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技術 潤滑油組成物

出願人 インフィニュームインターナショナルリミテッド
発明者 ロルフジェイハートレイマルカームワデュープス
出願日 2003年4月1日 (17年8ヶ月経過) 出願番号 2003-097924
公開日 2003年10月21日 (17年2ヶ月経過) 公開番号 2003-301192
状態 拒絶査定
技術分野 潤滑剤
主要キーワード テーブル試験 窒素含有添加剤 境界条件下 マグネシウムベース 摩耗作用 フォルクスワーゲン 境界摩擦 処理割合
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課題

改善された燃料経済性を提供し;優秀摩擦保護特性を示し、比較的低コストであり、かつ、窒素含有摩擦改良剤を含まない潤滑油組成物を提供すること。

解決手段

a)少なくとも95の粘度指数を有する、潤滑粘度の油;

b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤

c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物

d)少なくとも1種の、窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤;及び

e)少なくとも1種のジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物

を含む潤滑油組成物であって、Noack揮発度が約15質量%又はそれ未満であり、カルシウム清浄剤由来カルシウム含量が約0.05〜約0.6質量%であり、モリブデン化合物由来のモリブデン含量が少なくとも10ppmであり、かつ、ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物由来リン含量が約0.1質量%までである該組成物

概要

背景

内燃エンジン潤滑化させるために使用される潤滑油組成物は、潤滑粘度のベースオイル、又はそのようなオイルの混合物、及び該オイルの性能を改善するために使用される添加剤を含む。例えば、添加剤を使用することにより、清浄性が改善され、エンジン摩耗が低減され、熱又は酸化安定性が提供され、油消費量が低減され、腐食が抑制され、分散剤作用が発揮され、また、摩擦損失が低減される。数種の添加剤により、複数の利点、例えば分散剤粘度改良剤が提供される。他の添加剤は、潤滑油の1つの特性を改善するものの、他の特性には悪影響を及ぼす。従って、最適な全体的性能を有する潤滑油を提供するためには、入手可能な種々の添加剤の全ての作用を特徴付け、理解すること、及び潤滑剤の添加剤含量のバランス慎重に行うことが必要とされる。

油溶性モリブデン化合物潤滑剤添加剤として有用であることが多くの特許及び文献中において提案されている(例えばUS-A-4,164,473、4,176,073、4,176,074、4,192,757、4,248,720、4,201,683、4,289,635及び4,479,883)。特に、モリブデン化合物、具体的にはジチオカルバミン酸モリブデン化合物を油へ添加することにより、改善された境界(boundary)摩擦特性が提供され、テーブル試験により、そのようなモリブデン化合物を含有する油の摩擦係数が、一般に、有機摩擦改良剤を含有する油より低いことが分かる。この摩擦係数における低減は、改善された耐摩耗特性をもたらし、短期的及び長期的の双方の燃料経済特性(即ち燃料経済性維持特性)を含む、ガソリン又はディーゼル燃焼エンジンにおける強化された燃料経済性に貢献し得る。耐摩耗作用を提供するために、モリブデン化合物は、一般に、約350〜約2000ppmのモリブデンが油に導入される量で添加される。モリブデン化合物は効果的な耐摩耗剤であり、更に、燃料経済性における利点を提供し得るが、そのようなモリブデン化合物は、より一般的な、金属を含まない(無灰の)有機摩擦改良剤と比較して高価である。

US-A-6,300,291には、特定のNoack揮発度を有し、かつ、特定の粘度指数のベースオイルで、カルシウムベース清浄剤ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛ZDDP)耐摩耗剤、モリブデン化合物及び窒素含有摩擦改良剤を含む潤滑油組成物が開示されている。そのモリブデン化合物は、配合される潤滑剤のモリブデン含量が350ppmまでとなる量で使用される。その材料は、モリブデン化合物のみを含む組成物と比べて、優秀な燃料経済性を提供するとされている。最近の内燃エンジンは、フルオロエラストマー材料、例えばViton(商標)から形成された数種のガスケット及び他のシールを含む。窒素含有添加剤は、経時的に、そのような材料の劣化に対して貢献すると考えられる。

概要

改善された燃料経済性を提供し;優秀な摩擦保護特性を示し、比較的低コストであり、かつ、窒素含有摩擦改良剤を含まない潤滑油組成物を提供すること。

a)少なくとも95の粘度指数を有する、潤滑粘度の油;

b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤

c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;

d)少なくとも1種の、窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤;及び

e)少なくとも1種のジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物

を含む潤滑油組成物であって、Noack揮発度が約15質量%又はそれ未満であり、カルシウム清浄剤由来カルシウム含量が約0.05〜約0.6質量%であり、モリブデン化合物由来のモリブデン含量が少なくとも10ppmであり、かつ、ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物由来リン含量が約0.1質量%までである該組成物。

目的

従って、改善された燃料経済性を提供し;優秀な摩擦保護特性を示し、比較的低コストであり、かつ、窒素含有摩擦改良剤を含まない潤滑油組成物を提供することが望まれる。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
3件

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請求項1

a)少なくとも95の粘度指数を有する、潤滑粘度の油;b)少なくとも1種のカルシウム清浄剤;c)少なくとも1種の油溶性モリブデン化合物;d)少なくとも1種の、窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤;及びe)少なくとも1種のジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物を含む潤滑油組成物であって、Noack揮発度が約15質量%又はそれ未満であり、カルシウム清浄剤由来カルシウム含量が約0.05〜約0.6質量%であり、モリブデン化合物由来のモリブデン含量が少なくとも10ppmであり、かつ、ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物由来リン含量が約0.1質量%までである該組成物

請求項2

カルシウム清浄剤が、石炭酸カルシウムサリチル酸カルシウムスルホン酸カルシウム及びそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項1に記載の組成物。

請求項3

カルシウム清浄剤が過塩基化スルホン酸カルシウムである請求項1に記載の組成物。

請求項4

過塩基化スルホン酸カルシウムが、約150〜約450の全塩基価を有する請求項3に記載の組成物。

請求項5

モリブデン化合物由来のモリブデンが、約10〜約750ppmの量で存在する請求項1に記載の組成物。

請求項6

モリブデン化合物由来のモリブデンが、約10〜約350ppmの量で存在する請求項5に記載の組成物。

請求項7

モリブデン化合物由来のモリブデンが、約30〜約200ppmの量で存在する請求項6に記載の組成物。

請求項8

モリブデン化合物が有機モリブデン化合物である請求項1に記載の組成物。

請求項9

モリブデン化合物が、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンジアルキルジチオリン酸モリブデンジアルキルジチオホスフィン酸モリブデン、キサントゲン酸モリブデンチオキサントゲン酸モリブデン及びそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項8に記載の組成物。

請求項10

モリブデン化合物がジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンとして存在する請求項9に記載の組成物。

請求項11

モリブデン化合物が三核モリブデン化合物である請求項10に記載の組成物。

請求項12

モリブデン化合物が塩基性窒素化合物のモリブデン/硫黄複合体である請求項1に記載の組成物。

請求項13

少なくとも1種のジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物が、少なくとも1種のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛化合物を含む請求項1に記載の組成物。

請求項14

窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤が、組成物の全質量をベースとして約0.25〜約2.0質量%の量で存在する請求項1に記載の組成物。

請求項15

少なくとも1種の、窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤がエステルである請求項1に記載の組成物。

請求項16

エステルがグリセロールモノオレエートである請求項15に記載の組成物。

請求項17

ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物由来のリン含量が、約0.025〜約0.1質量%である請求項1に記載の組成物。

請求項18

ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物由来のリン含量が、約0.025〜約0.075質量%である請求項17に記載の組成物。

請求項19

ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物由来のリン含量が、約0.025〜約0.05質量%である請求項18に記載の組成物。

請求項20

内燃エンジン燃料経済性及び燃料経済性維持特性を改善する方法であって、(1)該エンジンへ請求項1に記載の潤滑油組成物を添加する工程;及び(2)該エンジンを稼動する工程を含む該方法。

請求項21

内燃エンジンの耐摩耗保護を改善する方法であって、(1)該エンジンへ請求項1に記載の潤滑油組成物を添加する工程;及び(2)該エンジンを稼動する工程を含む該方法。

請求項22

内燃エンジンのシール及び潤滑油組成物の間の適合性を改善する方法であって、(1)該エンジンへ請求項1に記載の潤滑油組成物を添加する工程;及び(2)該エンジンを稼動する工程を含む該方法。

技術分野

0001

本発明は、潤滑油組成物に関する。より具体的には、本発明は、改善された低温弁摩耗性能、最近の内燃エンジンにおけるシール通常用いられるフルオロエラストマー材料との優秀適合性、及び改善された燃料経済特性を同時に示す潤滑油組成物に関する。

背景技術

0002

内燃エンジンを潤滑化させるために使用される潤滑油組成物は、潤滑粘度のベースオイル、又はそのようなオイルの混合物、及び該オイルの性能を改善するために使用される添加剤を含む。例えば、添加剤を使用することにより、清浄性が改善され、エンジン摩耗が低減され、熱又は酸化安定性が提供され、油消費量が低減され、腐食が抑制され、分散剤作用が発揮され、また、摩擦損失が低減される。数種の添加剤により、複数の利点、例えば分散剤粘度改良剤が提供される。他の添加剤は、潤滑油の1つの特性を改善するものの、他の特性には悪影響を及ぼす。従って、最適な全体的性能を有する潤滑油を提供するためには、入手可能な種々の添加剤の全ての作用を特徴付け、理解すること、及び潤滑剤の添加剤含量のバランス慎重に行うことが必要とされる。

0003

油溶性モリブデン化合物潤滑剤添加剤として有用であることが多くの特許及び文献中において提案されている(例えばUS-A-4,164,473、4,176,073、4,176,074、4,192,757、4,248,720、4,201,683、4,289,635及び4,479,883)。特に、モリブデン化合物、具体的にはジチオカルバミン酸モリブデン化合物を油へ添加することにより、改善された境界(boundary)摩擦特性が提供され、テーブル試験により、そのようなモリブデン化合物を含有する油の摩擦係数が、一般に、有機摩擦改良剤を含有する油より低いことが分かる。この摩擦係数における低減は、改善された耐摩耗特性をもたらし、短期的及び長期的の双方の燃料経済特性(即ち燃料経済性維持特性)を含む、ガソリン又はディーゼル燃焼エンジンにおける強化された燃料経済性に貢献し得る。耐摩耗作用を提供するために、モリブデン化合物は、一般に、約350〜約2000ppmのモリブデンが油に導入される量で添加される。モリブデン化合物は効果的な耐摩耗剤であり、更に、燃料経済性における利点を提供し得るが、そのようなモリブデン化合物は、より一般的な、金属を含まない(無灰の)有機摩擦改良剤と比較して高価である。

0004

US-A-6,300,291には、特定のNoack揮発度を有し、かつ、特定の粘度指数のベースオイルで、カルシウムベース清浄剤ジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛ZDDP)耐摩耗剤、モリブデン化合物及び窒素含有摩擦改良剤を含む潤滑油組成物が開示されている。そのモリブデン化合物は、配合される潤滑剤のモリブデン含量が350ppmまでとなる量で使用される。その材料は、モリブデン化合物のみを含む組成物と比べて、優秀な燃料経済性を提供するとされている。最近の内燃エンジンは、フルオロエラストマー材料、例えばViton(商標)から形成された数種のガスケット及び他のシールを含む。窒素含有添加剤は、経時的に、そのような材料の劣化に対して貢献すると考えられる。

発明が解決しようとする課題

0005

従って、改善された燃料経済性を提供し;優秀な摩擦保護特性を示し、比較的低コストであり、かつ、窒素含有摩擦改良剤を含まない潤滑油組成物を提供することが望まれる。

課題を解決するための手段

0006

少量の1種又は2種以上の油溶性モリブデン化合物を、窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤、ZDDP及びカルシウム清浄剤と組み合せて添加することにより、低コストで、燃料経済性が優秀で、摩耗保護特性が優秀で、Viton(商標)及び同様のフルオロエラストマーから形成されたエンジンシールに対する悪影響が低減された潤滑油が提供されることを見い出した。本発明は、また、以下に記載するような、明らかとされる多くの追加の利点を提供する。

0007

第1態様によれば、本発明により提供される潤滑油組成物が、優秀な低温弁列摩耗性能、改善された燃料経済性維持特性及び改善されたフルオロエラストマーベースのエンジンシールとの適合性を示し;少なくとも95の粘度指数(VI)を有する潤滑粘度の油、約0.05〜約0.6質量%のカルシウムが組成物へ導入される量のカルシウム清浄剤、約0.1質量%(1000ppm)までのリンが組成物へ導入される量のジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩化合物、モリブデン含量が少なくとも10ppmの組成物を提供するのに十分な量の、少なくとも1種のモリブデン化合物、及び有効量の、少なくとも1種の、窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤を含み;かつ、Noack揮発度が15%又はそれ未満である。第2態様によれば、本発明は、内燃エンジンの燃料経済性、シール寿命及び/又は摩耗特性を改善する方法であって、内燃エンジンを、第1態様の潤滑油組成物で潤滑化する工程、及び該エンジンを稼動する工程を含む方法である。第3態様によれば、本発明は、内燃エンジンの燃料経済性、シール寿命及び/又は摩耗特性を改善するための、第1態様の潤滑油組成物の使用である。本発明の他の及び更なる目的、利点及び特徴は以下の記載から明らかとなるであろう。

発明を実施するための最良の形態

0008

潤滑粘度の油は、グループI、グループII又はグループIIIベースストック及びそれらのベースストックのベースオイルブレンドからなる群より選ばれる少なくとも1種の油であってもよく、但し、ベースオイル又はベースオイルブレンドの粘度は、少なくとも95であり、かつ、ASTMD5880の手順に従って250℃で1時間、油の質量%における蒸発損失を測定することによるNoack揮発度が15%又はそれ未満である潤滑油組成物の形成を可能にするものである。また、潤滑粘度の油は、1又は2以上のグループIV又はグループVベースストック、又はそれらの組み合せであってもよく、又は1又は2以上のグループI、グループII及び/又はグループIIIベースストックとの組み合せで1又は2以上のグループIV又はグループVベースストックを含むベースオイル混合物であってもよい。

0009

燃料経済性維持に最も好ましい油は:
(a)グループIIIベースストックとグループI又はグループIIベースストックのベースオイルブレンド、ここで、その組合せは少なくとも110の粘度指数を有する;又は
(b)グループIII、IV又はVベースストック、又は2以上のグループIII、IV又はVベースストックのベースオイルブレンド、ここで、その粘度指数は約120〜約140である。本発明におけるベースストック及びベースオイルについての定義は、米国石油協会(API)の出版物"Engine Oil Licensing and Certification System", Industry Services Department, Fourteenth Edition, December 1996, Addendum1, December 1998のものと同一である。前記出版物によればベースストックが以下のように分類される:

0010

a)グループIベースストックは、飽和度が90%未満であり、及び/又は硫黄含量が0.03%より高く、かつ、粘度指数が80に等しいか又はそれより高く120未満であり、これは表E−1に記載の試験方法による;
b)グループIIベースストックは、飽和度が90%に等しいか又はそれより高く、硫黄含量が0.03%に等しいか又はそれ未満であり、かつ、粘度指数が80に等しいか又はそれより高く120未満であり、これは表E−1に記載の試験方法による;
c)グループIIIベースストックは、飽和度が90%に等しいか又はそれより高く、硫黄含量が0.03%に等しいか又はそれ未満であり、かつ、粘度指数が120に等しいか又はそれより高く、これは表E−1に記載の試験方法による;
d)グループIVベースストックはポリαオレフィン(PAO)を含み;かつ
e)グループVベースストックはグループI、II、III又はIVに含まれない他の全てのベースストックを含む。

0011

表E−1:ベースストックの分析方法
ID=000002HE=050 WI=059 LX=0305 LY=1800

0012

本発明の潤滑油組成物に対して、潤滑油組成物中における摩擦改良性及び/又は耐摩耗特性を有する適切な油溶性有機モリブデン化合物を使用することができる。そのような油溶性有機モリブデン化合物の例としては、そのジチオカルバメートジチオホスフェートジチオホスフィネートキサンテートチオキサンテート、スルフィドなど、及びそれらの混合物を挙げることができる。特に好ましいものは、モリブデンのジチオカルバメート、ジアルキルジチオホスフェート、アルキルキサンテート及びアルキルチオキサンテートである。モリブデン化合物は、一核、二核、三核又は四核であってもよい。二核又は三核モリブデン化合物が好ましい。モリブデン化合物は、好ましくは、有機モリブデン化合物である。より好ましくは、モリブデン化合物は、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、ジチオリン酸モリブデン、ジチオホスフィン酸モリブデン、キサントゲン酸モリブデン、チオキサントゲン酸モリブデン、硫化モリブデン及びそれらの混合物からなる群より選ばれる。最も好ましくは、モリブデン化合物は、ジチオカルバミン酸モリブデン又は三核有機モリブデン化合物として存在する。

0013

また、モリブデン化合物は、酸性モリブデン化合物であってもよい。これらの化合物は、ASTM試験D−664又はD−2896滴定手順で測定されるように、塩基性窒素化合物と反応し、典型的には六価であろう。例としては、モリブデン酸モリブデン酸アンモニウムモリブデン酸ナトリウムモリブデン酸カリウム及び他のアルカリ金属モリブデン酸塩、及び他のモリブデン酸塩、例えば、モリブデン酸水素ナトリウム、MoOCl4、MoO2Br2、Mo2O3Cl6、三酸化モリブデン又は類似の酸性モリブデン化合物が挙げられる。あるいはまた、本発明により提供され得る組成物は、例えば、US-A-4,263,152、4,285,822、4,283,295、4,272,387、4,265,773、4,261,843、4,259,195及び4,259,194、及びWO 94/06897に記載されたような塩基性窒素化合物のモリブデン/硫黄複合体によるモリブデンを含んでいてもよい。

0014

モリブデン化合物のうち、本発明の組成物において有用なものは、式Mo(ROCS2)4及びMo(RSCS2)4(式中、Rは、アルキルアリールアラルキル及びアルコキシアルキルからなる群より選ばれる有機基であり、一般に、炭素原子数が1〜30、好ましくは2〜12であり、最も好ましくは炭素原子数が2〜12のアルキルである)の有機モリブデン化合物である。特に好ましいものは、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンである。本発明の潤滑油組成物中において有用な、あるクラスの好ましい有機モリブデン化合物は、三核モリブデン化合物であり、特には、式Mo3SkLnQzの化合物及びそれらの混合物であり、式中、Lは、独立して、化合物が該油中溶解性又は分散性となるのに十分な数の炭素原子を有する有機基を有する選択されたリガンドであり、nは1〜4であり、kは4〜7で変動し、Qは、中性電子供与化合物、例えば水、アミンアルコールホスフィン及びエーテルからなる群より選ばれ、かつ、zは0〜5で非化学量論値を含む。全てのリガンド有機基において存在すべき全炭素原子数は、少なくとも21、例えば少なくとも25、少なくとも30、又は少なくとも35である。

0015

リガンドは、独立して、

0016

用語“ヒドロカルビル”は、リガンドの残部へ直接結合する炭素原子を有する置換基を示し、主には炭化水素特性のものである。そのような置換基としては次のものが挙げられる:
1.炭化水素置換基、即ち、脂肪族(例えばアルキル又はアルケニル)、脂環式(例えばシクロアルキル又はシクロアルケニル)置換基、芳香族-、脂肪族-及び脂環式-置換芳香核など、及び環状置換基、ここで、その環は、リガンドの他の部分を介して完成する(即ち、2つの置換基が一緒になって脂環を形成する)。
2.置換炭化水素置換基、即ち、その置換基の主なヒドロカルビル特性を変更しない非炭化水素基を含有するもの。当該技術分野における当業者は、適切な基(例えばハロ、特にはクロロ及びフルオロアミノアルコキシルメルカプトアルキルメルカプトニトロ、ニトロソスルホキシなど)に気づくであろう。
3.ヘテロ置換基、即ち、別の方法で炭素原子からなる鎖又は環中に存在する炭素原子以外の原子を含むが、主な炭化水素特性は保持している置換基。

0017

重要なことには、リガンドの有機基は、その化合物を油中に溶解性又は分散性にするのに十分な数の炭素原子を有する。例えば、各基における炭素原子数は、一般には、約1〜約100、好ましくは約1〜約30、及びより好ましくは約4〜約20であろう。好ましいリガンドとしては、ジアルキルジチオホスフェート、アルキルキサンテート、ジアルキルジチオカルバメートが挙げられ、これらのうち、ジアルキルジチオカルバメートがより好ましい。前記官能基の2又は3以上を含む有機リガンドは、また、リガンドとして機能し、1又は2以上のコアと結合可能である。当該技術分野における当業者は、本発明の化合物の形成には、コアの電荷をバランスするのに適する電荷を有するリガンドの選択が必要であることを理解するであろう。

0018

式Mo3SkLnQzを有する化合物は、アニオン性リガンドに囲まれているカチオン性コアを有し、例えば

0019

油溶性又は油分散性三核モリブデン化合物は、適切な液体溶剤中において、モリブデン源、例えば(NH4)2Mo3S13・n(H2O)(式中、nは0〜2で変動し、非化学量論値を含む)を、適切なリガンド源、例えばテトラアルキルチウラムジスルフィドと反応させることにより製造することができる。他の油溶性又は油分散性三核モリブデン化合物は、適切な溶剤中における、モリブデン源、例えば(NH4)2Mo3S13・n(H2O)、リガンド源、例えばテトラアルキルチウラムジスルフィド、ジアルキルジチオカルバメート又はジアルキルジチオホスフェート、及び硫黄除去剤(a sulfur-abstracting agent)、例えばシアン化物イオン亜硫酸イオン又は置換ホスフィンの反応の間に形成され得る。あるいはまた、三核モリブデン硫黄ハライド塩、例えば[M’]2[Mo3S7A6](式中、M’は対イオンであり、Aはハロゲン、例えばCl、Br又はIである)が、リガンド源、例えば、ジアルキルジチオカルバメート又はジアルキルジチオホスフェートと適切な液体/溶剤中において反応して、油溶性又は油分散性三核モリブデン化合物を形成し得る。適切な液体/溶剤は、例えば、水性又は有機物であってもよい。

0020

化合物の油溶性又は油分散性は、リガンド有機基中の炭素原子数により影響を受け得る。本発明の化合物中において、少なくとも21個の全炭素原子が、全リガンド有機基中に存在すべきである。好ましくは、選ばれるリガンド源の有機基中の炭素原子数は、化合物を潤滑油組成物に溶解性又は分散性とするのに十分なものである。本件明細書において使用する用語“油溶性”又は“油分散性”は、必ずしも、化合物又は添加剤が油中に全ての割合で可溶性、溶解性、混和性、又は懸濁可能であることを示す訳ではない。しかしながら、これらの用語は、それらが、例えば、油が使用される環境下において発揮されることが意図される作用をもたらすのに十分な程度まで油中に溶解性又は安定分散性であることを意味する。更に、他の添加剤の更なる導入により、また、所望なら、特定の添加剤を更に高いレベルで導入することが可能となる。

0021

本発明の潤滑油組成物は、組成物のモリブデン含量が少なくとも10ppmとなる量でモリブデン化合物を含む。モリブデン化合物由来のモリブデン含量少なくとも10ppmが、窒素を含まない無灰有機摩擦改良剤との組合せで燃料経済性を改善するのに効率的であることを見い出した。好ましくは、モリブデン化合物由来のモリブデンは、潤滑油組成物の全質量をベースとして、約10〜約750ppm、例えば約10〜約350ppm、より好ましくは約30〜約200ppm、更により好ましくは約50〜約100ppmで存在する。そのようなモリブデン化合物により、また、耐摩耗性信頼(credit)が潤滑油組成物に付与されるので、その使用によりジヒドロカルビルジチオリン酸金属耐摩耗剤(ZDDP)の使用量を低減することが可能となる。工業的な傾向は、潤滑油に添加されるZDDPの量を低減して、該油中のリン含量を1000ppm未満まで、例えば250〜750ppm、又は250〜500ppmまで低減することにある。そのような低リン潤滑油組成物中における適切な摩耗保護を付与するためには、モリブデン化合物は、モリブデン含量が少なくとも50ppmとなる量で存在すべきである。モリブデン及び/又は亜鉛量は、ASTMD5185に記載された方法を用いる誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により測定することができる。

0022

本発明の潤滑油組成物中において有用な、窒素を含まない、有機無灰(金属を含まない)摩擦改良剤は、一般に知られており、かつ、カルボン酸及び無水物をアルカノールと反応させることにより形成されるエステルを含む。他の有用な摩擦改良剤は、一般に、親油性炭化水素鎖共有結合する極性末端基(例えばカルボキシル又はヒドロキシル)を含む。カルボン酸及び無水物とアルカノールとのエステルは、US-A-4,702,850に記載されている。他の従来の有機摩擦改良剤の例は、M. Belzerにより"Journal of Tribology" (1992), Vol. 114, pp. 675-682に、またM. BelzerとS. Jahanmirにより"Lubrication Science" (1988), Vol. 1, pp. 3-26に記載されている。

0023

本発明の潤滑油組成物中に含まれる有機摩擦改良剤の量は、モリブデン化合物との組合せで、該化合物が、高い信頼性をもって、シーケンスVIB燃料経済性試験合格可能とするのに効果的なものである。例えば、窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤のモリブデン含有潤滑油組成物への添加量は、ASTMシーケンスVIB燃料経済性試験において、96時間の測定(段階2性能)で、少なくとも、SAE5W−20潤滑剤については1.7%、5W−30潤滑剤については1.1%、及び10W−30潤滑剤については0.6%の保持燃料経済改善性を得るのに十分なものとすることができる。典型的には、所望の作用を提供するための、窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤の添加量は、潤滑油組成物の全質量をベースとして、約0.25〜約2.0質量%(A.I.)である。好ましい窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤はエステルであり;特に好ましい窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤はグリセロールモノオレエートGMO)である。

0024

本発明の組成物から排除される無灰アミン系摩擦改良剤としては、境界層潤滑性を改善するが、フルオロエラストマーシール材料経時的劣化に貢献し得る油溶性アルコキシル化モノ-及びジ-アミンが挙げられる。そのような金属を含まない窒素含有摩擦改良剤のある通常のクラスには、エトキシル化アミンが含まれる。これらのアミンは、また、ホウ素化合物、例えば酸化ホウ素(boric oxide)、ホウハロゲン化物メタボレートホウ酸又はモノ-、ジ-又はトリ-アルキルボレートの付加又は反応生成物の形態にある場合に排除される。

0025

金属含有又は灰形成清浄剤は、堆積物を低減又は除去するための清浄剤として、及び酸中和剤又は錆び抑制剤としての双方として機能し、それにより、摩耗及び腐食を低減し、エンジン寿命を引き延ばす。清浄剤は、一般に、極性ヘッド長鎖疎水性尾を含み、極性ヘッドは、酸性有機化合物金属塩を含む。その塩は、実質的な化学量論量の金属を含んでいてもよく、それらは、通常、正塩又は中性塩と記載され、典型的には、ASTMD−2986により測定する全塩基価(TBN)が0〜80であろう。多量の金属塩基を含ませることも可能であるが、これは、過剰の金属化合物、例えば酸化物又は水酸化物を、酸性ガス、例えば二酸化炭素と反応させることによる。得られる過塩基化清浄剤は、金属塩基(例えばカーボネートミセル外層として中和清浄剤を含む。そのような過塩基化清浄剤のTBNは、150又はそれより高く、典型的には250〜450又はそれより高いものであってもよい。

0026

既知の清浄剤としては、金属、特にはアルカリ又はアルカリ土類金属、例えばナトリウムカリウムリチウム、カルシウム及びマグネシウムの、油溶性中性及び過塩基スルホネートフェナート硫化フェナート、チオホスホネートサリチレート、及びナフテネート及び他の油溶性カルボキシレートが挙げられる。最も通常用いられる金属は、カルシウム及びマグネシウム(それらは双方とも、潤滑剤中に使用される清浄剤に存在していてもよい)、及びカルシウム及び/又はマグネシウムとナトリウムの混合物である。特に都合の良い金属清浄剤は、TBNが20〜450の中性及び過塩基化スルホン酸カルシウム、及びTBNが50〜450の中性及び過塩基化石炭酸カルシウム及び硫化石炭酸カルシウムである。

0027

本発明において、1又は2以上のカルシウムベースの清浄剤は、組成物中に約0.05〜約0.6質量%のカルシウムが導入される量で使用される。カルシウムの量は、ASTMD5185に記載された方法を用いる誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により測定することができる。好ましくは、カルシウムベースの清浄剤は過塩基化されたものであり、その過塩基化カルシウムベース清浄剤の全塩基価は約150〜約450である。より好ましくは、カルシウムベース清浄剤は、過塩基化スルホン酸カルシウム清浄剤である。本発明の組成物は、更に、中性又は過塩基化マグネシウムベース清浄剤のいずれかを含んでいてもよいが、好ましくは、本発明の潤滑油組成物はマグネシウムを含まない。本発明の潤滑油組成物に添加することができるジヒドロカルビルジチオリン酸金属耐摩耗剤は、ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩を含み、その金属は、アルカリ又はアルカリ土類金属、アルミニウム、鉛、錫、モリブデン、マンガンニッケル、銅、好ましくは亜鉛を含んでいてもよい。亜鉛塩が、潤滑油中において最も通常使用されるものである。

0028

ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩は、既知の技術に従って、最初に、ジヒドロカルビルジチオリン酸(DDPA)の形成を、通常、1種又は2種以上のアルコール又はフェノールとP2S5の反応により行い、次いで、形成されたDDPAを金属化合物で中和することにより製造することができる。例えば、ジチオリン酸は、第1級及び第2級アルコールの混合物を反応させることにより製造することができる。あるいはまた、複数のジチオリン酸を製造することができ、そこでは、一方におけるヒドロカルビル基性質上完全に第2級であり、かつ、他方におけるヒドロカルビル基が性質上完全に第1級である。その金属塩を製造するために、任意の塩基性又は中性金属化合物を使用することができるが、酸化物、水酸化物及び炭酸塩が最も通常使用される。商業的な添加剤は、多くの場合、過剰な金属を含み、なぜなら、過剰な塩基性金属化合物中和反応において使用されるからである。

0029

好ましいジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)は、ジヒドロカルビルジチオリン酸の油溶性塩であり、以下の式により表すことができる:

0030

ZDDPにより潤滑油組成物中に導入されるリンの量を0.1質量%(1000ppm)以下に制限するために、ZDDPは、好ましくは、潤滑油組成物の全質量をベースとして、約1.1〜1.3質量%を超えない量で潤滑油組成物に添加するべきである。他の添加剤、例えば以下に記載するものが、また、本発明の潤滑油組成物中に存在していてもよい。無灰分散剤は、分散される粒子と結合可能な官能基を有する油溶性高分子炭化水素主鎖を含む。典型的には、分散剤は、アミン、アルコール、アミド、又はエステル極性成分(その多くが結合基を介して高分子主鎖へ結合する)を含む。無灰分散剤は、例えば、長鎖炭化水素置換モノ-及びジ-カルボン酸又はそれらの無水物の油溶性塩、エステル、アミノ-エステル、アミド、イミド及びオキサゾリン;長鎖炭化水素のチオカルボキシレー誘導体;それらに直接結合するポリアミンを有する長鎖脂肪族炭化水素;及び長鎖置換フェノールホルムアルデヒド及びポリアルキレンポリアミン縮合させることにより形成されるマンニッヒ縮合生成物から選ぶことができる。

0031

粘度改良剤(VM)は、高温及び低温作業性を潤滑油に付与するように機能する。使用するVMは、単一の機能を有していてもよく、又は、多機能性であってもよい。分散剤としても機能し得る多機能性粘度改良剤が、また、知られている。適切な粘度改良剤は、ポリイソブチレンエチレン及びプロピレン及び高αオレフィンコポリマーポリメタクリレートポリアルキルメタクリレートメタクリレートコポリマー不飽和ジカルボン酸及びビニル化合物のコポリマー、スチレン及びアクリル酸エステル共重合体、及びスチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン及びイソプレン/ブタジエンの部分水素化コポリマー、及びブタジエン及びイソプレン及びイソプレン/ジビニルベンゼンの部分水素化ホモポリマーである。

0032

酸化抑制剤及び酸化防止剤は、ベースストックが使用中に劣化する傾向を低減し、その劣化は、酸化生成物、例えば金属表面上におけるスラッジ及びワニス様堆積物により、又は粘度上昇により証明され得る。そのような酸化抑制剤としては、ヒンダードフェノール、好ましくはC5-12のアルキル側鎖を有するアルキルフェノールチオエステルアルカリ土類金属塩ノニルフェノール硫化カルシウム、無灰の油溶性フェナート及び硫化フェナート、ホスホ硫化又は硫化炭化水素、リンエステル、金属チオカルバメート及び油溶性銅化合物(US-A-4,867,890に記載されたようなもの)が挙げられる。ノニオン性ポリオキシアルキレンポリオール及びそれらのエステル、ポリオキシアルキレンフェノール及びアニオン性アルキルスルホン酸からなる群より選ばれる錆び抑制剤を使用してもよい。

0033

銅及び鉛含有腐食抑制剤を使用してもよいが、典型的には、本発明の配合に必須ではない。典型的に、そのような化合物は、炭素原子数5〜50のチアジアゾールポリスルフィド、それらの誘導体及びそれらのポリマーである。1,3,4チアジアゾールの誘導体、例えばUS-A-2,719,125、2,719,126及び3,087,932に記載されたものが典型例である。他の類似する材料が、US-A-3,821,236、3,904,537、4,097,387、4,107,059、4,136,043、4,188,299及び4,193,882に記載されている。他の添加剤は、チアジアゾールのチオ及びポリチオスルフェンアミド、例えばUK1,560,830に記載されたものである。ベンゾトリアゾール誘導体が、また、このクラスの添加剤に包含される。これらの化合物が潤滑油組成物中に含まれる場合には、それらは、好ましくは、0.2質量%活性成分を超えない量で存在する。

0034

少量の解乳化成分を使用してもよい。好ましい解乳化成分は、EP330,522に記載されている。それは、ビスエポキシド及び多価アルコールの反応により得られた付加物アルキレンオキシドとを反応させることにより得ることができる。解乳化剤は、0.1質量%活性成分を超えないレベルで使用すべきである。0.001〜0.05質量%活性成分の処理割合が有利である。流動点降下剤、あるいはまた潤滑油流動性改良剤として知られるものは、流体流動する又は注入可能である最低温度を低減する。そのような添加剤は、よく知られている。流体の低温流動性を改善する添加剤の例は、C8-18ジアルキルフマレートビニルアセテートコポリマー、ポリアルキルメタクリレートなどである。泡調節は、ポリシロキサンタイプの消泡剤、例えばシリコーンオイル又はポリジメチルシロキサンを含む多くの化合物により行うことができる。

0035

上記添加剤の数種は、複数の作用を提供し得、従って、例えば、単一の添加剤が分散剤−酸化抑制剤として作用し得る。このアプローチは、よく知られており、更に述べることは不要であろう。個々の添加剤を、任意の都合の良い方法でベースストックに導入することができる。従って、各成分を、直接、ベースストック又はベースオイルブレンドに添加することができ、これは、それらをベースストック又はベースオイルブレンド中に所望濃度で分散又は溶解することによる。そのようなブレンドは、周囲温度又は高温で行うことができる。好ましくは、粘度改良剤及び流動点降下剤を除く全ての添加剤を、濃縮物又は添加剤パッケージ(本件明細書において添加剤パッケージと記載する)にブレンドし、それを次いで、ベースストックにブレンドして最終潤滑剤を製造する。その濃縮物は、典型的に、添加剤含量が、濃縮物を所定量のベース潤滑剤と組み合せた際に最終配合物中において所望濃度が達成されるのに適するものとなるように配合されるであろう。

0036

その濃縮物は、好ましくは、US-A-4,938,880に記載された方法に従って製造される。その特許文献には、少なくとも約100℃の温度で前ブレンドされた、無灰分散剤及び金属清浄剤のプレミックスを製造することが記載されている。次いで、そのプレミックスが少なくとも85℃に冷却され、更なる成分が添加される。最終クランクケース潤滑油配合物は、濃縮物又は添加剤パッケージの2〜20質量%、好ましくは4〜18質量%、及び最も好ましくは約5〜約17質量%で使用し、残部をベースストックとすることができる。

0037

実施例1(シール性能
5W−30グレードの潤滑油組成物の配合は、実質的に同量のグループIIベースオイル(粘度指数118)、粘度改良剤、流動点降下剤、分散剤、酸化防止剤、乳化剤及び解乳化剤、ZDDP、モリブデン化合物(ジチオカルバミン酸モリブデン)、過塩基化スルホン酸カルシウム清浄剤(300TBN)、窒素を含む有機摩擦改良剤(エトキシル化獣脂アミン又はETA)及び窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤(グリセロールモノオレエート又はGMO)を、表1に示すように用いて行った。

0038

表1
ID=000006HE=100 WI=098 LX=0560 LY=0300

0039

上記配合物を、VWPV3344方法を用いるフォルクスワーゲンバイトンシール試験において性能評価した。合否の基準は、引張強度破断点伸びの低下、クラック存否とした。評価の結果を表2に示す。

0040

表2
ID=000007HE=065 WI=098 LX=0560 LY=1450
*(F)は“不合格”を示す。表2の結果から、窒素含有摩擦改良剤(ETA)が、評価した全ての基準においてシール性能について負の影響を有することが明らかである。GMOは、シール性能に影響を及ぼさない。

0041

実施例2(燃料経済性)
0W−20グレードの潤滑油組成物の配合は、実質的に同量のグループIIベースオイル(粘度指数118)、粘度改良剤、流動点降下剤、分散剤、酸化防止剤、乳化剤及び解乳化剤、ZDDP、モリブデン化合物(ジチオカルバミン酸モリブデン)、過塩基化スルホン酸カルシウム清浄剤(300TBN)及び窒素を含まない有機無灰摩擦改良剤(グリセロールモノオレエート又はGMA)を、表3に示すように用いて行った。ベースラインとの比較のために、オイル10に添加剤を含まない比較ベースオイルを含ませた。

0042

表3
ID=000008HE=105 WI=098 LX=0560 LY=0300

0043

オイル5〜9を、シーケンスVIBスクリーナー試験に付して、燃料経済性能における相違を測定した。シーケンスVIBスクリーナーを用いて、フルレングスASTMシーケンスVIB試験における燃料経済性能を予測した。シーケンスVIBスクリーナー試験において、ベースラインキャリブレーションオイルに対するエンジン燃料消費を測定した。候補オイルへのフライングフィッシュ(flying fish)を行い、オイルを、候補物についてのエンジン燃料消費を測定する前に16時間熟成した。この時点まで、手順は、ASTMシーケンスVIB試験と同一とした。スクリーナーにおいて、燃料経済性の改善を、ステージ1、2及び4について測定したが、ステージ1〜5はフルレングス試験で測定した。最初の候補物の後、二重清浄剤フラッシュ(double detergent flush)を行い、フライングフラッシュを次の候補オイルに行った。記載の手順を、最終候補物を評価するまで続け、次いで、ベースラインキャリブレーションオイルの性能を評価した(第2時間)。結果は、ベースラインキャリブレーションオイル(オイル10)に対する燃料経済性の改善として記載する。

0044

シーケンスVIBスクリーナーのステージ1では、境界摩擦における改善を測定した。その試験のこのステージでは、摩擦を低減する化合物が強い応答を示すと考えられる。ジチオカルバミン酸モリブデンは、境界摩擦を低減することが知られており、ベンチ摩擦リグ高周波往復リグ、又はHFRR)は、ジチオカルバミン酸モリブデンを含むオイルの摩擦係数が、一般に、有機摩擦改良剤を含むオイルより非常に低いことを示す。従って、低レベルのジチオカルバミン酸モリブデンと有機摩擦改良剤の組合せにより、高レベルのジチオカルバミン酸モリブデンを含む以外は同一のオイルと比較して、境界条件下における燃料経済性能が劣ったものとなると考えられる。

0045

表4(シーケンスVIBスクリーナー結果)
ID=000009HE=035 WI=098 LX=0560 LY=2250

0046

オイル5は、モリブデンも有機摩擦改良剤も含まないものとした。オイル6は、それがジチオカルバミン酸モリブデン由来のMo含量が170ppmである以外はオイル5と同一のものとした。摩擦改良剤なし(オイル5)で、ステージ1は、ベースラインキャリブレーションオイルに対して負(劣ったもの)となった。モリブデンを添加すること(オイル6)により、ステージ1性能が改善されたが、燃料経済性の改善は、ベースラインキャリブレーションオイルに対して負のままであった。ジチオカルバミン酸モリブデンは、HFRRにおいて、有機摩擦改良剤より効力があるので(表5参照)、モリブデン含量が最も高いオイルが最良の性能を示すと考えられる。しかしながら、モリブデン170ppmと有機摩擦改良剤1.0質量%の組合せを有するオイル7は、モリブデン含量が820ppmのオイル8と比較して改善された燃料経済性を示した。最適な燃料経済性は、170ppmのMo、1質量%のグリセロールモノオレエート、及び500ppmのジアルキルジチオリン酸亜鉛由来リン(オイル9)により達成された。

0047

表5(HFRRデータ)
ID=000010HE=060 WI=098 LX=0560 LY=0600

0048

表5に、オイル5〜9についてのHFRR結果を示した。上述したように、HFRR結果は、モリブデン含有潤滑剤が、特に80及び100℃で摩擦係数における低減を示すことを示唆する。モリブデンと有機摩擦改良剤の組合せは、モリブデンのみを170ppm又は820ppmで含む場合より劣っていた。500及び1000ppmのPを提供する量のZDDPと有機摩擦改良剤と高い及び低いレベルのモリブデンの間に相違はない。このデータから、表4に概要されるシーケンスVIBスクリーナーの結果が予期されないであろうことが証明される。上述した全ての特許文献、試験規格及び他の文献の内容は本件明細書に含まれるものとする。本発明に関し数種の具体的な実施態様を説明及び記載してきたが、当業者に明らかな多くの変更を受け易いと理解すべきである。従って、本発明は、詳細に記載したものに制限されると理解すべきではなく、本発明の範囲内において変更及び改変が行われたものも含む。

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