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技術 超音波送受波器及び装置並びに魚群探知機

出願人 日本無線株式会社
発明者 田中正吉前田賢哉
出願日 2002年3月18日 (18年9ヶ月経過) 出願番号 2002-073787
公開日 2003年9月25日 (17年3ヶ月経過) 公開番号 2003-270328
状態 特許登録済
技術分野 超音波変換器 音波、超音波を用いた位置、速度等の測定
主要キーワード 配置線 低コスト省スペース 平面投影図 独立気泡スポンジ 励振期 配列平面 最長対角線 開口形成面
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図面 (20)

課題

従来に比べ低コスト省スペースで、複数の方向について探知監視を行える装置を実現する。

解決手段

振動子12Aの輻射面形状を、60°の鋭角頂点を有する菱形とする。この鋭角頂点が一点に集まるよう6個の振動子12Aを配列し、それら6個の振動子12Aを第1の励振用配線に接続する(六芳星アウトライン部分)。これら6個の振動子12Aのうちいずれかに辺対辺で接する他の6個の振動子12Aを第2の励振用配線に接続する(外縁部分)。六芳星アウトライン部分に属する振動子12Aは、隣り合う振動子12A同士が異なるアレイに属することとなるよう且つ正対する振動子12A同士が同じアレイの異なる受波用配線につながるよう、受波用配線に接続する。外縁部分に属する振動子12Aは、辺対辺で接触する内側の2個の振動子12Aと異なるアレイに属することとなるよう且つ正対する振動子12A同士が同じアレイの異なる受波用配線につながるよう、受波用配線に接続する。以上のパターン任意個数繰り返す。

概要

背景

魚群探知機漁船等の操業支援する装置として有用である。魚群探知機は超音波送受波装置一種であり、船底に配設した超音波送受波器を用いて水中への超音波送信及び魚群等からのエコーの受信を行い、それによって探知した魚群等の映像を、上の表示器画面上に表示させる。魚群探知機には、複数方向を探知できる多面魚群探知機、サーチライト式魚群探知機等があるが、いずれにも問題点がある。まず、多面魚群探知機は、船底に設けた複数の超音波送受波器のうち1個の超音波送受波器のビームを船底直下方向に向け、残りの超音波送受波器のビームを船底直下方向に対して傾いた方向に向ける、という構成であるため、使用する超音波送受波器の個数が多く、装置部品コスト、設置作業コスト、設置スペース等が大きくなるという問題を孕んでいる。また、サーチライト式魚群探知機は、超音波送受波器の向きを機械的に変化させることによって超音波送受波方向を変化させる、という構成であるため、複数の方向を同時に観測できない、首振り機構が必要であるため装置部品・設置作業・保守等のコストや設置所要スペースが大である、超音波送受波器及び首振り機構を収納するソナードームが必要であり装置部品コストがかさむ、ソナードーム昇降用機構が必要であり装置部品・設置作業・保守等のコストや設置スペースが大である、等の問題を有している。

複数方向を探知可能で上述した多面魚群探知機、サーチライト式魚群探知機等のような問題点が少ない魚群探知機としては、本願出願人が特願平10−313774号(特開2000−147095号公報参照。以下「先提案技術」と称する)にて提案及び開示したものがある。先提案技術の特徴は、多数の振動子を平面的に配置したこと、またその振動子配列励振側結線受波側結線をそれぞれ所定の規則に従い行ったこと、それによって3倍密度平面配置・7方向同時探知型の超音波送受波器を実現したこと等である。

まず、先提案技術における振動子配列規則は、図13及び図14に示すように、正三角形格子パターンに従い振動子を配置する、という規則である。より具体的には、先提案技術に係る超音波送受波器は、コルクシート独立気泡スポンジゴムシート等の遮音材から形成されている略円形遮音体10内に、図13に示す通り117個の超音波振動子12を中心間隔Dで収納した構成を有している。遮音体10の片側の面には開口を設けており、各振動子12はその正電極14を外側にまた負電極16を内側に向けた状態でこの開口に収納されている。遮音体10の内部又は外縁には振動子12の正電極14や負電極16を外部に電気的に接続するための導体配線が配置される。水中で使用できるようにするためウレタンゴムモールド等による防水構造を設ける必要がある。遮音体10を支持補強するための各種構造部材を設けてもよい。遮音体10の形状や振動子12の形状・個数は、後述するアレイ形成に支障とならない限りにおいてまた必要とするビームに応じて決める。各振動子12は、図14に示すように、遮音体10の表面に沿って想定されている仮想的なパターンである正三角形格子パターン18上の各格子点20に、それぞれ配置されている。正三角形格子パターン18とは、その一辺の長さがDの正三角形を繰返しの単位とする格子状のパターンであり、格子点20とはこの繰返しの単位となっている正三角形の頂点である。

また、先提案技術における励振用配線の結線規則を図15に示す。励振用配線は、振動子12の正電極14同士を接続し更にこれを外部(後述の駆動信号発生回路)に接続する配線である。励振用配線には、駆動信号TX1を印加するための励振用配線22−1及び駆動信号TX2を印加するための励振用配線22−2がある。振動子12にはこれらのうち一方が接続される。

更に、先提案技術における受波用配線の結線規則を図16〜図18に示す。受波用配線は、振動子12の負電極16同士を接続し更にこれを外部(後述のビーム合成回路)に接続する配線である。受波用配線には、受波用配線24−x1〜24−x4(x=A,B,C)という12通りの配線がある。受波用配線24−A1〜24−A4はY軸に平行な直線に沿って、受波用配線24−B1〜24−B4はY軸に対して時計回りに2π/3(rad)傾いた直線に沿って、そして受波用配線24−C1〜24−C4はY軸に対して反時計回りに2π/3(rad)傾いた直線に沿って、振動子12同士を接続し更にそれらを受信側の回路に接続する。受波用配線24−xj(j=1,3)により接続される振動子12と受波用配線24−xk(k=j+1)により接続される振動子12は、同一の直線上に、かつ交互に位置している。また、受波用配線24−x1又は24−x2に接続される振動子12の配置線と、受波用配線24−x3又は24−x4に接続される振動子12の配置線は、3D/2の間隔で交互に位置している。更に、各振動子12はそれぞれいずれか1本の受波用配線に接続されており、いずれの振動子12も2本以上の受波用配線には接続されない。そして、受波用配線24−A1〜24−A4、24−B1〜24−B4及び24−C1〜24−C4により取り出される信号には、それぞれ、順に、RXA1〜RXA4、RXB1〜RXB4及びRXC1〜RXC4という符号が付せられている。

図19〜図21に、上述の結線規則において繰返しの単位となっている結線、即ち単位結線を示す。この単位結線は、励振用配線22−1により接続された6個の振動子12を含む一辺=2Dの正三角形と、励振用配線22−2により接続された12個の振動子12を含み上述の正三角形を囲む長辺=3D,短辺=Dの六角形とを、含んでいる。隣り合う単位結線同士の内側正三角形間の間隔は距離=31/2D(中心間隔=2×31/2D)で均一である。外側六角形は、一辺=5Dの正三角形の各頂点から一辺=Dの正三角形を切り落とした形状であり、互いに隣接する他の単位結線中の外側六角形同士はその短辺同士で接触(その短辺を共有)している。また、図19〜図21では各振動子12に符号A,B,Cを付している。これは、同一平面上に形成されている3個の超音波振動子アレイA,B,Cのうちどのアレイに、各振動子12が属するのかを、示している。所属先のアレイは、その振動子12が受波用配線24−A1〜24−A4、受波用配線24−B1〜24−B4、並びに受波用配線24−C1〜24−C4のうち、どれに接続されているかにより、決まる。

図19(b)及び(c)に示されているように、内側正三角形に属する振動子群と外側六角形に属する振動子群を同相励振するかそれとも逆相で励振するかにより、励振時の等位相面の位置ひいては送信ビームの方向が変わる。同相で励振した場合は、送信ビームは真正面(θ=0)を向く。また、逆相励振時は、内側正三角形に属する振動子12にと外側六角形に属する振動子12との間の超音波伝搬経路長の差

概要

従来に比べ低コスト省スペースで、複数の方向について探知・監視を行える装置を実現する。

振動子12Aの輻射面形状を、60°の鋭角頂点を有する菱形とする。この鋭角頂点が一点に集まるよう6個の振動子12Aを配列し、それら6個の振動子12Aを第1の励振用配線に接続する(六芳星アウトライン部分)。これら6個の振動子12Aのうちいずれかに辺対辺で接する他の6個の振動子12Aを第2の励振用配線に接続する(外縁部分)。六芳星アウトライン部分に属する振動子12Aは、隣り合う振動子12A同士が異なるアレイに属することとなるよう且つ正対する振動子12A同士が同じアレイの異なる受波用配線につながるよう、受波用配線に接続する。外縁部分に属する振動子12Aは、辺対辺で接触する内側の2個の振動子12Aと異なるアレイに属することとなるよう且つ正対する振動子12A同士が同じアレイの異なる受波用配線につながるよう、受波用配線に接続する。以上のパターンを任意個数繰り返す。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

その輻射面が互いに同面積でかつπ/3[rad]の鋭角頂点を有し更に所定の振動子配列規則に従い平面的に配列された12個以上の超音波振動子と、所定の励振側結線規則に従い上記超音波振動子に接続された第1及び第2励振用配線と、所定の受波側結線規則に従い上記超音波振動子に接続された第1乃至第12受波用配線とを備え、上記振動子配列規則が、上記輻射面の鋭角頂点同士が点集合鈍角頂点同士が点集合するよう上記超音波振動子をその輻射方向を揃えて密に配列する、という規則であり、上記励振側結線規則が、その鋭角頂点が同一点に集合している超音波振動子同士を上記第1励振用配線により接続し、更にこの第1励振用配線により接続された超音波振動子のいずれかと辺接触している超音波振動子同士を上記第2励振用配線により接続する、という単位結線を、超音波振動子の配列平面上で空間的に繰り返す、という規則であり、上記受波側結線規則が、上記単位結線における超音波振動子の12通りの相対位置に対して上記第1乃至第12受波用配線を1対1に対応付け、それぞれその相対位置に対応した受波用配線に各超音波振動子を接続する、という規則であることを特徴とする超音波送受波器

請求項2

請求項1記載の超音波送受波器と、上記超音波送受波器に対し上記第1及び第2励振用配線を介して超音波送信用駆動信号を供給する送信側の回路であって、上記第1及び第2励振用配線に対して互いに同相の信号を供給するか互いに逆相の信号を供給するかを切り換えることにより送信ビームの方向を設定する手段を含む回路と、上記超音波送受波器から上記第1乃至第12受波用配線を介して超音波受波による受信信号を受け取る受信側の回路であって、上記第1乃至第12受波用配線を介する各受信信号にπ/2、π、0及び−π/2[rad]のうちいずれかの移相量を選択的に割り当て、割り当てた移相量による各受信信号の移相処理並びにその後の各受信信号の相互結合処理を実行することにより、受信ビームの方向を設定又は選択する手段を含む回路と、を備えることを特徴とする超音波送受波装置

請求項3

請求項2記載の超音波送受波装置において、送信側の回路が、上記第1及び第2励振用配線に対して互いに同相の信号を供給する同相励振動作と、互いに逆相の信号を供給する逆相励振動作とを、送信繰返し周期に比べ十分短い実行間隔を以て、交互に実行する手段を含むことを特徴とする超音波送受波装置。

請求項4

請求項2又は3記載の超音波送受波装置において、送信側の回路が、逆相励振動作実行時に、上記第1及び第2励振用配線に供給する駆動信号の周波数を調整することにより、送信ビームの方向を変化させる手段を含むことを特徴とする超音波送受波装置。

請求項5

船舶に搭載され、水面下における魚群に関する情報を映像表示する表示器を備える魚群探知機において、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の超音波送受波装置を備え、更に、上記超音波送受波器を上記船舶の船底に固定したことを特徴とする魚群探知機。

技術分野

0001

本発明は、魚群探知機等の超音波送受波装置において用いうる超音波送受波器並びにこの超音波送受波器を用いた超音波送受波装置及び魚群探知機に関する。

背景技術

0002

魚群探知機は漁船等の操業支援する装置として有用である。魚群探知機は超音波送受波装置の一種であり、船底に配設した超音波送受波器を用いて水中への超音波送信及び魚群等からのエコーの受信を行い、それによって探知した魚群等の映像を、上の表示器画面上に表示させる。魚群探知機には、複数方向を探知できる多面魚群探知機、サーチライト式魚群探知機等があるが、いずれにも問題点がある。まず、多面魚群探知機は、船底に設けた複数の超音波送受波器のうち1個の超音波送受波器のビームを船底直下方向に向け、残りの超音波送受波器のビームを船底直下方向に対して傾いた方向に向ける、という構成であるため、使用する超音波送受波器の個数が多く、装置部品コスト、設置作業コスト、設置スペース等が大きくなるという問題を孕んでいる。また、サーチライト式魚群探知機は、超音波送受波器の向きを機械的に変化させることによって超音波送受波方向を変化させる、という構成であるため、複数の方向を同時に観測できない、首振り機構が必要であるため装置部品・設置作業・保守等のコストや設置所要スペースが大である、超音波送受波器及び首振り機構を収納するソナードームが必要であり装置部品コストがかさむ、ソナードーム昇降用機構が必要であり装置部品・設置作業・保守等のコストや設置スペースが大である、等の問題を有している。

0003

複数方向を探知可能で上述した多面魚群探知機、サーチライト式魚群探知機等のような問題点が少ない魚群探知機としては、本願出願人が特願平10−313774号(特開2000−147095号公報参照。以下「先提案技術」と称する)にて提案及び開示したものがある。先提案技術の特徴は、多数の振動子を平面的に配置したこと、またその振動子配列励振側結線受波側結線をそれぞれ所定の規則に従い行ったこと、それによって3倍密度平面配置・7方向同時探知型の超音波送受波器を実現したこと等である。

0004

まず、先提案技術における振動子配列規則は、図13及び図14に示すように、正三角形格子パターンに従い振動子を配置する、という規則である。より具体的には、先提案技術に係る超音波送受波器は、コルクシート独立気泡スポンジゴムシート等の遮音材から形成されている略円形遮音体10内に、図13に示す通り117個の超音波振動子12を中心間隔Dで収納した構成を有している。遮音体10の片側の面には開口を設けており、各振動子12はその正電極14を外側にまた負電極16を内側に向けた状態でこの開口に収納されている。遮音体10の内部又は外縁には振動子12の正電極14や負電極16を外部に電気的に接続するための導体配線が配置される。水中で使用できるようにするためウレタンゴムモールド等による防水構造を設ける必要がある。遮音体10を支持補強するための各種構造部材を設けてもよい。遮音体10の形状や振動子12の形状・個数は、後述するアレイ形成に支障とならない限りにおいてまた必要とするビームに応じて決める。各振動子12は、図14に示すように、遮音体10の表面に沿って想定されている仮想的なパターンである正三角形格子パターン18上の各格子点20に、それぞれ配置されている。正三角形格子パターン18とは、その一辺の長さがDの正三角形を繰返しの単位とする格子状のパターンであり、格子点20とはこの繰返しの単位となっている正三角形の頂点である。

0005

また、先提案技術における励振用配線の結線規則を図15に示す。励振用配線は、振動子12の正電極14同士を接続し更にこれを外部(後述の駆動信号発生回路)に接続する配線である。励振用配線には、駆動信号TX1を印加するための励振用配線22−1及び駆動信号TX2を印加するための励振用配線22−2がある。振動子12にはこれらのうち一方が接続される。

0006

更に、先提案技術における受波用配線の結線規則を図16図18に示す。受波用配線は、振動子12の負電極16同士を接続し更にこれを外部(後述のビーム合成回路)に接続する配線である。受波用配線には、受波用配線24−x1〜24−x4(x=A,B,C)という12通りの配線がある。受波用配線24−A1〜24−A4はY軸に平行な直線に沿って、受波用配線24−B1〜24−B4はY軸に対して時計回りに2π/3(rad)傾いた直線に沿って、そして受波用配線24−C1〜24−C4はY軸に対して反時計回りに2π/3(rad)傾いた直線に沿って、振動子12同士を接続し更にそれらを受信側の回路に接続する。受波用配線24−xj(j=1,3)により接続される振動子12と受波用配線24−xk(k=j+1)により接続される振動子12は、同一の直線上に、かつ交互に位置している。また、受波用配線24−x1又は24−x2に接続される振動子12の配置線と、受波用配線24−x3又は24−x4に接続される振動子12の配置線は、3D/2の間隔で交互に位置している。更に、各振動子12はそれぞれいずれか1本の受波用配線に接続されており、いずれの振動子12も2本以上の受波用配線には接続されない。そして、受波用配線24−A1〜24−A4、24−B1〜24−B4及び24−C1〜24−C4により取り出される信号には、それぞれ、順に、RXA1〜RXA4、RXB1〜RXB4及びRXC1〜RXC4という符号が付せられている。

0007

図19図21に、上述の結線規則において繰返しの単位となっている結線、即ち単位結線を示す。この単位結線は、励振用配線22−1により接続された6個の振動子12を含む一辺=2Dの正三角形と、励振用配線22−2により接続された12個の振動子12を含み上述の正三角形を囲む長辺=3D,短辺=Dの六角形とを、含んでいる。隣り合う単位結線同士の内側正三角形間の間隔は距離=31/2D(中心間隔=2×31/2D)で均一である。外側六角形は、一辺=5Dの正三角形の各頂点から一辺=Dの正三角形を切り落とした形状であり、互いに隣接する他の単位結線中の外側六角形同士はその短辺同士で接触(その短辺を共有)している。また、図19図21では各振動子12に符号A,B,Cを付している。これは、同一平面上に形成されている3個の超音波振動子アレイA,B,Cのうちどのアレイに、各振動子12が属するのかを、示している。所属先のアレイは、その振動子12が受波用配線24−A1〜24−A4、受波用配線24−B1〜24−B4、並びに受波用配線24−C1〜24−C4のうち、どれに接続されているかにより、決まる。

0008

図19(b)及び(c)に示されているように、内側正三角形に属する振動子群と外側六角形に属する振動子群を同相励振するかそれとも逆相で励振するかにより、励振時の等位相面の位置ひいては送信ビームの方向が変わる。同相で励振した場合は、送信ビームは真正面(θ=0)を向く。また、逆相励振時は、内側正三角形に属する振動子12にと外側六角形に属する振動子12との間の超音波伝搬経路長の差

0009

受信ビームについては、受波用配線毎の移相制御によりその方向や本数を切り換えることができる。まず、超音波振動子アレイx(x=A,B,C)に係る受波用配線24−x1〜24−x4にて取り出した信号RXx1〜RXx4それぞれについて同じ移相量にて移相処理を施すこと(或いは移相なしとすること)により、Z軸方向を向いた受信ビームを合成できる(同相合成)。また、信号RXx1及びRXx2を例えばπ(rad)移相させ信号RXx3及びRXx4に係る移相量を0(rad)即ち移相なしとすることによって、Z軸に対して開き角θを有する方向を向いた2本の受信ビームを合成できる(逆相合成)。更に、同相合成に係る移相回路と逆相合成に係る移相回路とを並列に設けることにより、Z軸方向を向いた受信ビームとZ軸に対して開き角θを有する2本の受信ビームとを同時に合成でき、従って3方向について同時探知を行うことができる。任意の1個の超音波振動子アレイについてこのように3方向同時探知が可能であるから、3個の超音波振動子アレイ全てを合わせると、開き角θのビーム2本×振動子アレイ3個+Z軸方向のビーム1本(各アレイに共通)=合計7本のビームを用いて7方向同時受信を行うことができる。

0010

具体的には、図22及び表1に示すように、各受信ビームに対応して合計7個の移相回路を設け、第i番目の移相回路に供給する移相制御信号の値を受信ビームに応じて定めることによって、即ち移相制御信号LSi−1〜LSi−12のうちいずれかを受信ビームに応じて供給し信号RXA1〜RXA4、RXB1〜RXB4及びRXC1〜RXC4各々についての移相量を制御することにより、これら7個のビームに係る受信信号を同時に合成できる。また、信号受信利得を確保するため、必要な受信ビームに対応した受波用配線24以外の受波用配線24からの受波出力をも、適宜移相の上、結合させる。例えばビームBMA1を合成するときには、表1に示すように、振動子アレイAに係る2種類の受波用配線からの受波出力については互いに逆相で移相させ、振動子アレイB及びCに係る残り4種類の受波用配線からの受波出力については単位配列内における位置関係に応じた中間移相量で移相させて、各受波用配線からの受波出力を合成する。

0011

ID=000003HE=195 WI=062 LX=1190 LY=0550
なお、表1及び図22中、BM0は各振動子アレイにおける同相励振又は同相合成により形成されるビームであり、Z軸方向を向いている。BMA1及びBMA2は振動子アレイAにおける逆相励振又は逆相合成により形成されるビームであり、XZ平面に属している。BMB1及びBMB2は振動子アレイBにおける逆相励振又は逆相合成により形成されるビームであり、XZ平面に対してZ軸回りに−2π/3(rad)回転した平面に属している。BMC1及びBMC2は振動子アレイCにおける逆相励振又は逆相合成により形成されるビームであり、XZ平面に対してZ軸回りに2π/3(rad)回転した平面に属している。Z軸は船底直下方向(図1中の開口形成面即ち輻射面に鉛直な方向)を向いており、X軸及びY軸は輻射面に属している。X軸は、例えば、船首方向とする。

0012

以上のように、先提案技術によれば、7方向(準)同時探知を行うことができる。また、正三角形格子パターン18に従い振動子12を配置しているためビーム間隔が均一であり、従って船舶下の水中をくまなく網羅して観測できる。振動子密度が比較的高いため、3個の振動子アレイを含んでいるにもかかわらず、遮音体10に組み込んだ状態での超音波送受波器全体の寸法が、1個しか振動子アレイを備えていないものとさほど変わらない。即ち、低コスト及び省スペースである。また、繰り返し配列の結果、励振用配線が一組(2種類)ですんでいる。即ち、各振動子アレイに対応した励振用配線を設ける必要がなく、3個の振動子アレイA〜Cを低コストで形成できる。

0013

図24に、先提案技術による魚群探知機の全体の回路・機能構成を示す。CPU等にて構成される制御回路26は、駆動信号発生回路28及び30に対し基準発振信号及びその分周比を設定する信号を供給し、駆動信号発生回路28及び30内部における基準発振信号の分周動作を制御し、更に分周により得られた信号をパルス変調することによって、図23に示したタイミングで駆動信号S1及びS2を発生させる。パワーアンプ32及び34は、これらの駆動信号S1及びS2のうち対応するものを電力増幅することによって前述の信号TX1及びTX2を発生させ、超音波送受波器36に供給する。超音波送受波器36は図13図18に示した構成を有している。超音波送受波器36はX軸を船首方向に向けZ軸を深度方向(船底直下方向)に向けて船底に配設されており、信号TX1及びTX2に応じて超音波を水中に輻射する。

0014

水中の魚群等により反射された超音波は、超音波送受波器36により受波され電気信号に変換される。得られた信号RXA1〜RXA4、RXB1〜RXB4及びRXC1〜RXC4は、プリアンプ部38により増幅され、信号RXS1〜RXS12としてビーム合成回路40に供給される。ビーム合成回路40は、制御回路26による制御の下に、これらの信号RXS1〜RXS12からビームBMA1、BMA2、BMB1、BMB2、BMC1、BMC2及びBM0に係る信号を合成する。合成された信号は、各ビームに対応して7個設けられている受信処理回路42に供給される。受信処理回路42では、ビーム合成回路40からの信号に関し、TVG(時間可変利得)回路44が超音波伝搬減衰による反射エコーベルの低下分の補正処理を施し、検波回路46が検波により直流信号に変換し、AD変換器48がこの直流信号をアナログからディジタルに変換して制御回路26に供給する。制御回路26は、各受信処理回路42から供給されるディジタル信号に基づき、表示器50の画面上に各方向における魚群の有無、規模等の情報を表示させる。使用者は、表示器50の画面表示を看取することにより、多方面についての魚群情報を得ることができる。特に、制御回路26内部における映像合成処理により、図22に示した複数のビームを利用して水中の状況に関する立体的な映像を提供することができる。

0015

パワーアンプ32及び34やプリアンプ部38と超音波送受波器36との間に設けられている送受切換器52は、駆動信号TX1及びTX2が供給されているときには振動子12の負電極16を自動的に接地導体としてプリアンプ部38以後の受信側回路を超音波送受波器36から実質的に切り離し、そうでないときには振動子12の正電極14を自動的に接地導体としてパワーアンプ32及び34以前の送信側回路を超音波送受波器36から実質的に切り離すための回路である。言い換えれば、駆動信号TX1及びTX2が供給されているときには超音波送受波器36を実質的に超音波送波器としてのみ使用し、そうでないときには超音波受波器としてのみ使用することができるようにするための回路である。

0016

図25に、送受切換器52の一例構成を示す。この図の送受切換器52は送信側の回路54及び受信側の回路56から構成されている。送信側の回路54は、パワーアンプ32及び34各々とこれに対応する励振用配線22との間に、それぞれ設けられている。この回路54は、対応するパワーアンプと対応する励振用配線22との間に接続されかつ互いに逆並列接続されているダイオードD1及びD2、これらのダイオードD1及びD2の超音波送受波器36側の端に接続されているキャパシタC、このキャパシタCと接地との間に接続されているインダクタL、並びにこのインダクタLと並列にかつ互いに逆並列されているダイオードD3及びD4から構成されている。キャパシタC及びインダクタLは信号TX1及びTX2の搬送周波数即ち送信周波数f0にて直列共振するようその値が設定されている。

0017

他方、受信側の回路56は、超音波送受波器36の受波用配線24各々とこれに対応するプリアンプ58との間に、それぞれ設けられている。なお、前述のプリアンプ部38はこの合計12個のプリアンプ58により構成されている。受信側の回路56は、接地との間に接続され互いに逆並列接続されているダイオードD5及びD6から構成されている。

0018

従って、パワーアンプ32及び34を介し駆動信号TX1及びTX2(厳密にはその中の送信パルス)が供給されている期間(図23中のT1+T3+T2)には、回路54中のインダクタLの両端間短絡されると共に各受波用配線24の一端が回路56において接地される。また、それ以外の期間には、回路54中のキャパシタC及びインダクタLが受波信号中の送信周波数成分により共振するため各励振用配線22が一端接地状態になる。

0019

ビーム合成回路40は、例えば、図26に示す構成とすることができる。この図に示すビーム合成回路40は、合成すべき合計7個のビームに対応して設けられている結合器62それぞれに、局部発振回路60の発振出力である移相制御信号と共に、信号RXS1〜RXS12を入力する構成を有している。局部発振回路60は、先に表1に示したように、合計7組の移相制御信号を発生させている。即ち、ビームBMA1に対応する結合器62に対しては移相制御信号LS1−1〜LS1−12を、ビームBMA2に対応する結合器62に対しては移相制御信号LS2−1〜LS2−12を、…そしてビームBM0に対応する結合器62に対しては移相制御信号LS7−1〜LS7−12を、それぞれ供給する。各移相制御信号は、例えば、制御回路26から供給される基準発振信号を、制御回路26により設定される分周比にて分周し、更にこの分周のために用いるカウンタ初期値を適宜ずらして設定する(初期位相を与える)ことにより、発生させることができる。このようにして発生させた移相制御信号は、実現すべき移相量をその初期位相とする信号になる。

0020

各結合器62は、移相回路として動作する回路であり、例えば図27に示す構成を有している。この図に示す結合器62は、入力する信号RXS1〜RXS12それぞれに対応して設けられたバッファ64、このバッファ64を介し供給される信号RXS1〜RXS12各々とこれに対応する移相制御信号LSi−1〜LSi−12(i=1,2,…7)とを乗算結合させる乗算器66、各乗算器66の出力を加算結合させる加算器68、並びに加算器68の出力信号帯域制限を加え必要な周波数成分のみを取り出すBPF70から構成されている。

0021

各乗算器66は、図28に示すように、アナログスイッチ72及びBPF74から構成されている。スイッチ72は、供給される移相制御信号LSi−j(j=1,2,…12)に応じて信号RXSjをスイッチングする手段である。例えば、送信周波数f0が50kHzであるときには、505kHzの周波数を有する信号を移相制御信号LSi−jとして供給しスイッチングを行うことにより、移相制御信号LSi−jに従い変調された信号が得られる。この信号には、和周波数即ち505kHz+50kHz=555kHzの成分と、差周波数即ち505kHz−50kHz=455kHzの成分とが含まれており、その位相は、移相制御信号LSi−jの初期位相により決定されている。BPF74は、この信号に含まれる周波数成分のうち差周波数の成分(上述の例では455kHzの成分)を通過させる。移相制御信号LSi−jには、実現すべき移相量に相当する初期位相が付与されているから、当該移相量だけ移相された信号をBPF74ひいては乗算器66から得ることができる。

発明が解決しようとする課題

0022

以上のように、先提案技術によれば、所定の振動子配列規則に従い配列した振動子並びに所定の結線規則に従い振動子間を結線する励振用及び受波用配線により、繰り返しの単位となる単位配列を形成し、この単位配列を平面的に密に配列することにより、3倍密度振動子配置を有し7方向(準)同時探知が可能な超音波送受波器ひいては魚群探知機を、実現している。しかしながら、この先提案技術にもなお、改善すべき箇所がある。

0023

まず、先提案技術における受波用配線の空間的繰返し間隔は、振動子の列数でいうと6列に亘っている。例えば図16でいうと、受波用配線24−A1又は24−A2に接続されている振動子12の列から、右に3列目の列の振動子12は受波用配線24−A3又は24−A4に、更に右に3列目の列の振動子12は受波用配線24−A1又は24−A2に、接続されている。従って、例えば受波用配線24−A1に接続された振動子12が並ぶ列は、図16中の左右方向に沿って、6列(幅=3D)間隔で出現している。他の受波用配線、他のアレイについても(他のアレイの場合配線の傾きが変わるが)同様である。このように6列間隔で結線されていること、また列の間隔が均一であることにより、各受波用配線による受波出力から充分な信号利得で任意の受信ビーム(ビームBM0を除く)を合成するには、6通りの移相制御信号値、即ち表1に示したπ、±2π/3、±π/3、0という6通りの移相量を適宜選択的に用いる必要が生じる。制御の簡単化ひいては実施の容易化のためには、できれば、移相量を6通りにも亘って切り換える制御を不要にしたい。

0024

本発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、多面魚群探知機やサーチライト式魚群探知機に対して上記先提案技術が有する利点を引き続き確保しつつ、当該先提案技術に比べて移相制御信号値の種類が少なく、従ってより容易且つ低コストで実現可能な超音波送受波器、超音波送受波装置及び魚群探知機を得ること、更には超音波振動子をより隙間無く配置できるようにすることを、その目的としている。

課題を解決するための手段

0025

このような目的を達成するために、本発明に係る超音波送受波器は、(1)その輻射面が互いに同面積でかつπ/3[rad]の鋭角頂点を有し更に所定の振動子配列規則に従い平面的に配列された12個以上の超音波振動子と、所定の励振側結線規則に従い上記超音波振動子に接続された第1及び第2励振用配線と、所定の受波側結線規則に従い上記超音波振動子に接続された第1乃至第12受波用配線とを備え、(2)上記振動子配列規則が、上記輻射面の鋭角頂点同士が点集合鈍角頂点同士が点集合するよう上記超音波振動子をその輻射方向を揃えて密に配列する、という規則であり、(3)上記励振側結線規則が、その鋭角頂点が同一点に集合している超音波振動子同士を上記第1励振用配線により接続し、更にこの第1励振用配線により接続された超音波振動子のいずれかと辺接触している超音波振動子同士を上記第2励振用配線により接続する、という単位結線を、超音波振動子の配列平面上で空間的に繰り返す、という規則であり、(4)上記受波側結線規則が、上記単位結線における超音波振動子の12通りの相対位置に対して上記第1乃至第12受波用配線を1対1に対応付け、それぞれその相対位置に対応した受波用配線に各超音波振動子を接続する、という規則であることを特徴とする。

0026

また、本発明に係る超音波送受波装置は、(1)本発明に係る超音波送受波器と、(2)上記超音波送受波器に対し上記第1及び第2励振用配線を介して超音波送信用の駆動信号を供給する送信側の回路であって、上記第1及び第2励振用配線に対して互いに同相の信号を供給するか互いに逆相の信号を供給するかを切り換えることにより送信ビームの方向を設定する手段を含む回路と、(3)上記超音波送受波器から上記第1乃至第12受波用配線を介して超音波受波による受信信号を受け取る受信側の回路であって、上記第1乃至第12受波用配線を介する各受信信号にπ/2、π、0及び−π/2[rad]のうちいずれかの移相量を選択的に割り当て、割り当てた移相量による各受信信号の移相処理並びにその後の各受信信号の相互結合処理を実行することにより、受信ビームの本数及び方向を設定又は選択する手段を含む回路と、を備えることを特徴とする。送信側の回路は、例えば、(4)送信側の回路が、上記第1及び第2励振用配線に対して互いに同相の信号を供給する同相励振動作と、互いに逆相の信号を供給する逆相励振動作とを、送信繰返し周期に比べ十分短い実行間隔を以て、交互に実行する手段を含み、また、(5)逆相励振動作実行時に、上記第1及び第2励振用配線に供給する駆動信号の周波数を調整することにより、送信ビームの方向を変化させる手段を含む。

0027

そして、本発明に係る魚群探知機は、(1)船舶に搭載され、水面下における魚群に関する情報を映像表示する表示器を備える魚群探知機であって、(2)本発明に係る超音波送受波装置を備え、更に、(3)上記超音波送受波器を上記船舶の船底に固定したことを特徴とする。

0028

ここに、本発明に係る超音波送受波器は、同じ形状を有する多数の超音波振動子を平面的に配列したこと、これらの超音波振動子を所定の振動子配列規則に従い配列したこと、2種類の励振用配線と12種類の受波用配線を設けたこと、各超音波振動子に対する励振用配線及び受波用配線による結線をそれぞれ所定の規則に従い行うこと、の各点にて、先に説明した先提案技術と共通点を有している。また、その駆動・受信動作においても、第1及び第2励振用配線に対して互いに同相の信号を供給するか互いに逆相の信号を供給するかを切り換えることにより送信ビームの方向を定めること、同相励振動作及び逆相励振動作を短時間間隔で準同時に実行できること、逆相励振動作実行時に駆動信号の周波数を調整することにより送信ビームの方向を変化させることができること、第1乃至第12受波用配線からの受信信号に同相/逆相/その中間の移相量による移相処理及び相互結合処理を施すことにより受信ビームの方向を設定・選択すること、船舶に搭載される魚群探知機において用いうること等の点において、先に説明した先提案技術と共通点を有している。これらのことによって、本発明においては、多面式やサーチライト式に対して先提案技術が有していた長所を、引き続き実現している。

0029

本発明においては、超音波振動子形状、振動子配列規則、励振側結線規則及び受波側結線規則を工夫・変更することにより、受信ビーム合成の際の移相量を先提案技術における6通りから4通りに減らしている。また、本発明における超音波振動子配列においては、超音波振動子の輻射面形状が菱形であるため、超音波振動子をより密に配置できる。

0030

まず、同一寸法及び同一形状の菱形が多数あるとする。また、この菱形の4個の角のうち2個がπ/3[rad]、残りの2個が2π/3[rad]であるとする。従って、任意の点に鋭角の頂点を6個寄せ集めるか鈍角の頂点を3個寄せ集めると2π[rad]となり、その点の周りがそれぞれ6個又は3個の菱形で埋まる。このことに着目し、本発明においては、超音波振動子の輻射面形状(超音波を輻射する端面の形状)を、その4個の角のうち2個がπ/3[rad]で他の2個が2π/3[rad]である菱形とし、平面上における振動子配列規則を、輻射面の鋭角頂点同士が点集合し鈍角頂点同士が点集合するように隙間無くかつ輻射方向をそろえて超音波振動子を配置する、という規則にしている。従って、本発明においては、超音波振動子を平面上に密に、即ち(振動子間遮音材を除けば)隙間なしに配置できる。なお、本願では“密に配置”“点集合”等の言葉を使用しているけれども、それは本発明の構成を理解しやすく表現するためであり、超音波振動子間の結合を防ぐため遮音材を超音波振動子間に挟むことを禁ずる又は排する趣旨ではない。このことは、本願を参照する熟練した技術者にとっては、容易かつ一意に理解できるであろう。

0031

更に、上掲の形状・寸法の輻射面を有する超音波振動子を上掲の振動子配列規則に従い配列すると、その配列内にいくつかの基本的繰り返しパターンが現れる。本発明で着目しているのは12個の菱形を含む正六角形の繰り返しパターンである。即ち、任意の点にその鋭角頂点が集まり六芳星をかたちづくっている6個の菱形と、この六芳星を縁取っているかのようにこの6個の菱形のいずれかに対して辺同士が接触している他の6個の菱形とを含み、その辺の長さが各振動子の輻射面の辺の2倍である正六角形が、上掲の振動子配列規則による超音波振動子配列内で空間的に繰り返し現れる。そこで、本発明における結線規則は、励振側・受波側共に、この正六角形における結線を単位結線として超音波振動子の配列平面上で空間的に繰り返す、という規則にしている。また、繰り返される正六角形が12個の超音波振動子を含んでいるため、本発明の好適な実施形態では12の自然数倍の個数の超音波振動子を用いるが、12で割り切れない個数の超音波振動子を用いても構わない。

0032

また、繰返しの単位となっている正六角形は、その中央にある鋭角頂点集合点に対して回転対称であり、その点の回りにはπ/3[rad]の角度周期で即ち6回、同一配列パターンが現れる。更に、この正六角形を、上述のように六芳星状に集まった中央の6個と、その縁取りに当たる外縁の6個とに区画することができる。そこで、本発明においては、励振側結線規則として、六芳星をかたちづくる中央の超音波振動子同士を第1励振用配線により接続する一方、縁取りに当たる外縁の超音波振動子同士を第2励振用配線により接続する、という励振側結線規則を採用している。第1励振用配線を介して供給する駆動信号と、第2励振用配線を介して供給する駆動信号とを、同相にすれば真正面を向いた1本の送信ビームが形成され、逆相にすれば振動子配置間隔及び波長により定まる角度だけ傾いた方向を向く送信ビームが(正六角形の各頂点に対応して)全アレイ合計で6本同時形成される。即ち、先提案技術と同様、準同時に形成可能な7本の送信ビームが得られる。

0033

更に、繰返しの単位となっている正六角形は12個の超音波振動子を含んでいる。本発明においては、12種類の受波用配線を設け、これら第1乃至第12受波用配線を、繰返しの単位となっている上述の正六角形或いはその結線である単位結線における超音波振動子の12通りの相対位置に対して、それぞれ1対1に対応付け、それぞれその相対位置に対応した受波用配線に各超音波振動子を接続する、という受波側結線規則を用いている。従って、先提案技術と同様に移相回路や結合回路を設けることによって、7本の受信ビームを同時に又は選択的に使用して受信を行うことが可能である。また、先提案技術では、繰返しの単位である不等辺六角形における受波用配線の出現間隔が6列間隔であったが、本発明においては繰返しの単位である正六角形における受波用配線の出現間隔が4列間隔となる。列の間隔も均一である。そのため、各アレイの受信ビームを実現しつつ各アレイ受波出力同士の結合処理により受信利得を確保するには、先提案技術では移相制御信号値が6通り必要であったが、本発明においてはπ/2、π、0及び−π/2[rad]の4通りですむ。

0034

従って、本発明によれば、上記先提案技術に比べて移相制御信号値の種類が少なくなり、従ってより容易且つ低コストで魚群探知機等の超音波送受波装置を実現できる。超音波振動子の配置においては更に隙間を減らすことができる。

発明を実施するための最良の形態

0035

以下、本発明の好適な実施形態に関し図面に基づき説明する。なお、本発明を実施するに当たっては、先に説明した先提案技術における回路を、移相制御信号値の内容を表1に示したものから次の表2に示すものへと変更するのみで、そのまま利用できる。そのため、以下の説明では先に説明した回路を前提とし、重複説明を排することとする。先に説明した回路と異なる回路では本発明を実施できない、という趣旨ではない。また、以下の各図中におけるX,Y,Zの各軸や各ビームの名称は、図22(b)にて定義したものである。

0036

ID=000004HE=200 WI=050 LX=0350 LY=0300
図1に、本発明の一実施形態における振動子配列規則、即ち配列平面上における振動子12Aの配列に関する規則を示す。図中、符号A,B,Cが付されている菱形は本実施形態に係る超音波送受波器を構成する振動子12Aの輻射面であり、符号A,B,Cはその符号が付されている振動子12Aが超音波振動子アレイA,B,Cのいずれに属しているのかを表している。振動子12Aの輻射面とは超音波送受波に使用される面であり、ここでは正電極14又は負電極16が形成されている面を指している。図2に示すように、菱形輻射面の4個の角のうち鋭角である2個は60[°]即ち2π/3[rad]であり、鈍角である残りの2個はπ/3[rad]である。菱形輻射面の寸法は、例えば長軸方向=2/(3)1/2・λ、短軸方向=2/3・λとなるよう設計する(λ:波長)。ビーム方向θを変更・制御するため、駆動信号周波数の切換即ち波長λの切換/可変制御を行うこともできる。また、任意の振動子12Aとその隣の振動子12Aとの間には、それらの間の音響的結合を防ぐため、平板状の遮音材10Aを挟み込む。

0037

単純に幾何学的に考えると、図2に示した形状を有する振動子12Aをその輻射方向をそろえて密に配列する方法には、いくつかの方法がある。本実施形態においては、その中で、(1)鋭角頂点同士を集める、(2)鈍角頂点同士を集める、という2通りの規則に従い振動子12Aを配列する方法を、採用している。この方法に従い振動子12Aを配列すると、各振動子12Aの辺の2倍の長さの辺を有する正六角形を亀甲状に、即ち空間的に繰り返して配置した配列が現れる。この正六角形の中央には、6個の菱形の鋭角頂点が寄り集まった点がある。この6個の菱形のアウトラインはちょうど六芳星を描いている。図1中で最も下の位置に描かれている正六角形でいうと、上下に2個並んだ「A」、向かって左上から右下にかけ袈裟懸けに並んだ「B」、並びに向かって右上から左下にかけ袈裟懸けに並んだ「C」という6個の菱形がこれに当たる。また、この六芳星アウトラインには窪んだ点が6カ所あり、それらの点には、それぞれ、六芳星の一部である2個の菱形と他の1個の菱形の鈍角頂点が集まっている。図1中で最も下の位置に描かれている正六角形でいうと、0時に位置している「A」の上端の鋭角頂点から時計回りに「B」「A」「C」「B」「A」「C」の順で、6個の菱形が六芳星アウトラインの窪みを埋め正六角形外縁を形成している。

0038

本実施形態における励振側及び受波側結線規則も、その中央に位置する六芳星アウトラインの部分と、その外縁を埋めて正六角形アウトラインを形成させる外縁部分とを含み、12個の振動子12Aにより構成されたこの正六角形を単位としている。即ち、この正六角形内に含まれる12個の振動子に対する励振用配線及び受波用配線の結線が、単位結線として、上掲の亀甲状繰返しに従い空間的に繰り返される。

0039

まず、励振側結線規則、即ち励振用配線22−1及び22−2と振動子12Aとの接続に関する規則は、図3に示すように、六芳星アウトライン部分を構成する6個の振動子12Aには励振用配線22−1を接続し、外縁部分を構成する6個の振動子12Aには励振用配線22−2を接続する、という規則である。図3(及び後に引用する図4図6)では、結線規則を示すという目的から記載を簡略化し、振動子12Aを円形で示している。本実施形態における励振側結線規則が有している性格のうち、内側振動子同士を接続する一方外側振動子同士を接続する、という性格は、振動子配列こそ異なるが、先提案での励振側規則も備えていたものである。そのため、図19(b)及び(c)に示したものと同じ原理により、送信ビームを切り換えることができる。即ち、励振用配線22−1を介して印加する駆動信号TX1と励振用配線22−2を介して印加する駆動信号TX2とを同相にすることにより、送信ビームを輻射面に直交する方向(真正面方向)とすることができ、逆相とすることにより、真正面方向に対して同角度傾いた6本の送信ビームを得ることができる。なお、逆相励振時における送信ビーム形成面は、上記正六角形の最長対角線と平行で輻射面に直交する面である。

0040

次に、受波側結線規則、即ち受波用配線24−A1〜24−A4,24−B1〜24−B4,24−C1〜24−C4と振動子12Aとの接続に関する規則は、繰返しの単位である正六角形内における振動子12Aの位置に対して1対1に受波用配線を対応付け、相対応する振動子12Aと受波用配線24とを接続する、という規則である。図4図6に、理解の助けとなるようアレイ毎に分けて、受波側結線規則を示す。これらの図に示されているように、上述の正六角形内には12個の振動子12Aが含まれているため受波用配線も12種類(24−A1〜24−A4,24−B1〜24−B4,24−C1〜24−C4)必要になる。各受波用配線24−A1〜24−A4,24−B1〜24−B4,24−C1〜24−C4による受波出力RXA1〜RXA4,RXB1〜RXB4,RXC1〜RXC4に対しては、先に掲げた表2に従い、また図24図27に示した回路により、移相処理、結合処理等が施される。それによって、受信利得を確保しつつ、合計7本の受信ビームを同時形成できる。

0041

受波側結線規則において注目すべき点は、先に説明した振動子配列規則を採用していることと相俟って、空間的繰返し周期が振動子12Aの列でいうと4列であること、である。例えば、受波用配線24−A1に接続されている振動子12Aが並んでいる列は、図4に示すように、X軸の正方向に沿って4列周期で現れる。また、列の間隔は均一(図1に示した間隔設定下ではλ/2)である。これらは、受波用配線24−A2〜24−A4でも同様である。振動子アレイB,Cにおいても、図5及び図6に示すようにZ軸周りに±2π/3[rad]回転させた方向に沿って、同様の空間的繰返しが現れる。先提案技術では繰返し周期が6列であり列間隔が均一であったため6通りの移相制御信号値が必要であったが、本実施形態では引き続き列間隔が均一であるが繰返し周期が4列に減ったため、移相制御信号値は4通り(π,±π/2,0)でよい。

0042

図7図12に、本実施形態に係る装置にて実現したビームの例を示す。まず、図7及び図8に示す指向性パターンは、それぞれ、信号TX1及びTX2を逆相としたときにXZ平面にて形成される送信ビームと、そのとき形成される6本の送信ビームの俯瞰とを、示している。次に、図9及び図10に示す指向性パターンは、信号TX1及びTX2を同相としたときにXZ平面にて形成される送信ビームと、そのとき形成される1本の送信ビームの俯瞰とを、示している。更に、図11及び図12に示す指向性パターンは、BMA1に係る受波系統出力における指向性パターンであり、それぞれXZ平面におけるビームと、その俯瞰とを示している。

0043

本発明の実施に当たっては、様々な変形が可能である。例えば、信号TX1にて励振される振動子12Aについては正電極14が輻射方向を向き負電極16が背面を向くよう配置し、信号TX2にて励振される振動子12Aについては正電極14が背面を向き負電極16が輻射方向を向くよう配置して、輻射方向側にある電極を励振用配線22により接続し背面側にある電極を受波用配線24により接続するようにしてもよい。このようにした場合、信号TX1及びTX2が同相であるときには6個のビームが形成され、逆相であるときには1個のビームが形成される。この場合、表2とは若干異なる移相量による移相処理が必要になるが、本願の開示を参照した同分野の技術者にとっては、この点は自明であろう。また、ある振動子12Aとその周囲の振動子12Aとを直列接続して振動子アレイにシェーディングを施すようにしてもよい。更に、逆相励振/合成に限らず、一般に異相励振/合成を行うことができる。その場合、振動子12Aの中心間隔を、駆動信号間位相差に応じてずらす。同相励振/合成と逆相励振/合成とを使用者からの指令で又は適当な周期で自動的に切り換えるようにしてもよい。更に、複数の受信ビームを全て同時に合成するのではなく必要なビームだけを使用してもよい。同一の移相回路をあるときには第1のビームの合成に使用し他の場合には第2のビームの合成に使用するといった切換を随時行うようにしてもよい。また、本発明に係る超音波送受波器をZ軸の回りに機械的に回転できる機構を設けることによって、斜め方向の探知範囲を固定6方向から更に拡大できる。そして、本発明は、魚群探知機の一部を構成する超音波送受波器に限定適用されるものではない。即ち、多数の方向を同時に探知・監視する必要乃至要請がある分野であれば、本発明に係る超音波送受波器乃至超音波送受波装置を適用できる。そのような例としては、例えば潮流計がある。更に、多面魚群探知機を構成する各超音波送受波器計量型魚群探知機等に使用される超音波送受波器を、本発明に係る構成としてもよい。

図面の簡単な説明

0044

図1本発明の一実施形態における振動子配列規則を示すXY平面図である。
図2この実施形態における振動子の形状を示す図であり、特に(a)は斜視外観図、(b)は輻射面形状図である。
図3この実施形態における励振側結線規則を示すXY平面図である。
図4この実施形態における受波側結線規則のうち振動子アレイAに関連する部分を示すXY平面図である。
図5この実施形態における受波側結線規則のうち振動子アレイBに関連する部分を示すXY平面図である。
図6この実施形態における受波側結線規則のうち振動子アレイCに関連する部分を示すXY平面図である。
図7この実施形態に係る装置にて得られたビームの一例をXZ平面にて示す指向特性図である。
図8図7に示したビームを俯瞰的に示す指向特性図である。
図9この実施形態に係る装置にて得られたビームの他の一例をXZ平面にて示す指向特性図である。
図10図9に示したビームの一例を俯瞰的に示す指向特性図である。
図11この実施形態に係る装置にて得られたビームの更に他の一例をXZ平面にて示す指向特性図である。
図12図11に示したビームの一例を俯瞰的に示す指向特性図である。
図13先提案技術における超音波送受波器の構成を示す図であり、特に(a)は振動子配置を示すXY平面図、(b)は振動子収納状態を示すI−I断面図である。
図14この先提案技術における正三角形格子パターンを概念的に示すXY平面図である。
図15この先提案技術における繰返しパターンを概念的に示すXY平面図である。
図16この先提案技術における振動子アレイAに係る受波用配線の接続パターンを概念的に示すXY平面図である。
図17この先提案技術における振動子アレイBに係る受波用配線の接続パターンを概念的に示すXY平面図である。
図18この先提案技術における振動子アレイCに係る受波用配線の接続パターンを概念的に示すXY平面図である。
図19この先提案技術における励振側及び受波側結線規則を示す図であり、特に(a)は振動子アレイAの構成を示すXY平面図、(b)は同相励振時等位相面及び送信ビームを示すXZ平面図、(c)は逆相励振時等位相面及び送信ビームを示すXZ平面図である。
図20先提案技術における励振側及び受波側結線規則、特に振動子アレイBの構成を概念的に示すXY平面図である。
図21先提案技術における励振側及び受波側結線規則、特に振動子アレイCの構成を概念的に示すXY平面図である。
図22先提案技術及び本発明の実施形態におけるビーム指向性を概念的に示す図であり、特に(a)はXZ平面図、(b)はXY平面投影図である。
図23同相/逆相時間差励振を示すタイミングチャートである。
図24魚群探知機の全体構成を示すブロック図である。
図25送受切換器の構成を示す回路図である。
図26ビーム合成回路の構成を示すブロック図である。
図27結合器の構成を示すブロック図である。
図28移相処理の実現手法を示す回路図である。

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12A振動子、22−1,22−2励振用配線、24−A1,24−A2,…24−C4受波用配線、26制御回路、28,30駆動信号発生回路、36超音波送受波器、40ビーム合成回路、52送受切換器、A,B,C振動子アレイ、BMA1,BMA2,…BM0ビーム、D 振動子中心間隔、LS1−1〜LS1−12,LS2−1〜LS2−12,…LS7−1〜LS7−12移相制御信号、RXS1〜RXS12増幅された受信信号、S1,S2駆動信号、T0 送信繰返し周期、T1同相励振期間、T2逆相励振期間、T3同相逆相励振時間差、TX1,TX2 増幅された駆動信号。

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