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技術 カチオン性樹脂変性シリカ分散液及びその製造方法

出願人 株式会社トクヤマ
発明者 福永顕治田頭宜典石津賢一
出願日 2002年4月16日 (19年3ヶ月経過) 出願番号 2002-113190
公開日 2003年9月10日 (17年10ヶ月経過) 公開番号 2003-253080
状態 拒絶査定
技術分野 珪素及び珪素化合物 高分子組成物
主要キーワード pH測定 ゼロ点校正 B型粘度計 シリカケーク 重合物水溶液 予備混合液 乾式シリカ粒子 物流コスト
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2003年9月10日)のものです。
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課題

本発明は、シリカ濃度が15重量%以上で、且つシリカ粒子平均粒子径が300nm未満であり、該分散液のシリカ濃度が1.5重量%における光散乱指数n値)が2.0以上であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液及びその製造方法を提供する。

解決手段

湿式シリカ生成反応後に濾過洗浄を行った後の乾燥工程を施さない脱水湿式シリカケークを分散して得られた湿式シリカ分散液のpHを6未満に調整した後に、乾式シリカ粉体を添加し、混合・分散することにより得られる、シリカ濃度が15重量%以上であり、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が300nm未満であり、該分散液のシリカ濃度が1.5重量%におけるn値が2.0以上であることを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液。

概要

背景

インクジェット用記録紙塗工液には、インク吸収層を形成するために微粒子シリカアルミナ等の無機微粉体が使用されている。上記微粒子のうち、湿式シリカインク吸収性に優れ、しかも安価であることから好適に使用されている。

一方、インクジェット用のインクとしては、一般に、アニオン性化合物が使われることが多く、上記インク吸収層はカチオン性を有している方が、インクジェット用記録紙の画像濃度及び耐水性向上のために有利である。

ところが、インク吸収層を形成する無機粉体としてシリカを用いた場合、粒子がアニオン性を呈するため、画像濃度や耐水性に問題があった。そのため、改善策としてシリカに第4級アンモニウム塩基等のカチオン性基を含むカチオン性樹脂を配合したカチオン性樹脂変性シリカ分散液が提案されている。

例えば、シリカ微粒子を分散させたシリカ分散液にカチオン性樹脂を混合すると、シリカ微粒子が凝集する傾向が見られるが、強力なせん断力を有する分散機で処理することによって安定なカチオン性樹脂変性シリカ分散液が得られることを本発明者等はすでに提案している(特開平2000−239536)。

概要

本発明は、シリカ濃度が15重量%以上で、且つシリカ粒子平均粒子径が300nm未満であり、該分散液のシリカ濃度が1.5重量%における光散乱指数n値)が2.0以上であるカチオン性樹脂変性シリカ分散液及びその製造方法を提供する。

湿式シリカ生成反応後に濾過洗浄を行った後の乾燥工程を施さない脱水湿式シリカケークを分散して得られた湿式シリカ分散液のpHを6未満に調整した後に、乾式シリカ粉体を添加し、混合・分散することにより得られる、シリカ濃度が15重量%以上であり、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が300nm未満であり、該分散液のシリカ濃度が1.5重量%におけるn値が2.0以上であることを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液。

目的

しかしながら、湿式シリカ粉体をカチオン性樹脂変性シリカ分散液の原料として用いた場合、シリカ濃度を15重量%以上に高くすることは可能であるが、湿式シリカ粉体の凝集粒子が硬いため、強力なせん断力を有する分散機で処理を行っても目的とする平均凝集粒子径になるまでに、処理時間がかかり、生産性が低くなる問題があった。

また、シリカケークを原料として用いた場合、乾燥工程を施した湿式シリカ粉体と比較して、凝集粒子が軟らかいため、目的とする平均凝集粒子径になるまでに、処理時間がかからず、生産性は向上するが、シリカケークは水分を約85重量%含んでいるために、シリカ濃度15重量%以上の分散液を得ることが困難であった。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

極性溶媒中湿式シリカ乾式シリカ及びカチオン性樹脂を分散せしめた分散液であって、該分散液中の乾式シリカと湿式シリカを併せたシリカ濃度が15重量%以上であり、且つ、シリカ粒子平均粒子径が300nm未満であり、該分散液の、シリカ濃度が1.5重量%における光散乱指数n値)が2.0以上であることを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液

請求項2

カチオン性樹脂が環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂である請求項1記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液。

請求項3

シリカケークを分散することにより調製した湿式シリカを含有する分散液に、乾式シリカを添加し、混合することを特徴とする請求項1又は2記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。

請求項4

湿式シリカを含有する分散液のpHを6未満に調整した後に、乾式シリカを添加し、混合することを特徴とする請求項3記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。

請求項5

極性溶媒、乾式シリカ、湿式シリカ及びカチオン性樹脂を混合した後に、高圧ホモジナイザーによる分散処理を行うことを特徴とする請求項3又は4記載のカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、湿式シリカ及び乾式シリカを使用した、インクジェット用記録紙塗工液新聞紙の内填剤、研磨剤金属表面処理剤の調製に有用な新規カチオン性樹脂変性シリカ分散液に関する。

背景技術

0002

インクジェット用記録紙の塗工液には、インク吸収層を形成するために微粒子シリカアルミナ等の無機微粉体が使用されている。上記微粒子のうち、湿式シリカはインク吸収性に優れ、しかも安価であることから好適に使用されている。

0003

一方、インクジェット用のインクとしては、一般に、アニオン性化合物が使われることが多く、上記インク吸収層はカチオン性を有している方が、インクジェット用記録紙の画像濃度及び耐水性向上のために有利である。

0004

ところが、インク吸収層を形成する無機粉体としてシリカを用いた場合、粒子がアニオン性を呈するため、画像濃度や耐水性に問題があった。そのため、改善策としてシリカに第4級アンモニウム塩基等のカチオン性基を含むカチオン性樹脂を配合したカチオン性樹脂変性シリカ分散液が提案されている。

0005

例えば、シリカ微粒子を分散させたシリカ分散液にカチオン性樹脂を混合すると、シリカ微粒子が凝集する傾向が見られるが、強力なせん断力を有する分散機で処理することによって安定なカチオン性樹脂変性シリカ分散液が得られることを本発明者等はすでに提案している(特開平2000−239536)。

発明が解決しようとする課題

0006

湿式シリカを用いたカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、前述したようにインクジェット用記録紙の塗工液に使用されるが、近年、市場から写真並みの画像が得られるインクジェット用記録紙が求められていることから、前述の耐水性とインク吸収性の他に光沢性等も重要な因子となっている。

0007

インクジェット用記録紙の光沢性は、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカの平均粒子径に関係しており、シリカの平均粒子径が小さいほど、塗工層表面平滑性及び塗工層の透明性が得られ、光沢性が向上する。

0008

また、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ濃度は、高いほど、当然塗工液中のシリカ濃度も高くできる。塗工液中のシリカ濃度は、高い方が塗工工程において一回の塗工で十分な厚みの塗工層が得られたり、塗工後乾燥する際のエネルギー効率が良くなるので、該カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ濃度は高ければ高いほど好ましく、物流コストの面からも該カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ濃度は高い方が非常に好ましい。

0009

しかしながら、湿式シリカ粉体をカチオン性樹脂変性シリカ分散液の原料として用いた場合、シリカ濃度を15重量%以上に高くすることは可能であるが、湿式シリカ粉体の凝集粒子が硬いため、強力なせん断力を有する分散機で処理を行っても目的とする平均凝集粒子径になるまでに、処理時間がかかり、生産性が低くなる問題があった。

0010

また、シリカケークを原料として用いた場合、乾燥工程を施した湿式シリカ粉体と比較して、凝集粒子が軟らかいため、目的とする平均凝集粒子径になるまでに、処理時間がかからず、生産性は向上するが、シリカケークは水分を約85重量%含んでいるために、シリカ濃度15重量%以上の分散液を得ることが困難であった。

0011

したがって、湿式シリカを用いたカチオン性樹脂変性シリカ分散液において、該シリカ分散液中のシリカ濃度が高く、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が小さく、分散性の良いカチオン性樹脂変性シリカ分散液が望まれる。

0012

なお、本発明においてシリカケークとは、湿式シリカ生成反応後に濾過洗浄を行った後の、乾燥工程を施さない脱水湿式シリカケークである。

課題を解決するための手段

0013

本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、湿式シリカと乾式シリカとを含むカチオン性樹脂変性シリカ分散液とすれば良いこと、湿式シリカとしてシリカケークを用い、これを分散して得られた湿式シリカ分散液のpHを6未満に調整した後に、乾式シリカ粉体を添加し、混合・分散することにより、分散液中のシリカ濃度が15重量%以上で、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が小さく、分散性の良いカチオン性樹脂変性シリカ分散液が効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

0014

即ち、本発明は、極性溶媒中に湿式シリカ、乾式シリカ及びカチオン性樹脂を分散せしめた分散液であって、該分散液中のシリカ濃度が15重量%以上であり、且つ、シリカ粒子の、平均粒子径が300nm未満であり、該分散液のシリカ濃度が1.5重量%における光散乱指数(以下、単にn値とも言う)が2.0以上であることを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液である。

発明を実施するための最良の形態

0015

本発明に用いられる湿式シリカは、珪酸ソーダ鉱酸中和することによって溶液中でシリカを析出させて得られる、「ホワイトカーボン」とも称されているものであり、特に中和反応後に濾過や洗浄を行った後の乾燥工程を施さないシリカケークは乾燥工程を施した湿式シリカ粉体と比較して凝集粒子が軟らかいため、分散性が良く、好ましく使用される。

0016

本発明に用いられる乾式シリカ粉体は、四塩化珪素などのシラン系ガス酸水素炎中で燃焼させて得られる、「ヒュームドシリカ」とも称されているものが特に制限なく使用される。

0017

本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカの平均粒子径は、300nm未満であり、且つ、該分散液のシリカ濃度が1.5重量%におけるn値が2.0以上であることが必要である。

0018

シリカの平均粒子径が300nm以上であって、且つ、n値が2.0より小さいと、インクジェット用記録紙の塗工液の原料とした場合、塗工層の表面の平滑性が得られないだけではなく、光の透過が妨げられ、塗工層が不透明となり、光沢が不足するといった問題が発生する。

0019

本発明において、平均粒子径とは、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ凝集粒子の平均粒子径を指しており、光散乱回折式の粒度分布計で測定した時の体積基準算術平均径D50のことである。

0020

また、n値とは、分散液中のシリカの分散状態を表す指標であり、分散性が向上するにつれてこの値は大きくなる。

0021

なお、n値は、Journal of Ceramic Society of Japan,101〔6〕,707−712(1993)に記載の方法に準じて測定した値である。

0022

即ち、市販の分光光度計を用いて、光の波長(λ)が460nm〜700nmの範囲の分散液のスペクトルを測定することにより、吸光度τ)を求め、log(λ)に対してlog(τ)をプロットし、下記式(1)を用いて直線の傾き(−n)を最小二乗法で求める。

0023

τ=αλ−n (1)
(ここで、τは吸光度、αは定数、λは光の波長、そしてnは光散乱指数を示す。)
本発明に用いられるカチオン性樹脂は、水に溶解したときに解離してカチオン性を呈する樹脂であれば特に制限されず、公知のカチオン性樹脂が特に制限なく使用できる。

0024

その中でも、ジアリルアンモニウム塩及びその誘導体重合して得られる環状アンモニウム塩型のカチオン性樹脂であることが好ましい。具体例としては、下記の式(2)又は式(3)で示される繰り返し単位を有するジアリルアンモニウム塩及びその誘導体の重合体、式(2)又は式(3)で示される繰り返し単位10〜90モル%とジアリルアンモニウム塩及びその誘導体と共重合可能モノマーに基づく繰り返し単位90〜10モル%とを有する共重合体を挙げることができる。

0025

0026

式(2)、(3)において、R1及びR2は、水素原子又はメチル基を表す。

0027

ジアリルアンモニウム塩及びその誘導体と共重合可能なモノマーに基づく繰り返し単位としては、好ましくは、アクリルアミドモノアリルアミン塩酸塩に基づく繰り返し単位が挙げられる。

0028

環状アンモニウム塩型の構造を有しているカチオン性樹脂を用いて、分散液中に湿式シリカと乾式シリカが共存し、且つシリカ濃度が15重量%以上のカチオン性樹脂を製造した場合、原因については不明であるが、得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の安定性が向上する。

0029

本発明において特に好適なカチオン性樹脂は、平均分子量500〜20万である、上記式(2)又は式(3)で示される繰り返し単位を有するジアリルアンモニウム塩及びその誘導体の重合体、式(2)又は式(3)で示される繰り返し単位10〜90モル%とアクリルアミド又はモノアリルアミン塩酸塩に基づく繰り返し単位90〜10モル%とを有する共重合体から選ばれるカチオン性樹脂である。

0030

本発明において、カチオン性樹脂の使用量は、シリカ100重量部に対して、1〜50重量部、特に1〜15重量部が好ましい。カチオン性樹脂変性シリカ分散液中のカチオン性樹脂の量が、乾式シリカ100重量部に対して1重量部より少ない場合、乾式シリカ粒子表面電荷バランスが不均一となり、該シリカ粒子が強固な凝集を起こし易くなる傾向がある。また、カチオン性樹脂の量がシリカ100重量部に対して50重量部より多い場合、粘度が高くなり、分散処理が困難になる場合がある。

0031

また、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度が高くなると、以降に続く製造工程においてハンドリング性が低下するので好ましくない。カチオン性樹脂の添加量に対するカチオン性樹脂変性シリカ分散液の安定性は、添加するカチオン性樹脂の種類により異なるため、予め実験により、該分散液の粘度が一番低くなる最適な添加量を前記添加量より選択することが好ましい。

0032

本発明において用いられる極性溶媒は、湿式シリカ、乾式シリカ及びカチオン性樹脂が分散し易い極性溶媒であれば特に制限はない。かかる極性溶媒としては、水が最も好ましい。勿論、水以外にもメタノールエタノールイソプロピルアルコール等のアルコール類エーテル類ケトン類などの極性溶媒が使用でき、また、水と上記極性との混合溶媒も好適に使用できる。

0033

尚、シリカ粒子の保存安定性や分散性を向上させるために、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤防黴剤等を少量添加しても良い。

0034

本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中の湿式シリカと乾式シリカを合わせたシリカ濃度は15重量%以上である。

0035

該シリカ分散液中のシリカ濃度が低くなると、前述したように、塗工液調製後の塗工工程において一回の塗工で十分な厚みの塗工層が形成し難かったり、塗工後乾燥する際のエレルギー効率の悪化や物流コストの面からも問題がある。

0036

本発明において、カチオン性樹脂変性シリカ分散液中の乾式シリカと湿式シリカとの混合比は用途に応じて決定すればよいが、該シリカ分散液をインクジェット用記録紙の塗工液の原料とする場合、インク吸収性を考慮すると、湿式シリカ100重量部に対して乾式シリカ1〜250重量部であり、好ましくは1〜100重量部であること、更に好ましくは1〜70重量部であることが好ましい。

0037

本発明において、極性溶媒中に湿式シリカ、乾式シリカ及びカチオン性樹脂を混合・分散してカチオン性樹脂変性シリカ分散液を製造する方法は、極性溶媒、湿式シリカ、乾式シリカ及びカチオン性樹脂を予め混合して、極性溶媒中に湿式シリカ、乾式シリカ及びカチオン性樹脂を含有している予備混合液を調製した後に、必要に応じて予備混合液中のシリカ粒子を好適な範囲の平均粒子径まで微分散するための高度な分散手段を施す方法が好適に採用される。

0038

上記の極性溶媒中で湿式シリカと乾式シリカを予め混合する方法は、極性溶媒中に湿式シリカを含有している分散液のpHが6未満になるように調整した後に、該分散液に乾式シリカ粉を添加して、混合・分散する方法が好ましい。

0039

湿式シリカを含有する分散液のpHが6以上の該分散液に、分散液中の全シリカ濃度が15重量%以上になるように乾式シリカ粉を添加し、混合・分散した場合、原因については不明であるが、該分散液の粘度が急上昇し、再分散が不可能なほど強固にゲル化する問題がある。

0040

湿式シリカを含有する分散液のpHを6未満に調整する方法は特に制限されないが、カチオン性樹脂水溶液に湿式シリカを含有する分散液を添加する方法、カチオン性樹脂水溶液にシリカケークを添加して分散する方法、湿式シリカを含有する分散液に硫酸等の鉱酸を添加する方法、シリカケークを分散しながら、極性硫酸等の鉱酸を添加する方法などが挙げられる。後者の2つの方法を選択した場合、pHを6未満に調製した湿式シリカの分散液に乾式シリカ粉を混合して得られる極性溶媒中に湿式シリカと乾式シリカを含有するシリカ分散液とカチオン性樹脂とを混合する方法は、特に制限されないが、シリカ分散液にカチオン性樹脂水溶液を混合する方法、カチオン性樹脂水溶液に、シリカ分散液を混合する方法などが挙げられる。

0042

本発明において、極性溶媒、湿式シリカ、乾式シリカ粒子及びカチオン性樹脂を予め混合するときの温度(以下、単に予備混合温度と言う。)は、20℃から40℃の温度範囲で制御することが好ましい。

0043

予備混合温度は、高くなるほど予備混合液の粘度は低くなるが、40℃を超えると予備混合液内のシリカ粒子が凝集し易くなり、予備混合液の粘度が急上昇して予備混合液がゲル化する傾向にある。また、予備混合温度が20℃未満の場合も、予備混合液の粘度が上昇する傾向にある。

0044

更に本発明においては、該予備混合液を高圧ホモジナイザーで処理してカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得るが、予備混合液の粘度が高いほど、高圧ホモジナイザーで処理して得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度も高くなる傾向にある。カチオン性樹脂変性シリカ分散液粘度が高くなると、以降に続く製造工程においてハンドリング性が低下するので好ましくない。

0045

予備混合温度を20℃から40℃の温度範囲に制御する方式は特に制限されないが、20℃から40℃の温度範囲において任意の一定温度となるように制御することが好ましい。

0046

本発明において、上記方法で得られた予備混合液は、次いで、高圧ホモジナイザーを使用して分散処理することにより、極めて安定性に優れ、これを使用して塗工液を調製するときにも安定性に優れたカチオン性樹脂変性シリカ分散液が得られる。

0047

高圧ホモジナイザーの代表例を具体的に例示すると、ナノマイザー製の商品名;ナノマイザー、マイクロフルイディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及びスギマシン製のアルティマイザーなどを挙げることができる。上記の高圧ホモジナイザーを用いて、極性溶媒とシリカとカチオン性樹脂とを混合した混合溶液を、処理圧力300kgf/cm2以上で対向衝突させるか、或いはオリフィスの入口側と出口側差圧が300kgf/cm2以上の条件でオリフィスを通過させることによって好適な範囲の平均粒子径を持ったカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得ることができる。

0048

上記高圧ホモジナイザーによる分散の程度は、前述したように得られるカチオン性樹脂変性シリカ分散液中のシリカ粒子の平均粒子径が、300nm未満であり、且つ、該分散液のシリカ濃度が1.5重量%におけるn値が2.0以上になるように行うことが好ましい。

0049

以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。

0050

なお、以下の方法によってシリカケークの調製及びカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性測定を行った。

0051

(シリカケークの調製)市販の珪酸ソーダと純水を反応槽中に珪酸ソーダの濃度が5重量%となるように投入した。反応槽の温度を40℃として、22重量%硫酸を用いて中和反応(中和率50%まで)を行った後、反応液の温度を95℃とした。この反応液に中和率が100%になるまで上記硫酸を加えた。生成したシリカに濾過、洗浄操作を繰り返し、シリカケーク(シリカ含有量15重量%)を得た。このシリカケークを乾燥させたシリカの比表面積は280m2/gである。

0052

(粘度及びpH測定)カチオン性樹脂変性シリカ分散液300gを500ml容器採取し、ホモジナイザー(イカ製ウルトラタラックスT−25)を用いて、20,000rpmで5分間攪拌した。次に30℃の恒温槽に10分間つけた後、B型粘度計(トキメック製、BL)を用いて60rpmの条件でカチオン性樹脂変性シリカ分散液の粘度を測定した。その後、pHメーター(堀場製作所、F−22)を用いて、カチオン性樹脂変性シリカ分散液のpHを測定した。

0053

(n値の測定)カチオン性樹脂変性シリカ分散液の可視光吸収スペクトルを、分光光度計(日本分光製、Ubest−35型)を用いて測定した。まず、光路長10mmのセルを用い、参照セル及び試料セルにそれぞれイオン交換水を満たし、全波長範囲にわたってゼロ点校正を行った。次に、カチオン性樹脂変性シリカ分散液の濃度が1.5重量%となるようにイオン交換水で希釈し、試料セルに該希釈された分散液を入れて、波長(λ)460〜760nmの吸光度(τ)を測定した。log(λ)及びlog(τ)をプロットし、前述した式(1)を用いて直線の傾き(−n)を最小二乗法で求めた。このようにして求められたnを光散乱指数として採用した。

0054

(平均粒子径の測定)カチオン性樹脂変性シリカ分散液の濃度が10重量%となるように、該分散液をイオン交換水で希釈した後、光散乱回折式の粒度分布測定装置コールター製、コールターLS−230)を用いて、体積基準算術平均径D50を測定し、この値を平均粒子径として採用した。

0055

なお、測定に際しては、水(分散媒)の屈折率1.332及びシリカの屈折率1.458をパラメーターとして入力した。

0056

実施例1
シリカ濃度15重量%のシリカケークをコロイドミル(PUC社製、コロイドミルK60)によりスラリー化しながら、2N硫酸を添加し、pH5.5の湿式シリカ分散液を得た。この湿式シリカ分散液2,260gに、比表面積300m2/gの乾式シリカ粉(トクヤマ製、レオシールQS−30)150gを徐々に添加し、液温度を30℃に維持しながら、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、湿式シリカと乾式シリカを含有するシリカ分散液を得た。このシリカ分散液をカチオン性樹脂濃度50重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液70gに添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを3回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0057

実施例2
カチオン性樹脂としてカチオン性樹脂濃度35重量%のジアリルメチルアミン塩酸塩重合物を用いる以外は実施例1と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0058

実施例3
カチオン性樹脂濃度12重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液300gにシリカ濃度15重量%のシリカケーク1,990gを徐々に添加し、液温度を30℃に維持しながら、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、pH4.5のシリカ分散液を得た。このシリカ分散液に、比表面積300m2/gの乾式シリカ粉(トクヤマ製、レオロシールQS−30)190gを徐々に添加し、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを3回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0059

実施例4
純水230gにシリカ濃度15重量%のシリカケーク1,990gを徐々に添加し、液温度を30℃に維持しながら、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散した後、2N硫酸を添加することによりpH5.0の湿式シリカ分散液を得た。この分散液に、比表面積300m2/gの乾式シリカ粉(レオロシールQS−30)190gを徐々に添加し、液温度を30℃に維持しながら、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、湿式シリカと乾式シリカを含有するシリカ分散液を得た。このシリカ分散液をカチオン性樹脂濃度50重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液70gに添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合することにより予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを3回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0060

実施例5
乾式シリカ粉として、比表面積200m2/gの乾式シリカ粉(トクヤマ製、レオロシールQS102)を用いる以外は、実施例4と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0061

実施例6
乾式シリカ粉として、比表面積90m2/gの乾式シリカ粉(トクヤマ製、レオロシールQS09)を用いる以外は、実施例4と同様にしてカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0062

比較例1
シリカ濃度15重量%のシリカケークをコロイドミル(PUC社製、コロイドミルK60)によりスラリー化し、pH6.3の湿式シリカ分散液を2,260g得た。この湿式シリカ分散液に、比表面積300m2/gの乾式シリカ粉(トクヤマ製、レオロシールQS−30)150gを徐々に添加しながら、液温を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合したところ、乾式シリカ粉添加中に予備混合液自体がゲル化し、分散不可能となった。ゲル化した時点までに添加した乾式シリカ粉体の量は55gであった。

0063

比較例2
湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールX−37B)490gを純水1,930gに徐々に添加し、液温度を30℃に維持しながら、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で分散することにより、湿式シリカ分散液を得た。この湿式シリカ分散液をカチオン性樹脂濃度50重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物水溶液70gに徐々に添加しながら、液温度を30℃に維持して、ウルトラミキサー(みづほ工業製、ウルトラミキサーLR−2)で混合して予備混合液を得た。この予備混合液を高圧ホモジナイザー(ナノマイザー製、ナノマイザー、LA−31)を用いて処理圧力800kgf/cm2で、オリフィスを3回通過させて分散処理することによりカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0064

比較例3
乾式シリカ粉の代わりに湿式シリカ粉(トクヤマ製、ファインシールX−37B)を用いる以外は、実施例3と同様にして、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0065

比較例4
高圧ホモジナイザーにおける処理条件を、処理圧力1,800kgf/cm2で、オリフィスを30回通過させて分散処理を行う以外は、比較例2と同様にして、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0066

比較例5
高圧ホモジナイザーにおける処理条件を、処理圧力1,800kgf/cm2で、オリフィスを35回通過させて分散処理を行う以外は、比較例3と同様にして、カチオン性樹脂変性シリカ分散液を得た。得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液の物性を表1に示した。

0067

0068

実施例1〜6で得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、分散液中のシリカ濃度が15重量%以上であり、且つ、平均粒子径が300nm未満であり、n値も2.0以上であった。

0069

乾式シリカ粉を添加する前に湿式シリカ分散液のpHを6未満に調整しなかった場合、乾式シリカ粉を添加中に分散液がゲル化し、目的とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液を得ることができなかった。

0070

また、湿式シリカ粉のみを用いた場合や、湿式シリカ粉を一部に用いた場合には、予備混合液を実施例と同一条件で分散処理すると平均粒子径も300nm以上であり、且つ、n値も2.0以下であった。

0071

更に、実施例1〜4で得られたカチオン性樹脂変性シリカ分散液と同等の物性のものを得るためには、高圧ホモジナイザーの分散処理において、処理圧力を高め、分散処理回数を多くする必要があり、生産性が悪かった。

発明の効果

0072

以上の説明で理解されるように、本発明のカチオン性樹脂変性シリカ分散液は、該分散液中のシリカ濃度が15重量%以上であり、且つ、シリカ粒子の平均粒子径が300nm未満であり、該分散液の、シリカ濃度が1.5重量%におけるn値が2.0以上であるので、インクジェット用記録紙の塗工液、新聞紙の内填剤、研磨剤、金属表面処理剤等の原料として好適に使用することができる。

0073

また本発明の製造方法によれば、該分散液を短時間で生産性よく製造することができる。

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