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技術 エッジセンサ付き静翼とそれを利用した空力荷重推定方法

出願人 株式会社IHI
発明者 高中寛
出願日 2002年2月14日 (18年1ヶ月経過) 出願番号 2002-036373
公開日 2003年8月27日 (16年6ヶ月経過) 公開番号 2003-239889
状態 特許登録済
技術分野 流体圧力測定 非容積形送風機の制御 容積形ポンプの制御 容積形ポンプの制御
主要キーワード 外周円環 トレーディングエッジ 導圧配管 全圧測定 有限要素法プログラム 絶対速度ベクトル サージ現象 内壁付近
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課題

軸流圧縮機においてサージ現象を生じてガスダクト内ガスが逆流した際に動翼に作用する空力荷重を求めるために、エッジセンサ付き静翼とそれを利用した空力荷重推定方法を提供しようとする。

解決手段

軸流圧縮機のエッジセンサ付き静翼20であって、軸流圧縮機のガスダクト内に配置され翼断面を有する柱状部材である静翼本体21と、ガスダクト後方から流れるガスの全圧測定可能な様に圧力計測面が向けられて静翼本体の後縁部に設けられたトレーディングエッジセンサ25とを備える。

概要

背景

圧縮機において、一定の回転数運転しながら、吐出弁をしだいに閉めて流量を減じていくと、ある流量に対して一定の圧力比が得られる。更に流量を減じていくと、いままで静かに運転していた圧縮機が急に圧縮機内で圧力と流れの激しい脈動振動を伴い運転が不安定になり、場合によっては圧縮機全体が振動して運転が危険な状態になる。これをサージ現象という。かかるサージ現象をおこした状態では、圧縮機内の流れは正常運転時とは大きく異なる。例えば、逆流等を伴う複雑な流れが発生する。そこで、従来からサージ現象をおこした圧縮機の内部状況を把握するために、逆流を伴う流れ状態流速流れ角等)を正確に計測することが強く要望されてきた。

特に、ガスダクト内に正常時とは逆の流れが生ずると、片持ち梁である動翼に正常時とは異なる空気荷重が作用する。例えば、正常時とは全く逆の方向に空気荷重が作用し、動翼が正常時とは異なる方向へたわむ。軸流圧縮機設計段階で、この動翼の撓み量を見積もるために、動翼に作用する空気荷重を知る必要が有る。ところで、ガスガスダクトに正常に流れている際の空気荷重を見積もることは、簡単な数値解析により可能である。

以下に、簡単にその数値解析法を、図を基に、説明する。図8は、従来の数値解析のベクトル図であり、動翼の周囲での流れを示す。ここで、輪郭線は、翼の前縁から後縁にかけて複数の円を連ねて出来た包絡線であり、キャンバ線とは、その円の中心を結んだ線をいい、翼の翼形中心線である。入口角とは、前縁部でのキャンバ線の接線と軸方向のなす角をいう。出口角とは、後先部でのキャンバ線の接線と軸方向のなす角をいう。

入射相対速度ベクトルC1のガスが翼の前縁部に入射する。入射相対速度ベクトルC1が軸方向となす角がα1である。入射相対速度ベクトルC1の作用線が翼の前縁部でのキャンバ線の接線に平行すると仮定する。設計通りに作動している翼では、入射相対速度ベクトルの作用線と翼の前縁部でのキャンバ線の接線とのなす角は微小であり、「α1は、翼の入口角に等しくなり、翼型から一意的に定まる」と仮定しても誤差は無視できる。射出相対速度ベクトルC2のガスが翼の後縁部から射出する。射出相対速度ベクトルC2が軸方向となす角がα2である。射出相対速度ベクトルC2の作用線が翼の後縁部でのキャンバ線の接線に平行すると仮定する。設計通りに作動している翼では、射出相対速度ベクトルの作用線と翼の後縁部でのキャンバ線の接線とのなす角は微小であり、「α2は、翼の出口角に等しくなり、翼断面の形状から一意的に定まる」と仮定しても誤差は無視できる。

翼に作用する空力荷重周方向成分をYとし、軸方向成分をXとする。入射相対速度ベクトルの軸方向成分をCx1とし、周方向成分をCy1とする。射出相対速度ベクトルの軸方向成分をCx2とし、周方向成分をCy2とする。翼周りにおいて、軸方向の速度変化はゼロであるので、周方向の力の釣り合いから、軸方向の単位スパン当たりの空力荷重Xは、(数1)となる。

概要

軸流圧縮機においてサージ現象を生じてガスダクト内をガスが逆流した際に動翼に作用する空力荷重を求めるために、エッジセンサ付き静翼とそれを利用した空力荷重推定方法を提供しようとする。

軸流圧縮機のエッジセンサ付き静翼20であって、軸流圧縮機のガスダクト内に配置され翼断面を有する柱状部材である静翼本体21と、ガスダクトの後方から流れるガスの全圧測定可能な様に圧力計測面が向けられて静翼本体の後縁部に設けられたトレーディングエッジセンサ25とを備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

軸流圧縮機エッジセンサ付き静翼(20)であって、軸流圧縮機のガスダクト内に配置され翼断面を有する柱状部材である静翼本体(21)と、前記ガスダクト後方から流れるガス全圧測定可能な様に圧力計測面が向けられて前記静翼本体の後縁部に設けられたトレーディングエッジセンサ(25)と、を備えたことを特徴とするエッジセンサ付き静翼。

請求項2

複数のトレーディングエッジセンサ(25)が前記静翼本体の長手方向に所定間隔で設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエッジセンサ付き静翼。

請求項3

前記ガスダクトの前方から流れるガスの全圧を測定可能な様に圧力計測面が向けられて前記静翼本体の前縁部に設けられたリーディングエッジセンサ(24)を備え、前記トレーディングエッジセンサと前記リーディングエッジセンサとがガスダクト内の略同一流線上に位置する様に静翼本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のエッジセンサ付き静翼。

請求項4

サージ現象発生時の軸流圧縮機において前段静翼と後段静翼とに挟まれ所定の周速度で回転する動翼に作用する空力荷重推定する空力荷重推定方法であって、前段静翼の後縁部での全圧である前段全圧を測定する前段全圧測定工程(S111)と、後段静翼の後縁部での全圧である後段全圧を測定する後段全圧測定工程(S121)と、前段静翼での静圧である前段静圧を測定する前段静圧測定工程(S112)と、後段静翼での静圧である後段静圧を測定する後段静圧測定工程(S122)と、前記前段静圧と前記前段動圧とから演算して前段絶対速度値を求める前段絶対速度値演算工程(S113)と、前記後段静圧と前記後段動圧とから演算して後段絶対速度値を求める後段絶対速度値演算工程(S123)と、前記前段絶対速度値と前記所定の周速度と動翼の翼断面形状とから演算して動翼から射出するガスの射出相対速度ベクトルを求める射出相対速度ベクトル演算工程(S114)と、前記後段絶対速度値と前記所定の周速度と後段静翼の翼断面形状とから演算して動翼に入射するガスの入射相対速度ベクトルを求める入射相対速度ベクトル演算工程(S124)と、入射相対速度ベクトルと射出相対速度ベクトルとから空力荷重値を演算して求める空力荷重演算工程(S130)と、を備えたことを特徴とする空力荷重推定方法。

技術分野

0001

本発明は、軸流圧縮機試験装置試験方法に係る。特にサージ現象を発生した際の軸流圧縮機の内部現象を把握するのに適した試験装置と試験方法に係る。

背景技術

0002

圧縮機において、一定の回転数運転しながら、吐出弁をしだいに閉めて流量を減じていくと、ある流量に対して一定の圧力比が得られる。更に流量を減じていくと、いままで静かに運転していた圧縮機が急に圧縮機内で圧力と流れの激しい脈動振動を伴い運転が不安定になり、場合によっては圧縮機全体が振動して運転が危険な状態になる。これをサージ現象という。かかるサージ現象をおこした状態では、圧縮機内の流れは正常運転時とは大きく異なる。例えば、逆流等を伴う複雑な流れが発生する。そこで、従来からサージ現象をおこした圧縮機の内部状況を把握するために、逆流を伴う流れ状態流速流れ角等)を正確に計測することが強く要望されてきた。

0003

特に、ガスダクト内に正常時とは逆の流れが生ずると、片持ち梁である動翼に正常時とは異なる空気荷重が作用する。例えば、正常時とは全く逆の方向に空気荷重が作用し、動翼が正常時とは異なる方向へたわむ。軸流圧縮機の設計段階で、この動翼の撓み量を見積もるために、動翼に作用する空気荷重を知る必要が有る。ところで、ガスガスダクトに正常に流れている際の空気荷重を見積もることは、簡単な数値解析により可能である。

0004

以下に、簡単にその数値解析法を、図を基に、説明する。図8は、従来の数値解析のベクトル図であり、動翼の周囲での流れを示す。ここで、輪郭線は、翼の前縁から後縁にかけて複数の円を連ねて出来た包絡線であり、キャンバ線とは、その円の中心を結んだ線をいい、翼の翼形中心線である。入口角とは、前縁部でのキャンバ線の接線と軸方向のなす角をいう。出口角とは、後先部でのキャンバ線の接線と軸方向のなす角をいう。

0005

入射相対速度ベクトルC1のガスが翼の前縁部に入射する。入射相対速度ベクトルC1が軸方向となす角がα1である。入射相対速度ベクトルC1の作用線が翼の前縁部でのキャンバ線の接線に平行すると仮定する。設計通りに作動している翼では、入射相対速度ベクトルの作用線と翼の前縁部でのキャンバ線の接線とのなす角は微小であり、「α1は、翼の入口角に等しくなり、翼型から一意的に定まる」と仮定しても誤差は無視できる。射出相対速度ベクトルC2のガスが翼の後縁部から射出する。射出相対速度ベクトルC2が軸方向となす角がα2である。射出相対速度ベクトルC2の作用線が翼の後縁部でのキャンバ線の接線に平行すると仮定する。設計通りに作動している翼では、射出相対速度ベクトルの作用線と翼の後縁部でのキャンバ線の接線とのなす角は微小であり、「α2は、翼の出口角に等しくなり、翼断面の形状から一意的に定まる」と仮定しても誤差は無視できる。

0006

翼に作用する空力荷重周方向成分をYとし、軸方向成分をXとする。入射相対速度ベクトルの軸方向成分をCx1とし、周方向成分をCy1とする。射出相対速度ベクトルの軸方向成分をCx2とし、周方向成分をCy2とする。翼周りにおいて、軸方向の速度変化はゼロであるので、周方向の力の釣り合いから、軸方向の単位スパン当たりの空力荷重Xは、(数1)となる。

0007

0008

また、力のつり合いから、周方向の単位スパン当たりの空力荷重Yは、(数2)となる。

0009

0010

従って、翼に作用する空力荷重を翼型と翼列ピッチと翼に流れる軸方向速度により、一意的に求めることができる。もちろん、この解析方法により求めた空力荷重は一次解であり、より正確な空力荷重は実験により確認される。

発明が解決しようとする課題

0011

上述の数値解析法の場合、ガスがガスダクト内を設計で狙ったとおりに流れることを前提としており、サージ現象を生じてガスがガスダクト内を逆流する場合に翼に作用する空力荷重を求めるのには利用できないという問題があった。特に動翼に作用する空力荷重を知ることは極めて困難であった。

0012

本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、軸流圧縮機においてサージ現象を生じてガスダクト内をガスが逆流した際に動翼に作用する空力荷重を求めるために、エッジセンサ付き静翼とそれを利用した空力荷重推定方法を提供しようとする。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するため、本発明に係る軸流圧縮機のエッジセンサ付き静翼は、軸流圧縮機のガスダクト内に配置され翼断面を有する柱状部材である静翼本体(21)と、前記ガスダクトの後方から流れるガスの全圧測定可能な様に圧力計測面が向けられて前記静翼本体の後縁部に設けられたトレーディングエッジセンサ(25)と、を備えたものとした。

0014

上記本発明の構成により、翼断面を有する柱状部材である静翼本体(21)が軸流圧縮機のガスダクト内に配置され、前記静翼本体の後縁部に設けられるトレーディングエッジセンサ(25)が前記ガスダクトの後方から流れるガスの全圧を測定可能な様に圧力計測面が向けられているので、サージ現象を起こしてガスが逆流した際に静翼本体の後縁の周囲での全圧をリアルタイムに測定できる。

0015

さらに、本発明に係るエッジセンサ付き静翼は、複数のトレーディングエッジセンサ(25)が前記静翼本体の長手方向に所定間隔で設けられているものとした。上記本発明の構成により、複数のトレーディングエッジセンサ(25)が前記静翼本体(21)の長手方向に所定間隔で設けられているので、サージ現象を起こしてガスが逆流した際に静翼本体の後縁の周囲での柱状部材の長手方向の複数の全圧をリアルタイムに測定でき、全圧の分布を知ることが出来る。

0016

さらに、本発明に係るエッジセンサ付き静翼は、前記ガスダクトの前方から流れるガスの全圧を測定可能な様に圧力計測面が向けられて前記静翼本体の前縁部に設けられたリーディングエッジセンサ(24)を備え、前記トレーディングエッジセンサと前記リーディングエッジセンサとがガスダクト内の略同一流線上に位置する様に静翼本体に取り付けられているものとした。上記本発明の構成により、静翼本体(21)の前縁部に設けられたリーディングエッジセンサ(24)がガスダクトの前方から流れるガスの全圧を測定可能な様に圧力計測面が向けられ、トレーディングエッジセンサ(25)とリーディングエッジセンサ(24)とがガスダクト内の同一流線上に位置する様に静翼本体に取り付けられているので、エッジセンサがガスの流れを乱すことなく圧力を測定でき、サージ現象を起こしてガスが逆流した際に静翼本体の後縁の周囲での柱状部材の長手方向の順方向と逆方向の全圧をリアルタイムに測定でき、全圧の変化を知ることが出来る。

0017

上記目的を達成するため、本発明に係るサージ現象発生時の軸流圧縮機において前段静翼と後段静翼とに挟まれ所定の周速度で回転する動翼に作用する空力荷重を推定する空力荷重推定方法は、前段静翼の後縁部での全圧である前段全圧を測定する前段全圧測定工程(S111)と、後段静翼の後縁部での全圧である後段全圧を測定する後段全圧測定工程(S121)と、前段静翼での静圧である前段静圧を測定する前段静圧測定工程(S112)と、後段静翼での静圧である後段静圧を測定する後段静圧測定工程(S122)と、前記前段静圧と前記前段動圧とから演算して前段絶対速度値を求める前段絶対速度値演算工程(S113)と、前記後段静圧と前記後段動圧とから演算して後段絶対速度値を求める後段絶対速度値演算工程(S123)と、前記前段絶対速度値と前記所定の周速度と動翼の翼断面形状とから演算して動翼から射出するガスの射出相対速度ベクトルを求める射出相対速度ベクトル演算工程(S114)と、前記後段絶対速度値と前記所定の周速度と後段静翼の翼断面形状とから演算して動翼に入射するガスの入射相対速度ベクトルを求める入射相対速度ベクトル演算工程(S124)と、入射相対速度ベクトルと射出相対速度ベクトルとから空力荷重値を演算して求める空力荷重演算工程(S130)とを備えたものとした。

0018

上記本発明の構成により、前段全圧測定工程(S111)において前段静翼の後縁部での全圧である前段全圧を測定し、後段全圧測定工程(S121)において後段静翼の後縁部での全圧である後段全圧を測定し、前段静圧測定工程(S112)において前段静翼での静圧である前段静圧を測定し、後段静圧測定工程(S122)において後段静翼での静圧である後段静圧を測定し、前段絶対速度値演算工程(S113)において前記前段静圧と前記前段動圧とから演算して前段絶対速度値を求め、後段絶対速度値演算工程(S123)において前記後段静圧と前記後段動圧とから演算して後段絶対速度値を求め、射出相対速度ベクトル演算工程(S114)において前記前段絶対速度値と前記所定の周速度と動翼の翼断面形状とから演算して動翼から射出するガスの射出相対速度ベクトルを求め、入射相対速度ベクトル演算工程(S124)において前記後段絶対速度値と前記所定の周速度と後段静翼の翼断面形状とから演算して動翼に入射するガスの入射相対速度ベクトルを求め、空力荷重演算工程(S130)において入射相対速度ベクトルと射出相対速度ベクトルとから空力荷重値を演算して求めるので、前段全圧と前段静圧と後段全圧と後段静圧とを測定することにより、周速と動翼の翼断面形状と静翼の翼断面形状とから、動翼の周囲を流れるガスの入射相対速度ベクトルと射出相対速度ベクトルとを得ることが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。

0020

本発明の実施形態に係るエッジセンサ付静翼の構造を説明する。図1は、本発明の実施形態の全体図である。図2は、本発明の実施形態の側面図である。図3は、本発明の実施形態の平面断面図である。

0021

最初に、エッジセンサ付静翼を用いた軸流圧縮機の構造を説明する。この軸流圧縮機は、主に試験に用いられるものである。軸流圧縮機は、複数の動翼10と複数のエッジセンサ付静翼20と壁圧センサ30と静圧トランスデユーサ40と全圧トランスデユーサ50とロータ60とケーシング70とを備える。

0022

ケーシング70は、軸流圧縮機の外形を形つくるものであり、エッジセンサ付静翼20を支持する。ロータ60は、ケーシング70内に回転自在に設けられ、動翼10を支持する。ケーシング70とロータ60とで挟まれた空間がガスダクト80を形成する。ガスダクト80はガスが流れる通路である。説明の便宜のために、正常運用時のガスダクト80内をガスの流れ方向を順方向といい、その反対側へ流れる方向を逆方向という。壁圧センサ30は、ケーシング70のガスダクト80に面する壁付近の静圧を測定する圧力センサであり、ケーシング70の内壁の各動翼と各静翼の隙間の位置に設けられる。静圧トランスデユーサ40は、壁圧センサ30から導圧配管を介して導かれた圧力を電気信号に変換する装置である。

0023

複数の静翼段と複数の動翼段とがガスダクト80内の軸方向に交互に並べられる。一段の静翼段には、所定の数のエッジセンサ付静翼20が円周に沿って所定の間隔で並べられる。静翼段では、エッジセンサ付静翼20の後述するアウターバンド22とインナーバンド23とがガスダクト80を挟む。一段の動翼段には、所定の数の動翼10が円周に沿って所定の間隔で並べられる。動翼段では、動翼10のロータとの取付部とケーシング70の内壁とがガスダクト80を挟む。

0024

エッジセンサ付静翼20は、ガスダクト内の温度、圧力を計測することのできる静翼であって、静翼本体21とアウターバンド22とインナーバンド23とリーディングエッジセンサ24とトレーディングエッジセンサ25と導圧配管26とを有する。

0025

静翼本体21は、翼断面を有する柱状部材であり、一端を後述するアウターバンド22に固定し、他端を後述するインナーバンド23に固定する。静翼本体の翼断面形状の順方向に流れるガスの上流側端部を先縁(リーディングエッジ)といい、下流側端部を後縁(トレーディングエッジ)という。

0026

アウターバンド22は、ガスダクト内に配置されたエッジセンサ付静翼20の外周側に設けられた板であり、ガスダクトを外側から囲う外周円環の一部を構成する。インナーバンド23は、ガスダクト内に配置されたエッジセンサ付静翼20の内周側に設けられた板であり、ガスダクトを内側から囲う内周円環の一部を構成する。

0027

リーディングエッジセンサ24は、前記ガスダクトの前方から流れるガスの全圧を測定可能な様に圧力計測面が向けられて前記静翼本体の先縁部に設けられたセンサである。例えば、リーディングエッジセンサ24の圧力計測面は、翼断面のキャンバ線Aの先縁での接線に沿って順方向上流側に向いている。

0028

トレーディングエッジセンサ25は、前記ガスダクトの後方から流れるガスの全圧を測定可能な様に圧力計測面が向けられて前記静翼本体の後縁部に設けられたセンサである。例えば、トレーディングエッジセンサ25の圧力計側面は、翼断面のキャンバ線Aの後縁での接線に沿って順方向下流側に向いている。複数のトレーディングエッジセンサ25が、静翼本体21の先縁に沿って、所定の間隔で設けられる。リーディングエッジセンサ24またはトレーディングエッジセンサ25では、一般的に圧力計測面に垂直な線を中心に所定の円錐角の範囲で全圧を測定可能である。所定の角度は、例えば、±30℃である。複数のリーディングエッジセンサ24が、静翼本体21の後縁に沿って、所定の間隔で設けられる。トレーディングエッジセンサ25とリーディングエッジセンサ24とは、ガスダクト内の同一流線上に位置する様に静翼本体21に取り付けられているのが好ましい。全圧トランスデユーサ50は、リーディングエッジセンサ24またはトレーディングエッジセンサ25から導圧配管を介して導かれた圧力を電気信号に変換する装置である。

0029

次に、このエッジセンサ付き静翼20を用いて、サージ現象を生じてガスがガスダクト内を逆流した際の、動翼10に作用する空力荷重を推定する空力荷重推定方法と、その推定した空力荷重を使用して動翼の撓みを計算する動翼撓み計算方法を説明する。

0030

最初に、空力荷重推定方法の実施形態を、図を基に、説明する。図4は、本発明の実施形態の手順図である。図5は、本発明の実施形態の数値流れ図である。空力荷重推定方法S110は、サージ現象発生時の軸流圧縮機において前段静翼と後段静翼とに挟まれ所定の周速度で回転する動翼に作用するガスによる空力荷重を推定する方法であって、前段全圧測定工程S111と後段全圧測定工程S121と前段静圧測定工程S112と後段静圧測定工程S122と前段絶対速度値演算工程S113と後段絶対速度値演算工程S123と射出相対速度ベクトル演算工程S114と入射相対速度ベクトル演算工程S124と出口角演算工程S115と入口角演算工程S125と空力荷重演算工程S130とを備える。

0031

前段全圧測定工程S111は、前段静翼の後縁部での全圧である前段全圧を測定する工程である。前段全圧測定工程S111では、前段静翼の後縁部での全圧である前段全圧を測定するために、前段のエッジセンサ付静翼20の後縁に設けられたトレーディングエッジセンサ25により逆流するガスの動圧を測定する。

0032

後段全圧測定工程はS121は、後段静翼の後縁部での全圧である後段全圧を測定する工程である。後段全圧測定工程はS121では、後段静翼の後縁部での全圧である後段全圧を測定するために、後段のエッジセンサ付静翼20の後縁に設けられたトレーディングエッジセンサ25により逆流するガスの動圧を測定する。

0033

前段静圧測定工程S112は、前段静翼での静圧である前段静圧を測定する工程である。前段静圧測定工程S112では、前段静翼での静圧である前段静圧を測定するために、前段静翼と動翼の隙間の位置に設けられた壁圧センサ30によりケーシング内壁付近の静圧を測定する。

0034

後段静圧測定工程S122は、後段静翼での静圧である後段静圧を測定する工程である。後段静圧測定工程S122では、後段静翼での静圧である後段静圧を測定するために、後段静翼と動翼の隙間の位置に設けられた壁圧センサによりケーシングの内壁付近の静圧を測定する。

0035

前段絶対速度値演算工程S113は、前記前段静圧と前記前段動圧とから演算して前段絶対速度値を求める工程である。前段絶対速度値演算工程S113では、前記前段静圧と前記前段動圧とから演算して前段絶対速度値を求めるために、前段静翼後縁部の全圧から前段静翼後縁部の静圧を引いて得られた差圧を前段静翼後縁部での絶対速度値に換算する。

0036

後段絶対速度値演算工程S123は、前記後段静圧と前記後段動圧とから演算して後段絶対速度値を求める工程である。後段絶対速度値演算工程S123では、前記後段静圧と前記後段動圧とから演算して後段絶対速度値を求めるために、後段静翼後縁部の全圧から後段静翼前縁部の静圧を引いて得られた差圧を後段静翼前縁部での絶対速度値に換算する。ここで、後段静翼前縁部の全圧を得ることができない場合があるので、後段静翼前縁部の全圧のかわりに後段静翼後縁部の全圧を用いるが、静翼を逆流するガスの圧力損失は小さいので、大きな誤差にならない。

0037

射出相対速度ベクトル演算工程S114は、前記動翼の前の位置での絶対速度値と前記動翼の周速と動翼の翼断面形状とから演算して動翼から射出するガスの射出相対速度ベクトルを求める工程である。射出相対速度ベクトル演算工程S114では、動翼のキャンバ線Aの先縁での接線に平行で前側へ向いたベクトルを射出相対速度ベクトルであると仮定して、射出絶対速度ベクトルの絶対値が動翼の前の位置での絶対速度値であるので、射出相対速度ベクトル=射出絶対速度ベクトル+周速ベクトルの関係から、射出相対速度ベクトルを求める。

0038

入射相対速度ベクトル演算工程S124は、前記動翼の後の位置の絶対速度値と前記動翼の周速と前記後段の静翼の翼断面形状とから演算して動翼に入射するガスの入射相対速度ベクトルを求める工程である。入射相対速度ベクトル演算工程S124では、後段静翼のキャンバ線Aの先縁での接線に平行で前側へ向き、絶対値が動翼の後の位置の絶対速度値であるベクトルを入射絶対速度ベクトルであると仮定して、入射相対速度ベクトル=入射絶対速度ベクトル+周速ベクトルの関係から、入射相対速度ベクトルを求める。

0039

出口角演算工程S115は、射出相対速度ベクトルを演算して逆方向へ流れるガスの動翼に対する出口角を求める工程である。出口角演算工程S115では、射出相対速度ベクトルを演算して逆方向へ流れるガスの動翼に対する出口角を求めるために、射出相対速度ベクトルと軸方向とのなす角を求め、出口角とする。

0040

入口角演算工程S125は、入射相対速度ベクトルを演算して逆方向に流れるガスの動翼に対する入口角を求める工程である。入口角演算工程S125では、入射相対速度ベクトルを演算して逆方向に流れるガスの動翼に対する入口角を求めるために、入射相対速度ベクトルと軸方向とのなす角を求め、入口角とする。

0041

空力荷重演算工程S130は、動翼を前記入口角を持った前縁と前記出口角を持った後縁とで構成された翼断面を有する柱状部材であると仮定して、動翼に作用する空力荷重値を演算して求める工程である。空力荷重演算工程S130では、動翼を前記入口角を持った前縁と前記出口角を持った後縁とで構成された翼断面を有する柱状部材であると仮定して、動翼に作用する空力荷重値を演算して求めるために、従来技術で説明した周知の数値解析法を用いて、動翼に作用するスパン方向単位長さ当たりの空気荷重を求める。

0042

0043

0044

この方法により、エッジセンサ付き静翼のエッジセンサが設けられたスパン位置での動翼に作用するスパン単位長さ当たりの空気荷重を求めることができる。

0045

次に、その推定した空力荷重を使用して動翼の撓みを計算する動翼撓み計算方法の実施形態を、説明する。ここで、スパン位置を無次元化し、動翼の根元を0%とし、チップ先端を100%とする。先に説明した動翼に作用する空力荷重を推定する空力荷重推定方法により、スパン25%、50%、75%の位置での空力荷重をX(25%)、Y(25%)、X(50%)、Y(50%)、X(75%)、Y(75%)であるとする。エッジセンサ付き静翼のエッジセンサが設けられたスパン位置での動翼に作用するスパン単位長さ当たりの空気荷重から、動翼の撓みを求める方法を説明する。動翼撓み計算方法S140は、スパン単位空力荷重演算工程S141とスパン単位分布空力荷重演算工程S142と有限要素法撓み演算工程S143を備える。

0046

スパン単位空力荷重演算工程S141は、任意のスパン位置での空力荷重を演算する工程である。スパン単位空力荷重演算工程では、任意のスパン位置での空力荷重を演算するために、XとYに付きそれぞれ、X(25%)、Y(25%)、X(50%)、Y(50%)、X(75%)、Y(75%)の値を満足する近似線を求める。近似線により、任意のスパン位置での空力荷重X(n%)、Y(n%)が得られる。

0047

スパン単位分布空力荷重演算工程S142は、任意のスパン位置での空力荷重X(n%)、Y(n%)から動翼に作用する分布空力荷重を求める工程である。スパン単位等分布空力荷重演算工程S142では、任意のスパン位置での空力荷重X(n%)、Y(n%)から動翼に作用する分布空力荷重を求めるために、n%での翼断面のコード長さまたはキャンバ線長さを求め、
空力分布荷重ΔX(n%)=空力荷重X(n%)/(コード長さまたはキャンバ線長さ)
空力分布荷重ΔY(n%)=空力荷重Y(n%)/(コード長さまたはキャンバ線長さ)
により、空力分布荷重ΔX(n%)、ΔY(n%)を求める。

0048

有限要素法撓み演算工程S143は、動翼の数値モデルに、空力分布荷重ΔX(n%)、ΔY(n%)を作用した際の動翼の撓みをコンピュータによる有限要素法プログラムにより演算し求める。

0049

上述の実施形態のエッジセンサ付静翼を用いれば、サージ現象によりガスが逆流した際の動圧をリアルタイムに計測できる。また、複数のトレーディングエッジセンサが付いているので、スパン方向の動圧の分布を測定することができる。また、トレーディングエッジセンサと前記リーディングエッジセンサとが同一流線上に位置しているので、サージ現象発生前からサージ現象発生後までのガスダクト内のガスの動圧をなるべく圧力損失を少なくした状態でリアルタイムに測定できる。また、空力荷重推定方法により、サージ現象が発生し、ガスが逆流した際に動翼に作用する空力荷重を簡便に精度良く推定できる。また、動翼撓み推定方法により、サージ現象が発生し、ガスが逆流した際に動翼の撓み量を簡便に精度良く推定できる。

0050

本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。

発明の効果

0051

以上説明したように本発明のサージ現象発生時の軸流圧縮機の動翼に作用する空力荷重を推定する空力荷重推定方法は、その構成により、以下の効果を有する。

0052

静翼の後縁にトレーディングエッジセンサを設けたので、サージ現象を起こしてガスが逆流した際に静翼本体の後縁の周囲での全圧をリアルタイムに測定できる。また、複数のトレーディングエッジセンサを設けたので、サージ現象を起こしてガスが逆流した際に静翼本体の後縁の周囲での柱状部材の長手方向の複数の全圧をリアルタイムに測定でき、全圧の分布を知ることが出来る。

0053

また、トレーディングエッジセンサとリーディングエッジセンサとを同一流線上に並べたので、エッジセンサがガスの流れを乱すことなく圧力を測定でき、サージ現象を起こしてガスが逆流した際に静翼本体の後縁の周囲での柱状部材の長手方向の順方向と逆方向の全圧をリアルタイムに測定でき、全圧の変化を知ることが出来る。

0054

また、前段全圧と前段静圧と後段全圧と後段静圧とを測定することにより、周速と動翼のキャンバ線と静翼のキャンバ線とから、動翼の周囲を流れるガスの入射相対速度ベクトルと射出相対速度ベクトルとを得ることが出来る。

0055

従って、サージ現象を生じてガスダクト内をガスが逆流した際に動翼に作用する空力荷重を求めるために、エッジセンサ付き静翼とそれを利用した空力荷重推定方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0056

図1本発明の実施形態の概念図である。
図2本発明の実施形態の側面図である。
図3本発明の実施形態の平面断面図である。
図4本発明の実施形態の手順図である。
図5本発明の実施形態の数値流れ図である。
図6本発明の実施形態のベクトル図その1である。
図7本発明の実施形態のベクトル図その2である。
図8従来の数値解析のベクトル図である。

--

0057

10動翼
20エッジセンサ付静翼
21 静翼本体
22アウターバンド
23インナーバンド
24リーディングエッジセンサー
25トレーディングエッジセンサ
26導圧配管
30壁圧センサ
40静圧トランスデューサ
50全圧トランスデューサ
A キャンバ線

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