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技術 動力伝達装置及びロボット装置

出願人 ソニー株式会社
発明者 永塚正樹
出願日 2002年3月18日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2002-073768
公開日 2003年9月24日 (17年5ヶ月経過) 公開番号 2003-266361
状態 未査定
技術分野 マニプレータ・ロボット マニプレータ マニプレータの構造 ばね
主要キーワード 取付用爪 内部円筒部材 センサ用開口 動作部位 最終出力端 重心方向 静止姿勢 起動電源
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年9月24日)のものです。
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図面 (20)

課題

動作部位の不要なバックラッシュを効率よく除去し、可動部の動作を安定化する。

解決手段

ロボット装置1の頭部駆動機構221において、 第1の駆動モータ241の駆動軸を中心として巻回された捩りコイルばね250を設け、この捩りコイルばね250の押さえ止め部251、252によって、頭部シャーシ224に設けられたシャーシ側凸部253と固定側凸部254とをこれら各凸部の両側から同時に押さえ挟持する。

概要

背景

最近では、人間のパートナーとして生活を支援する、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動を支援する実用ロボットの開発が進められている。このような実用ロボットは、産業用ロボットとは異なり、人間の生活環境の様々な局面において、個々に個性相違した人間、又は様々な環境への適応方法を自ら学習する能力を備えている。例えば、のように4足歩行動物の身体メカニズムやその動作を模した「ペット型」ロボット、あるいは、2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間型」又は「人間形」ロボット(Humanoid Robot)等の脚式移動ロボットは、既に実用化されつつある。

これらの脚式移動ロボットは、産業用ロボットと比較してエンターテインメント性を重視した様々な動作を行うことができるため、エンターテインメントロボットと呼称される場合もある。

これらロボット装置には、より精巧な動作が求められる。そのひとつとして、関節機構等に用いられるアクチュエータ歯車列において、不要なバックラッシュを低減するための技術が種々提案されている。

概要

動作部位の不要なバックラッシュを効率よく除去し、可動部の動作を安定化する。

ロボット装置1の頭部駆動機構221において、 第1の駆動モータ241の駆動軸を中心として巻回された捩りコイルばね250を設け、この捩りコイルばね250の押さえ止め部251、252によって、頭部シャーシ224に設けられたシャーシ側凸部253と固定側凸部254とをこれら各凸部の両側から同時に押さえ挟持する。

目的

そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、動作部位の不要なバックラッシュを効率よく除去し、可動部の動作を安定化することができる動力伝達装置及びロボット装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

固定部位に設けられた駆動手段によって可動部位回動動作する動力伝達装置において、上記回動動作によって変動する上記固定部位と上記可動部位との位置関係を該可動部位が固定部位に対する中立位置に戻る方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする動力伝達装置。

請求項2

上記固定部位は、固定部側凸部を有し、上記可動部位は、該可動部位が上記固定部位に対して上記中立位置にあるときに上記固定部側凸部に対向する位置に可動部側凸部を有し、上記付勢手段は、上記固定部側凸部と上記可動部側凸部とを同時に挟持することを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。

請求項3

上記付勢手段は、上記固定部側凸部及び上記可動部側凸部を挟持する端部を有し、上記駆動手段の駆動軸を中心として該駆動手段に巻回されたコイルばねであることを特徴とする請求項2記載の動力伝達手段。

請求項4

胴体部に対して所定の自由度をもって可動頸部及び頭部からなる首構造を有するロボット装置において、上記頭部を上記頸部に対して回動動作する駆動手段と、上記回動動作によって変動する上記頸部と上記頭部との位置関係を該頭部が頸部に対する中立位置に戻る方向に付勢する付勢手段とを備えることを特徴とするロボット装置。

請求項5

上記頸部は、頸部側凸部を有し、上記頭部は、該頭部が上記頸部に対して上記中立位置にあるときに上記頸部側凸部に対向する位置に頭部側凸部を有し、上記付勢手段は、上記頸部側凸部と上記頭部側凸部とを同時に挟持することを特徴とする請求項4記載のロボット装置。

請求項6

上記付勢手段は、上記頸部側凸部及び上記頭部側凸部を挟持する端部を有し、上記駆動手段の駆動軸を中心として該駆動手段に巻回されたコイルばねであることを特徴とする請求項5記載のロボット装置。

技術分野

0001

本発明は、動力伝達装置及びロボット装置に関し、特に、頸部関節部の不要なバックラッシュを除去した動力伝達装置及びロボット装置に関する。

背景技術

0002

最近では、人間のパートナーとして生活を支援する、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動を支援する実用ロボットの開発が進められている。このような実用ロボットは、産業用ロボットとは異なり、人間の生活環境の様々な局面において、個々に個性相違した人間、又は様々な環境への適応方法を自ら学習する能力を備えている。例えば、のように4足歩行動物の身体メカニズムやその動作を模した「ペット型」ロボット、あるいは、2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間型」又は「人間形」ロボット(Humanoid Robot)等の脚式移動ロボットは、既に実用化されつつある。

0003

これらの脚式移動ロボットは、産業用ロボットと比較してエンターテインメント性を重視した様々な動作を行うことができるため、エンターテインメントロボットと呼称される場合もある。

0004

これらロボット装置には、より精巧な動作が求められる。そのひとつとして、関節機構等に用いられるアクチュエータ歯車列において、不要なバックラッシュを低減するための技術が種々提案されている。

発明が解決しようとする課題

0005

このようなロボット装置では、サーボの特性上、アクチュエータギアユニットに不要なバックラッシュがある場合、制御部からの指示位置に対して、制御の効かない「取り残し」がでることになる。ロボット装置の頭部及び頸部のように、ロボット装置の機体の鉛直方向に支持される部位であった場合、この「取り残し」によって、静止姿勢に傾きが生じてしまうという問題点があった。

0006

特に、ロボット装置の姿勢によっては、頭部及び頸部の重心が力の中立位置で静止するような姿勢をとる場合、バックラッシュ分の制御ができず、正確な姿勢を維持できない場合がある。

0007

また、このバックラッシュが大きければ、このバックラッシュによる誤差修正しようとしてサーボゲインをあげると、サーボが過敏に反応して姿勢を安定化することができない場合があった。

0008

また、バックラッシュは、ギア精度を向上することによっても低減可能であるが、エンターテインメント性を重視したロボット装置の場合、制約された重量や設置場所の空間的余裕を考慮するとこれらの高精度な機構が適用できない場合がある。

0009

そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、動作部位の不要なバックラッシュを効率よく除去し、可動部の動作を安定化することができる動力伝達装置及びロボット装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上述した目的を達成するために、本発明に係る動力伝達装置は、固定部位に設けられた駆動手段によって可動部位回動動作する動力伝達装置において、回動動作によって変動する固定部位と可動部位との位置関係を該可動部位が固定部位に対する中立位置に戻る方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする。

0011

ここで、固定部位は、固定部側凸部を有し、可動部位は、該可動部位が固定部位に対して中立位置にあるときに固定部側凸部に対向する位置に可動部側凸部を有し、付勢手段は、固定部側凸部と可動部側凸部とを同時に挟持している。また、付勢手段は、固定部側凸部及び可動部側凸部を挟持する端部を有し、駆動手段の駆動軸を中心として該駆動手段に巻回されたコイルばねとする。

0012

また、上述した目的を達成するために、本発明に係るロボット装置は、胴体部に対して所定の自由度をもって可動な頸部及び頭部からなる首構造を有するロボット装置であって、頭部を頸部に対して回動動作する駆動手段と、回動動作によって変動する頸部と頭部との位置関係を該頭部が頸部に対する中立位置に戻る方向に付勢する付勢手段とを備えている。

0013

ここで、頸部は、頸部側凸部を有し、頭部は、該頭部が頸部に対して中立位置にあるときに頸部側凸部に対向する位置に頭部側凸部を有し、付勢手段は、頸部側凸部と頭部側凸部とを同時に挟持している。また、付勢手段は、頸部側凸部及び頭部側凸部を挟持する端部を有し、駆動手段の駆動軸を中心として該駆動手段に巻回されたコイルばねとする。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明の一構成例として示す2足歩行タイプのロボット装置について、図面を参照して詳細に説明する。この人間型のロボット装置は、住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動を支援する実用ロボットであり、内部状態(怒り、悲しみ喜び、楽しみ等)に応じて行動できるほか、人間が行う基本的な動作を表出できるエンターテインメントロボットである。

0015

図1に示すように、ロボット装置1は、体幹部ユニット2の所定の位置に頭部ユニット3が連結されると共に、左右2つの腕部ユニット4R/Lと、左右2つの脚部ユニット5R/Lが連結されて構成されている(但し、R及びLの各々は、右及び左の各々を示す接尾辞である。以下において同じ。)。

0016

このロボット装置1が具備する関節自由度構成を図2に模式的に示す。頭部ユニット3を支持する首関節は、首関節ヨー軸101と、首関節ピッチ軸102と、首関節ロール軸103という3自由度を有している。

0017

また、上肢を構成する各々の腕部ユニット4R/Lは、、肩関節ピッチ軸107と、肩関節ロール軸108と、上腕ヨー軸109と、肘関節ピッチ軸110と、前腕ヨー軸111と、手首関節ピッチ軸112と、手首関節ロール軸113と、手部114とで構成される。手部114は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体である。但し、手部114の動作は、ロボット装置1の姿勢制御歩行制御に対する寄与や影響が少ないので、本明細書ではゼロ自由度と仮定する。したがって、各腕部は7自由度を有するとする。

0018

また、体幹部ユニット2は、体幹ピッチ軸104と、体幹ロール軸105と、体幹ヨー軸106という3自由度を有する。

0019

また、下肢を構成する各々の脚部ユニット5R/Lは、股関節ヨー軸115と、股関節ピッチ軸116と、股関節ロール軸117と、膝関節ピッチ軸118と、足首関節ピッチ軸119と、足首関節ロール軸120と、足部121とで構成される。本明細書中では、股関節ピッチ軸116と股関節ロール軸117の交点は、ロボット装置1の股関節位置を定義する。人体の足部121は、実際には多関節・多自由度の足底を含んだ構造体であるが、ロボット装置1の足底は、ゼロ自由度とする。したがって、各脚部は、6自由度で構成される。

0020

以上を総括すれば、ロボット装置1全体としては、合計で3+7×2+3+6×2=32自由度を有することになる。但し、エンターテインメント向けのロボット装置1が必ずしも32自由度に限定されるわけではない。設計・制作上の制約条件要求仕様等に応じて、自由度すなわち関節数を適宜増減することができることはいうまでもない。

0021

上述したようなロボット装置1がもつ各自由度は、実際にはアクチュエータを用いて実装される。外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形状近似させること、2足歩行という不安定構造体に対して姿勢制御を行うことなどの要請から、アクチュエータは小型且つ軽量であることが好ましい。

0022

次に、ロボット装置1の頭部ユニット3について、図3乃至図6を用いて詳細に説明する。図3は、頭部ユニット3の正面外観を示し、図4は、頭部ユニットの側面外観を示す。また、図5及び図6は、頭部ユニットをロボット装の頭頂部方向からみた平面図を示している。

0023

頭部ユニット3は、頭部201と頸部202とからなる。頭部201には、CCDカメラ203と、前方に位置する物体までの距離を測定するための距離センサ204と、外部音集音するためのマイクロフォン205と、音声を出力するためのスピーカ206などがそれぞれ所定位置に配置されている。

0024

本具体例では、特に、このロボット装置1の親近感を増すとともにエンターテインメント性を高めるため、外部の状況を撮影するためのCCDカメラ203は、ヒトでいう「眼」の位置に設け、マイクロフォン205は、ヒトでいう「」の位置に設け、音声を出力するためのスピーカ206は、ヒトの「口」に相当する位置に設けている。

0025

頭部201は、頭部外筐体207によって保護されており、この頭部外装筐体207は、眼用開口部208、センサ用開口部209、マイクロフォン取付部210、スピーカ開口部211所定の位置に有しており、ユーザに「ヒト」を想起させる頭部形状となっている。

0026

頭部外装筐体207には、頭頂部に開口部212が設けられている(以下、頭頂開口部212と記す。)。頭頂開口部212は、このロボット装置1の頭頂部の一部をなすように湾曲球面状に加工された頭頂部カバー213で覆われている。頭頂部カバー213は、その輪郭を該頭頂開口部212の開口形状と略同形状であるが若干小になるような形状に加工され、図示しない取付用爪部が頭頂開口部212に設けられた取付孔214と係合されることによって、頭頂開口部212を覆っている。

0027

頭頂開口部212には、図6に示すように、所定箇所センサ215a〜215dが設けられている。このセンサ215は、例えば、所定の押圧を受けるとこれを電気的に検出する押圧検出センサであり、頭頂部カバー213は、これらのセンサと接触して取り付けられている。

0028

したがって、このような頭頂部センサ215を備えることにより、ロボット装置1は、ユーザからの働きかけ、例えばロボット装置1の頭部を「撫でる」「叩く」「軽く叩く」等を検出することができ、これに応じた内部状態の変化を動作として表出することができる。

0029

なお、ここでのセンサとは、所定圧の接触を検出できるものであればよく、汎用のセンサが適用できる。例えば、機械式スイッチオンオフによって、押圧を検出するものであってもよい。

0030

また頭部201は、この頭部201を駆動するための頭部駆動機構221を備えており、頸部202は、この頸部を駆動するための頸部駆動機構222を備えている。頭部ユニット3の頭部外装筐体207及び頸部外装筐体216を取り外した外観図7及び8に基づいて、頭部201及び頸部202をさらに詳細に説明する。図7は、ロボット装置1の正面外観を示し、図8は、ロボット装置1の側面外観を示している。

0031

頭部201は、頭部駆動機構221と連結された頭部碗状部材223と、頭部碗状部材223に対して頭部駆動機構221を介して回動自在に取り付けられた頭部シャーシ224とから構成されている。頭部碗状部材223には、CCDカメラ203で撮像された画像からステレオデータを作成する等の画像処理を実行する画像処理回路が設置されていてもよく、頭部碗状部材223は、このように内部に配設された回路等を保護する役割を果たすとともに、ロボット装置1の顔・部の一部を構成している。

0032

ここで、頭部駆動機構221は、後述する回転駆動モータ歯車機構とから構成されており、特にロボット装置頭部のロール方向の動き、すなわち「傾げ」の動作を創出するために設けられている。

0033

頭部シャーシ224には、顔前面に相当する位置に、カメラ固定部材225が取り付けられている。このカメラ固定部材225には、CCDカメラ203が設置されている。また、カメラ固定部材225は、距離センサ取付部226を有しており、ここに距離センサ204が取り付けられている。頭部外装筐体207は、頭部に装着される際に、CCDカメラ203及び距離センサ204に対応する箇所にそれぞれ眼用開口部208、距離センサ用開口部209が設けられているため、ここからCCDカメラ203及び距離センサ204が外部に露呈される。

0034

また実際は、カメラ固定部材225上には、ロボット装置1の内部状態を表出するため等に用いられるLED231や、このLED231からの光を眼周囲に一様に導くための導光部材232等を備えた、図9に示すような眼底基板230が設置されているため、この眼底部基板230の外側が頭部外装筐体207に覆われることになる。

0035

したがって、上述したように、頭部201において、頭部シャーシ224、カメラ固定部材225、眼底部基板230、頭部外装筐体207等を組み合わせた際、眼底部基板230に設けられた導光部材232が眼部内側壁となって頭部外装筐体表面よりも内側に略円筒状に窪んだ眼部が構成されている。このとき、眼底部基板230のレンズ孔233から露呈したCCDカメラ203のレンズがヒトでいう「瞳」に相当する。

0036

一方、頸部駆動機構222は、頭部ユニット3の体幹部ユニット2に対する動作を表出するための駆動機構である。

0037

頸部駆動機構222は、後述する頸部主駆動部234と、この頸部主駆動部234によって駆動される頸部円筒部材235とからなる。頸部主駆動部234には、ヒトの「頸椎」に相当する頸部円筒部材235を駆動するための第1の駆動モータを備えている。

0038

また、頸部駆動機構222は、本具体例では、一例として、頸部円筒部材235内に別の駆動モータ(以下、第2の駆動モータと記す。)を備えることによって、第1の駆動モータによる動作とは異なる回転方向運動を実現している。

0039

この第2の駆動モータは、駆動軸が頸部の長手方向の中心軸を駆動軸と一致して頸部円筒部材235内に固定されている。この第2の駆動モータは、図示しない歯車機構を介して、頸部円筒部材235内に設けられた内部円筒部材と連結されており、該内部円筒部材の外周面が頸部円筒部材235の内周面摺動しながら内部円筒部材を回動する構造になっている。この頸部円筒部材235に上述した頭部碗状部材223が固定されることにより、頭部201全体が頸部に対して回動するようになっている。

0040

そして、頸部駆動機構222が頸部主駆動部234の一部で体幹部ユニット2の骨格構造に取り付けられることによって、頭部ユニット3全体が体幹部ユニット2に固定されている。

0041

すなわち、このロボット装置1では、この頸部駆動機構222の第1の駆動モータの最終出力端がピッチ軸であり、これにより、頭部201が体幹部ユニット2に対してロボット装置1の面(前方)及び背面(後方)方向に揺動する運動(以下、チルト動作と記す。)が生成され、第2の駆動モータの駆動軸がヨー軸であり、これにより、頭部201が頸部202に対して頸部の長手方向中心軸に垂直な平面と平行な回動運動(以下、パン動作と記す。)が生成される。また、上述した頭部駆動機構221により、頭部201が頸部202に対してロールする運動(以下、ロール動作と記す。)が生成される。したがって、頭部ユニット3は、ヨー軸を中心としたチルト動作、ピッチ軸を中心としたパン動作、ロール軸を中心としたロール動作の3自由度をもって駆動することができる。

0042

なお、頭部駆動機構221には、頸部に対して頭部201を上下方向に回動する、いわゆる「頷き」を表出するための別の駆動モータを配置して第2のピッチ軸を設け、頭部ユニット3の自由度を4とすることもできる。

0043

ロボット装置1では、上述した各ユニットの連結部分動作精度の高い駆動モータ及びギア列等が用いられているが、例えば、図7及び図8に示す頭部駆動機構221及び頸部駆動機構222では、ロボット装置1の重心方向に対する鉛直方向上で支持・静止される場合がある。この場合、特に、力の中立位置では、アクチュエータでは制御不可能なギア列のバックラッシュのみが残り、これがロボット装置1の静止状態における頭部及び頸部の「あそび」「がた」に繋がる。

0044

そこで、本具体例では、ロボット装置1の頭部ユニット3の駆動部、特に、頭部駆動機構221に、頭部の回動動作によって変動する固定側部位(この場合、頸部を示す。)と可動側部位(頭部を示す。)との位置関係を、頭部が頸部に対する中立位置に戻るような方向に付勢する付勢手段を備えた機構を適用することによって、このバックラッシュを解消している。

0045

図10を用いて、頭部駆動機構221の構成を詳細に説明する。図10は、ロボット装置の側面からみた頭部シャーシ224と頭部駆動機構221との外観を示し、図11は、後頭部側からみた外観図を示す。

0046

図10乃至図12に示す頭部シャーシ224において、上述のカメラ固定部材225を取り付けるためのカメラ固定部材取付端部240が設けられた方向がロボット装置1の前面(顔正面)方向に相当する。

0047

頭部駆動機構221は、ロボット装置頭部のロール方向の動き、すなわち「傾げ」の動作を創出する第1の駆動モータ241と、この第1の駆動モータ241の駆動軸と直交する駆動軸を有する第2の駆動モータ242とが一体化されている。また、ここで第2の駆動モータ242は、固定端243によって、頭部碗状部材223を介して頸部円筒部材235と連結されている。第2の駆動モータ242は、頸部に対して頭部201を上下方向に回動する、いわゆる「頷き」を表出するためのモータである。これにより、本具体例のロボット装置1では、頭部ユニット3の自由度が4になっている。

0048

第1の駆動モータ241には、駆動軸を中心として、捩りコイルばね250が巻回されている。捩りコイルばね250には、両端が立ち上げられることによって、押さえ止め部251、252が形成されており、頭部シャーシ224に設けられたシャーシ側凸部253と固定側凸部254とを、これら各凸部の両側から同時に押さえ挟持している。

0049

また、シャーシ側凸部253は、頭部シャーシ224上の第1の駆動モータ241に対向する側に設けられている。また、固定側凸部254は、頭部シャーシ224が頭部駆動機構221に対して中立位置にあるときのシャーシ側凸部253に対向する第1の駆動モータ241の外装筐体表面上に設けられている。

0050

捩りコイルばね250は、図11に示すように、シャーシ側凸部253と固定側凸部254とを押さえ止め部251、252によって同一側面で同時に挟み込むように設けられている。そのため、図10及び図11に示すような直立状態で、頭部シャーシ224を常に中立位置に回帰する方向に付勢している。また、捩りコイルばね250は、静止状態で各凸部を把持方向に押圧しているだけでなく、図12に示すように、例えば、図中の矢印方向に頭部シャーシが回動した場合には、押し広げられた押さえ止め部間の間隔を縮める方向に戻り力が働く。

0051

捩りコイルばね250は、このように、どちら方向への回動動時作であっても常に各凸部を押圧することによって、頭部駆動機構221における不要なバックラッシュが除去することができる。また、この捩りコイルばね250を用いることにより、精巧な歯車機構を導入することなく、不要なバックラッシュを効率よく除去できるため、頭部ユニット3の軽量化も実現でき、その上製造コストも低減できるという利点がある。

0052

ここで、シャーシ側凸部253及び固定側凸部254の形状は、図10に示す例に限定されることなく、例えば、図13に示すように、一方を凹型として、凹部と凸部とで互いに係合し合うような形状にすることもできる。この場合、ばねの押さえ止め部251、252によって押さえられる面積が広くとれるためにばね圧が確実に与えられ、可動部、すなわち頭部が中立位置で安定化し易くなるという利点がある。

0053

また、本発明の別の実施の形態として、図14に示すような機構とすることもできる。図14は、頭部駆動機構221及び頭部シャーシ224を斜め下方から眺望した斜視図である。

0054

この場合では、頭部の回動動作によって変動する固定側部位(この場合、頸部を示す。)と可動側部位(頭部を示す。)との位置関係を、頭部が頸部に対する中立位置に戻るような方向に付勢する付勢手段としてのコイルばね260を、頭部シャーシ224と第1の駆動モータ241とを連結する歯車列近傍に設けている。

0055

この場合も、コイルばね260は、上述例と同様に頭部シャーシ側(可動部側)に設けられたシャーシ側凸部261と第1の駆動モータ(固定部側)の対応箇所に設けられた固定側凸部262とを、巻回部より延長された両端部263、264によって挟持することで頭部シャーシ224を中立位置で安定化させ、バックラッシュを解消している。

0056

なお、本発明は、ここに示した具体例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。本具体例では、2足歩行タイプのロボット装置の頸部に適用する場合に関して説明したが、ロボット装置の重心方向に対する鉛直方向上、力の中立位置で支持・静止されるような部位に対して適用可能である。

0057

続いて、図15を用いて、上述したロボット装置1の制御システム構成を具体的に説明する。

0058

図15には、ロボット装置1の制御システム構成を模式的に示している。同図に示すように、ロボット装置1は、ヒトの四肢表現した体幹部ユニット2,頭部ユニット3,腕部ユニット4R/L,脚部ユニット5R/Lと、各ユニット間の協調動作を実現するための適応制御を行う制御ユニット10とで構成される。

0059

ロボット装置1全体の動作は、制御ユニット10によって統括的に制御される。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)や、DRAMフラッシュROM等の主要回路コンポーネント(図示しない)で構成される主制御部11と、電源回路やロボット装置1の各構成要素とのデータやコマンドの授受を行うインターフェイス(何れも図示しない)などを含んだ周辺回路12とで構成される。

0060

本発明を実現するうえで、この制御ユニット10の設置場所は、特に限定されない。図15では体幹部ユニット2に搭載されているが、頭部ユニット3に搭載してもよい。或いは、ロボット装置1外に制御ユニット10を配備して、ロボット装置1の機体とは有線又は無線交信するようにしてもよい。

0061

図2に示したロボット装置1内の各関節自由度は、それぞれに対応するアクチュエータによって実現される。すなわち、頭部ユニット3には、首関節ヨー軸101、首関節ピッチ軸102、首関節ロール軸103の各々を表現する首関節ヨー軸アクチュエータA2、首関節ピッチ軸アクチュエータA3、首関節ロール軸アクチュエータA4が配設されている。

0062

また、体幹部ユニット2には、体幹ピッチ軸104、体幹ロール軸105、体幹ヨー軸106の各々を表現する体幹ピッチ軸アクチュエータA5、体幹ロール軸アクチュエータA6、体幹ヨー軸アクチュエータA7が配設されている。また、体幹部ユニット2には、このロボット装置1の起動電源となるバッテリを備えている。このバッテリは、充放電可能な電池によって構成されている。

0063

また、腕部ユニット4R/Lは、上腕ユニット41R/Lと、肘関節ユニット42R/Lと、前腕ユニット43R/Lに細分化されるが、肩関節ピッチ軸107、肩関節ロール軸108、上腕ヨー軸109、肘関節ピッチ軸110、前腕ヨー軸111、手首関節ピッチ軸112、手首関節ロール軸113の各々表現する肩関節ピッチ軸アクチュエータA8、肩関節ロール軸アクチュエータA9、上腕ヨー軸アクチュエータA10、肘関節ピッチ軸アクチュエータA11、肘関節ロール軸アクチュエータA12、手首関節ピッチ軸アクチュエータA13、手首関節ロール軸アクチュエータA14が配備されている。

0064

また、脚部ユニット5R/Lは、大腿部ユニット51R/Lと、ユニット52R/Lと、部ユニット53R/Lに細分化されるが、股関節ヨー軸115、股関節ピッチ軸116、股関節ロール軸117、膝関節ピッチ軸118、足首関節ピッチ軸119、足首関節ロール軸120の各々を表現する股関節ヨー軸アクチュエータA16、股関節ピッチ軸アクチュエータA17、股関節ロール軸アクチュエータA18、膝関節ピッチ軸アクチュエータA19、足首関節ピッチ軸アクチュエータA20、足首関節ロール軸アクチュエータA21が配備されている。各関節に用いられるアクチュエータA2,A3・・・は、より好ましくは、ギア直結型で旦つサーボ制御系ワンチップ化してモータ・ユニット内に搭載したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータで構成することができる。

0065

体幹部ユニット2、頭部ユニット3、各腕部ユニット4R/L、各脚部ユニット5R/Lなどの各機構ユニット毎に、アクチュエータ駆動制御部の副制御部20,21,22R/L,23R/Lが配備されている。さらに、各脚部ユニット5R/Lの足底が着床したか否かを検出する接地確認センサ30R/Lを装着するとともに、体幹部ユニット2内には、姿勢を計測する姿勢センサ31を装備している。

0066

接地確認センサ30R/Lは、例えば足底に設置された近接センサ又はマイクロ・スイッチなどで構成される。また、姿勢センサ31は、例えば、加速度センサジャイロ・センサの組み合わせによって構成される。

0067

接地確認センサ30R/Lの出力によって、歩行走行などの動作期間中において、左右の各脚部が現在立脚又は遊脚何れの状態であるかを判別することができる。また、姿勢センサ31の出力により、体幹部分の傾きや姿勢を検出することができる。

0068

主制御部11は、各センサ30R/L,31の出力に応答して制御目標ダイナミック補正することができる。より具体的には、副制御部20,21,22R/L,23R/Lの各々に対して適応的な制御を行い、ロボット装置1の上肢、体幹、及び下肢が協調して駆動する全身運動パターンを実現できる。

0069

ロボット装置1の機体上での全身運動は、足部運動、ZMP(Zero Moment Point)軌道体幹運動上肢運動腰部高さなどを設定するとともに、これらの設定内容にしたがった動作を指示するコマンドを各副制御部20,21,22R/L,23R/Lに転送する。そして、各々の副制御部20,21,・・・等では、主制御部11からの受信コマンドを解釈して、各アクチュエータA2,A3・・・等に対して駆動制御信号を出力する。ここでいう「ZMP」とは、歩行中床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点のことであり、また、「ZMP軌道」とは、例えばロボット装置1の歩行動作期間中にZMPが動く軌跡を意味する。なお、ZMPの概念並びにZMPを歩行ロボット安定度判別規範に適用する点については、Miomir Vukobratovic著“LEGGED LOCOMOTION ROBOTS”(加一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社))に記載されている。

0070

以上のように、ロボット装置1は、各々の副制御部20,21,・・・等が、主制御部11からの受信コマンドを解釈して、各アクチュエータA2,A3・・・に対して駆動制御信号を出力し、各ユニットの駆動を制御している。これにより、ロボット装置1は、目標の姿勢に安定して遷移し、安定した姿勢で歩行できる。

0071

また、ロボット装置1における制御ユニット10では、上述したような姿勢制御のほかに、加速度センサ、タッチセンサ、接地確認センサ等の各種センサ、及びCCDカメラからの画像情報、マイクロフォンからの音声情報等を統括して処理している。制御ユニット10では、図示しないが加速度センサ、ジャイロ・センサ、タッチセンサ、距離センサ、マイクロフォン、スピーカなどの各種センサ、各アクチュエータ、CCDカメラ及びバッテリが各々対応するハブを介して主制御部11と接続されている。

0072

主制御部11は、上述の各センサから供給されるセンサデータや画像データ及び音声データを順次取り込み、これらをそれぞれ内部インターフェイスを介してDRAM内の所定位置に順次格納する。また、主制御部11は、バッテリから供給されるバッテリ残量を表すバッテリ残量データを順次取り込み、これをDRAM内の所定位置に格納する。DRAMに格納された各センサデータ、画像データ、音声データ及びバッテリ残量データは、主制御部11がこのロボット装置1の動作制御を行う際に利用される。

0073

主制御部11は、ロボット装置1の電源投入された初期時、制御プログラム読み出し、これをDRAMに格納する。また、主制御部11は、上述のように主制御部11よりDRAMに順次格納される各センサデータ、画像データ、音声データ及びバッテリ残量データに基づいて自己及び周囲の状況や、使用者からの指示及び働きかけの有無などを判断する。

0074

さらに、主制御部11は、この判断結果及びDRAMに格納した制御プログラムに基づいて自己の状況に応じて行動を決定するとともに、当該決定結果に基づいて必要なアクチュエータを駆動させることによりロボット装置1に、いわゆる「身振り」、「手振り」といった行動をとらせる。

0075

このようにしてロボット装置1は、制御プログラムに基づいて自己及び周囲の状況を判断し、使用者からの指示及び働きかけに応じて自律的に行動できる。

0076

ところで、このロボット装置1は、内部状態に応じて自律的に行動することができる。そこで、ロボット装置1における制御プログラムのソフトウェア構成例について、図16乃至図21を用いて説明する。なお、この制御プログラムは、上述したように、予めフラッシュROM12に格納されており、ロボット装置1の電源投入初期時において読み出される。

0077

図16において、デバイスドライバレイヤ40は、制御プログラムの最下位層に位置し、複数のデバイス・ドライバからなるデバイス・ドライバ・セット41から構成されている。この場合、各デバイス・ドライバは、CCDカメラやタイマ等の通常のコンピュータで用いられるハードウェア直接アクセスすることを許されたオブジェクトであり、対応するハードウェアからの割り込みを受けて処理を行う。

0078

また、ロボティックサーバ・オブジェクト42は、デバイス・ドライバ・レイヤ40の最下位層に位置し、例えば上述の各種センサやアクチュエータ281〜28n等のハードウェアにアクセスするためのインターフェイスを提供するソフトウェア群でなるバーチャル・ロボット43と、電源の切換えなどを管理するソフトウェア群でなるパワーマネージャ44と、他の種々のデバイス・ドライバを管理するソフトウェア群でなるデバイス・ドライバ・マネージャ45と、ロボット装置1の機構を管理するソフトウェア群でなるデザインド・ロボット46とから構成されている。

0079

マネージャ・オブジェクト47は、オブジェクト・マネージャ48及びサービス・マネージャ49から構成されている。オブジェクト・マネージャ48は、ロボティック・サーバ・オブジェクト42、ミドルウェア・レイヤ50、及びアプリケーション・レイヤ51に含まれる各ソフトウェア群の起動や終了を管理するソフトウェア群であり、サービス・マネージャ49は、メモリカードに格納されたコネクションファイル記述されている各オブジェクト間接続情報に基づいて各オブジェクトの接続を管理するソフトウェア群である。

0080

ミドル・ウェア・レイヤ50は、ロボティック・サーバ・オブジェクト42の上位層に位置し、画像処理や音声処理などのこのロボット装置1の基本的な機能を提供するソフトウェア群から構成されている。また、アプリケーション・レイヤ51は、ミドル・ウェア・レイヤ50の上位層に位置し、当該ミドル・ウェア・レイヤ50を構成する各ソフトウェア群によって処理された処理結果に基づいてロボット装置1の行動を決定するためのソフトウェア群から構成されている。

0081

なお、ミドル・ウェア・レイヤ50及びアプリケーション・レイヤ51の具体なソフトウェア構成をそれぞれ図17に示す。

0082

ミドル・ウェア・レイヤ50は、図17に示すように、騒音検出用、温度検出用、明るさ検出用音階認識用、距離検出用、姿勢検出用、タッチセンサ用、動き検出用及び色認識用の各信号処理モジュール60〜68並びに入力セマンティクスコンバータモジュール69などを有する認識系70と、出力セマンティクスコンバータモジュール78並びに姿勢管理用トラッキング用、モーション再生用、歩行用転倒復帰用、LED点灯用及び音再生用の各信号処理モジュール71〜77などを有する出力系79とから構成されている。

0083

認識系70の各信号処理モジュール60〜68は、ロボティック・サーバ・オブジェクト42のバーチャル・ロボット43によりDRAMから読み出される各センサデータや画像データ及び音声データのうちの対応するデータを取り込み、当該データに基づいて所定の処理を施して、処理結果を入力セマンティクスコンバータモジュール69に与える。ここで、例えば、バーチャル・ロボット43は、所定の通信規約によって、信号の授受或いは変換をする部分として構成されている。

0084

入力セマンティクスコンバータモジュール69は、これら各信号処理モジュール60〜68から与えられる処理結果に基づいて、「うるさい」、「暑い」、「明るい」、「ボールを検出した」、「転倒を検出した」、「撫でられた」、「叩かれた」、「ドミソの音階が聞こえた」、「動く物体を検出した」又は「障害物を検出した」などの自己及び周囲の状況や、使用者からの指令及び働きかけを認識し、認識結果をアプリケーション・レイヤ41に出力する。

0085

アプリケーション・レイヤ51は、図18に示すように、行動モデルライブラリ80、行動切換モジュール81、学習モジュール82、感情モデル83及び本能モデル84の5つのモジュールから構成されている。

0086

行動モデルライブラリ80には、図19に示すように、「バッテリ残量が少なくなった場合」、「転倒復帰する」、「障害物を回避する場合」、「感情を表現する場合」、「ボールを検出した場合」などの予め選択されたいくつかの条件項目にそれぞれ対応させて、それぞれ独立した行動モデルが設けられている。

0087

そして、これら行動モデルは、それぞれ入力セマンティクスコンバータモジュール69から認識結果が与えられたときや、最後の認識結果が与えられてから一定時間が経過したときなどに、必要に応じて後述のように感情モデル83に保持されている対応する情動パラメータ値や、本能モデル84に保持されている対応する欲求のパラメータ値を参照しながら続く行動をそれぞれ決定し、決定結果を行動切換モジュール81に出力する。

0088

なお、この実施の形態の場合、各行動モデルは、次の行動を決定する手法として、図20に示すような1つのノード(状態)NODE0〜NODEnから他のどのノードNODE0〜NODEnに遷移するかを各ノードNODE0〜NODEnに間を接続するアークARC1〜ARCn1に対してそれぞれ設定された遷移確率P1〜Pnに基づいて確率的に決定する有限確率オートマトンと呼ばれるアルゴリズムを用いる。

0089

具体的に、各行動モデルは、それぞれ自己の行動モデルを形成するノードNODE0〜NODEnにそれぞれ対応させて、これらノードNODE0〜NODEn毎に図21に示すような状態遷移表90を有している。

0090

この状態遷移表90では、そのノードNODE0〜NODEnにおいて遷移条件とする入力イベント(認識結果)が「入力イベント名」の列に優先順列記され、その遷移条件についてのさらなる条件が「データ名」及び「データ範囲」の列における対応する行に記述されている。

0091

したがって、図21の状態遷移表90で表されるノードNODE100では、「ボールを検出(BALL)」という認識結果が与えられた場合に、当該認識結果とともに与えられるそのボールの「大きさ(SIZE)」が「0から1000」の範囲であることや、「障害物を検出(OBSTACLE)」という認識結果が与えられた場合に、当該認識結果とともに与えられるその障害物までの「距離(DISTANCE)」が「0から100」の範囲であることが他のノードに遷移するための条件となっている。

0092

また、このノードNODE100では、認識結果の入力がない場合においても、行動モデルが周期的に参照する感情モデル83及び本能モデル84にそれぞれ保持された各情動及び各欲求のパラメータ値のうち、感情モデル83に保持された「喜び(Joy)」、「驚き(Surprise)」又は「悲しみ(Sadness)」の何れかのパラメータ値が「50から100」の範囲であるときには他のノードに遷移することができるようになっている。

0093

また、状態遷移表90では、「他のノードヘの遷移確率」の欄における「遷移先ノード」の行にそのノードNODE0〜NODEnから遷移できるノード名が列記されているとともに、「入力イベント名」、「データ名」及び「データの範囲」の列に記述された全ての条件が揃ったときに遷移できるほかの各ノードNODE0〜NODEnへの遷移確率が「他のノードヘの遷移確率」の欄内の対応する箇所にそれぞれ記述され、そのノードNODE0〜NODEnに遷移する際に出力すべき行動が「他のノードヘの遷移確率」の欄における「出力行動」の行に記述されている。なお、「他のノードヘの遷移確率」の欄における各行の確率の和は100[%]となっている。

0094

したがって、図21の状態遷移表90で表されるノードNODE100では、例えば「ボールを検出(BALL)」し、そのボールの「SIZE(大きさ)」が「0から1000」の範囲であるという認識結果が与えられた場合には、「30[%]」の確率で「ノードNODE120(node 120)」に遷移でき、そのとき「ACTION1」の行動が出力されることとなる。

0095

各行動モデルは、それぞれこのような状態遷移表90として記述されたノードNODE0〜NODEnが幾つも繋がるようにして構成されており、入力セマンティクスコンバータモジュール69から認識結果が与えられたときなどに、対応するノードNODE0〜NODEnの状態遷移表を利用して確率的に次の行動を決定し、決定結果を行動切換モジュール81に出力するようになされている。

0096

図18に示す行動切換モジュール81は、行動モデルライブラリ80の各行動モデルからそれぞれ出力される行動のうち、予め定められた優先順位の高い行動モデルから出力された行動を選択し、当該行動を実行すべき旨のコマンド(以下、行動コマンドという。)をミドル・ウェア・レイヤ50の出力セマンティクスコンバータモジュール78に送出する。なお、この実施の形態においては、図19において下側に表記された行動モデルほど優先順位が高く設定されている。

0097

また、行動切換モジュール81は、行動完了後に出力セマンティクスコンバータモジュール78から与えられる行動完了情報に基づいて、その行動が完了したことを学習モジュール82、感情モデル83及び本能モデル84に通知する。

0098

一方、学習モジュール82は、入力セマンティクスコンバータモジュール69から与えられる認識結果のうち、「叩かれた」や「撫でられた」など、使用者からの働きかけとして受けた教示の認識結果を入力する。

0099

そして、学習モジュール82は、この認識結果及び行動切換モジュール71からの通知に基づいて、「叩かれた(叱られた)」ときにはその行動の発現確率を低下させ、「撫でられた(誉められた)」ときにはその行動の発現確率を上昇させるように、行動モデルライブラリ70における対応する行動モデルの対応する遷移確率を変更する。

0100

他方、感情モデル83は、「喜び(Joy)」、「悲しみ(Sadness)」、「怒り(Anger)」、「驚き(Surprise)」、「嫌悪(Disgust)」及び「恐れ(Fear)」の合計6つの情動について、各情動毎にその情動の強さを表すパラメータを保持している。そして、感情モデル83は、これら各情動のパラメータ値を、それぞれ入力セマンティクスコンバータモジュール69から与えられる「叩かれた」及び「撫でられた」などの特定の認識結果や、経過時間及び行動切換モジュール81からの通知などに基づいて周期的に更新する。

0101

具体的には、感情モデル83は、入力セマンティクスコンバータモジュール69から与えられる認識結果と、そのときのロボット装置1の行動と、前回更新してからの経過時間となどに基づいて所定の演算式により算出されるそのときのその情動の変動量を△E[t]、現在のその情動のパラメータ値をE[t]、その情動の感度を表す係数をkeとして、(1)式によって次の周期におけるその情動のパラメータ値E[t+1]を算出し、これを現在のその情動のパラメータ値E[t]と置き換えるようにしてその情動のパラメータ値を更新する。また、感情モデル83は、これと同様にして全ての情動のパラメータ値を更新する。

0102

0103

なお、各認識結果や出力セマンティクスコンバータモジュール78からの通知が各情動のパラメータ値の変動量△E[t]にどの程度の影響を与えるかは予め決められており、例えば「叩かれた」といった認識結果は「怒り」の情動のパラメータ値の変動量△E[t]に大きな影響を与え、「撫でられた」といった認識結果は「喜び」の情動のパラメータ値の変動量△E[t]に大きな影響を与えるようになっている。

0104

ここで、出力セマンティクスコンバータモジュール78からの通知とは、いわゆる行動のフィードバック情報(行動完了情報)であり、行動の出現結果の情報であり、感情モデル83は、このような情報によっても感情を変化させる。これは、例えば、「叫ぶ」といった行動により怒りの感情レベルが下がるといったようなことである。なお、出力セマンティクスコンバータモジュール78からの通知は、上述した学習モジュール82にも入力されており、学習モジュール82は、その通知に基づいて行動モデルの対応する遷移確率を変更する。

0105

なお、行動結果フィードバックは、行動切換モジュール81の出力(感情が付加された行動)によりなされるものであってもよい。

0106

一方、本能モデル84は、「運動欲(exercise)」、「愛情欲(affection)」、「食欲(appetite)」及び「好奇心(curiosity)」の互いに独立した4つの欲求について、これら欲求毎にその欲求の強さを表すパラメータを保持している。そして、本能モデル84は、これらの欲求のパラメータ値を、それぞれ入力セマンティクスコンバータモジュール69から与えられる認識結果や、経過時間及び行動切換モジュール81からの通知などに基づいて周期的に更新する。

0107

具体的には、本能モデル84は、「運動欲」、「愛情欲」及び「好奇心」については、認識結果、経過時間及び出力セマンティクスコンバータモジュール78からの通知などに基づいて所定の演算式により算出されるそのときのその欲求の変動量をΔI[k]、現在のその欲求のパラメータ値をI[k]、その欲求の感度を表す係数kiとして、所定周期で(2)式を用いて次の周期におけるその欲求のパラメータ値I[k+1]を算出し、この演算結果を現在のその欲求のパラメータ値I[k]と置き換えるようにしてその欲求のパラメータ値を更新する。また、本能モデル84は、これと同様にして「食欲」を除く各欲求のパラメータ値を更新する。

0108

0109

なお、認識結果及び出力セマンティクスコンバータモジュール78からの通知などが各欲求のパラメータ値の変動量△I[k]にどの程度の影響を与えるかは予め決められており、例えば出力セマンティクスコンバータモジュール78からの通知は、「疲れ」のパラメータ値の変動量△I[k]に大きな影響を与えるようになっている。

0110

なお、本実施の形態においては、各情動及び各欲求(本能)のパラメータ値がそれぞれ0から100までの範囲で変動するように規制されており、また係数ke、kiの値も各情動及び各欲求毎に個別に設定されている。

0111

一方、ミドル・ウェア・レイヤ50の出力セマンティクスコンバータモジュール78は、図17に示すように、上述のようにしてアプリケーション・レイヤ51の行動切換モジュール81から与えられる「前進」、「喜ぶ」、「鳴く」又は「トラッキング(ボールを追いかける)」といった抽象的な行動コマンドを出力系79の対応する信号処理モジュール71〜77に与える。

0112

そしてこれら信号処理モジュール71〜77は、行動コマンドが与えられると当該行動コマンドに基づいて、その行動をするために対応するアクチュエータに与えるべきサーボ指令値や、スピーカから出力する音の音声データ及び又はLEDに与える駆動データを生成し、これらのデータをロボティック・サーバ・オブジェクト42のバーチャル・ロボット43及び信号処理回路を順次介して対応するアクチュエータ又はスピーカ又はLEDに順次送出する。

0113

このようにしてロボット装置1は、上述した制御プログラムに基づいて、自己(内部)及び周囲(外部)の状況や、使用者からの指示及び働きかけに応じた自律的な行動ができる。

0114

このような制御プログラムは、ロボット装置が読取可能な形式で記録された記録媒体を介して提供される。制御プログラムを記録する記録媒体としては、磁気読取方式の記録媒体(例えば、磁気テープフレキシブルディスク磁気カード)、光学読取方式の記録媒体(例えば、CD−ROM、MO、CD−R、DVD)等が考えられる。記録媒体には、半導体メモリ(いわゆるメモリカード(矩形型、正方形型など形状は問わない。)、ICカード)等の記憶媒体も含まれる。また、制御プログラムは、いわゆるインターネット等を介して提供されてもよい。

0115

これらの制御プログラムは、専用の読込ドライバ装置、又はパーソナルコンピュータ等を介して再生され、有線又は無線接続によってロボット装置1に伝送されて読み込まれる。また、ロボット装置1は、半導体メモリ、又はICカード等の小型化された記憶媒体のドライブ装置を備える場合、これら記憶媒体から制御プログラムを直接読み込むこともできる。

発明の効果

0116

以上詳細に説明したように、本発明に係る動力伝達装置は、固定部位に設けられた駆動手段によって可動部位を回動動作する動力伝達装置において、回動動作によって変動する固定部位と可動部位との位置関係を該可動部位が固定部位に対する中立位置に戻る方向に付勢する付勢手段を備えることにより、固定部位と可動部位間における不要なバックラッシュを除去することができる。これにより、可動部の動作が安定化できる。

0117

また、この動作伝達装置によれば、精巧な歯車機構を導入することなく、不要なバックラッシュを効率よく除去できるため、装置全体の軽量化も実現でき、製造コストも低減できるという利点がある。

0118

また、上述した目的を達成するために、本発明に係るロボット装置は、胴体部に対して所定の自由度をもって可動な頸部及び頭部からなる首構造を有するロボット装置であって、頭部を頸部に対して回動動作する駆動手段と、回動動作によって変動する頸部と頭部との位置関係を該頭部が頸部に対する中立位置に戻る方向に付勢する付勢手段とを備えることにより、頭部と頸部間における不要なバックラッシュを除去することができる。これにより、頭部及び頸部の可動部位の動作が安定化できる。

0119

また、精巧な歯車機構を導入することなく、不要なバックラッシュを効率よく除去できるため、ロボット装置の頭部ユニットの軽量化も実現でき、製造コストも低減できるという利点がある。

図面の簡単な説明

0120

図1本具体例として示すロボット装置の外観構成を示す斜視図である。
図2同ロボット装置の自由度構成モデルを模式的に示す図である。
図3同ロボット装置の頭部ユニットの正面外観図である。
図4同ロボット装置の頭部ユニットの側面外観図である。
図5同ロボット装置の頭部ユニットを頭頂部方向からみた平面図である。
図6同ロボット装置の頭部ユニットを頭頂部方向からみた平面図である。
図7同ロボット装置の頭部外装筐体を取り外した頭部ユニットの正面外観図である。
図8同ロボット装置の頭部外装筐体を取り外した頭部ユニットの側面外観図である。
図9同ロボット装置の眼底部基板を示す斜視図である。
図10同ロボット装置における頭部シャーシ及び頭部駆動機構の側面外観図である。
図11同ロボット装置における頭部シャーシ及び頭部駆動機構の後正面外観図である。
図12同ロボット装置における頭部シャーシ及び頭部駆動機構が回動する様子を後正面からみた図である。
図13同ロボット装置におけるシャーシ側凸部と固定側凸部の別の具体例を説明する要部拡大図である。
図14同ロボット装置における頭部シャーシ及び頭部駆動機構の別の実施の形態を説明する斜視図である。
図15同ロボット装置の回路構成を示すブロック図である。
図16同ロボット装置のソフトウェア構成を示すブロック図である。
図17同ロボット装置のソフトウェア構成におけるミドル・ウェア・レイヤの構成を示すブロック図である。
図18同ロボット装置のソフトウェア構成におけるアプリケーション・レイヤの構成を示すブロック図である。
図19アプリケーション・レイヤの行動モデルライブラリの構成を示すブロック図である。
図20同ロボット装置の行動決定のための情報となる有限確率オートマトンを説明する図である。
図21有限確率オートマトンの各ノードに用意された状態遷移表を示す図である。

--

0121

1ロボット装置、201 頭部、202頸部、221 頭部駆動機構、224 頭部シャーシ、234 頸部主駆動部、235 頸部円筒部材、241第1の駆動モータ、242 第2の駆動モータ、243固定端、250捩りコイルばね、251,252押さえ止め部、253 シャーシ側凸部、254固定側凸部

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