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技術 生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法

出願人 パナソニック電工株式会社
発明者 井原望新保秀人橋本涼子
出願日 2002年4月23日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2002-121437
公開日 2003年11月5日 (17年3ヶ月経過) 公開番号 2003-311246
状態 特許登録済
技術分野 固体廃棄物の処理 溶解、混合、フローミキサー 混合機の付属装置 回転撹拌具形混合機
主要キーワード 回転駆動型 押込み機構 略箱体 ゴミ分 中性近傍 略円筒体 駆動伝達ベルト 実験設備
関連する未来課題
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図面 (5)

課題

酸敗状態に陥った生ゴミ処理装置を、通常の生ゴミ分解処理状態に効率的に復帰させる復帰方法を提供する。

解決手段

処理槽10内に収容されている酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材のうち、下部領域R3と中間領域R2とに位置する生ゴミ及び生ゴミ処理材を、処理槽10の上方向に押し上げると共に、下部領域R3と中間領域R2の一部とに、非酸敗状態の生ゴミ処理材を投入する投入工程St1と、投入工程St1の後で、中間領域R2を攪拌混合して、酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材と、非酸敗状態の生ゴミ処理材とを混合する攪拌工程St2とを備える復帰方法。

概要

背景

従来、有機物分解処理する分解処理微生物に、家庭等より排出される生ゴミを分解処理させて取り出す生ゴミ処理装置がある。この生ゴミ処理装置は、分解処理微生物を担持させた基材としての生ゴミ処理材と生ゴミとを収納する処理槽、並びに処理槽内の生ゴミ処理材及び生ゴミを攪拌混合する攪拌機構を備えて形成されている。

この生ゴミ処理装置においては、処理槽に設けられた生ゴミ投入口を介して、生ゴミが処理槽内に投入されると、その生ゴミは、攪拌機構により予め処理槽内に収容されていた生ゴミ処理材と攪拌混合されるとともに、分解処理微生物により発酵分解処理される。その後、分解処理された生ゴミ分怪物は、処理槽上部に設けられた取出流路部から取り出される。なお、生ゴミ処理材は、バイオチップと称される木質細片又は粉体などで形成されている。このような生ゴミ処理装置として、特開平8−173938号公報に示すものがある。

分解処理微生物による生ゴミの発酵分解処理は、処理槽内に収納された生ゴミの温度、含有する酸素量、水分量等の要因に影響され、要因のどれか1つだけでも発酵分解処理の適正範囲から外れれば、発酵分解処理は停止してしまう。そのため、生ゴミ処理装置には、生ゴミを加熱する加熱手段としてのヒーターと、処理槽内に空気を送り込む送風手段としてのファンとが設けられている。このヒーターにより加えられた熱量と、ファンによる空気とが、処理槽内の生ゴミ全体に対して均一に分布するよう攪拌機構が生ゴミを攪拌することにより、処理槽内は分解処理微生物が生ゴミを分解するのに適した状態に維持されている。

しかし、処理槽に投入される生ゴミが分解処理微生物の分解処理しやすいものや量であった場合には、問題なく効率的に分解処理されるが、大量の生ゴミが投入された場合や、油などの分解処理に時間のかかるものが多く投入された場合には、処理槽内の状態が、分解処理微生物が生ゴミを発酵分解処理するのに適した状態から外れて、発酵分解処理が停止してしまうことがある。この場合、処理槽内の生ゴミ及び生ゴミ処理材は、そのpH値が大きく低下して酸性側に傾いており、生ゴミの発酵分解処理に適さない状態となっている。この状態を酸敗状態と呼んでいる。この酸敗状態では、処理槽内に生ゴミが投入されたとしても分解処理されず、腐敗状態のまま処理槽内に残留してしまうことがある。

これまでも、生ゴミ処理装置がこのような酸敗状態に陥った場合に、酸敗状態から分解処理微生物が生ゴミを発酵分解処理できる状態に復帰させる復帰方法が提案されてはいたが、コストが膨らむ、確実には復帰できないことがある等の問題があった。その復帰方法の一つとしては、生ゴミ処理装置が酸敗状態に陥ったとき、処理槽内から酸敗状態の生ゴミ処理材を全て取り出し、代わりに新しい生ゴミ処理材を処理槽内に入れ直す、いわゆる全量交換を行うというものがある。しかし、この方法では、生ゴミ処理材を全量交換しているため、コストが膨大になってしまうという問題がある。なお、コストを低減するため、酸敗状態の生ゴミ処理材の内、その一部だけを取り換えるようにした場合には、処理槽内に残された酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材が、処理槽内で攪拌されることにより、その酸成分が処理槽内全体にも拡散し、入れ換えた新しい生ゴミ処理材もを酸敗状態としてしまうことがある。この場合には、生ゴミ処理装置を酸敗状態から確実に復帰させることができない、という問題がある。

概要

酸敗状態に陥った生ゴミ処理装置を、通常の生ゴミ分解処理状態に効率的に復帰させる復帰方法を提供する。

処理槽10内に収容されている酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材のうち、下部領域R3と中間領域R2とに位置する生ゴミ及び生ゴミ処理材を、処理槽10の上方向に押し上げると共に、下部領域R3と中間領域R2の一部とに、非酸敗状態の生ゴミ処理材を投入する投入工程St1と、投入工程St1の後で、中間領域R2を攪拌混合して、酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材と、非酸敗状態の生ゴミ処理材とを混合する攪拌工程St2とを備える復帰方法。

目的

そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、生ゴミ処理装置を酸敗状態から効率的に復帰させる復帰方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
1件

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請求項1

ゴミ及び生ゴミ処理材処理槽内に収容し、生ゴミ処理材に担持させた微生物に生ゴミを分解処理させると共に、生ゴミ及び生ゴミ処理材を処理槽内の上方向に移動させて取り出す生ゴミ処理装置酸敗状態からの復帰方法であって、上記処理槽内に収容された生ゴミ及び生ゴミ処理材のうち、その上側の部分の上部領域と、その下側の部分の下部領域とを、前記上部領域と前記下部領域との間の部分である中間領域を挟んで相互に非攪拌状態にすると共に、前記中間領域内を攪拌するよう形成した攪拌機構を設け、上記下部領域内の酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を、処理槽の上方向に押し上げると共に、上記下部領域に非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入して、その後、上記中間領域内を攪拌混合することを特徴とする生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法。

請求項2

上記非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を上記下部領域に投入するとき、アルカリをも上記下部領域に投入することを特徴とする請求項1に記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法。

請求項3

上記攪拌機構は、上記上部領域内と、上記下部領域内とで異なる方向に攪拌混合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法。

請求項4

上記酸敗状態となった上記下部領域内の生ゴミ及び生ゴミ処理材を処理槽の上方向に押し上げるときに、上記下部領域内の底部分の生ゴミ及び生ゴミ処理材が略水平状態で処理槽の上方向に押し上げられるよう上記下部領域を攪拌することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法。

請求項5

上記下部領域に非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入するときに、上記中間領域の一部にも非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入して、上記中間領域内で、酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材と非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材とが併存するようにすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法。

技術分野

0001

本発明は、有機物分解処理する分解処理微生物を利用して生ゴミを分解処理する生ゴミ処理装置において、酸敗状態に陥った生ゴミ処理装置を、生ゴミの分解処理が可能な状態に復帰させる生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法に関する。

背景技術

0002

従来、有機物を分解処理する分解処理微生物に、家庭等より排出される生ゴミを分解処理させて取り出す生ゴミ処理装置がある。この生ゴミ処理装置は、分解処理微生物を担持させた基材としての生ゴミ処理材と生ゴミとを収納する処理槽、並びに処理槽内の生ゴミ処理材及び生ゴミを攪拌混合する攪拌機構を備えて形成されている。

0003

この生ゴミ処理装置においては、処理槽に設けられた生ゴミ投入口を介して、生ゴミが処理槽内に投入されると、その生ゴミは、攪拌機構により予め処理槽内に収容されていた生ゴミ処理材と攪拌混合されるとともに、分解処理微生物により発酵分解処理される。その後、分解処理された生ゴミ分怪物は、処理槽上部に設けられた取出流路部から取り出される。なお、生ゴミ処理材は、バイオチップと称される木質細片又は粉体などで形成されている。このような生ゴミ処理装置として、特開平8−173938号公報に示すものがある。

0004

分解処理微生物による生ゴミの発酵分解処理は、処理槽内に収納された生ゴミの温度、含有する酸素量、水分量等の要因に影響され、要因のどれか1つだけでも発酵分解処理の適正範囲から外れれば、発酵分解処理は停止してしまう。そのため、生ゴミ処理装置には、生ゴミを加熱する加熱手段としてのヒーターと、処理槽内に空気を送り込む送風手段としてのファンとが設けられている。このヒーターにより加えられた熱量と、ファンによる空気とが、処理槽内の生ゴミ全体に対して均一に分布するよう攪拌機構が生ゴミを攪拌することにより、処理槽内は分解処理微生物が生ゴミを分解するのに適した状態に維持されている。

0005

しかし、処理槽に投入される生ゴミが分解処理微生物の分解処理しやすいものや量であった場合には、問題なく効率的に分解処理されるが、大量の生ゴミが投入された場合や、油などの分解処理に時間のかかるものが多く投入された場合には、処理槽内の状態が、分解処理微生物が生ゴミを発酵分解処理するのに適した状態から外れて、発酵分解処理が停止してしまうことがある。この場合、処理槽内の生ゴミ及び生ゴミ処理材は、そのpH値が大きく低下して酸性側に傾いており、生ゴミの発酵分解処理に適さない状態となっている。この状態を酸敗状態と呼んでいる。この酸敗状態では、処理槽内に生ゴミが投入されたとしても分解処理されず、腐敗状態のまま処理槽内に残留してしまうことがある。

0006

これまでも、生ゴミ処理装置がこのような酸敗状態に陥った場合に、酸敗状態から分解処理微生物が生ゴミを発酵分解処理できる状態に復帰させる復帰方法が提案されてはいたが、コストが膨らむ、確実には復帰できないことがある等の問題があった。その復帰方法の一つとしては、生ゴミ処理装置が酸敗状態に陥ったとき、処理槽内から酸敗状態の生ゴミ処理材を全て取り出し、代わりに新しい生ゴミ処理材を処理槽内に入れ直す、いわゆる全量交換を行うというものがある。しかし、この方法では、生ゴミ処理材を全量交換しているため、コストが膨大になってしまうという問題がある。なお、コストを低減するため、酸敗状態の生ゴミ処理材の内、その一部だけを取り換えるようにした場合には、処理槽内に残された酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材が、処理槽内で攪拌されることにより、その酸成分が処理槽内全体にも拡散し、入れ換えた新しい生ゴミ処理材もを酸敗状態としてしまうことがある。この場合には、生ゴミ処理装置を酸敗状態から確実に復帰させることができない、という問題がある。

発明が解決しようとする課題

0007

そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、生ゴミ処理装置を酸敗状態から効率的に復帰させる復帰方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために本発明の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法は、以下の構成を備える。すなわち、請求項1の発明では、生ゴミ及び生ゴミ処理材を処理槽内に収容し、生ゴミ処理材に担持させた微生物に生ゴミを分解処理させると共に、生ゴミ及び生ゴミ処理材を処理槽内の上方向に移動させて取り出す生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法であって、上記処理槽内に収容された生ゴミ及び生ゴミ処理材のうち、その上側の部分の上部領域と、その下側の部分の下部領域とを、前記上部領域と前記下部領域との間の部分である中間領域を挟んで相互に非攪拌状態にすると共に、前記中間領域内を攪拌するよう形成した攪拌機構を設け、上記下部領域内の酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を、処理槽の上方向に押し上げると共に、上記下部領域に非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入して、その後、上記中間領域内を攪拌混合することを特徴とする。

0009

請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を上記下部領域に投入するとき、アルカリをも上記下部領域に投入することを特徴とする。

0010

請求項3の発明では、請求項1又は請求項2の発明において、上記攪拌機構は、上記上部領域内と、上記下部領域内とで異なる方向に攪拌混合することを特徴とする。

0011

請求項4の発明では、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明において、上記酸敗状態となった上記下部領域内の生ゴミ及び生ゴミ処理材を処理槽の上方向に押し上げるときに、上記下部領域内の底部分の生ゴミ及び生ゴミ処理材が略水平状態で処理槽の上方向に押し上げられるよう上記下部領域を攪拌することを特徴とする。

0012

請求項5の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれかの発明において、上記下部領域に非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入するときに、上記中間領域の一部にも非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入して、上記中間領域内で、酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材と非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材とが併存するようにすることを特徴とする。

0013

[発明の詳細な説明]

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明における生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法に係る一実施の形態を、図1図4を参照して以下に説明する。

0015

図2に示すように、本実施の形態における生ゴミ処理装置は、その構成としては、生ゴミを分解処理する生ゴミ処理機本体1と、生ゴミ処理機本体1に生ゴミを投入する生ゴミ投入機3とを備えている。

0016

生ゴミ処理機本体1は、生ゴミを発酵分解処理する分解処理微生物を担持させた生ゴミ処理材と生ゴミとを収容する処理槽10、並びに処理槽10内に設けられて生ゴミ及び生ゴミ処理材を攪拌混合する攪拌機構20、並びに攪拌機構20を駆動する駆動手段としてのモータ41及び駆動伝達ベルト42を備えている。

0017

処理槽10は、アルミ等の金属材料よりなる略円筒体形状で、その軸方向の一端面が開放されると共に、軸方向の他端面は閉塞されている。また、側壁の上部と下部とには、それぞれ取出し口部12と投入口部11とが開口部として形成されている。取出し口部12には、取出し流路部13が接続され、分解処理された生ごみと生ゴミ処理材とを、この取出し流路部13から取り出している。

0018

攪拌機構20は、処理槽10の軸方向の長さと略同じ長さを有する中空状の円筒体よりなる回転軸22と、この回転軸22の周壁に接続して設けられる攪拌羽根21とを備えており、回転軸22は、その軸方向が処理槽10の軸方向と略一致するように処理槽10内に設けられている。

0019

回転軸22は、その内部に中空の中空部が形成されていると共に、その周壁には、中空部と外気側とを連通させる通気孔が設けられている。

0020

攪拌羽根21は、三角柱形状に形成され、その内部には中空の中空部が形成されている。また、その軸方向の一端面には空気の吸い込み口としての吸気孔が形成され、側壁には空気の排出口としての排気孔が1乃至複数形成されている。この攪拌羽根21においては、吸気孔から吸気された空気は、攪拌羽根21の中空部を通り、排気孔から排気される。

0021

このような回転軸22及び攪拌羽根21に対し、攪拌羽根21の一端面に形成した吸気孔を、回転軸22の通気孔に対面させて、それぞれの中空部が連通するように接続することで、攪拌機構20が形成されている。この攪拌機構20においては、その回転軸22の中空部に空気が注入されると、その空気は、回転軸22の中空部から回転軸22の通気孔、攪拌羽根21の一端面に形成された吸気孔、攪拌羽根21の中空部、攪拌羽根21の側壁の排気孔を順に通過して、外気側に排出される。なお、攪拌羽根21は、回転軸22の下側約半分に取り付けられて、処理槽10の下側約半分に収納された生ゴミ及び生ゴミ処理材を攪拌混合する。これにより、処理槽10内では、処理槽10の上側の部分である上部領域R1と、処理槽10の下側の部分である下部領域R3とが、処理槽10の中間部分である中間領域R2を挟んで非攪拌混合状態となる。さらに、中間領域R2内の底部側と下部領域R3の全体とは、攪拌機構20の攪拌羽根21により攪拌混合されるが、その一方で、中間領域R2内の上側は、攪拌羽根21が設けられていないため、攪拌機構20による攪拌作用は生じないが、中間領域R2内の底部側での攪拌動作に影響され、攪拌混合状態となる。

0022

駆動手段は、モータ41等の回転駆動型のものを用いており、このモータ41と攪拌機構20との間に駆動伝達ベルト42を張設することにより、モータ41の回転駆動力を攪拌機構20に伝達し、攪拌機構20を回転動作させている。

0023

生ゴミ投入機3は、略箱体状に形成されて、処理槽10に投入する生ゴミを収容しておく生ゴミ収容槽31と、生ゴミ収容槽31の上面の一部を開放して形成した生ゴミを受け入れ受入部35と、受入部35に蓋をする蓋体36と、生ゴミ収容槽31の側壁に開口部として設けられて、処理槽10の投入口部11と接続される排出口部33と、生ゴミ収容槽31内に形成されて、収容した生ゴミを細かく破砕する破砕機構34と、破砕した生ゴミを排出口部33を介して処理槽10側に押し込む押込み機構32とを備えている。

0024

このように、本実施の形態で用いる生ゴミ処理装置は、モータ41が、給気機能を有した攪拌機構20を処理槽10内で回転させるので、攪拌羽根21に設けられた排気孔を介して生ゴミ分解物及び生ゴミ処理材に空気を十分に供給できると共に、処理槽10内の生ゴミ分解物と生ゴミ処理材とを効率的に攪拌混合することができる。

0025

このような生ゴミ処理装置において、生ゴミ処理材が予め収納された処理槽内に生ゴミが投入されると、生ゴミはその種類に応じて、以下のそれぞれの化学反応式に従って発酵分解処理される。

0026

炭水化物の分解に係る化学反応式:

0027

0028

タンパク質、脂質の分解に係る化学反応式:

0029

0030

正常に発酵分解処理が行われれば、式1と式2に示すように、生ゴミが発酵分解処理されるのに伴って、炭酸ガスアンモニア、水分等が生成される。なお、式1におけるm及び式2におけるa,b,d,e,p,q,u,v,w,x,y,zは、それぞれ正の整数値である。

0031

しかし、生ゴミの発酵分解処理に必要となる酸素が、分解処理微生物に十分供給されない場合には、通常支配的な好気性の分解処理微生物による式1の反応の比率が低下すると共に、嫌気性の微生物による式3のような有機酸生成反応が増加して、有機酸が生成されることにより、生ゴミ処理材及び生ゴミのpH値が低下する。

0032

有機酸の生成に係る化学反応式:

0033

0034

通常の発酵分解処理過程では、その過程の途中において多少の有機酸が生成したとしても、式1に従って有機酸は炭酸ガスにまで酸化されるか、又は生ゴミ処理材に含まれるアルカリ成分により中和されるので、生ゴミ処理材及び生ゴミのpH値を大きく低下させるまでには至らない。ところが、処理槽10内に定格量以上の生ゴミが投入された場合や、生ゴミの発酵分解活発なとき(炭酸ガスが多く発生しているとき)に生ゴミが投入された場合などには、式3のような有機酸生成反応が支配的となって生ゴミ処理材のpH値が5〜4以下にまで低下してしまい、酸敗状態となり、生ゴミの発酵分解処理が停止してしまう。

0035

次に、この生ゴミ処理装置の動作を説明するが、まず、通常の生ゴミ分解処理の動作を説明し、その後で、この生ゴミ処理装置が酸敗状態に陥ったとき、本実施の形態における復帰方法により復帰する動作を説明する。

0036

まず、通常の生ゴミ分解処理状態においては、処理槽10内で攪拌機構20が回転軸22を軸にして回転しているので、処理槽10の下部領域R3及び中間領域R2では、生ゴミと生ゴミ処理材とが攪拌混合されて流動している。このように、生ゴミは、処理槽10内で流動するので、大量の分解処理微生物と接触することができ、活発に分解処理される。一方、処理槽10の上部領域R1では、攪拌が行われないため生ゴミ及び生ゴミ処理材は流動していないが、生ゴミは、その周囲に存在する分解処理微生物により多少なりとも分解処理されている。

0037

この通常の生ゴミ分解処理状態において、生ゴミ投入機3が、排出口部33と投入口部11とを介して処理槽10の底部に、新しく生ゴミを投入すると、処理槽10内に既に収容されていた生ゴミ及び生ゴミ処理材は、新たに投入された生ゴミにより、処理槽10の上方向に押し上げられる。このとき、処理槽10が、収容できる収容量一杯まで生ゴミ及び生ゴミ処理材を収容していた場合には、新たに投入された生ゴミと同じ量だけの生ゴミ及び生ゴミ処理材が、オーバーフローとして取出し流路部13から取り出される。一方、処理槽10に新しく投入された生ゴミは、攪拌機構20により処理槽10の底部にあった既存の生ゴミ及び生ゴミ処理材と攪拌混合されると共に、分解処理微生物により活発に分解処理される。

0038

ここで、例えば、油を大量に含む生ゴミが処理槽10内に投入されると、処理槽10内の生ゴミ処理材及び生ゴミが酸敗状態となる。そこで、酸敗状態に陥った生ゴミ処理装置を、本実施の形態における復帰方法で通常の生ゴミ分解処理状態に復帰させる。

0039

まず、図1(a)に示すように、生ゴミ投入機3の生ゴミ収容槽31に、非酸敗状態の新しい生ゴミ処理材(以下、新処理材と記す)Bを入れる。なお、この図1において、Aは、酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材(以下、酸敗ゴミと記す)を示している。

0040

次に、投入工程St1として、図1(b)に示すように、生ゴミ投入機3から、新処理材Bを処理槽10の下部領域R3に投入させる。新処理材Bが処理槽10の下部領域R3に投入されると、処理槽10内の酸敗ゴミAは、新処理材Bにより押し込まれるように、処理槽10底部から上方向に全体的に移動する。これにより、処理槽10内では、上部領域R1に酸敗ゴミAの層が形成され、下部領域R3に新処理材Bの層ができ、中間領域R2では、酸敗ゴミAと新処理材Bとが併存している。このとき、処理槽10が、その収容量一杯まで酸敗ゴミAを収容していた場合には、投入した新処理材Bの量と同じ量の酸敗ゴミAが、取出し流路部13から取り出される。

0041

図1(c)に示すように、この投入工程St1により、処理槽10の下部領域R3と中間領域R2の一部が新処理材Bで埋まった後に、攪拌工程St2を行う。攪拌工程St2としては、攪拌機構20を作動させる、すなわち回転軸22を処理槽10内で回転させることで、新処理材Bを攪拌するものとしている。回転軸22を処理槽10内で回転させることで、攪拌羽根21が設けられた処理槽10の下部領域R3及び中間領域R2では、新処理材Bが攪拌されて、処理槽10内を流動する。すなわち、処理槽10の中間領域R2では、酸敗ゴミAと新処理材Bとが混合し始める。

0042

図1(d)に示すように、この中間領域R2が攪拌混合されると、この中間領域R2に位置する酸敗ゴミAは、新処理材Bに担持された分解処理微生物により分解処理され、酸敗状態から徐々に復帰し、復帰ゴミCとなる。この攪拌工程St2を継続して行えば、所定時間後には、図1(e)に示すように、処理槽10内全ての酸敗ゴミAが、新処理材Bに担持された分解処理微生物により分解処理されて復帰ゴミCとなる。このようにして、生ゴミ処理装置は、酸敗状態から復帰することができる。

0043

以上が、本実施の形態における酸敗状態からの復帰方法である。

0044

なお、上記の復帰動作において、処理槽10に新処理材Bを投入するときに、攪拌機構20を停止していたが、生ゴミ投入機3を作動させるときに、攪拌機構20も作動させるようにしてもよい。この場合には、新処理材Bが処理槽10内に投入される毎に、攪拌機構20が新処理材Bを攪拌するので、処理槽10内において、新処理材Bを水平方向に同じ厚みの層となるように堆積させることが可能となり、処理槽内で新処理材Bが偏って堆積することがなくなる。

0045

このとき、処理槽10の下部領域R3に、新処理材Bと共にアルカリとしてのソーダ灰を投入するようにしてもよい。これにより、新処理材Bが投入と同時に酸敗ゴミAと混合されたとしても、アルカリのソーダ灰により、新処理材BのpH値を中性近傍に保つことが可能となる。なお、pH値を中性近傍に保つ理由としては、図3にも示すように、分解処理微生物は中性近傍で活発に活動するためである。また、投入するアルカリは、ソーダ灰に限らず、pH値を中性もしくはアルカリ性側にすることができるものであればどのようなものでもよく、ソーダ灰の他に、例えば、炭酸ナトリウム水酸化ナトリウム水酸化マグネシウム水酸化カリウム等を用いることができるが、ソーダ灰は、添加される酸の量に対して、pH値の変動を小さく抑えることができるので、分解処理微生物が生ゴミを分解処理するのに適したpH値を保持する効果が高い。アルカリへの酸の添加量に対するpH値の変動を図4に示している。

0046

また、本実施の形態では、攪拌機構20は、回転軸22の下側約半分にしか攪拌羽根21を備えていなかったが、上側約半分にも設けて、回転軸22の略全長に渡って攪拌羽根21を備えるようにしてもよい。この場合には、回転軸22の上側約半分の攪拌羽根21を回転させるモーターと、回転軸22の下側約半分の攪拌羽根21を回転させるモーターとを別に設け、この2つのモータを回転軸22の上側約半分の攪拌羽根と下側約半分の攪拌羽根とにそれぞれ接続し、逆方向の回転駆動を伝えるようにすればよい。このようにすれば、処理槽10上側の酸敗ゴミAの層と、処理槽10下側の新処理材Bの層とが、より確実に層分離され、酸敗ゴミAの層と、新処理材Bの層とが相互に急激に混合するのを防止することができる。すなわち、処理槽の中間部における酸敗ゴミAと新処理材Bとの混合が緩慢になるため、新処理材Bが、酸敗状態に陥ることなく酸敗ゴミAを分解処理することができ、より確実に生ゴミ処理装置を酸敗状態から復帰させることが可能となる。

0047

さらに、酸敗ゴミAを処理槽内の上方向に押し上げる際に、下部領域R3に格納されている酸敗ゴミAのうち、下部領域R3の底面部分の酸敗ゴミが略水平状態を保持したまま上方向に押し上げられるようにすることで、酸敗ゴミAの層と新処理材Bの層とが凹凸状に接することがなくなり、処理槽10の水平方向において略面一に接するので、新処理材Bが水平方向で局所的に酸敗状態とならず、より安定して酸敗状態から復帰させることが可能となる。

0048

また、酸敗状態に陥った生ゴミ処理材及び生ゴミの量・状態や、添加するアルカリの強弱により、pH値を上昇させるために必要なアルカリの添加量が変化する。そこで、生ゴミ処理材及び生ゴミにアルカリを添加する前に、必要となるおおよその添加量を把握しておくことが望ましい。その方法としては、一定量採取した酸敗状態の生ゴミ処理材及び生ゴミから有機酸を水抽出し、その抽出サンプルと添加しようとするアルカリとの中和滴定試験の結果から、生ゴミ処理材及び生ゴミのpH値を上昇させるのに必要なアルカリのおおよその量を実験的に把握するものがある。またこの方法の他にも、液体クロマトグラフィーなどによる分析化学的手法を用いて有機酸の絶対量を定量化把握するものなどがある。

0049

なお、処理槽10に投入する微生物製剤は、市販されているものでもよいし、適当な実験設備があるところであれば、それを活用して自分で製造して用いてもよい。市販されている信頼性の高い微生物製剤であれば、微生物の種類や、その微生物量は明確であるが、自作する場合は、用いた微生物の性質や数を微生物分析して把握しておくことが望ましい。

0050

また、各工程終了後に、平板培養法又はATP(Adenosine triphosphate)測定法を行い、各工程終了後の微生物量を把握することにより、各工程が適正に達成されているかを確認することも望ましい。

0051

また、本実施の形態では、生ゴミ処理材としての木片に予め分解処理微生物を担持させていたが、木片以外にも、コーヒー粕土壌等に予め分解処理微生物を担持させておいたものを用いることもできる。

0052

以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限らず、種々の形態で実施することができる。

発明の効果

0053

上記のように本発明の請求項1に記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法は、生ゴミ及び生ゴミ処理材を処理槽内に収容し、生ゴミ処理材に担持させた微生物に生ゴミを分解処理させると共に、生ゴミ及び生ゴミ処理材を処理槽内の上方向に移動させて取り出す生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法であって、上記処理槽内に収容された生ゴミ及び生ゴミ処理材のうち、その上側の部分の上部領域と、その下側の部分の下部領域とを、前記上部領域と前記下部領域との間の部分である中間領域を挟んで相互に非攪拌状態にすると共に、前記中間領域内を攪拌するよう形成した攪拌機構を設け、上記下部領域内の酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を、処理槽の上方向に押し上げると共に、上記下部領域に非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入して、その後、上記中間領域内を攪拌混合するので、生ゴミ処理装置を酸敗状態から効率的に復帰させることが可能となる。

0054

本発明の請求項2記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、上記非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を上記下部領域に投入するとき、アルカリをも上記下部領域に投入することを特徴とするので、より確実に生ゴミ処理装置を酸敗状態から復帰させることが可能となる。

0055

本発明の請求項3記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明による効果に加えて、上記攪拌機構は、上記上部領域内と、上記下部領域内とで異なる方向に攪拌混合するので、処理槽下側に投入された生ゴミ処理材が、処理槽上側に位置する酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材の影響を受けにくくなり、酸敗状態からより確実に復帰させることが可能となる。

0056

本発明の請求項4記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法によれば、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明による効果に加えて、上記酸敗状態となった上記下部領域内の生ゴミ及び生ゴミ処理材を処理槽の上方向に押し上げるときに、上記下部領域内の底部分の生ゴミ及び生ゴミ処理材が略水平状態で処理槽の上方向に押し上げられるよう上記下部領域を攪拌するので、処理槽上側の酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材と、処理槽下側の非酸敗状態の生ゴミ処理材とがより混ざり合いにくくなり、それぞれの層の状態を保持したまま、処理槽内を上方向に移動させることができ、より確実に酸敗状態から復帰させることが可能となる。

0057

本発明の請求項5記載の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明による効果に加えて、上記下部領域に非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入するときに、上記中間領域の一部にも非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材を投入して、上記中間領域内で、酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材と非酸敗状態の生ゴミ及び生ゴミ処理材とが併存するようにするので、より確実に酸敗状態から復帰させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0058

図1本発明の生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法に係る一実施の形態における各工程での生ゴミ処理装置の動作を示す図である
図2上記生ゴミ処理装置を示す図である
図3上記生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法における微生物活性度とpH値との関係を示す図である
図4上記生ゴミ処理装置の酸敗状態からの復帰方法における中和滴定曲線を示す図である

--

0059

10処理槽
20攪拌機構
R1 上部領域
R2 中間領域
R3 下部領域
St1投入工程
St2攪拌工程

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