハウスやトンネル換気の際に、たくし上げたフィルムが一部降りてしまい、ハウスやトンネル内の換気効率が悪くなり、作物の生育に影響を及ぼすことがあった。また、最近の農家では、被覆資材のコストを低減するために、単年用フィルムを2シーズン程度使用する傾向があり、1シーズン使用後のフィルムを箱に入れ納屋等に収納し、その後2シーズン目を使用し、廃棄するケースが増えている。1シーズン使用後にフィルムを保管する際、フィルムの柔軟性が悪いと収納時のフィルムが嵩高くなり、広い収納スペースが必要である等の問題があった。更に、ハウス内の作物や灌水等による水分若しくは屋外雨天による水分が付着すると、フィルムが水分を吸収して白化する現象が発生し、光線透過率が減少することから作物の光合成に影響を及ぼす等の問題があった。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の課題は、保温性を保持しつつ、更に透明性、強靭性や柔軟性に優れ、ハウスやトンネルでの換気作業が容易になり、1シーズン使用後フィルム保管の際に、収納時のフィルム嵩が小さく収納スペースを少なくし、多湿時にフィルムが白化しない農業用柔軟性多層フィルムを提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究した。その結果、内層A、中間層B及び外層Cの少なくとも3層で構成され、ヤング率が120N/mm2以下である農業用柔軟性多層フィルムであって、内層A及び中間層Bに特定のエチレン酢酸ビニル共重合体を、外層Cにポリエチレンをそれぞれ用い、各層に特定の比表面積を有する無機フィラーが含有されている農業用柔軟性多層フィルムが前記課題を解決することを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。

0009

本発明は、以下から構成される。
1.内層A、中間層B及び外層Cの少なくとも3層から構成された農業用柔軟性多層フィルムであって、該3層が下記の各層から構成され、農業用柔軟性多層フィルムの縦(MD)方向及び横(TD)方向のヤング率がそれぞれ120N/mm2以下であることを特徴とする農業用柔軟性多層フィルム。

0010

(1)ポリエチレンに対して、BET比表面積が5〜50m2/gである無機フィラーを5重量%以下含有する組成物から構成される外層C、

0011

(2)酢酸ビニル含有量が1〜5重量%、密度が0.850〜0.970g/cm3のエチレン酢酸ビニル共重合体に対して、BET比表面積が5〜50m2/gである無機フィラーを5重量%以下含有する組成物から構成される内層A、

0012

(3)酢酸ビニル含有量が10〜30重量%、密度が0.850〜0.970g/cm3のエチレン酢酸ビニル共重合体に対して、BET比表面積が5〜50m2/gである無機フィラーを1〜10重量%含有する組成物から構成される中間層B。

0013

2.外層Cが、組成物に対してエチレン酢酸ビニル共重合体を更に含有する組成物から構成され、組成物の酢酸ビニル含有量をI、組成物の酢酸ビニル含有量をIIとするとき、I>IIの条件を満足する前記1記載の農業用柔軟性多層フィルム。

0014

3.無機フィラーが、タルクハイドロタルサイト系化合物及びリチウムアルミニウム複合水酸化物塩化合物から選ばれる少なくとも1種である前記1記載の農業用柔軟性多層フィルム。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明に係わる農業用柔軟性多層フィルムについて詳細に説明する。本発明の中間層Bを構成する組成物に用いられるエチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は10〜30重量%であり、特に好ましくは10〜20重量%が価格の面で好ましい。また、前記酢酸ビニル共重合体の密度は0.850〜0.970g/cm3の範囲である。

0016

本発明の内層Aを構成する組成物に用いられるエチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は1〜5重量%であり、特に好ましくは3〜5重量%である。前記酢酸ビニル共重合体の密度は0.850〜0.970g/cm3の範囲である。

0017

本発明の外層Cを構成する組成物に用いられるポリエチレンは、特に限定されない。密度0.88〜0.92g/cm3の低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、密度0.94〜0.97g/cm3の高密度ポリエチレン及びシングルサイト触媒を用いて重合された密度が0.88〜0.94g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体が透明性や価格の面で好適に用いられ、特に、密度0.88〜0.92g/cm3の低密度ポリエチレン等が好適に用いられる。

0018

前記外層Cは、組成物にエチレン酢酸ビニル共重合体を更に含有させた組成物から構成することもできる。エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は5〜30重量%であり、酢酸ビニル共重合体の密度は0.850〜0.970g/cm3の範囲であることが好ましい。

0019

内層Aを構成する組成物の酢酸ビニル含有量をI、外層Cを構成する組成物の酢酸ビニル含有量をIIとするとき、I>IIの条件を満足することが好ましい。これにより多湿時にフィルムが白化することがなく、光線透過率の低下が少ない。

0020

本発明で各層を構成する組成物に用いられる樹脂は、それぞれ製造方法は限定されない。また、市販の中から所望の仕様のものを選択して用いることもできる。

0021

本発明の農業用柔軟性多層フィルムの内層A、中間層B及び外層Cの各層を構成する組成物は、前記多層フィルムの保温性向上を目的として、無機フィラーを含有する。前記無機フィラーとしては、酸化珪素珪酸マグネシウム珪酸アルミニウム珪酸カルシウム等の珪酸化合物アルミノ珪酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム等のアルミノ珪酸化合物、アルミナアルミン酸ナトリウムアルミン酸カリウムアルミン酸カルシウム等のアルミン酸化合物炭酸カルシウム、下記式(2)、下記式(3)、下記式(4)及び下記式(5)で示されるリチウム・アルミニウム複合水酸化物塩系化合物や下記式(6)で示されるハイドロタルサイト系化合物等の群から選ばれる少なくとも1種の無機フィラーが挙げられる。

0022

Li+(Al3+)2(OH−)6・(A2n−)1/n・mH2O
(2)
(式中、A2n−はn価のアニオン、mは0≦m≦3の範囲にある数、nは1≦n≦3の範囲にある数を示す。)

0023

[Al2Li(OH)6]2(An−)・mH2O (3)
(式中、An−はn価のアニオン、mは3以下の数を示す。)

0024

[(Al3+)2(Li+(1−x)・M2+x)(OH−)6]2
・(SiyO(2y+1)2−)(1+x)・mH2O
(4)
(式中、M2+は2価の金属イオン、mは0≦m<5の範囲にある数、xは0≦x<1の範囲にある数、yは2≦y≦4の範囲にある数を示す。)

0025

[(Al3+)2(Li+(1−x)・M2+x)(OH−)6]2
・(An—)2(1+x)/n・mH2O (
5)
(式中、M2+は2価の金属イオン、An—はn価の陰イオンであり、mは0≦m<5の範囲にある数、xは0.01≦x<1の範囲にある数、nは1≦n≦3の範囲にある数を示す。)

0026

M2+1−xAl3+x(OH—)2(A1n−)x/n・mH2O
(6)
(式中、M2+はMg2+、Ca2+、及びZn2+の中から選ばれた少なくとも1種の2価金属イオンを示し、A1n−はn価のアニオン、xは0<x<0.5の範囲にある数、mは0≦m≦2の範囲にある数、nは1≦n≦3の範囲にある数を示す。)

0027

前記無機フィラーとしては、JIS Z 8830に従って測定されるBET比表面積が5〜50m2/g、好ましくは5〜20m2/gのものが用いられる。BET比表面積がこの範囲であれば、防曇剤や防霧剤のフィルム表面への移行による防曇性能防霧性能の発現が十分であり、かつそれらの持続性が十分である。

0028

中間層Bを構成する組成物に対する前記無機フィラーの添加量は1〜10重量%である。同様に、内層Aもしくは外層Cを構成する組成物に対する添加量は5重量%以下である。添加量がこの範囲であれば保温性が十分であり、透明性、機械的特性の低下も少ない。

0029

本発明の農業用柔軟性多層フィルムは、前記組成物を用いることによって、フィルムの縦(MD)方向と横(TD)方向のヤング率がそれぞれ120N/mm2以下であり、柔軟性に優れることから換気時のたくし上げのし易さを発現する。

0030

本発明においては、内層A、中間層B及び外層Cを構成する組成物に本発明の目的を損なわない範囲で、通常農業用フィルムに用いられている改質用樹脂添加剤を配合することができる。前記添加剤としては、防曇剤、耐候剤、防霧剤、紫外線吸収剤帯電防止剤滑剤酸化防止剤熱安定剤抗菌剤色素着色剤等を挙げることができる。

0031

内層A、中間層B及び外層Cを構成する組成物を得る方法としては、それぞれの層に用いられる熱可塑性樹脂に所望の前記添加剤を加え、ヘンシェルミキサー商品名)等の高速撹拌機混合機及びリボンブレンダー並びにタンブラーミキサー等の通常の配合装置により混合する方法が例示でき、更に通常の単軸押出機又は二軸押出機等を用いてペレット化する方法が例示できる。

0032

本発明の農業用柔軟性多層フィルムの厚みは、使用する場所や耐用年数等により異なるが、一般的に0.05〜0.3mm程度のものが好適に用いられる。内層Aの厚みTa、中間層Bの厚みTb及び外層Cの厚みTcは特に限定されるものではないが、Ta:Tb:Tc=1〜5:1〜5:1〜5の厚み比の範囲が好ましい。

0033

本発明の農業用柔軟性多層フィルムは、前記の組成物を用いインフレーション法もしくはTダイ法等の技術により製造することができ、また、中間層Bの他に、保温性を付与した中間層D、防曇性を向上させるための中間層G、再生原料を入れた中間層H等を積層した4層以上の多層フィルムであっても構わない。更に、防塵塗布剤防曇塗布剤等を塗布・乾燥し、表面に塗布膜を形成させても構わない。

0034

本発明の農業用柔軟性多層フィルムは、透明でも、梨地でも良く、農業用ハウス(温室)、トンネル等の被覆用以外のマルチング用、袋掛け用等の用途に使用しても良い。

0035

以下、実施各例及び比較各例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。尚、実施例及び比較例における農業用柔軟性多層フィルムの評価は、下記の方法によって実施した。

0036

1)全光線透過率及びヘーズ;JIS K 7105に従って、カラーコンピューター「HGM−2K」(商品名、スガ試験機(株)製)を用いてフィルム製造後2週間後の製品を測定した。ヘーズは、数値が小さいほど透明性が良好である。

0037

2)引張弾性率(柔軟性:ヤング率);ASTMD 882に従って、フィルムのサンプルの縦(MD)と横(TD)の引張弾性率を測定した。

0038

3)引張荷重;JIS K 6732に従って縦(MD)方向と横(TD)方向の引張切断荷重を求めた。引張切断荷重と引張弾性率が大きいと強靭である。

0039

4)密度;JIS K 7112に従って測定した。

0040

5)メルトフローレートMFR);JIS K 7210に従って190℃、21.18Nの条件で測定した。

0041

6)展張試験フィルム厚み0.1mm、長さ100m、幅2mのフィルムをトンネルハウスバンド掛けて3ヶ月間展張後、たくし上げを5m毎に片側19カ所、両側合計38カ所換気し、翌日たくし上げ換気が降りている所の数を計測した。数字が大きいほど、たくし上げ換気がやりにくい。

0042

7)収納試験;フィルム厚み0.1mm、長さ100m、幅2.7mのフィルムを縦50cm、横30cm、高さ50cm四方の箱につづら折りに収納し上板をかぶせ、上部より5kg重りを乗せ3分間加圧したときの高さを測定した。数字が大きいほど嵩が高く、収納スペースが必要である。

0043

8)耐水白化試験;フィルム厚み0.1mm、長さ15cm、幅5cmにフィルムを切断し、ビーカー水温15℃の水を200ml入れ、12時間浸積後のヘーズをJIS K 7105に従って、カラーコンピューター「HGM−2K」(商品名、スガ試験機(株)製)を用いて測定した。

0044

9)保温性(赤外線反射吸収率、単位:%);赤外線分光計(PERKIN ELMER PARAGON1000PC)で400〜4000cm—1の波数領域における被覆資材の赤外線透過率を10cm—1毎に測定し、以下の計算式により算出した。
E1=C1λ−5/{exp(C2/λT)−1}J/m2・hr・m (7

(式中λは波長(m)、Tは絶対温度(K)、C1は1.346×10−12J・m2/h、C2は0.014387m・Kである。)
A1=E1×{1−(変曲点でのIR透過率)} (8)
(式中A1は10cm—1毎の赤外線反射吸収率である。)
S1=(A1+A2)×(λ2−λ1)/2 (9)
(式中λ2・λ1は波長、A1+A2は各赤外線反射吸収率、S1は波長軸と黒体輻射曲線で囲まれた面積である。)
A=ΣS/ΣE (10)
(式中Aは波長2.5〜25μm迄の赤外線反射吸収率である。)赤外線反射吸収率が高いほど地面から放出される赤外線が透過しにくく、保温性に優れることを示す。

0045

実施例1〜10、比較例1〜9
表1及び表2に記載した農業用柔軟性多層フィルムの各層別の配合と後述の共通配合の処方に従い、各層用の組成物を用意した。得られた組成物を用い、65mmφ押出機1台と45mmφ押出機2台を有する3種3層インフレ多層押出装置を使用して、成形温度180℃にて、厚み0.1mmの多層フィルムを製膜した。多層フィルムの各層の厚み比は、外層:中間層:内層=1:3:1である。得られた多層フィルムの評価結果を表1及び表2に示した。

0046

尚、表1及び表2に記載した多層フィルムの各層を構成する組成物に用いた樹脂の記号と内容は以下の通りである。
DPE:低密度ポリエチレン、NUC8505(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190℃)=0.8g/10分、密度=0.92g/cm3

0047

LLDPE:線状低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、ダウレックス2045AC(商品名、ダウ・ケミカル(株)製)、MFR(190℃)=1.0g/10分、密度=0.920g/cm3、α−オレフィン(1−ブテン含有量<20重量%

0048

EVA(5%):酢酸ビニル含有量5重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、NUC3250(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190℃)=1.5g/10分、密度=0.93g/cm3

0049

M−PE:シングルサイト触媒系エチレン−α−オレフィン共重合体、エリート5400(商品名、ダウ・ケミカル(株)製)、MFR(190℃)=1.0g/10分、密度=0.916g/cm3、α−オレフィン(1−オクテン)含有量<20重量%

0050

EVA(25%):酢酸ビニル含有量25重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体、NUC3195(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190℃)=4.0g/10分、密度=0.95g/cm3

0051

EVA(15%):酢酸ビニル含有量15重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体、NUC8452(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190℃)=1.0g/10分、密度=0.94g/cm3

0052

EVA(10%):酢酸ビニル含有量10重量%のエチレン酢酸ビニル共重合体、DQDJ1830(商品名、日本ユニカー(株)製)、MFR(190℃)=1.5g/10分、密度=0.93g/cm3

0053

無機フィラー1:合成ハイドロタルサイト、DHT−4A(商品名、協和化学工業(株)製)

0054

また、表1及び表2に記載した各多層フィルムの前記樹脂を除く、共通配合組成は、組成物基準で、外層Cにおいて、耐候剤0.2重量%、紫外線吸収剤0.1重量%、フェノール系安定剤0.1重量%、リン系安定剤0.1重量%、ステアリン酸カルシウム0.2重量%、アンチブロッキング剤0.1重量%、帯電防止剤0.2重量%を、中間層Bにおいて耐候剤0.3重量%、紫外線吸収剤0.1重量%、非イオン系防曇剤2重量%、フェノール系安定剤0.1重量%、リン系安定剤0.1重量%、ステアリン酸カルシウム0.3重量%、防霧剤0.1重量%を、また、内層Aにおいて耐候剤0.2重量%、紫外線吸収剤0.1重量%、フェノール系安定剤0.1重量%、リン系安定剤0.1重量%、ステアリン酸カルシウム0.2重量%、アンチブロッキング剤0.1%、帯電防止剤0.2重量%である。

0055

0056

発明の効果

0057

本発明の農業用柔軟性多層フィルムは、透明性、柔軟性、保温性、強靭性、換気特性収納効率及び耐水白化性に優れた農業用柔軟性多層フィルムである。

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新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 千住金属工業株式会社の「 摺動部材及び軸受」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題】弾性率等の諸特性を向上させた摺動部材及びこの摺動部材を使用した軸受を提供する。【解決手段】摺動部材1は、金属基材2と、金属基材2の一の面に形成される多孔質層3と、多孔質層3を被覆する摺動層5を... 詳細

  • 大阪瓦斯株式会社の「 放射冷却装置」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】放射冷却性能の低下を極力回避しながら、放射面が着色されている状態となる放射冷却装置を提供する。放射面Hから赤外光IRを放射する赤外放射層Aと、当該赤外放射層Aにおける放射面Hの存在側... 詳細

  • ▲鶴▼巻 京彦の「 シート部材」が 公開されました。( 2020/12/17)

    【課題・解決手段】シート部材であって、透過性部材と、白色部材と、蓄光部と、を備える。透過性部材は、透過性を有するシート状の部材である。白色部材は、前記透過性部材と重ねて配置される、白色のシート状の部材... 詳細

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