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技術 電子血圧計

出願人 オムロンヘルスケア株式会社
発明者 尾浜昇
出願日 2002年4月10日 (18年7ヶ月経過) 出願番号 2002-108020
公開日 2003年10月21日 (17年1ヶ月経過) 公開番号 2003-299627
状態 拒絶査定
技術分野 脈拍・心拍・血圧・血流の測定
主要キーワード 圧力区間 加圧停止後 加圧設定値 波形特徴量 波形幅 特徴量抽出アルゴリズム 加圧過程 急速排気弁
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

測定精度を向上させる。

解決手段

血圧測定時にMPU10は、カフ1内の圧力を制御し、カフ圧圧迫により生じる脈波帯域通過フィルタ6などを介し検出し、検出された脈波の波形特徴量を算出し、算出された波形特徴量を用いて血圧演算して出力するとき、MPU10は脈波を検出可能なカフ圧の範囲において脈波を検出する。したがって、脈波の検出、波形特徴量算出および血圧の演算からなるの血圧測定の処理は、脈波を検出可能なカフ圧の範囲において実行されるから、脈波を検出できない範囲で上述の処理が実行されることがなくなって、精度良く血圧測定できる。

概要

背景

概要

測定精度を向上させる。

血圧測定時にMPU10は、カフ1内の圧力を制御し、カフ圧圧迫により生じる脈波帯域通過フィルタ6などを介し検出し、検出された脈波の波形特徴量を算出し、算出された波形特徴量を用いて血圧演算して出力するとき、MPU10は脈波を検出可能なカフ圧の範囲において脈波を検出する。したがって、脈波の検出、波形特徴量算出および血圧の演算からなるの血圧測定の処理は、脈波を検出可能なカフ圧の範囲において実行されるから、脈波を検出できない範囲で上述の処理が実行されることがなくなって、精度良く血圧測定できる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

生体所定部位に装着されて動脈圧迫するためのカフと、前記カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、前記カフ圧を検出する圧力検出手段と、前記カフ圧に圧迫されて生じる前記動脈の容積変化脈動成分由来する脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段により検出された前記脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、前記波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的な前記カフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、前記波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の前記波形特徴量それぞれについて、前記関数記憶手段の対応する前記関数群から、該波形特徴量で特定される前記相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、前記1変数関数出力手段により出力された前記1変数関数について、最大値を与える前記相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、前記相対カフ圧決定手段によって決定された前記相対カフ圧値と前記脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での前記圧力検出手段により検出された前記カフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備え、前記カフ圧制御手段は、加圧上限圧および加圧下限圧を設けることを特徴とする、電子血圧計

請求項2

生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、前記カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、前記カフ圧を検出する圧力検出手段と、前記カフ圧に圧迫されて生じる前記動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段により検出された前記脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、前記波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的な前記カフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、前記波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の前記波形特徴量それぞれについて、前記関数記憶手段の対応する前記関数群から、該波形特徴量で特定される前記相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、前記1変数関数出力手段により出力された前記1変数関数について、最大値を与える前記相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、前記相対カフ圧決定手段によって決定された前記相対カフ圧値と前記脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での前記圧力検出手段により検出された前記カフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備え、前記脈波検出手段は前記脈波を平均血圧またはその近傍で検出することを特徴とする電子血圧計。

請求項3

生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、前記カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、前記カフ圧を検出する圧力検出手段と、前記カフ圧に圧迫されて生じる前記動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段により検出された前記脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、前記波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的な前記カフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、前記波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の前記波形特徴量それぞれについて、前記関数記憶手段の対応する前記関数群から、該波形特徴量で特定される前記相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、前記1変数関数出力手段により出力された前記1変数関数について、最大値を与える前記相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、前記相対カフ圧決定手段によって決定された前記相対カフ圧値と前記脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での前記圧力検出手段により検出された前記カフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備え、前記カフ圧制御手段は適切な血圧測定圧を探すために前記カフ圧を制御して加圧または減圧を繰返すことを特徴とする電子血圧計。

請求項4

生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、前記カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、前記カフ圧を検出する圧力検出手段と、前記カフ圧に圧迫されて生じる前記動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段により検出された前記脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、前記波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的な前記カフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、前記波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の前記波形特徴量それぞれについて、前記関数記憶手段の対応する前記関数群から、該波形特徴量で特定される前記相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、前記1変数関数出力手段により出力された前記1変数関数について、最大値を与える前記相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、前記相対カフ圧決定手段によって決定された前記相対カフ圧値と前記脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での前記圧力検出手段により検出された前記カフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備え、前記カフ圧制御手段は複数の異なる前記カフ圧の下で血圧を測定するために前記カフ圧を制御し、前記血圧算出手段は前記複数の異なるカフ圧の下で血圧値推定するとき、平均血圧に近いほど重みを大きくして、前記血圧値の平均を計算し、それを血圧値とすることを特徴とする電子血圧計。

請求項5

生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、前記カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、前記カフ圧を検出する圧力検出手段と、前記カフ圧に圧迫されて生じる前記動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段により検出された前記脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、前記波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的な前記カフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、前記波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の前記波形特徴量それぞれについて、前記関数記憶手段の対応する前記関数群から、該波形特徴量で特定される前記相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、前記1変数関数出力手段により出力された前記1変数関数について、最大値を与える前記相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、前記相対カフ圧決定手段によって決定された前記相対カフ圧値と前記脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での前記圧力検出手段により検出された前記カフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備え、前記波形特徴量の種類には、前記脈波の振幅が含まれて、前記カフ圧制御手段は複数の異なる前記カフ圧の下で血圧を測定するために前記カフ圧を制御し、前記血圧算出手段は前記複数の異なるカフ圧の下で血圧値を推定するとき、前記波形特徴量算出手段により算出された前記脈波の振幅が大きいほど重みを大きくして、前記血圧値の平均を計算し、それを前記血圧推定値とすることを特徴とする電子血圧計。

請求項6

生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、前記カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、前記カフ圧を検出する圧力検出手段と、前記カフ圧に圧迫されて生じる前記動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、前記脈波検出手段により検出された前記脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、前記波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的な前記カフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、前記波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の前記波形特徴量それぞれについて、前記関数記憶手段の対応する前記関数群から、該波形特徴量で特定される前記相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、前記1変数関数出力手段により出力された前記1変数関数について、最大値を与える前記相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、前記相対カフ圧決定手段によって決定された前記相対カフ圧値と前記脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での前記圧力検出手段により検出された前記カフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備え、前記カフ圧制御手段は前記カフの加圧目標値に任意の許容差を設けたことを特徴とする電子血圧計。

請求項7

請求項1から6のいずれか1項に記載の電子血圧計において、血圧測定の結果、平均血圧が測定時の前記カフ圧と異なれば、前記カフ圧制御手段は、前記平均血圧またはその近傍まで、前記カフ圧を制御して少なくとも1回の加圧または減圧を行ない、血圧測定を行なうことを特徴とする電子血圧計。

請求項8

請求項1から6のいずれか1項に記載の電子血圧計において、前記カフ圧制御手段は、前記血圧測定時に、前記カフ圧を前記脈波を検出可能な測定時加圧上限圧と測定時加圧下限圧内で制御することを特徴とする電子血圧計。

技術分野

0001

この発明は脈波を用いて血圧値を決定する電子血圧計に関し、特に脈波の波形特徴量に基づいて血圧値を決定する電子血圧計に関する。

0002

従来の電子血圧計による血圧測定法において、1拍脈波による血圧測定法が提案されていた。この方法は、上腕部に腕帯カフ)を装着し、カフを加圧したときに現われる圧振動、つまり動脈容積変化脈動成分に起因して検出される脈波の波形に基づき、実測した脈波波形平均レベルピーク幅などの波形特徴量と、血圧値を基準とした相対カフ圧との関係を規定する確率密度関数によって血圧を算出する。この方法は、新たな測定系や入力信号は必要とせず、1拍のみの脈波信号で血圧を算出することができる。この血圧値の算出は、カフに印加され得るすべての圧力区間の中の任意の一点についての圧力レベルで行なわれていた。

0003

しかしながら、このような従来の電子血圧計にあっては、脈波信号のレベルが低い部分も血圧値算出のために使用されていたので、検出される脈波信号に含まれるノイズ成分が大きくなって、S/N比が小さくなる。その結果、脈波の検出、脈波の波形特徴量の算出、および算出された波形特徴量に基づく血圧値の算出は、誤差要因が大きくなり、結果として高精度の血圧値を求めることが困難であった。

0004

それゆえにこの発明の目的は、血圧測定精度を向上させることができる電子血圧計を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

この発明のある局面に係る電子血圧計は、生体所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、カフ圧を検出する圧力検出手段と、カフ圧に圧迫されて生じる動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段により検出された脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的なカフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の波形特徴量それぞれについて、関数記憶手段の対応する関数群から、該波形特徴量で特定される相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、1変数関数出力手段により出力された1変数関数について、最大値を与える相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、相対カフ圧決定手段によって決定された相対カフ圧値と脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での圧力検出手段により検出されたカフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備えて、カフ圧制御手段は、加圧上限圧および加圧下限圧を設ける。

0006

したがって、脈波検出手段により脈波を検出し、波形特徴量算出手段により脈波の波形特徴量を算出して、血圧算出手段による血圧値の推定は、加圧上限圧を超えずおよび加圧下限圧未満とならない範囲でカフ圧を制御して行われる。それゆえに、カフ圧が加圧上限圧を超えて、または加圧下限圧未満となると脈波にノイズ成分が含まれるけれども、カフ圧は加圧上限圧および加圧下限圧の範囲で制御されるから、このノイズ成分が測定に影響を与えることは回避されて、血圧測定精度を向上させることができる。

0007

また、加圧上限圧を設けているから、過剰加圧を防げ、加圧のし過ぎによる被験者の痛みを軽減できる。

0008

この発明の他の局面に係る電子血圧計は、生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、カフ圧を検出する圧力検出手段と、カフ圧に圧迫されて生じる動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段により検出された脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的なカフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の波形特徴量それぞれについて、関数記憶手段の対応する関数群から、該波形特徴量で特定される相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、1変数関数出力手段により出力された1変数関数について、最大値を与える相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、相対カフ圧決定手段によって決定された相対カフ圧値と脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での圧力検出手段により検出されたカフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備えて、脈波検出手段は脈波を平均血圧またはその近傍で検出する。

0009

したがって、平均血圧またはその近傍で生じる脈波の振幅はほぼ最大でありS/N比が高い脈波であることにより、血圧の推定における精度は向上する。

0010

この発明のさらなる他の局面に係る電子血圧計は、生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、カフ圧を検出する圧力検出手段と、カフ圧に圧迫されて生じる動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段により検出された脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的なカフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の波形特徴量それぞれについて、関数記憶手段の対応する関数群から、該波形特徴量で特定される相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、1変数関数出力手段により出力された1変数関数について、最大値を与える相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、相対カフ圧決定手段によって決定された相対カフ圧値と脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での圧力検出手段により検出されたカフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備えて、カフ圧制御手段は適切な血圧測定圧を探すためにカフ圧を制御して加圧または減圧を繰返す。

0011

したがって、被験者ごとに、また同一被験者体調、測定時間などにより、血圧を推定するのに適したカフ圧は変化するが、測定の都度、血圧を測定するのに適したカフ圧を検索するので、被験者ごとに、また同一被験者の体調、測定時間などのばらつきにかかわらず、高い血圧測定精度を得ることができる。

0012

この発明のさらなる他の局面に係る電子血圧計は、生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、カフ圧を検出する圧力検出手段と、カフ圧に圧迫されて生じる動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段により検出された脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的なカフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の波形特徴量それぞれについて、関数記憶手段の対応する関数群から、該波形特徴量で特定される相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、1変数関数出力手段により出力された1変数関数について、最大値を与える相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、相対カフ圧決定手段によって決定された相対カフ圧値と脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での圧力検出手段により検出されたカフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備えて、カフ圧制御手段は複数の異なるカフ圧の下で血圧を測定するためにカフ圧を制御し、血圧算出手段は複数の異なるカフ圧の下で血圧値を推定するとき、平均血圧に近いほど重みを大きくして、血圧値の平均を計算し、それを血圧値とする。

0013

したがって、脈波が検出されたときのカフ圧と対応の平均血圧とがより近いほど(より両者の差が小さいほど)、該脈波の振幅はより大きい(S/N比がより大および誤差はより小)ことに着目して、誤差の少ない値が血圧算出手段の演算に有効に作用するように、その重み付けが大きくされる。それゆえに、血圧値の推定精度を向上させることができる。

0014

この発明のさらなる他の局面に係る電子血圧計は、生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、カフ圧を検出する圧力検出手段と、カフ圧に圧迫されて生じる動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段により検出された脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的なカフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の波形特徴量それぞれについて、関数記憶手段の対応する関数群から、該波形特徴量で特定される相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、1変数関数出力手段により出力された1変数関数について、最大値を与える相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、相対カフ圧決定手段によって決定された相対カフ圧値と脈波検出手段が前記脈波を検出した時点での圧力検出手段により検出されたカフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備えて、波形特徴量の種類には、脈波の振幅が含まれて、カフ圧制御手段は複数の異なるカフ圧の下で血圧を測定するためにカフ圧を制御し、血圧算出手段は複数の異なるカフ圧の下で血圧値を推定するとき、波形特徴量算出手段により算出された脈波の振幅が大きいほど重みを大きくして、血圧値の平均を計算し、それを血圧推定値とする。

0015

したがって、脈波振幅のレベルが大きいほど言い換えるとS/N比がより大および誤差はより少ないほど、血圧算出手段の演算に有効に作用するように、その重み付けが大きくされる。それゆえに、血圧値の推定精度を向上させることができる。

0016

この発明のさらなる他の局面に係る電子血圧計は、生体の所定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフと、カフ内の圧力であるカフ圧を制御するカフ圧制御手段と、カフ圧を検出する圧力検出手段と、カフ圧に圧迫されて生じる動脈の容積変化の脈動成分に由来する脈波を検出する脈波検出手段と、脈波検出手段により検出された脈波の1種類以上の波形特徴量を算出する波形特徴量算出手段と、波形特徴量の種類のそれぞれに対応して、血圧に対する相対的なカフ圧の高さを示す相対カフ圧と該波形特徴量とを変数とする1つ以上の2変数関数からなる関数群を記憶する関数記憶手段と、波形特徴量算出手段によって算出された1種類以上の波形特徴量それぞれについて、関数記憶手段の対応する関数群から、該波形特徴量で特定される相対カフ圧のみを変数とする1変数関数を出力する1変数関数出力手段と、1変数関数出力手段により出力された1変数関数について、最大値を与える相対カフ圧値を決定する相対カフ圧決定手段と、相対カフ圧決定手段によって決定された相対カフ圧値と脈波検出手段が脈波を検出した時点での圧力検出手段により検出されたカフ圧とを用いて演算し、演算結果を血圧推定値とする血圧算出手段とを備え、カフ圧制御手段はカフの加圧目標値に任意の許容差を設けている。

0017

それゆえに血圧測定時にカフ圧をある特定の加圧目標値に厳密に制御することが不要となり、任意の許容差内で制御すればよいから、高速加圧が可能となり、測定時間の短縮ができる。

0018

上述の電子血圧計は、血圧測定の結果、平均血圧が測定時のカフ圧と異なれば、平均血圧またはその近傍まで、カフ圧を制御して少なくとも1回の加圧または減圧を行ない、血圧測定を行なう。

0019

それゆえに、被験者ごとに、また同一被験者の体調、測定時間などにより、血圧を推定するのに適したカフ圧は変化するが、測定の都度、平均血圧が測定時のカフ圧と異なれば、平均血圧またはその近傍まで、カフ圧を制御して少なくとも1回の加圧または減圧を行ない、血圧を推定するのに適したカフ圧を検索するので、被験者ごとに、また同一被験者の体調、測定時間などのばらつきにかかわらず、高い血圧測定精度を得ることができる。

0020

上述の電子血圧計は、カフ圧制御手段は、血圧測定時に、カフ圧を脈波を検出可能な測定時加圧上限圧と測定時加圧下限圧内で制御する。

0021

これにより、血圧測定中に脈波検出できないことによるノイズ成分が測定に影響を与えることは回避されて、血圧測定精度を向上させることができる。また血圧測定中においては加圧上限圧があるため過剰加圧を防げて、加圧のし過ぎによる被験者の痛みを軽減できる。

発明を実施するための最良の形態

0022

本実施の形態に係る電子血圧計は、1つ以上の脈波を検出し、検出された脈波ごとの波形特徴量を算出し、算出された波形特徴量に基づき血圧値の算出を行なう。この脈波の検出は、加圧上限圧と加圧下限圧をそれぞれ設け、その区間内でカフの圧力を調整し、また、血圧測定中で、最大の平均血圧近傍(平均血圧またはその付近の血圧)、すなわち脈波の振幅が最大となりS/N比が最大となる近傍で検出される脈波が血圧値の算出に使用され、また、カフに対する加圧動作および減圧動作を繰返しながら、適切な血圧測定のための加圧レベル、すなわち脈波の振幅が最大となるような加圧レベルに可変調整して血圧測定することにより、血圧測定精度を向上させている。

0023

ここで、加圧上限圧と加圧下限圧の区間内とは、脈波を検出可能はカフ圧レベルの範囲内、好ましくはノイズが少ない脈波が検出可能なカフ圧レベルの範囲内を指す。

0024

[電子血圧計の構成]本実施の形態に係る電子血圧計の構成を図1を参照し説明する。電子血圧計は、生体の測定部位に装着されて動脈を圧迫するためのカフ1、カフ圧を検出するための圧力センサ2、カフ1を加圧してカフ圧を上昇させるための加圧ポンプ3、カフ1内の空気を急速に排気させてカフ圧を急減させるための急速排気弁4、圧力センサ2から出力されたカフ圧の信号を増幅させるための信号増幅器5、信号増幅器5から出力されたカフ圧の信号から脈波を取出すための帯域通過フィルタ6、加圧ポンプ3を駆動するためのポンプ駆動回路7、急速排気弁4の開閉動作を行なわせるための弁開閉回路8、信号増幅器5から出力された増幅後のカフ圧のアナログ信号を入力し、デジタル信号に変換してMPU(マイクロプロセッサユニット)10に出力するA/D(アナログデジタル変換器9、MPU10により算出された血圧値などを表示するための表示器11、電子血圧計の電源をON/OFFするために操作される電源スイッチ12およびカフ1についての加圧を開始するために操作される加圧スイッチ13を備える。MPU10は加圧ポンプ3のためのポンプ駆動回路7、急速排気弁4のための弁開閉回路8および表示器11などを制御する。

0025

[本実施の形態における血圧測定動作図1の電子血圧計に従う血圧測定動作を図2図4フローチャートに従い、図5に示された測定時間の経過に対応するカフ圧のレベルを段階的に変化させた場合のチャートを参照しながら説明する。

0026

電源スイッチ12が押下されると(ステップST(以下、STと略す)10)、MPU10は内部の図示されないRAM、ポートおよびタイマなどを血圧を測定できる状態に初期化する(ST11)。MPU10は、信号増幅器5およびA/D変換器9を介して、圧力センサ2から送出されるカフ圧のデータの取込を開始する(ST12)。

0027

MPU10は、電源スイッチ12および加圧スイッチ13が押下されているか否かを絶えず監視する(ST13、ST14)。MPU10は加圧スイッチ13が押下されたことを検出すると、弁開閉回路8に弁閉鎖信号を出力するので急速排気弁4は閉じる(ST15)。任意の所定レベルの加圧目標圧初期値(たとえば、100mmHg)に設定する(ST16)。この加圧目標圧の値は、カフ圧を図5のように変化させるときのレベルであり任意に変更可能である。加圧目標圧の値は、図5に示されるように加圧上限圧と加圧下限圧の区間内において設定される。

0028

上述の加圧目標圧のレベルは、厳密でなくてもよく、たとえば所定レベルの加圧目標圧に対して±α、たとえば±10mmHgの任意の許容差を設定しておいてもよい。

0029

MPU10は、ポンプ駆動回路7にポンプ駆動信号を出力するので、ポンプ駆動回路7は加圧ポンプ3を駆動させる。その結果、図5の時間t1においてカフ1は加圧される(ST17)。MPU10は、圧力センサ2から出力される現在のカフ圧を逐次入力し、入力した現在カフ圧と加圧目標圧とを絶えず比較する(ST18)。比較結果、図5の時間t2において、現在カフ圧が加圧目標圧以上となったことを検出すると、MPU10はポンプ駆動回路7にポンプ停止信号を出力するので、加圧ポンプ3は停止し、カフに対する加圧は停止する(ST19)。

0030

加圧停止後、MPU10は、現在のカフ圧が安定するのを待って、帯域通過フィルタ6およびA/D変換器9により、カフ圧の信号からフィルタリングされた脈波のデータを検出(入力)する(ST20)。検出する脈波の数は1つ以上であればよい。ここではたとえば3個とする。MPU10は、検出された脈波のそれぞれについての波形特徴量を、脈波波形特徴量抽出アルゴリズムに従って抽出する(ST21)。脈波波形特徴量抽出アルゴリズムについては後述する。

0031

各脈波について抽出された特徴量に基づいて、血圧値算出アルゴリズムに従い、収縮期血圧(以下、SBP(Systalic Blood Pressure)と呼ぶ)および拡張期血圧(以下、DBP(Diastolic Blood Pressure)と呼ぶ)の値が算出される(ST22)。

0032

次にMPU10は、算出されたSBPとDBPは正常か否か判定する(ST23)。具体的には、検出された各脈波について算出されたSBPのうちの最大値と最小値の差が基準値以下の場合は、算出されたSBPは正常値と判定する。ここでは基準値を5mmHgとしているが、これに限定されない。同様に各脈波について算出されたDBPのうちの最大値と最小値の差が基準値以下の場合は、算出されたDBPは正常値と判定する。ここでは基準値を5mmHgとしているが、これに限定されない。算出されたSBPとDBPがともに正常値と判定された場合は、SBPとDBPで示される算出された血圧値は正常値と判定する(ST23)。

0033

次に、初回の血圧測定か、再測定かを判定する(ST24)。初回測定と判定された場合、算出された血圧値は正常値だったか異常値(正常値ではなかった)だったかを判定する(ST25)。算出された血圧値が正常値の場合、検出された脈波ごとに計算されたSBPの平均値を求める。求められた平均値をSBPの結果値とする。また、脈波ごとに計算されたDBPの平均値を求め、その値をDBPの結果値とする(ST26)。次に、公知の手順に従って脈拍数を計算する(ST27)。

0034

SBPの結果値、DBPの結果値および計算された脈拍数は表示器11に表示される(ST28)。排気目標圧を初期値に設定する(ST29)。この値は変更可能であり、ここでは、たとえば5mmHgとする。

0035

MPU10は弁開閉回路8に弁開放信号を出力するので、急速排気弁4は開放する(ST30)。この結果、カフ1のカフ圧は急速に減少する。MPU10は圧力センサ2から出力される現在のカフ圧を逐次入力し、入力した現在カフ圧と排気目標圧とを絶えず比較する(ST31)。

0036

比較結果、現在のカフ圧が排気目標圧以下となると、MPU10は、電源スイッチ12および加圧スイッチ13が押下されているか否かを、絶えず監視する状態(ST13)に戻る。電源スイッチ12が押下されると、MPU10は、表示器11を消灯し(ST32)、圧力センサ2からのカフ圧のデータ取込を中止する(ST33)。これにより、一連の血圧測定は終了する。

0037

初回測定において算出された血圧値が異常値の場合、図3のフローチャートに従い加圧目標圧を再設定して再測定が行なわれる。図3のフローチャートにおいては、MPU10は、ST20で検出された脈波ごとにST22で算出されたSBPとDBPから脈波ごとの平均血圧(以下、MAPと呼ぶ)を計算する(ST34)。ここでは、MAPは、
MAP=DBP+((SBP−DBP)/3) …式(1)
用いて算出される。式(1)は公知の式である。そして、脈波ごとに算出されたMAPのうちから値の近い2個を取出し、取出された2個のMAPについて平均値(以下、<MAP>と呼ぶ)を算出する(ST35)。脈波ごとに対応して検出されたカフ圧のレベルが異なる場合は、MPU10は、次の式(2)の重み付き平均を利用して算出する。式(2)では、変数a[i]は重みを示し、対応の脈波の振幅が大きいほど大きく、小さいほど小さくなる。

0038

0039

MPU10は、計算した<MAP>を、入力する現在のカフ圧の値と比較する(ST36)。比較結果、<MAP>が現在のカフ圧値以上でないと判定した場合は、後述のST40の処理に移行するが、<MAP>が現在のカフ圧値以上と判定した場合は、現在のカフ圧は低いので<MAP>を加圧上限圧(たとえば130mmHg)と比較する(ST37)。

0040

比較結果、<MAP>は加圧上限圧以下である(加圧上限圧を超えていない)と判定した場合は、現在のカフ圧を平均血圧に近づけるために、言いかえると、脈波振幅が最大となるように、MPU10は加圧目標圧を<MAP>に設定変更し(ST38)、<MAP>は加圧上限圧以下でない(加圧上限圧以上である)と判定した場合は、現在のカフ圧を平均血圧に近づけるために、言いかえると、脈波振幅が最大となるように、MPU10は加圧目標圧を加圧上限圧に設定変更する(ST39)。

0041

上述のように加圧目標圧が設定変更された後は、加圧ポンプ3を駆動させ、カフ圧を変更後の加圧目標圧にまで上昇させる(ST17)。このとき、図5の矢印Aの方向にカフ圧は上昇する。以下同様にして、設定変更された加圧目標圧(前回算出された<MAP>)まで加圧されると、その後は、カフ圧は加圧目標圧近傍(加圧目標圧またはその付近の圧力)で保持されて(ST18、ST19)、脈波の検出、脈波特徴量の算出、算出された特徴量に基づく血圧値算出が行なわれる(ST20〜ST22)。

0042

一方、<MAP>が現在のカフ圧未満の場合(ST36でNO)、<MAP>を加圧下限圧と比較する(ST40)。比較結果、<MAP>が加圧下限圧未満の場合は、排気目標圧を加圧下限圧に設定変更する(ST45)が、<MAP>が加圧下限圧以上の場合は、排気目標圧を<MAP>に設定変更する(ST41)。

0043

このように設定変更された排気目標圧までに現在のカフ圧を減じるために、MPU10は、弁開閉回路8に弁開放信号を出力するので、急速排気弁4は開放する(ST42)。この結果、カフ圧は急激に減少し始める。このとき、図5の矢印Bの方向にカフ圧は下降する。MPU10は、圧力センサ2を介して検出される現在のカフ圧を逐次入力して、入力した現在のカフ圧と排気目標圧とを絶えず比較する(ST43)。現在のカフ圧が排気目標圧以下となったとき(ST43でYES)、MTU10は弁開閉回路8に弁閉鎖信号を出力するので、急速排気弁4は閉鎖し(ST44)、その結果、カフ圧は排気目標圧近傍(排気目標圧またはその付近の圧力)で保持された状態となり、脈波の検出、検出された脈波に基づく波形特徴量の算出、算出された波形特徴量に基づく血圧値の算出が行なわれる(ST20〜ST22)。

0044

上述したように、脈波の検出、脈波の波形特徴量の算出、算出された波形特徴量に基づく血圧値の算出は、加圧上限圧および加圧下限圧を設け、その区間内で行われる。また、脈波の検出、検出された脈波の波形特徴量の算出、および算出された波形特徴量に基づく血圧値の算出は、平均血圧近傍(平均血圧またはその付近の血圧であり、脈波振幅が最大となる付近の血圧)において検出される脈波が使用されるように加圧設定値可変設定し、設定された加圧設定値にまでカフ圧を調整し、その後に加圧設定値付近で保持されたカフ圧において脈波を検出するようにしている。

0045

図5の加圧上限圧と加圧下限圧とによるレンジは、血圧測定実施中は血圧測定開始時とは異なるレベルが設定されてもよい。つまり、血圧測定実施中はより適正に脈波を検出できるようなレンジとするのが好ましい。

0046

ここで、前述の脈波波形特徴量の算出アルゴリズム(ST21)を図6(A)〜(D)を参照して説明する。ここでは、検出された脈波ごとに4種類の脈波波形の特徴を示す波形特徴量、すなわち脈波振幅Am、相対波形幅Rw、相対最小傾斜Dfn、および波形平均値Ravについて算出しているが、算出する波形特徴量はこの4種類に限定されない。また、算出される波形特徴量は1種類以上であればよい。これら4種類の波形特徴量の算出式を以下に示す。

0047

0048

上述の(式3)において変数PWmaxは1拍の脈波の振幅最大値、変数PWminは1拍の脈波の振幅最小値である。

0049

上述の(式4)の変数Tは1拍の脈波の周期、変数Twは波形値最大点から可変のレベルThまで降下する時間を示す。レベルThは、波形最大点と最小点の間で、振幅Amに対する比率として任意に変更できる。

0050

上述の(式5)における変数DWmaxは、1拍の脈波を微分して脈波微分波形を生成したときの該波形の中の最大値である。同様に変数DWminは脈波微分波形の中の最小値である。

0051

上述の(式6)において変数Maは1拍分の脈波の平均値であり、(式7)で示される。

0052

上述の血圧算出アルゴリズム(ST22)を図7の確率密度関数群を用いて説明する。

0053

図7の確率密度関数群は、上述した脈波波形特徴量と脈波検出点のカフ圧とを用いて血圧値を計算するときに使用されて、ランク分けされた後述の相対カフ圧ごとに、脈波波形特徴量の確率密度が示される。脈波波形特徴量および脈波検出点のカフ圧は各血圧測定時に算出または計測されるデータであり、確率密度関数群はMPU10の内部メモリに予め記憶されるデータである。このような確率密度関数群は2種類設けられる。

0054

第1種類の確率密度関数群は、SBPを算出するときに参照される確率密度関数群である。確率密度関数群の各関数は脈波波形特徴量とSBP相対カフ圧Prsの2変数を用いて定義される2変数関数である。この確率密度関数群は、脈波波形特徴量の種類数だけ独立に存在する。SBP相対カフ圧Prsは、カフ圧PcとSBPとを用いて、
Prs=Pc−SBP… (式8)
で定義される。ここで、カフ圧Pcは脈波検出点に対応して検出されたカフ圧を示す。

0055

第2種類の確率密度関数群は、DBPを計算するときに参照される確率密度関数群である。確率密度関数群の各関数は脈波波形特徴量とDBP相対カフ圧Prdの2変数を有する2変数関数である。この確率密度関数群は、脈波波形特徴量の種類数だけ独立に存在する。DBP相対カフ圧Prdは、カフ圧PcとDBPとを用いて、
Prd=Pc−DBP… (式9)
で定義される。

0056

確率密度関数群は、多くの被験者から、脈波波形特徴量、脈波検出点のカフ圧、SBPおよびDBPを収集して生成される。このとき、確率密度関数群の生成に使用されるデータはカフ圧を加圧下限圧と加圧上限圧の間で調整して収集されるデータである。

0057

確率密度関数群を用い、任意の脈波についてSBPおよびDBPを推定する手順(1)〜(4)を次に示す。この手順は、公知の手順であり、SBPおよびDBPについて同様である。

0058

(1)血圧(SBPまたはDBP)を計算する実測された脈波について、すべての脈波波形特徴量を算出する。

0059

(2) 算出された脈波波形特徴量に基づき、それが属する相対カフ圧ランクの確率密度関数を対応の確率密度関数群から抽出する。いま、たとえば、図8(A)〜(D)の確率密度関数が抽出されたとする。

0060

(3) 抽出された各脈波波形特徴量の確率密度関数を、同じ相対カフ圧ランク同士で演算し、その結果得られた関数を統合確率密度関数図8(D)参照)と呼ぶ。ここでは演算は単純乗算を使用する。

0061

(4)統合確率密度関数の最大値に対応する相対カフ圧を特定する。対応の脈波が検出された時点のカフ圧から、特定された相対カフ圧を減算することにより、血圧値(SBP、DBP)が推定(算出)される。

0062

[重み付けを用いた血圧値の算出]上述のST21とST22の処理は、複数の異なるカフ圧のもとで、脈波を検出し、脈波の波形特徴量を算出し、血圧値を算出するとき、次のように、重み付けを用いて算出するようにしてもよい。

0063

図9(A)〜(C)それぞれには、測定時間の経過に従うカフ圧の変化例が示される。これらの測定においても、加圧上限圧および加圧下限圧の範囲内でカフ圧を変化させて脈波を検出している。図9(A)は図5のように段階的にカフ圧を変化させて複数の異なる任意のカフ圧のレベルC1、C2およびC3のもとで、脈波PLを検出し、脈波PLの波形特徴量を算出し、血圧値を算出する場合を示す。図9(B)および(C)は減圧過程および加圧過程それぞれにおいて血圧測定する場合に、複数の異なる任意のカフ圧のレベルC1、C2およびC3のもとで、脈波PLを検出し、脈波PLの波形特徴量を算出し、血圧値を算出する場合を示す。

0064

つまり、図9(A)〜(C)それぞれにおいて、脈波PLが検出されたときのカフ圧と対応のMAPとがより近いほど(より両者の差が小さいほど)、該脈波PLの振幅はより大きい(S/N比がより大および誤差はより小)ことに着目して、誤差の少ない値が算出結果に有効に作用するように、その重み付けを大きくして算出する。

0065

具体的には、ST22の血圧値の算出においては、複数の異なるカフ圧のもとで検出された各脈波PLごとに、対応のカフ圧と該脈波PLについて算出されたMAPとが近いほど重み付けを大きくして、血圧値(SBP、DBP)の平均を算出して、その算出結果を血圧値として推定(算出)するようにしてもよい。

0066

また、脈波PLのST21で算出された脈波振幅Amがより大きいほど重み付けを大きくして、血圧値(SBP、DBP)の平均を算出して、その算出結果を血圧値として推定(算出)するようにしてもよい。

0067

[本実施の形態の構成と効果]本実施の形態では、脈波の検出、脈波の波形特徴量の算出および脈波の波形特徴量から血圧値の算出は、加圧上限圧および加圧下限圧をそれぞれ設け、その区間内で行なわれている。

0068

脈波の検出、脈波の波形特徴量の算出および算出された波形特徴量に基づく血圧値の算出には、平均血圧近傍の脈波が使用される。

0069

複数の異なるカフ圧レベルで、脈波を検出し、脈波の波形特徴量を算出して血圧値を算出するときは、カフ圧レベルに合せた(式2)の重み付けの平均式で、血圧値を平均すること。のうちのいずれか、または2つ以上の組合せとして血圧測定するので、以下のような特徴が得られる。

0070

血圧測定精度は向上する。加圧上限圧および加圧下限圧で示される測定区間が指定されることにより、血圧算出に必要とされるMPU10内部のデータ量を少なくでき、その結果、MPU10におけるメモリ消費容量を少なくできる。

0071

ノイズ成分の多い脈波が使用される場合、従来は移動平均処理フィルタ処理などのノイズ除去の処理が必要とされていたが、本実施の形態では、ノイズ成分の少ない平均血圧近傍の脈波が使用されることにより、ノイズ除去の処理は不要となり、その結果、安価なマイクロプロセッサ、小容量のメモリの搭載で機能を実現できる。

0072

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

発明の効果

0073

発明によれば、脈波の検出、脈波の波形特徴量の算出および脈波の波形特徴量から血圧値の算出は、加圧上限圧および加圧下限圧をそれぞれ設け、その区間内で行なわれているのでノイズを抑制して、精度良く血圧測定することができる。

0074

また、血圧の平均値またはその近傍で生じる脈波の振幅はほぼ最大でありS/N比が高い脈波であるから、血圧の演算における誤差は少なくなり、血圧測定精度は高まる。

0075

また、被測定者ごとに血圧を算出するのに適した所定レベルを予め知っておく必要はない。また、被測定者ごとに、また同一被測定者の体調、測定時間などのより、血圧を算出するのに適した所定レベルは変化するが、測定の都度、該所定レベルが探索されるので、被測定者ごと、また同一被測定者の体調、測定時間などのばらつきに関わらず、高い測定精度を得ることができる。

0076

また、脈波が検出されたときのカフ圧と対応の平均血圧とがより近いほど、該脈波の振幅はより大きいことに着目して、誤差の少ない値が血圧算出手段の演算に有効に作用するように、その重み付けが大きくされて、血圧算出手段の演算結果に含まれる誤差を抑制できる。

0077

また、脈波について算出された脈波の振幅はS/N比がより大きいおよび誤差はより少ないほど、血圧算出手段の演算に有効に作用するように、その重み付けが大きくされて、血圧算出手段の演算結果に含まれる誤差を抑制できる。

図面の簡単な説明

0078

図1本実施の形態に係る電子血圧計のブロック図である。
図2本実施の形態に係る電子血圧計の動作フローチャートである。
図3本実施の形態に係る電子血圧計の動作フローチャートである。
図4本実施の形態に係る電子血圧計の動作フローチャートである。
図5本実施の形態に係るカフ圧調整のシーケンスを示す図である。
図6(A)〜(D)は、本実施の形態に係る脈波波形特徴量について説明する図である。
図7本実施の形態に係る確率密度関数群を示す図である。
図8本実施の形態に係る確率密度関数を演算して血圧値を推定する手順を示す図である。
図9(A)〜(C)は時間経過に伴うカフ圧の変化例を示す図である。

--

0079

1カフ、2圧力センサ、3加圧ポンプ、4急速排気弁、6帯域通過フィルタ、10 MPU、11表示器、12電源スイッチ、13加圧スイッチ。

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