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課題

特に金属製容器収納して生体組織凍結保存する場合において、凍結時の熱伝導が極めて迅速であり、金属製容器への収納性の面で優れており、また極低温下においても柔軟性、耐衝撃性を保って破損しない医療用凍結保存用容器保護用外装バックの提供。

解決手段

インフレーション成形により製造され、超高分子量ポリエチレンの層を含む単層または積層フィルムを含む、厚さ約10〜100μmの樹脂フィルムからなる保護用外装バック。

概要

背景

従来より生体組織長期保存方法として、生体組織を収納した凍結保存用容器液体窒素中に浸漬する方法が採用されており、液体窒素中での耐久性を有する種々の凍結保存用容器の材料が知られている。例えば、電子線照射して二軸延伸されたエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム特公昭55−44977号)、二軸延伸されたポリエチレンフィルム(特公昭62−57351号)等が、凍結保存用容器として用いられることが報告されている。しかし、これらの素材からなる凍結保存用容器は、一定以上の衝撃をうけると破損し、容器内のウイルス有害物質により汚染された生体組織が液体窒素を通して他の凍結保存用容器も汚染されてしまうため、凍結保存用容器の保護用外装バックが開発されている。外装バッグは、衝撃を受け、凍結保存用容器が万一破損した場合にも、外装バッグは破損せず、内容物の飛散を防止し、取扱作業者や他の凍結保存用容器への感染、汚染の危険性を排除するものである。例えば、特開平11−139459号公報には、生体組織を収納した凍結保存用容器を、プラスチックシートまたはその積層体からなる肉厚0.01〜1.00mmの包装体に収納し、該包装体内部を脱気した後封止し、凍結する方法が記載される。

外装バッグに使用するプラスチックシートとしては、フッ素樹脂ポリテトラフルオロエチレンポリトリフルオロクロルエチレン等)、低密度ポリエチレン中密度ポリエチレン高密度ポリエチレンポリカーボネートナイロンポリスルホンポリエステルポリスチレンポリイミド超高分子量ポリエチレン放射線架橋せしめたポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びそれらの積層体などが挙げられる。このなかでも、平均分子量が100万〜1500万の超高分子量ポリエチレンは、特に優れた耐衝撃性自己潤滑性耐薬品性耐寒性無毒性を示し、ヒートシールも比較的容易に行えるため、外装バッグの材料として適している。フッ素樹脂は、凍結時の熱伝導阻害しない程度の厚さのシート成形することが可能であり、また、優れた耐寒性能を示すが、ヒートシール性が悪く、確実な熱溶着は困難である。また、液体窒素凍結時の極低温下においては、耐衝撃性の点で、超高分子量ポリオレフィンより劣っており、破損しやすく、またシートの折れ目ピンホールが生じやすいため、本発明のインフレーションフィルムには適さない。

しかしながら、超高分子量ポリエチレンは、ポリエチレンの中では比較的剛直であるため、外装バッグのシートが厚いと、外装バッグ内部の空気を脱気する際、凍結保存用容器と密着させることができず、脱気が不十分となってしまう。脱気が不十分であると、生体組織凍結時の熱伝導が妨げられ、凍結速度に影響を与えてしまい、場合によっては生体組織が損傷してしまうこともある。さらには、外装バッグのシート自身の厚みも、生体組織凍結時の熱伝導に影響を及ぼす因子であり、シートが厚いと熱伝導が妨げられる。例えば、造血管細胞凍結保存においては、凍結開始時の温度効果速度を約2〜10℃/分にするのが好ましいとされている。また、医療用バッグ収納性の面からコンパクトであることが求められており、特に血液等の凍結保存を目的とするものは、保存スペースコストに影響してしまう。外装バッグのシートが厚みを増せば、保存スペースが増してしまう。このような事情を鑑みると、外装バッグのシートは可能な限り薄いものが求められる。

凍結保存用容器を収容した外装バッグは、そのまま液体窒素中に保存すると、バッグ同士がくっつき、使用時に取り出しが困難となるため、通常、金属製容器に収納してから保存される。このとき、外装バッグは、収納効率および凍結時の熱伝導性を向上させるため、金属製の容器内に密着させるような形で収納されることが多く、外装バッグと金属製容器との間の余剰スペースが極めて少なく設計されているものもある。そのような場合、外装バッグは、その端部溶着部を折り曲げないと金属製容器内に収納できず、外装バッグのシートが肉厚であると、金属製容器内への収納が困難になり、また、液体窒素凍結時の極低温下で柔軟性を失ったシートの折れ目にピンホールが生じやすくなる。ピンホールから液体窒素が外装バッグ内に浸潤してくると、液体窒素中の細菌、ウィルス等による凍結保存用容器の汚染の虞があるばかりでなく、解凍時に液体窒素が気化して膨張し、外装バッグの破損、破裂の危険性も生じる。

しかしながら、従来、超高分子量ポリエチレンシート成形法として一般的に用いられていた、切削加工法では、厚さ50μm以下の薄いシートを成形することが難しく、通常、75μm以上の厚みの超高分子量ポリエチレンシートが成形されていた。切削加工法とは、原料となる超高分子量ポリエチレンの粉末円柱状に加熱圧縮成形し、固化された超高分子量ポリエチレンブロックを鋭利な刃で切削してシートを加工する方法である。切削加工法によって得られる超高分子量ポリエチレンシートは、その成形方法のために、シートの肉厚に微妙なむらが生じてしまう。厚さ約50μm以下の薄いシートを成形した場合、それが無視できず、均一な肉厚のシートが得られないため、薄いシートの作成には、切削加工は不向きである。

概要

特に金属製容器に収納して生体組織を凍結保存する場合において、凍結時の熱伝導が極めて迅速であり、金属製容器への収納性の面で優れており、また極低温下においても柔軟性、耐衝撃性を保って破損しない医療用の凍結保存用容器の保護用外装バックの提供。

インフレーション成形により製造され、超高分子量ポリエチレンの層を含む単層または積層フィルムを含む、厚さ約10〜100μmの樹脂フィルムからなる保護用外装バック。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

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請求項1

厚さ約10〜100μmのインフレーションフィルムを袋状に成形加工してなる、生体組織凍結保存用容器保護用外装バック

請求項2

インフレーションフィルムがさらにコーティングされている、請求項1記載の保護用外装バック。

請求項3

インフレーションフィルムが該インフレーションフィルムと相溶性のある熱可塑性樹脂でコーティングされた、請求項2記載の保護用外装バッグ

請求項4

インフレーションフィルムが平均分子100万〜1500万の超高分子量ポリエチレンの層を含む、単層または積層フィルムである、請求項1記載の保護用外装バッグ。

請求項5

インフレーションフィルムが平均分子量100万〜1500万の超高分子量ポリエチレンの層と該超高分子量ポリエチレンと相溶性のある熱可塑性樹脂の層からなる積層フィルムである、請求項4記載の保護用外装バッグ。

請求項6

熱可塑性樹脂がポリオレフィンである請求項3または5記載の保護用外装バッグ。

請求項7

袋状に成形加工された約10〜100μmの厚さのインフレーションフィルムからなる保護用外装バッグを生体組織の凍結保存用容器に外装し、密封後、凍結することを特徴とする生体組織漏出防止方法

請求項8

生体組織の凍結保存用容器を保護用外装バッグに収納密封後、金属製容器に収容し、凍結を行う、請求項7記載の生体組織漏出防止方法。

技術分野

0001

本発明は、生体組織を収容した凍結保存用容器凍結保存する際、生体組織漏出防止のために凍結保存用容器を外装し、保護するための保護用外装バックに関する。

背景技術

0002

従来より生体組織の長期保存方法として、生体組織を収納した凍結保存用容器を液体窒素中に浸漬する方法が採用されており、液体窒素中での耐久性を有する種々の凍結保存用容器の材料が知られている。例えば、電子線照射して二軸延伸されたエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム特公昭55−44977号)、二軸延伸されたポリエチレンフィルム(特公昭62−57351号)等が、凍結保存用容器として用いられることが報告されている。しかし、これらの素材からなる凍結保存用容器は、一定以上の衝撃をうけると破損し、容器内のウイルス有害物質により汚染された生体組織が液体窒素を通して他の凍結保存用容器も汚染されてしまうため、凍結保存用容器の保護用外装バックが開発されている。外装バッグは、衝撃を受け、凍結保存用容器が万一破損した場合にも、外装バッグは破損せず、内容物の飛散を防止し、取扱作業者や他の凍結保存用容器への感染、汚染の危険性を排除するものである。例えば、特開平11−139459号公報には、生体組織を収納した凍結保存用容器を、プラスチックシートまたはその積層体からなる肉厚0.01〜1.00mmの包装体に収納し、該包装体内部を脱気した後封止し、凍結する方法が記載される。

0003

外装バッグに使用するプラスチックシートとしては、フッ素樹脂ポリテトラフルオロエチレンポリトリフルオロクロルエチレン等)、低密度ポリエチレン中密度ポリエチレン高密度ポリエチレンポリカーボネートナイロンポリスルホンポリエステルポリスチレンポリイミド超高分子量ポリエチレン放射線架橋せしめたポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びそれらの積層体などが挙げられる。このなかでも、平均分子量が100万〜1500万の超高分子量ポリエチレンは、特に優れた耐衝撃性自己潤滑性耐薬品性耐寒性無毒性を示し、ヒートシールも比較的容易に行えるため、外装バッグの材料として適している。フッ素樹脂は、凍結時の熱伝導阻害しない程度の厚さのシート成形することが可能であり、また、優れた耐寒性能を示すが、ヒートシール性が悪く、確実な熱溶着は困難である。また、液体窒素凍結時の極低温下においては、耐衝撃性の点で、超高分子量ポリオレフィンより劣っており、破損しやすく、またシートの折れ目ピンホールが生じやすいため、本発明のインフレーションフィルムには適さない。

0004

しかしながら、超高分子量ポリエチレンは、ポリエチレンの中では比較的剛直であるため、外装バッグのシートが厚いと、外装バッグ内部の空気を脱気する際、凍結保存用容器と密着させることができず、脱気が不十分となってしまう。脱気が不十分であると、生体組織凍結時の熱伝導が妨げられ、凍結速度に影響を与えてしまい、場合によっては生体組織が損傷してしまうこともある。さらには、外装バッグのシート自身の厚みも、生体組織凍結時の熱伝導に影響を及ぼす因子であり、シートが厚いと熱伝導が妨げられる。例えば、造血管細胞の凍結保存においては、凍結開始時の温度効果速度を約2〜10℃/分にするのが好ましいとされている。また、医療用バッグ収納性の面からコンパクトであることが求められており、特に血液等の凍結保存を目的とするものは、保存スペースコストに影響してしまう。外装バッグのシートが厚みを増せば、保存スペースが増してしまう。このような事情を鑑みると、外装バッグのシートは可能な限り薄いものが求められる。

0005

凍結保存用容器を収容した外装バッグは、そのまま液体窒素中に保存すると、バッグ同士がくっつき、使用時に取り出しが困難となるため、通常、金属製容器に収納してから保存される。このとき、外装バッグは、収納効率および凍結時の熱伝導性を向上させるため、金属製の容器内に密着させるような形で収納されることが多く、外装バッグと金属製容器との間の余剰スペースが極めて少なく設計されているものもある。そのような場合、外装バッグは、その端部溶着部を折り曲げないと金属製容器内に収納できず、外装バッグのシートが肉厚であると、金属製容器内への収納が困難になり、また、液体窒素凍結時の極低温下で柔軟性を失ったシートの折れ目にピンホールが生じやすくなる。ピンホールから液体窒素が外装バッグ内に浸潤してくると、液体窒素中の細菌、ウィルス等による凍結保存用容器の汚染の虞があるばかりでなく、解凍時に液体窒素が気化して膨張し、外装バッグの破損、破裂の危険性も生じる。

0006

しかしながら、従来、超高分子量ポリエチレンシート成形法として一般的に用いられていた、切削加工法では、厚さ50μm以下の薄いシートを成形することが難しく、通常、75μm以上の厚みの超高分子量ポリエチレンシートが成形されていた。切削加工法とは、原料となる超高分子量ポリエチレンの粉末円柱状に加熱圧縮成形し、固化された超高分子量ポリエチレンブロックを鋭利な刃で切削してシートを加工する方法である。切削加工法によって得られる超高分子量ポリエチレンシートは、その成形方法のために、シートの肉厚に微妙なむらが生じてしまう。厚さ約50μm以下の薄いシートを成形した場合、それが無視できず、均一な肉厚のシートが得られないため、薄いシートの作成には、切削加工は不向きである。

発明が解決しようとする課題

0007

従来の外装バッグは、バック全体が剛直なため内側の凍結保存用容器や外側の金属製容器と密着させることができず、熱伝導が妨げられて凍結に時間がかかったり、金属製容器への収納が困難になる等の欠点を有していた。金属製容器に収容して生体組織を凍結保存する場合において、凍結時の熱伝導が極めて迅速であり、金属製容器への収納性がよく、極低温下においても柔軟性、耐衝撃性を保ち、内側の凍結保存用容器が破れても、破損しない医療用の凍結保存用容器の保護用外装バックの開発が求められている。

課題を解決するための手段

0008

本発明者等は上記課題を解決するために、鋭意検討の結果、インフレーション成形により製造され、超高分子量ポリエチレンの層を含む単層または積層フィルムを含む、厚さ約10〜100μmの樹脂フィルムを用いて保護用外装バックを成形すると、金属製容器内で生体組織の凍結処理を行う場合に、予想以上に、凍結又は解凍に要する時間が短縮され、収納性の面で優れ、また極低温下においても柔軟性、耐衝撃性を保って破損しないことを見出した。このような知見に基づき、種々検討した結果本発明を完成した。

0009

すなわち、本発明は、(1)厚さ約10〜100μmのインフレーションフィルムを袋状に成形加工してなる、生体組織の凍結保存用容器の保護用外装バック、(2)インフレーションフィルムがさらにコーティングされている、上記(1)記載の保護用外装バック、(3)インフレーションフィルムが該インフレーションフィルムと相溶性のある熱可塑性樹脂でコーティングされた、上記(2)記載の保護用外装バッグ、(4)インフレーションフィルムが平均分子量100万〜1500万の超高分子量ポリエチレンの層を含む、単層または積層フィルムである、上記(1)記載の保護用外装バッグ、(5)インフレーションフィルムが平均分子量100万〜1500万の超高分子量ポリエチレンの層と該超高分子量ポリエチレンと相溶性のある熱可塑性樹脂の層からなる積層フィルムである、上記(4)記載の保護用外装バッグ。(6)熱可塑性樹脂がポリオレフィンである上記(3)または(5)記載の保護用外装バッグ、(7)袋状に成形加工された約10〜100μmの厚さのインフレーションフィルムからなる保護用外装バッグを生体組織の凍結保存用容器に外装し、密封後、凍結することを特徴とする生体組織漏出防止方法、及び(8)生体組織の凍結保存用容器を保護用外装バッグに収納後、金属製容器に収容し、凍結を行う、上記(7)記載の生体組織漏出防止方法に関する。

0010

本発明のインフレーションフィルムは、インフレーション成形法により成形される樹脂フィルムを意味する。インフレーションフィルムは単層フィルムであっても、積層フィルムであってもよい。インフレーションフィルムの厚さ(単層の場合はその層の厚さであり、積層フィルムの場合は全ての層の合計の厚さをいう)は、好ましくは約10〜100μmであり、さらに好ましくは約30〜80μm、最も好ましくは約45〜70μmである。本発明のインフレーションフィルムの厚さが、100μmを越えると、フィルムの剛直性が増し、外装バッグと凍結保存容器の隙間の脱気が不十分となるため、あるいはフィルム自信の厚みのため、凍結又は解凍時の熱伝導が妨げられ、外装バッグ内に収納されている凍結保存用容器内の生体組織が損傷を受けてしまう。また、極低温下においてその柔軟性が減じ、金属製容器に入れる際、外装バッグの折れ目にピンホールが生じやすくなり、凍結保存用容器の無菌性欠如、外装バッグの破損、破裂を導くおそれがある。さらに、厚さが100μmを越えると、外装バッグ使用者が、凍結保存用容器を外装バッグ内に封止する際に、安全で容易、かつ確実な熱溶着が困難となる。

0011

本発明のインフレーションフィルムの材料としては、通常、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、引張強度等に優れた種々公知の樹脂材料を用いることができるが、好ましくは、超高分子量ポリオレフィンが用いられ、中でも、超高分子量ポリエチレン(以下、UHPEと略す)が最も好適に用いられる。

0012

本発明のインフレーションフィルムは、自体公知のインフレーション成形法によって作製できる。インフレーション成形法としては、例えば、特公平6−55433号公報、特開平9−183156号公報等に記載されインフレーション成形法が挙げられる。具体的に例を挙げると、低圧スクリュー具備した押出機の先端にL/Dが5以上のチューブダイを連結し、且つチューブダイのマンドレルが押出機のスクリュー先端直結した成形機を用い、かかるチューブダイから押出された溶融状態チューブ状フィルムに空気を吹き込んで膨張させながら冷却することによりインフレーションフィルムを得る方法などが挙げられる。このようなインフレーション成形法を用いれば、約75μm以下のシートを成形する場合であっても均一な厚みのシートを成形することが可能である。

0013

袋状に成形加工するとは、チューブ状のインフレーションフィルムを、熱シール高周波シール等によって周縁部をシールし、袋状の成型物を得ることである。

0014

また、本発明の外装バッグのフィルム材料として、インフレーションフィルムのほか、Tダイ成形等の押し出し成形によって成形されたフィルムを用いても、同様の外装バッグを得ることができる。

0015

本発明において、生体組織とは、生体体液(血液、髄液リンパ液など)もしくはその成分(赤血球白血球血小板血漿血清など)や、生体内組織(血管、角膜半月板脳組織、皮膚、皮下組織上皮組織骨組織筋組織など)、臓器(眼、腎臓心臓肝臓膵臓脾臓小腸を含む消化管膀胱卵巣および精巣など)、およびそれらの各種細胞造血幹細胞骨髄細胞肝細胞膵細胞、脳細胞神経細胞卵細胞受精卵胚性幹細胞など)等である。本発明に用いられる生体組織として、特に、血液もしくはその成分、造血幹細胞などが挙げられる。

0016

生体組織の凍結保存用容器の保護用外装バッグとは、生体組織を収容した自体公知の凍結保存用容器を内部に収納し、凍結保存するための外装バッグである。保護用外装バッグは、凍結保存用容器が万一破損した場合にも、生体組織が外部に露出することを防ぐ役割がある。保護用外装バッグは、凍結保存用容器と密着できる形状、大きさであることが好ましい。

0017

外装バッグ本体を形成するフィルムは、インフレーションフィルムがさらにコーティングされていてもよい。すなわち、外装バッグを形成するフィルムは、インフレーションフィルムと他の樹脂フィルムとの積層フィルムであってもよい。相溶性とは、相手の材料に対して、融点以上の温度で分離や化学反応を起こさずに均質に混合できる性質を意味する。本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、外装バッグ作製時や、バッグ使用者が、凍結保存用容器を外装バッグ内に入れ、熱溶着にて封止する際の、フィルムの熱溶着の安全性、容易性能率等の観点から、融点が75〜130℃であるものが好ましい。熱可塑性樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンや、熱可塑性エラストマー等が挙げられ、それら2種以上の組合せからなるものであってもよい。熱可塑性エラストマーとしては、ポリスルホンブロック共重合体およびポリプロピレンを含んでなる樹脂混合物スチレンブタジエンゴム水素添加物およびポリエチレンを含んでなる樹脂混合物、スチレンブタジエンゴムの水素添加物およびポリプロピレンを含んでなる樹脂混合物等が挙げられる。インフレーションフィルムと他の樹脂フィルムとの積層フィルムの作製方法としては、インフレーションフィルムに、Tダイ法などにより形成された単層フィルムを重ねて加熱溶着する方法や、インフレーションフィルムの片面に押出しコーティング法により、他の樹脂溶融押出しして積層する方法など、種々公知の積層方法が使用できる。

0018

本発明でインフレーションフィルムの材料としてUHPEを用いる場合、そのUHPEの平均分子量は、通常約100万以上であり、好ましくは約100万〜1500万、さらに好ましくは約100万〜210万である。また、そのUHPEの融点は、通常130〜145℃であり、好ましくは135〜140℃である。さらに、UHPEは、エチレン単独の共重合体であっても、エチレンとそれ以外のモノマーとの共重合体であってもよい。その場合、エチレン以外のモノマーとしては、例えば、プロピレンブテン−1、4−メチルペンテン−1等の、α−オレフィンや、それらを2種以上組み合わせたもの等が挙げられる。

0019

インフレーションフィルムが、積層フィルムである場合、分子量100万〜1500万のUHPEの層とUHPEと相溶性のある熱可塑性樹脂からなる層の積層物であることが好ましい。この場合、UHPEと相溶性のある熱可塑性樹脂は、UHPEよりも融点が低いことが好ましい。インフレーションフィルムの形態としては、例えば、UHPEの単層フィルムや、最内層がUHPEの積層フィルム等が挙げられる。

0020

上記UHPEからなる層および熱可塑性樹脂からなる層の積層フィルムは、インフレーション成形の溶融押出工程で、UHPEと熱可塑性樹脂の溶融物を同時に押し出すことによって得ることが出来る。また、そのようなインフレーションフィルムにさらに他の樹脂フィルムを直接あるいは間接的に積層した積層フィルムも、本発明の外装バッグの材料として用いることができる。

0021

次に、本発明の保護用外装バッグを生体組織保存容器に外装し凍結保存する方法について説明する。まず、ジメチルスルホキシド等の凍害防止剤が添加された生体組織を凍結保存用容器へ注入し、凍結保存用容器を密閉する。次に、凍結保存用容器を、外装バッグに入れ、凍結保存用容器と外装バッグの間の空間に存在する空気を脱気した後、外装バッグの開口部を封止(好ましくはヒートシール)する。包装体内部を脱気することにより、外装バッグは凍結保存用容器の外面に密着するため、生体組織凍結時の熱伝導を妨げることがなく、凍結速度に影響を与えない。また、包装体内部に空気が存在しているときより、外部からの衝撃を受けて外装バッグが破裂する等の破損が生じにくくなる。脱気方法としては、真空包装の他、真空ポンプに接続されたチューブを包装体の開口部に挿入してここから凍結保存用容器と外装バッグの間の空間の空気を排出する方法や、包装体外側から押圧して脱気する方法等が挙げられる。さらに、外装バッグの開口部を封止することにより、万一凍結保存用容器が破損しても生体組織が外部に流出することが防止される。最後に、液体窒素中に浸漬し−196℃で保存される。手順としては、直接、液体窒素中に浸漬するか、あるいは、冷凍庫で凍結させた後に液体窒素中に浸漬する。造血幹細胞の凍結保存等においては、いきなり液体窒素中で凍結すると細胞が損傷してしまうため、後者の手順で凍結を行い、プログラムフリージング機能のあるディープフリーザー等を用いて、凍結開始時の温度降下速度を約2℃/分〜5℃/分に設定し、−80℃まで冷却するのが好ましいとされている。

0022

凍結保存用容器を収容した外装バッグは、そのままディープフリーザー等に収納すると、凍結保存時にバッグ同士がくっついてしまったり、相互汚染が生じる場合もあるため、凍結処理を行う場合には、生体組織保存容器が収容された保護用外装バッグをさらに金属製の容器に収容してから凍結を行うことが好ましい。金属製容器は、凍結保存用容器を収容することのできる大きさ、形状で、凍結保存用容器と金属製容器との間にあまりスペースが生じないような容器である。

発明を実施するための最良の形態

0023

次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例に係る外装バックの外観図であり、図2は凍結保存用容器を図1の外装バックに収容した状態を示す図、図3は本発明の外装バックの使用状態を説明する説明図である。また、図4は従来の外装バッグの使用状況を説明する説明図である。本発明の外装バックは、図1に示すように、袋状に形成されたインフレーションフィルムからなる容器本体1からなり、この容器本体1の一端に設けられた開口部11を除く端部がインパルスシールされることによって成形される。外装バッグ(容器本体)1内部に、生体組織2が収容された凍結保存用バッグ3を収納した後に、凍結保存用バッグ3と外装バッグ1の隙間4の空気を外装体外側から押圧をかけ抜き取り、外装バッグ1の開口部11をインパルスシールした状態を、図2に示す。

0024

次にその外装バッグ1をさらに金属製容器に収容した状態を図3に示す。従来、UHPEを材料とする外装バッグは、厚みのある剛直なフィルムから成形されていたため、図4に示すように、収納時に外装バッグのシール部を折り曲げないで済むよう外装バッグと金属製容器の大きさが設計されていた。外力を加えて金属製容器5に外装バッグ1を押し込み図3に示すように、シール部が折り曲げられた状態に収納することも不可能ではないが、金属製容器5への収納作業が非常に煩雑になり、また、シール部の折れ目にピンホールが生じやすくなる。従って、従来の外装バッグは、図4に示すように外装バッグ1と金属製容器5との間に生じるデッドスペース6が大きくなり、凍結・解凍時の熱伝導が悪くなったり、生体組織2の保存スペースを必要以上に浪費するといった問題点があった。本発明の外装バッグ1を用いれば、図3に示すように、デッドスペースが低減され、金属製容器5と外装バッグ1の接触面積も多くなり、凍結・融解時の熱伝導性が向上し、生体組織の保存スペースも効率的に使用することができる。

0025

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。

0026

(実施例1)超高分子量ポリエチレン(商品名:Saxinニューライト、作新工業株式会社製)と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:モアテック出光石油化学株式会社製)を原料として、インフレーション成形によりUHPEと直鎖状低密度ポリエチレンの2層からなる、肉厚50μm(うちUHPE層:約35μm)および65μm(うちUHPE層約50μm)のフィルムチューブを成形した。成形したフィルムチューブを、袋状にインパルスシールすることによって、凍結保存用容器の保護用外装バッグ(縦112mm×横94mm)を作製した。

0027

(比較例1)超高分子量ポリエチレン(商品名:Saxinニューライト、作新工業株式会社製)を原料として、粉末を円柱状に圧縮成形し、固化されたUHPEを鋭利な刃で切削して厚さ90μmのフィルムを作製した。次にUHPEフィルムに直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:モアテック、出光石油化学株式会社製)をラミネートして、肉厚125μmのフィルムを作製した。作製したフィルムを熱溶着することによって、凍結保存用容器の保護用外装バッグ(縦112mm×横94mm)を作製した。

0028

実験例1)市販されている超高分子量ポリエチレンからなる凍結保存用容器(商品名:フローズバッグF−050、ニプロ株式会社製)に25mLの10%(v/v)ジメチルスルホキシド含有1%(w/v)デキストラン水溶液を注入し、注入口をインパルスシール(溶着温度180℃)し、密封した。次に、実施例1および比較例1で成形した保護用外装バッグ(厚さ50μm、65μm、および125μm)内に、凍結保存用容器を収納し、外装体外側から押圧をかけることにより、外装バッグ内の空気を抜きインパルスシール(溶着温度180℃)することによって、凍結保存用容器と保護用外装バッグが密着した状態で、密封した。外装バッグに収容された凍結保存用容器を金属製の金属製容器(商品名:キャニスターサーモジェネシス社製)に収納した。金属製容器をディープフリーザー(商品名:MDF308、三洋電機株式会社製)に入れ、約2℃/分の降下速度簡易冷却し、−80℃まで冷蔵庫内の温度をさげ、凍結保存用容器内の10%(v/v)ジメチルスルホキシド含有1%(w/v)デキストラン水溶液を凍結させた。その金属製容器ごと、液体窒素中に浸漬し、その後、液体窒素中に1時間浸漬させた。同様の処理によって、各々の厚さの外装バッグについて、計10個の試料に凍結処理を行った。その後、液体窒素中から取り出した金属製容器から保護用外装バッグを取り出し、水が一杯に入った容器に浸し、溢れた水の量をメスシリンダーを用いて測定することによって、凍結保存用容器が収容された保護用外装バッグの体積を測定した。そして、あらかじめ同様の方法で測定しておいた25mLの10%(v/v)ジメチルスルホキシド含有1%(w/v)デキストラン水溶液が収容された凍結保存用容器の体積を差し引くことによって、保護外装バッグと凍結保存容器の間隙気体量空気残量)を測定した。結果を表1に示す。

0029

ID=000002HE=015 WI=092 LX=0590 LY=1000
表1に示す結果から明らかなように、厚さ125μmの外装バッグを用いた場合と比較して、厚さ50μm、65μmの外装バッグを用いた場合は、空気残存量が少ないことが分かる。また、これらの凍結保存用容器を収納した外装バッグ(厚み50μm、65μm、125μm)を液体窒素中から取り出した時点での破損はみられなかった。そして、空気残存量測定後、直ちにこれらの凍結保存用容器を収納した外装バッグを、約1mの高さから床の上に落下させた。その結果、凍結保存用容器は全て破損したが、超高分子量ポリエチレンフィルムからなる外装バッグは全て破損しなかった。このため、内容物(凍結した10%(v/v)ジメチルスルホキシド含有1%(w/v)デキストラン水溶液)は飛散することなく外装バッグ内に止まった。

0030

(実験例2)市販されている超高分子量ポリエチレンからなる凍結保存用容器(商品名:フローズバッグF−50、ニプロ社製)に25mLの10%(v/v)ジメチルスルホキシド含有1%(w/v)デキストラン水溶液を注入し、注入口をインパルスシール(溶着温度180℃)し、密封した。その凍結保存用容器を、実験例1および比較例1で作製した保護用外装バッグ(厚み50μm、65μm、125μm)に収容し、さらに保護用外装バッグ金属製容器に収容しを、液体窒素中に1時間浸漬した後、液体窒素中から取り出し、約37℃に調整された湯浴に浸漬し、凍結保存用容器内の凍結した10%(v/v)ジメチルスルホキシド含有1%(w/v)デキストラン水溶液の解凍時間を測定した。解凍時間は、37℃湯浴に浸漬してから、目視によって内容物の解凍を確認した時までの時間を測定した。同様の処理によって、各々の厚さの外装バッグについて、計10個の試料に凍結処理を行い、測定を行った。その結果、得られた外装バッグの厚みと解凍速度平均値の関係を表2に示す。

0031

0032

表2に示す結果から明らかなように、厚さ125μmの外装バッグを用いた場合と比較して、厚さ50μm、65μmの外装バッグを用いた場合は、解凍速度が早いことが分かる。このことから、本発明の外装バッグも用いて凍結処理を行った生体組織は、解凍を迅速に行うことができ、細胞の破壊等の問題が最小限に抑えられる。また、解凍速度の早さは、生体組織と外部との熱伝導性が良好であることを意味し、本発明の外装バッグを用いれば、凍結時においても、凍結時間が短縮されることが推察される。したがって、本発明の外装バッグは、生体組織を凍結保存し、解凍する場合において、凍結および解凍に要する時間を短縮し、生体組織の細胞破壊等を抑制する効果を有するものである。

発明の効果

0033

本発明の外装バッグは、柔軟なフィルムから成形されるため、生体組織凍結容器を内部に収容し、さらにその外装バッグおよび生体組織凍結容器を金属製容器内に収納してから凍結させる場合において、金属製容器に外装バッグを密着した状態で収納することができる。しかも、外部との熱伝導性がよく、生体組織の凍結および解凍を迅速に行うことができる。したがって、凍結および解凍時における生体組織の破壊を最小に抑えることができる。また、金属製容器への収納の際、外装バッグの端部の折り曲げも容易であり、作業を容易に行うことができる。

図面の簡単な説明

0034

図1本発明の一実施例に係る外装バッグの外観図である。
図2生体内保存容器を図1の外装バッグに収容した状態を示す断面図である。
図3本発明の外装バッグの使用状態を説明する断面図である。
図4従来の外装バッグの使用状態を説明する断面図である。

--

0035

1容器本体
11 開口部
12シール部
2生体組織
3凍結保存用バッグ
4 隙間
5金属製容器
6 デッドスペース

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