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技術 ノルボルネン系開環重合体、ノルボルネン系開環重合体水素化物およびそれらの製造方法

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 岡田誠司角替靖男田口和典
出願日 2002年4月11日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2002-109210
公開日 2003年10月21日 (17年1ヶ月経過) 公開番号 2003-301032
状態 未査定
技術分野 ポリオキシメチレン、炭素-炭素結合重合体
主要キーワード 非球形レンズ 車両部品用 アルダー付加反応 アンダーフィルム ノルボルネン系開環重合体水素化物 水素化触媒溶液 ルテニウムカルベン錯体触媒 メタセシス反応触媒
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この項目の情報は公開日時点(2003年10月21日)のものです。
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図面 (1)

課題

官能基を含有するスピラン環を置換基として有する重合反応性が高いノルボルネン系単量体(2)を開環メタセシス重合して得られるノルボルネン系開環重合体開環重合体)及びその製造方法、該開環重合体を水素化して得られるノルボルネン系開環重合体水素化物水素化物)及びその製造方法を提供する。

解決手段

分子内にノルボルネン系単量体由来繰り返し単位(1)を有し、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー法により求められる重量平均分子量が1,000〜1,000,000である開環重合体及びその製造方法、並びに前記開環重合体の二重結合のうち50%以上が水素化されてなる水素化物及びその製造方法。

化1

(式中、R1、R2は水素原子等を、Xは酸素原子又はNH等を、Yはメチレン基等を、mは0又は1をそれぞれ表す。)

概要

背景

近年、官能基置換基として有するノルボルネン系単量体(以下、「官能基含有ノルボルネン系単量体」ともいう。)の開環重合体及びその水素化物は、耐熱性電気特性低吸水性等に優れた官能基含有ポリマーとして注目されている。また、該ポリマーは、金属やガラス等の無機材料に対する密着性に優れ、酸化防止剤可塑剤紫外線吸収剤着色剤硬化剤難燃剤等の有機材料との相溶性にも優れるため、広範な複合材料用途への利用が期待されている。

従来、官能基含有ポリマーの製造例としては、例えば、シクロペンタジエンと、アクリル酸エステルメタクリル酸エステルアクリロニトリル無水マレイン酸マレイミド等の官能基含有オレフィンとのディールスアルダー付加反応によって得られる5位若しくは6位、又は5,6位の両方に官能基を置換基として有するノルボルネン系単量体を、メタセシス反応触媒を用いて開環重合することによって得る方法が知られている(特開昭50−58200号公報、特公昭60−43365号公報、Polymer Vol.39,Number39、No.5,pp1007−1014,1998年、Macromolecules.,第33巻、6239頁、2000年等)。

また、官能基含有ポリマーを効率よく製造する別の方法として、5位若しくは6位、又は5,6位の両方に官能基を有するノルボルネン系単量体とシクロペンタジエンとが、ディールス・アルダー付加反応した8位若しくは9位、又は8,9位の両方に官能基を置換基として有するテトラシクロドデセン類を、メタセシス重合触媒の存在下に開環重合する方法が知られている(特開平1−132626号公報、WO01/42332号公報等)。

しかしながら、これらの方法においては、製造原料として用いる官能基含有ノルボルネン系単量体の重合反応性が低いため、収率よく開環重合体を得るためには多量の重合触媒を必要とするという問題があった。また、官能基含有ノルボルネン系単量体は、官能基を持たないノルボルネン系単量体よりも重合反応性が低いので、これらを共重合しようとしても、多量の官能基含有ノルボルネン系単量体を必要とする上、所望の組成比分子量をもつ共重合体が得られない場合があった。

概要

官能基を含有するスピラン環を置換基として有する重合反応性が高いノルボルネン系単量体(2)を開環メタセシス重合して得られるノルボルネン系開環重合体(開環重合体)及びその製造方法、該開環重合体を水素化して得られるノルボルネン系開環重合体水素化物(水素化物)及びその製造方法を提供する。

分子内にノルボルネン系単量体由来繰り返し単位(1)を有し、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー法により求められる重量平均分子量が1,000〜1,000,000である開環重合体及びその製造方法、並びに前記開環重合体の二重結合のうち50%以上が水素化されてなる水素化物及びその製造方法。

(式中、R1、R2は水素原子等を、Xは酸素原子又はNH等を、Yはメチレン基等を、mは0又は1をそれぞれ表す。)

目的

本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、容易に入手することができ、重合反応性が高い官能基含有ノルボルネン系単量体を開環重合して得られるノルボルネン系開環重合体及びその製造方法、並びにこのノルボルネン系開環重合体を水素化して得られるノルボルネン系開環重合体水素化物及びその製造方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

分子内に、式(1)

請求項

ID=000003HE=055 WI=039 LX=0405 LY=0450〔式中、R1、R2は、それぞれ独立して水素原子又はヘテロ原子を含有する官能基若しくはハロゲン原子置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表す。Xは酸素原子硫黄原子又はNR3(R3は、水素原子、水酸基置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を表し、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表し、mは0又は1である。〕で表される繰り返し単位を有するノルボルネン系開環重合体であって、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量が1,000〜1,000,000であることを特徴とするノルボルネン系開環重合体。

請求項2

式(2)

請求項

ID=000004HE=055 WI=035 LX=0425 LY=1800(式中、R1、R2、X、Y及びmは前記と同じ意味を表す。)で表されるノルボルネン系単量体を、メタセシス反応触媒の存在下に開環メタセシス重合することを特徴とするノルボルネン系開環重合体の製造方法。

請求項3

前記メタセシス反応触媒として、ルテニウムカルベン錯体触媒を用いる請求項2に記載のノルボルネン系開環重合体の製造方法。

請求項4

請求項1記載のノルボルネン系開環重合体の炭素炭素二重結合水素化して得られるノルボルネン系開環重合体水素化物であって、前記二重結合の50%以上が水素化されたものであることを特徴とするノルボルネン系開環重合体水素化物。

請求項5

請求項1に記載のノルボルネン系開環重合体の炭素−炭素二重結合を水素化触媒存在下に水素化することを特徴とするノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、カルボン酸無水物基又はカルボン酸イミド基を含有するスピラン環を置換基として有するノルボルネン系開環重合体及び該重合体水素化物、並びにこれらの製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、官能基を置換基として有するノルボルネン系単量体(以下、「官能基含有ノルボルネン系単量体」ともいう。)の開環重合体及びその水素化物は、耐熱性電気特性低吸水性等に優れた官能基含有ポリマーとして注目されている。また、該ポリマーは、金属やガラス等の無機材料に対する密着性に優れ、酸化防止剤可塑剤紫外線吸収剤着色剤硬化剤難燃剤等の有機材料との相溶性にも優れるため、広範な複合材料用途への利用が期待されている。

0003

従来、官能基含有ポリマーの製造例としては、例えば、シクロペンタジエンと、アクリル酸エステルメタクリル酸エステルアクリロニトリル無水マレイン酸マレイミド等の官能基含有オレフィンとのディールスアルダー付加反応によって得られる5位若しくは6位、又は5,6位の両方に官能基を置換基として有するノルボルネン系単量体を、メタセシス反応触媒を用いて開環重合することによって得る方法が知られている(特開昭50−58200号公報、特公昭60−43365号公報、Polymer Vol.39,Number39、No.5,pp1007−1014,1998年、Macromolecules.,第33巻、6239頁、2000年等)。

0004

また、官能基含有ポリマーを効率よく製造する別の方法として、5位若しくは6位、又は5,6位の両方に官能基を有するノルボルネン系単量体とシクロペンタジエンとが、ディールス・アルダー付加反応した8位若しくは9位、又は8,9位の両方に官能基を置換基として有するテトラシクロドデセン類を、メタセシス重合触媒の存在下に開環重合する方法が知られている(特開平1−132626号公報、WO01/42332号公報等)。

0005

しかしながら、これらの方法においては、製造原料として用いる官能基含有ノルボルネン系単量体の重合反応性が低いため、収率よく開環重合体を得るためには多量の重合触媒を必要とするという問題があった。また、官能基含有ノルボルネン系単量体は、官能基を持たないノルボルネン系単量体よりも重合反応性が低いので、これらを共重合しようとしても、多量の官能基含有ノルボルネン系単量体を必要とする上、所望の組成比分子量をもつ共重合体が得られない場合があった。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、容易に入手することができ、重合反応性が高い官能基含有ノルボルネン系単量体を開環重合して得られるノルボルネン系開環重合体及びその製造方法、並びにこのノルボルネン系開環重合体を水素化して得られるノルボルネン系開環重合体水素化物及びその製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記課題の解決を図るべく鋭意研究を重ねた結果、カルボン酸無水物基又はカルボン酸イミド基を置換基として有する特定のノルボルネン系単量体を、メタセシス反応触媒の存在下にメタセシス開環重合させると、効率よく官能基を含有するノルボルネン系開環重合体が得られること、及び得られた開環重合体を水素添加することで開環重合体の水素化物を効率よく得ることができることを見出し、本発明を完成するに到った。

0008

かくして本発明の第1によれば、分子内に、式(1)

0009

0010

〔式中、R1、R2は、それぞれ独立して水素原子又はヘテロ原子を含有する官能基若しくはハロゲン原子置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表す。Xは酸素原子硫黄原子又はNR3(R3は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基を表す。)で表される基を表し、Yは置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、mは0又は1である。〕で表される繰り返し単位を有するノルボルネン系開環重合体であって、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量が1,000〜1,000,000であることを特徴とするノルボルネン系開環重合体が提供される。

0011

本発明の第2によれば、式(2)

0012

0013

(式中、R1、R2、X、Y及びmは前記と同じ意味を表す。)で表されるノルボルネン系単量体を、メタセシス反応触媒の存在下に開環メタセシス重合することを特徴とするノルボルネン系開環重合体の製造方法が提供される。本発明の製造方法においては、メタセシス反応触媒として、ルテニウムカルベン錯体触媒を用いるのが好ましい。

0014

本発明の第3によれば、本発明のノルボルネン系開環重合体の炭素炭素二重結合を水素化して得られるノルボルネン系開環重合体水素化物であって、前記二重結合の50%以上が水素化されたものであることを特徴とするノルボルネン系開環重合体水素化物が提供される。

0015

また、本発明の第4によれば、本発明のノルボルネン系開環重合体の炭素−炭素二重結合を水素化触媒存在下に水素化することを特徴とするノルボルネン系開環重合体水素化物の製造方法が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明について、1)ノルボルネン系単量体、2)ノルボルネン系開環重合体及びその製造方法、3)ノルボルネン系開環重合体水素化物及びその製造方法の項目に分けて詳細に説明する。

0017

1)ノルボルネン系単量体
本発明においては、前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体を製造原料として用いる。前記式(2)において、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子又はヘテロ原子を含有する官能基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表す。

0018

前記ヘテロ原子を含有する官能基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基等が挙げられる。

0019

ヘテロ原子は周期律表第15族又は第16族の原子であり、例えば、N、O、P、S、As、Se原子等が挙げられる。また、ハロゲン原子としては、例えば、F、Cl、Br、I原子等が挙げられる。

0020

前記ヘテロ原子を含有する官能基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の置換基を有しない炭素数1〜10のアルキル基;

0021

メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基等の酸素原子を含有する官能基で置換された炭素数1〜10のアルキル基;メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基、3−メチルチオプロピル基、4−メチルチオブチル基等の硫黄原子を含有する官能基で置換された炭素数1〜10のアルキル基;

0022

ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、2−ジメチルアミノエチル基等の窒素原子を含有する官能基で置換された炭素数1〜10のアルキル基;フルオロメチル基、クロロメチル基ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基トリクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基等のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基;等が挙げられる。

0023

前記ヘテロ原子を含有する官能基又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、2−クロロシクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、3−フルオロシクロペンチル基、3−メトキシシクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−クロロシクロヘキシル基等が挙げられる。

0024

また、前記へテロ原子を含有する官能基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、4-クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、3-メトキシフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基等が挙げられる。これらの中でも、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有しない炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましく、R1及びR2がともに水素原子であるのが特に好ましい。

0025

Xは、酸素原子、硫黄原子又はNR3で表される基を表す。ここでR3は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基又は炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基を表す。

0026

炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基ナフチル基等の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。

0027

前記置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基の置換基としては、例えば、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、水酸基、メルカプト基アミノ基、カルボキシル基シアノ基ニトロ基、C(=O)NH2で表される基;等が挙げられる。炭素数1〜10のアルキル基は、任意の位置にこれらの置換基を有していてもよく、同一又は相異なる複数個の置換基で置換されていてもよい。

0028

前記炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。前記炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。

0029

これらの中でも、R3は、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、又は式:CH(r1)CO2r2で表される基が好ましい。ここで、r1は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、2−アミドエチル基、3−アミドプロピル基、2−メルカプトエチル基、3−メチルチオプロピル基、5−アミノペンチル基等が挙げられる。また、r2は、水素原子;又はメチル基、エチル基等のアルキル基;を表す。

0030

Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基を表す。置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキレン基は、具体的には、式:(Cr3r4)nで表される基である。式中、r3、r4は炭素原子に結合し、ノルボルネン系単量体の開環重合に対し不活性な基であれば特に制約されない。r3、r4としては、例えば、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アルキルチオ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基又は置換アミノ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいフェニル基等が挙げられる。

0031

これらの中でも、入手が容易であること及び重合反応性が高い等の理由から、r3、r4は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であるのが好ましく、ともに水素原子であるのが特に好ましい。nは1〜5の整数を表し、nは3以下が好ましく、1がより好ましい。また、nが2以上のとき、式:Cr3r4で表される基は同一でも相異なっていてもよい。

0032

前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体において、mは0又は1を表し、合成・精製が容易であること、及び目的とする開環重合体が効率よく得られること等の観点から、mが0であるのが好ましい。

0033

mが0であるノルボルネン系単量体の具体例としては、シクロペンタジエン−イタコン酸無水付加体、シクロペンタジエン−イタコイミド付加体、シクロペンタジエン−N−メチルイタコンイミド付加体、シクロペンタジエン−N−エチルイタコンイミド付加体、シクロペンタジエン−N−フェニルイタコンイミド付加体、シクロペンタジエン−N−ヒドロキシイタコンイミド付加体、シクロペンタジエン−2−イタコンイミド酢酸付加体、シクロペンタジエン−3−イタコンイミドプロピオン酸付加体、シクロペンタジエン−N−メトキシカルボニルメチルイタコンイミド付加体、シクロペンタジエン−N−エトキシカルボニルメチルイタコンイミド付加体、シクロペンタジエン−N−(1−エトキシカルボニル)エチルイミド付加体等が挙げられる。

0034

また、mが1であるテトラシクロドデセン類としては、上記ノルボルネン系単量体にさらにシクロペンタジエンが付加した化合物を挙げることができる。

0035

前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体は、例えば、次のようにして、容易に製造することができる。

0036

0037

(式中、R1、R2、X及びYは前記と同じ意味を表す。)
すなわち、式(2)で表されるノルボルネン系単量体のうち、mが0であるノルボルネン系単量体(2−1)は、シクロペンタジエン(3)と、オレフィン化合物(4)とのディールス・アルダー付加反応により得ることができる。

0038

また、mが1であるテトラシクロドデセン類(2−2)は、上記ディールス・アルダー付加反応で得られたノルボルネン系単量体(2−1)と、シクロペンタジエン(3)とのディールス・アルダー付加反応により得ることができる(下記反応式)。

0039

0040

(式中、R1、R2、X及びYは、前記と同じ意味を表す。)
いずれの反応においても、反応液蒸留法カラムクロマトグラフィー法再結晶化法等の公知の分離・精製手段により精製して、目的とする式(2−1)及び(2−2)で表されるノルボルネン系単量体を効率よく単離することができる。

0041

2)ノルボルネン系開環重合体及びその製造方法
本発明のノルボルネン系開環重合体は、分子内に、前記式(1)で表されるノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位を有する。前記ノルボルネン系単量体由来の繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合は、重合体の製造目的によって任意に選択することができるが、耐熱性、電気特性、低吸水性と密着性、相溶性のバランスを考慮すると、1〜90%が好ましく、1〜80%がより好ましい。ノルボルネン系開環重合体に含まれる式(1)で表される繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合は、例えば、得られた開環重合体の1H−NMRスペクトルを測定することにより求めることができる。

0042

また、ノルボルネン系開環重合体の重量平均分子量は特に制限されないが、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは3,000〜500,000、より好ましくは5,000〜50,000である。前記開環重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として求められる値である。

0043

本発明のノルボルネン系開環重合体は、(i)前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体の1種を単独重合して得られるものであっても、(ii)前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体の2種以上を共重合して得られるものであっても、(iii)前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体の少なくとも1種と、ノルボルネン系単量体と共重合可能な他の任意のモノマーとを共重合して得られるものであってもよい。

0044

前記(iii)において用いる他の任意のモノマーとしては、例えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−シクロキシル−2−ノルボルネン、5−シクロへキセニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等の置換基を有しない、あるいは置換基として炭化水素基を有するノルボルネン系モノマー;5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、2−ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物、2−ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸イミド、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン等の官能基を有するモノマー;シクロペンテンシクロオクテン等の単環の環状オレフィン類シクロヘキサジエンシクロヘプタジエンシクロオクタジエン等の環状ジオレフィン類;等が挙げられる。中でも、置換基を有しない、又は置換基として炭化水素基を有するノルボルネン系モノマーが、所望の組成比と分子量を持つ共重合体を容易に得ることが出来るので好ましい。

0045

本発明のノルボルネン系開環重合体は、前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体の少なくとも1種を、メタセシス反応触媒の存在下に開環メタセシス重合することにより製造することができる。

0046

メタセシス反応触媒は、周期表第4〜8族遷移金属化合物であって、前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体を開環メタセシス重合する触媒であればどのようなものでもよい。例えば、Olefin Metathesis andMetathesis Polymerization(K.J.Ivinand J.C.Mol,Academic Press,San Diego1997)に記載されているようなものが使用できる。

0047

メタセシス反応触媒としては、例えば、(i)遷移金属化合物助触媒として機能するアルキル化剤又はルイス酸との組み合わせによる開環メタセシス重合触媒、(ii)周期表第4〜8族遷移金属カルベン錯体触媒、(iii)メタラシクロブタン錯体触媒等が挙げられる。これらのメタセシス反応触媒は単独で、あるいは2種類以上を混合して使用することができる。これらの中でも、助触媒を必要とせず、しかも高活性であることから、(ii)の周期表第4〜8族の遷移金属−カルベン錯体触媒を使用するのが好ましく、ルテニウムカルベン錯体触媒の使用が特に好ましい。

0048

前記(i)の遷移金属ハロゲン化合物の具体例としては、MoBr2、MoBr3、MoBr4、MoCl4、MoCl5、MoF4、MoOCl4、MoOF4、等のモリブデンハロゲン化物;WBr2、WCl2、WBr4、WCl4、WCl5、WCl6、WF4、WI2、WOBr4、WOCl4、WOF4、WCl4(OC6H4Cl2)2等のタングステンハロゲン化物;VOCl3、VOBr3等のバナジウムハロゲン化物;TiCl4、TiBr4等のチタンハロゲン化物;等が挙げられる。

0050

テトラメチルスズジエチルジメチルスズ、テトラエチルスズ、ジブチルジエチルスズ、テトラブチルスズ、テトラオクチルスズ、トリオクチルスズフロリド、トリオクチルスズクロリド、トリオクチルスズブロミド、トリオクチルスズアイオダイド、ジブチルスズジフロリド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジブロミド、ジブチルスズジアイオダイド、ブチルスズトリフロリド、ブチルスズトリクロリド、ブチルスズトリブロミド、ジブチルスズトリアイオダイド等の有機スズ化合物

0051

メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リチウム化合物;n−ペンチナトリウム等の有機ナトリウム化合物;メチルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムブロミドメチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムクロリドアリールマグネシウムクロリド等の有機マグネシウム化合物ジエチル亜鉛等の有機亜鉛化合物;ジエチルカドミウム等の有機カドミウム化合物トリメチルホウ素、トリエチルホウ素、トリ−n−ブチルホウ素、トリフェニルホウ素、トリス(パーフルオロフェニル)ホウ素、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレートトリチルテトラキス(パーフルオロフェニル)ボレート等の有機ホウ素化合物;等が挙げられる。

0052

前記(ii)の周期表第4〜8族遷移金属−カルベン錯体触媒としては、例えば、タングステンアルキリデン錯体触媒、モリブデンアルキリデン錯体触媒、レニウムアルキリデン錯体触媒、ルテニウムカルベン錯体触媒等が挙げられる。

0053

前記タングステンアルキリデン錯体触媒の具体例としては、W(N−2,6−Pri2C6H3)(CHBut)(OBut)2、W(N−2,6−Pri2C6H3)(CHBut)(OCMe2CF3)2、W(N−2,6−Pri2C6H3)(CHBut)(OCMe(CF3)2)2、W(N−2,6−Pri2C6H3)(CHCMe2Ph)(OBut)2、W(N−2,6−Pri2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF3)2、W(N−2,6−Pri2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)2等が挙げられる。

0054

モリブデンアルキリデン錯体触媒の具体例としては、Mo(N−2,6−Pri2C6H3)(CHBut)(OBut)2、Mo(N−2,6−Pri2C6H3)(CHBut)(OCMe2CF3)2、Mo(N−2,6−Pri2C6H3)(CHBut)(OCMe(CF3)2)2、Mo(N−2,6−Pri2C6H3)(CHCMe2Ph)(OBut)2、Mo(N−2,6−Pri2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe2CF3)2、Mo(N−2,6−Pri2C6H3)(CHCMe2Ph)(OCMe(CF3)2)2、Mo(N−2,6−Pri2C6H3)(CHCMe2Ph)(BIPHEN)、Mo(N−2,6−Pri2C6H3)(CHCMe2Ph)(BINO)(THF)等が挙げられる。

0055

レニウムアルキリデン錯体触媒の具体例としては、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Pri2C6H3)2、Re(CBut)(CHBut)(O−2−ButC6H4)2、Re(CBut)(CHBut)(OCMe2CF3)2、Re(CBut)(CHBut)(OCMe(CF3)2)2、Re(CBut)(CHBut)(O−2,6−Me2C6H3)2等が挙げられる。

0056

上記式中、Priはイソプロピル基を、Butはtert−ブチル基を、Meはメチル基を、Phはフェニル基を、BIPHENは、5,5’,6,6’−テトラメチル−3,3'−ジ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2'−ジオキシ基を、BINOは、1,1'−ジナフチル−2,2’−ジオキシ基を、THFはテトラヒドロフランをそれぞれ表す。

0057

また、ルテニウムカルベン錯体触媒の具体例としては、下記の式(A)又は式(B)で表される化合物が挙げられる。

0058

0059

上記式(A)及び(B)中、=CR4R5及び=C=CR4R5は、反応中心カルベン炭素を含むカルベン化合物である。R4及びR5は、それぞれ独立して水素原子、又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、これらのカルベン化合物はヘテロ原子を含有していてもいなくてもよい。L1はヘテロ原子含有カルベン化合物を表し、L2はヘテロ原子含有カルベン化合物又は任意の中性電子供与性化合物を表す。

0060

ここで、ヘテロ原子含有カルベン化合物とは、カルベン炭素及びヘテロ原子とを含有する化合物をいう。L1及びL2の両方又はL1は、ヘテロ原子含有カルベン化合物であり、これらに含まれるカルベン炭素にはルテニウム金属原子が直接に結合しており、ヘテロ原子を含む基が結合している。

0061

L3及びL4は、それぞれ独立して任意のアニオン性配位子を示す。また、R4、R5、L1、L2、L3及びL4の2個、3個、4個、5個又は6個は、互いに結合して多座キレート化配位子を形成してもよい。また、ヘテロ原子の具体例としては、N、O、P、S、As、Se原子等を挙げることができる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N、O、P、S原子等が好ましく、N原子が特に好ましい。

0062

前記式(A)及び式(B)において、アニオン陰イオン)性配位子L3、L4は、中心金属から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、例えば、フッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子等のハロゲン原子;ジケトネート基、アルコキシ基、アリールオキシ基やカルボキシル基等の酸素を含む炭化水素基;塩化シクロペンタジエニル基等のハロゲン原子で置換された脂環式炭化水素基等を挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。

0063

L2が中性の電子供与性化合物の場合は、L2は中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、カルボニル類アミン類ピリジン類エーテル類ニトリル類エステル類ホスフィン類チオエーテル類、芳香族化合物オレフィン類イソシアニド類チオシアネート類等が挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類やピリジン類が好ましく、トリアルキルホスフィンがより好ましい。

0064

前記一般式(A)で表されるルテニウム錯体触媒としては、例えば、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド等のヘテロ原子含有カルベン化合物と中性の電子供与性化合物が結合したルテニウムカルベン錯体

0065

ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド等の2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が結合したルテニウムカルベン錯体;等が挙げられる。

0066

前記一般式(B)で表されるルテニウムカルベン錯体触媒としては、例えば、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリド等が挙げられる。また、(iii)のメタラシクロブタン錯体触媒の具体例としては、チタナシクロブタン類等が挙げられる。

0067

メタセシス反応触媒の使用量は、触媒に対する単量体モル比で、触媒:単量体=1:100〜1:2,000,000、好ましくは1:500〜1:1,000,000、より好ましくは1:1,000〜1:500,000である。触媒量が前記モル比よりも多すぎると触媒除去が困難となることがあり、少なすぎると十分な重合活性が得られないことがある。

0068

メタセシス反応触媒を用いるノルボルネン系単量体の開環重合は、溶媒中又は無溶媒で行なうことができる。重合反応終了後、生成した重合体を単離することなく、そのまま水素化反応を行う場合は、溶媒中で重合するのが好ましい。

0069

用いる溶媒は生成する重合体を溶解し、かつ重合反応阻害しない溶媒であれば特に限定されない。用いる溶媒としては、例えば、n−ペンタンn−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素シクロペンタンシクロヘキサンメチルシクロヘキサンジメチルシクロヘキサントリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレンビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロオクタン等の脂環族炭化水素ベンゼントルエンキシレンメシチレン等の芳香族炭化水素ニトロメタンニトロベンゼンアセトニトリルプロピオニトリルベンゾニトリル等の含窒素炭化水素ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトンエチルメチルケトンシクロペンタノンシクロヘキサノン等のケトン類酢酸メチル酢酸エチルプロピオン酸エチル安息香酸メチル等のエステル類;クロロホルムジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンクロロベンゼンジクロロベンゼントリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;等が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素、エーテル類、ケトン類又はエステル類の使用が好ましい。

0070

溶媒中のノルボルネン系単量体の濃度は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜45重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。ノルボルネン系単量体の濃度が1重量%未満では重合体の生産性が悪くなることがあり、50重量%を超えると重合後の粘度が高すぎて、その後の水素化等が困難となることがある。

0071

メタセシス反応触媒は溶媒に溶解して反応系に添加してもよいし、溶解させることなくそのまま添加してもよい。触媒溶液を調製する溶媒としては、前記重合反応に用いる溶媒と同様の溶媒が挙げられる。

0072

また、重合反応においては、重合体の分子量を調整するために分子量調整剤を反応系に添加することができる。分子量調整剤としては、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン1−オクテン等のα−オレフィンスチレンビニルトルエン等のスチレン類エチルビニルエーテルイソブチルビニルエーテルアリルグリシジルエーテル等のエーテル類;アリルクロライド等のハロゲン含有ビニル化合物酢酸アリルアリルアルコールグリシジルメタクリレート酸素含有ビニル化合物;アクリロ二トリルアクリルアミド等の窒素含有ビニル化合物等を用いることができる。前記式(2)で表されるノルボルネン系単量体に対して、分子量調整剤を0.1〜100モル%使用することにより、所望の分子量を有する重合体を得ることができる。

0073

重合温度は特に制限はないが、通常、−100℃〜+200℃、好ましくは−50℃〜+180℃、より好ましくは−30℃〜+160℃、さらに好ましくは0℃〜+140℃である。重合時間は、通常1分から100時間であり、反応の進行状況に応じて適宜調節することができる。

0074

3)ノルボルネン系開環重合体水素化物及びその製造方法
本発明のノルボルネン系開環重合体水素化物は、本発明のノルボルネン系開環重合体の炭素−炭素二重結合が水素化されたものである。本発明のノルボルネン系開環重合体水素化物において、炭素−炭素二重結合の水素化された割合(水素化率)は、通常50%以上であり、耐熱性の観点から、70%以上であるのが好ましく、80%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。

0075

ノルボルネン系開環重合体水素化物の水素化率は、例えば、ノルボルネン系開環重合体の1H−NMRスペクトルにおける炭素−炭素二重結合に由来するピーク強度と、水素化物の1H−NMRスペクトルにおける炭素−炭素二重結合に由来するピーク強度とを比較することにより求めることができる。

0076

ノルボルネン系開環重合体の水素化反応は、例えば、水素化触媒の存在下に水素ガスを用いて、ノルボルネン系開環重合体の主鎖中の炭素−炭素二重結合を飽和単結合に変換することにより行なうことができる。

0077

用いる水素化触媒は、均一系触媒不均一系触媒等、特に限定されず、オレフィン化合物の水素化に際して一般的に用いられているものを適宜使用することができる。

0078

均一系触媒としては、例えば、酢酸コバルトとトリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナートとトリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリドとn−ブチルリチウムの組み合わせ、ジルコノセンジクロリドとsec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネートとジメチルマグネシウム等の遷移金属化合物とアルカリ金属化合物の組み合わせからなるチーグラー系触媒;前記開環メタセシス反応触媒の項で記述したルテニウムカルベン錯体触媒、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィンロジウム、特開平7−2929、特開平7−149823、特開平11−109460、特開平11−158256、特開平11−193323、特開平11−109460等に記載されているルテニウム化合物からなる貴金属錯体触媒;等が挙げられる。

0079

不均一系触媒としては、例えば、ニッケルパラジウム白金、ロジウム、ルテニウム等の金属を、カーボンシリカケイソウ土アルミナ酸化チタン等の担体担持させた水素化触媒が挙げられる。より具体的には、例えば、ニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナ等を用いることができる。これらの水素化触媒は単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。

0080

これらの中でも、ノルボルネン系開環重合体に含まれる官能基の変性等の副反応を起こすことなく、該重合体中の炭素−炭素二重結合を選択的に水素化できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒及びパラジウム/カーボン等のパラジウム担持触媒の使用が好ましく、ルテニウムカルベン錯体触媒又はパラジウム担持触媒の使用がより好ましい。

0081

前述したルテニウムカルベン錯体触媒は、開環メタセシス反応触媒及び水素化触媒として使用することができる。この場合には、開環メタセシス反応と水素化反応を連続的に行なうことができる。

0082

また、ルテニウムカルベン錯体触媒を使用して開環メタセシス反応と水素化反応を連続的に行う場合、エチルビニルエーテル等のビニル化合物やα−オレフィン等の触媒改質剤を添加して該触媒を活性化させてから、水素化反応を開始する方法も好ましく採用される。さらに、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド等の塩基を添加して活性を向上させる方法を採用するのも好ましい。

0083

水素化反応は、通常、有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、生成する水素化物の溶解性により適宜選択することができ、前記重合溶媒と同様の有機溶媒を使用することができる。したがって、重合反応後、溶媒を入れ替えることなく、反応液又は該反応液からメタセシス反応触媒をろ別して得られるろ液に水素化触媒を添加して反応させることもできる。

0084

水素化反応の条件は、使用する水素化触媒の種類に応じて適宜選択すればよい。水素化触媒の使用量は、開環重合体100重量部に対して,通常0.01〜50重量部、好ましくは0.05〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部である。反応温度は、通常−10℃〜+250℃、好ましくは−10℃〜+210℃、より好ましくは0℃〜+200℃である。−10℃未満では反応速度が遅くなり、逆に250℃を超えると副反応が起こりやすくなる。水素の圧力は、通常0.01〜10.0MPa、好ましくは0.05〜8.0MPa、より好ましくは0.1〜5.0MPaである。水素圧力が0.01MPa未満では水素化速度が遅くなり、10.0MPaを超えると高耐圧反応装置が必要となる。

0085

水素化反応の時間は、水素化率を制御するために適宜選択される。反応時間は、通常0.1〜50時間の範囲であり、重合体中の主鎖の炭素−炭素二重結合のうち50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上を水素化することができる。

0086

以上のようにして得られるノルボルネン系開環重合体及び水素化物は、耐熱性や電気特性等に優れる。従って、プラスチックレンズ球形レンズ非球形レンズ複写機レンズビデオカメラコンバータレンズ光ディスクピックアップレンズ車両部品用レンズ等の耐熱性光学部品材料半導体封止用材料、半導体アンダーフィルム用材料、半導体保護膜用材料、液晶封止用材料、回路基材材料、回路保護用材料、平坦化膜材料、電気絶縁膜材料等の電子部品用材料;等の用途に好適に使用することができる。

0087

次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。

0088

(1)重量平均分子量
重量平均分子量(Mw)は、開環重合体又は水素化物をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定して、ポリスチレン換算して求めた。
(2)モノマー組成比及び水素化率
開環共重合体の組成比、並びに開環重合体の水素化物及び開環共重合体の水素化物の水素化率(%)は、1H−NMRスペクトル測定により求めた。
(3)重合転化率
重合転化率(%)は、ガスクロマトグラフィーの測定により求めた。
(4)ガラス転移温度
ガラス転移温度は、示差走査熱量計にて、1分間に10℃の割合で昇温して測定した。

0089

製造例1:シクロペンタジエン/イタコン酸無水物付加体の製造
イタコン酸無水物50部をテトラヒドロフラン90部に溶解した溶液攪拌機付きガラス反応器仕込み、シクロペンタジエン35部を少量ずつ添加しながら0℃で3時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、残渣にトルエン90部を加え、よく攪拌した。析出した固体成分を濾過により取り除き、濾液にn−ヘキサン70部を加え、−30℃で一晩放置した。析出物をn−ヘキサンで洗浄、乾燥して白色結晶を得た。1H−NMR測定により、この結晶がシクロペンタジエン/イタコン酸無水物付加体(式(2)において、R1及びR2が水素原子、Xが酸素原子、Yがメチレン基、mが0である化合物に相当する。)であることを確認した。

0090

製造例2:シクロペンタジエン/イタコン酸イミド付加体の製造
イタコン酸無水物をイタコン酸イミドに変えた以外は、製造例1と同様にして結晶を得た。1H−NMR測定により、この結晶がシクロペンタジエン/イタコン酸イミド付加体(式(2)において、R1及びR2が水素原子、XがNH、Yがメチレン基、mが0である化合物に相当する。)であることを確認した。

0091

製造例3:シクロペンタジエン/マレイン酸無水物付加体の製造
イタコン酸無水物50部をマレイン酸無水物45部に変えた以外は、製造例1と同様にして結晶を得た。1H−NMR測定により、この結晶がシクロペンタジエン/マレイン酸無水物付加体(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物)であることを確認した。

0092

実施例1シクロペンタジエン/イタコン酸無水物付加体の開環重合体の製造
窒素置換したガラス反応器内にテトラヒドロフラン(THF)300部、製造例1で得たシクロペンタジエン/イタコン酸無水物付加体(CPDIA)30部、及び連鎖移動剤として1−ヘキセンを0.7部加えた後、80℃に加熱した。これに、重合触媒であるベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドのTHF溶液(0.162重量%溶液)4.5部を加え、80℃で3時間加熱撹拌して、重合体溶液を得た。重合体溶液の一部を採取して分析したところ、重合転化率は99%以上、重量平均分子量(Mw)(ポリスチレン換算)は18,000であった。また、1H−NMR測定により、この重合体が式(1)の構造を有する開環重合体であることを確認した。

0093

実施例2テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンとシクロペンタジエン/イタコン酸無水物付加体との開環共重合体の製造
単量体として、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(TCD)10.9部と、シクロペンタジエン(CPD)/イタコン酸無水物付加体(CPDIA)21.4部(モノマー組成:TCD/CPDIA=40/60(モル/モル))との混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合を行った。重合転化率は96%であり、得られた開環共重合体中のモノマー組成比はTCD/CPDIA=41/59(モル/モル)、重量平均分子量(Mw)は10,000であった。

0094

実施例3シクロペンタジエン/イタコン酸無水物付加体の開環重合体水素化物の製造
撹拌機付きオートクレーブに、実施例1で得られた重合体溶液を全量加え、オートクレーブ内を窒素置換し、次いで、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド1.38部、及びエチルビニルエーテル1.3部をトルエン13部に溶解した水素化触媒溶液を添加し、水素圧4.5MPa、160℃で4時間水素化を行った。水素化反応液を多量のメタノールに注いで固形分を完全に析出させた。固形分をろ取し、洗浄後、70℃で12時間減圧乾燥し、開環重合体水素化物を得た。このものの重量平均分子量(Mw)は20,000であり、1H−NMRよりカルボン酸無水物基が完全に保存されていること、及び水素化率が91%であることを確認した。またこの重合体水素化物のガラス転移温度は153℃であった。

0095

実施例4テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンとシクロペンタジエン/イタコン酸イミド付加体との開環共重合体の製造
単量体として、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(TCD)10.9部と、製造例2で得たシクロペンタジエン(CPD)/イタコン酸イミド付加体(CPDII)21.2部(モノマー組成:TCD/CPDII=40/60(モル/モル))との混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合を行った。重合転化率は92%であり、得られた開環共重合体中のモノマー組成比はTCD/CPDII=40/60(モル/モル)、重量平均分子量(Mw)は12,100であった。

0096

比較例1ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物の開環重合体の製造
実施例1において、シクロペンタジエン/イタコン酸無水物付加体30部に代えて、シクロペンタジエン/マレイン酸無水物付加体30部を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行なった。重合転化率は10%、重量平均分子量(Mw)は9,800であった。

発明の効果

0097

本発明によれば、カルボン酸無水物基又はカルボン酸イミド基を有する特定のノルボルネン系単量体を用いてメタセシス反応触媒の存在下に開環重合することにより、工業的に有利にノルボルネン系開環重合体及びノルボルネン系開環重合体水素化物を製造することができる。

0098

本発明に用いるノルボルネン系単量体は、重合反応性が高いのでメタセシス反応触媒の使用量が少なくて済み、かつ官能基を持たないノルボルネン系単量体と所望の組成比と分子量を持つ共重合体を容易に製造することができる。また、本発明のノルボルネン系開環重合体及びノルボルネン系開環重合体水素化物は、耐熱性や電気特性等に優れるので、耐熱性光学部品材料、電子部品用材料等として有用である。

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