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技術 含硫黄快削鋼

出願人 三菱製鋼株式会社有限会社吉村技術事務所
発明者 福住達夫渡辺幹吉村恒夫
出願日 2002年3月12日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2002-067164
公開日 2003年9月25日 (17年4ヶ月経過) 公開番号 2003-268488
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード 硫化物介在物 自動盤 切削仕上げ面 冷間引抜 JIS規格 Mn硫化物 高速度鋼工具 切屑破砕性
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年9月25日)のものです。
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図面 (1)

課題

環境に悪影響を与える重金属の添加による被削性の向上を図らず、含重金属快削鋼に対して被削性が勝るとも劣らない含硫黄快削鋼を提供する。

解決手段

質量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.35%以下(0を含む)、Mn:0.30〜2.00%、P:0.01〜0.15%、S:0.35〜0.65%、O:0.0100〜0.0350%、N:0.020%以下、Al:0.005%以下(0も含む)、Nb:0.02〜0.20%を含有し、さらにV:0.05〜0.50%、Ti:0.02〜0.20%の1種又は2種を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなる化学成分の鋼中の非金属介在物の主たる硫化物系介在物が1mm2当り500〜1000個存在することを特徴とする含硫黄快削鋼である。

概要

背景

SUM鋼や11系鋼等のS含有快削鋼は、圧延引抜加工して、磨棒鋼として自動盤切削用に供される。このような従来の快削鋼は高速度鋼工具による被削性を向上するため鋼中にSを添加した硫黄快削鋼が用いられていた。

この硫黄快削鋼中のS含有量は多ければ多いほど被削性は良好になるが、反面、圧延、鍛造等の熱間加工時赤熱脆性のため割れ等の不良品が多く発生する。その理由は高硫黄のため低融点のFeSが結晶粒界析出するためである。。そして高S鋼の場合、圧延方向に対し横方向の延性絞り値が低下し、引抜時のトラブルが生ずるため一般的にはS含有量は0.35%を上限とし、多くても0.40%止まりであった。

更に、すぐれた被削性を有する快削鋼としてSに加えてPb、Te、Bi等の重金属を含有する複合快削鋼が開発されたが、近年環境問題が重要視され、環境に悪影響を与えるこれら重金属を使用しない快削鋼で、しかも被削性が含重金属快削鋼に勝るとも劣らない鋼の開発が待たれていた。

概要

環境に悪影響を与える重金属の添加による被削性の向上を図らず、含重金属快削鋼に対して被削性が勝るとも劣らない含硫黄快削鋼を提供する。

質量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.35%以下(0を含む)、Mn:0.30〜2.00%、P:0.01〜0.15%、S:0.35〜0.65%、O:0.0100〜0.0350%、N:0.020%以下、Al:0.005%以下(0も含む)、Nb:0.02〜0.20%を含有し、さらにV:0.05〜0.50%、Ti:0.02〜0.20%の1種又は2種を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなる化学成分の鋼中の非金属介在物の主たる硫化物系介在物が1mm2当り500〜1000個存在することを特徴とする含硫黄快削鋼である。

目的

本発明は環境に悪影響を与える重金属の添加による被削性の向上を図らず、しかも製造上特に熱間加工時や、冷間引抜時に問題をおこすことのない被削性に優れた含硫黄快削鋼を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

質量%で、C:0.03〜0.20%Si:0.35%以下(0を含む)Mn:0.30〜2.00%P:0.01〜0.15%S:0.35〜0.65%O:0.0100〜0.0250%N:0.020%以下Al:0.005%以下(0も含む)Nb:0.02〜0.20%を含有し、更にV:0.05〜0.50%Ti:0.02〜0.20%の1種又は2種を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなる化学成分の鋼中の非金属介在物の主たる硫化物系介在物の平均サイズが50μm2以下であり、且つ、硫化物介在物が1mm2当り500個乃至1000個存在することを特徴とする高硫黄快鋼。

技術分野

0001

本発明は、JIS規格のSUM鋼、SAE規格の11系鋼、12系鋼が利用される、強度を余り必要としない部品素材となる含硫黄快削鋼の改良に関する。

背景技術

0002

SUM鋼や11系鋼等のS含有快削鋼は、圧延引抜加工して、磨棒鋼として自動盤切削用に供される。このような従来の快削鋼は高速度鋼工具による被削性を向上するため鋼中にSを添加した硫黄快削鋼が用いられていた。

0003

この硫黄快削鋼中のS含有量は多ければ多いほど被削性は良好になるが、反面、圧延、鍛造等の熱間加工時赤熱脆性のため割れ等の不良品が多く発生する。その理由は高硫黄のため低融点のFeSが結晶粒界析出するためである。。そして高S鋼の場合、圧延方向に対し横方向の延性絞り値が低下し、引抜時のトラブルが生ずるため一般的にはS含有量は0.35%を上限とし、多くても0.40%止まりであった。

0004

更に、すぐれた被削性を有する快削鋼としてSに加えてPb、Te、Bi等の重金属を含有する複合快削鋼が開発されたが、近年環境問題が重要視され、環境に悪影響を与えるこれら重金属を使用しない快削鋼で、しかも被削性が含重金属快削鋼に勝るとも劣らない鋼の開発が待たれていた。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は環境に悪影響を与える重金属の添加による被削性の向上を図らず、しかも製造上特に熱間加工時や、冷間引抜時に問題をおこすことのない被削性に優れた含硫黄快削鋼を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、質量%で、
C:0.03〜0.20%
Si:0.35%以下(0を含む)
Mn:0.30〜2.00%
P:0.01〜0.15%
S:0.35〜0.65%
O:0.0100〜0.0250%
N:0.020%以下
Al:0.005%以下(0も含む)
Nb:0.02〜0.20%
を含有し、更に
V:0.05〜0.50%
Ti:0.02〜0.20%
の1種又は2種を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなる化学成分の鋼中の非金属介在物の主たる硫化物系介在物の平均サイズが50μm2以下であり、且つ、硫化物介在物が1mm2当り500個乃至1000個存在することを特徴とする高硫黄快削鋼である。

0007

即ち、本発明では、まず第一にS含有量を従来上限とされていた0.35%を超える多量のSを含有させる。その多量に含有させたSによる熱間脆性等の悪影響が出ないようにするために、Mnを多量に含有させてFeSの析出を止めMnS系酸化物のみにする。

0008

また、良好な快削性を得るためにはこのMnS系酸化物と切削工具との接触する頻度が多いほど良いことを発見した。そのために、MnS系硫化物の鋼中への析出は溶鋼凝固時から始まるが、溶鋼温度において溶鋼中に析出しているTiNや凝固の途中でγ鉄中に析出するNbN、VNをMnS系硫化物の析出核として利用し微細化を図り析出個数増し、かつ均等な分散を図ることが出来ることを見出した。

0009

その上、工具寿命を短くするα型Al2O3系介在物の存在を無くすため溶鋼の脱酸をAlによらずSi−Mnの共同脱酸をベースにし、しかもSiを0.35%以下にすることにより、硬い珪酸系介在物も極力無くし、脱酸後の溶鋼の酸素レベルを0.01〜0.025%に安定して保つため、脱酸補助剤としてのNbに加えV、Tiの一種又は二種を添加する。それらの溶鋼への残留物もMnS系硫化物の析出核として利用することにより、MnS系硫化物が微細、均等に分散析出させることが可能であることを見出した。ここでいう残留物には当然、Nbなどの酸化物も含まれ、これらがMnS系介在物の析出核や複合介在物の形で接着剤としての役割を果たすことは十分に考えられる。

0010

しかも酸素レベルを0.01〜0.0250%に保つことにより析出するMnS系硫化物の硬度下がり、工具寿命の延長アスペクト比(介在物の長さと径の比)を小さくして切屑破砕性が向上することを見出した。

0011

以上3つの発見が本発明の根幹をなすものであって、Pb、Bi、Te等の重金属を含有しなくてもそれらを含有する鋼の機械加工性と同等ないし同等以上の含硫黄快削鋼を開発した。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明の含硫黄快削鋼において化学成分の含有率を限定する理由について説明する。

0013

C:0.03〜0.20%
Cが多い時は、引抜き割れ性を生じるのでCの上限は0.20%とする。また、Cが低い時は強度が低くなりすぎるので、Cの下限は0.03%とする。

0014

Si:0.35%以下(0を含む)
SiはMnと共同の脱酸剤として用いるが、過多に添加する時は鋼の硬度が上がり、その上脱酸生成物けい素酸化物は硬く、工具寿命を劣化させるので、上限は0.35%とした。好ましくは0.10%添加し、Mnとの共同脱酸を実行し、鋳造前の溶鋼のO含有量を0.01〜0.025%に確実に保たせるため、後述のNb並びにV、Tiの1種又は2種を脱酸補助剤として用いる。

0015

Mn:0.30〜2.00%
熱間脆性の原因となる低融点のFeSの粒界析出を防ぐため、Mnを添加し安定なMnSを析出させる。この効果を有効に得るために0.30〜2.0%の範囲で添加することが必要である。

0016

P:0.01〜0.15%
鋼の切削仕上げ面を改善するため0.01〜0.15%の範囲で加える。この範囲以外では所期の目的を十分に達成することが出来ない。

0017

S:0.35〜0.65%
S含有量が高いほど被削性が良好となること及びS含有量が多くなると熱間加工性が低下することは知られている。そのため従来Sの上限は0.35%としていた。本発明によるNb並びにV、Tiを脱酸補助剤とするSi−Mnの共同脱酸を実施すれば、Sの上限は0.65%としてもなんら熱間加工性を損ねることはない。

0018

O:0.0100〜0.0250%
溶鋼の脱炭精練末期酸素量は約600〜1200ppmであるが、このような酸素レベルではリミングアクションにより連続鋳造が不可能となるので、普通Alによる強制脱酸を行なうが、本発明ではAlによる脱酸を行なうと硬いα型Al2O3が脱酸生成物として生成し、それが原因で切削時に工具寿命を低下させるので、本発明ではAlによる脱酸は意図的に行なわない。さらにSiも好ましくは0.10%添加にとどめSi−Mn共同脱酸限である約250ppmより100ppmの範囲に安定的にOレベルを保つため補助的にMnと同程度の脱酸力をもつNbやV及び少量のTiを用いて脱酸する。

0019

N:0.020%以下
本発明の特色はMn硫化物と鋼中におおよそ均等に分散析出させるため、析出核となる微細なNbN、VN、TiNをγ鉄中に析出させ、MnSをその各を中心に分散させようとするものである。そのためN含有率を最大0.020%必要とする。

0020

Al:0.005%以下(0を含む)
前述したように、Alによる強制脱酸は意図的に行なわないが、Alは使用するFeSi、FeNb、FeV、FeTi中に若干含有し、それの溶鋼への添加に伴い微量Alが鋼中に残留してしまう。したがって、その最大量を0.005%と制限する。

0021

Nb:0.02〜0.20%
本発明の目的の一つは前述のようにMnSの生成によってFeSの析出を抑え、加工性と共に被削性を向上させる点にあるが、脱酸助剤としてのNbは溶鋼が凝固する途中でγ鉄中に脱酸生成物、窒化物並びに炭窒化物を析出し、これらがMnSの析出核として有効に働き、硫化物介在物の微細化と共に析出個数を増し、かつ均等に分散して囲う性とひ削性を増大する。その量が0.02%未満及び0.20%を超えるとその効果が十分でない。

0022

V:0.05〜0.50%又は/及びTi:0.02〜0.20%
前述したように、これらの元素はSi−Mn共同脱酸の補助的役割を担わせ、溶鋼中の酸素量を100〜250ppmの範囲に安定して保持し、溶鋼の凝固後のMnSの形状を被削性に好影響を与える球形に近いものにし、且つ、上記Nbと同じく、MnSの析出を鋼中におおよそ均等に分散させるため、γ鉄中に析出するVの窒化物及び溶鋼中に析出するTiNが有効に作用する。その量はそれぞれ下限未満並びに上限を超えると効果が十分でない。

0023

実施例並びに比較例
高周波誘導炉によって表1に示す組成の鋼を溶製し、20kgの鋼塊に鋳造した。

0024

前記鋼塊を直径40mmの丸棒鍛伸し、供試材を作り、旋盤使い旋削試験を行なった。試験条件を下記に示す。
供試材熱処理焼準
工具:超硬チップSNGA120404
切削速度 :100m/分
切込み量:1mm
送り:0.02、0.05、0.10、 0.15、 0.20mm/rev
切削油:なし
評価項目切屑の破砕性

0025

供試材の旋盤による加工時の旋削切屑破砕性の評価と横断面における硫化物系介在物の平均サイズ及び被検面積1mm2当りの個数を表2に示した。

0026

これらの結果から明らかなように、本発明の快削鋼は環境に有害な重金属を一切含有せず、従来の重金属含有快削鋼に勝るとも劣らない快削鋼を発明できた。被削性の評価は切屑の破砕性によって行なった。その破砕性の優劣評価基準図1に示す◎、○、△、×の4段階で評価した。本発明では表2に示すように、旋盤の各送り速度の全てにおいて◎であった。

0027

又、鋼中の硫化物性状(平均サイズ、個数)を次の方法で調査した。被削性試験試料の延長である直径D:40mmの丸棒より鍛伸方向に対し横方向の断面すなわち横断面の表皮から直径の1/6(D/6)迄の箇所から顕微鏡試料切り出し、400倍の光学顕微鏡により硫化物系介在物の平均サイズ、個数を調査した。横断面での介在物の観察は介在物の大きさやその分布状態を容易に把握できる。

発明の効果

0028

本発明によれば、環境に悪影響を与える重金属の添加による被削性の向上を図ることなく、しかも製造上の問題を起こすことなく重金属添加の場合に勝るとも劣らない被削性を有する含硫黄快削鋼を提供する。

図面の簡単な説明

0029

図1本発明鋼による供試材の旋盤による加工時にできる切屑の破砕性の評価基準を示す写真である。

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