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技術 測定誤差の補正方法、電子部品の良否判定方法および電子部品特性測定装置

出願人 株式会社村田製作所
発明者 神谷岳
出願日 2002年9月24日 (17年5ヶ月経過) 出願番号 2002-277393
公開日 2003年8月27日 (16年6ヶ月経過) 公開番号 2003-240827
状態 特許登録済
技術分野 電力量計器;電力、力率の測定;試験、較正 抵抗、インピーダンスの測定 電力、力率、電力量の測定;試験、較正 電子回路の試験
主要キーワード 測定器接続 未定数 基準測定装置 延出配置 測定値差 未知係数 移相角 相対補正
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図面 (17)

課題

基準測定装置に対して測定結果が完全に一致しない実測測定の測定結果を、基準測定装置の測定結果と同等に補正する。

解決手段

補正用データ取得試料11Bの電気特性を、基準測定装置1と実測測定装置2とによりそれぞれ測定したうえで、実測測定装置に2よる測定結果と基準測定装置2による測定結果との間の相互関係式を求める。そして、実測測定装置2により測定した測定対象電気部品11Aの電気特性を相互関係式に代入して計算することで、測定対象電気部品11Aの電気特性を、基準測定装置1により測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する。

概要

背景

電子部品電気特性の測定においては、電子部品のメーカー側に設置された測定装置と、ユーザー側に設置された測定装置といったように、同一ないし同種の電子部品に対して複数の測定装置でその電気特性を測定する場合がある。

このような場合、測定装置によってその測定誤差が互いに異なるために、測定の再現性が低く、同一ないし同種の電子部品に対して異なる測定装置で行った測定結果が同等にならない、という不具合が生じる。

低周波域における電気特性の測定においては、このような測定誤差は比較的小さなものであってそれほど問題とはならない。しかしながら、100MHz以上の高周波域における電気特性を測定する場合においては、各測定装置間の測定誤差が顕著なものとなり、特に数GHz以上といった高周波域においては、測定の再現性を高めるために、以下に説明する絶対補正法を用いたキャリブレーションが実施されている。

予め、標準器(対象となる電気特性が正確に特定できている器具;例えば、オープンショート/ロード/スルー等があり、これの例としてはAgilent Technologies社製の85052Bが挙げられる)が用意される。そして、この標準器の電気特性が各測定装置により種々測定されることで、測定装置それぞれの誤差要因が同定され、例えば、フル2ポート補正法といった精度の高いキャリブレーションが実施されて同定された誤差要因が取り除かれ、測定の再現性が高められる(以下、このような補正方法を絶対補正法とする)。

このように、測定装置においては、上述した標準器を用いた精度の高いキャリブレーション(絶対補正法)を実施して測定の再現性を高めることができる。しかしながら、このようなキャリブレーションは、同軸形状をした電子部品(以下、同軸形状電子部品という)に対する測定においてのみ確実に実施することができる。

これに対して同軸形状でない電子部品(以下、非同軸形状電子部品という)に対する上記キャリブレーションを実施することは困難であった。以下、その理由を説明する。

非同軸形状電子部品の標準器を、非同軸形状電子部品と同等性能に作製するのは極めて困難であって、同軸形状電子部品の標準器に比べても極めて高価なものとなってしまう。そのうえ、そのような標準器を作製したとしてもその電気特性を精度高く特定することは困難である。

さらには、非同軸形状電子部品の標準器を用意するにしても、精度の高いキャリブレーション(例えばフル2ポート補正法)を実施できる測定装置においては、その装置の構造上、上記キャリブレーションを実施可能な標準器は同軸形状でなければ実現が困難な値(典型的には、オープン/ショート/ロード/スルー)のものに限られるという条件がある。このような理由により、非同軸形状電子部品に対して上記キャリブレーションを実施することは困難となる。

なお、キャリブレーションの一つであるTRL補正法等を実施する場合においては、導波管マイクロストリップライン等の非同軸形状電子部品の標準器(典型的にはスルー/リフレクションラインの標準器)を作製しやすい。しかしながら、TRL補正法等に適した標準器においても、その電気特性を精度高く特定することが困難であるのは同様である。

このように、非同軸形状電子部品の電気特性の測定に際して絶対補正法に基づくキャリブレーションを実施してその測定精度を高めることは困難である。そのため、従来では、非同軸形状電子部品の電気特性の測定においては、電子部品の接続点におけるキャリブレーションが行われることなく、次のような測定治具に取り付けた状態での測定が実施される。

測定器に対しては同軸形状の入出力端を有する一方、非同軸形状電子部品に対しては非同軸形状の入出力端を有する測定治具が用意される。この測定治具が測定器の入出力端に接続された同軸ケーブル電気的に接続される。そうしたうえで、測定治具に非同軸形状電子部品が装着されてその電気特性が測定される。なお、測定器の入出力端に接続された同軸ケーブルの先端までは上述したフル2ポート補正法等のキャリブレーションを実施するのが好ましい。

測定治具を用いたこのような非同軸形状電子部品の電気特性測定方法においては、測定治具を含めてキャリブレーションを行うことができない。そのため、測定結果の再現性は低いものとなる。そこで、測定結果の再現性を高めるために、次のような測定装置の調整が実施される。

この調整は、一方の測定装置を、基準測定治具を備えた基準測定装置とみなし、他方の測定装置を、実測測定治具を備えた実測測定装置とみなしたうえで、測定結果において、実測測定装置が基準測定装置に一致するように、実測測定装置の実測測定治具が調整される。具体的には、基準測定装置において、任意の試料(電子部品)に対して電気特性が測定されたうえで、同一試料の電気特性が実測測定装置で測定され、両者の電気特性が同等となるように、実測測定治具が調整される。調整は具体的には次のように実施される。

実測測定治具は、基板表面上の配線端部に試料接続用入出力端子を設けたプリント配線基板に、測定器接続用の同軸コネクタが取り付けられて構成されている。このように構成された実測測定治具では、上記調整が次のように実施される。プリント配線基板上のプリント配線の一部を削り取る、ないしはプリント配線上に半田を盛る等の処理を施しながら測定結果の変化を測定し、基準測定装置における測定結果と同等の電気特性が得られたところで上記処理を終了する。

概要

基準測定装置に対して測定結果が完全に一致しない実測測定の測定結果を、基準測定装置の測定結果と同等に補正する。

補正用データ取得試料11Bの電気特性を、基準測定装置1と実測測定装置2とによりそれぞれ測定したうえで、実測測定装置に2よる測定結果と基準測定装置2による測定結果との間の相互関係式を求める。そして、実測測定装置2により測定した測定対象電気部品11Aの電気特性を相互関係式に代入して計算することで、測定対象電気部品11Aの電気特性を、基準測定装置1により測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する。

目的

したがって、本発明の主たる目的は、基準測定装置に対して測定結果が完全に一致しない実測測定の測定結果を、基準測定装置の測定結果と同等に補正する測定誤差の補正方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
7件

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請求項1

測定対象電子部品電気特性を、測定結果基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定したうえで、その測定値を、前記基準測定装置を用いて測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する測定誤差補正方法であって、予め、補正用データ取得試料として、測定操作により前記測定対象電子部品の任意の電気特性と同等の電気特性を発生させる補正用データ取得試料を用意する工程と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する工程と、前記実測測定装置による測定結果と前記基準測定装置による測定結果との間の相互関係式を求める工程と、前記実測測定装置により測定した前記測定対象電気部品の電気特性を前記相関係式代入したうえで当該相互関係式を計算することで、前記測定対象電気部品の電気特性を、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する工程と、を含むことを特徴とする測定誤差の補正方法。

請求項2

請求項1に記載の測定誤差の補正方法において、前記相互関係式を求める工程は、測定時における前記両測定装置信号伝達形態を、測定誤差要因を含んで想定する手順と、前記信号伝達形態における前記実測測定装置の測定値真値を求める理論数式と、前記信号伝達形態における前記基準測定装置の測定値真値を求める理論数式とを、それぞれ作成する手順と、未定係数を含み前記基準測定装置の測定値真値と前記実測測定装置の測定値真値との間の関係を一義的に示す数式からなる前記相互関係式を、前記両理論数式に基づいて作成する手順と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手順と、前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料の電気特性の測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手順と、を含むことを特徴とする測定誤差の補正方法。

請求項3

請求項1に記載の測定誤差の補正方法において、前記相互関係式を求める工程は、未定係数を含み前記基準測定装置の測定値と前記実測測定装置の測定値との間の関係を近似的に示すn次式(nは自然数)からなる前記相互関係式を作成する手順と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手順と、前記相互関係式に基づいて未定係数算定式を作成したうえで前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料の電気特性の測定値を、前記未定係数算定式に代入することで、前記未定係数を特定する手順と、を含むことを特徴とする測定誤差の補正方法。

請求項4

請求項1ないし3のいずれかに記載の測定誤差の補正方法において、誤差補正の対象は前記測定対象電子部品が有する複数の電気特性であり、前記補正用データ取得試料として、測定装置による測定操作により互いに異なる電気特性を発生させる複数の試料を用いる、ことを特徴とする測定誤差の補正方法。

請求項5

請求項4に記載の測定誤差の補正方法において、前記誤差補正の対象となる電気特性は、前記測定対象電子部品のSパラメータであり、各測定装置を構成する測定器は、ネットワークアナライザである、ことを特徴とする測定誤差の補正方法。

請求項6

基準測定装置によって測定した場合の電気特性を要求特性とされる測定対象電子部品を、測定結果が前記基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定し、その測定結果に基づいて良否判定を行う電子部品良否判定方法であって、前記実測測定装置によって測定した前記測定対象電子部品の電気特性を、請求項1ないし5のいずれかに記載の測定誤差の補正方法によって補正し、この補正後の電気特性と前記要求特性とを比較して前記測定対象電子部品の良否を判定する、ことを特徴とする電子部品の良否判定方法。

請求項7

測定対象電子部品の電気特性を測定する測定手段を有するものの、その測定結果が基準測定装置と一致しない電子部品特性測定装置であって、前記測定対象電子部品の任意の電気特性と同等の電気特性を発生させる補正用データ取得試料の電気特性を前記基準測定装置で測定した測定結果を記憶する記憶手段と、前記測定手段により測定する前記補正用データ取得試料の電気特性と、前記記憶手段で記憶している基準測定装置による前記補正用データ取得試料の電気特性との間の相互関係式を算定する相互関係式算定手段と、前記測定手段により測定する前記測定対象電気部品の電気特性を前記相互関係式に代入したうえで当該相互関係式を計算することで、前記測定対象電気部品の電気特性を、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する補正手段と、を有することを特徴とする電子部品特性測定装置。

請求項8

請求項7に記載の電子部品特性測定装置において、前記相互関係式算定手段は、測定時における前記両測定装置の信号伝達形態を、測定誤差要因を含んで想定する手段と、前記信号伝達形態における前記実測測定装置の測定値真値を求める理論数式と、前記信号伝達形態における前記基準測定装置の測定値真値を求める理論数式とを、それぞれ作成する手段と、未定係数を含み前記基準測定装置の測定値真値と前記実測測定装置の測定値真値との間の関係を一義的に示す数式からなる前記相互関係式を、前記両理論数式に基づいて作成する手段と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手段と、前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料の電気特性の測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手段と、を備えることを特徴とする電子部品特性測定装置。

請求項9

請求項7に記載の電子部品特性測定装置において、前記相互関係式を求める手段は、未定係数を含み前記基準測定装置の測定値と前記実測測定装置の測定値との間の関係を近似的に示すn次式(nは自然数)からなる前記相互関係式を作成する手段と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手段と、前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料の電気特性の測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手段と、を備えることを特徴とする電子部品特性測定装置。

技術分野

0001

本発明は、測定結果基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定した電子部品電気特性を、前記基準測定装置を用いて測定した場合に得られると推定される電気特性へ補正する測定誤差補正方法、その補正方法を用いた電子部品の良否判定方法、およびその補正方法を実施する電子部品特性測定装置に関する。

背景技術

0002

電子部品の電気特性の測定においては、電子部品のメーカー側に設置された測定装置と、ユーザー側に設置された測定装置といったように、同一ないし同種の電子部品に対して複数の測定装置でその電気特性を測定する場合がある。

0003

このような場合、測定装置によってその測定誤差が互いに異なるために、測定の再現性が低く、同一ないし同種の電子部品に対して異なる測定装置で行った測定結果が同等にならない、という不具合が生じる。

0004

低周波域における電気特性の測定においては、このような測定誤差は比較的小さなものであってそれほど問題とはならない。しかしながら、100MHz以上の高周波域における電気特性を測定する場合においては、各測定装置間の測定誤差が顕著なものとなり、特に数GHz以上といった高周波域においては、測定の再現性を高めるために、以下に説明する絶対補正法を用いたキャリブレーションが実施されている。

0005

予め、標準器(対象となる電気特性が正確に特定できている器具;例えば、オープンショート/ロード/スルー等があり、これの例としてはAgilent Technologies社製の85052Bが挙げられる)が用意される。そして、この標準器の電気特性が各測定装置により種々測定されることで、測定装置それぞれの誤差要因が同定され、例えば、フル2ポート補正法といった精度の高いキャリブレーションが実施されて同定された誤差要因が取り除かれ、測定の再現性が高められる(以下、このような補正方法を絶対補正法とする)。

0006

このように、測定装置においては、上述した標準器を用いた精度の高いキャリブレーション(絶対補正法)を実施して測定の再現性を高めることができる。しかしながら、このようなキャリブレーションは、同軸形状をした電子部品(以下、同軸形状電子部品という)に対する測定においてのみ確実に実施することができる。

0007

これに対して同軸形状でない電子部品(以下、非同軸形状電子部品という)に対する上記キャリブレーションを実施することは困難であった。以下、その理由を説明する。

0008

非同軸形状電子部品の標準器を、非同軸形状電子部品と同等性能に作製するのは極めて困難であって、同軸形状電子部品の標準器に比べても極めて高価なものとなってしまう。そのうえ、そのような標準器を作製したとしてもその電気特性を精度高く特定することは困難である。

0009

さらには、非同軸形状電子部品の標準器を用意するにしても、精度の高いキャリブレーション(例えばフル2ポート補正法)を実施できる測定装置においては、その装置の構造上、上記キャリブレーションを実施可能な標準器は同軸形状でなければ実現が困難な値(典型的には、オープン/ショート/ロード/スルー)のものに限られるという条件がある。このような理由により、非同軸形状電子部品に対して上記キャリブレーションを実施することは困難となる。

0010

なお、キャリブレーションの一つであるTRL補正法等を実施する場合においては、導波管マイクロストリップライン等の非同軸形状電子部品の標準器(典型的にはスルー/リフレクションラインの標準器)を作製しやすい。しかしながら、TRL補正法等に適した標準器においても、その電気特性を精度高く特定することが困難であるのは同様である。

0011

このように、非同軸形状電子部品の電気特性の測定に際して絶対補正法に基づくキャリブレーションを実施してその測定精度を高めることは困難である。そのため、従来では、非同軸形状電子部品の電気特性の測定においては、電子部品の接続点におけるキャリブレーションが行われることなく、次のような測定治具に取り付けた状態での測定が実施される。

0012

測定器に対しては同軸形状の入出力端を有する一方、非同軸形状電子部品に対しては非同軸形状の入出力端を有する測定治具が用意される。この測定治具が測定器の入出力端に接続された同軸ケーブル電気的に接続される。そうしたうえで、測定治具に非同軸形状電子部品が装着されてその電気特性が測定される。なお、測定器の入出力端に接続された同軸ケーブルの先端までは上述したフル2ポート補正法等のキャリブレーションを実施するのが好ましい。

0013

測定治具を用いたこのような非同軸形状電子部品の電気特性測定方法においては、測定治具を含めてキャリブレーションを行うことができない。そのため、測定結果の再現性は低いものとなる。そこで、測定結果の再現性を高めるために、次のような測定装置の調整が実施される。

0014

この調整は、一方の測定装置を、基準測定治具を備えた基準測定装置とみなし、他方の測定装置を、実測測定治具を備えた実測測定装置とみなしたうえで、測定結果において、実測測定装置が基準測定装置に一致するように、実測測定装置の実測測定治具が調整される。具体的には、基準測定装置において、任意の試料(電子部品)に対して電気特性が測定されたうえで、同一試料の電気特性が実測測定装置で測定され、両者の電気特性が同等となるように、実測測定治具が調整される。調整は具体的には次のように実施される。

0015

実測測定治具は、基板表面上の配線端部に試料接続用入出力端子を設けたプリント配線基板に、測定器接続用の同軸コネクタが取り付けられて構成されている。このように構成された実測測定治具では、上記調整が次のように実施される。プリント配線基板上のプリント配線の一部を削り取る、ないしはプリント配線上に半田を盛る等の処理を施しながら測定結果の変化を測定し、基準測定装置における測定結果と同等の電気特性が得られたところで上記処理を終了する。

発明が解決しようとする課題

0016

上述した電子部品の電気特性の測定方法には、同軸形状電子部品に対する測定、非同軸形状に対する測定とも、次のような課題がある。

0017

同軸形状電子部品の測定方法においては、キャリブレーションを実施するために必要となる標準器は入手可能であるものの高価であるため、そのような高価な標準器を用意しなければならない分、キャリブレーションに要するコスト、延いては、電子部品の電気特性の測定に要するコストが嵩んでしまうという課題がある。

0018

また、非同軸形状電子部品の測定方法においては、上述した実測測定治具の調整方法は、理論的解明された方法ではなく、熟練に頼った非常に手間のかかるものであるうえ、熟練者であっても、調整を精度高く再現することが困難である。

0019

さらには、このような実測測定治具の調整方法は、調整時に用いた試料を測定した場合に再現性を保証できる調整方法にすぎず、他の試料を測定した場合に再現性を保証できるとは限らず、その再現性は不安定と言わざるを得ない。

0020

したがって、本発明の主たる目的は、基準測定装置に対して測定結果が完全に一致しない実測測定の測定結果を、基準測定装置の測定結果と同等に補正する測定誤差の補正方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0021

上述した目的を達成するためには、本発明では、測定対象電子部品の電気特性を、測定結果が基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定したうえで、その測定値を、前記基準測定装置を用いて測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する測定誤差の補正方法であって、予め、補正用データ取得試料として、測定操作により前記測定対象電子部品の任意の電気特性と同等の電気特性を発生させる補正用データ取得試料を用意する工程と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する工程と、前記実測測定装置による測定結果と前記基準測定装置による測定結果との間の相互関係式を求める工程と、前記実測測定装置により測定した前記測定対象電気部品の電気特性を前記相関係式代入したうえで当該相互関係式を計算することで、前記測定対象電気部品の電気特性を、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する工程と、を含むことに特徴を有している。これにより、次のような作用を有する。

0022

電気特性が同定されていない補正用データ取得試料を用いた測定結果に基づいて実測測定装置と基準測定装置との間の相互関係式を求め、この相互関係式に基づいて、測定対象電気部品の電気特性を、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定される電気特性に補正しているので、高価な標準器を用いたキャリブレーションが必要なくなるうえ、実測測定装置に用いる実測測定治具等の調整も必要なくなる。さらには、理論計算により電気特性の補正を行うために、電子部品の形状(同軸形状/非同軸形状)によらず、その電気特性の測定の再現性を高めることが可能となる。

0023

なお、前記相互関係式を用いた補正法として本発明は、解析式相対補正法近似式相対補正法とを提案している。

0024

解析式相対補正法による相互関係式の求め方として本発明は、測定時における前記両測定装置の信号伝達形態を、測定誤差要因を含んで想定する手順と、前記信号伝達形態における前記実測測定装置の測定値真値を求める理論数式と、前記信号伝達形態における前記基準測定装置の測定値真値を求める理論数式とを、それぞれ作成する手順と、未定係数を含み前記基準測定装置の測定値真値と前記実測測定装置の測定値真値との間の関係を一義的に示す数式からなる前記相互関係式を、前記両理論数式に基づいて作成する手順と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手順と、前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料の電気特性の測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手順と、を含むことに特徴を有している。

0025

近似式相対補正法による相互関係式の求め方として本発明は、未定係数を含み前記基準測定装置の測定値と前記実測測定装置の測定値との間の関係を近似的に示すn次式(nは自然数)からなる前記相互関係式を作成する手順と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手順と、前記相互関係式に基づいて未定係数算定式を作成したうえで前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料の電気特性の測定値を、前記未定係数算定式に代入することで、前記未定係数を特定する手順と、を含むことに特徴を有している。

0026

なお、誤差補正の対象は前記測定対象電子部品が有する複数の電気特性であり、前記補正用データ取得試料として、測定装置による測定操作により互いに異なる電気特性を発生させる複数の試料を用いるのが好ましく、そうすれば、相互関係式による補正精度がさらに向上することになる。さらには、任意の電気特性を発生させる補正用データ取得試料を用意すればよく、その特性の物理的真値を同定する必要もないので、その作製・入手が比較的簡単になる。

0027

なお、前記誤差補正の対象は、前記測定対象電子部品のSパラメータであり、各測定装置を構成する測定器は、ネットワークアナライザであるのが好ましい。

0028

また、前記Sパラメータの一例としては、それぞれ、順方向反射係数、順方向伝達係数、逆方向反射係数、および逆方向伝達係数を挙げることができる。

0029

近似式相対補正法によって前記相互関係式を作成する手順の具体例として、次の手順が挙げられる。

0030

前記相互関係式を作成する手順は、前記相互関係式として、一次式からなる次の(B2)式を、前記未定数算定式として、次の(B1a)〜(B1d)式をそれぞれ作成するステップと、前記補正用データ取得試料として、測定操作により互いに異なる電気特性を発生させる5個の補正用データ取得試料を準備したうえで、これら補正用データ取得試料のSパラメータ(S11n,S21n,S12n,S22n:nは1から5の自然数)を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とで測定するステップと、測定したSパラメータ(S11n,S21n,S12n,S22n)を、前記前記未定係数算定式(B1a)〜(B1d)に代入することで、未定係数(am,bm,cm,dm:mは0から4の整数)を確定し、特定した未定係数(am,bm,cm,dm)を前記相互関係式(B2)に挿入するステップとを含んでいる。

0031

ID=000003HE=110 WI=064 LX=1180 LY=1000
S11n*,S21n*,S12n*,S22n*:基準測定装置で測定した補正用データ取得試料のSパラメータ
S11nM,S21nM,S12nM,S22nM:実測測定装置で測定した補正用データ取得試料のSパラメータ

0032

ID=000004HE=025 WI=063 LX=1185 LY=2400
S11*,S21*,S12*,S22*:基準測定装置で測定した場合に得られると推定可能な測定対象電子部品のSパラメータ
S11M,S21M,S12M,S22M:実測測定装置で測定する測定対象電子部品のSパラメータ
近似式相対補正法によって前記相互関係式を作成する手順のさらに他の具体例として、次の手順が挙げられる。

0033

前記相互関係式を作成する手順は、前記相互関係式として二次式からなる次の(C2a)〜(C2d)式を、前記未定数算定式として次の(C1a)〜(C1d)式を、それぞれ作成するステップと、前記補正用データ取得試料として、測定操作により互いに異なる電気特性を発生させる15個の補正用データ取得試料を準備したうえで、これら補正用データ取得試料のSパラメータ(S11p,S21p,S12p,S22p:pは1から15の自然数)を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とで測定するステップと、測定したSパラメータ(S11p,S21p,S12p,S22p)を、前記未定係数算定式(C1a)〜(C1d)に代入することで、未定係数(aq,bq,cq,dq:qは0から14の整数)を確定するステップと、特定した未定係数(aq,bq,cq,dq)を前記相互関係式(C2a)〜(C2d)に挿入するステップとを含んでいる。

0034

0035

0036

0037

ID=000008HE=065 WI=158 LX=0260 LY=1000
S11p*,S21p*,S12p*,S22p*:基準測定装置で測定した補正用データ取得試料のSパラメータ
S11pM,S21pM,S12pM,S22pM:実測測定装置で測定した補正用データ取得試料のSパラメータ

0038

0039

0040

0041

ID=000012HE=065 WI=100 LX=0550 LY=1700
S11*,S21*,S12*,S22*:基準測定装置で測定した場合に得られると推定可能な測定対象電子部品のSパラメータ
S11M,S21M,S12M,S22M:実測測定装置で測定する測定対象電子部品のSパラメータ
本発明の測定誤差の補正方法は電子部品の良否判定方法において、最適に実施することができる。この場合、電子部品の良否判定方法は、基準測定装置によって測定した場合の電気特性を要求特性とされる測定対象電子部品を、測定結果が前記基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定し、その測定結果に基づいて良否判定を行うことにより構成される。

0042

このような判定方法において、本発明を実施する場合には、前記実測測定装置によって測定した前記測定対象電子部品の電気特性を、本発明の測定誤差の補正方法によって補正し、この補正後の電気特性と前記要求特性とを比較して前記測定対象電子部品の良否を判定すればよい。そうすれば、測定対象電子部品の良否を精度高く判定することができる。

0043

本発明は、上述した測定誤差の補正方法を実施できる測定装置としては、次の電子部品特性測定装置を提案する。

0044

この測定装置は、測定対象電子部品の電気特性を測定する測定手段を有するものの、その測定結果が基準測定装置と一致しない測定装置であって、前記測定対象電子部品の任意の電気特性と同等の電気特性を発生させる補正用データ取得試料の電気特性を前記基準測定装置で測定した測定結果を記憶する記憶手段と、前記測定手段により測定する前記補正用データ取得試料の電気特性と、前記記憶手段で記憶している基準測定装置による前記補正用データ取得試料の電気特性との間の相互関係式を算定する相互関係式算定手段と、前記測定手段により測定する前記測定対象電気部品の電気特性を前記相互関係式に代入したうえで当該相互関係式を計算することで、前記測定対象電気部品の電気特性を、前記基準測定装置により測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する補正手段と、を有している。

0045

本発明の測定装置を、解析式相対補正法に基づいて構成する場合、前記相互関係式算定手段は、測定時における前記両測定装置の信号伝達形態を、測定誤差要因を含んで想定する手段と、前記信号伝達形態における前記実測測定装置の測定値真値を求める理論数式と、前記信号伝達形態における前記基準測定装置の測定値真値を求める理論数式とを、それぞれ作成する手段と、未定係数を含み前記基準測定装置の測定値真値と前記実測測定装置の測定値真値との間の関係を一義的に示す数式からなる前記相互関係式を、前記両理論数式に基づいて作成する手段と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手段と、前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料の電気特性の測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手段と、を備えるのが好ましい。

0046

本発明の測定装置を近似式相対補正法に基づいて構成する場合、前記相互関係式算定手段は、未定係数を含み前記基準測定装置の測定値と前記実測測定装置の測定値との間の関係を近似的に示すn次式(nは自然数)からなる前記相互関係式を作成する手段と、前記補正用データ取得試料の電気特性を、前記基準測定装置と前記実測測定装置とによりそれぞれ測定する手段と、前記両測定装置で測定した前記補正用データ取得試料の電気特性の測定値を、前記相互関係式に代入することで、前記未定係数を特定する手段と、を備えるのが好ましい。

0047

本発明は、実測測定装置の測定結果を基準測定装置の測定結果に補正する際に、従来例で説明した絶対補正法ではなく相対補正法に基づいて補正操作を実施している。相対補正法とは次のような補正法である。

0048

相対補正法は、実測測定装置(実測測定治具を含む)で測定した測定対象電子部品の電気特性(試料真値+実測測定装置の測定誤差)に基づいて、基準測定装置(基準測定治具を含む)で測定した場合に得られると推定される電気特性(試料真値+基準測定装置の測定誤差)に補正する補正方法である。相対補正法は、測定対象電子部品の試料真値が既知に限らず未知のものでもよい点に特徴がある。

0049

本発明は、相対補正法として、解析式相対補正法と近似式相対補正法とを提案している。解析式相対補正法により補正する場合には、両測定装置の測定誤差要因を含んだ信号伝達形態を想定する必要がある。この場合、信号伝達形態は、測定誤差要因に対応すればよく、任意のものとして想定される。このような信号伝達形態としては、絶対補正法において従来から用いられているものを用いることができる。解析式相対補正法は、原理的にみて線形的な全ての誤差を精度高く補正することができる。しかしながら、解析式相対補正法は、非線形的な誤差を補正することができない。このような解析式相対補正法の特徴は絶対補正法と同様である。

0050

近似式相対補正法は、解析式相対補正法で用いる解析式が複雑になり過ぎる場合等において、解析式を近似式で代用した補正法である。近似式相対補正法には、近似式の近似精度にどうしても限界が存在するために追加誤差が発生するのは避けられない。しかしながら、近似式相対補正法には、補正用データ取得試料の数が少なくできる。また、非線形的な誤差を補正することができる。

発明を実施するための最良の形態

0051

第1の実施の形態
本実施形態では、表面実装型SAWフィルタを測定対象電子部品として、このSAWフィルタの電気特性を、ネットワークアナライザを有する測定装置で測定する際の測定誤差の補正方法において本発明が実施されている。

0052

図1は本実施形態の測定装置の構成を示す平面図であり、図2は測定治具の構成を示す平面図であり、図3は実測測定装置のネットワークアナライザの構成を示すブロック図であり、図4測定対象試料である電子部品や補正データ取得試料の構成を示す裏面図であり、図5は補正データ取得試料の構成を示す平面図であり、図6は補正データ取得試料の等価回路図である。

0053

基準測定装置1および実測測定装置2を構成する測定装置は、図1に示すように、ネットワークアナライザ3A,3Bと、同軸ケーブル4A,4Bと、測定治具5A,5Bとを備えている。なお、ネットワークアナライザ3Aと測定治具5Aとは基準測定装置1に設けられており、ネットワークアナライザ3Bと測定治具5Bとは実測測定装置2に設けられている。

0054

ネットワークアナライザ3A,3Bは、高周波に用いられる電子部品の電気特性を測定する測定器であって、2ポートの入出力部(ポート1,ポート2)を有している。これらのポート1,2それぞれに同軸ケーブル4A,4Bが接続されている。同軸ケーブル4A,4Bの遊端には、同軸ケーブルコネクタ6が設けられている。

0055

測定治具5A,5Bは、図2に示すように、絶縁基板7と、接続用配線部8と、同軸コネクタ9A,9Bとを備えている。接続用配線部8は、絶縁基板7の基板表面7aに形成されており、信号伝送路8a,8bと、接地線路8c〜8fとを備えている。信号伝送路8a,8bは、絶縁基板7の基板表面7aにおいて、基板両端それぞれから基板中央に向かって延出配置されており、その延出端部それぞれは、基板表面7aの中央部において所定の離間間隔を空けて対向配置されている。接地線路8c〜8fは、基板表面7aの中央部において、信号伝送路8a,8bの両側それぞれに設けられている。伝送路8a側に位置する線路8c,8dと、伝送路8b側に位置する伝送路8e,8fとは、基板表面7aの中央部において所定の離間間隔(信号伝送路8a,8bと同等)を空けて対向配置されている。

0056

信号伝送路8a,8bは、基板端部において、同軸コネクタ9A,9Bの内部導体コンタクト(図示省略)に接続されている。接地線路8c〜8fは、スルーホール接続部10を介して基板裏面のグランドパターン(図示省略)に接続されており、さらには、グランドパターンを介して、同軸コネクタ9A,9Bの外部導体コンタクト(図示省略)に接続されている。

0057

なお、図2においては、基準測定装置1の測定治具(以下、基準測定治具という)5Aと、実測測定装置2の測定治具(以下、実測測定治具という)5Bとを、同じ形状を有するものとしているが、これらは、特に同じ形状のものとする必要はない。特に、実測測定治具5Bの形状は、自動選別測定機等に適した形状にするなどにより、基準測定治具5Aと異なる形状にしてもよい。

0058

実測測定装置2を構成するネットワークアナライザ3Bは、図3に示すように、ネットワークアナライザ本体20と、制御部21とを備えている。制御部21は、制御部本体22と、メモリ23と、相互関係式算定手段24と、補正手段25とを備えている。

0059

測定対象電子部品11Aや補正データ取得試料11Bは、図4に示すように、その裏面11aに、伝送路端子12a,12bまたは擬似伝送路端子14a,14bと、接地端子12c〜12fまたは擬似接地端子14c〜14fとを備えている。測定対象試料11A,補正データ取得試料11Bの裏面11aを測定治具5の基板表面7aに当接させることで、伝送路端子12a,12b(または擬似伝送路端子14a,14b),接地端子12c〜12f(または擬似接地端子14c〜14f)を、信号伝送路8a,8b,接地線路8c〜8fに圧着させる。これにより測定対象電子部品11A,補正データ取得試料11Bは、測定治具5A,5Bに測定実装される。

0060

本実施形態では、補正データ取得試料11Bとして、測定装置1,2による測定操作により測定対象電子部品11Aの任意の電気特性と同等の電気特性を発生させる試料を用意する。さらには、本実施形態では、補正データ取得試料11Bとして、測定装置により発生させる前記電気特性が互いに異なる複数(例えば6個)の試料11B1〜6を用意する。

0061

補正データ取得試料11B1〜6は、図5に示すように、測定対象電子部品11Aと同等の形状を有する枠体13を有している。枠体13には、測定対象電子部品11Aの伝送路端子12a,12bや接地端子12c〜12fと同等の構造を有する擬似伝送路端子14a,14b、および擬似接地端子14c〜14fが設けられている。これら擬似伝送路端子14a,14b,擬似接地端子14c〜14fは、枠体13の下面から側面を介して上面13aまで延出した形状に形成されている。これら擬似伝送路端子14a,14b,擬似接地端子14c〜14fの枠体上面側延出端は、それぞれ実装端子15a〜15fを構成している。

0062

互いに隣り合う実装端子(15aと15b),(15aと15d),(15aと15c),(15bと15e),(15bと15f)の間には、抵抗素子等からなる電気特性調整用素子16a〜16eが実装されている。

0063

このようにして電気特性調整用素子16a〜16eが実装された補正データ素子11B1〜6では、図6の等価回路図に示すように、信号入出力端17A,17Bの間に抵抗成分R1が設けられている。信号入出端17A,17Bと接地電位との間に、抵抗成分R2,R3が設けられている。電気特性調整用素子16a〜16eの電気特性(抵抗素子である場合には抵抗値)を任意に設定することで、補正データ取得試料11B1〜6の特性(測定装置により測定される電気特性)をランダムに設定することが可能である。本実施形態では、測定装置による測定操作で生じさせる電気特性の正確な値を補正データ取得試料11B1〜6に予め設定しておく必要はない。そのため、その分だけ補正データ取得試料11B1〜6の作製コストを低く抑えることができる。

0064

以下、本実施形態の測定装置による測定誤差の補正方法(解析式相対補正方法)を説明する。

0065

まず、その概要を説明する。非同軸形状試料の高周波特性の測定における共通な課題として、その特性(散乱係数等)の測定結果が測定装置によって異なった値となってしまうというものがある。具体的には、ユーザー保証を行う治具(基準測定治具5A)を含んだ測定装置(基準測定装置1)による補正データ取得試料11Bの測定結果と、出荷検査時に使用する治具(実測測定治具5B)を含んだ測定装置(実測測定装置2)による補正データ取得試料11Bの測定結果とが異なってしまうという課題である。このような測定結果の不一致は、出荷検査時におけるユーザー保証を不可能にしてしまう。

0066

そこで、本実施形態では、このような課題に対して、実測測定装置2による測定結果から基準測定装置1による測定結果を相対補正法に基づいた計算によって推定している。

0067

以下、不平衡2ポートの測定系に対応した本実施形態の補正方法(解析式相対補正法)の理論を説明する。

0068

まず、各測定系(基準測定装置1および実測測定装置2)の誤差要因を図7に示される信号伝達形態によってモデル化する。なお、図7に示す信号伝達形態は、一般的に用いられている2ポート誤差モデルと同様である。

0069

図7の信号伝達形態(誤差モデル)は同軸測定系においては非常に正確なモデルであるが、測定治具を用いた非同軸測定系等に対しては厳密にいえば正確ではない。これは漏洩の取り扱いについて現実物理現象乖離した部分があることに起因している。

0070

本実施形態ではこの信号伝達形態(誤差モデル)が長年にわたって世界的に用いられてきている実績を尊重し、非同軸測定系等に対しては厳密にいえば不正確であることを知りつつこの信号伝達形態を採用することにする。ただし、必要に応じてさらに正確な信号伝達形態を作成し、その信号伝達形態を用いて相対補正法の式を誘導しても良い。なお、図7の信号伝達形態は、測定治具に漏洩が多い場合には誤差が大きくなりやすいという特性があるものの、測定治具に漏洩が少ない(いわゆるアイソレーションの良い)場合では誤差はさほど大きくならない。

0071

この信号伝達形態において、誤差要因が全て同定されていたとすると、補正データ取得試料11B1〜6の測定値(S11M,S21M,S12M,S22M)からその散乱係数の真値(S11A,S21A,S12A,S22A)は次の理論数式(A1a)〜(A1d)によって求められる。なお、理論数式(A1a)〜(A1d)は、図7の信号伝達形態を基に式を組み立てれば導き出すことができる。

0072

ID=000013HE=105 WI=095 LX=0575 LY=1400
散乱係数の真値が(S11A,S21A,S12A,S22A)である補正データ取得試料11B1〜6を測定としたとき、基準測定装置1では散乱係数(S11D,S21D,S12D,S22D)が、実測測定装置2では散乱係数(S11M,S21M,S12M,S22M)がそれぞれ測定されるとする。

0073

なお、以下の説明では、基準測定装置1(基準測定冶具5A)の誤差要因をEDF1のように誤差要因名に添え字1を付して、実測測定装置2(実測測定冶具5B)の誤差要因をEXR2のように誤差要因名に添え字2を付して表すことにする。誤差要因名は図7中のものに準じる。

0074

ここで、補正データ取得試料11Bの散乱係数の真値(S11A,S21A,S12A,S22A)および、基準測定装置1(基準測定冶具5A)・実測測定装置2(実測測定冶具5B)の誤差要因の値を具体的に知ることは実際には不可能である。一方、基準測定装置1における測定値(S11D,S21D,S12D,S22D) や実測測定装置2におけ測定値(S11M,S21M,S12M,S22M)は実測によって知ることのできる値である。

0075

本実施形態における相対補正法の目的は、実測測定装置2の測定値から基準測定装置1の測定値を求めることである。

0076

仮に基準測定装置1(基準測定冶具5A)・実測測定装置2(実測測定冶具5B)の誤差要因が同定されているとする。このとき、基準測定装置1や実測測定装置2の測定値の各々と試料散乱係数とに間の関係を示す理論数式を、上記理論数式(A1a)〜(A1d)を基にして考察すると、次に示す理論数式(A2a)〜(A2d)と理論数式(A3a)〜(A3d)とが成立する。これらの理論数式は、各測定装置1,2(測定冶具5A,5B)の誤差要因が同定されていればその測定装置1,2(測定冶具5A,5B)での測定値から試料散乱係数を計算で求めることができるということを示している。

0077

0078

ID=000015HE=120 WI=097 LX=0565 LY=0300
ところで、基準測定装置1・実測測定装置2の双方で同じ試料を測定したとすれば試料散乱係数は理論数式(A2a)〜(A2d)と,理論数式(A3a)〜(A3d)との間で等しくなる。そこで、理論数式(A2a)〜(A2d)と理論数式(A3a)〜(A3d)の各々から試料散乱係数(S11A,S21A,S12A,S22A)を消去すると次の相互関係式(A4a)〜(A4d)が得られる。相互関係式(A4a)〜(A4d)は、実測測定装置2による測定結果と基準測定装置1による測定結果との間の関係を示す式である。

0079

0080

0081

0082

ID=000019HE=080 WI=109 LX=0505 LY=1800
このようにして得られる相互関係式(A4a)〜(A4d)を実測測定装置2(実測測定治具5B)での測定値(S11M,S21M,S12M,S22M)について整理する。さらに、整理した式を簡略化する為に適当に誤差要因を変数で置き換える。すると次の相互関係式(A5a)〜(A5d)が得られる。相互関係式OLE_LINK1(A5a)〜(A5d)OLE_LINK1中、a0,a1,a3,b0,b1,b3,c0,c1,c3,d0,d1,e0,e1,e3,f0,f1,k,mの計18個とEXF1,EXR1,EXF2,EXR2の4つがこの相互関係式に含まれる未定係数である。なお、S11Dについての式とS21Dについての式、および、S22Dについての式とS12Dについての式の右辺分数部分母に用いている未定係数は同じ記号を用いているが、これは各々の係数が全く等しいことを示している。

0083

ID=000020HE=085 WI=112 LX=0490 LY=0500
このようにして作製した相互関係式(A5a)〜(A5d)では、上述した22個の未定係数を決定すれば良い。これら相互関係式(A5a)〜(A5d)は有理式であって、
・2変数(例えばa0とb0)は基準として1とおける、
・漏洩は無視し得ることがほとんどである、
と見なすことができる。

0084

以上のことから、相互関係式(A5a)〜(A5d)の未定係数は、事実上、16個となる。

0085

また、1つの試料を測定すれば4つの式が得られる。

0086

このことから、理論上は補正用データ取得試料11Bを4個測定すれば相互関係式(A5a)〜(A5d)に含まれる未定係数を決定することができる。

0087

しかしながら、未定係数k,mは他の係数との積として現れており、相互関係式(A5a)〜(A5d)に現れる未定係数を同定することは容易ではない。そこで、必要な補正用データ取得試料11Bの数は多少増えてしまうが、k,mと他の未定係数の積を独立変数と扱うことにより方程式線形化し未定係数の計算を容易にすることができる。この置き換えを行った結果を次の相互関係式(A6a)〜(A6d)式に示す。これらの相互関係式中、a0〜a4,b0〜b4,c0〜c4,d0,d1,e0〜e4,f0,f1の計22個とEXF1,EXR1,EXF2,EXR2の4つが未定係数である。

0088

ID=000021HE=080 WI=111 LX=0495 LY=0300
相互関係式(A6a)〜(A6d)で、EXF1,EXR1,EXF2,EXR2の4つはいわゆるポート間漏洩(リーク)であり、アイソレーションの良い測定装置1,2(測定冶具5A,5B)では無視し得ることが多い。この場合、これらの未定係数は単に0とおけば良い。また、無視し得ない場合においても、これらのポート間漏洩(リーク)は簡単に見積もることができる。例えば、測定装置1,2(測定冶具5A,5B)に補正データ取得試料11B等を取り付けない状態で測定を行ったときの散乱係数の測定値をそのままこれらの値[ポート間漏洩(リーク)]とすることもできる。このような適当な方法によりこれら漏洩誤差を同定したとして変数の置き換えを行うと、相互関係式(A6a)〜(A6d)は、次の(A7a)〜(A7d)式で整理される。このような変数の置き換えを行うと数式が簡単になるので以後この置き換えを行ったうえで説明する。

0089

ID=000022HE=035 WI=043 LX=0385 LY=2000
さて、残りの24個の未定係数は各式の右辺の分数部を作っているわけであるが、相互関係式(A6a)〜(A6d)の各式とも基本的には有理式であり明らかに分子と分母に含まれる係数のうち1つは任意に決めることができる。どの未定係数を選ぶかは任意であるが、ここでは一例としてa0とb0がいずれも1であるとする。ここで式を整理してベクトル式にすると、相互関係式(A6a)〜(A6d)は、さらに次の相互関係式(A8a)〜(A8d)として整理される。なお、相互関係式(A8a)〜(A8d)中のtは行と列を入れ替えベクトルを示している。

0090

ID=000023HE=080 WI=114 LX=0480 LY=0300
ここで注目すべきは、相互関係式(A8a)〜(A8d)には試料散乱係数(S11A,S21A,S12A,S22A)が含まれておらず、また未定係数が22個しか含まれていないことである。すなわち、1つの補正データ取得試料11Bを基準測定装置1(基準測定冶具5A)と実測測定装置2(実測測定冶具5B)の両方で測定すれば相互関係式(A8a)〜(A8d)が得られる。

0091

したがって、この相互関係式(A8a)〜(A8d)を用いれば、5.5個(=22/4:実際には6個となる)の補正データ取得試料11B1〜6を基準測定装置1(基準測定冶具5A)と実測測定装置2(実測測定治具5B)の両方で測定すれば全ての未定係数を決定することができる。

0092

なお、先に述べたとおり、漏洩誤差(EXF1,EXR1,EXF2,EXR2)を無視しない場合は、これを測定するために1個余分に補正データ取得試料11Bが必要なので計7個の補正データ取得試料11B1〜7が必要になる。

0093

いったん未定係数が同定されれば、任意の測定対象電子部品11Aの実測測定装置2(実測測定治具5B)の測定値から上述した相互関係式(A6a)〜(A6d)を用いて基準測定装置(基準測定冶具)での測定値を計算で求めることができる。

0094

相互関係式(A8a)〜(A8d)を用いて未定係数を決定する具体的な方法は、どのような方法であっても良いのだが、実際には計算機を用いて計算を行わないと非常に手間がかかる。そのため、計算機を用いた未定係数の決定方法の一例を説明する。

0095

まず、各測定装置1,2の測定冶具5A,5Bに補正データ取得試料11B1〜6を取り付けない状態で散乱係数を測定することで、各測定装置1,2(測定治具5A,5B)固有の漏洩誤差(EXF1,EXR1,EXF2,EXR2)を決定する。つづけて、適当に製作した6個の補正データ取得試料11B1〜6の特性(散乱係数)を、基準測定装置1(基準測定治具5A)・実測測定装置2(実測測定治具5B)の両方で測定する。これにより、基準測定装置1の測定値と実測測定装置2の測定値とをそれぞれ6つ得る。ここに、おのおのの補正データ取得試料11B1〜6の測定値をそれぞれS11D1,S11D2,…,S11D6,S11M1,…,S11M6というように末尾の添え字で区別する。

0096

次に、補正データ取得試料11B1〜6の測定値を相互関係式(A8a),(A8b)に代入し、補正データ取得試料11B6の測定値を相互関係式(A8a)に代入する。これらの測定値代入式行列式に整理すると次の(A9)式になる。

0097

ID=000024HE=075 WI=150 LX=0300 LY=0300
(A9)式の係数行列および右辺定数項ベクトルの要素は全て既知量であるから、(A9)式は未定係数(a1〜A4,c0〜c4,d0,d1)についての単なる11元連立一次方程式である。これを解いて未定係数を求めることは計算機によって一般に知られたLU分解法やガウス消去法といったアルゴリズムを用いればきわめて容易である。同様に、相互関係式(A8c)と相互関係式(A8d)から、未定係数(b1〜b4,e0〜e4,f0,f1)を求めることができる。

0098

漏洩誤差は比較的簡単に同定できる場合が多いので、上述した本実施形態の説明においては、漏洩誤差をまず個別に同定しておき、残りの誤差の影響で生じる基準測定装置1(基準測定冶具5A)の測定値と実測測定装置2(実測測定治具5B)の測定値との間の差異を、補正用データ取得試料11B1〜6を用いて補正するという手順を用いた。しかしながら、漏洩誤差も含めて基準測定装置1(基準測定冶具5A)の測定値と実測測定装置2(実測測定治具5B)の測定値との間の差異を、補正用データ取得試料11B1〜6を用いて補正してもよい。

0099

また、上述した本発明の説明では、2ポート測定系について本発明を説明したしたが、1ポート測定系についても、あるいは3ポート以上の測定系についても本発明は全く同様に実施できるのはいうまでもない。

0100

上述した本実施形態の説明では2ポート測定系の誤差モデル(信号伝達形態)として一般に用いられている2ポート誤差モデルを用いて説明を行ったが、測定冶具などの測定系にあわせてこれとは異なる誤差モデル(信号伝達形態)に基づいて本発明を実施しても良いのもいうまでもない。

0101

相互関係式(A4a)〜(A4d)において、基準測定装置1(基準測定冶具5A)の誤差要因を全く誤差の無い測定系の場合の値とする、つまり、EXF=0,EXR=0,EDF=0,EDR=0,ERF=1,ERR=1,ESF=0,ESR=0,ETF=1,ETR=1,ELF=0,ELR=0にすると、相互関係式(A4a)〜(A4d)は、理論数式(A1a)〜(A1d)に一致する。このことから、一般に行われている2ポート補正法等の補正方法は本実施形態における相対補正法の特殊な場合(基準冶具理想的である場合)に相当することが理解される。

0102

以上の本実施形態の説明では、基準測定装置1(基準測定冶具5A)や実測測定装置2(実測測定治具5B)の誤差要因に着目して本発明の詳細を説明したが、測定冶具5A,5Bの誤差要因、測定装置1,2,測定ケーブル等の誤差要因とが複合したものを、1つの誤差要因としてとらえることもできる。この場合でも、信号伝達形態(誤差モデル)は理論数式(A1a)〜(A1d)に基づくものがそのまま成立する。

0103

そのため、例えば校正していない実測測定装置に実測測定冶具を取り付けた状態で得た測定値から、校正している基準測定装置に基準測定冶具を取り付けた状態で測定されるであろう測定値を相対補正法によって正確に得ることもできる。

0104

以上説明した本実施形態の説明における未定係数の決定法以外にも、余分にいくつかの補正データ取得試料11Bを測定しておき、これらの測定値を用いて最小自乗法に代表される何らかの最尤法によって未知係数を決定することも可能である。このようにすれば、試料測定時の測定誤差の影響を緩和することができる。

0105

漏洩を除けば、本来は4個の補正用データ取得試料11Bによって解析式相対補正法の補正式の係数を決定できるはずであるところ、上述した説明では、5.5個の補正用データ取得試料(実際は無論6個)11B1〜6を用いて未定係数を決定している。これは、方程式を単純化するために便宜的に採用した方策である。

0106

しかしながら、5.5個の補正用データ取得試料11B1〜6で係数を決定する場合には、補正用データ取得試料の測定誤差の影響などによって係数が相互に満たすべき関係を満たさない場合がある。例えば、相互関係式(A5a)〜(A5d)と相互関係式(A6a)〜(A6d)とを比較すると、a4/a3=c4/c3なる関係が成立しなければならないが、測定によってはこのような関係を満たすことができない係数が得られる場合がある。

0107

このような場合、4個の補正用データ取得試料11B1〜4の測定結果を評価関数として、5.5個の補正用データ取得試料11B1〜6で得た係数を初期値として反復演算を行うことによって係数をより正確なものに修正することができる。これは、仮の解の初期値が真の解に近ければ、Newton法等で容易に解を真値に収束させることができることによっている。

0108

以上が2ポート測定系の場合の相対補正法の理論である。次に補正用データ取得試料11Bの設計について説明する。相対補正法の実施において補正用データ取得試料11Bをどのように作るかは補正精度上非常に重要な問題となる。補正用データ取得試料11Bを基準測定装置1(基準測定治具5A)と実測測定装置2(実測測定治具5B)とのそれぞれで全く測定誤差無く測定する事が出来れば、解析式相対補正法における補正式の係数は一義的に定まる。ただしこの場合、上述した(A9)式の左辺行列が特異にならない限りという条件は付く。

0109

しかしながら、実際上は、補正用データ取得試料11Bの測定において必ず何かしらの誤差(系統誤差偶然誤差の両者を含む)が発生する。そうすると、(A9)式によって求まる解析式相対補正法における補正式の係数に誤差が生じてしまう。

0110

このようにして生じる係数の誤差においては、補正用データ取得試料11Bがどの様な散乱係数を有しているかによってその影響の大きさが異なる。例えば、最も補正用データ取得試料11Bの測定誤差の影響を受け難くなると予想される条件の1つは、(A9)式の左辺の行列が単位行列に近くなる場合である。なお、実際には(A9)式をそのまま用いるのではなく、最小自乗法といった考え方取り入れて(A9)式は運用されるがこの場合にも同様である。

0111

以下、どの様に補正用データ取得試料11Bの特性を設計すれば測定誤差に影響され難い解析式相対補正法の補正式を作成出来るかについて説明する。ここでは、主として抵抗器を組み合わせて補正用データ取得試料11Bを作製する事を前提とする。抵抗器の組み合せにより補正用データ取得試料11Bを作成するのは、補正用データ取得試料11Bの製作を簡単にするためである。

0112

解析式相対補正法の補正式を精度高く作成するうえでは、
・補正式の係数の算定の確実性
・複数用意する補正用データ取得試料11B間における特性の接近度
・複数用意する補正用データ取得試料11B間における特性の従属性
が重要となる。

0113

はじめに解析式相対補正法における補正式中の係数を確実に算定出来る条件について説明する。全く同じ特性を有する補正用データ取得試料11Bを2個用いることは、実質上、補正用データ取得試料11Bの数が1個少ないことと同じことを意味する。したがって、このことが補正係数を算定出来ない条件の一つである事は容易に理解される。数学的にもこの要件は簡単に表現できる。すなわち、(A9)式の左辺の行列の行列式の値が0になることである。そうすれば、補正係数が算定出来なくなる。したがって、この条件の逆の条件[(A9)式の左辺の行列の行列式の値が0にならない]ことさえ満たせば、(A9)式は解を有することになる。

0114

しかしながら、(A9)式の行列式の値が0でないという条件は、補正用データ取得試料11Bをどう設計すべきかを判断するうえではあまりに抽象的である。そのため、本実施形態では、次のような目安を用いている。以下の目安を用いることは若干ながら不正確ではあるものの、そもそも、行列式の値が0になるというのは余程の偶然がない限り起こらないものであり、この様な簡易的な方法(目安を用いる方法)であっても実用上は全く問題無い。

0115

第1の目安は、補正用データ取得試料11Bの設計散乱係数によって決まる次の各計算値S11, S21,S12,S22,S11*S22,S21*S12,S21*S22,S12*S11,S11*S21*S12,S22*S21*S12がそれぞれ、全ての補正用データ取得試料11Bで非常に小さな値となったり、同じような値とならないことである。このような目安は、これらの計算値は各係数に対応する行列要素の値を作るものであってこのような第1の目安を満たすと行列式が0に近づく恐れがある、という理由に基づいている。

0116

第2の目安は、上述の計算値の補正用データ取得試料11B毎の大小関係が出来るだけ共通しないようにすることである。このような目安は、計算値の大小関係が異なれば行列式が0に近づくことはまず起こり得ない、という理由に基づいている。

0117

以上の条件・目安を満足させることで、解析式相対補正法における補正式中の係数を確実に算定出来るようになる。

0118

次に、複数用意する補正用データ取得試料11B間における特性の接近度について説明する。本発明の解析式相対補正法においては、測定誤差の影響を受けるのは避けられない。このような測定誤差の影響を最小限に抑えるためには、複数用意する補正用データ取得試料11B間における特性の接近度をできるだけ離すことが重要となる。以下、説明する。

0119

補正用データ取得試料11Bの測定時に如何に注意深く測定を行なっても何らかの誤差は必ず生じてしまう。この場合の誤差には補正用データ取得試料11Bを測定治具5A,5Bに取り付けた際の位置決め誤差のようなものや、測定装置1,2のドリフト、または測定バラツキのようなものが全て含まれる。

0120

これらの誤差の影響を大きく受ける条件は、2個以上の補正用データ取得試料11Bが非常に近い特性を有している場合である。これは、補正用データ取得試料11Bが有する特性近辺における微係数とは、最も単純には隣接する補正用データ取得試料11Bとの特性差を補正用データ取得試料11Bの特性の距離(ノルム)で除したもので与えられる事から容易に理解できる。つまり、除数が小さければ非除数の僅かな誤差が拡大してしまう。

0121

したがって、測定誤差の影響を受けにくくするには補正用データ取得試料11Bの特性相互間のノルムを出来るだけ大きく保つことが有効である。ノルムには、例えば単純幾何距離(S11〜S22の各パラメータの差の自乗和の平方根)を用いる事が出来る。

0122

ここで、補正用データ取得試料11Bを抵抗器だけで製作すると必然的にその特性は実軸に貼り付き、虚軸成分をほとんど有しないことに着目する。測定誤差さえなければ原理的にはたとえ補正用データ取得試料11Bの特性に虚数成分は無くとも、測定治具5A,5Bの誤差要因の虚数成分は重畳されるので結果的には正しい補正係数(補正式の未定係数)が推定出来る。しかしながら、測定誤差によって一部の補正用データ取得試料11Bの特性のみが虚数成分を持つ場合がある。その場合、位相回転を有する補正用データ取得試料11Bの補正結果に大きな誤差を生じさせるような補正係数(未定係数)が得られてしまう懸念がある。これは特に順方向と逆方向で移相角が異なる散乱係数を有するデバイスアイソレータ等が該当する)の場合とくに顕在化しやすい。

0123

補正用データ取得試料11Bの測定誤差を十分小さくすることが困難な場合(例えば、測定装置1,2のドリフトのように平均化で除去出来ない誤差が生じる場合など)には、移相角が異なる補正用データ取得試料11Bを用いることが最も効果的な対策である。具体的には、補正用データ取得試料11Bにディレイラインまたは、コンデンサインダクタなどのリアクタンス素子組込むことによって前記対策を実現できる。

0124

また、測定対象電子部品11Aが補正用データ取得試料11Bと異なる移相角を有する時には測定対象電子部品11Aそのものを補正用データ取得試料11Bの1つとして使用することも有効である。ただし、いずれの方法においても補正用データ取得試料11Bに対して測定可能周波数帯域幅は制限を受けてしまう。以上のようにすることで測定誤差の影響を最小限に抑えることができる。

0125

次に、複数用意する補正用データ取得試料11B間における特性の従属性について説明する。前述した相互関係式(A6a)〜(A6d)は、実測測定装置2(実測測定治具5B)における測定値から基準測定装置1(基準測定治具5A)のおける測定値を推定する式である。これらの式は単純な有理式であって、分子・分母とも、測定治具5A,5Bで補正用データ取得試料11Bを測定した散乱係数およびその積の一次結合である。そのため、各項の間で一次従属が生じてしまう可能性がある。以下、説明する。

0126

例えば、S11Dの推定式である相互関係式(A6a)式では、分子にc2*S11M+c3*S22Mという部分がある。ここで、補正用データ取得試料11Bの測定結果に基づいて正しい値がc2,c3として推定されていればどの様な補正用データ取得試料11Bの特性を相対補正しても正しい補正が行なわれる。しかしながら、c2が極端に大きな値であったり、逆にc3がこれの符号を反転した値であったとすると、補正用データ取得試料11Bについてはたまたまc2*S11M+c3*S22Mの各項がお互いに打ち消しあってそれらしいS11Dの補正結果が得られる可能性がある。そうすると、補正用データ取得試料11B以外の試料(測定対象電子部品11A)では極端に大きなまたは小さな誤った値としてS11Dが推定されてしまう。

0127

このような不都合を回避するためには、補正用データ取得試料11Bの特性に一次従属で表現不可能な組合せのものを含めれば良い。S11とS22の例でいえば、一次従属はS11増加,S22増加という場合と、S11増加,S22減少という場合が考えられ、一次従属はこれらのいずれかの場合となる。そのため、一次従属を回避するためには、補正用データ取得試料11Bとして、
(1)S11増加,S22増加、
(2)S11増加,S22減少、
の両方の場合が生じる様に組み合わせておけば良い。

0128

同様に、
(3)S11減少,S22増加、
(4)S11減少,S22減少、
を含めればS22側から考えても一次従属は起こり得ない。

0129

相互関係式(A6a)〜(A6d)式から、一次従属が起こる特性の組合せとして、S11とS22以外に、S11*S22とS21*S12の組合せがある。そのため、これらの組合せについても、上述したのと同様の点に注意して補正用データ取得試料11Bの特性設計をすればよい。

0130

以下、本実施形態の測定誤差補正方法により補正方法を具体的に説明する。

0131

用意した6個の補正データ取得試料11B1〜6が、基準測定装置1に搭載される。そして、各試料11B1〜6の電気特性が各周波数ポイント毎に測定される。ここで、補正データ取得試料11B1〜6に対応するSAWフィルタは高周波用の電子部品であり、ここで測定する電気特性は、順方向散乱係数S11,順方向散乱係数S21,逆方向散乱係数S12,逆方向散乱係数S22からなるSパラメータとなる。

0132

これら基準測定装置1における補正データ取得試料11B1〜5のSパラメータを測定した結果(S11n*,S21n*,S12n*,S22n*:nは1から6の自然数)が、実測測定装置2の図示しないデータ入力部を介して実測測定装置2に予め入力されている。入力された基準測定装置1の測定結果(S11n*,S21n*,S12n*,S22n*)は、制御部本体22を介してメモリ23に記憶されている。

0133

一方、実測測定装置2においても、同様に、補正データ取得試料11B1〜6が基準測定装置2に搭載される。そして、各試料11B1〜6の電気特性が各周波数ポイント毎に測定される。

0134

実測測定装置2による補正データ取得試料11B1〜6のSパラメータの測定結果(S11nM,S21nM,S12nM,S22nM:nは1から6の自然数)は、制御部本体2を介して相互関係式算定手段24に入力される。

0135

相互関係式算定手段24は、実測測定装置2による補正データ取得試料11B1〜6の測定結果(S11nM,S21nM,S12nM,S22nM)が入力されると、制御部本体22を介してメモリ23から、基準測定装置1で測定した補正データ取得試料11B1〜6の測定結果(S11n*,S21n*,S12n*,S22n*)を読み出す。

0136

相互関係式算定手段24は、測定結果(S11nM,S21nM,S12nM,S22nM)と測定結果(S11n*,S21n*,S12n*,S22n*)とに基づいて、実測測定装置2による測定結果と基準測定装置1による測定結果との間の相互関係式を算定する。算定方法の詳細については、理論数式(A1a〜A1d),(A2a〜A2d),(A3a〜A3d)と、相互関係式(A4a〜A4d),(A5a〜A5d),(A6a〜A6d),(A7a〜A7d),(A8a〜A8d),(A9)とを参照して上述したのでここではその説明は省略する。

0137

以上の準備工程を経たのち、実測測定装置2のネットワークアナライザ本体20により測定対象電気部品11Aの電気特性(SパラメータS11M,S21M,S12M,S22M)を測定する。測定対象電気部品11Aの測定結果は、制御部本体22を介して補正手段25に入力される。

0138

補正手段25は、測定対象電気部品11Aの測定結果が入力されると、制御部本体22を介してメモリ23から相互関係式を読み出す。補正手段25は、読み出した相互関係式に測定対象電気部品11Aの測定結果である電気特性(SパラメータS11M,S21M,S12M,S22M)を代入して計算する。これにより、補正手段25は、実測測定装置2における測定対象電気部品11Aの測定結果(電気特性)を、基準測定装置1により測定した場合に得られると推定される電気特性(S11*,S21*,S12*,S22*)に補正する。補正手段25は、算定した補正値を制御部本体22を介して外部に出力する。出力は、図示しない表示部により表示出力してもよいし、図示しないデータ出力部によりデータとして出力してもよい。

0139

なお、このような計算処理は、上述したように、ネットワークアナライザ3Bに内蔵された制御部21により行ってもよいし、ネットワークアナライザ3に接続された外部コンピュータに対して測定結果を出力してこの外部コンピュータにより行ってもよい。

0140

実測測定装置2(実測測定治具5B)で測定した測定対象電子部品11A(2ポート)の電気特性を、本実施形態の2ポート相対補正法により補正した結果の具体例を図8図10を参照して説明する。

0141

ここでは、基準測定治具5Aとして、いわゆるユーザー保証基板に導電ゴムを敷いたものを用いた。実測測定治具5Bとして、基準測定治具5Aに2pFのコンデンサを取り付けて故意に大きな誤差要因を生じさせたものを用いた。補正用データ取得試料11Bにはアイソレータのパッケージチップ抵抗を取り付けたものを用いた。図8は、順方向の散乱係数の補正結果を示し、図9は、順方向の散乱係数の補正結果の部分拡大図を示し、図10は逆方向の散乱係数の補正結果を示している。

0142

これらの図で明らかなように、本実施形態の補正方法を実施すれば、実測測定装置2(実測測定治具5B)と基準測定装置1(基準測定治具5A)との間の大きな測定値差異をほぼ正確に補正している事が理解される。つまり、グラフ中の「実測測定治具測定値」をもとに相対補正法によって「補正結果」を得たわけであるが、これが「基準測定治具測定値」に一致すれば補正は正常に行なわれていることを示しており、事実この様になっている。さらには、部分拡大である図9を参照しても、ほぼ正確に補正できているものの明らかである。

0143

また、この測定データによれば、次の点も注目できる。すなわち、補正用データ取得試料11Bは全て抵抗器で構成されているので明らかに非方向性デバイスなのであるにも関わらず、アイソレータのような明らかな方向性を有する測定対象電子部品11Aの相対補正も精度高く実施することができる点である。これは、次のような理由によっている。すなわち、上述した(A9)式中でS21とS12とが一時結合の関係に無いために方向性デバイスを補正用データ取得試料11Bとするまでも無く相対補正係数を全て同定することが可能である。これにより、非方向性デバイスからなる測定対象電子11Aの相対補正も精度高く実施することができる。

0144

このことは次のような利点を生む。すなわち、広帯域な方向性デバイスからなる補正データ取得試料11Bを製作する事は非常に困難であり、この様な補正用データ取得試料を必要としないことは相対補正法を実際に実施する上で非常に重要となる。もっとも、前述したように、測定誤差に弱くなる傾向があるので、実際には測定対象電子部品11Aがアイソレータのように強い方向性を有する場合は、当該デバイス自体の1つを補正データ取得試料11Bとして使用することができる。

0145

以上は、不平衡2ポートの測定系において本実施形態を実施した場合における説明である。次に、不平衡1ポートの測定系において本実施形態を実施した場合の説明を行う。

0146

まず、各測定系(基準測定装置1および実測測定装置2)の誤差要因を図11に示される信号伝達形態によってモデル化する。なお、図11に示す信号伝達形態は、一般的に用いられている1ポート誤差モデルと同様である。

0147

この信号伝達形態において、誤差要因が全て同定されていたとすると、補正データ取得試料11Bの測定値S11Mからその散乱係数の真値S11Aは次の理論数式(A10a),(A10b)によって求められる。なお、理論数式(A10a),(A10b)は、図11の信号伝達形態を基に式を組み立てれば導き出すことができる。

0148

ID=000025HE=055 WI=071 LX=0245 LY=1600
さて、散乱係数の真値が(S11A)である補正データ取得試料11Bを測定したとしたとき、基準測定装置1では散乱係数S11Dが、実測測定装置2では散乱係数S11Mがそれぞれ測定されるとする。

0149

ここで、補正データ取得試料11Bの散乱係数の真値S11Aおよび、基準測定装置1(基準測定冶具5A)・実測測定装置2(実測測定冶具5B)の誤差要因の値を具体的に知ることは実際には不可能である。一方、基準測定装置1における測定値S11Dや実測測定装置2におけ測定値S11Mは実測によって知ることのできる値である。

0150

本実施形態における相対補正法の目的は、実測測定装置2の測定値から基準測定装置1の測定値を求めることである。

0151

理論数式(A10a)と理論数式(A10b)とを比較すると、左辺は、同じ散乱係数の真値S11Aである。そのため、これらの理論数式(A10a),(A10b)から次の式(A11)式が導き出せる

0152

ID=000026HE=025 WI=082 LX=0640 LY=2150
さらに、(A11)式を、S11Dに関して整理することで、次の相互関係式(A12)を導き出せる。相互関係式(A12)は、実測測定装置2による測定結果と基準測定装置1による測定結果との間の関係を示す式である。

0153

ID=000027HE=025 WI=105 LX=0525 LY=0300
相互関係式(A12)において、基準測定装置1(基準測定冶具5A)の誤差要因を全く誤差の無い測定系の場合の値とする、つまり、a'=0,b'=0,c'=0にすると、相互関係式(A12)は、次の式(A13)となる。この式(A13)は、理論数式(A10a),(A10b)に一致する。このことから、一般に行われている1ポート補正法等の補正方法は本実施形態における相対補正法の特殊な場合(基準冶具が理想的である場合)に相当することが理解される。

0154

ID=000028HE=025 WI=075 LX=0225 LY=1100
相互関係式(A12)を詳細に見てみると、相互関係式(A12)を構成する(−aa'c'+aa'c+ab'+a'b), (c−c'),(−ac'+ac−b)等は、それぞれ一つの未定係数として置き換えることができる。そこで、これらを、それぞれ未定係数α,β,γに置き換えると、相互関係式(A12)は、次の相互関係式(A14)に整理することができる。

0155

ID=000029HE=025 WI=063 LX=1185 LY=0850
さらに、この相互関係式(A14)には、α,β,γの3つの未知数が存在していることから、3個の補正データ取得試料を準備してそれぞれの特性を測定すれば、これらを特定できる。そして、2ポートの場合の場合と同様の符号を用いれば、次の相互関係式(A15a〜A15c)を導き出すことができる。

0156

ID=000030HE=055 WI=140 LX=0350 LY=1500
相互関係式(A15a〜A15c)に基づけば、3個の補正データ取得試料11B1〜3を準備してそれぞれの特性を測定すれば、相互関係式(A14)の未定係数(相対補正係数)α,β,γを特定することができる。

0157

以上のようにして未定係数を特定したのちに行う実際の測定値補正操作は、2ポート測定系における補正操作と同様であるので、その説明は省略する。

0158

実測測定装置2(実測測定治具5B)で測定した測定対象電子部品11A(1ポート)の電気特性を、本実施形態の2ポート相対補正法により補正した結果の具体例を図12を参照して説明する。

0159

図12により明らかなように、本実施形態の補正方法を実施すれば、1ポートの電子部品であっても、実測測定装置2(実測測定治具5B)と基準測定装置1(基準測定治具5A)との間の大きな測定値差異をほぼ正確に補正している事が理解される。つまり、グラフ中の「実測測定治具測定値」をもとに相対補正法によって「補正結果」を得たわけであるが、これが「基準測定治具測定値」に一致すれば補正は正常に行なわれていることを示しており、事実この様になっている。

0160

以上説明した本実施形態の測定結果の補正方法によれば、次のような効果がある。すなわち、電子部品メーカーでその電子部品の特性を保証する場合においては、メーカー側に設けられた測定装置で測定した結果に基づいて、その電気特性が保証される。しかしながら、その電子部品を購入したユーザー側に設けられた測定装置において、その電子部品の特性を測定したとしても同等の測定結果が出るとは限らない。そのため、これでは、メーカーが保証している特性を確認することができず、その保証は再現性がなく不確実なものとなってしまう。

0161

これに対して、メーカー側の測定装置を基準測定装置とし、ユーザー側の測定装置を実測測定装置としたうえで本実施形態の測定誤差の補正方法を実施すれば、メーカー側の測定結果と同等であると推定される電気特性を、ユーザー側の実測測定装置における測定結果に基づいてユーザー側で算出することができる。これにより、メーカー側の実施する電子部品の保証を再現することができて、十分に確実なものとなり、したがって、ユーザーに受け入れられることが可能となる。

0162

しかも、実測測定装置2の状態を厳密に検査管理する(例えば、実測測定装置2の測定治具5の特性を、基準測定装置1の測定治具5の特性と同等となるように調整管理する)ことなく上記補正が行えるので、その分、測定に要するコストを抑えることができる。

0163

さらには、ユーザー側においては、量産工程中に多数設置される自動測定選別機を前記実測測定装置として選定することも可能になるので、その分、さらに測定に要するコスト(この場合には不良部品選別コスト)を抑えることができるうえに測定時間の短縮化を図ることができる。

0164

しかも、測定治具5A,5Bに起因する測定誤差の補正のみならず、実測測定装置2全体の測定誤差を同時に補正することができるので、実測測定装置2においてフル2ポート補正法等のキャリブレーションを実施する必要もなくなり、その分、さらに測定コストを抑えることができる。

0165

さらには、本実施形態の測定装置では、自動測定選別機に対する組み込み性能や長寿命化測定特性の安定化より優先させた実測測定治具5Bを用いても、その測定結果に何ら影響は出ない。そのため、その分、さらに測定に有するコストを抑えることができるうえに、測定時間の短縮化を図ることができる。

0166

第2の実施の形態
本実施形態では、表面実装型のSAWフィルタを測定対象電子部品として、このSAWフィルタの電気特性を、ネットワークアナライザを有する測定装置で測定する際の測定誤差の補正方法において本発明を実施している。本実施形態では、近似式相対補正方法によって測定値を補正しており、この点だけが第1の実施の形態と異なっている。したがって、測定装置1,2の構成や測定治具5A,5Bの構成等については第1の実施の形態と同様となっている。そのため、装置構成等については、第1の実施の形態のものを準用することし、それらのついての説明は省略する。

0167

以下、本実施形態の補正方法の詳細を説明する。まず、複数(例えば5個)の補正データ取得試料11B1〜5が用意される。そして、用意された補正データ取得試料11B1〜5が、基準測定装置1に搭載される。そして、各試料11B1〜5の電気特性が各周波数ポイント毎に測定される。ここで、補正データ取得試料11B1〜5に対応するSAWフィルタは高周波用の電子部品であり、ここで測定する電気特性は、順方向散乱係数S11,順方向散乱係数S21,逆方向散乱係数S12,逆方向散乱係数S22からなるSパラメータとなる。

0168

これら基準測定装置1における補正データ取得試料11B1〜5のSパラメータを測定した結果(S11n*,S21n*,S12n*,S22n*:nは1から5の自然数)が、実測測定装置2の図示しないデータ入力部を介して実測測定装置2に予め入力されている。入力された基準測定装置1の測定結果(S11n*,S21n*,S12n*,S22n*)は、制御部本体22を介してメモリ23に記憶されている。

0169

一方、実測測定装置2においても、同様に、補正データ取得試料11B1〜5を、基準測定装置2に搭載する。そして、各試料11B1〜5の電気特性が、各周波数ポイント毎に測定される。

0170

実測測定装置2による補正データ取得試料11B1〜5のSパラメータの測定結果(S11nM,S21nM,S12nM,S22nM:nは1から5の自然数)は、制御部本体2を介して相互関係式算定手段24に入力される。

0171

相互関係式算定手段24は、実測測定装置2による補正データ取得試料11B1〜5の測定結果(S11nM,S21nM,S12nM,S22nM)が入力されると、制御部本体22を介してメモリ23から、基準測定装置1で測定した補正データ取得試料11B1〜5の測定結果(S11n*,S21n*,S12n*,S22n*)を読み出す。

0172

相互関係式算定手段24は、基準測定装置の測定値と前記実測測定装置の測定値との間の関係を近似的に示す相互関係式と、未定係数算定式とを記憶している。相互関係式は、次の一次式(B2)式から構成されている。相互関係式(B2)は、未定係数(am,bm,cm,dm:mは0から4の整数)を有している。未定係数算定式は次の(B1a)〜(B4d)式から構成されている。未定数算定式(B1a)〜(B4d)は、未定係数(am,bm,cm,dm:mは0から4の整数)を算定する式であって相互算定式(B2)に基づいて作成されている。

0173

0174

ID=000032HE=025 WI=063 LX=0285 LY=1500
S11*,S21*,S12*,S22*:基準測定装置1で測定した場合に得られると推定可能な測定対象電子部品11AのSパラメータ
S11M,S21M,S12M,S22M:実測測定装置2で測定する測定対象電子部品11AのSパラメータ
相互関係式算定手段24は、両者の測定結果であるSパラメータ(S11nM,S21nM,S12nM,S22nM)とSパラメータ(S11n*,S21n*,S12n*,S22n*)とを、未定係数算定式(B1a)〜(B4d)式に代入することで、未定係数(am,bm,cm,dm:mは0から4の整数)を確定する。

0175

相互関係式算定手段24は、確定したこれら未定係数(am,bm,cm,dm)を相互関係式(B2)に挿入することで、実測測定装置2による測定結果と基準測定装置1による測定結果との間の相互関係式を確定する。相互関係式は各周波数ポイント毎に確定される。相互関係式算定手段24は、確定した相互関係式を、制御部本体22を介してメモリ23に入力してここに記録させる。

0176

以上の準備工程を経たのち、実測測定装置2のネットワークアナライザ本体20により測定対象電気部品11Aの電気特性(SパラメータS11M,S21M,S12M,S22M)を測定する。測定対象電気部品11Aの測定結果は、制御部本体22を介して補正手段25に入力される。

0177

補正手段25は、測定対象電気部品11Aの測定結果が入力されると、制御部本体22を介してメモリ23から相互関係式を読み出す。補正手段25は、読み出した相互関係式に測定対象電気部品11Aの測定結果である電気特性(SパラメータS11M,S21M,S12M,S22M)を代入して計算する。これにより、補正手段25は、実測測定装置2における測定対象電気部品11Aの測定結果(電気特性)を、基準測定装置1により測定した場合に得られると推定される電気特性(S11*,S21*,S12*,S22*)に補正する。補正手段25は、算定した補正値を制御部本体22を介して外部に出力する。出力は、図示しない表示部により表示出力してもよいし、図示しないデータ出力部によりデータとして出力してもよい。

0178

なお、このような計算処理は、上述したように、ネットワークアナライザ3Bに内蔵された制御部21により行ってもよいし、ネットワークアナライザ3に接続された外部コンピュータに対して測定結果を出力してこの外部コンピュータにより行ってもよい。

0179

本実施形態の測定結果の補正方法によれば、次のような効果がある。すなわち、電子部品メーカーにおいて、その電子部品の特性を保証する場合においては、メーカー側に設けられた測定装置で測定した結果に基づいて、その電気特性が保証される。しかしながら、その電子部品を購入したユーザー側に設けられた測定装置において、その電子部品の特性を測定したとしても同等の測定結果が出るとは限らない。そのため、これでは、メーカーが保証している特性を確認することができず、その保証は再現性がなく不確実なものとなってしまう。

0180

これに対して、メーカー側の測定装置を基準測定装置とし、ユーザー側の測定装置を実測測定装置としたうえで本実施形態の測定誤差の補正方法を実施すれば、メーカー側の測定結果と同等であると推定される電気特性を、ユーザー側の実測測定装置における測定結果に基づいてユーザー側で算出することができる。これにより、メーカー側の実施する電子部品の保証を再現することができて、十分に確実なものとなり、したがって、ユーザーに受け入れられることが可能となる。

0181

しかも、実測測定装置2の状態を厳密に検査管理する(例えば、実測測定装置2の測定治具5の特性を、基準測定装置1の測定治具5の特性と同等となるように調整管理する)ことなく上記補正が行えるので、その分、測定に要するコストを抑えることができる。

0182

さらには、ユーザー側においては、量産工程中に多数設置される自動測定選別機を前記実測測定装置として選定することも可能になるので、その分、さらに測定に要するコスト(この場合には不良部品選別コスト)を抑えることができるうえに測定時間の短縮化を図ることができる。

0183

しかも、測定治具5A,5Bに起因する測定誤差の補正のみならず、実測測定装置2全体の測定誤差を同時に補正することができるので、実測測定装置2においてフル2ポート補正法等のキャリブレーションを実施する必要もなくなり、その分、さらに測定コストを抑えることができる。

0184

さらには、本実施形態の測定装置では、自動測定選別機に対する組み込み性能や長寿命化を測定特性の安定化より優先させた測定治具を用いても、その測定結果に何ら影響は出ない。そのため、その分、さらに測定に有するコストを抑えることができるうえに、測定時間の短縮化を図ることができる。

0185

さらには、本実施形態の測定装置(近似式相対補正法)では、非線形的な誤差を補正することができる。

0186

第3の実施の形態
本実施形態の測定誤差の補正方法を実施する装置構成は、基本的には上述した第1,2の実施の形態と同様であり、同一ないし同様の部分には同一の符号を付し、それらについての説明は省略する。

0187

本実施形態では、第2の実施の形態と同様の補正方法を実施するものの、補正を行う計算方法が若干、第2の実施の形態と異なっている。本実施形態では、補正データ取得試料11Bとして、測定装置の測定操作で発生する電気特性が互いに異なる15個の試料11B1〜15が用意される。

0188

用意された15個の補正データ取得試料11B1〜15が、基準測定装置1と、実測測定装置2とに搭載されてそのSパラメータが測定される。

0189

相互関係式算定手段24は、基準測定装置の測定値と前記実測測定装置の測定値との間の関係を近似的に示す相互関係式と、未定係数算定式とを記憶している。相互関係式は、次の二次式(C2a)〜(C2d)式から構成されている。相互関係式(C2a)〜(C2d)は、未定係数(aq,bq,cq,dq:qは0から14の整数)を有している。未定係数算定式は、次の(C1a)〜(C1d)式から構成されている。未定係数算定式(C1a)〜(C1d)は、未定係数(aq,bq,cq,dq:qは0から4の整数)を算定する式であって、前記相互関係式(C2a)〜(C2d)に基づいて作成されている。

0190

0191

0192

0193

ID=000036HE=065 WI=158 LX=0260 LY=1700
S11p*,S21p*,S12p*,S22p*:基準測定装置1で測定した補正用データ取得試料11B1〜15のSパラメータ
S11pM,S21pM,S12pM,S22pM:実測測定装置2で測定した補正用データ取得試料11B1〜5のSパラメータ

0194

0195

0196

0197

ID=000040HE=065 WI=100 LX=0550 LY=0300
S11*,S21*,S12*,S22*:基準測定装置1で測定した場合に得られると推定可能な測定対象電子部品11AのSパラメータ
S11M,S21M,S12M,S22M:実測測定装置2で測定する測定対象電子部品11AのSパラメータ
相互関係式算定手段24は、測定結果(S11p,S21p,S12p,S22p:pは1から15の自然数)を、未定係数算定式(C1a)〜(C1d)に代入することで、未定係数(aq,bq,cq,dq:qは0から14の整数)を確定する。

0198

相互関係式算定手段24は、確定したこれら未定係数(aq,bq,cq,dq)を相互関係式(C2a)〜(C2d)に挿入することで、実測測定装置2による測定結果と基準測定装置1による測定結果との間の相互関係式を確定する。相互関係式は各周波数ポイント毎に確定される。相互関係式算定手段24は、確定した相互関係式を、制御部本体22を介してメモリ23に入力してここに記録させる。

0199

以上の準備工程を経たのち、実測測定装置2により測定対象電気部品11Aの電気特性が測定される。そして、その測定結果である電気特性(Sパラメータ)を上記相互関係式(C2a)〜(C2d)に代入して計算することで、実測測定装置2における測定対象電気部品11Aの測定結果(電気特性)を、基準測定装置1により測定した場合に得られると推定される電気特性に補正する。

0200

本実施形態においては、第2の実施の形態と同様の効果を発揮するうえに、さらに次のような効果を発揮する。すなわち、実測測定装置2がより複雑な誤差を含むものであっても、精度高く補正することができる。これは、本実施形態では、2つの4次元空間の各点を二次式で対応付けたものであるので、より複雑な対応関係を正確に表現することが可能となることに起因している。

0201

第2の実施の形態においては、1次式の近似式を用いた相対補正法により本発明を実施しており、第3の実施の形態においては、二次式の近似式を用いた相対補正法により本発明を実施している。しかしながら、本発明はこのような実施態様に限定されるものではなく、任意のn次式の近似式を用いた相対補正法により本発明を実施することができるのはいうまでもない。そして、高次式になればなるほど、算出に要する構成等が複雑になるうえに算出時間も長時間化するものの、補正精度は可及的に向上する。

0202

さらには、任意のn次式の近似式を用いずとも、推定精度の低下が許容できる範囲において式の項を任意に省略してもよい。例えば、S21≒S12となる場合には、S21とS12とのどちらかを含む項を省略しても推定精度に与える影響は小さい。ちなみに、電気特性において信号伝播方向における方向性のない電子部品ではS21=S12となる。このようにすれば、補正に必要なデータ取得試料数を少なくすることができる。

0203

なお、実際には、例え試料が対称的な電気特性を有していたとしても、測定器の測定誤差によりとは多少異なった値が測定される。そのため、S21やS12としては、これらの平均値を用いることが望ましい。

0204

このようにして式を簡略化した補正式は、次の(D1)式と、(D2)式となる。(D1)式は、上述した(B1a)式,(C1a)式に対応する式である。なお、(B1b)〜(B1d)式,(C1b)〜(C1d)式においても同様となるので、(B1b)〜(B1d)式,(C1b)〜(C1d)式における簡略化式は省略する。(D2)式は、上述した(B2)式,(C2a)〜(C2d)に対応する式である。なお、(D1),(D2)式における未定係数SAnMは、S21nMとS12nMとの平均値を示している(nは1から5の自然数)。

0205

0206

ID=000042HE=025 WI=050 LX=0350 LY=0400
本発明の第2,第3の実施の形態の測定誤差の補正方法により、実測測定装置2の測定結果を実際に補正したデータを図13,図14に示す。図13は、本発明の第2の実施の形態の補正方法により実測測定装置2の測定結果を補正したデータであり、図14は第3の実施の形態の補正方法により実測測定装置2の測定結果を補正したデータである。これらのデータによれば、本発明の測定誤差の補正方法により測定結果を補正すると、補正値がその電気部品の電気特性の真値に可及的に近似することが確認できた。

0207

また、図15,図16とは、Sパラメータの一つである順方向散乱係数S21の補正結果と実際にS21を測定した測定結果とを示すグラフである。図15は、第2の実施の形態の補正方法で補正した結果と実際の測定結果とを示し、図16は第3の実施の形態の補正方法で補正した結果と実際の測定結果とを示している。

0208

図15に示すように、一次式を用いた第1の実施の形態の補正方法で補正した結果は、実際の測定結果とほとんど一致していることがわかる。さらには、2次式を用いた第3の実施の形態の補正方法で補正した結果は、実際の測定結果に対してさらに一致度が向上していることがわかる。

0209

第1〜第3の実施の形態の測定誤差の補正方法は、次のような電子部品の良否判定方法において最適に実施することができる。

0210

判定対象とされる電子部品に設定された要求特性が、基準測定装置によって測定した電気特性であることがある。このような電子部品を、測定結果が基準測定装置に一致しない実測測定装置により測定したうえで、その測定結果に基づいて良否判定を行う場合、判定精度を高めることは容易ではない。

0211

このような電子部品の判定方法において、第1〜第3の測定誤差の補正方法を実施すれば、精度の高い判定結果を得ることができる。

0212

具体的には、実測測定装置によって測定した測定対象電子部品の電気特性を、第1〜第3の実施の形態の測定誤差の補正方法によって補正し、この補正後の電気特性と要求特性との比較結果に基づいて測定対象電子部品の良否を判定する。そうすれば、補正後の電気特性は、要求特性に対して一義的に比較できうる比較対照となり、その比較結果に基づいた判定は、測定対象電子部品の良否を精度高く判定したものとなる。

発明の効果

0213

以上説明したように、本発明によれば、基準測定装置に対して測定結果が完全に一致しない実測測定の測定結果を、基準測定装置の測定結果と同等に補正することができる。

図面の簡単な説明

0214

図1本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置の概略構成を示す平面図である。
図2本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置を構成する測定治具の構成を示す平面図である。
図3本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置の構成を示すブロック図である
図4本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置を構成する補正データ取得試料および測定対象電気部品の構成を示す裏面図である。
図5本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置を構成する補正データ取得試料の構成を示す平面図である。
図6本発明の測定誤差の補正方法を実施する測定装置を構成する補正データ取得試料の等価回路図である。
図7本発明の第1の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施する際に用いる信号伝達形態(誤差モデル)の一例である。
図8本発明の第1の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データを示す表である。
図9本発明の第1の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データを示す表である。
図10本発明の第1の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データを示す表である。
図11本発明の第2の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施する際に用いる信号伝達形態(誤差モデル)の一例である。
図12本発明の第1の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データを示す表である。
図13本発明の第2の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データを示す表である。
図14本発明の第3の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データを示す表である。
図15本発明の第2の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データと実際の測定結果とを示すグラフである。
図16本発明の第3の実施の形態の測定誤差の補正方法を実施して得られる補正データと実際の測定結果とを示すグラフである。

--

0215

1基準測定装置
2実測測定装置
3A,3Bネットワークアナライザ
4A,4B同軸ケーブル
5A,5B測定治具
6同軸ケーブルコネクタ
7絶縁基板
8a,8b信号伝送路
8c〜8f接地線路
9A,9B同軸コネクタ
10スルーホール接続部
11A測定対象電子部品
11B補正データ取得試料
12a,12b伝送路端子
12c〜12f接地端子
13枠体
14a,14b擬似伝送路端子
14c〜14f 擬似接地端子
15a〜15f実装端子
16a〜16e電気特性調整用素子
17A,17B信号入出力端
20 ネットワークアナライザ本体
21 制御部
22 制御部本体
23メモリ
24相互関係式算定手段
25補正手段

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