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課題

溶接線余り盛り溶接痕成長点として、易重合性物質重合物が多量に生成することを防止し、重合物を含まない品質の安定した易重合性物質を製造し、長期間にわたって安定した運転が可能な易重合性物質取扱装置および易重合性物質取扱方法を提供する。

解決手段

易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性物質取扱装置であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所には、平滑化処理が施されている易重合性物質取扱装置。前記平滑化処理を、前記易重合性物質取扱装置の内面に形成された溶接線の余盛りや溶接痕を削り取る処理とする。前記易重合性物質を、(メタアクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレインから選ばれる少なくとも1種類以上とする。

概要

背景

メタアクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレインなどの易重合性物質の製造、流通などの取り扱いの際においては、易重合性物質以外の物質の場合と同様に、合成、蒸留、抽出、貯蔵などの様々な単位操作が行なわれる。易重合性物質は非常に重合しやすく、その製造、流通などの取り扱いの際に、重合物が生成しやすい。そこで、易重合性物質には、重合防止剤が添加され、その重合が抑制されて、取り扱われている。また、易重合性物質の取り扱いの際に用いられる各種装置は、易重合性物質に重合防止剤が添加されていることを前提に、設計および作製されている。各種装置の運転を円滑に行なうためには、取り扱いの最中に、易重合性物質が全く重合しないか、または、易重合性物質の重合物の生成量予想される範囲内であることが望ましい。

概要

溶接線余り盛り溶接痕成長点として、易重合性物質の重合物が多量に生成することを防止し、重合物を含まない品質の安定した易重合性物質を製造し、長期間にわたって安定した運転が可能な易重合性物質取扱装置および易重合性物質取扱方法を提供する。

易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性物質取扱装置であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所には、平滑化処理が施されている易重合性物質取扱装置。前記平滑化処理を、前記易重合性物質取扱装置の内面に形成された溶接線の余盛りや溶接痕を削り取る処理とする。前記易重合性物質を、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレインから選ばれる少なくとも1種類以上とする。

目的

本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、溶接線の余り盛りや溶接痕を成長点として、易重合性物質の重合物が多量に生成することを防止し、重合物を含まない品質の安定した易重合性物質を製造し、長期間にわたって安定した運転が可能な易重合性物質取扱装置および易重合性物質取扱方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性物質取扱装置であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所には、平滑化処理が施されていることを特徴とする易重合性物質取扱装置。

請求項2

前記平滑化処理は、前記易重合性物質取扱装置の内面に形成された溶接線余盛り溶接痕を削り取る処理であることを特徴とする請求項1記載の易重合性物質取扱装置。

請求項3

前記易重合性物質は、(メタアクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレインから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1または2記載の易重合性物質取扱装置。

請求項4

易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性取扱装置を用いた易重合性物質取扱方法であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所に、平滑化処理を施しておくことを特徴とする易重合性物質取扱方法。

技術分野

0001

本発明は、(メタアクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレインなどの易重合性物質を合成、精製、保持または流通などの取り扱いに用いられる易重合性物質取扱装置および易重合性物質取扱方法に関するものである。

背景技術

0002

(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレインなどの易重合性物質の製造、流通などの取り扱いの際においては、易重合性物質以外の物質の場合と同様に、合成、蒸留、抽出、貯蔵などの様々な単位操作が行なわれる。易重合性物質は非常に重合しやすく、その製造、流通などの取り扱いの際に、重合物が生成しやすい。そこで、易重合性物質には、重合防止剤が添加され、その重合が抑制されて、取り扱われている。また、易重合性物質の取り扱いの際に用いられる各種装置は、易重合性物質に重合防止剤が添加されていることを前提に、設計および作製されている。各種装置の運転を円滑に行なうためには、取り扱いの最中に、易重合性物質が全く重合しないか、または、易重合性物質の重合物の生成量予想される範囲内であることが望ましい。

発明が解決しようとする課題

0003

ところで、合成、蒸留、抽出、貯蔵などの単位操作を行なう各種装置を構成する、槽、配管などは、通常、金属材料で形成されており、これらの作製には溶接が用いられている。溶接によって、これらの装置を作製すると、その内面には、溶接線余り盛り残留し、意図せずに飛んだスパッタなどによって、スラグ金属粒などの溶接痕が付着する。また、合成、蒸留、抽出、貯蔵などの単位操作を行なう各種装置において、易重合性物質は、この装置を構成する塔、槽、配管などの内面に常に接触している。従来、これら塔、槽、配管などの内面の溶接線の余り盛りや溶接痕に関して、特別な除去処理が要求されることはなかった。したがって、易重合性物質の取扱装置は、易重合性物質以外の物質の場合と同様に、その内面に、溶接線の余り盛りや溶接痕が除去されずに残されたまま、易重合性物質の取り扱いに用いられていた。

0004

しかしながら、このように内面の表面仕上げが施されていない塔、槽、配管などが易重合性物質の製造に用いられると、各種装置の長期間の運転や使用の間に、溶接線の余り盛りや溶接痕を重合の成長点として、易重合性物質の重合物が多量に生成することがあった。この重合物は、易重合性物質中では不純物となり、製品の易重合性物質中に存在するとその品質が低下するため、好ましくない。また、この重合物は、各種装置や配管などの内部を詰まらせ、場合によっては装置の運転や、易重合性物質の製造の停止を余儀なくされることがあった。

0005

本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、溶接線の余り盛りや溶接痕を成長点として、易重合性物質の重合物が多量に生成することを防止し、重合物を含まない品質の安定した易重合性物質を製造し、長期間にわたって安定した運転が可能な易重合性物質取扱装置および易重合性物質取扱方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

前記課題は、易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性物質取扱装置であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所には、平滑化処理が施されている易重合性物質取扱装置によって解決できる。前記平滑化処理は、前記易重合性物質取扱装置の内面に形成された溶接線の余盛りや溶接痕を削り取る処理であることが好ましい。前記易重合性物質は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクロレインから選ばれる少なくとも1種類以上であることが好ましい。また、前記課題は、易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性物取扱装置を用いた易重合性物質取扱方法であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所に、平滑化処理を施しておく易重合性物質取扱方法によって解決できる。

発明を実施するための最良の形態

0007

以下、本発明を詳しく説明する。本発明の易重合性物質取扱装置は、易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性物質取扱装置であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所には、平滑化処理が施されているものである。本発明の易重合性物質取扱装置としては、例えば、易重合性物質の合成、精製、保持(貯蔵)、流通などに用いられる蒸留装置抽出装置吸収装置蒸発装置デカンター圧縮機、減圧器ポンプなどの各単位操作機器が挙げられる。

0008

また、本発明の易重合性物質取扱装置では、特に、上記のような取扱装置を構成し、易重合性物質を合成または精製する蒸留塔抽出塔吸収塔蒸発塔などの各種塔の内面、易重合性物質を貯蔵する原料タンク中間製品タンク製品貯蔵タンクなどの貯槽類の内面、易重合性物質を流通する配管の内面などの易重合性物質の接触する箇所には、平滑化処理が施されていることが好ましい。

0009

ここでいう平滑化処理とは、易重合性物質取扱装置の内面に、グラインダー仕上げまたはバフ仕上げを施すことにより、易重合性物質取扱装置の作製時に、その内面に形成された溶接線の余盛りや溶接痕(以下、「溶接残留物」とする。)を削り取る処理のことである。易重合性物質取扱装置の内面をより平滑な面に仕上げるためには、グラインダーを用いて溶接残留物を荒削りした後、バフを用いて研磨艶出しを行なうことが好ましい。また、バフ仕上げでは、易重合性物質取扱装置の内面を、より平滑な面に仕上げるために、エメリー粉軽石粉珪藻土コンパウンドなどの研磨剤を用いてもよい。

0010

また、グラインダー仕上げまたはバフ仕上げが事実上適用できない箇所については、ティグ溶接(TIG)、ミグ溶接MIG)などのイナートガスアーク溶接を用いることもできる。このイナートガスアーク溶接は、スパッタの発生が少なく、溶接後の接合部のビード表面が滑らかな溶接法であるから、易重合性物質取扱装置の内面を平滑に仕上げるために好ましく用いられる。

0011

このような易重合性物質取扱装置の内面に対する平滑化処理は、塔、貯槽、配管などの内面のように、常に易重合性物質の接触する箇所だけでなく、易重合性物質と接触する可能性のある全ての箇所に適用されることが好ましい。また、原料タンク、中間製品タンク、製品貯蔵タンクなどの頂部内面など、通常、易重合性物質が接触する可能性が低い部分にも、平滑化処理を施すことが好ましい。易重合性物質が、偶然、このような部分に存在している溶接残留物に接触すると、ここを成長点として凝縮し、重合の種となることがある。

0012

このように、易重合性物質取扱装置の内面における易重合性物質の接触する箇所に、平滑化処理が施されていれば、溶接残留物を成長点として、易重合性物質の重合物が生成することが抑制される。

0013

また、本発明の易重合性物質取扱装置で取り扱われる易重合性物質としては、重合し易い物質であれば特に限定されないが、例えば、重合性ビニル化合物が挙げられる。重合性ビニル化合物としては、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸類メチル(メタ)アクリレートノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアリル(メタ)アクリレートなどの脂環・芳香環複素環およびビニル基含有(メタ)アクリレート類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシルまたはアルコキシル基含有(メタ)アクリレート類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類、フタル酸2−(メタ)アクイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクロイルオキシエチルなどのカルボン酸含有(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルクロライド塩、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド塩、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート類、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクロレインなどの不飽和アルデヒド類が挙げられる。易重合性物質は単独でも複数の化合物の混合物でもよい。

0014

これらの易重合性物質には、通常、重合防止剤として、ジフェニルピクリルヒドラジルなどのラジカル物質フェノール誘導体ベンゾキノン誘導体ニトロ化合物などが0.5〜10ppm程度添加されている。本発明の易重合性物質取扱装置にあっては、装置の内面は平滑化処理が施されているため、上記のような重合防止剤の濃度を低減するか、あるいは重合防止剤を用いなくても、易重合性物質を重合させることなく、取り扱うことが可能である。このように取り扱われた易重合性物質は、あらためて精製しなくても、重合などに供することができる。そして、このような易重合性物質の重合によって得られた重合物は、不純物の少ないものとなる。

0015

また、本発明の易重合性物質取扱装置によれば、易重合性物質に、溶媒として、水またはトルエンヘキサンなどの有機溶媒が混合されていても、易重合性物質を重合させることなく、取り扱うことができる。また、本発明の易重合性物質取扱装置を用いた易重合性物質においては、易重合性物質を取り扱う温度を、易重合性物質の重合が開始する温度以下とすることが望ましい。このようにすれば、上述のように重合防止剤の濃度を低減するか、あるいは重合防止剤を用いなくても、安定に易重合性物質を重合させることなく、取り扱うことができる。

0016

このように、本発明の易重合性物質取扱装置によれば、溶接残留物を成長点として、易重合性物質の重合物が生成することがないから、重合物を含まない品質の安定した易重合性物質を製造、貯蔵、流通することができる。また、本発明の易重合性物質取扱装置では、易重合性物質の重合物によって、この装置を構成する配管などに詰まりを生じることがない。したがって、本発明の易重合性物質取扱装置によれば、装置内を流通する易重合性物質の流速を、従来の装置内を流通する易重合性物質の流速よりも速くすることができる。また、長期間にわたって、装置の安定した運転が可能となる。したがって、本発明の易重合性物質取扱装置を、易重合性物質の合成、精製、流通などに用いれば、製造ラインの速度を向上することができる上に、装置のメンテナンスを行なう頻度を少なくすることができるから、結果として、製造コストを削減することができる。

0017

以下、具体的な実施例を示して本発明の効果を明らかにする。

0018

(実施例1)直径8m、高さ約6m、容量約280klの円筒形状で、SUS316製のメタクリル酸貯蔵タンクを作製した。この貯蔵タンクの作製では、各種構成部材を溶接により接合した。次いで、この貯蔵タンク内面の全面にわたって、溶接線の余り盛りおよびスパッタにより付着したスラグをグラインダーで完全に除去した。貯蔵タンク内面は、肉眼および手触りによって、平滑に仕上げられていることが確認された。次いで、この貯蔵タンク内に、これに貯蔵されるメタクリル酸の加温用に、温水コイルを設置した。この貯蔵タンク内に、重合防止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)50ppmが添加されたメタクリル酸を入れ、貯蔵温度約40℃で貯蔵し、メタクリル酸の出荷に5年間使用した。5年後、貯蔵タンク内部を点検したところ、貯蔵タンク内面および温水コイルの表面には、メタクリル酸の重合物の発生、付着などが見られず、きれいであることが確認された。

0019

(実施例2)直径10m、高さ9.5m、容量約700klの円筒形状で、SUS304製のメタクリル酸メチルの貯蔵タンクを作製した。この貯蔵タンクの作製では、各種構成部材を溶接により接合した。次いで、この貯蔵タンク内面の全面にわたって、溶接線の余り盛りおよびスパッタにより付着したスラグをグラインダーで完全に除去した。その結果、貯蔵タンク内面は、肉眼および手触りによって、平滑に仕上げられていることが確認された。この貯蔵タンク内に、重合防止剤(2,4−ジメチル−6−ターシャリーブチルフェノール)2.5ppmが添加されたメタクリル酸メチルを入れ、貯蔵温度約15℃で貯蔵し、メタクリル酸メチルの出荷に10年間使用した。10年後、貯蔵タンク内部を点検したところ、貯蔵タンク内面には、メタクリル酸の重合物の発生、付着などが見られず、きれいであることが確認された。

0020

(実施例3)塔径1800mm、高さ約20mの円筒形状で、SUS304製のメタクリル酸メチルの精製塔を作製した。この精製塔の作製では、各種構成部材を溶接により接合した。次いで、この精製塔内面の全面にわたって、溶接線の余り盛りおよびスパッタにより付着したスラグをグラインダーで完全に除去した。精製塔内面は、肉眼および手触りによって、平滑に仕上げられていることが確認された。この精製塔によって、6.5万トン/年の処理速度でメタクリル酸メチルを精製し、留出した。精製後、製品となるメタクリル酸メチルへのメタクリル酸メチルの重合物の混入を防止するために、全段が30段の精製塔の上部から10段目に重合防止剤(N−イソプロピル−N’−フェニル−P−フェニレンジアミン)を精製塔入り液に対し25ppm添加して、この精製塔を1年間連続運転した。1年後、精製塔内部を点検したところ、精製塔内面には、メタクリル酸メチルの重合物の発生、付着などが見られず、きれいであることが確認された。

0021

(比較例1)直径5m、高さ約4m、容量約70klの円筒形状で、SUS316製のメタクリル酸の貯蔵タンクを作製した。この貯蔵タンクの作製では、各種構成部材を溶接により接合した。この貯蔵タンクの内面には、通常の貯蔵タンクと同様に、平滑化処理を施さなかった。この貯蔵タンク内に、重合防止剤(ハイドロキノンモノメチルエーテル)50ppmが添加されたメタクリル酸を入れ、貯蔵温度約40℃で貯蔵し、メタクリル酸の出荷に3年間使用した。3年後、貯蔵タンク内部を点検したところ、貯蔵タンク内面の溶接線の余盛りにメタクリル酸の重合物がびっしりと付着しており、その一部は剥がれて貯蔵タンク底部に堆積していることが確認された。また、3年間の使用期間中も、製品出荷ライン中に設置されたフィルタに、時々メタクリル酸の重合物が引掛かり、詰まりが生じていることが確認された。

0022

(比較例2)直径8m、高さ8.5m、容量約400klの円筒形状で、SUS304製のメタクリル酸メチルの貯蔵タンクを作製した。この貯蔵タンクの作製では、各種構成部材を溶接により接合した。この貯蔵タンクの内面には、通常の貯蔵タンクと同様に、平滑化処理を施さなかった。この貯蔵タンク内に、重合防止剤(2,4−ジメチル−6−ターシャリーブチルフェノール)2.5ppmが添加されたメタクリル酸メチルを入れ、貯蔵温度約15℃で貯蔵し、メタクリル酸メチルの出荷に10年間使用した。10年後、貯蔵タンク内部を点検したところ、使用中、常にメタクリル酸メチルが存在する貯蔵タンク内面の中部から下部については、メタクリル酸メチルの重合物の付着がなく非常にきれいであったが、貯蔵タンク内面の上部に存在する溶接線余盛りにはメタクリル酸メチルの重合物が付着しており、その一部は剥がれて貯蔵タンク底部に堆積していることが確認された。

0023

(比較例3)塔径1800mm、高さ約18mの円筒形状で、SUS304製のメタクリル酸メチルの低沸点成分除去塔を作製した。この低沸点成分除去塔の作製では、各種構成部材を溶接により接合した。この低沸点成分除去塔の内面には、平滑化処理を施さなかった。この低沸点成分除去塔を、年産6.5万トンのメタクリル酸メチルの低沸点成分を除去するために、1年間連続使用した。なお、1年間の連続使用中、低沸点成分除去塔上部の還流ラインから、精製後のメタクリル酸メチルに、留出量の10ppm相当の重合防止剤(ハイドロキノン、および、N−イソプロピル−N’−フェニル−P−フェニレンジアミン)を添加した。1年後、低沸点成分除去塔内部を点検したところ、低沸点成分除去塔内面の上部の溶接線の余盛りに重合物が付着しており、特に、低沸点成分除去塔の覗き窓付近溶接部分には、重合物が多量に付着していることが確認された。この重合物を分析した結果、主成分はメタクリル酸メチルであることが分かった。

0024

実施例1〜3および比較例1〜3の結果から、易重合性物質取扱装置の内面に平滑化処理を施し、溶接線の余盛りや溶接痕を完全に除去すれば、易重合性物質の取り扱いにおいて、易重合性物質の重合物が生成することがないから、重合物を含まない品質の安定した易重合性物質を長期間、安定に取り扱うことができる。

発明の効果

0025

以上説明したように、本発明の易重合性物質取扱装置は、易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性物質取扱装置であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所には、平滑化処理が施されているから、易重合性物質の重合物が生成することがなく、重合物を含まない品質の安定した易重合性物質を製造、貯蔵、流通することができる。また、易重合性物質の重合物によって、この装置を構成する配管などに詰まりを生じることがないから、長期間にわたって、装置の安定した運転が可能となる。また、本発明の易重合性物質取扱方法は、易重合性物質を合成、精製、保持または流通する易重合性物取扱装置を用いた易重合性物質取扱方法であって、該易重合性物質取扱装置の内面の易重合性物質の接触する箇所に、平滑化処理を施しておくから、易重合性物質の取り扱い中に、その重合物を生成することなく、重合物を含まない品質の安定した易重合性物質を製造、貯蔵、流通することができる。

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