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技術 直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法、そのキャリアリーク調整方法、及び直交変調装置

出願人 アンリツ株式会社
発明者 金澤紀応土屋征弘
出願日 2002年2月22日 (17年4ヶ月経過) 出願番号 2002-046792
公開日 2003年9月5日 (15年10ヶ月経過) 公開番号 2003-249822
状態 特許登録済
技術分野 振幅変調 交流方式デジタル伝送
主要キーワード 調整ベクトル 調整処理動作 位相ベクトル図 正規ベクトル I信号 レベル測定器 レベル検出装置 調整点
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図面 (9)

課題

キャリアリーク調整を簡単にかつ精度よく実施する。

解決手段

直交変調器14から出力される変調信号aに含まれるキャリアリークを打ち消す直交変調器14のキャリアリーク調整点検出方法において、I、Q信号信号レベルにした状態で、直交変調器出力がある基準レベルとなるような直流電圧をI、Q信号に加算して、各直流電圧を変化させて、変調信号の信号レベルが基準レベルとなるI、Q信号に加算する一対の直流電圧の組合せを3つ以上検索し、検索された3つ以上の直流電圧の組合せが、I、Q信号に加算する一対の直流電圧を縦軸及び横軸とする二次元座標上に描画される仮想円13の円周上に位置することから、この仮想円の中心の座標をキャリアリーク調整点として算出する。

概要

背景

一般に、図5(a)に示すように、交流キャリア信号cとデータ信号bとを乗算器1で乗算して、変調信号dを得る場合、図5(b)の位相ベクトル図に示すように、出力される変調信号dに、この変調信号の正規ベクトルの他に、キャリア信号cが乗算器1を介して変調信号dにリークするキャリアリークが含まれる。このキャリア信号cが、出力される変調信号dにリークするキャリアリーク現象は、2個の乗算器が組込まれた直交変調器においても発生し、変調信号dを元のデータ信号bへ復調する場合に、完全に元のデータ信号bが得られないという問題が生じる。

図6は、一般的な直交変調器の概略構成を示すブロック図である。外部から入力された例えば正弦波からなるキャリア信号cは直接一方の乗算器2へ入力されるとともに、90度移相器3で位相が90°移相された後、他方の乗算器4へ入力される。各乗算器2、4にはそれぞれI(同相成分)、Q(直交成分)信号が入力される。

一方の乗算器2はキャリア信号cとI信号とを乗算して乗算信号d1として加算器5へ印加する。他方の乗算器4は90°移相されたキャリア信号cとQ信号とを乗算して乗算信号d2として加算器5へ印加する。加算器5は各乗算器2、4から出力された乗算信号d1、d2を加算して変調信号(直交変調信号)aとして出力する。

このような直交変調器においても、各乗算器2、4から出力された乗算信号d1、d2には、図7に示すように、キャリア信号c、90°移相されたキャリア信号cの各リークベクトルLI、LQが発生する。したがって、乗算信号d1、d2を加算(ベクトル合成)して得られるリークベクトルVLがこの直交変調器から出力される変調信号aに含まれる。

したがって、たとえ、I、Q信号の信号レベルが「0」の状態においても、変調信号aの信号レベルは、リークベクトルVLの絶対値のレベルとなる。この変調信号aにリークベクトルVLの影響が出ないようにするには、図7に示すように、リークベクトルVLに対して反対方向の調整ベクトルVCを印加(加算)すればよい。この調整ベクトルVCを実現するためには、予め、I信号に直流調整電圧EICを加算し、Q信号に直流の調整電圧EQCを加算しておけばよい。

具体的には、図8に示すように、直交変調器に入力されるI、Q信号の信号路に対して加算器6、7を介挿して、この各加算器6、7に対して、各可変電圧源8、9から、上述した直流の調整電圧EIC、EQCを印加する。

次に、操作者が実施する調整電圧EIC、EQCの具体的設定作業手順を説明する。I、Q信号の信号レベルを「0」状態に設定した状態において、直交変調器から出力される変調信号aの信号レベルを、増幅器を含む高周波回路10を経由させて、スペクトラムアナライザ11等のごく低レベルを高精度で測定可能測定器で測定する。

そして、操作者は、スペクトラムアナライザ11に表示された変調信号aの信号レベルを観察しながら、操作部12で各可変電圧源8、9を操作して、I、Q信号に加算する電圧を調整する。具体的には、変調信号aの信号レベルが「0」又は最小となる、加算する電圧の組合せを探して、その組合せの各電圧を調整電圧EIC、EQCとする。

概要

キャリアリーク調整を簡単にかつ精度よく実施する。

直交変調器14から出力される変調信号aに含まれるキャリアリークを打ち消す直交変調器14のキャリアリーク調整点検出方法において、I、Q信号の信号レベルをにした状態で、直交変調器出力がある基準レベルとなるような直流電圧をI、Q信号に加算して、各直流電圧を変化させて、変調信号の信号レベルが基準レベルとなるI、Q信号に加算する一対の直流電圧の組合せを3つ以上検索し、検索された3つ以上の直流電圧の組合せが、I、Q信号に加算する一対の直流電圧を縦軸及び横軸とする二次元座標上に描画される仮想円13の円周上に位置することから、この仮想円の中心の座標をキャリアリーク調整点として算出する。

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、I、Q信号に対して、直流電圧を加算した状態で、キャリアリーク調整点を算出することによって、低レベルも測定可能な高価なレベル測定器を必要とせず、操作者の介在なしに自動的に高い精度でキャリアリーク調整点が算出され、たとえ調整作業不慣れな操作者であったとしても、キャリアリーク調整作業を効率的に実施できる直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法、そのキャリアリーク調整方法、及び直交変調装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

入力されたキャリア信号を同じく入力されたI、Q信号直交変調する直交変調器から出力される変調信号に含まれるキャリアリーク打ち消すために、前記直交変調器へ入力されるI、Q信号に対してそれぞれ加算する直流調整電圧を検出する直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法において、前記I、Q信号の信号レベルにした状態で、前記直交変調器の出力が所定の基準レベルとなるような直流電圧を前記I、Q信号に加算し、前記各直流電圧を変化させて、前記変調信号の信号レベルが前記所定の基準レベルとなる前記I、Q信号に加算する一対の直流電圧の組合せを少なくとも3つ検索(21)し、この検索された少なくとも3つの直流電圧の組合せが、前記I、Q信号に加算する一対の直流電圧を縦軸及び横軸とする二次元座標上に描画される同一の仮想円円周上に位置すると仮定して、この仮想円の中心の座標をキャリアリーク調整点として算出(22)することを特徴とする直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法。

請求項2

入力されたキャリア信号を同じく入力されたI、Q信号で直交変調する直交変調器から出力される変調信号に含まれるキャリアリークを、前記直交変調器へ入力されるI、Q信号に対してそれぞれ直流の調整電圧を加算することによって打ち消す直交変調器のキャリアリーク調整方法において、前記I、Q信号の信号レベルを零にした状態で、前記直交変調器の出力が所定の基準レベルとなるような直流電圧を前記I、Q信号に加算し、前記各直流電圧を変化させて、前記変調信号の信号レベルが前記所定の基準レベルとなる前記I、Q信号に加算する一対の直流電圧の組合せを少なくとも3つ検索(21)し、この検索された少なくとも3つの直流電圧の組合せが、前記I、Q信号に加算する一対の直流電圧を縦軸及び横軸とする二次元座標上に描画される同一の仮想円の円周上に位置すると仮定して、この仮想円の中心の座標をキャリアリーク調整点として算出(22)し、この算出されたキャリアリーク調整点の座標を特定する一対の直流電圧を調整電圧として、前記I、Q信号に加算(23)することを特徴とする直交変調器のキャリアリーク調整方法。

請求項3

入力されたキャリア信号を同じく入力されたI、Q信号で直交変調して変調信号として出力する直交変調器本体(14)と、この直交変調器本体から出力された変調信号の信号レベルを検出するレベル検出部(16)と、前記直交変調器本体へ入力するI、Q信号にそれぞれ加算するための直流電圧を生成する一対の可変電圧源(8,9)と、前記I、Q信号の信号レベルを零にした状態で、前記一対の可変電圧源で生成された直流電圧を前記I、Q信号に加算し、この時に前記レベル検出部で検出された変調信号の信号レベルが所定の基準レベルになったかを判定する基準レベル判定部(20)と、前記各直流電圧を変化させて、前記変調信号の信号レベルが前記基準レベルとなる前記I、Q信号に加算する一対の直流電圧の組合せを少なくとも3つ検索する直流電圧組合せ検索手段(21)と、この検索された少なくとも3つの直流電圧の組合せが、前記I、Q信号に加算する一対の直流電圧を縦軸及び横軸とする二次元座標上に描画される同一の仮想円の円周上に位置すると仮定して、この仮想円の中心の座標をキャリアリーク調整点として算出するキャリアリーク調整点算出手段(22)と、この算出されたキャリアリーク調整点の座標を特定する一対の直流電圧を調整電圧として、前記各可変電圧源を介して前記I、Q信号に加算する調整電圧加算手段(23)とを備えたことを特徴とする直交変調装置

技術分野

0001

本発明は、直交変調器から出力される変調信号に含まれるキャリアリーク打ち消すための調整電圧を検出する直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法、キャリアリークを打ち消す直交変調器のキャリアリーク調整方法、及びこのキャリアリーク調整機能が組込まれた直交変調装置に関する。

背景技術

0002

一般に、図5(a)に示すように、交流キャリア信号cとデータ信号bとを乗算器1で乗算して、変調信号dを得る場合、図5(b)の位相ベクトル図に示すように、出力される変調信号dに、この変調信号の正規ベクトルの他に、キャリア信号cが乗算器1を介して変調信号dにリークするキャリアリークが含まれる。このキャリア信号cが、出力される変調信号dにリークするキャリアリーク現象は、2個の乗算器が組込まれた直交変調器においても発生し、変調信号dを元のデータ信号bへ復調する場合に、完全に元のデータ信号bが得られないという問題が生じる。

0003

図6は、一般的な直交変調器の概略構成を示すブロック図である。外部から入力された例えば正弦波からなるキャリア信号cは直接一方の乗算器2へ入力されるとともに、90度移相器3で位相が90°移相された後、他方の乗算器4へ入力される。各乗算器2、4にはそれぞれI(同相成分)、Q(直交成分)信号が入力される。

0004

一方の乗算器2はキャリア信号cとI信号とを乗算して乗算信号d1として加算器5へ印加する。他方の乗算器4は90°移相されたキャリア信号cとQ信号とを乗算して乗算信号d2として加算器5へ印加する。加算器5は各乗算器2、4から出力された乗算信号d1、d2を加算して変調信号(直交変調信号)aとして出力する。

0005

このような直交変調器においても、各乗算器2、4から出力された乗算信号d1、d2には、図7に示すように、キャリア信号c、90°移相されたキャリア信号cの各リークベクトルLI、LQが発生する。したがって、乗算信号d1、d2を加算(ベクトル合成)して得られるリークベクトルVLがこの直交変調器から出力される変調信号aに含まれる。

0006

したがって、たとえ、I、Q信号の信号レベルが「0」の状態においても、変調信号aの信号レベルは、リークベクトルVLの絶対値のレベルとなる。この変調信号aにリークベクトルVLの影響が出ないようにするには、図7に示すように、リークベクトルVLに対して反対方向の調整ベクトルVCを印加(加算)すればよい。この調整ベクトルVCを実現するためには、予め、I信号に直流の調整電圧EICを加算し、Q信号に直流の調整電圧EQCを加算しておけばよい。

0007

具体的には、図8に示すように、直交変調器に入力されるI、Q信号の信号路に対して加算器6、7を介挿して、この各加算器6、7に対して、各可変電圧源8、9から、上述した直流の調整電圧EIC、EQCを印加する。

0008

次に、操作者が実施する調整電圧EIC、EQCの具体的設定作業手順を説明する。I、Q信号の信号レベルを「0」状態に設定した状態において、直交変調器から出力される変調信号aの信号レベルを、増幅器を含む高周波回路10を経由させて、スペクトラムアナライザ11等のごく低レベルを高精度で測定可能測定器で測定する。

0009

そして、操作者は、スペクトラムアナライザ11に表示された変調信号aの信号レベルを観察しながら、操作部12で各可変電圧源8、9を操作して、I、Q信号に加算する電圧を調整する。具体的には、変調信号aの信号レベルが「0」又は最小となる、加算する電圧の組合せを探して、その組合せの各電圧を調整電圧EIC、EQCとする。

発明が解決しようとする課題

0010

しかし、図8に示した手法で、直交変調器から出力される変調信号aに含まれるキャリアリークを、I、Q信号に加算した各調整電圧EIC、EQCで打ち消す手法においても、まだ解消すべき次のような課題があった。

0011

すなわち、I、Q信号の信号レベルを「0」状態に設定した状態で、直交変調器から出力される変調信号aには、キャリアリーク成分のみしか含まれていない。したがって、変調信号aの信号レベルは非常に小さい。高い精度で調整電圧EIC、EQCを得るためには、非常に低レベルとなる変調信号aの信号レベルを高い精度で測定する必要がある。

0012

非常に低レベルの変調信号aの信号レベルを高い精度で測定するには、上述したスペクトラムアナライザ11等の高精度の測定器を準備する必要があった。したがって、設備費が大幅に上昇するので、このキャリアリーク調整機能を、この直交変調器が組込まれた例えば信号発生装置組込むことは、コスト的にほぼ不可能であった。

0013

さらに、変調信号aの信号レベルが「0」又は最小となる、I、Q信号に加算する電圧の組合せを探す作業は、操作者の試行錯誤で実施したり、多くの繰り返し調整を要するために、このキャリアリーク調整機能を自動化して、この直交変調器が組込まれた例えば信号発生装置に組込むことは困難である。

0014

さらに、変調信号aの信号レベルが「0」又は最小となる、I、Q信号に加算する電圧の組合せを探す作業は、熟練者の経験とによって実施されていたので、この調整作業不慣れな操作者にとっては、手間と作業時間が大幅に増大する。

0015

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、I、Q信号に対して、直流電圧を加算した状態で、キャリアリーク調整点を算出することによって、低レベルも測定可能な高価なレベル測定器を必要とせず、操作者の介在なしに自動的に高い精度でキャリアリーク調整点が算出され、たとえ調整作業に不慣れな操作者であったとしても、キャリアリーク調整作業を効率的に実施できる直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法、そのキャリアリーク調整方法、及び直交変調装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

本発明は、入力されたキャリア信号を同じく入力されたI、Q信号で直交変調する直交変調器から出力される変調信号に含まれるキャリアリークを打ち消すために、直交変調器へ入力されるI、Q信号に対してそれぞれ加算する直流の調整電圧を検出する直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法に適用される。

0017

そして、上記課題を解消するために、本発明の直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法においては、先ず、I、Q信号の信号レベルをにした状態で、直交変調器の出力が所定の基準レベルとなるような直流電圧をI、Q信号に加算する。

0018

次に、各直流電圧を変化させて、変調信号の信号レベルが所定の基準レベルとなる前記I、Q信号に加算する一対の直流電圧の組合せを少なくとも3つ検索する。

0019

さらに、この検索された少なくとも3つの直流電圧の組合せが、I、Q信号に加算する一対の直流電圧を縦軸及び横軸とする二次元座標上に描画される同一の仮想円円周上に位置すると仮定して、この仮想円の中心の座標をキャリアリーク調整点として算出する。

0020

また、別の発明は、入力されたキャリア信号を同じく入力されたI、Q信号で直交変調する直交変調器から出力される変調信号に含まれるキャリアリークを、直交変調器へ入力されるI、Q信号に対してそれぞれ直流の調整電圧を加算することによって打ち消す直交変調器のキャリアリーク調整方法に適用される。

0021

そして、この発明の直交変調器のキャリアリーク調整方法においては、上述した発明の直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法に対して、さらに、算出されたキャリアリーク調整点の座標を特定する一対の直流電圧を調整電圧として、I、Q信号に加算するようにしている。

0022

さらに、別の発明の直交変調装置においては、入力されたキャリア信号を同じく入力されたI、Q信号で直交変調して変調信号として出力する直交変調器本体と、直交変調器本体から出力された変調信号の信号レベルを検出するレベル検出部と、直交変調器本体へ入力するI、Q信号にそれぞれ加算するための直流電圧を生成する一対の可変電圧源と、I、Q信号の信号レベルを零にした状態で、一対の可変電圧源で生成された直流電圧をI、Q信号に加算し、この時にレベル検出部で検出された変調信号の信号レベルが所定の基準レベルになったかを判定する基準レベル判定部と、各直流電圧を変化させて、変調信号の信号レベルが基準レベルとなるI、Q信号に加算する一対の直流電圧の組合せを少なくとも3つ検索する直流電圧組合せ検索手段と、検索された少なくとも3つの直流電圧の組合せが、I、Q信号に加算する一対の直流電圧を縦軸及び横軸とする二次元座標上に描画される同一の仮想円の円周上に位置すると仮定して、この仮想円の中心の座標をキャリアリーク調整点として算出するキャリアリーク調整点算出手段と、算出されたキャリアリーク調整点の座標を特定する一対の直流電圧を調整電圧として、各可変電圧源を介してI、Q信号に加算する調整電圧加算手段とを備えている。

0023

次に、このように構成された本発明の直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法、直交変調器のキャリアリーク調整方法、及び直交変調装置の動作原理図4(a)、図4(b)を用いて説明する。

0024

図4(a)に示すように、I、Q信号の信号レベルを「0」に維持した状態で、直交変調器(直交変調器本体)から出力される変調信号に、キャリアリークに起因するリークベクトルVLが含まれる。そして、このリークベクトルVLを打ち消すための調整ベクトルVCが必要となることは前述した通りである。そして、この調整ベクトルVCの先端が調整点Pとなる。

0025

いま、仮に調整ベクトルVCに相当する直流の調整電圧EIC、EQCがI、Q信号に加算された状態では、変調信号には、キャリアリークに起因するリークベクトルVLは調整ベクトルVCで打ち消されて現れない。したがって、変調信号の信号レベルは「0」である。

0026

この状態で、I、Q信号に直流電圧を加算すると、この電圧に対するベクトルVeが調整点Pを起点として現れる。この場合における変調信号の信号レベルAはベクトルVeの絶対値である。

0027

したがって、直交変調器(直交変調器本体)から出力される変調信号の信号レベルAを任意に定めた基準レベルASに固定した状態で、I、Q信号に各直流電圧を加算したときに発生するベクトルVeの先端Bは、調整点Pを中心とする基準レベルASを半径とする仮想円13の円周上に位置するはずである。ベクトルVeの先端B位置は、その時点でI、Q信号に加算している直流の電圧EI、EQであるので、仮想円13の円周上の少なくとも3カ所のベクトルVeの先端B(測定点)が求まれば、簡単な幾何学的考察で仮想円13の中心、すなわち、調整ベクトルVCの先端の調整点Pが求まる。

0028

調整ベクトルVCの調整点Pが求まると、調整点PのI相座標からI信号に加算する調整電圧EICが求まる。さらに、調整点PのQ相座標からQ信号に加算する調整電圧EQCが求まる。

0029

I、Q信号に加算している直流の電圧EI、EQを大きな値に設定することによって、直交変調器(直交変調器本体)から出力される変調信号の信号レベルAにおける基準レベルASを大きく設定可能である。その結果、この変調信号の信号レベルを測定する測定器として、前述したスペクトラムアナライザ等のごく低レベルを高精度で測定可能な高価な測定器を採用する必要ない。

0030

また、調整ベクトルVCの調整点Pが自動的に算出されるので、キャリアリークの調整処理能率を向上できる。

発明を実施するための最良の形態

0031

以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の実施形態に係る直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法及びキャリアリーク調整方法が適用される直交変調装置の概略構成を示すブロック図である。図8に示す直交変調器と同一部分には、同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。

0032

外部から入力されたキャリア信号cは、直交変調器本体14内の一方の乗算器2へ入力されるとともに、90度移相器3で位相が90°移相された後、他方の乗算器4へ入力される。各乗算器2、4にはI、Q信号が入力される。一方の乗算器2はキャリア信号cとI信号とを乗算して乗算信号d1として加算器5へ印加する。他方の乗算器4は90°移相されたキャリア信号cとQ信号とを乗算して乗算信号d2として加算器5へ印加する。加算器5は各乗算器2、4から出力された乗算信号d1、d2を加算して変調信号aとして出力する。

0033

直交変調器本体14に対するI、Q信号の信号路に対して加算器6、7が介挿されている。この各加算器6、7に対して、各可変電圧源8、9から直流の電圧EI、EQが印加される。この各可変電圧源8、9からI、Q信号に加算する直流の電圧EI、EQはコンピュータからなる制御部15にて制御される。

0034

また、直交変調器本体14から出力された変調信号aは、増幅器を含む高周波回路10を経たのち外部へ送出されると共にレベル検出部16へ入力される。レベル検出部16は、入力された変調信号aの信号レベルAを検出して制御部15へ送出する。

0035

図2は、コンピュータからなる制御部15の概略構成を示すブロック図である、この制御部15内には、各可変電圧源8,9へI、Q信号に加算する直流の電圧EI、EQを指定する電圧加算部24、レベル検出部16で検出された変調信号aのレベルを読取ってA/D変換したり又は2値化するレベル読取部18等のハード回路が組込まれている。

0036

さらに、この制御部15内には、アプリケーションプログラム内に形成された、基準レベル判定部20、測定点決定部21、調整点算出部22、及び調整電圧設定部23等が組込まれている。

0037

そして、この制御部15の各部20、21、22、23は図3に示す流れ図に従って、キャリアリークに対する調整処理を実施する。

0038

操作者は、直交変調器本体14に入力されているI、Q信号の信号レベルを「0」に設定する。具体的には、外部から入力されるI、Q信号を遮断し、終端する(P1)。次に、基準レベル判定部20により、直交変調器本体14から出力されている変調信号aの信号レベルAが、基準レベルASと同じであると判定されるように、各可変電圧源8,9を制御する(P2)。

0039

直流の電圧EI、EQがI、Q信号に加算されているので、直交変調器本体14から出力されている変調信号aの基準信号レベルASも、前述した測定すべき調整ベクトルVCの絶対値に比較して格段に大きい(P3)。

0040

次に、図4(b)に示すように、測定点決定部21が起動して、現在時点でI、Q信号に加算されている電圧EI1、EQ1を読取り、第1の測定点B1(EI1、EQ1)を決定する。この第1の測定点B1(EI1、EQ1)は、前述した動作原理により、I相・Q座標系で、調整点P(中心G)を中心に半径ASの仮想円13の円周上に位置する(P4)。

0041

次に、現在時点でI、Q信号に加算されている直流の電圧EI1、EQ1のうち、I信号に加算されている電圧EI1を固定して、Q信号に加算されている電圧EQを順番に変更しながら(P5)、変調信号aの信号レベルAを観察する。そして、信号レベルAが再度基準レベルASに一致すると(P6)、この時点でI、Q信号に加算されている直流の電圧EI1、EQ2を読取り(P7)、第2の測定点B2(EI1、EQ2)を決定する。この第2の測定点B2(EI1、EQ2)も調整点P(中心G)を中心に半径ASの仮想円13の円周上に位置する(P8)。

0042

次に、現在時点でI、Q信号に加算されている直流の電圧EI1、EQ2のうち、Q信号に加算されている電圧EQ2を固定して、I信号に加算されている電圧EIを順番に変更しながら(P9)、変調信号aの信号レベルAを観察する。そして、信号レベルAが再度基準レベルASに一致すると(P10)、この時点でI、Q信号に加算されている電圧EI2、EQ2を読取り(P11)、第3の測定点B3(EI2、EQ2)を決定する。この第3の測定点B3(EI2、EQ2)も調整点P(中心G)を中心に半径ASの仮想円13の円周上に位置する(P12)。

0043

次に、調整点算出部22が起動して調整点Pの算出処理を行う。すなわち、仮想円13の円周上に位置する3個の測定点B1、B2、B3から、該当仮想円13の中心Gの座標(EIC、EQC)を求める。

0044

具体的には、線分B1B2に直交しかつこの線分B1B2を2等分する直交2等分線y1を算出する(P13)。さらに、線分B2B3に直交しかつこの線分B2B3を2等分する直交2等分線y2を算出する(P14)。そして、この2本の直交2等分線y1、y2の交点座長で示される該当仮想円13の中心Gの座標(EIC、EQC)を求める(P15)。次に、調整電圧設定部23が起動して、この仮想円13の中心G(EIC、EQC)が、図4(a)に示す、キャリアリークに起因するキャリアベクトルVLを打ち消す調整ベクトルVCの先端の調整点P(EIC、EQC)となる。この調整点Pの座標(EIC、EQC)を構成する各電圧EIC、EQCを直流の調整電圧EIC、EQCとして、各可変電圧源8、9を介してI、Q信号へ加算する(P16)。

0045

以上で、コンピュータからなる制御部15によるキャリアリーク調整処理が終了したので、各可変電圧源8、9を介してI、Q信号へ各調整電圧EIC、EQCを加算した状態で、直交変調器本体14に対してキャリア信号c及びI、Q信号を入力することにより直交変調器本体14から、I、Q信号で変調された変調信号aが出力される。

0046

このように構成されたキャリアリーク調整点検出方法及びキャリアリーク調整方法が適用される直交変調装置においては、直交変調器本体14から出力された変調信号aに含まれるキャリアリークに起因するリークベクトルVLは調整ベクトルVCで打ち消されるので、出力された変調信号aの信号レベルA内にキャリアリークに起因する成分は含まれないので、変調信号aの信号品質をより一層向上できる。

0047

また、キャリアリークに起因するリークベクトルVLを打ち消す調整ベクトルVCの先端の調整点P(EIC、EQC)を求める手法として、I、Q信号に直流の電圧EI、EQを加算して、出力される変調信号aの信号レベルAを、高レベルのみしか検出できない低価格のレベル検出装置でも十分高精度で測定できる基準レベルASとしている。

0048

したがって、従来手法のように、ごく値の小さい調整ベクトルVCの絶対値をスペクトラムアナライザ11等の高精度の測定器を測定する必要がないので、図1に示すように、このキャリアリーク調整機能全体を、直交変調器本体14と共に、1台の直交変調装置に組込む事が可能である。

0049

さらに、リークベクトルVLを打ち消す調整ベクトルVCの先端の調整点P(EIC、EQC)求める手法として、従来の操作員の試行錯誤手法でなく、変調信号aの信号レベルAが任意に設定した基準レベルASを有する3個の測定点B1、B2、B3から解析的に調整点P(EIC、EQC)求めている。

0050

このように、キャリアリーク調整を自動的に実施できるので、キャリアリーク調整作業の作業能率を大幅に向上できる。また、キャリアリーク調整作業に不慣れな操作者でも簡単にかつ短時間でキャリアリーク調整作業を実施できる。

0051

なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、仮想円13の円周上に位置する3個の測定点B1、B2、B3から、該当仮想円13の中心Gの座標(EIC、EQC)を求める手法として、仮想円13の円周上に位置する3個の測定点B1、B2、B3を、この3個の測定点B1、B2、B3で直角三角形を構成するように決定(選択)すれば、この直角三角形の底辺の2等分位置が該当仮想円13の中心Gとなることを利用することが可能である。

発明の効果

0052

以上説明したように、本発明の直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法、キャリアリーク調整方法及び直交変調装置においては、I、Q信号に対して直流電圧を加算した状態で、キャリアリーク調整点を解析的に算出している。

0053

したがって、出力された変調信号の信号レベルを測定するための低レベルも測定可能な高価なレベル測定器を必要とせず、操作者の介在なしに自動的に高い精度でキャリアリーク調整点が算出され、たとえ調整作業に不慣れな操作者であったとしても、キャリアリーク調整作業を効率的に実施できる。

図面の簡単な説明

0054

図1本発明の一実施形態に係る直交変調器のキャリアリーク調整点検出方法及びキャリアリーク調整方法が適用される直交変調装置の概略構成を示すブロック図
図2同直交変調装置に組込まれた制御部の詳細構成を示すブロック図
図3同直交変調装置におけるキャリアリーク調整処理動作を示す流れ図
図4同直交変調装置におけるキャリアリーク調整の動作原理を説明するための図
図5キャリアリークを説明するための図
図6一般的な直交変調器を示すブロック図
図7キャリアリークに起因するリークベクトル及び調整ベクトルを示す図
図8直交変調器に対する従来のキャリアリーク調整手法を説明するための図

--

0055

2、4…乗算器
3…90度移相器
5、6、7…加算器
8,9…可変電源
10…高周波回路
13…仮想円
14…直交変調器本体
15…制御部
16…レベル検出部
18…レベル読取部
19…操作部
20…基準レベル判定部
21…測定点決定部
22…調整点算出部
23…調整電圧設定部
24…電圧加算部

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