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技術 酸素吸収能樹脂組成物及びそれを用いた積層体及び包装体

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 鈴田昌由黒澤明男
出願日 2002年2月28日 (18年8ヶ月経過) 出願番号 2002-053663
公開日 2003年9月10日 (17年2ヶ月経過) 公開番号 2003-253131
状態 拒絶査定
技術分野 包装体 被包材 積層体(2) 高分子組成物
主要キーワード 充填ガス量 インパルスシール機 熱可塑ポリマー 対ロール 積層フィルム基材 インサートインジェクション成形 ヘッドスペースガス中 調整ガス
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年9月10日)のものです。
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図面 (4)

課題

酸素吸収能の制御が容易で、且つ酸素吸収能力持続性のある酸素吸収能を有する樹脂組成物及び各種バリア層複合化させることで酸素バリア性酸素吸収性を有する積層体及びそれを用いた包装体を得ることにある。

解決手段

熱可塑性樹脂50〜99wt%に対し、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体を1〜50wt%配合した樹脂組成物100重量部に対し、遷移金属を含む化合物を0. 001〜2重量部、光増感剤を0. 001〜2重量部になるように配合した酸素吸収能樹脂組成物と、それを用いた酸素吸収能樹脂層bを備えた積層体及びそれを用いた包装体。

概要

背景

各種内容物を包装するパッケージ事業という分野において、「パッケージ」あるいは「包装」のキーワードとしては大きく以下の内容が挙げられる。
(1)消費者に対する購買意識の付与、危険性の提示といった「表示効果」。
(2)充填した内容物自体により包装体が侵されないための「対内容物耐性」。
(3)外部刺激に対する「内容物の保護」。

これらのキーワードは更に細分化され、細かい要求品質へと展開される。そのうち、「内容物の保護」という点で特に注目を浴びているのが、酸素や水分からの内容物の保護が挙げられる。特に最近では、食品分野工業製品分野、医療医薬品分野等の各分野において、酸素や水分に対する内容物の保護性が重要視されるようになってきた。その背景として、酸素については酸化による内容物の分解、変質、水分については吸湿加水分解に伴う内容物の変質が挙げられる。

このように酸素あるいは水分による内容物の変質を防ぐ為、様々な方法が検討されてきた。その一つが、酸素バリアあるいは水分バリア性を有する材料を用いた包装体を設計することが挙げられる。以下に酸素バリアという点で例を挙げると、エチレンビニルアルコール共重合体等の酸素ガスバリア性に優れる熱可塑性樹脂を用いた積層体や、アルミ蒸着シリカ蒸着アルミナ蒸着などの蒸着層ポリエステル基材等に設けることで得られた蒸着フィルムを用いた積層体などが挙げられる。

これらのバリア性基材を用いた包装体は、その高い酸素バリア性から各種用途に展開が広がっている。しかしながら、これらのバリア性基材はバリア性が高いとは言いながら、ごく微量の酸素を透過させてしまう。また、これらの包装体を用いて内容物を充填した場合、包装体上部にヘッドスペースガスが存在している状態がほとんどである。最近ではヘッドスペース中に残存している酸素も内容物を劣化させるという点から不活性ガス置換を行うことで、ヘッドスペース中の酸素を除去する試みが為されているが、それでも微量の酸素が残存している状況である。

この様に、バリア性基材を通過する微量な酸素、あるいは包装体内部のヘッドスペースガス中の酸素を除去すべく、酸素吸収能を有する樹脂酸素吸収樹脂)の開発が行われるようになってきた。これらの代表的なタイプとして、以下のものが挙げられる。
(1)不飽和化合物酸化分解あるいは酸素付加反応を用いたタイプ。
(2)遷移金属錯体を用いた酸素配位結合タイプ。
(3)被還元性化合物による還元酸化反応を用いた過酸化水素化(他ガスへの変換)

これらの酸素吸収樹脂については、上述したバリア性樹脂とは異なり、酸化・配位などの現象を利用することで酸素を消費(吸収)させることから、バリア性基材と複合化させることで、微量の透過酸素をも吸収可能であり、またヘッドスペース中の微量酸素をも除去可能であることから、内容物保存という点で注目を浴びている。

しかしながら、これらの酸素吸収樹脂の課題点としては、以下の内容が挙げられる。上記(1)のタイプの酸素吸収樹脂のうち、分解型の場合は、酸化分解に伴う臭気の発生や、ポリマー低分子量化に伴う機械物性の低下、着色などが問題点として挙げられる。また付加型の場合は、エチレン−アクリル酸エステル系ポリマーエステル交換させることで、酸素付加による酸素吸収部位を導入させたものが挙げられるが、ポリマー骨格に共重合の形で導入されている為に、酸素吸収に必要なユニットが完全に消費してしまうと、それ以上の吸収効果が期待できない。さらに、エステル交換反応を利用している為に、そのユニットの量的制御が困難である。また、上記(2)のタイプの酸素吸収樹脂は、骨格によっては酸素が可逆的に配位するため、ある条件下では脱酸素化する可能性があるが、酸素吸収能力は比較的低い。また、上記(3)のタイプの酸素吸収樹脂は、過酸化水素など有害性ガスを発生する可能性がある。

酸素吸収樹脂の登場は、今後のパッケージの内容物保存効果という点で期待される分野ではあるが、現状としては上述したように、まだまだ改善事項が多く残されている。

概要

酸素吸収能の制御が容易で、且つ酸素吸収能力の持続性のある酸素吸収能を有する樹脂組成物及び各種バリア層と複合化させることで酸素バリア性と酸素吸収性を有する積層体及びそれを用いた包装体を得ることにある。

熱可塑性樹脂50〜99wt%に対し、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体を1〜50wt%配合した樹脂組成物100重量部に対し、遷移金属を含む化合物を0. 001〜2重量部、光増感剤を0. 001〜2重量部になるように配合した酸素吸収能樹脂組成物と、それを用いた酸素吸収能樹脂層bを備えた積層体及びそれを用いた包装体。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
9件
牽制数
9件

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請求項1

熱可塑性樹脂50〜99wt%に対し、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体を1〜50wt%配合した樹脂組成物100重量部に対し、遷移金属を含む化合物を0. 001〜2重量部、光増感剤を0. 001〜2重量部になるように配合したことを特徴とする酸素吸収能樹脂組成物。

請求項2

前記脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体のヨウ素価あるいは臭素価から算出される不飽和結合の量が、0. 1mol/100g(脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体)以上であることを特徴とする請求項1記載の酸素吸収能樹脂組成物。

請求項3

前記脂環式不飽和化合物が環状ジエン化合物の重合体あるいは誘導体であることを特徴とする請求項1又は2記載の酸素吸収能樹脂組成物。

請求項4

前記遷移金属を含む化合物が、コバルトマンガン、鉄、ニッケル、銅から1種以上選択される芳香族カルボン酸塩飽和あるいは不飽和カルボン酸塩などの遷移金属化合物塩、あるいはアセチルアセトナトエチレンジアミン四酢酸サレンポルフィリンフタロシアニンなどの各種遷移金属錯体から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の酸素吸収能樹脂組成物。

請求項5

前記光増感剤が、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、アジド系、あるいはベンゾイン系化合物の少なくとも1種以上から選択されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の酸素吸収能樹脂組成物。

請求項6

前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンエチレンαオレフィン共重合体ポリプロピレンポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−プロピレンランダム共重合体プロピレンエチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、エチレン−α,β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物、あるいはそのイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその部分けん化物あるいは完全けん化物に代表されるエチレン系共重合体ポリエステル樹脂ポリアミド樹脂ポリアクリロニトリル樹脂、あるいは酸無水物などのグラフト変性ポリオレフィン樹脂単体あるいはこれら1種以上の混合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の酸素吸収能樹脂組成物。

請求項7

請求項1乃至6のいずれか1項記載の酸素吸収能樹脂組成物を積層して設けたことを特徴とする積層体

請求項8

前記酸素吸収能樹脂組成物層を、厚さ5〜 200μmの範囲で積層させたことを特徴とする請求項7記載の積層体。

請求項9

酸素透過度が、50cm3 [25μm(厚さ)/1m2 (面積)/24h(時間)/1. 01325×105 Pa(圧力)]以下の熱可塑性樹脂層金属箔層金属蒸着熱可塑ポリマー層、無機化合物蒸着熱可塑性ポリマー層から選ばれるバリア層を、少なくとも1種以上積層することを特徴とする請求項7又は8記載の積層体。

請求項10

前記バリア層が、ポリエステル樹脂層ポリアミド樹脂層ポリアクリロニトリル層ポリビニルアルコール層、エチレン−ビニルアルコール共重合体層ポリ塩化ビニリデン層から選ばれる熱可塑性樹脂層、アルミ箔等の金属箔層、アルミ蒸着層シリカ蒸着層アルミナ蒸着層を設けた各種熱可塑性樹脂層の少なくとも1種以上から選択されることを特徴とする請求項9記載の積層体。

請求項11

請求項6乃至10のいずれか1項記載の積層体から形成されていることを特徴とする包装体

請求項12

軟包装体として形成されていることを特徴とする請求項11記載の包装体。

請求項13

ボトル容器として形成されていることを特徴とする請求項11記載の包装体。

請求項14

トレー容器又はカップ容器として形成されていることを特徴とする請求項11記載の包装体。

請求項15

容器蓋材として形成されていることを特徴とする請求項11記載の包装体。

請求項16

容器のキャップ又はインナーキャップとして形成されていることを特徴とする請求項11記載の包装体。

請求項17

複合紙容器として形成されていることを特徴とする請求項11記載の包装体。

請求項18

請求項12乃至17記載の包装体のいずれか2種以上の包装体を組み合わせることにより形成されていることを特徴とする包装体。

技術分野

0001

本発明は、酸素吸収能を有する樹脂組成物及びそれを用いた積層体及びそれを用いた包装体に関し、さらに詳細には、熱可塑性樹脂脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体遷移金属化合物光増感剤を配合することで得られる酸素吸収能を有する樹脂組成物、及びその樹脂組成物をバリア層と組み合わせることで得られる酸素バリア性かつ酸素吸収性を有する積層体、及びそれを用いた各種包装体に関する。

背景技術

0002

各種内容物を包装するパッケージ事業という分野において、「パッケージ」あるいは「包装」のキーワードとしては大きく以下の内容が挙げられる。
(1)消費者に対する購買意識の付与、危険性の提示といった「表示効果」。
(2)充填した内容物自体により包装体が侵されないための「対内容物耐性」。
(3)外部刺激に対する「内容物の保護」。

0003

これらのキーワードは更に細分化され、細かい要求品質へと展開される。そのうち、「内容物の保護」という点で特に注目を浴びているのが、酸素や水分からの内容物の保護が挙げられる。特に最近では、食品分野工業製品分野、医療医薬品分野等の各分野において、酸素や水分に対する内容物の保護性が重要視されるようになってきた。その背景として、酸素については酸化による内容物の分解、変質、水分については吸湿加水分解に伴う内容物の変質が挙げられる。

0004

このように酸素あるいは水分による内容物の変質を防ぐ為、様々な方法が検討されてきた。その一つが、酸素バリアあるいは水分バリア性を有する材料を用いた包装体を設計することが挙げられる。以下に酸素バリアという点で例を挙げると、エチレンビニルアルコール共重合体等の酸素ガスバリア性に優れる熱可塑性樹脂を用いた積層体や、アルミ蒸着シリカ蒸着アルミナ蒸着などの蒸着層ポリエステル基材等に設けることで得られた蒸着フィルムを用いた積層体などが挙げられる。

0005

これらのバリア性基材を用いた包装体は、その高い酸素バリア性から各種用途に展開が広がっている。しかしながら、これらのバリア性基材はバリア性が高いとは言いながら、ごく微量の酸素を透過させてしまう。また、これらの包装体を用いて内容物を充填した場合、包装体上部にヘッドスペースガスが存在している状態がほとんどである。最近ではヘッドスペース中に残存している酸素も内容物を劣化させるという点から不活性ガス置換を行うことで、ヘッドスペース中の酸素を除去する試みが為されているが、それでも微量の酸素が残存している状況である。

0006

この様に、バリア性基材を通過する微量な酸素、あるいは包装体内部のヘッドスペースガス中の酸素を除去すべく、酸素吸収能を有する樹脂酸素吸収樹脂)の開発が行われるようになってきた。これらの代表的なタイプとして、以下のものが挙げられる。
(1)不飽和化合物酸化分解あるいは酸素付加反応を用いたタイプ。
(2)遷移金属錯体を用いた酸素配位結合タイプ。
(3)被還元性化合物による還元酸化反応を用いた過酸化水素化(他ガスへの変換)

0007

これらの酸素吸収樹脂については、上述したバリア性樹脂とは異なり、酸化・配位などの現象を利用することで酸素を消費(吸収)させることから、バリア性基材と複合化させることで、微量の透過酸素をも吸収可能であり、またヘッドスペース中の微量酸素をも除去可能であることから、内容物保存という点で注目を浴びている。

0008

しかしながら、これらの酸素吸収樹脂の課題点としては、以下の内容が挙げられる。上記(1)のタイプの酸素吸収樹脂のうち、分解型の場合は、酸化分解に伴う臭気の発生や、ポリマー低分子量化に伴う機械物性の低下、着色などが問題点として挙げられる。また付加型の場合は、エチレン−アクリル酸エステル系ポリマーエステル交換させることで、酸素付加による酸素吸収部位を導入させたものが挙げられるが、ポリマー骨格に共重合の形で導入されている為に、酸素吸収に必要なユニットが完全に消費してしまうと、それ以上の吸収効果が期待できない。さらに、エステル交換反応を利用している為に、そのユニットの量的制御が困難である。また、上記(2)のタイプの酸素吸収樹脂は、骨格によっては酸素が可逆的に配位するため、ある条件下では脱酸素化する可能性があるが、酸素吸収能力は比較的低い。また、上記(3)のタイプの酸素吸収樹脂は、過酸化水素など有害性ガスを発生する可能性がある。

0009

酸素吸収樹脂の登場は、今後のパッケージの内容物保存効果という点で期待される分野ではあるが、現状としては上述したように、まだまだ改善事項が多く残されている。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の課題は、上記の実情を考慮したものであり、酸素吸収能の制御が容易で、かつ酸素吸収能力の持続性のある酸素吸収能を有する樹脂組成物、及び各種バリア層と複合化させることで酸素バリア性/酸素吸収性を有する積層体及びそれを用いた包装体を得ることにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、上記課題を克服するために考え出されたものであり、請求項1に係る発明は、熱可塑性樹脂50〜99wt%に対し、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体を1〜50wt%配合した樹脂組成物100重量部に対し、遷移金属を含む化合物を0. 001〜2重量部、光増感剤を0. 001〜2重量部になるように配合したことを特徴とする酸素吸収能樹脂組成物である。

0012

本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る酸素吸収能樹脂組成物において、前記脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体のヨウ素価あるいは臭素価から算出される不飽和結合の量が、0. 1mol/ 100g(脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体)以上であることを特徴とする酸素吸収能樹脂組成物である。

0013

本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係る酸素吸収能樹脂組成物において、前記脂環式不飽和化合物が環状ジエン化合物の重合体あるいは誘導体であることを特徴とする酸素吸収能樹脂組成物である。

0014

本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至3のいずれか1項に係る酸素吸収能樹脂組成物において、前記遷移金属を含む化合物が、コバルトマンガン、鉄、ニッケル、銅から1種以上選択される芳香族カルボン酸塩飽和あるいは不飽和カルボン酸塩などの遷移金属化合物塩、あるいはアセチルアセトナトエチレンジアミン四酢酸サレンポルフィリンフタロシアニンなどの各種遷移金属錯体から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする酸素吸収能樹脂組成物である。

0015

本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に係る酸素吸収能樹脂組成物において、前記光増感剤が、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、あるいはアジド系化合物の少なくとも1種以上から選択されることを特徴とする酸素吸収能樹脂組成物である。

0016

本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係る酸素吸収能樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体ポリプロピレンポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−プロピレンランダム共重合体プロピレンエチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、エチレン−α,β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物、あるいはそのイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその部分けん化物あるいは完全けん化物に代表されるエチレン系共重合体ポリエステル樹脂ポリアミド樹脂ポリアクリロニトリル樹脂、あるいは酸無水物などのグラフト変性ポリオレフィン樹脂の単体あるいはこれら1種以上の混合物であることを特徴とする酸素吸収能樹脂組成物である。

0017

本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項1乃至6のいずれか1項に係る酸素吸収能樹脂組成物を積層して設けたことを特徴とする積層体である。

0018

本発明の請求項8に係る発明は、上記請求項7に係る積層体において、前記酸素吸収能樹脂組成物層を、厚さ5〜200μmの範囲で積層させたことを特徴とする積層体である。

0019

本発明の請求項9に係る発明は、上記請求項7又は8に係る積層体において、酸素透過度が、50cm3 [25μm(厚さ)/1m2 (面積)/24h(時間)/1. 01325×105 Pa(圧力)]以下の熱可塑性樹脂層金属箔層金属蒸着熱可塑ポリマー層、無機化合物蒸着熱可塑性ポリマー層から選ばれるバリア層を、少なくとも1種以上積層することを特徴とする積層体である。

0020

本発明の請求項10に係る発明は、上記請求項9に係る積層体において、前記バリア層が、ポリエステル樹脂層ポリアミド樹脂層ポリアクリロニトリル層ポリビニルアルコール層、エチレン−ビニルアルコール共重合体層ポリ塩化ビニリデン層から選ばれる熱可塑性樹脂層、アルミ箔等の金属箔層、アルミ蒸着層シリカ蒸着層アルミナ蒸着層を設けた各種熱可塑性樹脂層の少なくとも1種以上から選択されることを特徴とする積層体である。

0021

本発明の請求項11に係る発明は、上記請求項6乃至10のいずれか1項に係る積層体から形成されていることを特徴とする包装体である。

0022

本発明の請求項12に係る発明は、上記請求項11に係る包装体において、軟包装体として形成されていることを特徴とする包装体である。

0023

本発明の請求項13に係る発明は、上記請求項11に係る包装体において、ボトル容器として形成されていることを特徴とする包装体である。

0024

本発明の請求項14に係る発明は、上記請求項11に係る包装体において、トレー容器又はカップ容器として形成されていることを特徴とする包装体である。

0025

本発明の請求項15に係る発明は、上記請求項11に係る包装体において、容器蓋材として形成されていることを特徴とする包装体である。

0026

本発明の請求項16に係る発明は、上記請求項11に係る包装体において、容器のキャップ又はインナーキャップとして形成されていることを特徴とする包装体である。

0027

本発明の請求項17に係る発明は、上記請求項11に係る包装体において、複合紙容器として形成されていることを特徴とする包装体である。

0028

本発明の請求項18に係る発明は、上記請求項12乃至17記載の包装体のいずれか2種以上の包装体を組み合わせることにより形成されていることを特徴とする包装体である。

発明を実施するための最良の形態

0029

以下、本発明を詳細に説明する。本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂50〜99wt%に対し、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体を1〜50wt%配合した樹脂組成物100重量部に対し、遷移金属を含む化合物を0. 001〜2重量部、光増感剤を0. 001〜2重量部になるように配合したことを特徴とする酸素吸収能を有する樹脂組成物である。

0030

樹脂組成物の主成分となる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂あるいはエチレン系共重合体が挙げられる。例を挙げると、低密度ポリエチレン中密度ポリエチレン高密度ポリエチレン、αオレフィンがブテン−1ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1などのエチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などのポリαオレフィンランダムポリプロピレンブロックポリプロピレンなどのαオレフィン−エチレン共重合体、あるいは2種以上のαオレフィンを共重合させたもの、例えばエチレン−プロピレン−ブテン共重合体ブテンプロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−ヘキセン共重合体なども使用可能である。

0031

また、エチレン−環状オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂も使用可能である。またエチレン系共重合体としては、エチレン−(メタアクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル、エチレン−(メタ)アクリル酸n−ブチル、エチレン−(メタ)アクリル酸i—ブチル、エチレン−(メタ)アクリル酸t−ブチル、エチレン−(メタ)アクリル酸の各種イオン架橋物、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体などのエチレン−α,β不飽和カルボン酸あるいはそのエステル化物、あるいはそのイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはその部分けん化物あるいは完全けん化物、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジルエステル共重合体などが挙げられる。

0032

また、無水マレイン酸やビニルあるいは(メタ)アクリロキシシラン化合物、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルなどの反応性官能基グラフト反応させたポリオレフィン樹脂などが挙げられる。

0033

また、必要に応じては各種成分を共重合させたものでも構わなく、一酸化炭素と共重合させたもの、アリル系化合物を共重合させたものなど種々に選択することができる。これらのポリオレフィンあるいはエチレン系共重合体は単体で使用しても、これら1種以上の混合物としても使用が可能である。

0034

これらの熱可塑性樹脂に配合する必須成分として、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体が挙げられる。直鎖式不飽和化合物、例えばブタジエンゴムイソプレンゴムブタジエンイソプレン共重合体ゴムスチレンブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などは、下記に記載する光増感剤により発生したラジカルによりハイドロパーオキサイドを形成し、主鎖の解裂を引き起こす。

0035

そのため、脂環式不飽和化合物を用いた方が好ましい。これらの例としては、直鎖上ジエン化合物、環状ジエン化合物、あるいはこれらの誘導体、例えばブタジエンやシクロペンタジエンフラン出発物質としてジエン反応により形成された環状ジエン化合物の重合体あるいはその誘導体が挙げられる。その一例としてジシクロペンタジエン系重合体ノルボルネン系重合体が挙げられる。また、これらの材料はエチレンとランダム共重合あるいは交互共重合させた重合体でも構わなく、必要に応じては各種官能基骨格中に導入しても構わない。

0036

これらの化合物に含まれる不飽和結合部位は酸素吸収能に影響を与える。不飽和結合部位の量的指標としては、ヨウ素価、臭素価により求めることができる。ヨウ素および臭素などは、不飽和結合と付加反応を起こし、不飽和結合1molに対し1分子(1mol)付加される。

0037

上記値より算出された重合体中における不飽和結合の量は、0. 1mol/100g(脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体)以上であることが好ましい。不飽和結合部位の量は酸素吸収能力に相関が有り、0. 1mol/100g(脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体)以下では酸素吸収能力が不十分である。不飽和結合の量として上限はないが、0. 3〜1mol/100g(脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体)であれば、酸素吸収能として十分である。

0038

上記熱可塑性樹脂に配合する脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体の量は、熱可塑性樹脂50〜99wt%に対し、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体1〜50wt%である。1wt%より少ないと、酸素吸収能力に劣り、50wt%を超えると成形加工性に問題を与える。好ましくは5〜40wt%、さらに好ましくは10〜30wt%である。

0039

この樹脂組成物に配合する添加剤として、まず遷移金属を含む化合物が挙げられる。この遷移金属を含む化合物は酸素吸収機構触媒として働くものである。これらの遷移金属としては、周期律3A〜7A、8、1B族の元素が挙げられ、この中でも特に、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、銅から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。

0040

これらの遷移金属からなる化合物としては、芳香族カルボン酸塩、飽和あるいは不飽和カルボン酸塩などの遷移金属化合物塩、あるいはアセチルアセトナト、エチレンジアミン四酢酸、サレン、ポルフィリン、フタロシアニンなどの各種遷移金属錯体が挙げられる。特に、これら遷移金属の炭素数10〜20の飽和あるいは不飽和脂肪酸塩が好ましく、ステアリン酸塩リノール酸塩リノレン酸塩など各種遷移金属塩あるいはこれらの誘導体がハンドリングコストなどの面で好ましい。配合量としては上記樹脂組成物100重量部に対し、これらの遷移金属化合物を0. 001〜2重量部が挙げられる。この配合量よりも少ないと、酸化に伴う酸素吸収能が低下する。これ以上の添加量でも構わないが、飽和限界を達成してしまうため、必要量としては2重量部が挙げられる。

0041

次の必須成分としては、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、あるいはアジド系化合物の少なくとも1種以上から選択される光増感剤が挙げられる。

0042

これらは、UVあるいはEBなどの活性エネルギー線により容易に分解し、各種ラジカルを形成することが可能である。このようにして得られた各種ラジカルを起点にして、酸素付加反応を伴うことが可能である。好ましくはベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4' −メチルジフェニルサルファイドアルキル化ベンゾフェノン、3,3' ,4,4' −テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物が好ましい。これらの添加量は、上記樹脂組成物100重量部に対し、光増感剤が0. 001〜2重量部である。この配合量よりも少ないと、酸素吸収能が低下する。上限については、遷移金属化合物の項で述べた内容と同じである。

0043

上述した遷移金属を含む化合物および光増感剤は、少なくともどちらか一方配合していれば、あるいは双方配合していなくても、酸素吸収としての機能を発現することは可能である。しかしながら、これらの併用は、酸素吸収サイクル増幅させるものであり、酸素吸収速度にも反映される。このような意味で、双方添加するほうが機能という点では好ましい。

0044

必須成分ではないが、これらの樹脂組成物には、ヒンダードフェノールリン系の酸化防止剤を添加しておいた方が好ましい。これらの化合物は、UVやEBを照射することで発生したラジカルを捕獲してしまう為、酸素吸収能を妨げる働きを有する。しかしながら、不飽和結合を有する化合物は成形時の加熱により容易に分解する可能性が有り、それにより加工性の低下を伴う恐れがある。そのような意味で、加工性の安定性を付与するという意味で、さらには酸素吸収能の制御を行うという目的で、適宜配合しても構わない。

0045

また、必要に応じては上記以外の各種添加剤、難燃剤スリップ剤アンチブロッキング剤など各種添加剤を配合してもかまわない。

0046

本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物のメリットは、酸素吸収部位が脂環式不飽和化合物で行われていることであり、樹脂組成物中の添加物により酸素吸収を発現させることで、その添加量により、容易に酸素吸収能力の制御を行うことができるということである。

0047

これらの酸素吸収能を有する樹脂組成物の製造方法としては、最終製品成形方法および必要とされる酸素吸収能により設定した各種所定配合量の材料を、リボンミキサータンブラーミキサーヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンドしたもの、あるいはあらかじめ混練機に搭載されている各フィーダーを用いて所定量配合したものを、単軸押出機二軸押出機などの押出機バンバリーなどの混練機を用いて、ベースとなる熱可塑性樹脂にもよるが、融点以上280℃以下、好ましくは260℃以下、さらに好ましくは240℃以下で混練することで得られる。

0048

本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物は、押出ラミネーション成形、押出キャスト成形インフレーション成形インジェクション成形ダイレクトブロー成形など各種成形法を用いて積層体とすることが可能である。また上述した成形法で得られたフィルムインフレーションなど)については後工程でドライラミネーションウエトラミネーションノンソルベントラミネーションにより積層体を得ることも可能であり、またインジェクション成形でえられたプリフォーム延伸ブロー成形により多層延伸ブローボトルにすることも可能であるが、これらの成形法に限られるものではない。

0049

本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物単体は、酸素吸収能は有するが、それを構成している熱可塑性樹脂が酸素透過性の高い材料である為、酸素の透過と吸収という協奏が発生し、酸素の透過が大になる問題が発生する。そのような問題を克服するという意味でも、本樹脂組成物を用いた積層体は少なくとも一層は、酸素透過度50cm3 [25μm(厚さ)/1m2 (面積)/24h(時間)/1. 01325×105 Pa(圧力)]以下のバリア層を設けた方が好ましい。

0050

これらの材料としては、ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリアミド6やポリアミド6−ポリアミド66共重合体、芳香族ポリアミドなどのポリアミド樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂ポリ塩化ビニリデン樹脂から選択される熱可塑性樹脂層、アルミ箔などの金属箔層、アルミシリカ、アルミナなどのPVD蒸着法、あるいはヘキサメチレンジシロキサンなどのオルガノシランアセチレンガスやその他の炭素ガス源を用いたCVD蒸着法により得られた蒸着熱可塑性樹脂層が挙げられる。さらには、これらの蒸着層特にPVD蒸着において、そのガスバリア性を向上させる為、ポリビニルアルコール/シラン化合物系のオーバーコート層を設けても構わない。また、蒸着層と熱可塑性樹脂層の密着性を向上させる為の各種プライマー層を設けていても構わない。

0051

これらのバリア層を用いることで、これらのバリア層を僅かに透過した酸素ガスを酸素吸収能を有する樹脂組成物層が完全に吸収してくれるだけでなく、消費する透過酸素ガスの量が少ない為、包装体のヘッドスペースの酸素ガスを吸収することが可能になる。

0052

積層体の例を以下に記載する。積層体の例に記載されている記号は、以下に記載する。
A:ポリオレフィン樹脂、B:酸無水物グラフト変性ポリオレフィン樹脂
C:エチレン−ビニルアルコール共重合体
D:アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、E:アルミ箔
F:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体
G:ポリビニルアルコール系オーバーコート層、H:ウレタン系接着剤
I:ポリエステルフィルム
構成例−1:A/B/C/B/酸素吸収樹脂組成物
…成形法:押出成形射出成形ブロー成形など
…用途:シートボトルカップトレーなど
構成例−2:D/G/H/A/酸素吸収樹脂組成物
…成形法:押出ラミネートドライラミネートなど
…用途:軟包装体、蓋材
構成例−3:I/H/E/F/酸素吸収樹脂組成物
…成形法:押出ラミネートなど
…用途:インナーキャップなど
構成例−4:紙/A/D/G/H/A/酸素吸収樹脂組成物
…成形法:押出ラミネートなど
…用途:複合紙容器など

0053

上述した構成例は、酸素吸収樹脂組成物層を最内層にしたケースであるが、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体を配合することで、粘接着性を発現するため、例えば、押出ラミネートなどでは離ロール性対ロール剥離性)の低下を引き起こす可能性がある。そのような場合には、本発明の酸素吸収樹脂組成物を中間層として用い、図1に示すように最内層にポリオレフィン系樹脂などを設けても構わない。

0054

上述したように、様々な構成で得られた積層体は、そのまま各種用途の包装体へ展開することが可能である。これらの例は上述した内容に限られないで、様々な包装形態へ展開が可能になる。また、これらの包装形態を組み合わせることで酸素を吸収する包装体を形成することが可能になる。

0055

以下に本発明の実施例を示すが、それに限定されるものではない。

0056

[酸素吸収能を有する樹脂組成物の作成:材料]以下の材料を用いた。
<熱可塑性樹脂>
・A−1:低密度ポリエチレン樹脂MI=5. 1)
・A−2:ホモポリプロピレン樹脂(MI=4)
・A−3:無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン樹脂(MI=5)
・A−4:ポリエチレンテレフタレート樹脂(IV=0. 85dl/g)
<脂環式不飽和化合物>
・B−1:ジシクロペンタジエン系重合体(ヨウ素価: 180g/100g…0. 71mol/100g)
・B−2:ノルボルネン系重合体(臭素価:55g/100g…0. 34mol/100g)
<加工性安定剤>
リン系酸化防止剤
ヒンダードフェノール系酸化防止剤
<遷移金属化合物>
ステアリン酸コバルト
<光増感剤>
・ベンゾフェノン

0057

[酸素吸収能を有する樹脂組成物の作成:製造]下記の実施例に示す配合処方になるようにドライブレンドした上記熱可塑性樹脂と脂環式不飽和化合物とを、また上記熱可塑性樹脂100重量部と遷移金属化合物2重量部とを、また上記熱可塑性樹脂100重量部と光増感剤2重量部とを、また必要に応じて上記熱可塑性樹脂と加工性安定剤とを、それぞれ2軸押出機(φ=30mm、スクリューサイズ:L/D=49、L:長さ、D:直径)により、吐出量9kg/h(時間)、温度180℃、押出スクリュー回転数50rpmで混合して、それぞれコンパウンドを得た後、これらコンパウンドをドライブレンドすることにより酸素吸収能を有する樹脂組成物を作成して、アルミ包装体に保管した(不活性ガス置換済み)。

0058

評価サンプルの作成:材料]
<酸素吸収能を有する樹脂組成物>
・下記実施例配合比による酸素吸収能を有する樹脂組成物
<バリア性基材>
・アルミナ蒸着ポリエステル基材(ポリビニルアルコール/シランカップリング剤系オーバーコート層有り:厚さ12μm)
<中間層>
・低密度ポリエチレン(インフレフィルム:厚さ40μm)
ランダムポリプロピレン樹脂キャストフィルム:厚さ40μm)

0059

[評価サンプルの作成:製造]ドライラミネート手法により、バリア性基材である上記アルミナ蒸着ポリエステルフィルム基材と中間層であるオレフィン系フィルムを、ウレタン系接着剤により貼り合わせた積層フィルムを基材として、その基材面に、上記酸素吸収能を有する厚さ25μmの樹脂組成物と、MI=35の低密度ポリエチレン樹脂(厚さ15μm)あるいはMI=23のランダムポリプロピレン樹脂(厚さ15μm)を2種2層共押出機(φ=65mm、スクリューサイズ:L/D=23、L:長さ、D:直径)により温度240℃、加工速度50m/min. の条件で製膜して、下記積層体を形成した。
<積層体その1>(外側)アルミナ蒸着ポリエステルフィルム層(厚さ12μm)/接着剤層低密度ポリエチレン層(厚さ40μm)/酸素吸収能を有する樹脂組成物層(厚さ25μm)/低密度ポリエチレン層(厚さ15μm)(内側)
<積層体その2>(外側)アルミナ蒸着ポリエステルフィルム層(12μm)/接着剤層/ランダムポリプロピレン層(厚さ40μm)/酸素吸収能を有する樹脂組成物層(厚さ25μm)/ランダムポリプロピレン層(厚さ15μm)(内側)

0060

[評価サンプルの作成:サンプル調整および評価法]上述した積層体の内側から、高圧水銀ランプを用いて2000mJ/cm2 になるように照射したサンプルを、200mm×100mmに切り取りシール幅10mmのインパルスシール機により2方をシールした。その後、シール幅10mmのバキュームシール機により真空包装体を作成した後、包装体コーナー部から、一般空気(酸素濃度21%)および調整ガス(N2 : 99%、O2 :1%)を25ml注入した。注入部位におけるコーナー部はさらに10mmのインパルスシールにてシールを施し、ガスのリークを抑制した。表面積は14000mm2 である。その後、酸素濃度計を用いてガス10mlを注入し、酸素吸収能を確認した。

0061

<実施例1>熱可塑性樹脂としてA−1を70wt%、脂環式不飽和化合物としてB−1を30wt%混合した100重量部の樹脂組成物に対し、遷移金属化合物および光増感剤が0. 1重量部、さらに加工性安定剤としてリン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤が、それぞれ0. 05重量部、0. 025重量部となるように調整した前記コンパウンドを、上記のようにドライブレンドして酸素吸収能を有する樹脂組成物を作成した。次に、作成した上記酸素吸収能を有する樹脂組成物を押出機にて、アルミナ蒸着ポリエステルフィルム層/接着剤層/低密度ポリエチレン層からなる積層フィルム基材の低密度ポリエチレン層面に製膜して本発明の積層体を得た。結果を表1および図1に示す。

0062

<実施例2>熱可塑性樹脂としてA−2を70wt%配合した以外は、上記実施例1と同様にして配合し、ドライブレンドして酸素吸収能を有する樹脂組成物を作成し、上記実施例1と同様にして製膜して、本発明の積層体を得た。

0063

<実施例3>脂環式不飽和化合物としてB−2を30wt%配合した以外は、上記実施例1と同様にして配合し、ドライブレンドして酸素吸収能を有する樹脂組成物を作成し、上記実施例1と同様にして製膜して、本発明の積層体を得た。

0064

<実施例4>熱可塑性樹脂としてA−1を85wt%、脂環式不飽和化合物としてB−1を15wt%配合した以外は、上記実施例1と同様にして配合し、ドライブレンドして酸素吸収能を有する樹脂組成物を作成し、上記実施例1と同様にして製膜して、本発明の積層体を得た。

0065

<実施例5>上記実施例1に示す構成の積層体を用いて、容器の蓋材(表面積は20000mm2 )を作成した。その時の容器は、ポリエチレンとエチレンビニルアルコール共重合体と酸無水物グラフト変性ポリエチレンからなる3種5層バリア容器とした。その容器に内容物を充填後、上記蓋材にて密封して、容器内の上部のヘッドスペースガス量(調整ガス:N2 : 99%、O2 :1%)を25mlに調整したところ、酸素濃度の経時的推移は、実施例1に示す結果(表1および図1)と同様な結果が得られた。

0066

<実施例6>上記実施例4に示す構成の積層体を円形に切り取り、それをインサートインジェクション成形により酸素吸収性を有するインナーキャップ(表面積約700mm2 )を成形した。その時の容器は、ヘキサメチレンジシロキサンを用いてCVD蒸着によりシリカ膜を形成させた内容量500mlのポリエチレンテレフタレートボトルとした。UV照射はサンプル充填前のキャップの状態で行い、上記ボトルに粉体サンプルを充填後、上述した調整ガス(N2 : 99%、O2 :1%)により置換し、キャッピングを行った。ヘッドスペースガス量は10mlであった。有効面積が小さいが充填ガス量が少ない為、酸素吸収部位が少なくとも十分酸素を吸収することができた。

0067

<実施例7>熱可塑性樹脂としてA−3を70wt%配合し、脂環式不飽和化合物としてB−1を30wt%混合した100重量部の樹脂組成物に対し、遷移金属化合物および光増感剤が0. 1重量部、さらに加工性安定剤としてリン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤が、それぞれ0. 05重量部、0. 025重量部となるように配合し、上記実施例1のようにドライブレンドして、酸素吸収能を有するポリプロピレン系樹脂組成物を作成した。次に、作成した上記酸素吸収能を有するポリプロピレン系樹脂組成物を押出機にてバリア性基材に製膜し、ポリプロピレン樹脂層最外層)/A−3単体接着剤層/エチレン−ビニルアルコール共重合体層/ポリプロピレン系樹脂組成物/ポリプロピレン樹脂層(最内層)からなる4種5層の積層フィルム基材のポリプロピレン樹脂層面に製膜して、本発明の積層体を得た。そして上記積層体を用いて、真空成形により、上記実施例5と同じ積層構成のトレー容器を作成した。次に実施例2と同様の積層体を用いて蓋材を作成し、その容器に内容物を充填後、上記蓋材にて密封し、トレー容器内の上部のヘッドスペースガス量(調整ガス:N2 : 99%、O2 :1%)を上記実施例5と同様に25mlに調整し、内容物を保存したところ、酸素吸収能を有する樹脂で占める有効面積が大きいため実施例5よりも酸素を吸収する能力が向上した。

0068

<実施例8>熱可塑性樹脂としてA−4を70wt%、脂環式不飽和化合物としてB−1を30wt%混合した100重量部の樹脂組成物に対し、遷移金属化合物および光増感剤が0. 1重量部、さらに加工性安定剤としてリン系酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤が、それぞれ0. 05重量部、0. 025重量部となるような配合比にて、上記実施例1のようにドライブレンドして、酸素吸収能を有するポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂組成物を作成した。次に作成した上記酸素吸収能を有するPET系樹脂組成物を用いて、ポリエチレンテレフタレート樹脂層(最外層)/PET系樹脂組成物層(中間層)/ポリエチレンテレフタレート樹脂層(最内層)からなる本発明の積層体を形成し、この積層体によるPET系多層プリフォームを作成した。次に得られたPET系多層プリフォームを延伸ブロー成形して、実施例6と同様の内容量500mlのPETボトルを作成した。その際、中間層(最内層)の酸素吸収層(酸素吸収能を有する樹脂組成物層)の厚みは、最も薄いところで15μm〜20μmになるように調整した。次に上記PETボトルと、上記実施例6にてインサートインジェクション成形により作成した酸素吸収性を有するインナーキャップ(表面積約700mm2 )にUV照射を行い、ボトルに粉体サンプルを充填後、上述した調整ガス(N2 :99%、O2 :1%)により置換し、キャッピングを行った。ヘッドスペースガス量は10mlであった。そして上記実施例6と同様の評価を行った結果、酸素吸収ボトルおよびインナーキャップの効果により十分酸素を吸収することができた。

0069

実施例1〜4における評価結果を下記表1、表2に示す。

0070

0071

0072

なお、表1、表2は、充填酸素ガス濃度21%、充填酸素ガス濃度1%の場合における実施例1〜4の経時的な酸素吸収能力変化を示す。

発明の効果

0073

本発明の酸素吸収能を有する樹脂組成物及びそれを用いた積層体及び包装体は、熱可塑性樹脂50〜99wt%に対し、脂環式不飽和化合物あるいはその誘導体を1〜50wt%配合した樹脂組成物100重量部に対し、遷移金属を含む化合物を0. 001〜2重量部、光増感剤を0. 001〜2重量部になるように配合することで、良好な酸素吸収能を有し、且つその吸収能を脂環式不飽和化合物の添加量で容易に制御することが可能な酸素吸収能を有する樹脂組成物を付与することが可能である。

0074

本発明における酸素吸収能を有する樹脂組成物は、酸素付加型の酸素吸収機構を有することから、褐変等の色調の変色、強度物性の低下、分解に伴う臭気等を避けることが可能である。

0075

特に本発明における実施例2に関する酸素吸収能を有する樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂に遷移金属化合物および光開始剤を配合している形になる為、一部分解型酸吸収材挙動を示し、酸化分解に伴う影響が懸念されるものであるが、大きな物性の低下には繋がらない結果が得られ、また、分解型を併用することで、僅かに酸素吸収能力に優れることが確認された。

0076

本発明における酸素吸収能を有する樹脂組成物を用いた積層体は、酸素バリア性が良好な材料として、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデンから選ばれる熱可塑性樹脂層、アルミ箔等の金属箔層、アルミ蒸着層やシリカ蒸着層やアルミナ蒸着層を設けた各種熱可塑性樹脂層などと組み合わせることで、酸素透過が極めて少なく、且つ包装体内部のヘッドスペース酸素をも除去することが可能である。

0077

本発明における酸素吸収能を有する樹脂組成物およびそれを用いた積層体は、各種包装体への展開が容易であり、この酸素吸収能を有する樹脂組成物は、基本的にはベースポリマーであるポリオレフィンあるいはエチレン系共重合体の分解により機能するものであることから、不飽和結合部位酸化タイプの酸素吸収ポリマーのように、酸素吸収部位の消費に伴う機能の低下もないことから、長期間に亘たる酸素吸収性包装体への展開が可能である。

図面の簡単な説明

0078

図1本発明における酸素吸収能を有する樹脂組成物を用いた積層体の展開の一例を説明する積層断面図。
図2本発明の実施例に示す酸素吸収能を有する樹脂組成物を用いた積層体により形成した包装体の充填酸素ガス濃度21%における酸素吸収能力の経時的推移を示すグラフ
図3本発明の実施例に示す酸素吸収能を有する樹脂組成物を用いた積層体により形成した包装体の充填酸素ガス濃度1%における酸素吸収能力の経時的推移を示すグラフ。
符号の詳細な説明
a…熱可塑性樹脂層(最内層)b…酸素吸収能を有する樹脂組成物層c…ポリオレフィン層(中間層)d…接着剤層e…ポリビニルアルコール系コーティング層f…アルミナ蒸着層g…ポリエステルフィルム層(最外層)

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