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図面 (8)

課題

従来の方法では干渉縞ピッチが大きく十分な調整精度が得られなかった。

解決手段

本発明による回折格子調整方法並びに調整装置は、回折格子を通過した光束を空間周波数フィルターに入射させて高周波成分のみを取り出し、該高周波成分を干渉させてできる干渉縞を観測基準線と一致させて回折格子方向を調整することを特徴とする。

概要

背景

回折格子は光束のコヒーレンス波面情報とを保持しながら光束を複数に分割する手段として有効であり、様々な光学装置に用いられている。特に、光ピックアップでは3ビーム法、あるいは差動プッシュプル法(以下DPP法と記す)を実現するため、通常、光源からの光束を1つの主ビームと2つの副ビームとに分割する手段として使用されている。

回折格子で分割・生成された複数の光束は回折原理により、回折格子の格子線と直交する方向に一列に並ぶ。従って回折格子を含む光学装置では生成された複数の光束が所望の方向となるように回折格子の回折方向を調整する必要がある。特に光ピックアップでは光ディスクに形成された、ピッチが1μm程度のトラックに対して高精度に位置決めする必要がある。

このような光学装置における回折格子の従来の調整方法としては、特開昭62−264436号公報に開示されている方法がある。これについて図4を参照して説明する。上記公報に開示されている光学装置は、図4に示すように、光ピックアップの筐体101、レンズ枠102、光源103、回折格子104、コリメートレンズ105、TVカメラ106、および、ディスプレイ107を備えている。筐体101にはレンズ枠102が挿入されており、更にレンズ枠102には光源103、回折格子104およびコリメートレンズ105が装着されている。光源103から放射された光束は、回折格子104によって複数の光ビーム(光束)に分割されて、コリメートレンズ105により平行光に変換される。TVカメラ106にはディスプレイ107が接続されている。また、このディスプレイ107には分割された複数の光ビームの干渉縞と図示しない基準線とが表示されている。そして、この干渉縞が上記基準線と平行になるように、筐体101の側面に形成された調整穴108より偏芯ピンなどを用いて回折格子104を回転させることにより回折方向を調整する。このようにして、回折格子104の回折方向を調整している。

ところで、干渉縞は、通常、正弦波状の強度分布を有するので、この干渉縞の明暗境界線を特定することは難しい。従って、このような調整方法においては、干渉縞のピッチの1/2程度が調整限度となる。例えば、図5に示されるような直径Aの円形の光ビーム断面にピッチD0の干渉縞が観察されたとすると、調整精度Δθは、
Δθ=Sin-1(D0/(2・A))
で与えられる。

概要

従来の方法では干渉縞のピッチが大きく十分な調整精度が得られなかった。

本発明による回折格子の調整方法並びに調整装置は、回折格子を通過した光束を空間周波数フィルターに入射させて高周波成分のみを取り出し、該高周波成分を干渉させてできる干渉縞を観測し基準線と一致させて回折格子方向を調整することを特徴とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

光学装置に備えられている、光を複数の光束に分割する回折格子回折方向を調節する回折格子の調整方法であって、回折格子を通過した上記光束から、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出す取り出し工程と、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を干渉させてできる干渉縞を、所定の基準線と一致させるように回折格子の格子線の方向を調整する調整工程とを含むことを特徴とする回折格子の調整方法。

請求項2

さらに、上記取り出し工程では、回折格子を通過した光束を複数の光透過部を有する遮光板上に集光させて、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を取り出すことを特徴とする請求項1に記載の回折格子の調整方法。

請求項3

さらに、取り出し工程にて取り出された上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を平行光に変換する変換工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の回折格子の調整方法。

請求項4

さらに、上記取り出し工程では、−N次および+N次(但し、Nは自然数)の回折光成分の光束のみを取り出すことを特徴とする請求項1、2または3に記載の回折格子の調整方法。

請求項5

光学装置に備えられている、光を複数の光束に分割する回折格子の格子線の方向を調整する回折格子調整装置であって、回折格子を通過した上記光束から−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出す空間周波数フィルターと、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を干渉させてできる干渉縞と所定の基準線との重なりを観察する観察手段と、上記観察結果に基づいて、回折格子の格子線の方向を調節する調節手段とを備えることを特徴とする回折格子調整装置。

請求項6

上記空間周波数フィルターは、回折格子を通過した光束を集光させる第1の集光レンズと上記光束の集光位置に配置された複数の光透過部を有する遮光板とを備えることを特徴とする請求項5記載の回折格子調整装置。

請求項7

上記空間周波数フィルターは、さらに、上記遮光板の光透過部を透過した光束を平行光に変換する第2の集光レンズを含むことを特徴とする請求項6記載の回折格子調整装置。

請求項8

上記遮光板の光透過部は、+N次および−N次(但し、Nは自然数)の回折光成分の光束のみを透過させるように配置されていることを特徴とする請求項6または7記載の回折格子調整装置。

技術分野

0001

本発明は、光ピックアップのような回折格子を含む光学装置の回折格子の回折方向を調整する方法に関するものである。

背景技術

0002

回折格子は光束のコヒーレンス波面情報とを保持しながら光束を複数に分割する手段として有効であり、様々な光学装置に用いられている。特に、光ピックアップでは3ビーム法、あるいは差動プッシュプル法(以下DPP法と記す)を実現するため、通常、光源からの光束を1つの主ビームと2つの副ビームとに分割する手段として使用されている。

0003

回折格子で分割・生成された複数の光束は回折原理により、回折格子の格子線と直交する方向に一列に並ぶ。従って回折格子を含む光学装置では生成された複数の光束が所望の方向となるように回折格子の回折方向を調整する必要がある。特に光ピックアップでは光ディスクに形成された、ピッチが1μm程度のトラックに対して高精度に位置決めする必要がある。

0004

このような光学装置における回折格子の従来の調整方法としては、特開昭62−264436号公報に開示されている方法がある。これについて図4を参照して説明する。上記公報に開示されている光学装置は、図4に示すように、光ピックアップの筐体101、レンズ枠102、光源103、回折格子104、コリメートレンズ105、TVカメラ106、および、ディスプレイ107を備えている。筐体101にはレンズ枠102が挿入されており、更にレンズ枠102には光源103、回折格子104およびコリメートレンズ105が装着されている。光源103から放射された光束は、回折格子104によって複数の光ビーム(光束)に分割されて、コリメートレンズ105により平行光に変換される。TVカメラ106にはディスプレイ107が接続されている。また、このディスプレイ107には分割された複数の光ビームの干渉縞と図示しない基準線とが表示されている。そして、この干渉縞が上記基準線と平行になるように、筐体101の側面に形成された調整穴108より偏芯ピンなどを用いて回折格子104を回転させることにより回折方向を調整する。このようにして、回折格子104の回折方向を調整している。

0005

ところで、干渉縞は、通常、正弦波状の強度分布を有するので、この干渉縞の明暗境界線を特定することは難しい。従って、このような調整方法においては、干渉縞のピッチの1/2程度が調整限度となる。例えば、図5に示されるような直径Aの円形の光ビーム断面にピッチD0の干渉縞が観察されたとすると、調整精度Δθは、
Δθ=Sin-1(D0/(2・A))
で与えられる。

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、近年の光学装置は高精度化が進み、前述の調整精度で不十分な状況が生じている。その具体例について図6、7を参照して説明する。図6は光ピックアップの光学系を模式的に示した図であり、図4と同じ部材には同じ番号を付している。光源103から放射された光束は、回折格子104で複数の光束に分割されてコリメートレンズ105で平行光に変換された後、対物レンズ110により光ディスク111上に集光されることにより複数の光スポットを形成する。

0007

図7は光ディスク上に形成された集光スポット記録トラックとの位置関係を示したものである。主ビームの集光スポット116に対して、2つのトラッキング副ビームスポット117・118が、それぞれトラックに沿った方向に約20μm、トラックに直交する方向に約0.37μm離れて配置されている。また、トラックピッチは0.74μmである。以下の説明では、この条件に基づいて説明する。

0008

図6において、コリメートレンズ105から出射される平行光の断面に形成される干渉縞のピッチは、対物レンズ110の焦点距離ディスク上での主ビームと副ビームとの集光スポット間隔、および、光源の波長によって決定される。具体的には、例えば、対物レンズ110の焦点距離を2.5mm、主ビームと副ビームとの集光スポット間隔を20μm、光源の波長を0.65μmとすると干渉縞の間隔D0は、
D0=0.65μm/(20μm/2.5mm)=81μm
となる。

0009

コリメートレンズ105の有効直径は概ね4mm程度であり、この場合の調整角度精度Δθは、
Δθ=Sin-1(81μm/(2×4mm))=0.58(°)
となる。

0010

しかしながら、具体的には、ディスク上の副ビームスポット117・118は、近年の光学装置におけるトラッキング精度の要求から、例えば、主ビームスポットに対してトラック115と直交する方向にトラックピッチの約4%の精度で位置合わせする必要がある。具体的には、トラックピッチが0.74μmである場合、約30nmの精度で位置あわせする必要がある。これは調整角度精度Δθ(具体的には、グレーティング104の格子方向、即ち干渉縞の方向)を、
Δθ=Sin-1(30nm/20μm)=0.085(°)
の精度で合わせる必要があることを意味し、従来の調整方法における角度精度(0.58(°))では精度不足となる。なお、上記調整角度精度Δθ(上記説明では、0.085(°))は、必要とする精度、装置の大きさ、使用目的等により適宜決定される。

0011

従って、より高精度に回折格子の回折方向を調整する方法およびその装置が求められている。

課題を解決するための手段

0012

本発明の回折格子の調整方法は、上記の課題を解決するために、光学装置に備えられている、光を複数の光束に分割する回折格子の回折方向を調節する回折格子の調整方法であって、回折格子を通過した上記光束から、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出す取り出し工程と、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を干渉させてできる干渉縞を、所定の基準線と一致させるように回折格子の格子線の方向を調整する調整工程とを含むことを特徴としている。

0013

上記基準線とは、回折格子が正常な状態(正確な位置に)に調整された場合に形成される干渉縞、または、この干渉縞に基づいて作成される線を示す。

0014

上記の方法によれば、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出して、この光束を上記基準線に基づいて調整するようになっている。この−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束は、従来と比べて、光束を干渉させてできる干渉縞のピッチが小さい。従って、干渉縞のピッチが小さいので、この干渉縞を上記基準線に、より正確に合わせることができる。これにより、精度良く回折格子の格子線の方向を調整することができる。具体的には、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束のみを透過させることにより、従来の調整方法と比べて、干渉縞のピッチを1/(2M)とすることができるので、より高精度の調整が可能となる。

0015

また、本発明の回折格子の調整方法の上記取り出し工程では、回折格子を通過した光束を複数の光透過部を有する遮光板上に集光させて、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を取り出すことがより好ましい。

0016

回折格子からの光束を集光させることにより、次数の異なる回折光は、異なる位置に集光される。従って、回折光を複数の光透過部を有する遮光板上に集光させれば、特定の回折光を容易に取り出せる。

0017

また、本発明の回折格子の調整方法は、さらに、取り出し工程にて取り出された上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を平行光に変換する変換工程を含む構成がより好ましい。

0018

上記の構成によれば、取り出し工程にて取り出された上記−M次以下および+M次以上の回折光を平行光に変換しているので、干渉縞がどの位置でも同じ大きさになり正確な調整が容易になる。

0019

また、本発明の回折格子の調整方法は、さらに、上記取り出し工程では、−N次および+N次(但し、Nは自然数)の回折光成分の光束のみを取り出すことがより好ましい。

0020

上記の構成によれば、−N次および+N次(但し、Nは自然数)の回折光のみを取り出すようになっており、ほぼ同じ強度の回折光のみを干渉させることができるので、明瞭な干渉縞が得られる。これにより、より精度良く回折格子を調整することができる。

0021

本発明の回折格子調整装置は、上記の課題を解決するために、光学装置に備えられている、光を複数の光束に分割する回折格子の格子線の方向を調整する回折格子調整装置であって、回折格子を通過した上記光束から−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出す空間周波数フィルターと、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を干渉させてできる干渉縞と所定の基準線とを観察する観察手段と上記回折格子の格子線の方向を調節する調節手段とを備えることを特徴としている。

0022

上記空間周波数フィルターとは、回折格子によって回折された光束のうち、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出すことができるものである。

0023

本発明による回折格子調整装置においては、回折格子を通過した光束を空間周波数フィルターに入射させて−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出し、該回折光成分の光束を干渉させてできる、より細かいピッチの干渉縞を観察手段により観察している。そして、観察された干渉縞と基準線との重なり具合に応じて、回折格子の格子線の方向を調整している。具体的には、上記観察手段を見ながら、上記干渉縞が上記基準線と一致する(重なる)ように、回折格子の格子線の方向を調整している。従って、より細かいピッチの干渉縞を基に格子線の方向の調整を行うことができるので、従来と比べて、回折格子の調整精度を向上させることができる。また、回折方向の調整としては、例えば、干渉縞が基準線と直角になるように調整してもよく、特に限定されるものではない。

0024

また、本発明の回折格子調整装置の上記空間周波数フィルターは、回折格子からの光束を集光させる第1の集光レンズと上記光束の集光位置に配置された複数の光透過部を有する遮光板とを備える構成とすることがより好ましい。

0025

上記の構成によれば、上記空間周波数フィルターは集光レンズと複数の光透過部を有する遮光板で構成することができるので安価である。

0026

また、上記遮光板の光透過部を−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束のみを透過させるように形成しているので、干渉縞のピッチを1/(2M)とすることができる。従って、従来と比べて、より高精度の調整が可能となる。

0027

また、本発明の回折格子調整装置は、上記空間周波数フィルターは、さらに、上記遮光板の光透過部を透過した光束を平行光に変換する第2の集光レンズを含む構成がより好ましい。

0028

上記の構成によれば、遮光板を透過した光束を平行光に変換する第2の集光レンズを配置することにより、観察手段(例えば、TVカメラ)を、光の進む方向に対して、第2の集光レンズより後の、光軸上のどこに配置しても同じ大きさの干渉縞が観察できるようになるので、装置の配置が容易になる。これにより、例えば、装置の大きさ等の自由度が増す。

0029

また、本発明の回折格子調整装置は、上記遮光板の光透過部は、+N次および−N次(但し、Nは自然数)の回折光成分の光束のみを透過させるように配置されている構成がより好ましい。

0030

上記の構成によれば、遮光板の光透過部を−N次および+N次(但し、Nは自然数)の回折光成分の光束のみを透過させるように配置することにより、ほぼ同じ強度の回折光のみを干渉させることができるので、明瞭な干渉縞が得られる。

発明を実施するための最良の形態

0031

本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。

0032

本実施の形態にかかる回折格子調整装置は、光源からの光を複数の光束に分割する回折格子を有する光学装置のための回折格子調整装置であって、回折格子を通過した光束から特定の回折光成分(以下、回折光成分と称する)を取り出す空間周波数フィルターと、上記特定の回折光を干渉させてできる干渉縞および所定の基準線を観察する観察手段と上記回折格子の方向を調節する調節手段とを有する構成である。

0033

以下の説明では、回折格子を備えた光学装置が、光ピックアップである場合について説明する。しかし、本発明の回折格子の調整方法および回折格子調整装置における光学装置は、光ピックアップ装置のみに限定されるものではなく、回折格子を備えた光学装置であれば特に限定されるものではない。

0034

光ピックアップは、一般的に、図1に示すように、光源1と回折格子2とコリメートレンズ3とミラー4とを備えている。光源1から放射された光は回折格子2により複数の光束に分割され、コリメートレンズ3により平行光束に変換された後、ミラー4で上方に反射される。ミラー4で反射された光束の断面には、回折によるピッチD1の干渉縞が観察される。この干渉縞のピッチD1は0次回折光と+1次または−1次回折光とのなす角に反比例し、光源の波長に比例する。すなわち、0次回折光と+1次または−1次回折光とのなす角が小さく(狭く)なると、ピッチD1の間隔は大きく(広く)なる。また、光源の波長が大きく(長く)なると、ピッチD1の間隔は小さく(狭く)なる。

0035

上記光源は、光ピックアップとして使用する光源でもよく、本発明の回折格子の調整のために使用する光源でも良い。具体的には、上記光源は、光ピックアップとして使用するレーザダイオード等でもよく、回折格子の調整のために使用するHeNeレーザでも良い。

0036

本実施の形態にかかる回折格子調整装置は第1の集光レンズ5(空間周波数フィルター)と、2個所の光透過部10を有する遮光板6(空間周波数フィルター)と、第2の集光レンズ7(空間周波数フィルター)と、TVカメラ8(観察手段)と、モニター9(観察手段)と、図示しない回折格子調整手段とで構成されている。

0037

第1の集光レンズ5は、光学装置の回折格子を通ってきた光束を遮光板6に集光するために用いられる。このとき、第1の集光レンズ5では、複数の次数の光束が遮光板6に集光されるようになっている。従って、遮光板6上には、複数の光のスポットが形成されることとなる。

0038

上記遮光板6は、第1の集光レンズ5で集光された複数の光束のうちの、特定の回折光成分を透過させるために設けられている。具体的には、遮光板6の特定の回折光が集光する部分(場所)には、光透過部10が備えられている。この光透過部10とは、例えば、開口である。

0039

上記光透過部10は、第1の集光レンズ5で集光された複数の光束のうちの、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光を透過させるような位置に設けられている。光透過部10は、−M次以下および+M次以上の回折光を透過させることができればよいが、同じ次数のみの回折光を透過させることが特に好ましい。符号は異なるが、同じ次数の回折光は、同じ光の強度を有している。従って、ほぼ同じ強度の回折光のみを干渉させることができるので、より明瞭な干渉縞を得ることができる。なお、図1では、±5次の回折光のみを透過させるように、光透過部10が形成されている。

0040

第2の集光レンズ7は、上記遮光板6に備えられた光透過部10を透過した光束(光)を平行光に変換するために用いられる。そして、第2の集光レンズ7は、光透過部10を透過した光を、上記TVカメラ8およびモニター9(観察手段)に拡大して表示するようになっている。この第2の集光レンズ7には、特定の次数の回折光が入射するようになっている。従って、この第2の集光レンズ7を透過した回折光が干渉することにより発生する干渉縞は、ミラー4にて反射された回折光が干渉することにより発生する干渉縞と比べて、干渉縞のピッチの間隔が狭くなっている。

0041

上記TVカメラ8およびモニター9は、上記第2の集光レンズ7を透過した光が干渉することにより発生した干渉縞を観察するものである。モニター9には、予め回折格子が正確な状態に調整された場合に形成される干渉縞、または、この干渉縞を基に作成された線を基準線12として表示されている。

0042

図2は、図1の光学系からミラー4を除いたものの断面図を示したものである。モニター9には基準線12が映されている。該基準線は調整される回折格子を備えた光学装置の光学的、または機械的基準に対して所定の角度となるよう予め調整されている。本実施の形態では、回折格子が正確な(正常)状態に調整された場合に形成される干渉縞、または、光ピックアップの図示しないガイド軸、またはその筐体の外形に対して平行または垂直な線を光学的に計測して得られた結果が、基準線12として使用される。

0043

また、回折格子調整手段は、上記観察手段の観察結果に基づいて、回折格子の格子線の方向を調整するものである。具体的には、回折格子調整手段は、上記モニター9に表示された第2の集光レンズ7を透過することにより観察された干渉縞と、上記モニター9に表示されている基準線12とを、一致させるように回折格子の格子線の方向を調整するものである。上記回折格子調整手段としては、具体的には、偏芯ピン等が挙げられるが特に限定されるものではない。

0044

そして、本実施の形態では、上記第1の集光レンズ5と遮光板6と第2の集光レンズ7とにより空間周波数フィルターが構成されている。

0045

上記空間周波数フィルターは、遮光板6に設けられている光透過部10の位置によって、透過させる回折光成分を変更することができる。

0046

しかし、上記空間周波数フィルターとしては、少なくとも上記第1の集光レンズ5と遮光板6とから構成されていればよい。従って、空間周波数フィルターとしては、例えば、第2の集光レンズ7を備えていな場合でも回折格子の調整を行うことができる。

0047

次に、本発明に係る回折格子調整装置の動作、すなわち、本発明に係る回折格子の調整方法について説明する。

0048

本実施の形態にかかる回折格子の調整方法は、光学装置に備えられている、光を複数の光束に分割する回折格子の回折方向を調節する回折格子の調整方法であって、回折格子を通過した上記光束のうちの、特定の次数の回折光成分を取り出した後、上記特定の次数の回折光成分を干渉させてできる干渉縞を、所定の基準線と一致させるように回折格子の格子線の方向を調整することにより、回折格子の回折方向を調整する構成である。以下に、光透過部が、±5次の回折光のみを透過させた場合を例に説明する。

0049

光源1から照射された光は回折格子2にて複数の光束になり、コリメートレンズ3に照射される。そして、コリメートレンズ3で平行光に変換されて出射した光束は、第1の集光レンズ5により集光されて焦点面内に複数の集光スポットを形成する。この焦点面には遮光板6が配置されており、遮光板6には−N次及び+N次の回折光のみを透過させる光透過部10が設けられている。この場合、遮光板6には−5次及び+5次回折光の集光スポットP—5・P+5の位置に光透過部10が設けられているので第2の集光レンズ7には−5次及び+5次回折光のみが入射し、集光レンズ7から出射される光束の断面には−5次回折光と+5次回折光の干渉縞が観察される。特に符号の異なる同次数の回折光は、ほぼ同じ強度を有するのでこれらを干渉させると最も明瞭な干渉縞が得られる。

0050

第2の集光レンズ7を透過した干渉縞のピッチD2は−5次回折光と+5次回折光のなす角に反比例し、光源の波長に比例する。−N次回折光と+N次回折光のなす角は0次光と+1次(または−1次回折光)のなす角の約2N倍となるので、−5次回折光と+5次回折光を干渉させて得られる干渉縞のピッチD2は空間周波数フィルター通過前の干渉縞のピッチD1に対して、約1/10となる。従って、第2の集光レンズ7から出射された光束の干渉縞をモニター9で観察しながら、その干渉縞が基準線と一致するように回折格子2の回折方向を調整すると、従来の方法で調整した場合と比べて、10倍の精度で回折格子2の方向を調整することができる。

0051

具体的には、例えば、光ピックアップにおいて対物レンズの焦点距離を2.5mm、主ビームと副ビームとの集光スポット間隔を20μm、波長を0.65μmとすると、コリメートレンズ3を出射した光束の断面に形成される干渉縞の間隔D1は、
D1=0.65μm/(20μm/2.5mm)=81μm
となる。そして上記空間周波数フィルターを透過させることにより、ピッチD2=8.1μmの干渉縞が得られる。従って、コリメートレンズ3の有効直径を4mmとすると調整角度精度Δθは、
Δθ=Sin-1(8.1μm/(2×4mm))=0.058(°)
となる。これにより、従来の調整方法と比べて、調整精度を上げることができ(具体的には、調整精度を、上述した正確なトラッキングに必要な調整精度(例えば、0.085(°))よりも小さくすることができる)ので、本発明の回折格子の調整方法により、実用に耐え得る精度での角度調整を実現することができる。

0052

なお、遮光板6は、所望の高次回折光、例えば、±M次以上(−M次以下及び+M次以上(Mは自然数))の回折光を透過させるように形成されている。本実施の形態では、図3に示すように、遮光板6に長方形の光透過部10が設けられており、この光透過部10は、±5次以上、すなわち、−5次以下および+5次以上の回折光を透過させるようになっている。また、第2のレンズ7を透過した光束の、干渉縞のピッチD2は、光透過部10を透過した回折光のうち、最低次数の回折光で決定されるので図3に示した構成でも図1の構成と同様に調整精度が向上する。

0053

以上のように本実施の形態にかかる回折格子の調整方法は、光学装置に備えられている、光を複数の光束に分割する回折格子の回折方向を調節する回折格子の調整方法であって、回折格子を通過した上記光束のうち、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出す取り出し工程と、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を干渉させてできる干渉縞を、所定の基準線と一致させるように回折格子の格子線の方向を調整する調整工程とを含む構成である。

0054

上記の方法によれば、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出して、上記光束を基準線に基づいて調整するようになっている。この−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束は、従来と比べて、光束を干渉させてできる干渉縞のピッチを小さくすることができる。具体的には、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分のみを透過させることにより、干渉縞のピッチを1/(2M)とすることができるので、より高精度の調整が可能となる。

0055

また、特に、−N次および+N次(但し、Nは自然数)の回折光成分のみを取り出すことにより、ほぼ同じ強度の回折光のみを干渉させることができるので、明瞭な干渉縞を得ることができる。

0056

なお、本発明による回折格子の調整方法は、光源と該光源からの光を複数の光束に分割する回折格子を有する光学装置における回折格子の調整方法であって、回折格子を通過した光束を空間周波数フィルターに入射させて特定の回折光成分のみを取り出し、該回折光成分を干渉させてできる干渉縞を観測し基準線と一致させて回折格子方向の方向を調整する構成であっても良い。

0057

また、上記空間周波数フィルターは回折格子からの光束を集光させる第1の集光レンズと上記光束の集光位置に配置された複数の光透過部を有する遮光板とを有する構成であることがより好ましい。

0058

上記空間周波数フィルターは、さらに上記遮光板の光透過部を透過した光を平行光に変換する第2の集光レンズを含む構成であることがより好ましい。

0059

上記遮光板の光透過部は−M次以上および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分のみを透過させるように配置された構成であることがより好ましい。

0060

上記遮光板の光透過部は−N次および+N次(但し、Nは自然数)の回折光成分のみを透過させるように配置された構成であることがより好ましい。

発明の効果

0061

本発明の回折格子の調整方法は、以上のように、回折格子を通過した上記光束のうち、−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出す取り出し工程と、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を干渉させてできる干渉縞を、所定の基準線と一致させるように回折格子の格子線の方向を調整する調整工程とを含む構成である。

0062

−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束は、従来と比べて、光束を干渉させてできる干渉縞のピッチを小さくすることができるので、より精度良く回折格子の回折方向を調整することができるという効果を奏する。

0063

また、本発明の回折格子の調整方法は、さらに、上記取り出し工程では、回折格子を通過した光束を集光させた後、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を取り出す構成がより好ましい。

0064

それゆえ、回折格子からの光束を集光させた後、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を取り出すので、特定の回折光成分の光束を取り出し易いという効果を奏する。

0065

また、本発明の回折格子の調整方法は、さらに、取り出し工程にて取り出された上記特定の次数の回折光成分の光束を平行光に変換する変換工程を含む構成がより好ましい。

0066

それゆえ、取り出し工程にて取り出された上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を平行光に変換しているので、上記特定の回折光成分をより取り出し易いという効果を奏する。

0067

また、本発明の回折格子の調整方法は、さらに、上記取り出し工程では、−N次および+N次(但し、Nは自然数)の回折光成分の光束のみを取り出す構成がより好ましい。

0068

それゆえ、ほぼ同じ強度の回折光のみを干渉させることができるので、明瞭な干渉縞が得られるという効果を奏する。

0069

本発明の回折格子調整装置は、以上のように、回折格子を通過した光束から−M次以下および+M次以上(但し、Mは自然数)の回折光成分の光束を取り出す空間周波数フィルターと、上記−M次以下および+M次以上の回折光成分の光束を干渉させてできる干渉縞と所定の基準線との重なりを観察する観察手段と上記回折格子の格子線の方向を調節する調節手段とを備える構成である。

0070

それゆえ、回折格子を通過した光束を空間周波数フィルターに入射させて−M次以下および+M次以上(但し、自然数)の回折光成分の光束を取り出し、該高周波成分を干渉させてできるより細かいピッチの干渉縞を用いて回折格子方向を調整するので、従来と比べて、回折格子の調整精度を向上させることができるという効果を奏する。

0071

また、本発明の回折格子調整装置は、上記空間周波数フィルターは、回折格子からの光束を集光させる第1の集光レンズと上記光束の集光位置に配置された複数の光透過部を有する遮光板とを有する構成がより好ましい。

0072

それゆえ、上記空間周波数フィルターは集光レンズと複数の光透過部を有する遮光板で構成することができるので安価であるという効果を奏する。

0073

また、本発明の回折格子調整装置は、上記空間周波数フィルターは、さらに、上記遮光板の光透過部を透過した光束を平行光に変換する第2の集光レンズを含む構成がより好ましい。

0074

それゆえ、遮光板を透過した光を平行光に変換する第2の集光レンズを配置することにより、観察手段を光軸上のどこに配置しても同じ大きさの干渉縞が観察できるようになるので装置の自由度(配置、装置の大きさ等)が増すという効果を奏する。

0075

また、本発明の回折格子調整装置は、上記遮光板の光透過部は、+N次および−N次(但し、Nは自然数)の回折光成分の光束のみを透過させるように配置されている構成がより好ましい。

0076

それゆえ、遮光板の光透過部を−N次および+N次(但し、Nは自然数)の回折光成分のみをさせるように配置することにより、ほぼ同じ強度の回折光のみを干渉させることができるので、明瞭な干渉縞が得られるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0077

図1本実施の一形態における回折格子調整装置の概略を示す斜視図である
図2本実施の一形態における回折格子調整装置の概略を説明する断面図である。
図3本実施の一形態における他の回折格子調整装置の概略を示す斜視図である。
図4従来の回折格子調整装置の概略を示す説明図である。
図5干渉縞による角度調整の調整精度を説明する図面である。
図6光ピックアップの構成の概略を説明する断面図である。
図7光ディスク上の記録トラックと集光スポットとの位置関係の説明する図面である。

--

0078

1光源
2回折格子
3コリメートレンズ
4ミラー
5 第1の集光レンズ(空間周波数フィルター)
6遮光板(空間周波数フィルター)
7 第2の集光レンズ(空間周波数フィルター)
8TVカメラ(観察手段)
9モニター(観察手段)
10光透過部

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