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技術 電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケット及びその製造方法

出願人 日新製鋼株式会社
発明者 片山賢一
出願日 2002年2月22日 (18年11ヶ月経過) 出願番号 2002-046549
公開日 2003年9月5日 (17年5ヶ月経過) 公開番号 2003-247026
状態 特許登録済
技術分野 金属の製造または精製
主要キーワード ドライ状 原料歩留 移送設備 スラッジケーキ B型粘度計 製団機 電気精錬 低温加熱処理
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課題

製鋼工程の電気炉転炉で発生したダスト熱延工程で発生した熱延スケール酸洗処理工程で発生した廃洗スラッジ脱水し更に乾燥させたスラッジケーキのような製鋼副産物中の有価金属回収するために電気製錬炉中に投入することができ、一切の加熱処理を要することなく、目的とする強度(初期強度養生後強度)を有する経済性に優れた電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケット及びその製造方法を提供する。

解決手段

製鋼副産物及びコークスに、25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムの5〜15重量%濃度の水溶液固形分換算で0.8〜1.7重量%添加して混練後、ブリケットに製団し、そのブリケットの含水率が3〜7.5重量%となるように自然養生を行って電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットとする。

概要

背景

従来より、製鋼工程の電気炉転炉で発生したドライ状ダスト熱延工程で発生したドライ状の熱延スケール酸洗処理工程で発生したスラリー状の廃洗スラッジ脱水し更に乾燥させたスラッジケーキのような製鋼副産物中の有価金属回収するために、ブリケットペレットにするための技術が多々提案されている。

例えば、本出願人が提案した特開昭51−28516号公報に開示されている「ステンレス鋼製造工程中に発生する廃棄物の処理方法」は、製鋼副産物の混練物ロータリーキルンにて800〜1300℃の温度で焼成してペレット状にしているが、焼成処理で800〜1300℃という高温に加熱することで非常なコスト高となる欠点があった。

また、本出願人等が提案した特公昭57−60410号公報に開示されている「ステンレス鋼製造工程中に発生する廃棄物処理方法」と特公昭56−3894公報に開示されている「ステンレス鋼製造工程中に発生する廃棄物処理方法」とは、製鋼副産物の固形分に対して有機質バインダーを1〜5重量%を添加すると共に水分8〜14重量%に調整してブリケットに成形してから低温加熱処理を行っているが、低温加熱処理で300℃以上に加熱しなければならないためやはりコスト高となる欠点があった。そして、これらの方法では、低温加熱処理を行わなければ、有機質バインダー:1〜5重量%ではブリケットの強度が不十分であり、電気製錬炉操業に支障を来すのである。更にこれらの方法には有機系バインダーとして安価なパルプ廃液を用いることが記載されているが、このパルプ廃液中には硫黄が含まれているため、回収した有価金属中の硫黄含有量が高くなり、これを製鋼原料として使用すれば後工程において脱硫工程が必要となり、製鋼コスト高を招くという欠点もあった。

同じく、本出願人等が提案した特公昭56−3895号公報に開示されている「合金鋼製造工程中に発生する廃棄物処理法」は、製鋼副産物の固形分に対してセメントを5〜15重量%を添加すると共に水分4〜14重量%に調整してブリケットに成形してから低温で自然養生若しくは蒸気養生を行っているが、原料の大部分が微粉粉体であるので、混練機製団機、更には混練後の移送設備への原料固着により連続操業が困難となるばかりか、使用する原材料中にカルシウムを含むセメントを使用しているためスラグ塩基度(CaO/SiO2)の調整が面倒であるという欠点があった。また、セメント中硫酸カルシウムにより、後工程において脱硫工程が必要になり、製鋼コスト高を招くという欠点もあった。

また、特開2000−178662公報に開示されている「粉末金属原料用造粒剤及び湿式造粒法」には、製鋼副産物にカルボキシメチルセルロースポリビニルアルコール等をバインダーとして添加してペレットとする技術が提案されているが、副原料として粉石灰石を添加し造粒してから100℃で乾燥しているので、加熱乾燥によってコスト高となるばかりか、使用する原材料中にカルシウムを含む粉石灰石を使用しているためスラグの塩基度(CaO/SiO2)の調整が面倒であるという欠点があった。

概要

製鋼工程の電気炉や転炉で発生したダストや熱延工程で発生した熱延スケールや酸洗処理工程で発生した廃洗スラッジを脱水し更に乾燥させたスラッジケーキのような製鋼副産物中の有価金属を回収するために電気製錬炉中に投入することができ、一切の加熱処理を要することなく、目的とする強度(初期強度、養生後強度)を有する経済性に優れた電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケット及びその製造方法を提供する。

製鋼副産物及びコークスに、25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムの5〜15重量%濃度の水溶液固形分換算で0.8〜1.7重量%添加して混練後、ブリケットに製団し、そのブリケットの含水率が3〜7.5重量%となるように自然養生を行って電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットとする。

目的

本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、スラグの塩基度(CaO/SiO2)の調整に対する配慮が不要で、製鋼副産物と還元材としてのコークスと硫黄を含まない有機質バインダーと水のみから成り、一切の加熱処理を要することなく、目的とする強度(初期強度、養生後強度)を有し優れた特性を有する電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケット及びその製造方法を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウム:0.8〜1.7重量%と水分:3〜7.5重量%と残部である製鋼副産物コークスとが混練されてブリケットを成していることを特徴とする電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケット。

請求項2

製鋼副産物が固形分換算電気炉ダスト:20〜40重量%、転炉ダスト:10〜20重量%、廃酸スラッジ:30〜60重量%、スケール粉:1〜5重量%から成り、コークスが4〜8重量%である請求項1に記載の電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケット。

請求項3

製鋼副産物及びコークスに、25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムの5〜15重量%濃度の水溶液を固形分換算で0.8〜1.7重量%添加して混練後、ブリケットに製団し、該ブリケットの含水率が3〜7.5重量%となるように自然養生を行うことを特徴とする電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットの製造方法。

請求項4

製鋼副産物として固形分換算で電気炉ダスト:20〜40重量%、転炉ダスト:10〜20重量%、廃酸スラッジ:30〜60重量%、スケール粉:1〜5重量%を、コークスを4〜8重量%を使用する請求項3に記載の電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットの製造方法。

請求項5

自然養生を3日以上行う請求項3又は4に記載の電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、製鋼副産物中の有価金属回収するために電気製錬炉中に投入することができるブリケットとその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来より、製鋼工程の電気炉転炉で発生したドライ状ダスト熱延工程で発生したドライ状の熱延スケール酸洗処理工程で発生したスラリー状の廃洗スラッジ脱水し更に乾燥させたスラッジケーキのような製鋼副産物中の有価金属を回収するために、ブリケットやペレットにするための技術が多々提案されている。

0003

例えば、本出願人が提案した特開昭51−28516号公報に開示されている「ステンレス鋼製造工程中に発生する廃棄物の処理方法」は、製鋼副産物の混練物ロータリーキルンにて800〜1300℃の温度で焼成してペレット状にしているが、焼成処理で800〜1300℃という高温に加熱することで非常なコスト高となる欠点があった。

0004

また、本出願人等が提案した特公昭57−60410号公報に開示されている「ステンレス鋼製造工程中に発生する廃棄物処理方法」と特公昭56−3894公報に開示されている「ステンレス鋼製造工程中に発生する廃棄物処理方法」とは、製鋼副産物の固形分に対して有機質バインダーを1〜5重量%を添加すると共に水分8〜14重量%に調整してブリケットに成形してから低温加熱処理を行っているが、低温加熱処理で300℃以上に加熱しなければならないためやはりコスト高となる欠点があった。そして、これらの方法では、低温加熱処理を行わなければ、有機質バインダー:1〜5重量%ではブリケットの強度が不十分であり、電気製錬炉の操業に支障を来すのである。更にこれらの方法には有機系バインダーとして安価なパルプ廃液を用いることが記載されているが、このパルプ廃液中には硫黄が含まれているため、回収した有価金属中の硫黄含有量が高くなり、これを製鋼原料として使用すれば後工程において脱硫工程が必要となり、製鋼コスト高を招くという欠点もあった。

0005

同じく、本出願人等が提案した特公昭56−3895号公報に開示されている「合金鋼製造工程中に発生する廃棄物処理法」は、製鋼副産物の固形分に対してセメントを5〜15重量%を添加すると共に水分4〜14重量%に調整してブリケットに成形してから低温で自然養生若しくは蒸気養生を行っているが、原料の大部分が微粉粉体であるので、混練機製団機、更には混練後の移送設備への原料固着により連続操業が困難となるばかりか、使用する原材料中にカルシウムを含むセメントを使用しているためスラグ塩基度(CaO/SiO2)の調整が面倒であるという欠点があった。また、セメント中硫酸カルシウムにより、後工程において脱硫工程が必要になり、製鋼コスト高を招くという欠点もあった。

0006

また、特開2000−178662公報に開示されている「粉末金属原料用造粒剤及び湿式造粒法」には、製鋼副産物にカルボキシメチルセルロースポリビニルアルコール等をバインダーとして添加してペレットとする技術が提案されているが、副原料として粉石灰石を添加し造粒してから100℃で乾燥しているので、加熱乾燥によってコスト高となるばかりか、使用する原材料中にカルシウムを含む粉石灰石を使用しているためスラグの塩基度(CaO/SiO2)の調整が面倒であるという欠点があった。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、スラグの塩基度(CaO/SiO2)の調整に対する配慮が不要で、製鋼副産物と還元材としてのコークスと硫黄を含まない有機質バインダーと水のみから成り、一切の加熱処理を要することなく、目的とする強度(初期強度、養生後強度)を有し優れた特性を有する電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケット及びその製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、製鋼副産物とコークスとに25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が所定値以下のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムを5〜15重量%濃度の水溶液の状態で固形分換算で0.8〜1.7重量%添加して混練後ブリケットに製団し、そのまま自然養生を行ってそのブリケットの含水率を3〜7.5重量%とすれば、電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットとして製団時の初期強度も、また電気製錬炉に投入する際における強度も充分で且つ優れた特性を有するものが得られることを究明して本発明を完成したのである。

0009

即ち本発明に係る電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットは、25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウム:0.8〜1.7重量%と水分:3〜7.5重量%と残部である製鋼副産物とコークスとが混練されてブリケットを成していることを特徴とするものであり、製鋼副産物は固形分換算で電気炉ダスト:20〜40重量%、転炉ダスト:10〜20重量%、廃酸スラッジ:30〜60重量%、スケール粉:1〜5重量%から成り、コークスは4〜8重量%であることが好ましいことを究明したのである。

0010

そして、前記本発明に係る電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを製造する本発明に係る電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットの製造方法は、製鋼副産物及びコークスに、25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムの5〜15重量%濃度の水溶液を固形分換算で0.8〜1.7重量%添加して混練後、ブリケットに製団し、該ブリケットの含水率が3〜7.5重量%となるように自然養生を行うことを特徴とする方法であり、製鋼副産物としては固形分換算で電気炉ダスト:20〜40重量%、転炉ダスト:10〜20重量%、廃酸スラッジ:30〜60重量%、スケール粉:1〜5重量%から成るものを、コークスとしては4〜8重量%を使用することが好ましく、自然養生は3日以上行うことが好ましいことも究明したのである。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明に係る電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットと電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットの製造方法とについて詳細に説明する。

0012

本発明者は、前記課題で述べたように、ブリケットに使用する原料としてスラグの塩基度に影響を及ぼすカルシウムや珪素を積極的に添加すること無く、即ち製鋼副産物とコークスと有機質バインダーと水とのみを原料とし、且つブリケットに製団する際に初期ハンドリングによる粉化を防止できる初期強度は25Kgf/個以上、電気製錬炉中に投入した際に粉化を防止できる養生後の最終強度は50Kgf/個以上がそれぞれ必要であることを前提として、種々の有機質バインダーについて検討した。

0013

その結果、25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムを従来の特開2000−178662号公報に開示されているような0.15〜1.54%濃度という低濃度ではなく、5〜15重量%濃度という高濃度の水溶液の状態で、製鋼副産物とコークスとのみに混練しブリケットに製団すれば前記25Kgf/個以上の初期強度が得られ、そのブリケットの含水率が3〜7.5重量%となるように自然養生を行えば前記養生後の最終強度が50Kgf/個以上の電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットとすることができることを究明したのである。

0014

このように有機質バインダーがポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムであれば、その構成元素の大部分が水素炭素であることからスラグの塩基度への影響がないばかりか、硫黄も含有しておらず、更に電気製錬炉で溶解・還元された回収メタル中に残存して回収メタルの組成に影響を与える元素を含んでおらず、また25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下であれば、5〜15重量%濃度の水溶液として製鋼副産物及びコークスと混練する際に均一に混練できると共にブリケットに製団した際に25Kgf/個以上の初期強度が得られ、そのブリケットの含水率が3〜7.5重量%となるように自然養生を行えば養生後の最終強度を50Kgf/個以上にすることが可能なのである。

0015

ここで、有機質バインダーであるポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液濃度を5〜15重量%濃度としたのは、濃度によってバインダーの粘性が変化する(濃いほど粘性高くなる)が、本発明で使用する有機質バインダーは25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下であるのでこの濃度範囲であれば、配管等の設備上問題なく有機質バインダー水溶液を液送でき、且つ主原料である製鋼副産物及びコークスと混練する際に均一に有機質バインダーが混合分散されると共に、必要とする強度が得られる最適な範囲だからである。この濃度下限未満では、製団するブリケットの強度不足となるので有機質バインダーの添加量を多くする必要があり、その結果ブリケッ卜中に持ち込まれる水分量が多くなって電力原単位が悪化したり、水分による炉内での吹き上げ等の異常操業の原因となる。有機質バインダーの添加量は上記濃度範囲から決まる最適範囲であり、上限を超えると製団するブリケットの強度は若干上がるが、有機質バインダーの製鋼副産物及びコークスとの混練が不十分で電気精錬炉内での粉化等で電力原単位を下げると共に、経済性及び設備支障の面で不適であるからである。

0016

そしてこのような有機質バインダーであるポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロースナトリウムとしては、25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が150mPa・s以下のものを単独で使用してもよいが、25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度が異なる2種類以上のポリビニルアルコール及び/又はカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物を使用することが好ましい。

0017

このような電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットに使用する主原料である製鋼副産物とコークスとは、製鋼副産物が固形分換算で電気炉ダスト:20〜40重量%と、転炉ダスト:10〜20重量%と、廃酸スラッジ:30〜60重量%と、スケール粉:1〜5重量%とから成ることが好ましく、コークスは4〜8重量%であることが好ましい。

0018

〈実施例1〜5〉固形分換算で電気炉ダスト:19重量%、転炉ダスト:16重量%、廃酸スラッジ:56重量%、スケール粉:4重量%から成る製鋼副産物と、コークス:5重量%とに、日本製紙株式会社製のカルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:サンローズF10MC,25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度:50〜150mPa・s)と同じく日本製紙株式会社製のカルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:サンローズAPP−84,25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度:3〜5mPa・s)とを混合し、25℃のB型粘度計による粘度を600〜950Pa・sになるように調整した表1に示す濃度の水溶液としたものを、固形分換算で表1に示す重量%添加して混練後、ロール式製団機を用いて縦36mm×横36mm×高さ24mmの豆炭状のブリケットに製団し、そのブリケットの含水率が表1に示す値となるように自然養生を行って電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを製造した。

0019

0020

〈実施例6〜10〉実施例1〜5と同じ製鋼副産物及びコークスに、信越化学工業株式会社製のポリビニルアルコール(商品名:ポバールPA−18GP,25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度:1〜2mPa・s)を使用して、表2に示す濃度の水溶液としたものを、固形分換算で表2に示す重量%添加して混練後、ロール式製団機を用いて実施例1〜5とほぼ同じ大きさの豆炭状のブリケットに製団し、そのブリケットの含水率が表2に示す値となるように自然養生を行って電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを製造した。

0021

0022

〈実施例11〜15〉実施例1〜5と同じ製鋼副産物及びコークスに、日本製紙株式会社製のカルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:サンローズF10MC,25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度:50〜150mPa・s)と同じく日本製紙株式会社製のカルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:サンローズAPP−84,25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度:3〜5mPa・s)とを混合し、25℃ののB型粘度計による粘度を600〜950Pa・sになるように調整した水溶液に、信越化学工業株式会社製のポリビニルアルコール(商品名:ポバールPA−18GP,25℃,1%濃度のB型粘度計による粘度:1〜2mPa・s)を混合して、表3に示す濃度の水溶液としたものを、固形分換算で表3に示す重量%添加して混練後、ロール式製団機を用いて実施例1〜5とほぼ同じ大きさの豆炭状のブリケットに製団し、そのブリケットの含水率が表3に示す値となるように自然養生を行って電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを製造した。

0023

0024

〈比較例1〜5〉実施例1〜5と同じ製鋼副産物及びコークスに、濃度50重量%のパルプ廃液を、固形分換算で表4に示す重量%添加して混練後、ロール式製団機を用いて実施例1〜5とほぼ同じ大きさのブリケットに製団し、そのブリケットを350℃で1時間加熱乾燥してその含水率が表4に示す値として電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを製造した。

0025

0026

〈比較例6〜10〉実施例1〜5と同じ製鋼副産物及びコークスに、実施例1〜5と同じカルボキシメチルセルロースナトリウムを、固形分換算で表5に示す重量%添加して混練後、ロール式製団機を用いて実施例1〜5とほぼ同じ大きさのブリケットに製団し、そのブリケットの含水率が表5に示す値となるように自然養生を行って電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを製造した。

0027

0028

〈比較例11〜15〉実施例6〜10と同じ製鋼副産物及びコークスに、実施例6〜10と同じポリビニルアルコールを、固形分換算で表6に示す重量%添加して混練後、ロール式製団機を用いて実施例6〜10とほぼ同じ大きさのブリケットに製団し、そのブリケットの含水率が表6に示す値となるように自然養生を行って電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを製造した。

0029

0030

このようにして電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを製造するに際し、各実施例及び各比較例におけるブリケットに製団直後の初期強度と、養生後の強度と、電気製錬炉で回収したメタル中硫黄含有率と、電力原単位指数と、電気製錬炉ダスト中亜鉛濃度とを以下の方法で測定した。その結果を表7にまとめて示す。

0031

〈初期強度及び養生後の強度〉ブリケットをプレスで押し潰して、ブリケットが崩壊を始めるときの強度(単位:Kgf)を求めた。これらの強度は高い方が好ましく、ブリケットに製団する際に初期のハンドリングによる粉化を防止できるためには初期強度は25Kgf/個以上、電気製錬炉中に投入した際に粉化を防止できる養生後の最終強度は50Kgf/個以上がそれぞれ必要である。

0032

〈電気製錬炉で回収したメタル中の硫黄含有率〉ブリケットを同じ条件で電気製錬炉に投入して回収した有価金属中の硫黄濃度を求めた。回収した有価金属中の硫黄濃度が高いと、その回収した有価金属に対して更に脱硫処理を行わなければならないため不経済であり、有価金属中の硫黄濃度としては、0.15%以下が好ましい。

0033

〈電力原単位指数〉電気製錬炉におけるブリケットの溶解原単位(KWH/メタル・T)を求め、標準値を100とした場合の値で示した。100以下であることが好ましい。

0034

〈電気製錬炉ダスト中の亜鉛濃度〉ブリケットを電気製錬炉中に投入した際にブリケットが崩壊してダストとなる目安として、ダスト中の亜鉛アルカリ溶融して水溶液とし、これをIPC分析によって亜鉛濃度を求めた。これは、電気製錬炉において亜鉛は蒸気となってダストと一緒に回収されるので、ブリケットの強度が高ければ微粉のダストの発生量が少ないので、ダスト中の亜鉛は濃縮された状態となって亜鉛濃度が上昇する。電気製錬炉ダスト中の亜鉛濃度は40%以上が好ましい。

0035

0036

表7の結果から判るように、比較例1〜5のブリケットは有機質バインダーとしてパルプ廃液を使用しているため、初期強度が不足していると共に、回収メタル中の硫黄濃度が高いので、回収メタルに対して別途脱硫処理が必要となる。また、比較例6〜10及び11〜15のブリケットは有機質バインダーとして本発明と同様のカルボキシメチルセルロースナトリウム又はポリビニルアルコールを使用しているが、比較例6及び7のブリケットは有機質バインダーの添加量が不足しているので初期強度が25Kgf/個未満と低いばかりか養生後の強度も低くその結果ダスト中のZn濃度が実施例に比べて低いことからダスト発生量が多いと推測される。比較例8及び9のブリケットは養生後のブリケットの含水率が高いので電力原単位指数が高い。そして比較例8のブリケットはカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液の濃度が高いため、粘度が高くなり、混錬で有機質バインダーが均一に分散されなかったため強度が比較例9のブリケットに比べて低かったと考えられる。比較例10のブリケットは有機質バインダーの添加量が多いから強度は高いが水分の持込量が多く養生後のブリケットの含水率が高いので電力原単位指数が高い。また、有機質バインダーの添加量が多いため経済的でない。比較例11及び12のブリケットは有機質バインダーの添加量が不足しているので初期強度が25Kgf/個未満と低いばかりか養生後の強度も低く、且つ養生後のブリケットの含水率が高いので電力原単位指数が高い。比較例13及び15のブリケットは有機質バインダーの添加量が不足しているので初期強度が25Kgf/個未満と低いばかりか養生後の強度も低くその結果ダスト中のZn濃度が実施例に比べて低いことからダスト発生量が多いと推測される。特に比較例13のブリケットは高めの粘度の有機質バインダーを少量添加したため、有機質バインダーが均一に分散されなかったので強度が低いと考えられる。又、比較例12及び13のブリケットはその強度が弱いことから、電気精錬炉内で粉化したものが吊りを起こし、その棚が崩れたときに原料の精錬反応が進まないまま出銑したため、回収した有価金属中の硫黄濃度が高いと考えられる。比較例14のブリケットは有機質バインダーの添加量が多いから強度は高いが水分の持込量が多く養生後のブリケットの含水率が高いので電力原単位指数が高い。また、有機質バインダーの添加量が多いため経済的でない。

0037

このように比較例はいずれも、強度、回収メタル中の硫黄濃度、電力原単位指数、ダスト中の亜鉛濃度のすべてを満足することができず、いずれかが不十分であることにより、経済性が実施例に比べて劣っていた。

発明の効果

0038

以上に詳述した如く、本発明に係る電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットは、その強度が高いので電気製錬炉中に投入した際にダスト発生量を低減し、ガス抜け等の炉況悪化現象の発生がないため、電力原単位の低減、原料棚吊りによる吹上げ等の異常の抑制等を図ることができ、主原料として電気炉ダスト,転炉ダスト,廃酸スラッジ,スケール粉のような製鋼副産物と還元材としてのコークスとに硫黄を含有しない特定の有機質バインダーを添加しただけのものであり、スラグの塩基度に影響を与えるカルシウムや珪素を積極的に添加したものではないので、電気製錬炉の操業を極めて容易にするばかりか、製鋼副産物中の有価金属を有効に回収できるものである。その結果、製鋼副産物の廃棄物処理費用の低減及び原料歩留向上効果も奏するものである。

0039

そして、本発明に係る電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットの製造方法は、前記効果を奏する電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケットを、加熱処理を一切行うことなく製造できる方法であって、ブリケットへの製団時に製団されたブリケットを崩壊することなく自然養生で初期の目的を有する強度の高いブリケットを製造することを可能とする画期的な方法である。

0040

このような種々の効果を奏する本発明に係る電気製錬炉用の製鋼副産物中の有価金属回収用ブリケット及びその製造方法の工業的価値は非常に大きなものである。

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